(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082968
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
B41J 11/70 20060101AFI20240613BHJP
B26D 1/08 20060101ALI20240613BHJP
B26D 3/08 20060101ALI20240613BHJP
B26D 7/06 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
B41J11/70
B26D1/08
B26D3/08 Z
B26D7/06 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197209
(22)【出願日】2022-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001623
【氏名又は名称】弁理士法人真菱国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 一貴
【テーマコード(参考)】
2C058
3C027
【Fターム(参考)】
2C058AB16
2C058AC06
2C058AE04
2C058AF35
2C058AF37
2C058AF51
2C058LA03
2C058LA26
2C058LA35
2C058LB09
2C058LB17
3C027JJ04
3C027JJ12
3C027JJ17
(57)【要約】
【課題】記録紙が排出口から引き戻されるときに、送りローラーとカッターとの間に設けられたガイド部に記録紙が引っ掛かることを抑制することができる印刷装置を提供する。
【解決手段】ガイド部43Aは、カッターにより記録紙101が切断された後で送りローラーにより記録紙101が+Y方向に送られるときに切残し箇所107が通過する第1ガイド部45と、カッターにより記録紙101が切断された後で送りローラーにより記録紙101が+Y方向に送られるときに切断箇所105が通過する第2ガイド部47と、を有し、第2ガイド部47は、第1ガイド部45に対して、-Z方向に位置する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録紙を、排出口に向かう第1方向と、前記第1方向とは反対の第2方向と、に送ることができる送りローラーと、
前記送りローラーと前記排出口との間に設けられ、前記第1方向と交差する第3方向において前記記録紙に切断箇所と切残し箇所とを形成するように、前記記録紙を切断するカッターと、
前記送りローラーと前記カッターとの間に設けられたガイド部材と、を備え、
前記送りローラーおよび前記ガイド部材は、前記送りローラーと前記カッターとの間を送られる前記記録紙に対して、第4方向に位置し、
前記第4方向とは反対の第5方向における前記ガイド部材の端部であるガイド部は、前記カッターにより前記記録紙が切断された後で前記送りローラーにより前記記録紙が前記第2方向に送られるときに前記切残し箇所が通過する第1ガイド部と、前記カッターにより前記記録紙が切断された後で前記送りローラーにより前記記録紙が前記第2方向に送られるときに前記切断箇所が通過する第2ガイド部と、を有し、
前記第2ガイド部は、前記第1ガイド部に対して、前記第4方向に位置することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記第2ガイド部は、前記第2ガイド部において前記第1ガイド部側の端部である第2Aガイド端部が、前記第2ガイド部において前記第1ガイド部とは反対側の端部である第2Bガイド端部に対して前記第5方向に位置するように、傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記ガイド部は、前記第2ガイド部に対して前記第1方向に設けられた第1傾斜部、を有し、
前記第1傾斜部は、前記第1傾斜部において前記第2方向の端部である第1A傾斜端部が、前記第1傾斜部において前記第1方向の端部である第1B傾斜端部に対して前記第5方向に位置するように、傾斜していることを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記カッターは、第1刃と、前記第4方向および前記第5方向に移動可能な第2刃と、を有し、
前記第2刃は、前記送りローラーと前記カッターとの間を送られる前記記録紙に対して、前記第4方向に位置し、
前記第2刃の刃先において、前記第2Bガイド端部と前記第3方向において同じ位置に位置する部位を、第2刃先部といい、
前記第2Bガイド端部は、前記第4方向において前記第2刃先部と同じ位置に位置していることを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記ガイド部は、前記第1ガイド部に対して前記第2方向に設けられた第2傾斜部、を有し、
前記第2傾斜部は、前記第2傾斜部において前記第1方向の端部である第2A傾斜端部が、前記第2傾斜部において前記第2方向の端部である第2B傾斜端部に対して前記第5方向に位置するように、傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記カッターは、前記切残し箇所を2つの前記切断箇所の間に形成し、
前記第1ガイド部は、2つの前記第2ガイド部の間に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1が開示するように、記録紙を送るプラテンローラーと、プラテンローラーと排出口との間に設けられたカッターと、プラテンローラーとカッターとの間に設けられたガイド部材とを備えた印刷装置が知られている。プラテンローラーは、記録紙を排出口に向かう第1方向と、第1方向とは反対の第2方向とに送ることができる。カッターは、記録紙に切断箇所と切残し箇所とを形成するように、記録紙を切断する。ガイド部材は、記録紙の先端がプラテンローラーとカッターとの間に進入することを抑制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カッターにより記録紙が切断された後、切断箇所および切残し箇所に対して第1方向の部位である第1記録紙部が、切断箇所および切残し箇所に対して第2方向の部位とつながった状態で、記録紙が第2方向に送られると、第1記録紙部が、カッターとプラテンローラーとの間に設けられたガイド部材に引っ掛かってしまうおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の印刷装置は、記録紙を、排出口に向かう第1方向と、第1方向とは反対の第2方向と、に送ることができる送りローラーと、送りローラーと排出口との間に設けられ、第1方向と交差する第3方向において記録紙に切断箇所と切残し箇所とを形成するように、記録紙を切断するカッターと、送りローラーとカッターとの間に設けられたガイド部材と、を備え、送りローラーおよびガイド部材は、送りローラーとカッターとの間を送られる記録紙に対して、第4方向に位置し、第4方向とは反対の第5方向におけるガイド部材の端部であるガイド部は、カッターにより記録紙が切断された後で送りローラーにより記録紙が第2方向に送られるときに切残し箇所が通過する第1ガイド部と、カッターにより記録紙が切断された後で送りローラーにより記録紙が第2方向に送られるときに切断箇所が通過する第2ガイド部と、を有し、第2ガイド部は、第1ガイド部に対して、第4方向に位置する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図2】印刷装置をYZ平面に平行な面で切断した断面図である。
【
図3】第1実施形態に係るガイド部を含む印刷装置をXZ平面に平行な面で切断した断面図である。
【
図4】カッターにより切断された記録紙を示す図である。
【
図5】第1実施形態に係るガイド部の斜視図である。
【
図6】第1実施形態に係るガイド部を+Z方向から見た図である。
【
図7】第1実施形態に係るガイド部を+Y方向から見た図である。
【
図8】第1実施形態に係るガイド部を-X方向から見た図である。
【
図9】比較例に係るガイド部を含む印刷装置をXZ平面に平行な面で切断した断面図である。
【
図10】第2実施形態に係るガイド部を含む印刷装置をXZ平面に平行な面で切断した断面図である。
【
図11】第2実施形態に係るガイド部の斜視図である。
【
図12】第2実施形態に係るガイド部を+Z方向から見た図である。
【
図13】第2実施形態に係るガイド部を+Y方向から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付の図面を参照して、印刷装置の一実施形態である印刷装置1について説明する。印刷装置1は、例えばレシートプリンターとして用いられる。なお、以下では、各図に示したXYZ直交座標系による方向を用いて説明するが、これらの方向は説明の便宜上のものにすぎず、以下の実施形態を何ら限定するものではない。また、各構成要素の個数は、例示にすぎず、以下の実施形態を何ら限定するものではない。
【0008】
[印刷装置の外観構成]
図1に基づいて、印刷装置1の外観構成について説明する。印刷装置1は、装置ケース3を備えている。装置ケース3は、略直方体の箱状に形成されており、印刷装置1の外殻を構成している。
【0009】
装置ケース3は、ケース本体5と、開閉カバー7とを備えている。ケース本体5は、-Y方向の面が開放された略直方体状に形成されている。開閉カバー7は、後述するロール紙収容部15(
図2参照)を開閉する。開閉カバー7は、カバー回動軸9(
図2参照)に回動可能に取り付けられている。
【0010】
装置ケース3の-Y方向の面には、排出口11が設けられている。排出口11は、X方向に長い略長方形状に形成されている。排出口11は、開閉カバー7の先端部、すなわち開閉カバー7の+Z方向の端部と、ケース本体5との間に設けられている。排出口11からは、印刷された記録紙101(
図2参照)が排出される。
【0011】
ケース本体5の-Y方向の面には、-X方向且つ+Z方向の隅部に位置して、オープンレバー13が設けられている。ユーザーは、オープンレバー13を操作することで、開閉カバー7を開けることができる。
【0012】
[印刷装置の内部構成]
図2および
図3に基づいて、印刷装置1の内部構成について説明する。装置ケース3内には、ロール紙収容部15が設けられている。ロール紙収容部15は、印刷媒体となる記録紙101が巻かれたロール紙103を収容可能である。ロール紙収容部15には、ロール紙103の回転軸方向がX方向と平行になるように、ドロップイン方式でロール紙103が投入される。ロール紙収容部15に収容可能なロール紙103の最大幅、すなわちロール紙103のX方向における最大寸法は、例えば80mmである。記録紙101としては、例えば感熱紙が用いられる。
【0013】
印刷装置1は、プラテンローラー17と、サーマルヘッド19と、カッター21と、ガイド部材23とを備えている。カッター21は、固定刃25と可動刃ユニット27とを備えている。プラテンローラー17、ガイド部材23および可動刃ユニット27は、開閉カバー7の内側に設けられており、開閉カバー7が閉められた状態では、プラテンローラー17とカッター21との間を送られる記録紙101に対して、-Z方向に位置する。サーマルヘッド19および固定刃25は、ケース本体5内に設けられており、プラテンローラー17とカッター21との間を送られる記録紙101に対して、+Z方向に位置する。
【0014】
プラテンローラー17は、回転軸方向がX方向となるように回転可能に設けられている。プラテンローラー17は、サーマルヘッド19に対して-Z方向に位置し、サーマルヘッド19と対向する。プラテンローラー17は、ロール紙収容部15に収容されたロール紙103から引き出された記録紙101を、サーマルヘッド19との間で挟持する。なお、ロール紙収容部15から排出口11へ至る記録紙101の送り経路において、プラテンローラー17およびサーマルヘッド19が記録紙101を挟持する位置を、挟持位置Aという。
【0015】
プラテンローラー17は、サーマルヘッド19との間で挟持した記録紙101を、排出口11に向かう方向すなわち-Y方向と、-Y方向とは反対の+Y方向と、に送ることができる。プラテンローラー17は、図示省略した送りモーターを駆動源として、第1回転方向Cおよび第1回転方向Cとは反対の第2回転方向Dに回転可能である。プラテンローラー17が第1回転方向Cに回転すると、記録紙101が-Y方向に送られ、プラテンローラー17が第2回転方向Dに回転すると、記録紙101が+Y方向に送られる。なお、プラテンローラー17が記録紙101を-Y方向に送ること、すなわち記録紙101を排出口11へ向けて送ること、をフォアフィードともいう。また、プラテンローラー17が記録紙101を+Y方向に送ること、すなわち記録紙101を排出口11から装置ケース3内に引き戻すように送ること、をバックフィードともいう。
【0016】
サーマルヘッド19は、複数の発熱素子(図示省略)を備えており、PCやタブレット端末などの外部装置から受信された印刷データに基づいて発熱することで、ロール紙103から引き出された記録紙101に印刷画像を印刷する。
【0017】
カッター21は、プラテンローラー17と排出口11との間に設けられている。カッター21は、印刷終了時に、-Y方向と交差する方向、すなわちX方向、に記録紙101を切断する。これにより、記録紙101が、印刷画像の後方で、紙幅方向Eに切断される。なお、紙幅方向Eとは、記録紙101の幅方向を意味する。また、記録紙101の送り経路において、カッター21が記録紙101を切断する位置を、切断位置Bという。切断位置Bは、挟持位置Aと排出口11との間に位置する。
【0018】
カッター21は、上述したように、固定刃25と、可動刃ユニット27とを備えている。固定刃25は、ケース本体5内に設けられたフレーム29に固定されている。固定刃25の-Z方向の端部には、固定刃側刃先31が設けられている。固定刃側刃先31は、X方向に延在しており、直線状に形成されている(
図3参照)。
【0019】
可動刃ユニット27は、可動刃33と、カッターモーター(図示省略)とを備えている。可動刃33は、固定刃25に対して-Z方向に位置し、固定刃25と対向する。可動刃33は、固定刃25から離れた待機位置と、固定刃25に切り込んだ切込み位置と、の間でZ方向に移動可能である。可動刃33は、切断動作時を除き、待機位置に位置しており、切断動作時には、待機位置から切込み位置へ+Z方向に移動し、固定刃25との間で記録紙101を切断した後、切込み位置から-Z方向に移動し、待機位置へ戻る。なお、固定刃25を第1刃、可動刃33を第2刃と記載してもよい。
【0020】
図3に示すように、可動刃33は、-Y方向から見て略「Y」字状の板状に形成されている。可動刃33の+Z方向の端部には、可動刃側刃先35が設けられている。可動刃側刃先35は、X方向に延在しており、略「V」字状に形成されている。可動刃側刃先35は、2つの刃部37と、2つの刃部37の間に設けられた切欠き部39とを備えている。切欠き部39は、略「V」字状に形成された可動刃側刃先35の角部、すなわちX方向における可動刃側刃先35の略中央部、に設けられている。また、可動刃側刃先35において、後述する第2Bガイド端部55とX方向において同じ位置に位置する部位を、第2刃先部41という。本実施形態では、第2刃先部41は、可動刃側刃先35のX方向両端部に相当する。
【0021】
図4に示すように、カッター21は、X方向すなわち紙幅方向Eにおいて記録紙101に2つの切断箇所105と切残し箇所107とを形成するように、記録紙101を切断する。すなわち、カッター21は、紙幅方向Eにおいて記録紙101の一部を残して記録紙101を切断する。換言すれば、記録紙101において、可動刃側刃先35の2つの刃部37に相当する箇所に、2つの切断箇所105が形成され、可動刃側刃先35の切欠き部39に相当する箇所に、切残し箇所107が形成される。このため、2つの切断箇所105は、固定刃側刃先31および可動刃側刃先35の延在方向であるX方向、すなわち紙幅方向E、に延在する直線状に形成される。また、切残し箇所107は、2つの切断箇所105の間、すなわち紙幅方向Eにおいて記録紙101の略中央部、に形成される。
【0022】
なお、切断箇所105および切残し箇所107が形成された記録紙101において、切断箇所105および切残し箇所107に対して記録紙101の先端側の部位を、第1記録紙部109といい、切断箇所105および切残し箇所107に対してロール紙103側の部位を、第2記録紙部111という。また、第1記録紙部109において、切断箇所105の縁部であって紙幅方向Eにおける両端部を、切断端部113という。
【0023】
第1記録紙部109は、切残し箇所107を介して第2記録紙部111とつながっている。このため、第1記録紙部109は、排出口11から落下することなく、排出口11に留まる。ユーザーが排出口11から装置ケース3外に出ている第1記録紙部109を取り出すと、切残し箇所107が千切れ、第1記録紙部109が第2記録紙部111から分離される。取り出された第1記録紙部109は、例えばレシートとして利用される。なお、ユーザーが複数の第1記録紙部109を互いに連なった状態で利用することを希望する場合などには、ユーザーにより第1記録紙部109が取り出されることなく、第1記録紙部109が第2記録紙部111とつながった状態のまま、次の印刷が行われる。
【0024】
なお、プラテンローラー17が記録紙101を+Y方向に送るのは、例えば以下の場合である。すなわち、プラテンローラー17は、カッター21により記録紙101が切断された後、次の印刷で印刷される印刷画像の前方に生じる余白を少なくするために、挟持位置Aと切断位置Bとの間の距離と略同じ長さだけ記録紙101を+Y方向に送る。これにより、切断位置Bに位置していた記録紙101の先端が、第1記録紙部109が第2記録紙部111とつながっている場合には第2記録紙部111の先端が、挟持位置Aに位置する。
【0025】
ガイド部材23は、プラテンローラー17と可動刃ユニット27との間から、-Z方向に延在している。ガイド部材23は、上述したように、プラテンローラー17とカッター21との間を送られる記録紙101に対して、-Z方向、すなわちプラテンローラー17と同じ側、に位置している。
【0026】
ガイド部材23の+Z方向の端部を、ガイド部43という。ガイド部43は、X方向に延在しており、X方向におけるガイド部43の寸法は、ロール紙収容部15に収容可能なロール紙103の最大幅と同じかそれよりも大きい。ガイド部43は、記録紙101の先端が挟持位置Aに位置する状態から記録紙101が-Y方向に送られるときに、記録紙101の先端が第1回転方向Cに回転するプラテンローラー17に巻き込まれてプラテンローラー17と可動刃ユニット27との間に進入することを抑制する。なお、ガイド部材23は、可動刃33のZ方向の移動をガイドする可動刃ガイドとしても機能する。さらに、ガイド部材23は、ロール紙収容部15を構成する壁部としても機能する。なお、ガイド部43は、ガイド部材23から記録紙101に向かう方向の端部と記載してもよい。
【0027】
[ガイド部の第1実施形態]
図5ないし
図8に基づいて、ガイド部の第1実施形態であるガイド部43Aについて説明する。なお、ガイド部43Aと、後述する第2実施形態のガイド部43Bとを特に区別しない場合には、両者をまとめて「ガイド部43」という。
【0028】
ガイド部43Aは、上述したように、ガイド部材23の+Z方向の端部に設けられている。ガイド部43Aは、第1ガイド部45と、2つの第2ガイド部47と、第1傾斜部49と、第2傾斜部51とを備えている。
【0029】
第1ガイド部45は、ガイド部43Aにおいて最も+Z方向に位置しており、ガイド部43Aの頂部に相当する。第1ガイド部45は、+Z方向から見て、X方向に延在する直線状に形成されている(
図6参照)。第1ガイド部45は、X方向において、2つの第2ガイド部47の間に設けられている。より具体的には、第1ガイド部45は、X方向において可動刃33の切欠き部39に相当する位置、すなわちX方向においてガイド部43Aの略中央部、に設けられている(
図3参照)。このため、第1ガイド部45は、カッター21により記録紙101が切断された後、第1記録紙部109が第2記録紙部111とつながった状態で記録紙101が+Y方向に送られるときに、切残し箇所107が通過する(
図6参照)。なお、切残し箇所107は、第1ガイド部45と接する場合もあるが、これに限定されるものではない。
【0030】
2つの第2ガイド部47は、第1ガイド部45に対して、X方向の両外側に設けられている。2つの第2ガイド部47は、+Z方向から見て、X方向に長い略四角形状に形成されている(
図6参照)。2つの第2ガイド部47は、X方向において、可動刃33の2つの刃部37に相当する位置に設けられている(
図3参照)。このため、2つの第2ガイド部47は、カッター21により記録紙101が切断された後、第1記録紙部109が第2記録紙部111とつながった状態で記録紙101が+Y方向に送られるときに、2つの切断箇所105が通過する(
図6参照)。
【0031】
各第2ガイド部47において、第1ガイド部45側の端部、すなわちX方向内側の端部、を第2Aガイド端部53という。また、各第2ガイド部47において、第1ガイド部45とは反対側の端部、すなわちX方向外側の端部、を第2Bガイド端部55という。2つの第2Bガイド端部55は、上記した2つの第2刃先部41に対して、-Z方向において同じ位置に位置している(
図3参照)。なお、-Z方向における第2刃先部41の位置とは、可動刃33が待機位置に位置する状態での、-Z方向における第2刃先部41の位置を意味する。また、「同じ位置」とは、数学的な厳密さを示すものではなく、実質的に許容される誤差を含む概念である。
【0032】
2つの第2ガイド部47は、第1ガイド部45に対して、-Z方向に位置している。より具体的には、2つの第2ガイド部47は、第2Bガイド端部55が第2Aガイド端部53に対して-Z方向に位置するように、傾斜している。換言すれば、2つの第2ガイド部47は、第2Aガイド端部53が第2Bガイド端部55に対して+Z方向に位置するように、傾斜している。
【0033】
第1傾斜部49は、第1ガイド部45および2つの第2ガイド部47に対して、-Y方向に設けられている。第1傾斜部49は、+Z方向から見て、略等脚台形状に形成されている(
図6参照)。第1傾斜部49において、第1ガイド部45側の端部、すなわち+Y方向の端部、を第1A傾斜端部57という。また、第1傾斜部49において、第1ガイド部45とは反対側の端部、すなわち-Y方向の端部、を第1B傾斜端部59という。第1B傾斜端部59は、第1A傾斜端部57よりも、X方向に長い。第1傾斜部49は、第1A傾斜端部57が第1B傾斜端部59に対して+Z方向に位置するように、傾斜している。
【0034】
XY平面に対する第1傾斜部49の傾斜角度θ
1は、特に限定されず、後述する第2傾斜部51の傾斜角度θ
2より小さくてもよく、第2傾斜部51の傾斜角度θ
2と同じでもよく、第2傾斜部51の傾斜角度θ
2より大きくてもよい。本実施形態では、第1傾斜部49の傾斜角度θ
1は、例えば40度以上50度以下であり、第2傾斜部51の傾斜角度θ
2よりも大きい(
図8参照)。これにより、Y方向における第2ガイド部47の寸法を小さくすることができる。
【0035】
第2傾斜部51は、第1ガイド部45に対して、+Y方向に設けられている。第2傾斜部51は、+Z方向から見て、第1傾斜部49よりも小さな略等脚台形状に形成されている(
図6参照)。第2傾斜部51において、第1ガイド部45側の端部、すなわち-Y方向の端部、を第2A傾斜端部61という。また、第2傾斜部51において、第1ガイド部45とは反対側の端部、すなわち+Y方向の端部、を第2B傾斜端部63という。第2B傾斜端部63は、第2A傾斜端部61よりも、X方向に長い。第2傾斜部51は、第2A傾斜端部61が第2B傾斜端部63に対して+Z方向に位置するように、傾斜している。なお、XY平面に対する第2傾斜部51の傾斜角度θ
2は、特に限定されないが、例えば、15度以上20度以下である(
図8参照)。
【0036】
このように、第1ガイド部45に対して+Y方向には、第2A傾斜端部61が第2B傾斜端部63に対して+Z方向に位置するように傾斜した第2傾斜部51が設けられている。このため、記録紙101の先端がガイド部43Aに対して+Y方向に位置する状態から記録紙101が-Y方向に送られるときに、記録紙101の先端が第2傾斜部51に当たったとしても、第2傾斜部51に当たった記録紙101の先端が、第2傾斜部51に沿って、-Y方向と+Z方向との間の方向に送られる。これにより、記録紙101がガイド部43Aに引っ掛かることを抑制することができる。
【0037】
ところで、
図3に示すように、カッター21により記録紙101が切断された後、2つの切断端部113が切残し箇所107に対して-Z方向に位置するように、第1記録紙部109が撓んだ形状となる場合がある。これは、可動刃33が切込み位置から待機位置へ-Z方向に移動するときに、2つの切断端部113が可動刃33の2つの第2刃先部41によって-Z方向に引きずられるためであると考えられる。
【0038】
なお、本実施形態とは異なり、固定刃25が、記録紙101に対して、プラテンローラー17およびガイド部43Aと同じ側、すなわち-Z方向、に設けられ、可動刃33が、記録紙101に対して、プラテンローラー17およびガイド部43Aとは反対側、すなわち+Z方向、に設けられた構成においても、2つの切断端部113が切残し箇所107に対して-Z方向に位置するように、第1記録紙部109が撓んだ形状となる場合がある。これは、可動刃33が待機位置から切込み位置へ-Z方向に移動するときに、2つの切断端部113が可動刃33の2つの第2刃先部41によって-Z方向に押し込まれるためであると考えられる。特に、-Z方向が略鉛直方向となる姿勢で印刷装置1が設置された場合には、重力の作用により、2つの切断端部113が切残し箇所107に対して-Z方向に位置するように、第1記録紙部109が撓んだ形状になりやすい。
【0039】
ここで、印刷装置1が、
図9に示すように、ガイド部43Aに代えて、ガイド部43Cを備えていると仮定する。ガイド部43Cでは、2つの第2ガイド部47が、第1ガイド部45からX方向の両外側に延びる直線状に形成されており、第1ガイド部45と同一平面上に設けられている。すなわち、2つの第2ガイド部47は、第1ガイド部45に対し、Z方向において同じ位置に位置している。この場合、カッター21により記録紙101が切断された後、第1記録紙部109が第2記録紙部111とつながった状態で記録紙101が+Y方向に送られるときに、-Z方向に撓んだ第1記録紙部109がガイド部43Cに引っ掛かるおそれがある。すなわち、第1記録紙部109において、切残し箇所107に比べて-Z方向に位置した2つの切断端部113の少なくとも一方が、2つの第2ガイド部47の少なくとも一方に引っ掛かるおそれがある。第1記録紙部109がガイド部43Cに引っ掛かると、記録紙101をそれ以上-Y方向に送ることができなかったり、切残し箇所107が破れて第1記録紙部109が第2記録紙部111から切り離されてしまったりするなど、記録紙101の送りに不具合が生じる。
【0040】
これに対し、本実施形態のガイド部43Aでは、上述したように、2つの第2ガイド部47が第1ガイド部45に対して-Z方向に位置している。このため、第1記録紙部109において、切残し箇所107に比べて-Z方向に位置した2つの切断端部113が、2つの第2ガイド部47に引っ掛かることが抑制される。したがって、カッター21により記録紙101が切断された後、第1記録紙部109が第2記録紙部111とつながった状態で記録紙101が+Y方向に送られるときに、-Z方向に撓んだ第1記録紙部109がガイド部43Aに引っ掛かることを抑制することができる。
【0041】
なお、第2ガイド部47が第1ガイド部45に対して-Z方向に位置していることで、記録紙101が+Y方向に送られるときだけでなく、記録紙101が-Y方向に送られるときにも、記録紙101がガイド部43Aに引っ掛かることを抑制することができる。すなわち、例えばライナーレスラベル紙のように、記録紙101の種類によっては、カッター21により切断される前でも、ロール紙103から引き出された時点で、紙幅方向Eにおける記録紙101の両端部が記録紙101の中央部に対して-Z方向に位置するように記録紙101が撓む場合がある。このような場合にも、第2ガイド部47が第1ガイド部45に対して-Z方向に位置していることで、記録紙101の先端がガイド部43Aに対して+Y方向に位置する状態から記録紙101が-Y方向に送られるときに、記録紙101がガイド部43Aに引っ掛かることを抑制することができる。
【0042】
上述したように、2つの第2Bガイド端部55は、-Z方向において2つの第2刃先部41と同じ位置に位置している。ゆえに、カッター21により記録紙101が切断された後、第1記録紙部109が第2記録紙部111とつながった状態で記録紙101が+Y方向に送られるときには、第2刃先部41により-Z方向に引きずられた2つの切断端部113が2つの第2Bガイド端部55に対して-Z方向に位置することが、抑制される。このため、第1記録紙部109がガイド部43Aに引っ掛かることを、より効果的に抑制することができる。
【0043】
また、2つの第2Bガイド端部55が-Z方向において2つの第2刃先部41と同じ位置に位置していることで、記録紙101の先端がガイド部43Aに対して+Y方向に位置する状態から記録紙101が-Y方向に送られるときには、記録紙101が第2刃先部41よりも-Z方向に位置することが抑制される。このため、記録紙101が可動刃33に引っ掛かることを抑制することができる。
【0044】
さらに、第2ガイド部47は、第2Aガイド端部53が第2Bガイド端部55に対して+Z方向に位置するように、傾斜している。このため、記録紙101の先端がガイド部43Aに対して+Y方向に位置する状態から記録紙101が-Y方向に送られるときに、第1ガイド部45だけでなく、第2ガイド部47において第2Aガイド端部53に近い部位によっても、記録紙101の先端がプラテンローラー17と可動刃ユニット27との間に進入することが妨げられる。したがって、記録紙101の先端がプラテンローラー17と可動刃ユニット27との間に進入することを、第1ガイド部45のみにより抑制する構成に比べ、より効果的に抑制することができる。
【0045】
また、第2ガイド部47に対して-Y方向には、第1A傾斜端部57が第1B傾斜端部59に対して+Z方向に位置するように傾斜した第1傾斜部49が設けられている。このため、カッター21により記録紙101が切断された後、第1記録紙部109が第2記録紙部111とつながった状態で記録紙101が+Y方向に送られるときに、切断端部113が第1傾斜部49に当たったとしても、第1傾斜部49に当たった切断端部113が、第1傾斜部49に沿って、+Y方向と+Z方向との間の方向に送られる。これにより、第1記録紙部109がガイド部43Aに引っ掛かることを、より効果的に抑制することができる。なお、第1傾斜部49は、第2ガイド部47に対応する位置に設けられていればよく、第1ガイド部45に対応する位置には、設けられていなくてもよい。すなわち、第1ガイド部45の-Y方向には、第1傾斜部49に代えて、XY平面に対して垂直な面が設けられていてもよい。
【0046】
以上のように、本実施形態の印刷装置1は、プラテンローラー17と、カッター21と、ガイド部材23とを備えている。プラテンローラー17は、記録紙101を、排出口11に向かう-Y方向と、-Y方向とは反対の+Y方向とに送ることができる。カッター21は、プラテンローラー17と排出口11との間に設けられている。カッター21は、-Y方向と交差するX方向において記録紙101に切断箇所105と切残し箇所107とを形成するように、記録紙101を切断する。ガイド部材23は、プラテンローラー17とカッター21との間に設けられている。プラテンローラー17およびガイド部材23は、プラテンローラー17とカッター21との間を送られる記録紙101に対して、-Z方向に位置する。-Z方向とは反対の+Z方向におけるガイド部材23の端部であるガイド部43Aは、第1ガイド部45と第2ガイド部47とを備えている。第1ガイド部45は、カッター21により記録紙101が切断された後でプラテンローラー17により記録紙101が+Y方向に送られるときに、切残し箇所107が通過する。第2ガイド部47は、カッター21により記録紙101が切断された後でプラテンローラー17により記録紙101が+Y方向に送られるときに、切断箇所105が通過する。第2ガイド部47は、第1ガイド部45に対して、-Z方向に位置する。
【0047】
この構成によれば、カッター21により記録紙101が切断された後、第1記録紙部109が第2記録紙部111とつながった状態で記録紙101が+Y方向に送られるときに、切断箇所105および切残し箇所107に対して記録紙101の先端側の記録紙101である第1記録紙部109が、ガイド部43Aに引っ掛かることを抑制することができる。
【0048】
[ガイド部の第2実施形態]
図11ないし
図13に基づいて、ガイド部の第2実施形態であるガイド部43Bについて説明する。なお、ガイド部43Bの構成要素のうち、ガイド部43Aの構成要素と対応するものには、同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0049】
ガイド部43Bは、第1ガイド部45と、2つの第2ガイド部47と、第2傾斜部51とを備えている。
【0050】
2つの第2ガイド部47は、+Z方向から見て、X方向に長い略長方形状に形成されており、XY平面と平行に設けられている。すなわち、第2Aガイド端部53と第2Bガイド端部55とは、Z方向において同じ位置に位置している。
【0051】
2つの第2ガイド部47の間には、凸部65が設けられている。凸部65は、X方向においてガイド部43Bの略中央部に位置し、2つの第2ガイド部47に対して+Z方向に突出している。凸部65は、2つの底面がX方向に並んだ略三角柱状に形成されており、この凸部65により、第1ガイド部45および第2傾斜部51が構成されている。すなわち、凸部65において、+Z方向の端部を、第1ガイド部45といい、第1ガイド部45に対して+Y方向に位置する傾斜面を、第2傾斜部51という。
【0052】
このように構成されたガイド部43Bにおいても、ガイド部43Aと同様に、2つの第2ガイド部47が第1ガイド部45に対して-Z方向に位置している。このため、カッター21により記録紙101が切断された後、第1記録紙部109が第2記録紙部111とつながった状態で記録紙101が+Y方向に送られるときに、-Z方向に撓んだ第1記録紙部109がガイド部43Bに引っ掛かることを抑制することができる。
【0053】
また、2つの第2Bガイド端部55は、-Z方向において2つの第2刃先部41と同じ位置に位置している(
図10参照)。これにより、カッター21により記録紙101が切断された後、第1記録紙部109が第2記録紙部111とつながった状態で記録紙101が+Y方向に送られるときに、第1記録紙部109がガイド部43Bに引っ掛かることを、より効果的に抑制することができる。
【0054】
また、第1ガイド部45に対して+Y方向には、第2傾斜部51が設けられているため、記録紙101の先端がガイド部43Bに対して+Y方向に位置する状態から記録紙101が-Y方向に送られるときに、記録紙101がガイド部43Bに引っ掛かることを抑制することができる。
【0055】
[その他の変形例]
上記の実施形態に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成を採用可能であることは言うまでもない。例えば、上記の実施形態は、上述したほか、以下のような形態に変更することができる。また、実施形態や変形例を、それぞれ組み合わせた構成でもよい。
【0056】
カッター21は、切残し箇所107を、紙幅方向Eにおける記録紙101の略中央部に形成する構成に限定されるものではない。カッター21は、切残し箇所107を、例えば、紙幅方向Eにおける記録紙101の略中央部から紙幅方向Eの一方に寄った部位に形成する構成でもよく、紙幅方向Eにおける記録紙101の一方の端部に形成する構成でもよい。この場合、第1記録紙部109が第2記録紙部111とつながった状態で記録紙101が+Y方向に送られるときに、切残し箇所107が第1ガイド部45を通過するように、切残し箇所107が形成される位置に応じて、第1ガイド部45が設けられる。例えば、カッター21が、切残し箇所107を、紙幅方向Eにおける記録紙101の一方の端部に形成する構成の場合、第1ガイド部45は、紙幅方向Eにおいてガイド部43の一方の端部に設けられる。また、このとき、第2ガイド部47の個数は、1つとなる。
【0057】
カッター21は、固定刃25と、直線往復移動可能な可動刃33とを備え、ギロチン形式で記録紙101を切断する構成に限定されるものではない。カッター21は、例えば、固定刃と、支軸を中心に回動可能な可動刃とを備え、ハサミ形式で記録紙101を切断する構成でもよい。
【0058】
[付記]
以下、印刷装置について付記する。
印刷装置は、記録紙を、排出口に向かう第1方向と、第1方向とは反対の第2方向と、に送ることができる送りローラーと、送りローラーと排出口との間に設けられ、第1方向と交差する第3方向において記録紙に切断箇所と切残し箇所とを形成するように、記録紙を切断するカッターと、送りローラーとカッターとの間に設けられたガイド部材と、を備え、送りローラーおよびガイド部材は、送りローラーとカッターとの間を送られる記録紙に対して、第4方向に位置し、第4方向とは反対の第5方向におけるガイド部材の端部であるガイド部は、カッターにより記録紙が切断された後で送りローラーにより記録紙が第2方向に送られるときに切残し箇所が通過する第1ガイド部と、カッターにより記録紙が切断された後で送りローラーにより記録紙が第2方向に送られるときに切断箇所が通過する第2ガイド部と、を有し、第2ガイド部は、第1ガイド部に対して、第4方向に位置する。
【0059】
この構成によれば、カッターにより記録紙が切断された後、切断箇所および切残し箇所に対して第1方向の部位である第1記録紙部が、切断箇所および切残し箇所に対して第2方向の部位である第2記録紙部とつながった状態で、記録紙が第2方向に送られるときに、第1記録紙部がガイド部に引っ掛かることを抑制することができる。
なお、-Y方向は、「第1方向」の一例である。+Y方向は、「第2方向」の一例である。X方向は、「第3方向」の一例である。-Z方向は、「第4方向」の一例である。+Z方向は、「第5方向」の一例である。プラテンローラー17は、「送りローラー」の一例である。
【0060】
この場合、第2ガイド部は、第2ガイド部において第1ガイド部側の端部である第2Aガイド端部が、第2ガイド部において第1ガイド部とは反対側の端部である第2Bガイド端部に対して第5方向に位置するように、傾斜していることが好ましい。
【0061】
この構成によれば、記録紙の先端がガイド部に対して第2方向に位置する状態から記録紙が第1方向に送られるときに、第1ガイド部だけでなく、第2ガイド部において第2Aガイド端部に近い部位によっても、記録紙の先端が送りローラーとカッターとの間に進入することが妨げられる。したがって、記録紙の先端が送りローラーとカッターとの間に進入することを、第1ガイド部のみにより抑制する構成に比べ、より効果的に抑制することができる。
【0062】
この場合、ガイド部は、第2ガイド部に対して第1方向に設けられた第1傾斜部、を有し、第1傾斜部は、第1傾斜部において第2方向の端部である第1A傾斜端部が、第1傾斜部において第1方向の端部である第1B傾斜端部に対して第5方向に位置するように、傾斜していることが好ましい。
【0063】
この構成によれば、カッターにより記録紙が切断された後、第1記録紙部が第2記録紙部とつながった状態で記録紙が第2方向に送られるときに、第1記録紙部が第1傾斜部に当たったとしても、第1傾斜部に当たった第1記録紙部が、第1傾斜部に沿って、第2方向と第5方向との間の方向に送られる。これにより、第1記録紙部がガイド部に引っ掛かることを、より効果的に抑制することができる。
【0064】
この場合、カッターは、第1刃と、第4方向および第5方向に移動可能な第2刃と、を有し、第2刃は、送りローラーとカッターとの間を送られる記録紙に対して、第4方向に位置し、第2刃の刃先において、第2Bガイド端部と第3方向において同じ位置に位置する部位を、第2刃先部といい、第2Bガイド端部は、第4方向において第2刃先部と同じ位置に位置していることが好ましい。
【0065】
この構成によれば、カッターにより記録紙が切断された後、第1記録紙部が第2記録紙部とつながった状態で記録紙が第2方向に送られるときには、第1記録紙部が第2Bガイド端部に対して第4方向に位置することが抑制される。このため、第1記録紙部がガイド部に引っ掛かることを、より効果的に抑制することができる。また、記録紙の先端がガイド部に対して第2方向に位置する状態から記録紙が第1方向に送られるときには、記録紙が第2刃先部よりも第4方向に位置することが抑制される。このため、記録紙が第2刃に引っ掛かることを抑制することができる。
なお、固定刃25は、「第1刃」の一例である。可動刃33は、「第2刃」の一例である。可動刃側刃先35は、「第2刃の刃先」の一例である
【0066】
この場合、ガイド部は、第1ガイド部に対して第2方向に設けられた第2傾斜部、を有し、第2傾斜部は、第2傾斜部において第1方向の端部である第2A傾斜端部が、第2傾斜部において第2方向の端部である第2B傾斜端部に対して第5方向に位置するように、傾斜していることが好ましい。
【0067】
この構成によれば、記録紙の先端がガイド部に対して第2方向に位置する状態から記録紙が第1方向に送られるときに、記録紙の先端が第2傾斜部に当たったとしても、第2傾斜部に当たった記録紙の先端が、第2傾斜部に沿って、第1方向と第5方向との間の方向に送られる。これにより、記録紙がガイド部に引っ掛かることを抑制することができる。
【0068】
この場合、カッターは、切残し箇所を2つの切断箇所の間に形成し、第1ガイド部は、2つの第2ガイド部の間に設けられていることが好ましい。
【0069】
この構成によれば、2つの切断箇所の間に切残し箇所が形成された記録紙が、第1記録紙部が第2記録紙部とつながった状態で第2方向に送られるときに、第1記録紙部がガイド部に引っ掛かることを抑制することができる。
【符号の説明】
【0070】
1:印刷装置、11:排出口、17:プラテンローラー、21:カッター、23:ガイド部材、25:固定刃、33:可動刃、35:可動刃側刃先、41:第2刃先部、43:ガイド部、45:第1ガイド部、47:第2ガイド部、49:第1傾斜部、51:第2傾斜部、53:第2Aガイド端部、55:第2Bガイド端部、57:第1A傾斜端部、59:第1B傾斜端部、61:第2A傾斜端部、63:第2B傾斜端部、101:記録紙、105:切断箇所、107:切残し箇所。