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特開2024-82977肌状態分析システム、測定装置、肌状態分析アプリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082977
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】肌状態分析システム、測定装置、肌状態分析アプリ
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20240613BHJP
【FI】
A61B5/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197226
(22)【出願日】2022-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】田中 裕子
【テーマコード(参考)】
4C117
【Fターム(参考)】
4C117XA02
4C117XB13
4C117XD05
4C117XE03
4C117XE06
4C117XG06
4C117XG13
4C117XG34
4C117XH16
4C117XJ03
4C117XJ13
4C117XK03
4C117XQ13
4C117XQ30
(57)【要約】
【課題】所定の測定領域の測定結果と基準値とを比較して肌状態を推定することで評価の精度を向上させることを目的とする。
【解決手段】肌状態分析システム1は、測定装置10、処理部20、表示部30、及び入力部40を含んで構成される。測定装置10は、所定の測定領域の肌状態を測定する。処理部20は、測定装置10で測定結果に基づいて肌状態を分析する。表示部30は、表処理部20で生成された画像を表示させる。入力部40は、処理部20で使用する情報を入力する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の測定領域の水分量を測定する測定装置と、
前記測定装置で測定した値と基準値とを比較して前記測定領域の肌状態を推定する推定部と、を備える、
肌状態分析システム。
【請求項2】
前記測定領域は、顔面であり、
前記測定装置は、複数のセンサを備え、
前記センサは、顔面の部位に合わせた所定の位置に配置される、
請求項1に記載の肌状態分析システム。
【請求項3】
前記測定装置は、少なくとも前記測定領域の一部を覆う形状である、
請求項1に記載の肌状態分析システム。
【請求項4】
前記推定部は、前記センサ毎の肌状態を推定する、
請求項1に記載の肌状態分析システム。
【請求項5】
前記基準値は、所定の水分量の値、年齢に応じた水分量の値、及び以前に前記測定装置で測定した値のうち少なくとも一つを含む、
請求項1に記載の肌状態分析システム。
【請求項6】
化粧品名を入力する入力部と、
前記基準値及び前記入力部に入力された情報を記憶する記憶部と、を備える、
請求項5に記載の肌状態分析システム。
【請求項7】
前記推定部で推定した結果を表示する表示部を備え、
前記表示部は、前記推定部で推定した肌状態に基づいて、前記顔面の部位毎に表示させる色を変化させる、
請求項2に記載の肌状態分析システム。
【請求項8】
前記推定部で推定した肌状態に基づいて追加のスキンケアを分析する分析部を備える、請求項1に記載の肌状態分析システム。
【請求項9】
前記測定装置は、化粧品を前記測定領域に塗布した後に測定する、
請求項1に記載の肌状態分析システム。
【請求項10】
前記測定装置は、化粧品を前記測定領域に塗布する前及び塗布した後に測定する、
請求項1に記載の肌状態分析システム。
【請求項11】
所定の測定領域の水分量を測定する測定装置を備え、
前記測定装置で測定した値と基準値とを比較して前記測定領域の肌状態を推定する推定部を有する処理部に送信する、
測定装置。
【請求項12】
所定の測定領域の水分量を測定する測定装置で測定した値と基準値とを比較して前記測定領域の肌状態を推定する推定部と、
前記推定部で推定した結果を表示する表示部と、を備える、
肌状態分析アプリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肌診断システム、測定装置及び肌状態分析アプリに関する。
【背景技術】
【0002】
日々、肌は、紫外線等による外的要因及び生活習慣等による内的要因の影響を受け、水分量及び皮脂分泌量が変動する。肌は、水分量及び皮脂分泌量の変動に伴い、バリア機能が低下し、脆弱になることで肌荒れ等が発生する。肌は、部分的に水分量及び皮脂分泌量のバランスが異なるため、部分的にスキンケアが足りない箇所が発生することがある。
【0003】
従来の皮膚水分測定装置は、例えば、皮膚の水分量分布を計測する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開2007/026339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のような従来技術では、第1皮膚領域の水分量と第1皮膚領域とは異なる領域である第2皮膚領域の水分量とを同時に測定し、第1皮膚領域と第2皮膚領域との測定結果を比較して第1皮膚領域の状態を推定していた。このため、例えば、第2皮膚領域の状態によっては第1皮膚領域の状態を正しく評価できなかった。
【0006】
本開示の目的は、所定の測定領域の測定結果と基準値とを比較して肌状態を推定することで評価の精度を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態にかかる肌状態分析システムは、所定の測定領域の水分量を測定する測定装置と、前記測定装置で測定した値と基準値とを比較して前記測定領域の肌状態を推定する推定部と、を備える。
【0008】
また、本開示の一実施形態にかかる測定装置は、所定の測定領域の水分量を測定する測定装置を備え、前記測定装置で測定した値と基準値とを比較して前記測定領域の肌状態を推定する推定部を有する処理部に送信する。
【0009】
また、本開示の一実施形態にかかる肌状態分析アプリは、所定の測定領域の水分量を測定する測定装置で測定した値と基準値とを比較して前記測定領域の肌状態を推定する推定部と、前記推定部で推定した結果を表示する表示部と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一実施形態によれば、所定の測定領域の測定結果と基準値とを比較して肌状態を推定することで評価の精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態における、肌状態分析システムの概略構成の例を示すブロック図である。
図2】本実施形態における、測定装置の例を説明する図である。
図3】本実施形態における、肌状態分析システムの処理手順の例を示すフローチャートである。
図4】本実施形態における、肌状態分析アプリの測定結果を表示する例を説明する図である。
図5】本実施形態における、肌状態分析アプリの分析結果を表示する例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して説明するが、本開示はこれらに限定されるものではない。また、図示の便宜上、図面の寸法比率は説明のものと必ずしも一致しない。以下の図面に示す構成要素において、同じ構成要素には同じ符号をつける。
【0013】
本発明の一実施形態に係る肌状態分析システム1について、図1を参照して説明する。肌状態分析システム1は、測定装置10、処理部20、表示部30、及び入力部40を含んで構成される。肌状態分析システム1は、測定装置10で測定した結果を用いて、処理部20は肌状態を推定し、さらに測定装置10で測定した結果及び入力部40から入力された情報を用いて、処理部はスキンケア方法を提供する。測定装置10、処理部20、表示部30、及び入力部40は、通信ケーブル、又は無線ネットワーク等を介して接続されて情報を送受信してよい。
【0014】
図1において、各機能ブロックを結ぶ線は、制御信号又は通信される情報の流れを示す。機能ブロック間の通信は有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。
【0015】
測定装置10は、所定の測定領域を測定する。測定するタイミングは、化粧品を測定領域に塗布する前に測定を行ってよい。または、測定するタイミングは、化粧品を測定領域に塗布した後に測定を行ってよい。また、化粧品を測定領域に塗布する前後に測定を行ってもよい。測定装置10は、例えば、所定の測定領域の全体を覆う形状、及び所定の測定領域の一部を覆う形状の測定装置であってよい。
【0016】
以下の説明では、測定領域が顔面である場合を例に挙げて説明するが、測定領域は顔面には限られない。顔面は、例えば、頭の正面の領域を少なくとも含み、上下方向には額から顎先までの領域であり、左右方向には両耳の間の領域であってよい。測定領域は、例えば、頭皮、首、肩、胸元、手、腕及び脚等の肌であってもよい。
【0017】
以下の説明では、測定装置10は水分量を測定する場合を例に挙げて説明するが、測定装置10は水分量の測定に限られない。測定装置10は、水分量以外の項目を測定してよい。測定装置10は、例えば、皮脂分泌量、肌の細かな凹凸の状態、肌の赤み、肌の弾力、毛穴のつまり、毛穴のひらき、及びシミの状態等の少なくとも1つの項目を測定する。測定装置10は一度に複数の異なる項目の測定を行ってよい。測定した項目について数値化するための補正処理を行い、数値化してよい。シミとは、メラニンが蓄積した部位であり、例えば、肌の表面または内部に位置し、他の肌の色よりも色が濃い部位である。シミとは、例えば、UV曝露に関するシミ、傷跡後のシミ、炎症後のシミ、肝斑シミ、黒子シミ及び加齢に関するシミのような、肌の過剰色素沈着性のシミ、肌の表面には現れていない内部に潜むシミのいずれかであってよい。シミの状態とは、シミが何個生じているか、シミの大きさ又は濃さ等であってよい。測定装置10は、測定した測定結果を処理部20へ送信する。測定結果は、水分量の%値で表されてよい。測定結果は、例えば、0~99.9%まで0.1%単位で測定してよい。測定結果は、例えば、水分がない状態を0%、最大を100%としてよい。また、皮脂分泌量、肌の細かな凹凸の状態、肌の赤み、肌の弾力、毛穴のつまり、毛穴のひらき、及びシミの状態等の項目については、測定値を表してもよいし、各項目に対して、それぞれ良好な状態、例えば画像センサでは検知できない
レベルの状態を10として、10段階の数値で表してもよい。
【0018】
処理部20は、推定部21、分析部22、記憶部23、及び表示画像生成部24を含んで構成される。処理部20は、測定装置10から測定結果を受信してよい。処理部20は、測定装置10で測定した測定結果に基づいて肌状態を推定する。また処理部20は、例えば、スキンケア方法を分析してもよい。推定部21、分析部22、記憶部23、及び表示画像生成部24は、図示しない記録媒体に記録されるソフトウェアで構成されてよい。
【0019】
処理部20は推定部21で推定した肌状態に応じて、スキンケアの要否を判断してよい。処理部20は、スキンケアが必要と判断された場合、分析部22でスキンケア方法を分析してよい。処理部20は、表示画像生成部24で生成した画像を表示部30に送信してよい。
【0020】
推定部21は、測定装置10で測定した測定結果から肌状態である推定結果を推定してよい。推定部21は、少なくとも測定結果と基準値とを比較して肌状態を推定してよい。基準値は、測定結果と同じ指標であってよい。基準値は、水分量の%値で表されてよい。基準値は、例えば、0~99.9%まで0.1%単位で表されてよい。基準値は、例えば、水分がない状態を0%、最大を100%としてよい。推定部21は、所定の条件を満たせば、肌状態が良好と評価してよい。推定部21は、肌状態が良好と評価した場合、スキンケアは不要と推定してよい。所定の条件とは、測定結果が、例えば、基準値と同一、同等及び基準値より上回る値であってよい。基準値と同等とは、例えば、水分量の測定結果が基準値と比べて5.0%以内の値であってよい。
【0021】
推定部21は、所定の条件を満たせば、追加のスキンケアが必要と推定してよい。所定の条件とは、水分量の測定結果が基準値より下回る値であってよく、例えば、基準値より5.0%以上下回る値であってよい。
【0022】
推定部21は、推定した推定結果を処理部20に送信してよい。肌状態は、例えば、皮脂分泌量、肌の細かな凹凸の状態、肌の赤み、肌の弾力、毛穴のつまり、毛穴のひらき、及びシミの状態等の少なくともいずれかの項目に関する肌の状態であってよい。
【0023】
推定部21は、記憶部23から基準値を受信してよい。基準値は、所定の水分量の値、年齢に応じた水分量の値、及び以前に測定装置10で測定した測定結果等であってよい。所定の水分量の値又は年齢に応じた水分量の値を第1の基準値とし、以前に測定装置10で測定した測定結果を第2の基準値としてよい。所定の水分量の値は、平均的な値であってもよく、理想とされる値であってもよい。年齢に応じた水分量の値は、肌状態分析システム1に入力部40から事前に登録された年齢又は年代に応じて、年齢又は年代の平均的な水分量の値であってもよく、年齢又は年代の理想的な値であってもよい。第2の基準値は、例えば、測定装置10で測定した直前の測定結果、測定装置10で測定した測定結果の平均値、測定装置10で測定した所定期間の測定結果の平均値、測定装置10で測定する条件が同一又は類似する直前の測定結果、測定装置10で測定する条件が同一又は類似する測定結果の平均値、及び測定装置10で測定する条件が同一又は類似する所定期間の測定結果の平均値のうち少なくとも1つであってよい。
【0024】
測定する条件は、例えば、測定する時期、季節、時間、化粧品を測定領域に塗布する前及び化粧品を測定領域に塗布した後等の少なくともいずれかが同一又は同様であってよい。
【0025】
分析部22は、推定部21で推定した肌状態に基づいてスキンケア方法を分析する。分析部22は、測定結果と第1の基準値とを比較して第1の分析結果を出力してよい。分析
部22は、測定結果と第2の基準値とを比較して第1の分析結果を出力してよい。分析部22は、測定結果、第1の基準値及び第2の基準値を比較して第1の分析結果を出力してよい。
【0026】
分析部22は、例えば、測定結果が第1の基準値より5.0%以上下回る値であり、測定結果と第2の基準値との値の差が20.0%以上である場合、第1の分析結果はスキン
ケアをしても保湿成分等を吸収できる肌状態にないため、根本的な肌質の改善が必要と判断してよい。分析部22は、例えば、測定結果が第1の基準値より5.0%以上下回る値であり、測定結果と第2の基準値との値の差が20.0%以内である場合、第1の分析結
果は保湿が足りていないと判断してよい。
【0027】
分析部22は、第1の分析結果に応じて、第2の分析結果を出力する。第2の分析結果
は、スキンケア方法である。第2の分析結果は、塗布すべき化粧品の種類、塗布すべき量、及び塗布方法等の少なくとも1つを分析してよい。化粧品の種類は、記憶部23に登録されている化粧品の効果情報や成分情報に応じて選択してよい。第2の分析結果は、例えば、第1の分析結果から肌に不足しているものや成分を分析し、記憶部23に登録されている化粧品の効果情報や成分情報から、スキンケア方法を分析してよい。
【0028】
分析部22は、以前分析部22で分析した第2の分析結果を、現在の肌状態に適用した場合、肌状態がどのように変化するかを予測してもよい。
【0029】
分析部22は、測定装置10で測定された測定結果、推定部21及び分析部22で算出された結果の少なくともいずれかに加えて、季節、気温、湿度、天候、紫外線量及びデータベース等の少なくともいずれかの情報を組み合わせて、より良い肌状態にするための方法を分析してもよい。推定部22は、第1の分析結果及び第2の分析結果の少なくともいずれかを処理部20に送信してよい。
【0030】
記憶部23は、入力部40から入力された情報、各部位の基準値、使用している化粧品名、過去の測定結果、過去の推定結果、過去の第1の分析結果及び過去の第2の分析結果等の少なくともいずれかを記憶してよい。記憶部23は、外部に格納されているデータベースを読み出して化粧品の成分情報及び効果情報を取得してもよい。
【0031】
表示画像生成部24は、測定結果、推定結果、第1の分析結果及び第2の分析結果に基づいて表示部30に表示させる画像を生成する。表示画像生成部24は、処理部20から測定結果、推定結果、第1の分析結果及び第2の分析結果を取得する。表示画像生成部24は、表示部30に表示させる画像を処理部20に送信してよい。表示画像生成部24は、現在の肌状態を表示させる画像を生成してよい。表示画像生成部24は、過去の肌状態を表示させる画像を生成してよい。表示画像生成部24は、現在の肌状態と過去の肌状態の変化量を表示させる画像を生成してよい。表示画像生成部24は、部位ごとの測定結果を表示させる画像を生成してよい。表示画像生成部24は、推定部21及び分析部22で算出された結果を表示させる画像を生成してよい。表示画像生成部24は、推定部21及び分析部22で算出された結果を表示させる画像を生成してよい。
【0032】
表示画像生成部24は、推定部21から推定された肌状態に基づいて肌の状態を表すコメントを表示させる画像を生成してよい。表示画像生成部24は、分析部22から分析された第1の分析結果に基づいて肌の状態を表すコメントを表示させる画像を生成してよい。表示画像生成部24は、分析部22から推定された第2の分析結果に基づいてスキンケア方法を表すコメントを表示させる画像を生成してよい。詳細は後述する。
【0033】
表示画像生成部24は、第2の分析結果に応じてスキンケアで使用する化粧品名、使用
方法及び分量の少なくともいずれかを表示させる画像を生成してよい。
【0034】
表示画像生成部24は、測定装置10で測定された測定結果、推定部21及び分析部22で算出された結果の少なくともいずれかに加えて、季節、気温、湿度、天候、紫外線量及びデータベース等のいずれかの情報を組み合わせて、より良い肌状態にするための方法を表示させる画像を生成してよい。
【0035】
表示部30は、表示画像生成部24で生成された画像を処理部20から受信し、表示させる。表示部30は、例えば、ディスプレイ等の表示機能を保持する端末31の表示領域であってよい。端末31は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末又はスマートフォン等であってよい。
【0036】
入力部40は、処理部20で使用する情報を入力する。入力部40は、端末31から年齢、年代、性別又は使用している化粧品名の少なくともいずれかを入力してよい。
【0037】
本実施形態の肌状態分析システム1における測定装置10の一例を、図2を参照して説明する。測定装置10は、測定センサ11、耳掛け部12、及び開口部13を含んで構成される。
【0038】
測定装置10は、測定領域の形及び凹凸に沿う形状であればよい。測定装置10は、例えば、測定領域の形状に沿いやすい柔軟性のある素材で構成されている。測定装置10としては、例えば、シリコン及び樹脂等の材料で構成されている。測定装置10は、複数の測定センサ11が配置されている。測定装置10は、例えば、測定センサ11が、測定領域の表面が接するように保持されている。測定装置10は、例えば、複数の測定センサ11を接着剤で固定してもよいし、センサ部分の一部が露出するようにして埋め込んであってもよい。測定装置10は、複数の測定センサ11が配置されることで、一度の測定で広範囲の測定が可能となる。測定センサ11は、水分センサ、血流量センサ、及び画像センサ等の少なくともいずれかであってよい。水分センサは、例えば、肌の水分量を測定してよい。血流量センサは、例えば、肌の赤みを測定してよい。画像センサは、例えば、皮脂分泌量、肌の細かな凹凸の状態、肌の弾力、毛穴のつまり、毛穴のひらき、及びシミの状態の少なくともいずれかを測定してよい。水分センサは、電気伝導度(電気抵抗)、光学式、周波数(インピーダンス)及び静電容量式等のいずれかであってもよい。測定装置10は、測定センサ11が測定領域に等間隔で配置されてもよく、測定領域に含まれる部位の位置に合わせて配置されてもよい。測定領域に含まれる部位は、例えば、額、眉間、上瞼、下瞼、目尻、こめかみ、鼻、小鼻、頬、エラ、口元及び顎等であってよい。
【0039】
測定装置10は、例えば、部位ごとに一つの測定センサ11が配置されてもよいし、部位ごとに複数の測定センサ11が配置されてもよい。部位ごとに複数の測定センサ11が配置される場合、例えば、複数の測定センサ11の平均値、測定センサ11毎の値、複数の測定センサ11の中で最も数値が高い値、及び複数の測定センサ11の中で最も数値が低い値の少なくともいずれかを処理部20へ送信してよい。処理部20へ送信する値は、目的又は用途に応じて選別してよい。
【0040】
測定装置10は、測定装置10を正しい位置で保持するために、固定する機能を備えてよい。測定装置10は、例えば、耳掛け部12を設けることで、測定領域の位置がずれないように固定することが出来る。
【0041】
測定装置10は、例えば、口が位置する領域は切れ込み及び開口部13を保持してよい。測定装置10は、例えば、目が位置する領域は切れ込み及び開口部13を保持してよい。
【0042】
本実施形態の肌状態分析システム1における、処理部20の処理手順について図3を参照して説明する。
【0043】
まず、処理部20は、測定装置10で測定した測定結果を取得する(ステップS1)。推定部21は、第1の基準値と比較して肌状態を推定する(ステップS2)。処理部20は、スキンケアが必要か否かを判断する(ステップS3)。ステップ3でスキンケアが必要ではないと判断された場合、ステップS11へ進む。ステップS11の内容は後述する。ステップ3でスキンケアが必要と判断された場合、記憶部23に第2の基準値が存在するか否かを判断する(ステップS4)。
【0044】
ステップS5で記憶部23に第2の基準値が存在しないと判断された場合、ステップS11へ進む。ステップS11の内容は後述する。ステップS4で記憶部23に第2の基準値が存在すると判断された場合、推定部21は、第2の基準値と比較して肌状態を推定する(ステップS5)。分析部22は、測定結果と第1の基準値との差が大きいか否かを判断する(ステップS6)。
【0045】
ステップS6で測定結果と第1の基準値との差が小さいと判断された場合、ステップS9へ進む。ステップS9の内容は後述する。ステップS6で推定結果と第1の基準値との差が大きいと判断された場合、第2の基準値との差が大きいか否かを判断する(ステップS7)。分析部22は、必要な肌質改善のスキンケア方法を分析する(ステップS8)。分析部22は、必要な保湿ケアのスキンケア方法を分析する(ステップS9)。分析部22は、分析したスキンケア方法を表示画像生成部24に送信する(ステップS10)。
【0046】
表示画像生成部24は、生成した画像を表示部30に送信する(ステップS11)。
【0047】
本実施形態の肌状態分析システム1における、表示画像生成部24で生成される測定結果の表示画像について図4を参照して説明する。表示画像生成部24は、例えば、測定領域に含まれる各部位の肌状態が把握しやすいような画像を生成してよい。
【0048】
図4において、測定領域画像32は、例えば、測定領域の形状が分かる表示であればよく、イラスト及び写真等であってよい。測定領域画像32に写真を使用する場合、例えば、測定センサ11で撮影した測定領域が写る写真を入力させてよい。測定領域画像32に写真を使用する場合、例えば、入力部40から測定領域が写る写真を入力させてよい。
【0049】
測定領域画像32は、例えば、推定部21で推定した各部位の肌状態の結果に応じて、アイコン画像33を重畳させてよい。アイコン画像33は、任意の形状を用いることができるが、例えば、円形又は四角形であってよい。
【0050】
表示画像生成部24は、例えば、推定部21で推定した各部位の肌状態の結果に応じて、アイコン画像33の表示方法を変化させてよい。一つの部位に複数の測定センサ11が配置されていた場合、表示画像生成部24は、例えば、アイコン画像33をそれぞれの測定センサ11の結果に応じて表示させてよいし、アイコン画像33を複数の測定センサ11が配置されている位置にまとめて一つの結果として表示させてよい。
【0051】
表示画像生成部24は、例えば、推定部21の肌状態が第1の所定の基準より低いとそ
の箇所のアイコン画像33を赤色で表示させてよい。表示画像生成部24は、推定部21の肌状態が第1の所定の基準より高く、第2の所定の基準より低いとその箇所のアイコン
画像33を黄色で表示させてよい。表示画像生成部24は、推定部21の肌状態が第2の所定の基準より高いとその箇所のアイコン画像33を青色で表示させてよい。アイコン画
像33は、部位ごとの肌状態の評価の違いが把握しやすければよく、アイコン画像33において肌状態の良し悪しを同一の色で透過度等を変化させて表示してもよい。アイコン画像33は、例えば、肌状態が悪い箇所は透過度が低くてよい。アイコン画像33は、例えば、肌状態が悪い箇所は透過度が高くてよい。アイコン画像33は、透過度が低いと測定領域画像32が透けて見えず、透過度が高いと測定領域画像32が透けて見えてよい。
【0052】
図4において、例えば、評価の基準が分かるようにアイコン画像33がどのような結果を示しているのかを示す説明画像34を表示させてよい。説明画像34は、アイコン画像33の表示に応じて、例えば、スキンケアが「必要」、「あればなお良い」、及び「必要なし」等の説明を表示させてよい。
【0053】
本実施形態の肌状態分析システム1における、表示画像生成部24で生成される第1の分析結果により、保湿が足りていないと判断された場合の表示画像について図5を参照して説明する。図5においては、図4と同一名称を付した構成は、同一の構成、機能を有するものとして説明を省略する。表示画像生成部24は、例えば、測定領域に含まれる各部位のスキンケア方法を示す画像を生成してよい。
【0054】
表示画像生成部24は、部位ごとに第1の分析結果に応じて、分析結果画像35を表示させてよい。分析結果画像35は、例えば、推定部21から推定された肌状態に基づいて肌の状態を表すコメントを表示させてよい。分析結果画像35は、例えば、分析部22から分析された第1の分析結果に基づいて肌の状態を表すコメントを表示させてよい。分析結果画像35は、例えば、以前の測定結果との比較した結果が分かるように表示させてよい。分析結果画像35は、アイコン画像33を選択することで表示されてよい。表示画像生成部24は、選択するアイコン画像33の変更に応じて、分析結果画像35に表示する内容も変更してよい。
【0055】
表示画像生成部24は、例えば、分析部22から推定された第2の分析結果に基づいて追加のスキンケア方法を表すケア方法画像36を表示させてよい。ケア方法画像36は、例えば、第2の分析結果に応じて追加して使用する化粧品名、使用方法及び分量の少なくともいずれかを表示させてよい。使用方法は、例えば、塗布する量、塗布する位置、塗布する方法、及び次のスキンケアを行うまでの時間等の少なくともいずれかであってよい。ケア方法画像36は、アイコン画像33を選択することで表示されてよい。表示画像生成部24は、選択するアイコン画像33の変更に応じて、ケア方法画像36に表示する内容も変更してよい。
【0056】
本開示の実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形又は修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。本開示に係る実施形態は装置が備えるプロセッサにより実行されるプログラム又はプログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものである。本開示の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
【符号の説明】
【0057】
1 肌状態分析システム
10 測定装置
20 処理部
21 推定部
22 分析部
23 記憶部
24 表示画像生成部
30 表示部
31 端末
32 測定領域画像
33 アイコン画像
34 説明画像
35 分析結果画像
36 ケア方法画像
40 入力部

図1
図2
図3
図4
図5