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特開2024-82988ケラチン繊維の改善された直毛化のための組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082988
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】ケラチン繊維の改善された直毛化のための組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/365 20060101AFI20240613BHJP
   A61Q 5/04 20060101ALI20240613BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20240613BHJP
   A61K 8/42 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
A61K8/365
A61Q5/04
A61K8/37
A61K8/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022197248
(22)【出願日】2022-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【弁理士】
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】道辻 知剛
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB032
4C083AB102
4C083AC102
4C083AC301
4C083AC302
4C083AC311
4C083AC341
4C083AC641
4C083AC711
4C083AC712
4C083CC34
4C083DD23
4C083EE25
(57)【要約】
【課題】毛髪等のケラチン繊維をまっすぐにするための改善された組成物であって、ケラチン繊維の退色を防止若しくは低減することができ且つ/又はケラチン繊維に、より長時間持続する直毛化効果をもたらすことができる組成物を、グリオキシル酸又はその誘導体と共にケラチン繊維に熱を加えることに基づいて提供すること。
【解決手段】本発明は、毛髪等のケラチン繊維をまっすぐにするための組成物であって、(a)グリオキシル酸、グリオキシル酸溶媒和物、グリオキシル酸塩、グリオキシル酸エステル、グリオキシル酸アミド、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物、(b)少なくとも1種の有機酸金属塩、並びに(c)水を含む、組成物に関する。本発明は、グリオキシル酸又はその誘導体と共にケラチン繊維に熱を加えることに基づいて、退色の影響が少なく且つ/又は直毛化効果がより長時間持続するケラチン繊維をもたらすことによって、毛髪等のケラチン繊維をまっすぐにするための組成物を改良することができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱によって毛髪等のケラチン繊維をまっすぐにするための組成物であって、
(a)グリオキシル酸、グリオキシル酸溶媒和物、グリオキシル酸塩、グリオキシル酸エステル、グリオキシル酸アミド、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物、
(b)少なくとも1種の有機酸金属塩、並びに
(c)水
を含む、組成物。
【請求項2】
組成物のpHが、7以下、好ましくは6以下、より好ましくは5以下である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
組成物中の(a)化合物の量が、組成物の総質量に対して、0.1質量%~50質量%、好ましくは0.5質量%~40質量%、より好ましくは1質量%~30質量%である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
(b)有機酸金属塩の金属が、マグネシウム、カルシウム、及び亜鉛から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
(b)有機酸金属塩の有機酸が、α-ヒドロキシ酸から選択される、好ましくはグリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、マンデル酸、及びグルコン酸からなる群から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
(b)有機酸金属塩が、グルコン酸マグネシウム、カルシウム又は亜鉛である、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
組成物中の(b)有機酸金属塩の量が、組成物の総質量に対して、0.1質量%~15質量%、好ましくは0.2質量%~10質量%、より好ましくは0.3質量%~5質量%である、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
組成物中の(c)水の量が、組成物の総質量に対して、20質量%~99質量%、好ましくは30質量%~95質量%、より好ましくは40質量%~90質量%である、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
好ましくはトリメチルグリシン、カルニチン、及びL-プロリンベタイン又はスタキドリン、並びにこれらの混合物からなる群から選択される(d)少なくとも1種のベタイン化合物を更に含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
組成物中の(d)ベタイン化合物の量が、組成物の総質量に対して、0.01質量%~15質量%、好ましくは0.05質量%~10質量%、より好ましくは0.1質量%~5質量%である、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
アンモニア若しくはチオール化合物を一切含まない、又は組成物の総質量に対して1質量%未満、好ましくは0.5質量%未満、より好ましくは0.1質量%未満のアンモニア若しくはチオール化合物を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
還元剤若しくは酸化剤を一切含まない、又は組成物の総質量に対して1質量%未満、好ましくは0.5質量%未満、より好ましくは0.1質量%未満の還元剤若しくは酸化剤を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
毛髪等のケラチン繊維をまっすぐにする方法であって、
(i)組成物をケラチン繊維上に適用する工程と、
(ii)任意選択によりケラチン繊維をすすぎ流し、すすぎ流した後にケラチン繊維を乾燥する又は乾燥しない工程と、
(iii)50℃超、好ましくは100℃超、より好ましくは150℃超の温度でケラチン繊維をまっすぐにする工程と
を含み、
組成物が、
(a)グリオキシル酸、グリオキシル酸溶媒和物、グリオキシル酸塩、グリオキシル酸エステル、グリオキシル酸アミド、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物、
(b)少なくとも1種の有機酸金属塩、並びに
(c)水
を含む、方法。
【請求項14】
毛髪等のケラチン繊維をまっすぐにするためのキットであって、
50℃超、好ましくは100℃超、より好ましくは150℃超の温度をケラチン繊維に与えることができる、少なくとも1つの加熱器、好ましくは加熱用アイロンと、
(a)グリオキシル酸、グリオキシル酸溶媒和物、グリオキシル酸塩、グリオキシル酸エステル、グリオキシル酸アミド、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物、
(b)少なくとも1種の有機酸金属塩、並びに
(c)水
を含む、少なくとも1種の組成物と、
を含む、キット。
【請求項15】
(a)グリオキシル酸、グリオキシル酸溶媒和物、グリオキシル酸塩、グリオキシル酸エステル、グリオキシル酸アミド、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物、並びに
(c)水
を含む、加熱によって毛髪等のケラチン繊維をまっすぐにするための組成物中における(b)少なくとも1種の有機酸金属塩の使用であって、
ケラチン繊維の退色を防止若しくは低減するための、
及び/或いは
組成物によるケラチン繊維への直毛化効果を延長するための、特にケラチン繊維のストレート形状を更に維持する又はケラチン繊維のウェーブ化を防止若しくは低減するための、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪等のケラチン繊維をまっすぐにするための(ストレート化用の)組成物、特に化粧用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪等のケラチン繊維をアイロンで加熱することによって該ケラチン繊維をまっすぐにすることは、まとまりにくいケラチン繊維を扱いやすくし、ケラチン繊維のボリュームを減らし、より望ましく見えるようにする上で人気がある。このような加熱アイロンを使用した直毛化法は、即座のスタイリングに便利であるが、スタイルは短時間、例えば次に洗髪するまでしか持続しない。多くの消費者にとって長時間持続する直毛化法が必要とされている。
【0003】
一方、還元剤及びアルカリ剤並びに酸化剤を使用して加熱する従来の永久直毛化(パーマネントストレート化)法は、スタイルが長時間持続するケラチン繊維をもたらすことができるが、長い処理時間、ケラチン繊維への損傷及び悪臭等の幾つかの欠点がある。
【0004】
WO 2014/131469は、還元剤及び酸化剤を使用せずに、アイロンで加熱することによってケラチン繊維をまっすぐにするための組成物であって、グリオキシル酸を含む組成物を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO 2014/131469
【特許文献2】欧州特許出願公開第0354835号
【特許文献3】欧州特許出願公開第0368763号
【特許文献4】欧州特許出願公開第0432000号
【特許文献5】欧州特許出願公開第0514282号
【特許文献6】仏国特許出願公開第2679448号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
グリオキシル酸又はその誘導体と共にケラチン繊維を加熱することに基づくケラチン繊維の直毛化を改善する必要性が依然として存在する。
【0007】
本発明の目的は、毛髪等のケラチン繊維をまっすぐにするための改善された組成物であって、ケラチン繊維の退色を防止若しくは低減することができ且つ/又はケラチン繊維に、より長時間持続する直毛化効果をもたらすことができる組成物を、グリオキシル酸又はその誘導体と共にケラチン繊維に熱を加えることに基づいて提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上記の目的は、加熱によって毛髪等のケラチン繊維をまっすぐにするための組成物であって、
(a)グリオキシル酸、グリオキシル酸溶媒和物、グリオキシル酸塩、グリオキシル酸エステル、グリオキシル酸アミド、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物、
(b)少なくとも1種の有機酸金属塩、並びに
(c)水
を含む、組成物によって達成することができる。
【0009】
本発明による組成物のpHは、7以下、好ましくは6以下、より好ましくは5以下であってもよい。
【0010】
本発明による組成物中の(a)化合物の量は、組成物の総質量に対して、0.1質量%~50質量%、好ましくは0.5質量%~40質量%、より好ましくは1質量%~30質量%であってもよい。
【0011】
(b)有機酸金属塩の金属は、マグネシウム、カルシウム、及び亜鉛から選択することができる。
【0012】
(b)有機酸金属塩の有機酸は、α-ヒドロキシ酸から選択することができ、好ましくはグリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、マンデル酸、及びグルコン酸からなる群から選択することができる。
【0013】
(b)有機酸金属塩は、グルコン酸マグネシウム、カルシウム又は亜鉛であってもよい。
【0014】
本発明による組成物中の(b)有機酸金属塩の量は、組成物の総質量に対して、0.1質量%~15質量%、好ましくは0.2質量%~10質量%、より好ましくは0.3質量%~5質量%であってもよい。
【0015】
本発明による組成物中の(c)水の量は、組成物の総質量に対して、20質量%~99質量%、好ましくは30質量%~95質量%、より好ましくは40質量%~90質量%であってもよい。
【0016】
本発明による組成物は、好ましくはトリメチルグリシン、カルニチン、及びL-プロリンベタイン又はスタキドリン、並びにこれらの混合物からなる群から選択される(d)少なくとも1種のベタイン化合物を更に含んでもよい。
【0017】
本発明による組成物中の(d)ベタイン化合物の量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%~15質量%、好ましくは0.05質量%~10質量%、より好ましくは0.1質量%~5質量%であってもよい。
【0018】
本発明による組成物は、アンモニア若しくはチオール化合物を一切含まなくてもよい、又は組成物の総質量に対して1質量%未満、好ましくは0.5質量%未満、より好ましくは0.1質量%未満のアンモニア若しくはチオール化合物を含んでもよい。
【0019】
本発明による組成物は、還元剤若しくは酸化剤を一切含まなくてもよい、又は組成物の総質量に対して1質量%未満、好ましくは0.5質量%未満、より好ましくは0.1質量%未満の還元剤若しくは酸化剤を含んでもよい。
【0020】
本発明はまた、毛髪等のケラチン繊維をまっすぐにするための方法であって、
(i)組成物をケラチン繊維上に適用する工程と、
(ii)任意選択によりケラチン繊維をすすぎ流し、すすぎ流した後にケラチン繊維を乾燥する又は乾燥しない工程と、
(iii)50℃超、好ましくは100℃超、より好ましくは150℃超の温度でケラチン繊維をまっすぐにする工程と
を含み、
該組成物が、
(a)グリオキシル酸、グリオキシル酸溶媒和物、グリオキシル酸塩、グリオキシル酸エステル、グリオキシル酸アミド、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物、
(b)少なくとも1種の有機酸金属塩、並びに
(c)水
を含む、方法にも関する。
【0021】
本発明はまた、毛髪等のケラチン繊維をまっすぐにするためのキットであって、
50℃超、好ましくは100℃超、より好ましくは150℃超の温度をケラチン繊維に与えることができる、少なくとも1つの加熱器、好ましくは加熱用アイロンと、
(a)グリオキシル酸、グリオキシル酸溶媒和物、グリオキシル酸塩、グリオキシル酸エステル、グリオキシル酸アミド、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物、
(b)少なくとも1種の有機酸金属塩、並びに
(c)水
を含む、少なくとも1種の組成物と
を含む、キットにも関する。
【0022】
本発明はまた該組成物が、
(a)グリオキシル酸、グリオキシル酸溶媒和物、グリオキシル酸塩、グリオキシル酸エステル、グリオキシル酸アミド、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物、並びに
(c)水
を含む、加熱によって毛髪等のケラチン繊維をまっすぐにするための組成物中における(b)少なくとも1種の有機酸金属塩の使用であって、
ケラチン繊維の退色を防止若しくは低減するための、
及び/或いは
組成物によるケラチン繊維への直毛化効果を延長するための、特にケラチン繊維のストレート形状を更に維持する又はケラチン繊維のウェーブ化を防止若しくは低減するための、使用にも関する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
鋭意検討の結果、本発明者らは、毛髪等のケラチン繊維をまっすぐにするための(ストレート化用の)改善された組成物であって、ケラチン繊維の退色を防止若しくは低減することができ、且つ/又は、ケラチン繊維に、より長時間持続する直毛化効果をもたらすことができる組成物を、グリオキシル酸又はその誘導体と共にケラチン繊維に熱を加えることに基づいて提供することが可能であることを発見した。
【0024】
したがって、本発明は主に、加熱によって毛髪等のケラチン繊維をまっすぐにするための組成物、好ましくは化粧用組成物であって、
(a)グリオキシル酸、グリオキシル酸溶媒和物、グリオキシル酸塩、グリオキシル酸エステル、グリオキシル酸アミド、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物、
(b)少なくとも1種の有機酸金属塩、並びに
(c)水
を含む、組成物に関する。
【0025】
本発明は、グリオキシル酸又はその誘導体と共にケラチン繊維に熱を加えることに基づいて、退色の影響が少なく且つ/又は直毛化効果がより長時間持続するケラチン繊維をもたらすことによって、毛髪等のケラチン繊維をまっすぐにするための(ストレート化用の)組成物を改良することができる。
【0026】
本発明は、ケラチン繊維の退色を防止又は低減することができる。したがって、本発明による処置の前後のケラチン繊維の色は、維持され得る、又は実質的に変化しない。例えば、染色したケラチン繊維の色は、本発明による処置の前と後で実質的に変化しないと考えられる。
【0027】
本発明は、毛髪等のケラチン繊維に、より長時間持続する直毛化効果を与えることができる。したがって、本発明は、グリオキシル酸又はその誘導体のみを含む組成物を使用することによってもたらされるケラチン繊維への直毛化効果を延長又は持続させることができる。特に、本発明は更に、ケラチン繊維のストレート形状を維持することができる、又は経時的なケラチン繊維のストレート形状の損失を防止若しくは低減することができる。
【0028】
例えば、ケラチン繊維が元々ウェーブ状である場合、本発明は、ケラチン繊維をまっすぐに矯正した後、特に洗髪後、ケラチン繊維が元のウェーブ形状に戻るのをより良好に防止することができる。
【0029】
本発明において、少なくとも1種の有機酸金属塩の使用は、直毛化によるケラチン繊維の変色を防止若しくは低減でき、且つ/又はグリオキシル酸若しくはその誘導体によってもたらされるケラチン繊維への直毛化効果を延長若しくは持続させることができる。特に、少なくとも1種の有機酸金属塩の使用は、染色したケラチン繊維の退色を防止若しくは低減でき、且つ/又はグリオキシル酸若しくはその誘導体によってもたらされるケラチン繊維のストレート形状を更に維持できる又はケラチン繊維のウェーブ化を防止若しくは低減できる。
【0030】
本発明はまた、ケラチン繊維に、十分に即座の直毛化効果を付与することもできる。したがって、本発明によって処置したケラチン繊維は、ケラチン繊維のカールが低減するため、ボリューム又は縮毛を減少することができる。本発明によってもたらされた直毛化効果は、例えば、ケラチン繊維を洗髪した後でも長時間持続することができる。したがって、本発明は、洗髪に良好な耐性を持つケラチン繊維の形状ももたらすことができる。
【0031】
本発明は、還元剤/酸化剤を一切使用する必要がないため、従来の直毛化法と比較して損傷が少ないケラチン繊維をもたらすことができる。したがって、本発明によって処置されたケラチン繊維を櫛で梳くことは容易でありうる。そのため、本発明で処置されたケラチン繊維は、容易に扱うことができる。また、本発明によって処置されたケラチン繊維は、従来の直毛化法で処置されたものより強力でありうる。
【0032】
加えて、本発明は、アンモニア又はチオール化合物を使用しないか又は非常に少なくてもよく、したがって、アンモニア又はチオール化合物の使用を必要とする従来の方法と比較して、本発明の使用中の臭いを低減させることができる。また、本発明は、良好な使いやすさ、例えば、短い処理時間が可能である。
【0033】
以下、本発明を、詳細に説明する。
【0034】
[組成物]
本発明による組成物は、加熱によって毛髪等のケラチン繊維をまっすぐにするための組成物であり、
(a)グリオキシル酸、グリオキシル酸溶媒和物、グリオキシル酸塩、グリオキシル酸エステル、グリオキシル酸アミド、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物、
(b)少なくとも1種の有機酸金属塩、並びに
(c)水
を含む。
【0035】
上記の組成物は、化粧用組成物であることが好ましく、より好ましくはケラチン繊維をまっすぐにするための化粧用組成物、更により好ましくはケラチン繊維を一段階でまっすぐにするための化粧用組成物である。ケラチン繊維は毛髪であることが特に好ましい。
【0036】
(グリオキシル酸及びその誘導体)
本発明による組成物は、(a)グリオキシル酸、グリオキシル酸溶媒和物、グリオキシル酸塩、グリオキシル酸エステル、グリオキシル酸アミド、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む。
【0037】
単一のタイプの(a)化合物を使用してもよいが、2種以上の異なるタイプの(a)化合物を組み合わせて使用することもできる。
【0038】
(a)化合物は、グリオキシル酸、グリオキシル酸溶媒和物、グリオキシル酸塩、グリオキシル酸エステル、グリオキシル酸アミド、及びこれらの混合物からなる群から選択される。言い換えれば、(a)化合物は、グリオキシル酸及びその誘導体から選択される。
【0039】
グリオキシル酸溶媒和物として、例えば、グリオキシル酸一水和物等のグリオキシル酸水和物を挙げることができる。
【0040】
グリオキシル酸塩として、例えば、グリオキシル酸ナトリウム又はカリウム及びグリオキシル酸マグネシウム又はカルシウム等のグリオキシル酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を挙げることができる。
【0041】
グリオキシル酸エスエルとして、例えば、グリオキシル酸メチル及びグリオキシル酸エチル等のグリオキシル酸アルキルエステルを挙げることができる。
【0042】
グリオキシル酸アミドとして、例えば、N-グリオキシロイルカルボシステイン及びN-グリオキシロイルケラチンアミノ酸を挙げることができる。
【0043】
(a)化合物として、グリオキシル酸を使用することが好ましい。
【0044】
本発明による組成物中の(a)化合物の量は、組成物の総質量に対して、0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上であってもよい。
【0045】
その一方で、本発明による組成物中の(a)化合物の量は、組成物の総質量に対して、50質量%以下、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下であってもよい。
【0046】
本発明による組成物中の(a)化合物の量は、組成物の総質量に対して、0.1質量%~50質量%、好ましくは0.5質量%~40質量%、より好ましくは1質量%~30質量%であってもよい。
【0047】
[有機酸金属塩]
本発明による組成物は、(b)少なくとも1種の有機酸金属塩を含む。2種以上のそのような塩を組み合わせて使用してもよい。したがって、単一のタイプのそのような塩、又は異なるタイプのそのような塩の組合せを使用することができる。
【0048】
複数の有機酸金属塩を使用する場合、有機酸のタイプが異なる且つ/又は金属のタイプが異なる可能性がある。
【0049】
(b)有機酸金属塩の金属は、アルカリ金属、特にナトリウム及びカリウムから選択することができる。
【0050】
(b)有機酸金属塩の金属は、アルカリ土類金属、特にマグネシウム及びカルシウムから選択することができる。
【0051】
(b)有機酸金属塩の金属は、亜鉛等の周期表中の遷移金属及び第12族元素から選択することができる。
【0052】
(b)有機酸金属塩の有機酸は、α-ヒドロキシ酸から選択することができる。
【0053】
α-ヒドロキシ酸は、以下の式(I)で表すことができる:
【0054】
【化1】
【0055】
(式中、
R1は、H、-OH、-NH2、-CH2COOH又は直鎖状若しくは分枝状C1~4アルキルであり、
R2は、H、-COOH、-CHOH-COOH、-CF3、-CH=CH2、-NHCONH2、-OH、Cl、-NH2、-COOH、-CF3及び-SCH3から選択される基で任意選択により置換された直鎖状、分枝状又は環状C1~8アルキル;1つの-OH又は-OCH3基で任意選択により置換されたフェニル又はベンジル;或いは以下の基
【0056】
【化2】
【0057】
であり、
R1及びR2は共に、オキソ基(=O)又はシクロプロピル、シクロブチル、ヒドロキシシクロブチル、シクロペンチル若しくはシクロヘキシル環(これらを含有する炭素原子を有する)、或いは以下の基
【0058】
【化3】
【0059】
を形成することもでき、
R1がHである場合、R2は-(CHOH)2CH2OH又は-(CHOH)3CH2OH基も表すことができ、Rは-OH又は-NR3R4であり、式中、R3、R4は、H又は1つ若しくは2つのOH基並びにその立体異性体、有機塩又は無機塩及びその溶媒和物で任意選択により置換された直鎖状若しくは分枝状C1~4アルキルである)。
【0060】
α-ヒドロキシ酸は、以下:
グリコール酸、シュウ酸、乳酸、1-ヒドロキシ-1-シクロプロパンカルボン酸、2-ヒドロキシ-3-ブテン酸、2-ヒドロキシイソ酪酸、2-ヒドロキシ-n-酪酸、イソセリン、グリセリン酸、2-ヒドロキシ-3-メチル酪酸、2-ヒドロキシ-2-メチル酪酸、2-ヒドロキシ吉草酸、4-アミノ-2-ヒドロキシ酪酸、1-ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸、ジヒドロキシフマル酸、シトラマル酸、酒石酸、クエン酸、2-ヒドロキシ-4-(メチルチオ)酪酸、マンデル酸、2-ヒドロキシ-3-メチル吉草酸、グリオキシル尿素、β-イミダゾール乳酸、2-トリフルオロメチル-2-ヒドロキシプロピオン酸、ヘキサヒドロマンデル酸、2-ヒドロキシオクタン酸、アラビン酸、3-フェニル乳酸、ヒドロキシフェニルグリシン、3-ヒドロキシマンデル酸、4-ヒドロキシマンデル酸、2-ヒドロキシノナン酸、L-アルギニン酸、3-メトキシマンデル酸、4-メトキシマンデル酸、3-(4-ヒドロキシフェニル)乳酸、タルトロン酸、β-クロロ乳酸、1-シクロペンタノール-1-カルボン酸、1,2-ジヒドロキシシクロブタンカルボン酸、2-エチル-2-ヒドロキシ酪酸、α-ヒドロキシイソカプロン酸、α-ヒドロキシカプロン酸、2-ヒドロキシ-3,3-ジメチル酪酸、リンゴ酸、ヒドロキシタルトロン酸、グルコン酸、ラクタミド、N-メチルラクタミド、N-エチルラクタミド、N,N-ジメチルラクタミド、N-2-ヒドロキシエチルラクタミド、並びにこれらの立体異性体、有機塩又は無機塩及び溶媒和物から選択することができる。
【0061】
α-ヒドロキシ酸は、グリコール酸、シュウ酸、L-乳酸、DL-乳酸、D-乳酸、リンゴ酸、酒石酸、DL-グリセリン酸、アラビン酸、グルコン酸、ヒドロキシタルトロン酸、ラクタミド、N-メチルラクタミド、N-エチルラクタミド、及びN-2-ヒドロキシエチルラクタミドからなる群から選択されることが好ましいことがある。
【0062】
α-ヒドロキシ酸は、グルコン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、及びマンデル酸からなる群から選択されることがより好ましいことがある。
【0063】
(b)有機酸金属塩は、グルコン酸マグネシウム、グルコン酸カルシウム又はグルコン酸亜鉛であることが更により好ましいことがある。
【0064】
本発明による組成物中の(b)有機酸金属塩の量は、組成物の総質量に対して、0.1質量%以上、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上である。
【0065】
一方で、本発明による組成物中の(b)有機酸金属塩の量は、組成物の総質量に対して、15質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下でもよい。
【0066】
本発明による組成物中の(b)有機酸金属塩の量は、組成物の総質量に対して、0.1質量%~15質量%、好ましくは0.2質量%~10質量%、より好ましくは0.3質量%~5質量%であってもよい。
【0067】
(水)
本発明による組成物は、(c)水を含む。
【0068】
そのため、本発明による組成物は、無水物ではない。
【0069】
本発明による組成物中の(c)水の量は、組成物の総質量に対して20質量%以上、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上である。
【0070】
その一方で、本発明による組成物中の(c)水の量は、組成物の総質量に対して99質量%以下、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下であってもよい。
【0071】
本発明による組成物中の(c)水の量は、組成物の総質量に対して20質量%~99質量%、好ましくは30質量%~95質量%、より好ましくは40質量%~90質量%であってもよい。
【0072】
(ベタイン化合物)
本発明による組成物は、(d)少なくとも1種のベタイン化合物を更に含んでもよい。単一のタイプの特定のベタイン化合物を使用してもよいが、2種以上の異なるタイプのベタイン化合物を組み合わせて使用することもできる。
【0073】
用語「ベタイン化合物」は、本明細書では、正電荷を持つカチオン性部分及び負電荷を持つアニオン性部分を有する両性化合物であって、正電荷を持つカチオン性部分の正電荷を持つ原子に結合されている水素原子がなく、正電荷を持つカチオン性部分が負電荷を持つアニオン性部分に隣接し得ない、両性化合物を意味する。
【0074】
本発明の目的のために、本明細書の(d)ベタイン化合物は、少なくとも1つの親水性部分と少なくとも1つの疎水性部分とを含む界面活性剤ではない。
【0075】
(d)ベタイン化合物中の正電荷を持つカチオン性部分としては、これらに限定されないが、第四級アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、及びスルホニウムカチオンが挙げられる。好ましくは、(d)ベタイン化合物としては、正電荷を持つカチオン性部分として第四級アンモニウムカチオンが挙げられる。
【0076】
(d)ベタイン化合物中の負電荷を持つアニオン性部分としては、限定されないが、カルボキシレートアニオンが挙げられる。
【0077】
(d)ベタイン化合物は、トリメチルグリシン、カルニチン、L-プロリンベタイン又はスタキドリン、及びこれらの混合物からなる群から選択することができ、好ましくはトリメチルグリシンである。
【0078】
本発明による組成物中の(d)ベタイン化合物の量は、組成物の総質量に対して0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であってもよい。本発明による組成物中の(d)ベタイン化合物の量は、組成物の総質量に対して0.2質量%以上であることが、更により好ましいことがある。
【0079】
その一方で、本発明による組成物中の(d)ベタイン化合物の量は、組成物の総質量に対して15質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下であってもよい。本発明による組成物中の(d)ベタイン化合物の量は、組成物の総質量に対して3質量%以下であることが、更により好ましいことがある。
【0080】
本発明による組成物中の(d)ベタイン化合物の量は、組成物の総質量に対して0.01質量%~15質量%、好ましくは0.05質量%~10質量%、より好ましくは0.1質量%~5質量%の範囲であってもよい。本発明による組成物中の(d)ベタイン化合物の量は、組成物の総質量に対して0.2質量%~3質量%であることが、更により好ましいことがある。
【0081】
(pH)
本発明による組成物のpHは、25℃で測定されて7以下、好ましくは6以下、より好ましくは5以下であってもよい。
【0082】
本発明による組成物のpHは、25℃で測定されて3以上であってもよい。
【0083】
本発明による組成物のpHは、25℃で測定されて3~7、好ましくは3~6、より好ましくは3~5であってもよい。
【0084】
(アルカリ剤)
本発明による、ケラチン繊維をまっすぐにするための組成物は、少なくとも1種のアルカリ剤を含んでもよい。2種以上のアルカリ剤を組み合わせて使用してもよい。そのため、単一のタイプのアルカリ剤、又は異なるタイプのアルカリ剤の組合せを使用することができる。
【0085】
アルカリ剤は、(d)ベタイン化合物とは異なる。
【0086】
(a)化合物が組成物のpHを下げるように機能できる場合には、本発明による組成物がアルカリ剤を含むことが好ましい。
【0087】
アルカリ剤は、無機アルカリ剤であってもよい。アルカリ性剤が不揮発性であることが好ましい。無機アルカリ剤が、アルカリ金属水酸化物;アルカリ土類金属水酸化物;並びにリン酸ナトリウム又はリン酸一水素ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩及びリン酸一水素塩からなる群から選択されることが好ましい。
【0088】
無機アルカリ金属水酸化物の例としては、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム及び水酸化カリウムを挙げることができる。アルカリ土類金属水酸化物の例として、水酸化カルシウム及び水酸化マグネシウムを挙げることができる。無機アルカリ剤として、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが好ましい。
【0089】
アルカリ剤は、有機アルカリ剤であってもよい。有機アルカリ剤は、モノアミン及びジアミンからなる群から選択されることが好ましい。
【0090】
モノアミンの例としては、アルカノールアミン、例えば、1~3つのヒドロキシアルキル(C1~C4)基を含む、モノ-、ジ-及びトリ-エタノールアミンを挙げることができる。特に、アルカノールアミンは、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、トリイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、3-アミノ-1,2-プロパンジオール、3-ジメチルアミノ-1,2-プロパンジオール、及びトリス(ヒドロキシメチルアミノ)メタンから選択することができる。
【0091】
ジアミンは、以下の構造式(B):
【0092】
【化4】
【0093】
(式中、Wは、ヒドロキシル又はC1~C4アルキル基により任意選択で置換されているプロピレン等のアルキレンを表し、Ra、Rb、Rc及びRdは、独立に、水素原子、アルキル基又はC1~C4ヒドロキシアルキル基を表す)において記載されているものであってもよく、これは、1,3-プロパンジアミン及びその誘導体により例示することができる。
【0094】
本発明による組成物中のアルカリ剤の量は、組成物の総質量に対して0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であってもよい。
【0095】
その一方で、本発明による組成物中のアルカリ剤の量は、組成物の総質量に対して15質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下であってもよい。
【0096】
アルカリ剤は、組成物の総質量に対して、0.01質量%~15質量%、好ましくは0.05質量%~10質量%、より好ましくは0.1質量%~5質量%の総量で使用してもよい。
【0097】
(酸)
本発明による、ケラチン繊維をまっすぐにするための組成物は、(a)化合物又は(d)ベタイン化合物とは異なる少なくとも1種の酸を含んでもよい。2種以上の酸を組み合わせて使用してもよい。そのため、単一のタイプの酸、又は異なるタイプの酸の組合せを使用することができる。
【0098】
酸は、本発明による組成物のpHを調整するために使用されてもよい。
【0099】
(a)化合物が組成物のpHを上げるように機能できる場合には、本発明による組成物が酸を含むことが好ましい。
【0100】
酸としては、クエン酸、乳酸、硫酸、リン酸又は塩酸(HCl)等の、化粧料において一般に使用される任意の無機酸又は有機酸を挙げることができる。HClが好ましい。
【0101】
本発明による組成物中の酸の量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であってもよい。
【0102】
その一方で、本発明による組成物中の酸の量は、組成物の総質量に対して、15質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下であってもよい。
【0103】
酸は、組成物の総質量に対して、0.01質量%~15質量%、好ましくは0.05質量%~10質量%、より好ましくは0.1質量%~5質量%の総量で使用してもよい。
【0104】
(他の任意選択の成分)
本発明による組成物はまた、少なくとも1種の他の任意選択の成分を含んでもよく、それらは特に、大気圧下、25℃で液体の形態である油、好ましくは極性油、より好ましくはエステル油;大気圧下、25℃での固体脂肪物質、特にC8~C40エステル、C8~C40酸、及びC8~C40アルコール;増粘剤;日焼け止め剤;保湿剤;抗フケ剤;抗酸化剤;キレート剤;真珠光沢剤及び不透明化剤;可塑剤又はコアレッサ;フィラー;乳化剤;ポリマー、特にコンディショニングポリマー、例えばカチオン性ポリマー;香料;シラン;架橋剤;アニオン性、カチオン性、両性及び非イオン性の界面活性剤を含めた界面活性剤から選択される。組成物は、当然ながら、上記の一覧に登場する幾つかの化粧用成分を含むことができる。
【0105】
本発明による組成物は、1種又は数種の化粧料として許容される有機溶媒を含んでもよく、これは、アルコール、特に一価アルコール、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール及びフェニルエチルアルコール;ジオール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール及びカプリリルグリコール;他のポリオール、例えばグリセロール;並びにエーテル、例えばエチレングリコールモノメチル、モノエチル及びモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル、モノエチル及びモノブチルエーテル、並びにブチレングリコールモノメチル、モノエチル及びモノブチルエーテルでありうる。
【0106】
それらの性質及び組成物の目的に応じて、上記の任意選択の成分は、当業者によって容易に決定されうる通常の量で、且つ各成分について0.01質量%から80質量%の間でありうる通常の量で存在することができる。当業者であれば、組成物中に含ませる成分、更にはそれらの量を、それらが本発明に使用される組成物の特性を害さないように注意深く選ぶことになる。
【0107】
(アンモニア及びチオール化合物)
本発明による組成物が、アンモニア又はチオール化合物を非含有であることが好ましい。用語「アンモニア又はチオール化合物を非含有である」は、本発明による組成物が、実質的な量のアンモニア又はチオール化合物を含まないことを意味する。好ましくは、本発明による組成物は、1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、更により好ましくは0.1質量%以下のアンモニア又はチオール化合物を含み、特に、アンモニア又はチオール化合物を含まない。
【0108】
アンモニア及び/又はチオール化合物が極めて少量である又は存在しないために、本発明による組成物の使用中の悪臭を、低減又は防止できる。
【0109】
チオール化合物は、本明細書では、少なくとも1つのチオール(-SH)基を有する化合物を意味する。
【0110】
チオール化合物は、還元剤であってもよい。チオール還元剤は、チオグリコール酸及びその誘導体、とりわけそのエステル(モノチオグリコール酸グリセロール又はモノチオグリコール酸グリコール等);チオ乳酸及びその誘導体、とりわけそのエステル(モノチオ乳酸グリセロール等);3-メルカプトプロピオン酸及びその誘導体、とりわけそのエステル(3-メルカプトプロピオン酸グリセロール及び3-メルカプトプロピオン酸エチレングリコール等);システアミン及びその誘導体、とりわけそのC1~C4アシル誘導体(N-アセチルシステアミン及びN-プロピオニルシステアミン等);モノチオグリセロール及びその誘導体、とりわけエステル;システイン及びその誘導体、とりわけエステル(N-アセチルシステイン、N-アルカノイルシステイン及びシステインアルキルエステル等);チオグリセリン及びその誘導体、とりわけs-アルキル誘導体、並びにそれらの塩からなる群から選択することができる。
【0111】
上記の塩としては、例えば、アンモニウム塩;第一級、第二級又は第三級アミン塩;アルカリ金属塩、及びアルカリ土類金属塩を挙げることができる。第一級、第二級又は第三級アミンとして、例えば、それぞれ、モノエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン又はトリエタノールアミンを挙げることができる。
【0112】
チオール還元剤の他の例には、糖N-メルカプトアルキルアミド[N-(メルカプト-2-エチル)グルコンアミド、β-メルカプトプロピオン酸、及びそれらの誘導体等];チオリンゴ酸;パンテテイン;N-(メルカプトアルキル)ω-ヒドロキシアルキルアミド(欧州特許出願公開第0354835号に記載されているもの等)及びN-モノ-又はN,N-ジアルキルメルカプト4-ブチルアミド(欧州特許出願公開第0368763号に記載されているもの等);アミノメルカプトアルキルアミド(欧州特許出願公開第0432000号に記載されているもの等)及びアルキルアミノメルカプトアルキルアミド(欧州特許出願公開第0514282号に記載されているもの等);(2/3)ヒドロキシ-2プロピルチオグリコレート;並びに仏国特許出願公開第2679448号に記載されているヒドロキシ-2メチル-1エチルチオグリコレート系混合物(67/33)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0113】
(還元剤及び酸化剤)
本発明による組成物は還元剤を含んでもよいが、しかしながら、本発明による組成物が含む還元剤又は酸化剤が減じられた量であること、好ましくは還元剤又は酸化剤を非含有であることが好ましい。
【0114】
用語「還元剤又は酸化剤を非含有である」は、本発明による組成物が、実質的な量の還元剤又は酸化剤を含まないことを意味する。好ましくは、本発明による組成物は、1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、更により好ましくは0.1質量%以下の還元剤又は酸化剤を含み、特に還元剤又は酸化剤を含まない。
【0115】
還元剤は、チオール還元剤又は非チオール還元剤であってよい。チオール還元剤は、上に記載したものである。
【0116】
非チオール還元剤は、本明細書では、チオール基を含まない還元剤を意味する。非チオール還元剤は、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、スルフィネート、ホスフィン、糖、レダクトン及び水素化物からなる群から選択することができる。非チオール還元剤は、亜硫酸アンモニウム及び亜硫酸水素アンモニウム、並びに金属の亜硫酸塩及び亜硫酸水素塩、より好ましくはアルカリ金属又はアルカリ土類金属の亜硫酸塩及び亜硫酸水素塩、より好ましくは亜硫酸ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウムから選択することができる。
【0117】
酸化剤は、過酸化水素、アルカリ金属臭素酸塩、フェリシアン化物、過酸化塩、及び加水分解によって過酸化水素を生成することができる化合物から選択することができる。例えば、酸化剤は、過酸化水素水溶液、過酸化尿素、アルカリ金属臭素酸塩、並びに過ホウ酸塩及び過硫酸塩等の過酸塩から選択することができる。
【0118】
(形態)
本発明による組成物は、局所的用途に好適な任意の形態とすることができ、特に、水性、アルコール性若しくは水性-アルコール性の、又は油性の、溶液又は懸濁液の形態;ローション若しくはセラムタイプの溶液又は分散体の形態;O/W、W/O若しくは多重タイプの、特に液状若しくは半液状の稠度を有するエマルションの形態(本発明による組成物が少なくとも1種の油を含む場合);(O/W)若しくは(W/O)タイプの、軟質な稠度を有する懸濁液又はエマルションの形態;水性ゲルの形態、又は他の任意の化粧料の形態とすることができる。
【0119】
本発明による組成物は、任意の生薬の形態であってもよい。例えば、本発明による組成物は、クリーム、ローション、ジェル等の、一般的な任意のヘアトリートメントの形態であってもよい。
【0120】
[方法]
本発明はまた、ケラチン繊維、好ましくは毛髪をまっすぐにするための方法であって、
(i)組成物をケラチン繊維上に適用する工程と、
(ii)任意選択によりケラチン繊維をすすぎ流し、すすぎ流した後にケラチン繊維を乾燥する又は乾燥しない工程と、
(iii)50℃超、好ましくは100℃超、より好ましくは150℃超の温度でケラチン繊維をまっすぐにする工程と
を含み、
該組成物が、
(a)グリオキシル酸、グリオキシル酸溶媒和物、グリオキシル酸塩、グリオキシル酸エステル、グリオキシル酸アミド、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物、
(b)少なくとも1種の有機酸金属塩、並びに
(c)水
を含む、方法にも関する。
【0121】
本発明による方法において使用される組成物の詳細は、上記の[組成物]という題名の項で説明したものと同じである。
【0122】
本発明による方法は、毛髪等のケラチン繊維を直毛化すること、好ましくは長時間の間、直毛化させておくこと、より好ましくは数回の洗髪後でも直毛化させておくことを目的とする。この意味で、本発明による方法は、半永久直毛化(セミパーマネントストレート化)法でありうる。
【0123】
ケラチン繊維は、工程(i)の前に洗浄することが好ましい。この洗浄工程は、例えば、ケラチン繊維をシャンプー洗浄した後、ケラチン繊維をすすぎ流すことによって実施されうる。すすぎ流した後、ケラチン繊維を乾燥してもよい。ケラチン繊維は、工程(i)の直前に濡れていることが好ましい。
【0124】
工程(i)において、上記の組成物を毛髪等のケラチン繊維に塗布する。組成物の塗布は、ブラシ及び櫛等の任意の手段によって実施されうる。
【0125】
適用される組成物のケラチン繊維に対する浴比は、0.1~10、より特定すると0.5~5、好ましくは0.8から2の範囲であってもよい。用語「浴比」は、適用される組成物の総質量とケラチン繊維の総質量との間の質量比を意味すると意図される。
【0126】
組成物の適用後、ケラチン繊維を、必要に応じて、特定の長さの時間にわたり、典型的には1分間から1時間、好ましくは2~30分間、より好ましくは3~10分間そのままの状態で放置して、組成物をケラチン繊維中に浸透させることが可能でありうる。
【0127】
工程(i)後、本発明による方法は、ケラチン繊維をすすぎ流し、すすぎ流した後にケラチン繊維を乾燥する又は乾燥しない任意選択の工程(ii)を含んでもよい。
【0128】
そのため、工程(ii)が存在する場合、ケラチン繊維から組成物を除去するために、ケラチン繊維をすすぎ洗いする。すすぎの工程は、水で実施してよい。ケラチン繊維は、すすぎ洗いした後に乾燥することが好ましい。ケラチン繊維の乾燥は、ヘアドライヤー等の従来の乾燥手段で実施することができる。
【0129】
一方で、工程(ii)が存在しない場合、工程(i)後、ケラチン繊維は、すすぎ洗いをせずに工程(iii)によって処置することができる。
【0130】
工程(iii)において、好ましくは乾燥しているケラチン繊維を、加熱器、好ましくは加熱用アイロンを用いて、50℃超、好ましくは100℃超、より好ましくは150℃超の温度で直毛化に供する。この温度は、250℃未満、好ましくは240℃未満、より好ましくは230℃未満であってもよい。そのため、この温度は、50℃超且つ250℃未満、好ましくは100℃超且つ240℃未満、より好ましくは150℃超且つ230℃未満であってもよい。
【0131】
加熱用アイロンとしては、従来のいずれの加熱用アイロンを使用してもよい。加熱用アイロンは、例えば電熱によって加熱することができる少なくとも1つのプレート、好ましくは2つのプレートを有することができる。加熱したプレートをケラチン繊維上に適用し、ケラチン繊維の方向に沿って移動させ、ケラチン繊維を直毛化することができる。
【0132】
加熱用アイロンは、2つのプレートを有することが好ましく、ケラチン繊維は、加熱用アイロンの2つのプレート間に挟まれ、その内の少なくとも1つのプレートを加熱することができ、次いで2つのプレートをケラチン繊維の方向に沿って移動させて、ケラチン繊維が直毛化されることが好ましい。
【0133】
ケラチン繊維に接する加熱用アイロン、特にその一部(加熱プレート(複数可)等)は、50℃超且つ250℃未満、より好ましくは100℃超且つ240℃未満、更により好ましくは150℃超且つ230℃未満の温度を有することが好ましい。
【0134】
工程(iii)は、ケラチン繊維の方向に沿って加熱用アイロンを移動させる1回以上のストロークによって実施することができる。工程(iii)は、加熱用アイロンの温度のみではなく、加熱用アイロンのストローク数によっても制御することができる。
【0135】
加熱時間は、加熱用アイロンの温度によって決まりうるが、加熱用アイロンのストローク数によっても決まりうる。例えば、1秒から10分、好ましくは数秒から5分であってもよい。
【0136】
[キット]
本発明はまた、毛髪等のケラチン繊維をまっすぐにするためのキットであって、
50℃超、好ましくは100℃超、より好ましくは150℃超の温度を前記ケラチン繊維に与えることができる少なくとも1つの加熱器と、
(a)グリオキシル酸、グリオキシル酸溶媒和物、グリオキシル酸塩、グリオキシル酸エステル、グリオキシル酸アミド、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物、
(b)少なくとも1種の有機酸金属塩、並びに
(c)水
を含む、少なくとも1種の組成物と
を含む、キットにも関する。
【0137】
キット中の加熱器は、ケラチン繊維を50℃超、好ましくは100℃超、より好ましくは150℃超の温度で加熱できる限り、限定されない。この温度は、250℃未満、好ましくは240℃未満、より好ましくは230℃未満であってもよい。したがって、この温度は、50℃超且つ250℃未満、好ましくは100℃超且つ240℃未満、より好ましくは150℃超且つ230℃未満であってもよい。
【0138】
加熱器は、上記の[方法]で説明した加熱用アイロンであることが好ましい。
【0139】
上記の組成物は、(d)少なくとも1種のベタイン化合物を更に含んでもよい。(d)ベタイン化合物は、トリメチルグリシン、カルニチン、及びL-プロリンベタイン又はスタキドリン、並びにこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0140】
(a)化合物、(b)有機酸金属塩、及び(c)水、並びに(d)ベタイン化合物に関する上記の説明は、本発明によるキットに使用される上記の組成物中のものに適用可能である。
【0141】
[使用]
本発明はまた、
(a)グリオキシル酸、グリオキシル酸溶媒和物、グリオキシル酸塩、グリオキシル酸エステル、グリオキシル酸アミド、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物、並びに
(c)水
を含む、加熱によって毛髪等のケラチン繊維を直毛化するための組成物中における(b)少なくとも1種の有機酸金属塩の使用であって、
ケラチン繊維の退色を防止若しくは低減するための、
及び/或いは
組成物によるケラチン繊維への直毛化効果を延長するための、特にケラチン繊維のストレート形状を更に維持する又はケラチン繊維のウェーブ化を防止若しくは低減するための、使用にも関する。
【0142】
加熱は、ケラチン繊維を50℃超、好ましくは100℃超、より好ましくは150℃超の温度で加熱できる限り、限定されない。この温度は、250℃未満、好ましくは240℃未満、より好ましくは230℃未満であってもよい。したがって、この温度は、50℃超且つ250℃未満、好ましくは100℃超且つ240℃未満、より好ましくは150℃超且つ230℃未満であってもよい。
【0143】
(b)少なくとも1種の有機酸金属塩の使用は、(a)化合物を含む組成物による直毛化に起因する、ケラチン繊維、特に染色されたケラチン繊維の変色を防止又は低減することができる。
【0144】
(b)少なくとも1種の有機酸金属塩の使用は、(a)化合物によってもたらされるケラチン繊維への直毛化効果を延長又は持続させることができる。
【0145】
上記の組成物は、(d)少なくとも1種のベタイン化合物を更に含んでもよい。(d)ベタイン化合物は、トリメチルグリシン、カルニチン、及びL-プロリンベタイン又はスタキドリン、並びにこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0146】
(a)化合物、(b)有機酸金属塩、及び(c)水、並びに(d)ベタイン化合物に関する上記の説明は、本発明による用途に使用される上記の組成物中のものに適用可能である。
【実施例0147】
本発明を、実施例によって、より詳細な方法で説明する。しかしながら、これら実施例が本発明の範囲を限定するものとは解釈すべきでない。
【0148】
(実施例1~9及び比較例1~5)
[調製]
実施例1~9及び比較例1~5による組成物のそれぞれを、表1及び表2に示す成分を混合して調製した。成分の量の数値は、全て、原料の「質量%」に基づく。
【0149】
【表1】
【0150】
【表2】
【0151】
[評価]
着色:中国人のホワイトナチュラルヘアの長さ27cmの毛髪見本を、毛髪酸化染料(L'Oreal Professional, Alluria Fashion Gray)でウォームブラウンカラーに染色した。毛髪酸化染料と顕色剤(L'Oreal Professional Alluria Cream Oxydant 6% H2O2)との混合物3gを1gの毛髪見本に適用し、その毛髪見本を27℃の温度で30分間放置した。該毛髪見本をすすぎ流し、洗髪して、ヘアカラーのプロセスを整形プロセス前の準備段階として完了した。
【0152】
整形:次に、各組成物2gを1gの毛髪見本に適用し、30℃の温度で10分間放置した。ぬるま湯を流しながら毛髪見本を30秒間すすぎ流し、毛髪見本が完全に乾燥するまでヘアドライヤー(テスコム電機株式会社(日本)製のNobby NB3100)によって乾燥した。次いで、180℃に加熱したヘアアイロン(白光株式会社(日本)製のADST-2)で、毛髪見本の毛先から毛根まで4秒のストロークを3回行うことによって、毛髪見本を直毛化した。
【0153】
洗髪:次いで、ぬるま湯を5秒間流して、指を通しながら毛髪見本を濡らした。10.5%のラウレス硫酸ナトリウムを含むシャンプー0.4gを付けて指を通す6回のストロークによって毛髪見本(1g)を洗い、指を通しながら10秒間すすぎ洗いをした。毛髪見本が完全に乾燥するまでヘアドライヤーで毛髪見本を乾燥した。
【0154】
(色)
染色したばかりの毛髪見本のL*a*b*(明度/緑-赤/青-黄)の値を、分光光度計(コニカミノルタ株式会社(日本)製のCM-3600A)によって測定した。毛髪見本の四箇所を測定した。
【0155】
整形及び洗髪の後、L*a*b*の値を再度測定した。ΔE*(CIE1976に基づく整形及び洗髪前の毛髪見本の色と整形及び洗髪後の毛髪見本の色との間)を決定した。より小さなΔEの値は、より少ない退色を示す。
【0156】
結果を、表1及び2中の「色」と表記した行に示す。
【0157】
(直毛化効果)
整形直後、整形及び1回の洗髪後、並びに整形及び7回の洗髪後の、各組成物によってもたらされた毛髪見本への直毛化効果を、それぞれ、以下の基準に従って目視観察によって評価した。ストレートの形状が維持されていたほど、この属性に対して大きな値が得られた。
6:毛根から毛先まで完全に極めてストレート
5:ストレート
4:比較的ストレートだが一部にカールが観察された
3:部分的にストレートとカールとが観察された
2:ストレートが少なく、カールがより多く観察された
1:カール
【0158】
結果を、表1及び2中の「直毛化効果」、「直毛化効果(1回の洗髪後)」、及び「直毛化効果(7回の洗髪後)」と表記した行に示す。
【0159】
(縮毛制御)
整形直後、整形及び1回の洗髪後、並びに整形及び7回の洗髪後の、各組成物によってもたらされた毛髪見本への縮毛制御性能を、以下の基準に従って目視観察によって評価した。毛髪に縮れ又はほつれが少ない場合、高いスコアを有する。
6:縮毛が完全に制御されており、ほつれ毛が全くない
5:縮毛がよく制御されており、ほつれ毛が観察されない
4:縮毛が比較的制御されており、観察されるほつれ毛は非常に少ない
3:縮毛が部分的に制御されており、少数のほつれ毛が観察される
2:縮毛が若干制御されており、いくらかのほつれ毛が観察される
1:縮毛が制御されておらず、多くのほつれ毛が観察される
【0160】
結果を、表1及び2中の「縮毛制御」、「縮毛制御(1回の洗髪後)」、及び「縮毛制御(7回の洗髪後)」と表記した行に示す。
【0161】
(概略)
(a)グリオキシル酸、グリオキシル酸溶媒和物、グリオキシル酸塩、グリオキシル酸エステル、グリオキシル酸アミド、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物、(b)少なくとも1種の有機酸金属塩、並びに(c)水を含む実施例1~9による組成物は、直毛化法による染色ケラチン繊維の退色を低減することができ、且つ数回洗髪した後でも、直毛化したケラチン繊維のストレート形状の損失を低減することができた。
【0162】
比較例1~3による組成物は、成分(a)を含まず、したがって、1回の洗髪後でも直毛化効果を維持させることができなかった。
【0163】
比較例4及び5による組成物は、成分(b)を含まず、したがって、長時間持続する直毛化効果をもたらすことができなかった。
【外国語明細書】