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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083000
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】電池モジュールおよび電池システム
(51)【国際特許分類】
   H02H 7/18 20060101AFI20240613BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240613BHJP
   H02H 7/00 20060101ALI20240613BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20240613BHJP
   H01M 10/42 20060101ALI20240613BHJP
   B60L 3/00 20190101ALI20240613BHJP
   B60L 50/64 20190101ALI20240613BHJP
【FI】
H02H7/18
H02J7/00 S
H02H7/00 L
H01M10/48 P
H01M10/42 P
B60L3/00 S
B60L50/64
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197271
(22)【出願日】2022-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】520184767
【氏名又は名称】プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117606
【弁理士】
【氏名又は名称】安部 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100130605
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 浩治
(72)【発明者】
【氏名】吉長 正幸
(72)【発明者】
【氏名】古川 公彦
【テーマコード(参考)】
5G053
5G503
5H030
5H125
【Fターム(参考)】
5G053AA05
5G053BA04
5G053CA01
5G053DA01
5G053EC01
5G053EC05
5G053FA05
5G503AA07
5G503BA04
5G503BB01
5G503FA06
5G503FA17
5H030AA10
5H030AS08
5H030FF43
5H030FF44
5H125AA01
5H125AC12
5H125BB00
5H125BC28
5H125CD04
5H125EE13
5H125EE23
5H125FF05
(57)【要約】
【課題】電池の生産性を向上させる。
【解決手段】電池モジュール100は、組電池10と、第1コンタクタ11と、第2コンタクタ12と、一対の接続点30,40と、プリチャージ回路13と、サービスプラグ14とを備えている。第1コンタクタは、組電池に対して組電池の正極側から直列に接続されている。第2コンタクタは、組電池に対して組電池の負極側から直列に接続されている。一対の接続点は、直列に接続された第1コンタクタと、組電池と、第2コンタクタの両端に設けられている。プリチャージ回路は、一方のコンタクタに対して並列に接続されている。サービスプラグは、一対の接続点の間において、プリチャージ回路が並列に接続されたコンタクタとは組電池を挟んで反対側の極側に設けられている。サービスプラグは、他方のコンタクタに対して直列に接続されている。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組電池と、
前記組電池に対して前記組電池の正極側から直列に接続された第1コンタクタと、
前記組電池に対して前記組電池の負極側から直列に接続された第2コンタクタと、
直列に接続された前記第1コンタクタと、前記組電池と、前記第2コンタクタの両端に設けられ、外部負荷と接続される一対の接続点と、
前記第1コンタクタおよび前記第2コンタクタのうちいずれか一方のコンタクタに対して並列に接続されたプリチャージ回路であって、直列に接続されたプリチャージ抵抗と第3コンタクタとを有するプリチャージ回路と、
サービスプラグと
を備え、
前記サービスプラグは、前記一対の接続点の間において、前記プリチャージ回路が並列に接続された前記一方のコンタクタとは前記組電池を挟んで反対側の極側に設けられ、前記第1コンタクタおよび前記第2コンタクタのうち他方のコンタクタに対して直列に接続された、電池モジュール。
【請求項2】
前記プリチャージ回路は、前記第2コンタクタに対して並列に接続され、
前記サービスプラグは、前記第1コンタクタに対して直列に接続されている、請求項1に記載された電池モジュール。
【請求項3】
前記プリチャージ回路は、前記第1コンタクタに対して並列に接続され、
前記サービスプラグは、前記第2コンタクタに対して直列に接続されている、請求項1に記載された電池モジュール。
【請求項4】
制御装置をさらに備え、
前記制御装置は、
前記第1コンタクタ、前記第2コンタクタおよび前記第3コンタクタが開状態に指示された状態から、前記第3コンタクタを閉状態に指示する処理と、
前記外部負荷の電圧値が予め定められた値以下であるか否かを判定する処理と、
前記外部負荷の電圧値が前記予め定められた値以下ではない場合に、前記第1コンタクタが溶着していると判定する処理と
が実行されるように構成された、請求項1~3のいずれか一項に記載された電池モジュール。
【請求項5】
制御装置をさらに備え、
前記制御装置は、
前記第1コンタクタおよび前記第2コンタクタが閉状態に指示された状態であり、前記第3コンタクタが開状態に指示された状態から、前記第2コンタクタを開状態に指示する処理と、
前記外部負荷の電圧値が予め定められた値以下であるか否かを判定する処理と、
前記外部負荷の電圧値が前記予め定められた値以下ではない場合に、前記第2コンタクタが溶着していると判定する処理と
が実行されるように構成された、請求項1~3のいずれか一項に記載された電池モジュール。
【請求項6】
制御装置をさらに備え、
前記制御装置は、
前記第1コンタクタおよび前記第2コンタクタが閉状態に指示された状態であり、前記第3コンタクタが開状態に指示された状態から、前記第2コンタクタを開状態に指示する処理と、
前記外部負荷の電圧値が予め定められた値以下であるか否かを判定する処理と、
前記外部負荷の電圧値が前記予め定められた値以下ではない場合に、前記第1コンタクタを開状態に指示する処理と、
前記第1コンタクタが開状態に指示された後に、前記外部負荷の電圧値が前記予め定められた値以下であるか否かを判定する処理と、
前記外部負荷の電圧値が前記予め定められた値以下である場合に、前記第2コンタクタが溶着していると判定する処理と
が実行されるように構成された、請求項1~3のいずれか一項に記載された電池モジュール。
【請求項7】
組電池と、
前記組電池に対して前記組電池の正極側から直列に接続された第1コンタクタと、
前記組電池に対して前記組電池の負極側から直列に接続された第2コンタクタと、
前記第1コンタクタおよび前記第2コンタクタのうちいずれか一方のコンタクタに対して並列に接続されたプリチャージ回路であって、直列に接続されたプリチャージ抵抗と第3コンタクタとを有するプリチャージ回路と、
前記プリチャージ回路が並列に接続された前記一方のコンタクタとは前記組電池を挟んで反対側の極側に設けられ、前記第1コンタクタおよび前記第2コンタクタのうち他方のコンタクタに対して直列に接続されたサービスプラグと、
を備えた、電池システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池モジュールおよび電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開2012/168963号には、並列に接続された第1電池および第2電池と、第1リレーと、第2リレーと、コントローラとを有する電池システムが開示されている。第1リレーは、第1電池の充放電を許容するオン状態と、第1電池の充放電を禁止するオフ状態との間を切り替えられる。第2リレーは、第2電池の充放電を許容するオン状態と、第2電池の充放電を禁止するオフ状態との間を切り替えられる。コントローラは、第1リレーおよび第2リレーのオン状態およびオフ状態を制御する。コントローラは、第1電池および第2電池の充放電を行うときに、第1リレーおよび第2リレーをオン状態にする順序を変更する。かかる構成によって、第1リレーおよび第2リレーの劣化が抑制されるとされている。なお、同公報に開示されている電池システムでは、第1電池および第2電池をそれぞれ構成する組電池にサービスプラグが設けられている。サービスプラグは、直列に接続された組電池の中間位置に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開2012/168963号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、メンテナンス時の安全性をより向上させたいと考えている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ここで開示される電池モジュールは、組電池と、組電池に対して組電池の正極側から直列に接続された第1コンタクタと、組電池に対して組電池の負極側から直列に接続された第2コンタクタと、直列に接続された第1コンタクタ、組電池、第2コンタクタの両端に設けられ、外部負荷と接続される一対の接続点と、第1コンタクタおよび第2コンタクタのうちいずれか一方のコンタクタに対して並列に接続されたプリチャージ回路であって、直列に接続されたプリチャージ抵抗と第3コンタクタとを有するプリチャージ回路と、サービスプラグとを備えている。サービスプラグは、一対の接続点の間において、プリチャージ回路が並列に接続された一方のコンタクタとは組電池を挟んで反対側の極側に設けられ、第1コンタクタおよび第2コンタクタのうち他方のコンタクタに対して直列に接続されている。かかる電池モジュールは、メンテナンス時の安全性がより良好である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、電池システム1を示す模式図である。
図2図2は、制御装置50で実行される処理を示すフローチャートである。
図3図3は、制御装置50で実行される処理を示すフローチャートである。
図4図4は、電池モジュール100Aを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、ここで開示される技術の一実施形態について図面を参照して説明する。ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。各図面は模式的に描かれており、必ずしも実物を反映していない。また、同一の作用を奏する部材・部位には、適宜に同一の符号を付し、重複する説明は適宜に省略される。
【0008】
〈電池システム1〉
図1は、電池システム1を示す模式図である。図1に示されているように、電池システム1は、電池モジュール100と、外部負荷200とを備えている。電池モジュール100は、車両の負荷(電動モータなどの駆動装置)、外部電源などの外部負荷200に接続されている。
【0009】
〈電池モジュール100〉
電池モジュール100は、並列に接続された第1系統110と第2系統120と、制御装置50とを備えている。電池モジュール100は、外部負荷200と接続される一対の接続点30,40とを備えている。この実施形態では、第1系統110と第2系統120は、接続点30,40を介して並列に接続されている。電池モジュール100は、外部負荷200の電圧を測定する電圧測定装置60を備えている。
【0010】
電池モジュール100の第1系統110は、組電池10と、第1コンタクタ11と、第2コンタクタ12と、プリチャージ回路13と、サービスプラグ14とを備えている。一対の接続点30,40は、直列に接続された第1コンタクタ11と、組電池10と、第2コンタクタ12の両端に位置している。換言すると、第1コンタクタ11と、組電池10と、第2コンタクタ12は、接続点30,40の間において直列に接続されている。
【0011】
第2系統120は、第1系統110と同様に、組電池20と、第1コンタクタ21と、第2コンタクタ22と、プリチャージ回路23と、サービスプラグ24とを備えている。第2系統120は、接続点30,40を介して第1系統110と並列に接続されている。以下では、電池モジュール100における第1系統110の回路構成を説明する。ここでは、第1系統110と第2系統120は、同様の回路構成であるため、第2系統120の回路構成の説明は、省略する。
【0012】
〈第1系統110〉
第1系統110では、組電池10と、第1コンタクタ11と、第2コンタクタ12とが直列に接続されている。第1系統110では、第2コンタクタ12に対してプリチャージ回路13が並列に接続されている。また、第1系統110では、組電池10と、第1コンタクタ11と、第2コンタクタ12とに対して、サービスプラグ14が直列に接続されている。
【0013】
〈組電池10〉
組電池10は、予め定められた数の単電池がバスバを介して直列に接続された電池群である。単電池としては、例えば、電解質を介して一対の電極(正極と負極)の間で電荷担体が移動することによって繰り返し充放電が可能な、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素電池等の二次電池が用いられうる。組電池10には、並列に接続された1または複数の単電池が接続されていてもよい。
【0014】
〈第1コンタクタ11〉
第1コンタクタ11は、組電池10に対して正極側から直列に接続されている。第1コンタクタ11は、組電池10の正極側において、組電池10と外部負荷200の電気的な接続と遮断を切り替える装置である。第1コンタクタ11は、開状態と閉状態との間を切り替え可能に構成されている。開状態は、組電池10の正極側において、組電池10と外部負荷200とが遮断されている状態である。閉状態は、組電池10の正極側において、組電池10と外部負荷200とが接続されている状態である。第1コンタクタ11は、制御装置50と通信可能に接続されている。第1コンタクタ11は、制御装置50によって、閉状態と開状態の切り替えが制御されている。
【0015】
〈第2コンタクタ12〉
第2コンタクタ12は、組電池10に対して負極側から直列に接続されている。第2コンタクタ12は、組電池10の負極側において、組電池10と外部負荷200の電気的な接続と遮断を切り替える装置である。第2コンタクタ12は、開状態と閉状態との間を切り替え可能に構成されている。第2コンタクタ12は、第1コンタクタ11と同様、制御装置50と通信可能に接続されている。第2コンタクタ12は、制御装置50によって、閉状態と開状態の切り替えが制御されている。組電池10が充放電される時には、第1コンタクタ11と第2コンタクタ12とがいずれも閉状態にされる。組電池10が充放電されない時には、第1コンタクタ11と第2コンタクタ12とのうち少なくとも一方が開状態にされうる。
【0016】
〈プリチャージ回路13〉
プリチャージ回路13は、この実施形態では、組電池10の負極側に接続された第2コンタクタ12に対して並列に接続されている。プリチャージ回路13は、プリチャージ抵抗13aと、第3コンタクタ13bとが直列に接続された回路である。プリチャージ回路13は、組電池10から外部負荷200に電力が供給される際に、電力供給直後に外部負荷200に突入電流が流れることを防ぐ回路である。プリチャージ回路13の第3コンタクタ13bは、制御装置50と通信可能に接続されている。第3コンタクタ13bは、制御装置50によって閉状態と開状態の切り替えが制御されている。
【0017】
この実施形態では、外部負荷200の起動時に第1コンタクタ11が閉状態にされた後、第2コンタクタ12が閉状態にされる前に、プリチャージ回路13の第3コンタクタ13bが閉状態にされる。これによって、外部負荷200は、プリチャージ抵抗13aが接続されたプリチャージ回路13を介して組電池10と接続される。このとき、外部負荷200には、外部負荷200の起動時直後に第1コンタクタ11と第2コンタクタ12が閉状態にされた場合と比べて低い電流で組電池10から電力が供給される。その後、外部負荷200の電位が上がった状態で第2コンタクタ12が閉状態にされる。これによって、外部負荷200に大電流が流れることが防止される。
【0018】
〈サービスプラグ14〉
サービスプラグ14は、電池モジュール100と外部負荷200の回路の接続および切断を物理的に切り替えるための設備である。サービスプラグ14は、電池モジュール100、外部負荷200などの大電流が流れうる部分の点検、メンテナンスなどの際に、適宜に切断され、電源回路が遮断される。サービスプラグ14は、組電池10と外部負荷200に対して直列に接続されている。
【0019】
サービスプラグ14は、組電池10の正極側の接続点30と、組電池10の負極側の接続点40の間に設けられている。この実施形態では、サービスプラグ14は、プリチャージ回路13が並列に接続された第2コンタクタ12とは組電池10を挟んで反対側の極側に設けられている。換言すると、サービスプラグ14は、組電池10の正極側に設けられている。サービスプラグ14は、第1コンタクタ11に対して直列に接続されている。この実施形態では、サービスプラグ14は、第1コンタクタ11と接続点30の間に設けられている。
【0020】
なお、サービスプラグ14が設けられる位置は、プリチャージ回路13が並列に接続されたコンタクタとは組電池10を挟んで反対側の極側に設けられている限りにおいて、特に限定されない。例えば、サービスプラグ14は、上述した第1系統110において組電池10と第1コンタクタ11の間に設けられていてもよい。
【0021】
第1系統110には、組電池10および外部負荷200に過電流が流れることを防ぐためのヒューズ15が設けられていてもよい。ヒューズ15は、正極側の接続点30と、負極側の接続点40との間のいずれかの位置において、組電池10と直列に接続されているとよい。ヒューズ15は、組電池10を構成するいずれかの単電池の間に設けられていてもよい。特に限定されないが、この実施形態では、ヒューズ15は、第1コンタクタ11とサービスプラグ14の間に設けられている。
【0022】
ところで、電動車両用の電池モジュールなど、組電池による高い出力が要求される電池モジュールには、高い安全性が求められる。電池モジュールの安全性を確保するため、電池モジュールにはサービスプラグが設けられている。従来では、国際公開2012/168963号に開示されているように、サービスプラグは、複数の単電池が直列に接続されている組電池内に組み込まれている。サービスプラグは、例えば、組電池において電圧が約半分になる位置に設けられうる。
【0023】
上述した実施形態では、電池モジュール100は、組電池10と、第1コンタクタ11と、第2コンタクタ12と、一対の接続点30,40と、プリチャージ回路13と、サービスプラグ14とを備えている。第1コンタクタ11は、組電池10に対して組電池10の正極側から直列に接続されている。第2コンタクタ12は、組電池10に対して組電池10の負極側から直列に接続されている。一対の接続点30,40は、直列に接続された第1コンタクタ11と、組電池10と、第2コンタクタ12の両端に設けられ、外部負荷200と接続されている。プリチャージ回路13は、第2コンタクタ12に対して並列に接続されている。プリチャージ回路13は、直列に接続されたプリチャージ抵抗13aと第3コンタクタ13bとを有している。サービスプラグ14は、一対の接続点30,40の間において、プリチャージ回路13が並列に接続された第2コンタクタ12とは組電池10を挟んで反対側の極側に設けられている。サービスプラグ14は、第1コンタクタ11に対して直列に接続されている。
【0024】
電池モジュール100では、サービスプラグ14が切断されることによって点検、メンテナンスなどの際の作業(以下、単に「作業」とも称する。)の安全性が確保されている。上述した実施形態では、組電池10の負極側にプリチャージ回路13、組電池10の正極側にサービスプラグ14が設けられている。組電池10の正極側および負極側それぞれに安全性を確保する構成が設けられていることによって、作業時の安全性が向上しうる。
【0025】
例えば、上述した実施形態では、組電池10の正極側の第1コンタクタ11が溶着する不具合が生じた場合における作業時の安全性が向上されている。従来のように、直列に接続された組電池における単電池間にサービスプラグが設けられている場合には、サービスプラグが切断された状態であったとしても、組電池の正極および負極の両方の極側において組電池の一部が外部負荷と物理的に接続されている。上述した実施形態では、第1コンタクタ11が溶着している場合にも、サービスプラグ14を切断することによって、組電池10の正極側と、外部負荷200との接続が物理的に遮断されている。このため、第1コンタクタ11が溶着している場合においても、より安全に作業できる。
【0026】
また、電池モジュール100では、安全性を確保するため、電池モジュール100に含まれるコンタクタの溶着が判定される場合がある。第1コンタクタ11と第2コンタクタ12のうち、いずれのコンタクタが溶着しているかを判定する必要がある場合にも、作業の安全性を確保するための溶着判定を減らすことができる。例えば、組電池10の正極側と外部負荷200の接続は、サービスプラグ14によって切断されることができる。このため、作業の安全性を確保するための溶着判定は、必ずしも必要ではない。作業の安全性を確保するための溶着判定については、組電池10の負極側と外部負荷200の接続を切り替える第2コンタクタ12の溶着の有無を判定することによって、作業の安全性が確保されうる。
【0027】
なお、上述したように、電池モジュール100は、第1系統110と、第1系統110と同様の回路構成の第2系統120と、制御装置50とを備えている。第2系統120は、組電池20と、組電池20の正極側から直列に接続された第1コンタクタ21と、組電池20の負極側から直列に接続された第2コンタクタ22と、プリチャージ回路23と、サービスプラグ24と、ヒューズ25とを備えている。プリチャージ回路23は、直列に接続されたプリチャージ抵抗23aと第3コンタクタ23bとを有し、第2コンタクタ22に直列に接続されている。制御装置50は、電池モジュール100に含まれるいずれのコンタクタが溶着しているかを判定することができるように構成されている。これによって、電池モジュール100の安全性が確保されやすくなっている。以下、制御装置50で実行される処理の一例を説明する。
【0028】
〈制御装置50〉
制御装置50は、上述したように、第1コンタクタ11、第2コンタクタ12および第3コンタクタ13bの閉状態と開状態の切り替えを制御している。制御装置50は、例えば、マイクロコンピュータである。制御装置50は、例えば、通信用インターフェースと、CPUと、ROMと、RAMとを備えている。図1に示されているように、制御装置50は、指示部51と、取得部52と、判定部53とを備えている。指示部51、取得部52および判定部53は、例えば、複数のプロセッサによって実現されてもよい。指示部51、取得部52および判定部53は、それぞれ互いに通信可能に構成されていてもよい。
【0029】
指示部51は、電池モジュール100に含まれるコンタクタ11,12,21,22,13b,23bと接続されている。指示部51は、コンタクタ11,12,21,22,13b,23bそれぞれに対して閉状態および開状態の切り替えを指示することができるように構成されている。指示部51は、コンタクタ11,12,21,22,13b,23bと通信可能に接続されている。なお、ここでは、「閉状態に指示する」、「開状態に指示する」等の表現は、コンタクタを閉状態および開状態にするための信号を送信するなど、制御装置50が、コンタクタを指示された状態に切り替えまたは維持する指示を出すことを意味している。このため、例えば、コンタクタが溶着している場合には、開状態に指示されたとしても、閉状態が維持されうる。
【0030】
取得部52は、外部負荷200に印加されている電圧を取得する。取得部52は、電圧測定装置60と通信可能に接続されている。電圧測定装置60は、外部負荷200に並列に接続されており、外部負荷200に印加される電圧を測定可能な装置でありうる。判定部53は、外部負荷200の電圧値に基づいて、電池モジュール100に含まれるコンタクタ11,12,21,22の溶着の有無を判定する。制御装置50には、溶着の有無を判定する系統番号が自動で入力されるように構成されていてもよい。制御装置50には、並列に接続されている系統の数(この実施形態では、2)が予め記録されていてもよい。
【0031】
図2は、制御装置50で実行される処理を示すフローチャートである。図2では、外部負荷200の起動時に実行される、第1コンタクタ11,21および第3コンタクタ13b,23bの溶着判定時のフローチャートが示されている。外部負荷200の起動時には、第1コンタクタ11,21、第2コンタクタ12,22、第3コンタクタ13b,23bは、いずれも開状態に指示された状態で、以下の制御が開始される。
【0032】
外部負荷200の起動時には、溶着の有無を判定される系統が選択される。溶着の有無を判定される系統の番号は、例えば、n(すなわち、第n系統)で表される。外部負荷200の起動直後には、nには0が入力される。ステップS0では、nにn+1が代入される。このため、nに1が入力され、第1系統110のコンタクタの溶着の有無が判定される。
【0033】
ステップS2では、指示部51は、第1系統110の第3コンタクタ13bを閉状態に指示する。ステップS4では、判定部53は、取得部52で取得された外部負荷200の電圧値が規定値以下であるか否かを判定する。ここでの規定値は、外部負荷200が組電池10,20に接続されていない場合に取りうる電圧値に基づいて予め定められうる。規定値は、外部負荷200が組電池10,20に接続されていない場合に取りうる電圧値よりも高く、外部負荷200が組電池10,20に接続されている場合に取りうる電圧値よりも低い電圧値に設定されうる。規定値は、例えば、外部負荷200が組電池10,20に接続されていない場合に取りうる電圧値よりもわずかに高い値に設定されうる。
【0034】
第1系統110の第1コンタクタ11が溶着している場合には、ステップS2において第3コンタクタ13bを閉状態にした際に、溶着した第1コンタクタ11を介して組電池10の正極側が外部負荷200と接続される。このため、外部負荷200の電圧値が規定値よりも高くなりうる。ステップS4において外部負荷200の電圧値が規定値以下ではない場合(No)には、ステップS30に進む。ステップS30では、判定部53は、第1系統110の第1コンタクタ11が溶着していると判定する。このとき、外部負荷200の起動は停止され、点検、メンテナンスなどが行われうる。
【0035】
ステップS4において外部負荷200の電圧値が規定値以下ではある場合(Yes)には、ステップS6では、判定部53は、第1系統110の第1コンタクタ11が溶着していないと判定し、指示部51は、第1系統110の第3コンタクタ13bを開状態に指示する。
【0036】
ステップS8では、n(ここでは、1)が並列に接続されている系統の数(この実施形態では、2)以上であるか否かが判定される。nが並列に接続されている系統の数以上ではない(No)ため、ステップS0に戻る。ステップS0に戻り、nに2が入力される。
【0037】
ステップS2では、指示部51は、第2系統120の第3コンタクタ23bを閉状態に指示する。ステップS4では、判定部53は、取得部52で取得された外部負荷200の電圧値が規定値以下であるか否かを判定する。ステップS4において外部負荷200の電圧値が規定値以下ではない場合(No)には、ステップS30に進む。上述した第1系統110の第1コンタクタ11の溶着の判定と同様に、ステップS30では、判定部53は、第2系統120の第1コンタクタ21が溶着していると判定する。このとき、外部負荷200の起動は停止され、点検、メンテナンスなどが行われうる。
【0038】
ステップS4において外部負荷200の電圧値が規定値以下である場合(Yes)には、ステップS6では、判定部53は、第2系統120の第1コンタクタ21が溶着していないと判定し、指示部51は、第2系統120の第3コンタクタ23bを開状態に指示する。
【0039】
ステップS8では、再びn(ここでは、2)が並列に接続されている系統の数(この実施形態では、2)であるか否かが判定される。nが並列に接続されている系統の数である(Yes)ため、ステップS10に進む。
【0040】
ステップS10では、第1系統110の第1コンタクタ11および第2系統120の第1コンタクタ21を閉状態に指示する。ステップS12では、第1系統110の第3コンタクタ13bを閉状態に指示する。
【0041】
ステップS14では、判定部53は、取得部52で取得された外部負荷200の電圧値が規定値以上であるか否かを判定する。ここでの規定値は、外部負荷200が組電池10に接続されている場合に取りうる電圧値に基づいて予め定められうる。規定値は、外部負荷200が組電池10に接続されている場合に取りうる電圧値よりも低い電圧値に設定されうる。
【0042】
第1系統110のプリチャージ回路13に異常(例えば、プリチャージ抵抗13aまたは第3コンタクタ13bの故障など)が発生している場合には、プリチャージ回路13を介した外部負荷200と組電池10との接続に不具合が生じうる。このため、取得される電圧値は、プリチャージ回路13を介して外部負荷200と組電池10が正常に接続されている場合と比較して低くなりうる。ステップS14において取得される電圧値が規定値以上ではない場合(No)には、ステップS40に進む。ステップS40では、判定部53は、第1系統110のプリチャージ回路13に異常が発生していると判定する。このとき、外部負荷200の起動は停止され、点検、メンテナンスなどが行われうる。
【0043】
ステップS14において取得される電圧値が規定値以上ではある場合(Yes)には、ステップS16では、判定部53は、プリチャージ回路13は正常であると判定する。指示部51は、第1系統110、第2系統120の第2コンタクタ12,22を閉状態に指示する。ステップS18では、指示部51は、第1系統110の第3コンタクタ13bを開状態に指示する。外部負荷200は、正常に起動される。
【0044】
なお、上述した外部負荷200の起動時の制御は、例えば、外部負荷200が停止された際に実行された溶着判定の結果が確認された後に実行されてもよい。また、外部負荷200の起動時の制御は、上述した形態に限定されない。例えば、ステップS12では、第2系統120の第3コンタクタ23bが閉状態にされ、プリチャージ回路23の異常の有無が判定されてもよい。ステップS12では、第1系統110の第3コンタクタ13bおよび第2系統120の第3コンタクタ23bの両方が閉状態にされてもよい。また、ステップS14における電圧測定およびプリチャージ回路13,23の異常の有無が判定されなくてもよい。
【0045】
上述した実施形態では、制御装置50は、第1系統110の第1コンタクタ11、第2コンタクタ12および第3コンタクタ13bが開状態に指示された状態から、第3コンタクタ13bを閉状態に指示する処理(S2)と、外部負荷200の電圧値が予め定められた値以下であるか否かを判定する処理(S4)と、外部負荷200の電圧値が予め定められた値以下ではない場合(S4,No)に、第1コンタクタ11が溶着していると判定する処理(S30)とが実行されるように構成されている。かかる処理により第1コンタクタ11の溶着が検知されることによって、電池モジュール100、外部負荷200等に起こりうる不具合を未然に防ぐための点検、メンテナンスなどをすることができる。また、第2系統120に関しても、同様の処理が実行可能に構成されている。第1系統110および第2系統120それぞれについて個別に上記処理が実行されることによって、いずれの系統の第1コンタクタが溶着しているかを判定することができる。これによって、点検、メンテナンスされるべき第1コンタクタが特定されやすくなる。なお、系統の数は、上述した2つに限定されず、3以上の系統が並列に接続されていてもよい。
【0046】
図3は、制御装置50で実行される処理を示すフローチャートである。図3では、外部負荷200の停止時に実行される、第2コンタクタ12,22の溶着判定時のフローチャートが示されている。外部負荷200の停止時には、第1コンタクタ11,21および第2コンタクタ12,22が閉状態に指示され、第3コンタクタ13b,23bが開状態に指示された状態で、以下の制御が開始される。
【0047】
ステップS50では、指示部51は、第2コンタクタ12,22を開状態に指示する。ステップS52では、判定部53は、外部負荷200の電圧が規定値以下であるか否かを判定する。ここでの規定値は、外部負荷200の起動時に第1コンタクタ11,21の溶着判定時の規定値と同様の値であってもよい。
【0048】
第2コンタクタ12,22のうち少なくともいずれかが溶着している場合には、ステップS50において第1コンタクタ11,21を開状態に指示したとしても、溶着したコンタクタを介して組電池10,20の少なくともいずれかが外部負荷200と電気的に接続される。このため、外部負荷200の電圧値が規定値よりも高くなりうる。
【0049】
ステップS52において、外部負荷200の電圧値が規定値以下である場合(Yes)には、第2コンタクタ12,22はいずれも溶着していないと判定され、ステップS54に進む。ステップS54では、指示部51は、第1コンタクタ11,21が開状態に指示する。外部負荷200は、正常に停止される。
【0050】
ステップS52において、外部負荷200の電圧値が規定値以下ではない場合(No)には、第2コンタクタ12,22のうちいずれかが溶着していると判定され、ステップS60に進む。ステップS60以降では、第2コンタクタ12,22のうちいずれのコンタクタが溶着しているかが特定されうる。
【0051】
ステップS60では、指示部51は、第1系統110の第1コンタクタ11を開状態に指示する。第2系統120の第1コンタクタ21は、閉状態のままである。
【0052】
第2系統120の第2コンタクタ22が溶着していない場合には、系統120の組電池20と外部負荷200とが電気的に遮断されている。第1系統110の第1コンタクタ11が溶着している場合には、ステップS60の処理によって第1系統110の組電池10と外部負荷200との接続が遮断される。このため、ステップS60の処理によって、外部負荷200の電圧値が規定値よりも低くなりうる。
【0053】
ステップS62では、判定部53は、外部負荷200の電圧が規定値以下であるか否かを判定する。ステップS62において、外部負荷200の電圧が規定値以下である場合(Yes)には、ステップS64に進む。ステップS64では、判定部53は、第1系統110の第2コンタクタ12が溶着していると判定する。ステップS66では、指示部51は、第2系統120の第1コンタクタ21を開状態に指示する。外部負荷200は、停止され、点検、メンテナンスなどが行われうる。
【0054】
ステップS62において、外部負荷200の電圧が規定値以下ではない場合(No)には、ステップS70に進む。ステップS70では、指示部51は、第1系統110の第1コンタクタ11を閉状態に指示し、第2系統120の第1コンタクタ21を開状態に指示する。
【0055】
第1系統110の第2コンタクタ12が溶着していない場合には、第1系統110の組電池10と外部負荷200とが電気的に遮断されている。第2系統120の第2コンタクタ22が溶着している場合には、ステップS60の処理によって第2系統120の組電池20と外部負荷200との接続が遮断される。このため、ステップS60の処理によって、外部負荷200の電圧値が規定値よりも低くなりうる。
【0056】
ステップS72では、判定部53は、外部負荷200の電圧が規定値以下であるか否かを判定する。ステップS72において、外部負荷200の電圧が規定値以下である場合(Yes)には、ステップS74に進む。ステップS74では、判定部53は、第2系統120の第2コンタクタ22が溶着していると判定する。ステップS76では、指示部51は、第1系統110の第1コンタクタ11を開状態に指示する。外部負荷200は、停止され、点検、メンテナンスなどが行われうる。
【0057】
上述したステップS62では、第1系統110の第1コンタクタ11を開状態、第2系統120の第1コンタクタ21を閉状態に制御した状態で、外部負荷200の電圧値を測定している。上述したステップS72では、第1系統110の第1コンタクタ11を閉状態、第2系統120の第1コンタクタ21を開状態に制御した状態で、外部負荷200の電圧値を測定している。第2コンタクタ12,22がいずれも溶着している場合には、およびステップS72のいずれの処理においても、外部負荷200の電圧が規定値よりも高くなりうる。このため、ステップS72において、外部負荷200の電圧値が規定値以下ではない場合(No)には、第2コンタクタ12,22の両方が溶着していると判定される(ステップS80)。外部負荷200は、停止され、点検、メンテナンスなどが行われうる。
【0058】
上述した実施形態では、制御装置50は、第1コンタクタ11,21および第2コンタクタ12,22が閉状態に指示された状態であり、第3コンタクタ13b,23bが開状態に指示された状態から、第2コンタクタ12,22を開状態に指示する処理(S50)と、外部負荷200の電圧値が予め定められた値以下であるか否かを判定する処理(S52)と、外部負荷200の電圧値が予め定められた値以下ではない場合(S52でNo)に、第1コンタクタを開状態に指示する処理(S60,70)と、第1コンタクタが開状態に指示された後に、外部負荷200の電圧値が予め定められた値以下であるか否かを判定する処理(S62,S72)と、外部負荷200の電圧値が予め定められた値以下である場合(S62,S72でYes)に、第2コンタクタが溶着していると判定する処理(S64,74)とが実行されるように構成されている。ここで、ステップS62でYesと判定された場合には、第1系統110の第2コンタクタ12が溶着していると判定される。ステップS72でYesと判定された場合には、第2系統120の第2コンタクタ22が溶着していると判定される。このように、制御装置50は、いずれの第2コンタクタが溶着しているかを判定することも可能である。かかる処理が実行され、第2コンタクタの溶着が検知されることによって、電池モジュール100、外部負荷200等に起こりうる不具合を未然に防ぐための点検、メンテナンスなどをすることができる。なお、系統の数は、上述した2つに限定されず、3以上の系統が並列に接続されていてもよい。
【0059】
また、系統の数が1つの場合(例えば、外部負荷200に第1系統110のみが接続されている場合)には、上述した制御のうち、外部負荷200の電圧値が予め定められた値以下ではない場合に第1系統110の第2コンタクタ12が溶着していると判断される。このとき、複数の系統のうち、いずれのコンタクタが溶着しているかを特定するためのステップS60以降の処理は、実行されなくてもよい。系統の数が複数の場合においても、かかる制御が実行されることによって、第2コンタクタ12,22のうち少なくともいずれかの第2コンタクタが溶着していることが判定されうる。
【0060】
なお、上述したコンタクタの溶着判定およびプリチャージ回路の異常検出判定の制御は一例であり、上述したタイミングおよび制御方法に限定されない。
【0061】
なお、電池モジュールの回路構成は、上述した形態に限定されない。図4は、電池モジュール100Aを示す模式図である。図4に示されている電池モジュール100Aでは、プリチャージ回路13,23は、第1コンタクタ11,21に対して並列に接続され、サービスプラグ14,24は、第2コンタクタ12,22に対して直列に接続されている。かかる電池モジュール100Aにおいても、プリチャージ回路13,23とサービスプラグ14,24とが組電池10,20の異なる極側に設けられていることによって、コンタクタが溶着する不具合が生じた場合における作業時の安全性が向上されている。また、上述した処理と同様の処理が実行されることによって、コンタクタの溶着の検出が可能である。
【0062】
以上、ここで開示される技術について、種々説明した。特に言及されない限りにおいて、ここで挙げられた実施形態などは本発明を限定しない。また、ここで開示される技術は、種々変更でき、特段の問題が生じない限りにおいて、各構成要素やここで言及された各処理は適宜に省略され、または、適宜に組み合わされうる。
【0063】
例えば、上述した実施形態では、第1系統110および第2系統120それぞれにヒューズ15,25が設けられている。かかる形態に限定されず、電池システム1には、外部負荷200に直列に接続されたヒューズがさらに設けられていてもよい。例えば、電池システムには、系統の数が多くなった場合に、各系統ではヒューズが溶断されないながらも外部負荷に大きな電流が流れることを防ぐようなヒューズが設けられていてもよい。
【0064】
また、本明細書は、以下の各項に記載の開示を含んでいる。
【0065】
項1:
組電池と、
前記組電池に対して前記組電池の正極側から直列に接続された第1コンタクタと、
前記組電池に対して前記組電池の負極側から直列に接続された第2コンタクタと、
直列に接続された前記第1コンタクタと、前記組電池と、前記第2コンタクタの両端に設けられ、外部負荷と接続される一対の接続点と、
前記第1コンタクタおよび前記第2コンタクタのうちいずれか一方のコンタクタに対して並列に接続されたプリチャージ回路であって、直列に接続されたプリチャージ抵抗と第3コンタクタとを有するプリチャージ回路と、
サービスプラグと
を備え、
前記サービスプラグは、前記一対の接続点の間において、前記プリチャージ回路が並列に接続された前記一方のコンタクタとは前記組電池を挟んで反対側の極側に設けられ、前記第1コンタクタおよび前記第2コンタクタのうち他方のコンタクタに対して直列に接続された、電池モジュール。
【0066】
項2:
前記プリチャージ回路は、前記第2コンタクタに対して並列に接続され、
前記サービスプラグは、前記第1コンタクタに対して直列に接続されている、項1に記載された電池モジュール。
【0067】
項3:
前記プリチャージ回路は、前記第1コンタクタに対して並列に接続され、
前記サービスプラグは、前記第2コンタクタに対して直列に接続されている、項1に記載された電池モジュール。
【0068】
項4:
制御装置をさらに備え、
前記制御装置は、
前記第1コンタクタ、前記第2コンタクタおよび前記第3コンタクタが開状態に指示された状態から、前記第3コンタクタを閉状態に指示する処理と、
前記外部負荷の電圧値が予め定められた値以下であるか否かを判定する処理と、
前記外部負荷の電圧値が前記予め定められた値以下ではない場合に、前記第1コンタクタが溶着していると判定する処理と
が実行されるように構成された、項1~3のいずれか一項に記載された電池モジュール。
【0069】
項5:
制御装置をさらに備え、
前記制御装置は、
前記第1コンタクタおよび前記第2コンタクタが閉状態に指示された状態であり、前記第3コンタクタが開状態に指示された状態から、前記第2コンタクタを開状態に指示する処理と、
前記外部負荷の電圧値が予め定められた値以下であるか否かを判定する処理と、
前記外部負荷の電圧値が前記予め定められた値以下ではない場合に、前記第2コンタクタが溶着していると判定する処理と
が実行されるように構成された、項1~3のいずれか一項に記載された電池モジュール。
【0070】
項6:
制御装置をさらに備え、
前記制御装置は、
前記第1コンタクタおよび前記第2コンタクタが閉状態に指示された状態であり、前記第3コンタクタが開状態に指示された状態から、前記第2コンタクタを開状態に指示する処理と、
前記外部負荷の電圧値が予め定められた値以下であるか否かを判定する処理と、
前記外部負荷の電圧値が前記予め定められた値以下ではない場合に、前記第1コンタクタを開状態に指示する処理と、
前記第1コンタクタが開状態に指示された後に、前記外部負荷の電圧値が前記予め定められた値以下であるか否かを判定する処理と、
前記外部負荷の電圧値が前記予め定められた値以下である場合に、前記第2コンタクタが溶着していると判定する処理と
が実行されるように構成された、項1~3のいずれか一項に記載された電池モジュール。
【0071】
項7:
組電池と、
前記組電池に対して前記組電池の正極側から直列に接続された第1コンタクタと、
前記組電池に対して前記組電池の負極側から直列に接続された第2コンタクタと、
前記第1コンタクタおよび前記第2コンタクタのうちいずれか一方のコンタクタに対して並列に接続されたプリチャージ回路であって、直列に接続されたプリチャージ抵抗と第3コンタクタとを有するプリチャージ回路と、
前記プリチャージ回路が並列に接続された前記一方のコンタクタとは前記組電池を挟んで反対側の極側に設けられ、前記第1コンタクタおよび前記第2コンタクタのうち他方のコンタクタに対して直列に接続されたサービスプラグと、
を備えた、電池システム。
【符号の説明】
【0072】
1 電池システム
10,20 組電池
11,21 第1コンタクタ
12,22 第2コンタクタ
13,23 プリチャージ回路
13b,23b 第3コンタクタ
13a,23a プリチャージ抵抗
14,24 サービスプラグ
15,25 ヒューズ
30,40 接続点
50 制御装置
51 指示部
52 取得部
53 判定部
60 電圧測定装置
100,100A 電池モジュール
110 第1系統
120 第2系統
200 外部負荷

図1
図2
図3
図4