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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083015
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】遮蔽装置及び遮蔽装置の組立方法
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/36 20060101AFI20240613BHJP
【FI】
E06B9/36 A
E06B9/36 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197287
(22)【出願日】2022-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】000134958
【氏名又は名称】株式会社ニチベイ
(74)【代理人】
【識別番号】100182349
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 誠治
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 理恵
(57)【要約】      (修正有)
【課題】開口部の遮蔽状態を柔軟に変更することができる遮蔽装置を提供する。
【解決手段】縦型ブラインドは、固定面に固定されたカーテンレールCLに吊下軸123を介して吊り下げ可能な吊下部材120と、吊下部材120から連結部131を介して吊り下げ支持されるルーバー130と、を備え、吊下部材120は、ルーバー130の回転をガイドするガイド溝124を有し、連結部131がガイド溝124に沿って移動することで、ルーバー130が回転することを特徴とする。かかる構成によれば、開口部の遮蔽状態を柔軟に変更することができる遮蔽装置を提供することができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定面に固定されたレール材に吊下軸を介して吊り下げ可能な吊下部材と、
前記吊下部材から連結部を介して吊り下げ支持されるルーバーと、
を備え、
前記吊下部材は、前記ルーバーの回転をガイドするガイド部を有し、
前記連結部が前記ガイド部に沿って移動することで、前記ルーバーが回転することを特徴とする、遮蔽装置。
【請求項2】
前記ガイド部は、前記吊下部材に形成された対向する一対の円弧状の溝部であり、
前記連結部は、前記ルーバーの上方に突出するように設けられ、前記一対の溝部の各々に挿入されることで前記溝部に移動可能に連結される一対の軸部を有することを特徴とする、請求項1に記載の遮蔽装置。
【請求項3】
前記ガイド部は、前記吊下部材に形成された対向する一対の円弧部であり、
前記連結部は、前記ルーバーの上方に突出するように設けられ、前記一対の円弧部の各々が挿通することで前記円弧部に移動可能に連結される環状部を有することを特徴とする、請求項1に記載の遮蔽装置。
【請求項4】
複数の前記ルーバーが連動して回転するように隣接するルーバー間を連結可能であるとともに、前記ルーバーの回転と連動して移動可能な連動部材を更に備えることを特徴とする、請求項1に記載の遮蔽装置。
【請求項5】
前記連動部材は、前記連結部の少なくとも一部に設けられる軸部が挿通する挿通孔を有し、
前記挿通孔に前記軸部が挿通されることで前記ルーバーに連結され、
前記連結部は、前記挿通孔に前記軸部が挿通した状態で前記連動部材が移動すると、該移動と連動して前記ガイド部に沿って移動することを特徴とする、請求項4に記載の遮蔽装置。
【請求項6】
前記連動部材に連結可能であり、前記連動部材を介して複数の前記ルーバーの回転操作を可能とする操作部材を更に備えることを特徴とする、請求項4又は5に記載の遮蔽装置。
【請求項7】
固定面に固定されたレール材に吊下軸を介して吊り下げ可能な吊下部材と、
前記吊下部材から連結部を介して吊り下げ支持されるルーバーと、
を備え、
前記吊下部材は、前記ルーバーの回転をガイドするガイド部を有し、
前記吊下部材が前記吊下軸に対して、前記ガイド部に沿って移動することで、前記ルーバーが回転することを特徴とする、遮蔽装置。
【請求項8】
前記レール材は、固定面に固定されたカーテンレールであることを特徴とする、請求項1又は7に記載の遮蔽装置。
【請求項9】
ルーバーを備える遮蔽装置の組立方法であって、
固定面に固定されたレール材に吊下軸を介して吊り下げ可能な吊下部材と、
前記吊下部材から連結部を介して吊り下げ支持されるルーバーと、
を備え、
前記吊下部材は、前記ルーバーの回転をガイドするガイド部を有し、
前記連結部が前記ガイド部に沿って移動することで、前記ルーバーが回転するルーバーユニットを構成し、
前記ルーバーユニットを前記レール材に複数吊り下げることを特徴とする、遮蔽装置の組立方法。
【請求項10】
複数の前記ルーバーが連動して回転するように隣接するルーバー間を連結可能であるとともに、前記ルーバーの回転と連動して移動可能な連動部材を更に備える前記ルーバーユニットを構成し、
前記レール材に複数の前記ルーバーユニットを吊り下げるとともに、隣接するルーバーユニットのルーバー間を前記連動部材で連結することを特徴とする、請求項9に記載の遮蔽装置の組立方法。
【請求項11】
ルーバーを備える遮蔽装置の組立方法であって、
固定面に固定されたレール材に吊下軸を介して吊り下げ可能な吊下部材と、
前記吊下部材から連結部を介して吊り下げ支持されるルーバーと、
を備え、
前記吊下部材は、前記ルーバーの回転をガイドするガイド部を有し、
前記吊下部材が前記吊下軸に対して、前記ガイド部に沿って移動することで、前記ルーバーが回転するルーバーユニットを構成し、
前記ルーバーユニットを前記レール材に複数吊り下げることを特徴とする、遮蔽装置の組立方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遮蔽装置及び遮蔽装置の組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のレール材に吊設された遮蔽材を備える遮蔽装置及び遮蔽装置の組立方法としては、特開2007-138601号公報(特許文献1)に示されるものがある。同文献に示される遮蔽装置は、第1及び第2カーテンレール(レール材)が互いに所定の間隔を空けて配置され、パネルスクリーン(遮蔽材)の上縁に第1及び第2ランナが設けられ、第1ランナが第1カーテンレールに走行可能に設けられ、第2ランナが第2カーテンレールに走行可能に設けられる。また、第1ランナがパネルスクリーンの上縁の幅方向の一方の端部から中央の間の全部又はその間の何れかの間で移動可能に取り付けられ、第2ランナがパネルスクリーンの上縁の幅方向の中央から他方の端部の間の何れかに固定される。
【0003】
これによれば、畳み込み操作時における畳み代を減少させることができるとともに、引出操作時に生じるパネルスクリーン間の隙間を減少させることができる。また、カーテンレールの形状に応じたランナを適宜選択すれば、既設のカーテンレールにパネルスクリーンを吊設して上記の遮蔽装置を構成することもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-138601号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示されるような従来の遮蔽装置及び遮蔽装置の組立方法では、パネルスクリーンの畳み込み操作及び引出操作は可能であるものの、パネルスクリーンの回転操作が可能なようには構成されていないため、開口部の遮蔽状態を柔軟に変更することができないという課題があった。
【0006】
そこで本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、開口部の遮蔽状態を柔軟に変更することができる遮蔽装置及び遮蔽装置の組立方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点によれば、固定面に固定されたレール材に吊下軸を介して吊り下げ可能な吊下部材と、前記吊下部材から連結部を介して吊り下げ支持されるルーバーと、を備え、前記吊下部材は、前記ルーバーの回転をガイドするガイド部を有し、前記連結部が前記ガイド部に沿って移動することで、前記ルーバーが回転することを特徴とする、遮蔽装置が提供される。
【0008】
かかる構成によれば、吊下部材を介して既設のレール材に容易に遮蔽装置を取付可能であるとともに、遮蔽装置が備える回転可能なルーバーにより開口部の遮蔽状態を柔軟に変更することができる。
【0009】
また、本発明の応用例として様々なものが考えられる。例えば、前記ガイド部は、前記吊下部材に形成された対向する一対の円弧状の溝部であり、前記連結部は、前記ルーバーの上方に突出するように設けられ、前記一対の溝部の各々に挿入されることで前記溝部に移動可能に連結される一対の軸部を有するようにしてもよい。かかる構成によれば、複雑な駆動機構を設けることなく、簡易な構造でルーバーを回転可能に吊り下げることができる。
【0010】
また、前記ガイド部は、前記吊下部材に形成された対向する一対の円弧部であり、前記連結部は、前記ルーバーの上方に突出するように設けられ、前記一対の円弧部の各々が挿通することで前記円弧部に移動可能に連結される環状部を有するようにしてもよい。かかる構成によれば、複雑な駆動機構を設けることなく、簡易な構造でルーバーを回転可能に吊り下げることができる。
【0011】
また、複数の前記ルーバーが連動して回転するように隣接するルーバー間を連結可能であるとともに、前記ルーバーの回転と連動して移動可能な連動部材を更に備えるようにしてもよい。かかる構成によれば、連動部材の移動と連動させて複数のルーバーを一度に回転させることができる。
【0012】
また、前記連動部材は、前記連結部の少なくとも一部に設けられる軸部が挿通する挿通孔を有し、前記挿通孔に前記軸部が挿通されることで前記ルーバーに連結され、前記連結部は、前記挿通孔に前記軸部が挿通した状態で前記連動部材が移動すると、該移動と連動して前記ガイド部に沿って移動するようにしてもよい。かかる構成によれば、連結部が有する軸部を連動部材の挿通孔に挿通させるだけで、連動部材をルーバーに連結させることができる。また、連動部材を移動させると連結部が連動してガイド部に沿って移動するため、結果として複数のルーバーを連動させて回転させることができる。
【0013】
また、前記連動部材に連結可能であり、前記連動部材を介して複数の前記ルーバーの回転操作を可能とする操作部材を更に備えるようにしてもよい。かかる構成によれば、ルーバーを回転操作する際の操作性を向上させることができる。
【0014】
また、本発明の第2の観点によれば、固定面に固定されたレール材に吊下軸を介して吊り下げ可能な吊下部材と、前記吊下部材から連結部を介して吊り下げ支持されるルーバーと、を備え、前記吊下部材は、前記ルーバーの回転をガイドするガイド部を有し、前記吊下部材が前記吊下軸に対して、前記ガイド部に沿って移動することで、前記ルーバーが回転することを特徴とする、遮蔽装置が提供される。
【0015】
かかる構成によれば、吊下部材を介して既設のレール材に容易に遮蔽装置を取付可能であるとともに、遮蔽装置が備える回転可能なルーバーにより開口部の遮蔽状態を柔軟に変更することができる。
【0016】
また、前記レール材は、固定面に固定されたカーテンレールであってもよい。かかる構成によれば、遮蔽装置専用のブラケットを取り付けることができない設置環境であっても、既設のカーテンレールを利用して遮蔽装置を取り付けることができる。
【0017】
また、本発明の第3の観点によれば、ルーバーを備える遮蔽装置の組立方法であって、固定面に固定されたレール材に吊下軸を介して吊り下げ可能な吊下部材と、前記吊下部材から連結部を介して吊り下げ支持されるルーバーと、を備え、前記吊下部材は、前記ルーバーの回転をガイドするガイド部を有し、前記連結部が前記ガイド部に沿って移動することで、前記ルーバーが回転するルーバーユニットを構成し、前記ルーバーユニットを前記レール材に複数吊り下げることを特徴とする、遮蔽装置の組立方法が提供される。
【0018】
かかる構成によれば、既設のレール材に一体化されたルーバーユニットを一個ずつ吊り下げていくだけの簡易な手順で遮蔽装置を組み立てることができる。また、ルーバーユニットの個数を調整するだけで遮蔽装置の幅寸法を変更することができるため、様々な設置環境に柔軟に対応することができる。
【0019】
また、複数の前記ルーバーが連動して回転するように隣接するルーバー間を連結可能であるとともに、前記ルーバーの回転と連動して移動可能な連動部材を更に備える前記ルーバーユニットを構成し、前記レール材に複数の前記ルーバーユニットを吊り下げるとともに、隣接するルーバーユニットのルーバー間を前記連動部材で連結するようにしてもよい。かかる構成によれば、連動部材を操作するだけで複数のルーバーを一度に回転操作することができるため、ルーバーを回転操作する際の操作性を向上させることができる。
【0020】
また、本発明の第4の観点によれば、ルーバーを備える遮蔽装置の組立方法であって、固定面に固定されたレール材に吊下軸を介して吊り下げ可能な吊下部材と、前記吊下部材から連結部を介して吊り下げ支持されるルーバーと、を備え、前記吊下部材は、前記ルーバーの回転をガイドするガイド部を有し、前記吊下部材が前記吊下軸に対して、前記ガイド部に沿って移動することで、前記ルーバーが回転するルーバーユニットを構成し、前記ルーバーユニットを前記レール材に複数吊り下げることを特徴とする、遮蔽装置の組立方法が提供される。
【0021】
かかる構成によれば、既設のレール材に一体化されたルーバーユニットを一個ずつ吊り下げていくだけの簡易な手順で遮蔽装置を組み立てることができる。また、ルーバーユニットの個数を調整するだけで遮蔽装置の幅寸法を変更することができるため、様々な設置環境に柔軟に対応することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、遮蔽装置及び遮蔽装置の組立方法において、開口部の遮蔽状態を柔軟に変更することができることが可能である。本発明のその他の効果については、後述する発明を実施するための形態においても説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】第1の実施形態の縦型ブラインド100(遮蔽装置)の全体構成を示す正面図である。
図2】ルーバーユニット110の斜視図である。
図3】ルーバーユニット110の正面図である。
図4】連動部材140を説明するための図であり、(a)は正面図であり、(b)は平面図である。
図5】ルーバーユニット110の閉状態を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は底面図である。
図6】ルーバーユニット110の開状態を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は底面図である。
図7】ルーバーユニット110をカーテンレールCLに取り付ける状態を示す斜視図である。
図8】複数のルーバーユニット110をカーテンレールCLに取り付ける状態を示す正面図である。
図9】ルーバーユニット110の閉操作を説明するための概略平面図である。
図10】ルーバーユニット110の開操作を説明するための概略平面図である。
図11】第2の実施形態の縦型ブラインド200(遮蔽装置)の構成を示す斜視図である。
図12】第3の実施形態の縦型ブラインド300(遮蔽装置)の構成を示す正面図である。
図13】第4の実施形態の縦型ブラインド400(遮蔽装置)の構成を示す概略平面図であり、(a)は閉操作を示す図であり、(b)は開操作を示す図である。
図14図13(b)のA-A断面図である。
図15】第5の実施形態の縦型ブラインド500(遮蔽装置)の閉操作を示す平面図である。
図16】第5の実施形態の縦型ブラインド500(遮蔽装置)の開操作を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0025】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について説明する。まず、本実施形態に係る縦型ブラインド100(遮蔽装置)の全体構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態の縦型ブラインド100の全体構成を示す正面図である。
【0026】
縦型ブラインド100は、図1に示したように、固定面に固定されたカーテンレールCL(レール材)に複数のルーバーユニット110がカーテンレールCLの長手方向に整列して配置され、吊り下げ支持されて構成されている。ルーバーユニット110は、主に、カーテンレールCLに吊下可能な吊下部材120と、吊下部材120の各々から吊り下げられるルーバー130と、複数のルーバー130が連動して回転するように隣接するルーバー130間を連結可能であるとともに、ルーバー130の回転と連動して移動可能な連動部材140と、を備える。カーテンレールCLの一端の吊下部材120には、ルーバー130の回転操作を可能とする操作棒150(操作部材)が設けられている。以下、各構成要素について説明する。
【0027】
カーテンレールCLは、窓枠や天井面などの固定面に固定される一般的なカーテンレールを用いることができる。本実施形態では、前後に併設された2本のカーテンレールCLが用いられる。
【0028】
本実施形態の特徴的な構成であるルーバーユニット110について、図2図4を参照しながら説明する。図2は、ルーバーユニット110の斜視図である。図3は、ルーバーユニット110の正面図である。図4は、連動部材140を説明するための図であり、(a)は正面図であり、(b)は平面図である。
【0029】
ルーバーユニット110は、図2図4に示したように、カーテンレールCLに吊下可能な吊下部材120と、吊下部材120から吊り下げられるルーバー130と、ルーバー130の回転と連動して移動可能な連動部材140と、を備えて構成される。
【0030】
(吊下部材120)
吊下部材120は、図1に示したように、カーテンレールCLの長手方向に複数配置されており、カーテンレールCLの一端部に配置される吊下部材120を除いて、ルーバー130が吊り下げられている。カーテンレールCLの一端部に配置される吊下部材120には、ルーバー130の回転を操作する操作棒150が吊り下げられている。本実施形態では、カーテンレールCLの一端部に配置される吊下部材120にはルーバー130が吊り下げられていないとしたが、操作棒150とともにルーバー130を吊り下げる構成としてもよい。
【0031】
吊下部材120は、図2及び図3に示したように、直線部121と、直線部121の両端から対向する円弧状に突出する一対の円弧状部122と、円弧状部122の先端に設けられる吊下軸123と、を備えて構成される。吊下部材120は、直線部121と一対の円弧状部122とによって略S字を形成するように構成される。円弧状部122には、ルーバー130の回転をガイドするガイド溝124(ガイド部)が形成される。ガイド溝124は、吊下部材120に形成された対向する一対の円弧状の溝部であり、円弧状部122と同じ曲率で形成される。本実施形態では、円弧状部122を貫通するガイド溝124としたが、円弧状部122の下面にレール状に構成するようにしてもよい。
【0032】
図2及び図3に示したように、吊下部材120をカーテンレールCLに吊り下げるための吊下軸123が設けられている。吊下軸123は、細い円柱状の円柱軸部123aと円柱軸部123aの先端に設けられる円板状の円板状部123bと、を備えて構成される。円板状部123bは、カーテンレールCLの中に配置され、カーテンレールCLに案内されて長手方向に移動可能である。円柱軸部123aは、カーテンレールCLから下方に突出して配置される。
【0033】
(ルーバー130)
ルーバー130は、窓などの開口部の遮蔽状態を変化させるものである。ルーバー130は、図2及び図3に示したように、上端の両端部にルーバー130を吊下部材120に連結するための連結部131(連結部)が上方に突出して設けられている。連結部131は、一対のガイド溝124の各々に挿入されることでガイド溝124に移動可能に連結される。連結部131は、ガイド溝124を移動自在に挿通する軸部131aと、軸部131aの先端に設けられ、連結部131のガイド溝124からの脱落を防止する脱落防止部131bと、を備えて構成される。
【0034】
(連動部材140)
連動部材140は、図1に示したように、複数のルーバー130が連動して回転するように隣接するルーバー130間を連結するものである。また、カーテンレールCLの一端部に配置される連動部材140には、これを操作するための操作棒150が連結されている。連動部材140は、図4に示したように、一端に連結部131の軸部131aが挿通する略円形状の挿通孔141と、後述する嵌合爪142が嵌合する嵌合孔143と、が設けられている。嵌合孔143は、連動部材140の側端部から上端部にかけて延びる略L字状に形成されている。
【0035】
連動部材140は、これの一端が吊下部材120の直線部121の一端とほぼ同位置に配置される。また、連動部材140の他端には、隣り合う連動部材140の嵌合孔143と嵌合する嵌合爪142が形成されている。嵌合爪142は、吊下部材120の直線部121から突出して配置される。
【0036】
以上、ルーバーユニット110の構成について説明した。次に、ルーバーユニット110の動作について、図5及び図6を参照しながら説明する。図5は、ルーバーユニット110の閉状態を示す図である。図6は、ルーバーユニット110の開状態を示す図である。
【0037】
ルーバー130を閉状態にする場合、操作棒150を操作して、図5(a)の矢印a、図5(b)の矢印bに示したように、連動部材140をガイド溝124に沿って直線部121の位置まで移動させる。すると、連動部材140に挿通している連結部131が、連動部材140と共にガイド溝124を直線部121の位置まで移動する。一方の連結部131の移動に伴って他方の連結部131もガイド溝に沿って直線部121の位置まで移動するため、ルーバー130は吊下部材120の直線部121と重なるように配置される。よって、ルーバー130が閉状態になる。このとき、連動部材140は、ルーバー130とともに吊下部材120の直線部121と重なるように配置される。
【0038】
ルーバー130を開状態にする場合、操作棒150を操作して、図6(a)の矢印c、図6(b)の矢印dに示したように、連動部材140をガイド溝124に沿って円弧状部122の先端まで移動させる。すると、連動部材140に挿通している連結部131が、連動部材140と共にガイド溝124を円弧状部122の先端まで移動する。一方の連結部131の移動に伴って他方の連結部131もガイド溝124に沿って円弧状部122の先端まで移動するため、ルーバー130は直線部121と略直交する状態になる。よって、ルーバー130が開状態になる。このとき、連動部材140は、一方の円弧状部122の先端から直線部121と略平行に配置される。
【0039】
以上、ルーバーユニット110の動作について説明した。以下、ルーバーユニット110をカーテンレールCLに取り付ける方法について、図7及び図8を参照しながら説明する。図7は、ルーバーユニット110をカーテンレールCLに取り付ける状態を示す斜視図である。図8は、複数のルーバーユニット110をカーテンレールCLに取り付ける状態を示す平面図である。
【0040】
ルーバーユニット110をカーテンレールCLに取り付ける際には、図7に示したように、直線部121がカーテンレールCLの長手方向と平行になるように吊下部材120を配置する。そして、一対の吊下軸123の円板状部123bを2本のカーテンレールCL内にそれぞれ挿入して吊下部材120を2本のカーテンレールCLに跨って吊り下げる。この作業を順次繰り返すことによって、図8に示したように、複数のルーバーユニット110がカーテンレールCLに吊り下げられる。この際、隣り合うルーバーユニット110の連動部材140の嵌合爪142を嵌合孔143に嵌合することにより、複数のルーバーユニット110が連結される。
【0041】
最後に、ルーバー130に代えて操作棒150を吊り下げた吊下部材120をカーテンレールCLに吊り下げて、連動部材140を隣り合う連動部材140に連結することによって、縦型ブラインド100が構成される。このとき、吊下部材120はカーテンレールCLに対して長手方向に移動することなく保持可能となる。
【0042】
以上、縦型ブラインド100の構成について説明した。以下、縦型ブラインド100の動作について、図9及び図10を参照しながら説明する。図9は、ルーバーユニット110の閉操作を説明するための概略平面図である。図10は、ルーバーユニット110の開操作を説明するための概略平面図である。
【0043】
ルーバー130を閉状態にする場合、操作棒150を操作して、図9の矢印eに示したように、連動部材140をガイド溝124に沿って直線部121の位置まで移動させる。すると、全ての連動部材140がガイド溝124に沿って直線部121の位置まで移動する。よって、ルーバー130はカーテンレールCLに対して長手方向に移動することなく回転し、全てのルーバー130が閉状態になる。
【0044】
ルーバー130を開状態にする場合、操作棒150を操作して、図10の矢印fに示したように、連動部材140をガイド溝124に沿って円弧状部122の先端まで移動させる。すると、全ての連動部材140がガイド溝124に沿って円弧状部122の先端まで移動する。よって、全てのルーバー130が開状態になる。
【0045】
(第1の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、吊下部材120を介して既設のカーテンレールCLに容易に縦型ブラインド100を取付可能であるとともに、縦型ブラインド100が備える回転可能なルーバー130により遮蔽状態を柔軟に変更することができる。
【0046】
また、複雑な駆動機構を設けることなく、簡易な構造でルーバー130を回転可能に吊り下げることができる。
【0047】
また、複数のルーバー130を連動部材140の移動と連動させて回転させることができる。
【0048】
また、連結部131が有する軸部131aを連動部材140の挿通孔141に挿通させるだけで、連動部材140をルーバー130に連結させることができる。また、連動部材140を移動させると連結部131が連動してガイド溝124に沿って移動するため、結果として複数のルーバー130を連動させて回転させることができる。
【0049】
また、操作棒150によって連動部材140を介して複数のルーバー130の回転操作が可能であるため、ルーバー130を回転操作する際の操作性を向上させることができる。
【0050】
また、縦型ブラインド専用のブラケットを取り付けることができない設置環境であっても、既設のカーテンレールCLを利用して縦型ブラインド100を取り付けることができる。
【0051】
また、既設のカーテンレールCLに一体化されたルーバーユニット110を一個ずつ吊り下げていくだけの簡易な手順で縦型ブラインド100を組み立てることができる。また、カーテンレールCLに吊り下げるルーバーユニット110の個数を調整するだけで縦型ブラインド100の幅寸法を変更することができるため、様々な設置環境に柔軟に対応することができる。
【0052】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について説明する。まず、本実施形態に係る縦型ブラインド200(遮蔽装置)の構成について、図11を参照しながら説明する。図11は、本実施形態の縦型ブラインド200の構成を示す斜視図である。本実施形態は、上記第1の実施形態とは、ルーバーユニット210がシングルタイプのカーテンレールCLに取付可能な構成である点が異なるものであり、その他の点は第1の実施形態と同様である。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0053】
ルーバーユニット210は、図11に示したように、吊下部材220の吊下軸223が直線部221の両端に設けられており、円弧状部222にはガイド溝224のみが設けられる。その他の点は、第1の実施形態のルーバーユニット110と同様な構成である。
【0054】
ルーバーユニット210をカーテンレールCLに取り付ける際には、図11に示したように、吊下部材220の直線部221をカーテンレールCLの長手方向と平行になるように配置する。そして、吊下軸223を順次カーテンレールCL内に挿入することによって取付けられる。
【0055】
(第2の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、シングルタイプのカーテンレールCLにルーバーユニット210を容易に取り付け、縦型ブラインド200を構成することができる。
【0056】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態について説明する。まず、本実施形態に係る縦型ブラインド300(遮蔽装置)の構成について、図12を参照しながら説明する。図12は、本実施形態の縦型ブラインド300の構成を示す正面図である。本実施形態は、上記第1の実施形態とは、ルーバーユニット310の構成が異なるものであり、その他の点は第1の実施形態と同様である。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0057】
ルーバーユニット310は、図12に示したように、連結部331の軸部331aの下端同士が中継部材332によって連結されている。中継部材332には、長さ方向の中央にルーバー330を係止可能なフック333が形成されている。フック333は、幅広の平坦な水平面333aを備えており、この水平面333aでルーバー330を係止する。
【0058】
ルーバー330の上端には、平板状のルーバーフック334が設けられており、ルーバーフック334の中央にフック333に係止可能な方形状の係止孔335が形成されている。フック333は、図12中拡大図Aに示したように、幅広の平坦な水平面333aで平面状の係止孔335の上面335aを係止するため、ルーバー330が左右に傾くことが防止されている。
【0059】
(第3の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、ルーバー330をフック333に係止させることで吊下部材120に着脱自在としたことにより、ルーバー330の取り換えが容易になる。また、一般的な縦型ブラインド用ルーバーの構造を利用してルーバーユニットを構成することができる。
【0060】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態について説明する。まず、本実施形態に係る縦型ブラインド400(遮蔽装置)の構成について、図13及び図14を参照しながら説明する。図13は、本実施形態の縦型ブラインド400の構成を示す概略平面図である。図14は、図13(b)のA-A断面図である。本実施形態は、上記第1の実施形態とは、ルーバーユニット410の構成が異なるものであり、その他の点は第1の実施形態と同様である。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0061】
ルーバーユニット410は、図13及び図14に示したように、吊下部材420の円弧部422(ガイド部)が円柱状に構成されている。円弧部422の先端には、吊下軸423がそれぞれ設けられる。また、ルーバー430の上端の両端部に設けられ、ルーバー430を吊下部材420に連結するための連結部431は、軸部431aと、軸部431aの先端に設けられ、円弧部422がそれぞれ挿通する環状部431bと、によって構成される。
【0062】
環状部431bは、円弧部422に沿って移動可能である。また、一方の軸部431aは連動部材440を挿通して連結されている。連動部材440が操作されて一方の連結部431が円弧部422に沿って移動することにより他方の連結部431も同様に移動し、ルーバー430が開閉される。
【0063】
以上、ルーバーユニット410の構成について説明した。以下、ルーバー430の開閉動作について、図13を参照しながら説明する。環状部431bが、図13(a)の矢印gに示したように、吊下部材420の直線部421に最も近づいた位置まで移動すると、ルーバー430が閉状態になる。また、環状部431bが、図13(b)の矢印hに示したように、吊下部材420の吊下軸423に最も近づいた位置まで移動すると、ルーバー430が開状態になる。
【0064】
(第4の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、ルーバー430の環状部431bに吊下部材420の円弧部422を挿通させるだけで、吊下部材420でルーバー430を回転可能に吊り下げることができる。よって、複雑な駆動機構を設けることなく、簡易な構造でルーバー330を回転可能に吊り下げることができる。
【0065】
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態について説明する。まず、本実施形態に係る縦型ブラインド500(遮蔽装置)の構成について、図15及び図16を参照しながら説明する。図15は、本実施形態の縦型ブラインド500の閉操作を示す平面図である。図16は、本実施形態の縦型ブラインド500の開操作を示す平面図である。本実施形態は、上記第1の実施形態とは、吊下部材520がカーテンレールCLに対して回転することによってルーバー530の開閉を行う点が異なるものであり、その他の点は第1の実施形態と同様である。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0066】
ルーバーユニット510は、図15及び図16に示したように、吊下部材520の吊下軸523がガイド溝524を移動可能に挿通した状態で円弧状部522に連結されている。ルーバー530の両端は、円弧状部522の先端にそれぞれ固定されており、円弧状部522と一体に回転する。連動部材540は、直線部521の一端部に回転可能に軸支されている。操作棒550は、連動部材540を貫通した状態で直線部521の一端部に回転可能に軸支されている。
【0067】
以上、ルーバーユニット510の構成について説明した。以下、ルーバーユニット510の動作について、図15及び図16を参照しながら説明する。ルーバー530を閉状態にする場合、操作棒550を操作して、直線部521の一端がカーテンレールCLの一端部から遠ざかる方向に移動させる。すると、吊下部材520が、吊下軸523に沿って移動するガイド溝524に案内されて、図15の矢印iに示したように回転する。このとき、円弧状部522の先端に固定されているルーバー530も一体に回転してカーテンレールCLと略平行な閉状態になる。連動部材540によって全てのルーバーユニット510が同様に動作する。
【0068】
ルーバー530を開状態にする場合、操作棒550を操作して、直線部521の一端がカーテンレールCLの一端部に近づく方向に移動させる。すると、吊下部材520が、吊下軸523に沿って移動するガイド溝524に案内されて、図16の矢印jに示したように回転する。このとき、円弧状部522の先端に固定されているルーバー530も一体に回転してカーテンレールCLと交差する開状態になる。連動部材540によって全てのルーバーユニット510が同様に動作する。
【0069】
(第5の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、吊下部材520をカーテンレールCLに吊り下げるための吊下軸523と吊下部材520に形成したガイド溝524とによって、吊下部材520をカーテンレールCLに回転可能に吊り下げるため、吊下部材520と一体にルーバー530を回転させて遮蔽状態を柔軟に変更することができる。
【0070】
また、複雑な駆動機構を設けることなく、簡易な構造でルーバー530を回転可能に吊り下げることができる。
【0071】
また、カーテンレールCLが前後に2本併設されており、前後の間隔を一定に維持したまま吊下軸523を配置する必要がある場合においても、吊下部材520をカーテンレールCLに回転可能に吊り下げることができる。
【0072】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0073】
例えば、上記第1の実施形態では、複数のルーバー130が連動して回転するように隣接するルーバー130間を連結可能であるとともに、ルーバー130の回転と連動して移動可能な連動部材140を更に備える構成としたが、本発明はこの例に限定されない。吊下部材を介して既設のレール材に容易に遮蔽装置を取付可能であるとともに、遮蔽装置が備える回転可能なルーバーにより遮蔽状態を柔軟に変更することができれば、任意に設計することができる。例えば、連動部材は必ずしも設けなくてもよく、ルーバー毎に手動で回転させてもよい。他の実施形態も同様である。
【0074】
また、上記第1の実施形態では、レール材は、固定面に固定されたカーテンレールCLとしたが、本発明はこの例に限定されない。固定面に固定され吊下部材を吊り下げ可能であれば任意に設計することができる。例えば、棒状の部材でもよく、棒状の部材の外周で吊下部材を支持する構成としてもよい。他の実施形態も同様である。
【0075】
また、上記第1の実施形態では、ルーバー130の回転を操作する操作棒150は、カーテンレールCLの一端部に配置される吊下部材120に吊り下げられる構成としたが、本発明はこの例に限定されない。ルーバーを回転操作可能であれば、操作棒は任意の吊下部材に吊り下げることができる。例えば、カーテンレールの他端部に配置される吊下部材に操作棒が吊り下げられる構成としてもよいし、カーテンレールの中央に配置される吊下部材に操作棒が吊り下げられる構成としてもよい。また、複数の吊下部材に操作棒が吊り下げられる構成としてもよい。
【0076】
以上説明した実施形態・応用例・変形例等は、適宜組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0077】
100~500 縦型ブラインド(遮蔽装置)
110~510 ルーバーユニット
120、220、420、520 吊下部材
121、221、421、521 直線部
122、522 円弧状部
123、223、423、523 吊下軸
123a 円柱軸部
123b 円板状部
124、524 ガイド溝(ガイド部)
130、330、430、530 ルーバー
131、331、431 連結部
131a、331a、431a 軸部
131b 脱落防止部
140、440、540 連動部材
141 挿通孔
142 嵌合爪
143 嵌合孔
150、550 操作棒(操作部材)
332 中継部材
333 フック
333a水平面
334 ルーバーフック
335 係止孔
335a 上面
422 円弧部(ガイド部)
431b 環状部(連結部)
CL カーテンレール

図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
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図16