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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083016
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】自動倉庫システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20240613BHJP
【FI】
B65G1/04 503
B65G1/04 531D
B65G1/04 537B
B65G1/04 539A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197288
(22)【出願日】2022-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 正樹
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022AA15
3F022CC03
3F022FF01
3F022JJ09
3F022MM51
3F022MM61
3F022NN55
3F022QQ01
3F022QQ11
(57)【要約】
【課題】消費電力が制限される状況において搬送機器を安全に動作させることができる自動倉庫システムを提供する。
【解決手段】自動倉庫システム2は、入出庫装置42と、入出庫装置42によって搬送された物品14bを搬送する搬出入装置61と、入出庫装置42及び搬出入装置61を制御する入出庫装置コントローラ91及び搬出入装置コントローラ92と、入出庫装置42及び搬出入装置61のための安全装置43、62と、安全装置43、62を制御する安全装置コントローラ94と、バックアップ電源34と入出庫装置42及び搬送台車24とをそれぞれ接続する給電ライン371、372と、バックアップ電源34と安全装置43、62とを、安全装置コントローラ94を介して接続する給電ライン373と、給電ライン371、372をそれぞれ開閉するスイッチ381、382と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収納する複数の棚と、
前記複数の棚から物品を取り出して搬送する入出庫装置と、
前記入出庫装置によって搬送された前記物品を搬送する搬出入装置と、
前記入出庫装置及び前記搬出入装置を制御する第1のコントローラと、
前記入出庫装置のための第1の安全装置と、
前記搬出入装置のための第2の安全装置と、
前記第1及び前記第2の安全装置を制御する第2のコントローラと、
バックアップ電源と、
前記バックアップ電源及び前記入出庫装置を接続する第1の給電ラインと、
前記バックアップ電源及び前記搬出入装置を接続する第2の給電ラインと、
前記バックアップ電源及び前記第1及び前記第2の安全装置を、前記第2のコントローラを介して接続する第3の給電ラインと、
前記第1の給電ラインを開閉する第1のスイッチと、
前記第2の給電ラインを開閉する第2のスイッチと、を備える、
自動倉庫システム。
【請求項2】
前記第2のコントローラは、前記第1及び前記第2のスイッチの開閉状態に応じて、前記第1及び前記第2の安全装置を有効化する、
請求項1に記載の自動倉庫システム。
【請求項3】
前記自動倉庫システムは、
複数の前記入出庫装置と、
前記バックアップ電源と複数の前記入出庫装置とをそれぞれ接続する複数の前記第1の給電ラインと、
複数の前記第1の給電ラインの各々を個別に開閉する複数の前記第1のスイッチと、を備える、
請求項1又は2に記載の自動倉庫システム。
【請求項4】
前記自動倉庫システムは、
複数の前記搬出入装置と、
前記バックアップ電源と複数の前記搬出入装置とをそれぞれ接続する複数の前記第2の給電ラインと、
複数の前記第2の給電ラインの各々を個別に開閉する複数の前記第2のスイッチと、を備える、
請求項1又は2に記載の自動倉庫システム。
【請求項5】
前記自動倉庫システムは、さらに、
前記搬出入装置によって搬送された前記物品を出荷口へ搬送するコンベヤと、
前記コンベヤのための第3の安全装置と、
前記バックアップ電源及び前記コンベヤを接続する第4の給電ラインと、
前記バックアップ電源及び前記第3の安全装置を、前記第2のコントローラを介して接続する第5の給電ラインと、
前記第4の給電ラインを開閉する第3のスイッチと、
前記第5の給電ラインを開閉する第4のスイッチと、を備える、
請求項1又は2に記載の自動倉庫システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の棚に物品を入出庫する自動倉庫システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、停電時に、スタッカクレーンを効率的に復帰させることができる自動倉庫システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-030660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の技術では、停電時など消費電力が制限される状況において、スタッカクレーンなどの搬送機器を動作させる場合に、作業者の安全性が低下する可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、消費電力が制限される状況において搬送機器を安全に動作させることができる自動倉庫システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る自動倉庫システムは、物品を収納する複数の棚と、前記複数の棚から物品を取り出して搬送する入出庫装置と、前記入出庫装置によって搬送された前記物品を搬送する搬出入装置と、前記入出庫装置及び前記搬出入装置を制御する第1のコントローラと、前記入出庫装置のための第1の安全装置と、前記搬出入装置のための第2の安全装置と、前記第1及び前記第2の安全装置を制御する第2のコントローラと、バックアップ電源と、前記バックアップ電源及び前記入出庫装置を接続する第1の給電ラインと、前記バックアップ電源及び前記搬出入装置を接続する第2の給電ラインと、前記バックアップ電源及び前記第1及び前記第2の安全装置を、前記第2のコントローラを介して接続する第3の給電ラインと、前記第1の給電ラインを開閉する第1のスイッチと、前記第2の給電ラインを開閉する第2のスイッチと、を備える。
【0007】
これによれば、第1のスイッチ及び第2のスイッチにより第1の給電ライン及び第2の給電ラインが開閉されるので、入出庫装置及び搬出入装置が稼働しないときに(つまり待機中に)消費する電力を削減することができる。また、入出庫装置のための第1の安全装置及び搬出入装置のための第2の安全装置には、第2のコントローラを介して電力が供給されるので、入出庫装置及び搬出入装置への電力供給ラインが遮断されている状況でも第1の安全装置及び第2の安全装置を動作させることができ、作業者の安全を確保することができる。つまり、消費電力が制限される状況において搬送機器を安全に動作させることができる。
【0008】
例えば、本発明の一態様に係る自動倉庫システムにおいて、前記第2のコントローラは、前記第1及び前記第2のスイッチの開閉状態に応じて、前記第1及び前記第2の安全装置を有効化してもよい。
【0009】
これによれば、第1及び第2のスイッチの開閉状態に応じて第1及び第2の安全装置が有効化される。したがって、入出庫装置に電力が供給されているときに第1の安全装置を有効化し、搬出入装置に電力が供給されているときに第2の安全装置を有効化することができる。逆に言えば、入出庫装置に電力が供給されていないときに第1の安全装置を無効化し、搬出入装置に電力が供給されていないときに第2の安全装置を無効化することができる。したがって、物品の入出庫経路及び搬出入経路に応じて必要な安全装置のみを有効化することができ、安全装置の消費電力を抑制することができる。
【0010】
例えば、本発明の一態様に係る自動倉庫システムは、複数の前記入出庫装置と、前記バックアップ電源と複数の前記入出庫装置とをそれぞれ接続する複数の前記第1の給電ラインと、複数の前記第1の給電ラインの各々を個別に開閉する複数の前記第1のスイッチと、を備えてもよい。
【0011】
これによれば、複数の入出庫装置を備える自動倉庫システムにおいて、複数の第1スイッチを用いて、物品の入出庫に必要な入出庫装置のみに選択的に電力を供給することができ、複数の入出庫装置の消費電力を抑制することができる。
【0012】
例えば、本発明の一態様に係る自動倉庫システムは、複数の前記搬出入装置と、前記バックアップ電源と複数の前記搬出入装置とをそれぞれ接続する複数の前記第2の給電ラインと、複数の前記第2の給電ラインの各々を個別に開閉する複数の前記第2のスイッチと、を備えてもよい。
【0013】
これによれば、複数の搬出入装置を備える自動倉庫システムにおいて、複数の第2スイッチを用いて、物品の搬出入に必要な搬出入装置のみに選択的に電力を供給することができ、複数の搬出入装置の消費電力を抑制することができる。
【0014】
例えば、本発明の一態様に係る自動倉庫システムは、さらに、前記搬出入装置によって搬送された前記物品を出荷口へ搬送するコンベヤと、前記コンベヤのための第3の安全装置と、前記バックアップ電源及び前記コンベヤを接続する第4の給電ラインと、前記バックアップ電源及び前記第3の安全装置を、前記第2のコントローラを介して接続する第5の給電ラインと、前記第4の給電ラインを開閉する第3のスイッチと、前記第5の給電ラインを開閉する第4のスイッチと、を備えてもよい。
【0015】
これによれば、コンベヤのための安全装置に電力を供給する給電ラインを遮断することができ、さらなる消費電力の抑制を図ることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一態様に係る自動倉庫システムによれば、消費電力が制限される状況において搬送機器を安全に動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、実施の形態に係る自動倉庫システムの概要を示す上面図である。
図2図2は、実施の形態に係る自動倉庫システムの給電系統を示すブロック図である。
図3図3は、実施の形態に係る自動倉庫システムの制御系統を示すブロック図である。
図4図4は、実施の形態に係る自動倉庫システムの基本動作の流れを示すシーケンス図である。
図5図5は、実施の形態に係る自動倉庫システムの通常モードにおける動作の流れを示すシーケンス図である。
図6図6は、実施の形態に係る自動倉庫システムの制限モードにおける動作の流れを示すフローチャートである。
図7図7は、図6のステップS305の詳細を示すフローチャートである。
図8図8は、端末装置に表示される残処理リストの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0019】
(実施の形態)
[1.自動倉庫システムの概要]
まず、図1を参照しながら、実施の形態に係る自動倉庫システム2の概要について説明する。図1は、実施の形態に係る自動倉庫システム2の概要を示す上面図である。
【0020】
図1に示すように、自動倉庫システム2は、自動倉庫エリア4、搬出入エリア6及び入出荷口エリア7に設置された各種機器と、サーバ装置8とを備える。自動倉庫システム2は、例えば倉庫等の建物内に配置されている。なお、図1において、建物の幅方向をX軸方向、建物の奥行き方向をY軸方向、建物の高さ方向(上下方向)をZ軸方向とする。
【0021】
[1-1.自動倉庫エリア]
自動倉庫エリア4には、ラック41と、入出庫装置42と、安全装置43と、走行通路44と、安全柵45と、が配置される。自動倉庫エリア4は、安全柵45によって囲まれており、自動倉庫エリア4内への人の侵入が制限されている。自動倉庫エリア4には、荷物14が自動的に入出庫される。自動倉庫エリア4における荷物14の入庫及び出庫については、後述する。
【0022】
荷物14は、パレット14aと、パレット14aに載置された複数の物品14bとを含んでいる。物品14bは、例えば段ボールに梱包された商品等である。
【0023】
ラック41は、X軸方向に沿って並列に配置されている。具体的には、対面する2つのラック41は、スタッカクレーン421の走行通路44を挟むように、X軸方向に沿って間隔を置いて配置されている。
【0024】
各ラック41には、荷物14を保管するための複数の棚411が配置されている。複数の棚411は、ラック41の長手方向(Y軸方向)に複数列、且つ、ラック41の高さ方向(Z軸方向)に複数段配置されている。
【0025】
入出庫装置42は、棚411まで荷物14を搬送し、且つ、棚411から荷物14を取り出して搬送するための装置である。入出庫装置42は、スタッカクレーン421と、入庫サブコンベヤ422と、出庫サブコンベヤ423と、を含む。
【0026】
スタッカクレーン421は、対面する2つのラック41の間に敷設された走行通路44に沿って走行可能である。スタッカクレーン421は、ラック41に荷物14を入庫する。この入庫の際には、スタッカクレーン421は、入庫サブコンベヤ422から荷物14を移載した後に、走行通路44に沿ってラック41に向けて走行し、荷物14をラック41に移載する。また、スタッカクレーン421は、ラック41に保管されている荷物14を出庫する。この出庫の際には、スタッカクレーン421は、ラック41に保管されている荷物14を取り出した後に、走行通路44に沿って出庫サブコンベヤ423に向けて走行し、取り出した荷物14を出庫サブコンベヤ423に移載する。
【0027】
入庫サブコンベヤ422は、自動倉庫エリア4に入庫する荷物14を入庫コンベヤ611(後述する)から受け取り、スタッカクレーン421の所定の移載位置まで搬送する装置である。なお、図示しないが、入庫サブコンベヤ422にはそれぞれ、リフタが昇降可能に配置されている。各リフタが下降している状態で、入庫コンベヤ611からの荷物14が各リフタの位置まで搬送される。その後、各リフタが上昇することにより、各リフタからスタッカクレーン421に荷物14が移載される。
【0028】
出庫サブコンベヤ423は、自動倉庫エリア4から出庫する荷物14をスタッカクレーン421から受け取り、出庫コンベヤ612(後述する)まで搬送する装置である。なお、図示しないが、出庫サブコンベヤ423には、リフタが昇降可能に配置されている。リフタが上昇している状態で、スタッカクレーン421からリフタ上に荷物14が載置される。その後、リフタが下降することにより、リフタから出庫サブコンベヤ423上に荷物14が移載される。
【0029】
安全装置43は、入出庫装置42による事故を予防するためのものである。安全装置43としては、例えば、走行通路44への人の侵入や棚411から落下した荷物14などの障害物を検出する障害物検出センサを用いることができる。これにより、走行通路44への人の侵入や走行通路44上の障害物を検出したときにスタッカクレーン421を停止することができ、スタッカクレーン421が人や障害物と衝突することを予防することができる。なお、安全装置43は、障害物検出センサに限定されない。
【0030】
[1-2.搬出入エリア]
搬出入エリア6には、搬出入装置61と、安全装置62と、レール63と、安全柵64と、が配置されている。搬出入エリア6は、安全柵64によって囲まれており、搬出入エリア6内への人の侵入が制限されている。
【0031】
搬出入装置61は、入庫コンベヤ611と、出庫コンベヤ612と、搬送台車613と、入荷コンベヤ614と、出荷コンベヤ615と、を含む。搬出入装置61は、自動倉庫エリア4に入庫すべき荷物14を入出荷口エリア7から自動倉庫エリア4まで搬送し、且つ、自動倉庫エリア4から出庫された荷物14を入出荷口エリア7まで搬送するためのものである。
【0032】
入庫コンベヤ611は、入庫サブコンベヤ422に接続されている。入庫コンベヤ611は、搬送台車613から移載された荷物14をY軸のプラス側に搬送することで、荷物14を入庫サブコンベヤ422まで搬送する。
【0033】
出庫コンベヤ612は、出庫サブコンベヤ423に接続され、入庫コンベヤ611と並列に配置されている。出庫コンベヤ612は、出庫サブコンベヤ423から搬送された荷物14をY軸のマイナス側に搬送する。出庫コンベヤ612によって搬送された荷物14は、搬送台車613に移載される。
【0034】
搬送台車613は、レール63に沿って走行する有軌道台車である。レール63は、出庫コンベヤ612の各搬送方向下流端を横切るように、X軸方向に沿って直線状に延びている。搬送台車613は、当該搬送台車613上に載置された荷物14をY軸のマイナス側に搬送するための移載コンベヤ(図示せず)を有する。
【0035】
搬送台車613は、出庫コンベヤ612から移載された荷物14を、出荷コンベヤ615に移載する。例えば、出庫コンベヤ612から出荷コンベヤ615に荷物14を搬送する場合には、搬送台車613は、レール63に沿って出庫コンベヤ612の搬送方向下流端に対向する位置まで走行し、出庫コンベヤ612から荷物14を移載する。その後、搬送台車613は、レール63に沿って出荷コンベヤ615の搬送方向上流端に対向する位置まで走行し、荷物14を出荷コンベヤ615に移載する。
【0036】
入荷コンベヤ614及び出荷コンベヤ615は、レール63を挟んで入庫コンベヤ611及び出庫コンベヤ612と反対側に配置されており、X軸方向に沿って並列に配置されている。入荷コンベヤ614は、入荷口コンベヤ711(後述する)から搬送された荷物14を、Y軸のプラス側に搬送し、搬送台車613に移載する。出荷コンベヤ615は、搬送台車613から移載された荷物14を、Y軸のマイナス側に出荷口コンベヤ712(後述する)まで搬送する。
【0037】
安全装置62は、安全柵64で囲まれた搬出入エリア6内への人の侵入を予防し、搬出入装置61による事故を予防するためのものである。安全装置62としては、例えば、搬出入エリア6への人の侵入を検出する人侵入検出センサを用いることができる。これにより、搬出入エリア6への人の侵入を検出したときに搬送台車613の走行を禁止することができ、搬送台車613が人と衝突することを予防することができる。また例えば、安全装置62として、入庫コンベヤ611、出庫コンベヤ612、入荷コンベヤ614及び出荷コンベヤ615において搬出入エリア6への荷物14以外の物体の侵入を検出する物体侵入検出センサ(例えばライトカーテン)を用いることもできる。
【0038】
[1-3.入出荷口エリア]
入出荷口エリア7には、入出荷口コンベヤ71と、安全装置72と、完了ボタン75と、が配置されている。入出荷口コンベヤ71は、入荷口73に搬入された荷物14を搬出入装置61まで搬送する入荷口コンベヤ711と、搬出入装置61によって搬送された荷物14を出荷口74まで搬送する出荷口コンベヤ712とを含む。
【0039】
入荷口コンベヤ711は、入荷コンベヤ614にそれぞれ接続されており、X軸方向に沿って並列に配置されている。入荷口コンベヤ711は、作業者によって入荷口73に運び込まれた荷物14を、Y軸のプラス側に入荷コンベヤ614まで搬送する。
【0040】
出荷口コンベヤ712は、出荷コンベヤ615にそれぞれ接続されており、X軸方向に沿って並列に配置されている。出荷口コンベヤ712は、出荷コンベヤ615から搬送された荷物14を、Y軸のマイナス側に出荷口74まで搬送する。作業者は、出荷口74まで搬送された荷物14を手作業で受け取り、当該荷物14の出荷作業を行う。
【0041】
安全装置72は、所定領域内への人の侵入を予防するためのものである。安全装置72としては、例えば、入出荷口コンベヤ71の所定領域への物体の侵入を検出するライトカーテンなどの物体侵入検出センサを用いることができる。これにより、例えば人が危険領域に侵入した場合に、入出荷口コンベヤ71を停止することができ、入出荷口コンベヤ71による事故を予防することができる。なお、安全装置72は、物体侵入検出センサに限定されない。
【0042】
出荷口74には、作業者により押下される完了ボタン75が配置されている。完了ボタン75はそれぞれ、作業者によって押下されることにより、荷物14が出荷口コンベヤ712の各搬送方向下流端(すなわち、出荷口74)まで搬送されたことを示す確認信号をサーバ装置8に送信(出力)する。
【0043】
サーバ装置8は、入出庫装置42、搬出入装置61及び入出荷口コンベヤ71を制御するためのコンピュータである。サーバ装置8の機能については後述する。
【0044】
[2.自動倉庫システムの給電系統]
次に、自動倉庫システム2の給電系統について図2を参照しながら説明する。図2は、実施の形態に係る自動倉庫システム2の給電系統を示すブロック図である。
【0045】
図2に示すように、自動倉庫システム2における給電系統は、商用電源32と、バックアップ電源34と、切替器36と、給電ライン371~375と、スイッチ381~384と、で構成される。
【0046】
商用電源32は、電力会社からの電力が供給される外部電源である。バックアップ電源34は、商用電源32による電力供給が停止した際に非常用電力を供給する電源である。バックアップ電源34としては、例えば、UPS(Uninterruptible Power Supply)などの蓄電装置、及び/又は、ディーゼル発電機などの自家発電装置を用いることができる。バックアップ電源34は、自動倉庫システム2が配置された建物に設置されており、停電時等に当該建物の設備(例えば自動倉庫システム2及び各種生産設備等)に対して非常用の電力を供給する。なお、本実施の形態では、バックアップ電源34を自動倉庫システム2が配置された建物に設置したが、これに限定されず、例えば自動倉庫システム2が配置された建物とは別の建物に設置してもよい。
【0047】
切替器36は、自動倉庫システム2への給電元を、商用電源32とバックアップ電源34との間で切り替える。例えば停電時には、切替器36は、自動倉庫システム2への給電元を、商用電源32からバックアップ電源34に切り替える。
【0048】
給電ライン371は、第1の給電ラインの一例であり、バックアップ電源34と入出庫装置42とを接続する。具体的には、給電ライン371のいくつかは、バックアップ電源34とスタッカクレーン421とをそれぞれ接続する。また、給電ライン371の他のいくつかは、バックアップ電源34と入庫サブコンベヤ422とをそれぞれ接続する。また、給電ライン371の残りのいくつかは、バックアップ電源34と出庫サブコンベヤ423とをそれぞれ接続する。
【0049】
スイッチ381は、第1のスイッチの一例であり、給電ライン371の各々を個別に開閉する。つまり、スイッチ381は、給電ライン371の各々の導通及び非導通を個別に切り替える。スイッチ381としては、分電盤に配置された機械式スイッチを用いることができるが、これに限定されない。
【0050】
給電ライン372は、第2の給電ラインの一例であり、バックアップ電源34と搬出入装置61とを接続する。具体的には、給電ライン371のいくつかは、バックアップ電源34と入庫コンベヤ611及び出庫コンベヤ612とをそれぞれ接続する。また、給電ライン371は、バックアップ電源34と搬送台車613とを接続する。さらに、給電ライン371の残りのいくつかは、バックアップ電源34と入荷コンベヤ614及び出荷コンベヤ615とをそれぞれ接続する。
【0051】
スイッチ382は、第2のスイッチの一例であり、給電ライン372の各々を個別に開閉する。つまり、スイッチ382は、給電ライン372の各々の導通及び非導通を個別に切り替える。スイッチ382としては、分電盤に配置された機械式スイッチを用いることができるが、これに限定されない。
【0052】
給電ライン373は、第3の給電ラインの一例であり、バックアップ電源34と、安全装置43及び62とを、安全装置コントローラ94(後述する)を介して接続する。
【0053】
給電ライン374は、第4の給電ラインの一例であり、バックアップ電源34と入出荷口コンベヤ71とを接続する。具体的には、給電ライン374のいくつかは、バックアップ電源34と入荷口コンベヤ711とをそれぞれ接続する。また、給電ライン374の残りのいくつかは、バックアップ電源34と出荷口コンベヤ712とをそれぞれ接続する。
【0054】
スイッチ383は、第3のスイッチの一例であり、給電ライン374の各々を個別に開閉する。つまり、スイッチ383は、給電ライン374の各々の導通及び非導通を個別に切り替える。スイッチ383としては、分電盤に配置された機械式スイッチを用いることができるが、これに限定されない。
【0055】
給電ライン375は、第5の給電ラインの一例であり、バックアップ電源34と安全装置72とを、安全装置コントローラ94を介して接続する。
【0056】
スイッチ384は、第4のスイッチの一例であり、給電ライン375の各々を個別に開閉する。つまり、スイッチ384は、給電ライン375の各々の導通及び非導通を個別に切り替える。スイッチ384としては、分電盤に配置された機械式スイッチを用いることができるが、これに限定されない。
【0057】
なお、図2に示す自動倉庫システム2の給電系統は、一例であり、これに限定されない。例えば、スイッチ384は、省略されてもよく、給電系統に含まれなくてもよい。
【0058】
[3.自動倉庫システムの制御系統]
図3を参照しながら、実施の形態に係る自動倉庫システム2の制御系統について説明する。図3は、実施の形態に係る自動倉庫システム2の制御系統を示すブロック図である。
【0059】
図3に示すように、自動倉庫システム2の制御系統は、倉庫管理コントローラ81と、倉庫設備コントローラ82と、入出庫装置コントローラ91と、搬出入装置コントローラ92と、コンベヤコントローラ93と、安全装置コントローラ94と、端末装置95と、を備える。
【0060】
なお、上述したサーバ装置8は、倉庫管理コントローラ81及び倉庫設備コントローラ82を含む。なお、倉庫管理コントローラ81及び倉庫設備コントローラ82は、それぞれ別個のサーバ装置8に含まれてもよい。
【0061】
倉庫管理コントローラ81は、自動倉庫エリア4における荷物14の在庫を管理するためのWMS(Warehouse Management System)である。倉庫管理コントローラ81は、データベース811を有する。データベース811には、自動倉庫エリア4における荷物14の在庫状況を示す在庫データベースと、自動倉庫エリア4から出庫される予定の荷物14の一覧を示す残処理データベースとが格納されている。
【0062】
倉庫管理コントローラ81は、端末装置95又は客先コンピュータ(図示せず)からの出庫要求(後述する)に基づいて、データベース811に格納された在庫データベースを検索することにより、荷物14の荷掴み位置(FROM地点)及び荷降ろし位置(TO地点)を示すFROM-TO情報を生成し、生成したFROM-TO情報を倉庫設備コントローラ82に送信する。また、倉庫管理コントローラ81は、自動倉庫エリア4からの荷物14の出庫を制限しない通常モードと、自動倉庫エリア4からの荷物14の出庫を制限する制限モードとに切り替え可能である。なお、制限モードは、BCP(Business Continuity Plan)モードともいう。通常モード及び制限モードにおける自動倉庫システム2の動作については、後述する。
【0063】
倉庫設備コントローラ82は、入出庫装置42、搬出入装置61及び入出荷口コンベヤ71を制御するためのWCS(Warehouse Control System)である。倉庫設備コントローラ82は、倉庫管理コントローラ81からのFROM-TO情報に基づいて、荷物14の搬送ルートを決定し、入出庫装置コントローラ91、搬出入装置コントローラ92、及びコンベヤコントローラ93に搬送指令を送信する。
【0064】
入出庫装置コントローラ91は、第1のコントローラの一例であり、倉庫設備コントローラ82からの搬送指令に基づいて、入出庫装置42(スタッカクレーン421、入庫サブコンベヤ422、及び出庫サブコンベヤ423を含む)の動作を制御する。
【0065】
搬出入装置コントローラ92は、第1のコントローラの一例であり、倉庫設備コントローラ82からの搬送指令に基づいて、搬出入装置61(入庫コンベヤ611、出庫コンベヤ612、搬送台車613、入荷コンベヤ614、及び出荷コンベヤ615を含む)の動作を制御する。
【0066】
コンベヤコントローラ93は、倉庫設備コントローラ82からの搬送指令に基づいて、入出荷口コンベヤ71(入荷口コンベヤ711及び出荷口コンベヤ712を含む)の動作を制御する。なお、コンベヤコントローラ93には、上述した完了ボタン75が接続されている。
【0067】
端末装置95は、作業者の操作を受け付けるパーソナルコンピュータ等であり、倉庫管理コントローラ81に接続されている。端末装置95は、出庫すべき荷物14を選択する作業者の操作を受け付けた際に、当該選択された荷物14の出庫を要求するための出庫要求を倉庫管理コントローラ81に送信する。
【0068】
また、端末装置95には、後述するように通常モードから制限モードに切り替えられた際に、通常モードで自動倉庫エリア4から出庫される予定であった荷物14の一覧を示す残処理リスト951(後述する図8参照)が表示される。残処理リスト951は、倉庫管理コントローラ81により、データベース811に格納された残処理データベースに基づいて生成される。
【0069】
安全装置コントローラ94は、第2のコントローラの一例であり、安全装置43、62及び72を制御する。
【0070】
なお、図3に示す自動倉庫システム2の制御系統は、一例であり、これに限定されない。例えば、入出港装置コントローラ91、搬出入装置コントローラ92及びコンベヤコントローラ93は、任意の組み合わせで1つのコントローラに統合されてもよい。例えば、コンベヤコントローラ93は。搬出入装置コントローラ92に含まれてもよい。この場合、入出荷口コンベヤ71は、搬出入装置61に含まれてもよい。
【0071】
[4.自動倉庫システムの動作]
[4-1.自動倉庫システムの基本動作]
図4を参照しながら、実施の形態に係る自動倉庫システム2の基本動作について説明する。以下で説明する自動倉庫システム2の基本動作は、自動倉庫エリア4から荷物14を出庫する動作であり、通常モードと制限モードとで共通の動作である。図4は、実施の形態に係る自動倉庫システム2の基本動作の流れを示すシーケンス図である。
【0072】
以下、ラック41の棚411(例えばラック41の第2列、第3段の棚411)に保管されている荷物14を、出荷口74に搬送する場合における自動倉庫システム2の基本動作について説明する。
【0073】
倉庫管理コントローラ81は、通常モードでは客先コンピュータからの出庫要求を受信し、制限モードでは端末装置95からの出庫要求を受信する。図4に示すように、倉庫管理コントローラ81は、受信した出庫要求に基づいて、データベース811に格納された在庫データベースを検索することにより、荷物14の荷掴み位置(ラック41の第2列、第3段の棚411)及び荷降ろし位置(出荷口74)を示すFROM-TO情報を生成し、生成したFROM-TO情報を倉庫設備コントローラ82に送信する(S101)。
【0074】
倉庫設備コントローラ82は、倉庫管理コントローラ81からのFROM-TO情報に基づいて、荷物14の搬送ルートを決定し、入出庫装置コントローラ91に搬送指令を送信する(S102)。ここで、搬送ルートとは、入出庫装置42、搬出入装置61及び入出荷口コンベヤ71において荷物14が搬送される経路である。本実施の形態では、倉庫設備コントローラ82は、荷物14の搬送ルートとして、「ラック41→スタッカクレーン421→出庫サブコンベヤ423→出庫コンベヤ612→搬送台車613→出荷コンベヤ615→出荷口コンベヤ712」という経路を決定する。後述するように、倉庫設備コントローラ82は、決定した搬送ルートに基づいて、入出庫装置コントローラ91、搬出入装置コントローラ92及びコンベヤコントローラ93に順次搬送指令を送信する。
【0075】
入出庫装置コントローラ91は、倉庫設備コントローラ82からの搬送指令に基づいて、入出庫装置42の動作(スタッカクレーン421の加速、走行及び減速、リフタの昇降、出庫サブコンベヤ423のローラの回転等)を制御する(S103)。これにより、スタッカクレーン421は、ラック41の第2列、第3段の棚411に保管されている荷物14を取り出した後に、走行通路44に沿って出庫サブコンベヤ423に向けて走行し、取り出した荷物14を出庫サブコンベヤ423に移載する。そして、出庫サブコンベヤ423は、スタッカクレーン421から移載された荷物14を出庫コンベヤ612まで搬送する。
【0076】
入出庫装置コントローラ91は、入出庫装置42による荷物14の搬送が完了した際に、入出庫装置42による荷物14の搬送が完了したことを示す処理完了報告を倉庫設備コントローラ82に送信する(S104)。倉庫設備コントローラ82は、入出庫装置コントローラ91からの処理完了報告を、倉庫管理コントローラ81に転送する(S105)。
【0077】
倉庫管理コントローラ81は、倉庫設備コントローラ82からの処理完了報告に基づいて、データベース811に格納された在庫データベースを更新する(S106)。これにより、在庫データベースにおいて、荷物14の所在を示す情報が更新される。
【0078】
次に、倉庫設備コントローラ82は、搬出入装置コントローラ92に搬送指令を送信する(S112)。
【0079】
搬出入装置コントローラ92は、倉庫設備コントローラ82からの搬送指令に基づいて搬出入装置61の動作(出庫コンベヤ612のローラの回転、搬送台車613の加速、走行及び減速、並びに、出荷コンベヤ615のローラの回転等)を制御する(S113)。これにより、出庫コンベヤ612は、出庫サブコンベヤ423から搬送された荷物14を出庫コンベヤ612の搬送方向下流端まで搬送する。さらに、搬送台車613は、レール63に沿って出庫コンベヤ612の搬送方向下流端に対向する位置まで走行し、出庫コンベヤ612から荷物14を移載する。この移載時、出庫コンベヤ612及び搬送台車613の移載コンベヤは、同時に動作する。その後、搬送台車613は、レール63に沿って出荷コンベヤ615の搬送方向上流端に対向する位置まで走行し、荷物14を出荷コンベヤ615に移載する。この移載時、出荷コンベヤ615及び搬送台車613の移載コンベヤは、同時に動作する。さらに、出荷コンベヤ615は、搬送台車613から移載された荷物14を出荷口コンベヤ712まで搬送する。
【0080】
搬出入装置コントローラ92は、搬出入装置61による荷物14の搬送が完了した際に、搬出入装置61による荷物14の搬送が完了したことを示す処理完了報告を倉庫設備コントローラ82に送信する(S114)。倉庫設備コントローラ82は、台車コントローラ46からの処理完了報告を、倉庫管理コントローラ81に転送する(S115)。
【0081】
倉庫管理コントローラ81は、倉庫設備コントローラ82からの処理完了報告に基づいて、データベース811に格納された在庫データベースを更新する(S116)。これにより、在庫データベースにおいて、荷物14の所在を示す情報が更新される。
【0082】
次に、倉庫設備コントローラ82は、コンベヤコントローラ93に搬送指令を送信する(S117)。
【0083】
コンベヤコントローラ93は、倉庫設備コントローラ82からの搬送指令に基づいて、入出荷口コンベヤ71の動作(出荷口コンベヤ712のローラの回転等)を制御する(S118)。これにより、出荷口コンベヤ712は、出荷コンベヤ615から搬送された荷物14を出荷口74まで搬送する。
【0084】
作業者は、出荷口コンベヤ712により荷物14が出荷口74まで搬送された際に、出荷口コンベヤ712に対応して配置された完了ボタン75を押下する(S119)。これにより、完了ボタン75は、荷物14が出荷口コンベヤ712の搬送方向下流端(すなわち、出荷口74)まで搬送されたことを示す確認信号を、コンベヤコントローラ93に送信する(S120)。
【0085】
コンベヤコントローラ93は、完了ボタン75からの確認信号を、倉庫設備コントローラ82に送信する(S121)。倉庫設備コントローラ82は、コンベヤコントローラ93からの確認信号を、倉庫管理コントローラ81に転送する(S122)。
【0086】
倉庫管理コントローラ81は、倉庫設備コントローラ82からの確認信号に基づいて、データベース811に格納された在庫データベースを更新する(S123)。これにより、在庫データベースにおいて、荷物14の所在を示す情報が更新される。
【0087】
[4-2.通常モードにおける自動倉庫システムの動作]
図5を参照しながら、通常モードにおける、実施の形態に係る自動倉庫システム2の動作について説明する。図5は、実施の形態に係る自動倉庫システム2の通常モードにおける動作の流れを示すシーケンス図である。
【0088】
図5に示すように、作業者は、例えば端末装置95を操作することにより、倉庫管理コントローラ81を通常モードに切り替える(S201)。通常モードでは、図2に示す切替器36は、自動倉庫システム2への給電元を商用電源32に切り替えている。さらに、スイッチ381~384は、すべて閉状態(オン状態)に切り替えられる。これにより、商用電源32からの電力が、切替器36を介して自動倉庫システム2に供給される(S202)。
【0089】
倉庫管理コントローラ81は、客先コンピュータからの出庫要求を受信する(S203)。出庫要求には、出庫すべき荷物14に関する情報が複数含まれている。倉庫管理コントローラ81は、受信した出庫要求に基づいて、複数の荷物14の荷掴み位置及び荷降ろし位置をそれぞれ示す複数のFROM-TO情報を生成し、生成した複数のFROM-TO情報を倉庫設備コントローラ82に順次送信する。
【0090】
通常モードでは、自動倉庫システム2は、入出庫装置42による荷物14の入出庫を制限せず、入出庫装置42、搬出入装置61及び入出荷口コンベヤ71(以下、入出庫装置42、搬出入装置61及び入出荷口コンベヤ71をまとめて搬送機器という)への電力供給も制限しない。具体的には、倉庫設備コントローラ82は、倉庫管理コントローラ81からの複数のFROM-TO情報に基づいて、複数の荷物14の搬送ルートを順次決定し、各荷物14について、上述した自動倉庫システム2の基本動作と同様に、入出庫装置コントローラ91、搬出入装置コントローラ92及びコンベヤコントローラ93に搬送指令を順次送信する。
【0091】
これにより、通常モードでは、i)複数のFROM-TO情報が倉庫設備コントローラ82に次々と送信され、ii)入出庫装置42が次々と動作し、iii)搬出入装置61及び入出荷口コンベヤ71も荷物14が到着次第、次々と動作する。すなわち、通常モードでは、ある荷物14が自動倉庫エリア4から出庫された場合、当該荷物14が出荷口74に搬送されるのを待つことなく、新たな荷物14が自動倉庫エリア4から次々と出庫されるため、入出庫装置42、搬出入装置61及び入出荷口コンベヤ71において、常に複数の荷物14が同時並行で搬送されている状態となる。その結果、通常モードでは、複数の荷物14を搬送する動作が同時並行で行われる(S204)。
【0092】
これにより、スタッカクレーン421、出庫サブコンベヤ423、出庫コンベヤ612、搬送台車613、出荷コンベヤ615、及び、出荷口コンベヤ712が同時並行で動作するようになる。
【0093】
客先コンピュータからの出庫要求に含まれる全ての荷物14が出荷口74に搬送されていない場合には(S205でNO)、上述したステップS204に戻る。客先コンピュータからの出庫要求に含まれる全ての荷物14が出荷口74に搬送された場合には(S205でYES)、自動倉庫システム2は動作を終了する。
【0094】
[4-3.制限モードにおける動作]
図6及び図7を参照しながら、制限モードにおける、実施の形態に係る自動倉庫システム2の動作について説明する。図6は、実施の形態に係る自動倉庫システム2の制限モードにおける動作の流れを示すフローチャートである。図7は、図6のステップS305の詳細を示すフローチャートである。図8は、端末装置95に表示される残処理リスト951の一例を示す図である。
【0095】
図6に示すように、自動倉庫システム2が通常モードで動作中に停電が発生した際には(S301)、図2に示す切替器36は、自動倉庫システム2への給電元を、商用電源32からバックアップ電源34に切り替える。これにより、バックアップ電源34からの非常用の電力が、切替器36を介して自動倉庫システム2に供給される(S302)。さらに、スイッチ381~383は、すべて開状態(オフ状態)に切り替えられる。ただし、スイッチ384では、閉状態(オン状態)が維持される。なお、本実施の形態では、切替器36が自動倉庫システム2への給電元を切り替えるようにしたが、これに限定されず、作業者が自動倉庫システム2への給電元を手動で切り替えるようにしてもよい。
【0096】
作業者は、例えば端末装置95を操作することにより、自動倉庫システム2の動作モードを通常モードから制限モードに切り替える(S303)。これにより、倉庫管理コントローラ81は、通常モードから制限モードに切り替えられる。なお、本実施の形態では、作業者が自動倉庫システム2の動作モードを通常モードから制限モードに切り替えるようにしたが、これに限定されず、例えば切替器36からの停電の発生を示す信号等に基づいて、倉庫管理コントローラ81が通常モードから制限モードに自動で切り替えられるようにしてもよい。この時、図8に示すように、端末装置95には、残処理リスト951が表示される。残処理リスト951には、通常モードで客先コンピュータからの出庫要求に応じて自動倉庫エリア4から出庫される予定であったが、停電の発生により出庫できずに残った荷物14の一覧(例えば、荷物A、荷物B、荷物C及び荷物D等)が表示されている。
【0097】
作業者は、端末装置95を操作することにより、残処理リスト951の中から、制限モードで出庫したい荷物14を複数選択する(S304)。これにより、端末装置95は、作業者により選択された複数の荷物14の出庫を要求するための出庫要求を倉庫管理コントローラ81に送信する。
【0098】
なお、残処理リスト951には含まれていないが、緊急で出庫する必要のある荷物14(例えば、災害時に必要な物資等)が存在する場合には、作業者は、端末装置95を操作することにより、残処理リスト951に含まれない荷物14を複数選択してもよい。
【0099】
制限モードでは、自動倉庫システム2は入庫より出庫を優先する。また自動倉庫システム2は搬送機器への電力供給を制限し、入出庫装置42による荷物14の出庫を制限する。ただし、安全装置コントローラ94及び安全装置43、62及び72への電力供給は制限されない。具体的には、制限モードでは、サーバ装置8は、自動倉庫エリア4から1個(予め設定された所定の個数の一例)の荷物14を出庫し、完了ボタン75からの確認信号を受信する毎に、自動倉庫エリア4から新たな1個の荷物14の出庫を開始するように、入出庫装置42、搬出入装置61及び入出荷口コンベヤ71を制御する。すなわち、制限モードでは、1個の荷物14が自動倉庫エリア4から出庫された後、当該1個の荷物14が出荷口74に搬送されて初めて、新たな1個の荷物14が自動倉庫エリア4から出庫される。このとき、1個の荷物14の位置に応じて搬送機器に個別に電力を供給する。これにより、制限モードでは、入出庫装置42、搬出入装置61及び入出荷口コンベヤ71において、常に1個の荷物14のみが1つの搬送機器で搬送されている状態となり、複数の搬送機器のうち1つの搬送機器にのみ電力が供給されている状態となる。ただし、制限モードであっても、安全装置コントローラ94には、電力が供給されており、安全装置コントローラ94を介して安全装置43、62及び72にも電力が供給され得る。
【0100】
倉庫管理コントローラ81は、端末装置95からの出庫要求に基づいて、作業者により選択された複数の荷物14のうち、まず第1番目の1個の荷物14の荷掴み位置及び荷降ろし位置を示す1つのFROM-TO情報のみを生成し、生成した1つのFROM-TO情報を倉庫設備コントローラ82に送信する。換言すると、倉庫管理コントローラ81は、制限モードにおいて、後述するように、自動倉庫エリア4から1個の荷物14を出庫し、完了ボタン75からの確認信号を受信する毎に、自動倉庫エリア4から新たな1個の荷物14の出庫を開始するように、倉庫設備コントローラ82に指示する。
【0101】
倉庫設備コントローラ82は、倉庫管理コントローラ81からのFROM-TO情報に基づいて、第1番目の1個の荷物14の搬送ルートを決定する。入出庫装置42、搬出入装置61及び入出荷口コンベヤ71は、第1番目の1個の荷物14の搬送動作を実行する(S305)。なお、この時点では、倉庫管理コントローラ81は、予め設定された所定の個数(1個)を超える荷物14に関する搬送指令、すなわち第2番目の1個の荷物14の搬送指令をまだ送信しない。
【0102】
ここで、第1番目の1個の荷物14の搬送動作の詳細について、図7を参照しながら説明する。
【0103】
倉庫設備コントローラ82は、第1番目の1個の荷物14の搬送ルートに基づいて、荷物14の位置に対応する1つの搬送機器に対する搬送指令を生成する(S401)。例えば、第1番目の1個の荷物14がラック41に保管されている場合に、倉庫設備コントローラ82は、スタッカクレーン421に対する搬送指令を生成する。
【0104】
作業者又は倉庫設備コントローラ82は、生成された搬送指令に対応する搬送機器に電力を供給する給電ラインのスイッチを閉状態(オン状態)に切り替える(S402)。例えば、作業者又は倉庫設備コントローラ82は、スタッカクレーン421に電力を供給する給電ライン371のスイッチ381を閉状態に切り替える。
【0105】
安全装置コントローラ94は、給電ラインのスイッチが閉状態に切り替えられた1つの搬送機器のための安全装置を有効化する(S403)。つまり、安全装置コントローラ94は、スイッチの開閉状態に応じて安全装置を有効化する。例えば、搬送指令に対応するスタッカクレーン421に電力を供給する給電ライン371のスイッチ381が閉状態に切り替えられた場合、安全装置コントローラ94は、安全装置43を有効化する。
【0106】
倉庫設備コントローラ82は、搬送指令に対応する1つの搬送機器を制御するコントローラに搬送指令を送信し、搬送指令を受けたコントローラは、当該1つの搬送機器に第1番目の1個の荷物14を搬送させる(S404)。例えば、入出庫装置コントローラ91は、スタッカクレーン421に、ラック41に保管されている荷物14を搬送させる。
【0107】
1つの搬送機器による荷物14の搬送が完了した後に、作業者又は搬送指令を受けたコントローラは、当該1つの搬送機器に電力を供給する給電ラインのスイッチを開状態(オフ状態)に切り替える(S405)。例えば、スタッカクレーン421による荷物14の搬送が完了した後に、作業者又は入出庫装置コントローラ91は、スタッカクレーン421に電力を供給する給電ライン371のスイッチ381を開状態に切り替える。
【0108】
安全装置コントローラ94は、ステップS403で有効化された安全装置を無効化する(S406)。つまり、安全装置コントローラ94は、スイッチの開閉状態に応じて安全装置を無効化する。
【0109】
なお、ステップS403、S406は、任意のステップであり、実行されなくてもよい。例えば、安全装置コントローラ94は、給電ラインのスイッチが閉状態に切り替えられた搬送機器のみでなく、給電ラインのスイッチが開状態である搬送機器のための安全装置も有効化してもよい。つまり、安全装置コントローラ94は、搬送機器のスイッチの開閉状態にかかわらず、安全装置43、62及び72の一部又は全部を有効化することができる。例えば、搬送指令に対応するスタッカクレーン421に電力を供給する給電ライン371のスイッチ381が閉状態に切り替えられた場合、安全装置コントローラ94は、安全装置43だけでなく安全装置62(例えば、入庫コンベヤ611及び出庫コンベヤ612のライトカーテン)を有効化することで安全柵45に囲まれた自動倉庫エリア4内への人の立ち入りを確実に防ぐことができる。
【0110】
第1番目の1個の荷物14が出荷口74に搬送されるまで、このような搬送動作が繰り返される。第1番目の1個の荷物14がラック41に保管されている場合、荷物14の位置に応じて、まず、i)スタッカクレーン421のうち1つのスタッカクレーン421のみに電力が供給されて荷物14が搬送され、次に、ii)出庫サブコンベヤ423のうち1つの出庫サブコンベヤ423のみに電力が供給されて荷物14が搬送され、次に、iii)出庫コンベヤ612のうち1つの出庫コンベヤ612のみに電力が供給されて荷物14が搬送され、iv)搬送台車613に電力が供給されて荷物14が搬送され、次に、v)出荷コンベヤ615のうち1つの出荷コンベヤ615のみに電力が供給されて荷物14が搬送され、最後に、vi)出荷口コンベヤ712のうち1つの出荷口コンベヤ712のみに電力が供給されて荷物14が出荷口74まで搬送される。
【0111】
第1番目の1個の荷物14が出荷口74に搬送されるまでの間(S306でNO)、搬送機器による第1番目の1個の荷物14の搬送動作が行われる。なお、入出庫装置42及び搬出入装置61間で荷物14を受け渡すときのみ一時的に双方の機器に電力を供給する必要がある。
【0112】
第1番目の1個の荷物14が出荷口74に搬送された際には(S306でYES)、作業者は、出荷口74に対応する完了ボタン75を押下する(S307)。作業者により選択された全ての荷物14が出荷口74に搬送されていない(出荷されていない)場合には(S308でNO)、上述したステップS305に戻る。
【0113】
次に、倉庫管理コントローラ81は、作業者により選択された複数の荷物14のうち、第2番目の1個の荷物14の荷掴み位置及び荷降ろし位置を示す1つのFROM-TO情報のみを生成し、生成した1つのFROM-TO情報を倉庫設備コントローラ82に送信する。
【0114】
倉庫設備コントローラ82は、倉庫管理コントローラ81からのFROM-TO情報に基づいて、第2番目の1個の荷物14の搬送ルートを決定する。倉庫設備コントローラ82は、当該第2番目の1個の荷物14について、入出庫装置コントローラ91、搬出入装置コントローラ92及びコンベヤコントローラ93に搬送指令を順次送信する。これにより、搬送機器は、第2番目の1個の荷物14の搬送動作を行う(S305)。なお、この時点では、倉庫管理コントローラ81は、予め設定された所定の個数(1個)を超える荷物14に関する搬送指令、すなわち第3番目の1個の荷物14の搬送指令をまだ送信しない。
【0115】
第2番目の1個の荷物14が出荷口74に搬送されるまでの間(S306でNO)、搬送機器による第2番目の1個の荷物14の搬送動作が行われる。
【0116】
第2番目の1個の荷物14が出荷口74に搬送された際には(S306でYES)、作業者は、出荷口74に対応する完了ボタン75を押下する(S307)。
【0117】
以下、作業者により選択された全ての荷物14が出荷口74に搬送されるまで、上述したステップS305~S308が繰り返し実行される。作業者により選択された全ての荷物14が出荷口74に搬送された場合には(S308でYES)、自動倉庫システム2は動作を終了する。
【0118】
上述したように、制限モードでは、例えば第1番目の1個の荷物14の搬送が開始してから、当該第1番目の1個の荷物14が出荷口74に搬送されるまでの間は、第2番目の1個の荷物14の搬送は開始されない。さらに、第1番目の1個の荷物14の搬送において、搬送機器への電力供給は、第1番目の1個の荷物14の位置に応じて個別に制御されるが、安全装置コントローラ94及び安全装置43、62及び72への電力供給は、第1番目の1個の荷物14の位置に関わらず続けられる。また、例えば第2番目の1個の荷物14の搬送が開始してから、当該第2番目の1個の荷物14が出荷口74に搬送されるまでの間は、第3番目の1個の荷物14の搬送は開始されない。さらに、第2番目の1個の荷物14の搬送において、搬送機器への電力供給は、第2番目の1個の荷物14の位置に応じて個別に制御されるが、安全装置コントローラ94及び安全装置43、62及び72への電力供給は、第2番目の1個の荷物14の位置に関わらず続けられる。
【0119】
このように、制限モードでは、自動倉庫システム2は、入出庫装置42による荷物14の出庫を制限する。すなわち、制限モードでは、自動倉庫システム2は、自動倉庫エリア4から1個の荷物14を出庫し、完了ボタン75のいずれかからの確認信号を受信する毎に、自動倉庫エリア4から新たな1個の荷物14の出庫を開始するように、入出庫装置42、搬出入装置61及び入出荷口コンベヤ71を制御する。
【0120】
さらに、制限モードでは、自動倉庫システム2は、入出庫装置42、搬出入装置61及び入出荷口コンベヤ71への電力供給を制限する。ただし、制限モードであっても、安全装置コントローラ94及び安全装置43、62及び72への電力供給は制限されない。
【0121】
なお、入出荷口コンベヤ71では、作業者が荷物14を手動で搬送してもよい。この場合、スイッチ384は開状態に切り替えられてもよい。これにより、さらに消費電力を抑えることができる。
【0122】
[5.効果]
上述したように、制限モードでは、自動倉庫システム2は、入出庫装置42、搬出入装置61及び入出荷口コンベヤ71への電力供給を制限するが、安全装置コントローラ94及び安全装置43、62及び72への電力供給を制限しない。
【0123】
これにより、消費電力を抑えながら、自動倉庫エリア4から荷物14を安全に出庫することができる。その結果、例えば停電等が発生した場合であっても、バックアップ電源34からの非常用の電力を利用して、自動倉庫システム2の動作を安全に継続することができる。
【0124】
(変形例等)
以上、本発明の自動倉庫システムについて、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。上記実施の形態に対して当業者が思い付く変形を施して得られる形態、及び、上記実施の形態における構成要素を任意に組み合わせて実現される別の形態も本発明に含まれる。
【0125】
上記実施の形態では、搬出入装置61は、入庫コンベヤ611と、出庫コンベヤ612と、搬送台車613と、入荷コンベヤ614と、出荷コンベヤ615とを有するようにしたが、これに限定されない。例えば、搬出入装置61は、天井走行車及びAGV(Automated Guided Vehicle)等を有してもよい。また、搬出入装置61は、分岐、合流を組み合わせたコンベヤで構成されていてもよい。すなわち、荷物14が保管されている自動倉庫エリア4の出口から、作業者が荷物14を待つ出荷口74まで搬送する電力利用装置であれば、搬出入装置61は、どのような装置の組み合わせであってもよい。
【0126】
また、安全装置は、入出庫装置42、搬出入装置61及び入出荷口コンベヤ71の種類、レイアウトによって適宜追加及び省略することができる。例えば、安全装置72は、省略されてもよい。この場合、電源ライン375及びスイッチ384も省略される。
【0127】
また例えば、図1では、自動倉庫エリア4と搬出入エリア6とが隣接しているので、入庫サブコンベヤ422及び出庫サブコンベヤ423に安全装置43が設置されていないが、これに限定されない。例えば、自動倉庫エリア4と搬出入エリア6とが離れている場合には、入庫サブコンベヤ422及び/又は出庫サブコンベヤ423において搬出入エリア6への荷物14以外の物体の侵入を検出する物体侵入検出センサ(例えばライトカーテン)が安全装置43として追加されてもよい。
【0128】
また、上記実施の形態では、出荷確認部を完了ボタン75で構成したが、これに限定されず、例えば出荷口74に配置された、荷物14が出荷口74に到着したことを検出するセンサで構成してもよい。この場合、センサは、荷物14が出荷口74に到着したことを検出した際に、確認信号をサーバ装置8に送信する。
【0129】
また、スタッカクレーン421は、ラック41の各段に配置されたシャトル台車であってもよい。この場合、1つの段の1台のシャトル台車毎に動作が制御される。
【0130】
また、スタッカクレーン421は、2個の荷物14を同時に搬送可能なツインフォーククレーン等であってもよい。この場合、2個の荷物14の搬送が1台の装置により制御される。
【0131】
本発明の一態様の構成要件は以下の通りに記載される。
[1]
物品を収納する複数の棚と、
複数の棚から物品を取り出して搬送する入出庫装置と、
入出庫装置によって搬送された物品を搬送する搬出入装置と、
入出庫装置及び搬出入装置を制御する第1のコントローラと、
入出庫装置のための第1の安全装置と、
搬出入装置のための第2の安全装置と、
第1及び第2の安全装置を制御する第2のコントローラと、
バックアップ電源と、
バックアップ電源及び入出庫装置を接続する第1の給電ラインと、
バックアップ電源及び搬出入装置を接続する第2の給電ラインと、
バックアップ電源及び第1及び第2の安全装置を、第2のコントローラを介して接続する第3の給電ラインと、
第1の給電ラインを開閉する第1のスイッチと、
第2の給電ラインを開閉する第2のスイッチと、を備える、
自動倉庫システム。
[2]
第2のコントローラは、第1及び第2のスイッチの開閉状態に応じて、第1及び第2の安全装置を有効化する、
[1]に記載の自動倉庫システム。
[3]
自動倉庫システムは、
複数の入出庫装置と、
バックアップ電源と複数の入出庫装置とをそれぞれ接続する複数の第1の給電ラインと、
複数の第1の給電ラインの各々を個別に開閉する複数の第1のスイッチと、を備える、
[1]又は[2]に記載の自動倉庫システム。
[4]
自動倉庫システムは、
複数の搬出入装置と、
バックアップ電源と複数の搬出入装置とをそれぞれ接続する複数の第2の給電ラインと、
複数の第2の給電ラインの各々を個別に開閉する複数の第2のスイッチと、を備える、
[1]~[3]のいずれか一つに記載の自動倉庫システム。
[5]
自動倉庫システムは、さらに、
搬出入装置によって搬送された物品を出荷口へ搬送するコンベヤと、
コンベヤのための第3の安全装置と、
バックアップ電源及びコンベヤを接続する第4の給電ラインと、
バックアップ電源及び第3の安全装置を、第2のコントローラを介して接続する第5の給電ラインと、
第4の給電ラインを開閉する第3のスイッチと、
第5の給電ラインを開閉する第4のスイッチと、を備える、
[1]~[4]のいずれか一つに記載の自動倉庫システム。
【産業上の利用可能性】
【0132】
本発明は、例えば自動倉庫において荷物を入出庫するための自動倉庫システム等に適用することができる。
【符号の説明】
【0133】
2 自動倉庫システム
4 自動倉庫エリア
6 搬出入エリア
7 入出荷口エリア
8 サーバ装置
14 荷物
14a パレット
14b 物品
32 商用電源
34 バックアップ電源
36 切替器
41 ラック
42 入出庫装置
43、62、72 安全装置
44 走行通路
45、64 安全柵
61 搬出入装置
63 レール
71 入出荷口コンベヤ
73 入荷口
74 出荷口
75 完了ボタン
81 倉庫管理コントローラ
82 倉庫設備コントローラ
91 入出庫装置コントローラ
92 搬出入装置コントローラ
93 コンベヤコントローラ
94 安全装置コントローラ
95 端末装置
371、372、373、374、375 給電ライン
381、382、382、383 スイッチ
411 棚
421 スタッカクレーン
422 入庫サブコンベヤ
423 出庫サブコンベヤ
611 入庫コンベヤ
612 出庫コンベヤ
613 搬送台車
614 入荷コンベヤ
615 出荷コンベヤ
711 入荷口コンベヤ
712 出荷口コンベヤ
811 データベース
951 残処理リスト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8