(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083051
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】コネクタ端子および電線付きコネクタ端子
(51)【国際特許分類】
H01R 4/18 20060101AFI20240613BHJP
【FI】
H01R4/18 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197342
(22)【出願日】2022-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】000227995
【氏名又は名称】タイコエレクトロニクスジャパン合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100197583
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 健
(72)【発明者】
【氏名】宍倉 誠司
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 亮
【テーマコード(参考)】
5E085
【Fターム(参考)】
5E085BB12
5E085CC03
5E085DD14
5E085FF01
5E085HH06
5E085JJ50
(57)【要約】 (修正有)
【課題】圧着状態にて、電線接続部から突き出た電線の端子の収容領域外への拡がりを好適に抑制するコネクタ端子および電線付きコネクタ端子を提供する。
【解決手段】電線と接続された電線接続部と、相手側と接続可能な端子接続部を備え、電線接続部が電線の複数の導体に圧着された圧着部分を備え、圧着部分が、端子接続部に近位する先端領域と、先端領域に連続するメイン領域を有し、断面視で、先端領域がメイン領域より相対的に小さい曲率の部分を含む。電線と接続可能な電線接続部と、相手側端子と接続可能な端子接続部を備え、電線接続部が電線の複数の導体に圧着可能な凹部分を備え、凹部分が離隔対向する2つの側方部分を含み、かつ、端子接続部に近位する側の先端領域と、先端領域に連続するメイン領域を有し、圧着前に凹部分のうち、メイン領域と比べて、先端領域における側方部分の高さと2つの側方部分間の離隔距離の少なくとも一方の寸法が大きい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線と接続された電線接続部と、相手側端子と接続可能な端子接続部とを備え、
前記電線接続部が、前記電線の複数の導体に圧着された圧着部分を備え、
前記圧着部分が、前記端子接続部に近位する側の先端領域と、前記先端領域に連続するメイン領域とを有し、
断面視で、前記圧着部分の前記先端領域が前記メイン領域と比べて相対的に小さい曲率の部分を含む、電線付きコネクタ端子。
【請求項2】
前記電線接続部が前記電線を支持する底部分を更に備え、断面視で、前記先端領域の相対的に小さい曲率の部分が、前記底部分と対向しており、かつ平坦状である、請求項1に記載の電線付きコネクタ端子。
【請求項3】
断面視で、前記圧着部分の前記先端領域が扁平状である、請求項1に記載の電線付きコネクタ端子。
【請求項4】
断面視で、前記先端領域において、前記相対的に小さい曲率の部分が前記圧着部分の少なくとも内側領域に位置する、請求項1に記載の電線付きコネクタ端子。
【請求項5】
前記相対的に小さい曲率の部分が2つ供され、相互に並列に配置される、請求項1に記載の電線付きコネクタ端子。
【請求項6】
平面視で、前記先端領域の最大幅寸法が前記メイン領域の幅寸法よりも大きい、請求項1に記載の電線付きコネクタ端子。
【請求項7】
平面視で、前記先端領域の幅寸法が前記メイン領域から前記先端領域の端部へと向かって漸次大きくなっている、請求項1に記載の電線付きコネクタ端子。
【請求項8】
前記圧着部分の前記メイン領域が前記先端領域と比べて相対的に大きい曲率の部分を有する、請求項1に記載の電線付きコネクタ端子。
【請求項9】
前記電線接続部が前記電線を支持する底部分を更に備え、断面視で、前記メイン領域の相対的に大きい曲率の部分が、前記底部分と対向しており、かつ外側湾曲形状からなる、請求項8に記載の電線付きコネクタ端子。
【請求項10】
前記圧着部分の前記先端領域における最大高さが前記メイン領域における最大高さより低い、請求項1に記載の電線付きコネクタ端子。
【請求項11】
車載品である、請求項1に記載の電線付きコネクタ端子。
【請求項12】
電線と接続可能な電線接続部と、相手側端子と接続可能な端子接続部とを備え、
前記電線接続部が前記電線の複数の導体に圧着可能な凹部分を備え、前記凹部分が、相互に離隔対向する2つの側方部分を含み、かつ、前記端子接続部に近位する側の先端領域と、前記先端領域に連続するメイン領域とを有し、
圧着前にて、前記凹部分のうち、前記メイン領域と比べて、前記先端領域における前記側方部分の高さと前記2つの側方部分間の離隔距離の少なくとも一方の寸法が大きい、コネクタ端子。
【請求項13】
側面視で、前記先端領域における前記側方部分の長手外縁部が前記メイン領域における前記側方部分の長手外縁部よりも上側に位置する、請求項12に記載のコネクタ端子。
【請求項14】
側面視で、前記先端領域において、前記メイン領域から前記先端領域の端部に向かって前記2つの側方部分の少なくとも一方の高さが漸次高くなっている、請求項12に記載のコネクタ端子。
【請求項15】
前記凹部分が前記2つの側方部分に連続する底部分を更に有し、
側面視で、前記先端領域において、前記底部分と前記側方部分の長手外縁部とが相互に異なる方向に延在する、請求項12に記載のコネクタ端子。
【請求項16】
平面視で、前記メイン領域と比べて、前記先端領域における前記2つの側方部分の少なくとも一方が外側に突き出ている、請求項12に記載のコネクタ端子。
【請求項17】
平面視で、前記先端領域において、前記2つの側方部分の長手外縁部が相互に異なる方向に延在する、請求項12に記載のコネクタ端子。
【請求項18】
平面視で、前記先端領域において、前記メイン領域から前記先端領域の端部に向かって前記2つの側方部分間の離隔距離が漸次長くなっている、請求項12に記載のコネクタ端子。
【請求項19】
側面視で、前記メイン領域における前記2つの側方部分の高さはそれぞれ一定である、請求項12に記載のコネクタ端子。
【請求項20】
平面視で、前記メイン領域における前記2つの側方部分間の離隔距離は一定である、請求項12に記載のコネクタ端子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタ端子および電線付きコネクタ端子に関する。
【背景技術】
【0002】
従前より、電線と電子部品とをコネクタの端子を介して電気的に接続する態様が知られている。かかる端子としては、相手方の端子と接続される端子接続部と、電線と接続される電線接続部とを備えるものが用いられる場合がある(特許文献1参照)。
【0003】
この場合、電線接続部は、導体および導体を覆う絶縁被覆部分を備える電線に加締められて圧着され得る。具体的には、電線接続部において、電線の導体に圧着される部分と、電線の絶縁被覆部分に圧着される部分とが供され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、本願発明者は従前の端子において改善すべき事項があることを新たに見出した。具体的には、電線の複数の導体の各々の一部が電線接続部から突き出た状態で電線に電線接続部が通常圧着されるところ、電線接続部の圧着部分の形態によっては、突き出た電線の一部が端子の収容領域から外側に、特に上側方向に拡がる虞がある。かかる端子の収容領域外への電線の一部の拡がり形態は、結果として、電線付き端子を備えたコネクタの小型化を図ることを困難とし得る。
【0006】
そこで、本開示は、圧着状態にて、電線接続部から突き出た電線の一部の端子の収容領域外への拡がりを好適に抑制することが可能なコネクタ端子および電線付きコネクタ端子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本開示の一実施形態では、
電線と接続された電線接続部と、相手側端子と接続可能な端子接続部とを備え、
前記電線接続部が、前記電線の複数の導体に圧着された圧着部分を備え、
前記圧着部分が、前記端子接続部に近位する側の先端領域と、前記先端領域に連続するメイン領域とを有し、
断面視で、前記圧着部分の前記先端領域が前記メイン領域と比べて相対的に小さい曲率の部分を含む、電線付きコネクタ端子が提供される。
【0008】
上記目的を達成するために、本開示の一実施形態では、
電線と接続可能な電線接続部と、相手側端子と接続可能な端子接続部とを備え、
前記電線接続部が前記電線の複数の導体に圧着可能な凹部分を備え、前記凹部分が、相互に離隔対向する2つの側方部分を含み、かつ、前記端子接続部に近位する側の先端領域と、前記先端領域に連続するメイン領域とを有し、
圧着前にて、前記凹部分のうち、前記メイン領域と比べて、前記先端領域における前記側方部分の高さと前記2つの側方部分間の離隔距離の少なくとも一方の寸法が大きい、コネクタ端子が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、圧着状態にて、電線接続部から突き出た電線の一部の端子の収容領域外への拡がりを好適に抑制することが可能である。その結果、電線付き端子を備えたコネクタの小型化を図ることが可能となり得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態に係る電線付きコネクタ端子を模式的に示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の電線付きコネクタ端子を模式的に示す側面図である。
【
図3】
図3は、
図1の電線付きコネクタ端子を模式的に示す平面図である。
【
図4】
図4は、
図3の線分a-a間における模式断面図である。
【
図5】
図5は、本開示の一実施形態に係るコネクタ端子を模式的に示す斜視図である。
【
図6】
図6は、
図5のコネクタ端子を模式的に示す側面図である。
【
図7】
図7は、
図5のコネクタ端子を模式的に示す平面図である。
【
図8】
図8は、
図7の線分b-b間における模式断面図である。
【
図9】
図9は、
図7の線分c-c間における模式断面図である。
【
図10】
図10は、本開示の別の実施形態に係るコネクタ端子を模式的に示す斜視図である。
【
図15】
図15は、本開示の更に別の実施形態に係るコネクタ端子を模式的に示す斜視図である。
【
図20】
図20は、従前の電線付きコネクタ端子を模式的に示す斜視図である。
【
図22】
図22は、従前のコネクタ端子を模式的に示す斜視図である。
【
図25】
図25は、
図24の線分h-h間における従前のコネクタ端子の構成要素である第1の凹部分を模式的に示す断面図である。
【
図26】
図26は、
図24の線分i-i間における
図25と同一形態(同一形状および同一サイズ)の第1の凹部分を模式的に示す断面図である。
【
図27】
図27は、本開示で用いられる圧着用のクリンパーを模式的に示す斜視図である。
【
図29】
図29は、圧着用の従前のクリンパーを模式的に示す部分拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、図面を参照して本開示の電線付きコネクタ端子およびコネクタ端子を具体的に説明する。図面における各種の要素は、本開示の理解のために模式的かつ例示的に示したにすぎず、外観や寸法比等は実物とは異なり得る。
【0012】
[電線付きコネクタ端子]
まず、本開示の電線付きコネクタ端子の構成について説明する。本明細書において、「電線付きコネクタ端子」は電線に圧着させたコネクタ端子を指す。
【0013】
図1は、本開示の一実施形態に係る電線付きコネクタ端子を模式的に示す斜視図である。
図2は、
図1の電線付きコネクタ端子を模式的に示す側面図である。
図3は、
図1の電線付きコネクタ端子を模式的に示す平面図である。
図4は、
図3の線分a-a間における模式断面図である。
【0014】
図1~
図4に示すように、本開示の一実施形態に係る電線付きコネクタ端子100は、電線接続部10および端子接続部20を備える。電線接続部10は電線30と接続され、端子接続部20は相手側端子と接続可能となっている。例えば、相手側端子はプリント回路基板等と接続されている。電線接続部10および端子接続部20は、相互に連続しかつ共通する底部分40を通じて一体化される。電線接続部10側の底部40は主として電線30を支持可能となっている。
【0015】
相手側端子は、電子部品と接続されており、雄端子である場合、雄端子を受容かつ嵌合可能にハウジング(ボックス)形態を有し得る。かかる嵌合により、相手側端子とコネクタ端子100との接続が可能となる。
【0016】
電線接続部10および端子接続部20は、例えば銅合金等から構成され得る。電線30は、複数の導体31および複数の導体31を覆う絶縁被覆部分32を備え、複数の導体31が相互に撚り合わせられ得る。
【0017】
導体31は例えばアルミニウム等から構成され得る。絶縁被覆部分32は絶縁性の樹脂により構成され得る。特に限定されるものではないが、一例として、絶縁被覆部分32は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、および不飽和ポリエステル樹脂から成る群から選択される少なくとも1種の熱硬化性樹脂材を含み得る。
【0018】
電線接続部10は、電線30の複数の導体31に圧着された第1の圧着部分11と、少なくとも絶縁被覆部分32に圧着された第2の圧着部分12とを備える。前者の第1の圧着部分11は、端子接続部20に近位する側の先端領域11Aと、先端領域11Aに連続するメイン領域11Bとを有し得る。また、第1圧着部分11の先端領域11Aとメイン領域11Bとは上記の底部分40を共通して有する。複数の導体31のそれぞれの一部は、圧着状態にて電線接続部10の第1の圧着部分11の先端領域11Aから突き出るように配置され得る。
【0019】
ここで、既述の本願発明者が新たに見出した技術的課題について、
図20~
図26を参照しながら具体的に説明する。
【0020】
図20は、従前の電線付きコネクタ端子を模式的に示す斜視図である。
図21は、
図20の従前の電線付きコネクタ端子を模式的に示す側面図である。
図22は、従前のコネクタ端子を模式的に示す斜視図である。
図23は、
図22の従前のコネクタ端子を模式的に示す側面図である。
図24は、
図22の従前のコネクタ端子を模式的に示す平面図である。
図25は、
図24の線分h-h間における従前のコネクタ端子の構成要素である第1の凹部分を模式的に示す断面図である。
図26は、
図24の線分i-i間における
図25と同一形態(同一形状および同一サイズ)の第1の凹部分を模式的に示す断面図である。
【0021】
図22~
図26に示すように、従前のコネクタ端子100I’(圧着前)は、電線と接続可能な電線接続部10I’と、相手側端子と接続可能な端子接続部20I’とを備える。電線接続部10I’は、電線の導体に圧着可能な第1の凹部分11I’と、少なくとも電線の絶縁被覆部分に圧着可能な第2の凹部分12I’を備える。
【0022】
第1の凹部分11I’は相互に離隔対向する2つの側方部分11XI’を含み、第2の凹部分12I’は相互に離隔対向する2つの側方部分12XIを含む。第1の凹部分11I’の2つの側方部分11XI’は、端子接続部20I’に近位する側の端部から第2の凹部分12I’に近位する側の端部まで一定の高さh’を有し、2つの側方部分11XI’間の離隔距離W’も一定であり得る。すなわち、第1の凹部分11I’は、端子接続部20I’に近位する側の端部から第2の凹部分12I’に近位する側の端部までどのポイントでも同一の断面形状を有し得る(
図25および
図26参照)。
【0023】
上記のような構成を有する従前の圧着前の端子100I’(
図22~
図26)を用いて、電線の複数の導体の各々の一部が電線接続部10I’から突き出た状態で電線の導体に電線接続部10I’を圧着すると、以下の問題が生じ得る。具体的には、
図21および22に示すように、圧着後にて、突き出た電線30’の導体31’の一部が端子100’の収容領域から外側に、特に上側方向に拡がる虞がある。
【0024】
(本開示の電線付きコネクタ端子の特徴部分)
本願発明者らは、上記の技術的課題を解決するため鋭意検討し、その解決策を案出するに至った。以下では、既に述べた本開示の一実施形態に係る電線付きコネクタ端子100の全体的構成を前提として、本開示の電線付きコネクタ端子の特徴部分について説明する。
【0025】
上述のように、本開示の電線付きコネクタ端子100では、複数の導体31のそれぞれの一部は、圧着状態にて電線接続部10の第1の圧着部分11の先端領域11Aから突き出るように配置され得る。かかる配置状態を前提として、本開示の電線付きコネクタ端子100は、断面視で、第1の圧着部分11の先端領域11Aがメイン領域11Bと比べて相対的に小さい曲率の部分11A1を含む点に技術的特徴を有する(
図4参照)。本明細書でいう「曲率」とは、第1の圧着部分の先端領域およびメイン領域のそれぞれに含まれる曲面の曲がり具合を表す量を指す。
【0026】
換言すれば、第1の圧着部分11の先端領域11Aは、メイン領域11Bと比べて相対的に大きい曲率半径の部分を含み得る。本明細書でいう「曲率半径」とは上記の曲率の逆数を指す。具体的には、先端領域11Aのうちの電線30の導体31を覆う部分は、相対的に小さい曲率の部分11A1を含む。なお、断面視で、この相対的に小さい曲率の部分11A1は少なくとも1つ供され、好ましくは後述するように2つ供され得る。
【0027】
一方、第1の圧着部分11のメイン領域11Bの電線30の導体31を覆う部分は、先端領域11Aと比べて相対的に大きい曲率の部分を有する。具体的には、メイン領域11Bの相対的に大きい曲率の部分は、共通の底部分40と対向しており、かつ外側湾曲形状からなる。
【0028】
第1の圧着部分11の先端領域11Aおよびメイン領域11Bの各々は、相互に並列に配置された2つのサブ圧着部分から構成され得る。一例として、圧着状態において、相互に並列に配置された先端領域11Aの2つのサブ圧着部分は部分的に離隔し得る。一方、相互に並列に配置されたメイン領域11Bの2つのサブ圧着部分は相互に連続して接触し得る。
【0029】
上記の技術的特徴によれば、相対的に小さい曲率の部分11A1により、第1の圧着部分11の先端領域11Aにおける最大高さをメイン領域11Bにおける最大高さよりも低くすることができる。これにより、第1の圧着部分11の先端領域11Aに位置する電線30の複数の導体31は、メイン領域11Bに位置する電線30の複数の導体31と比べて相対的に横並びに配置され易くなる。
【0030】
その結果、電線30の複数の導体31のそれぞれの一部が圧着状態にて第1の圧着部分11の先端領域11Aから突き出るように配置される状態下において、突き出た電線30の導体31の一部の電線付きコネクタ端子100の収容領域外への拡がりを好適に抑制することが可能となる。それ故、全体として、電線付きコネクタ端子100を備えたコネクタの小型化を図ることが可能となる。
【0031】
本明細書において、上記の「第1圧着部分11の先端領域11Aとメイン領域11Bとの共通の底部分40」は曲率(または曲率半径(1/曲率))に大小関係はないものを指す。従って、この共通の底部分40は本開示の特徴部分には含まれないことを確認的に述べておく。
【0032】
一実施形態では、断面視で、第1の圧着部分11の先端領域11Aの相対的に小さい曲率の部分11A1が、上記の共通の底部分40と対向しており、かつ平坦状であり得る(
図4参照)。なお、本明細書において、第1の圧着部分11のうちの共通の底部分40と対向する部分を、電線30の被覆部分、または第1の圧着部分11の上側部分とも称し得る。
【0033】
すなわち、断面視で、第1の圧着部分11の先端領域11Aは扁平状であり得る。かかる形状であると、断面視で、導体31を覆う部分が水平状である部分を増やすことができる。これにより、先端領域11Aに位置する電線30の複数の導体31を、メイン領域11Bに位置する電線30の複数の導体31と比べてより横並びに配置し易くなり得る。その結果、突き出た電線30の導体31の一部の電線付きコネクタ端子100の収容領域外への拡がりをより好適に抑制可能となる。
【0034】
一実施形態では、断面視で、第1の圧着部分11の先端領域11Aの上記の相対的に小さい曲率の部分11A1は第1の圧着部分11の少なくとも内側領域11A2に位置し得る(
図4参照)。
【0035】
かかる配置形態により、第1の圧着部分11の先端領域11Aにおいて、少なくとも内側領域11A2に位置する電線30の導体31を、当該内側領域以外の他の領域(外側領域11A3)と比べて横並びに配置しやすくなり得る。その結果、突き出た電線30の導体31の一部の電線付きコネクタ端子100の収容領域外への拡がりをより好適に抑制可能となる。なお、この形態は、後述するクリンパーを用いて電線接続部を外側から内側へと加締めて電線に圧着させる形態に起因し得る。
【0036】
一実施形態では、第1の圧着部分11の先端領域11Aにおいて、相対的に小さい曲率の部分11A1が2つ供され、相互に並列に配置され得る(
図4参照)。
【0037】
具体的には、第1の圧着部分11の先端領域11Aにおいて、既述の相互に並列に配置された2つのサブ圧着部分の各々が相対的に小さい曲率の部分11A1を有し得る。かかる配置形態により、相対的に小さい曲率の部分11A1が1つ供される場合と比べて、横並びに配置され得る電線30の導体31の数を増やすことができる。その結果、突き出た電線30の導体31の一部の電線付きコネクタ端子100の収容領域外への拡がりをより好適に抑制可能となる。
【0038】
一実施形態では、平面視で、第1の圧着部分11の先端領域11Aの最大幅寸法Wmaxがメイン領域11Bの幅寸法W2よりも大きい(
図3参照)。
【0039】
かかる幅寸法の違いにより、メイン領域11Bと比べて、電線30の導体31が配置される先端領域11Aの横方向の拡がりをより大きくすることができる。その結果、突き出た電線30の導体31の一部の電線付きコネクタ端子100の収容領域外への拡がりをより好適に抑制可能となる。
【0040】
一実施形態では、平面視で、第1の圧着部分11の先端領域11Aの幅寸法W1がメイン領域11Bから先端領域11Aの端部へと向かって漸次大きくなり得る(
図3参照)。
【0041】
かかる形態により、圧着状態にて複数の導体31のそれぞれの一部が突き出る箇所における先端領域11Aの横方向の拡がりの最大化を図ることができる。その結果、突き出た電線30の導体31の一部の電線付きコネクタ端子100の収容領域外への拡がりをより好適に抑制可能となる。
【0042】
[コネクタ端子]
次に、本開示のコネクタ端子の構成について説明する。本明細書において「コネクタ端子」は電線に圧着させる前のコネクタ端子を指す。
【0043】
なお、上記の[電線付きコネクタ端子]の欄で説明した内容と重複する内容については、その内容の説明を省略または割愛する。また、圧着前のコネクタ端子に関する明細書での説明および図面において、同コネクタ端子の構成要素と圧着後における電線付きコネクタ端子の構成要素とが相互に対応する部分においては、対応関係を明確にするために符号の末尾にI(アイ)を付けている。
【0044】
本開示のコネクタ端子(圧着前)は、大きく分けて3つの実施形態に分けることができる。まず、一実施形態にかかるコネクタ端子の構成について説明する。
【0045】
図5は、本開示の一実施形態に係るコネクタ端子を模式的に示す斜視図である。
図6は、
図5のコネクタ端子を模式的に示す側面図である。
図7は、
図5のコネクタ端子を模式的に示す平面図である。
図8は、
図7の線分b-b間における模式断面図である。
図9は、
図7の線分c-c間における模式断面図である。
【0046】
本開示のコネクタ端子100Iは、既述の電線付きコネクタ端子を得るために圧着前に用いられるものである。そのため、本開示のコネクタ端子100Iは、圧着前コネクタ端子とも称され得る。
【0047】
図5~
図7に示すように、本開示のコネクタ端子100Iは、電線と接続可能な電線接続部10Iと、相手側端子と接続可能な端子接続部20Iとを備える。電線接続部10Iおよび端子接続部20Iは、相互に連続しかつ共通する底部分40Iを通じて一体化される。
【0048】
電線接続部10Iは、電線の導体に圧着可能な第1の凹部分11Iと、少なくとも電線の絶縁被覆部分に圧着可能な第2の凹部分12Iを備える。電線接続部10I側の底部40Iは主として電線を支持可能となっている。第1の凹部分11Iは相互に離隔対向する2つの側方部分11XIを含み、第2の凹部分12Iは相互に離隔対向する2つの側方部分12XIを含む。
【0049】
前者の第1の凹部分11Iは、端子接続部20Iに近位する側の先端領域11AIと、先端領域11AIに連続するメイン領域11BIとを有し得る。また、第1の凹部分11Iの先端領域11AIとメイン領域11BIとは上記の底部分40Iを共通して有する。
【0050】
一実施形態では、本開示のコネクタ端子100Iは、圧着前にて、第1の凹部分11Iのうち、メイン領域11BIにおける側方部分11XIの高さh2と比べて、先端領域11AIにおける側方部分11XIの高さh1が高いという特徴を有する(
図6、
図8、
図9参照)。別の観点からいえば、側面視で、先端領域11AIにおける側方部分11XIの長手外縁部がメイン領域11BIにおける側方部分11XIの長手外縁部よりも上側に位置し得る。
【0051】
かかる特徴によれば、電線の複数の導体のそれぞれの一部を第1の凹部分11Iの先端領域11AIから突き出した状態で、クリンパーを用いて、上記の第1の凹部分11Iを加締めて第1圧着部分11(
図1~
図3参照)を形成した際に、以下の作用が奏され得る。
【0052】
すなわち、メイン領域11BIと先端領域11AIとの間における側方部分の高さの差分だけ側方部分11XIの領域を大きくとることができる。これにより、加締めにより形成され得る圧着部分の外周長さを長くすることができ、それによって、曲率半径を大きくし得る。その結果として、上記の[電線付きコネクタ端子]の欄で説明したように、圧着後の電線接続部10の第1の圧着部分11において、メイン領域11Bと比べて相対的に小さい曲率の部分11A1を含む先端領域11Aを供することが可能となる(
図4参照)。
【0053】
なお、側面視で、第1の凹部分11Iの先端領域11AIにおいて、第1の凹部分11Iのメイン領域11BIから先端領域11AIの端部に向かって2つの側方部分11XIの少なくとも一方の高さが漸次高くなっていることが好ましい。即ち、第1の凹部分11Iの先端領域11AIにおける側方部分11XIの長手外縁部が先端領域11AIの端部に向かって上側に傾斜する上側傾斜面を有することが好ましい。一方、メイン領域11BIにおける2つの側方部分11XIの高さはそれぞれ一定であり得る。
【0054】
また、別の観点からいえば、側面視で、第1の凹部分11Iの先端領域11AIにおいて、底部分40Iと側方部分11XIの長手外縁部とが相互に異なる方向に延在することが好ましい。即ち、第1の凹部分11Iの先端領域11AIでは、底部分40Iと側方部分11XIの長手外縁部とは相互に平行ではない。一方、第1の凹部分11Iのメイン領域11BIでは、底部分40Iと側方部分11XIの長手外縁部とは相互に平行であり得る。
【0055】
以上のような形態によれば、例えばメイン領域11BIの長手外縁部とこれに連続する先端領域11AIの長手延在部とが直交する形態と比べて、加締め時に生じ得る応力を低減でき、それによって加締めをし易くできる。
【0056】
次に、別の実施形態にかかるコネクタ端子の構成について説明する。
【0057】
図10は、本開示の別の実施形態に係るコネクタ端子を模式的に示す斜視図である。
図11は、
図10のコネクタ端子を模式的に示す側面図である。
図12は、
図10のコネクタ端子を模式的に示す平面図である。
図13は、
図12の線分d-d間における模式断面図である。
図14は、
図12の線分e-e間における模式断面図である。
【0058】
図10~
図14に示すように、コネクタ端子100IIは、圧着前にて、第1の凹部分11IIのうち、メイン領域11BIIにおける2つの側方部分11XII間の離隔距離W4と比べて、先端領域11AIIにおける2つの側方部分11XII間の離隔距離W3が長いという特徴を有する。
【0059】
本明細書でいう「圧着前の第1の凹部分における2つの側方部分間の離隔距離」とは当該側方部分間における最大離隔距離を指す。
【0060】
別の観点からいえば、平面視で、第1の凹部分11IIのメイン領域11BIIと比べて、先端領域11AIIにおける2つの側方部分11XIIの少なくとも一方が外側に突き出ている。更に別の観点からいえば、平面視で、先端領域11AIIでは、2つの側方部分11XIIの長手外縁部が相互に異なる方向に延在し、2つの側方部分11XIIのそれぞれの長手外縁部は相互に平行ではない。一方、第1の凹部分11IIのメイン領域11BIIでは、2つの側方部分11XIIのそれぞれの長手外縁部は相互に平行であり得る。
【0061】
上記の特徴によれば、電線の複数の導体のそれぞれの一部を第1の凹部分11IIの先端領域11AIIから突き出した状態で、クリンパーを用いて、上記の第1の凹部分11IIを加締めて第1圧着部分11(
図1~
図3参照)を形成した際に、以下の作用が奏され得る。
【0062】
すなわち、メイン領域11BIIと先端領域11AIIとの間における側方部分間の離隔距離の差分だけ側方部分11XIIの領域を大きくとることができる。これにより、加締めにより形成され得る圧着部分の外周長さを長くすることができ、曲率半径を大きくし得る。その結果、
図5~
図9に示す態様と同様に、圧着後に形成される第1の圧着部分11は、相対的に小さい曲率の部分11A1を含む先端領域11Aを有し得る(
図4参照)。
【0063】
なお、平面視で、先端領域11AIIにおいて、メイン領域11BIIから先端領域11AIIの端部に向かって2つの側方部分間の離隔距離が漸次長くなっていることが好ましい。即ち、平面視で、第1の凹部分11IIの先端領域11AIIにおける側方部分11XIIの長手外縁部が先端領域11AIIの端部に向かって外側に傾斜する外側傾斜面を有することが好ましい。一方、メイン領域11BIIにおける2つの側方部分11XII間の離隔距離は一定であり得る。
【0064】
以上のような形態によれば、例えばメイン領域11BIIの長手外縁部とこれに連続する先端領域11AIIの長手延在部とが直交する形態と比べて、加締め時に生じ得る応力を低減でき、それによって加締めをし易くできる。
【0065】
次に、更に別の実施形態にかかるコネクタ端子の構成について説明する。
【0066】
図15は、本開示の更に別の実施形態に係るコネクタ端子を模式的に示す斜視図である。
図16は、
図15のコネクタ端子を模式的に示す側面図である。
図17は、
図15のコネクタ端子を模式的に示す平面図である。
図18は、
図17の線分f-f間における模式断面図である。
図19は、
図17の線分g-g間における模式断面図である。
【0067】
本開示の別の実施形態にかかるコネクタ端子100IIIは、既述の一実施形態にかかるコネクタ端子に関する特徴(
図5~
図9に示す態様)と別の実施形態にかかるコネクタ端子に関する特徴(
図10~
図14に示す態様)とを組み合わせた特徴を有する。
【0068】
以下では、かかる組合せた特徴について記載し、既に述べた特徴に関する記載については説明を省略または割愛する。
【0069】
図15~
図19に示すように、更に別の実施形態では、コネクタ端子100IIIは、圧着前にて、第1の凹部分11IIIのうち、メイン領域11BIIIにおける側方部分11XIIIの高さh2と比べて、先端領域11AIIIにおける側方部分11XIIIの高さh1が高いという特徴を有する(
図16、
図18、
図19参照)。
【0070】
かかる特徴に加えて、更に、コネクタ端子100IIIは、圧着前にて、第1の凹部分11IIIのうち、メイン領域11BIIIにおける2つの側方部分11XIII間の離隔距離W4と比べて、先端領域11AIIIにおける2つの側方部分11XIII間の離隔距離W3が長いという特徴を有する(
図17~
図19参照)。
【0071】
以上のことから、圧着前にて先端領域11AIIIにおける側方部分11XIIIの高さh1がメイン領域11BIIIにおける側方部分11XIIIの高さh2より高く、かつ、2つの側方部分11XII間の離隔距離W3がメイン領域11BIIにおける2つの側方部分11XII間の離隔距離W4より長い。そのため、その高さの差分と離隔距離の差分の両方に起因して、メイン領域11BIIと比べて、圧着前にて先端領域11AIIIにおける側方部分11XIIIの領域をより大きくとることができる。
【0072】
これにより、加締めにより形成され得る圧着部分の外周長さをより長くすることができ、それによって、曲率半径をより大きくし得る。その結果として、圧着後の電線接続部10の第1の圧着部分11において、メイン領域11Bと比べて相対的により小さい曲率の部分11A1を含む先端領域11Aを供することが可能となる(
図4参照)。
【0073】
以下では、上記の圧着前の[コネクタ端子]を電線にかしめて圧着させて、上記の圧着後の[電線付きコネクタ端子]を得るために用いられるクリンパー(圧着工具)について確認的に説明する。
【0074】
図27は、本開示で用いられる圧着用のクリンパーを模式的に示す斜視図である。
図28は、
図27の丸囲み部分を模式的に示す部分拡大斜視図である。
図29は、圧着用の従前のクリンパーを模式的に示す部分拡大斜視図である。
【0075】
図27および
図28に示すように、クリンパー200はボディ部210の一端側にクリンプ部分220を有する。クリンプ部分220は、先端側に相互に離隔しかつ対向する2つの突出部分221を有し、2つの突出部分221間にクリアランス222が形成される。このクリアランス222の輪郭面の形状は、圧着後に得られる第1圧着部分のメイン領域と第2圧着部分の形状に対応するものとなっている。また、クリンプ部分220の一方の主面側には2つの段差部が形成されており、一方の段差面の高さが低い第1段差部223がクリアランス222を構成する凹部の末端側と重なるように配置される。他方の段差面の高さが高い第2段差部224はクリアランス222から離隔して配置される。
【0076】
このような構成のクリンパー200を用いることで、圧着前の端子に電線を設置した状態で圧着前の端子の第1の凹部分と第2の凹部分とをそれぞれ加締めることができる。具体的には、(1)電線の複数の導体のそれぞれの一部を、上記の圧着前の端子の電線接続部の第1の凹部分から端子接続部側へと向かって突き出るように配置し、かつ(2)
図28のクリンプ部分220のクリアランス222よりも手前側にて、上記の第1段差部223の段差面に重なるように圧着前の端子の第1の凹部分の先端側を位置づけ、クリアランス222内に第2の凹部分を位置づけた状態で、クリンパー200を用いて、圧着前の端子の第1の凹部分と第2の凹部分とをそれぞれ加締める。
【0077】
このような加締めにより、電線の導体に圧着した第1の圧着部分と電線の絶縁被覆部分に圧着した第2の圧着部分とをそれぞれ形成することが可能となる。また、上記の第1段差部223の段差面と圧着前の端子の第1の凹部分の一部とが相互に重なるように配置されるため、クリアランス222の輪郭面と第1の凹部分との接触を減らし、その一方で水平面形状の段差面との接触が可能となる。これにより、圧着後に得られる第1圧着部分の先端領域を、扁平状等の相対的に小さい曲率の部分とすることが可能となる。
【0078】
なお、上記の従前の電線付きコネクタ端子を作製する上で用いられる圧着用の従前のクリンパーの構成について確認的に説明すると、まず、
図27および
図28に示すクリンパー200と同様に、
図29に示すように、従前のクリンパーでは、ボディ部の一端側に位置するクリンプ部分220’は、先端側に相互に離隔しかつ対向する2つの突出部分221’を有し、2つの突出部分221’間にクリアランス222’が形成される。その一方で、クリンプ部分220’の一方の主面側には1つ(2つではなく)の段差部224’が形成され、その段差部224’はクリアランス222’から離隔して配置される。この点で、従前のクリンパーと、上記の本開示の圧着後の電線付きコネクタ端子を得るために用いられるクリンパーとは構成が異なり得る。
【0079】
なお、本開示は、例示された実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良および設計上の変更が可能である。
【0080】
本開示は以下の態様を採り得る。
<1>
電線と接続された電線接続部と、相手側端子と接続可能な端子接続部とを備え、
前記電線接続部が、前記電線の複数の導体に圧着された圧着部分を備え、
前記圧着部分が、前記端子接続部に近位する側の先端領域と、前記先端領域に連続するメイン領域とを有し、
断面視で、前記圧着部分の前記先端領域が前記メイン領域と比べて相対的に小さい曲率の部分を含む、電線付きコネクタ端子。
<2>
前記電線接続部が前記電線を支持する底部分を更に備え、断面視で、前記先端領域の相対的に小さい曲率の部分が、前記底部分と対向しており、かつ平坦状である、<1>に記載の電線付きコネクタ端子。
<3>
断面視で、前記圧着部分の前記先端領域が扁平状である、<1>又は<2>に記載の電線付きコネクタ端子。
<4>
断面視で、前記先端領域において、前記相対的に小さい曲率の部分が前記圧着部分の少なくとも内側領域に位置する、<1>~<3>のいずれかに記載の電線付きコネクタ端子。
<5>
前記相対的に小さい曲率の部分が2つ供され、相互に並列に配置される、<1>~<4>のいずれかに記載の電線付きコネクタ端子。
<6>
平面視で、前記先端領域の最大幅寸法が前記メイン領域の幅寸法よりも大きい、<1>~<5>のいずれかに記載の電線付きコネクタ端子。
<7>
平面視で、前記先端領域の幅寸法が前記メイン領域から前記先端領域の端部へと向かって漸次大きくなっている、<1>~<6>のいずれかに記載の電線付きコネクタ端子。
<8>
前記圧着部分の前記メイン領域が前記先端領域と比べて相対的に大きい曲率の部分を有する、<1>~<7>のいずれかに記載の電線付きコネクタ端子。
<9>
前記電線接続部が前記電線を支持する底部分を更に備え、断面視で、前記メイン領域の相対的に大きい曲率の部分が、前記底部分と対向しており、かつ外側湾曲形状からなる、<1>~<8>のいずれかに記載の電線付きコネクタ端子。
<10>
前記圧着部分の前記先端領域における最大高さが前記メイン領域における最大高さより低い、<1>~<9>のいずれかに記載の電線付きコネクタ端子。
<11>
車載品である、<1>~<10>のいずれかに記載の電線付きコネクタ端子。
<12>
電線と接続可能な電線接続部と、相手側端子と接続可能な端子接続部とを備え、
前記電線接続部が前記電線の複数の導体に圧着可能な凹部分を備え、前記凹部分が、相互に離隔対向する2つの側方部分を含み、かつ、前記端子接続部に近位する側の先端領域と、前記先端領域に連続するメイン領域とを有し、
圧着前にて、前記凹部分のうち、前記メイン領域と比べて、前記先端領域における前記側方部分の高さと前記2つの側方部分間の離隔距離の少なくとも一方の寸法が大きい、コネクタ端子。
<13>
側面視で、前記先端領域における前記側方部分の長手外縁部が前記メイン領域における前記側方部分の長手外縁部よりも上側に位置する、<12>に記載のコネクタ端子。
<14>
側面視で、前記先端領域において、前記メイン領域から前記先端領域の端部に向かって前記2つの側方部分の少なくとも一方の高さが漸次高くなっている、<12>又は<13>に記載のコネクタ端子。
<15>
前記凹部分が前記2つの側方部分に連続する底部分を更に有し、
側面視で、前記先端領域において、前記底部分と前記側方部分の長手外縁部とが相互に異なる方向に延在する、<12>~<14>のいずれかに記載のコネクタ端子。
<16>
平面視で、前記メイン領域と比べて、前記先端領域における前記2つの側方部分の少なくとも一方が外側に突き出ている、<12>~<15>のいずれかに記載のコネクタ端子。
<17>
平面視で、前記先端領域において、前記2つの側方部分の長手外縁部が相互に異なる方向に延在する、<12>~<16>のいずれかに記載のコネクタ端子。
<18>
平面視で、前記先端領域において、前記メイン領域から前記先端領域の端部に向かって前記2つの側方部分間の離隔距離が漸次長くなっている、<12>~<17>のいずれかに記載のコネクタ端子。
<19>
側面視で、前記メイン領域における前記2つの側方部分の高さはそれぞれ一定である、<12>~<18>のいずれかに記載のコネクタ端子。
<20>
平面視で、前記メイン領域における前記2つの側方部分間の離隔距離は一定である、<12>~<19>のいずれかに記載のコネクタ端子。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本開示の電線付きコネクタ端子(圧着後)およびコネクタ端子(圧着前)は車載品として用いることができる。
【符号の説明】
【0082】
200 クリンパー
210 ボディ部
220、220’ クリンプ部分
221、221’ 突出部分
222、222’ クリアランス
223 第1段差部
224 第2段差部
224’ 単一の段差部
(圧着後)
100、100’ 電線付きコネクタ端子
10、10’ 電線接続部
11、11’ 第1の圧着部分
11A 第1の圧着部分の先端領域
11A1 先端領域の相対的に小さい曲率の部分
11A2 第1圧着部分の内側領域
11A3 第1圧着部分の外側領域
11B 第1の圧着部分のメイン領域
12、12’ 第2の圧着部分
20、20’ 端子接続部
30、30’ 電線
31、31’ 導体
32、32’ 絶縁被覆部分
40 底部分
W1 第1の圧着部分の先端領域の幅寸法
W2 第1の圧着部分のメイン領域の幅寸法
Wmax 第1の圧着部分の先端領域の最大幅寸法
(圧着前)
100I、100II、100III、100I’ コネクタ端子
10I、10II、10III、10I’ 電線接続部
11I、11II、11III、11I’ 第1の凹部分
11AI、11AII、11AIII、11XI’ 第1の凹部分の先端領域
11BI、11BII、11BIII 第1の凹部分のメイン領域
11XI、11XII、11XIII、11XI’ 第1の凹部分の側方部分
11AI’、11BI’ 第1の凹部分の先端領域
12I、12II、12III、12I’ 第2の凹部分
12XI、12XII、12XIII、12XI’ 第2の凹部分の側方部分
20I、20II、20III、20I’ 端子接続部
40I、40II、40III 底部分
h1 第1の凹部分の先端領域における側方部分の高さ
h2 第1の凹部分のメイン領域における側方部分の高さ
h’ 一定である側方部分の高さ
W3 第1の凹部分の先端領域における2つの側方部分間の離隔距離
W4 第1の凹部分のメイン領域における2つの側方部分間の離隔距離
W’ 一定である2つの側方部分間の離隔距離