IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ローム株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-半導体集積回路および半導体装置 図1
  • 特開-半導体集積回路および半導体装置 図2
  • 特開-半導体集積回路および半導体装置 図3
  • 特開-半導体集積回路および半導体装置 図4
  • 特開-半導体集積回路および半導体装置 図5
  • 特開-半導体集積回路および半導体装置 図6
  • 特開-半導体集積回路および半導体装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083080
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】半導体集積回路および半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/822 20060101AFI20240613BHJP
【FI】
H01L27/04 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197384
(22)【出願日】2022-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100133215
【弁理士】
【氏名又は名称】真家 大樹
(72)【発明者】
【氏名】柄澤 伸也
(72)【発明者】
【氏名】山下 博史
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 公亮
【テーマコード(参考)】
5F038
【Fターム(参考)】
5F038BH02
5F038BH05
5F038BH13
5F038BH15
5F038CD02
5F038CD03
5F038EZ20
(57)【要約】
【課題】回路面積の増加を抑制した半導体集積回路を提供する。
【解決手段】第1電源ラインLVCC1および第1接地ラインLGND1は、第1回路ブロック110と接続され、第2電源ラインLVCC2および第2接地ラインLGND2は、第2回路ブロック120と接続される。第1電源ラインLVCC1と第1接地ラインLGND1の間には、第1保護ダイオードD1が接続され、第2電源ラインLVCC2と第2接地ラインLGND2の間には、第2保護ダイオードD2が接続される。第1接地ラインLGND1と第2接地ラインLGND2の間には、保護抵抗R1が接続される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1回路ブロックと、
第2回路ブロックと、
前記第1回路ブロックと接続される対をなす第1電源ラインおよび第1接地ラインと、
前記第2回路ブロックと接続される対をなす第2電源ラインおよび第2接地ラインと、
前記第1電源ラインと前記第1接地ラインの間に接続される第1保護素子と、
前記第2電源ラインと前記第2接地ラインの間に接続される第2保護素子と、
前記第1接地ラインと前記第2接地ラインの間に接続される保護抵抗と、
を備える、半導体集積回路。
【請求項2】
前記保護抵抗は、配線で構成される、請求項1に記載の半導体集積回路。
【請求項3】
前記保護抵抗は、ポリ抵抗で構成される、請求項1に記載の半導体集積回路。
【請求項4】
前記保護抵抗は、拡散抵抗で構成される、請求項1に記載の半導体集積回路。
【請求項5】
基板と、
前記基板に実装される請求項1から4のいずれかに記載の半導体集積回路と、
を備え、
前記半導体集積回路の外部において、前記第1接地ラインと前記第2接地ラインの間は、前記保護抵抗よりも低いインピーダンスを有する外部配線を介して接続される、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項6】
複数の接地ピンと、
前記複数の接地ピンと接続される複数の接地ラインと、
を備え、
前記複数の接地ラインから選択される2本の接地ラインの間に接続される保護抵抗と、
を備える、半導体集積回路。
【請求項7】
前記保護抵抗は、配線で構成される、請求項6に記載の半導体集積回路。
【請求項8】
前記保護抵抗は、ポリ抵抗で構成される、請求項6に記載の半導体集積回路。
【請求項9】
前記保護抵抗は、拡散抵抗で構成される、請求項6に記載の半導体集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路は、ESD(Electro-Static Discharge)保護のために、電源ラインと接地ラインの間に、ダイオードなどの保護素子を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-56872号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の回路ブロックを備える半導体集積回路においては、回路ブロックごとに、電源ラインおよび/または接地ラインが分離して構成される場合がある。このような半導体集積回路は、電源ラインと接地ラインのペアの間、電源ラインと電源ラインのペアの間、接地ラインと接地ラインのペアの間で、ESD対策を行う必要がある。したがって、電源ラインの数、接地ラインの数が増えると、保護素子の個数が増加し、回路面積が増大するという問題がある。
【0005】
特に保護素子は、半導体チップの外周部のI/O領域に、I/Oセルとして形成され、各I/Oセルのサイズは定められているため、I/Oセルの数が増えると、チップ面積が増加する。
【0006】
本開示は係る状況においてされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、回路面積の増加を抑制した半導体集積回路の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のある態様は、半導体集積回路に関する。半導体集積回路は、第1回路ブロックと、第2回路ブロックと、第1回路ブロックと接続され、対をなす第1電源ラインおよび第1接地ラインと、第2回路ブロックと接続され、対をなす第2電源ラインおよび第2接地ラインと、第1電源ラインと第1接地ラインの間に接続される第1保護素子と、第2電源ラインと第2接地ラインの間に接続される第2保護素子と、第1接地ラインと第2接地ラインの間に接続される保護抵抗と、を備える。
【0008】
本開示の別の態様も、半導体集積回路に関する。半導体集積回路は、複数の接地ピンと、複数の接地ピンと接続される複数の接地ラインと、複数の接地ラインから選択される2本の接地ラインの間に接続される保護抵抗と、を備える。
【0009】
なお、以上の構成要素を任意に組み合わせたもの、構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明あるいは本開示の態様として有効である。さらに、この項目(課題を解決するための手段)の記載は、本発明の欠くべからざるすべての特徴を説明するものではなく、したがって、記載されるこれらの特徴のサブコンビネーションも、本発明たり得る。
【発明の効果】
【0010】
本開示のある態様によれば、回路面積を縮小できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、比較技術1に係る半導体集積回路の回路図である。
図2図2は、比較技術2に係る半導体集積回路の回路図である。
図3図3は、実施形態に係る半導体集積回路の回路図である。
図4図4は、図3の半導体集積回路を備える半導体装置の回路図である。
図5図5は、変形例に係る半導体集積回路の回路図である。
図6図6は、比較技術3に係る半導体集積回路の回路図である。
図7図7は、比較技術4に係る半導体集積回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施形態の概要)
本開示のいくつかの例示的な実施形態の概要を説明する。この概要は、後述する詳細な説明の前置きとして、実施形態の基本的な理解を目的として、1つまたは複数の実施形態のいくつかの概念を簡略化して説明するものであり、発明あるいは開示の広さを限定するものではない。この概要は、考えられるすべての実施形態の包括的な概要ではなく、すべての実施形態の重要な要素を特定することも、一部またはすべての態様の範囲を線引きすることも意図していない。便宜上、「一実施形態」は、本明細書に開示するひとつの実施形態(実施例や変形例)または複数の実施形態(実施例や変形例)を指すものとして用いる場合がある。
【0013】
一実施形態に係る半導体集積回路は、第1回路ブロックと、第2回路ブロックと、第1回路ブロックと接続され、対をなす第1電源ラインおよび第1接地ラインと、第2回路ブロックと接続され、対をなす第2電源ラインおよび第2接地ラインと、第1電源ラインと第1接地ラインの間に接続される第1保護素子と、第2電源ラインと第2接地ラインの間に接続される第2保護素子と、第1接地ラインと第2接地ラインの間に接続される保護抵抗と、を備える。
【0014】
この構成によれば、第1接地ラインと第2接地ラインの間を接続する保護抵抗のインピーダンス(抵抗値)を、第1接地ラインと第2接地ラインの間に接続されることが想定される外部インピーダンスよりも高く設計される。また保護抵抗のインピーダンスは、ESD耐性が得られるインピーダンスの範囲内で設計される。これにより、ESD耐性を確保しつつ、保護素子の個数を減すことができ、ひいては回路面積を削減できる。
【0015】
一実施形態に係る半導体装置は、基板と、基板に実装される上述の半導体集積回路と、を備える。半導体集積回路の外部において、第1接地ラインと第2接地ラインの間は、保護抵抗よりも低いインピーダンスを有する外部配線を介して接続される。
【0016】
(実施形態)
以下、好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施形態は、開示および発明を限定するものではなく例示であって、実施形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも開示および発明の本質的なものであるとは限らない。
【0017】
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0018】
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に接続された(設けられた)状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0019】
実施形態に係る半導体集積回路について説明する前に、いくつかの比較技術について説明する。
【0020】
(比較技術1)
図1は、比較技術1に係る半導体集積回路300Rの回路図である。半導体集積回路300Rは、第1回路ブロック310、第2回路ブロック320、第1電源ピンVCC1、第2電源ピンVCC2、第1接地ピンGND1、第2接地ピンGND2、第1電源ラインLVCC1、第2電源ラインLVCC2、第1接地ラインLGND1、第2接地ラインLGND2、保護ダイオードD1~D4を備える。
【0021】
第1電源ラインLVCC1は、第1電源ピンVCC1と接続され、第2電源ラインLVCC1は、第2電源ピンVCC2と接続される。第1接地ラインLGND1は第1接地ピンGND1と接続され、第2接地ラインLGND2は第2接地ピンGND2と接続される。
【0022】
第1電源ラインLVCC1と第1接地ラインLGND1の間には、第1回路ブロック310が接続される。第2電源ラインLVCC2と第2接地ラインLGND2の間には、第2回路ブロック320が接続される。
【0023】
たとえば第1回路ブロック310はデジタル回路であり、第2回路ブロック320はアナログ回路であってもよい。あるいは、第1回路ブロック310と第2回路ブロック320は、異なる電圧レベルの電源電圧で動作するデジタル回路であってもよい。あるいは、第1回路ブロック310と第2回路ブロック320は、異なる電圧レベルで動作するアナログ回路であってもよい。
【0024】
第1保護ダイオードD1は、カソードが第1電源ラインLVCC1と接続され、アノードが第1接地ラインLGND1と接続される。第2保護ダイオードD2は、カソードが第2電源ラインLVCC2と接続され、アノードが第2接地ラインLGND2と接続される。第3保護ダイオードD3と第4保護ダイオードD4は、第1接地ラインLGND1と第2接地ラインLGND2の間に、互いに逆方向となる向きで接続されている。
【0025】
この比較技術1では、4個の保護ダイオードD1~D4によって、複数の電源ピンVCC1,VCC2、複数の接地ピンGND1,GND2に印加される静電気放電から、第1回路ブロック310、第2回路ブロック320を保護することができる。
【0026】
(比較技術2)
図2は、比較技術2に係る半導体集積回路300Sの回路図である。半導体集積回路300Sは、第1回路ブロック310、第2回路ブロック320、第1電源ピンVCC1、第2電源ピンVCC2、第1接地ピンGND1、第2接地ピンGND2、第1電源ラインLVCC1、第2電源ラインLVCC2、第1接地ラインLGND1、第2接地ラインLGND2、保護ダイオードD1,D2,D5,D6を備える。比較技術1との相違点を説明する。
【0027】
半導体集積回路300Sは、図1の保護ダイオードD3,D4に代えて、保護ダイオードD5,D6を備える。保護ダイオードD5のアノードは第1接地ラインLGND1と接続され、そのカソードは第2電源ラインLVCC2と接続される。保護ダイオードD6のアノードは第2接地ラインLGND2と接続され、そのカソードは第1電源ラインLVCC1と接続される。
【0028】
この比較技術2では、4個の保護ダイオードD1,D2,D5,D6によって、複数の電源ピンVCC1,VCC2、複数の接地ピンGND1,GND2に印加される静電気放電から、第1回路ブロック310、第2回路ブロック320を保護することができる。
【0029】
比較技術1,2では、いずれも4個の保護ダイオードが必要となり、回路面積が大きくなる。続いて、実施形態に係る半導体集積回路100について説明する。
【0030】
(実施形態)
図3は、実施形態に係る半導体集積回路100の回路図である。半導体集積回路100Rは、第1回路ブロック110、第2回路ブロック120、第1電源ピンVCC1、第2電源ピンVCC2、第1接地ピンGND1、第2接地ピンGND2、第1電源ラインLVCC1、第2電源ラインLVCC2、第1接地ラインLGND1、第2接地ラインLGND2、保護ダイオードD1,D2および保護抵抗R1を備える。
【0031】
第1電源ラインLVCC1は、第1電源ピンVCC1と接続され、第2電源ラインLVCC1は、第2電源ピンVCC2と接続される。第1接地ラインLGND1は第1接地ピンGND1と接続され、第2接地ラインLGND2は第2接地ピンGND2と接続される。
【0032】
第1電源ラインLVCC1と第1接地ラインLGND1の間には、第1回路ブロック310が接続される。第2電源ラインLVCC2と第2接地ラインLGND2の間には、第2回路ブロック320が接続される。
【0033】
たとえば第1回路ブロック310はデジタル回路であり、第2回路ブロック120はアナログ回路であってもよい。あるいは、第1回路ブロック110と第2回路ブロック120は、異なる電圧レベルの電源電圧で動作するデジタル回路であってもよい。あるいは、第1回路ブロック110と第2回路ブロック120は、異なる電圧レベルで動作するアナログ回路であってもよい。
【0034】
第1保護ダイオードD1は、カソードが第1電源ラインLVCC1と接続され、アノードが第1接地ラインLGND1と接続される。第2保護ダイオードD2は、カソードが第2電源ラインLVCC2と接続され、アノードが第2接地ラインLGND2と接続される。
【0035】
保護抵抗R1は、第1接地ラインLGND1と第2接地ラインLGND2の間に接続される。保護抵抗R1は、配線の寄生インピーダンス成分を利用した配線抵抗であってもよい。あるいは保護抵抗R1は、ポリ抵抗であってもよいし、拡散抵抗であってもよい。
【0036】
以上が半導体集積回路100の構成である。図4は、図3の半導体集積回路100を備える半導体装置200の回路図である。
【0037】
半導体装置200は、半導体集積回路100と、プリント基板210を備える。半導体集積回路100は、プリント基板210上に実装される。プリント基板210上の配線212を経由して、あるいは、さらにプリント基板210のさらに外部の配線(不図示)を経由して、半導体集積回路100の第1接地ピンGND1と第2接地ピンGND2は接続されている。この配線212は、インピーダンスR2を有している。このインピーダンスR2と、半導体集積回路100の内部の保護抵抗R1の間には、
R1>R2
の関係が成り立っている。言い換えれば、半導体集積回路100の保護抵抗R1の抵抗値は、半導体集積回路100が利用される半導体装置200(アプリ-ケーション)において想定される抵抗R2の値よりも大きくなるように設計される。
【0038】
なお、保護抵抗R1のインピーダンスが高すぎると、ESD耐性が損なわれるため、保護抵抗R1の抵抗値は、ESD耐性が確保可能なインピーダンスの範囲内で設計する必要があり、その範囲が、保護抵抗R1の上限値を決定する。
【0039】
たとえば保護抵抗R1の抵抗値は、数Ω~数百Ωのオーダーでありうる。
【0040】
以上が半導体集積回路100および半導体装置200の構成である。続いてその動作を図4を参照して説明する。第1接地ピンGND1と第2接地ピンGND2の間にサージノイズが印加されたとする。半導体集積回路100の外部のインピーダンスR2の方が、半導体集積回路100の内部の保護抵抗R1のインピーダンスよりも低いため、サージ電流は、配線212側に流れることとなる。これにより、半導体集積回路100の内部素子を、サージノイズから保護することができる。
【0041】
本実施形態によれば、ESD耐性を確保しつつ、保護素子の個数を減すことができ、ひいては回路面積を削減できる。
【0042】
(変形例1)
実施形態では、電源ラインが2本の半導体集積回路100について説明したが、本発明の適用はそれに限定されない。
【0043】
図5は、変形例に係る半導体集積回路100Aの回路図である。この半導体集積回路100は、3本の電源ラインLVCC1,LVCC2,LVCC3と、2本の接地ラインLGND1,LGND2と、第1回路ブロック110、第2回路ブロック120、第3回路ブロック130と、保護ダイオードD1,D2,D7を備える。
【0044】
接地ラインLGND2は、第2回路ブロック120、第3回路ブロック130に共通の電源ラインである。具体的には、第1電源ラインLVCC1と第1接地ラインLGND1の間には、第1回路ブロック110が接続される。第2電源ラインLVCC2と第2接地ラインLGND2の間には、第2回路ブロック120が接続され、第3電源ラインLVCC3と第2接地ラインLGND2の間には、第3回路ブロック130が接続される。
【0045】
たとえば第1回路ブロック110はアナログ回路であり、VCC1=5Vあるいは12Vであってもよい。第2回路ブロック120および第3回路ブロック130は、デジタル回路であり、たとえばVCC2=5V、VCC3=1.5Vであってもよい。
【0046】
この変形例においても、第1接地ラインLGND1と第2接地ラインLGND2の間は、保護抵抗R1を介して接続される。
【0047】
第1保護ダイオードD1は、第1電源ラインLVCC1と第1接地ラインLGND1の間に接続される。第2保護ダイオードD2は、第2電源ラインLVCC2と第2接地ラインLGND2の間に接続される。第3保護ダイオードD3は、第3電源ラインLVCC3と第2接地ラインLGND2の間に接続される。
【0048】
以上が半導体集積回路100Aの構成である。この半導体集積回路100Aによれば、3個の保護ダイオードD1,D2,D7によって、ESD保護を実現できる。
【0049】
(比較技術3)
比較技術3は、比較技術1で説明した技術を電源ライン3本、接地ライン2本の回路に適用したものである。
【0050】
図6は、比較技術3に係る半導体集積回路300RAの回路図である。半導体集積回路300RAは、図5の保護抵抗R1に代えて、2個の保護ダイオードD3,D4が追加されることとなり、回路面積が大きくなる。これに対して、変形例によれば、保護ダイオードD3,D4を1個の保護抵抗R1に置き換えることができるため、回路面積を削減できる。
【0051】
もし、比較技術2で説明した技術を電源ライン3本、接地ライン2本の回路に適用する場合、図5の保護抵抗R1に代えて、2個の保護ダイオードD3,D4が追加されることとなり、回路面積が大きくなる。これに対して、変形例によれば、保護ダイオードD3,D4を1個の抵抗に置き換えることができる。
【0052】
(比較技術4)
比較技術4は、比較技術2で説明した技術を電源ライン3本、接地ライン2本の回路に適用したものである。
【0053】
図7は、比較技術4に係る半導体集積回路300SAの回路図である。半導体集積回路300SAは、図5の保護抵抗R1に代えて、3個の保護ダイオードD8,D9,D10が追加されることとなり、回路面積が大きくなる。これに対して、変形例によれば、保護ダイオードD8~D10を1個の保護抵抗R1に置き換えることができるため、回路面積を削減できる。
【0054】
(付記)
本明細書には、以下の技術が開示される。
【0055】
(項目1)
第1回路ブロックと、
第2回路ブロックと、
前記第1回路ブロックと接続される対をなす第1電源ラインおよび第1接地ラインと、
前記第2回路ブロックと接続される対をなす第2電源ラインおよび第2接地ラインと、
前記第1電源ラインと前記第1接地ラインの間に接続される第1保護素子と、
前記第2電源ラインと前記第2接地ラインの間に接続される第2保護素子と、
前記第1接地ラインと前記第2接地ラインの間に接続される保護抵抗と、
を備える、半導体集積回路。
【0056】
(項目2)
前記保護抵抗は、配線で構成される、項目1に記載の半導体集積回路。
【0057】
(項目3)
前記保護抵抗は、ポリ抵抗で構成される、項目1に記載の半導体集積回路。
【0058】
(項目4)
前記保護抵抗は、拡散抵抗で構成される、項目1に記載の半導体集積回路。
【0059】
(項目5)
基板と、
前記基板に実装される項目1から4のいずれかに記載の半導体集積回路と、
を備え、
前記半導体集積回路の外部において、前記第1接地ラインと前記第2接地ラインの間は、前記保護抵抗よりも低いインピーダンスを有する外部配線を介して接続される、項目1に記載の半導体装置。
【0060】
(項目6)
複数の接地ピンと、
前記複数の接地ピンと接続される複数の接地ラインと、
を備え、
前記複数の接地ラインから選択される2本の接地ラインの間に接続される保護抵抗と、
を備える、半導体集積回路。
【0061】
(項目7)
前記保護抵抗は、配線で構成される、項目6に記載の半導体集積回路。
【0062】
(項目8)
前記保護抵抗は、ポリ抵抗で構成される、項目6に記載の半導体集積回路。
【0063】
(項目9)
前記保護抵抗は、拡散抵抗で構成される、項目6に記載の半導体集積回路。
【0064】
本開示に係る実施形態について、具体的な用語を用いて説明したが、この説明は、理解を助けるための例示に過ぎず、本開示あるいは請求の範囲を限定するものではない。本発明の範囲は、請求の範囲によって規定されるものであり、したがって、ここでは説明しない実施形態、実施例、変形例も、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0065】
100 半導体集積回路
110 第1回路ブロック
120 第2回路ブロック
300 半導体集積回路
310 第1回路ブロック
320 第2回路ブロック
LVCC1 第1電源ライン
LVCC2 第2電源ライン
LGND1 第1接地ライン
LGND2 第2接地ライン
VCC1 第1電源ピン
VCC2 第2電源ピン
GND1 第1接地ピン
GND2 第2接地ピン
D1 第1保護ダイオード
D2 第2保護ダイオード
D3 第3保護ダイオード
D4 第4保護ダイオード
D5 第5保護ダイオード
D6 第6保護ダイオード
R1 保護抵抗
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7