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特開2024-83096アルコール飲料、アルコール飲料の製造方法、及び、アルコール飲料の香味向上方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083096
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】アルコール飲料、アルコール飲料の製造方法、及び、アルコール飲料の香味向上方法
(51)【国際特許分類】
C12G 3/06 20060101AFI20240613BHJP
【ＦＩ】
C12G3/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2022197416
(22)【出願日】2022-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】303040183
【氏名又は名称】サッポロビール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】大場 智昭
【テーマコード（参考）】
4B115
【Ｆターム（参考）】
4B115LG02
4B115LH11
(57)【要約】
【課題】味の厚みと後味の余韻とグリーンレモン感とが増強したアルコール飲料、アルコール飲料の製造方法、及び、アルコール飲料の香味向上方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明に係るアルコール飲料は、１－オクテン－３－オンの含有量が０．５～５．０ｐｐｂであるとともに、リモネンの含有量が３～１２０ｐｐｍ、及び、シトラールの含有量が１～４０ｐｐｍ、のうちの少なくとも一方を含有する。本発明に係るアルコール飲料の製造方法は、１－オクテン－３－オンの含有量を０．５～５．０ｐｐｂとするとともに、リモネンの含有量を３～１２０ｐｐｍ、及び、シトラールの含有量を１～４０ｐｐｍ、のうちの少なくとも一方を含有させる工程を含む。
【選択図】なし
【解決手段】本発明に係るアルコール飲料は、１－オクテン－３－オンの含有量が０．５～５．０ｐｐｂであるとともに、リモネンの含有量が３～１２０ｐｐｍ、及び、シトラールの含有量が１～４０ｐｐｍ、のうちの少なくとも一方を含有する。本発明に係るアルコール飲料の製造方法は、１－オクテン－３－オンの含有量を０．５～５．０ｐｐｂとするとともに、リモネンの含有量を３～１２０ｐｐｍ、及び、シトラールの含有量を１～４０ｐｐｍ、のうちの少なくとも一方を含有させる工程を含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
１－オクテン－３－オンの含有量が０．５～５．０ｐｐｂであるとともに、
リモネンの含有量が３～１２０ｐｐｍ、及び、シトラールの含有量が１～４０ｐｐｍ、のうちの少なくとも一方を含有するアルコール飲料。
リモネンの含有量が３～１２０ｐｐｍ、及び、シトラールの含有量が１～４０ｐｐｍ、のうちの少なくとも一方を含有するアルコール飲料。
【請求項2】
アルコール度数が１～１０ｖ／ｖ％である請求項１に記載のアルコール飲料。
【請求項3】
エキス分が０．５～１０ｗ／ｖ％である請求項１又は請求項２に記載のアルコール飲料。
【請求項4】
酸度が０．１～２．０ｇ／１００ｍＬである請求項１又は請求項２に記載のアルコール飲料。
【請求項5】
１－オクテン－３－オンの含有量を０．５～５．０ｐｐｂとするとともに、リモネンの含有量を３～１２０ｐｐｍ、及び、シトラールの含有量を１～４０ｐｐｍ、のうちの少なくとも一方を含有させる工程を含むアルコール飲料の製造方法。
【請求項6】
アルコール飲料の味の厚みと後味の余韻とグリーンレモン感とを増強させる香味向上方法であって、
１－オクテン－３－オンの含有量を０．５～５．０ｐｐｂとするとともに、リモネンの含有量を３～１２０ｐｐｍ、及び、シトラールの含有量を１～４０ｐｐｍ、のうちの少なくとも一方を含有させる工程を含むアルコール飲料の香味向上方法。
１－オクテン－３－オンの含有量を０．５～５．０ｐｐｂとするとともに、リモネンの含有量を３～１２０ｐｐｍ、及び、シトラールの含有量を１～４０ｐｐｍ、のうちの少なくとも一方を含有させる工程を含むアルコール飲料の香味向上方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルコール飲料、アルコール飲料の製造方法、及び、アルコール飲料の香味向上方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アルコールを含有するアルコール飲料については、これまでにも、飲料の香味に着目した様々な発明が創出されている。
例えば、特許文献１には、フルフラールの濃度が０．５～５００ｐｐｂであるアルコール飲料が開示されている。
例えば、特許文献１には、フルフラールの濃度が０．５～５００ｐｐｂであるアルコール飲料が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開２０２０－９９３０３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献１に係る発明は、アルコール飲料にフルフラールを所定量含有させることによって、アルコールの辛みを低減することを目的としている。
【0005】
一方、本発明者は、特徴のある香味を呈するアルコール飲料を提供するために、青みがかっておりシャープな香味である「グリーンレモン感」を想起させるような飲料を創出したいと考えた。
また、本発明者は、アルコール飲料の味を厚くし、かつ、後味における余韻を増強することで、アルコール飲料の香味を全体的に向上させたいと考えた。
また、本発明者は、アルコール飲料の味を厚くし、かつ、後味における余韻を増強することで、アルコール飲料の香味を全体的に向上させたいと考えた。
【0006】
そこで、本発明は、味の厚みと後味の余韻とグリーンレモン感とが増強したアルコール飲料、アルコール飲料の製造方法、及び、アルコール飲料の香味向上方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題は、以下の手段により解決することができる。
（１）１－オクテン－３－オンの含有量が０．５～５．０ｐｐｂであるとともに、リモネンの含有量が３～１２０ｐｐｍ、及び、シトラールの含有量が１～４０ｐｐｍ、のうちの少なくとも一方を含有するアルコール飲料。
（２）アルコール度数が１～１０ｖ／ｖ％である前記１に記載のアルコール飲料。
（３）エキス分が０．５～１０ｗ／ｖ％である前記１又は前記２に記載のアルコール飲料。
（４）酸度が０．１～２．０ｇ／１００ｍＬである前記１から前記３のいずれか１つに記載のアルコール飲料。
（５）１－オクテン－３－オンの含有量を０．５～５．０ｐｐｂとするとともに、リモネンの含有量を３～１２０ｐｐｍ、及び、シトラールの含有量を１～４０ｐｐｍ、のうちの少なくとも一方を含有させる工程を含むアルコール飲料の製造方法。
（６）アルコール飲料の味の厚みと後味の余韻とグリーンレモン感とを増強させる香味向上方法であって、１－オクテン－３－オンの含有量を０．５～５．０ｐｐｂとするとともに、リモネンの含有量を３～１２０ｐｐｍ、及び、シトラールの含有量を１～４０ｐｐｍ、のうちの少なくとも一方を含有させる工程を含むアルコール飲料の香味向上方法。
（１）１－オクテン－３－オンの含有量が０．５～５．０ｐｐｂであるとともに、リモネンの含有量が３～１２０ｐｐｍ、及び、シトラールの含有量が１～４０ｐｐｍ、のうちの少なくとも一方を含有するアルコール飲料。
（２）アルコール度数が１～１０ｖ／ｖ％である前記１に記載のアルコール飲料。
（３）エキス分が０．５～１０ｗ／ｖ％である前記１又は前記２に記載のアルコール飲料。
（４）酸度が０．１～２．０ｇ／１００ｍＬである前記１から前記３のいずれか１つに記載のアルコール飲料。
（５）１－オクテン－３－オンの含有量を０．５～５．０ｐｐｂとするとともに、リモネンの含有量を３～１２０ｐｐｍ、及び、シトラールの含有量を１～４０ｐｐｍ、のうちの少なくとも一方を含有させる工程を含むアルコール飲料の製造方法。
（６）アルコール飲料の味の厚みと後味の余韻とグリーンレモン感とを増強させる香味向上方法であって、１－オクテン－３－オンの含有量を０．５～５．０ｐｐｂとするとともに、リモネンの含有量を３～１２０ｐｐｍ、及び、シトラールの含有量を１～４０ｐｐｍ、のうちの少なくとも一方を含有させる工程を含むアルコール飲料の香味向上方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るアルコール飲料は、味の厚みと後味の余韻とグリーンレモン感とが増強している。
本発明に係るアルコール飲料の製造方法は、味の厚みと後味の余韻とグリーンレモン感とが増強しているアルコール飲料を製造することができる。
本発明に係るアルコール飲料の香味向上方法は、アルコール飲料の味の厚みと後味の余韻とグリーンレモン感とを増強することができる。
本発明に係るアルコール飲料の製造方法は、味の厚みと後味の余韻とグリーンレモン感とが増強しているアルコール飲料を製造することができる。
本発明に係るアルコール飲料の香味向上方法は、アルコール飲料の味の厚みと後味の余韻とグリーンレモン感とを増強することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係るアルコール飲料、アルコール飲料の製造方法、及び、アルコール飲料の香味向上方法を実施するための形態（本実施形態）について説明する。
【0010】
［アルコール飲料］
本実施形態に係るアルコール飲料は、１－オクテン－３－オンを含有するとともに、リモネン、及び、シトラールのうちの少なくとも一方を含有する飲料である。
ここで、アルコール飲料とは、アルコールを含有する飲料であり、特定の種類の飲料に限定されないものの、例えば、チューハイテイスト飲料が挙げられる。そして、このチューハイテイスト飲料とは、チューハイのような味わいを呈する飲料、つまり、チューハイの香味が感じられるように香味設計された飲料である。なお、チューハイの香味には、サワーやカクテルといった香味も含まれる。
そして、本実施形態に係るアルコール飲料は、リモネン、及び、シトラールのうちの少なくとも一方を含有することから、柑橘テイスト（柑橘の香味が感じられるように香味設計された飲料）のアルコール飲料に適用するのが好ましい。
以下、本実施形態に係るアルコール飲料を構成する各要素について説明する。
本実施形態に係るアルコール飲料は、１－オクテン－３－オンを含有するとともに、リモネン、及び、シトラールのうちの少なくとも一方を含有する飲料である。
ここで、アルコール飲料とは、アルコールを含有する飲料であり、特定の種類の飲料に限定されないものの、例えば、チューハイテイスト飲料が挙げられる。そして、このチューハイテイスト飲料とは、チューハイのような味わいを呈する飲料、つまり、チューハイの香味が感じられるように香味設計された飲料である。なお、チューハイの香味には、サワーやカクテルといった香味も含まれる。
そして、本実施形態に係るアルコール飲料は、リモネン、及び、シトラールのうちの少なくとも一方を含有することから、柑橘テイスト（柑橘の香味が感じられるように香味設計された飲料）のアルコール飲料に適用するのが好ましい。
以下、本実施形態に係るアルコール飲料を構成する各要素について説明する。
【0011】
（１－オクテン－３－オン）
１－オクテン－３－オン（1-octen-3-one）とは、化学式Ｃ８Ｈ１４Ｏで表されるケトンの一種である。
そして、１－オクテン－３－オンは、不飽和脂肪酸由来のネガティブな香気成分として知られており、金属味や酸化味などを呈する成分である。
しかしながら、本発明者は、この１－オクテン－３－オンと、後記する２成分のうちの少なくとも一方とを組み合わせることによって、驚くべきことに、アルコール飲料においてポジティブな香味の効果（味の厚みの増強効果、後味の余韻の増強効果、グリーンレモン感の増強効果、キレの増強効果、渋味や雑味の低減効果）を強く発揮できることを見出した。
１－オクテン－３－オン（1-octen-3-one）とは、化学式Ｃ８Ｈ１４Ｏで表されるケトンの一種である。
そして、１－オクテン－３－オンは、不飽和脂肪酸由来のネガティブな香気成分として知られており、金属味や酸化味などを呈する成分である。
しかしながら、本発明者は、この１－オクテン－３－オンと、後記する２成分のうちの少なくとも一方とを組み合わせることによって、驚くべきことに、アルコール飲料においてポジティブな香味の効果（味の厚みの増強効果、後味の余韻の増強効果、グリーンレモン感の増強効果、キレの増強効果、渋味や雑味の低減効果）を強く発揮できることを見出した。
【0012】
１－オクテン－３－オンの含有量は、０．５０ｐｐｂ以上が好ましく、０．７０ｐｐｂ以上、０．７５ｐｐｂ以上、１．００ｐｐｂ以上、１．３０ｐｐｂ以上、１．５０ｐｐｂ以上、２．００ｐｐｂ以上、２．２５ｐｐｂ以上がより好ましい。１－オクテン－３－オンの含有量が所定値以上であることによって、所望の効果（味の厚みの増強効果、後味の余韻の増強効果、グリーンレモン感の増強効果、キレの増強効果、渋味や雑味の低減効果）をしっかりと発揮させることができる。
１－オクテン－３－オンの含有量は、５．００ｐｐｂ以下が好ましく、４．５０ｐｐｂ以下、４．００ｐｐｂ以下、３．５０ｐｐｂ以下、３．００ｐｐｂ以下がより好ましい。１－オクテン－３－オンの含有量が所定値以下であることによって、当該成分の特有の臭気が強くなるために渋味や雑味が強まってしまうという事態を回避することができる。
なお、本明細書において、「ｐｐｂ」という単位は「μｇ／Ｌ」と同義である。
１－オクテン－３－オンの含有量は、５．００ｐｐｂ以下が好ましく、４．５０ｐｐｂ以下、４．００ｐｐｂ以下、３．５０ｐｐｂ以下、３．００ｐｐｂ以下がより好ましい。１－オクテン－３－オンの含有量が所定値以下であることによって、当該成分の特有の臭気が強くなるために渋味や雑味が強まってしまうという事態を回避することができる。
なお、本明細書において、「ｐｐｂ」という単位は「μｇ／Ｌ」と同義である。
【0013】
（リモネン）
リモネン（limonene）とは、化学式Ｃ１０Ｈ１６で表されるモノテルペンの一種である。
そして、本発明者は、このリモネンと前記した１－オクテン－３－オンとを一緒にアルコール飲料に含有させることによって、所望の各効果（味の厚みの増強効果、後味の余韻の増強効果、グリーンレモン感の増強効果、キレの増強効果、渋味や雑味の低減効果）を発揮できることを見出した。
また、リモネン単独では、前記した各効果が十分には発揮されないことから、リモネンと前記したネガティブな香気成分として知られる１－オクテン－３－オンとの組み合わせが重要（１－オクテン－３－オンは必須）であることも本発明者は確認している。
なお、本明細書において、リモネンとは、詳細には、ｄ－リモネンである。
リモネン（limonene）とは、化学式Ｃ１０Ｈ１６で表されるモノテルペンの一種である。
そして、本発明者は、このリモネンと前記した１－オクテン－３－オンとを一緒にアルコール飲料に含有させることによって、所望の各効果（味の厚みの増強効果、後味の余韻の増強効果、グリーンレモン感の増強効果、キレの増強効果、渋味や雑味の低減効果）を発揮できることを見出した。
また、リモネン単独では、前記した各効果が十分には発揮されないことから、リモネンと前記したネガティブな香気成分として知られる１－オクテン－３－オンとの組み合わせが重要（１－オクテン－３－オンは必須）であることも本発明者は確認している。
なお、本明細書において、リモネンとは、詳細には、ｄ－リモネンである。
【0014】
リモネンの含有量は、３ｐｐｍ以上が好ましく、５ｐｐｍ以上、１０ｐｐｍ以上、１３ｐｐｍ以上、１５ｐｐｍ以上、２０ｐｐｍ以上、２５ｐｐｍ以上、２８ｐｐｍ以上、３０ｐｐｍ以上がより好ましい。リモネンの含有量が所定値以上であることによって、所望の各効果（味の厚みの増強効果、後味の余韻の増強効果、グリーンレモン感の増強効果、キレの増強効果、渋味や雑味の低減効果）をしっかりと発揮させることができる。
リモネンの含有量は、１２０ｐｐｍ以下が好ましく、１１０ｐｐｍ以下、１００ｐｐｍ以下、８０ｐｐｍ以下、７０ｐｐｍ以下、６５ｐｐｍ以下、６０ｐｐｍ以下がより好ましい。リモネンの含有量が所定値以下であることによって、リモネンの香味が強くなり過ぎ、キレが低下するという事態を回避することができる。
なお、本明細書において、「ｐｐｍ」という単位は「ｍｇ／Ｌ」と同義である。
リモネンの含有量は、１２０ｐｐｍ以下が好ましく、１１０ｐｐｍ以下、１００ｐｐｍ以下、８０ｐｐｍ以下、７０ｐｐｍ以下、６５ｐｐｍ以下、６０ｐｐｍ以下がより好ましい。リモネンの含有量が所定値以下であることによって、リモネンの香味が強くなり過ぎ、キレが低下するという事態を回避することができる。
なお、本明細書において、「ｐｐｍ」という単位は「ｍｇ／Ｌ」と同義である。
【0015】
（シトラール）
シトラール（citral）とは、化学式Ｃ１０Ｈ１６Ｏで表されるモノテルペンの一種である。
そして、本発明者は、このシトラールと前記した１－オクテン－３－オンとを一緒にアルコール飲料に含有させることによって、所望の各効果（味の厚みの増強効果、後味の余韻の増強効果、グリーンレモン感の増強効果、キレの増強効果、渋味や雑味の低減効果）を発揮できることを見出した。
また、シトラール単独では、前記した各効果が十分には発揮されないことから、シトラールと前記したネガティブな香気成分として知られる１－オクテン－３－オンとの組み合わせが重要（１－オクテン－３－オンは必須）であることも本発明者は確認している。
なお、本明細書において、シトラールとは、詳細には、ゲラニアールとネラールとを合わせて指している。
シトラール（citral）とは、化学式Ｃ１０Ｈ１６Ｏで表されるモノテルペンの一種である。
そして、本発明者は、このシトラールと前記した１－オクテン－３－オンとを一緒にアルコール飲料に含有させることによって、所望の各効果（味の厚みの増強効果、後味の余韻の増強効果、グリーンレモン感の増強効果、キレの増強効果、渋味や雑味の低減効果）を発揮できることを見出した。
また、シトラール単独では、前記した各効果が十分には発揮されないことから、シトラールと前記したネガティブな香気成分として知られる１－オクテン－３－オンとの組み合わせが重要（１－オクテン－３－オンは必須）であることも本発明者は確認している。
なお、本明細書において、シトラールとは、詳細には、ゲラニアールとネラールとを合わせて指している。
【0016】
シトラールの含有量は、１ｐｐｍ以上が好ましく、３ｐｐｍ以上、５ｐｐｍ以上、８ｐｐｍ以上、９ｐｐｍ以上、１０ｐｐｍ以上がより好ましい。シトラールの含有量が所定値以上であることによって、所望の各効果（味の厚みの増強効果、後味の余韻の増強効果、グリーンレモン感の増強効果、キレの増強効果、渋味や雑味の低減効果）をしっかりと発揮させることができる。
シトラールの含有量は、４０ｐｐｍ以下が好ましく、３５ｐｐｍ以下、３０ｐｐｍ以下、２５ｐｐｍ以下、２３ｐｐｍ以下、２０ｐｐｍ以下、１８ｐｐｍ以下、１５ｐｐｍ以下がより好ましい。シトラールの含有量が所定値以下であることによって、シトラールの香味が強くなり過ぎ、キレが低下するという事態を回避することができる。
シトラールの含有量は、４０ｐｐｍ以下が好ましく、３５ｐｐｍ以下、３０ｐｐｍ以下、２５ｐｐｍ以下、２３ｐｐｍ以下、２０ｐｐｍ以下、１８ｐｐｍ以下、１５ｐｐｍ以下がより好ましい。シトラールの含有量が所定値以下であることによって、シトラールの香味が強くなり過ぎ、キレが低下するという事態を回避することができる。
【0017】
アルコール飲料における１－オクテン－３－オンの含有量は、例えば、固相マイクロ抽出－ガスクロマトグラフ－質量分析法（ＳＰＭＥ－ＧＣ－ＭＳ法）によって、測定することができる。
また、アルコール飲料におけるリモネンの含有量、シトラールの含有量は、例えば、溶媒抽出－ＧＣ－ＭＳ法により測定することができる。
なお、各試料及び検量線には、当該成分と挙動が似ている成分、特に安定同位体でラベルした成分を添加した内部標準法を用い、試料に各成分の標準液を別途添加して作成した検量線を使用する標準添加法により定量することが好ましい。また、夾雑物質の影響を受ける場合は、カラムの種類や長さ、オーブンの温度プログラムからなる群より選択される１以上の条件を適宜変更すること、及び／又は、ＧＣ／ＭＳ／ＭＳ又は２次元ＧＣ／ＭＳを使用することが好ましい。
また、アルコール飲料におけるリモネンの含有量、シトラールの含有量は、例えば、溶媒抽出－ＧＣ－ＭＳ法により測定することができる。
なお、各試料及び検量線には、当該成分と挙動が似ている成分、特に安定同位体でラベルした成分を添加した内部標準法を用い、試料に各成分の標準液を別途添加して作成した検量線を使用する標準添加法により定量することが好ましい。また、夾雑物質の影響を受ける場合は、カラムの種類や長さ、オーブンの温度プログラムからなる群より選択される１以上の条件を適宜変更すること、及び／又は、ＧＣ／ＭＳ／ＭＳ又は２次元ＧＣ／ＭＳを使用することが好ましい。
【0018】
（アルコール）
本実施形態に係るアルコール飲料は、アルコールを含有している。
アルコールは飲用することができるアルコールであればよく、本発明の効果が阻害されない範囲であれば、種類、製法、原料などに限定されることがないが、ウイスキー、ブランデー、スピリッツ類（例えばジン、ウォッカ、ラム等のスピリッツ、及び、原料用アルコール等）、リキュール類、焼酎等、さらには清酒、果実酒、ビール等の醸造酒を使用することができ、これらの中でも、特に、蒸留酒であるウォッカ、原料用アルコールのうちの１種以上が好ましい。
なお、本明細書においてアルコールとは、特に明記しない限り、エタノールのことをいう。
本実施形態に係るアルコール飲料は、アルコールを含有している。
アルコールは飲用することができるアルコールであればよく、本発明の効果が阻害されない範囲であれば、種類、製法、原料などに限定されることがないが、ウイスキー、ブランデー、スピリッツ類（例えばジン、ウォッカ、ラム等のスピリッツ、及び、原料用アルコール等）、リキュール類、焼酎等、さらには清酒、果実酒、ビール等の醸造酒を使用することができ、これらの中でも、特に、蒸留酒であるウォッカ、原料用アルコールのうちの１種以上が好ましい。
なお、本明細書においてアルコールとは、特に明記しない限り、エタノールのことをいう。
【0019】
（アルコール度数）
アルコール度数は、１ｖ／ｖ％以上が好ましく、３ｖ／ｖ％以上、３．２ｖ／ｖ％以上、４ｖ／ｖ％以上、５．２ｖ／ｖ％以上、５ｖ／ｖ％以上がより好ましい。アルコール度数が所定値以上であることによって、所望の各効果を十分に発揮させることができる。
アルコール度数は、１０ｖ／ｖ％以下が好ましく、９．５ｖ／ｖ％以下、９ｖ／ｖ％以下、８ｖ／ｖ％以下、７ｖ／ｖ％以下がより好ましい。
本実施形態に係るアルコール飲料のアルコール度数は、例えば、国税庁所定分析法（訓令）３清酒３－４アルコール分（振動式密度計・ガスクロマトグラフ分析法）に基づいて測定することができる。
アルコール度数は、１ｖ／ｖ％以上が好ましく、３ｖ／ｖ％以上、３．２ｖ／ｖ％以上、４ｖ／ｖ％以上、５．２ｖ／ｖ％以上、５ｖ／ｖ％以上がより好ましい。アルコール度数が所定値以上であることによって、所望の各効果を十分に発揮させることができる。
アルコール度数は、１０ｖ／ｖ％以下が好ましく、９．５ｖ／ｖ％以下、９ｖ／ｖ％以下、８ｖ／ｖ％以下、７ｖ／ｖ％以下がより好ましい。
本実施形態に係るアルコール飲料のアルコール度数は、例えば、国税庁所定分析法（訓令）３清酒３－４アルコール分（振動式密度計・ガスクロマトグラフ分析法）に基づいて測定することができる。
【0020】
（エキス分）
本実施形態に係るアルコール飲料のエキス分（エキスの含有量）は、以下のとおりである。
エキス分は、０．５ｗ／ｖ％以上が好ましく、１ｗ／ｖ％以上、２ｗ／ｖ％以上、２．５ｗ／ｖ％以上、３ｗ／ｖ％以上がより好ましい。エキス分が所定値以上であることによって、所望の各効果を十分に発揮させることができる。
エキス分は、１０ｗ／ｖ％以下が好ましく、８ｗ／ｖ％以下、７ｗ／ｖ％以下、６ｗ／ｖ％以下がより好ましい。エキス分が所定値以下であることによって、甘味が強くなり過ぎ、グリーンレモン感やキレが低下するといった事態を回避することができる。
本実施形態に係るアルコール飲料のエキス分（エキスの含有量）は、以下のとおりである。
エキス分は、０．５ｗ／ｖ％以上が好ましく、１ｗ／ｖ％以上、２ｗ／ｖ％以上、２．５ｗ／ｖ％以上、３ｗ／ｖ％以上がより好ましい。エキス分が所定値以上であることによって、所望の各効果を十分に発揮させることができる。
エキス分は、１０ｗ／ｖ％以下が好ましく、８ｗ／ｖ％以下、７ｗ／ｖ％以下、６ｗ／ｖ％以下がより好ましい。エキス分が所定値以下であることによって、甘味が強くなり過ぎ、グリーンレモン感やキレが低下するといった事態を回避することができる。
【0021】
なお、エキスとは、飲料中に含まれる不揮発性成分であり、エキス分とは、温度１５度の時において原容量百立方センチメートル中に含有する不揮発性成分のグラム数である（酒税法第三条）。そして、アルコール飲料のエキス分は、例えば、日本国の国税庁所定分析法に準拠して比重（日本酒度）及びアルコール度を測定して算出することができる。
【0022】
（甘味料）
甘味料は、甘味を付与するための物質である。そして、甘味料は、例えば、果糖ブドウ糖液糖、ブドウ糖果糖液糖といった異性化液糖や、果糖（フルクトース）、ブドウ糖（グルコース）、ガラクトースといった単糖類、ショ糖（スクロース）、マルトース、ラクトースといった二糖類、アセスルファムＫ、ネオテーム、スクラロース、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、チクロ、ズルチン、ステビア、グリチルリチン、ソーマチン、モネリン、アスパルテーム、アリテームといった高甘味度甘味料、さらには、オリゴ糖、糖アルコールなどが含まれる。なお、果糖ブドウ糖液糖とは、「異性化液糖及び砂糖混合異性化液糖」（ＪＡＳ０２０８：２０１９）に規定されているとおりであって、果糖含有率が５０％以上９０％未満のものである。
甘味料は、甘味を付与するための物質である。そして、甘味料は、例えば、果糖ブドウ糖液糖、ブドウ糖果糖液糖といった異性化液糖や、果糖（フルクトース）、ブドウ糖（グルコース）、ガラクトースといった単糖類、ショ糖（スクロース）、マルトース、ラクトースといった二糖類、アセスルファムＫ、ネオテーム、スクラロース、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、チクロ、ズルチン、ステビア、グリチルリチン、ソーマチン、モネリン、アスパルテーム、アリテームといった高甘味度甘味料、さらには、オリゴ糖、糖アルコールなどが含まれる。なお、果糖ブドウ糖液糖とは、「異性化液糖及び砂糖混合異性化液糖」（ＪＡＳ０２０８：２０１９）に規定されているとおりであって、果糖含有率が５０％以上９０％未満のものである。
【0023】
甘味料の含有量はショ糖換算で０．５ｗ／ｖ％以上が好ましく、１ｗ／ｖ％以上、２ｗ／ｖ％以上、２．５ｗ／ｖ％以上、３ｗ／ｖ％以上がより好ましい。甘味料の含有量がショ糖換算で所定値以上であることによって、所望の各効果を十分に発揮させることができる。
甘味料の含有量はショ糖換算で１０ｗ／ｖ％以下が好ましく、８ｗ／ｖ％以下、７ｗ／ｖ％以下、６ｗ／ｖ％以下がより好ましい。甘味料の含有量がショ糖換算で所定値以下であることによって、甘味が強くなり過ぎ、グリーンレモン感やキレが低下するといった事態を回避することができる。
甘味料の含有量はショ糖換算で１０ｗ／ｖ％以下が好ましく、８ｗ／ｖ％以下、７ｗ／ｖ％以下、６ｗ／ｖ％以下がより好ましい。甘味料の含有量がショ糖換算で所定値以下であることによって、甘味が強くなり過ぎ、グリーンレモン感やキレが低下するといった事態を回避することができる。
【0024】
ショ糖換算の甘味料の含有量とは、飲料中の甘味料の含有量をショ糖の含有量に換算したものである。具体的には、ショ糖換算の甘味料の含有量は、「甘味料の含有量」に対して「甘味料の甘味度／ショ糖の甘味度（１００）」を乗じることにより算出することができる。例えば、マルトースを１．０ｗ／ｖ％含有する飲料の場合、マルトースの濃度「１．０ｗ／ｖ％」に「３３／１００」（＝マルトースの甘味度／ショ糖の甘味度）を乗じた「０．３３ｗ／ｖ％」がショ糖換算の甘味料の含有量となる。
【0025】
なお、各甘味料の甘味度については、例えば、果糖ブドウ糖液糖：１００、ブドウ糖果糖液糖：８０、果糖：１５０、ブドウ糖：７５、ラクトース：１６、ガラクトース：３２、マルトース：３３、ショ糖：１００、アセスルファムＫ：２００００、スクラロース：６００００、ネオテーム：１００００００、サッカリンナトリウム：５００００、ステビア：２５０００という値を用いればよい。また、オリゴ糖の甘味度については、フラクトオリゴ糖：４５、ガラクトオリゴ糖：２０、キシロオリゴ糖：４５、乳果オリゴ糖：６０、ラフィノース：２０、イソマルトオリゴ糖：３０、大豆オリゴ糖：７０という値を用い、糖アルコールの甘味度については、ソルビトール：６５、マンニトール：６０、マルチトール：８５、キシリトール：６０、還元パラチノース：４５、エリスリトール：７５という値を用いればよい。また、飲料中の甘味料の含有量については、高速液体クロマトグラフ（ＨＰＬＣ）を用いて測定することができる。
【0026】
（酸味料）
酸味料とは、酸味を付与するための物質である。そして、酸味料は、例えば、クエン酸、アジピン酸、クエン酸三ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、ＤＬ－酒石酸、Ｌ－酒石酸、ＤＬ－酒石酸ナトリウム、Ｌ－酒石酸ナトリウム、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、ＤＬ－リンゴ酸、ＤＬ－リンゴ酸ナトリウム、リン酸、酢酸などを用いることができる。
酸味料とは、酸味を付与するための物質である。そして、酸味料は、例えば、クエン酸、アジピン酸、クエン酸三ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、ＤＬ－酒石酸、Ｌ－酒石酸、ＤＬ－酒石酸ナトリウム、Ｌ－酒石酸ナトリウム、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、ＤＬ－リンゴ酸、ＤＬ－リンゴ酸ナトリウム、リン酸、酢酸などを用いることができる。
【0027】
本実施形態に係るアルコール飲料の酸度（クエン酸換算の酸度）は、以下のとおりである。
酸度は、０．１ｇ／１００ｍＬ以上が好ましく、０．１５ｇ／１００ｍＬ以上、０．２ｇ／１００ｍＬ以上、０．２５ｇ／１００ｍＬ以上、０．３ｇ／１００ｍＬ以上がより好ましい。酸度が所定値以上であることによって、所望の各効果を十分に発揮させることができる。
酸度は、２．０ｇ／１００ｍＬ以下が好ましく、１．５ｇ／１００ｍＬ以下、１．０ｇ／１００ｍＬ以下、０．６ｇ／１００ｍＬ以下、０．５ｇ／１００ｍＬ以下、０．４ｇ／１００ｍＬ以下がより好ましい。酸度が所定値以下であることによって、アルコール飲料の渋味や雑味が強くなってしまうといった事態を回避することができる。
酸度は、０．１ｇ／１００ｍＬ以上が好ましく、０．１５ｇ／１００ｍＬ以上、０．２ｇ／１００ｍＬ以上、０．２５ｇ／１００ｍＬ以上、０．３ｇ／１００ｍＬ以上がより好ましい。酸度が所定値以上であることによって、所望の各効果を十分に発揮させることができる。
酸度は、２．０ｇ／１００ｍＬ以下が好ましく、１．５ｇ／１００ｍＬ以下、１．０ｇ／１００ｍＬ以下、０．６ｇ／１００ｍＬ以下、０．５ｇ／１００ｍＬ以下、０．４ｇ／１００ｍＬ以下がより好ましい。酸度が所定値以下であることによって、アルコール飲料の渋味や雑味が強くなってしまうといった事態を回避することができる。
【0028】
なお、本明細書における酸度（クエン酸換算の酸度：クエン酸相当量として換算した酸度の値）は、果実飲料の日本農林規格（平成２８年２月２４日農林水産省告示第４８９号）に定められた方法で求めることができる。具体的には、飲料を水酸化ナトリウム溶液（０．１ｍｏｌ／Ｌ）で中和滴定し、中和滴定において必要となった水酸化ナトリウム溶液の「滴定量（ｍｌ）」、滴定に使用した飲料の「重量（ｇ）」、「０．００６４」（０．１ｍｏｌ／Ｌ水酸化ナトリウム水溶液１ｍＬに相当するクエン酸の重量（ｇ））という定数などを用いて算出すればよい。
また、酸度は、前記の酸味料によって調整することができる。
また、酸度は、前記の酸味料によって調整することができる。
【0029】
（発泡性）
本実施形態に係るアルコール飲料は、炭酸ガスを含有する発泡性のもの、つまり、炭酸飲料であるのが好ましい。ここで、本実施形態における発泡性とは、２０℃におけるガス圧（全圧）が０．５ｋｇ／ｃｍ２以上であることをいい、１．０ｋｇ／ｃｍ２以上が好ましく、１．５ｋｇ／ｃｍ２以上、２．０ｋｇ／ｃｍ２以上、２．５ｋｇ／ｃｍ２以上がより好ましく、また、５．０ｋｇ／ｃｍ２以下が好ましく、４．０ｋｇ／ｃｍ２以下、３．５ｋｇ／ｃｍ２以下、３．０ｋｇ／ｃｍ２以下がより好ましい。
本実施形態に係るアルコール飲料は、炭酸ガスを含有する発泡性のもの、つまり、炭酸飲料であるのが好ましい。ここで、本実施形態における発泡性とは、２０℃におけるガス圧（全圧）が０．５ｋｇ／ｃｍ２以上であることをいい、１．０ｋｇ／ｃｍ２以上が好ましく、１．５ｋｇ／ｃｍ２以上、２．０ｋｇ／ｃｍ２以上、２．５ｋｇ／ｃｍ２以上がより好ましく、また、５．０ｋｇ／ｃｍ２以下が好ましく、４．０ｋｇ／ｃｍ２以下、３．５ｋｇ／ｃｍ２以下、３．０ｋｇ／ｃｍ２以下がより好ましい。
【0030】
（その他）
本実施形態に係るアルコール飲料は、本発明の所望の効果が阻害されない範囲で飲料として通常配合される酸化防止剤、香料、塩類、食物繊維など（以下、適宜「添加剤」という）を含有していてもよいし、当然、含有しなくてもよい。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンＣ、ビタミンＥ、ポリフェノールなどを用いることができる。塩類としては、例えば、食塩、酸性りん酸カリウム、酸性りん酸カルシウム、りん酸アンモニウム、硫酸カルシウム、メタ重亜硫酸カリウム、塩化カルシウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウムなどを用いることができる。食物繊維としては、例えば、難消化性デキストリン、ペクチン、ポリデキストロース、グアーガム分解物などを用いることができる。
そして、前記した各原料は、一般に市販されているものを使用することができる。
本実施形態に係るアルコール飲料は、本発明の所望の効果が阻害されない範囲で飲料として通常配合される酸化防止剤、香料、塩類、食物繊維など（以下、適宜「添加剤」という）を含有していてもよいし、当然、含有しなくてもよい。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンＣ、ビタミンＥ、ポリフェノールなどを用いることができる。塩類としては、例えば、食塩、酸性りん酸カリウム、酸性りん酸カルシウム、りん酸アンモニウム、硫酸カルシウム、メタ重亜硫酸カリウム、塩化カルシウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウムなどを用いることができる。食物繊維としては、例えば、難消化性デキストリン、ペクチン、ポリデキストロース、グアーガム分解物などを用いることができる。
そして、前記した各原料は、一般に市販されているものを使用することができる。
【0031】
本実施形態に係るアルコール飲料は、仮に、チューハイテイスト飲料とする場合、フルーツフレーバー（フルーツ様の香りを付与するフレーバー）、果汁（果実を搾った汁）、果実エキス（果実又は果汁から水やアルコールなどを用いて当該果実の有効成分を抽出した抽出物）を含有させることもできる。そして、果汁としては、例えば、濃縮果汁、還元果汁、ストレート果汁といった各種果汁、果実ピューレ（火を通した果実あるいは生の果実をすりつぶしたり裏ごししたりした半液体状のもの）、これらの希釈液、濃縮液、混合液などを用いることができる。
果汁の由来となる果実（および、果実フレーバーや果実エキスの果実種）は、柑橘類果実である、レモン、ライム、ミカン、オレンジ、グレープフルーツ、ユズ、シークワーサー等や、バラ科果実である、梅、リンゴ、イチゴ、桃、さくらんぼ（黄桃）等、これら以外にも、ぶどう、プラム、ざくろ、ブルーベリー、カシス、クランベリー、マキベリー、マンゴー、パイナップル、キウイ、梨等といった従来公知の果実も挙げることができる。
なお、本発明の各効果は、フレーバー・果汁・果実エキスの香味タイプや香味の強弱から直接的な影響は受けず、少なくとも、当該効果が消失してしまうといったことはないと考えることから、フレーバーなどによる香味タイプは前記のとおり多様であってもよく、含有量についても特に限定されない。
果汁の由来となる果実（および、果実フレーバーや果実エキスの果実種）は、柑橘類果実である、レモン、ライム、ミカン、オレンジ、グレープフルーツ、ユズ、シークワーサー等や、バラ科果実である、梅、リンゴ、イチゴ、桃、さくらんぼ（黄桃）等、これら以外にも、ぶどう、プラム、ざくろ、ブルーベリー、カシス、クランベリー、マキベリー、マンゴー、パイナップル、キウイ、梨等といった従来公知の果実も挙げることができる。
なお、本発明の各効果は、フレーバー・果汁・果実エキスの香味タイプや香味の強弱から直接的な影響は受けず、少なくとも、当該効果が消失してしまうといったことはないと考えることから、フレーバーなどによる香味タイプは前記のとおり多様であってもよく、含有量についても特に限定されない。
【0032】
本実施形態に係るアルコール飲料の果汁の含有量は、例えば、０．０５％以上、０．０８％以上、０．１％以上であり、１０％以下、８％以下、５％以下である。
なお、果汁の含有量は、「含有量（果汁率換算）％（詳細には、ｗ／ｗ％）」＝「飲料１００ｇ中への果汁配合量（ｇ）」×「濃縮倍率」／１００ｇ×１００により算出することができる。ここで、「濃縮倍率」（ストレート果汁を１００％としたときの果汁の相対的濃縮倍率）を算出するにあたり、ＪＡＳ規格に準ずるものとし、例えば、酸度が９％のレモン果汁を用いた場合、果実飲料の日本農林規格（平成２８年２月２４日農林水産省告示第４８９号）の別表４によるとレモンの基準酸度は４．５％であるから、このレモン果汁は、２倍濃縮のレモン果汁となる。
なお、果汁の含有量は、「含有量（果汁率換算）％（詳細には、ｗ／ｗ％）」＝「飲料１００ｇ中への果汁配合量（ｇ）」×「濃縮倍率」／１００ｇ×１００により算出することができる。ここで、「濃縮倍率」（ストレート果汁を１００％としたときの果汁の相対的濃縮倍率）を算出するにあたり、ＪＡＳ規格に準ずるものとし、例えば、酸度が９％のレモン果汁を用いた場合、果実飲料の日本農林規格（平成２８年２月２４日農林水産省告示第４８９号）の別表４によるとレモンの基準酸度は４．５％であるから、このレモン果汁は、２倍濃縮のレモン果汁となる。
【0033】
（容器詰めアルコール飲料）
本実施形態に係るアルコール飲料は、各種容器に入れて提供することができる。各種容器にアルコール飲料を詰めることにより、長期間の保管による品質の劣化を好適に防止することができる。
なお、容器は密閉できるものであればよく、金属製（アルミニウム製又はスチール製など）のいわゆる缶容器・樽容器を適用することができる。また、容器は、ガラス容器、ペットボトル容器、紙容器、パウチ容器などを適用することもできる。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。なお、気体、水分および光線を完全に遮断し、長期間常温で安定した品質を保つことが可能な点から、金属製の容器を適用することが好ましい。
本実施形態に係るアルコール飲料は、各種容器に入れて提供することができる。各種容器にアルコール飲料を詰めることにより、長期間の保管による品質の劣化を好適に防止することができる。
なお、容器は密閉できるものであればよく、金属製（アルミニウム製又はスチール製など）のいわゆる缶容器・樽容器を適用することができる。また、容器は、ガラス容器、ペットボトル容器、紙容器、パウチ容器などを適用することもできる。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。なお、気体、水分および光線を完全に遮断し、長期間常温で安定した品質を保つことが可能な点から、金属製の容器を適用することが好ましい。
【0034】
以上説明したように、本実施形態に係るアルコール飲料は、味の厚みと後味の余韻とグリーンレモン感とが増強している。また、本実施形態に係るアルコール飲料は、キレが増強しているとともに、渋味や雑味が低減している。
【0035】
［アルコール飲料の製造方法］
次に、本実施形態に係るアルコール飲料の製造方法を説明する。
本実施形態に係るアルコール飲料の製造方法は、混合工程と、後処理工程と、を含む。
次に、本実施形態に係るアルコール飲料の製造方法を説明する。
本実施形態に係るアルコール飲料の製造方法は、混合工程と、後処理工程と、を含む。
【0036】
混合工程では、混合タンクに、水、１－オクテン－３－オン、リモネン、シトラール、アルコール、添加剤などを適宜投入して混合後液を製造する。
この混合工程において、１－オクテン－３－オンの含有量、リモネンの含有量、シトラールの含有量などが前記した所定範囲内となるように各原料を混合し、調整すればよい。
この混合工程において、１－オクテン－３－オンの含有量、リモネンの含有量、シトラールの含有量などが前記した所定範囲内となるように各原料を混合し、調整すればよい。
【0037】
そして、後処理工程では、例えば、ろ過、殺菌、炭酸ガスの付加、容器への充填などの処理を必要に応じて選択的に行う。
なお、後処理工程のろ過処理は、一般的なフィルター又はストレーナーによって行うことができる。また、後処理工程の殺菌処理は、処理速度等の観点から、プレート殺菌によって行うのが好ましいが、同様の処理を行うことができるのであればこれに限定されることなく適用可能である。また、後処理工程の充填処理は、飲料品の製造において通常行われる程度にクリーン度を保ったクリーンルームにおいて充填するのが好ましい。そして、後処理工程での各処理の順序は特に限定されない。
なお、後処理工程のろ過処理は、一般的なフィルター又はストレーナーによって行うことができる。また、後処理工程の殺菌処理は、処理速度等の観点から、プレート殺菌によって行うのが好ましいが、同様の処理を行うことができるのであればこれに限定されることなく適用可能である。また、後処理工程の充填処理は、飲料品の製造において通常行われる程度にクリーン度を保ったクリーンルームにおいて充填するのが好ましい。そして、後処理工程での各処理の順序は特に限定されない。
【0038】
なお、混合工程及び後処理工程において行われる各処理は、ＲＴＤ飲料（ready to drink飲料）などを製造するために一般的に用いられている設備によって行うことができる。
【0039】
以上説明したように、本実施形態に係るアルコール飲料の製造方法によると、味の厚みと後味の余韻とグリーンレモン感とが増強しているアルコール飲料を製造することができる。また、本実施形態に係るアルコール飲料の製造方法によると、キレが増強しているとともに、渋味や雑味が低減しているアルコール飲料を製造することができる。
【0040】
［アルコール飲料の香味向上方法］
次に、本実施形態に係るアルコール飲料の香味向上方法を説明する。
本実施形態に係るアルコール飲料の香味向上方法は、アルコール飲料の味の厚みと後味の余韻とグリーンレモン感とを増強させる香味向上方法であって、１－オクテン－３－オンを含有させるとともに、リモネン、及び、シトラールのうちの少なくとも一方を含有させる方法である。
なお、各成分の含有量等については、前記した「アルコール飲料」において説明した値と同じである。
次に、本実施形態に係るアルコール飲料の香味向上方法を説明する。
本実施形態に係るアルコール飲料の香味向上方法は、アルコール飲料の味の厚みと後味の余韻とグリーンレモン感とを増強させる香味向上方法であって、１－オクテン－３－オンを含有させるとともに、リモネン、及び、シトラールのうちの少なくとも一方を含有させる方法である。
なお、各成分の含有量等については、前記した「アルコール飲料」において説明した値と同じである。
【0041】
以上説明したように、本実施形態に係るアルコール飲料の香味向上方法によると、アルコール飲料の味の厚みと後味の余韻とグリーンレモン感とを増強することができる。また、本実施形態に係るアルコール飲料の香味向上方法によると、アルコール飲料のキレを増強させるとともに、渋味や雑味を低減させることができる。
【実施例0042】
次に、本発明の要件を満たす実施例とそうでない比較例とを例示して、本発明について説明する。
【0043】
［サンプルの準備］
表１～１０の各サンプル（サンプル５－３以外）は、表に示す量となるように、ウォッカ、１－オクテン－３－オン、リモネン、シトラール、甘味料（果糖ブドウ糖液）、酸味料（クエン酸（無水）、クエン酸三ナトリウム）、炭酸水、純水を適宜配合してサンプルを準備した。
なお、表１～１０の各サンプル（サンプル５－３以外）の２０℃におけるガス圧（全圧）は２．３ｋｇ／ｃｍ２であった。
そして、エキス分は甘味料で調整し、酸度は酸味料で調整した。
表１～１０の各サンプル（サンプル５－３以外）は、表に示す量となるように、ウォッカ、１－オクテン－３－オン、リモネン、シトラール、甘味料（果糖ブドウ糖液）、酸味料（クエン酸（無水）、クエン酸三ナトリウム）、炭酸水、純水を適宜配合してサンプルを準備した。
なお、表１～１０の各サンプル（サンプル５－３以外）の２０℃におけるガス圧（全圧）は２．３ｋｇ／ｃｍ２であった。
そして、エキス分は甘味料で調整し、酸度は酸味料で調整した。
【0044】
一方、表５のサンプル５－３は、他のサンプルよりも製品の態様に類似させたサンプルであって、ウォッカ、レモン浸漬酒、１－オクテン－３－オン、レモン果汁、香料、酸味料（クエン酸（無水）、クエン酸三ナトリウム）、炭酸水、純水を配合してサンプルを準備した。
なお、表５のサンプル５－３の２０℃にガス圧（全圧）は２．３ｋｇ／ｃｍ２であり、レモン果汁の含有量（果汁率換算）は、０．１％であった。
なお、表５のサンプル５－３の２０℃にガス圧（全圧）は２．３ｋｇ／ｃｍ２であり、レモン果汁の含有量（果汁率換算）は、０．１％であった。
【0045】
［試験内容］
前記の方法により製造した各サンプルについて、訓練された識別能力のあるパネル（表１～５の試験は７名、表６～１０の試験は５名）が下記評価基準に則って「味の厚み」、「キレ」、「渋味や雑味」、「後味の余韻」、「グリーンレモン感」について、－２点、－１点、０点、１点、２点の５段階評価で点数付けし、その平均値を算出した。また、「飲み物としての美味しさ」は、Ａ、Ｂ、Ｃの３段階評価で評価した。
なお、全ての評価は、サンプルを飲んで評価した。
前記の方法により製造した各サンプルについて、訓練された識別能力のあるパネル（表１～５の試験は７名、表６～１０の試験は５名）が下記評価基準に則って「味の厚み」、「キレ」、「渋味や雑味」、「後味の余韻」、「グリーンレモン感」について、－２点、－１点、０点、１点、２点の５段階評価で点数付けし、その平均値を算出した。また、「飲み物としての美味しさ」は、Ａ、Ｂ、Ｃの３段階評価で評価した。
なお、全ての評価は、サンプルを飲んで評価した。
【0046】
そして、表１～５の各評価（「飲み物としての美味しさ」以外の評価）は、サンプル１－３（２－２、３－２、４－１、５－１）を対照サンプルとし、当該対照サンプルの１点（表に示す点数）を基準とした。
また、表６～１０の各評価（「飲み物としての美味しさ」以外の評価）は、サンプル６－３（７－２、８－２、９－１、１０－１）を対照サンプルとし、当該対照サンプルの１点（表に示す点数）を基準とした。
また、表６～１０の各評価（「飲み物としての美味しさ」以外の評価）は、サンプル６－３（７－２、８－２、９－１、１０－１）を対照サンプルとし、当該対照サンプルの１点（表に示す点数）を基準とした。
【0047】
（味の厚み：評価基準）
味の厚みの評価（表では「味に厚みが付与されているか」と示す）は、対照サンプルの１点を基準とし、味に厚みが付与されていると感じない場合を－２点、対照サンプルと同程度である場合を１点、味に厚みが付与されていると強く感じる場合を２点と評価した。そして、味の厚みについては、点数が高いほど増強されており、好ましいと判断できる。
味の厚みの評価（表では「味に厚みが付与されているか」と示す）は、対照サンプルの１点を基準とし、味に厚みが付与されていると感じない場合を－２点、対照サンプルと同程度である場合を１点、味に厚みが付与されていると強く感じる場合を２点と評価した。そして、味の厚みについては、点数が高いほど増強されており、好ましいと判断できる。
【0048】
ここで、「味の厚み」とは、全体的な香味のボリュームであり、ボリュームを強く感じるほど、点数が高くなる。
【0049】
（キレ：評価基準）
キレの評価（表では「キレのある味わいか」と示す）は、対照サンプルの１点を基準とし、キレのある味わいと感じない場合を－２点、対照サンプルと同程度である場合を１点、キレのある味わいと強く感じる場合を２点と評価した。そして、キレについては、点数が高いほど増強されており、好ましいと判断できる。
キレの評価（表では「キレのある味わいか」と示す）は、対照サンプルの１点を基準とし、キレのある味わいと感じない場合を－２点、対照サンプルと同程度である場合を１点、キレのある味わいと強く感じる場合を２点と評価した。そして、キレについては、点数が高いほど増強されており、好ましいと判断できる。
【0050】
ここで、「キレのある味わい」は、香味がまとまっており、全体的にスッキリとした味わいを感じると点数が高くなり、香味がまとまっておらず（ばらついており）、全体的にぼやけた味わいを感じると点数が低くなる。
【0051】
（渋味や雑味：評価基準）
渋味や雑味の評価（表では「渋味・雑味が低減されている」と示す）は、対照サンプルの１点を基準とし、渋味や雑味が低減されていると感じない場合を－２点、対照サンプルと同程度である場合を１点、渋味や雑味が低減されていると強く感じる場合を２点と評価した。そして、渋味や雑味については、点数が高いほど低減されており、好ましいと判断できる。
渋味や雑味の評価（表では「渋味・雑味が低減されている」と示す）は、対照サンプルの１点を基準とし、渋味や雑味が低減されていると感じない場合を－２点、対照サンプルと同程度である場合を１点、渋味や雑味が低減されていると強く感じる場合を２点と評価した。そして、渋味や雑味については、点数が高いほど低減されており、好ましいと判断できる。
【0052】
ここで、「渋味や雑味」は、柑橘様の香味やアルコールに由来する香味など、総合的に評価している。
【0053】
（後味の余韻：評価基準）
後味の余韻の評価（表では「後味に余韻があるか」と示す）は、対照サンプルの１点を基準とし、後味に余韻を感じない場合を－２点、対照サンプルと同程度である場合を１点、後味に余韻を強く感じる場合を２点と評価した。そして、後味の余韻については、点数が高いほど増強されており、好ましいと判断できる。
後味の余韻の評価（表では「後味に余韻があるか」と示す）は、対照サンプルの１点を基準とし、後味に余韻を感じない場合を－２点、対照サンプルと同程度である場合を１点、後味に余韻を強く感じる場合を２点と評価した。そして、後味の余韻については、点数が高いほど増強されており、好ましいと判断できる。
【0054】
ここで、「後味の余韻」は、後味における香味が強いとともに香味が長く口腔内に残ると点数が高くなり、後味における香味が弱いとともに香味が直ぐに口腔内から無くなると点数が低くなる。
【0055】
（グリーンレモン感：評価基準）
グリーンレモン感の評価（表では「グリーンレモンを想起させる味わいか」と示す）は、対照サンプルの１点を基準とし、グリーンレモンを想起させる味わいであると感じない場合を－２点、対照サンプルと同程度である場合を１点、グリーンレモンを想起させる味わいであると強く感じる場合を２点と評価した。そして、グリーンレモン感については、点数が高いほど増強されており、好ましいと判断できる。
グリーンレモン感の評価（表では「グリーンレモンを想起させる味わいか」と示す）は、対照サンプルの１点を基準とし、グリーンレモンを想起させる味わいであると感じない場合を－２点、対照サンプルと同程度である場合を１点、グリーンレモンを想起させる味わいであると強く感じる場合を２点と評価した。そして、グリーンレモン感については、点数が高いほど増強されており、好ましいと判断できる。
【0056】
ここで、「グリーンレモン感」とは、一般的なレモンの香味よりも、青みがかっており、フレッシュかつシャープな香味である。
【0057】
（飲み物としての美味しさ：評価基準）
飲み物としての美味しさの評価は、飲み物として美味しい場合をＡ、飲み物としての美味しさが普通である場合をＢ、飲み物として美味しくない場合をＣと評価した。
飲み物としての美味しさの評価は、飲み物として美味しい場合をＡ、飲み物としての美味しさが普通である場合をＢ、飲み物として美味しくない場合をＣと評価した。
【0058】
表に、各サンプルの含有量等を示すとともに、各評価の結果を示す。なお、表に示す各成分の数値および指標は、最終製品における含有量および指標である。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】
【表5】
【0064】
【表6】
【0065】
【表7】
【0066】
【表8】
【0067】
【表9】
【0068】
【表10】
【0069】
（結果の検討）
表１は、１－オクテン－３－オンとリモネンを含む態様の結果であって、リモネンの含有量を変化させた結果を示す。
表１の結果から、１－オクテン－３－オンを所定量含有する飲料にリモネンを含有させることで、各評価の点数が－０．３点以上となり、所望の各効果（味の厚みの増強効果、キレの増強効果、渋味や雑味の低減効果、後味の余韻の増強効果、グリーンレモン感の増強効果）が発揮されることが確認できた。
また、サンプル１－１の結果から、１－オクテン－３－オンを含有していてもリモネンを含有していなければ、各効果は全く発揮されないことも確認できた。
そして、全ての評価を考慮すると、サンプル１－１～１－５の中でも、サンプル１－２～１－５（特に、サンプル１－３～１－５）について好ましい結果が得られた。
表１は、１－オクテン－３－オンとリモネンを含む態様の結果であって、リモネンの含有量を変化させた結果を示す。
表１の結果から、１－オクテン－３－オンを所定量含有する飲料にリモネンを含有させることで、各評価の点数が－０．３点以上となり、所望の各効果（味の厚みの増強効果、キレの増強効果、渋味や雑味の低減効果、後味の余韻の増強効果、グリーンレモン感の増強効果）が発揮されることが確認できた。
また、サンプル１－１の結果から、１－オクテン－３－オンを含有していてもリモネンを含有していなければ、各効果は全く発揮されないことも確認できた。
そして、全ての評価を考慮すると、サンプル１－１～１－５の中でも、サンプル１－２～１－５（特に、サンプル１－３～１－５）について好ましい結果が得られた。
【0070】
表２は、１－オクテン－３－オンとリモネンを含む態様の結果であって、１－オクテン－３－オンの含有量を変化させた結果を示す。
表２の結果から、リモネンを所定量含有する飲料に１－オクテン－３－オンを含有させることで、各評価の点数が－０．３点以上となり、所望の各効果（味の厚みの増強効果、キレの増強効果、渋味や雑味の低減効果、後味の余韻の増強効果、グリーンレモン感の増強効果）が発揮されることが確認できた。
また、サンプル２－１の結果から、リモネンを含有していても１－オクテン－３－オンを含有していなければ、各効果（特に、味の厚みの増強効果、後味の余韻の増強効果、グリーンレモン感の増強効果）は十分に発揮されないことも確認できた。
そして、全ての評価を考慮すると、サンプル２－１～２－５の中でも、サンプル２－２～２－５（特に、サンプル２－２～２－４）について好ましい結果が得られた。
表２の結果から、リモネンを所定量含有する飲料に１－オクテン－３－オンを含有させることで、各評価の点数が－０．３点以上となり、所望の各効果（味の厚みの増強効果、キレの増強効果、渋味や雑味の低減効果、後味の余韻の増強効果、グリーンレモン感の増強効果）が発揮されることが確認できた。
また、サンプル２－１の結果から、リモネンを含有していても１－オクテン－３－オンを含有していなければ、各効果（特に、味の厚みの増強効果、後味の余韻の増強効果、グリーンレモン感の増強効果）は十分に発揮されないことも確認できた。
そして、全ての評価を考慮すると、サンプル２－１～２－５の中でも、サンプル２－２～２－５（特に、サンプル２－２～２－４）について好ましい結果が得られた。
【0071】
表３は、１－オクテン－３－オンとリモネンを含む態様の結果であって、アルコール度数を変化させた結果を示す。
表３の結果から、アルコール度数が所定範囲内であれば、所望の各効果が発揮されることが確認できた。
そして、全ての評価を考慮すると、サンプル３－１～３－３の中でも、サンプル３－２～３－３について非常に好ましい結果が得られた。
表３の結果から、アルコール度数が所定範囲内であれば、所望の各効果が発揮されることが確認できた。
そして、全ての評価を考慮すると、サンプル３－１～３－３の中でも、サンプル３－２～３－３について非常に好ましい結果が得られた。
【0072】
表４は、１－オクテン－３－オンとリモネンを含む態様の結果であって、エキス分（甘味度換算の甘味料の含有量）を変化させた結果を示す。
表４の結果から、エキス分（甘味度換算の甘味料の含有量）が所定範囲内であれば、所望の各効果が発揮されることが確認できた。
表４の結果から、エキス分（甘味度換算の甘味料の含有量）が所定範囲内であれば、所望の各効果が発揮されることが確認できた。
【0073】
表５（サンプル５－１～５－２）は、１－オクテン－３－オンとリモネンを含む態様の結果であって、酸度を変化させた結果を示す。
表５の結果から、酸度が所定範囲内であれば、所望の各効果が発揮されることが確認できた。
表５の結果から、酸度が所定範囲内であれば、所望の各効果が発揮されることが確認できた。
【0074】
表５のサンプル５－３は、製品に類似させた態様の結果である。
表５のサンプル５－３の結果から、レモン浸漬酒やレモン果汁や香料を含有させた場合であっても、１－オクテン－３－オンとリモネンとシトラールとを含有することによって、所望の各効果が発揮されることが確認できた。
つまり、本発明の要件を満たすことによって発揮される所望の各効果は、他の物質から大きな影響を受けない（少なくとも消失しない）ことが確認できた。
表５のサンプル５－３の結果から、レモン浸漬酒やレモン果汁や香料を含有させた場合であっても、１－オクテン－３－オンとリモネンとシトラールとを含有することによって、所望の各効果が発揮されることが確認できた。
つまり、本発明の要件を満たすことによって発揮される所望の各効果は、他の物質から大きな影響を受けない（少なくとも消失しない）ことが確認できた。
【0075】
表６は、１－オクテン－３－オンとシトラールを含む態様の結果であって、シトラールの含有量を変化させた結果を示す。
表６の結果から、１－オクテン－３－オンを所定量含有する飲料にシトラールを含有させることで、各評価の点数が－０．３点以上（好ましくは、０．１点以上）となり、所望の各効果（味の厚みの増強効果、キレの増強効果、渋味や雑味の低減効果、後味の余韻の増強効果、グリーンレモン感の増強効果）が発揮されることが確認できた。
また、サンプル６－１の結果から、１－オクテン－３－オンを含有していてもシトラールを含有していなければ、各効果は全く発揮されないことも確認できた。
そして、全ての評価を考慮すると、サンプル６－１～６－５の中でも、サンプル６－２～６－５（特に、サンプル６－３～１－４）について好ましい結果が得られた。
表６の結果から、１－オクテン－３－オンを所定量含有する飲料にシトラールを含有させることで、各評価の点数が－０．３点以上（好ましくは、０．１点以上）となり、所望の各効果（味の厚みの増強効果、キレの増強効果、渋味や雑味の低減効果、後味の余韻の増強効果、グリーンレモン感の増強効果）が発揮されることが確認できた。
また、サンプル６－１の結果から、１－オクテン－３－オンを含有していてもシトラールを含有していなければ、各効果は全く発揮されないことも確認できた。
そして、全ての評価を考慮すると、サンプル６－１～６－５の中でも、サンプル６－２～６－５（特に、サンプル６－３～１－４）について好ましい結果が得られた。
【0076】
表７は、１－オクテン－３－オンとシトラールを含む態様の結果であって、１－オクテン－３－オンの含有量を変化させた結果を示す。
表７の結果から、シトラールを所定量含有する飲料に１－オクテン－３－オンを含有させることで、各評価の点数が－０．３点以上（好ましくは、０．１点以上）となり、所望の各効果（味の厚みの増強効果、キレの増強効果、渋味や雑味の低減効果、後味の余韻の増強効果、グリーンレモン感の増強効果）が発揮されることが確認できた。
また、サンプル７－１の結果から、シトラールを含有していても１－オクテン－３－オンを含有していなければ、各効果（特に、グリーンレモン感の増強効果）は十分に発揮されないことも確認できた。
そして、全ての評価を考慮すると、サンプル７－１～７－５の中でも、サンプル７－２～７－５（特に、サンプル７－３～７－４）について好ましい結果が得られた。
表７の結果から、シトラールを所定量含有する飲料に１－オクテン－３－オンを含有させることで、各評価の点数が－０．３点以上（好ましくは、０．１点以上）となり、所望の各効果（味の厚みの増強効果、キレの増強効果、渋味や雑味の低減効果、後味の余韻の増強効果、グリーンレモン感の増強効果）が発揮されることが確認できた。
また、サンプル７－１の結果から、シトラールを含有していても１－オクテン－３－オンを含有していなければ、各効果（特に、グリーンレモン感の増強効果）は十分に発揮されないことも確認できた。
そして、全ての評価を考慮すると、サンプル７－１～７－５の中でも、サンプル７－２～７－５（特に、サンプル７－３～７－４）について好ましい結果が得られた。
【0077】
表８は、１－オクテン－３－オンとシトラールを含む態様の結果であって、アルコール度数を変化させた結果を示す。
表８の結果から、アルコール度数が所定範囲内であれば、所望の各効果が発揮されることが確認できた。
そして、全ての評価を考慮すると、サンプル８－１～８－３の中でも、サンプル８－２～８－３について非常に好ましい結果が得られた。
表８の結果から、アルコール度数が所定範囲内であれば、所望の各効果が発揮されることが確認できた。
そして、全ての評価を考慮すると、サンプル８－１～８－３の中でも、サンプル８－２～８－３について非常に好ましい結果が得られた。
【0078】
表９は、１－オクテン－３－オンとシトラールを含む態様の結果であって、エキス分（甘味度換算の甘味料の含有量）を変化させた結果を示す。
表９の結果から、エキス分（甘味度換算の甘味料の含有量）が所定範囲内であれば、所望の各効果が発揮されることが確認できた。
表９の結果から、エキス分（甘味度換算の甘味料の含有量）が所定範囲内であれば、所望の各効果が発揮されることが確認できた。
【0079】
表１０は、１－オクテン－３－オンとシトラールを含む態様の結果であって、酸度を変化させた結果を示す。
表１０の結果から、酸度が所定範囲内であれば、所望の各効果が発揮されることが確認できた。
表１０の結果から、酸度が所定範囲内であれば、所望の各効果が発揮されることが確認できた。