(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083104
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】設定支援装置、設定支援装置用プログラム及び光照射システム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/18 20200101AFI20240613BHJP
H05B 47/165 20200101ALI20240613BHJP
【FI】
H05B47/18
H05B47/165
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197431
(22)【出願日】2022-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】596099446
【氏名又は名称】シーシーエス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(74)【代理人】
【識別番号】100227673
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 光起
(72)【発明者】
【氏名】島田 浩平
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 良
(72)【発明者】
【氏名】加藤 俊也
(72)【発明者】
【氏名】谷 和信
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA03
3K273PA09
3K273QA29
3K273RA17
3K273TA03
3K273TA15
3K273TA18
3K273TA27
3K273TA28
3K273TA52
3K273TA57
3K273TA62
3K273TA76
3K273UA05
3K273UA13
3K273UA22
3K273VA09
(57)【要約】
【課題】照明用の電源装置に外部接続された電源設定装置を用いて、慣れない通信方式により電源装置の動作設定をする際のユーザの手間を低減し、誤操作を起こりにくくする。
【解決手段】光照射装置に給電してその発光態様を制御する電源装置との間で通信を行い、ユーザにより入力されるその通信方式に適合する設定コマンドを前記電源装置に出力することで前記電源装置の動作設定を行う電源設定装置の操作を支援するためのものであって、ある1つの通信方式に適合する設定コマンドの入力を受け付けると、当該受け付けた設定コマンドを、他の通信方式に適合する設定コマンドに変換して画面に表示させるコマンド変換部を備える設定支援装置。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光照射装置に給電してその発光態様を制御する電源装置との間で通信を行い、ユーザにより入力されるその通信方式に適合する設定コマンドを前記電源装置に出力することで前記電源装置の動作設定を行う電源設定装置の操作を支援するためのものであって、
ある1つの通信方式に適合する設定コマンドの入力を受け付けると、当該受け付けた設定コマンドを、他の通信方式に適合する設定コマンドに変換して画面に表示させるコマンド変換部を備える設定支援装置。
【請求項2】
前記コマンド変換部は、変換元の設定コマンドと変換後の設定コマンドの両方を画面に表示させる請求項1に記載の設定支援装置。
【請求項3】
前記コマンド変換部は、互いに異なる通信方式に適合する複数の設定コマンドを双方向に変換可能である請求項1に記載の設定支援装置。
【請求項4】
変換元の通信方式及び変換後の通信方式の指定を受け付ける変換設定受付部を更に備え、
前記コマンド変換部が、指定された変換元の通信方式に適合する設定コマンドの入力を受け付けると、当該受け付けた設定コマンドを、指定された変換後の通信方式に適合する設定コマンドに変換して画面に表示させる請求項1に記載の設定支援装置。
【請求項5】
変換元の通信方式又は変換後の通信方式の一方がEthernet通信であって、他方がパラレル通信であり、
前記コマンド変換部が、
Ethernet通信に適合する設定コマンドとして、コマンドを示す文字列を画面に表示し、
パラレル通信に適合する設定コマンドとして、パラレルポートが有する各ピンに対する信号入力のオン・オフに関する情報を画面に表示する請求項1に記載の設定支援装置。
【請求項6】
前記コマンド変換部が、パラレルポートを模した仮想パラレルポートを画面に表示させるとともに、当該仮想パラレルポートにおける各ピンの態様により各ピンに対する信号入力のオン・オフを示す請求項5に記載の設定支援装置。
【請求項7】
変換元の通信方式がパラレル通信であり、
画面上で前記仮想パラレルポートの各ピンに対してユーザがクリック又はタップすることで、前記コマンド変換部が設定コマンドの入力を受け付ける請求項6に記載の設定支援装置。
【請求項8】
光照射装置に給電してその発光態様を制御する電源装置との間で通信を行い、ユーザにより入力されるその通信方式に適合する設定コマンドを前記電源装置に出力することで前記電源装置の動作設定を行う電源設定装置の操作を支援する設定支援装置用のプログラムであって、
ある1つの通信方式に適合する設定コマンドの入力を受け付けると、当該受け付けた設定コマンドを、他の通信方式に適合する設定コマンドに変換して画面に表示させるコマンド変換部としての機能をコンピュータに発揮させる設定支援装置用のプログラム。
【請求項9】
光照射装置と、
当該光照射装置に給電してその発光態様を制御する電源装置と、
当該電源装置との間で通信を行い、ユーザにより入力されるその通信方式に適合する設定コマンドを前記電源装置に出力することで、前記電源装置の動作設定を行う電源設定装置と、
前記電源設定装置を用いた前記動作設定の操作を支援するための設定支援装置とを備え、
当該設定支援装置は、ある1つの通信方式に適合する設定コマンドの入力を受け付けると、当該受け付けた設定コマンドを、他の通信方式に適合する設定コマンドに変換して画面に表示させる光照射システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明用の電源装置の設定操作を支援する設定支援装置、設定支援装置用プログラム及びこれを備える光照射システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば製品の外観検査等に用いられる検査用の光照射システムとしては、光照射装置と、この光照射装置に給電してその発光態様を制御する電源装置と、電源装置との間で通信を行い、その動作設定(例えば調光値等の設定)を行う電源設定装置とを備えるものがある(特許文献1参照)。このような電源設定装置は、例えばLANケーブルやパラレル通信用ケーブル等の通信ケーブルを介して電源装置に接続されており、ユーザは、各通信方式に適合する形式で表現された設定コマンドを電源設定装置の画面上で入力することで、電源装置の動作設定を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したような電源設定装置では、電源装置に対して同じ動作設定を行う場合であっても、電源設定装置に入力する設定コマンドは通信方式によって異なっている。例えば、Ethernet通信により動作設定を行う場合には、コマンドを示す文字列(コマンド文字列)を電源設定装置に入力する必要があり、一方でパラレル通信により動作設定を行う場合には、パラレルポートが有する各ピンへの信号入力のオン・オフを電源設定装置に入力する必要がある。そのため、例えばパラレル通信により電源装置の動作設定を長年行っていたユーザが、電源装置の買い替え等により慣れていないEthernet通信による動作設定への変更を余儀なくされる場合、ユーザは、製品の取扱説明書を見てEthernet通信による設定コマンドを逐一思案しながら動作設定を行う必要があり、非常に手間がかかるともに、設定ミス等の誤操作が起こりやすいという問題がある。
【0005】
本発明はこのような問題を解決すべくなされたものであり、電源装置に外部接続された電源設定装置を用いて、慣れない通信方式により電源装置の動作設定をする際のユーザの手間を低減し、誤操作を起こりにくくすることを主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち本発明にかかる設定支援装置は、光照射装置に給電してその発光態様を制御する電源装置との間で通信を行い、ユーザにより入力されるその通信方式に適合する設定コマンドを前記電源装置に出力することで前記電源装置の動作設定を行う電源設定装置の操作を支援するためのものであって、ある1つの通信方式に適合する設定コマンドの入力を受け付けると、当該受け付けた設定コマンドを、他の通信方式に適合する設定コマンドに変換して画面に表示させるコマンド変換部を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
このように構成した本発明によれば、ある1つの通信方式に適合する設定コマンドの入力を受け付けると、当該受け付けた設定コマンドを、他の通信方式に適合する設定コマンドに変換して画面に表示させるように構成されているので、ユーザはある1つの通信方式による動作設定に慣れていれば、その通信方式における設定コマンドを入力して変換することで、これに対応する他の通信方式による設定コマンドを画面上で簡単に知ることができる。そのためユーザは、慣れない通信方式により電源装置の動作設定を行う場合であっても、製品の取扱説明書を見ながら設定コマンドを逐一思案する必要がないので、動作設定の手間を低減し、誤操作が起こりにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る光照射システムの構成を示す模式図。
【
図2】同実施形態の電源装置の外観を模式的に示す図。
【
図3】同実施形態の設定支援装置の構成を示す機能ブロック図。
【
図4】同実施形態の設定支援装置を用いて、Ethernet通信に適合する設定コマンドをパラレル通信に適合する設定コマンドに変換する動作を説明する図。
【
図5】同実施形態の設定支援装置を用いて、パラレル通信に適合する設定コマンドをEthernet通信に適合する設定コマンドに変換する動作を説明する図。
【
図6】他の実施形態のコマンド変換画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本発明の一実施形態に係る設定支援装置4を備える光照射システム100について図面を参照して説明する。
【0010】
本実施形態の設定支援装置4は、例えば工場等において製品等のワークの表面検査を行うための検査用の光照射システム100に用いられるものである。具体的にこの光照射システム100は、
図1に示すように、検査光を照射する検査用の光照射装置1と、電力供給用のコードを介して光照射装置1に給電してその発光態様を制御する電源装置2と、当該電源装置2との間で通信を行い、その給電動作を設定する電源設定装置3と、当該電源設定装置3の操作を支援するための設定支援装置4とを備える。
【0011】
光照射装置1は、例えばLEDを光源として具備するものであり、電源装置2から供給される電力により、その明るさ、発光時間及び発光タイミングが制御されるものである。光照射システム100は1又は複数の光照射装置1を備えている。
【0012】
電源装置2は、光照射装置1に給電するためのチャネル(すなわち電源経路)を1又は複数有するものである。本実施形態の電源装置2は、複数のチャネルを有するマルチチャネル型のものであり、電力供給用のコードを介して各チャネルに接続された複数の光照射装置1に個別の態様で給電し、その発光態様を個別に制御するものである。
【0013】
この電源装置2は、CPU、メモリ等を備えたコンピュータであり、メモリに格納された所定のプログラムに従って、CPUやその周辺機器が協働することにより、設定記憶部21及び電力供給部22としての機能を少なくとも発揮する。
【0014】
設定記憶部21は、各チャネルに対する給電動作の設定を記憶するものであり、例えば、各チャネルに対する調光値、発光時間及び発光タイミング等の設定を記憶するものである。設定記憶部21は、電源設定装置3から出力される設定コマンドを受け付け、これを保存する。
【0015】
電力供給部22は、設定記憶部21を参照し、予め設定された給電動作で各チャネルに電力を出力する。この電力供給部22は、例えば商用電圧を光照射装置1に供給するための直流電圧に変換するAC/DCコンバータ等を具備するものである。
【0016】
本実施形態の電源装置2は、異なる複数の通信方式により電源設定装置3と接続できるよう構成されている。具体的にこの電源装置2は、
図2に示すように、LANケーブルが接続されるLANポートP1と、パラレル通信用ケーブルが接続されるパラレルポートP2とが筐体の一側面に設けられており、ユーザの選択により、LANケーブルを介したEthernet通信、又はパラレル通信用ケーブルを介したパラレル通信のいずれかの通信方式により電源設定装置3と接続できるよう構成されている。
【0017】
電源設定装置3は、通信用ケーブルを介して電源装置2に外部接続されている。具体的にこの電源設定装置3は、マウスやキーボードやタッチパネル等の各種入力装置、CPU、メモリ、ディスプレイ等を備えたコンピュータであり、メモリに格納された所定のプログラムに従って、CPUやその周辺機器が協働することにより、電源設定部としての機能を発揮する。
【0018】
具体的にこの電源設定装置3は、設定コマンドの入力を、入力装置を介してユーザから受け付ける。より具体的にこの電源設定装置3は、設定コマンドを入力するための所定の設定画面をディスプレイに表示させ、ユーザは、電源装置2との間の通信方式に適合する設定コマンドを設定画面に入力する。この設定コマンドは、少なくとも、設定を行う対象のチャネル番号に関する情報と、調光値、発光時間又は発光タイミングとに関する情報とを表すものであり、その表示形式は電源装置2との間の通信方式(例えばEthernet通信、パラレル通信又はシリアル通信)により異なる。例えば電源装置2と電源設定装置3とがEthernet通信により接続されている場合には、ユーザは、設定コマンドとしてコマンドを示す文字列(コマンド文字列)を設定画面に入力する。また電源装置2と電源設定装置3とがパラレル通信により接続されている場合には、ユーザは、設定コマンドとして、パラレルポートP2が有する各ピンに対する信号入力のオン・オフに関する情報を設定画面に入力する。そして電源設定装置3は、ユーザにより入力された、通信方式に適合する形式で表現された設定コマンドを電源装置2に出力することでその動作設定を行う。
【0019】
設定支援装置4は、ユーザによる電源設定装置3の操作(具体的には電源設定装置3の設定画面への設定コマンドの入力操作)を支援するためのものである。より具体的にこの設定支援装置4は、ユーザにより入力された、ある通信方式に適合する形式で表現された設定コマンドを、異なる他の通信方式に適合する形式で表現された設定コマンドに変換するものである。
【0020】
具体的にこの設定支援装置4は、マウスやキーボードやタッチパネル等の各種入力装置41と、CPU及びメモリを備える装置本体42と、ディスプレイ43とを備えたコンピュータである。本実施形態の設定支援装置4は、電源設定装置3とは別体として設けられたタブレット端末であるが、これに限らずスマートフォンやパソコンであってもよい。そしてこの設定支援装置4は、メモリに格納された所定のプログラムに従って、CPUやその周辺機器が協働することにより、
図3に示すように、少なくとも変換設定受付部42a、コマンド情報記憶部42b及びコマンド変換部42cとしての機能を発揮する。
【0021】
変換設定受付部42aは、変換元となる設定コマンドに関する情報(変換元情報)と、変換後の設定コマンドに関する情報(変換後情報)の入力を入力装置41から受け付けるものである。変換元情報は、少なくとも変換元となる通信方式に関する情報を含むものであり、その他にも電源装置2の機種に関する情報(種類や型式等)等を含んでもよい。変換後情報は、少なくとも変換後の通信方式に関する情報を含むものであり、その他にも電源装置2の機種に関する情報等を含んでもよい。ユーザは、これらの変換元情報と変換後情報をディスプレイ43に表示された変換設定画面(図示しない)に入力することで、変換元及び変換後の通信方式、更には電源装置2の機種を指定することができる。
【0022】
コマンド情報記憶部42bは、異なる複数の通信方式間における設定コマンドの対応関係を示す情報(コマンド対応情報)を記憶しているものである。このコマンド対応情報は、例えば、異なる複数の通信方式のそれぞれの設定コマンドの対応関係をテーブル形式で示す情報や演算式で示す情報等である。このコマンド対応情報は、予め記憶されているものであり、外部との通信を行うことで定期的に又は不定期に更新されるものであってもよい。なおコマンド対応情報は、異なる複数の通信方式間に加えて、電源装置2の異なる機種間における設定コマンドの対応関係を示すものであってもよい。
【0023】
コマンド変換部42cは、ユーザにより指定されたある通信方式に適合する形式で表現された設定コマンドの入力を受け付け、これをユーザにより指定された他の通信方式に適合する形式で表現された設定コマンドに変換し、当該変換後の設定コマンドをディスプレイ43の画面(コマンド変換画面)S1に表示させる。具体的にコマンド変換部42cは、変換設定受付部42aが受け付けた変換元情報及び変換後情報と、コマンド情報記憶部42bが記憶しているコマンド対応情報とを参照し、変換元情報が示す通信方式に適合する設定コマンドが入力されると、コマンド対応情報を用いて、当該設定コマンドを、変換後情報が示す通信方式に適合する形式に変換する。
【0024】
このコマンド変換部42cは、異なる通信方式に適合する形式で表現された複数の設定コマンドを、双方向に変換可能に構成されている。例えばコマンド変換部42cは、Ethernet通信に適合する設定コマンドと、パラレル通信に適合する設定コマンドとを双方向に変換可能に構成されている。なお本実施形態のコマンド変換部42cは、変換元の設定コマンドと変換後の設定コマンドの両方を同一画面上に表示させる。
【0025】
ここで、
図4及び
図5を参照して、コマンド変換部42cによるコマンド変換の動作を、コマンド変換画面S1の例とともに説明する。
【0026】
(Ethernet通信からパラレル通信への設定コマンドの変換)
図4は、Ethernet通信に適合する形式で表現された設定コマンドを、パラレル通信に適合する形式で表現された設定コマンドに変換する動作、及び当該動作におけるコマンド変換画面S1の例を示している。なおユーザは、変更元の電源装置2の通信方式(Ethernet通信)に関する情報と、変更後の電源装置2の通信方式(パラレル通信)に関する情報とを、予め変換設定画面で入力している。
【0027】
図4の(a)~(c)に示すように、コマンド変換部42cは、変換元となる設定コマンドを入力するための変換元コマンド入力領域R1と、変換後の設定コマンドを出力(表示)させる変換後コマンド表示領域R2と、変換処理の実行を受け付ける変換ボタンBとを、コマンド変換画面S1に表示する。ここでは、変換元コマンド入力領域R1には、Ethernet通信に適合するコマンド文字列を入力可能な入力フィールドが表示され、変換後コマンド表示領域R2には、パラレルポートP2をイラスト又は写真等で模した仮想パラレルポートが表示される。
【0028】
ユーザは、コマンド変換画面S1上で入力フィールドをクリック又はタップし(
図4の(a))、次いでキーボード等を用いて、変換元となるコマンド文字列を入力フィールドに入力する(
図4の(b))。そしてユーザが変換ボタンBをクリック又はタップすると、変換後の設定コマンドが変換後コマンド表示領域R2に表示される(
図4の(c))。具体的には、仮想パラレルポートにおける各ピンの態様(例えば色、形状、又は大きさ等)に変化をつけることにより、パラレル通信に適合する変換後の設定コマンド(すなわち、各ピンに対する信号入力のオン・オフに関する情報)を表示する。
【0029】
(パラレル通信からEthernet通信への設定コマンドの変換)
図5は、パラレル通信に適合する形式で表現された設定コマンドを、Ethernet通信に適合する形式で表現された設定コマンドに変換する動作、及び当該動作におけるコマンド変換画面S1の例を示している。なおユーザは、変更元の電源装置2の通信方式(パラレル通信)に関する情報と、変更後の電源装置2の通信方式(Ethernet通信)に関する情報とを、変換設定画面で予め入力している。
【0030】
図5の(a)及び(b)に示すように、コマンド変換部42cは、変換元コマンド入力領域R1と、変換後コマンド表示領域R2と、変換ボタンBとを、コマンド変換画面S1に表示する。ここでは、変換元コマンド入力領域R1には、パラレルポートP2を模した仮想パラレルポートが表示され、変換後コマンド表示領域R2には、Ethernet通信に適合するコマンド文字列を表示するためのボックスが表示される。
【0031】
ユーザは、コマンド変換画面S1上で仮想パラレルポートの各ピン(具体的には信号の入力をオンにするピン)をクリック又はタップすることで、変換元となるパラレル通信の設定コマンド(すなわち、各ピンに対する信号のオン・オフに関する情報)を入力する(
図5の(a))。ここで
図5の(a)に示すように、信号の入力がオンであるピンは、仮想パラレルポート上において、信号の入力がオフであるピンとは態様(例えば色、形状、又は大きさ等)に変化がつけて表示される。そしてユーザが変換ボタンBをクリック又はタップすると、変換後の設定コマンドが変換後コマンド表示領域R2に表示される(
図5の(b))。具体的には、Ethernet通信に適合するコマンド文字列がボックスに表示される。
【0032】
このように構成された本実施形態の光照射システム100によれば、ある1つの通信方式に適合する設定コマンドの入力を受け付けると、当該受け付けた設定コマンドを、他の通信方式に適合する設定コマンドに変換して画面に表示させるように構成された設定支援装置4を備えるので、ユーザは、ある1つの通信方式による動作設定に慣れていれば、その通信方式における設定コマンドを入力して変換することで、これに対応する他の通信方式による設定コマンドを画面上で簡単に知ることができる。そのためユーザは、慣れない通信方式により電源装置2の動作設定を行う場合であっても、製品の取扱説明書を見ながら設定コマンドを逐一思案する必要がないので、動作設定の手間を低減し、誤操作が起こりにくくなる。
【0033】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
例えば、前記実施形態では、設定支援装置4は電源設定装置3とは別体(すなわち、異なるコンピュータ)として設けられていたがこれに限らない。他の実施形態では、電源設定装置3と設定支援装置4とが一体(すなわち同一のコンピュータ)で構成されてもよい。例えば、設定支援装置4が備える変換設定受付部42a、コマンド情報記憶部42b及びコマンド変換部42cとしての機能の一部又は全部が、電源設定装置3により発揮されてもよい。また設定支援装置4が備える機能の一部又は全部は、インターネット等の通信ネットワークを介して電源設定装置3や設定支援装置4に接続されたサーバに担わせてもよい。
【0034】
また前記実施形態では、変換設定画面において変換元及び変換後の通信方式のみを指定するようにしていたが、これに限らない。他の実施形態では、変換設定画面において変換元及び変換後の通信方式に加えて電源装置2の機種を指定するようにしてもよい。
【0035】
また前記実施形態では、異なる通信方式として、Ethernet通信、パラレル通信又はシリアル通信を挙げていたがこれに限らない。本明細書において“異なる通信方式”とは、電源装置2に対する設定コマンドが互いに異なる通信方式を意味し、例えば同じEthernet通信であっても、電源装置2の機種の違いやEthernet通信の規格の違いにより通信方式が異なるのであれば、それらは異なる通信方式である。そのため他の実施形態のコマンド変換部42cは、ある規格のEthernet通信(又はパラレル通信)に適合する設定コマンドの入力を受け付け、これを他の規格のEthernet通信(又はパラレル通信)に適合する設定コマンドに変換して画面に表示させるようにしてもよい。
【0036】
他の実施形態のコマンド変換部42cは、コマンド変換画面S1に変換ボタンBを表示させなくてもよい。この場合、例えば変換元コマンド入力領域R1に変換元の設定コマンドが入力されると、自動的に、又はユーザがキーボードの実行キーを押すことにより、変換後コマンド表示領域R2に変換後の設定コマンドを表示するようにしてもよい。
【0037】
また前記実施形態のコマンド変換部42cは、変換元コマンド入力領域R1と変換後コマンド表示領域R2とを同一画面に表示していたがこれに限らない。他の実施形態のコマンド変換部42cは、変換元コマンド入力領域R1と変換後コマンド表示領域R2とを別々の画面に表示するようにしてもよい。例えば変換元コマンド入力領域R1に設定コマンドを入力すると、画面が切り替わって、変換後コマンド表示領域R2が表示されるように構成されてもよい。
【0038】
また前記実施形態では、変換元又は変換後の通信方式としてパラレル通信を指定する場合、パラレルポートを模した仮想パラレルポートをコマンド変換画面S1に表示させ、この仮想パラレルポートの各ピンの態様により各ピンに対する信号入力のオン・オフを示すようにしていたがこれに限らない。他の実施形態では、例えば
図6に示すように、パラレルポートのピン番号と、各ピン番号に対応する設定内容との対応関係を示す表をコマンド変換画面S1に表示させ、この表の態様に変化をつける(例えば、ピン番号を示すセルの色を変える等)ことにより、パラレル通信に適合する設定コマンドを表示するようにしてもよい。また変換元の通信方式としてパラレル通信を指定する場合には、当該表のセルをクリック又はタップすることで、変換元のパラレル通信の設定コマンドを入力するようにしてもよい。
【0039】
また前記光照射システム100が備える電源装置2は、複数の通信方式により電源設定装置3と接続できるものであったがこれに限らない。他の実施形態では、電源装置2は、特定の1つの通信方式によってのみ電源設定装置3と接続されるものであってもよい。
【0040】
また前記実施形態の光照射システム100は検査用のものであったがこれに限らない。他の実施形態では、例えば露光用等、検査用以外の他の用途で用いられても良い。
【0041】
さらに本明細書の開示内容は、以下に例示する態様1~9を含み得る。
【0042】
(態様1)光照射装置に給電してその発光態様を制御する電源装置との間で通信を行い、ユーザにより入力されるその通信方式に適合する設定コマンドを前記電源装置に出力することで前記電源装置の動作設定を行う電源設定装置の操作を支援するためのものであって、ある1つの通信方式に適合する設定コマンドの入力を受け付けると、当該受け付けた設定コマンドを、他の通信方式に適合する設定コマンドに変換して画面に表示させるコマンド変換部を備える設定支援装置。
このような態様であれば、ある1つの通信方式に適合する設定コマンドの入力を受け付けると、当該受け付けた設定コマンドを、他の通信方式に適合する設定コマンドに変換して画面に表示させるように構成されているので、ユーザは、ある1つの通信方式による動作設定に慣れていれば、その通信方式における設定コマンドを入力して変換することで、これに対応する他の通信方式による設定コマンドを画面上で簡単に知ることができる。そのためユーザは、慣れない通信方式により電源装置の動作設定を行う場合であっても、製品の取扱説明書を見ながら設定コマンドを逐一思案する必要がないので、動作設定の手間を低減し、誤操作が起こりにくくなる。
【0043】
(態様2)前記コマンド変換部は、変換元の設定コマンドと変換後の設定コマンドの両方を画面に表示させる態様1に記載の設定支援装置。
このような態様であれば、変換元と変換後の両方の設定コマンドを画面上で確認できるので、誤操作を一層低減できる。
【0044】
(態様3)前記コマンド変換部は、互いに異なる通信方式に適合する複数の設定コマンドを双方向に変換可能である態様1又は2に記載の設定支援装置。
このような態様であれば、慣れない通信方式における設定コマンドが、意図した内容になっているかを、慣れた通信方式における設定コマンドにより確認できるので、誤操作をより一層低減できる。
【0045】
(態様4)変換元の通信方式及び変換後の通信方式の指定を受け付ける変換設定受付部を更に備え、前記コマンド変換部が、指定された変換元の通信方式に適合する設定コマンドの入力を受け付けると、当該受け付けた設定コマンドを、指定された変換後の通信方式に適合する設定コマンドに変換して画面に表示させる態様1~3のいずれかに記載の設定支援装置。
このような態様であれば、変換元の通信方式と変換後の通信方式をユーザが任意に指定できるので、ユーザ利便性を向上できる。
【0046】
(態様5)変換元の通信方式又は変換後の通信方式の一方がEthernet通信であって、他方がパラレル通信であり、前記コマンド変換部が、Ethernet通信に適合する設定コマンドとして、コマンドを示す文字列を画面に表示し、パラレル通信に適合する設定コマンドとして、パラレルポートが有する各ピンに対する信号入力のオン・オフに関する情報を画面に表示する態様1~4のいずれかに記載の設定支援装置。
設定コマンドとしてコマンド文字列を入力するEthernet通信による動作設定と、設定コマンドとして各ピンへの信号入力のオン・オフを入力するパラレル通信による動作設定とでは、その操作言語が著しく異なるため、このような態様であれば、本発明の効果がより一層顕著となる。
【0047】
(態様6)前記コマンド変換部が、パラレルポートを模した仮想パラレルポートを画面に表示させるとともに、当該仮想パラレルポートにおける各ピンの態様により各ピンに対する信号入力のオン・オフを示す態様5に記載の設定支援装置。
このような態様であれば、ユーザは仮想パラレルポートを見ることで各ピンへの信号のオン・オフを直感的に把握できるので、動作設定の際の手間をより一層低減できる。
【0048】
(態様7)変換元の通信方式がパラレル通信であり、画面上で前記仮想パラレルポートの各ピンに対してユーザがクリック又はタップすることで、前記コマンド変換部が設定コマンドの入力を受け付ける態様6に記載の設定支援装置。
このような態様であれば、仮想パラレルポート上のピンをクリック又はタップするだけで設定コマンドを入力できるので、設定コマンドを入力する際の操作性を向上できるとともに、誤操作を低減できる。
【0049】
(態様8)光照射装置に給電してその発光態様を制御する電源装置との間で通信を行い、ユーザにより入力されるその通信方式に適合する設定コマンドを前記電源装置に出力することで前記電源装置の動作設定を行う電源設定装置の操作を支援する設定支援装置用のプログラムであって、ある1つの通信方式に適合する設定コマンドの入力を受け付けると、当該受け付けた設定コマンドを、他の通信方式に適合する設定コマンドに変換して画面に表示させるコマンド変換部としての機能をコンピュータに発揮させる設定支援装置用のプログラム。
このような設定支援装置用のプログラムであれば、本発明の設定支援装置と同様の作用効果を奏し得る。
【0050】
(態様9)光照射装置と、当該光照射装置に給電してその発光態様を制御する電源装置と、当該電源装置との間で通信を行い、ユーザにより入力されるその通信方式に適合する設定コマンドを前記電源装置に出力することで、前記電源装置の動作設定を行う電源設定装置と、前記電源設定装置を用いた前記動作設定の操作を支援するための設定支援装置とを備え、当該設定支援装置は、ある1つの通信方式に適合する設定コマンドの入力を受け付けると、当該受け付けた設定コマンドを、他の通信方式に適合する設定コマンドに変換して画面に表示させる光照射システム。
このような光照射システムであれば、本発明の設定支援装置と同様の作用効果を奏し得る。
【0051】
その他、本発明は前記各実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0052】
100・・・光照射システム
1 ・・・光照射装置
2 ・・・電源装置
3 ・・・電源設定装置
4 ・・・設定支援装置
42c・・・コマンド変換部