(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008313
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
A47L 5/24 20060101AFI20240112BHJP
B25F 5/00 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
A47L5/24 A
B25F5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022110077
(22)【出願日】2022-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】工機ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136375
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 弘実
(74)【代理人】
【識別番号】100079290
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 隆
(72)【発明者】
【氏名】岡田 雅則
(72)【発明者】
【氏名】小杉 新悟
(72)【発明者】
【氏名】谷口 武史
【テーマコード(参考)】
3C064
【Fターム(参考)】
3C064AA04
3C064AA20
3C064AB01
3C064AB02
3C064AB10
3C064AC02
3C064BA01
3C064BA02
3C064BA11
3C064BA12
3C064BA13
3C064BA18
3C064BA33
3C064BB82
3C064CB82
(57)【要約】
【課題】作業性を向上した作業機を提供する。
【解決手段】作業機1は、モータ92と、モータ92の駆動力を受けて動作するファン93と、モータ92及びファン93を有する本体部と、本体部の表面の少なくとも一部を覆う集塵ケース30と、本体部と集塵ケース30との間に着脱可能に装着される引出部40と、を有する。本体部は、引出部40に係合する爪部23を有する。引出部40は、爪部23に係合するラッチ係合部48及び、集塵ケース30に係合する爪部47を有する。集塵ケース30は、爪部47に係合するラッチ係合部35を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、
前記モータの駆動力を受けて動作する動作部と、
前記モータ及び前記動作部を有する本体部と、
前記本体部の表面の少なくとも一部を覆うカバー部と、
前記本体部と前記カバー部との間に着脱可能に装着される別体部材と、を有し、
前記本体部は、前記別体部材に係合する第1係合部を有し、
前記別体部材は、前記第1係合部に係合する第2係合部及び、前記カバー部に係合する第3係合部を有し、
前記カバー部は、前記第3係合部に係合する第4係合部を有する、作業機。
【請求項2】
前記別体部材は、前記第2係合部と離間した位置において、前記カバー部の内面と当接する第1当接部を有する、請求項1に記載の作業機。
【請求項3】
前記カバー部は、第1方向の一方側が先細となる筒形状を有し、
前記別体部材は、
前記第1方向の一方側に前記第1当接部を有し、前記第1当接部が前記カバー部の内面に当接することで前記第1方向の一方側への移動が規制され、
前記第1方向の他方側に前記第3係合部を有し、前記第3係合部が前記第4係合部に係合することで前記第1方向の他方側への移動が規制される、請求項2に記載の作業機。
【請求項4】
前記本体部は、前記モータ及び前記動作部を有する本体ハウジングと、前記本体ハウジングに装着されるフィルタ部と、を有し、
前記フィルタ部は、前記第1方向の一方側に移動することで、前記本体ハウジングから離脱可能であり、
前記別体部材は、前記フィルタ部に対して前記第1方向の一方側に当接し、前記フィルタ部の移動を規制する第2当接部を有する、請求項3に記載の作業機。
【請求項5】
前記フィルタ部は、前記第1方向に延びる柱状に形成され、
前記第2当接部は、前記フィルタ部の中心軸上において前記フィルタ部と当接する、請求項4に記載の作業機。
【請求項6】
前記別体部材は、環状部を有し、前記環状部を前記本体部が貫通する、請求項3に記載の作業機。
【請求項7】
前記別体部材は、前記第1方向の他方側における前記カバー部の端部から前記第1方向の他方側に延出する延出部を有する、請求項3に記載の作業機。
【請求項8】
前記第4係合部は、前記カバー部に設けられた開口であり、
前記第3係合部は、前記別体部材から立設し、前記第4係合部に挿入されることで前記第4係合部と係合する突起であり、
前記カバー部は、前記第3係合部の立設方向において、前記本体部との間に前記別体部材を挟み込む、請求項1に記載の作業機。
【請求項9】
前記第2係合部は、前記別体部材に設けられた開口であり、
前記第1係合部は、前記本体部から立設し、前記第2係合部に挿入されることで前記第2係合部と係合する突起であり、
前記第1係合部の立設方向は、前記第3係合部の立設方向と平行である、請求項8に記載の作業機。
【請求項10】
前記本体部は、前記カバー部と係合する第5係合部を有し、
前記カバー部は、前記第5係合部に係合する第6係合部を有する、請求項1に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーナ等の作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1は、本体部に対して集塵ケースが装着される構造の作業機を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような作業機において、集塵ケース内の塵埃を掻き出す掻出部材や、本体部に設けられるフィルタの除塵を行う除塵機構などの別体部材を設ける要望がある。別体部材を係止するために本体部や集塵ケースの係合部が多くなると、係合部の設置スペースを確保するために製品が大型化し、作業性が損なわれる恐れがある。
【0005】
本発明の目的は、作業性を向上した作業機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様は、作業機である。この作業機は、
モータと、
前記モータの駆動力を受けて動作する動作部と、
前記モータ及び前記動作部を有する本体部と、
前記本体部の表面の少なくとも一部を覆うカバー部と、
前記本体部と前記カバー部との間に着脱可能に装着される別体部材と、を有し、
前記本体部は、前記別体部材に係合する第1係合部を有し、
前記別体部材は、前記第1係合部に係合する第2係合部及び、前記カバー部に係合する第3係合部を有し、
前記カバー部は、前記第3係合部に係合する第4係合部を有する。
【0007】
本発明は「電動作業機」や「電動工具」、「電気機器」等と表現されてもよく、そのように表現されたものも本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、作業性を向上した作業機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】(A)は、本発明の実施の形態1に係る作業機1の左側面図。(B)は、作業機1の底面図。
【
図2】(A)は、
図1(B)のA-A断面図。(B)は、
図2(A)のB部拡大図。(C)は、
図2(A)のC部拡大図。
【
図3】(A)は、
図2(A)の前部拡大図。(B)は、
図3(A)において覆い部51が変形して流入口31が開いた状態の図。
【
図5】作業機1の分解斜視図であって、集塵ケース30及び引出部40を本体ハウジング10から分離した状態の斜視図。
【
図6】集塵ケース30及び引出部40の分離状態の斜視図。
【
図8】本発明の実施の形態2に係る作業機2の要部分解斜視図。
【
図9】(A)は、作業機2の要部断面図。(B)は、
図9(A)のB1部拡大図。(C)は、
図9(A)のC1部拡大図。
【
図10】本発明の実施の形態3に係る作業機3の要部分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施の形態1)
図1~
図7は、本発明の実施の形態1に係る作業機1に関する。作業機1は電池パック19の電力で動作するコードレスタイプのクリーナ(集塵装置)である。
【0011】
図1(A),(B)により、作業機1の互いに直交する前後、上下、左右方向を定義する。前後方向は、モータ92の駆動軸92aと平行な方向である。前後方向は、第1方向に対応する。前方側は、第1方向の一方側に対応する。後方側は、第1方向の他方側に対応する。左右方向は、駆動軸92aとハンドル部12の中心軸線とが存在する仮想平面と垂直な方向である。
【0012】
作業機1は、本体ハウジング10を有する。本体ハウジング10は、例えば左右二分割の樹脂成形体をネジ止め等により互いに固定、一体化したものである。本体ハウジング10は、モータ収容部11、ハンドル部12、電池パック装着部13を含む。
【0013】
モータ収容部11は、中心軸が前後方向と平行な筒形状、例えば略円筒形状を成す。
図2(A)に示すように、モータ収容部11は内部に、駆動部としてのモータ92、及び動作部としてのファン93を収容する。
【0014】
図3(A)に示すように、モータ収容部11は、ファン93の前方に吸気口14を有する。吸気口14は、ファン93が発生する空気流の入口となる。
図1(A),(B)に示すように、モータ収容部11は、左右両側面にそれぞれ複数の排気口15を有する。排気口15は、ファン93の発生する空気流の出口となる。
【0015】
ハンドル部12は、モータ収容部11の後端上部の左右方向中央部から、前後方向と略平行に後方に延びる。
【0016】
電池パック装着部13は、ハンドル部12の後端に接続される。電池パック装着部13は、電池パック19を着脱可能に装着する。電池パック19は、後上方向から前下方向に斜めにスライドさせて電池パック装着部13に装着できる。電池パック装着部13に装着された電池パック19の電力によりモータ92が駆動される。
【0017】
作業機1は、モータ収容部11の上部と下部にそれぞれラッチ部材21を有する。ラッチ部材21は、集塵ケース30及び引出部40を本体ハウジング10に係止するための部材である。ラッチ部材21は、
図2(B),(C)に示すように、バネ24によってモータ収容部11の径方向外側に突出する方向に付勢される。
【0018】
図2(B),(C)に示すように、ラッチ部材21は、押圧部22及び爪部23を有する。押圧部22は、作業者がラッチ部材21による係止を解除するために押す部分である。
図2(B)に示すように、上側のラッチ部材21の爪部23は、上方(集塵ケース30の径方向外側)に立設された突起であって第5係合部の例示であり、集塵ケース30のラッチ係合部36(第6係合部)に引っ掛かってラッチ係合部36と係合し、集塵ケース30を係止する。下側のラッチ部材21の爪部23(突起部)は、下方(集塵ケース30の径方向外側)に立設された突起であって第1係合部の例示であり、引出部40のラッチ係合部48(第2係合部)に引っ掛かって(挿入されて)ラッチ係合部48と係合し、引出部40を係止する。
【0019】
図1及び
図2(A)に示すように、作業機1は、ハンドル部12の上部に、スイッチ部25を有する。
図2(A)に示すように、スイッチ部25には、電源ボタン26、パワー上昇ボタン27、パワー低下ボタン28が設けられる。電源ボタン26は、押す度にモータ92の駆動、停止が切り替わる。パワー上昇ボタン27は、押す度にモータ92の回転速度が段階的に高まる。パワー低下ボタン28は、押す度にモータ92の回転速度が段階的に低下する。モータ92の回転速度の段階数は、例えば3段階であるが、2段階でも4段階以上でもよい。
【0020】
作業機1は、カバー部としての集塵ケース30を有する。集塵ケース30は、例えば単一の樹脂成形体である。集塵ケース30は、本体ハウジング10の前方を覆い、またフィルタ装置60の周囲及び前方を覆う。集塵ケース30は、ダストケースとも称される。
図3(A)に示すように、集塵ケース30は、流入口31、集塵室32、流出口34を有する。
【0021】
流入口31は、中心軸が前後方向平行な筒形状を成すノズル部であって、集塵ケース30の前端部(前方側)に設けられる。流入口31は、吸込口や吸込部と表記されてもよい。流入口31は、ファン93の発生する空気流が外部から集塵室32内へ流入する入口となる。流入口31は、流出口34よりも前側に位置する。
【0022】
集塵室32は、集塵ケース30の内部に形成される。集塵室32は、筒形状を成し、流入口31の後方に連なる。集塵室32の外周面及び内周面の側部と上部は、前方に行くほど小径となる形状(テーパー状)となっている。すなわち、集塵室32は、前方側が先細となる筒形状を有する。集塵室32は、流入口31よりも拡径されている。集塵室32は、前方視で流入口31よりも大きい内寸を有する。集塵室32は、流入口31と流出口34との間に位置する。集塵室32は、流入口31から空気流とともに流入する塵埃を内部に集塵する(溜める)。
【0023】
流出口34は、集塵ケース30の後部(後方側)に設けられ、本体ハウジング10の吸気口14と接続する(連通する)。流出口34は、ファン93の発生する空気流が集塵室32内から本体ハウジング10内へと流出する(ファン93に吸い込まれる)通路部である。
【0024】
集塵ケース30は、集塵室32の外壁部を後方に延長した延長部33を有する。延長部33は、筒形状を成す。
図2(B),(C)に示すように、集塵ケース30は、延長部33の下部と上部にラッチ係合部35、36を有する。ラッチ係合部35は、第4係合部の例示であり、引出部40の爪部47(第3係合部)を引っ掛ける(挿入する)部分である。ラッチ係合部36は、上側のラッチ部材21の爪部23を引っ掛ける部分である。ラッチ係合部35は、集塵ケース30の径方向に、集塵ケース30の延長部33を貫通する貫通孔(開口)であり、ラッチ係合部36は延長部33の内面の凹部(溝部)である。
【0025】
引出部40を取り付けた集塵ケース30を本体ハウジング10に対して後方にスライドさせる過程(
図5の状態から
図4の状態に遷移する過程)で、ラッチ係合部35に引出部40の爪部47が引っ掛かる(係合する)と共にラッチ係合部36に上側のラッチ部材21の爪部23が引っ掛かり(係合し)、集塵ケース30及び引出部40が本体ハウジング10に係止(固定)される。
【0026】
作業機1は、引出部40を有する。引出部40は、集塵室32の内部に配置される。引出部40は、集塵ケース30に対し後方に相対移動することで集塵室32内の塵埃を引き出す(掻き出す)別体部材である。引出部40は、スクレーパーとも称される。引出部40は、フィルタ装置60よりも前方側に延在する。また、引出部40の前端部は、流入口31の後部開口の周囲に当接する。
【0027】
図6に示すように、引出部40は、例えば樹脂成形体からなるフレーム部分として、基部41、柱部42、中間連結部43、前端連結部44を有する。
【0028】
基部41は、環状部であって、外縁部が集塵ケース30の内周面に沿う。基部41の前面は、集塵室32の内面であって前方に臨む内面を成す。すなわち、基部41は、集塵ケース30と共に集塵部を構成する。
図3(A)に示すように、基部41の下部は、流入口31と前後方向視において重なる(上下方向及び左右方向における存在範囲が互いに重なる)配置であり、前後方向と交差する方向に延びる壁部を成す。基部41の背面は、
図2(A)に示すように本体ハウジング10の前端部と係合(当接)し、前方に向かって押し付けられる。すなわち、引出部40は、後端部が本体ハウジング10と当接し、集塵室32に向かって前方側に押し付けられる。
【0029】
2本の柱部42は、それぞれ基部41から前方に延びる。集塵室32の中心軸線の真下を中心とする約120度の範囲には柱部42が存在しない。柱部42のうち1本は、集塵室32の中心軸線の真上に位置し、前部に幅広部42aを有する。幅広部42aは、左右方向と垂直な平面部であり、幅広部42の後部と比較して上下方向の幅が大きい部分である。幅広部42aは、第1当接部42b、第2当接部42c、第3当接部42dを有する。
【0030】
第1当接部42bは、幅広部42aの上縁部(上端部)であって前方に行くと下るように傾斜する。第1当接部42bは、ラッチ係合部48と離間した位置において、集塵室32の内面(内壁)のうち前方に行くと内側へ向かうように傾斜した部分と当接する。これにより引出部40の前方への移動が規制される。
【0031】
第2当接部42cは、幅広部42の後方に臨む端部であって、フレーム部材62に支持されたフィルタ61の前端部と当接する。これによりフィルタ61及びフレーム部材62の前方への移動が規制される。
【0032】
第3当接部42dは、幅広部42の前端部を下方に延長した部分であり、規制部50の覆い部51の背面上部に当接する。
【0033】
中間連結部43は、2本の柱部42の長さ方向の中間部同士を集塵室32の中心軸線周りに略円弧状に連結すると共に、上側の柱部42の長さ方向の中間部と基部41とを連結する。中間連結部43は、集塵室32の中心軸線の真下を中心とする約120度の範囲には存在しない。
【0034】
前端連結部44は、前後方向と垂直な面状部であり、2本の柱部42の前端部同士を流入口31の中心軸線周りに略円状に連結する。引出部40は、前端連結部44に接続する保持部45を有する。保持部45は、集塵室32の中心軸線の真上に位置する。保持部45は、中心軸線が左右方向と平行な筒形状を成す。保持部45は、規制部50の取付部52を保持する部分である。
【0035】
引出部40は、規制部50を有する。規制部50は、ゴム等の弾性体からなる。規制部50は、流入口31の後端部の後方に隣接して配置される。すなわち、引出部40は、前端部が流入口31の後端部と接触する。
【0036】
規制部50は、塵埃の逆流防止用の弁部(バルブ)である。規制部50は、流入口31を介して集塵ケース30の外部から集塵ケース30の内部(集塵室32の内部)へ流れる空気流を許容し、流入口31を介して集塵ケース30の内部(集塵室32の内部)から集塵ケース30の外部への塵埃の流出を規制する。
【0037】
規制部50は、覆い部51及び取付部52を有する。覆い部51は、流入口31を閉塞するように流入口31に内側から当接する(流入口31の後方側端部に当接する)板状部である。この当接力は、前述のように基部41の背面が本体ハウジング10によって前方に押し付けられることで付与される。取付部52は、覆い部51の上端部に接続され、保持部45の内部に保持される。規制部50は、取付部52を右方から保持部45に嵌め込んでいくことで保持部45に装着できる。
【0038】
覆い部51は、流入口31を介して集塵ケース30の外部から集塵ケース30の内部(集塵室32の内部)へ流れる空気流によって、第3当接部42dの下端部との接触部を支点として
図3(B)に示すように揺動(変形)することで下側が流入口31から離間可能である。覆い部51は、前面が流入口31の周囲と接触するため、前方には揺動しない(揺動不能である)。
【0039】
図6に示すように、引出部40は、基部41の下部から後方に延出する延長部46を有する。延長部46は、把手部49よりも前の部分において、本体ハウジング10のモータ収容部11の外面と、集塵ケース30の延長部33の内面と、に上下方向から挟み込まれる(挟持される)。延長部46は、第3係合部としての爪部47(突起部)、第2係合部としてのラッチ係合部48、延出部としての把手部49を有する。
【0040】
爪部47は、延長部46の下面から下方(集塵ケース30の径方向外側)に立設された突起であり、集塵ケース30の延長部33のラッチ係合部35に引っ掛かる(挿入される)ことでラッチ係合部35と係合する。これにより集塵ケース30に対する引出部40の後方への移動が規制される。
【0041】
ラッチ係合部48は、集塵ケース30の径方向(上下方向)に延長部46を貫通する貫通孔であり、下側のラッチ部材21の爪部23が引っ掛かる。これにより、本体ハウジング10に対する集塵ケース30及び引出部40の前方への移動が規制される。貫通孔48は、引出部40を集塵ケース30に取り付けた状態では、集塵ケース30の延長部33に覆われて見えない。
【0042】
把手部49は、集塵ケース30の後端部から後方側に延出する。把手部49は、作業者が爪部47とラッチ係合部35との係合を解除するために押す部分である。把手部49を押しながら引出部40を集塵ケース30に対して後方に相対移動することで、
図6に示すように引出部40を集塵ケース30から取り出せる。
【0043】
図6に示すように、引出部40は、除塵部としての除塵ブレード56を有する。除塵ブレード56は、例えば一体成形により基部41に設けられ、基部41から径方向内側に延びる。ここでは、9つの除塵ブレード56が前方視でフィルタ61の外形に沿って欠円状に配列される。「欠円」は、円の一部を切り欠いた図形であり、円弧と、当該円弧の両端部を渡す弦と、からなる。除塵ブレード56は、本体ハウジング10から集塵ケース30及び引出部40が前方に取り出される(取り外される)際にフィルタ61の外周面を前方に摺動することでフィルタ61の外周面に堆積(付着)した塵埃を除去する。
【0044】
作業機1は、フィルタ装置60を有する。フィルタ装置60は、流入口31と流出口34との間に位置するように集塵室32の内部に配置され、流入口31から流出口34へ流れる空気流に含まれる塵埃を捕集する。フィルタ装置60は、本体ハウジング10に取り付けられる。本体ハウジング10及びその内部構成、並びにフィルタ装置60は、作業機1の本体部を構成する。
【0045】
フィルタ装置60は、フィルタ61を有する。フィルタ61は、前端が閉鎖され、後端に開口を有する筒状(袋状)である。フィルタ61の後端の開口は、集塵ケース30の流出口34と接続する。フィルタ61は、外部から内部へ通過する空気流から塵埃を分離する(捕集する)。
【0046】
図7に示すように、フィルタ装置60は、フレーム部材62を有する。フレーム部材62は、例えば樹脂成形体である。フレーム部材62は、フィルタ61を前端部が閉塞されて後端部に開口が位置する欠円筒状であって、前後方向視において円形の下方側が切り欠かれた断面形状の欠円筒状に支持する。「欠円筒」は、断面が欠円状の筒である。これにより、フィルタ61の上側は、前後方向視で円弧状の断面を有する湾曲形状を有し、フィルタ61の下側は平坦な板形状を有する。
【0047】
フィルタ61及びフレーム部材62は、フィルタ部を構成する。フィルタ部は、前後方向に延びる柱状に形成される。前述の第2当接部42cは、
図2(A)に示すフィルタ部の中心軸X以下の位置まで延在し、中心軸X上を含む範囲でフィルタ部と当接する。フィルタ部を含む作業機1の本体部は、基部41を貫通する。
【0048】
フレーム部材62は、基部63を含む。基部63は、欠円筒状部63a及び傾斜筒状部63bを含む。欠円筒状部63aは、前後方向視において円形の下方側が切り欠かれた断面形状を有する。欠円筒状部63aは、前後方向と平行である。欠円筒状部63aの前方に傾斜筒状部63bが連なる。傾斜筒状部63bは、前後方向視において円形の下方側が切り欠かれた断面形状を有し、前方に行くほど全体的に広がるように傾斜した筒状部である。
【0049】
基部63の後部には切欠部63cが設けられ、切欠部63cにスナップフィットを構成する舌片部63dが設けられる。切欠部63c及び舌片部63dは、基部63の上部と下部にそれぞれ設けられるが、
図7には上部にあるものだけが現れる。
【0050】
フレーム部材62は、柱部64を含む。柱部64は、基部63(傾斜筒状部63bの前端部)から前方に延びる。ここでは、7本の柱部64が欠円状に並ぶ。具体的には、7本の柱部64のうち上側に位置する3本の柱部64は、円弧状に並んで配置される。また、7本の柱部64のうち下側に位置する4本の柱部64は、直線状に並んで配置されており、4本の柱部64の下端の上下方向位置は略等しい。7本の柱部64は、前端部において互いに連結される。
【0051】
フレーム部材62に欠円筒状に支持されたフィルタ61の円弧状部分の中心軸は、集塵ケース30の中心軸と略同軸である。
【0052】
フィルタ装置60は、ホルダ67を有する。ホルダ67は、例えば樹脂成形体である。ホルダ67は、フレーム部材62の後端部を支持し、フレーム部材62の基部63との間にフィルタ61の後端部を保持するための部材である。
【0053】
図7に示すように、ホルダ67の外周面は、中心軸が前後方向と平行な欠円筒状を成す。ホルダ67の内周面は、欠円筒状内面部73a及び傾斜筒状内面部73bを含む。欠円筒状内面部73aは、前後方向視において円形の下方側が切り欠かれた断面形状を有する。欠円筒状内面部73aは、前後方向と平行である。欠円筒状内面部73aの前方に傾斜筒状内面部73bが連なる。傾斜筒状内面部73bは、前後方向視において円形の下方側が切り欠かれた断面形状を有し、前方に行くほど全体的に広がるように傾斜した筒状内面部である。
【0054】
ホルダ67に対して、フィルタ61を支持したフレーム部材62を前方から組み付けていくことで、基部63の外周面(欠円筒状部63a及び傾斜筒状部63bの外周面)と、ホルダ67の内周面(欠円筒状内面部73a及び傾斜筒状内面部73b)とで、フィルタ61の後端部を保持(挟持)できる。
【0055】
ホルダ67は、フレーム部材62の舌片部63dと係合する2つの引っ掛け部68を上部と下部にそれぞれ有する。舌片部63dが引っ掛け部68に引っ掛かることで、フレーム部材62に対してホルダ67が係止される。
【0056】
フィルタ装置60は、ホルダ67の後端部に取り付けられたリング状の弾性部材75を有する。弾性部材75は、ホルダ67の後端部と本体ハウジング10の前面部との間を、吸気口14の周囲全周に渡って気密に塞ぐ。
【0057】
フィルタ装置60を本体ハウジング10の前端部に位置合わせして前方視で右回りに所定角度回転させると、ホルダ67の一対の回転嵌合凸部69と本体ハウジング10の一対の回転嵌合凹部(図示省略)とが互いに回転嵌合し、フィルタ装置60が本体ハウジング10の前端部に取り付けられる。この状態で、空気流がフィルタ61を外部から内部へ通過するようにフィルタ61の後端の開口が吸気口14と接続される(連通する)。
【0058】
図2(A)に示すように、作業機1は、モータ収容部11の内部に、モータ92及びファン93を有する。モータ92及びファン93は、ケース91内に一体化されたファンモータユニットであり、市販品であってもよい。
【0059】
モータ92は、例えばインナーロータ型のブラシレスモータであり、駆動軸92a、ロータ92b、ステータ92cを有する。ファン93は、モータ92の本体(モータ92のうち駆動軸92aを除く部分)の前方において駆動軸92aに直結され、モータ92と共に回転する。ファン93は、モータ92の駆動力によって回転して空気流を発生させるファン部である。
【0060】
以下、作業機1の動作を説明する。
【0061】
電源ボタン26が押されると、モータ92が起動する。モータ92は、最後に駆動していたときと同じ回転速度で回転する。モータ92と一体にファン93が回転し、空気流が生じる。この空気流は、流入口31から集塵室32内に入り、フィルタ61を通過し、流出口34、吸気口14を通ってファン93に吸い込まれ、モータ92を冷却後、排気口15から本体ハウジング10の外部に排気される。塵埃は、空気流と共に流入口31から集塵室32内に入るが、フィルタ61を通過できず、フィルタ61に捕集されて集塵室32に溜まる。このとき、
図3(B)に示すように、覆い部51が第3当接部42dの下部との接触部を支点として後方に揺動することから、塵埃は集塵室32内で斜め後下方向にガイドされ、フィルタ61の下方の空間に溜まりやすい。
【0062】
集塵室32内に溜まった塵埃の排出(除去)は、以下のように行う。
【0063】
まず、本体ハウジング10の上下のラッチ部材21を操作してラッチ部材21による係止を解除しながら、本体ハウジング10に対して集塵ケース30を相対的に前方に移動させる(
図4→
図5)。集塵ケース30のラッチ係合部35に引出部40の爪部47が引っ掛かっているため、引出部40も集塵ケース30と共に本体ハウジング10に対して相対的に前方に移動する。このとき、引出部40の除塵ブレード56がフィルタ61の外周面を前方に向けて摺動し、フィルタ61の外周面に堆積した塵埃を除去する。ここで除去した塵埃は集塵ケース30内に落下する。
【0064】
続いて、把手部49を内側に押して爪部47とラッチ係合部35による係止を解除しながら、把手部49を持って引出部40を集塵ケース30に対して相対的に後方に移動させ、引出部40を集塵ケース30から取り外す(取り出す)。このとき、引出部40、特に前端連結部44が、集塵室32内の塵埃を引き出す(掻き出す)。集塵ケース30から引出部40を取り外す動作は、ゴミ箱やゴミ袋の上で、集塵ケース30の後端開口を重力方向に向けて行うとよい。
【0065】
引出部40を集塵ケース30に取り付けるには、引出部40の爪部47と集塵ケース30のラッチ係合部35とを周方向において互いに位置合わせして、引出部40を集塵ケース30内に向けて相対的に前方に移動させ、集塵ケース30のラッチ係合部35に引出部40の爪部47を引っ掛ければよい。
【0066】
引出部40を取り付けた集塵ケース30を本体ハウジング10に取り付けるには、引出部40の連結部46と下側のラッチ部材21とを周方向において互いに位置合わせして、集塵ケース30を本体ハウジング10の前端部に向けて相対的に後方に移動させ、引出部40のラッチ係合部48に下側のラッチ部材21の爪部23を引っ掛けると共に、集塵ケース30のラッチ係合部36に上側のラッチ部材21の爪部23を引っ掛ければよい。
【0067】
本実施の形態によれば、下記の効果を奏することができる。
【0068】
(1) 引出部40は、下側のラッチ部材21の爪部23に係合するラッチ係合部48及び、集塵ケース30に係合する爪部47を有する。また、集塵ケース30は、爪部47に係合するラッチ係合部35を有する。すなわち、本体ハウジング10と集塵ケース30は、下部において引出部40を介して連結される。これにより、例えば上下のラッチ部材21やラッチ係合部35とは別に引出部40を係止するための係止部を本体ハウジング10や集塵ケース30に設ける場合等と比較して、引出部40を係止するために作業機1の本体部や集塵ケース30の係合部が多くなることを抑制し、係合部の設置スペースを確保するために製品が大型化して作業性が損なわれることを抑制でき、またデザイン性にも優れる。
【0069】
(2) 引出部40が無いと本体ハウジング10に対して集塵ケース30を確実に係止できない構成のため、集塵ケース30に対する引出部40の取付を忘れることを抑制できる。
【0070】
(3) 引出部40の前部の第1当接部42bが集塵室32の内面と当接して引出部40の前方への移動を規制し、引出部40の後部の爪部47が集塵ケース30のラッチ係合部35と係合して引出部40の後方への移動を規制するため、集塵室32内で引出部40の位置を安定させることができる。
【0071】
(4) フィルタ装置60は、フィルタ61を支持したフレーム部材62をホルダ67に対して前方から組み付けていくことで構成される。よって、フィルタ装置60の組立過程においてフレーム部材62の柱部64をホルダ67の内側に通す必要がない。このため、柱部64に支持されるフィルタ61の前後方向視の外寸をホルダ67の前後方向視の内寸よりも大きくすることができる。
【0072】
(5) 引出部40の柱部42(集塵室32の中心軸線の真上に位置する柱部42)の第2当接部42cがフィルタ61に対して前方から当接する。このため、作業機1を誤って落下させた場合等の衝撃によりフィルタ61を支持したフレーム部材62がホルダ67から前方に離脱するリスクを抑制できる。ここで、第2当接部42cは、
図2(A)に示すフィルタ部の中心軸X上を含む範囲でフィルタ61と当接するため、1つの第2当接部42cのみでフィルタ部の離脱を好適に抑制できる。
【0073】
(6) 引出部40の延長部46は、本体ハウジング10のモータ収容部11の外面と、集塵ケース30の延長部33の内面と、によって上下方向(集塵ケース30の径方向)に挟み込まれる構成のため、延長部46を安定的に保持できる。
【0074】
(7) 下側のラッチ部材21の爪部23の立設方向(下方)と、引出部40の爪部47の立設方向(下方)と、が平行なため、本体ハウジング10からの集塵ケース30の外れを好適に抑制できる。
【0075】
(8) フィルタ装置60は、基部63の傾斜筒状部63bの外周面とホルダ67の傾斜筒状内面部73bとでフィルタ61の後端部を挟持するため、挟持部分の密閉性が高く、また組立時にフィルタ61がめくれにくい。
【0076】
(9) 集塵室32内においてフィルタ61は、左右の長さが上下の長さよりも大きい形状を有する。具体的には、集塵室32内においてフィルタ61は、前後方向視において円形の下方側が切り欠かれた断面形状を有する。また、集塵室32内においてフィルタ61の下端の上下方向位置は流入口31の上下方向範囲と重なる。さらに、フィルタ61の下端は、流入口31の中心軸よりも上方に位置する。よって、フィルタ61の下部とそれに対向する集塵室32の内面との間の空間を大きく確保できる。このため、フィルタ61が塵埃に埋まるような形となりにくく、フィルタ61の早期の目詰まりを抑制できる。これにより、長期間にわたって高い吸込み風量を維持可能となり、また集塵ケース30の塵埃を排出してフィルタ61を清掃する頻度を低くでき、作業性が良い。なお、フィルタ61の上下方向の長さと同じ長さの外径の円筒フィルタの場合、フィルタ表面積が小さくて目詰まりが早くなるが、そのような円筒フィルタと比較してフィルタ61は表面積が大きいため、早期の目詰まりを抑制できる。また、フィルタ61の円弧状部分と同径の円筒フィルタとしつつ集塵ケース30を下方に拡張した形状の集塵ケースにすると集塵ケースが大型化するが、本実施の形態によればそのような大型化は不要である。
【0077】
(10)
図3(B)に示すように覆い部51が第3当接部42dの下部との接触部を支点として後方に揺動するため、塵埃を集塵室32内で斜め後下方向にガイドし、前述のように大きく確保されたフィルタ61の下方の空間に溜めることができる。
【0078】
(11) 引出部40は、集塵ケース30から流出口34を介して取り外される際に、集塵室32内の塵埃を流出口34を介して引き出す(掻き出す)。このため、集塵室32内に塵埃が詰まって集塵ケース30の後端開口を下に向けただけでは集塵室32内から塵埃を排出できない場合でも、集塵ケース30から引出部40を取り外すことで集塵室32内から塵埃を簡易に除去可能で作業性が良い。特に、デザイン性の観点で集塵ケース30の径方向の寸法を抑えた場合、高い塵埃収容量を確保するためには集塵ケース30を前後方向に長くする必要があり、詰まりが発生しやすい。本実施の形態では、集塵ケース30が細長い形状の場合でも集塵室32内から塵埃を簡易に除去可能で作業性が良い。換言すれば、本実施の形態は、細長い形状の集塵ケース30とすることを可能とし、径方向サイズの小型化を達成可能とするものである。
【0079】
(12) 引出部40は、集塵室32内から流入口31に向かう塵埃の流出を防止する弁部として機能する規制部50を前端部に有する。また、引出部40は、フィルタ61の除塵用の除塵ブレード56を有する。すなわち、引出部40は、集塵室32内から塵埃を引き出すための専用部材ではない。このため、集塵室32内から塵埃を引き出すための専用部材を別途設ける場合と比較して、部品点数の増加や製品重量の増加、コストを抑制できる。
【0080】
(13) 規制部50により流入口31を塞ぐためには引出部40が集塵室32内の前端部まで延びている必要があるが、集塵室32内から塵埃を引き出す機能においても引出部40は集塵室32内の前端部まで延びていることが望ましい。すなわち、集塵室32内の前端部まで延びている必要がある規制部50の機能を引出部40に組み込んだことで、引出部40は、流入口31の閉塞と集塵室32内から塵埃を引き出しの双方を好適に実現できる。
【0081】
(14) 引出部40が規制部50を有するため、規制部50を集塵ケース30にネジ止め等により固定する必要なく、組立性が良い。規制部50は、取付部52を右方から保持部45に嵌め込んでいくことで保持部45に簡易に装着できる。規制部50を集塵ケース30にネジ止め等により固定する工程があると組立性が悪く、特に集塵ケース30が細長い形状の場合は組立性が顕著に悪化するが、本実施の形態ではそうした問題を好適に解決できる。
【0082】
(15) 引出部40が除塵ブレード56を有し、引出部40を本体ハウジング10から集塵ケース30と共に取り外す際に除塵ブレード56がフィルタ61の外周面を摺動してフィルタ61の外周面に堆積した塵埃を除去する。このため、集塵ケース30内の塵埃を除去する作業の過程でフィルタ61の除塵が行われ、作業性が良い。
【0083】
(実施の形態2)
図8~
図9は、本発明の実施の形態2に係る作業機2に関する。作業機2は、実施の形態1の作業機1の引出部40が掃除ブラシ140に替わったものである。以下、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0084】
掃除ブラシ140は、基部146、爪部147、ラッチ係合部148、把手部149、ブラシ部150を有する。基部146、爪部147、ラッチ係合部148、把手部149は、引出部40の延長部46、爪部47、ラッチ係合部48、把手部49にそれぞれ対応する部分である。ブラシ部150は、基部146の前端部から前方に延びる。
【0085】
掃除ブラシ140は、集塵ケース30が本体ハウジング10から取り外された状態で集塵ケース30から脱落しないように、
図9(B)のB2部に示すように基部146の前下端部の突起部146aが集塵ケース30の延長部33の内面の凹部33aに嵌合し、かつ
図9(C)のC2部に示すように爪部147の先端の突起部147aが集塵ケース30の延長部33の突起部33bと係合する。このような構造は、実施の形態1に設けてもよい。
【0086】
(実施の形態3)
図10は、本発明の実施の形態3に係る作業機3の要部分解斜視図である。本実施の形態では、作業機3の上部に掃除ブラシ140を設ける。集塵ケース30Aは、掃除ブラシ140の爪部147を引っ掛けるラッチ係合部35A(ラッチ係合部35に対応)を有し、またラッチ係合部36に対応するラッチ係合部36Aを有する。掃除ブラシ140のラッチ係合部148は、上側のラッチ部材21の爪部23と係合する。
【0087】
以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、本発明は実施の形態に限定されない。実施の形態で具体的に説明した各事項には請求項に記載の範囲で種々の変形が可能である。
【0088】
実施の形態1において、下側のラッチ部材21の爪部23(第1係合部)がラッチ係合部35(第4係合部)に係合する構成としてもよい。
【0089】
作業機1は、実施の形態で例示したクリーナに限定されず、他の種類のものであってもよい。例えば、ハンマドリルにおける集塵アダプタと集塵ケースとの間に掃除ブラシ140のような別体部材を設けてもよい。この場合、ハンマドリルの本体ハウジングと集塵アダプタが本体部に対応する。
【0090】
実施の形態で具体的な数値として例示した柱部42、64の本数や除塵ブレード56の数等は、発明の範囲を何ら限定するものではなく、要求される仕様に合わせて任意に変更できる。
【符号の説明】
【0091】
1~3…作業機、10…本体ハウジング、11…モータ収容部、12…ハンドル部、13…電池パック装着部、14…吸気口、15…排気口、19…電池パック、21…ラッチ部材、22…押圧部、23…爪部、24…バネ、25…スイッチ部、26…電源ボタン、27…パワー上昇ボタン、28…パワー低下ボタン、30…集塵ケース(ダストケース)、31…流入口(ノズル部)、32…集塵室、33…延長部、34…流出口(排出口)、35、36…ラッチ係合部、40…引出部、41…基部、42…柱部、43…中間連結部、44…前端連結部、45…保持部、46…延長部、47…爪部、48…ラッチ係合部、49…把手部、50…規制部、51…覆い部、52…取付部、56…除塵ブレード、60…フィルタ装置、61…フィルタ、62…フレーム部材、63…基部、63a…欠円筒状部、63b…傾斜筒状部、63c…切欠部、63d…舌片部、64…柱部、67…ホルダ、68…引っ掛け部、69…回転嵌合凸部、73a…欠円筒状内面部、73b…傾斜筒状内面部、75…弾性部材、92…モータ(駆動部)、92a…駆動軸、93…ファン(ファン部)、140…掃除ブラシ、146…基部、147…爪部、148…ラッチ係合部、149…把手部、150…ブラシ部。