(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083161
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】風力発電装置
(51)【国際特許分類】
F03D 7/04 20060101AFI20240613BHJP
F03D 13/25 20160101ALI20240613BHJP
B63B 35/00 20200101ALI20240613BHJP
B63B 39/00 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
F03D7/04 Z
F03D13/25
B63B35/00 T
B63B39/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197526
(22)【出願日】2022-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 直樹
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA03
3H178AA26
3H178AA43
3H178BB31
3H178BB77
3H178CC22
3H178DD12Z
3H178DD54X
3H178DD61X
3H178EE02
3H178EE23
3H178EE34
3H178EE40
(57)【要約】
【課題】風車の傾斜を抑制し、発電効率の低下を抑制できる風力発電装置を得る。
【解決手段】風力発電装置10は、風を受けて回転するロータ18を備えた風車11と、ロータ18の回転力を受けて発電する発電機20と、風車11を支持する支持部材12と、支持部材12を取り囲む位置にそれぞれ配置され、給気により拡大し排気により縮小する複数の拡縮浮体(弾性浮体28)と、拡縮浮体が浮いている水面の周囲の波の状態、及び風車18の周囲の風況の少なくとも一方を検知するセンサ(計測装置232)と、センサの検知結果に応じて、支持部材12に作用するモーメントを調整する調整装置(給排気装置200)と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風を受けて回転するロータを備えた風車と、
前記ロータの回転力を受けて発電する発電機と、
前記風車を支持する支持部材と、
前記支持部材を取り囲む位置にそれぞれ配置され、給気により拡大し排気により縮小する複数の拡縮浮体と、
前記拡縮浮体が浮いている水面の周囲の波の状態、及び前記風車の周囲の風況の少なくとも一方を検知するセンサと、
前記センサの検知結果に応じて、上方向への移動が予測される前記拡縮浮体から前記支持部材に作用する浮力のモーメントを減少させること、及び下方向への移動が予測される前記拡縮浮体から前記支持部材に作用する浮力のモーメントを増加させること、の少なくとも一方を行う調整装置と、
を有する風力発電装置。
【請求項2】
前記調整装置は、上方向への移動が予測される前記拡縮浮体から排気し、下方向への移動が予測される前記拡縮浮体に給気する給排気装置、を含む請求項1に記載の風力発電装置。
【請求項3】
前記調整装置は、前記支持部材に対し前記拡縮浮体を移動させることにより、前記支持部材に作用する浮力のモーメントを調整する拡縮浮体移動装置、を含む請求項1に記載の風力発電装置。
【請求項4】
前記拡縮浮体移動装置は、上方向への移動が予測される前記拡縮浮体を前記支持部材に接近させ、下方向への移動が予測される前記拡縮浮体を前記支持部材から離隔させる、請求項3に記載の風力発電装置。
【請求項5】
前記調整装置は、水平方向に移動可能に前記支持部材に取り付けられた質量体と、
前記質量体を、上方向への移動が予測される前記拡縮浮体に向けて移動させる質量体移動装置と、を含む請求項1に記載の風量発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の開示する技術は、風力発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ロータ、ナセルを搭載したタワーを中心としてタワー基部に浮力室を設け、タワー基部の水平方向に鋼管製の放射梁を設け、放射梁の先端を結ぶ鋼管製の外周梁を設けた、浮体式洋上風力発電装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
洋上に設けられる風力発電装置では、外界、たとえば水面の波や風等の影響を受けて、風車の姿勢が変化すると、発電効率が低下する。したがって、洋上に設けられる風力発電装置では、外界の影響による風車の傾斜を抑制し、発電効率の低下を抑制することが求められる。
【0005】
本開示の目的は、風車の傾斜を抑制し、発電効率の低下を抑制できる風力発電装置を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第一態様の風力発電装置では、風を受けて回転するロータを備えた風車と、前記ロータの回転力を受けて発電する発電機と、前記風車を支持する支持部材と、前記支持部材を取り囲む位置にそれぞれ配置され、給気により拡大し排気により縮小する複数の拡縮浮体と、前記拡縮浮体が浮いている水面の周囲の波の状態、及び前記風車の周囲の風況の少なくとも一方を検知するセンサと、前記センサの検知結果に応じて、上方向への移動が予測される前記拡縮浮体から前記支持部材に作用する浮力のモーメントを減少させること、及び下方向への移動が予測される前記拡縮浮体から前記支持部材に作用する浮力のモーメントを増加させること、の少なくとも一方を行う調整装置と、を有する。
【0007】
この風力発電装置では、風車のロータが風を受けて回転すると、発電機がロータの回転力を受けて発電する。
【0008】
支持部材は風車を支持しており、複数の拡縮浮体が、支持部材を取り囲む位置にそれぞれ配置されている。そして、センサは、拡縮浮体が浮いている水面の周囲の波の状態、及び風車の周囲の風況の少なくとも一方を検知する。このように、波の状態及び風況の少なくとも一方を検知することで、複数の拡縮浮体の上下動と、この上下動に伴う支持部材及び風車の傾斜を予測できる。調整装置は、センサの検知結果に応じて、前記支持部材に作用するモーメントを調整する。これにより、風及び波に起因する支持部材及び風車の傾斜を抑制できる状態を予め実現できる。風車の傾斜が抑制されることで、発電機の稼働率の低下も抑制できる。
【0009】
なお、複数の拡縮浮体に関する「支持部材を取り囲む位置」とは、たとえば3つ以上の拡縮浮体を有する構成では、複数の拡縮浮体を結ぶ多角形の内部に支持部材の少なくとも一部が位置していることをいう。好ましくは、複数の拡縮浮体を結ぶ多角形の内部に支持部材の重心が位置していることをいう。また、2つの拡縮浮体を有する構成では、2つの拡縮浮体を結ぶ直線に支持部材の一部が被っていることをいう。
【0010】
第二態様では、第一態様の風力発電装置において、前記調整装置は、上方向への移動が予測される前記拡縮浮体から排気し、下方向への移動が予測される前記拡縮浮体に給気する給排気装置、を含む。
【0011】
したがって、上方向への移動が予測される拡縮浮体の浮力は小さくなり、下方向への移動が予測される拡縮浮体の浮力は大きくなる。これにより、複数の拡縮浮体で全体として浮力が調整され、支持部材及び風車の傾斜を効果的に抑制できる。
【0012】
第三態様では、第一態様の風力発電装置において、前記調整装置は、前記支持部材に対し前記拡縮浮体を移動させることにより、前記支持部材に作用する浮力のモーメントを調整する拡縮浮体移動装置、を含む。
【0013】
このように、拡縮浮体を支持部材に対し移動させることで、拡縮浮体から支持部材に作用する浮力のモーメントを調整する構成を実現できる。
【0014】
第四態様では、第三態様の風力発電装置において、前記拡縮浮体移動装置は、上方向への移動が予測される前記拡縮浮体を前記支持部材に接近させ、下方向への移動が予測される前記拡縮浮体を前記支持部材から離隔させる。
【0015】
したがって、上方向への移動が予測される拡縮浮体から支持部材に作用する浮力のモーメントは小さくなり、下方向への移動が予測される拡縮浮体から支持部材に作用する浮力のモーメントは大きくなる。これにより、複数の拡縮浮体で全体として支持部材に作用する浮力のモーメントが調整され、支持部材及び風車の傾斜を効果的に抑制できる。
【0016】
第五態様では、第一態様の風力発電装置において、前記調整装置は、水平方向に移動可能に前記支持部材に取り付けられた質量体と、前記質量体を、上方向への移動が予測される前記拡縮浮体に向けて移動させる質量体移動装置と、を含む。
【0017】
したがって、上方向への移動が予測される拡縮浮体側では、質量体移動装置によって、支持部材に対し沈み込む方向のモーメントが作用する。これにより、質量体を含む支持部材及び複数の拡縮浮体の全体として浮力が調整され、支持部材及び風車の傾斜を効果的に抑制できる。
【発明の効果】
【0018】
本開示の技術では、風車の傾斜を抑制し、発電効率の低下を抑制できる風力発電装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は第一実施形態の風力発電装置を示す正面図である。
【
図2】
図2は第一実施形態の風力発電装置を示す側面図である。
【
図3】
図3は第一実施形態の風力発電装置を示す平面図である。
【
図4】
図4は第一実施形態の風力発電装置を示すブロック図である。
【
図5】
図5は第一実施形態の風力発電装置のコンピュータの構成図である。
【
図6】
図6は第一実施形態の風力発電装置における動作の一例を示すチャートである。
【
図7】
図7は第一実施形態の風力発電装置を水面の波が到達する前の状態で示す正面図である。
【
図8】
図8は第二実施形態の風力発電装置を示す正面図である。
【
図9】
図9は第二実施形態の風力発電装置を部分的に示す平面図である。
【
図10】
図10は第二実施形態の風力発電装置を水面の波が到達する前の状態で示す正面図である。
【
図11】
図11は第三実施形態の風力発電装置を示す正面図である。
【
図12】
図12は第三実施形態の風力発電装置を部分的に示す平面図である。
【
図13】
図13は第三実施形態の風力発電装置を水面の波が到達する前の状態で示す正面図である。
【
図14】
図14は第四実施形態の風力発電装置を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第一実施形態]
【0021】
図1~
図11を用いて、本開示の第一実施形態の風力発電装置10について説明する。
【0022】
図3に示すように、風力発電装置10は、一例として、平面視で円形の鋼製またはコンクリート製の支持部材12を備えている。支持部材12は、本開示の技術の支持部材の一例である。
【0023】
図1、及び
図3に示すように、支持部材12の中心部には、タワー14が立設されている。支持部材12とタワー14とは、一例としてボルト、溶接等で固定されている。
【0024】
図2にも示すように、タワー14の上部にはナセル16が設けられている。ナセル16には、ロータ18の回転で発電する発電機20が収容されている。タワー14は、一例として中空構造であり、鋼材等で形成されている。タワー14は、内部に雨水、海水等が進入しないように密閉されている。ロータ18は、中心のハブ18Aと、このハブ18Aから放射状に延在する複数のブレード18Bを有している。タワー14、ナセル16、及びロータ18で風車11が構成されている。すなわち、支持部材12の中心部に風車11が支持されている構造である。
【0025】
図1、及び
図2に示すように、本開示の技術の風車11は、一例として、ハブ18Aにブレード18Bが設けられたプロペラ型と呼ばれる水平軸風車である。
【0026】
図3に示すように、支持部材12には、浮体支持部24が取り付けられている。支持部材12と浮体支持部24とは、一例としてボルト、溶接等で固定されている。
【0027】
浮体支持部24は、支持部材12から放射方向(径方向外側)へ向けて延びる複数本(本実施形態では5本)の連結部材24Aを備えている。各連結部材24Aの端部には円環状の大径環状部材24Bが固定されている。大径環状部材24Bの内側には、大径環状部材24Bよりも小径の小径環状部材24Cが配置されている。小径環状部材24Cは、連結部材24Aの長手方向中間部に固定されている。
【0028】
本実施形態では、支持部材12の中心と、大径環状部材24Bの中心と、小径環状部材24Cの中心とを一致させている。
【0029】
浮体支持部24を構成する連結部材24A、大径環状部材24B、及び小径環状部材24Cは、一例として、鋼材等で形成することができる。浮体支持部24は、鋼鉄製骨格、弾性浮体支持部材、補強材などと呼ぶことができる。
【0030】
図1及び
図3に示すように、本実施形態では、支持部材12の下部の中心に、鋼製の中空構造とされた剛性浮体26が取り付けられている。
【0031】
支持部材12の下部、大径環状部材24Bの下部、及び小径環状部材24Cの下部には、周方向に沿って複数の弾性浮体28が配置されている。弾性浮体28は、開示の技術における拡縮浮体の一例である。これらの弾性浮体28は、支持部材12の下部、大径環状部材24Bの下部、及び小径環状部材24Cの下部において、周方向に沿って等間隔に配置されている。すなわち複数の弾性浮体28は、支持部材12を取り囲む位置に配置されている。
【0032】
本開示の技術において、弾性浮体28は拡縮浮体の一例である。拡縮浮体としては、弾性を有していなくても、給気により拡大し、排気により縮小するように形成された部材であればよい。たとえば、薄膜の樹脂によって袋状に形成された部材(袋体)でもよい。また、有底の筒状で、外周面の一部が蛇腹状に形成された部材であってもよい。さらには、シリンダの内部をピストンが移動する部材であってもよい。
【0033】
また、図示の例では、弾性浮体28は上下には1段で配置されているが、上下に複数段で配置される構成でもよい。
【0034】
弾性浮体28は、中空体であり、使用時の形状(空気を充填した状態の形状)は、一例として球形である。なお、弾性浮体28の使用時の形状は球形に限定されず、円柱形状、中央部が膨らんだ樽形状、立方体形状等であってもよい。
【0035】
弾性浮体28を構成する材料は、弾性体、一例として、ゴム、ウレタン樹脂等の弾性を有する合成樹脂(エラストマー樹脂)であり、金属よりも比重の軽い材料である。弾性浮体28を構成する弾性材料には、補強用のコードや織物シート等が埋設されていてもよい。
【0036】
各弾性浮体28は、個別に交換が可能なように、支持部材12、及び浮体支持部24に対して、一例として、チェーン、ロープ、バンド等の取付部材32を用いて着脱可能に取り付けられている。図示は省略するが、弾性浮体28は、チェーン、ロープ、バンド等に限らず、ボルト等を用いて固定してもよい。
【0037】
なお、取付部材32は、弾性浮体28の着脱作業が、水上、例えば、支持部材12や浮体支持部24の上で出来るように設けることが好ましい。
【0038】
弾性浮体28は、空気の給排により拡縮可能、言い換えれば体積を変更することが可能である。より具体的には、弾性浮体28は、給気(空気の供給)により拡大して体積が増加し、排気(空気の排出)により縮小して体積が減少する。
【0039】
図4に示すように、弾性浮体28には切替装置214が取り付けられている。切替装置214により、後述するエアタンク208から弾性浮体28が給気される状態、及び真空タンク212に向けて弾性浮体28から排気される状態、を切り替えることができる。さらに、切替装置214を閉じることで、弾性浮体28を密閉できる。
【0040】
支持部材12、及び浮体支持部24に取り付ける弾性浮体28の数、及び位置は、
図1及び
図3に示す例に限らず、必要に応じて適宜変更可能である。本実施形態では、洋上での風力発電装置10の使用状態において、弾性浮体28の少なくとも一部が水面WFより上側に露出するように、弾性浮体28の数、言い換えれば、浮力が決められている。
【0041】
図1に示すように、本実施形態の風力発電装置10は、従来の浮体式洋上風力発電装置と同様に、係留ライン34によって海底(図示省略)に係留することができる。
【0042】
さらに、本実施形態の風力発電装置10では、計測装置232を有している。
図1に示す例では、計測装置232は、風車11(具体的にはタワー14の上部)に取り付けられている。計測装置232の取付位置は風車11に限定されず、たとえば支持部材12等に取り付けられていてもよい。
【0043】
計測装置232は、たとえば、風力発電装置10の周囲の風況及び水面の波の状態を検知可能である。風力発電装置10の周囲の風況としては、風向、風力及び風速等を検知することが可能である。風速を検知することで、風が実際に風力発電装置10に到達する時刻を知ることができる。また、風力発電装置10の周囲の水面の波の状態としては、波の向き、高さ及び速さを検知することが可能である。波の速さを検知することで、波が実際に風力発電装置10に到達する時刻を知ることができる。
【0044】
発電機20で発電された電力は、一例として、送電線36を介して陸地等にある電力供給先へ送電することができる。
【0045】
さらに、本実施形態の風力発電装置10は、
図4に示すように、充電器202、制御装置204、エアコンプレッサ206、エアタンク208、真空ポンプ210及び真空タンク212を有している。また、弾性浮体28のそれぞれに対応して、切替装置214が設けられている。充電器202、制御装置204、エアコンプレッサ206、エアタンク208、真空ポンプ210、真空タンク212及び切替装置214によって、給排気装置200が構成されている。給排気装置200は、本開示の技術の調整装置の一例である。
【0046】
エアコンプレッサ206で生成された圧縮空気は、エアタンク208へ送られる。真空ポンプ210は、真空タンク212を吸引し、真空タンク212の内圧を負圧にすることができる。
【0047】
切替装置214は、エアタンク208及び真空タンク212のいずれか一方と選択的に接続され、対応する弾性浮体28に、給気(エアタンク208と接続した場合)又は排気(真空タンク212と接続した場合)を切り替えることができる。さらに、エアタンク208及び真空タンク212のいずれとも接続されず、弾性浮体28を密閉することも可能である。
【0048】
エアタンク208には圧力計216が、真空タンク212には圧力計218がそれぞれ設けられている。また、弾性浮体28のそれぞれにも、圧力計220が備えられている。
【0049】
制御装置204は、圧力計216によって検知された圧力値から、エアタンク208が所定の内圧(正圧)となるようにエアコンプレッサ206を制御する。また、制御装置204は、圧力計218によって検知された圧力値から、真空タンク212が所定の内圧(負圧)となるように真空ポンプ210を制御する。
【0050】
さらに、制御装置204は、圧力計218によって検知された圧力値から、対応する弾性浮体28のそれぞれにおいて、真空タンク212へ排気すること、及びエアタンク208から給気を受けること、の一方が行われるように、切替装置214を制御する。排気された弾性浮体28では、浮力が小さくなり、この弾性浮体28から支持部材12に作用する浮力もモーメントが減少される。これに対し、給気された弾性浮体28では、浮力が大きくなり、この弾性浮体28から支持部材12に作用する浮力のモーメントが大きくなる。制御装置204は、このようにして、弾性浮体28から支持部材12に作用する浮力のモーメントを減少又は増加させるように調整する装置である。
【0051】
充電器202は、発電機20で発電された電力を充電する。この充電器202の電力は、制御装置204に供給される。さらに、エアコンプレッサ206、真空ポンプ210、切替装置214等、電力を必要とする各要素に、充電器202から電力供給線を通じて、電力が供給される。
【0052】
図5には、第一実施形態において、各弾性浮体28への給排気を制御するコンピュータ54の内部構成が示されている。
【0053】
コンピュータ54は、プロセッサ56、メモリ58、ストレージ60、表示部62、入力部64、受付部66及び通信部68を有している。
【0054】
ストレージ60には、コンピュータ54を制御装置として機能させるための制御プログラム70が記憶されている。この制御プログラム70がメモリ58上で展開され、さらにプロセッサ56において実行されることにより、コンピュータ54は制御装置として機能する。本願の開示の技術では、制御プログラム70は、各弾性浮体28に対し給排気を行う給排気プログラムを含んでいる。
【0055】
表示部62は、たとえばディスプレイ及び表示ランプ等である。表示部62は、コンピュータ54の状態や、このコンピュータ54に接続された各種機器の状態等を表示する。入力部64は、たとえばキーボード、マウス及びスイッチ等である、入力部64は、作業者からコンピュータ54に対する各種の入力を受け付ける。受付部66は、後述するように、弾性浮体28への給排気を実行する指示を受け付ける。実質的に、入力部64の一部が受付部66の機能を有するように構成できる。表示部62をタッチパネルとして構成し、入力部64及び受付部66を兼ねるようにしてもよい。表示部62、入力部64及び受付部66は、たとえば陸上の管理センター等に設置され、有線又は無線で、プロセッサ56、メモリ58、ストレージ60等と接続されている。
【0056】
通信部68は、圧力計216、218、220と通信し、これらの圧力計とデータの送受信を行う。また、通信部68は、エアコンプレッサ206、真空ポンプ210及び切替装置214と通信し、これらの装置を制御する信号の送受信を行う。
【0057】
プロセッサ56では、圧力計220で検知された圧力のデータから、波WVの向き、高さ及び速さを解析することが可能である。この解析は、たとえば、あらかじめメモリ58に格納されているデータベースに基づいて行うことが可能である。さらには、たとえば、風力発電装置10が洋上に設置された後の検知データを蓄積し、機械学習により波WVの向き、高さ及び速さを解析するようにしてもよい。
【0058】
通信部68は、計測装置232と通信し、計測装置232とデータの送受信を行う。通信部68は、エアコンプレッサ206、真空ポンプ210及び切替装置214と通信し、これらの装置を制御する信号の送受信を行う。
【0059】
プロセッサ56では、計測装置232で計測された各種のデータから、風況及び波の状態を予測することが可能である。この予測は、たとえば、あらかじめメモリ58に格納されているデータベースに基づいて解析することで、実行可能である。さらには、たとえば、風力発電装置10が洋上に設置された後の検知データを蓄積し、機械学習によりこれらの解析を行って、風況及び波の状態を予測するようにしてもよい。
【0060】
次に、本実施形態の動作及び作用を説明する。
【0061】
図6には、本実施形態において、風力発電装置10に強風が作用し、次いで高波が作用する場合の、それぞれの風力発電装置10の傾きの予測と、この予測に基づく動作の一例が示されている。
【0062】
制御装置204は、ステップS230において、計測装置232による計測結果として、風力発電装置10の周囲の風況及び波の状態を検知する。そして、ステップS232において、この検知データから、強風が風力発電装置10に到達する時刻と、波WVが風力発電装置10に到達する時刻を算出する。ここでいう強風とは、風力発電装置10において通常の発電を行う場合の風よりも強く、風力発電装置10が傾斜してしまうような強い風を言う。また、ここでいう波は、風力発電装置10が傾斜してしまうような高波である。
【0063】
制御装置204は、ステップS234では、強風の到達時刻における、当該強風による風力発電装置10の傾きを予測する。そして、制御装置204は、ステップ236では、この傾きが抑制されるように、傾きが生じると予測される時刻までに、特定の弾性浮体28について、対応する切替装置214を制御し、排気及び給気を行う。例えば、
図7に示す例では、風力発電装置10の傾きによって上方向への移動が予測される弾性浮体28Aについて、対応する切替装置214を制御し、排気することで、この弾性浮体28Aの浮力を小さくする。これに対し、下方向への移動が予測される弾性浮体28E)へは給気し、この弾性浮体28Eの浮力を大きくする。このように、強風が風力発電装置10に到達した時刻において、上方向への移動が予測される弾性浮体28の浮力を小さくし、下方向への移動が予測される弾性浮体28の浮力を大きくすることで、強風による支持部材12及び風車11の傾きが抑制される。
【0064】
ステップS236の動作は、強風が風力発電装置10に作用して傾斜するおそれがあると予測される時間において、継続して行う。
【0065】
次に、制御装置204は、ステップ238において、波WVの到達時刻における当該波WVによる、風力発電装置10の傾きを予測する。そして、制御装置204は、ステップ240では、この傾きが抑制されるように、対応する切替装置214を制御し、排気及び給気を行う。例えば、
図7に示す例では、風力発電装置10の傾きによって上方向への移動が予測される弾性浮体28Aについて、対応する切替装置214を制御し、排気することで、この弾性浮体28Aの浮力を小さくする。これに対し、下方向への移動が予測される弾性浮体28E)へは給気し、この弾性浮体28Eの浮力を大きくする。このように、波WVが風力発電装置10に到達した時刻において、上方向への移動が予測される弾性浮体28の浮力を小さくし、下方向への移動が予測される弾性浮体28の浮力を大きくすることで、間にWVによる支持部材12及び風車11の傾きが抑制される。
【0066】
ステップS240の動作は、ステップS236の動作と同様に、波WVが風力発電装置10に作用して傾斜するおそれがあると予測される時間において、継続して行う。
【0067】
なお、制御装置204では、ステップS240の動作を、それぞれの弾性浮体28に対して行う。すなわち、波WVの速さ及び向きが分かっているので、それぞれの弾性浮体28について、波WVが順次到達する時刻及び向きが分かる。このように、波WVが到達すると予測される弾性浮体28に対し順に、ステップS240による給気及び排気を行う。
【0068】
なお、図示は省略するが、例えば波WVの谷(海水面が低い部分)についても、弾性浮体28に達している状態が予測される場合には、制御装置204は、ステップS240において、特定の弾性浮体28の浮力を大きくなるように、エアタンク208から給気する。これにより、この弾性浮体28の降下が抑制され、風力発電装置10の傾斜が抑制される。
【0069】
このように、本実施形態の風力発電装置10では、周囲の風況及び波の状態を計測し、あらかじめ弾性浮体28の浮力を調整しておくことで、風及び波によって風車11が傾斜することを抑制できる。風車11の傾斜が抑制されることで、風車11におけるロータ18の傾斜も抑制されるので、ロータ18の回転力を受けて発電する発電機20の稼働率の低下を抑制できる。
【0070】
特に、本実施形態の風力発電装置10では、上昇しようとする弾性浮体28(一方の弾性浮体28)に対し排気して浮力を小さくするが、さらに、支持部材12に対しこの弾性浮体28の反対側にある弾性浮体28(他方の弾性浮体28)に対しては、給気して浮力を大きくする。このように、支持部材12の両側にある弾性浮体28で、反対方向の浮力が作用するように排気及び給気を調整するので、たとえば、一方の弾性浮体28のみで浮力の調整を行う構成と比較して、風力発電装置10全体として、支持部材12及び風車11の傾きを効果的に抑制できる。
【0071】
なお、上記では、風力発電装置10の周囲の風況及び風の状態を、計測装置232による計測結果から得るようにしている。このような計測装置232の例としては、いわゆるドップラー・ライダーを用いることができる。ドップラー・ライダーでは、レーザー光等によるドップラー効果を利用して風況を計測する。また、このレーザー光を海面に照射することで、波の状態を知ることも可能である。
【0072】
さらに、風況と波の状態とを、1台の計測装置ではなく、それぞれ別の計測装置で計測するようにしてもよい。たとえば、風況は上記したドップラー・ライダーを用いて計測し、波の状態は、可視光線又は赤外線等を用いて計測する計測装置で計測するようにしてもよい。
【0073】
本開示の技術では、弾性浮体28の浮力の調整を、風況に基づく場合と波の状態に基づく場合の両方の場合で行う例を挙げているが、いずれか一方に基づいて弾性浮体28の浮力の調整を行い、支持部材12及び風車11の傾きを抑制してもよい。
【0074】
いずれの構成であっても、風力発電装置10の周囲の風況及び水面の波WVの状態に対応して、弾性浮体28の浮力を調整することで、この波WVに起因する支持部材12及び風車11の傾斜を抑制できる。
【0075】
次に、第二実施形態についで説明する。第二実施形態において、第一実施形態と同様の要素、部材等については第一実施形態と同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0076】
第二実施形態の風力発電装置230では、剛性浮体26及び弾性浮体28が、上下方向に長い有底の円筒状に形成されている。弾性浮体28は、剛性浮体26の周囲で周方向に等間隔で複数配置されている。
図8及び
図9に示す例では、弾性浮体28の数は4つである。
【0077】
弾性浮体28のそれぞれは、固定アーム234によって剛性浮体26に取り付けられている。固定アーム234の長手方向は、剛性浮体26の径方向と一致している。
図8に示す例では、固定アーム234は、1つの弾性浮体28について上下に離隔して2つ備えられているが、固定アーム234の数及び位置は特に限定されない。
【0078】
第二実施形態においても、第一実施形態と同様に、強風及び波WVによって風力発電装置230の傾きが予測される場合に、弾性浮体28に対する排気及び給気を行わないと、
図10に二点鎖線で示すように、風力発電装置230が傾く。これに対し、第二実施形態では、
図10に実線で示すように、予め特定の弾性浮体28(
図10の例では弾性浮体28A)から排気し、他の特定の弾性浮体28(
図10の例では弾性浮体28C)に給気することで、空力発電装置230の傾きを抑制できる。
【0079】
次に、第三実施形態についで説明する。第三実施形態において、第一実施形態又は第二実施形態と同様の要素、部材等については第一実施形態と同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0080】
第三実施形態の風力発電装置240においても、剛性浮体26及び弾性浮体28が、上下方向に長い有底の円筒状に形成されている。弾性浮体28は、剛性浮体26の周囲で周方向に等間隔で複数配置されている。
図11及び
図12に示す例では、弾性浮体28の数は4つである。
【0081】
弾性浮体28のそれぞれは、伸縮アーム246によって剛性浮体26に取り付けられている。伸縮アーム246の長手方向は、剛性浮体26の径方向と一致している。伸縮アーム246はいずれも、剛性浮体26の径方向に伸縮可能であり、アクチュエータによって伸縮駆動される。制御装置204(第一実施形態で示した
図4参照)によって、アクチュエータが制御される。伸縮アーム246が伸びた場合は、伸びた伸縮アーム246に取り付けられている弾性浮体28は剛性浮体26から離れるので、この弾性浮体28から剛性浮体26に作用する浮力のモーメントが大きくなる。これに対し、伸縮アーム246が縮んだ場合は、縮んだ伸縮アーム246に取り付けられている弾性浮体は剛性浮体26に近づくので、この弾性浮体28から剛性浮体26に作用する浮力のモーメントが小さくなる。伸縮アーム246は、拡縮浮体移動装置の一例である。
【0082】
このような構成とされた第三実施形態の風力発電装置240では、風力発電装置10の傾きを予測した場合、
図13に示すように、傾きによって上方向への移動が予測される弾性浮体28(
図13の例では弾性浮体28A)は、対応する伸縮アーム246を縮めて弾性浮体28を剛性浮体26に近づけ、剛性浮体26に作用する浮力のモーメントを小さくする。これに対し、傾きによって下方向への移動が予測される弾性浮体28(
図13の例では弾性浮体28C)は、対応する伸縮アーム246を伸ばして弾性浮体28を剛性浮体26から遠ざけ、剛性浮体26に作用する浮力のモーメントを大きくする。これにより、複数の弾性浮体28の全体で、支持部材12及び風車11の傾きを抑制することができる。
【0083】
なお、上記では、本開示の技術の拡縮浮体移動装置の一例として、伸縮アーム246を挙げているが、拡縮浮体移動装置としては、伸縮アーム246に限定されない。たとえば、弾性浮体28のそれぞれを、剛性浮体26に対し周方向に移動可能とし、支持部材12に作用する浮力のモーメントを調整する構成でもよい。すなわち、弾性浮体28を剛性浮体26に対し周方向に移動させることで、上方向への移動が予測される弾性浮体28から支持部材12に作用する浮力のモーメントを減少させ、下方向への移動が予測される弾性浮体28から支持部材12に作用する浮力のモーメントを増加させることができる。弾性浮体28のそれぞれを、剛性浮体26に対し周方向に移動可能とする具体的構成としては、たとえば、伸縮アーム246に代えて、剛性浮体26側に回転軸を設け、この回転軸回りに回転アームが回転する構成を採り得る。あるいは、剛性浮体26を取り囲む環状のレールに弾性浮体28を周方向に移動可能に取り付けておき、アクチュエータによってそれぞれの弾性浮体28をレールに沿って移動させる構成でもよい。いずれの構成であっても、支持部材12に対し弾性浮体28を移動させることにより、弾性浮体28から支持部材12に作用する浮力のモーメントを調整する構成を実現できる。
【0084】
次に、第四実施形態について説明する。第四実施形態において、第一実施形態と同様の要素、部材等については第一実施形態と同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0085】
第四実施形態の風力発電装置250では、剛性浮体26の下方に、取付部材252によって質量体254が取り付けられている。取付部材252は、質量体254を横方向に移動可能に保持している。質量体254は、取付部材252によって、その水平方向の位置が制御される。取付部材252は、調整装置及び質量体移動装置の一例である。
【0086】
第四実施形態の風力発電装置250では、風力発電装置10の傾きを予測した場合、傾きによって上方向への移動が予測される弾性浮体28側にウエイト254が移動するように、制御装置204が取付部材32を制御する。これにより、ウエイト254から剛性浮体26に、下向きのモーメントが作用するので、支持部材12及び風車11の傾きを抑制することができる。
【0087】
本開示の技術では、上記したいずれの構成であっても、風況及び水面の波WVの状態の少なくとも一方に対応して、弾性浮体28の浮力を調整することで、支持部材12及び風車11の傾斜を抑制できる。
【0088】
そして、支持部材12及び風車11の傾斜方向に関わらす、この傾斜を抑制できる。これにより、風力発電装置10の動揺を抑制できるので、たとえば、動揺時に係留ライン34に対し過度の張力が作用しなくなり、係留ライン34の損傷も抑制できる。
【0089】
また、風力発電装置10の動揺を抑制できることで、風力発電装置10が浸水する部分も少なくなるので、浸水による腐食が懸念される部分も少なくなり、風力発電装置10のメンテナンス性が向上する。
【0090】
本開示の技術では、弾性浮体28を構成する材料が、金属よりも比重の小さいゴム、合成樹脂等の弾性体である。このため、金属材料を用いた浮体よりも、同程度の浮力を得る構成において、軽量にすることが可能である。本実施形態の風力発電装置10では、金属製の浮体のみで浮力を得ている風力発電装置に比較して、全体として軽量化できる。これにより、風車のサイズアップ、及び大型化が可能となり、発電量を増加させることも可能となる。
【0091】
浮体が固定されている風力発電装置では、浮体のメンテナンスを行う場合や、浮体に不具合(例えば、亀裂、穿孔等)が生じた場合は、曳航し、陸揚げしてメンテナンス、または修理する必要があり、メンテナンス、及び修理に多大な手間、及びコストが掛かる。また、浮体内に水が入った場合、浮力のバランスが崩れ、タワーが必要以上に傾く虞がある。
【0092】
一方、本実施形態の風力発電装置10では、複数の弾性浮体28を用いているので、フェイルセ―フが可能となる。例えば、何れかの弾性浮体28に不具合が生じた場合でも、他の弾性浮体28の浮力を調整することで、浮力のバランスが大きく崩れることを抑制でき、タワー14が必要以上に傾くことを抑制できる。
【0093】
複数の弾性浮体28は、夫々が浮体支持部24に着脱可能に取り付けられているため、部分単位、言い換えれば、弾性浮体28毎でメンテナンス(修理、交換)を行うことができる。
【0094】
各弾性浮体28は、通常状態において、少なくとも一部が水面WFに露出する構成とすることが可能である、弾性浮体28の少なくとも一部が水面WFに露出していることで、また、ボルト、チェーン、ロープ、バンド等の取付部材32を、水上、例えば、支持部材12や浮体支持部24との上で弾性浮体28の着脱作業が出来るように設けることで、水上にて、不具合を生じた弾性浮体28をメンテナンスしたり、新たな弾性浮体28と交換したりすることが容易となる。したがって、曳航、及び陸揚げによるメンテナンス、及び交換に比較して作業が容易になる。
【0095】
弾性浮体28は、着脱可能であり、金属製の浮体に比較して軽量であるため、弾性浮体28を取り外して洋上で回転させることも容易である。例えば、弾性浮体28を回転させ、水に浸かっていた下部を上側にして水に浸かっていた部分を検査したり、下部の付着物を除去したりするなどのメンテナンスも容易になる。
【0096】
本実施形態の風力発電装置10では、弾性浮体28が着脱可能であるので、弾性浮体28の数を調整して、浮力の調整や浮力のバランスを取ることも容易である。また、タワー14を搭載する基礎部材が水平となるように浮力のバランスをとることも容易にできる。
【0097】
本開示の技術の風車として、上記ではプロペラ型と呼ばれる水平軸風車を挙げたが、風車としては、たとえば垂直軸風車等、他の形式のものであってもよい。
【符号の説明】
【0098】
10…風力発電装置、11…風車、12…支持部材、14…タワー、16…ナセル、18…ロータ、18A…ハブ、18B…ブレード、20…発電機、24…浮体支持部、24A…連結部材、24A…連結部材、24B…大径環状部材、24C…小径環状部材、26…剛性浮体、28…弾性浮体、32…取付部材、34…係留ライン、36…送電線、54…コンピュータ、56…プロセッサ、58…メモリ、60…ストレージ、62…表示部、64…入力部、66…受付部、68…通信部、70…制御プログラム、202…充電器、204…制御装置、206…エアコンプレッサ、208…エアタンク、210…真空ポンプ、212…真空タンク、232…計測装置、240…風力発電装置、250…風力発電装置、252…取付部材