(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008317
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】穴なしナットと芯なしボルト
(51)【国際特許分類】
F16B 37/00 20060101AFI20240112BHJP
F16B 33/02 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
F16B37/00 Z
F16B33/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022110081
(22)【出願日】2022-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】722004908
【氏名又は名称】日下 正章
(72)【発明者】
【氏名】日下正章
(57)【要約】
【課題】ボルトとナットは機械や建造物の接合に広く使われているが、抜け落ちて問題が起こる事がしばしばある。本発明はボルトナットの抜け落ちに対する予防と対策である。
【解決手段】ナットの内径をゼロにボルトの谷径をゼロにした。ナットは穴がなく遮光性が保たれる特性が生まれボルトが抜け落ちても遮光性が保たれる。また、ボルトは軸方向に伸縮可能な板バネとしての特性が生まれ、ボルトとナットは互いに引き合う方向にバネの復元力が働きボルトのナットの接触面積が大きい事からネジの緩み防止になる事を特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナットの内径をゼロにしたことによりナットに新たな特性が生まれた。穴がなく遮光性が保たれる特性であり、ねじ山の面積が大きくボルトとの接触面が広い特徴を持つ。
【請求項2】
ボルトの谷径をゼロにした事によりボルトに新たな特性が生まれた。軸方向に伸縮可能な板バネとしての特性であり、ねじ山の面積が大きくナットとの接触面が広い特徴を持つ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボルトとナットの谷径及び内径をゼロにしたボルトとナットの組みである。
【背景技術】
【0002】
本来、ナットには穴がありボルトには芯があり、ねじることにより2つが合わさり機械や建造物などの接合に使われている。
【0003】
しかし、ボルトナットは振動などで抜けてしまうこともあり、穴から光や穴よりも小さい物質が漏れることがある。ボルトナットは抜ける事がある事、抜けた時に穴から光や物質が漏れるといった欠点があった。
【0004】
ボルトナットは振動で抜けにくい方がいいし、抜けても穴が開かなければ光や物が漏れなくていい。
【0005】
この改善策として、ボルトとナットの谷径及び内径をゼロにした「穴なしナット」と「芯なしボルト」を考案した。(
図1の穴なしナット説明図と
図2の芯なしボルト説明図)ボルトが抜けた状態でもナットの穴はなく光も漏れない。また芯のないボルトには軸方向に伸縮可能な特性が生まれる。ボルトを軸方向に少し縮めておけばナットにボルトを入れた時にボルトとナットを引き寄せる方向に力が働きスプリングワッシャーと逆方向の力をもつバネとして機能する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2015-178840公報「ワッシャー」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする問題点は、ボルトナットはしばしば抜け落ちる事、また外れた時に穴が開いてしまうと遮光性が失われ穴より小さい物質が漏れる点である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ナットの内径をゼロにした「穴なしナット」とボルトの谷径をゼロにした「芯なしボルト」の組であり、ボルトが抜け落ちても遮光性は維持され、芯のないボルトはバネの特性も生まれ軸方向にあらかじめ縮めたボルトはボルトナットを引き寄せる方向の復元力が生じてゆるみ防止機能を持つ事を最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
「穴なしナット」は光が漏れない遮光性を持つ。また「芯なしボルト」は芯が有る事による制約が無くなり軸方向の伸縮性を獲得し、ネジ山はらせん状の板となりバネとしての特性が生まれる。軸方向に縮めた芯なしボルトを穴なしナットに合体すると芯なしボルトのネジ山にはボルトナットを引き寄せる方向にバネの復元力が生じゆるみ防止機能となる。スプリングワッシャーに似ているが、スプリングワッシャーのバネ復元力はボルトナットを引き離す方向であり、引き寄せる方向のバネ復元力を持つ本発明の方が優れている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】は穴なしナット説明図である。 V1 穴なしナット上面図 V2 穴なしナット正面図 V3 穴なしナット切り捨て部分の正面図 V4 穴なしナット底面図 V5 切り捨て前の円柱の立体図 V6 穴なしナット切り捨て部分の立体図 V7 穴なしナットの立体図
【
図2】は芯なしボルト説明図である。 V8 芯なしボルト上面図 V9 芯なしボルト立体図 V10 芯なしボルト正面図 V11 10%縮めた芯なしボルト上面図 V12 10%縮めた芯なしボルト立体図 V13 10%縮めた芯なしボルト正面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は穴なしナット説明図である。ナットは内側の構造が分かりやすいように穴なしナット切り捨て部分の正面
図V3 と 穴なしナット切り捨て部分の立体図 V6 と切り捨て前の円柱の立体
図V5 を示す。ナットの内径はゼロで光が通る隙間はない。ねじ山は平たく大きくなっていて、ボルトナットの接触面積は大きくなっている。
【0012】
図2は芯なしボルト説明図である。V8は芯なしボルト上面図 V9は芯なしボルト立体図 V10は芯なしボルト正面図である。芯をなくしたボルトは板状のバネ構造となっている。芯があると軸の長さを変える事はできないが、芯のない本発明では、軸方向に伸縮可能であり。バネと同じく整復力が発生する。すなわち縮めて成型すれば伸ばした時に縮もうとする力が発生しボルトナットを引き寄せる方向に復元力が発生する。逆に伸ばして成形すればボルトナットを引き離す方向の復元力が発生する。
【産業上の利用可能性】
【0013】
遮光性が必要とされる容器や建造物はねじが抜け落ちても遮光性が確保される構造が望ましい。また振動で抜け落ちる事もある乗り物や建造物はネジが緩みにくい対策が必要とされている。本発明はボルトとナットの接触面積が大きく、バネの復元力がボルトナットを聞き寄せる方向に働きネジの緩みを防止する。