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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083178
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】消火装置
(51)【国際特許分類】
   A62C 35/02 20060101AFI20240613BHJP
【FI】
A62C35/02 B
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197547
(22)【出願日】2022-12-10
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-01-11
(71)【出願人】
【識別番号】309023117
【氏名又は名称】新三平建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124084
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 久人
(72)【発明者】
【氏名】飯田 忠房
【テーマコード(参考)】
2E189
【Fターム(参考)】
2E189BA02
2E189BB06
2E189BC01
(57)【要約】
【課題】天井裏のふところ寸法が小さい場合でも取り付け可能な自動消火装置を提供すること。
【解決手段】消火装置1は、放射ノズル10と、消火薬剤Sが充填された薬剤タンク20と、高圧ガスGが充填された加圧用ボンベ30と、熱を感知して加圧用ボンベ30に開口する感熱部40と、を備える。感熱部40は、感熱部本体41と、感熱部本体41に水平方向に移動可能に設けられてかつ外周面に溝43が設けられた第1ピン42と、感熱部本体41に設けられて第1ピン42を加圧用ボンベ30の封板32に向かって付勢する圧縮ばね44と、感熱部本体41に上下方向に移動可能に設けられて上端が第1ピン42の溝43に係止された第2ピン45と、感熱部本体41に設けられて第2ピン45の下端を支持しかつ熱で溶融可能な蓋部46と、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱を感知して消火薬剤を放出する消火装置であって、
放射ノズルと、前記放射ノズルに連結されて消火薬剤が充填された薬剤タンクと、前記薬剤タンクに連結されて高圧ガスが充填された加圧用ボンベと、熱を感知して前記加圧用ボンベに開口する感熱部と、を備え、
前記感熱部が熱を感知して前記加圧用ボンベに開口すると、前記加圧用ボンベ内の高圧ガスが流出して前記薬剤タンク内に充満し、前記高圧ガスの圧力により前記薬剤タンク内の消火薬剤が放射ノズルから放出され、
前記加圧用ボンベは、封板で塞がれており、
前記感熱部は、感熱部本体と、
前記感熱部本体に前記加圧用ボンベの封板に向かって水平方向に移動可能に設けられてかつ外周面に溝が設けられた第1ピンと、
前記感熱部本体に設けられて前記第1ピンを前記加圧用ボンベの封板に向かって付勢する付勢部材と、
前記感熱部本体に上下方向に移動可能に設けられて上端が前記第1ピンの溝に係止された第2ピンと、
前記感熱部本体に設けられて前記第2ピンの下端を支持しかつ熱で溶融可能な蓋部と、を備えることを特徴とする消火装置。
【請求項2】
前記蓋部には、熱伝導性の高い材料で形成されて略水平に配置された少なくとも1枚の円盤状の集熱板が連結されていることを特徴とする請求項1に記載の消火装置。
【請求項3】
前記第1ピンの外周面には、前記溝の近傍から基端側に向かって凹部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の消火装置。
【請求項4】
前記薬剤タンクは、縦断面視で、高さ寸法が長さ寸法よりも小さいことを特徴とする請求項1または2に記載の消火装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火災が発生した際に、熱を感知して消火薬剤を放出する消火装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、住宅の台所の天井面には、天ぷら油による火災を消火するための消火装置が設けられる場合がある(特許文献1参照)。
特許文献1には、自動消火装置が示されている。この自動消火装置消火装置は、消火薬剤を貯蔵し噴射ノズルを下面に露出させたタンクと、封緘部を有し封緘部を開封することにより炭酸ガスをタンク内に導通する炭酸ガスボンベと、撃針先端に設けた開封ピンが炭酸ガスボンベの封緘部と対峙するハンマーと、ハンマーを炭酸ガスボンベの封緘部に向かって付勢するスプリングと、ハンマー下端部のレバーを仮固定しているハンダと、を備える。炭酸ガスボンベの封緘部は、炭酸ガスボンベの下面に設けられている。開封ピン、撃針、ハンマー、およびレバーは、上下方向に一直線上に並んで配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-213638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の構成では、開封ピン、撃針、ハンマー、およびレバーが上下方向に一直線上に並んで配置されているため、自動消火装置の高さ寸法が大きくなる。よって、天井裏のふところ寸法が小さい場合、自動消火装置を取り付けできない、という問題があった。
【0005】
本発明は、天井裏のふところ寸法が小さい場合でも容易に取り付け可能な自動消火装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の消火装置(例えば、後述の消火装置1)は、熱を感知して消火薬剤を放出する消火装置であって、放射ノズル(例えば、後述の放射ノズル10)と、前記放射ノズルに連結されて消火薬剤(例えば、後述の消火薬剤S)が充填された薬剤タンク(例えば、後述の薬剤タンク20)と、前記薬剤タンクに連結されて高圧ガス(例えば、後述の高圧ガスG)が充填された加圧用ボンベ(例えば、後述の加圧用ボンベ30)と、熱を感知して前記加圧用ボンベに開口する感熱部(例えば、後述の感熱部40)と、を備え、前記感熱部が熱を感知して前記加圧用ボンベに開口すると、前記加圧用ボンベ内の高圧ガスが流出して前記薬剤タンク内に充満し、前記高圧ガスの圧力により前記薬剤タンク内の消火薬剤が放射ノズルから放出され、前記加圧用ボンベは、封板(例えば、後述の封板32)で塞がれており、前記感熱部は、感熱部本体(例えば、後述の感熱部本体41)と、前記感熱部本体に前記加圧用ボンベの封板に向かって水平方向に移動可能に設けられてかつ外周面に溝(例えば、後述の溝43)が設けられた第1ピン(例えば、後述の第1ピン42)と、前記感熱部本体に設けられて前記第1ピンを前記加圧用ボンベの封板に向かって付勢する付勢部材(例えば、後述の圧縮ばね44)と、前記感熱部本体に上下方向に移動可能に設けられて上端が前記第1ピンの溝に係止された第2ピン(例えば、後述の第2ピン45)と、前記感熱部本体に設けられて前記第2ピンの下端を支持しかつ熱で溶融可能な蓋部(例えば、後述の蓋部46)と、を備えることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、感熱部の第1ピンを水平方向に移動可能とするとともに、この第1ピンを駆動するための第2ピンを上下方向に移動可能とした。よって、従来のように、感熱部を構成する部材を上下方向に一直線上に配置していないため、消火装置の高さ寸法を小さくでき、天井裏のふところ寸法が小さい場合でも容易に取り付けできる。
【0008】
請求項2に記載の消火装置は、前記蓋部には、熱伝導性の高い材料で形成されて略水平に配置された少なくとも1枚の円盤状の集熱板(例えば、後述の集熱板85)が連結されていることを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、集熱板を略水平な円盤状としたので、火災の熱気流の方向性に左右されることなく、水平面内の全方向の熱気流を確実に感知できる。
【0010】
請求項3に記載の消火装置は、前記第1ピンの外周面には、前記溝に加えて、前記溝の近傍から基端側に向かって凹部(例えば、後述の凹部63)が形成されていることを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、第1ピンの外周面に、溝の近傍から基端側に向かう凹部を形成したので、第1ピンが加圧用ボンベに向かって移動する場合に、第2ピンが凹部に沿って移動するので、第2ピンが第1ピンに強く接触して第1ピンの移動に抵抗するのを防止できるから、第1ピンを円滑に移動できる。
【0012】
請求項4に記載の消火装置は、前記薬剤タンクは、縦断面視で、高さ寸法が長さ寸法よりも小さいことを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、薬剤タンクを、縦断面視で、高さ寸法が長さ寸法よりも小さい形状としたので、消火装置の高さ寸法を小さくでき、天井裏のふところ寸法が小さい場合でも容易に取り付けできる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、天井裏のふところ寸法が小さい場合でも取り付け可能な自動消火装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施形態に係る消火装置の平面図である。
図2】第1実施形態に係る消火装置のA-A断面図である。
図3図1の消火装置のB-B断面図である。
図4図3の消火装置の破線Cで囲んだ部分の断面図である。
図5】第1実施形態に係る消火装置を構成する感熱部の縦断面図である。
図6図5の感熱部のD-D矢視図である。
図7図5の感熱部の破線Eで囲んだ部分の拡大図である。
図8】第1実施形態に係る消火装置の動作を説明するための図(その1、感熱部の縦断面図)である。
図9】第1実施形態に係る消火装置の動作を説明するための図(その2、消火装置の縦断面図)である。
図10】本発明の第2実施形態に係る消火装置の側面図である。
図11】第2実施形態に係る消火装置の見上げ図である。
図12図11の消火装置のF-F断面図である。
図13】本発明の変形例に係る感熱部の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る消火装置1の平面図である。図2は、消火装置1のA-A断面図である。図3は、図1の消火装置1のB-B断面図である。
消火装置1は、火災の熱を感知して消火薬剤Sを放出するものであり、天井材2に取り付けられている。
この消火装置1は、放射ノズル10と、放射ノズル10に連結されて消火薬剤Sが充填された薬剤タンク20と、薬剤タンク20に連結されて炭酸ガスなどの高圧ガスGが充填された加圧用ボンベ30と、熱を感知して加圧用ボンベ30に開口する感熱部40と、を備える。
【0017】
薬剤タンク20は、縦断面視で、高さ寸法Tが長さ寸法Lよりも小さい形状、ここでは楕円形状である。この薬剤タンク20には、加圧用ボンベ30から高圧ガスが流入するガス流入口21と、消火薬剤Sが流出する薬剤流出口22が形成されている(図4および図5参照)。これらガス流入口21および薬剤流出口22は、封板23、24で塞がれている。
【0018】
図4は、図3の消火装置1の破線Cで囲んだ部分の断面図である。
天井材2には、天井開口3が形成され、この天井開口3には、シーリングプレート4が嵌め込まれている。
放射ノズル10は、シーリングプレート4に挿通されて、薬剤タンク20の薬剤流出口22に取り付けられている。放射ノズル10には、複数の噴射口11が形成されている。これら噴射口11の内径は、0.5mm~1.0mm程度である。また、放射ノズル10は、天井下の空間に露出しており、ノズル保護カバー12で覆われている。
【0019】
図5は、感熱部40の縦断面図である。図6は、図5の感熱部40のD-D矢視図である。図7は、図5の感熱部40の破線Eで囲んだ部分の拡大図である。
加圧用ボンベ30には、高圧ガスGが流出するガス流出口31が形成されており、このガス流出口31は、封板32で塞がれている。
感熱部40は、感熱部本体41と、感熱部本体41に加圧用ボンベ30の封板32に向かって水平方向に移動可能に設けられてかつ外周面に溝43が設けられた第1ピン42と、感熱部本体41に設けられて第1ピン42を加圧用ボンベ30の封板32に向かって付勢する付勢部材としての圧縮ばね44と、感熱部本体41に上下方向に移動可能に設けられて上端が第1ピン42の溝43に係止された第2ピン45と、感熱部本体41に設けられて第2ピン45の下端を支持しかつ熱で溶融可能な蓋部46と、を備える。
【0020】
感熱部本体41は、水平方向に延びて第1ピン42が収容される第1ピン収容部51が形成された筒状の第1本体50と、この第1本体50の下面から下方に延びて第2ピン45が収容される第2ピン収容部53が形成された筒状の第2本体52と、を備える。
第1ピン収容部51は、ステム収容部54と、このステム収容部54の先端に設けられてステム収容部54よりも大径のクッキング収容部55と、で構成されている。
【0021】
第1ピン42は、第1ピン収容部51のステム収容部54に収容されるステム60と、ステム60の先端に設けられて第1ピン収容部51のクッキング収容部55に収容されるクッキング61と、クッキング61の先端に設けられたファイリングピン62と、を備える。
ステム60の外周面に形成された溝43には、第2ピン45の移動方向に対して角度θで形成された押圧面43Aが形成されている。
ステム60の外周面には、溝43に加えて、溝43の近傍から基端側に向かって凹部63が形成されている。
圧縮ばね44は、第1ピン収容部51のステム収容部54とクッキング収容部55との段差部分に設けられており、第1ピン42のクッキング61を第1ピン収容部51の先端に向かって付勢している。
【0022】
第1本体50の第1ピン収容部51の先端には、筒状のボンベ取り付けソケット70が取り付けられており、加圧用ボンベ30は、このボンベ取り付けソケット70に取り付けられている。ボンベ取り付けソケット70には、ファイリングピン62が収容されて第1ピン収容部51から加圧用ボンベ30のガス流出口31に至るファイリングピン挿通部71と、ファイリングピン挿通部71から薬剤タンク20のガス流入口21に至るガス流通路72と、が形成されている。
【0023】
第2ピン45は、上下方向に延びる棒状のリレーションピン47と、リレーションピン47の上端と第1ピン42の溝43との間に配置された鋼球48と、を備える。鋼球48は、第1ピン42の溝43に係止して、溝43の押圧面43Aに接触している。すなわち、リレーションピン47の上端面に配置された鋼球48は、溝43の押圧面43Aに接触して、第1ピン42の溝43に係止しており、これにより、第1ピン42の移動が抑えられているとともに、鋼球48は、第1ピン42の溝43の押圧面43Aにより、下方に押されている。
【0024】
第2本体52の第2ピン収容部53の下端には、上面に凹部81が形成されたシリンダ80が配置されており、このシリンダ80は、ホルダ82で第2本体52の下端に固定されている。蓋部46は、熱で溶解する可溶合金であり、シリンダ80の凹部81に配置されている。また、リレーションピン47の下端面は、熱伝導性の低い材料で形成されたプランジャ83を介して、この蓋部46の上に配置されている。
シリンダ80には、固定ナット84により、略水平に配置された上下2枚の集熱板85が取り付けられている。これら集熱板85は、天井下の空間に露出している。各集熱板85は、熱伝導性の高い材料で形成された円盤状であり、外周に沿って複数の貫通孔86が形成されている。
【0025】
第1本体50の第1ピン収容部51の基端側には、作動検知スイッチ90が設けられている。この作動検知スイッチ90は、第1ピン42の移動を検知して、検知信号を出力するものである。
【0026】
以上の消火装置1は、以下のように動作する。
初期状態(熱を感知していない状態)では、図7に示すように、第1ピン42は、圧縮ばね44により、加圧用ボンベ30の封板32に向かって荷重Wで付勢されている。この荷重Wは、鋼球48が押圧面43Aを押す力Fと釣り合っており、鋼球48は、Fの分力Fyで下方に押されている。この分力Fyは、鋼球48から、リレーションピン47、プランジャ83、蓋部46を介して、第2本体52に固定されたホルダ82で支持されている。
【0027】
この状態で、火災が発生し、この火災による熱により集熱板85の温度が上昇すると、図8に示すように、この熱は、シリンダ80を介して蓋部46に伝わり、蓋部46が溶融する。第1ピン42の溝43の押圧面43Aにより、鋼球48、リレーションピン47、およびプランジャ83が下方に押されているので、溶融した蓋部46は、プランジャ83に押し潰されて、シリンダ80とプランジャ83との隙間から外に押し出されてゆく。これに伴って、鋼球48が下方に移動し、鋼球48と第1ピン42の溝43の押圧面43Aとの係止が解除されて、圧縮ばね44による付勢力により、第1ピン42のファイリングピン62の先端が加圧用ボンベ30に向かって勢いよく移動して、封板32を突き破り、加圧用ボンベ30に開口する。なお、このとき、鋼球48は、溝43から凹部63に移動し、さらに凹部63に沿って移動する。
【0028】
すると、図8中矢印で示すように、加圧用ボンベ30からガス流出口31およびガス流通路72を通って、高圧ガスGが流出し、この高圧ガスGは、ガス流入口21の封板23を破って薬剤タンク20の内部に流入して充満する。この高圧ガスGの圧力により、消火薬剤Sが薬剤流出口22の封板24を破って放出される。すると、図9に示すように、この消火薬剤Sの圧力によりノズル保護カバー12が外れて、消火薬剤Sが放射ノズル10の噴射口11から放射状に放出される。
【0029】
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)感熱部40の第1ピン42を水平方向に移動可能とするとともに、この第1ピン42を駆動するためのリレーションピン47を上下方向に移動可能とした。よって、従来のように、感熱部を構成する部材を上下方向に一直線上に配置していないため、消火装置1の高さ寸法を小さくでき、天井裏のふところ寸法が小さい場合でも取り付けできる。
【0030】
(2)集熱板85を略水平な円盤状としたので、火災の熱気流の方向性に左右されることなく、水平面内の全方向の熱気流を確実に感知できる。
(3)第1ピン42のステム60の外周面に、溝43の近傍から基端側に向かう凹部63を形成したので、第1ピン42が加圧用ボンベ30に向かって移動する場合に、鋼球48が凹部63に沿って移動するので、鋼球48が第1ピン42のステム60に強く接触して第1ピン42の移動に抵抗するのを防止できるから、第1ピン42を円滑に移動できる。
(4)薬剤タンク20を、縦断面視で、高さ寸法が長さ寸法よりも小さい楕円形状としたので、消火装置1の高さ寸法を小さくでき、天井裏のふところ寸法が小さい場合でも容易に取り付けできる。
【0031】
〔第2実施形態〕
図10は、本発明の第2実施形態に係る消火装置1Aの側面図である。図11は、消火装置1Aの見上げ図である。図12は、図11の消火装置のF-F断面図である。
本実実施形態では、薬剤タンク20Aが、縦断面視で、高さ寸法Tが長さ寸法Lよりも小さい、水平方向両端が半円形である略長方形状となっている点が、第1実施形態と異なる。
本実施形態によれば、上述の(1)~(4)と同様の効果がある。
【0032】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上述の実施形態では、第2ピン45をリレーションピン47と鋼球48とで構成したが、これに限らず、図13に示すように、リレーションピンと鋼球とを一体化させてもよい。
【符号の説明】
【0033】
G…高圧ガス
S…消火薬剤
1、1A…消火装置
2…天井材
3…天井開口
4…シーリングプレート
10…放射ノズル
11…噴射口
12…ノズル保護カバー
20、20A…薬剤タンク
21…ガス流入口
22…薬剤流出口
23、24…封板
30…加圧用ボンベ
31…ガス流出口
32…封板
40…感熱部
41…感熱部本体
42…第1ピン
43…溝
43A…押圧面
44…圧縮ばね(付勢部材)
45…第2ピン
46…蓋部
47…リレーションピン
48…鋼球
50…第1本体
51…第1ピン収容部
52…第2本体
53…第2ピン収容部
54…ステム収容部
55…クッキング収容部
60…ステム
61…クッキング
62…ファイリングピン
63…凹部
70…ボンベ取り付けソケット
71…ファイリングピン挿通部
72…ガス流通路
80…シリンダ
81…凹部
82…ホルダ
83…プランジャ
84…固定ナット
85…集熱板
86…貫通孔
90…作動検知スイッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2023-10-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱を感知して消火薬剤を放出する消火装置であって、
放射ノズルと、前記放射ノズルに連結されて消火薬剤が充填された薬剤タンクと、前記薬剤タンクに連結されて高圧ガスが充填された加圧用ボンベと、熱を感知して前記加圧用ボンベに開口する感熱部と、を備え、
前記感熱部が熱を感知して前記加圧用ボンベに開口すると、前記加圧用ボンベ内の高圧ガスが流出して前記薬剤タンク内に充満し、前記高圧ガスの圧力により前記薬剤タンク内の消火薬剤が放射ノズルから放出され、
前記加圧用ボンベは、封板で塞がれており、
前記感熱部は、感熱部本体と、前記感熱部本体に前記加圧用ボンベの封板に向かって水平方向に移動可能に設けられてかつ外周面に溝が設けられた第1ピンと、前記感熱部本体に設けられて前記第1ピンを前記加圧用ボンベの封板に向かって付勢する付勢部材と、前記感熱部本体に上下方向に移動可能に設けられて上端が前記第1ピンの溝に係止された第2ピンと、前記感熱部本体に設けられて前記第2ピンの下端を支持しかつ熱で溶融可能な蓋部と、を備え
前記薬剤タンクは、平面視で平盤状であり、かつ、上面が凹んでおり、
前記感熱部および前記加圧用ボンベは、前記薬剤タンクの凹んだ部分に収容されて、
前記感熱部および前記加圧用ボンベの上端面は、前記薬剤タンクの上端面と面一あるいは前記薬剤タンクの上端面よりも低いことを特徴とする消火装置。
【請求項2】
前記蓋部には、熱伝導性の高い材料で形成されて略水平に配置された少なくとも1枚の円盤状の集熱板が連結されていることを特徴とする請求項1に記載の消火装置。
【請求項3】
前記第1ピンの外周面には、前記溝の近傍から基端側に向かって凹部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の消火装置。
【請求項4】
前記薬剤タンクは、高さ寸法が長さ寸法よりも小さいことを特徴とする請求項1または2に記載の消火装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
図1】本発明の第1実施形態に係る消火装置の平面図である。
図2】第1実施形態に係る消火装置のA-A断面図である。
図3図1の消火装置のB-B断面図である。
図4図3の消火装置の破線Cで囲んだ部分の断面図である。
図5】第1実施形態に係る消火装置を構成する感熱部の縦断面図である。
図6図5の感熱部のD-D矢視図である。
図7図5の感熱部の破線Eで囲んだ部分の拡大図である。
図8】第1実施形態に係る消火装置の動作を説明するための図(その1、感熱部の縦断面図)である。
図9】第1実施形態に係る消火装置の動作を説明するための図(その2、消火装置の縦断面図)である。
図10】本発明の参考例に係る消火装置の側面図である。
図11参考例に係る消火装置の見上げ図である。
図12図11の消火装置のF-F断面図である。
図13】本発明の変形例に係る感熱部の部分拡大図である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
〔第2実施形態〕
図10は、本発明の参考例に係る消火装置1Aの側面図である。図11は、消火装置1Aの見上げ図である。図12は、図11の消火装置のF-F断面図である。
参考例では、薬剤タンク20Aが、縦断面視で、高さ寸法T2が長さ寸法L2よりも小さい、水平方向両端が半円形である略長方形状となっている点が、第1実施形態と異なる。
参考例によれば、上述の(1)~(4)と同様の効果がある。