(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008318
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】果肉除去装置
(51)【国際特許分類】
D01B 1/42 20060101AFI20240112BHJP
D01B 1/10 20060101ALI20240112BHJP
D01B 1/40 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
D01B1/42
D01B1/10
D01B1/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022110086
(22)【出願日】2022-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】517335318
【氏名又は名称】株式会社フードリボン
(74)【代理人】
【識別番号】100111349
【弁理士】
【氏名又は名称】久留 徹
(72)【発明者】
【氏名】中川 典也
(72)【発明者】
【氏名】藤井 透
(57)【要約】
【課題】高圧ジェット水を左右に振らせることなく果肉を除去することができるようになるとともに、押圧部材で植物を押圧する場合であっても、果肉をきれいに除去することができるようにした果肉除去装置を提供する。
【解決手段】果肉の間に長繊維を有するパイナップルの葉6を内壁に当接させる円筒状の筒部材2と、当該筒部材2の内側中心側に設けられ、内壁に向かってノズル41を回転させながら高圧ジェット水を噴射させる高圧ジェット器4と、前記筒部材2の内壁に一定の隙間を持って設けられ、パイナップルの葉6を内壁に当接させるためのコイルスプリング30と、当該コイルスプリング30を、長手方向の中心軸を中心に回転させるモーター33を設ける。そして、コイルスプリング30でパイナップルの葉6を内壁に押圧させながら、このコイルスプリング30の回転によって下方に搬送させ、高圧ジェット水で果肉を除去していく。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
果肉の間に長繊維を有してなる植物を内壁に当接させる円筒状の筒部材と、
当該筒部材の内側中心側に設けられ、内壁に向かって高圧ジェット水を噴射させる高圧ジェット器と、
を備えたことを特徴とする果肉除去装置。
【請求項2】
請求項1に記載の果肉除去装置であって、
さらに、前記筒部材の内壁に前記植物を押圧させるための押圧部材を備えた請求項1に記載の果肉除去装置。
【請求項3】
請求項1に記載の果肉除去装置であって、
さらに、前記植物を筒部材の中心軸に沿った方向に搬送させる搬送手段を備えた請求項1に記載の果肉除去装置。
【請求項4】
請求項1に記載の果肉除去装置であって、
さらに、前記筒部材の内壁に前記植物を押圧させるためコイルスプリングを備え、当該コイルスプリングの外周面で前記植物を前記筒部材の内壁に押圧させた状態で、当該コイルスプリングを回転させることによって、前記植物を前記筒部材の内壁に沿って搬送させるようにした請求項1に記載の果肉除去装置。
【請求項5】
前記筒部材の内壁に、長手方向に沿った複数の溝を形成した請求項1に記載の果肉除去装置。
【請求項6】
前記高圧ジェット器が、高圧ジェット水を噴射させるためのノズルを回転させるものである請求項1に記載の果肉除去装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、パイナップルの葉、芭蕉、バナナの仮茎などから果肉を除去して、長繊維を抽出できるようにした果肉除去装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、パイナップルの葉や、芭蕉、バナナの仮茎などから50cm以上の長い葉脈長繊維(以下「長繊維」と称する)を抽出する場合、次のような方法が用いられている。
【0003】
例えば、下記の非特許文献1には、葉や仮茎を平らな板の上に載置し、石や鉄でできたスクレーパを用いて果肉を削ぎ落して長繊維を抽出する方法が提案されており、また、下記の特許文献1には、バナナ長繊維を手で剥ぎ取る方法が提案されている。
【0004】
また、下記の非特許文献2には、パイナップルの果肉を回転ローラーで擦り取って長繊維を抽出する方法が提案されており、非特許文献3には、長繊維束をさらに爪で一本一本引き裂いて長繊維を抽出する方法が提案されている。
【0005】
しかしながら、これらのいずれの方法においても、葉や仮茎の長繊維から完全に果肉を除去することができなかった。
【0006】
これに対して、下記の非特許文献4には、平板上に植物を載置し、その上から高圧ジェット水を当てて果肉を除去する方法が提案されている。この方法を用いれば、上記方法に比べて、効果的に果肉を除去することができるようになる。
【0007】
しかしながら、この方法においては、植物の幅方向に高圧ジェット水を振りながら、一定の水圧で高圧ジェット水を当てる必要があるため、装置が複雑化してしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Global Sci. Journals, Vol.7, Issue 1 (2019) pp.317-326
【非特許文献2】Int. J. of Polymer Science, Vol.2012 (doi.org/10.1155 /2015/950567)
【非特許文献3】http://okinoerabu-bashofu.jp/process.html(令和4年5月2日確認)
【非特許文献4】J. of Eng. Fibers and Fabrics, Vol.15, (2020) pp.1-7 (doi: 101177/1558925050940109)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明は、高圧ジェット水を左右に振ることなく、一定の水圧で果肉を除去できるようにした果肉除去装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
すなわち、本発明は上記課題を解決するために、果肉の間に長繊維を有してなる植物を内壁に当接させる円筒状の筒部材と、当該筒部材の内側中心側に設けられ、内壁に向かって高圧ジェット水を噴射させる高圧ジェット器とを備えようにしたものである。
【0012】
このように構成すれば、高圧ジェット水を植物の幅方向に振らなくても、中心側に設けられた高圧ジェット器から同じ距離にある内壁に向けて、一定の水圧で高圧ジェット水を噴射させることができるため、装置を簡素化することができるようになる。
【0013】
また、このような発明において、さらに、前記筒部材の内壁に前記植物を押圧させるための押圧部材を備えるようにする。
【0014】
このように構成すれば、植物が高圧ジェット水に当たって暴れることを防止できるため、高圧ジェット水の当たる位置を一定に固定しておくことができるようになる。
【0015】
さらに、前記植物を筒部材の長手方向の中心軸に沿った方向に搬送させる搬送手段を備えるようにする。
【0016】
このように構成すれば、植物を連続して投入することで、長繊維を連続的に抽出していくことができるようになる。
【0017】
また、前記筒部材の内壁に前記植物を押圧させるためコイルスプリングを備えるようにした場合、当該コイルスプリングの外周面で前記植物を前記筒部材の内壁に押圧させ、当該コイルスプリングを回転させることによって、前記植物を前記筒部材の内壁に沿って搬送させるようにする。
【0018】
このように構成すれば、植物の押圧と搬送の機能をコイルスプリングに持たせることができるため、装置をより簡素化することができるようになる。
【0019】
また、記筒部材の内壁に、長手方向に沿った複数の溝を形成しておく。
【0020】
このように構成すれば、内側から噴射させた高圧ジェット水を溝の内側に向けて貫通させることができるため、裏面側の果肉も除去することができるようになる。また、コイルスプリングを回転させて植物を搬送させる場合であっても、溝に植物を押圧させることによって、植物の回転を防止できるとともに、果肉が除去された長繊維を溝の内側に沿わせ、高圧ジェット水で長繊維が絡み合ってしまうことを防止できるようになる。
【0021】
また、前記高圧ジェット器として、高圧ジェット水を噴射させるためのノズルを回転させるものを用いる。
【0022】
このように構成すれば、筒部材のどの内壁の位置に植物が存在していても、一定の圧力で、植物に高圧ジェット水を当てることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、果肉の間に長繊維を有してなる植物を内壁に当接させる円筒状の筒部材と、当該筒部材の内側中心側に設けられ、内壁に向かって高圧ジェット水を噴射させる高圧ジェット器とを備えようにしたので、高圧ジェット水を植物の幅方向に振らなくても、中心側に設けられた高圧ジェット器から同じ距離にある内壁に向けて、一定の水圧で高圧ジェット水を噴射させることができるため、装置を簡素化することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の一実施の形態による果肉除去装置の概観斜視図
【
図4】同形態におけるノズルと筒部材との位置状態を示す図
【
図6】亀裂の生成されたパイナップルの葉の状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0026】
この実施の形態における果肉除去装置1は、果肉で覆われた長繊維を有する植物の葉や仮茎などから果肉を除去し、長繊維のみを抽出できるようにしたものであって、
図1に示すように、テーパー部22からパイナップルの葉6を中心側に取り込めるようにした筒部材2と、この筒部材2に取り込まれたパイナップルの葉6を内壁に押し付ける押圧部材3であるコイルスプリング30と、このコイルスプリング30を回転させることで、コイルスプリング30の外周面に押圧されたパイナップルの葉6を下方に移動させるモーター33と、筒部材2の中心位置近傍に設けられ、内壁に向かって高圧ジェット水を回転させながら噴射させる高圧ジェット器4などを備えて構成される。そして、このように構成することによって、高圧ジェット器4のノズル41から筒部材2の内壁までの距離を等距離にして、水圧を一定にするとともに、コイルスプリング30によって、パイナップルの葉6の押圧と搬送を同時に行わせるようしたものである。以下、本実施の形態について詳細に説明する。
【0027】
この実施の形態において、長繊維を有する植物としては、複数本の長繊維の間に、水分を多く含んだ柔らかい果肉で覆われる植物が用いられ、例えば、キジカクシ科のサイザルアサ、バナナ科のバナナ、アサ科の芭蕉マニラアサ、亜麻、苧麻などが挙げられる。なお、この実施の形態では、パイナップルの葉6を例として説明する。
【0028】
このようなパイナップルの葉6としては、食用に供される果実を採取した後、本来、廃棄されるパイナップルの葉6を葉元近傍から切除したものが用いられる。一般的に、パイナップルの果実の収穫時期である5月から7月頃には、パイナップルの葉6の長さが50cmから100cm程度の長さになり、厚みも、2mm程度となる。そこで、このように育成した長いパイナップルの葉6を用いるようにする。ここで、使用されるパイナップルの葉6としては、採取後、水分を50%以上含有している新鮮なものを用いる。このように水分の多く含有しているパイナップルの葉6を用いると、そのパイナップルの葉6を屈曲させた場合に、果肉の表裏に亀裂61(
図6参照)を生じやすくなり、その亀裂61に高圧ジェット水を当てて、果肉を除去させやすくすることができる。一方、長期間保管したパイナップルの葉6を使用する場合は、そのパイナップルの葉6を一定期間水中に浸漬させ、水分含有率が50%以上となるようにする。ただし、余り水分含有率が高くなった場合は、屈曲によって果肉に亀裂61を生じさせることができないため、水分含有率を50%から70%程度にしておく。
【0029】
このようなパイナップルの葉6に亀裂61を生じさせる場合、
図5に示すような、亀裂生成装置5を用いる。この亀裂生成装置5は、外周面に凸状体52を放射状に設けられた回転体51を一対設け、それぞれの凸状体52を噛み合わせた状態で回転させるように構成されている。そして、それぞれの回転体51の間にパイナップルの葉6を挟み込ませ、その回転体51の凸状体52によって、パイナップルの葉6を交互に屈曲させて、
図6に示すような亀裂61をパイナップルの葉6の表裏に生じさせるようにしている。なお、ここでは、上下に設けられた回転体51にパイナップルの葉6を挟み込ませて屈曲させるようにしているが、表面に凹凸を有する板状体の間にパイナップルの葉6を挟み込んで強く屈曲させ、パイナップルの葉6の表面に亀裂61を生じさせるようにしてもよい。
【0030】
このように亀裂61の設けられたパイナップルの葉6は、果肉除去装置1によって果肉が除去され、最終的に、長繊維のみが抽出される。
【0031】
この果肉除去装置1としては、
図1に示すように、パイナップルの葉6を内側に取り入れるようにした筒部材2と、この筒部材2の内壁に対して、螺旋状の外周部分が沿うように設けられるコイルスプリング30と、このコイルスプリング30を回転させるモーター33と、筒部材2の中心側に設けられ、筒部材2の内壁に沿って高圧ジェット水を噴射させる高圧ジェット器4などを備えて構成される。
【0032】
このうち、筒部材2としては、パイナップルの葉6の長手方向の長さ以上の長さを有し、また、内径としては、パイナップルの葉6を数枚程度並べて収容できるような寸法に構成される。ただし、パイナップルの葉6を多く収容できるようにすると、内径が大きくなり過ぎてしまい、中心位置からの距離が大きくなって水圧が低くなる可能性があるため、好ましくは2枚から3枚程度のパイナップルの葉6を並べて収容できるようにしておく。
【0033】
この筒部材2の内壁には、
図3に示すように、長手方向に沿った複数の溝21が形成される。この溝21は、中心側に設けられた高圧ジェット器4からの高圧ジェット水を、植物の裏面側まで貫通させるようにしたものであり、また、コイルスプリング30の回転によって植物を搬送させる際に、植物がコイルスプリング30とともに回転しないようにする役目を有する。さらに、果肉の除去された長繊維を溝21の隙間に収容させることによって、高圧ジェット水によって、長繊維が暴れないようにする役目を有するようにしている。
【0034】
この筒部材2の内側には、パイナップルの葉6を内壁に押圧するための押圧部材3が設けられる。ここでは、押圧部材3の一例として、外周面でパイナップルの葉6を押圧させる丸線や異径線状のコイルスプリング30が設けられる(
図1および
図2参照)。このコイルスプリング30は、一本のみ設ける場合は、丸線状のコイルスプリング30の上端近傍を小径の状態にして、円筒状の支持部材31に内接させて、パイナップルの葉6や果肉の除去された長繊維を押圧させるようにしており、この支持部材31にベルト34を架け渡して、モーター33で回転させるようにする。また、複数設ける場合は、支持部材31の外周面に異径線状のコイルスプリング(図示せず)をノズル41の近傍まで設け、これによって外周面でパイナップルの葉6を筒部材2の内壁に強く押圧させ、その後、果肉の除去された長繊維を丸線のコイルスプリング30で押圧させるようにしている。そして、搬送手段の一部を構成するモーター33に架け渡されたベルト34を周回させることによって、支持部材31を回転させ、その支持部材31に支持された丸線や異径線のコイルスプリング30を回転させて、パイナップルの葉6を螺旋回転によって搬送させるようにしている。なお、この支持部材31の外側は、回転不能な外筒32で覆われるようになっており、これによって、筒部材2の上端部に設けられた漏斗状のテーパー部22に取り込まれたパイナップルの葉6を、支持部材31に接触させないようにして、回転させることなく、真っ直ぐ筒部材2に取り込ませるようにしている。
【0035】
一方、この筒部材2の中心側に設けられる高圧ジェット器4は、
図1や
図4に示すように、筒部材2の内壁に向かって高圧ジェット水を噴射させるようにしたものであって、ここでは、先端に回転可能に取り付けられたノズル41を噴射による反動で回転させ、内壁に向かって高圧ジェット水を噴射させるように構成される。そして、
図4に示すように、ノズル41から筒部材2の内壁までの距離を一定にして、内壁に当たる水圧を一定にできるようにしている。なお、水圧としては、パイナップルの葉6から果肉を除去する場合、0.1MPaから2.0MPa程度の水圧で果肉を除去する。
【0036】
次に、このように構成された果肉除去装置1を用いて果肉を除去する方法について説明する。
【0037】
まず、事前に、
図5に示す亀裂生成装置5を用いてパイナップルの葉6の表裏に亀裂61を生じさせているものとし、そのように亀裂61の設けられたパイナップルの葉6を用いて果肉を除去する場合について説明する。
【0038】
このように表裏に亀裂61の生じさせたパイナップルの葉6から果肉を除去する場合、果肉除去装置1のテーパー部22にパイナップルの葉6を落とし込むようにして取り込む。このとき、パイナップルの葉6を長繊維に沿ってテーパー部22の中心位置に取り込む。すると、外筒32とテーパー部22との隙間にパイナップルの葉6が入り込まれ、コイルスプリング30の外周部分と筒部材2の内壁との間に挟まれるようになる。
【0039】
そして、モーター33を回転させることにより、ベルト34を介して支持部材31が回転し、これに伴って、コイルスプリング30が回転するようになる。すると、パイナップルの葉6が、筒部材2の内壁の溝21に押圧された状態で、下方に向かって搬送されるようになる。
【0040】
このようにパイナップルの葉6を搬送させるとともに、筒部材2の中心側に設けられた高圧ジェット器4のノズル41から高圧ジェット水を噴射させる。すると、パイナップルの葉6の亀裂61に高圧ジェット水が当たり、そこから徐々に果肉が除去されていく。このとき、筒部材2の中央付近から噴射された高圧ジェット水が、一定の距離に位置するパイナップルの葉6に当たるため、一定の水圧でパイナップルの葉6の果肉を除去していくことができるようになる。そして、その高圧ジェット水を、筒部材2の溝21に向けてパイナップルの葉6を貫通させ、裏面側の果肉も除去していく。そして、果肉の除去されたパイナップルの葉6の長繊維を溝21の内側に沿わせ、高圧ジェット水が当たった場合であっても、長繊維が暴れないようにする。
【0041】
そして、順次、パイナップルの葉6を下方に向けて移動させ、果肉を除去していく。
【0042】
そして、このように果肉を除去したパイナップルの葉6を取り出し、再度洗浄した後、水分を取り除いて乾燥させる。
【0043】
このように上記実施の形態によれば、果肉の間に長繊維を有してなるパイナップルの葉6を内壁に当接させる円筒状の筒部材2と、当該筒部材2の内側中心側に設けられ、内壁に向かって高圧ジェット水を噴射させる高圧ジェット器4とを備えようにしたので、高圧ジェット水をパイナップルの葉6の幅方向に振らなくても、中心側に設けられた高圧ジェット器から同じ距離にある内壁に向けて、一定の水圧で高圧ジェット水を噴射させることができるようになる。これにより、果肉除去装置1を簡素化することができるようになる。
【0044】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。
【0045】
例えば、上記実施の形態では、押圧部材3として、コイルスプリング30を用いるようにしたが、筒部材2の長手方向に沿った板バネ状の押圧部材など、他の押圧部材を用いるようにしてもよい。
【0046】
また、上記実施の形態では、コイルスプリング30を回転させて、その外周面に接するパイナップルの葉6を下方に向けて搬送させるようにしたが、筒部材2の内壁側に上下方向に沿って周回する搬送ベルトを設けてパイナップルの葉6を内壁に押圧させながら搬送させるようにしてもよい。あるいは、筒部材2の内壁に螺旋状の溝を形成しておき、上下方向に沿って設けられた板バネ状の押圧部材によってパイナップルの葉6を押圧させた状態で、筒部材2を回転させることによって、パイナップルの葉6を搬送させるようにしてもよい。
【0047】
さらに、上記実施の形態では、筒部材2の内壁に中心軸に沿った直線状の溝21を設けるようにしたが、溝21を設けないようにしてもよい。
【0048】
また、上記実施の形態では、高圧ジェット器4のノズル41を回転させるようにしたが、ノズル41を回転させることなく、筒部材2の内壁全周に向けて高圧ジェット水を噴射させるようにしてもよい。
【0049】
また、上記実施の形態では、高圧ジェット器4のノズル41を回転させるようにしたが、ノズル41の回転速度を制御する回転制御手段を設けてもよい。このような手段としては、ノズル41の外周に当接しうる摩擦部材を設けておき、遠心力によって摩擦部材による押圧状態を変えて、回転速度を制御させる方法などを用いることができる。
【0050】
また、上記実施の形態では、ノズル41を一箇所だけ設けるようにしたが、複数箇所設けるようにしておき、それぞれのノズル41から水圧などの噴射状態を変えて噴射させるようにしてもよい。このような方法としては、例えば、筒部材2の上側から水管を垂下させて、その先端に設けられたノズル41を高圧回転させ、また、筒部材2の下側から水管を挿入して、その上端部分に設けられたノズル41を低圧回転させる方法を用いることができる。
【符号の説明】
【0051】
1・・・果肉除去装置
2・・・筒部材
21・・・溝
22・・・テーパー部
3・・・コイルスプリング(押圧部材、搬送手段)
31・・・支持部材
32・・・外筒
33・・・モーター(搬送手段)
34・・・ベルト(搬送手段)
4・・・高圧ジェット器
5・・・亀裂生成装置
51・・・回転体
52・・凸状体
6・・・パイナップルの葉
61・・・亀裂