(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083189
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08B 21/02 20060101AFI20240613BHJP
G08B 21/24 20060101ALI20240613BHJP
B66F 9/24 20060101ALI20240613BHJP
B25J 13/00 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
G08B21/02
G08B21/24
B66F9/24 A
B66F9/24 P
B25J13/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008910
(22)【出願日】2023-01-24
(31)【優先権主張番号】P 2022196679
(32)【優先日】2022-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】591280485
【氏名又は名称】ソフトバンクグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】孫 正義
【テーマコード(参考)】
3C707
3F333
5C086
【Fターム(参考)】
3C707CS08
3C707KS36
3C707KT03
3C707KT04
3C707KX02
3C707LV15
3C707MS28
3C707WA16
3F333AA02
3F333AE02
3F333FA04
3F333FA05
3F333FA36
3F333FD11
3F333FD14
3F333FD15
3F333FE05
3F333FE07
3F333FE08
5C086AA22
5C086AA54
5C086BA19
5C086CA25
5C086FA01
5C086FA06
5C086FA11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】車両と人間との位置関係に基づいて、人間に対して注意喚起を促す報知制御を行う情報処理装置を提供する。
【解決手段】フォークリフト10において、Central Brain24として機能するコンピュータのCPUは、作業場で人間と共に作業を行う作業体と人間との作業場における位置関係を検知した検知情報を取得する取得部と、取得部が取得した検知情報に基づいて、位置関係が所定の関係にある場合、作業体に搭載された報知部から人間に対して注意喚起を促す注意情報を報知させる制御部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業場で人間と共に作業を行う作業体と前記人間との前記作業場における位置関係を検知した検知情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記検知情報に基づいて、前記位置関係が所定の関係にある場合、前記作業体に搭載された報知部から前記人間に対して注意喚起を促す注意情報を報知させる制御部と、
を備え、
前記制御部は、過去に注意情報を報知した人間が作業していた場所と同一の場所で作業する他の人間に対して、過去に報知した注意情報を報知させる、
情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、過去に同じ場所で注意情報を報知した旨を報知させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、過去の同じ場所での注意情報の報知頻度又は報知回数に応じて、前記注意情報の報知の態様を変化させる、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、複数の注意情報が過去に報知されていた場合、前記人間の状態に応じて全ての注意情報を報知させるか、一部の注意情報に限ってさせるかを決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記位置関係が所定の関係にある場合は、前記作業場における前記作業体と前記人間との距離が所定範囲内にある場合である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記注意情報は、所定の警告音、前記人間による所定の音声、及び所定の光の少なくとも1つを含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータを、請求項1から請求項6の何れか1項に記載の情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自動運転機能を有する車両について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施態様によれば、情報処理装置が提供される。前記情報処理装置は、作業場で人間と共に作業を行う作業体と前記人間との前記作業場における位置関係を検知した検知情報を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記検知情報に基づいて、前記位置関係が所定の関係にある場合、前記作業体に搭載された報知部から前記人間に対して注意喚起を促す注意情報を報知させる制御部と、を備え、前記制御部は、過去に注意情報を報知した人間が作業していた場所と同一の場所で作業する他の人間に対して、過去に報知した注意情報を報知させる。
【0005】
前記情報処理装置では、前記制御部は、過去に同じ場所で注意情報を報知した旨を報知させる。
【0006】
前記情報処理装置では、前記制御部は、過去の同じ場所での注意情報の報知頻度又は報知回数に応じて、前記注意情報の報知の態様を変化させる。
【0007】
前記情報処理装置では、前記制御部は、複数の注意情報が過去に報知されていた場合、前記人間の状態に応じて全ての注意情報を報知させるか、一部の注意情報に限ってさせるかを決定する。
【0008】
前記情報処理装置では、前記位置関係が所定の関係にある場合は、前記作業場における前記作業体と前記人間との距離が所定範囲内にある場合である。
【0009】
前記情報処理装置では、前記注意情報は、所定の警告音、前記人間による所定の音声、及び所定の光の少なくとも1つを含む。
【0010】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータを、前記情報処理装置として機能させるためのプログラムが提供される。
【0011】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態に係るクラウドに蓄積された情報の例を示す説明図である。
【
図2】本実施形態に係るネットワーク構成の第1の概略図である。
【
図3】本実施形態に係るフォークリフトを示す斜視図である。
【
図4】本実施形態に係るフォークリフトのタイヤに係る平面図である。
【
図5】本実施形態に係るフォークリフトのタイヤに係る平面図である。
【
図6】Central Brainとして機能するコンピュータのハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。
【
図7】Central Brainとして機能するコンピュータの機能構成の例を示すブロック図である。
【
図8】本実施形態に係るCentral Brainにより実行されるフローチャートである。
【
図9】本実施形態に係るネットワーク構成の第2の概略図である。
【
図10】本実施形態に係る人型ロボットの正面図である。
【
図11】本実施形態に係る人型ロボットの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0014】
(第1の実施形態)
まず、本実施形態に係る第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るクラウド500に蓄積された情報の例を示す説明図である。第1の実施形態においては、複数種類の後述する検知情報をAIデータ化してクラウド500に蓄積する。AI(Artificial Intelligence)がナノセカンド(10億分の1秒)ごとに状況のベストミックスを予測、判断し、フォークリフト10の動作を最適化する。フォークリフト10は「作業体」の一例である。
【0015】
図2は、本実施形態に係るネットワーク構成の第1の概略図である。第1の実施形態のフォークリフト10は、ネットワークNを通じてクラウド500に接続されている。ネットワークNは6G又はそれ以上の通信規格による公衆回線が例示される。
【0016】
図3は、本実施形態に係るフォークリフト10を示す斜視図である。
図3に示すように、フォークリフト10は、制御装置20、フォーク30、パレット40、ガイド50、及び報知部60を備える。
【0017】
制御装置20は、フォークリフト10の動作を制御する部分である。当該「フォークリフト10の動作」は、フォークリフト10が備える各部材の動作、及び、フォークリフト10自身の動作、具体的には、フォークリフト10の自動運転動作を含む概念である。
【0018】
一例として、制御装置20は、直方体状を呈している。また、制御装置20の下部には、複数のタイヤ22が設けられている。さらに、制御装置20の内部には、Central Brain24が設けられている。Central Brain24は、情報処理装置の一例である。
【0019】
図4及び
図5は、本実施形態に係るフォークリフト10のタイヤ22を説明する図である。本実施形態におけるタイヤ22は、フォークリフト10の前後中央における左右に設けられた一対の駆動輪22Aと、四隅に設けられた従動輪22Bと、を含む。駆動輪22Aは、旋回不能であって、左右それぞれに独立して搭載されたモータ(図示省略)により駆動可能である。従動輪22Bは、旋回可能な所謂キャスターである。左右の駆動輪22Aを同方向に回動させることで、フォークリフト10は前進又は後進を行う。この場合において、同方向に回動される左右の駆動輪22Aの回転数を変えることで、フォークリフト10は左方又は右方に曲がることが可能となる。また、左右の駆動輪22Aを逆方向に回動させることで、フォークリフト10はその場で旋回を行う。なお、各タイヤ22には、走行路からの衝撃を緩衝するためのサスペンションを備えていてもよい。以上、本実施形態のフォークリフト10は、Central Brain24の制御に基づいて、左右の駆動輪22Aをそれぞれ独立して回動させることで、走行路を自在に走行することが可能である。
【0020】
図2に示すように、Central Brain24には、複数のGate Way23が通信可能に接続されている。Central Brain24は、Gate Way23を介して外部のクラウド500に接続されている。Central Brain24は、Gate Way23を介して外部のクラウド500へアクセスすることができるように構成されている。その一方で、Gate Way23の存在により、外部からCentral Brain24へ直接アクセスすることはできないように構成されている。
【0021】
Central Brain24は、所定時間が経過する毎に、要求信号をサーバへ出力する。具体的には、Central Brain24は、10億分の1秒毎に、問い合わせを表す要求信号をサーバとなるクラウド500へ出力する。
【0022】
図3に戻って、フォーク30は、先端部にセンサ35が設けられている。
パレット40は、載置面に荷物Lが載置されている。
【0023】
ガイド50は、制御装置20の前後方向の一端部から上方に延びている。また、ガイド50は、上端部にセンサ55が設けられている。
【0024】
報知部60は、制御装置20の前面側に設けられている。当該報知部60は、一例として、所定の音を出力可能なスピーカである。
【0025】
ここで、上記のセンサ35及びセンサ55の例は、レーダー、LiDAR、高画素・望遠・超広角・360度・高性能カメラ、ビジョン認識、微細音、超音波、振動、赤外線、紫外線、電磁波、温度、湿度、スポットAI天気予報、高精度マルチチャネルGPS、低高度衛星情報、ロングテールインシデントAI data等である。ロングテールインシデントAI dataとはレベル5の実装した自動車のTripデータに相当するデータである。
【0026】
上記のセンサ35及びセンサ55、並びにその他のセンサから取り入れる検知情報として、工場で作業を行う作業者の位置情報、作業者の向き、作業者の視線方向、作業者の体勢、工場で作業者と共に作業を行うフォークリフト10の位置情報、重心、及び向き、タイヤ22の向き、材質、摩耗状況、及び空気圧、路面の状況(摩擦係数、上下横斜め方向の傾き、材質、道幅、など)、荷物Lの種類、荷重、運搬元、運搬先、及び走行経路、外気温度、外気湿度、並びに、周囲の状況(鳥、動物、サッカーボール、事故車、地震、火事、風、台風、大雨、小雨、吹雪、霧、など)等が挙げられ、本実施形態では、これらの検知を10億分の1秒毎に実施する。上記のその他のセンサは、フォークリフト10に搭載されていてもよいし、フォークリフト10が作業を行う工場内に設置されていてもよい。作業者は「人間」の一例であり、工場は「作業場」の一例である。
【0027】
図6は、Central Brain24として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載の後述のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0028】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0029】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0030】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0031】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0032】
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0033】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0034】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0035】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0036】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0037】
図7は、Central Brain24として機能するコンピュータ1200の機能構成の例を示すブロック図である。
【0038】
図7に示すように、コンピュータ1200のCPU1212は、機能構成として、取得部1212A、算出部1212B、及び制御部1212Cを有する。各機能構成は、CPU1212がコンピュータ1200にインストールされたプログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0039】
取得部1212Aは、フォークリフト10の動作中に、センサ35及びセンサ55、並びにその他のセンサにより検知された検知情報を10億分の1秒毎に取得する。
【0040】
算出部1212Bは、取得部1212Aが取得した検知情報に基づいて、フォークリフト10の動作を制御するための制御変数を10億分の1秒毎に算出する。制御変数は、フォークリフト10が備える各部材の動作、及びフォークリフト10の自動運転動作を制御するための制御値である。
【0041】
制御部1212Cは、算出部1212Bが算出した制御変数に基づいて、10億分の1秒単位でフォークリフト10の動作を制御する。
【0042】
また、制御部1212Cは、取得部1212Aが取得した検知情報に基づいて、フォークリフト10と作業者との工場における位置関係が所定の関係にある場合、フォークリフト10に搭載された報知部60から作業者に対して注意喚起を促す注意情報を報知させる。上記の位置関係が所定の関係にある場合は、例えば、工場におけるフォークリフト10と作業者との距離が所定範囲内にある場合である。なお、上記の「所定範囲」は、1メートル又は3メートル等、適宜設定可能である。制御部1212Dは、検知情報に基づいてフォークリフト10と作業者との距離を算出し、算出した距離が所定範囲内にある場合には、報知部60から注意情報として所定の警告音(ビープ音)を出力させる。
【0043】
次に、Central Brain24として機能するコンピュータ1200により実行される処理の流れについて説明する。コンピュータ1200では、CPU1212がコンピュータ1200にインストールされたプログラムを読み出して、RAM1214に展開して実行することにより、
図8に示すフローチャートの処理が実行される。
【0044】
ステップS10において、CPU1212は、センサ35及びセンサ55、並びにその他のセンサにより検知された検知情報を取得する。そして、CPU1212は、ステップS11に進む。
【0045】
ステップS11において、CPU1212は、ステップS10で取得した検知情報に基づいて、制御変数を算出する。そして、CPU1212は、ステップS12に進む。
【0046】
ステップS12において、CPU1212は、ステップS11で算出した制御変数に基づいて、フォークリフト10の動作を制御する。そして、CPU1212は、ステップS13に進む。
【0047】
ステップS13において、CPU1212は、ステップS10で取得した検知情報に基づいて、フォークリフト10と作業者との工場における位置関係が所定の関係にあるか否かを判定する。ここで、CPU1212は、当該位置関係が所定の関係にあると判定した場合(ステップS13:YES)、ステップS14に進む。一方、CPU1212は、当該位置関係が所定の関係にあると判定しない場合(ステップS13:NO)、
図8に示すフローチャートの処理を終了する。
【0048】
ステップS14において、CPU1212は、報知部60から注意情報を報知させる。そして、CPU1212Cは、
図8に示すフローチャートの処理を終了する。
【0049】
上記のように、第1の実施形態に係るCentral Brain24として機能するコンピュータ1200では、CPU1212は、工場で作業者と共に作業を行うフォークリフト10と作業者との工場における位置関係を検知した検知情報を取得する。そして、CPU1212は、取得した検知情報に基づいて、当該位置関係が所定の関係にある場合、フォークリフト10に搭載された報知部60から作業者に対して注意喚起を促す注意情報を報知させる。
【0050】
近年では、上記のフォークリフト10のようなAIにより自動運転が制御される作業体が工場における労働力として投入され、作業者と共に作業を行っている。ここで、将来的には、当該作業体のみで作業を行う工場も存在し得るが、工場から人手による労働力を即座に排除することは困難である。したがって、工場において、当該作業体と共に作業者が人手で作業を行う状態はしばらく続くことが予想される。
【0051】
第1の実施形態に係るコンピュータ1200の構成によれば、工場におけるフォークリフト10と作業者との距離が所定範囲内にある場合に報知部60から注意情報を報知させることができるため、フォークリフト10と作業者とが混在する工場において両者に安全に作業を行わせることができる。
【0052】
(第2の実施形態)
次に、本実施形態に係る第2の実施形態について、上記実施形態との重複部分を省略又は簡略しつつ説明する。
【0053】
第2の実施形態においては、クラウド500に蓄積した検知情報をAIが10億分の1秒ごとに状況のベストミックスを予測、判断し、人型ロボット1の動作を最適化する。人型ロボット1は「作業体」の一例である。
【0054】
図9は、本実施形態に係るネットワーク構成の第2の概略図である。第2の実施形態の人型ロボット1は、ネットワークNを通じてクラウド500に接続されている。
【0055】
図10は、本実施形態に係る人型ロボット1の正面図である。
図10に示すように、本実施形態に係る人型ロボット1は、上半身部2、脚部3、及び上半身部2を脚部3に対して回動可能に連結する連結部4を備えている。人型ロボット1は、例えば工場の生産ライン等に配置されて、ライン上又は床上の物体等に対して作業を行うものである。
【0056】
上半身部2は2本の腕部5,6を有する。腕部5,6は上半身部2の左右に回動自在に取り付けられている。また、腕部5,6の先端には物体を把持するための把持部(不図示)が取り付けられている。なお、腕部は2本に限定されるものではなく、これより多くても少なくてもよい。
【0057】
脚部3は2つの車輪7,8がその下部に取り付けられており、人型ロボット1が配置される床の上を移動可能とされている。
【0058】
連結部4は、上半身部2及び脚部3を回動可能に連結する。このため、上半身部2は、脚部3に対して前傾及び後傾が可能となっている。このため、本実施形態に係る人型ロボット1は、
図11に示すように、脚部3に対して上半身部2を前傾させて、床に置かれていたり、作業中に床に落ちたりした物体100を拾うことが可能である。
【0059】
なお、脚部3は、上半身部2が脚部3に対して前傾又は後傾したり、人型ロボット1が移動したりした際に、人型ロボット1が転倒しないようにするためのバランス機能を有する。
【0060】
また、連結部4は、
図10に示すように上半身部2と脚部3との距離を変更可能な機能を有する。このため、生産ラインにおける作業台の高さに合うように、脚部3に対する上半身部2の上下方向の位置を矢印Aに示すように調整することができる。
【0061】
また、本実施形態に係る人型ロボット1は、人型ロボット1内に実装されたCentral Brain24(
図9参照)によりその駆動が制御される。そして、第2の実施形態に係るCentral Brain24として機能するコンピュータ1200は、第1の実施形態と同様に、機能構成として、取得部1212A、算出部1212B、及び制御部1212Cを有する(
図7参照)。
【0062】
取得部1212Aは、人型ロボット1の動作中に、人型ロボット1に搭載された図示しない搭載センサ及びその他のセンサにより検知された検知情報を10億分の1秒毎に取得する。ここで、搭載センサは、工場で作業を行う作業者の位置情報、人型ロボット1の位置情報、並びに、人型ロボット1の周辺にある、人型ロボット1が作業する物体と腕部5,6との距離及び角度を少なくとも表す情報を逐次取得する。搭載センサとしては、最高性能のカメラ、ソリッドステートLiDAR、マルチカラーレーザ同軸変位計、又はその他様々なセンサ群が採用され得る。また他には、搭載センサとしては、振動計、サーモカメラ、硬度計、レーダー、LiDAR、高画素・望遠・超広角・360度・高性能カメラ、ビジョン認識、微細音、超音波、振動、赤外線、紫外線、電磁波、温度、湿度、スポットAI天気予報、高精度マルチチャネルGPS、低高度衛星情報、又はロングテールインシデントAI data等が挙げられる。なお、搭載センサは、上記の情報のほかに、画像、距離、振動、熱、匂い、色、音、超音波、紫外線、又は赤外線等を検知する。他に搭載センサが検知する情報としては、人型ロボット1の重心移動、人型ロボット1が設置される床の材質の検知、外気温度の検知、外気湿度の検知、床の上下横斜め傾き角度の検知、及び水分量の検知等が挙げられる。搭載センサは、これらの検知を10億分の1秒毎に実施する。
【0063】
算出部1212Bは、取得部1212Aが取得した検知情報に基づいて、人型ロボット1の動作を制御するための制御変数を10億分の1秒毎に算出する。
【0064】
制御部1212Cは、算出部1212Bが算出した制御変数に基づいて、10億分の1秒単位で人型ロボット1の動作を制御する。例えば、制御部1212Cは、人型ロボット1の動作として、連結部4の回動動作、上下方向の移動動作及び腕部5,6の動作等を制御する。
【0065】
また、制御部1212Cは、取得部1212Aが取得した検知情報に基づいて、人型ロボット1と作業者との工場における位置関係が所定の関係にある場合、人型ロボット1に搭載された報知部(図示せず)から作業者に対して注意喚起を促す注意情報を報知させる。当該報知部は、第1の実施形態における報知部60と同様に、所定の音を出力可能なスピーカである。
【0066】
以上説明したように、第2の実施形態に係るコンピュータ1200の構成によれば、工場における人型ロボット1と作業者との距離が所定範囲内にある場合に報知部から注意情報を報知させることができるため、人型ロボット1と作業者とが混在する工場において両者に安全に作業を行わせることができる。
【0067】
(第3の実施形態)
次に、本実施形態に係る第3の実施形態について、上記実施形態との重複部分を省略又は簡略しつつ説明する。第3の実施形態は、フォークリフト10を「作業体」の一例として説明するが、人型ロボット1を「作業体」の一例とした場合でも適用可能である。
【0068】
第3の実施形態では、フォークリフト10は、過去に注意情報を報知した作業者が作業していた場所(例えば作業ライン)と同一の場所で作業する他の作業者に対して、過去の注意情報を報知する。過去に注意情報を報知した作業者が作業する場所に対する作業者に対しては、当該注意情報と同じ注意情報を報知する可能性が高いとして、フォークリフト10は、教訓として過去に報知した注意情報を報知部60から報知する。
【0069】
ここで、第3の実施形態に係るCentral Brain24として機能するコンピュータ1200は、上記実施形態と同様に、機能構成として、取得部1212A、算出部1212B、及び制御部1212Cを有する(
図7参照)。以下、制御部1212Cについて、第3の実施形態での特有の動作について説明する。
【0070】
制御部1212Cは、取得部1212Aが取得した検知情報に基づいて注意情報を報知する。ここで、検知情報として作業者を検知し、フォークリフト10の現在位置及び作業者の位置情報等に基づき判定した、当該作業者が居る作業ラインが、過去に注意情報を報知した作業ラインと同じであれば、制御部1212Cは、過去に当該作業ラインで作業する作業者へ報知した注意情報と同一の注意情報を報知部60から報知させる。
【0071】
制御部1212Cは、過去の注意情報と同一の注意情報を報知部60から報知させる際に、併せて、過去に同じ場所で注意情報を報知した旨を報知部60から報知させてもよい。
【0072】
また制御部1212Cは、過去の同じ場所での注意情報の報知頻度、又は報知回数に応じて、同一の注意情報を報知部60から報知させる際の態様を変化させてもよい。制御部1212Cは、過去の同じ場所での注意情報の報知頻度、又は報知回数が所定の閾値を超えている場合、当該閾値を超えていない場合と比較して、音を大きくする、文字を大きくする等により、注意情報を報知部60から報知させてもよい。この場合、閾値の数は1つでもよく、複数でもよい。
【0073】
また制御部1212Cは、複数の注意情報が過去に報知されていた場合、全ての注意情報を報知部60から報知させてもよく、一部の注意情報に限って報知部60から報知させてもよい。この場合、制御部1212Cは、例えば、作業者の状態に応じて全ての注意情報を報知部60から報知させるか、一部の注意情報に限って報知部60から報知させるかを決定してもよい。作業者の状態としては、作業者の視線、作業者の体勢等がある。
【0074】
例えば、過去に文字及び音声で注意情報が報知されていた場合、作業者がフォークリフト10を向いていれば、制御部1212Cは、文字のみで注意情報を報知部60から報知させてもよい。また、例えば、過去に文字及び音声で注意情報が報知されていた場合、作業者がフォークリフト10を向いていなければ、制御部1212Cは、文字及び音声で注意情報を報知部60から報知させてもよい。
【0075】
このように、第3の実施形態の構成は、過去に注意情報を報知した作業者が作業していた場所と同一の場所で作業する他の作業者に対して、フォークリフト10が過去の注意情報を報知する。フォークリフト10が過去の注意情報を報知することで、作業者は、同じ場所で過去にどのような注意情報をフォークリフト10から報知されたかを知ることができる。
【0076】
(その他)
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0077】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0078】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0079】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0080】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0081】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【0082】
上記実施形態では、報知部60をスピーカとしたが、これに限らず、報知部60は注意情報を表示可能なモニタでもよいし、注意情報を報知可能なランプであってもよい。
【0083】
上記実施形態では、注意情報を所定の警告音(ビープ音)としたが、これに限らず、注意情報は人間による所定の音声(例:危険です、ご注意ください)でもよいし、ランプによる所定の光(例:赤色で発光、高速で発光)であってもよい。
【符号の説明】
【0084】
24 Central Brain、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1230 ROM、1240 入出力チップ