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特開2024-83195工事用車輛のタイヤのサイドウォールの保護装置と、取り付け方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083195
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】工事用車輛のタイヤのサイドウォールの保護装置と、取り付け方法
(51)【国際特許分類】
   B60C 19/00 20060101AFI20240613BHJP
   B60B 25/04 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
B60C19/00 K
B60B25/04 E
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040732
(22)【出願日】2023-03-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-16
(31)【優先権主張番号】P 2022197004
(32)【優先日】2022-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】509312868
【氏名又は名称】株式会社 東港タイヤサービス
(74)【代理人】
【識別番号】100083068
【弁理士】
【氏名又は名称】竹中 一宣
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【弁理士】
【氏名又は名称】榊原 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100200621
【弁理士】
【氏名又は名称】堀部 峰雄
(72)【発明者】
【氏名】進藤 眞
(72)【発明者】
【氏名】清井 友広
(72)【発明者】
【氏名】池田 悠輔
(72)【発明者】
【氏名】金田 明雄
(72)【発明者】
【氏名】前田 尚紀
(72)【発明者】
【氏名】加藤 悦久
(72)【発明者】
【氏名】鬼頭 一登
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131BB03
3D131BC22
3D131BC31
3D131BC47
3D131BC55
3D131LA40
(57)【要約】
【課題】 従来の工事用車輛のタイヤのサイドウォールの保護装置は、サイドウォールの保護を図りつつ、タイヤの長期使用と、コストの削減化と、又は経済性等を可能とする目的達成にある。
【解決手段】 タイヤのリムベース内周面で、かつタイヤの外周面から内周面側に装着可能であるロックリング本体と、このロックリング本体に設けた一個、又は複数個の取付け片と、この取付け片を介して設けたロックリングと、ロックリング本体に設けたプロテクターとでなるタイヤサイドプロテクターは、ロックリング本体をリムベースに支持し、タイヤサイドプロテクターをタイヤに係止し、ロックリングを、リムベースの取付け部に係止・固定し、タイヤサイドプロテクターのプロテクターを、タイヤの外側に設ける工事用車輛のタイヤのサイドウォールの保護装置。
【選択図】 図1-1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤのリムベースの内周面に装着可能な環状でなるロックリング本体と、このロックリング本体に設けた一個、又は複数個の取付け片と、この取付け片を介在し、前記ロックリング本体に間隔を介して周設したロックリングと、
前記ロックリングに設けたプロテクターと、
を備え、
前記間隔を介して前記タイヤからの振動、又は衝撃の、前記ロックリング本体への影響を軽減可能とし、
前記リムベースの前記内周面に設けた傾斜面と、前記リムベースの外側に周設された係止片部との間の取付け部に、前記ロックリング本体を掛け止め、前記ロックリング本体を前記取付け部に係止した後に、前記取付け片と前記ロックリングを固定具で固定し、前記ロックリングを、前記タイヤの外側に固定するとともに、前記プロテクターを、前記タイヤの外側に設けることを特徴とする、工事用車輛のタイヤのサイドウォールの保護装置。
【請求項2】
前記ロックリング本体と前記ロックリングの間に、車軸方向に間隔を形成する構成とした請求項1に記載の工事用車輛のタイヤのサイドウォールの保護装置。
【請求項3】
前記プロテクターの放射方向に、一条~多数条のスリットを形成し、前記プロテクターを多数条に分離する構成とした請求項1に記載の工事用車輛のタイヤのサイドウォールの保護装置。
【請求項4】
前記プロテクターは、前記放射方向において、一条~多数条の折曲げ部位を車軸方向に向かって折曲げ形成する構成とした請求項1に記載の工事用車輛のタイヤのサイドウォールの保護装置。
【請求項5】
前記ロックリング本体は、切欠き部を有する止め輪と前記切欠き部を閉鎖可能なロックパーツと、前記切欠き部を閉鎖する固定具を備える構成とした、これらを固定する固定具とで成る、請求項1から4のいずれか一項に記載の工事用車輛のタイヤのサイドウォールの保護装置。
【請求項6】
プロテクターをタイヤに固定する一例は、
1) 複数の取付け片を予め装着した、切欠き部を備えたロックリング本体を、その切欠き部からリムベースの内側に挿入し、
2)ロックパーツで切欠き部を閉鎖し、環状のロックリング本体を形成し、
3)前記ロックリング本体を、係止片部と傾斜面とで形成されている段差(取付け部)に圧設し、取付け片が外側へと突出支持し、
4)前記突出した取付け片にロックリングを固定し、
5)最後に、プロテクターをタイヤに取付ける工事用車輛のタイヤのサイドウォールの保護装置の取り付け方法。
【請求項7】
プロテクターをタイヤに固定する一例は、
1)ロックリング本体(つまり止め輪)と、取付け片と、ロックリングが、形成された状態では、止め輪の切欠き部を開放し、
2)止め輪を取付け部に外嵌し、取付け部の内側に添設し、
3)開放状態の切欠き部は、ロックパーツで閉鎖し、
た構成でなる工事用車輛のタイヤのサイドウォールの保護装置の取り付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工事用車輛のタイヤのサイドウォールの保護装置であり、このサイドウォールの保護を図りつつ、タイヤの長期使用と、コストの削減化と、又は経済性等を可能とする目的達成にある。
【背景技術】
【0002】
タイヤのサイドウォールの保護装置に関する先行文献は、以下の文献が関連すると考える。
【0003】
文献(1)は、特開2011-126463号の「1ピースのロックリング、その装着又は取外し方法、及びホイール」の発明である。この発明は、ロックリングは、周方向の一箇所に径方向の切れ目が1つ設けられており、無負荷の(リムに装着していない)状態において、弾性反発力により両端が閉じて(又は重なって)いる。そして、このロックリングは、リムベースの端部のガターバンド部に装着、又は取外す時において、前記両端を拡幅してリムベースの外径より大きくなる構成を利用し、図示の矢印R方向(半径方向内方)に収縮する弾性反発力、即ち、半径方向(R方向)に収縮する弾性反発力が作用し、前記ロックリングを、ガターバンド部の溝に嵌合し、保持される構成である。
【0004】
文献(2)は、特開平08-282217号の「タイヤサイドプロテクター」の発明である。この発明は、リング板状のタイヤサイドプロテクターの内周端部をタイヤのビード部とリムフランジとの間に挟み込む構造であって、着脱の際に面倒なリム組作業を全く必要とせず、短時間に簡単に取付可能にしたタイヤサイドプロテクターである。その要旨は、タイヤ、リム、及び硬質加硫ゴムの成形体のタイヤサイドプロテクターとでなる取付治具であって、このタイヤサイドプロテクターの取付部は、内側面がリムフランジの外側面に沿って湾曲するように形成され、かつ外側面をリング状の取付治具によって、リムフランジとの間に挟圧固定されるようになっている。また、サイドプロテクターの内部には、繊維コード補強層を有し、取付治具は全体としてリング状であるが、その円周の一部を切り欠いたC字状に形成され、切断部の周方向距離を可変し、かつ径を拡縮可能に構成されている。即ち、図示の如く、切断部の両端に対して一方に左ネジ孔8aを、他方に右ネジ孔を切断し、左ネジ孔と左ネジに対応させて左ネジと右ネジを有するボルトを螺合し、ボルト上に固定したナット部を回動させて、切断両端部を接近、又は離間して、周長変化を介して、取付治具の径を拡縮させる。従って、タイヤサイドプロテクターは、リムフランジの外側面に取付け、付治具によって装着する。タイヤのリム組作業とは無関係に、タイヤがリムに装着された状態のまま、また車輪が車両に取付けられた状態のままで脱着可能とする構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-126463号公報
【特許文献2】特開平08-282217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、例えば、タイヤのリムベースの内周面に設けた突条形態の係止部に係止されるロックリング本体と、ロックリング本体に周設した一個、又は複数個の取付け片を介してロックリング本体に設けたロックリングとの間に間隔を形成し、このロックリング本体、及び/又は、ロックリングの間に緩衝効果を設けることで、タイヤのサイドウォールを保護することを特徴とする。
【0007】
しかし、前記文献(1)と(2)に関しては、このような緩衝効果は、期待できない。したがって、タイヤサイドプロテクター、殊に、衝撃が掛かるプロテクター(衝撃吸収の役割を担うサイドプロテクター)の緩衝効果が十分とは、考えられない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記サイドプロテクターに関する衝撃吸収と、このサイドプロテクターの修理と、美観性(装備の美感)を図るために、請求項1-7を提案する。
【発明の効果】
【0009】
請求項1は、
タイヤのリムベースの内周面に装着可能な環状でなるロックリング本体と、このロックリング本体に設けた一個、又は複数個の取付け片と、この取付け片を介在し、前記ロックリング本体に間隔を介して周設したロックリングと、
前記ロックリングに設けたプロテクターと、
を備え、
前記間隔を介して前記タイヤからの振動、又は衝撃の、前記ロックリング本体への影響を軽減可能とし、
前記リムベースの前記内周面に設けた傾斜面と、前記リムベースの外側に周設された係止片部との間の取付け部に、前記ロックリング本体を掛け止め、前記ロックリング本体を前記取付け部に係止した後に、前記取付け片と前記ロックリングを固定具で固定し、前記ロックリングを、前記タイヤの外側に固定するとともに、前記プロテクターを、前記タイヤの外側に設けることを特徴とする、工事用車輛のタイヤのサイドウォールの保護装置を提案する。
【0010】
請求項2は、
前記ロックリング本体と前記ロックリングの間に、車軸方向に間隔を形成する構成とした工事用車輛のタイヤのサイドウォールの保護装置を提案する。
【0011】
請求項2は、請求項1と同効と、又はロックリング本体とロックリングの効果の実施例の一例を示す。
【0012】
請求項3は、
前記プロテクターの放射方向に、一条~多数条のスリットを形成し、前記プロテクターを多数条に分離する構成とした工事用車輛のタイヤのサイドウォールの保護装置を提案する。
【0013】
請求項3は、請求項1と同効と、又はプロテクター(タイヤサイドプロテクター)の効果の実施例の一例を示す。
【0014】
請求項4は、
前記プロテクターは、前記放射方向において、一条~多数条の折曲げ部位を車軸方向に向かって折曲げ形成する構成とした工事用車輛のタイヤのサイドウォールの保護装置を提案する。
【0015】
請求項4は、請求項1と同効と、又はプロテクター(タイヤサイドプロテクター)の効果の実施例の一例を示す。
【0016】
請求項5は、
前記ロックリング本体は、切欠き部を有する止め輪と前記切欠き部を閉鎖可能なロックパーツと、前記切欠き部を閉鎖する固定具を備える構成とした請求項1から4のいずれか一項に記載の工事用車輛のタイヤのサイドウォールの保護装置を提案する。
【0017】
請求項5は、上記の請求項1~4の効果と、切欠き部の閉鎖と、前記切欠き部を閉鎖、及び/又は、環状形成(取付け)の容易性を提供する。
【0018】
請求項6は、プロテクター(タイヤサイドプロテクター)をタイヤに固定する一例は、
1) 複数の取付け片を予め装着した、切欠き部1を備えたロックリング本体を、その切欠き部からリムベースの内側に挿入し、
2)ロックパーツで切欠き部を閉鎖し、環状のロックリング本体を形成し、
3)前記ロックリング本体を、係止片部と傾斜面とで形成されている段差(取付け部)に圧設し、取付け片が外側へと突出支持し、
4)前記突出した取付け片にロックリングを固定し、
5)最後に、プロテクター(タイヤサイドプロテクター)をタイヤに取付ける工事用車輛のタイヤのサイドウォールの保護装置の取り付け方法を提案する。
【0019】
請求項6は、上記の請求項1~5の効果と、切欠き部の閉鎖と、前記切欠き部を閉鎖、及び/又は、環状形成(取付け)の容易性が期待できる。
【0020】
請求項6は、プロテクター(タイヤサイドプロテクター)をタイヤのリムベースに固定する一例は、
1) 複数の取付け片を予め装着した、切欠き部を備えたロックリング本体を、その切欠き部からリムベースの内側に挿入し、
2)ロックパーツで切欠き部を閉鎖し、環状のロックリング本体を形成し、
3)前記ロックリング本体を、係止片部と傾斜面とで形成されている段差(取付け部)に圧設し、取付け片が外側へと突出支持し、
4)前記突出した取付け片にロックリングを固定し、
5)最後に、プロテクター(タイヤサイドプロテクター)をタイヤに取付ける工事用車輛のタイヤのサイドウォールの保護装置の取り付け方法を提案する。
【0021】
請求項6は、上記の請求項1~5の効果と、切欠き部の閉鎖と、前記切欠き部を閉鎖、及び/又は、環状形成(取付け)の容易性が期待できる。
【0022】
請求項7は、
プロテクター(タイヤサイドプロテクター)をタイヤに固定するその他の一例は、
1)ロックリング本体(つまり止め輪)と、取付け片と、ロックリングが、形成された状態では、止め輪の切欠き部を開放し、
2)止め輪を取付け部に外嵌し、取付け部の内側に添設し、
3)開放状態の切欠き部は、ロックパーツで閉鎖し、
た構成でなる工事用車輛のタイヤのサイドウォールの保護装置の取り付け方法を提案する。
【0023】
請求項7は、上記の請求項1~6の効果と、切欠き部の閉鎖と、前記切欠き部を閉鎖、及び/又は、環状形成(取付け)の容易性が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1-1】タイヤサイドプロテクター、及び一部欠截したタイヤの係止関係の一例を示す断面斜視図であり、タイヤの内側から見た一方の断面斜視図
図1-2】タイヤサイドプロテクター、及び一部欠截したタイヤの分解関係の一例を示す断面斜視図であり、タイヤの内側から見た一方の断面斜視図
図1-3】タイヤサイドプロテクター、及び一部欠截したタイヤの係止関係の一例を示す図であり、タイヤの外側から見た正面図
図2-1】一部欠截したタイヤとリムベースの一例であり、タイヤの内側から見た一方の断面斜視図
図2-2】一部欠截したタイヤとリムベースの一例であり、タイヤの外側から見た他方の拡大断面斜視図
図2-3】図2-2の要部の拡大図
図3-1】タイヤサイドプロテクターの一例の斜視図であり、内側から見た斜視図
図3-2】図3-1の拡大斜視図
図3-3】タイヤサイドプロテクターの一例の斜視図であり、外側から見た斜視図
図4】タイヤサイドプロテクター取付け状態の一例で、タイヤサイドプロテクターとリムベースとの関係を示す要部端面図
図5】プロテクターAを、タイヤBのリムベースBBに取付ける際に、ロックリング本体の切欠き部を閉鎖する実施例を示す一例であり、(イ)止め輪と、止め輪に取付けるロックパーツ(閉鎖輪)の組合せ構造の一例を示す図、(ロ)カラビナ構造のその他の一例を示す図、(ハ)切欠き部を閉鎖(橋渡し)するロックパーツのその他の一例を示す図、
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の各実施例を説明する。各実施例は、好ましい一例であり、各実施例の説明、及び/又は、図面に限定されない。従って、発明の趣旨の範囲において構成の一部を変更する構造、又は同じ特徴と効果を達成できる構造、等は、本発明の範疇である。
【0026】
図1-1から図1-3において、タイヤサイドプロテクターとタイヤ(一部欠截)の係止・分解関係の一例を、図2-1と図2-2において、タイヤ(一部欠截)とリムベースの一例を示す。図中Aはタイヤサイドプロテクターであり、このタイヤサイドプロテクターAは、タイヤBの外側B1に取付けられる。そして、タイヤBの構成の一部となるリムベースBBの外側BB1(又はタイヤBの外側B1とは、換言すれば、リムベースBBの外側BB1である。以下同様とする。)には、環状方向B3(又はリムベースBBの環状方向BB3。以下同様とする。)に周設された係止片部1(環状に限定されない。他も同じ)と、で形成されている。
【0027】
この係止片部1と、リムベースBBの傾斜面BB0と係止片部1で形成される取付け部3には、後述するロックリング本体の環状周辺が係止される。
【0028】
尚、図2-3において、ロックリング本体10が、傾斜面BB0に係止されている状況で、ロックリング本体10は、タイヤBの回転に伴って、拡開した(歪んだ)場合には、タイヤBの外側B1から内側B2に向かって移動し、前記拡開に対応可能であり、有益である。ロックリング本体10の拡開容認・弊害解消、拡開態様に可能等に役立ち有益である。また故障解消が図れることと、ロックリング本体10の取付け部3からの外れ解消等に有益である。
【0029】
図3-1から図3-3に一例を示したタイヤサイドプロテクターAは、タイヤBの外側B1に僅かな間隔を持って、又は緊密状態で装着される。このタイヤサイドプロテクターAは、タイヤBのリムベースBBの内周面BB4に設けた取付け部3に係止されるロックリング本体10と、このロックリング本体10に設けた(環状方向10aに間欠形成する)一個、又は複数個の取付け片11と、前記取付け片11を介して前記ロックリング本体10に間隔14を置いて併設される(環状方向10aに周設する)ロックリング12と、かつ前記ロックリング12に設けた1条、又は数条のプロテクター13と、で構成されている。尚、取付け片11の環状方向10aにおける幅は、一例であり、この幅に限られない。
【0030】
そして、前記ロックリング12と前記ロックリング本体10の間に形成した間隔14を有する。
【0031】
また、前記プロテクター13は、その放射方向13aに、一条~多数条のスリット1300を形成し、前記プロテクター13を多数条に分離する構成とする。これによって、例えば、部分的な取替えができ、簡便性と経済性の確保ができる。また耐久性と振動に呈する強度性が確保できる。また、プロテクター13は、その放射方向13aにおいて、一条~多数条の折曲げ部位1301を車軸方向13bに向かって形成し、前記折曲げ部位1301より前記車軸方向13bに折曲げ形成する構成とする。これによって、例えば、可撓性の確保とか、簡便性と経済性の確保ができる。また耐久性と振動に呈する強度性が確保できる。タイヤB面への接着性、又は切削物からの回避とか、弾性確保等に有効と考えられる。
【0032】
尚、前記取付け片11により形成される間隔14は、ロックリング12、プロテクター13に関する弾性付与に役立ち、例えば、前記可撓性の確保とか、簡便性と経済性の確保ができる。また耐久性と振動に呈する強度性が確保できる。
【0033】
図4において、タイヤサイドプロテクターAをリムベースBBに取付けた、取付け状態の一例を示す。この状態にタイヤサイドプロテクターAを、取付ける方法は、タイヤBの外側B1から内側B2にかつタイヤBの空間部B4へ向かって、即ち、リムベースBBの外側BB1から内側BB2に向かって、タイヤサイドプロテクターAを差込み、このリムベースBBの内周面BB4上でかつ係止片部1の内側BB2に環状に設けた傾斜面BB0と、前記係止片部1とで形成される取付け部3には、ロックリング本体10の環状周辺が係止される。尚、取付け部3へのロックリング本体10の固定は後述する。
【0034】
図5(イ)において、ロックリング本体10は、一部が欠けたCリング状の止め輪10bと、この止め輪10bの切欠き部に取付け可能なロックパーツ10cとで構成される一例である。止め輪10bの切欠き部にロックパーツ10cを取付けることで、切欠きは閉塞され、かつ環体となる。このロックリング本体10の取付け部3への取付けは、ロックリング本体10の止め輪10bの切欠き部10b1から取付け部3に差込み、この差込み後に、ロックパーツ10cを、止め輪10bの切欠き部10b1に装着し、少なくとも一方、及び/又は他方を固定する。この所作で、ロックリング本体10(少なくとも、止め輪10b)には、ロックパーツ10cが取付けられ、ロックリング本体10は環体となり、かつ、環体として取付け部3に係止される。このロックリング本体10の差込み、及び固定により、このロックリング本体10に取付けられたロックリング12と、プロテクター13は、タイヤBのタイヤリム部B5に取付けられる。
【0035】
また、図5(ロ)において、ロックリング本体10は、止め輪10bと、ロックパーツ10cのカラビナ形態の組合せである。即ち、ロックリング本体10の切欠きを、カラビナで閉塞する。また図5(ハ)に示すような、ボルト・ナットによる固定構造(閉鎖具)も利用できる。その他は、図示しないが、嵌着具形態、同ロック具が考えられる。その他の所作と、固定は、前述の図に準ずる。
【0036】
図5(イ)、(ロ)では、例えば、切欠きを備えたロックリング本体10をその切欠きから(必要があれば変形しながら)、取付け部3に差込み(簡易で、かつスムーズに差込みできる)、この差込み後に、止め輪10bの切欠き部の、少なくとも、一方、及び/又は、双方をロックパーツ10cで固定するのがよい。また、固定支持を強固にするため、接着剤とか、上記したような固定具(ボルト、及び/又は、ナット)、その他の図示しない止め具を利用することもあり得る。止め輪10bとロックパーツ10cの固定方法は必要な強度及び作業容易性が確保されるものであれば、その詳細は問わない。また、着脱自在を図ることが望ましい。
【0037】
尚、前述の図5(イ)、(ロ)のロックリング本体10には取付け片11が、及び取付け片11にはロックリング12が取付けられる。取付け片11、及びロックリング12は、図示しない固定具(ボルト、及び/又は、ナット)、その他の止め具で固定される。
【0038】
さらに、ロックリング12にプロテクター13が取付けられる。プロテクター13は、図示しない固定具(ボルト、及び/又は、ナット)、その他の止め具で固定される。
【0039】
前記ロックリング本体10の支持(固定支持)で、ロックリング12はタイヤBの外側B1(タイヤリム部B5)から離間した状態であって、原則として、タイヤBの走行時の振動、又は衝撃等の影響を極めて少なくし、かつ安定した状態が確保されている。また、プロテクター13は、タイヤBの外側B1(タイヤサイド部B6)から離間した状態であって、原則として、タイヤBの走行時の振動、又は衝撃等の影響を極めて少なくし、かつ安定した状態が確保されている。
【0040】
上記実施の形態のロックリング本体10は、一部が欠けた(切欠き部を有する)Cリング状の止め輪10bと、この止め輪10bの切欠き部10b1に取付け可能なロックパーツ10cとで構成される。しかしながら、これに限られない。ロックリング本体10は、取付け部3に差込み可能であればよい。例えば、ロックリング本体10は、一体型の環体であってもよい。このロックリング本体10は、取付け部3に差込まれた後、係止片部1を介してロックリング12に固定され、これらの全体が一体となってリムベースBBに、及び結果的にタイヤBに固定される。また、例えば、ロックリング本体10は、取付け部3に添設、かつ圧接可能な環状形態としても環体であってもよい。このロックリング本体10は、取付け部3に添設、かつ圧接された後、上記と同様にタイヤBに固定される。
【0041】
ここで、本願のタイヤサイドプロテクターAをタイヤBに固定する一例を説明する。まず、(1)複数の取付け片11を予め装着した、切欠き部10b1を備えたロックリング本体10(つまり止め輪10b)を、その切欠き部10b1からリムベースBBの内側BB2に挿入し、(2)ロックパーツ10cは、切欠き部10b1を埋めるように止め輪10bに固定して、環状のロックリング本体10を形成し、(3)このロックリング本体10を、係止片部1と傾斜面BB0とで形成されている段差(取付け部3)に、取付け片11が外側BB1へと突出するようにして圧設し、(4)この突出した取付け片11にロックリング12を適当な固定具で固定し、最後、(5)このロックリング12にプロテクター13を適当な固定具で固定する。以上の工程によって、タイヤサイドプロテクターAをタイヤBに、容易かつ短時間で、固定することができる。尚、前記開放状態の切欠き部10b1は、ロックパーツ10cで閉鎖される。
【0042】
本願のタイヤサイドプロテクターAをタイヤBに固定する一例を説明する。ロックリング本体10(つまり止め輪10b)と、取付け片11と、ロックリング12が、形成された状態では、止め輪10bの切欠き部10b1を開放し、止め輪10bを取付け部3に外嵌し、所謂、取付け部3の内側に添設する。開放状態の切欠き部10b1は、ロックパーツ10cで閉鎖される。その他は、段落0034の実施例に準ずる。
【0043】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【符号の説明】
【0044】
A タイヤサイドプロテクター(プロテクター)
B タイヤ
B1 外側
B2 内側
B3 環状方向
B4 空間部
B5 タイヤリム部
B6 タイヤサイド部
BB リムベース
BB0 傾斜面
BB1 外側
BB2 内側
BB3 環状方向
BB4 内周面
1 係止片部
3 取付け部
10 ロックリング本体
10a 環状方向
10b 止め輪
10b1 切欠き部
10c ロックパーツ
11 取付け片
12 ロックリング
13 プロテクター
1300 スリット
1301 折曲げ部位
13a 放射方向
13b 車軸方向
13c 周方向
14 間隔
図1-1】
図1-2】
図1-3】
図2-1】
図2-2】
図2-3】
図3-1】
図3-2】
図3-3】
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-06-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤのリムベースの内周面に装着可能な環状でなるロックリング本体と、このロックリング本体に設けた一個、又は複数個の取付け片と、この取付け片を介在し、前記ロックリング本体に間隔を介して周設したロックリングと、
前記ロックリングに設けたプロテクターと、
を備え、
前記間隔を介して前記タイヤからの振動、又は衝撃の、前記ロックリング本体への影響を軽減可能とし、
前記リムベースの前記内周面に設けた傾斜面と、前記リムベースの外側に周設された係止片部との間の取付け部に、前記ロックリング本体を掛け止め、前記ロックリング本体を前記取付け部に係止した後に、前記取付け片と前記ロックリングを固定具で固定し、前記ロックリングを、前記タイヤの外側に固定するとともに、前記プロテクターを、前記タイヤの外側に設けることを特徴とする、工事用車輛のタイヤのサイドウォールの保護装置。
【請求項2】
前記ロックリング本体と前記ロックリングの間に、車軸方向に間隔を形成する構成とした請求項1に記載の工事用車輛のタイヤのサイドウォールの保護装置。
【請求項3】
前記プロテクターの放射方向に、一条~多数条のスリットを形成し、前記プロテクターを多数条に分離する構成とした請求項1に記載の工事用車輛のタイヤのサイドウォールの保護装置。
【請求項4】
前記プロテクターは、放射方向において、一条~多数条の折曲げ部位を車軸方向に向かって折曲げ形成する構成とした請求項1に記載の工事用車輛のタイヤのサイドウォールの保護装置。
【請求項5】
前記ロックリング本体は、切欠き部を有する止め輪と前記切欠き部を閉鎖可能なロックパーツと、を備える構成とした、請求項1から4のいずれか一項に記載の工事用車輛のタイヤのサイドウォールの保護装置。
【請求項6】
)複数の取付け片を予め装着した、切欠き部を備えたロックリング本体を、前記切欠き部からタイヤのリムベースの内側に挿入し、
2)ロックパーツで前記切欠き部を閉鎖し、環状のロックリング本体を形成し、
3)前記ロックリング本体を、前記リムベースの外側に周設された係止片部と前記リムベースの内周面に設けた傾斜面とで形成されている取付け部に圧設し、前記取付け片を前記タイヤの外側へと突出させ
4)前記突出した取付け片にロックリングを固定することで、前記ロックリングを前記ロックリング本体に対して間隔をあけて前記タイヤの外側に周設し
5)最後に、プロテクターを前記ロックリングに取付ける
工事用車輛のタイヤのサイドウォールの保護装置の取り付け方法。
【請求項7】
1)複数の取付け片を、切欠き部を備えたロックリング本体に取り付け、
2)複数の前記取付け片ロックリングを固定することで、前記ロックリングを前記ロックリング本体に対して間隔をあけて周設し、
前記切欠き部を開放した状態の前記ロックリング本体を、タイヤのリムベースの外側に周設された係止片部と前記リムベースの内周面に設けた傾斜面とで形成されている取付け部の内側に嵌めて、前記ロックリングを前記タイヤの外側に設け、
ロックパーツで前記切欠き部閉鎖し、環状のロックリング本体を形成し、
5)最後に、プロテクターを前記ロックリングに取付ける、
工事用車輛のタイヤのサイドウォールの保護装置の取り付け方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
請求項4は、
前記プロテクターは、放射方向において、一条~多数条の折曲げ部位を車軸方向に向かって折曲げ形成する構成とした工事用車輛のタイヤのサイドウォールの保護装置を提案する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
請求項5は、
前記ロックリング本体は、切欠き部を有する止め輪と前記切欠き部を閉鎖可能なロックパーツと、を備える構成とした請求項1から4のいずれか一項に記載の工事用車輛のタイヤのサイドウォールの保護装置を提案する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
請求項6は
)複数の取付け片を予め装着した、切欠き部を備えたロックリング本体を、前記切欠き部からタイヤのリムベースの内側に挿入し、
2)ロックパーツで前記切欠き部を閉鎖し、環状のロックリング本体を形成し、
3)前記ロックリング本体を、前記リムベースの外側に周設された係止片部と前記リムベースの内周面に設けた傾斜面とで形成されている取付け部に圧設し、前記取付け片を前記タイヤの外側へと突出させ
4)前記突出した取付け片にロックリングを固定することで、前記ロックリングを前記ロックリング本体に対して間隔をあけて前記タイヤの外側に周設し
5)最後に、プロテクターを前記ロックリングに取付ける
工事用車輛のタイヤのサイドウォールの保護装置の取り付け方法を提案する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
請求項7は
1)複数の取付け片を、切欠き部を備えたロックリング本体に取り付け、
2)複数の前記取付け片ロックリングを固定することで、前記ロックリングを前記ロックリング本体に対して間隔をあけて周設し、
前記切欠き部を開放した状態の前記ロックリング本体を、タイヤのリムベースの外側に周設された係止片部と前記リムベースの内周面に設けた傾斜面とで形成されている取付け部の内側に嵌めて、前記ロックリングを前記タイヤの外側に設け、
ロックパーツで前記切欠き部閉鎖し、環状のロックリング本体を形成し、
5)最後に、プロテクターを前記ロックリングに取付ける、
事用車輛のタイヤのサイドウォールの保護装置の取り付け方法を提案する。