(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083202
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】掛け具作成用シート
(51)【国際特許分類】
A47G 29/00 20060101AFI20240613BHJP
【FI】
A47G29/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023063075
(22)【出願日】2023-03-22
(31)【優先権主張番号】P 2022209053
(32)【優先日】2022-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2023033190
(32)【優先日】2023-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】398030045
【氏名又は名称】有限会社アリエルトレーディング
(72)【発明者】
【氏名】新谷 聰
(72)【発明者】
【氏名】松田 要
【テーマコード(参考)】
3K100
【Fターム(参考)】
3K100AA02
3K100AB10
3K100AD07
3K100AE01
3K100AE14
3K100AF01
3K100AG07
3K100AH30
3K100AJ05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】使用が簡単であって、安価に作成できる構造の掛け具作成用シートを提供する。
【解決手段】掛け作成用シート(1)であって、シート(1)の上端から上側に延出して突出形成したフック片(2)と、シート(1)の右側の裏面に再剥離可能な粘着剤を塗布した右粘着部(3R)と、掛け具作成用シート(1)の左側の裏面に右粘着部(3R)と間隔を設けて再剥離可能な粘着剤を塗布した左粘着部(3L)と、右粘着部(3R)と左粘着部(3L)との間に設けた再剥離可能な粘着剤が塗布されていない中央非粘着部(4)と、シート(1)の下端の右側に連接して設けたシート(1)を変形させるための右下摘まみ部(6R)と、シート(1)の下端の左側に連接して設けたシート(1)を変形させるための左下摘まみ部(6L)と、シート(1)の端部近傍における裏面の一部分に再剥離可能な粘着剤が塗布されていない剥し用非粘着部(7)とからなっている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
掛け具(K)を形成できる仕組みを設けた掛け具作成用シート(1)であって、
掛け具作成用シート(1)の上端から上側に延出して突出形成したフック片(2)と、
掛け具作成用シート(1)の右側の裏面に再剥離可能な粘着剤を塗布した右粘着部(3R)と、
掛け具作成用シート(1)の左側の裏面に、右粘着部(3R)と間隔を設けて、再剥離可能な粘着剤を塗布した左粘着部(3L)と、
右粘着部(3R)と左粘着部(3L)との間に設けた、再剥離可能な粘着剤が塗布されていない中央非粘着部(4)と、
掛け具作成用シート(1)の端部近傍における裏面の一部分に、再剥離可能な粘着剤が塗布されていない剥し用非粘着部(7)と、
からなることを特徴とする掛け具作成用シート(1)。
【請求項2】
掛け具(K)を形成できる仕組みを設けた掛け具作成用シート(1)であって、
掛け具作成用シート(1)の上端から上側に延出して突出形成したフック片(2)と、
掛け具作成用シート(1)の右側の裏面に再剥離可能な粘着剤を塗布した右粘着部(3R)と、
掛け具作成用シート(1)の左側の裏面に、右粘着部(3R)と間隔を設けて、再剥離可能な粘着剤を塗布した左粘着部(3L)と、
右粘着部(3R)と左粘着部(3L)との間に設けた、再剥離可能な粘着剤が塗布されていない中央非粘着部(4)と、
掛け具作成用シート(1)の下端の右側に連接して設けた、掛け具作成用シート(1)を変形させるための右下摘まみ部(6R)と、
掛け具作成用シート(1)の下端の左側に連接して設けた、掛け具作成用シート(1)を変形させるための左下摘まみ部(6L)と、
掛け具作成用シート(1)の端部近傍における裏面の一部分に、再剥離可能な粘着剤が塗布されていない剥し用非粘着部(7)と、
からなることを特徴とする掛け具作成用シート(1)。
【請求項3】
掛け具(K)を形成できる仕組みを設けた掛け具作成用シート(1)であって、
掛け具作成用シート(1)の上端から上側に延出して突出形成したフック片(2)と、
掛け具作成用シート(1)の右側の裏面に再剥離可能な粘着剤を塗布した右粘着部(3R)と、
掛け具作成用シート(1)の左側の裏面に、右粘着部(3R)と間隔を設けて、再剥離可能な粘着剤を塗布した左粘着部(3L)と、
右粘着部(3R)と左粘着部(3L)との間に設けた、再剥離可能な粘着剤が塗布されていない中央非粘着部(4)と、
掛け具作成用シート(1)の上端の右側から上方向に延びて設けた右上補助片(5R)と、
右上補助片(5R)の裏に再剥離可能な粘着剤を塗布した右上補助片粘着部(50R)と、
掛け具作成用シート(1)の上端の左側から上方向に延びて設けた左上補助片(5L)と、
左上補助片(5L)の裏に再剥離可能な粘着剤を塗布した左上補助片粘着部(50L)と、
掛け具作成用シート(1)の端部近傍における裏面の一部分に、再剥離可能な粘着剤が塗布されていない剥し用非粘着部(7)と、からなる、
ことを特徴とする掛け具作成用シート(1)。
【請求項4】
掛け具(K)を形成できる仕組みを設けた掛け具作成用シート(1)であって、
掛け具作成用シート(1)の上端から上側に延出して突出形成したフック片(2)と、
掛け具作成用シート(1)の右側の裏面に再剥離可能な粘着剤を塗布した右粘着部(3R)と、
掛け具作成用シート(1)の左側の裏面に、右粘着部(3R)と間隔を設けて、再剥離可能な粘着剤を塗布した左粘着部(3L)と、
右粘着部(3R)と左粘着部(3L)との間に設けた、再剥離可能な粘着剤が塗布されていない中央非粘着部(4)と、
掛け具作成用シート(1)の上端の右側から上方向に延びて設けた右上補助片(5R)と、
右上補助片(5R)の裏に再剥離可能な粘着剤を塗布した右上補助片粘着部(50R)と、
掛け具作成用シート(1)の上端の左側から上方向に延びて設けた左上補助片(5L)と、
左上補助片(5L)の裏に再剥離可能な粘着剤を塗布した左上補助片粘着部(50L)と、
掛け具作成用シート(1)の下端の右側に連接して設けた、掛け具作成用シート(1)を変形させるための右下摘まみ部(6R)と、
掛け具作成用シート(1)の下端の左側に連接して設けた、掛け具作成用シート(1)を変形させるための左下摘まみ部(6L)と、
掛け具作成用シート(1)の端部近傍における裏面の一部分に、再剥離可能な粘着剤が塗布されていない剥し用非粘着部(7)と、
からなることを特徴とする掛け具作成用シート(1)。
【請求項5】
掛け具作成用シート(1)の右粘着部(3R)と左粘着部(3L)と間隔を設けることで形成される、再剥離可能な粘着剤が塗布されていない中央非粘着部(4)に、再剥離可能な粘着剤を塗布したことを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の掛け具作成用シート(1)。
【請求項6】
請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の掛け具作成用シート(1)において、掛け具作成用シート(1)が積層されて積層束(S)を形成していることを特徴とする掛け具作成用シート(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再剥離可能な粘着剤を裏面に塗布した、掛け具が作成できる仕組みを設けた掛け具作成用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
花粉症・インフルエンザ・新型コロナウィル感染症などの予防として、マスクを着用する機会が増えている。そして、外出先で一時的に外したマスクの置き場所に困り、ポケットに入れるか、テーブルに置くなどしてしまう。ところがポケットやテーブルにマスクを置くのは、不衛生である。
そこで、使い切りタイプで、衛生的で、持ち歩きができ、更にメモ書き・目印・しおりなどに使える付箋としても利用可能なマスク掛け具ができると便利で役立つと考えた。そして、付箋としても利用可能なマスク掛け具が世の中にあるのか調べた結果、関連するものとして次の二つが見つかった。
紙素材の使い捨てタイプのORIGAMIマスクハンガーが開示されている。(例えば、非特許文献1)
非特許文献1に関連した、吊り具、吊り具用シートが開示されている。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献】
【非特許文献1】https://www.shokukanken.com/kensa/125 2023年3月5日検索
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非特許文献1のマスクハンガーには、次のような欠点がある。
このマスクハンガーを使うまでの作業は次のようである。積層束から1枚のシートを剥がす、キリトリを1回・2回・3回・4回切り取る、その次に真ん中から折る、更に根本から貼り合わせる、更にピタッと貼り合わせる、そして最後に被着面に貼る。このマスクハンガーを使うまでに9回もの前作業が必要で、使用する人にとっては面倒である。
本発明が解決しようとする課題は、簡単に使える、製造コストが低い、付箋として使える、掛け具作成用シートを提供することである。
【0005】
簡単に使えること、付箋としても使用できること、を考えながら掛け具作成用シートについて試作研究をした。
市販の付箋紙を何種類も購入して、沢山の試作品を作り、形状を変えながら、研究した。その時に、付箋紙の左下と右下を持ち、付箋紙の左側部分を机上に圧着して、次に付箋紙の右側部分を捻るように上側に移動することで、フック片が立ち上がることを発見した。
さらに研究を進めていくと、付箋紙の下側を左右に広げるだけで、付箋紙が手前にお辞儀をし、フック片が立ち上がることも分かった。フック片の立ち上がる理由を更によく観察した。そして、素材の種類・形状・サイズによっては、付箋紙が手前にお辞儀をせず、フック片がうまく立ち上がらないことも時々あった。そこで、掛け具作成用シートの中央部を軽く縦に摘まんで凸部を形成することで、確実に付箋紙が手前にお辞儀をし、フック片が立ち上がることも分かった。
更に、掛け具作成用シートをテーブルなど被着体に貼り付けるときに、フック片が被着体に貼り付いてしまい、作業がやりにくいことも分かった。
簡単に使えて、メモ書き・目印・しおりなどの付箋として使用できる掛け具作成用シートを完成させた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1の発明は、
掛け具(K)を形成できる仕組みを設けた掛け具作成用シート(1)であって、掛け具作成用シート(1)の上端から上側に延出して突出形成したフック片(2)と、
掛け具作成用シート(1)の右側の裏面に再剥離可能な粘着剤を塗布した右粘着部(3R)と、掛け具作成用シート(1)の左側の裏面に、右粘着部(3R)と間隔を設けて、再剥離可能な粘着剤を塗布した左粘着部(3L)と、
右粘着部(3R)と左粘着部(3L)との間に設けた、再剥離可能な粘着剤が塗布されていない中央非粘着部(4)と、
掛け具作成用シート(1)の端部近傍における裏面の一部分に、再剥離可能な粘着剤が塗布されていない剥し用非粘着部(7)と、
からなっている。
【0007】
本発明の請求項2の発明は、
掛け具(K)を形成できる仕組みを設けた掛け具作成用シート(1)であって、
掛け具作成用シート(1)の上端から上側に延出して突出形成したフック片(2)と、
掛け具作成用シート(1)の右側の裏面に再剥離可能な粘着剤を塗布した右粘着部(3R)と、
掛け具作成用シート(1)の左側の裏面に、右粘着部(3R)と間隔を設けて、再剥離可能な粘着剤を塗布した左粘着部(3L)と、
右粘着部(3R)と左粘着部(3L)との間に設けた、再剥離可能な粘着剤が塗布されていない中央非粘着部(4)と、
掛け具作成用シート(1)の下端の右側に連接して設けた、掛け具作成用シート(1)を変形させるための右下摘まみ部(6R)と、
掛け具作成用シート(1)の下端の左側に連接して設けた、掛け具作成用シート(1)を変形させるための左下摘まみ部(6L)と、
掛け具作成用シート(1)の端部近傍における裏面の一部分に、再剥離可能な粘着剤が塗布されていない剥し用非粘着部(7)と、
からなっている。
【0008】
本発明の請求項3の発明は、
掛け具(K)を形成できる仕組みを設けた掛け具作成用シート(1)であって、
掛け具作成用シート(1)の上端から上側に延出して突出形成したフック片(2)と、
掛け具作成用シート(1)の右側の裏面に再剥離可能な粘着剤を塗布した右粘着部(3R)と、
掛け具作成用シート(1)の左側の裏面に、右粘着部(3R)と間隔を設けて、再剥離可能な粘着剤を塗布した左粘着部(3L)と、
右粘着部(3R)と左粘着部(3L)との間に設けた、再剥離可能な粘着剤が塗布されていない中央非粘着部(4)と、
掛け具作成用シート(1)の上端の右側から上方向に延びて設けた右上補助片(5R)と、
右上補助片(5R)の裏に再剥離可能な粘着剤を塗布した右上補助片粘着部(50R)と、
掛け具作成用シート(1)の上端の左側から上方向に延びて設けた左上補助片(5L)と、
左上補助片(5L)の裏に再剥離可能な粘着剤を塗布した左上補助片粘着部(50L)と、
掛け具作成用シート(1)の端部近傍における裏面の一部分に、再剥離可能な粘着剤が塗布されていない剥し用非粘着部(7)と、からなっている。
【0009】
本発明の請求項4の発明は、
掛け具(K)を形成できる仕組みを設けた掛け具作成用シート(1)であって、
掛け具作成用シート(1)の上端から上側に延出して突出形成したフック片(2)と、
掛け具作成用シート(1)の右側の裏面に再剥離可能な粘着剤を塗布した右粘着部(3R)と、
掛け具作成用シート(1)の左側の裏面に、右粘着部(3R)と間隔を設けて、再剥離可能な粘着剤を塗布した左粘着部(3L)と、
右粘着部(3R)と左粘着部(3L)との間に設けた、再剥離可能な粘着剤が塗布されていない中央非粘着部(4)と、
掛け具作成用シート(1)の上端の右側から上方向に延びて設けた右上補助片(5R)と、
右上補助片(5R)の裏に再剥離可能な粘着剤を塗布した右上補助片粘着部(50R)と、
掛け具作成用シート(1)の上端の左側から上方向に延びて設けた左上補助片(5L)と、
左上補助片(5L)の裏に再剥離可能な粘着剤を塗布した左上補助片粘着部(50L)と、
掛け具作成用シート(1)の下端の右側に連接して設けた、掛け具作成用シート(1)を変形させるための右下摘まみ部(6R)と、
掛け具作成用シート(1)の下端の左側に連接して設けた、掛け具作成用シート(1)を変形させるための左下摘まみ部(6L)と、
掛け具作成用シート(1)の端部近傍における裏面の一部分に、再剥離可能な粘着剤が塗布されていない剥し用非粘着部(7)と、
からなっている。
【0010】
本発明の請求項5の発明は、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の掛け具作成用シート(1)において、右粘着部(3R)と左粘着部(3L)と間隔を設けることで形成される、再剥離可能な粘着剤が塗布されていない中央非粘着部(4)に、再剥離可能な粘着剤を塗布している。
【0011】
本発明の請求項6の発明は、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の掛け具作成用シート(1)において、掛け具作成用シート(1)が積層されて積層束(S)を形成している。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の掛け具作成用シート(1)を使用する場合は、
掛け具作成用シート(1)の右端近傍と左端近傍を指で摘まんで、右指を左方向に、左指を右方向に移動させて、掛け具作成用シート(1)の左右の間隔を小さくし、掛け具作成用シート(1)の中央部分を手前側に膨らませると、今まで平であったフック片(2)も手前側に膨らむ。
この膨らんだフック片(2)は、横方向の断面が略円弧状となり平らな時よりも剛性が高くなっている。この状態で、掛け具作成用シート(1)を被着体(H)に貼り付ける。右粘着部(3R)と左粘着部(3L)との間に、再剥離可能な粘着剤が塗布されていない中央非粘着部(4)が設けられているので、掛け具作成用シート(1)の中央非粘着部(4)が被着体(H)に貼り付くことがなく、掛け具(K)を楽に形成できる。
この時に、フック片先端部(2a)の幅をフック片末端部(2b)の幅よりも小さくしておけば、膨らんだフック片(2)のフック片先端部(2a)は、フック片末端部(2b)よりも被着体(H)から離れた位置となる。このために、フック片先端部(2a)と被着体(H)との間に空間が出来上がり、膨らんで剛性の高くなったフック片(2)にマスクの紐などを掛けることができる掛け具(K)が形成される。
請求項1に記載の掛け具作成用シート(1)を使って、掛け具(K)を完成させるまでの作業は、1枚の掛け具作成用シート(1)を積層束から剥がす、掛け具作成用シート(1)の左右の間隔を縮める、被着体(H)に貼る、の3回だけですむ。すなわち使用するのに大変に簡単であり、使いやすいという効果がある。
更に、フック片(2)の裏側には再剥離可能な粘着剤が塗布されていない中央非粘着部(4)が設けられているので、フック片(2)が他の物に貼り付きにくいという利点がある。このために、掛け具作成用シート(1)を本やノートなどに貼り付けてインデックスとして利用する場合にも便利に使える。
【0013】
請求項2に記載の掛け具作成用シート(1)を使用する場合は、はじめに、掛け具作成用シート(1)の折線のない中央部を縦に軽く折っておく。中央部を折らなくてもいいが、フック片(2)を確実に立ち上げるために軽く折っておくのが良い。次に、掛け具作成用シート(1)の右下に延ばして設けた、掛け具作成用シート(1)を変形させるための右下摘まみ部(6R)と、掛け具作成用シート(1)の左下に延ばして設けた、掛け具作成用シート(1)を変形させるための左下摘まみ部(6L)とを指で摘まむ。次に、右下摘まみ部(6R)を右側に移動させ、左下摘まみ部(6L)を左側に移動させる。
すなわち、右下摘まみ部(6R)と左下摘まみ部(6L)の間隔を広げる。すると、掛け具作成用シート(1)は全体的には手前にお辞儀をするように湾曲する。そして、掛け具作成用シート(1)の上側は、左右両方から内側に押される作用が働く。そのために中央部分は手前に膨らみ、フック片(2)も手前に膨らみ、フック片(2)は横方向の断面が略円弧状となり平らな時よりも剛性が高くなっている。右下摘まみ部(6R)と左下摘まみ部(6L)の間隔を広げた状態で被着体(H)に貼る。これで掛け具(K)が完成する。
右粘着部(3R)と左粘着部(3L)との間に、再剥離可能な粘着剤が塗布されていない中央非粘着部(4)が設けられているので、中央非粘着部(4)は被着体(H)に貼り付くことがなく、掛け具(K)を楽に形成できる利点がある。
また、右下摘まみ部(6R)と左下摘まみ部(6L)を設けたことにより、確実に簡単に掛け具(K)が形成できる利点がある。
【0014】
請求項2に記載の掛け具作成用シート(1)を重ねた積層束を使って、掛け具(K)を完成させるまでの作業は、次のようである。
1枚の掛け具作成用シート(1)を積層束から剥がす、中央部を縦に軽く折る、右下摘まみ部(6R)と左下摘まみ部(6L)の間隔を広げる、被着体(H)に貼る、の4回だけですむ。すなわち使用するのに大変に簡単であり、使いやすいという効果がある。
更に、フック片(2)の裏側には再剥離可能な粘着剤が塗布されていないので、フック片(2)が他の物に貼り付くことがない。このために本やノートなどに貼り付けて付箋やインデックスとして利用する場合にも便利に使える。
【0015】
請求項3に記載の掛け具作成用シート(1)を使用する場合は、
掛け具作成用シート(1)の右端近傍と左端近傍を指で摘まんで、右指を左方向に、左指を右方向に移動させて、掛け具作成用シート(1)の左右の間隔を小さくして、今まで平であった掛け具作成用シート(1)の中央部分を手前に膨らませる。すると、フック片(2)も手前に膨らみ、フック片(2)は横方向の断面が略円弧状となり平らな時よりも剛性が高くなっている。次に、この状態で、左粘着部(3L)・左上補助片(5L)と右粘着部(3R)・右上補助片(5R)を被着体(H)に貼る。
右側の上端から上方向に延びて設けた、裏に再剥離可能な粘着剤を塗布した右上補助片(5R)と、掛け具作成用シート(1)の左側の上端から上方向に延びて設けた、裏に再剥離可能な粘着剤を塗布した左上補助片(5L)と、を設けているので、再剥離可能な粘着剤の面積が増えて、被着体(H)への粘着力が増すようになるという利点がある。
更に、掛け具作成用シート(1)は、本やノートなどに貼り付けてメモ用付箋として利用でき、また再剥離可能な粘着剤が塗布されていない剥し用非粘着部(7)を本やノートなどから突き出して利用することで、インデックスとしても便利に使える。
【0016】
請求項4に記載の掛け具作成用シート(1)の右側の上端から上方向に延びて設けた、裏に再剥離可能な粘着剤を塗布した右上補助片(5R)と、掛け具作成用シート(1)の左側の上端から上方向に延びて設けた、裏に再剥離可能な粘着剤を塗布した左上補助片(5L)と、を設けているので、再剥離可能な粘着剤の面積が増えて、被着体(H)への粘着力が増すようになるという利点がある。
請求項4に記載の掛け具作成用シート(1)を使用する場合は、掛け具作成用シート(1)の折線のない中央部を縦に軽く折っておく。次に、掛け具作成用シート(1)の右下に延ばして設けた、掛け具作成用シート(1)を変形させるための右下摘まみ部(6R)と、掛け具作成用シート(1)の左下に延ばして設けた、掛け具作成用シート(1)を変形させるための左下摘まみ部(6L)とを指で摘まむ。次に、右下摘まみ部(6R)を右側に移動させ、左下摘まみ部(6L)を左側に移動させて、右下摘まみ部(6R)と左下摘まみ部(6L)の間隔を広げる。すると、掛け具作成用シート(1)は全体的には手前にお辞儀をするように湾曲する。そして、掛け具作成用シート(1)の上側は、左右両方から内側に押される作用が働く。その作用で中央部分は手前に膨らみ、フック片(2)も手前に膨らむ。右下摘まみ部(6R)と左下摘まみ部(6L)の間隔を広げた状態で被着体(H)に貼る。これで掛け具(K)が完成する。
請求項4に記載の掛け具作成用シート(1)を重ねた積層束を使って、掛け具(K)を完成させるまでの作業は、積層束から1枚のシートを剥がす、中央部を縦に軽く折る、右下摘まみ部(6R)と左下摘まみ部(6L)と間隔を広げる、被着体(H)に貼る、の4回だけですむ。すなわち使用するのに大変に簡単であり、使いやすいという効果がある。
右粘着部(3R)と左粘着部(3L)との間に、再剥離可能な粘着剤が塗布されていない中央非粘着部(4)が設けられているので、中央非粘着部(4)は被着体(H)に貼り付くことがなく、掛け具(K)を楽に形成できる。
更に、本やノートなどに貼り付けてメモ用付箋として利用できることはもちろん。再剥離可能な粘着剤が塗布されていない剥し用非粘着部(7)を本やノートなどから突き出して利用することで、インデックスとしても掛け具作成用シート(1)は便利に使える。
【0017】
本発明の請求項5の発明は、掛け具作成用シート(1)の右粘着部(3R)と左粘着部(3L)と間隔を設けることで形成される、再剥離可能な粘着剤が塗布されていない中央非粘着部(4)に、再剥離可能な粘着剤を塗布しているので、再剥離可能な粘着剤の面積が増え被着体(H)から剥がれにくくなる。
付箋として利用する場合にも、本やノートなどにしっかり貼ることができる利点がある。
【0018】
本発明の請求項6の発明は、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の掛け具作成用シート(1)の効果に加え、掛け具作成用シート(1)が積層された積層束(S)は、一度の抜き加工で作成できるのでコストが低減できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施例1を説明する掛け具作成用シートの表平面図である。
【
図2】実施例1を説明する中央部を手前に膨らませた掛け具作成用シートの図である。
【
図3】実施例1を説明する掛け具作成用シートを被着体に貼って、完成させた掛け具の斜視図である。
【
図4】実施例2を説明する掛け具作成用シートの表平面図である。
【
図5】実施例2を説明する掛け具作成用シートの左右の摘まみ部を広げた状態の図である。
【
図6】実施例2を説明する掛け具作成用シートの左右の摘まみ部を広げた状態の斜視図である。
【
図7】実施例2を説明する掛け具作成用シートを被着体に貼って、完成させた掛け具の斜視図である。
【
図8】実施例2を説明する掛け具作成用シートの積層束の斜視図である。
【
図9】実施例2を説明する掛け具作成用シートを縦に立つガラスに貼った掛け具に、マスクを掛け時の斜視図である。
【
図10】実施例2を説明する掛け具作成用シートをテーブルに貼った掛け具に、マスクを掛けた時の斜視図である。
【
図11】実施例2を説明する掛け具作成用シートを本に貼って付箋として使用している斜視図である。
【
図12】実施例3を説明する掛け具作成用シートの表平面図である。
【
図13】実施例4を説明する掛け具作成用シートの表平面図である。
【
図14】実施例4を説明する掛け具作成用シートの左右の摘まみ部を広げた状態の図である。
【
図15】実施例4を説明する掛け具作成用シートの左右の摘まみ部を広げた状態の斜視図である。
【
図16】実施例4を説明する掛け具作成用シートを被着体に貼って、完成させた掛け具の斜視図である。
【
図17】実施例5を説明する掛け具作成用シートの表平面図である。
【
図18】実施例5を説明する掛け具作成用シートの左右の摘まみ部を広げた状態の図である。
【
図19】実施例5を説明する掛け具作成用シートの左右の摘まみ部を広げた状態の斜視図である。
【
図20】実施例5を説明する掛け具作成用シートを被着体に貼って完成させた掛け具の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明の代表的な実施例を、図面を参照して説明するが、それら図面に限定されるものではない。
【実施例1】
実施例1について、
図1と
図2と
図3とで説明する。
図1は、実施例1を説明する掛け具作成用シート(1)の表平面図である。
点線の引き出し線は裏の部分を示している。
掛け具作成用シート(1)の上端に、フック片先端部(2a)の幅がフック片末端部(2b)の幅よりも小さな台形のフック片(2)を突出して形成している。
掛け具作成用シート(1)の裏面の右側に再剥離可能な粘着剤を塗布した右粘着部(3R)と、掛け具作成用シート(1)の裏面の左側に再剥離可能な粘着剤を塗布した左粘着部(3L)とを設けている。
右粘着部(3R)は掛け具作成用シート(1)の裏面の右側の領域に中央部分を除いて塗布され、左粘着部(3L)は掛け具作成用シート(1)の裏面の左側の領域に中央部分を除いて塗布されている。
右粘着部(3R)と左粘着部(3L)を塗布することで生成された中央部分は、塗布されていない領域である中央非粘着部(4)がフック片先端部(2a)の幅で形成されている。この中央非粘着部(4)の幅をフック片先端部(2a)の幅としているが、これに限定されずに、機能が損なわれない範囲で中央非粘着部(4)の形状やサイズを変更してもよい。
更に、掛け具作成用シート(1)の裏面の下端部には、再剥離可能な粘着剤が塗布されていない剥し用非粘着部(7)を設けている。
図2は、掛け具作成用シート(1)を変形させている図である。
使用する場合は、掛け具作成用シート(1)の右端近傍と左端近傍を指で摘まんで、右指を左方向に、左指を右方向に移動させて、掛け具作成用シート(1)の左右の間隔を小さくするすると、掛け具作成用シート(1)の中央部分を手前に膨らませると、フック片(2)も膨らむ。この時のフック片(2)は、手前に膨らみ、横方向の断面が略円弧状となり平らな時よりも剛性が高くなっている。この状態で、掛け具作成用シート(1)を被着体(H)に貼り付ける。右粘着部(3R)と左粘着部(3L)との間に、再剥離可能な粘着剤が塗布されていない中央非粘着部(4)が設けられているので、中央非粘着部(4)は被着体(H)に貼り付くことがなく、掛け具(K)を楽に形成できる。
この時に、フック片先端部(2a)の幅がフック片末端部(2b)の幅よりも小さいので、フック片(2)のフック片先端部(2a)は、フック片末端部(2b)よりも被着体(H)から離れた位置となる。このために、フック片先端部(2a)と被着体(H)との間に空間が出来上がるので、フック片(2)にマスクの紐などを掛けることが楽にできる掛け具(K)が形成される。
図3は、実施例1を説明する掛け具作成用シート(1)を被着体に貼って、完成させた掛け具(K)の斜視図である。
実施例1の掛け具作成用シート(1)を使って、掛け具(K)を完成させるまでの作業は、積層束から剥がしてすでに手に持っている状態から作業を始めることとすると、掛け具作成用シート(1)の左右の間隔を縮める、被着体(H)に貼る、の2回だけですむ。すなわち使用するのに大変に簡単であり、使いやすいという効果がある。
更に、フック片(2)の裏側には再剥離可能な粘着剤が塗布されていないので、フック片(2)が他の物に貼り付くことがない。このために本やノートなどに貼り付けて付箋やインデックスとして利用する場合に便利に使える。
また、切込・折線・ミシン目などを設けていない構造なので、掛け具作成用シート(1)を積層束から剥がすときに破れないという利点もある。
【実施例0021】
実施例2について、
図4と
図5と
図6と
図7と
図8と
図9と
図10とで説明する。
図4は、実施例2を説明する掛け具作成用シート(1)の表平面図である。
図4における点線の引き出し線は裏の部分を示している。
掛け具作成用シート(1)の上端に、フック片先端部(2a)の幅がフック片末端部(2b)の幅よりも小さな台形のフック片(2)を突出して形成している。
掛け具作成用シート(1)の裏面の右側に再剥離可能な粘着剤を塗布した右粘着部(3R)と、掛け具作成用シート(1)の裏面の左側に再剥離可能な粘着剤を塗布した左粘着部(3L)とを設けている。
右粘着部(3R)は掛け具作成用シート(1)の裏面の右側の領域に中央部分を除いて塗布され、左粘着部(3L)は掛け具作成用シート(1)の裏面の左側の領域に中央部分を除いて塗布されている。
右粘着部(3R)と左粘着部(3L)を塗布することで生成された中央部分には、塗布されていない領域である中央非粘着部(4)が形成されている。
さらに、掛け具作成用シート(1)の下部のほぼ中央に円弧状凹部(6)を設けることで、右下摘まみ部(6R)と左下摘まみ部(6L)を形成している。そして、右下摘まみ部(6R)の裏面には再剥離可能な粘着剤を塗布した右下摘まみ部粘着部(60R)と、左下摘まみ部(6L)の裏面には再剥離可能な粘着剤を塗布した左下摘まみ部粘着部(60L)とをそれぞれ設けている。
更に、使用するときに、積層束(S)から剥がしやすいように、右下摘まみ部粘着部(60R)の下側の裏には、再剥離可能な粘着剤が塗布されていない剥し用非粘着部(7)を設け、左下摘まみ部粘着部(60L)の下側の裏には、再剥離可能な粘着剤が塗布されていない剥し用非粘着部(7)を設けている。また、剥し用非粘着部(7)は、掛け具作成用シート(1)を被着体(H)から剥がしやすくするためでもある。
【0022】
図5は、実施例2を説明する掛け具作成用シート(1)の右下摘まみ部(6R)と左下摘まみ部(6L)の間隔を指で広げた状態を前から見た時の図である。太い点線の矢印は指の動作を示したものである。
凸部(11)は、右下摘まみ部(6R)と左下摘まみ部(6L)の間隔を指で広げる前に、フック片(2)のフック片先端部(2a)の中央から、右下摘まみ部(6R)と左下摘まみ部(6L)を形成している円弧状凹部(6)の中央に向けて、折線のない部分を手で軽く摘まんで形成したものである。
掛け具作成用シート(1)の素材の種類や形状やサイズの違いにより、右下摘まみ部(6R)と左下摘まみ部(6L)の間隔を広げた時に、掛け具作成用シート(1)が全体的に手前にお辞儀をせず湾曲しない場合がある。そのような場合に、手で摘まんで凸部(11)を形成することで、掛け具作成用シート(1)が手前に確実に湾曲するようになる。
右下摘まみ部(6R)と左下摘まみ部(6L)の間隔を広げると、掛け具作成用シート(1)は全体的には手前にお辞儀をするように湾曲する。そして中央部分は手前側に膨らむので、フック片(2)も手前側に膨らみ、横方向の断面が略円弧状となり平らな時よりも剛性が高くなっている。
【0023】
図6は、実施例2を説明する掛け具作成用シートの右下摘まみ部(6R)と左下摘まみ部(6L)の間隔を指で広げた状態の斜視図である。
掛け具作成用シート(1)は全体的には手前にお辞儀をするように湾曲する。しかし中央部分は手前側に膨らみ、フック片(2)も手前側に膨らんでいる。
【0024】
図7は、実施例2を説明する掛け具作成用シート(1)を被着体(H)に貼って、完成させた掛け具(K)の斜視図である。
右下摘まみ部(6R)と左下摘まみ部(6L)の間隔を広げたままの状態で被着体(H)に貼ることで掛け具(K)が完成する。
掛け具作成用シート(1)の中央の上側が手前に膨らんでいる。その結果、完成した掛け具(K)のフック片(2)の先端部が手前に突き出て、被着体(H)と間隔がきるので、物を掛けることができるようになっている。この時のフック片(2)は、手前に膨らみ、横方向の断面が略円弧状となり平らな時よりも剛性が高くなっている。このような理由で、付箋紙のような薄い紙であってもフック片(2)の剛性が高くなっていので、マスクなど軽いもの物が掛けられるようになる。
【0025】
図8は、実施例2を説明する掛け具作成用シート(1)を積層した積層束(S)の斜視図であって、抜き加工により作成されている。
図9は、実施例2の掛け具作成用シート(1)を使って、縦に立つガラスの被着体(H)に貼ることで作成された掛け具(K)に、マスク(M)を掛けた状態の図である。
図10は、実施例2を説明する掛け具作成用シート(1)をテーブルに貼った掛け具に、マスクを掛けた時の斜視図である。
図11は、実施例2の掛け具作成用シート(1)を、付箋として使用している例である。具体的には、本(B)の表紙に貼り付けてメモとして使っている例と、本(B)の本文のページにフック片(2)を本文から突き出して貼り付け、インデックスとして使用している例である。
【0026】
実施例3について、
図12で説明する。
図12は、実施例3を説明する掛け具作成用シート(1)の表平面図である。
点線の引き出し線は裏の部分を示している。
掛け具作成用シート(1)の上端に、フック片先端部(2a)の幅がフック片末端部(2b)の幅よりも小さな台形のフック片(2)を突出して形成している。
掛け具作成用シート(1)の裏面の右側に再剥離可能な粘着剤を塗布した右粘着部(3R)と、掛け具作成用シート(1)の裏面の左側に再剥離可能な粘着剤を塗布した左粘着部(3L)とを設けている。
右粘着部(3R)は掛け具作成用シート(1)の裏面の右側の領域に中央部分を除いて塗布され、左粘着部(3L)は掛け具作成用シート(1)の裏面の左側の領域に中央部分を除いて塗布されている。
右粘着部(3R)と左粘着部(3L)は中央部分を除いて塗布され、塗布されていない領域である中央非粘着部(4)が形成されている。
更に、掛け具作成用シート(1)の上端の右側から上方向にフック片(2)のフック片先端部(2a)よりも長く延びて設けた長方形の右上補助片(5R)を設けて、右上補助片(5R)の裏には再剥離可能な粘着剤を塗布した右上補助片粘着部(50R)を設けて、更に掛け具作成用シート(1)の上端の左側から上方向にフック片(2)のフック片先端部(2a)よりも長く延びて設けた長方形の左上補助片(5L)を設けて、左上補助片(5L)の裏には再剥離可能な粘着剤を塗布した左上補助片粘着部(50L)を設けている。
更に、掛け具作成用シート(1)の裏面の下端部には、再剥離可能な粘着剤が塗布されていない剥し用非粘着部(7)を設けている。
【0027】
実施例4について、
図13と
図14と
図15と
図16とで説明する。
図13は、実施例4を説明する掛け具作成用シート(1)の表平面図である。
点線の引き出し線は裏の部分を示している。
抜き加工で作成された積層束から1枚を剥がした掛け具作成用シート(1)である。
フック片先端部(2a)の幅がフック片末端部(2b)の幅よりも小さな台形のフック片(2)を、掛け具作成用シート(1)の中央上端の上方向に、突出して形成している。
掛け具作成用シート(1)の右側の裏面に再剥離可能な粘着剤を塗布した右粘着部(3R)を、掛け具作成用シート(1)の左側の裏面に再剥離可能な粘着剤を塗布した左粘着部(3L)を設けている。そしてフック片(2)の裏面には再剥離可能な粘着剤が塗布されていない。さらに、フック片(2)のフック片末端部(2b)の幅よりも少し広く、掛け具作成用シート(1)の下方向に再剥離可能な粘着剤が塗布されていない中央非粘着部(4)を設けている。
中央非粘着部(4)を設けて粘着剤をなくしている理由は、掛け具作成用シート(1)を被着体(H)に貼る時に、フック片(2)が被着体(H)に貼り付いてしまうという問題を解消するためである。すなわち、中央非粘着部(4)を設けることで、掛け具作成用シート(1)を被着体(H)にスムーズに貼ることができるようになる。
更に、掛け具作成用シート(1)の上端の右側から上方向にフック片(2)のフック片先端部(2a)よりも長く延びて設けた長方形の右上補助片(5R)を設けて、右上補助片(5R)の裏には再剥離可能な粘着剤を塗布した右上補助片粘着部(50R)を設けて、更に掛け具作成用シート(1)の上端の左側から上方向にフック片(2)のフック片先端部(2a)よりも長く延びて設けた長方形の左上補助片(5L)を設けて、左上補助片(5L)の裏には再剥離可能な粘着剤を塗布した左上補助片粘着部(50L)を設けている。
裏に再剥離可能な粘着剤を塗布した右上補助片(5R)と左上補助片(5L)により、再剥離可能な粘着剤の面積が増えて、被着体(H)への粘着力が増すようになるという利点がある。
掛け具作成用シート(1)の下部のほぼ中央に円弧状凹部(6)を設けることで、右下摘まみ部(6R)と左下摘まみ部(6L)を形成している。そして、右下摘まみ部(6R)の裏面には右下摘まみ部粘着部(60R)が、左下摘まみ部(6L)の裏面に再剥離可能な粘着剤を塗布した左下摘まみ部粘着部(60L)がそれぞれ設けられている。
更に、使用するときに、積層束(S)から剥がしやすいように、右下摘まみ部粘着部(60R)の下側には、再剥離可能な粘着剤が塗布されていない剥し用非粘着部(7)を設け、左下摘まみ部粘着部(60L)の下側には、再剥離可能な粘着剤が塗布されていない剥し用非粘着部(7)を設けている。
また、掛け具作成用シート(1)を被着体(H)から剥がしやすくするためでもある。
【0028】
図14は、実施例4を説明する掛け具作成用シート(1)の右下摘まみ部(6R)と左下摘まみ部(6L)を指で広げた状態の図である。太い点線の矢印は指の動作を示したものである。
右下摘まみ部(6R)と左下摘まみ部(6L)の間隔を広げると、掛け具作成用シート(1)は全体的には手前にお辞儀をするように湾曲する。しかし中央部分は手前側に膨らむので、フック片(2)も手前側に膨らむ。
そして、掛け具作成用シート(1)の上端の右側から上方向に延びて設けた右上補助片(5R)と、掛け具作成用シート(1)の上端の左側から上方向に延びて設けた左上補助片(5L)と、の間隔は僅かであるが小さくなっている。
【0029】
図15は、実施例4を説明する掛け具作成用シートの右下摘まみ部(6R)と左下摘まみ部(6L)の間隔を指で広げた状態の斜視図である。
掛け具作成用シート(1)は全体的には手前にお辞儀をするように湾曲する。しかし中央部分は手前側に膨らみ、フック片(2)も手前側に膨らんでいる。
図16は、実施例4を説明する掛け具作成用シート(1)を被着体(H)に貼って、完成させた掛け具(K)の斜視図である。
右下摘まみ部(6R)と左下摘まみ部(6L)の間隔を広げたままの状態で被着体(H)に貼ることで掛け具(K)が完成する。
掛け具作成用シート(1)の中央の上側が手前に膨らんでいる。その結果、完成した掛け具(K)のフック片(2)の先端部が手前に突き出て、被着体(H)と間隔がきるので、物が掛けられるようになっている。この時のフック片(2)は、手前に膨らみ、横方向の断面が略円弧状となり平らな時よりも剛性が高くなっている。そのために薄い紙であってもマスク(M)が掛けられるようになる。
【0030】
実施例5について、
図17と
図18と
図19と
図20とで説明する。
実施例1から実施例4までの掛け具作成用シート(1)は、切込・折線・ミシン目などを設けていない構造となっている実施例であったが、切込を設けることでも作成できる例として実施例5を例示している。
図17は、実施例5を説明する掛け具作成用シート(1)の表平面図である。
四角形をした掛け具作成用シート(1)の裏面には、再剥離可能な粘着剤が塗布されていない剥し用非粘着部(7)を除いた部分すべてに、再剥離可能な粘着剤が塗布された裏面粘着部(3)を設けている。
掛け具作成用シート(1)の上端から右斜め下方向に切込(8)を左斜め下方向に切込(9)を設けて、台形のフック片(2)を形成している。切込(8)と切込(9)は、この掛け具作成用シート(1)の縦方向の中心線を軸に線対称となっている。さらに掛け具作成用シート(1)の下端の中心から上に向かって切込(10)を設けている。
切込(8)と切込(9)を設けることで、台形のフック片(2)と右上補助片(5R)と左上補助片(5L)との三つの片が形成さている。
切込(10)を設けることで、右下摘まみ部(6R)と左下摘まみ部(6L)とを形成している。
【0031】
図18は、実施例5を説明する掛け具作成用シート(1)の右下摘まみ部(6R)と左下摘まみ部(6L)を指で広げた状態の図である。
右下摘まみ部(6R)と左下摘まみ部(6L)の間隔を広げると、掛け具作成用シート(1)は全体的には手前にお辞儀をするように湾曲する。しかし中央部分は手前側に膨らみ、フック片(2)も手前側に膨らむ。
切込(10)が直線であるので、右下摘まみ部(6R)と左下摘まみ部(6L)との間隔を目視で簡単に確認できる。例えば、右下摘まみ部(6R)と左下摘まみ部(6L)の間隔を1mm広げた時のフック片(2)の立ち上がり角度を簡単に確認できる。
右下摘まみ部(6R)と左下摘まみ部(6L)との間隔が、フック片(2)の立ち上がり角度に影響するので、目視で簡単にセットでき、使い勝手が良い。
切込(8)と切込(9)と切込(10)を設けているので、重ねた掛け具作成用シート(1)束から剥がすときに、破れやすい。
【0032】
図19は、実施例5を説明する掛け具作成用シート(1)の左右の摘まみ部を広げた状態の斜視図である。右下摘まみ部(6R)と左下摘まみ部(6L)の間隔を広げると、掛け具作成用シート(1)は全体的には手前にお辞儀をするように湾曲する。しかし中央部分は手前側に膨らむので、フック片(2)も手前側に膨らんでいる。
図20は、実施例5を説明する掛け具作成用シート(1)を被着体(H)に貼って完成させた掛け具(K)の斜視図である。
右下摘まみ部(6R)と左下摘まみ部(6L)の間隔を広げたままで被着体(H)に貼ることで掛け具(K)が完成する。
掛け具作成用シート(1)の中央の上側が手前に膨らんでいる。その結果、完成した掛け具(K)のフック片(2)の先端部は手前に突き出でいて被着体(H)と間隔ができるので、物が掛けられるようになっている。
この時のフック片(2)は、手前に膨らみ、横方向の断面が略円弧状となり平らな時よりも剛性が高くなっている。このような理由で、掛け具作成用シート(1)が付箋紙のような薄い紙であっても、このフック片(2)にマスクなどの軽いものを掛けることができる。
【0033】
なお、本発明は前述した実施の形態に限定されるものではない。
機能に影響しない範囲であれば、掛け具作成用シート(1)はいろいろなサイズや形状にすることができる。
例えば、フック片(2)の形状も台形に限らず三角形や四角形や人・動物の顔など、いろいろな形状にすることができる。
また掛け具作成用シート(1)のサイズや形状により、中央非粘着部(4)の形状やサイズも変更してもよい。
付箋に使用される紙を素材とした実施例を述べてきたが、紙に限定されものではなく、付箋として使用できる素材であれば、例えばプラスチックシートでもよい。また、円弧状凹部(6)の形状も円弧に限らず色々な形状にすることができる。実施例においては、掛け具作成用シート(1)を貼り付ける被着体(H)を壁のように立てた平面としているが、その他の場所にも貼り付けることができる。例えば、机やテーブルなどの天板の側面や角にも貼り付けて、掛け具(K)を形成することもできる。