(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083224
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】スライドレール機構及びそのスライドレール組立体
(51)【国際特許分類】
A47B 88/45 20170101AFI20240613BHJP
A47B 88/57 20170101ALI20240613BHJP
【FI】
A47B88/45
A47B88/57
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023112768
(22)【出願日】2023-07-10
(31)【優先権主張番号】111147682
(32)【優先日】2022-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】楊 順和
(72)【発明者】
【氏名】游 凱文
(72)【発明者】
【氏名】王 俊強
【テーマコード(参考)】
3B160
【Fターム(参考)】
3B160AA01
3B160AA11
3B160AB42
3B160EA14
3B160EA32
3B160EA36
3B160EB75
3B160EB82
(57)【要約】 (修正有)
【課題】複数レールの間でロック解除のための構成に改良を施した、スライドレール機構及びスライドレール組立体を提供する。
【解決手段】スライドレール機構20は、第1スライドレール組立体22と、第2スライドレール組立体24と、ロック解除ハンドル26とを備えている。各スライドレール組立体は、第1レール28と、第2レール30と、ロック部材とから構成される。第1レールと第2レールとは、相互に対して移動可能である。ロック部材は、所定位置Rで第2レールを第1レールに対してロックするように構成される。ロック解除ハンドルは、第1スライドレール組立体と第2スライドレール組立体との間に移動可能に取り付けられる。ロック解除ハンドルが第1位置P1から第2位置P2へ移動された場合に、ロック解除ハンドルは、所定位置で第2レールを第1レールに対してロック解除するために、ロック部材を駆動して移動するように構成される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライドレール機構であって、
第1スライドレール組立体及び第2スライドレール組立体であり、第1スライドレール組立体及び第2スライドレール組立体のそれぞれは、相互に対して移動可能である第1レール及び第2レールと、所定位置で前記第2レールを前記第1レールに対してロックするように構成されているロック部材とを含む、第1スライドレール組立体及び第2スライドレール組立体と、
前記第1スライドレール組立体と前記第2スライドレール組立体との間に移動可能に取り付けられているロック解除ハンドルとを備え、
前記ロック解除ハンドルが第1位置から第2位置へ移動された場合に、前記ロック解除ハンドルは、前記所定位置で前記第2レールを前記第1レールに対してロック解除するために、前記ロック部材を駆動して移動するように構成されている、スライドレール機構。
【請求項2】
前記ロック解除ハンドルは、前記第1スライドレール組立体の前記第2レールと前記第2スライドレール組立体の前記第2レールとの間に、移動可能かつ取り外し可能に取り付けられている、請求項1記載のスライドレール機構。
【請求項3】
前記第1スライドレール組立体の前記第2レールと前記第2スライドレール組立体の前記第2レールとの間に取り付けられた載せる物品に、前記ロック解除ハンドルは移動可能に取り付けられている、請求項2記載のスライドレール機構。
【請求項4】
前記ロック解除ハンドルは、2つの作業部材と連結ロッドとを含み、前記連結ロッドは、2つの前記作業部材の間に配置され、2つの前記作業部材は、前記第1スライドレール組立体の前記第2レールと、前記第2スライドレール組立体の前記第2レールとにそれぞれ回転可能に接続され、
前記ロック解除ハンドルが前記第1位置にある場合に、前記ロック解除ハンドルの前記連結ロッドは、前記第1及び第2スライドレール組立体のそれぞれに対して第1高さに位置し、
前記ロック解除ハンドルが前記第2位置にある場合に、前記ロック解除ハンドルの前記連結ロッドは、前記第1及び第2スライドレール組立体のそれぞれに対して、前記第1高さと異なる第2高さに位置する、請求項2記載のスライドレール機構。
【請求項5】
前記作業部材のそれぞれは、第1部分と第2部分とを含み、所定距離が、前記第1部分と前記第2部分との間に規定され、前記第1部分は、接続部材を介して前記第2レールに枢軸的に接続され、前記連結ロッドは、前記第2部分に接続され、
前記作業部材のそれぞれは、第1制限特徴部を伴って配置され、前記第2レールのそれぞれは、第2制限特徴部を伴って配置され、
2つの前記作業部材は、前記第1制限特徴部と前記第2制限特徴部との間の相互作用によって、制限された範囲の中で回転するように構成されている、請求項4記載のスライドレール機構。
【請求項6】
前記第1及び第2スライドレール組立体のそれぞれはさらに、操作部材を含み、
前記ロック解除ハンドルの前記連結ロッドに力が加えられた場合に、前記ロック解除ハンドルの各作業部材は、前記ロック部材を駆動して前記操作部材を介して移動させるために、前記第1位置から前記第2位置へ回転され、
前記操作部材は、前記第2レールに対して直線的に移動可能である、請求項5記載のスライドレール機構。
【請求項7】
前記ロック解除ハンドルは、前記第1位置から前記第2位置へ直線的に移動するように構成されている、請求項1記載のスライドレール機構。
【請求項8】
第1レールと、
前記第1レールに対して移動可能である第2レールと、
後退位置で前記第2レールを前記第1レールに対してロックするように構成されているロック部材と、
前記第2レールに対して移動可能であるロック解除ハンドルとを備え、
前記ロック解除ハンドルが第1位置から第2位置へ移動された場合に、前記ロック解除ハンドルは、前記後退位置で前記第2レールを前記第1レールに対してロック解除するために、前記ロック部材を駆動して移動させるように構成され、これにより、前記第2レールは、前記後退位置から離れるように移動可能である、スライドレール組立体。
【請求項9】
前記ロック解除ハンドルは、作業部材と連結ロッドとを含み、前記連結ロッドは、前記作業部材に配置され、前記作業部材は、前記第2レールに回転可能に接続され、
前記作業部材は、第1制限特徴部を伴って配置され、前記第2レールは、第2制限特徴部を伴って配置され、
前記作業部材は、前記第1制限特徴部と前記第2制限特徴部との間の相互作用によって、制限された範囲の中で回転するように構成され、
前記ロック解除ハンドルが前記第1位置にある場合に、前記ロック解除ハンドルの前記連結ロッドは、スライドレール組立体に対して第1高さに位置し、
前記ロック解除ハンドルが前記第2位置にある場合に、前記ロック解除ハンドルの前記連結ロッドは、スライドレール組立体に対して、前記第1高さと異なる第2高さに位置する、請求項8記載のスライドレール組立体。
【請求項10】
前記作業部材は、第1部分と第2部分とを含み、所定距離が、前記第1部分と前記第2部分との間に規定され、前記第1部分は、接続部材を介して前記第2レールに枢軸的に接続され、前記連結ロッドは、前記第2部分に接続され、
スライドレール組立体はさらに、操作部材を備え、
前記ロック解除ハンドルの前記連結ロッドに力が加えられた場合に、前記ロック解除ハンドルの前記作業部材は、前記ロック部材を駆動して前記操作部材を介して移動させるために、前記第1位置から前記第2位置へ回転され、
前記操作部材は、前記第2レールに対して直線的に移動可能である、請求項9記載のスライドレール組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライドレール機構に関し、さらに詳細には、ロック解除ハンドルを有するスライドレール機構に関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開WO2021/146355号には、引き出しスライドのラッチ操作用の回転バーが開示されている。引き出しスライドは、相互に対して移動可能である外側部材(外側レールなど)と内側部材(内側レールなど)とを備えている。解放レバーが、内側部材に枢軸的に取り付けられ、解放レバーは、外側部材の所定のキャッチに係合するためのタブを有し、内側部材が外側部材に対して、ある位置に保持されるようになっている。アームは、回転バーの端部に接続され、アームは、解放レバーに係合するように配置されている。このような配置によれば、ユーザが回転バーに力を加えた場合に、回転バーがアームを駆動して、解放レバーのタブを外側部材のキャッチからロック解除するように構成されている。
【0003】
米国特許10004331号には、ハンドル加圧部(handle extrusion)からなる引き出し解放機構が開示されている。ハンドル加圧部の側面には、レバーと係合する第1ピン(又は第2ピン)が設けられている。レバーは、内側レールに枢軸的に取り付けられている。ユーザがハンドル加圧部に力を加えた場合に、ハンドル加圧部は、第1ピンを駆動してレバーを動かし、内レールを外レールからロック解除するように構成されている。
【0004】
前述の2つの特許文献にそれぞれ開示されている回転バーとハンドル加圧部とは、ユーザが力を加えた場合に、回転するように構成されている。しかし、回転バーとハンドル加圧部とがスライドレール(又は引き出し)に対して回転しても、高さに変化はない。また、回転バーは、解放レバーと係合している。同様にハンドル加圧部は、第1ピンを介してレバーと係合している。
【発明の概要】
【0005】
しかし、市場の多様な要求に応えるためには、前述の特許文献に開示された配置でレールをロック解除することが望ましくない場合もある。そのため、さまざまな製品を開発することが重要である。
【0006】
本発明は、ロック解除ハンドルを有するスライドレール機構、及びそのスライドレール組立体に関する。
【0007】
本発明の実施形態によれば、スライドレール機構は、第1スライドレール組立体及び第2スライドレール組立体であり、第1スライドレール組立体及び第2スライドレール組立体のそれぞれは、相互に対して移動可能である第1レール及び第2レールと、所定位置で第2レールを第1レールに対してロックするように構成されているロック部材とを含む、第1スライドレール組立体及び第2スライドレール組立体と;第1スライドレール組立体と第2スライドレール組立体との間に移動可能に取り付けられているロック解除ハンドルとを備え;ロック解除ハンドルが第1位置から第2位置へ移動された場合に、ロック解除ハンドルは、所定位置で第2レールを第1レールに対してロック解除するために、ロック部材を駆動して移動するように構成されている。
【0008】
本発明の他の実施形態によれば、スライドレール組立体は、第1レールと;第1レールに対して移動可能である第2レールと;後退位置で第2レールを第1レールに対してロックするように構成されているロック部材と;第2レールに対して移動可能であるロック解除ハンドルとを備え;ロック解除ハンドルが第1位置から第2位置へ移動された場合に、ロック解除ハンドルは、後退位置で第2レールを第1レールに対してロック解除するために、ロック部材を駆動して移動させるように構成され、これにより、第2レールは、後退位置から離れるように移動可能である。
【0009】
様々な図及び図面に示される好ましい実施形態に関する以下の詳細な説明を読めば、本発明のこれらの目的及び他の目的は、当業者には疑いなく明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1実施形態に係り、ロック解除ハンドルが第1位置に配置されて、後退状態にあるスライドレール機構のスライドレール組立体を示す図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係るスライドレール機構の分解図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係り、ロック解除ハンドルが第2位置にあるスライドレール機構を示す図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係り、ロック解除ハンドルが第1位置にある状態で、スライドレール組立体の第2レールが所定位置で第1レールに対してロックされている状態を示す図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係り、ロック解除ハンドルが操作された状態で、スライドレール組立体の第2レールが所定位置で第1レールに対してロックされている状態を示す図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係り、スライドレール組立体の第1レールに対して第2レールをロック解除するために、第2位置にあるロック解除ハンドルを示す図である。
【
図7】本発明の第1実施形態に係り、伸長状態にあるスライドレール機構のスライドレール組立体を示す図である。
【
図8】本発明の第2実施形態に係り、ロック解除ハンドルが第1位置にあるスライドレール機構を示す図である。
【
図9】本発明の第2実施形態に係り、ロック解除ハンドルが第2位置にあるスライドレール機構を示す図である。
【
図10】本発明の第3実施形態に係り、後退状態にあるスライドレール機構のスライドレール組立体を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1、
図2及び
図3に示すように、本発明の第1実施形態に係り、スライドレール機構20は、第1スライドレール組立体22と、第2スライドレール組立体24と、ロック解除ハンドル26とを備えている。第1スライドレール組立体22と第2スライドレール組立体24とは、実質的に同一の構造構成を有する。スライドレール組立体22,24のそれぞれは、第1レール28と第2レール30とを備えている。第1レール28と第2レール30とは、相互に対して長手方向に移動可能であり、第2レール30は、第1レール28に対して相対的に所定位置R(後退位置などであるが、本発明はこれに限定されない)にあってよい。なお、本実施形態で、X軸は長手方向(又はスライドレールの長さ方向)であり、Y軸は横断方向(又はスライドレールの側方方向)であり、Z軸は縦方向(又はスライドレールの高さ方向)である。
【0012】
好ましくは、第1レール28は、ラック又はキャビネット(図示せず)に固定されるように構成され、第2レール30は、載せる物品(図示せず)を載せるように構成されている。
【0013】
好ましくは、スライドレール組立体22,24のそれぞれはさらに、第3レール32を備え、第3レール32は、第1レール28と第2レール30との間に移動可能に取り付けられ、第1レール28に対する第2レール30の開放する走行距離を延長するように構成されている。
【0014】
ロック解除ハンドル26は、第1スライドレール組立体22と第2スライドレール組立体24との間に移動可能に取り付けられている。例えば、ロック解除ハンドル26は、第1位置P1(
図1に示す)から第2位置P2(
図3に示す)へ移動可能である。本実施形態で、ロック解除ハンドル26は、第1スライドレール組立体22の第2レール30と第2スライドレール組立体24の第2レール30との間に移動可能に取り付けられ、ロック解除ハンドル26は、第1スライドレール組立体22の第2レール30と第2スライドレール組立体24の第2レール30とに対して相対的に移動可能である。
【0015】
好ましくは、第2レール30のそれぞれは、前部分30aと後部分30bとを有する。ロック解除ハンドル26は、2つの第2レール30の前部分30aに隣接して配置されている。
【0016】
好ましくは、ロック解除ハンドル26は、2つの作業部材(第1作業部材34及び第2作業部材36など)と、連結ロッド38とを含む。2つの作業部材34,36は、実質的に同一の構造構成を有する。連結ロッド38は、2つの作業部材34,36の間に配置されている。2つの作業部材34,36は、それぞれ第1スライドレール組立体22の第2レール30と第2スライドレール組立体24の第2レール30とに回転可能に接続されている。例えば、ロック解除ハンドル26の2つの作業部材34,36が第1位置P1(
図1に示す)から第2位置P2(
図3に示す)へ移動するように回転するように、ユーザは、ロック解除ハンドル26の連結ロッド38に所定方向(例えば、上方向)への力Kを加えてよい。
【0017】
好ましくは、ロック解除ハンドル26が第1位置P1にある場合に、ロック解除ハンドル26の連結ロッド38は、スライドレール組立体22,24のそれぞれに対して第1高さH1にある(
図1に示す)。ロック解除ハンドル26が第2位置P2にある場合に、ロック解除ハンドル26の連結ロッド38は、スライドレール組立体22,24のそれぞれに対して第2高さH2にある(
図3に示す)。第2高さH2は、第1高さH1と異なる。例えば、第2高さH2は、第1高さH1よりも高い(大きい)。換言すれば、ロック解除ハンドル26が操作された場合に、ロック解除ハンドル26の連結ロッド38は、スライドレール組立体22,24のそれぞれに対して異なる高さとなるように移動される。
【0018】
好ましくは、各作業部材34,36(第1作業部材34など)は、第1部分40と第2部分42とを含む(
図2に示す)。第1部分40と第2部分42との間には、所定距離Mが規定されている(
図1に示す)。第1部分40は、接続部材44を介して第2レール30に枢軸的に接続されている。連結ロッド38は、第2部分42に接続されている。
【0019】
好ましくは、ロック解除ハンドル26は、第1スライドレール組立体22の第2レール30と第2スライドレール組立体24の第2レール30との間に取り外し可能に接続される。例えば、接続部材44は、ネジ、ボルトなどであってよいが、本発明はこれに限定されない。即ち、ロック解除ハンドル26は、接続部材44を介して、第1スライドレール組立体22の第2レール30と第2スライドレール組立体24の第2レール30との間に取り外し可能に接続されてよい。
【0020】
好ましくは、作業部材34,36のそれぞれ(第1作業部材34など)は、第1制限特徴部46を伴って配置され、第2レール30のそれぞれ(第1スライドレール組立体22の第2レール30など)は、第2制限特徴部48を伴って配置されている。2つの作業部材34,36は、第1制限特徴部46と第2制限特徴部48との間の相互作用によって、制限された範囲の中で回転するように構成されている。例えば、第1制限特徴部46と第2制限特徴部48とのうちの1つは円弧孔(又は円弧スロット)であり、第1制限特徴部46と第2制限特徴部48とのうちの他の1つは円弧孔(又は円弧スロット)の一部へ延びる突出部であるが、本発明はこれに限定されない。
【0021】
図4に示すように、スライドレール組立体(第1スライドレール組立体22及び第2スライドレール組立体24)のそれぞれはさらに、所定位置Rで第2レール30を第1レール28に対してロックするように構成されているロック部材31を備えている。
【0022】
好ましくは、ロック部材31は、第1レール28のブロッキング構造50の一端部Sをブロッキングするように構成されている。本実施形態では、ブロッキング構造50は突出した構造である。しかしながら、他の代替実施形態では、ブロッキング構造50は凹部(又は孔)構造であってよい。ただし、本発明はこれに限定されない。さらに、ロック部材31は、第2レール30に移動可能に取り付けられている。例えば、ロック部材31は、軸部材52を介して第2レール30に枢軸的に接続されている。
【0023】
好ましくは、スライドレール組立体(第1スライドレール組立体22及び第2スライドレール組立体24)のそれぞれはさらに、第2レール30に取り付けられた弾性部材54を備えている。弾性部材54は、ロック部材31に弾性力を与えるように構成された弾性部56を含み、ロック部材31は、第1レール28のブロッキング構造50をブロッキングする状態に保持されることができる。
【0024】
好ましくは、スライドレール組立体22,24のそれぞれはさらに、第2レール30に移動可能に取り付けられた操作部材58を備えている。例えば、操作部材58は、第2レール30に対して直線的に移動可能である。操作部材58の直線移動方向は、第2レール30の移動方向(長手方向など)と同一である。
【0025】
図4、
図5及び
図6に示すように、ロック解除ハンドル26が第1位置P1(
図4に示す位置)から第2位置P2(
図6に示す位置)へ移動された場合に、ロック解除ハンドル26は、所定位置R(
図6に示す位置)で第2レール30を第1レール28に対してロック解除するために、ロック部材31を駆動して移動させるように構成されている。これにより、第2レール30は、所定位置Rから離れるように移動可能である。
【0026】
さらに、ユーザがロック解除ハンドル26に力Kを加えた場合に、ロック解除ハンドル26の各作業部材34,36(第2作業部材36など)は、力Kによって第1位置P1(
図4に示す状態)から第2位置P2(
図6に示す状態)へ回転して移動される。その結果、各作業部材34,36(第2作業部材36など)は、所定位置Rで第2レール30を第1レール28に対してロック解除するために、操作部材58を介して移動するようにロック部材31を駆動するように構成されている。例えば、ユーザがロック解除ハンドル26の連結ロッド38に力Kを加えた場合に、ロック解除ハンドル26の2つの作業部材34,36は、第1位置P1(
図4及び
図1に示す)から第2位置P2(
図6及び
図3に示す)へ移動されるように、回転軸としての接続部材44の周りに回転される。その結果、2つの作業部材34,36のそれぞれが、操作部材58を駆動して直線的に移動させる駆動力Fを発生させる。操作部材58の第1特徴部60は、ロック部材31の第2特徴部62と接触するように構成されている(例えば、
図5に示すような2つの傾斜部の間の接触、又は傾斜部と円弧部との接触、又は2つの円弧部の間の接触など)。その結果、操作部材58は、ロック部材31を第1レール28のブロッキング構造50の端部Sから係合解除するために(
図6に示す)、第2レール30が第1レール28に対して方向D(例えば開放方向)に相対移動できるように、ロック部材31を容易に駆動して角度偏位させることができる。また、ロック部材31を角度偏位操作すると、弾性部材54の弾性部56が弾性的に屈曲して弾性力を蓄積した状態となり(
図6に示す)、ロック部材31の第2特徴部62が第2レール30の孔64に向けて移動する。さらに、ロック部材31が角度偏位するように駆動された場合に、ロック部材31の肩部66が第2レール24の制限部68に突き当たるように構成されている(
図6に示す)。
【0027】
さらに、他の代替実施形態では、操作部材58を省略してよい。さらに、ロック解除ハンドル26が第1位置P1から第2位置P2へ移動するように操作された場合に、各作業部材34,36(第2作業部材36など)は、所定位置Rで第2レール30を第1レール28に対してロック解除するために、ロック部材31を直接駆動して移動させてよい。
【0028】
従って、ユーザは、ロック解除ハンドル26の連結ロッド38に片手で力Kを加えるだけでよく、ロック解除ハンドル26を第1位置P1から第2位置P2へ移動させて、対向する2つのスライドレール組立体22,24の第1レール28に対して、所定位置Rで第2レール30をロック解除することができる。両手で操作する必要がないので、ユーザにとって便利である。また、各作業部材34,36(第1作業部材34など)の所定距離Mをモーメントアームの長さとみなしてよいので、ユーザがロック解除ハンドル26の連結ロッド38に力Kを加えてロック部材31を駆動して移動させた場合に、省力化の効果を実現することができる。
【0029】
図7に示すように、ロック部材31が第1レール28のブロッキング構造50から係合解除された場合に、第2レール30は、第1レール28に対して所定位置Rから離れるように移動可能である。これにより、第2レール30と第3レール32の両方が第1レール28に対して方向Dに相対的に移動可能であり、各スライドレール組立体22,24を伸長状態にすることができる。ユーザがロック解除ハンドル26の連結ロッド38に力Kを加えるのを止めた場合に、ロック解除ハンドル26の2つの作業部材34,36は、第2位置P2(
図3を参照)から第1位置P1(
図7に示す)へ復帰する。
【0030】
図8及び
図9は、本発明の第2実施形態に係るスライドレール機構200を示す図である。第1実施形態では、スライドレール機構20のロック解除ハンドル26は、作業部材34の回転により移動される。第2実施形態と第1実施形態との主な相違点は、第2実施形態のスライドレール機構200のロック解除ハンドル202が、第1位置P1’(
図8に示す状態)から直線的(又は長手方向)に第2位置P2’(
図9に示す状態)へ移動可能であることである。
【0031】
さらに、各スライドレール組立体(第1スライドレール組立体203及び第2スライドレール組立体205)の第2レール204とロック解除ハンドル202とのうちの1つは、第1所定特徴部206(長手方向溝又は長手方向孔など)を含む。第2レール204とロック解除ハンドル202とのうちの他の1つは、第2所定特徴部208(長手方向溝又は長手方向孔の一部に挿入可能な、突起又は接続部材44と同様の物体など)を含む。第1所定特徴部206と第2所定特徴部208との間の相互作用を通じて、ロック解除ハンドル202は、第1位置P1’(
図8に示す)から直線方向Lに第2位置P2’(
図9に示す)へ直線的に移動可能であり、(
図9に示すように)ロック部材212を第1レール214のブロッキング構造216から係合解除するために、ロック部材212を移動させるように操作部材210を駆動する駆動力F’を提供する。従って、第2レール204は、第1レール214に対して所定位置R’から離れるように移動可能である。直線方向Lは、第2レール204の移動方向と同一である。例えば、第2レール204の直線方向Lと移動方向とは、いずれも長手方向である。換言すれば、直線方向Lは、第2レール204の移動方向と実質的に平行である。さらに、第2実施形態の第1レール214に対して第2レール204をロックするロック部材212の構成は、第1実施形態と同一である。簡略化のため、これ以上の図示は省略する。
【0032】
図10は、本発明の第3実施形態によるスライドレール機構300を示す斜視図である。第1実施形態では、スライドレール機構20のロック解除ハンドル26が、第1スライドレール組立体22の第2レール30と第2スライドレール組立体24の第2レール30との間に移動可能に取り付けられている。第3実施形態と第1実施形態との主な相違点は、第3実施形態のスライドレール機構300のロック解除ハンドル302が、第1スライドレール組立体304の第2レール306と第2スライドレール組立体308の第2レール306との間に取り付けられた載せる物品310に、移動可能に取り付けられていることである。
【0033】
さらに、スライドレール組立体304,308のそれぞれの第1レール312は、ラック又はキャビネット(図示せず)に固定可能であり、スライドレール組立体304,308のそれぞれの第2レール306は、載せる物品310を載せるように構成されている。各作業部材314は、第1部分と第2部分とを含む。第1部分は、接続部材320を介して、載せる物品310に枢軸的に接続されている。接続部材320は、ネジ、ボルトなどであってよいが、本発明はこれに限定されない。連結ロッド322が、作業部材314の第2部分に接続されている。
【0034】
このような構成によれば、2つの対向するスライドレール組立体304,308の第1レール312に対して、所定位置R’’で第2レール306をロック解除するために、ユーザは、ロック解除ハンドル302を第1位置P1’’から第2位置P2’’へ移動(例えば、回転又は旋回)させるように駆動する力を加えてよい。
【0035】
また、第2実施形態のスライドレール機構200のロック解除ハンドル202をスライドレールに直線的に移動可能に取り付けることに加えて、第1スライドレール組立体の第2レールと第2スライドレール組立体の第2レールとの間に直線的に移動可能に取り付けられた載せる物品に、ロック解除ハンドルを取り付けることも可能である。このような構成によれば、ロック解除ハンドルを第2レール(又は載せる物品)に対して第1位置から第2位置へ直線的に移動させた場合に、所定位置で第2レールを第1レールに対してロック解除するためにロック部材を駆動して移動させてよい。
【0036】
従って、本発明の実施形態に係るスライドレール機構及びそのスライドレール組立体は、以下の技術的特徴を有する。
【0037】
1.ロック解除ハンドル26(202)は、スライドレールに取り付けることができ、又はロック解除ハンドル302は、載せる物品310に取り付けることができる。
【0038】
2.ユーザは、ロック解除ハンドル26,202,302に片手で力Kを加えるだけでよく、ロック解除ハンドル26,202,302を第1位置から第2位置へ移動させて、対向する2つのスライドレール組立体の第1レールに対して、所定位置Rで第2レールをロック解除することができる。両手で操作する必要がないので、ユーザにとって便利である。
【0039】
3.各作業部材(第1作業部材34など)の所定距離Mをモーメントアームの長さとみなしてよいので、ユーザがロック解除ハンドル26の連結ロッド38に力Kを加えてロック部材31を駆動して移動させた場合に、省力化の効果を実現することができる。
【0040】
4.ロック解除ハンドル26,202は、第1スライドレール組立体22,203の第2レール30,204と第2スライドレール組立体24,205の第2レール30,204との間に取り外し可能に接続することができる(又は、ロック解除ハンドル302は、第1スライドレール組立体304の第2レール306と第2スライドレール組立体308の第2レール306との間に取り付けられた載せる物品310に取り外し可能に取り付けられている)。換言すれば、ユーザは、要求に応じてロック解除ハンドル26,202,302を設置することができる。
【0041】
5.第2レール30,204,306が所定位置で第1レール28,214,312に対してロック解除された場合に、ユーザは、ロック解除ハンドル26,202,302を引くことにより、第2レール30,204,306(又は載せる物品310)を所定位置(後退位置など)から容易に移動させることができる。
【0042】
本発明の教示を保持しつつ、装置及び方法の多数の修正及び改変がなされてよいことを、当業者であれば容易に理解することである。従って、上記の開示は、添付の請求項の範囲によってのみ限定されると解釈されるものとする。