(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083228
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】印刷回路基板およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H05K 3/28 20060101AFI20240613BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
H05K3/28 B
H05K1/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023125411
(22)【出願日】2023-08-01
(31)【優先権主張番号】10-2022-0171532
(32)【優先日】2022-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 啓 ファン
【テーマコード(参考)】
5E314
5E338
【Fターム(参考)】
5E314AA24
5E314AA32
5E314AA36
5E314FF05
5E314GG17
5E338AA16
5E338BB12
5E338BB63
5E338EE31
(57)【要約】
【課題】ワイヤボンディング環境に適した導電層の厚さを確保できる印刷回路基板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明による印刷回路基板は、対向する第1面および第2面を有する絶縁層と、絶縁層に埋め込まれ、第1面から陥没して配置された表面を有する第1接続パッドと、第1接続パッド上に位置し、一部が絶縁層に埋め込まれ、他の一部が絶縁層の第1面から突出した導電層と、絶縁層の第1面に位置し、導電層の高さと同一であるか、より低い表面を有する第1ソルダレジスト層とを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する第1面および第2面を有する絶縁層と、
前記絶縁層に埋め込まれ、前記第1面から陥没して配置された表面を有する第1接続パッドと、
前記第1接続パッド上に位置し、一部が前記絶縁層に埋め込まれ、他の一部が前記絶縁層の前記第1面から突出した導電層と、
前記絶縁層の前記第1面に位置し、前記導電層の表面と高さが同一であるか、またはより低い表面を有する第1ソルダレジスト層と、
を含むことを特徴とする印刷回路基板。
【請求項2】
前記導電層の側面は、前記第1ソルダレジスト層と接触する部分を有することを特徴とする請求項1に記載の印刷回路基板。
【請求項3】
前記導電層は、前記第1ソルダレジスト層の表面よりも突出し、
前記導電層の突出した厚さは、前記第1ソルダレジスト層の厚さよりも厚いことを特徴とする請求項1に記載の印刷回路基板。
【請求項4】
前記導電層は、前記第1接続パッド上に位置するニッケル(Ni)導電層と、前記ニッケル(Ni)導電層上に位置する金(Au)導電層とをさらに含み、
前記ニッケル導電層は、前記絶縁層の前記第1面よりも低い高さで前記第1接続パッドと接することを特徴とする請求項1に記載の印刷回路基板。
【請求項5】
前記ニッケル導電層の厚さは、前記第1ソルダレジスト層の厚さよりも厚いことを特徴とする請求項4に記載の印刷回路基板。
【請求項6】
前記ニッケル導電層は、前記第1ソルダレジスト層の表面よりも突出したことを特徴とする請求項4に記載の印刷回路基板。
【請求項7】
前記導電層が前記第1接続パッドと接する部分において、前記導電層の幅は、前記第1接続パッドの幅と同一であることを特徴とする請求項1に記載の印刷回路基板。
【請求項8】
前記第1ソルダレジスト層に埋め込まれた前記導電層部分の幅と、前記第1ソルダレジスト層から突出した前記導電層部分の幅とが互いに同一であることを特徴とする請求項1に記載の印刷回路基板。
【請求項9】
前記導電層は、前記第1接続パッド上に位置するニッケル(Ni)導電層と、前記ニッケル(Ni)導電層上に位置する金(Au)導電層とをさらに含み、
前記金導電層の幅は、前記ニッケル導電層の幅と同一であることを特徴とする請求項8に記載の印刷回路基板。
【請求項10】
前記絶縁層上において複数の前記導電層が互いに隣接して配置され、前記互いに隣接した複数の導電層の間に前記第1ソルダレジスト層が配置されたことを特徴とする請求項1に記載の印刷回路基板。
【請求項11】
前記第1接続パッドは、ワイヤボンディングパッド用ボンドフィンガーであることを特徴とする請求項1に記載の印刷回路基板。
【請求項12】
前記絶縁層の前記第2面上に位置する第2接続パッドと、
前記絶縁層の前記第2面において前記第2接続パッドの周囲に配置された第2ソルダレジスト層と、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の印刷回路基板。
【請求項13】
前記第1ソルダレジスト層は、前記第2ソルダレジスト層よりも厚さが薄いことを特徴とする請求項12に記載の印刷回路基板。
【請求項14】
前記絶縁層は、複数の絶縁層を含み、
前記複数の絶縁層は、それぞれ回路層を含むことを特徴とする請求項12に記載の印刷回路基板。
【請求項15】
前記絶縁層に埋め込まれて前記回路層に連結され、前記絶縁層の厚さ方向に延びるビアをさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の印刷回路基板。
【請求項16】
対向する第1面および第2面を有する絶縁層に埋め込まれた第1接続パッドを含む埋め込みパターン基板を形成する段階と、
前記絶縁層の前記第1面上に前記第1接続パッドを覆うように第1ソルダレジスト層を形成する段階と、
前記第1接続パッドを露出させるように前記第1ソルダレジスト層に第1開口部をパターニングする段階と、
メッキ工程を行って前記第1開口部に導電層を形成する段階と、
前記第1ソルダレジスト層を薄型化(thinning)する段階と、
を含む印刷回路基板の製造方法。
【請求項17】
前記第1ソルダレジスト層を薄型化する段階は、
前記導電層を前記第1ソルダレジスト層の表面よりも突出させる段階をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の印刷回路基板の製造方法。
【請求項18】
前記導電層の突出した厚さは、前記第1ソルダレジスト層の厚さよりも厚く形成されることを特徴とする請求項17に記載の印刷回路基板の製造方法。
【請求項19】
前記導電層を形成する段階は、
前記第1接続パッド上にニッケル(Ni)導電層を形成し、前記ニッケル導電層上に金(Au)導電層を形成する段階を含むことを特徴とする請求項16に記載の印刷回路基板の製造方法。
【請求項20】
前記第1ソルダレジスト層を薄型化する段階は、
前記ニッケル導電層の厚さが前記第1ソルダレジスト層の厚さよりも厚くなるようにする段階を含むことを特徴とする請求項19に記載の印刷回路基板の製造方法。
【請求項21】
前記第1ソルダレジスト層を薄型化する段階は、
前記ニッケル導電層を前記第1ソルダレジスト層の表面よりも突出させる段階をさらに含むことを特徴とする請求項19に記載の印刷回路基板の製造方法。
【請求項22】
前記第1ソルダレジスト層に前記第1開口部をパターニングする段階は、
複数の前記第1開口部を互いに隣り合って位置するように形成する段階を含むことを特徴とする請求項16に記載の印刷回路基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷回路基板およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子産業の発達に伴い電子機器が次第に高性能化されるにつれ、半導体パッケージは小型化/薄型化されると同時に高密度化されることが要求されている。パッケージの高密度化のために実装されるICの個数増加に伴いI/O接続端子の個数も増加し、これによって、ボンディングパッドピッチが減少した微細回路実現のための工程能力の確保が必要になってきている。
【0003】
現在の高密度パッケージにおけるIC実装方法は、ワイヤボンディング方式と、フリップボンディング方式とが使用されている。I/O接続端子の個数が一定水準以上増加すると、実装時にかかる費用が考慮されてフリップボンディング方式が好まれている。しかし、ワイヤボンディングチップを実装する場合にも、微細回路で実現されたボンドフィンガーは必要になり、さらに、ワイヤボンディング環境を整えるようにニッケル導電層の適正な厚さを確保することが必要になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ワイヤボンディングチップの実装のためのボンドフィンガーを微細回路で実現しながらも、ワイヤボンディング環境に適した導電層の厚さを確保できる印刷回路基板およびその製造方法を提供することにある。
【0006】
しかし、本発明が解決しようとする課題は上述した課題に限定されず、本発明に含まれている技術的思想の範囲で多様に拡張可能である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による印刷回路基板は、対向する第1面および第2面を有する絶縁層と、前記絶縁層に埋め込まれ、前記第1面から陥没して配置された表面を有する第1接続パッドと、前記第1接続パッド上に位置し、一部が前記絶縁層に埋め込まれ、他の一部が前記絶縁層の前記第1面から突出した導電層と、前記絶縁層の前記第1面に位置し、前記導電層の高さと同一であるか、より低い表面を有する第1ソルダレジスト層とを含む。
【0008】
前記導電層の側面は、前記第1ソルダレジスト層と接触する部分を有し得る。
前記導電層は、前記第1ソルダレジスト層の表面よりも突出し、前記導電層の突出した厚さは、前記第1ソルダレジスト層の厚さよりも厚いことが好ましい。
前記導電層は、前記第1接続パッド上に位置するニッケル(Ni)導電層と、前記ニッケル(Ni)導電層上に位置する金(Au)導電層とをさらに含み、前記ニッケル導電層は、前記絶縁層の前記第1面よりも低い高さで前記第1接続パッドと接することが好ましい。
前記ニッケル導電層の厚さは、前記第1ソルダレジスト層の厚さよりも厚いことが好ましい。
前記ニッケル導電層は、前記第1ソルダレジスト層の表面よりも突出することが好ましい。
前記導電層が前記第1接続パッドと接する部分において、前記導電層の幅は、前記第1接続パッドの幅と同一であってもよい。
前記第1ソルダレジスト層に埋め込まれる前記導電層部分の幅と、前記第1ソルダレジスト層から突出した前記導電層部分の幅とが互いに同一であってもよい。
前記導電層は、前記第1接続パッド上に位置するニッケル(Ni)導電層と、前記ニッケル(Ni)導電層上に位置する金(Au)導電層とをさらに含み、前記金導電層の幅は、前記ニッケル導電層の幅と同一であってもよい。
前記絶縁層上において複数の前記導電層が互いに隣接して配置され、前記互いに隣接した複数の導電層の間に前記第1ソルダレジスト層が配置され得る。
前記第1接続パッドは、ワイヤボンディングパッド用ボンドフィンガーを構成し得る。
前記半導体パッケージ用印刷回路基板は、前記絶縁層の前記第2面上に位置する第2接続パッドと、前記絶縁層の前記第2面において前記第2接続パッドの周囲に配置された第2ソルダレジスト層とをさらに含み得る。
前記第1ソルダレジスト層は、前記第2ソルダレジスト層よりも厚さが薄いことが好ましい。
前記絶縁層は、複数の絶縁層を含み、前記複数の絶縁層は、それぞれ回路層を含んでもよい。
前記印刷回路基板は、前記絶縁層に埋め込まれて前記回路層に連結され、前記絶縁層の厚さ方向に延びるビアをさらに含み得る。
【0009】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による印刷回路基板の製造方法は、対向する第1面および第2面を有する絶縁層に埋め込まれた第1接続パッドを含む埋め込みパターン基板を形成する段階と、前記絶縁層の前記第1面上に前記第1接続パッドを覆うように第1ソルダレジスト層を形成する段階と、前記第1接続パッドを露出させるように前記第1ソルダレジスト層に第1開口部をパターニングする段階と、メッキ工程を行って前記第1開口部に導電層を形成する段階と、前記第1ソルダレジスト層を薄型化(thinning)する段階を含む。
【0010】
前記第1ソルダレジスト層を薄型化する段階は、前記導電層を前記第1ソルダレジスト層の表面よりも突出させる段階をさらに含み得る。
前記導電層の突出した厚さは、前記第1ソルダレジスト層の厚さよりも厚く形成されることが好ましい。
前記導電層を形成する段階は、前記第1接続パッド上にニッケル(Ni)導電層を形成し、前記ニッケル導電層上に金(Au)導電層を形成する段階を含み得る。
前記第1ソルダレジスト層を薄型化する段階は、前記ニッケル導電層の厚さが前記第1ソルダレジスト層の厚さよりも厚くなるようにする段階を含むことが好ましい。
前記第1ソルダレジスト層を薄型化する段階は、前記ニッケル導電層を前記第1ソルダレジスト層の表面よりも高く突出させる段階をさらに含むことが好ましい。
前記第1ソルダレジスト層に前記第1開口部をパターニングする段階は、複数の前記第1開口部を互いに隣り合って位置するように形成する段階を含み得る。
前記第1ソルダレジスト層を薄型化する段階は、前記第1ソルダレジスト層をレーザを用いた物理的工程で薄型化する段階を含んでもよい。
前記第1ソルダレジスト層を薄型化する段階は、前記第1ソルダレジスト層を薬品を用いた化学的工程で薄型化する段階を含んでもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明による印刷回路基板の製造方法によれば、ワイヤボンディングチップの実装のためのボンドフィンガーを微細回路で実現しながらも、ワイヤボンディング環境に適した導電層の厚さを確保できる。
つまり、ETS(Embedded Trace Substrate)工法でワイヤボンディング基板を製造時、接続パッドに形成される導電層の周囲にソルダレジスト層がダムとして支えることができる。したがって、接続パッドの上端に金メッキを進行させてもオーバーハング(overhang)を防止して、ボンドフィンガー領域でのピッチ間隔を十分に確保できる。
さらに、ソルダレジスト層の薄型化によりボンドフィンガーである接続パッドの高さをソルダレジスト層よりも高く突出させることができる。したがって、ワイヤボンディング時、キャピラリツール(capillary tool)の干渉なしに工程の実行が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施例による印刷回路基板を示す断面図である。
【
図2】
図1に示した印刷回路基板の一変形例を示す断面図である。
【
図3】
図1に示した印刷回路基板の多様な変形例を示す断面図である。
【
図4】
図1に示した印刷回路基板の多様な変形例を示す断面図である。
【
図5】
図1に示した印刷回路基板の多様な変形例を示す断面図である。
【
図6】
図1に示した印刷回路基板の多様な変形例を示す断面図である。
【
図7】本発明の他の実施例による印刷回路基板を示す断面図である。
【
図8】
図7に示した印刷回路基板の多様な変形例を示す断面図である。
【
図9】
図7に示した印刷回路基板の多様な変形例を示す断面図である。
【
図10】
図7に示した印刷回路基板の多様な変形例を示す断面図である。
【
図11】
図7に示した印刷回路基板の多様な変形例を示す断面図である。
【
図12】本発明のさらに他の実施例による印刷回路基板を示す断面図である。
【
図13A】
図1に示した印刷回路基板を製造する方法の一部を示す工程断面図である。
【
図13B】
図1に示した印刷回路基板を製造する方法の一部を示す工程断面図である。
【
図13C】
図1に示した印刷回路基板を製造する方法の一部を示す工程断面図である。
【
図13D】
図1に示した印刷回路基板を製造する方法の一部を示す工程断面図である。
【
図13E】
図1に示した印刷回路基板を製造する方法の一部を示す工程断面図である。
【
図13F】
図1に示した印刷回路基板を製造する方法の一部を示す工程断面図である。
【
図13G】
図1に示した印刷回路基板を製造する方法の一部を示す工程断面図である。
【
図14A】
図1に示した印刷回路基板を製造する方法の他の一部を示す工程断面図である。
【
図14B】
図1に示した印刷回路基板を製造する方法の他の一部を示す工程断面図である。
【
図14C】
図1に示した印刷回路基板を製造する方法の他の一部を示す工程断面図である。
【
図14D】
図1に示した印刷回路基板を製造する方法の他の一部を示す工程断面図である。
【
図14E】
図1に示した印刷回路基板を製造する方法の他の一部を示す工程断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように本発明の実施例を詳細に説明する。図面において、本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付した。また、図面において一部の構成要素は誇張または省略されるか、または概略的に示されており、各構成要素の大きさは実際の大きさを完全に反映するものではない。
【0014】
図面は本明細書に開示された実施例を容易に理解できるようにするためのものに過ぎず、図面によって本明細書に開示された技術的思想は限定されず、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物乃至代替物を含むことが理解されなければならない。
【0015】
第1、第2などのような序数を含む用語は多様な構成要素を説明するのに使用されるが、構成要素は上記用語によって限定されない。上記用語は1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。
【0016】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」あるとする時、これは他の部分の「直上に」ある場合のみならず、その中間にさらに他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の「直上に」あるとする時には、中間に他の部分がないことを意味する。さらに、基準となる部分の「上に」あるというのは、基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力の反対方向に「上に」位置することを意味するわけではない。
【0017】
明細書全体において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴や、数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を予め排除しないことが理解されなければならない。したがって、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。
【0018】
また、明細書全体において、「平面上」とする時、これは対象部分を上から見た時を意味し、「断面上」とする時、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見た時を意味する。
【0019】
さらに、明細書全体において、「連結される」とする時、これは2以上の構成要素が直接的に連結されることだけを意味するのではなく、2以上の構成要素が他の構成要素を介して間接的に連結されること、物理的に連結されることだけでなく、電気的に連結されること、または位置や機能により異なる名称で称されたが、一切を意味する。
【0020】
明細書全体において、基板は、平面上に広くて断面上で薄い構造を有し、「基板の平面方向」は、基板の広くて平らな面に平行な方向であり、「基板の厚さ方向」は、基板の広くて平らな面に垂直な方向を意味する。
【0021】
図1は、本発明の一実施例による印刷回路基板を示す断面図であり、
図2は、
図1に示した印刷回路基板の一変形例を示す断面図である。
【0022】
図1を参照すれば、本実施例による印刷回路基板100は、絶縁層110と、該絶縁層110に埋め込まれた第1接続パッド121とを含む。絶縁層110と第1接続パッド121は、埋め込みパターン基板を構成する。印刷回路基板100は、半導体パッケージ用に使用される。
【0023】
絶縁層110は、互いに対向する第1面110aおよび第2面110bを有する。第1接続パッド121は、絶縁層110に埋め込まれ、この時、第1接続パッド121は、絶縁層110の第1面110aから陥没して配置された表面を有する。第1接続パッド121は、銅(Cu)層を含む。
【0024】
絶縁層110は、樹脂絶縁層を含む。絶縁層110は、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、またはこれらにガラス繊維または無機フィラーのような補強材が含浸された樹脂、例えば、プリプレグが使用可能であり、さらに、熱硬化性樹脂および/または光硬化性樹脂などを含むが、これに限定されない。
【0025】
第1接続パッド121上には導電層130が形成され、導電層130は、ニッケル(Ni)導電層132と、金(Au)導電層134とを含む。ニッケル導電層132は、第1接続パッド121上に形成され、金導電層134は、ニッケル導電層132上に形成される。ニッケル導電層132は、金導電層134よりも厚く形成される。
【0026】
本実施例において、導電層130は、電解金メッキ方法で形成される。つまり、銅を含む第1接続パッド121に電流を印加してニッケル/金の金属被膜を形成させる方法により、ニッケル導電層132と金導電層134とが形成される。また、導電層130の一部は、絶縁層110に埋め込まれ、導電層130の他の一部は、絶縁層110の第1面110aから突出する。
【0027】
絶縁層110の第1面110aには第1ソルダレジスト層141が形成される。第1ソルダレジスト層141の表面は、導電層130の表面よりも高さがさらに低い。つまり、導電層130は、第1ソルダレジスト層141の表面よりも突出する。この時、導電層130の突出した厚さhpは、第1ソルダレジスト層141の厚さt1よりも厚く形成される。例えば、導電層130の突出した高さhpは、3μm以上になる。
【0028】
導電層130の側面は、第1ソルダレジスト層141と接触する部分を有する。絶縁層110から突出した導電層130の一部分は、第1ソルダレジスト層141の側面と接触する。
【0029】
ニッケル導電層132は、絶縁層110の第1面110aよりも低い高さで第1接続パッド121と接するように形成される。第1接続パッド121の一表面が絶縁層110の第1面110aから陥没して配置されるので、その上にメッキされるニッケル導電層132は、絶縁層110の第1面110aよりも低い位置で第1接続パッド121と境界面を形成しながら形成される。
【0030】
このように形成されたニッケル導電層132の厚さtnは、第1ソルダレジスト層141の厚さt1よりも厚く形成される。さらに、ニッケル導電層132は、第1ソルダレジスト層141の表面よりも高く突出して形成される。例えば、ニッケル導電層132の厚さtnは、7μm以上となるように形成される。
【0031】
ニッケル導電層132の側面は、第1ソルダレジスト層141と接触する部分を有する。絶縁層110から突出したニッケル導電層132の一部分は、第1ソルダレジスト層141の側面と接触する。
【0032】
一方、印刷回路基板100を厚さ方向に切断した断面上からみて、導電層130が第1接続パッド121と接する部分において、導電層130の幅は、第1接続パッド121の幅と同一に形成される。また、第1ソルダレジスト層141に埋め込まれる導電層130部分の幅と、第1ソルダレジスト層141から突出した導電層130部分の幅とが互いに同一であってもよい。したがって、導電層130は、第1ソルダレジスト層141の上部で基板の平面方向に第1ソルダレジスト層141に埋め込まれた導電層130部分の幅を超えないように形成される。
【0033】
具体的には、第1接続パッド121上の絶縁層110の第1面110aから陥没深さ(recess depth、dr)だけ陥没した領域と、その上に第1ソルダレジスト層141で境界がなくなる領域とは、境界面が互いに整列されるように形成される。この領域にそれぞれニッケル導電層132が形成され、該ニッケル導電層132は、第1接続パッド121と同一の大きさの幅W1を有するように形成される。また、導電層130を構成するニッケル導電層132と金導電層134との関係においても、金導電層134は、ニッケル導電層132と同一の大きさの幅W1を有するように形成される。
【0034】
本実施例による印刷回路基板100は、絶縁層110上に複数の導電層130を含み、これら複数の導電層130は、基板の平面方向に互いに隣接して整列される。互いに隣接した複数の導電層130のそれぞれの間には第1ソルダレジスト層141が形成される。つまり、第1ソルダレジスト層141は、隣接した複数の導電層130を互いに分離する形態で介在する。
【0035】
絶縁層110は、ボンドフィンガー領域を有するワイヤボンディングパッドを含む。この時、第1接続パッド121は、ボンドフィンガー領域のボンドフィンガーを構成し、複数の第1接続パッド121は、複数のボンドフィンガーを形成する。つまり、第1接続パッド121は、ワイヤボンディングパッド用ボンドフィンガーを構成し、このため、第1接続パッド121には、半導体チップのワイヤボンディング時、導電性ワイヤが接合される。
【0036】
絶縁層110の第2面110b上には第2接続パッド125がさらに形成される。絶縁層110の第2面110bにおいて第2接続パッド125の周囲に第2ソルダレジスト層145が形成される。この時、第1ソルダレジスト層141は、第2ソルダレジスト層145よりも薄く形成される。また、絶縁層110に埋め込まれてビア123が形成され、ビア123は、第1接続パッド121と第2接続パッド125とを互いに連結するように構成される。
【0037】
第2接続パッド125は、銅(Cu)層を含み、第2接続パッド125上には導電層150が形成される。導電層150は、ニッケル(Ni)導電層152と、金(Au)導電層154とを含む。ニッケル導電層152は、第2接続パッド125上に形成され、金導電層154は、ニッケル導電層152上に形成される。
【0038】
絶縁層110の第2面110b上において複数の第2接続パッド125は、互いに隣接して整列される。互いに隣接した複数の第2接続パッド125のそれぞれの間には第2ソルダレジスト層145が形成される。つまり、第2ソルダレジスト層145は、隣接した複数の第2接続パッド125を互いに分離する形態で介在する。
【0039】
上記では、
図1を参照して、印刷回路基板100の導電層130が第1ソルダレジスト層141の表面よりも突出して形成される実施例を説明したが、他の例として、
図2に示すように、印刷回路基板100’の第1ソルダレジスト層142の表面が導電層の高さと同一であってもよく、これも本発明の範囲に属する。以下の他の実施例および変形例においても同様である。
【0040】
また、
図1に示した印刷回路基板100は、絶縁層110の両面に接続パッド121、125を有する構造を示したものであるが、絶縁層110の第2面110bに配置された第2接続パッド125は省略可能であり、これも本発明の範囲に属する。以下の他の実施例および変形例においても同様である。
【0041】
さらに、絶縁層110は、複数の絶縁層を含み、複数の絶縁層は、それぞれ回路層を含み得る。したがって、3層以上の絶縁層のそれぞれに回路層が形成され、これらの回路層を連結するように絶縁層の厚さ方向にビアが延びてもよい。
【0042】
図3~
図6は、
図1に示した印刷回路基板の多様な変形例を示す断面図である。
【0043】
図3~
図6に示す印刷回路基板は、基本的に
図1に示した印刷回路基板100と同様の積層構造を有する。
【0044】
つまり、変形例による印刷回路基板は、絶縁層110と、該絶縁層110に埋め込まれた表面を有する第1接続パッド121とを含む。第1接続パッド121の一表面は、絶縁層110の第1面110aから陥没深さdrだけ陥没して配置され、第1接続パッド121上には、ニッケル(Ni)導電層132と金(Au)導電層134とを含む導電層130がメッキされて形成される。絶縁層110の第1面110aには第1ソルダレジスト層141が形成され、導電層130は、第1ソルダレジスト層141の表面よりも突出する。
【0045】
以下、各変形例の互いに異なる特徴を中心に説明する。
【0046】
図3に示す印刷回路基板101において、絶縁層110の開口された領域P1は、第1接続パッド121の上面領域U1と同一の平面積を有し、互いに整列するように形成される。また、絶縁層110の第1面110a上において第1ソルダレジスト層141の開口された領域R1は、絶縁層110の開口された領域P1よりも両側にさらに大きく形成される。したがって、絶縁層110の開口された領域P1に形成されたニッケル導電層132の平面積は、第1接続パッド121の上面領域U1の平面積と同一に形成される。そして、第1ソルダレジスト層141の開口された領域R1に形成されたニッケル導電層132の平面積は、絶縁層110の開口された領域P1に形成されたニッケル導電層132の平面積よりも大きく形成される。
【0047】
図4に示す印刷回路基板102において、絶縁層110の開口された領域P2は、第1接続パッド121の上面領域U2と同一の平面積を有し、互いに整列するように形成される。また、絶縁層110の第1面110a上において第1ソルダレジスト層141の開口された領域R2は、絶縁層110の開口された領域P2よりも小さい平面積を有し、両側で狭くなるように形成される。したがって、絶縁層110の開口された領域P2には、第1ソルダレジスト層141の一部が下へ拡張されて第1ソルダレジスト層141の開口された領域R2が形成される。この時、第1ソルダレジスト層141の開口された領域R2に形成されたニッケル導電層132の平面積は、第1接続パッド121の上面領域U2の平面積よりも小さく形成される。
【0048】
図5に示す印刷回路基板103において、絶縁層110の開口された領域P3は、第1接続パッド121の上面領域U3と同一の平面積を有し、互いに整列するように形成される。また、絶縁層110の第1面110a上において第1ソルダレジスト層141の開口された領域R3は、絶縁層110の開口された領域P3よりも片側にさらに大きく形成される。つまり、第1ソルダレジスト層141の開口された領域R3および絶縁層110の開口された領域P3のいずれか一方の周縁は互いに整列し、他方の周縁は互いにずれて形成される。
図5には、右側周縁が整列し、左側周縁は互いにずれて形成された例を示したが、これとは逆に、左側周縁が整列し、右側周縁は互いにずれて形成されてもよい。
【0049】
したがって、絶縁層110の開口された領域P3に形成されたニッケル導電層132の平面積は、第1接続パッド121の上面領域U3の平面積と同一に形成される。そして、第1ソルダレジスト層141の開口された領域R3に形成されたニッケル導電層132の平面積は、絶縁層110の開口された領域P3に形成されたニッケル導電層132の平面積よりも大きく形成される。
【0050】
図6に示す印刷回路基板104において、絶縁層110の開口された領域P4は、第1接続パッド121の上面領域U4と同一の平面積を有し、互いに整列するように形成される。この時、絶縁層110の第1面110a上において第1ソルダレジスト層141の開口された領域R4は、絶縁層110の開口された領域P4と両側で互いにずれて形成される。つまり、第1ソルダレジスト層141の開口された領域R4が絶縁層110の開口された領域P4からいずれか一方にシフト(shift)して形成される。
図6には、領域R4が左側にシフトした例を示したが、これとは逆に、右側にシフトして形成されてもよい。
【0051】
したがって、絶縁層110の開口された領域P4に形成されたニッケル導電層132の平面積は、第1接続パッド121の上面領域U4の平面積よりも小さく形成される。そして、第1ソルダレジスト層141の開口された領域R4に形成されたニッケル導電層132の平面積は、絶縁層110の開口された領域P4に形成されたニッケル導電層132の平面積よりも大きく形成される。
【0052】
図7は、本発明の他の実施例による印刷回路基板を示す断面図である。
【0053】
図7を参照すれば、本実施例による印刷回路基板200は、絶縁層110と、該絶縁層110に埋め込まれた第1接続パッド121とを含む。絶縁層110と第1接続パッド121は、埋め込みパターン基板を構成する。絶縁層110と第1接続パッド121は、
図1に示した実施例と同様に構成されてもよい、よって、重複した説明はここでは省略する。
【0054】
第1接続パッド121上には導電層230が形成され、導電層230は、ニッケル(Ni)導電層232と、金(Au)導電層234とを含み、ニッケル(Ni)導電層232の上下にパラジウム(Pd)導電層231、233をさらに含む。したがって、第1接続パッド121上にパラジウム導電層231-ニッケル導電層232-パラジウム導電層233が順次に形成され、金導電層234は、パラジウム導電層233上に形成される。ニッケル導電層232は、金導電層234よりも厚く形成され、また、パラジウム導電層231、233よりも厚く形成される。
【0055】
本実施例において、導電層230は、無電解ENEPIG(Electroless Nickel Electroless Palladium Immersion Gold)方法で形成される。つまり、銅を含む第1接続パッド121上に、化学反応を利用してニッケル、パラジウム、金の金属被膜を形成させる方法により、ニッケル導電層232、パラジウム導電層231、233、および金導電層234が形成される。
【0056】
この時、第1ソルダレジスト層141の表面は、導電層230の表面よりも低い。つまり、導電層230は、第1ソルダレジスト層141の表面よりも高く突出する。そして、導電層230の突出した厚さhpは、第1ソルダレジスト層141の厚さt1よりも厚く形成される。
【0057】
ニッケル導電層232は、絶縁層110の第1面110aよりも低い高さでパラジウム導電層231を介在して、第1接続パッド121と接するように形成される。第1接続パッド121の露出した表面が絶縁層110の第1面110aから陥没して配置されるので、その上にメッキされるパラジウム導電層231とニッケル導電層232は、絶縁層110の第1面110aよりも低い位置で第1接続パッド121と境界面を形成しながら形成される。
【0058】
このように形成されたニッケル導電層232の厚さtnは、第1ソルダレジスト層141の厚さt1よりも厚く形成される。さらに、ニッケル導電層232は、第1ソルダレジスト層141の表面よりも高く突出して形成される。
【0059】
一方、印刷回路基板200を厚さ方向に切断した断面上からみて、導電層230が第1接続パッド121と接する部分において、導電層230の幅は、第1接続パッド121の幅と同一に形成される。また、第1ソルダレジスト層141に埋め込まれる導電層230部分の幅と、第1ソルダレジスト層141から突出した導電層230部分の幅とが互いに同一であってもよい。したがって、導電層230は、第1ソルダレジスト層141の上部で基板の平面方向に第1ソルダレジスト層141に埋め込まれた導電層230部分の幅を超えないように形成される。
【0060】
具体的には、第1接続パッド121上の絶縁層110の第1面110aから陥没深さdrだけ陥没した領域と、その上に第1ソルダレジスト層141で境界がなくなる領域とは、境界面が互いに整列するように形成される。この領域にそれぞれパラジウム導電層231とニッケル導電層232とが形成され、パラジウム導電層231とニッケル導電層232は、第1接続パッド121と同一の幅W2を有するように形成される。また、導電層230を構成するニッケル導電層232、パラジウム導電層233、および金導電層234の関係においても、金導電層234は、ニッケル導電層232と同一の幅W2を有するように形成される。
【0061】
図8~
図11は、
図7に示した印刷回路基板の多様な変形例を示す断面図である。
【0062】
図8~
図11に示す印刷回路基板は、基本的に
図7に示した印刷回路基板200と同様の積層構造を有する。
【0063】
つまり、変形例による印刷回路基板は、絶縁層110と、該絶縁層110に埋め込まれた第1接続パッド121とを含む。第1接続パッド121の一表面は、絶縁層110の第1面110aから陥没深さdrだけ陥没して配置され、第1接続パッド121上には、ニッケル(Ni)導電層232、金(Au)導電層234、パラジウム導電層231、233を含む導電層230が形成される。絶縁層110の第1面110aには第1ソルダレジスト層141が形成され、導電層230は、第1ソルダレジスト層141の表面よりも高く突出する。
【0064】
以下、各変形例の異なって形成された特徴を中心に説明する。
【0065】
図8に示す印刷回路基板201において、絶縁層110の開口された領域P1は、第1接続パッド121の上面領域U1と同一の平面積を有し、互いに整列するように形成される。また、絶縁層110の第1面110a上において第1ソルダレジスト層141の開口された領域R1は、絶縁層110の開口された領域P1よりも両側にさらに大きく形成される。したがって、絶縁層110の開口された領域P1に形成されたパラジウム導電層231とニッケル導電層232の平面積は、第1接続パッド121の上面領域U1の平面積と同一に形成される。そして、第1ソルダレジスト層141の開口された領域R1に形成されたニッケル導電層232の平面積は、絶縁層110の開口された領域P1に形成されたニッケル導電層232の平面積よりも大きく形成される。
【0066】
図9に示す印刷回路基板202において、絶縁層110の開口された領域P2は、第1接続パッド121の上面領域U2と同一の平面積を有し、互いに整列するように形成される。また、絶縁層110の第1面110a上において第1ソルダレジスト層141の開口された領域R2は、絶縁層110の開口された領域P2よりも小さい平面積を有し、両側で狭くなるように形成される。したがって、絶縁層110の開口された領域P2には、第1ソルダレジスト層141の一部が下へ拡張されて第1ソルダレジスト層141の開口された領域R2が形成される。この時、第1ソルダレジスト層141の開口された領域R2に形成されたパラジウム導電層231とニッケル導電層232の平面積は、第1接続パッド121の上面領域U2の平面積よりも小さく形成される。
【0067】
図10に示す印刷回路基板203において、絶縁層110の開口された領域P3は、第1接続パッド121の上面領域U3と同一の平面積を有し、互いに整列するように形成される。また、絶縁層110の第1面110a上において第1ソルダレジスト層141の開口された領域R3は、絶縁層110の開口された領域P3よりも片側にさらに大きく形成される。つまり、第1ソルダレジスト層141の開口された領域R3および絶縁層110の開口された領域P3のいずれか一方の周縁は互いに整列し、他側周縁は互いにずれて形成される。
図10には、領域P3とR3の右側周縁が互いに整列し、左側周縁は互いにずれて形成された例を示したが、これとは逆に、左側周縁が整列し、右側周縁は互いにずれて形成されてもよい。
【0068】
したがって、絶縁層110の開口された領域P3に形成されたパラジウム導電層231とニッケル導電層232の平面積は、第1接続パッド121の上面領域U3の平面積と同一に形成される。そして、第1ソルダレジスト層141の開口された領域R3に形成されたニッケル導電層232の平面積は、絶縁層110の開口された領域P3に形成されたニッケル導電層232の平面積よりも大きく形成される。
【0069】
図11に示す印刷回路基板204において、絶縁層110の開口された領域P4は、第1接続パッド121の上面領域U4と同一の平面積を有し、互いに整列するように形成される。この時、絶縁層110の第1面110a上において第1ソルダレジスト層141の開口された領域R4は、絶縁層110の開口された領域P4と両側で互いにずれて形成される。つまり、第1ソルダレジスト層141の開口された領域R4が絶縁層110の開口された領域P4からいずれか一方にシフト(shift)して形成される。
図11には、領域R4が左側にシフトした例を示したが、これとは逆に、右側にシフトして形成されてもよい。
【0070】
したがって、絶縁層110の開口された領域P4に形成されたパラジウム導電層231とニッケル導電層232の平面積は、第1接続パッド121の上面領域U4の平面積よりも小さく形成される。そして、第1ソルダレジスト層141の開口された領域R4に形成されたニッケル導電層232の平面積は、絶縁層110の開口された領域P4に形成されたニッケル導電層232の平面積よりも大きく形成される。
【0071】
図12は、本発明のさらに他の実施例による印刷回路基板を示す断面図である。
【0072】
図12を参照すれば、本実施例による印刷回路基板300は、絶縁層110と、該絶縁層110に埋め込まれた第1接続パッド121とを含む。絶縁層110と第1接続パッド121は、埋め込みパターン基板を構成する。絶縁層110と第1接続パッド121は、
図1に示した実施例と同様に構成されてもよい、よって、重複した説明はここでは省略する。
【0073】
第1接続パッド121上には導電層330が形成され、導電層330は、ニッケル(Ni)導電層332と、金(Au)導電層334とを含み、ニッケル(Ni)導電層332の下にパラジウム(Pd)導電層331をさらに含む。したがって、第1接続パッド121上にパラジウム導電層331-ニッケル導電層332が順次に形成され、金導電層334は、ニッケル導電層332上に形成される。ニッケル導電層332は、金導電層334よりも厚く形成され、また、パラジウム導電層331よりも厚く形成される。
【0074】
本実施例において、導電層330は、無電解ENIG(Electroless Nickel Immersion Gold)方法で形成される。つまり、金属塩溶液から金属イオンを被メッキ体表面に還元させて金属被膜を形成させる方法により、ニッケル導電層332、パラジウム導電層331、および金導電層334が形成される。
【0075】
この時、第1ソルダレジスト層141の表面は、導電層330の表面よりも低い。つまり、導電層330は、第1ソルダレジスト層141の表面よりも高く突出する。そして、導電層330の突出した厚さhpは、第1ソルダレジスト層141の厚さt1よりも厚く形成される。
【0076】
ニッケル導電層332は、絶縁層110の第1面110aよりも低い高さでパラジウム導電層331を介在して、第1接続パッド121と接するように形成される。第1接続パッド121の露出した表面が絶縁層110の第1面110aから陥没して配置されるので、その上にメッキされるパラジウム導電層331とニッケル導電層332は、絶縁層110の第1面110aよりも低い位置で第1接続パッド121と境界面を形成しながら形成される。
【0077】
このように形成されたニッケル導電層332の厚さtnは、第1ソルダレジスト層141の厚さt1よりも厚く形成される。さらに、ニッケル導電層332は、第1ソルダレジスト層141の表面よりも高く突出して形成される。
【0078】
一方、印刷回路基板300を厚さ方向に切断した断面上からみて、導電層330が第1接続パッド121と接する部分において、導電層330の幅は、第1接続パッド121の幅と同一に形成される。また、第1ソルダレジスト層141に埋め込まれる導電層330部分の幅と、第1ソルダレジスト層141から突出した導電層330部分の幅とが互いに同一であってもよい。したがって、導電層330は、第1ソルダレジスト層141の上部で基板の平面方向に第1ソルダレジスト層141に埋め込まれた導電層330部分の幅を超えないように形成される。
【0079】
具体的には、第1接続パッド121上の絶縁層110の第1面110aから陥没深さdrだけ陥没した領域と、その上に第1ソルダレジスト層141で境界がなくなる領域とは、境界面が互いに整列するように形成される。この領域にそれぞれパラジウム導電層331とニッケル導電層332とが形成され、パラジウム導電層331とニッケル導電層332は、第1接続パッド121と同一の幅W3を有するように形成される。また、ニッケル導電層332および金導電層334の関係においても、金導電層334は、ニッケル導電層332と同一の幅W3を有するように形成される。
【0080】
一方、
図12に示す実施例による積層構造を有する印刷回路基板300も、
図8~
図11に示した構造と同様の変形例を有する。ニッケル導電層と金導電層との間にパラジウム導電層が形成されないことを除いて同一の構造であるので、重複した説明はここでは省略する。
【0081】
【0082】
図13A~
図13Cに示すように、第1シード層61、62が積層されているキャリア基板50を用意し、回路形成工程により、第1シード層61、62に第1回路パターン層121a、121bを形成する。第1シード層61、62は、回路基板分野において回路用導電性金属として使用されるものであれば制限なく適用可能であり、銅を使用することが一般的である。キャリア基板50は、絶縁材51の両面に銅箔層53、54が積層されている基板である。第1シード層61と銅箔層53は、互いに分離可能であり、第1シード層62と銅箔層54は、互いに分離可能である。
【0083】
図13Aを参照すれば、キャリア基板50上にメッキレジスト65、66をラミネーションし、露光および現像して、第1回路パターン層121a、121bが形成される部分のみが除去されたメッキレジストパターンを形成する。
【0084】
図13Bを参照すれば、パターニングされたメッキレジスト65、66を用いて回路形成のための第1回路パターン層121a、121bを形成する。第1回路パターン層121a、121bは、導電性金属が、パターニングされたメッキレジスト65、66の開口を介して露出された第1シード層61、62にメッキされて形成される。
【0085】
第1回路パターン層121a、121bは、キャリア基板50の第1シード層61、62に連結され、第1シード層61、62と同じ金属を含む。例えば、第1シード層61、62と第1回路パターン層121a、121bは、銅(Cu)を含む。
【0086】
図13Cを参照すれば、第1回路パターン層121a、121bの形成後、メッキレジスト65、66を剥離(strip)する。メッキレジスト65、66の剥離は、剥離溶液を用いてメッキレジスト65、66を溶解または分解して剥離される。
【0087】
本実施例では、キャリア基板50の両面上に第1回路パターン層121a、121bを形成することを示したが、キャリア基板50の一面上にのみ第1回路パターン層121a、121bを形成することも可能であり、これも本発明の範囲に属する。
【0088】
図13Dを参照すれば、第1回路パターン層121a、121bが埋め込まれるように絶縁層110a、110bを積層し、絶縁層110a、110bの上部面に第2シード層71、72を形成する。第2シード層71、72は、電気メッキを行うために形成するもので、導電性金属であれば制限なく使用可能であるが、銅を使用することが一般的である。
【0089】
絶縁層110a、110bは、樹脂絶縁層を含む。絶縁層110a、110bは、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、またはこれらにガラス繊維または無機フィラーのような補強材が含浸された樹脂、例えば、プリプレグが使用可能であり、また、熱硬化性樹脂および/または光硬化性樹脂などを含むが、これに限定されない。
【0090】
図13Eを参照すれば、第1回路パターン層121a、121bの一部が露出するように、絶縁層110a、110bと第2シード層71、72の一部を除去してビアを形成する。
【0091】
図13Fを参照すれば、第1回路パターン層121a、121bの露出した部分と第2シード層71、72を電気メッキ用シード層として用いて電気メッキを実施する。このメッキ工程により、第1回路パターン層121a、121bの一部と電気的に連結されるビア123a、123bを含む第2回路パターン層125a、125bを形成する。つまり、第2回路パターン層125a、125bは、第1回路パターン層121a、121bを形成する方法と類似の方法で形成されてもよいし、第2回路パターン層125a、125bとビア123a、123bは、第1回路パターン層121a、121bと同じ物質を含み得る。これによって、キャリア基板50の両側に埋め込みパターン基板部を完成する。
【0092】
図示した実施例によれば、それぞれの埋め込みパターン基板部は、1つの絶縁層110a、110bと、2つの金属層である第1回路パターン層121a、121b、および第2回路パターン層125a、125bとを含むものとして示したが、これに限定されず、より多数の絶縁層とより多くの回路パターンを含むことができ、これも本発明の範囲に属する。
【0093】
図13Gを参照すれば、第1シード層61、62と銅箔層53、54とを分離して埋め込みパターン基板を用意する。キャリア基板50の両面上に形成された第1シード層61、62と銅箔層53、54とを分離して一対の埋め込みパターン基板を得る。一対の埋め込みパターン基板のそれぞれに対して個別工程が適用可能である。
【0094】
以下、
図14A~
図14Eを参照して、1つの埋め込みパターン基板を対象に工程を行う過程を説明する。
【0095】
図14Aを参照すれば、
図13Gから得られた埋め込みパターン基板をソフトエッチングして第1シード層61と第2シード層71を部分的に除去する。つまり、ソフトエッチングにより第1シード層61全体を除去し、第2回路パターン層125aが形成されない領域の第2シード層71を除去する。
図14Aに示された埋め込みパターン基板は、
図13Gにて第1シード層61と銅箔層53とを分離して形成された基板の上下を逆にひっくり返したものである。また、第2回路パターン層125aと第2シード層71は、同じ物質を含むので、ソフトエッチング後の図面には、第2シード層71は、別途の図示を省略する。
【0096】
第1シード層61と第2シード層71を部分的に除去した後、絶縁層110に埋め込まれた第1回路パターン層121a、第2回路パターン層125a、および第1回路パターン層121aと第2回路パターン層125aを連結するビア123aが形成される。第1回路パターン層121aは、後に第1接続パッド121を構成し、第2回路パターン層125aは、後に第2接続パッド125を構成する(
図14E参照)。
【0097】
図14Bを参照すれば、ソルダマスキング工程により、第1回路パターン層121aおよび絶縁層110の上部面を覆う第1ソルダレジスト層141aを形成し、第2回路パターン層125aおよび絶縁層110の下部面を覆う第2ソルダレジスト層145aを形成する。この時、第1ソルダレジスト層141aは、第2ソルダレジスト層145aよりも厚く形成される。
【0098】
ソルダレジスト層141a、145aは、最外層回路を保護する保護層の機能を果たし、電気的絶縁のために形成されるものである。ソルダレジスト層141a、145aは、当業界における公知のものにより、例えば、ソルダレジストインク、ソルダレジストフィルムまたはカプセル化剤などで構成されるが、特にこれに限定されるものではない。
【0099】
図14Cを参照すれば、ソルダレジスト層141a、145aをパターニングして、第1回路パターン層121aと第2回路パターン層125aに対応する領域にそれぞれ第1開口部と第2開口部が形成されたソルダレジスト層141b、145を形成する。これによって、第1回路パターン層121aと第2回路パターン層125aの表面がそれぞれ第1開口部と第2開口部を介して露出される。
【0100】
ソルダレジスト層141a、145aのパターニングは、フォトレジスト工程で露光および現像して、ソルダレジスト層141a、145aを部分的に除去する。ソルダレジスト層141a、145aを部分的に除去する過程で露出した第1回路パターン層121aと第2回路パターン層125aの表面も部分的にエッチングされて、絶縁層110の表面よりも陥没して形成される。このように形成された第1回路パターン層121aと第2回路パターン層125aは、それぞれ第1接続パッド121と第2接続パッド125を構成する。
【0101】
図14Dを参照すれば、ソルダレジスト層141b、145の開口を介して露出した第1接続パッド121と第2接続パッド125にそれぞれ導電層130、150を形成する。導電層130、150は、電解金メッキ方法で形成される。つまり、銅を含む第1接続パッド121に電流を印加してニッケル/金の金属被膜を形成させる方法により、ニッケル導電層132と金導電層134とが形成される。
【0102】
第1接続パッド121上にはニッケル導電層132と金導電層134とを順次に形成し、第2接続パッド125上にはニッケル導電層152と金導電層154とを順次に形成する。この時、第1接続パッド121上には、ニッケル導電層132を第1接続パッド121の厚さよりも厚く形成する。第1接続パッド121上に形成されたニッケル導電層132は、絶縁層110の表面よりも高く形成され、ソルダレジスト層141bの表面よりは低く形成される。
【0103】
図14Eを参照すれば、ソルダレジスト層141bを薄型化(thinning)して薄型化された(thinned)第1ソルダレジスト層141の表面よりも導電層130がさらに高く突出するように形成する。導電層130の突出した高さは、第1ソルダレジスト層141の厚さよりも大きく形成される。
【0104】
ソルダレジスト層の薄型化は、化学的工程で行われる。化学的工程では次の順序によりソルダレジスト層の薄型化を進行させる。
【0105】
まず、ソルダレジスト塗布後の未硬化状態で化学的エッチング溶液(例:RT-300(chemical))に浸漬して、ソルダレジストの一部を薬品処理して解離させる。化学的エッチング溶液は、ソルダレジストのバインダーポリマー(Binder polymer)間結合を誘導して、カルボキシ基を置換することによって反応性を除去する。したがって、光硬化性モノマー(Photo-crosslinking monomer)と光重合開始剤(Photopolymerization initiator)がバインダーポリマーのカルボキシ基と結合できないようにする。
【0106】
次に、薬品処理されて解離したソルダレジストは、エッチングスプレー(例:R溶液(Spray))で溶解させることによって除去される。光硬化性モノマーと光重合開始剤が作用できなければ光硬化が不可能になり、ミセル(Micelle)状態のバインダーポリマーは、エッチングスプレーで溶解が可能である。
【0107】
最後に、最終水洗を経ると、ソルダレジスト層の一部のみが残る。
【0108】
一方、他の例として、ソルダレジスト層の薄型化は、レーザを用いた物理的工程でも可能である。
【0109】
【0110】
つまり、
図14Dに示した工程段階で導電層を形成する時、無電解ENEPIG(Electroless Nickel Electroless Palladium Immersion Gold)方法で形成して、
図7に示した印刷回路基板を製造することができる。つまり、銅を含む第1接続パッド121上に、化学反応を利用してニッケル、パラジウム、金の金属被膜を形成させる方法により、ニッケル導電層232、パラジウム導電層231、233、および金導電層234が形成される。
【0111】
また、
図14Dに示した工程段階で導電層を形成する時、無電解ENIG(Electroless Nickel Immersion Gold)方法で形成して、
図12に示した印刷回路基板を製造することができる。つまり、金属塩溶液から金属イオンを被メッキ体表面に還元させて金属被膜を形成させる方法により、銅を含む第1接続パッド121の表面にニッケル導電層332、パラジウム導電層331、および金導電層334が形成される。
【0112】
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の技術範囲と、発明の詳細な説明および図面の範囲内で多様に変形して実施することが可能であり、これも本発明の範囲に属することは当然である。
【符号の説明】
【0113】
50:キャリア基板
51:絶縁材
53、54:銅箔層
61、62:第1シード層
65、66:メッキレジスト
71、72:第2シード層
100、200、300:印刷回路基板
110、110a、110b:絶縁層
121:第1接続パッド
121a、121b:第1回路パターン層
123、123a、123b:ビア
125:第2接続パッド
125a、125b:第2回路パターン層
130、150、230、330:導電層
132、152、232、332:ニッケル導電層
134、154、234、334:金導電層
141、141a:(第1)ソルダレジスト層
145、145a:(第2)ソルダレジスト層
141b:ソルダレジスト層
231、233、331:パラジウム導電層