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特開2024-83232積層造形される部品の材料特性を予測するためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083232
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】積層造形される部品の材料特性を予測するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/27 20200101AFI20240613BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20240613BHJP
   B29C 64/393 20170101ALI20240613BHJP
   B33Y 50/02 20150101ALI20240613BHJP
   B22F 10/85 20210101ALI20240613BHJP
   B22F 12/90 20210101ALI20240613BHJP
   G01N 25/72 20060101ALI20240613BHJP
   B22F 10/38 20210101ALI20240613BHJP
   G06F 113/26 20200101ALN20240613BHJP
【FI】
G06F30/27
B33Y30/00
B29C64/393
B33Y50/02
B22F10/85
B22F12/90
G01N25/72 K
B22F10/38
G06F113:26
【審査請求】未請求
【請求項の数】28
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023160239
(22)【出願日】2023-09-25
(31)【優先権主張番号】18/063,773
(32)【優先日】2022-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】523043898
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・エイチ・ベイカー
(72)【発明者】
【氏名】ルーク・エー・バ-グラインド
(72)【発明者】
【氏名】ローレンス・イー・パド
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン・ロート
(72)【発明者】
【氏名】エレイン・マクドナルド
(72)【発明者】
【氏名】ベイリー・ジェイ・トーマス
【テーマコード(参考)】
2G040
4F213
4K018
5B146
【Fターム(参考)】
2G040AB07
2G040AB08
2G040BA14
2G040BA26
2G040CA02
2G040DA03
2G040DA05
2G040DA06
2G040DA15
2G040GA01
2G040HA01
2G040HA05
2G040ZA08
4F213AM23
4F213AP05
4F213AP06
4F213AQ01
4F213WA25
4F213WB01
4K018CA44
4K018EA51
4K018KA01
5B146AA10
5B146DC03
5B146DE11
5B146DL08
(57)【要約】
【課題】積層造形される部品の材料特性を予測する方法を提供すること。
【解決手段】本方法は、複数の標準部品を積層造形することと、複数の標準部品の積層造形中に、複数の標準部品の物理的サンプルの選択された所定位置で熱プロファイルを取得することと、を含む。本方法はまた、複数の標準部品の物理的サンプルの熱プロファイル及び対応する材料特性をデータベースに記憶すること、を含む。本方法は、データベースに記憶された複数の標準部品の物理的サンプルの熱プロファイル及び対応する材料特性に基づいて、積層造形される部品の材料特性を予測するために機械学習アルゴリズムを実行すること、を更に含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層造形される部品の材料特性を予測するための方法(600)であって、前記方法が、
複数の標準部品を積層造形するステップ(610)と、
複数の前記標準部品の積層造形中に、複数の前記標準部品の物理的サンプルの選択された所定位置で熱プロファイルを取得するステップ(620)と、
複数の前記標準部品の前記物理的サンプルの前記熱プロファイル及び対応する材料特性をデータベースに記憶するステップ(630)と、
前記データベースに記憶された複数の前記標準部品の前記物理的サンプルの前記熱プロファイル及び対応する材料特性に基づいて、前記積層造形される部品の材料特性を予測するために機械学習アルゴリズムを実行するステップ(640)と
を含む、方法。
【請求項2】
前記データベース内の複数の前記標準部品の前記物理的サンプルの前記熱プロファイルに関連する材料特性を決定するステップ
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記データベース内の複数の前記標準部品の前記物理的サンプルの前記熱プロファイルに関連する材料特性を決定するステップが、
前記物理的サンプルの機械的特性と微細構造特性との組合せを決定するステップ
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記物理的サンプルそれぞれに関連する固有の熱シグネチャ及び履歴を提供するために、前記データベース内の前記物理的サンプルの機械的特性及び微細構造特性の前記組合せを編成するステップ
を更に含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記機械学習アルゴリズムが、教師あり学習アルゴリズムを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記教師あり学習アルゴリズムが、一般化線形回帰モデル、ニューラルネットワークモデル、ガウス過程モデル、及びサポートベクターマシンモデルのうちの選択された1つを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記機械学習アルゴリズムが、複数の前記標準部品の前記物理的サンプルそれぞれの特定の位置に関連する、温度対時間曲線に含まれる複数の形態を入力として使用して訓練されている、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
複数の前記標準部品の前記物理的サンプルそれぞれの特定の位置に関連する、温度対時間曲線に含まれる複数の前記形態が、複数の温度ゾーンで費やされた1以上の時間と、前記温度ゾーン間の1以上の冷却率との組合せを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
複数の前記標準部品の積層造形中に、複数の前記標準部品の前記物理的サンプルの選択された所定位置で前記熱プロファイルを取得するステップが、
複数の前記標準部品の積層造形中に、複数の前記標準部品の前記物理的サンプルの選択された前記所定位置で2次元熱プロファイルを取得するステップと、
前記2次元熱プロファイルを、複数の前記標準部品の積層造形中に複数の前記標準部品の前記物理的サンプルの選択された前記所定位置に対応する3次元熱プロファイルに変換するステップ(500)と
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記2次元熱プロファイルを、複数の前記標準部品の積層造形中に複数の前記標準部品の前記物理的サンプルの選択された前記所定位置に対応する3次元熱プロファイルに変換するステップが、
複数の前記標準部品の積層造形中に複数のレーザ位置座標の各々に関連する1以上のピクセルを識別するステップ(510)と、
複数の機械軸座標の各々を1以上のボクセルに割り当てるステップ(508)と、
識別された1以上の前記ピクセルと割り当てられた1以上の前記ボクセルとをリンク付けするステップ(512)と
を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
識別された1以上の前記ピクセルと割り当てられた1以上の前記ボクセルとをリンク付けするステップが、
複数の前記レーザ位置座標に関連する時間データと前記機械軸座標に関連する時間データとの位置合わせに基づいて、識別された1以上の前記ピクセルと割り当てられた1以上の前記ボクセルとをリンク付けするステップ
を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
識別された1以上の前記ピクセルと割り当てられた1以上の前記ボクセルとをリンク付けするステップが、
前記ボクセルそれぞれの色を、その関連する1以上の前記ピクセルの色と照合するステップ
を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記方法の少なくとも一部が、コンピュータによって読み取り可能なプログラム記憶媒体に有形に具現化されている命令の1以上のプログラムを実行するメモリを有する前記コンピュータによって実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記所定位置が、そのような位置に見られる1以上の幾何学的特性に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
積層造形される部品の材料特性を予測するためのシステム(100)であって、前記システムが、
積層造形標準部品に関連する熱データを収集するための第1のデバイス(110)と、
前記積層造形標準部品に関連する収集された熱データに基づいて、前記積層造形される部品の材料特性を予測するための第2のデバイス(160)と
を備える、システム。
【請求項16】
前記第1のデバイスが、赤外線カメラ(132)、単波長高温計(134)、多波長高温計(136)、1以上の熱電対センサ(138)を有するベースプレート、及びレーザヘッド(140)の組合せを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記第2のデバイスが、コンピュータのプロセッサを備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記積層造形される部品の材料特性を予測するための前記第2のデバイスが、前記積層造形される部品に関連する材料特性と微細構造特性との組合せを予測する、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記積層造形される部品に関連する材料特性と微細構造特性との前記組合せが、降伏強度、引張強度、及び伸び強度の組合せを含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記第2のデバイスが、前記積層造形標準部品それぞれの特定の位置に関連する温度対時間曲線に含まれる複数の形態を入力として使用して訓練された機械学習アルゴリズム(170)を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項21】
前記機械学習アルゴリズム(170)が、教師あり学習アルゴリズムを含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記機械学習アルゴリズム(170)が、一般化線形回帰モデル、ニューラルネットワークモデル、ガウス過程モデル、及びサポートベクターマシンモデルのうちの選択された1つを含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記積層造形標準部品それぞれに関連する収集された熱データが、その特定の前記積層造形標準部品に関連する固有の熱シグネチャ及び履歴を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項24】
前記第1のデバイスが、前記積層造形標準部品に関連する熱データを収集するための1以上の赤外線カメラ(132)を備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項25】
前記積層造形標準部品それぞれに関連する前記収集された熱データが、二次元熱データから変換された三次元熱データを含む、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記第1のデバイスが、複数の標準部品の積層造形中に、複数の前記標準部品の物理的サンプルの選択された所定位置で熱プロファイルを収集し、前記所定位置が、そのような位置に見られる1以上の幾何学的特性に基づく、請求項15に記載のシステム。
【請求項27】
積層造形される部品の材料特性を予測するためのシステム(100)であって、前記システムが、
積層造形標準部品に関連する熱データを収集するための1以上の赤外線カメラ(132)であって、各積層造形標準部品に関連する収集された熱データが、その特定の積層造形部品に関連する固有の熱シグネチャ及び履歴を含む、1以上の赤外線カメラと、
前記積層造形標準部品に関連する収集された熱データに基づいて、前記積層造形される部品に関連する材料特性と微細構造特性との組合せを予測するためのコンピュータプロセッサ(160)と
を備える、システム。
【請求項28】
前記積層造形標準部品それぞれに関連する前記収集された熱データが、二次元熱データと、前記二次元熱データから変換された三次元熱データとを含む、請求項27に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、積層造形に関し、より詳細には、航空宇宙部品など、積層造形される部品の材料特性を予測するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
積層造形技術を使用して作成された物品は、材料を層ごとに追加することによって製造される。積層造形は、材料供給及び堆積プロセスに基づく製造技術である。積層造形プロセス中、熱特性は、製造される部品の様々な位置で著しく変化し得る。積層造形プロセス中の熱特性のこれらの変動は、特に部品が複雑な形状を有する場合、製造部品全体に材料特性の変動をもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
既になされた進歩にもかかわらず、当業者は、様々な種類の部品を製造するために積層造形の分野における研究開発努力を継続している。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様では、積層造形される部品の材料特性を予測する方法が提供される。本方法は、複数の標準部品を積層造形することと、複数の標準部品の積層造形中に、複数の標準部品の物理的サンプルの選択された所定位置で熱プロファイルを取得することと、を含む。本方法はまた、複数の標準部品の物理的サンプルの熱プロファイル及び対応する材料特性をデータベースに記憶すること、を含む。本方法は、データベースに記憶された複数の標準部品の物理的サンプルの熱プロファイル及び対応する材料特性に基づいて、積層造形される部品の材料特性を予測するために機械学習アルゴリズムを実行すること、を更に含む。
【0005】
別の態様では、積層造形される部品の材料特性を予測するためのシステムが提供される。システムは、積層造形標準部品に関連する熱データを収集するための第1のデバイスを備える。システムはまた、積層造形標準部品に関連する収集された熱データに基づいて、積層造形される部品の材料特性を予測するための第2のデバイスを備える。
【0006】
更に別の態様では、積層造形される部品の材料特性を予測するためのシステムが提供される。システムは、積層造形標準部品に関連する熱データを収集するための1以上の赤外線カメラを備える。各積層造形部品に関連する収集された熱データは、その特定の積層造形部品に関連する固有の熱シグネチャ及び履歴を含む。システムはまた、積層造形標準部品に関連する収集された熱データに基づいて、積層造形される部品に関連する材料特性及び微細構造特性の組合せを予測するためのコンピュータプロセッサを備える。
【0007】
開示したシステム及び方法の他の例については、以下の詳細な説明、添付の図面、及び添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態による、積層造形される部品の材料特性を予測するためのシステムのブロック図である。
図2A】標準部品が経時的に積層造形されているときに標準部品の様々な複数の位置を有する単一の選択領域を示す、標準部品のプロファイル図である。
図2B図2Aで積層造形されている標準部品の対応する位置での測定温度を示す温度対時間曲線である。
図3A】複数の所定の温度ゾーン内の経時的な各位置でサンプリングされた温度データ点を示す、図2A及び図2Bで積層造形されている標準部品の単一の選択された領域に関する温度対時間曲線である。
図3B図3Aに示す最初の5つの異なる温度ゾーンの各々における1つの位置で温度が費やされた時間量を示す表である。
図3C図3A及び図3Bにおいて隣接する温度ゾーン間で算出された傾斜ラインを示す温度プロファイル図である。
図4A図1のシステムで使用される機械学習アルゴリズムを訓練するために、図2A図2B図3A及び図3Bからの情報を使用する例示的なモデリングプロセスのブロック図である。
図4B図4Aのモデリングプロセスで使用される2次式を示す図である。
図4C図4Bの機械学習アルゴリズムを訓練するために使用されるすべての入力のリストの図である。
図5A】一実施形態による、2次元ピクセルを3次元ボクセルに変換するプロセスのフロー図である。
図5B】3次元機械軸座標と3次元格子における割り当てられたボクセルとの間の関係を示す図である。
図5C】2次元熱画像の単一ピクセルと2次元熱画像にリンク付けされた3次元熱画像の単一ボクセルとの間の関係を示す図である。
図5D図5Cと同様の図であり、2次元熱画像の複数のピクセルと3次元熱画像の対応する複数のボクセルとの間の関係を示す図である。
図6】一実施形態による、積層造形される部品の材料特性を予測するための方法のフロー図である。
図7】航空機の生産及び保守点検方法のブロック図である。
図8】航空機の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本出願は、積層造形される部品の材料特性を予測するためのシステム及び方法に関する。システム及びその方法の具体的な構成、ならびにシステム及び方法が実施される産業は、様々であってよい。以下の開示は、様々な実施形態の異なる形態を実施するためのいくつかの実施形態または例を提供することを理解されたい。本開示を単純化するために、構成要素及び配置の具体例を説明する。これらは単なる例であり、限定することを意図しない。
【0010】
例として、以下の開示は、航空宇宙部品などの積層造形される部品の材料特性を予測するためのシステム及び方法を説明する。システム及び方法は、軍事規則及び宇宙規制に従って相手先ブランド名製造会社(OEM)によって実施されてもよい。開示したシステム及び方法は、多くの他の製造産業において実施され得ることが考えられる。
【0011】
図1を参照すると、一実施形態による、積層造形される部品の材料特性を予測するためのシステム100のブロック図を示している。図1において、矢印付きの実線は、電気的接続を表し、矢印付きの破線は、熱情報の伝達を表す。システム100は、積層造形標準部品に関連する熱データを収集するための第1のデバイス110を含む。第1のデバイス110は、様々な複数の収集サブシステムを備える。例えば、図1に示すように、5つの別々の収集サブシステム112,114,116,118,120を示している。
【0012】
収集サブシステム112は、赤外線カメラ132を備え、収集サブシステム114は、単波長高温計134を備え、収集サブシステム116は、多波長高温計136を備える。収集サブシステム118は、積層造形標準部品104が配置されるベースプレート102に熱的に結合された、1以上の熱電対センサ138を備える。収集サブシステム120は、レーザヘッド140を備える。第1のデバイス110は、赤外線カメラ132、単波長高温計134、多波長高温計136、1以上の熱電対センサ138、及びレーザヘッド140の組合せを備えてもよい。好ましくは、第1のデバイス110は、赤外線カメラ132と、任意選択で、単波長高温計134、多波長高温計136、1以上の熱電対センサ138、及びレーザヘッド140の組合せと、を備える。
【0013】
赤外線カメラ132、単波長高温計134、多波長高温計136、1以上の熱電対センサ138及びレーザヘッド140の組合せの各々は、標準部品104が積層造形されているときに標準部品104の1以上の選択された所定位置における熱変化を検出するために標準部品104に対して配置される。赤外線カメラ132、単波長高温計134、多波長高温計136、1以上の熱電対センサ138及びレーザヘッド140の組合せの各々は、対応する検出された熱変化を示す信号をそれぞれライン133,135,137,139,141に提供する。赤外線カメラ、単波長高温計、多波長高温計、熱電対、及びレーザヘッドの構造及び動作は周知されており、従来のものであるため、説明を省略する。
【0014】
システム100はまた、図1に示す標準部品104を含む積層造形標準部品に関連する収集された熱データのデータベースに基づいて、積層造形される前の物理的部品(図示せず)の材料特性を予測するための第2のデバイス(例えば、コントローラ160)を含む。より具体的には、第2のデバイスは、積層造形される部品に関連する材料特性と微細構造特性との組合せを予測する。積層造形される部品に関連する材料特性及び微細構造特性の組合せは、降伏強度、引張強度、及び伸び強度の組合せを含む。これらの材料特性は単なる例である。他の材料特性も可能である。
【0015】
第2のデバイスは、内部データ記憶ユニット164、外部データ記憶ユニット(図示せず)、またはそれらの組合せに記憶された命令を実行する処理ユニット162を含むコントローラ160であり得る(または、含み得る)。処理ユニット162は、任意の種類の技術を含み得る。例えば、処理ユニット162は、汎用電子プロセッサを備えてもよい。他の種類のプロセッサ及び処理ユニット技術も可能である。内部データ記憶ユニット164、任意の種類の技術を含み得る。例えば、内部データ記憶ユニット164は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、ソリッドステートメモリ、またはそれらの任意の組合せを含んでもよい。他の種類のメモリ及びデータ記憶ユニット技術も可能である。
【0016】
コントローラ160は、任意の種類の技術を含み得るいくつかの入力/出力(I/O)デバイス166を更に含む。例えば、I/Oデバイス166は、キーパッド、キーボード、タッチセンシティブディスプレイスクリーン、液晶ディスプレイ(LCD)スクリーン、マイクロフォン、スピーカー、またはそれらの任意の組合せを備え得る。他の種類のI/Oデバイス及び技術も可能である。
【0017】
本開示の一態様によれば、機械学習アルゴリズム170、及び多くの積層造形標準部品(例えば、図1に示す標準部品104)から収集された熱データを記憶するデータベース172が、データ記憶ユニット164に記憶される。特に、多くの積層造形標準部品から収集され、データベース172に記憶された熱データに基づいて、処理ユニット162は、積層造形される前の物理的部品の材料特性を予測するために、機械学習アルゴリズム170に含まれる命令を実行する。多くの積層造形標準部品からの熱データの収集、及び機械学習アルゴリズム170の訓練は、以下で詳細に説明する。
【0018】
コントローラ160は、赤外線カメラ132、単波長高温計134、多波長高温計136、1以上の熱電対センサ138、及びレーザヘッド140からのライン143,145,147,149,151の信号をそれぞれ監視する。ライン143,145,147,149,151の信号は、赤外線カメラ132、単波長高温計134、多波長高温計136、1以上の熱電対センサ138、及びレーザヘッド140にそれぞれ関連する熱データを表し、収集され、データベース172に記憶される。収集された熱データは、図1に示す標準部品104を含む多くの積層造形標準部品に関連付けられる。標準部品ごとに収集されたすべての熱データは、その特定の積層造形標準部品に関連する固有の熱シグネチャ及び履歴を含む。データベース172は、システム100を使用して積層造形されるすべての標準部品について、収集されたすべての熱データを含む。したがって、データベース172は、機械学習アルゴリズム170を訓練して、処理ユニット162がまだ積層造形される前の物理的部品の材料特性を予測することを可能にする、十分な量のデータを含む。
【0019】
機械学習アルゴリズム170は、教師あり学習モデルを含み得る。例えば、機械学習アルゴリズム170は、一般化線形回帰モデル、ニューラルネットワークモデル、ガウス過程モデル、及びサポートベクターマシンモデルのうちの選択された1つを含んでもよい。
【0020】
機械学習アルゴリズム170を訓練する例示的な方法は、各積層造形標準部品の特定の位置に関連する、温度対時間曲線に含まれる複数の形態を入力として使用する。積層造形標準部品の各物理的サンプルの特定の位置に関連する、温度対時間曲線に含まれる複数の形態は、本明細書で説明するように、複数の温度ゾーンで費やされた1以上の時間と、温度ゾーン間の1以上の冷却率との組合せを含み得る。
【0021】
図2Aを参照すると、標準部品104が経時的に積層造形されているときの標準部品104の様々な複数の位置を有する単一の選択領域200を示す標準部品のプロファイル図を示している。指定された位置1、位置2、位置3、位置4、位置5、位置6、及び位置7の7つの選択された所定位置を、図2Aに示している。標準部品104が製造されているとき、材料は供給されて位置1に堆積され、次いで(図2Aを見たとき)上方に構築される。次いで、材料は、位置2、位置3、位置4、位置5、位置6、及び位置7で同様に供給され、堆積される。標準部品104が上方に構築されているとき、標準部品104は、図2Aに示すような所望のプロファイルで製造される。
【0022】
図2Bを参照すると、図2Aで積層造形されている標準部品104の対応する位置での測定温度を示す温度対時間曲線210を示している。図2Bに示すように、時間t1で材料が供給され、位置1で堆積されると、温度は、短時間で上昇し、その後材料の供給及び堆積が位置2に向かって移動するにつれて減衰する。同様に、時間t2で材料が供給され、位置2で堆積されると、温度は、短時間で上昇し、その後材料の供給及び堆積が位置3に向かって移動するにつれて減衰する。材料の供給及び堆積は、図2Aに示すようなプロファイルで標準部品104が製造されるまで、それぞれ時間t3、t4、t5、t6、t7で位置3、4、5、6、7で繰り返される。位置6における温度上昇は、その位置における標準部品104の断面領域が他の位置における断面領域よりも狭いので、他の位置における温度上昇よりも高いことに留意されたい。
【0023】
図3Aを参照すると、図2A及び図2B中で積層造形されている標準部品104の単一の選択領域200についての温度対時間曲線300を示している。特に、図3Aは、複数の所定の温度ゾーン(すなわち、温度帯域)内の経時的な単一の選択された領域200において位置1、2、3、4、5、6、7の各々でサンプリングされた温度データ点を示している。TZ1、TZ2、TZ3、TZ4、TZ5、TZ6、TZ7で指定した7つの所定の温度ゾーンを、図3Aに示している。一例として、2秒ごとに温度データ点が取り込まれる。取り込まれたときに特定の温度ゾーン(TZ)内にある温度データ点は、2秒の間そのTZ内にあると見なされる。説明の目的のために、図3Aには低減した数の温度データ点のみを示していることが理解される。
【0024】
図2A及び図2Bに示す製造された標準部品104の領域200内の任意の位置は、機械学習アルゴリズム170などのモデルプロセスのための訓練データとして、選択され、使用され得る。説明の目的で、図1に示す機械学習アルゴリズム170を訓練するためのモデル入力及びモデル出力を取得する例示的な方法では、図2Aに示す単一の選択領域200における7つの位置1、2、3、4、5、6、7のみを説明する。
【0025】
機械学習アルゴリズム170のモデル出力は、標準部品104を物理的サンプル(例えば、引張試験片)の実験室で試験可能な小さな区分に区分けすることによって取得される。次いで、適切な実験室試験装置を使用して、各物理的サンプルの対象の材料特性(例えば、引張強度)を取得する。
【0026】
機械学習アルゴリズム170のモデル入力は、標準部品104の選択された所定位置1、2、3、4、5、6、7の各々で、図2Aに示すようなピクセルレベルの熱データを取り込むために、赤外線カメラ132(図1)を使用することによって取得される。ピクセルレベルの熱データは、位置1、2、3、4、5、6、7ごとに、図3Aに示す曲線300などの温度対時間曲線を提供する。位置1、2、3、4、5、6、7ごとに取り込まれたピクセルレベルの熱データは、標準部品104の特定の位置に関連する固有の熱シグネチャ及び履歴を提供するために収集され、データベース172(図1)に記憶される。
【0027】
図3Aに示す曲線300などの各温度対時間曲線は、曲線300の8つの形態を計算することによって要約される。次いで、8つの形態の各々は、機械学習アルゴリズム170へのモデル入力として使用される。図3Aに示す曲線300の8つの形態を取得する例示的な方法は、以下に説明するように、複数の温度ゾーンを定義し、各温度ゾーンで標準部品104の特定の位置で温度が費やされた時間量を計算し、次いで、温度が任意のゾーンから隣接するゾーンに移行するときの温度ゾーン間の傾斜の数を計算する、ことである。
【0028】
図3Bを参照すると、表310は、図3Aに示す最初の5つの異なる温度ゾーンTZ1、TZ2、TZ3、TZ4、TZ5の各々において1つの位置の温度が費やされた時間量を示す。図3Bの表310に示すように、TZ1で費やされた時間量T1は、50秒であり、TZ2で費やされた時間量T2は、150秒であり、TZ3で費やされた時間量T3は、170秒であり、TZ4で費やされた時間量T4は、130秒であり、TZ5で費やされた時間量T5は、50秒である。
【0029】
8つの形態のうちの最初の5つは、図3A及び図3Bに示す最初の5つの温度ゾーン(すなわち、TZ1、TZ2、TZ3、TZ4、TZ5)の各々で費やされた時間である。一例として、温度が12秒の間で1652°Fから1832°Fの範囲内にある場合、ゾーン2で費やされた時間(すなわち、TZ2)の値は、12秒になる。
【0030】
図3Cを参照すると、温度プロファイル図320は、図3A及び図3B内の隣接する温度ゾーン間の計算された傾斜ラインを示している。図3Cに示すように、TZ1とTZ2との間の傾斜は、-0.655であり、TZ2とTZ3との間の傾斜は、-0.519であり、TZ3とTZ4との間の傾斜は、-0.382であり、TZ4とTZ5との間の傾斜は、-0.246であり、TZ5とTZ6との間の傾斜は、-2.328であり、TZ6とTZ7との間の傾斜は、-1.289である。
【0031】
TZ1とTZ2との間の傾斜は、TZ1とTZ2との間の冷却率を表し、TZ2とTZ3との間の傾斜は、TZ2とTZ3との間の冷却率を表し、TZ3とTZ4との間の傾斜は、TZ3とTZ4との間の冷却率を表すことは明らかである。各温度ゾーンの境界(すなわち、TZ1からTZ2、TZ2からTZ3など)において、高い温度ゾーンへと20°Fで始まり、低い温度ゾーンへと20°Fで終わる平滑ラインの傾斜が決定される。各傾斜ラインは、各ゾーン境界の温度から+20°F及び20°Fの温度点を接続することによって構築される(すなわち、1832°F、1652°F、1472°F、1292°F、932°F、572°F)。
【0032】
いくつかの部品位置では、TZ1は、ゼロ(すなわち、その位置の温度は、TZ1の境界の温度ほど高温になることはない)であり得る。この場合、TZ1とTZ2との間の傾斜は、不定である。これにもかかわらず、何らかの値が機械学習アルゴリズム170に渡される必要がある。解決策は、傾斜の逆正接を使用することである。この逆正接技術を使用することにより、冷却は、0度で表されるゼロ傾斜を有さず、一方、瞬間冷却は、-90度で表される負の無限傾斜を有する。したがって、8つの入力形態は、特定の位置の温度が最初の5つの温度ゾーンで費やされた時間(すなわち、TZ1で費やされた時間、TZ2で費やされた時間、TZ3で費やされた時間、TZ4で費やされた時間、及びTZ5で費やされた時間)を含む5つの形態と、TZ1からTZ2への冷却率、TZ2からTZ3への冷却率、及びTZ3からTZ4への冷却率を含む3つの形態と、を含む。
【0033】
図4Aを参照すると、図1のシステム100で使用される機械学習アルゴリズム170を訓練するために、図2A図2B図3A、及び図3Bからの情報を使用する例示的なモデリングプロセスのブロック図400を示している。上述のように収集され、処理された熱データを使用して、部品が製造されているときのその温度プロファイルに応じて材料特性(例えば、機械的特性)を予測するために、機械学習アルゴリズム170を訓練する。
【0034】
機械学習アルゴリズム170は、図4Aに示すような教師あり学習モデル410を備える。周知の教師あり学習モデルとしては、例えば、一般化線形回帰モデル、ニューラルネットワークモデル、ガウス過程モデル、サポートベクターマシンなどがある。説明のために、データをモデル化するために、ノースカロライナ州ケーリーにあるJMP Statistical Discovery LLCから市販されているソフトウェアパッケージであるJMP Proに実装されている一般化線形回帰が使用される。
【0035】
図4Bを参照すると、図4Aのモデリングプロセスで使用される二次式420を示している。二次式420は、一般化線形回帰モデルとして構成されるモデリングプロセスに使用される。この種類のモデリングで知られているように、以下のステップを通常実施して、モデリングのためのデータを準備する。
【0036】
まず、導出した項を追加する。回帰モデリングは、主効果に加えて相互作用効果及び二次効果を使用することが多い。主効果は、他のすべての独立変数を無視しつつ、従属変数に対する単一の独立変数(別名入力または要素)の効果である。統計的相互作用(すなわち、相互作用効果)は、従属変数に対する1つの独立変数の効果が、別の独立変数のレベルに応じて変化するときに生じる。統計的相互作用は、2つの係数を乗算することによって取り込まれる。次いで、二次効果は、各独立変数を二乗することによって取り込まれる。第2に、主効果のいくつかの自然対数が取られる。これは、出力に対して入力の線形化を助けるために行われる。
【0037】
図4Cを参照すると、図4Bの一般化線形回帰モデルに基づく機械学習アルゴリズム170を訓練するために使用されるすべての入力のリスト430を示している。第1の列「入力番号」は、参照を容易にするために入力に関連付けられた参照番号を示す。第2の列「入力のモデリング」は、入力の名前及び構成をコンパクトな形式で記述する。第3の列「入力種類」は、入力が主効果、相互作用効果、または二次効果であるか否かを記述する。第4の列「説明」は、各主効果がどのように計算されるかの詳細を示す。
【0038】
上述のアルゴリズム及びモデリング技術は、説明のための例にすぎないことが理解される。他のアルゴリズム及びモデリング技術が実施に利用可能である。
【0039】
上記の説明では、二次元(2D)熱画像(すなわち、ピクセルごとに)を分析することによって部品の材料特性を予測することについて説明したが、三次元(3D)熱画像(すなわち、ボクセルごとに)を分析して部品の材料特性を予測することも考えられる。3D熱画像は、本明細書で説明するように、2D熱画像を3D熱画像に変換することによって取得され得る。
【0040】
図5Aを参照すると、一実施形態による、二次元ピクセルを三次元ボクセルに変換するプロセスのフロー図500を示している。ブロック502において、部品(例えば、図1の標準部品104)の構築に関連するその時間データを含む機械軸座標が取得される。機械軸座標は、標準部品を構築するために使用されるコンピュータ数値制御(CNC)機械などの機械からのものであってもよい。ブロック504において、そのレーザ位置座標(すなわち、図1のレーザヘッド140から)を含む赤外線ビデオフレーム(すなわち、2Dピクセル表現)、及び標準部品の構築中の熱データの取り込み(すなわち、収集)に関連する時間データが、取得される。次いで、プロセスはブロック506に進み、機械軸座標に関連する時間データ、及び赤外線ビデオフレームに関連する時間データが、位置合わせされ、照合される。
【0041】
次に、ブロック508において、赤外線ビデオフレームに関連する機械軸座標ごとに、1以上のボクセルが、特定の機械軸座標に関連付けられるように割り当てられる。図5Bは、三次元機械軸座標と、三次元格子における割り当てられたボクセルとの関係を示す図530である。図5Bに示すように、左グリッド上の各機械軸座標(点として示す)は、右グリッド上の1以上のボクセル(立方体積として示す)に割り当てられる。
【0042】
また、図5Aのブロック510において、標準部品の構築中にそのレーザ位置座標に関連する1以上のピクセルが、識別される。プロセスは、ブロック512に進み、ブロック508からの割り当てられた1以上のボクセル、及びブロック510からの識別された1以上のピクセルが、リンク付けされる。図5Cは、左グリッド上の二次元熱画像の単一ピクセル11と、右グリッド上の三次元熱画像の単一ボクセル21との関係を示す図540である。単一ピクセル11及び単一ボクセル21は、リンク付けされる。
【0043】
プロセスは、図5Aのブロック514に進み、ブロック512からのリンク付けされたピクセル及びボクセルが、(例えば、図1に示すデータ記憶ユニット164に)ログ記録され、記憶される。ブロック516に示すように、各ボクセルの色は、その関連する1以上のピクセルの色と照合される(すなわち、割り当てられる)。その結果、ブロック504に戻って、取得された赤外線ビデオフレームの2Dピクセル表現の3Dボクセル表現が得られる。ピクセルの特定の色は、標準部品の構築中に熱データが取り込まれているときのそのピクセル位置における温度レベルを示す。2Dピクセル表現に含まれる熱データは、3Dボクセル表現で再構成されている。
【0044】
次に、ブロック518において、3Dボクセル表現に変換される別の2D赤外線ビデオフレームが存在するか否かに関する決定が行われる。ブロックの決定が肯定である(すなわち、変換される別の2D赤外線ビデオフレームが存在する)場合、プロセスは、ブロック504に戻り、処理される次の2D赤外線ビデオフレーム上で上述したブロックのプロセスを繰り返す。図5Dは、図5Cと同様の図550であり、二次元熱画像の複数のピクセルと、三次元熱画像の対応する複数のボクセルとの関係を示す。図5Dでは、4つの追加のピクセル12、13、14、15及び図5Cのピクセル11を、左グリッド上の二次元熱画像上に示している。2D左グリッド上の4つのピクセル12、13、14、15は、3D右グリッド上の4つのボクセル22、23、24、25にそれぞれリンク付けされる。一方、ブロックの決定が否定である(すなわち、変換される他の2D赤外線ビデオフレームがない)場合、プロセスは終了する。
【0045】
ピクセル表現の2D熱画像をボクセル表現の3D熱画像に変換することによって、関連する3D熱データを使用して、機械学習アルゴリズム(上述のものなど)を訓練し、まだ積層造形される前の物理的部品の材料特性の予測を可能にする。これは、積層造形される部品が複雑な3D形状を有する場合に特に有利である。複雑な3D形状を有する部品は、部品の積層造形中に複雑な熱挙動になる傾向がある。
【0046】
更に、多くの2D熱画像を取り込み、包括的な熱シグネチャ及び積層造形標準部品の履歴を取得し得る多くの3D熱画像を提供するために、2つ以上の赤外線カメラを使用し得ることが考えられる。例えば、3つの赤外線カメラを使用して、1つの赤外線カメラについて上述したのと同じ方法で3D熱画像に変換され得る2D熱画像を取り込んでもよい。
【0047】
図6を参照すると、一実施形態による、積層造形される部品の材料特性を予測するための方法のブロック図600を示している。ブロック610において、様々な幾何学的特性を有し得る複数の標準部品が積層造形される。プロセスはブロック620に進み、標準部品の物理的サンプルの選択された所定位置における熱プロファイルが、標準部品の積層造形中に取得される。次に、ブロック630において、積層造形標準部品の物理的サンプルの熱プロファイル及び対応する材料特性が、データベースに記憶される。プロセスはブロック640に進み、データベースに記憶された積層造形標準部品の物理的サンプルの熱プロファイル及び対応する材料特性に基づいて、積層造形される部品の材料特性を予測するために、機械学習アルゴリズムが実行される。そして、プロセスは終了する。
【0048】
いくつかの実施形態では、本方法は、データベース内の積層造形標準部品の物理的サンプルの熱プロファイルに関連する材料特性を決定すること、を更に含む。いくつかの実施形態では、物理的サンプルの機械的特性と微細構造特性の組合せを決定する。
【0049】
いくつかの実施形態では、本方法は、各物理的サンプルに関連する固有の熱シグネチャ及び履歴を提供するために、データベース内の物理的サンプルの機械的特性及び微細構造特性の組合せを編成すること、を更に含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、機械学習アルゴリズムは、教師あり学習アルゴリズムを含む。いくつかの実施形態では、教師あり学習アルゴリズムは、一般化線形回帰モデル、ニューラルネットワークモデル、ガウス過程モデル、及びサポートベクターマシンモデルのうちの選択された1つを含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、機械学習ベースのアルゴリズムは、複数の標準部品の各物理的サンプルの特定の位置に関連する温度対時間曲線に含まれる複数の形態を入力として使用して訓練されている。いくつかの実施形態では、複数の標準部品の各物理的サンプルの特定の位置に関連する温度対時間曲線に含まれる複数の形態は、複数の温度ゾーンで費やされた1以上の時間と、温度ゾーン間の1以上の冷却率との組合せを含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、複数の標準部品の積層造形中の標準部品の物理的サンプルの選択された所定位置における2次元熱プロファイルが取得され、2次元熱プロファイルは、複数の標準部品の積層造形中の複数の標準部品の物理的サンプルの選択された所定位置に対応する3次元熱プロファイルに変換される。いくつかの実施形態では、複数の標準部品の積層造形中の複数のレーザ位置座標の各々に関連する1以上のピクセルが識別され、複数の機械軸座標の各々を用いて1以上のボクセルが割り当てられ、識別された1以上のピクセル、及び割り当てられた1以上のボクセルが、リンク付けされる。いくつかの実施形態では、識別された1以上のピクセル及び割り当てられた1以上のボクセルは、複数のレーザ位置座標に関連する時間データと、機械軸座標に関連する時間データとの位置合わせに基づいてリンク付けされる。いくつかの実施形態では、各ボクセルの色は、その関連する1以上のピクセルの色と照合される。
【0053】
いくつかの実施形態では、方法の少なくとも一部が、コンピュータによって読み取り可能なプログラム記憶媒体に有形に具現化されている命令の1以上のプログラムを実行するメモリを有するコンピュータによって実施される。
【0054】
いくつかの実施形態では、所定位置は、そのような位置に見られる1以上の幾何学的特性に基づく。
【0055】
いくつかの実施形態では、航空宇宙部品は、開示した方法に従って製造される。
【0056】
本明細書に開示するシステム及び方法は、いくつかの利点を提供する。1つの利点は、赤外線カメラ132(図1)によってピクセルごとに(またはボクセルごとに)取得された固有の熱シグネチャ及び履歴に基づいて、積層造形部品の材料品質を検証するための品質評価ツールを提供することである。多くの標準部品の全履歴マップが提供される。このように、品質評価ツールは、複雑な形状を有する部品の材料品質を検証するときの使用に特に有利である。
【0057】
別の利点は、任意のデバイス(例えば、すべて図1に示している単波長高温計134、多波長高温計136、及び熱電対センサ138)の出力が、赤外線カメラ132によって検出された熱データを裏付けることである。その結果、赤外線カメラ132によって取り込まれた高品質の熱データが得られる。
【0058】
更に別の利点は、積層造形され得る仮想部品の材料特性を予測し得ることである。これにより、設計者及びエンジニアは、積層造形され得る仮想部品の「仮想設計及び試験」を行うために、実験的な熱履歴の代わりに、またはそれと併せて、熱履歴をシミュレーションし得る。これにより、設計者及びエンジニアは、設計された部品を構築及び試験する必要なく、部品形状設計を迅速に反復し得る。その結果、設計時、新規の部品の設計-構築-試験サイクルにおけるコスト削減、ならびに必要に応じて、既存の部品の材料品質分析におけるコスト削減が、得られる。
【0059】
本開示の例は、図7に示すように航空機の製造及び保守点検方法1100、及び図8に示すように航空機1102の文脈で説明している。試作中、航空機の製造及び保守点検方法1100は、航空機1102の仕様及び設計1104と、材料調達1106と、を含み得る。生産中、航空機1102の構成要素/サブアセンブリ製造1108及びシステム統合1110が行われる。その後、航空機1102は、就航中1114の段階にするために認証及び搬送1112を経ることがある。顧客による就航中に、航空機1102は、定期的な整備及び保守点検1116が予定されており、これにはまた、修正、再構成、改修などを含んでもよい。
【0060】
方法1100のプロセスは各々、システムインテグレータ、第三者、及び/またはオペレータ(例えば顧客)によって実施または実行されてもよい。この説明の適用上、システムインテグレータは、任意の数の航空機製造者と主要なシステム下請け業者とを限定することなく含んでもよく、第三者は、任意の数のベンダ、下請け業者及びサプライヤを限定することなく含んでもよく、オペレータは、航空会社、リース会社、軍(military entity)、サービス組織などであってもよい。
【0061】
図8に示すように、例示的な方法1100によって生産された航空機1102は、複数のシステム1120と、内部1122と、を有する機体1118を含み得る。複数のシステム1120の例は、推進システム1124、電気システム1126、油圧システム1128、及び環境システム1130のうちの1以上を含んでもよい。任意の数の他のシステムを含んでもよい。
【0062】
開示したシステム及び方法は、航空機の製造及び保守点検方法1100のうちの任意の1以上の段階の間に採用され得る。一例として、構成要素/サブアセンブリ製造1108、システム統合1110、ならびに/あるいは整備及び保守点検1116に対応する構成要素またはサブアセンブリは、開示したシステム及び方法を使用して組み立てられてもよい。別の例として、機体1118は、開示したシステム及び方法を使用して構成されてもよい。また、1以上のシステム例、方法例、またはそれらの組合せは、例えば、機体1118及び/または内部1122など、航空機1102の組立を実質的に促進するかまたはコストを削減することによって、構成要素/サブアセンブリ製造1108及び/またはシステム統合1110の間に利用されてもよい。同様に、1以上のシステム例、方法例、あるいはそれらの組合せは、航空機1102が就航中である間に、例えば、限定ではないが整備及び保守点検1116に利用されてもよい。
【0063】
本明細書に開示したシステム及び方法の異なる例は、様々な構成要素、形態、及び機能を含む。本明細書に開示したシステム及び方法の様々な例は、本明細書に開示したシステム及び方法の他の例のいずれかの構成要素、形態、及び機能のいずれかを任意の組合せで含んでもよく、また、このような可能性のすべては、本開示の範囲内にあることを意図されていることが理解されるべきである。
【0064】
コントローラが動作ステップを実施することを可能にするためのプログラム命令は、コントローラの内部のメモリに埋め込まれてもよい。代替的に、または追加的に、プログラム命令は、コントローラの外部のメモリに記憶されてもよい。一例として、プログラム命令は、ビークルの異なる電子コントロラユニットの内部のメモリに記憶されてもよい。プログラム命令は、外部ハードドライブ、フラッシュドライブ、及びコンパクトディスクを含むがこれらに限定されない任意の種類のプログラム記憶媒体に記憶されてもよい。プログラム命令は、特定の電子コントローラユニットの形態に応じて再プログラムされてもよい。
【0065】
開示した実施形態の態様は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはそれらの組合せにおいて実施され得る。様々な要素は、個別にまたは組み合わせて、コンピュータプロセッサによる実行のために機械可読記憶デバイスに有形に具現化されたコンピュータプログラム製品として実装されてもよい。実施形態の様々なステップは、コンピュータ可読媒体上に有形に具現化されたプログラムを実行するコンピュータプロセッサによって実施されて、入力に対して動作し出力を生成することによって機能を実施し得る。コンピュータ可読媒体は、例えば、開示した実施形態の態様を具現化するコンピュータプログラムをコンピュータにロードし得るように、メモリ、コンパクトディスクなどの可搬媒体、またはフラッシュドライブであってもよい。
【0066】
上述のシステム及び方法は、航空機に関して説明している。しかし、当業者は、開示したシステム及び方法が様々な用途に適しており、本開示が航空機製造用途に限定されないことを容易に認識するであろう。例えば、開示したシステム及び方法は、例えば、ヘリコプター、客船、自動車、海洋製品(ボート、モーターなど)を含む様々な種類のビークルにおいて実施されてもよい。ビークル以外の用途も考えられる。
【0067】
また、上記の説明は、軍事及び宇宙規制に従って航空産業において積層造形される航空宇宙部品(例えば、航空機部品)の材料特性を予測するためのシステム及び方法を説明しているが、システム及び方法は、適用可能な産業規格に従って任意の産業において積層造形される部品の材料特性の予測を容易にするために実施され得ることが企図される。特定のシステム及び方法は、特定の用途に応じて選択され、調整され得る。
【0068】
更に、開示した実施形態の様々な態様を示し、説明してきたが、明細書を読むと当業者には改変が想起され得る。本出願はそのような改変を含み、特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0069】
[付記項1]
積層造形される部品の材料特性を予測するための方法であって、前記方法が、
複数の標準部品を積層造形するステップと、
複数の前記標準部品の積層造形中に、複数の前記標準部品の物理的サンプルの選択された所定位置で熱プロファイルを取得するステップと、
複数の前記標準部品の前記物理的サンプルの前記熱プロファイル及び対応する材料特性をデータベースに記憶するステップと、
前記データベースに記憶された複数の前記標準部品の前記物理的サンプルの前記熱プロファイル及び対応する材料特性に基づいて、前記積層造形される部品の材料特性を予測するために機械学習アルゴリズムを実行するステップと
を含む、方法。
[付記項2]
前記データベース内の複数の前記標準部品の前記物理的サンプルの前記熱プロファイルに関連する材料特性を決定するステップ
を更に含む、付記項1に記載の方法。
[付記項3]
前記データベース内の複数の前記標準部品の前記物理的サンプルの前記熱プロファイルに関連する材料特性を決定するステップが、
前記物理的サンプルの機械的特性と微細構造特性との組合せを決定するステップ
を含む、付記項2に記載の方法。
[付記項4]
前記物理的サンプルそれぞれに関連する固有の熱シグネチャ及び履歴を提供するために、前記データベース内の前記物理的サンプルの機械的特性及び微細構造特性の前記組合せを編成するステップ
を更に含む、付記項3に記載の方法。
[付記項5]
前記機械学習アルゴリズムが、教師あり学習アルゴリズムを含む、付記項1に記載の方法。
[付記項6]
前記教師あり学習アルゴリズムが、一般化線形回帰モデル、ニューラルネットワークモデル、ガウス過程モデル、及びサポートベクターマシンモデルのうちの選択された1つを含む、付記項5に記載の方法。
[付記項7]
前記機械学習アルゴリズムが、複数の前記標準部品の各物理的サンプルの特定の位置に関連する、温度対時間曲線に含まれる複数の形態を入力として使用して訓練されている、付記項1に記載の方法。
[付記項8]
複数の前記標準部品の各物理的サンプルの特定の位置に関連する、温度対時間曲線に含まれる複数の前記形態が、複数の温度ゾーンで費やされた1以上の時間と、温度ゾーン間の1以上の冷却率との組合せを含む、付記項7に記載の方法。
[付記項9]
複数の前記標準部品の積層造形中に、複数の前記標準部品の物理的サンプルの選択された所定位置で熱プロファイルを取得するステップが、
複数の前記標準部品の積層造形中に、複数の前記標準部品の物理的サンプルの選択された前記所定位置で2次元熱プロファイルを取得するステップと、
前記2次元熱プロファイルを、複数の前記標準部品の積層造形中に複数の前記標準部品の物理的サンプルの選択された前記所定位置に対応する3次元熱プロファイルに変換するステップと
を含む、付記項1に記載の方法。
[付記項10]
前記2次元熱プロファイルを、複数の前記標準部品の積層造形中に複数の前記標準部品の物理的サンプルの選択された前記所定位置に対応する3次元熱プロファイルに変換するステップが、
複数の前記標準部品の積層造形中に複数のレーザ位置座標の各々に関連する1以上のピクセルを識別するステップと、
複数の機械軸座標の各々を1以上のボクセルに割り当てるステップと、
識別された1以上の前記ピクセルと割り当てられた1以上の前記ボクセルとをリンク付けするステップと
を含む、付記項9に記載の方法。
[付記項11]
識別された1以上の前記ピクセルと割り当てられた1以上の前記ボクセルとをリンク付けするステップが、
複数の前記レーザ位置座標に関連する時間データと前記機械軸座標に関連する時間データとの位置合わせに基づいて、識別された1以上の前記ピクセルと割り当てられた1以上の前記ボクセルとをリンク付けするステップ
を含む、付記項10に記載の方法。
[付記項12]
識別された1以上の前記ピクセルと割り当てられた1以上の前記ボクセルとをリンク付けするステップが、
各ボクセルの色を、その関連する1以上のピクセルの色と照合するステップ
を含む、付記項10に記載の方法。
[付記項13]
前記方法の少なくとも一部が、コンピュータによって読み取り可能なプログラム記憶媒体に有形に具現化されている命令の1以上のプログラムを実行するメモリを有する前記コンピュータによって実施される、付記項1に記載の方法。
[付記項14]
前記所定位置が、そのような位置に見られる1以上の幾何学的特性に基づく、付記項1に記載の方法。
[付記項15]
付記項1に記載の方法に従って製造された航空宇宙部品。
[付記項16]
積層造形される部品の材料特性を予測するためのシステムであって、前記システムが、
積層造形標準部品に関連する熱データを収集するための第1のデバイスと、
前記積層造形標準部品に関連する収集された熱データに基づいて、前記積層造形される部品の材料特性を予測するための第2のデバイスと
を備える、システム。
[付記項17]
前記第1のデバイスが、赤外線カメラ、単波長高温計、多波長高温計、1以上の熱電対センサを有するベースプレート、及びレーザヘッドの組合せを含む、付記項16に記載のシステム。
[付記項18]
前記第2のデバイスが、コンピュータのプロセッサを備える、付記項16に記載のシステム。
[付記項19]
前記積層造形される部品の材料特性を予測するための前記第2のデバイスが、前記積層造形される部品に関連する材料特性と微細構造特性との組合せを予測する、付記項16に記載のシステム。
[付記項20]
前記積層造形される部品に関連する材料特性と微細構造特性との前記組合せが、降伏強度、引張強度、及び伸び強度の組合せを含む、付記項19に記載のシステム。
[付記項21]
前記第2のデバイスが、各積層造形標準部品の特定の位置に関連する温度対時間曲線に含まれる複数の形態を入力として使用して訓練された機械学習アルゴリズムを含む、付記項16に記載のシステム。
[付記項22]
前記機械学習アルゴリズムが、教師あり学習アルゴリズムを含む、付記項21に記載のシステム。
[付記項23]
前記機械学習アルゴリズムが、一般化線形回帰モデル、ニューラルネットワークモデル、ガウス過程モデル、及びサポートベクターマシンモデルのうちの選択された1つを含む、付記項22に記載のシステム。
[付記項24]
各積層造形標準部品に関連する収集された熱データが、その特定の積層造形標準部品に関連する固有の熱シグネチャ及び履歴を含む、付記項16に記載のシステム。
[付記項25]
前記第1のデバイスが、積層造形標準部品に関連する熱データを収集するための1以上の赤外線カメラを備える、付記項16に記載のシステム。
[付記項26]
各積層造形標準部品に関連する前記収集された熱データが、二次元熱データから変換された三次元熱データを含む、付記項25に記載のシステム。
[付記項27]
前記第1のデバイスが、複数の標準部品の積層造形中に、複数の前記標準部品の物理的サンプルの選択された所定位置で熱プロファイルを収集し、前記所定位置が、そのような位置に見られる1以上の幾何学的特性に基づく、付記項16に記載のシステム。
[付記項28]
付記項16に記載のシステムを使用して製造された航空宇宙部品。
[付記項29]
積層造形される部品の材料特性を予測するためのシステムであって、前記システムが、
積層造形標準部品に関連する熱データを収集するための1以上の赤外線カメラであって、各積層造形標準部品に関連する収集された熱データが、その特定の積層造形部品に関連する固有の熱シグネチャ及び履歴を含む、1以上の赤外線カメラと、
前記積層造形標準部品に関連する収集された熱データに基づいて、前記積層造形される部品に関連する材料特性と微細構造特性との組合せを予測するためのコンピュータプロセッサと
を備える、システム。
[付記項30]
各積層造形標準部品に関連する前記収集された熱データが、二次元熱データと、前記二次元熱データから変換された三次元熱データとを含む、付記項29に記載のシステム。
【符号の説明】
【0070】
1 位置、2 位置、3 位置、4 位置、5 位置、6 位置、7 位置、11 単一ピクセル、12 ピクセル、13 ピクセル、14 ピクセル、15 ピクセル、21 単一ボクセル、22 ボクセル、23 ボクセル、24 ボクセル、25 ボクセル、100 システム、102 ベースプレート、104 標準部品、110 第1のデバイス、112 収集サブシステム、114 収集サブシステム、116 収集サブシステム、118 収集サブシステム、120 収集サブシステム、132 赤外線カメラ、133 ライン、134 単波長高温計、135 ライン、136 多波長高温計、137 ライン、138 熱電対センサ、139 ライン、140 レーザヘッド、141 ライン、143 ライン、145 ライン、147 ライン、149 ライン、151 ライン、160 コントローラ、162 処理ユニット、164 内部データ記憶ユニット、166 入力/出力(I/O)デバイス、170 機械学習アルゴリズム、172 データベース、200 単一の選択領域、210 温度対時間曲線、300 温度対時間曲線、310 表、320 温度プロファイル図、410 教師あり学習モデル、420 二次式、430 リスト、1100 保守点検方法、1102 航空機、1104 仕様及び設計、1106 材料調達、1108 構成要素/サブアセンブリ製造、1110 システム統合、1112 認証及び搬送、1114 就航中、1116 整備及び保守点検、1118 機体、1120 複数のシステム、1122 内部、1124 推進システム、1126 電気システム、1128 油圧システム、1130 環境システム
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7
図8
【外国語明細書】