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特開2024-83256高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるためのマルチパルスを用いた原子層堆積装置、及びこれを用いた原子層堆積方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083256
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるためのマルチパルスを用いた原子層堆積装置、及びこれを用いた原子層堆積方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/316 20060101AFI20240613BHJP
   H01L 21/318 20060101ALI20240613BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20240613BHJP
   C23C 16/455 20060101ALI20240613BHJP
   C23C 16/42 20060101ALI20240613BHJP
   H05H 1/46 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
H01L21/316 X
H01L21/318 B
H01L21/31 C
C23C16/455
C23C16/42
H05H1/46 M
H05H1/46 R
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023198587
(22)【出願日】2023-11-22
(31)【優先権主張番号】10-2022-0172075
(32)【優先日】2022-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】517066191
【氏名又は名称】リサーチ アンド ビジネス ファウンデーション ソンギュングァン ユニバーシティ
【氏名又は名称原語表記】RESEARCH & BUSINESS FOUNDATION SUNGKYUNKWAN UNIVERSITY
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】ヨム、グン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ホ ゴン
(72)【発明者】
【氏名】タク、ヒョン ウ
(72)【発明者】
【氏名】ホン、ジョン ウ
(72)【発明者】
【氏名】カン、ジ ウン
【テーマコード(参考)】
2G084
4K030
5F045
5F058
【Fターム(参考)】
2G084AA05
2G084CC04
2G084CC05
2G084CC09
2G084CC12
2G084CC13
2G084CC14
2G084CC15
2G084DD02
2G084DD15
2G084DD23
2G084DD38
2G084DD55
2G084FF15
2G084HH05
2G084HH06
2G084HH26
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4K030AA13
4K030AA14
4K030AA16
4K030AA18
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4K030BA38
4K030BA40
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4K030BA44
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4K030FA03
4K030HA01
4K030JA16
4K030JA17
4K030JA18
4K030KA30
4K030LA15
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5F045AA15
5F045AB32
5F045AB33
5F045AC00
5F045AC01
5F045AC05
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5F045AC15
5F045AC16
5F045AC17
5F045AD04
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5F045AD06
5F045AD07
5F045AD08
5F045AD09
5F045AE01
5F045AF12
5F045BB19
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5F045EH13
5F045EH20
5F045EK07
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5F058BF27
5F058BF29
5F058BF30
5F058BF37
5F058BF38
5F058BJ06
(57)【要約】
【課題】高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるための原子層堆積装置、及びこれを用いた堆積方法を提供すること。
【解決手段】高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるための原子層堆積方法は、40:1以上の高アスペクト比構造において、堆積と同時に入口のオーバーハング(Overhang)を除去するだけでなく、ボトムアップ(Bottom-up)堆積を向上させることで、ボイド(Void)とシーム(シーム)が除去されるようにギャップ充填(Gap-filling)を行うことができる効果がある。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応チャンバにギャップが形成された基板を投入する第1のステップと、
前記ギャップが形成された基板に前駆体ガスを投入して前記前駆体ガスを前記基板に吸着させる第2のステップと、
前記反応チャンバの内部にプロセスガスを供給し、ソースRF電力をパルス状又は非パルス状で印加して前記基板上部の反応空間にプラズマを生じ、バイアスRF電力をパルス状で印加する第3のステップと、
前記パルス状又は非パルス状のソースRF電力、及びパルス状のバイアスRF電力のオン・オフを制御する第4のステップと、を含む
ことを特徴とする高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるための原子層堆積方法。
【請求項2】
前記第2のステップと第3のステップとの間に、
チャンバのパージ(Purge)を行うステップをさらに含む
請求項1に記載の高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるための原子層堆積方法。
【請求項3】
前記第4のステップの後に、
チャンバのパージを行うステップをさらに含む
請求項1に記載の高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるための原子層堆積方法。
【請求項4】
前記第4のステップにおいて、
前記パルス状又は非パルス状のソースRF電力を同一の強度で継続的に印加し、パルス状のバイアスRF電力をオン・オフ状態で印加する
請求項1に記載の高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるための原子層堆積方法。
【請求項5】
前記パルス状のバイアスRF電力のオン・オフ時におけるパルスデューティ比(Duty ratio)は1%~100%である
請求項4に記載の高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるための原子層堆積方法。
【請求項6】
前記第4のステップにおいて、
前記パルス状又は非パルス状のソースRF電力を同一の強度で継続的に印加し、パルス状のバイアスRF電力を強度を調節して継続的に印加する
請求項1に記載の高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるための原子層堆積方法。
【請求項7】
前記第4のステップにおいて、
前記パルス状又は非パルス状のソースRF電力を強度を調節して継続的に印加し、パルス状のバイアスRF電力を強度を調節して継続的に印加する
請求項1に記載の高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるための原子層堆積方法。
【請求項8】
前記第4のステップにおいて、
前記パルス状又は非パルス状のソースRF電力をオン・オフ状態で印加し、パルス状のバイアスRF電力をオン・オフ状態で印加する
請求項1に記載の高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるための原子層堆積方法。
【請求項9】
前記第4のステップにおいて、
前記パルス状又は非パルス状のソースRF電力とパルス状のバイアスRF電力が同時に印加され同時に遮断される
請求項8に記載の高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるための原子層堆積方法。
【請求項10】
前記第4のステップにおいて、
前記パルス状又は非パルス状のソースRF電力が印加される際は、パルス状のバイアスRF電力が遮断され、前記パルス状のソースRF電力が遮断される際は、パルス状のバイアスRF電力が印加される
請求項8に記載の高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるための原子層堆積方法。
【請求項11】
前記第3のステップにおいて、
前記バイアスRF電力は、5W~500Wが印加される
請求項1に記載の高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるための原子層堆積方法。
【請求項12】
前記第4のステップにおいて、
前記ギャップの内部に堆積用プロセスガスによる堆積物が充填される場合、前記パルス状のソースRF電力及び前記パルス状のバイアスRF電力の印加を停止する
請求項1に記載の高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるための原子層堆積方法。
【請求項13】
前記第3のステップにおいて、
バイアスRF電力に加えて、追加の電源装置をさらに含んで電力を印加する
請求項1に記載の高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるための原子層堆積方法。
【請求項14】
前記高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるための原子層堆積方法は、0℃~500℃の温度で行われる 請求項1に記載の高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるための原子層堆積方法。
【請求項15】
一定の反応空間を形成する反応チャンバと、
前記反応チャンバの内部に設けられ、基板が置かれる基板載置台と、
前記基板載置台の上部に前駆体及びプロセスガスを噴射するガス噴射部と、
前記反応チャンバの上部に設けられ、ガス噴射部と接続されるソース用RFプラズマ発生部と、
前記反応チャンバの下部に設けられ、基板載置台と接続され、バイアスRF電力を供給するバイアスRF電源部と、
前記ソース用RFプラズマ発生部のソースRF電力と前記バイアスRF電源部のバイアスRF電力のオン・オフを制御する制御部と、を含む
ことを特徴とする高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるための原子層堆積装置。
【請求項16】
前記ソース用RFプラズマ発生部は、
プラズマ発生源にインピーダンス整合されたRF電力を供給するRF電源と、
ガス供給部と前記RF電源との間に接続されるパルスRFと、を含む
請求項15に記載の高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるための原子層堆積装置。
【請求項17】
前記バイアスRF電源部は、
基板載置台にインピーダンス整合されたバイアスRF電力を供給するバイアスRF電源と、
前記基板載置台と前記バイアスRF電源との間に接続されるパルスRFと、を含む
請求項15に記載の高アスペクト比の半導体構造物のギャップに絶縁層を形成する装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるための原子層堆積装置に関し、さらに詳しくは、パルス状のソースRF電力、及びパルス状のバイアスRF電力のオン・オフを制御して高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるための原子層堆積方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高性能、高容量の半導体素子の要求に応じて、その構造は2Dから3の(d)に変わり、素子のサイズは減少し、素子の高さはさらに高くなっている。
【0003】
これによって、パターン構造は、高アスペクト比(High Aspect Ratio)の構造を有するようになった。高アスペクト比構造において、トランジスターアレイ(Transistor Array)であるセルとセルを分離させるための分離工程はさらに重要になっている。
【0004】
前記分離工程には、優れた誘電体(Dielectric)特性を有する二酸化ケイ素(Silicon Dioxide;SiO)物質が用いられており、高アスペクト比構造を埋めている。これをギャップ充填(Gap-Filling)工程という。
【0005】
しかし、従来の方法によって高アスペクト比構造をギャップ充填するとき、構造の内部にボイド(Void)又はシーム(Seam)が発生する可能性があり、これは素子性能を低下させる欠陥の原因になる。このような、ボイドとシームの発生は、高アスペクト比構造の入口でのオーバーハング(Overhang)によって引き起こされることが知られている。
【0006】
従来、高アスペクト比構造のギャップ充填のために様々な技術が知られている。液体源(Liquid Source)を用いるスピンコート(Spin-Coating)法、前駆体の流動性特性を用いた流動性堆積(Flowable Deposition;F-CVD)、原子層堆積方式(ALD)がある。このとき、原子層堆積方式は、熱処理(Thermal)方式とプラズマ(Plasma)を用いた方式がある。
【0007】
このとき、スピンコート法は、液体源をウエハ表面に堆積した後、優れた誘電体(Dielectric)特性を有する酸化ケイ素(SiO)を得るためには、後続に800℃以上の高温蒸気熱処理工程が必要である。このような高温熱処理工程は、3の(d)の高アスペクト比構造における素子性能の低下を引き起こす。
【0008】
また、F-CVD法は、流体前駆体を用いてギャップ充填を行った後、後続の硬化(Curing)工程を通じて優れた誘電体特性を有する酸化ケイ素(SiO)に変える。このとき、硬化工程には、700℃以上の高温熱処理工程が必要であり、これは素子性能の低下を引き起こす。
【0009】
また、ALDは、原子層堆積方式を用いており、原子層堆積方式にはサーマル原子層堆積(Thermal ALD)とプラズマ強化原子層堆積(Plasma Enhanced ALD;PE-ALD)がある。サーマル法は、同様に高温の工程が求められ、プラズマ強化法の場合は、比較的低温の工程が可能であるが、高アスペクト比の入口でオーバーハングが生じるという問題がある。
【0010】
これは、構造の内部のボイド又はシームを生じ、オーバーハングの原因は、構造のボトム(Bottom)又は側面(Side-wall)よりも入口での堆積率が速いため発生する。
【0011】
このとき、前記堆積率が速い理由は、反応(Reaction)に用いられるイオン(Ion)とラジカル(Radical)などの反応種の濃度が高いためである。このようなオーバーハング問題を解決するために、堆積-エッチング-堆積を繰り返すさらなる工程が求められ、これによる低い処理量は低い生産性の原因となっている。
従って、高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるために依然として多くの課題が残っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明が達成しようとする技術的課題は、高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるための原子層堆積装置、及びその製造方法を提供することである。
【0013】
本発明が達成しようとする技術的課題は、上述の技術的課題に制限されず、言及されていないまた他の技術的課題は、以下の記載から本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解される。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記技術的課題を達成するために、本発明の一実施例は、高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるための原子層堆積方法を提供する。
【0015】
本発明の一実施例による前記高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるための原子層堆積方法は、反応チャンバに高アスペクト比構造が形成された基板を投入する第1のステップと、
前記高アスペクト比構造が形成された基板に前駆体ガスを投入して前記前駆体ガスを前記基板に吸着させる第2のステップと、
前記反応チャンバの内部にプロセスガスを供給し、ソースRF電力をパルス状又は非パルス状で印加して前記基板上部の反応空間にプラズマを生じ、バイアスRF電力をパルス状で印加する第3のステップと、
前記パルス状又は非パルス状のソースRF電力、及びパルス状のバイアスRF電力のオン・オフを制御する第4のステップと、を含んでもよい。
【0016】
また、本発明の一実施例によると、前記第2のステップと第3のステップとの間に、パージ(Purge)を行うステップをさらに含んでもよい。
【0017】
また、本発明の一実施例によると、前記第4のステップにおいて、前記パルス状又は非パルス状のソースRF電力を同一の電力で継続的に印加し、パルス状のバイアスRF電力をオン・オフ状態で印加してもよい。
【0018】
また、本発明の一実施例によると、請求項3において、前記パルス状のバイアスRF電力のオン・オフ時におけるパルスデューティ比(Duty ratio)は、1%~100%であってもよい。また、パルス周波数(Pulse frequency)の場合、500Hz~50kHzであってもよい。
【0019】
また、本発明の一実施例によると、前記第4のステップにおいて、前記パルス状又は非パルス状のソースRF電力を同一の強度で継続的に印加し、パルス状のバイアスRF電力を強度を調節して継続的に印加してもよい。
【0020】
また、本発明の一実施例によると、前記第4のステップにおいて、前記パルス状又は非パルス状のソースRF電力を強度を調節して継続的に印加し、パルス状のバイアスRF電力を強度を調節して継続的に印加してもよい。
【0021】
また、本発明の一実施例によると、前記第4のステップにおいて、前記パルス状又は非パルス状のソースRF電力をオン・オフ状態で印加し、パルス状のバイアスRF電力をオン・オフ状態で印加してもよい。
【0022】
また、本発明の一実施例によると、前記第4のステップにおいて、前記パルス状又は非パルス状のソースRF電力とパルス状のバイアスRF電力が同時に印加されてもよく、同時に遮断されてもよい。
【0023】
また、本発明の一実施例によると、前記第4のステップにおいて、前記パルス状又は非パルス状のソースRF電力が印加される際は、パルス状のバイアスRF電力が遮断され、前記パルス状のソースRF電力が遮断される際は、パルス状のバイアスRF電力が印加されてもよい。
【0024】
また、本発明の一実施例によると、前記バイアスRF電力は、プロセス装置によって5W~500Wが印加されてもよい。
【0025】
また、本発明の一実施例によると、前記第4のステップにおいて、高アスペクト比構造の内部に堆積用プロセスガスによる堆積物が充填される場合、前記パルス状のソースRF電力及び前記パルス状のバイアスRF電力の印加を停止してもよい。
【0026】
また、本発明に一実施例によると、バイアスRF電力に加えて、追加の電源装置をさらに含んで電力を印加してもよい。
【0027】
また、本発明の一実施例によると、前記高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるための原子層堆積方法は0℃~500℃の温度で行われてもよい。
【0028】
上記技術的課題を達成するために、本発明の他の実施例は、高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるための原子層堆積装置を提供する。
【0029】
本発明の一実施例による前記高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるための原子層堆積装置は、一定の反応空間を形成する反応チャンバと、前記反応チャンバの内部に設けられ、基板が置かれる基板載置台と、前記基板載置台の上部に前駆体及びプロセスガスを噴射するガス噴射部と、前記反応チャンバの上部に設けられ、ガス噴射部と接続されるソース用RFプラズマ発生部と、前記反応チャンバの下部に設けられ、基板載置台と接続され、バイアスRF電力を供給するバイアスRF電源部と、前記ソース用RFプラズマ発生部のソースRF電力と前記バイアスRF電源部のバイアスRF電力のオン・オフを制御する制御部と、を含んでもよい。
【0030】
また、本発明の一実施例によると、前記ソース用RFプラズマ発生部は、プラズマ発生源にインピーダンス整合されたRF電力を供給するRF電源と、ガス供給部と前記RF電源との間に接続されるパルスRFと、を含んでもよい。
【0031】
また、本発明の一実施例によると、前記バイアスRF電源部は、基板載置台にインピーダンス整合されたバイアスRF電力を供給するバイアスRF電源と、前記基板載置台と前記バイアスRF電源との間に接続されるパルスRFと、を含んでもよい。
【発明の効果】
【0032】
本発明の一実施例による高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるための原子層堆積方法は、40:1以上の高アスペクト比構造において、堆積と同時に入口のオーバーハングを除去するだけでなく、ボトムアップ(Bottom-up)堆積を向上させることでボイドとシームが除去されるようにギャップ充填を行うことができる効果がある。
【0033】
従って、別途の熱処理工程を省略可能であり、堆積-エッチング-堆積のような複雑な工程が必要でないため、半導体素子の製造における生産効率を向上させることができる。
【0034】
また、従来のALD法ではギャップ充填が困難であったネガティブボウ構造(Negative Bow Profile)を有する高アスペクト比構造でも、ボイドとシームが除去されるようにギャップ充填が可能である。よって、様々な構造が求められいる次世代装置にも本発明を適用することができる。
【0035】
また、本発明はこのようなオーバーハングを除去するためにバイアス電力(Bias Power)を用い、前記バイアス電力はパルス状になることを特徴とする。
【0036】
前記バイアスのパルス化により、高アスペクト比構造の入口でオーバーハングを効果的に除去するだけでなく、構造の内部のボイドとシームを除去することができ、構造のボトムから上に向かって堆積することができる、ボトムアップ工程が可能であるという効果がある。
【0037】
本発明の効果は上記の効果に限定されるものでなく、本発明の詳細な説明又は特許請求の範囲に記載された発明の構成から推論可能な全ての効果を含む。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本発明の一実施例による高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるための原子層堆積方法を示すフローチャートである。
図2】本発明の一実施例による高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるための原子層堆積装置を示す模式図である。
図3】本発明の一実施例による高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるための原子層堆積方法によって堆積された結果を示す模式図である。
図4】実験例1の結果を示すSEM画像である。
図5】実験例2の結果を示すSEM画像である。
図6】実施例1の結果を示すグラフである。
図7】実施例2の結果を示すグラフである。
図8】実施例3の結果を示すグラフである。
図9】実施例4の結果を示すグラフである。
図10】実施例5の結果を示すグラフである。
図11】実施例6の結果を示すグラフである。
図12】実施例7の結果を示すグラフである。
図13】実施例8の結果を示すグラフである。
図14】実施例9の結果を示すグラフである。
図15】実施例10の結果を示すグラフである。
図16】実施例11の結果を示すグラフである。
図17】実施例12の結果を示すグラフである。
図18】実施例13の結果を示すグラフである。
図19】実施例14の結果を示すグラフである。
図20】実施例15の結果を示すグラフである。
図21】実施例16の結果を示すグラフである。
図22】実施例17の結果を示すグラフである。
図23】実施例18の結果を示すグラフである。
図24】実施例19の結果を示すグラフである。
図25】実施例20の結果を示すグラフである。
図26】実施例21の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、添付の図面を参照して本発明を説明する。しかし、本発明は様々な異なる形態で実施されてもよく、従って、本明細書で説明する実施例に限定されるものではない。また、本発明を図面で明確に説明するために、説明に関係のない部分は省略し、明細書全体を通じて同様の部分には同様の図面符号を付す。
明細書全体において、ある部分が他の部分と「連結(接続、接触、結合)」されているというとき、これは「直接的に連結」されている場合だけでなく、それらの間にまた他の部材を置いて「間接的に連結」されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」というとき、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外することを意味するのでなく、他の構成要素をさらに備えることができるということを意味する。
本明細書で使用した用語は、単に特定の実施例を説明するために使用され、本発明を限定することを意図するものでない。単数の表現は、文脈上明らかに別段の指示がない限り、複数の表現を含む。本明細書で、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、1つ又はそれ以上の他の特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものなどの存在又は付加の可能性を予め排除するものでない。
【0040】
以下、添付の図面を参考して本発明の実施例を詳しく説明する。
本発明の一実施例による高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるための原子層堆積方法を説明する。
図1及び図3を参照して、高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるための原子層堆積方法を説明する。
図1は、本発明の一実施例による高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるための原子層堆積方法を示すフローチャートである。
【0041】
図1を参照すると、本発明の一実施例による高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるための原子層堆積方法は、反応チャンバに高アスペクト比構造のギャップが形成された基板を投入する第1のステップ(S100)と、前記ギャップが形成された基板に前駆体ガスを投入して前記前駆体ガスを前記基板に吸着させる第2のステップ(S200)と、前記反応チャンバの内部にプロセスガスを供給し、ソースRF電力をパルス状又は非パルス状で印加して前記基板上部の反応空間にプラズマを生じ、バイアスRF電力をパルス状で印加する第3のステップ(S300)と、前記パルス状又は非パルス状のソースRF電力、及びパルス状のバイアスRF電力のオン・オフを制御する第4のステップ(S400)と、を含んでもよい。
【0042】
このとき、ギャップが埋められるまで定まれたALD Cycle工程を繰り返してもよい。
また、第2のステップと第3のステップとの間に、チャンバのパージ(Purge)を行うステップをさらに含んでもよい。
また、第4のステップの後に、前駆体ガスが吸着された表面とプラズマ反応を完了し、チャンバをパージするステップをさらに含んでもよい。
【0043】
原子層堆積法(atomic layer deposition:ALD)とは、単一原子層が化学的に付着する現象を用いたナノ薄膜堆積技術であり、基板上に酸化物又は金属薄膜を原子層の単位で堆積できるため、相対的に薄ら厚さで原子の構成を変化させて積層することができる特徴を有する。
【0044】
ALD工程では、基板の表面環境を段階的に調節することで、自己飽和した単位原子膜原料を形成し、その表面で反応が行われる。自己飽和した原料の形成という特性によって、ALDによると、原子単位の厚さ調節が可能であり、原料前駆体の表面移動によって複雑な形状の表面を形成する場合でも均質な(conformal)薄膜の堆積を可能とする。また、ALDでは、気相反応(gas phase reaction)を最小化するため、粒子の形成を最小化することができ、堆積される薄膜の密度が高く、堆積温度が低下するという長所がある。
一番目のステップにおいて、反応チャンバにギャップが形成された基板を投入する第1のステップを含んでもよい。(S100)
【0045】
本発明は、前記基板のパターンのアスペクト比(Aspect ratio)が40:1のものを例としたが、これに限定されず、30:1~50:1の高いアスペクト比にも十分に適用することができる。
【0046】
また、本発明は、10nm~200nmサイズのナノメートルレベルのパターンのギャップが形成された基板のギャップを埋めることができることを特徴とし、10nm~200nmのサイズを逸脱したギャップの場合にも制限なく適用可能である。
【0047】
二番目のステップにおいて、前記ギャップが形成された基板に前駆体ガスを投入して前記前駆体ガスを前記基板に吸着させる第2のステップを含んでもよい。(S200)
【0048】
本発明で投入される前駆体ガスは、Silane、TEOS、DIPAS、BDEAS、TDMAS、DCS、BTBAS、3の(d)MAS、TSA、NPS、DSBAS、PCDS又はHCDSなどのSiが含まれたSi前駆体群より選択された1つ以上を含んでもよく、堆積しようとする物質層の種類によって変わるため、上述した例に限定されない。
【0049】
例えば、前記前駆体はDIPASであってもよい。前駆体がDIPASの場合、原子層堆積法によってO、NO、NO、HOのように酸素が含まれて構成された反応ガス(gas)群より選択された1つ以上が含まれる場合、SiO薄膜を形成することができる。
【0050】
また、例えば、タングステン(W)とチタン(Ti)のような金属系の前駆体、又はハフニウム(Hf)など誘電体系の前駆体が含まれた前駆体ガスを含んでもよい。
【0051】
前記前駆体が金属粉末の表面に原子層として堆積されると、自己制限的反応(Self-limiting reaction)により前駆体が多く供給されてもこれ以上反応しなくなる。
また、前記前駆体が吸着された後、不活性ガスを注入して未吸着の前駆体を排出するパージ(purge)ステップを含んでもよい。
前記不活性ガスは、アルゴン(Ar)、窒素(N)、ヘリウム(He)などのガスであってもよいが、これらに制限されない。
例えば、前記不活性ガスは、アルゴン(Ar)であってもよい。
前記アルゴンガスは、例えば、10秒間30sccmの速度で注入されてもよい。
前記不活性ガスを用いてパージを行うことで、化学吸着していない前駆体物質を除去してもよい。
【0052】
三番目のステップにおいて、前記反応チャンバの内部にプロセスガスを供給し、ソースRF電力をパルス状又は非パルス状で印加して前記基板上部の反応空間にプラズマを生じ、バイアスRF電力をパルス状で印加する第3のステップを含んでもよい(S300)。
前記プロセスガス(Process gas)は、堆積しようとする物質層の種類によって変わり得る。
【0053】
例えば、本発明の工程に用いられるプロセスガスの例として、酸化膜(SiO film)工程のプロセスガスは、O、NO、NO、HOのように酸素が含まれて構成されたガス群より選択された1つ以上を含んでもよいが、酸素を含んで酸化膜を形成できる特性を有する物質であればいずれも使用可能である。
【0054】
また、窒化膜(SixNy)工程のプロセスガスは、N、NO、NO、NH、のように窒素が含まれて構成されたガス群より選択された1つ以上を含んでもよいが、窒素を含んで窒化膜を形成できる特性を有する物質であればいずれも使用可能である。
従って、プロセスガスは、堆積しようとする物質層の種類によって変わるので、上述した例に限定されない。
【0055】
このとき、本発明はSi系前駆体を用いた工程である場合は、前記プロセスガスはO又はNHであってもよく、プロセスガスがOの場合は、原子層堆積法によってSiO薄膜を形成してもよく、プロセスガスがNHの場合は、原子層堆積法によってSi薄膜を形成してもよい。
また、場合によっては、混合ガスの効果を示すことができる他の元素が含まれてもよい。
【0056】
例えば、Si系前駆体を用いた工程である場合は、SiONのような薄膜を堆積するとき、O、NO、NO、HOのように酸素が含まれて構成されたガス群より選択された1つ以上を含んでもよく、同時に、窒素が含まれたNH、N、NO、NOのようなガスが含まれて混合又は添加されてもよい。
【0057】
また、プラズマの発生に寄与する補助的な役割として、He、Ne、Ar、Kr、Xeなどのような非活性ガスが含まれてもよい。このような非活性ガスは、スパッタリング(Sputtering)効果を伴うことによって、その効果を補助することもできる。
【0058】
このとき、本発明の一実施例によるソースRF電力は、パルス状又は非パルス状で印加することができ、前記基板上部の反応空間にプラズマを発生することを特徴とする。
【0059】
また、前記ソースRF電力は、プラズマを発生するRF電力(Source)と、供給されたRFを介して負のDC(Negative DC)を発生できるRF電力(Bias)とから構成された装備によって印加されてもよい。
【0060】
このとき、RF電力は、容量結合プラズマ(Capacitively Coupled Plasma、CCP)、誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma、ICP)の形態であってもよく、その他プラズマを発生できるマイクロ波プラズマ(Microwave Plasma)、ECRプラズマ形態のプラズマ源も可能である。
このとき、前記CCP形態の場合、RF電力がRF電力のような電極に電源装置が接続された形態であってもよい。
【0061】
また、前記RF電力は、このように様々なプラズマ発生構造からなってもよく、パルス状で印加するプラズマ(Pulsed Plasma)の形態も含むなど、限定されない。
また、本発明は、ソースRF電力を印加する同時にバイアス(Bias)電力を印加してもよい。
前記パルス状のバイアス電力は、基板に直接接続されて供給されてもよい。
【0062】
このとき、前記バイアス電力をパルス化(Pulsing)することで、パルスが遮断されている(Pulse Off)間、電荷の蓄積(Charging)の減少によって反応性イオンを高アスペクト比構造の内部に深く効率的に供給することができる。
【0063】
また、前記パルス化によってラジカル反応種の拡散が増大し、これによって、高アスペクト比構造の入口(Opening)と内部のボトムとの堆積率の差を減少させることで、オーバーハングの発生を防止することができる。
【0064】
また、バイアス(Biasing)の効果によって、高アスペクト比の入口は、スパッタリングされ、入口の拡大(Enlargement)を一定に維持することができる。
これにより、高アスペクト比構造のボトムから堆積が行われる、ボトムアップ堆積が(Bottom-Up Deposition)が可能となる。
【0065】
このとき、前記RFパワー(Source)の周波数(frequency)と、前記RFパワー(Bias)の周波数は、400kHz~300MHzであってもよく、各プラズマを形成する役割とバイアスを形成する役割を行うものであれば、その周波数は制限されない。
【0066】
ただし、例えば、プラズマを形成する役割をするRFパワー(Source)の周波数は、CCP形態の場合、13.56MHz、27.12MHz、60MHz、100MHzの相対的に高い周波数が好ましい場合があり、RFパワー(Bias)の周波数は、400kHz、2MHz、13.56MHzの相対的に低い周波数が好ましい場合がある。
【0067】
また、本発明はソース及びバイアス電源装置に加えて、他の追加のパルス状の電源装置を組み合わせてもよく、これはRF電源装置を制限することなく、プラズマの状態を変えることができる、関連する電源装置と組み合わせて効果を示すことができることを特徴とする。
【0068】
四番目のステップにおいて、前記パルス状又は非パルス状のソースRF電力、及びパルス状のバイアスRF電力のオン・オフを制御する第4のステップを含んでもよい。(S400)
【0069】
本発明は、前記パルス状又は非パルス状のソースRF電力、及びパルス状のバイアスRF電力のオン・オフ状態を制御して様々なパルス化手法を提案することができる。
【0070】
例えば、パルス状又は非パルス状のソースRF電力を同一の強度で継続的に印加し、パルス状のバイアスRF電力をオン・オフ状態で印加し、前記パルス状のソースRF電力が遮断される場合、パルス状のバイアスRF電力も同時に遮断されるか、又は同時に遮断されなくてもよい。
【0071】
また、パルス状又は非パルス状のソースRF電力をオン・オフ状態で印加し、パルス状のバイアスRF電力をオン・オフ状態で印加して前記パルス状のソースRF電力が遮断される場合、パルス状のバイアスRF電力も同時に遮断されるか、又は同時に遮断されなくてもよい。
【0072】
また、本発明の一実施例によると、バイアスRF電力に加えて、追加のパワーを印加してソースRF電力又はバイアスRF電力と周波数が異なる、その異なる周波数の効果を同時に得ることができる電源装置をさらに含んで電力を印加してもよい。
前記追加の電源装置は、RF周波数によって制限されず、その効果があるのでれば、DC電力やAC電力が含まれてもよい。
【0073】
また、ソース及びバイアス電源装置に加え、他の追加の電源装置を組み合わせた場合、それぞれの電源装置の印加及び遮断を調節したパルス化手法が適用されてもよい。
【0074】
このとき、前記パルス化を行う場合、電源のOff段階で完全に電源をオフにするのではなく、低いパワーを供給することも含まれ、その効果と共に組み合わせてもよい。
上述した例は、実施例1から実施例21に詳しく示されており、様々な高度なパルス化(Advanced Pulsing)手法と共に組み合わせてもよい。
図3は、本発明の一実施例による高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるための原子層堆積方法によって堆積された結果を示す模式図である。
【0075】
上記図3の(a)は、高アスペクト比の半導体構造物に堆積が行われていない状態であり、図3の(b)は、高アスペクト比の半導体構造物にALD法によってソースRF電力が印加された状態を示し、図3の(c)は、高アスペクト比の半導体構造物にALD法によってバイアスRF電力が印加された状態を示し、図3の(d)は、高アスペクト比の半導体構造物にALD法によって高いバイアスRF電力が印加された状態を示し、図3の(e)は、高アスペクト比の半導体構造物にALD法によってパルス状のバイアスRF電力が印加された状態を示す。
【0076】
上記図3を参照すると、パルス状のバイアスRF電力が印加される際に、ボイド、シーム、及びオーバーハングが形成されず、内部のギャップが埋められたことを確認することができる。
【0077】
これによって、本発明の一実施例による高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるための原子層堆積方法は、40:1以上の高アスペクト比構造において、堆積と同時に入口のオーバーハングを除去するだけでなく、ボトムアップ堆積を向上させることで、ボイド及びシームが除去されるようにギャップ充填を行うことができるという効果がある。
【0078】
本発明の他の実施例による高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるための原子層堆積装置を説明する。
図2は、本発明の一実施例による高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるための原子層堆積装置を示す模式図である。
【0079】
図2を参照すると、本発明の一実施例による高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるための原子層堆積装置は、一定の反応空間を形成する反応チャンバ100と、前記反応チャンバの内部に設けられ、基板が置かれる基板載置台110と、前記基板載置台の上部に前駆体及びプロセスガスを噴射するガス噴射部200と、前記反応チャンバの上部に設けられ、ガス噴射部と接続されるソース用RFプラズマ発生部300と、前記反応チャンバの下部に設けられ、基板載置台と接続され、バイアスRF電力を供給するバイアスRF電源部400と、前記ソース用RFプラズマ発生部のソースRF電力と前記バイアスRF電源部のバイアスRF電力のオン・オフを制御する制御部500と、を含んでもよい。
【0080】
このとき、前記ソース用RFプラズマ発生部は、前記プラズマ発生源にインピーダンス整合されたRF電力を供給するRF電源と、ガス供給部と前記RF電源との間に接続されるパルスRFと、を含んでもよい。
【0081】
本発明の一実施例によるALD装置は、基板載置台に接続するバイアスRF電源部と前記バイアス用マッチング回路との間にバイアスRF電源から供給される信号を受けてパルス(Pulse)に変化させるパルスRFが設けられることを特徴とする。
【0082】
このとき、前記バイアスRF電源部は、基板載置台にインピーダンス整合されたバイアスRF電力を供給するバイアスRF電源と、前記基板載置台と前記バイアスRF電源との間に接続されるパルスRFと、を含んでもよい。
【0083】
本発明の実施例による原子層堆積装置は、基板載置台に接続するバイアスRF電源とバイアス用マッチング回路との間にバイアスRF電源から供給される信号を受けてパルスに変化させるパルスRFが設けられている。
このようにパルスRFを設けると、バイアスRF電源から出力されるRF電力がパルスに変換され、バイアスマッチング回路を経て基板載置台に印加される。
前記基板載置台に印加されるバイアスRF電力がパルスRFによって周期的にバイアスRFオン(On)状態又はバイアスRFオフ(Off)状態になる。
【0084】
このとき、バイアスRFオン(On)状態では、イオンが瞬間的に加速されて基板wに入射するイオンの量が増加し、バイアスRFオフ状態では、イオンが加速されず基板wに加速されるイオンの量がほとんどなくなる。
【0085】
バイアスRFオン状態では、基板wのギャップ内部と開口部に加速度の高いイオンが入射して堆積が活発に行われ、これはギャップ内部の圧力を増加し、ギャップ内部に入射するイオンの数を減少させる。
【0086】
一方、バイアスRFオフ状態では、基板wに加速されるイオンの量がほとんどなく、ギャップ開口部の圧力が低くなるため、ギャップ内部の副産物が外部に排出される。
【0087】
以下、製造例及び実験例を通じて本発明をさらに詳しく説明する。これらの製造例及び実験例は単に本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲がこれらの製造例及び実験例によって限定されるものでない。
製造例1:高アスペクト比の半導体構造物のギャップを埋めるための原子層堆積方法によるギャップが埋められた高アスペクト比の半導体素子の製造[図5
まず、60nm、100nmのギャップを有するパターンが形成された半導体基板を反応チャンバに投入した。
【0088】
次いで、前記ギャップが形成された半導体基板にDIPAS前駆体ガスを、チャンバ圧力2Torr、基板温度200℃の条件で1秒間投入して前記前駆体ガスを前記基板に吸着させた。
次いで、未吸着の前駆体を排出するパージを5秒間行った。
【0089】
次いで、前記反応チャンバの内部にArガスとOガス物質で構成されたプロセスガスをそれぞれ流量500sccmの速度で供給し、ソースRF電力が1000Wである60MHz RF電力で上部電極に電源を供給して反応空間にプラズマを生じ、バイアスRF電力が40Wである400kHz RF電力で下部電極にパルス状で電源を印加した。
【0090】
このとき、前記パルス状のバイアスRF電力のオン・オフの具体的な制御方法は、下記[実験例2]で詳しく後述する。
次いで、未吸着の前駆体を排出するパージを5秒間行った。
【0091】
このような1サイクルの形で工程を行い、特にソースRF電力及びパルス状のバイアスRF電力のオン・オフを制御してギャップが埋められた高アスペクト比の半導体素子製造した。
【0092】
製造例2
上記製造例1より応用したものであり、追加のパルスRF電源装置をさらに含み、バイアスパルス電力に基づくその他RF制御方式を応用して、その効果が組み合わせられた状態で改善した工程を提示できることを、下記の実施例1から実施例21に示す。
【0093】
実施例1
図6は、実施例1の結果を示すグラフである。
【0094】
上記図6を参照すると、パルス状のソースRF電力を、プラズマを発生する役割として-50Vの一定の電力で同一に継続的に印加し、パルス状のバイアスRF電力を、バイアスを形成できる強度でオン・オフ時におけるパルスデューティ比が1%~100%になるようにして印加した。
前記パルスデューティ比は、パルス作動時間(Pulse On Time)/全体作動時間(Total Time)を意味する。
【0095】
実施例2
図7は、実施例2の結果を示すグラフである。
【0096】
上記図7を参照すると、前記パルス状のソースRF電力を、プラズマを発生する役割として一定の強度で同一に継続的に印加し、パルス状のバイアスRF電力を継続的に印加するが、バイアスを形成できる-50Vの強度からバイアスを形成できる-50V以下の強度に電力を繰り返して調節した。
【0097】
実施例3
図8は、実施例3の結果を示すグラフである。
【0098】
上記図8を参照すると、前記パルス状のソースRF電力を、プラズマを発生する役割として一定の強度で同一に継続的に印加し、パルス状のバイアスRF電力を、バイアスを形成できる強度でオン・オフ時におけるパルスデューティ比が1%~100%になるようにして印加し、追加のRF電源装置を追加の周波数による効果を示すことができる強度で同一に継続的に印加した。
【0099】
実施例4
図9は、実施例4の結果を示すグラフである。
【0100】
上記図9を参照すると、前記パルス状のソースRF電力を、プラズマを発生する役割として一定の強度で同一に継続的に印加し、パルス状のバイアスRF電力を継続的に印加するが、バイアスを形成できる-50Vの強度からバイアスを形成できる-50V以下の強度に電力を繰り返して調節し、追加のRF電源装置を追加の周波数による効果を示すことができる強度で同一に継続的に印加した。
【0101】
実施例5
図10は、実施例5の結果を示すグラフである。
【0102】
上記図10を参照すると、前記パルス状のソースRF電力を、プラズマを発生する役割として-50Vの一定の電力の強度でオン・オフ時におけるパルスデューティ比を1%~100%にして印加し、パルス状のバイアスRF電力を、バイアスを形成できる-50Vの強度でオン・オフ時におけるパルスデューティ比が1%~100%になるように同時に印加した。
このとき、前記パルス状のソースRF電力とパルス状のバイアスRF電力が同時に印加され同時に遮断された。
【0103】
実施例6
図11は、実施例6の結果を示すグラフである。
【0104】
上記図11を参照すると、前記パルス状のソースRF電力を、プラズマを発生する役割として-50Vの一定の電力の強度で同一に継続的に印加するが、ソースを形成できる-50Vの高い強度からソースを形成できる-50V以下の強度に電力を繰り返して調節し、パルス状のバイアスRF電力を継続的に印加するが、バイアスを形成できる-50Vの高い強度からバイアスを形成できる-50V以下の低い強度に電力を繰り返して調節した。
このとき、前記パルス状のソースRF電力とパルス状のバイアスRF電力は、同時に高い電力が印加され、同時に低い電力が印加された。
【0105】
実施例7
図12は、実施例7の結果を示すグラフである。
【0106】
上記図12を参照すると、前記パルス状のソースRF電力を、プラズマを発生する役割として-50Vの一定の電力の強度でオン・オフ時におけるパルスデューティ比が1%~100%になるようにし、パルス状のバイアスRF電力を、プラズマを発生する役割として-50Vの一定の電力の強度でオン・オフ時におけるパルスデューティ比が1%~100%になるようにして印加し、追加のプラズマ電力のパルスRF電源装置を、プラズマを発生する役割として-50Vの一定の電力の強度でオン・オフ時におけるパルスデューティ比が1%~100%になるようにして印加した。
前記パルス状のソースRF電力とパルス状のバイアスRF電力、追加のパルスRF電源装置が同時に印加され同時に遮断された。
【0107】
実施例8
図13は、実施例8の結果を示すグラフである。
【0108】
上記図9を参照すると、前記パルス状のソースRF電力を、プラズマを発生する役割として-50Vの一定の電力の強度で同一に継続的に印加するが、ソースを形成できる-50Vの強度からソースを形成できる-50Vの以下の強度に電力を繰り返して調節し、パルス状のバイアスRF電力を継続的に印加するが、バイアスを形成できる-50Vの強度からバイアスを形成できる-50V以下の強度に電力を調節し、追加のプラズマ電力のパルスRF電源装置を、プラズマを発生する役割として-50Vの一定の電力の強度で繰り返して調節して印加した。
前記パルス状のソースRF電力とパルス状のバイアスRF電力、追加のパルスRF電源装置は、同時に高い電力が印加され、同時に低い電力が印加された。
【0109】
実施例9
図14は、実施例9の結果を示すグラフである。
【0110】
上記図14を参照すると、前記パルス状のソースRF電力を、プラズマを発生する役割として-50Vの一定の電力の強度でオン・オフ時におけるパルスデューティ比が1%~100%になるようにし、パルス状のバイアスRF電力を、プラズマを発生する役割として-50Vの一定の電力の強度でオン・オフ時におけるパルスデューティ比が1%~100%になるようにして印加した。
【0111】
前記パルス状のソースRF電力が印加される際は、パルス状のバイアスRF電力が遮断され、前記パルス状のソースRF電力が遮断される際は、パルス状のバイアスRF電力が印加された。
【0112】
実施例10
図15は、実施例10の結果を示すグラフである。
【0113】
上記図15を参照すると、前記パルス状のソースRF電力を、プラズマを発生する役割として-50Vの一定の電力の強度で同一に継続的に印加するが、ソースを形成できる-50Vの強度からソースを形成できる-50V以下の低い強度に電力を繰り返して調節し、パルス状のバイアスRF電力を継続的に印加するが、バイアスを形成できる高い強度からバイアスを形成できる低い強度に電力を調節し、追加のプラズマ電力のパルスRF電源装置を、プラズマを発生する役割として一定の電力の強度で繰り返して調節して印加した。
【0114】
前記パルス状のソースRF電力が高い強度で印加される際は、前記パルス状のソースRF電力が低い強度で印加され、パルス状のソースRF電力が低い強度で印加される際は、前記パルス状のソースRF電力が高い強度で印加された。
【0115】
実施例11
図16は、実施例11の結果を示すグラフである。
【0116】
上記図16を参照すると、前記パルス状のソースRF電力を、プラズマを発生する役割として-50Vの一定の電力の強度でオン・オフ時におけるパルスデューティ比が1%~100%になるようにし、パルス状のバイアスRF電力を、プラズマを発生する役割として-50Vの一定の電力の強度でオン・オフ時におけるパルスデューティ比が1%~100%になるようにして印加し、追加のパルスRF電源装置を追加の電力の役割として一定の電力の強度でオン・オフ時におけるパルスデューティ比が1%~100%になるようにして印加した。
このとき、各ソースRF電源装置、バイアスRF電源装置、追加のRF電源装置のデューティ比の合計は100%である。
【0117】
前記パルス状のソースRF電力が印加される際に、パルス状のバイアスRF電力及び追加のパルスRF電源装置が同時に遮断され、前記パルス状のバイアスRF電力が印加される際に、パルス状のソースRF電力及び追加のパルスRF電源装置が同時に遮断され、印加されて同時に遮断され、前記追加のパルスRF電源装置が印加される際に、パルス状のソースRF電力及びパルス状のバイアスRF電力が同時に遮断された。
【0118】
実施例12
図17は、実施例12の結果を示すグラフである。
【0119】
上記図17を参照すると、前記パルス状のソースRF電力を、プラズマを発生する役割として-50V電力の強度で同一に継続的に印加するが、ソースを形成できる-50Vの高い強度からソースを形成できる-50V以下の低い強度に電力を繰り返して調節し、パルス状のバイアスRF電力を継続的に印加するが、バイアスを形成できる-50Vの高い強度からバイアスを形成できる-50V以下の低い強度に電力を調節し、追加のパルスRF電源装置を追加のプラズマ電力のパルスRF電源装置を、追加の電力の役割として一定の電力の強度で継続的に印加するが、プラズマを形成できる-50Vの高い強度からプラズマを形成できる-50V以下の低い強度に電力を繰り返して調節した。
各ソース、バイアス、追加のRF電源装置の高い強度の電源装置がオンになった基準のデューティ比の合計は100%である。
【0120】
前記パルス状のソースRF電力が高い強度で印加される際に、パルス状のバイアスRF電力及び追加のパルスRF電源装置が低い強度で印加され、前記パルス状のバイアスRF電力が高い強度で印加される際に、パルス状のソースRF電力及び追加のパルスRF電源装置が低い強度で印加され、前記追加のパルスRF電源装置が高い強度で印加される際に、パルス状のソースRF電力及びパルス状のバイアスRF電力が低い強度で印加された。
【0121】
実施例13
図18は、実施例13の結果を示すグラフである。
【0122】
上記図18を参照すると、前記パルス状のソースRF電力を、プラズマを発生する役割として-50Vの一定の電力の強度でオン・オフ時におけるパルスデューティ比が1%~100%になるようにし、パルス状のバイアスRF電力を、プラズマを発生する役割として-50Vの一定の電力の強度でオン・オフ時におけるパルスデューティ比が1%~100%になるようにして印加した。
【0123】
前記パルス状のソースRF電力が印加される際に、パルス状のバイアスRF電力がパルスデューティ比のオン時間の1%~100%の時間だけ重なって印加された。
【0124】
実施例14
図19は、実施例14の結果を示すグラフである。
【0125】
上記図19を参照すると、前記パルス状のソースRF電力を、プラズマを発生する役割として-50Vの一定の電力の強度でオン・オフ時におけるパルスデューティ比が1%~100%になるようにし、パルス状のバイアスRF電力を、プラズマを発生する役割として-50Vの一定の電力の強度でオン・オフ時におけるパルスデューティ比が1%~100%になるようにして印加した。前記パルス状のソースRF電力及びパルス状のバイアスRF電力の両方は、パルスデューティ比中にOff-time-1(separation time)を有することができる。Separation timeは、ソースRF電力とパルス状のバイアスRF電力の両方がオフになる区間である。また、Off-time-2を有することができる。Off-time-2は、ソースRF電力とパルス状のバイアスRF電力の両方がオフになる区間である。
【0126】
実施例15
図20は、実施例15の結果を示すグラフである。
【0127】
上記図20を参照すると、前記パルス状のソースRF電力を、プラズマを発生する役割として-50Vの一定の電力の強度でオン・オフ時におけるパルスデューティ比を1%~100%にし、パルス状のバイアスRF電力を、プラズマを発生する役割として-50Vの一定の電力の強度でオン・オフ時におけるパルスデューティ比を1%~100%にして印加した。前記パルス状のソースRF電力が1%~99%まで先にオンになった後、バイアス電力パルスと一部の区間で重なり、また同時にオフになる。前記パルス状のソースRF電力が印加される際に、パルス状のバイアスRF電力がパルスデューティ比のオン開始時間の1%~100%の時間だけ重なって印加された。
【0128】
実施例16
図21は、実施例16の結果を示すグラフである。
【0129】
上記図21を参照すると、前記パルス状のソースRF電力を、プラズマを発生する役割として-50Vの一定の電力の強度でオン・オフ時におけるパルスデューティ比が1%~100%になるようにし、パルス状のバイアスRF電力を、プラズマを発生する役割として-50Vの一定の電力の強度でオン・オフ時におけるパルスデューティ比が1%~100%になるようにして印加した。前記パルス状のソースRF電力が印加される際に、パルス状のソースRF電力はバイアス電力がオフになった後にも1%~100%だけオンになることができる。このとき、上記実施例15と実施例16は、パルスデューティ比のオン時間が重ならない区間を除いては同一の実験条件で行われた。
【0130】
実施例17
図22は、実施例17の結果を示すグラフである。
【0131】
上記図22を参照すると、前記パルス状のソースRF電力を、プラズマを発生する役割として-50Vの一定の電力の強度でオン・オフ時におけるパルスデューティ比が1%~100%になるようにし、パルス状のバイアスRF電力を、プラズマを発生する役割として-50Vの一定の電力の強度でオン・オフ時におけるソースパルスデューティ比が1%~100%になるようにして印加した。前記パルス状のソースRF電力が印加される際に、パルス状のバイアスRF電力が1~99%先にオンになることができる。よって、一部の区間は、ソースRF電力のパルスとバイアスRF電力のパルスは重なり、また同時にオフになる。
【0132】
実施例18
図23は、実施例18の結果を示すグラフである。
【0133】
上記図23を参照すると、前記パルス状のソースRF電力を、プラズマを発生する役割として-50Vの一定の電力の強度でオン・オフ時におけるパルスデューティ比が1%~100%になるようにし、パルス状のバイアスRF電力を、プラズマを発生する役割として-50Vの一定の電力の強度でオン・オフ時におけるパルスデューティ比が1%~100%になるようにして印加した。前記パルス状のソースRF電力が印加される際に、パルス状のバイアスRF電力が、ソースRF電力のパルスが終わった後に1%~100%時間だけ独立してさらに印加された。このとき、上記実施例17と実施例18は、パルスデューティ比のオン時間が重ならない区間を除いては同一の実験条件で行われた。
【0134】
実施例19
図24は、実施例19の結果を示すグラフである。
【0135】
上記図6を参照すると、パルス状のソースRF電力を、プラズマを発生する役割として-50Vの一定の電力の強度で同一に継続的に印加し、パルス状のバイアスRF電力を、プラズマを発生する役割として-50Vの一定の電力の強度でオン・オフ時におけるパルスデューティ比が1%~100%になるようにして印加した。
【0136】
前記バイアスRF電力の動作強度は、パルス状のバイアスRF電力を継続的に印加するが、バイアスを形成できる-50Vの高い強度に電力を調節し(on-1)、バイアスを形成できる高い強度からバイアスを形成できる中間の強度に電力を調節し(on-2)、バイアスを形成できる中間の強度からバイアスを形成できる中間の電力強度よりも低い強度に電力を調節(on-3)した。
【0137】
実施例20
図25は、実施例20の結果を示すグラフである。
【0138】
上記図25を参照すると、前記パルス状のソースRF電力を、プラズマを発生する役割として-50Vの一定の電力の強度とパルス周波数13.56MHz~130MHzでオン・オフ時におけるパルスデューティ比が1%~100%になるようにし、パルス状のバイアスRF電力を、プラズマを発生する役割として-50Vの一定の電力の強度とパルス13.56MHz~130MHzでオン・オフ時におけるパルスデューティ比を1%~100%にして印加した。このとき、バイアスパルス周波数は、ソースパルス周波数よりも高くてもよい。
【0139】
実施例21
図26は、実施例21の結果を示すグラフである。
【0140】
上記図26を参照すると、前記パルス状のソースRF電力を、プラズマを発生する役割として-50Vの一定の電力の強度とパルス周波数13.56MHz~130MHzでオン・オフ時におけるパルスデューティ比を1%~100%にし、パルス状のバイアスRF電力を、プラズマを発生する役割として-50Vの一定の電力の強度と周波数13.56MHz~130MHzでオン・オフ時におけるパルスデューティ比が1%~100%になるようにして印加した。このとき、バイアスパルス周波数は、ソースパルス周波数よりもn倍以上高くてもよい。前記パルス状のソースRF電力が遮断されると、パルス状のバイアスRF電力も同時に遮断された。
【0141】
実験例1:バイアス電力強度によるALD 300 Cycleの実行結果
図4は、実験例1の結果を示すSEM画像である。
図4は、バイアス電力強度によるALDの活用を確認するためにALD 300 Cycleを行った結果のSEM画像である。
【0142】
上記図4の(a)及び図4の(b)の結果のように、実験の結果、バイアス電力なしでALDを行う場合、高アスペクト比構造の入口にオーバーハングが発生し、60nmのラインパターンでシームが発生したことを確認することができる。
【0143】
上記図4の(b)は、100nmのラインパターンでギャップ充填が行われているときの結果であり、入口でオーバーハングが発生したことを確認することができる。
上記図4(c)及び図4(d)の実験は、比較的低いバイアス電力強度である40Wのバイアスを加えてALDを行った結果である。
上記図4(c)のように、60nmのラインパターンでシームが発生したことを確認することができる。
図4(d)は、100nmのラインパターンでギャップ充填が不十分であり、オーバーハングが発生したことを確認することができる。
図4(c)及び図4(d)を参照すると、工程を500Cycle行う場合、それぞれ図5(g)、図5(h)の結果を示す。
結果として、60nmのラインでは非常に大きなシームが見られ、100nmのラインではボイドが見られることを確認することができる。
【0144】
また、図4(e)、図4(f)は、比較的高いバイアス電力である150Wバイアスを加えてALDを行った結果であり、オーバーハングが発生するだけでなく、高いバイアスによって、割れた入口側の物質が再堆積(Re-Deposition)され、上部のパターンを塞いで非常にひどいボイドが形成されたことを確認することができる。
【0145】
従って、上記実験例1を通じて、40W強度の比較的低いバイアス電力を印加することが好ましく、このように、バイアスがない場合よりもバイアスがある場合がギャップ充填に有利であることを確認した。
しかし、これに対する限界が確認されており、バイアスパルスを活用する追加の制御手段が必要である。
【0146】
また、150W強度の例のように、バイアスが高すぎる場合、高いバイアスによって、割れた入口側の物質が再堆積(Re-Deposition)現状により、バイアスの効果に対する限界があることが明らかである。
【0147】
実験例2:バイアスパルスのパルスデューティ比によるALDの実行結果
図5は、実験例2の結果を示すSEM画像である。
図5は、バイアスパルスのパルスデューティ比によるALDの活用の例を示す結果である。
【0148】
上記図5を参照すると、上記図5(a)ないし図5(f)は、バイアスパルスを用いることによって、図5(g)、図5(h)よりも向上したギャップ充填が行われたことを確認することができる。
【0149】
また、前記パルスデューティ比を低減する方向で、100nmのラインの図5(e)及び図5(f)は75%、図5(c)及び図5(d)は50%、図5(a)及び図5(b)は30%のパルスデューティ比であり、前記パルスデューティ比が30%に低くなるほど優れたギャップ充填効果を示すことができ、電荷の蓄積(Charging)が減少し、拡散が増加するため、パターン内部深くまで反応物(ガス粒子)が入り込むと同時にバイアス電力を加えることで、ギャップの入口が垂直に開いて堆積されることを確認することができる。
【0150】
また、ギャップの幅が100nmである図5(h)、図5(f)、図5(d)、図5(b)を参照すると、パルスデューティ比が低くなるほど、パターンの上部が一部塞がって形成されており、パターンが曲がった形態(Negative Bowing、[図3の(a)]のような模式図)から、ギャップの内部壁面に垂直方向に絶縁膜(SiO)が堆積してギャップ充填が良好に行われたことを確認することができる。
上記[図5]の製造は、製造例1の条件で様々なパルスデューティ比による結果である。
【0151】
上述した本発明の説明は例示のためのものであり、本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須な特徴を変更することなく他の具体的な形態に容易に変形可能であることを理解できる。従って、上記で説明した実施例は全ての点で例示的なものであり、限定的なものではない。例えば、単一の形態で説明されている各構成要素は分散して実施されてもよく、同様に分散されて説明されている構成要素も組み合わせた形態で実施されてもよい。
本発明の範囲は、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、及びその均等概念から導出される全ての変更又は変形された形態が本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0152】
100:チャンバ
110:基板載置台
200:ガス噴射部
300:ソース用RFプラズマ発生部
400:バイアスRF電源部
500:制御部

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