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▶ ヴァーゴ・フェアヴァルトゥングスゲゼルシャフト・エムベーハーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083282
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】導体接続モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/48 20060101AFI20240613BHJP
【FI】
H01R4/48 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023205874
(22)【出願日】2023-12-06
(31)【優先権主張番号】10 2022 132 682.9
(32)【優先日】2022-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】511051753
【氏名又は名称】ヴァーゴ・フェアヴァルトゥングスゲゼルシャフト・エムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】ファービアン・ヴェーニヒ
(72)【発明者】
【氏名】イェンス・フレビング
(57)【要約】      (修正有)
【課題】改良された導体接続モジュールを提供すること。
【解決手段】フレーム形状の電気レール(3)が、互いに対向して形成されている接触セクション(3c)および保持セクション(3a)を有し、接触セクション(3c)と保持セクション(3a)とが、接続セクション(3b)を介して互いに接続されており、クランプばね(4)が、保持セクション(3a)に当接するための当接脚部(4c)と、クランプ脚部(4a)とを有し、クランプ脚部(4a)および接触セクション(3c)が、クランプすべき導電体のためのクランプ点を形成し、少なくとも1つの接触要素(5)が、保持セクション(3a)、および/または接続セクション(3b)、および/または接触セクション(3c)に配置されており、接触要素(5)のはんだ接続接触面(5a)が、絶縁材ハウジングの開口部から突出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁材ハウジング(6)と、前記絶縁材ハウジング(6)内に配置された接触インサート(2)とを備える導体接続モジュール(1)であって、前記接触インサート(2)が、電気レール(3)およびクランプばね(4)を有し、前記電気レール(3)に、はんだ接続接触面(5a)を備えた少なくとも1つの接触要素(5)が配置されており、前記はんだ接続接触面(5a)は回路基板(7)にはんだ付け可能である、導体接続モジュール(1)において、
前記電気レール(3)が、フレーム形状の電気レール(3)として形成されており、前記フレーム形状の電気レール(3)が、互いに反対の側に形成されている接触セクション(3c)および保持セクション(3a)を有し、前記接触セクション(3c)と前記保持セクション(3a)とが、接続セクション(3b)を介して互いに接続されており、前記クランプばね(4)が、前記保持セクション(3a)に当接するための当接脚部(4c)と、クランプ脚部(4a)とを有し、前記クランプ脚部(4a)および前記接触セクション(3c)が、クランプすべき導電体のためのクランプ点を形成し、
少なくとも1つの接触要素(5)が、前記保持セクション(3a)、および/または前記接続セクション(3b)、および/または前記接触セクション(3c)に配置されており、
前記接触要素(5)の前記はんだ接続接触面(5a)が、前記絶縁材ハウジング(6)の開口部(6a)から突出する、
ことを特徴とする導体接続モジュール(1)。
【請求項2】
接触要素(5)が、前記保持セクション(3a)および前記接触セクション(3c)の各々に配置されており、前記絶縁材ハウジング(6)の開口部(6a)から突出することを特徴とする、請求項1に記載の導体接続モジュール(1)。
【請求項3】
前記接触要素(5)が、前記保持セクション(3a)および/または前記接触セクション(3c)の延長部において前記絶縁材ハウジング(6)の前記開口部(6a)から延びることを特徴とする、請求項1または2に記載の導体接続モジュール(1)。
【請求項4】
前記接触要素(5)の前記はんだ接続接触面(5a)が互いに平行に方向決めされていることを特徴とする、請求項2または3に記載の導体接続モジュール(1)。
【請求項5】
前記接触要素(5)の端面が、はんだ接続接触面(5a)として形成されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の導体接続モジュール(1)。
【請求項6】
前記接触要素(5)の前記はんだ接続接触面(5a)が、前記回路基板(7)へのSMDはんだ付けのために、実質的に平坦な接触面を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の導体接続モジュール(1)。
【請求項7】
前記電気レール(3)がU字形またはC字形に形成されていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の導体接続モジュール(1)。
【請求項8】
前記クランプばね(4)の前記クランプ脚部(4a)がばねアーチ(4b)に移行し、前記ばねアーチ(4b)が、前記電気レール(3)の前記保持セクション(3a)に当接するための前記当接脚部(4c)まで延び、前記クランプばね(4)がV字形に形成されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の導体接続モジュール(1)。
【請求項9】
前記絶縁材ハウジング(6)が、前記開口部(6a)が配置されている前記絶縁材ハウジング(6)の側に第1の段部(9a)を有し、前記回路基板(7)が前記第1の段部(9a)に配置可能であることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の導体接続モジュール(1)。
【請求項10】
前記絶縁材ハウジング(6)が、前記開口部(6a)とは反対の側に第2の段部(9b)を有し、前記回路基板(7)が前記第2の段部(9b)に配置可能であることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の導体接続モジュール(1)。
【請求項11】
前記絶縁材ハウジング(6)が、前記開口部(6a)が配置されている前記絶縁材ハウジング(6)の側に、前記回路基板(7)に掛止するための少なくとも1つのラッチ要素(10)を有することを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の導体接続モジュール(1)。
【請求項12】
前記ラッチ要素(10)がラッチピンとして形成されており、前記ラッチピンが前記回路基板(7)の対応するラッチ受け(10a)に挿入可能であることを特徴とする、請求項11に記載の導体接続モジュール(1)。
【請求項13】
前記ラッチ要素(10)が、前記絶縁材ハウジング(6)に移動可能に支持されていることを特徴とする、請求項11または12に記載の導体接続モジュール(1)。
【請求項14】
前記接触要素(5)の前記はんだ接続接触面(5a)の領域で、前記絶縁材ハウジング(6)に間隙(11)が配置されていることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の導体接続モジュール(1)。
【請求項15】
回路基板(7)と、請求項1から14のいずれか一項に記載の導体接続モジュール(1)とのセット。
【請求項16】
前記回路基板(7)がハウジング(12)に配置されており、前記導体接続モジュール(1)が前記ハウジング(12)の凹部(13)に挿入可能であることを特徴とする、請求項15に記載のセット。
【請求項17】
前記回路基板(7)の互いに反対の側に、少なくとも1つの導体接続モジュール(1)が配置されていることを特徴とする、請求項15または16に記載のセット。
【請求項18】
前記ハウジング(12)にドーム状部分が配置されており、前記ドーム状部分が、前記回路基板(7)の対応する第1の凹部(14)と、前記導体接続モジュール(1)の前記絶縁材ハウジング(6)の対応する第2の凹部(14)とに差し込み可能であることを特徴とする、請求項16または17に記載のセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁材ハウジングと、絶縁材ハウジング内に配置された接触インサートとを備える導体接続モジュールであって、接触インサートが、電気レールおよびクランプばねを有し、電気レールに、はんだ接続接触面を備えた少なくとも1つの接触要素が配置されており、はんだ接続接触面は回路基板にはんだ付け可能である、導体接続モジュールに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
上記のことを元に、本発明の課題は、改良された導体接続モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0003】
この課題は、請求項1の特徴を備える導体接続モジュールによって解決される。さらに、この課題は、請求項15の特徴を備える、導体接続モジュールと回路基板とのセットによって解決される。有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0004】
当技術分野における導体接続モジュールにおいて、電気レールが、フレーム形状の電気レールとして形成されており、フレーム形状の電気レールが、互いに対向して(換言すれば、反対の側に)形成されている接触セクションおよび保持セクションを有し、接触セクションと保持セクションとが、接続セクションを介して互いに接続されており、クランプばねが、保持セクションに当接するための当接脚部と、クランプ脚部とを有し、クランプ脚部および接触セクションが、クランプすべき導電体のためのクランプ点を形成し、少なくとも1つの接触要素が、保持セクション、および/または接触セクションに配置されており、接触要素のはんだ接続接触面が、絶縁材ハウジングの開口部から突出する、ことが提案される。
【0005】
これは、絶縁材ハウジングを取り外すことなく、はんだ接続接触面によって回路基板にはんだ付け可能であるコンパクトな導体接続モジュールを提供することができるという利点を有する。
【0006】
接触要素が、保持セクションおよび接触セクションの各々に配置されて、絶縁材ハウジングの開口部から突出してもよい。このようにして、回路基板への導体接続モジュールの導電接触をさらに改善することができる。さらに有利には、接触要素のはんだ接続接触面は互いに平行に方向決めされていてもよい。
【0007】
接触要素が、保持セクションおよび/または接触セクションの延長部において絶縁材ハウジングの開口部から延びることができる。このようにして、対応する接触セクションが簡単な構造で提供され得る。
【0008】
ここで、保持セクションおよび/または接触セクションと接触要素とを一部片で形成することができることが考えられる。その際、接触要素は、有利には、その保持セクションおよび/または接触セクションが広がる同じ平面内に延びる。
【0009】
代替として、一部片での設計の場合、保持/接触セクションと接触要素との間のオフセット(換言すれば、ずれ)も考えられる。
接触要素の前面(換言すれば、端面)は、はんだ接続接触面として形成されていてもよい。
【0010】
ここで、接触要素の厚さは、はんだ接続接触面の幅に対応する。ここで、はんだ接続接触面の長さは、本質的に、保持セクションおよび/または接触セクションから突出する接触要素の長さに対応する。
【0011】
接触要素のはんだ接続接触面は、回路基板へのSMDはんだ付けのために、実質的に平坦な接触面を有することができる。
電気レールは、U字形に形成されていてもよい。U字形構成は、V字形またはC字形構成など類似の形状も含むことができる。電気レールはクランプケージを形成することができ、クランプケージ内で、クランプばねが張力付与されている。
【0012】
クランプばねのクランプ脚部がばねアーチに移行することができ、ばねアーチが、電気レールの保持セクションに当接するための当接脚部まで延び、クランプばねがV字形に形成されている。
【0013】
絶縁材ハウジングは、開口部が配置されている絶縁材ハウジングの側に第1の段部を有してもよく、回路基板は第1の段部に配置可能である。
段部は、特に、絶縁材ハウジングの上部の張出部であってよく、したがって、回路基板は張出部の下に配置され、はんだ接続接触面と接続されてもよい。したがって、張出部は、回路基板を少なくとも部分的に取り囲む、または覆う。段部によって、絶縁材ハウジングの段差が形成されていてよく、それにより、絶縁材ハウジングのハウジング壁は、段部の一方の側で、段部の他方の側とは異なる高さにずれている。ここで、段部の両側でのハウジング壁のセクションは、互いに平行に延びることができる。ずれは、例えば、本質的に回路基板の厚さの半分に対応する寸法を有することができる。
【0014】
絶縁材ハウジングは、開口部とは反対の側に第2の段部を有してもよく、回路基板は第2の段部に配置可能である。
特に、第1の段部および第2の段部が導体接続モジュールに配置され得ることが考えられる。これは、同じ種類の導体接続モジュールが単一の回路基板の互いに反対の側に配置され得、種類を増やす必要がないという利点を有する。
【0015】
絶縁材ハウジングは、開口部が配置されている絶縁材ハウジングの側に、回路基板に掛止するための少なくとも1つのラッチ要素を有することができる。さらに有利には、ラッチ要素はラッチピンとして形成されていてもよく、ラッチピンは、回路基板の対応するラッチ受け(換言すれば、凹部)に挿入可能である。
【0016】
ラッチピンは、そのために設けられた対応するラッチ受けにのみ挿入され得るので、回路基板での導体接続モジュールの所定の位置決めを容易にする目的で特に複数のラッチピン、特に2つのラッチピンが適していることが示されている。したがって、回路基板に対する導体接続モジュールの不正確な位置決めまたはねじれの可能性が減少される。
【0017】
ラッチ要素は、絶縁材ハウジングに移動可能に支持されていてもよい。
ここで、(導体接続モジュールの主延在方向での)縦方向の変位と、(導体接続モジュールの主延在方向に対して横方向での)水平方向の変位との両方が考えられる。
【0018】
接触要素のはんだ接続接触面の領域で、絶縁材ハウジングに間隙(換言すれば、自由空間)が配置されていてもよい。
この間隙は、回路基板へのはんだ付けプロセスを改良するために、特にはんだ接続接触面に熱をより良く供給することができるという利点を有する。特に、間隙は、さらなる導体を導体接続モジュールおよび/または回路基板に接続する目的を有さない。従って、間隙は、導電体が間隙に容易に差し込まれて誤接触を引き起こす可能性があるほど大きくはない。
【0019】
さらに、課題は、回路基板と、上記の導体接続モジュールとのセットによって解決される。
回路基板がハウジングに配置されていてもよく、導体接続モジュールは、ハウジングの凹部に挿入可能である。
【0020】
このようにして、導体接続モジュールはより良く回路基板に配置され得、回路基板と、導体接続モジュールの少なくとも一部とが、ハウジングによって外部の影響から保護される。ハウジングは、例えば支持レールに掛止可能でもある電子装置のハウジングであることが考えられる。
【0021】
回路基板の互いの反対の側に、少なくとも1つの導体接続モジュールが配置されていてもよい。このようにして、回路基板に複数の導体接続モジュールを位置決めするためのスペースが効率的に使用され得る。
【0022】
ハウジングにドーム状部分(換言すれば、半球状突起)が配置されていてもよく、ドーム状部分は、回路基板の対応する第1の凹部と、導体接続モジュールの絶縁材ハウジングの対応する第2の凹部とに差し込み可能である。
【0023】
ドーム状部分は、特に対応する凹部に挿入した後にかしめられ得る。このようにして、回路基板と導体接続モジュールとは、非破壊では互いに分離できなくなる。
「ein(1つの)」という不定冠詞は、冠詞として理解すべきであり、数を表すものではないものと理解すべきである。例えば、複数、例えば2つ、3つ、または4つのはんだ接続接触面が、1つまたは複数の接触要素に存在することも考えられる。
【0024】
以下、本発明を、添付図面と共に例示的実施形態を用いて、例としてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1a】本発明による導体接続モジュール用の第1の実施形態での接触インサートの斜視図である。
図1b図1aによる接触インサートの側面図である。
図2】本発明による導体接続モジュール用の絶縁材ハウジングの斜視図である。
図3a】回路基板と、第1の実施形態での本発明による導体接続モジュールとのセットの側面図である。
図3b図3aによるセットの斜視図である。
図4a】回路基板と、第1の実施形態での本発明による2つの導体接続モジュールとのセットの側面図である。
図4b図4aによるセットの斜視図である。
図5】第2の実施形態での導体接続モジュールの斜視図である。
図6a】回路基板と、図5による第2の実施形態での導体接続モジュールとのセットの側面図である。
図6b図6aによるセットの斜視図である。
図7a】回路基板と、第2の実施形態での2つの導体接続モジュールとのセットの側面図である。
図7b図7aによるセットの斜視図である。
図8】第3の実施形態での導体接続モジュールの斜視図である。
図9】ハウジング内に配置された回路基板と、図8による導体接続モジュールとのセットの斜視図である。
図10】ハウジング内に配置された回路基板と、図8による複数の導体接続モジュールとのセットの斜視図である。
図11】第4の実施形態での導体接続モジュールの斜視図である。
図12a】第5の実施形態での導体接続モジュールの斜視図である。
図12b】第6の実施形態での導体接続モジュールの斜視図である。
図13図12aおよび図12bによる導体接続モジュール用の接触インサートの斜視図である。
図14図13による接触インサートを有する回路基板の斜視図である。
図15図14によるハウジング内に配置された回路基板と、図12aおよび図12bによる導体接続モジュールとのセットの斜視図である。
図16a】第7の実施形態での導体接続モジュールの斜視図である。
図16b】第8の実施形態での導体接続モジュールの斜視図である。
図17図16aおよび図16bによる導体接続モジュール用の接触インサートの斜視図である。
図18】回路基板と、図16aおよび16bによる導体接続モジュールとのセットの斜視図である。
図19図18によるハウジング内に配置された回路基板と、図16aおよび図16bによる導体接続モジュールとのセットの斜視図である。
図20】さらなる実施形態での接触インサート用の導体接続モジュールを示す図である。
図21】さらなる実施形態での図20による接触インサートを備えた導体接続モジュールを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1aは、本発明による導体接続モジュール1用の第1の実施形態での接触インサート2を斜視図で示し、図1bは、図1aによる接触インサート2を側面図で示す。接触インサートは、電気レール(換言すれば、バスバー)3およびクランプばね4を有する。ここで、電気レール3は、フレーム形状の電気レール3として形成されている。ここで、フレーム形状の電気レール3は、実質的にU字形に形成されている。ここで、電気レール3は、保持セクション3aおよび接触セクション3cを有し、保持セクション3aと接触セクション3cとは、接続セクション3bを介して互いに接続されている。保持セクション3aと接触セクション3cとは、互いに反対の側に形成されている。
【0027】
クランプばね4はクランプ脚部4aを有し、クランプ脚部4aはばねアーチ4bに移行し、ばねアーチ4bは当接脚部4cに移行し、当接脚部4cは、電気レール3の保持セクション3aに当接するように形成されている。クランプばね4は、本質的にV字形に形成されている。ここで、接触セクション3cと、クランプばね4のクランプ脚部4aとは、クランプすべき導電体のためのクランプ点(換言すれば、クランプ位置)を形成する。
【0028】
保持セクション3aと接触セクション3cとのそれぞれに、接触要素5が配置されている。ここで、接触要素5は、この例示的実施形態では、その保持セクション3aおよび接触セクション3cの延長部に延びる。ここで、接触要素5の端面(換言すれば、前面)は、はんだ接続接触面5aとして形成されている。ここで、はんだ接続接触面5aは、実質的に平坦な表面を有し、例えばSMDはんだ付け法によって、対応する回路基板にはんだ付けされ得る。
【0029】
図2は、本発明による導体接続モジュール1用の絶縁材ハウジング6を斜視図で示す。ここで、絶縁材ハウジング6は、細長いおよび/または直方体の基体を有し、基体に接触インサート、例えば図1aおよび図1bによる接触インサートを挿入され得る。絶縁材ハウジング6は2つの開口部6aを有し、開口部6aを通って、接触要素5のはんだ接続接触面5aが突出することができる。
【0030】
図3aは、回路基板7と、図1aおよび図1bによる接触インサートおよび図2による絶縁材ハウジング6を備える第1の実施形態での本発明による導体接続モジュール1とのセット(換言すれば、組)を側面図で示し、図3bは、図3aによる対応するセットを斜視図で示す。接触要素5のはんだ接続接触面5aを、絶縁材ハウジング6の開口部6aを通して回路基板7にはんだ付け可能であることが明らかである。
【0031】
特に、図1図3bを併せて参照することにより、本発明の課題が明らかになる。絶縁材ハウジング6が、導電体を挿入するための挿入開口部6bを有することが明らかである。この場合には作動押ボタンとして構成された作動要素8によって(他のタイプの作動要素8も考えられる)、接触セクション3cとクランプ脚部4aとによって形成されるクランプ点が開閉され得る。
【0032】
さらに、第1の段部9aと第2の段部9bが絶縁材ハウジング6に配置されていることを見て取ることができる。ここで、段部9aは、絶縁材ハウジング6の一種の上部張出部として形成されており、段部9aは、組立て状態では回路基板7に重なる。したがって、回路基板7が段部9aの下に配置され、導体接続モジュール1の改善された設置を可能にする。
【0033】
図3aから、回路基板7の対応するはんだ接続接触面7aが回路基板7上にあることが明らかであり、回路基板7のはんだ接続接触面7aが、さらなる導体接続モジュール1のはんだ接続接触面5aにはんだ付けされ得る。
【0034】
図4aは、回路基板7と、第1の実施形態での本発明による2つの導体接続モジュール1とのセットを側面図で示し、図4bは、図4aによるセットを斜視図で示す。
図4aおよび図4bによるセットは、単一の導体接続モジュール1ではなく2つの導体接続モジュール1が存在するという点で、図3aおよび図3bによるセットとは異なる。絶縁材ハウジング6の対称構造により、回路基板7の互いに反対の側にそれぞれ導体接続モジュール1を配置され、はんだ接続接触面5aによって回路基板7にはんだ付けされ得ることが明らかである。ここで、第1の段部9aおよび第2の段部9bにより、絶縁材ハウジングを構造的に変える必要なく、絶縁材ハウジング6を回路基板7の各側に位置決めすることができる。
【0035】
図5は、第2の実施形態での導体接続モジュール1を斜視図で示す。図5による導体接続モジュール1は、絶縁材ハウジング6に第1の段部9aが配置されているが、第2の段部が配置されていないという点で、図3a~4bによる実施形態とは異なる。
【0036】
開口部6aが配置されている絶縁材ハウジングの側にラッチ要素10が配置されており、ラッチ要素が回路基板7に掛止するように形成されていることが明らかである。ラッチ要素10は、回路基板でのより良い位置決めを可能にする位置決め要素として配置されていてよい。
【0037】
さらに、絶縁材ハウジング6には、開口部6aの領域に間隙11が配置されていることが明らかである。これは、回路基板7へのはんだ付けプロセスを改善する目的で、はんだ接続接触面5aに熱をより良く供給することができるという利点を有する。
【0038】
図6aは、回路基板7と、図5による第2の実施形態での導体接続モジュール1とのセットを側面図で示し、図6bは、図6aによるセットを斜視図で示す。
ラッチ要素10がラッチピンとして形成され、ラッチ要素10が、回路基板7にある対応するラッチ受け10aに係合することが明らかである。ここで、ラッチ要素10により、回路基板7での導体接続モジュール1の正確な位置決めが保証され得、不正確な位置決めの可能性が低減され得る。
【0039】
さらに、絶縁材ハウジング6から突出する接触要素5のはんだ接続接触面5aの領域における絶縁材ハウジング6の間隙11により、熱の供給を容易に行うことができるので、はんだ接続接触面5aが外部からより良くはんだ付けされ得ることが明らかである。しかしここでは、間隙11は、さらなる導電体が間隙11に差し込まれ得るほど大きくは形成されていない。間隙11の対応する小さい設計によって、間隙11を介する誤接触の可能性が回避または低減される。
【0040】
図7aは、回路基板7と、第2の実施形態での本発明による2つの導体接続モジュール1とのセットを側面図で示し、図7bは、図7aによるセットを斜視図で示す。
図7aおよび図7bによるセットは、単一の導体接続モジュール1ではなく2つの導体接続モジュール1が存在するという点で、図6aおよび図6bによるセットとは異なる。
【0041】
回路基板7の両面のそれぞれに導体接続モジュール1が配置され得、はんだ接続接触面5aによって回路基板7にはんだ付けされ得ることが明らかである。ここで、絶縁材ハウジング6は、回路基板7の各側に、それぞれの第1の段部9aによって位置決めされ得る。第2の段部を有する導体接続モジュール1とは対照的に、このようにすると、設置スペースがさらに節約され得る。この導体接続モジュール1は、図4aおよび図4bによる導体接続モジュール1とは対照的に、鏡像対称で構成され、従って、回路基板7での組立て後にも導体接続モジュールの対称性がある。
【0042】
図8は、第3の実施形態での導体接続モジュール1を斜視図で示す。図5による第2の実施形態とは対照的に、ラッチピンとして形成されるラッチ要素10が導体接続モジュール1に2つ配置されていることが明らかである。開口部6aが配置される絶縁材ハウジング6の側でのラッチ要素10の異なる位置決めは、対応するラッチ受け10aを有するこの目的のために設けられた回路基板7での導体接続モジュール1の正確な位置決めを保証する。ラッチ要素10の位置により、位置決め不良が低減または回避される。
【0043】
図9は、ハウジング12内に配置された回路基板7と、図8による導体接続モジュール1とのセットを斜視図で示す。回路基板7がハウジング12内に配置され、導体接続モジュール1をハウジング12の対応する凹部13に挿入することができることを見て取ることができる。このようにして、導体接続モジュール1をより良く回路基板7に配置することができ、回路基板7と、導体接続モジュール1の少なくとも一部とが、ハウジング12によって外部の影響から保護される。ハウジング12は、例えば支持レールに掛止することもできる電子装置のハウジング12であることが考えられる。
【0044】
さらに、対応する導体接続モジュール1を回路基板7に正しい位置で位置決めできるように、対応するラッチ受け10aが回路基板7に設けられることも明らかである。この例示的実施形態では、対応する導体接続モジュール1は、回路基板7の一方の側にのみ位置決めすることができる。しかし、回路基板7の両側に導体接続モジュール1を位置決めすることができることも考えられる。その場合、ハウジング12は、対応する凹部13を回路基板7の両側に有する。
【0045】
図10は、ハウジング12内に配置された回路基板7と、図8による複数の導体接続モジュール1とのセットを斜視図で示す。図9とは対照的に、対応する導体接続モジュール1を回路基板7の互いに反対の側にはんだ付けすることができる。ここで、導体接続モジュール1のラッチピン10は、この目的のために設けられたラッチ受け10aに係合して、導体接続モジュール1の正確な位置決めを保証する。さらに、ハウジング12には、対応する導体接続モジュール1を回路基板7に位置決めするために、互いに反対の側に位置する凹部13も配置される。
【0046】
図11は、第4の実施形態での導体接続モジュール1を斜視図で示す。図8による第3の実施形態の導体接続モジュール1とは対照的に、導体接続モジュール1は、追加の対応する凹部14を有する。ここで、例えば、ハウジング12に、または回路基板7に直接配置されるドーム状部分が、対応する凹部14に係合することができる。この接続により、導体接続モジュール1を、さらに所定の位置で回路基板7に固定することができる。さらに、組立て後にドーム状部分はかしめられ得、したがって構成部品を非破壊で分離することはできなくなる。
【0047】
追加の金属部品、特に例えば金属ピンを凹部14に差し込むことができ、金属ピンは、回路基板にはんだ付けされ、回路基板での端子の追加の固定手段として働くことができることが考えられる。
【0048】
図12aは、第5の実施形態での導体接続モジュール1を斜視図で示す。第1から第4の実施形態とは対照的に、導体接続モジュール1は、絶縁材ハウジング6に単一のより大きな開口部6aを有し、この開口部6aを通して、接触要素5の2つのはんだ接続接触面5aが突出する。また、はんだ接続接触面5aは、接触要素5の端面としては形成されておらず、接触要素5を折り曲げることによって提供されていることが明らかである。このようにして、はんだ接続接触面5aのより大きな表面積を提供して、回路基板7へのはんだ付け面積を拡大することができる。さらに、図示の実施形態では、導体接続モジュール1に試験開口部18が設けられている。
【0049】
図12bは、第6の実施形態での導体接続モジュール1を斜視図で示す。図12aによる導体接続モジュール1とは対照的に、この導体接続モジュール1には、スロット(換言すれば、差し込み口)15がさらに追加される。このスロット15は、例えば、導電体用の挿入開口部6bよりも幅が広くなるように設計することができる。スロット15には、割り当てられたスロット接点15aを割り当てることができ、スロット接点15aは、対応する回路基板にはんだ付けすることができる。
【0050】
図13は、第2の実施形態での、図12aおよび図12bによる導体接続モジュール1用の接触インサート2を斜視図で示す。電気レール3の接続セクション3bから2つの接触要素5が突出していることが明らかである。接触要素5のはんだ接続接触面5aは、接触要素5がそれらの自由端でそれぞれ曲げられ、それにより回路基板7にはんだ付けするための面を提供するように設けられている。
【0051】
ここで、はんだ接続接触面5aは、実質的に共通の仮想直線上および/または平面上に配置されることが明らかである。さらに、はんだ接続接触面5aは、電気レール3において、クランプ点とは反対の側、すなわち接続セクション3bの背面16に配置されている。
【0052】
図14は、図13による接触インサート2を有する回路基板7を斜視図で示す。図14は、特に、回路基板7での本発明による導体接続モジュール1の組立てを表しており、見やすくするために絶縁材ハウジング6は省略されている。導体接続モジュールが、接触インサート2の接触要素5のはんだ接続接触面5aで回路基板7にはんだ付けされることを見て取ることができる。さらに、スロット15のはんだ接続接触面5aは、例えばジャンパープラグのために、回路基板7にはんだ付けされている。
【0053】
図15は、図14によるハウジング12内に配置された回路基板7と、図12aおよび図12bによる導体接続モジュールとのセットを斜視図で示し、この例示的実施形態では、それぞれ1つの回路基板7を有する2つのハウジング12が前後または左右に配置される。
【0054】
ハウジング12では、図12aおよび図12bによる導体接続モジュールが、それぞれ、そのために設けられた凹部13に挿入された。ジャンパープラグ17が、そのために設けられたスロット15内に配置されることが明らかである。ジャンパープラグ17によって、互いに左右または前後に配置されたそれぞれのハウジング12に収容される回路基板7間の導電接続を達成することができる。
【0055】
図16aは、第7の実施形態での導体接続モジュール1を斜視図で示す。導体接続モジュール1に2つのラッチ要素10が配置されており、ラッチ要素10を、回路基板7の対応するラッチ受け10aに挿入することができることを見て取ることができる。ここで、ラッチ要素10は、異なるサイズに寸法設定することもできる。このようにして、回路基板7での導体接続モジュール1の位置決め不良をさらに低減することができる。さらに、ラッチ突起19がハウジング内に配置され、接触インサート2は、接触インサートの確実な設置を保証するためにラッチ突起19に掛止することができる。
【0056】
第1から第4の実施形態とは対照的に、導体接続モジュール1は、絶縁材ハウジング6に単一のより大きな開口部6aを有し、開口部6aを通して、接触要素5の2つのはんだ接続接触面5aが突出する。また、はんだ接続接触面5aが接触要素5の端面としては形成されていないことが明らかである。接触要素5の詳細な構成は、以下に図17でより詳細に説明する。
【0057】
図16bは、第8の実施形態での導体接続モジュール1を斜視図で示す。図16aによる導体接続モジュール1とは対照的に、この導体接続モジュール1には、スロット15がさらに追加される。このスロット15は、例えば、導電体用の挿入開口部6bよりも幅が広くなるように設計することができる。この種のスロット15に、例えば、第2の導体接続モジュール1の導電接続のためにジャンパープラグを挿入することができる。対応するはんだ接続接触面5aによって、スロット15は、導電性を伴って回路基板7にはんだ付けすることができる。
【0058】
図17は、第3の実施形態での、図16aおよび図16bによる導体接続モジュール1用の接触インサート2を斜視図で示す。電気レール3の接続セクション3bから接触要素5が外に出ていることが明らかである。したがって、接続セクション3bは、同時に接触要素5も形成する。ここで、はんだ接続接触面5aは、電気レール3における、クランプ点とは反対の側、すなわち接続セクション3bの背面16に配置されている。
【0059】
図18は、回路基板7と、図16aおよび図16bによる導体接続モジュール1とのセットを斜視図で示す。導体接続モジュール1の正確な位置決めを保証するために、導体接続モジュール1がラッチ要素10によって対応するラッチ受け10aに挿入されることが明らかである。
【0060】
図19は、図18によるハウジング12内に配置された回路基板7と、図16aおよび図16bによる導体接続モジュール1とのセットの斜視図である。ジャンパープラグ17が、そのために設けられたスロット15に配置されることが明らかである。ジャンパープラグ17によって、対応する導体接続モジュール1間の導電接続を達成することができる。
【0061】
図20は、さらなる実施形態での導体接続モジュール1用の接触インサート2を示す。すでに上述した接触インサートとは対照的に、電気レール3の接続セクション3bにオフセットが設けられることが明らかである。ここで、オフセットは、接続セクション3bの屈曲部20によって達成される。しかしここで、単一の屈曲部20によってのみオフセットを達成することができることも考えられる。この例示的実施形態では、電気レール3は一部片で形成されている。
【0062】
したがって、はんだ接続接触面5aが接続セクション3bの平面から外に出ていることが明らかである。したがって、はんだ接続接触面5aは、電気レール3におけるクランプ点とは反対の側に配置される。
【0063】
図21は、さらなる実施形態での図20による接触インサートを備えた導体接続モジュール1を示す。導体接続モジュール1の前述の実施形態とは対照的に、電気レール3のはんだ接続接触面5aは、オフセットにより絶縁材ハウジング6の開口部6aから突出することができることが明らかである。さらに、オフセットにより接触インサート2の安定性が改善される。
【0064】
さらに、絶縁材ハウジング6で第1の段部9aの領域内にある突起21を見て取ることができる。突起21によって、導体接続モジュール1を、対応してそのために設けられた回路基板の輪郭部に取り付けることができ、それにより回路基板での導体接続モジュール1の位置決めがさらに改善される。
【0065】
導体接続モジュール1は、絶縁材ハウジング6内に嵌め込んで固定することができる。この目的のために、絶縁材ハウジング6の少なくとも1つのラッチ突起21が存在することがあり、このラッチ突起21は、開口部6a内に突出し、接触インサート2の切欠き22と共にストッパを形成する。ラッチ突起21は、絶縁材ハウジング6の基部から開口部6aの開いた外側まで延び、はんだ接続接触面5aの縁部23と共にストッパを形成することができる。しかし、ラッチ突起21が、例えば接触インサート2の幅方向で側方に、接触インサート2の側壁面内に突出していることも考えられる。この側壁面は、はんだ接続面5aに対して横方向に位置する屈曲部20の壁面であってもよい。絶縁材ハウジング6への接触インサート2の対応する掛止のための他の構造的解決策も考えられる。
【符号の説明】
【0066】
1 導体接続モジュール
2 接触インサート
3 電気レール
3a 保持セクション
3b 接続セクション
3c 接触セクション
4 クランプばね
4a クランプ脚部
4b ばねアーチ
4c 当接脚部
5 接触要素
5a 接触要素のはんだ接続接触面
6 絶縁材ハウジング
6a 開口部
6b 挿入開口部
7 回路基板
7a 回路基板のはんだ接続接触面
8 作動要素
9a 第1の段部
9b 第2の段部
10 ラッチ要素
10a ラッチ受け
11 間隙
12 ハウジング
13 凹部
14 凹部
15 スロット
15a スロット接点
16 背面
17 ジャンパープラグ
18 試験開口部
19 ラッチ突起
20 屈曲部
21 ラッチ突起
22 切欠き
23 縁部
図1a
図1b
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図5
図6a
図6b
図7a
図7b
図8
図9
図10
図11
図12a
図12b
図13
図14
図15
図16a
図16b
図17
図18
図19
図20
図21
【外国語明細書】