(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000833
(43)【公開日】2024-01-09
(54)【発明の名称】競技結果予測システム、競技結果予測方法、及び競技結果予測プログラム
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20231226BHJP
【FI】
G06T7/00 350Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022099778
(22)【出願日】2022-06-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-07
(71)【出願人】
【識別番号】519199705
【氏名又は名称】株式会社ProjectA
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】下永 大
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096AA06
5L096CA04
5L096FA34
5L096FA66
5L096FA67
5L096GA30
5L096HA11
5L096JA11
5L096KA04
(57)【要約】
【課題】選手、出走馬等の競技物の試合前、試合中の現れる動作を過去の当該競技物の動作と比較して試合への影響を考慮した予測を可能とする予測システムを提供する。
【解決手段】競技物が過去に実施した競技の過去競技映像及び競技結果を取得する過去結果取得部と、過去競技映像より特徴となる動作の映像を過去特徴動作映像として抽出し過去特徴動作映像と競技結果との組み合わせに基づいて過去結果情報を生成する過去結果情報生成部と、競技物がこれから実施する競技の現在競技映像を取得し現在競技映像から過去特徴動作映像に対応する動作が含まれる現在特徴動作映像を抽出する現在映像取得部と、現在特徴動作映像と過去特徴動作映像との比較から競技物がこれから実施する競技の結果を予測する予測部を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
競技物が過去に実施した競技における過去競技映像及び前記過去競技映像における前記競技物の競技結果を取得する過去結果取得部と、
前記過去競技映像より前記競技物における特徴となる動作の映像を過去特徴動作映像として抽出し、前記過去特徴動作映像と前記過去競技映像に対応した前記競技物の前記競技結果との組み合わせに基づいて過去結果情報を生成する過去結果情報生成部と、
前記競技物がこれから実施する競技における現在競技映像を取得し、前記現在競技映像から前記競技物における前記過去特徴動作映像に対応する動作が含まれる現在特徴動作映像を抽出する現在映像取得部と、
前記現在特徴動作映像と前記過去特徴動作映像との比較に基づいて、前記競技物がこれから実施する競技における前記競技物の競技の結果を予測する予測部と、を備える
ことを特徴とする競技結果予測システム。
【請求項2】
前記過去結果情報生成部は、複数の前記過去競技映像より前記過去特徴動作映像を抽出し、複数の前記過去特徴動作映像に対応した前記競技物の複数の前記競技結果とを統計的に組み合わせて前記過去結果情報を生成する請求項1に記載の競技結果予測システム。
【請求項3】
前記予測部は、前記現在特徴動作映像と前記過去特徴動作映像との比較に際して、前記現在特徴動作映像における前記競技物の現在動作量と前記過去結果情報における前記競技物の過去動作量と比較する請求項1に記載の競技結果予測システム。
【請求項4】
前記予測部は、前記現在特徴動作映像と前記過去特徴動作映像との比較に際して、前記現在特徴動作映像における前記競技物の現在動作時間と前記過去結果情報における前記競技物の過去動作時間とを比較する請求項1に記載の競技結果予測システム。
【請求項5】
前記予測部は、前記現在動作量と前記過去結果情報における前記過去動作量に基づいて、前記競技物がこれから実施する競技の結果を確率として予測する請求項3に記載の競技結果予測システム。
【請求項6】
前記予測部は、前記現在動作時間と前記過去結果情報における前記過去動作時間に基づいて、前記競技物がこれから実施する競技の結果を確率として予測する請求項4に記載の競技結果予測システム。
【請求項7】
前記競技物は複数である請求項1に記載の競技結果予測システム。
【請求項8】
コンピュータが、
競技物が過去に実施した競技における過去競技映像及び前記過去競技映像における前記競技物の競技結果を取得する過去結果取得ステップと、
前記過去競技映像より前記競技物における特徴となる動作の映像を過去特徴動作映像として抽出し、前記過去特徴動作映像と前記過去競技映像に対応した前記競技物の前記競技結果との組み合わせに基づいて過去結果情報を生成する過去結果情報生成ステップと、
前記競技物がこれから実施する競技における現在競技映像を取得し、前記現在競技映像から前記競技物における前記過去特徴動作映像に対応する動作が含まれる現在特徴動作映像を抽出する現在映像取得ステップと、
前記現在特徴動作映像と前記過去特徴動作映像との比較に基づいて、前記競技物がこれから実施する競技における前記競技物の競技の結果を予測する予測ステップと、を実行する
ことを特徴とする競技結果予測方法。
【請求項9】
コンピュータが、
競技物が過去に実施した競技における過去競技映像及び前記過去競技映像における前記競技物の競技結果を取得する過去結果取得機能と、
前記過去競技映像より前記競技物における特徴となる動作の映像を過去特徴動作映像として抽出し、前記過去特徴動作映像と前記過去競技映像に対応した前記競技物の前記競技結果との組み合わせに基づいて過去結果情報を生成する過去結果情報生成機能と、
前記競技物がこれから実施する競技における現在競技映像を取得し、前記現在競技映像から前記競技物における前記過去特徴動作映像に対応する動作が含まれる現在特徴動作映像を抽出する現在映像取得機能と、
前記現在特徴動作映像と前記過去特徴動作映像との比較に基づいて、前記競技物がこれから実施する競技における前記競技物の競技の結果を予測する予測機能と、を実現する
ことを特徴とする競技結果予測プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、競技結果予測システム、競技結果予測方法、及び競技結果予測プログラムに関し、特に競技における競技物の過去と現在の映像を比較してこれから実施される競技の結果を予測するシステムとその方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、スポーツ、武道等の試合観戦、競馬等の公営競技等では、懇意の選手、出走馬の勝敗、チームの勝敗に多大な関心が寄せられる。さらには、サッカー、競馬等では掛け金に対する払戻金が設定されることから、観戦者はより多くの関心、興趣を試合結果に抱くこととなる。
【0003】
試合の結果はこれから起こる事象である。そこで、試合中の選手等動作から行動を予測するシステムが提案されている(特許文献1参照)。特許文献1のシステムは、画像の中から画像認識により特定された人物の識別情報を取得する識別情報取得部と、人物の顔画像から人物の注目状態を示す注目情報を取得する注目情報取得部と、識別情報と注目情報とに基づいて人物の行動を予測する行動予測部と、行動予測部が予測した人物の行動を含む行動予測情報を含む予測画像を生成する画像生成部を備え、注目情報は人物の顔または目の特徴から抽出された情報とされている。
【0004】
特許文献1のシステムによると、選手等の各人ごとに行動の傾向が異なることを考慮した行動予測を可能とすることから、競技における試合展開の予測を通じて観戦者の満足度は向上させられる。しかしながら、特許文献1のシステムは、選手等の現在の動作、特には視線から次の動作を予測する動作予測に留まっている。このことから、その後の試合自体、さらには試合における当該選手の活躍等については、瞬間の予測から先の予測に対しては十分ではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開WO2019/235350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば、選手の試合前、試合中の動作には特有の動作の傾向が生じると考えられる。特に試合前の緊張や興奮等の心理状態、体調の善し悪し等は、選手、さらには出走馬等の動作の随所に発現しやすい。そこで、瞬間毎の動作予測ではなく、試合への影響までも予測可能な競技の結果を予測するシステムとその方法及びプログラムが求められている。
【0007】
本発明は前記の点に鑑みなされたものであり、選手、出走馬等の競技物の試合前、試合中の現れる動作を過去の当該競技物の動作と比較することにより、行動予測に留まらず試合への影響を考慮した予測を可能とする予測システムとその方法及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、実施形態の競技結果予測システムは、競技物が過去に実施した競技における過去競技映像及び過去競技映像における競技物の競技結果を取得する過去結果取得部と、過去競技映像より競技物における特徴となる動作の映像を過去特徴動作映像として抽出し、過去特徴動作映像と過去競技映像に対応した競技物の競技結果との組み合わせに基づいて過去結果情報を生成する過去結果情報生成部と、競技物がこれから実施する競技における現在競技映像を取得し、現在競技映像から競技物における過去特徴動作映像に対応する動作が含まれる現在特徴動作映像を抽出する現在映像取得部と、現在特徴動作映像と過去特徴動作映像との比較に基づいて、競技物がこれから実施する競技における競技物の競技の結果を予測する予測部とを備えることを特徴とする。
【0009】
さらに、過去結果情報生成部は、複数の過去競技映像より過去特徴動作映像を抽出し、複数の過去特徴動作映像に対応した競技物の複数の競技結果とを統計的に組み合わせて前記過去結果情報を生成することとしてもよい。
【0010】
さらに、予測部は、現在特徴動作映像と過去特徴動作映像との比較に際して、現在特徴動作映像における競技物の現在動作量と過去結果情報における競技物の過去動作量と比較することとしてもよい。
【0011】
さらに、予測部は、現在特徴動作映像と過去特徴動作映像との比較に際して、現在特徴動作映像における競技物の現在動作時間と過去結果情報における競技物の過去動作時間とを比較することとしてもよい。
【0012】
さらに、予測部は、現在動作量と過去結果情報における過去動作量に基づいて、競技物がこれから実施する競技の結果を確率として予測することとしてもよい。
【0013】
さらに、競技物は複数であることとしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の競技結果予測システムによると、競技物が過去に実施した競技における過去競技映像及び過去競技映像における競技物の競技結果を取得する過去結果取得部と、過去競技映像より競技物における特徴となる動作の映像を過去特徴動作映像として抽出し、過去特徴動作映像と過去競技映像に対応した競技物の競技結果との組み合わせに基づいて過去結果情報を生成する過去結果情報生成部と、競技物がこれから実施する競技における現在競技映像を取得し、現在競技映像から競技物における過去特徴動作映像に対応する動作が含まれる現在特徴動作映像を抽出する現在映像取得部と、現在特徴動作映像と過去特徴動作映像との比較に基づいて、競技物がこれから実施する競技における競技物の競技の結果を予測する予測部とを備えるため、競技物の試合前、試合中の現れる動作を過去の当該競技物の動作と比較することにより、行動予測に留まらず試合への影響を考慮した予測が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施形態の競技結果予測システムの構成を示す模式図である。
【
図2】競技結果予測システムのコンピュータにおける機能部の構成を示すブロック図である。
【
図3】過去結果情報生成部の処理を説明する模式図である。
【
図4】現在映像取得部の処理を説明する模式図である。
【
図6】実施形態の競技結果予測方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
実施形態の競技結果予測システムは、過去に実施された競技における競技物の映像、当該競技物の競技における結果を蓄積し、現在、これから実施される競技における同一の競技物に関する映像から、競技の結果を予測するためのシステムである。すなわち、競技結果予測システムは同一対象の競技物の過去と現在を比較することにより、未来の競技の結果を予測するシステムとなる。
【0017】
ここで言う競技とは、一般的なスポーツ等の試合であり、勝敗の結果、順位が確定する競技である。例えば、野球、サッカー、バレーボール、テニス、ゴルフ、フィギュアスケート、体操、ボクシング等である。さらに、柔道、空手、相撲、弓道等の武道も競技に含まれる。さらに、競技には公営競技等も含まれる。具体的には日本中央競馬会が主催する中央競馬、地方競馬全国協会が主催する地方競馬等の「競馬」、さらには各地方公共団体が主催する「競艇」(モーターボート競走)、各地方公共団体が主催する「競輪」または「オートレース」が列挙される。
【0018】
また、競技物とは競技を行う主体を意味する。前述の競技が「スポーツ、武道」における競技物とは、競技の参加選手である。さらに、競技が「競馬」であるとき競技物は馬または騎手のいずれかもしくは両方である。同様に競技が「競艇」のときの競技物は競艇選手であり、「競輪」のときの競技物は競輪選手であり、「オートレース」のときの競技物はオートレース選手である。以降の実施形態の説明では、競技を「競馬」とし、競技物を「馬」(出走馬)として説明する。なお、随時他の競技及び競技物も交えながら説明する。
【0019】
図1は実施形態の競技結果予測システム1の構成を示す模式図である。競技結果予測システム1では、競技(競馬)の開催場5(いわゆる競馬場、レース場)と、競技結果予測システムの事業者6のコンピュータ10(サーバ)がインターネット回線4により接続されている。過去の競技(競馬)の競技物(馬)の映像とその競技の結果(レース結果、着順等)を蓄積した過去競技サーバ2もインターネット回線4により接続され、競技結果予測システムの事業者6のコンピュータ10はアクセス可能となっている。むろん、過去競技サーバ2と競技結果予測システム1の事業者6のコンピュータ10とは一体化される構成としてもよい。また、競技の開催場5には複数台のカメラ7が設置され、現在のこれから実施される競技(競馬)の競技物(馬)の映像はカメラ7により撮影される。
【0020】
そこで、競技結果予測システム1の事業者6は、競技物の過去の映像と結果について過去競技サーバ2から取得する。そして、競技結果予測システム1の事業者6は、これから開催場5(いわゆる競馬場)において実施(開催)される競技の内容(どのレース)、参加する競技物(馬)と、競技前の競技物の動いている映像についてカメラ7を通じて取得する。むろん、競馬以外の競技として、競技が野球であれば開催場は野球場であり競技物は投手、打者等の野球選手である。競技がゴルフであれば開催場はゴルフ場であり競技物はゴルフプレーヤである。競技物がテニスであれば開催場はテニスコートであり競技物はテニスの選手である。さらに、競技物が相撲であれば開催場は土俵であり競技物は力士である。
【0021】
過去競技サーバ2及び競技結果予測システム1の事業者6のコンピュータ10は、公知のメインフレーム、ワークステーション、クラウドコンピューティングシステム等の電子計算機(計算リソース)である。なお、コンピュータ10については、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等の電子計算機(計算リソース)も含められる。
【0022】
図2は競技結果予測システム1の事業者6のコンピュータ10における機能部の構成を示すブロック図である。コンピュータ10について詳しく述べると、CPU11、ROM12、RAM13、記憶部14、I/O15(インプット/アウトプットインターフェイス)等が実装されている。むろん、過去競技サーバ2においても同様の構成である。
【0023】
コンピュータ10のCPU11における各機能部は、同
図2のブロック図のとおり示される。各機能部は、過去結果取得部110、過去結果情報生成部120、現在映像取得部130、予測部140等を備える。コンピュータ10の動作、実行は、ソフトウェア的に、メインメモリにロードされた競技結果予測プログラム等により実現される。
【0024】
図2のコンピュータ10の各機能部をソフトウェアにより実現する場合、コンピュータ10は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行することで実現される。このプログラムを格納する記録媒体は、「一時的でない有形の媒体」、例えば、CD、DVD、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、このプログラムは、当該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワーク、放送波等)を介して競技結果予測システムの事業者6のコンピュータ10に供給されてもよい。
【0025】
コンピュータ10の記憶部14は、HDDまたはSSD等の公知の記憶装置である。記憶部14は外部のサーバ(図示せず)としても良い。記憶部14は、各種のデータ、情報、競技結果予測プログラム、同プログラムの実行に必要な各種のデータ等を記憶する。また、各種の算出、演算等の演算実行する各機能部はCPU11等の演算素子である。加えて、キーボード、マウス等の入力装置(図示せず)、表示部(ディスプレイ等の表示装置)、データ類を出力する出力装置等も適式にコンピュータ10のI/O15に接続されてもよい。
【0026】
過去結果取得部110は、競技物が過去に実施した競技における過去競技映像及び過去競技映像における競技物の競技結果を取得する。
【0027】
前出の
図1の説明にあるように、競技が競馬であれば、その過去のレースの始まる前、例えば、パドックにて歩いている出走馬(競技物)、あるいは競技中の出走馬(競技物)はカメラ7により撮影されて個々の出走馬(競技物)の映像(過去競技映像)となる。過去競技映像と当該レースにおける個々の出走馬(競技物)のそれぞれの競技結果(着順)は過去競技サーバ2に蓄積された情報から取得される。なお、過去結果取得部110は、クローリングにより自動的に過去競技サーバ2等にアクセスして、過去の競技結果に関する情報として、過去競技映像及び過去競技映像における競技物の競技結果を収集、取得する。
【0028】
過去結果取得部110が取得する過去競技映像は、例えばパドックを歩いている時に撮影された個々の出走馬(競技物)の映像(過去競技映像)の全体であり、過去結果取得部110の取得時点では、編集はされない。競馬以外の競技においては、競技が野球であれば投手、打者(競技物)の映像(過去競技映像)と試合における投球実績、打球実績(競技結果)であり、競技がゴルフであれば選手の映像(過去競技映像)と飛距離、トーナメントの実績(競技結果)等である。
【0029】
過去結果情報生成部120は、過去競技映像より競技物における特徴となる動作の映像を過去特徴動作映像として抽出する。そして、過去特徴動作映像と過去競技映像に対応した競技物の競技結果との組み合わせに基づいて過去結果情報は生成される。競技物における特徴となる動作とは、一連の競技物の動作の中において、当該競技物の競技の結果の予測に当たって影響を与える(影響を与える可能性のある)競技物の動作である。
【0030】
過去結果情報生成部120における処理について、
図3の模式図を用いて説明する。競技が競馬であれば、過去結果取得部110を通じて取得されたパドックを歩いている出走馬(競技物)の過去競技映像より、各出走馬の特徴となる動作の映像が過去特徴動作映像として抽出される。過去特徴動作映像は、例えば、出走馬がパドックを歩いている時の前脚を上げる高さ、脚の曲げ方、首の動かし方等を撮影したときの映像であり、かつ、それらが動いている時間の判別可能な映像である。また、競技が野球であれば、過去特徴動作映像は、投手の腕、脚を動かしている時の位置、曲がり方等を撮影したときの映像であり、かつ、それらが動いている時間の判別可能な映像である。
【0031】
図3では、ある1頭の出走馬(競技物)の過去競技映像より、過去特徴動作映像C1はパドックを歩いている出走馬の前脚Lの映像から抽出される。そこで、出走馬の前脚Lの映像から、前脚Lの関節が伸びている状態の曲げ角度θ1と関節が曲がっている状態の曲げ角度θ2が映像から取得され、双方の曲げ角度の差の角度θdが求められる。差の角度θdは過去特徴動作映像C1における出走馬(競技物)の動作量とみなされ、ある1頭の出走馬(競技物)の過去動作量M1として定義される。同時に、前脚Lの関節が伸びている状態の曲げ角度θ1から関節が曲がっている状態の曲げ角度θ2に至るまでの時間は過去特徴動作映像C1における出走馬(競技物)の動作時間とみなされ、ある1頭の出走馬(競技物)の過去動作時間T1として定義される。なお、過去動作量M1は差の角度θd以外にも、前脚Lの移動距離(三次元または二次元に投影)としてもよい。
【0032】
このように、ある1頭の出走馬(競技物)の特徴となる動作の映像は、比較可能な数値情報を含む過去特徴動作映像C1として抽出される。そして、ある1頭の出走馬が出場したレースの成績と組み合わせられて、過去結果情報D1が生成される。従前、出走馬(競技物)の名称とレースの成績と組み合わせに留まっていたところに、出場前の出走馬の数値判断可能な動作の情報が過去特徴動作映像C1として組み合わせられる。結果、感覚、雰囲気等に頼っていた出走馬(競技物)の良否判断に客観的な指標が導入されて、ある1頭の出走馬(競技物)について、過去動作量M1及び過去動作時間T1を通じて同日のレース、異なる日のレース、昨年のレース等においても比較が可能となる。
【0033】
また、過去結果情報生成部120は、複数の過去競技映像より過去特徴動作映像を抽出し、複数の過去特徴動作映像に対応した競技物の複数の競技結果とを統計的に組み合わせた相関性に基づいて過去結果情報を生成する。過去結果情報の生成に際しては、1回分の過去特徴動作映像の抽出としてはばらつきが生じるため、ある1頭の出走馬(競技物)について、同日もしくは異日において複数の過去特徴動作映像が抽出され、複数の過去特徴動作映像毎に過去動作量M1及び過去動作時間T1が算出されて、算出時のレースの結果に組み合わせられて過去結果情報D1が生成される。
【0034】
複数の過去特徴動作映像におけるそれぞれの過去動作量M1及び過去動作時間T1と、複数の過去特徴動作映像の映像撮影時のレースに対応した競技物の複数の競技結果とは、多変量解析(重回帰分析)の機械学習、深層学習(ディープラーニング)により統計的に分析される。分析結果より、競技結果に対する相関性が求められて過去結果情報が生成される。なお、過去動作量M1及び過去動作時間T1は、両方としても、いずれか一方としてもよい。加えて、過去特徴動作映像において使用される過去動作量M1及び過去動作時間T1は、部位毎等の複数種類とすることができる。
【0035】
過去結果情報D1は、過去動作量M1、過去動作時間T1、及び競技結果についての単一の数値ではない。過去動作量M1、過去動作時間T1、及び競技結果(着順)は、複数の過去特徴動作映像から取得される数値の集合である。競技結果と過去動作量M1及び過去動作時間T1の数値の集合とは所定の関数として表現される。
【0036】
過去特徴動作映像の抽出に際しては、競技結果予測システムのユーザが個々の出走馬(競技物)毎に特徴となる動作の映像を選んで設定してもよい。あるいは、最初から過去特徴動作映像を抽出するのではなく、競技物の動作について始めに身体部位の複数箇所が選ばれて複数箇所の過去特徴動作映像が抽出された後、多変量解析を用いた競技物の動作と競技結果との組み合わせから、最も競技結果との相関性の高い過去特徴動作映像がフィードバックにより抽出されるようにしてもよい。また、出走馬(競技物)は成長して体格等が変化することがある。そこで、例えば、前脚についての過去特徴動作映像から後脚についての過去特徴動作映像と抽出される映像内の身体部位が変化することもある。そこで、出走馬(競技物)の競技結果の変化に応じて特徴となる動作の選択は変化させることができる。
【0037】
さらに、過去結果情報の生成、最適な過去特徴動作映像の抽出に際しても、機械学習が用いられても良い。人工知能による機械学習に際しては、サポートベクター(Support Vector Machine:SVM)、モデルツリー、決定ツリー、ニューラルネットワーク、多重線形回帰、局部的重み付け回帰、確立サーチ方法等の手法が用いられる。
【0038】
現在映像取得部130は、競技物がこれから実施する競技における現在競技映像を取得し、現在競技映像から競技物における過去特徴動作映像に対応する動作が含まれる現在特徴動作映像を抽出する。
【0039】
現在映像取得部130における処理について、
図4の模式図を用いて説明する。競技が競馬であれば、出走馬(競技物)がこれから出場するレースにおける現在競技映像として、例えば、パドックを歩いている時の個々の出走馬(競技物)の映像(現在競技映像)の全体がカメラ7により取得される。
【0040】
そして、
図4の模式図に示されるように、過去特徴動作映像C1における出走馬(競技物)に対応する動作(同様の動作)の現在特徴動作映像C2が抽出される。過去特徴動作映像C1と現在特徴動作映像C2における出走馬(競技物)の動作を揃えることは、動作量及び動作時間の比較をしやすくするためである。
【0041】
図4では、ある1頭の出走馬(競技物)の現在競技映像より、過去特徴動作映像C1と同様にパドックを歩いている出走馬の前脚Lの映像から抽出される。そこで、現在の出走馬の前脚Lの映像から、前脚Lの関節が伸びている状態の曲げ角度φ1と関節が曲がっている状態の曲げ角度φ2が映像から取得され、双方の曲げ角度の差の角度φdが求められる。差の角度φdは現在特徴動作映像C2における出走馬(競技物)の動作量とみなされ、ある1頭の出走馬(競技物)の現在動作量M2として定義される。同時に、前脚Lの関節が伸びている状態の曲げ角度φ1から関節が曲がっている状態の曲げ角度φ2に至るまでの時間は現在特徴動作映像C2における出走馬(競技物)の動作時間とみなされ、ある1頭の出走馬(競技物)の現在動作時間T2として定義される。なお、現在動作量M2は差の角度φd以外にも、前脚Lの移動距離(三次元または二次元に投影)としてもよい。
【0042】
予測部140は、現在特徴動作映像と過去特徴動作映像との比較に基づいて、競技物がこれから実施する競技における競技物の競技の結果を予測する。すなわち、予測部140は、同一の出走馬(競技物)の過去と現在の相互の共通する身体部位の映像同士を比較して、同一の出走馬(競技物)の現在の映像中の動きから、これから実施される競技(レース)における出走馬(競技物)の競技の結果(成績)を予測する。なお、過去結果取得部110と過去結果情報生成部120における処理は、逐次毎回の実施としてもよく、あるいは、競技の開催の前日、前の週等までに蓄積された過去結果情報D1を活用として、過去結果取得部110と過去結果情報生成部120における処理を省略し、現在映像取得部130と予測部140の処理の実行としてもよい。
【0043】
具体的には、予測部140は、現在特徴動作映像C2と過去特徴動作映像C1との比較に際して、現在特徴動作映像C2におけるある1頭の出走馬(競技物)の現在動作量M2及び現在動作時間T2と、過去結果情報D1(過去特徴動作映像C1)における同一のある1頭の出走馬(競技物)の過去動作量M1及び過去動作時間T1とが比較される。なお、比較に際しては、動作量または動作時間のいずれかとしてもよい。また、動作量、動作時間の比較に際しては、競技物の極力同一の動作同士で比較される。例えば、ある1頭の出走馬(競技物)について「常歩」の映像により比較される。歩き方が共通であれば、脚の曲がる量、時間の比較が容易となる。
【0044】
例えば、過去結果情報D1(過去特徴動作映像C1)におけるある1頭の出走馬(競技物)の過去動作量M1が平均で「100」であり、本日、現在の同一のある1頭の出走馬(競技物)の現在動作量M2が「105」である場合、出走馬(競技物)の動作が活発化していると判断可能である。そこで、過去結果情報D1の関数において約5%向上している動作量に対応する競技結果が参照される。そして、当該競技結果から、これから実施される競技では、過去結果情報D1の動作量に対応する競技の結果D2(
図5参照)が予測される。
【0045】
同様に、例えば、過去結果情報D1(過去特徴動作映像C1)におけるある1頭の出走馬(競技物)の過去動作時間T1が平均で「100」であり、本日、現在の同一のある1頭の出走馬(競技物)の現在動作時間T2が「95」である場合、出走馬(競技物)の動作が低下していると判断可能である。そこで、過去結果情報D1の関数において約5%低下している動作時間に対応する競技結果が参照される。そして、当該競技結果から、これから実施される競技では、過去結果情報D1の動作時間に対応する競技の結果D2(
図5参照)が予測される。
【0046】
図5の模式図は予測部140の処理を概念的に示している。予測部140では、既知の過去結果情報D1、過去動作量M1、過去動作時間T1と、現在取得した現在動作量M2、現在動作時間T2から、これから実施される競技の結果D2が予測される。予測に際しては、前述のとおり、過去結果情報D1の関数が用いられる。そして、過去結果情報D1における過去動作量M1、過去動作時間T1の数値のばらつきから統計的な分散、相関性が考慮され、現在取得した現在動作量M2、現在動作時間T2について、確率として競技の結果D2が予測される。
【0047】
具体的には、過去結果情報D1における過去動作量M1、過去動作時間T1の数値にばらつきが大きい(相関性が低くなりやすい)場合には、相関係数等が乗算される。例えば、現在取得した現在動作量M2、現在動作時間T2が良好であり、過去結果情報D1の関数からの計算から出走馬(競技物)が1着になる計算予測であるところ、1着になる予測は85~90%の確率に低減して予測される。なお、予測に際しては、競馬場の場所、コースの長さ、コースの状態等も確率予測に含めても良い。なお、競技の結果D2の予測に際しては、正規分布、べき分布等の確率密度関数を用いた予測とすることもできる。
【0048】
競技の結果D2は、競技結果予測システム1の事業者6のコンピュータ10から同コンピュータ10に接続されたディスプレイ(図示せず)、さらには、競技結果予測システムの事業者6と契約、提携しているユーザの各端末(図示せず)にI/O15から送信、出力される。そこで、事業者、ユーザは競技の結果を得て、ユーザはより多くの関心、興趣を競技の結果に抱いて競技を楽しむことができる。
【0049】
一連の説明は、競技を競馬とし、競技物を競馬レースに出場する出走馬とし、動作量と動作時間は出走馬の前脚の曲がり具合、曲がる時間とした。むろん、競技結果予測システムは競馬以外にも適用可能である。
【0050】
具体的には、競技が野球の場合、打者(競技物)のバッターボックスでの動作からバッティングの結果の予測に、投手(競技物)の動作から投球の結果の予測に競技結果予測システムは用いられる。
競技が競輪の場合、試走での選手(競技物)の動きから順位の予測に競技結果予測システムは用いられる。
競技がオートレース(自動車レース)の場合、試走、フォーメーションラップ等での車体(競技物)の動き、から順位の予測に競技結果予測システムは用いられる。
競技が水泳の場合、スタート前の選手の動きから順位の予測に競技結果予測システムは用いられる。
競技がマラソンの場合、選手のランニングフォームから順位、時間の予測に競技結果予測システムは用いられる。
競技がボクシングの場合、入場時の選手の動きから選手の勝敗の予測に競技結果予測システムは用いられる。
むろん、これらは例示であり、さらに広範なスポーツ、武道の競技の結果の予測に競技結果予測システムは用いられる。
【0051】
加えて、競技結果予測システムは、個人競技における競技の結果の予測に留まらず、チームスポーツの競技の結果の予測にも用いられる。チームスポーツを想定すると、競技物は複数となる。すなわち、チームに所属する出場メンバー全員の過去結果情報が生成され、かつ、出場メンバー全員の現在特徴動作映像が抽出される。さらには、対戦相手のチームに所属する出場メンバー全員の過去結果情報が生成され、かつ、出場メンバー全員の現在特徴動作映像が抽出される。
【0052】
例えば、バレーボールの場合、自チームの6名分と相手チームの6名分の過去結果情報が生成され、かつ、出場メンバー全員の現在特徴動作映像が抽出される。そこで、自チームの6名分のそれぞれの競技の結果(動き、体調等の善し悪し)と相手チームの6名分のそれぞれの競技の結果(動き、体調等の善し悪し)が予測される。そこで、いずれのチームの出場メンバーの競技の結果(平均値、最大値)についての良否の比較が行われ、競技の結果を通じて、有利または不利の予測が可能となる。そうすると、チームスポーツにおける競技結果予測システムの予測が活用され、監督、コーチ等の試合戦略に、自チームの出場メンバー全員、相手チームの出場メンバー全員の統計的な数値に基づく指標も加わり試合展開に客観的な判断が導入される。そこで、競技結果予測システムは、監督、コーチ等の経験則に基づいた試合展開からデータ活用への発展を可能とし、リアルタイムでの監督、コーチ等の試合における判断、さらには練習強化、選手管理の支援にも役立てられる。
【0053】
さらに、競技結果予測システムは、試合中の映像から次に取るべき行動のリアルタイムの予測に活用される。例えば、競技結果予測システムは選手自らの動作の判断材料、監督のコーチングに活用される。具体的には、例えば、野球で相手チームのバッターに対して外野フライの予想が高ければ、監督は外野フライに対応した守備の指示を行うことでチームの勝率を高めることができる。また、例えば、ゴルフで選手のスイングフォームに対してゴルフクラブの飛距離の予想を行い、適切なゴルフクラブを選択することができる。テニスで選手のサーブフォームに対してサーブが入る球種の予想を行い、適切なサーブの球種を選択することができる。さらには、ボウリングで選手の投球フォームに対してストライクになる投球位置の予想を行い、適切な立ち位置から投球することができる。むろん、これらは活用の一例である。
【0054】
これより、
図6のフローチャートを用い、実施形態の競技結果予測システム1における競技結果予測方法と競技結果予測プログラムをともに説明する。競技結果予測方法は、競技結果予測プログラムに基づいて、コンピュータ10のCPU11により実行される。競技結果予測プログラムは、
図1のコンピュータ10に対して、過去結果取得機能、過去結果情報生成機能、現在映像取得機能、予測機能等の各種機能を実行させる。これらの各機能は図示の順に実行される。なお、各機能は前述の競技結果予測システム1の説明と重複するため、詳細は省略する。
【0055】
図6のフローチャートより、コンピュータ10のCPU11の処理は、過去結果取得ステップ(S110)、過去結果情報生成ステップ(S120)、現在映像取得ステップ(S130)、予測ステップ(S140)の各種ステップを備える。むろん、CPU11の処理自体の可動に必要な各種ステップは当然に含まれる。
【0056】
過去結果取得機能は、競技物が過去に実施した競技における過去競技映像及び過去競技映像における競技物の競技結果を取得する(S110;過去結果取得ステップ)。過去結果情報生成機能は、過去競技映像より競技物における特徴となる動作の映像を過去特徴動作映像として抽出し、過去特徴動作映像と過去競技映像に対応した競技物の競技結果との組み合わせに基づいて過去結果情報を生成する(S120;過去結果情報生成ステップ)。
【0057】
現在映像取得機能は、競技物がこれから実施する競技における現在競技映像を取得し、現在競技映像から競技物における過去特徴動作映像に対応する動作が含まれる現在特徴動作映像を抽出する(S130;現在映像取得ステップ)。予測機能は、現在特徴動作映像と過去特徴動作映像との比較に基づいて、競技物がこれから実施する競技における競技物の競技の結果を予測する(S140;予測ステップ)。なお、過去結果取得ステップS110と過去結果情報生成ステップS120における処理は、逐次毎回の実施としてもよく、あるいは、競技の開催の前日、前の週等までに蓄積された過去結果情報D1を活用として、過去結果取得ステップS110と過去結果情報生成ステップS120における処理を省略し、現在映像取得ステップS130と予測ステップS140の処理の実行としてもよい。
【0058】
上述した本発明のコンピュータプログラムは、プロセッサが読み取り可能な記録媒体に記録されていてよく、記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。
【0059】
なお、上記コンピュータプログラムは、例えば、ActionScript、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、Objective-C、Java(登録商標)などのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装できる。
【符号の説明】
【0060】
1 競技結果予測システム
2 過去競技サーバ
3 コンピュータ(サーバ)
4 インターネット回線
5 開催場
6 競技結果予測システムの事業者
7 カメラ
10 コンピュータ
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 記憶部
15 I/O
110 過去結果取得部
120 過去結果情報生成部
130 現在映像取得部
140 予測部
M1 過去動作量
T1 過去動作時間
C1 過去特徴動作映像
D1 過去結果情報
M2 現在動作量
T2 現在動作時間
C2 現在特徴動作映像
D2 競技の結果
【手続補正書】
【提出日】2023-06-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
競技物が過去に実施した競技における過去競技映像及び前記過去競技映像における前記競技物の競技結果を取得する過去結果取得部と、
前記過去競技映像より前記競技物における特徴となる動作の映像を過去特徴動作映像として抽出し、前記過去特徴動作映像と前記過去競技映像に対応した前記競技物の前記競技結果との組み合わせに基づいて過去結果情報を生成する過去結果情報生成部と、
前記競技物がこれから実施する競技における現在競技映像を取得し、前記現在競技映像から前記競技物における前記過去特徴動作映像に対応する動作が含まれる現在特徴動作映像を抽出する現在映像取得部と、
前記現在特徴動作映像と前記過去特徴動作映像との比較に基づいて、前記競技物がこれから実施する競技における前記競技物の競技の結果を予測する予測部と、を備え、
前記予測部は、前記現在特徴動作映像と前記過去特徴動作映像との比較に際して、前記現在特徴動作映像における前記競技物の現在動作量と前記過去結果情報における前記競技物の過去動作量と比較するに際し、
前記競技物の関節が伸びている状態の曲げ角度と前記競技物の前記関節が曲がっている状態の曲げ角度との互いの曲げ角度の差の角度を前記競技物の動作量とする
ことを特徴とする競技結果予測システム。
【請求項2】
競技物が過去に実施した競技における過去競技映像及び前記過去競技映像における前記競技物の競技結果を取得する過去結果取得部と、
前記過去競技映像より前記競技物における特徴となる動作の映像を過去特徴動作映像として抽出し、前記過去特徴動作映像と前記過去競技映像に対応した前記競技物の前記競技結果との組み合わせに基づいて過去結果情報を生成する過去結果情報生成部と、
前記競技物がこれから実施する競技における現在競技映像を取得し、前記現在競技映像から前記競技物における前記過去特徴動作映像に対応する動作が含まれる現在特徴動作映像を抽出する現在映像取得部と、
前記現在特徴動作映像と前記過去特徴動作映像との比較に基づいて、前記競技物がこれから実施する競技における前記競技物の競技の結果を予測する予測部と、を備え、
前記予測部は、前記現在特徴動作映像と前記過去特徴動作映像との比較に際して、前記現在特徴動作映像における前記競技物の現在動作時間と前記過去結果情報における前記競技物の過去動作時間とを比較するに際し、
前記競技物の関節が伸びている状態の曲げ角度から前記競技物の前記関節が曲がっている状態の曲げ角度に至るまでの時間を前記競技物の動作時間とする
ことを特徴とする競技結果予測システム。
【請求項3】
前記過去結果情報生成部は、複数の前記過去競技映像より前記過去特徴動作映像を抽出し、複数の前記過去特徴動作映像に対応した前記競技物の複数の前記競技結果とを統計的に組み合わせて前記過去結果情報を生成する請求項1または2に記載の競技結果予測システム。
【請求項4】
前記予測部は、前記現在動作量と前記過去結果情報における前記過去動作量に基づいて、前記競技物がこれから実施する競技の結果を確率として予測する請求項1に記載の競技結果予測システム。
【請求項5】
前記予測部は、前記現在動作時間と前記過去結果情報における前記過去動作時間に基づいて、前記競技物がこれから実施する競技の結果を確率として予測する請求項2に記載の競技結果予測システム。
【請求項6】
前記競技物は複数である請求項1または2に記載の競技結果予測システム。
【請求項7】
コンピュータが、
競技物が過去に実施した競技における過去競技映像及び前記過去競技映像における前記競技物の競技結果を取得する過去結果取得ステップと、
前記過去競技映像より前記競技物における特徴となる動作の映像を過去特徴動作映像として抽出し、前記過去特徴動作映像と前記過去競技映像に対応した前記競技物の前記競技結果との組み合わせに基づいて過去結果情報を生成する過去結果情報生成ステップと、
前記競技物がこれから実施する競技における現在競技映像を取得し、前記現在競技映像から前記競技物における前記過去特徴動作映像に対応する動作が含まれる現在特徴動作映像を抽出する現在映像取得ステップと、
前記現在特徴動作映像と前記過去特徴動作映像との比較に基づいて、前記競技物がこれから実施する競技における前記競技物の競技の結果を予測する予測ステップと、を実行し、
前記予測ステップは、前記現在特徴動作映像と前記過去特徴動作映像との比較に際して、前記現在特徴動作映像における前記競技物の現在動作量と前記過去結果情報における前記競技物の過去動作量と比較するに際し、
前記競技物の関節が伸びている状態の曲げ角度と前記競技物の前記関節が曲がっている状態の曲げ角度との互いの曲げ角度の差の角度を前記競技物の動作量とする
ことを特徴とする競技結果予測方法。
【請求項8】
コンピュータが、
競技物が過去に実施した競技における過去競技映像及び前記過去競技映像における前記競技物の競技結果を取得する過去結果取得ステップと、
前記過去競技映像より前記競技物における特徴となる動作の映像を過去特徴動作映像として抽出し、前記過去特徴動作映像と前記過去競技映像に対応した前記競技物の前記競技結果との組み合わせに基づいて過去結果情報を生成する過去結果情報生成ステップと、
前記競技物がこれから実施する競技における現在競技映像を取得し、前記現在競技映像から前記競技物における前記過去特徴動作映像に対応する動作が含まれる現在特徴動作映像を抽出する現在映像取得ステップと、
前記現在特徴動作映像と前記過去特徴動作映像との比較に基づいて、前記競技物がこれから実施する競技における前記競技物の競技の結果を予測する予測ステップと、を実行し、
前記予測ステップは、前記現在特徴動作映像と前記過去特徴動作映像との比較に際して、前記現在特徴動作映像における前記競技物の現在動作時間と前記過去結果情報における前記競技物の過去動作時間とを比較するに際し、
前記競技物の関節が伸びている状態の曲げ角度から前記競技物の前記関節が曲がっている状態の曲げ角度に至るまでの時間を前記競技物の動作時間とする
ことを特徴とする競技結果予測方法。
【請求項9】
コンピュータが、
競技物が過去に実施した競技における過去競技映像及び前記過去競技映像における前記競技物の競技結果を取得する過去結果取得機能と、
前記過去競技映像より前記競技物における特徴となる動作の映像を過去特徴動作映像として抽出し、前記過去特徴動作映像と前記過去競技映像に対応した前記競技物の前記競技結果との組み合わせに基づいて過去結果情報を生成する過去結果情報生成機能と、
前記競技物がこれから実施する競技における現在競技映像を取得し、前記現在競技映像から前記競技物における前記過去特徴動作映像に対応する動作が含まれる現在特徴動作映像を抽出する現在映像取得機能と、
前記現在特徴動作映像と前記過去特徴動作映像との比較に基づいて、前記競技物がこれから実施する競技における前記競技物の競技の結果を予測する予測機能と、を実現し、
前記予測機能は、前記現在特徴動作映像と前記過去特徴動作映像との比較に際して、前記現在特徴動作映像における前記競技物の現在動作量と前記過去結果情報における前記競技物の過去動作量と比較するに際し、
前記競技物の関節が伸びている状態の曲げ角度と前記競技物の前記関節が曲がっている状態の曲げ角度との互いの曲げ角度の差の角度を前記競技物の動作量とする
ことを特徴とする競技結果予測プログラム。
【請求項10】
コンピュータが、
競技物が過去に実施した競技における過去競技映像及び前記過去競技映像における前記競技物の競技結果を取得する過去結果取得機能と、
前記過去競技映像より前記競技物における特徴となる動作の映像を過去特徴動作映像として抽出し、前記過去特徴動作映像と前記過去競技映像に対応した前記競技物の前記競技結果との組み合わせに基づいて過去結果情報を生成する過去結果情報生成機能と、
前記競技物がこれから実施する競技における現在競技映像を取得し、前記現在競技映像から前記競技物における前記過去特徴動作映像に対応する動作が含まれる現在特徴動作映像を抽出する現在映像取得機能と、
前記現在特徴動作映像と前記過去特徴動作映像との比較に基づいて、前記競技物がこれから実施する競技における前記競技物の競技の結果を予測する予測機能と、を実現し、
前記予測機能は、前記現在特徴動作映像と前記過去特徴動作映像との比較に際して、前記現在特徴動作映像における前記競技物の現在動作時間と前記過去結果情報における前記競技物の過去動作時間とを比較するに際し、
前記競技物の関節が伸びている状態の曲げ角度から前記競技物の前記関節が曲がっている状態の曲げ角度に至るまでの時間を前記競技物の動作時間とする
ことを特徴とする競技結果予測プログラム。