(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083315
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】車両用のセンサユニット
(51)【国際特許分類】
G01D 11/24 20060101AFI20240613BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
G01D11/24 Z
G01D11/24 B
H05K5/02 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023208091
(22)【出願日】2023-12-08
(31)【優先権主張番号】10 2022 213 403.6
(32)【優先日】2022-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アクセル キアステン
(72)【発明者】
【氏名】エドゥアート マイタート
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック クーザン
(72)【発明者】
【氏名】マリオ ロリッツ
(72)【発明者】
【氏名】マティアス ネストマイアー
(72)【発明者】
【氏名】マティアス レッツグス
(72)【発明者】
【氏名】トーマス レーベ
【テーマコード(参考)】
4E360
【Fターム(参考)】
4E360AA02
4E360AA03
4E360AB33
4E360EA03
4E360EB04
4E360ED02
4E360FA09
4E360FA14
4E360GA28
4E360GA53
(57)【要約】
【課題】本発明は、車両用のセンサユニットに関する。
【解決手段】当該センサユニット(1)は、センサハウジング(20)と、センサハウジング(20)に配置されてコネクタハウジング(12)及び少なくとも2つのコネクタピンを含みかつセンサユニット(1)の外部インタフェースを構成するコネクタアセンブリ(10)と、実現しようとするセンサ構想に対応する、少なくとも1つのセンサ要素を有する電子回路が配置された回路担体と、を備えており、回路担体(26)は、センサハウジング(20)の開口内に挿入されており、内部インタフェースにおいて少なくとも2つのコネクタピンに接続されており、センサハウジング(20)の開口は、蓋(22)により流体密に閉鎖されており、センサハウジング(20)は、閉鎖キャップ(3)の基体(5)内に組み込まれており、又は、閉鎖キャップ(3)に着脱可能に配置されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用のセンサユニット(1)であって、センサハウジング(20)と、前記センサハウジング(20)に配置されてコネクタハウジング(12)及び少なくとも2つのコネクタピン(16)を含みかつ当該センサユニット(1)の外部インタフェース(18)を構成するコネクタアセンブリ(10)と、実現しようとするセンサ構想に対応する、少なくとも1つのセンサ要素を有する電子回路(28)が配置された回路担体(26)と、を備えているセンサユニット(1)において、前記回路担体(26)は、前記センサハウジング(20)の開口(23)内に挿入されており、内部インタフェース(24)において前記少なくとも2つのコネクタピン(16)に接続されており、前記センサハウジング(20)の前記開口(23)は、蓋(22)により流体密に閉鎖されており、前記センサハウジング(20)は、閉鎖キャップ(3)の基体(5)内に組み込まれており、又は、前記閉鎖キャップ(3)に着脱可能に配置されている、センサユニット(1)。
【請求項2】
前記センサハウジング(20)は、前記閉鎖キャップ(3)の前記基体(5)の凹部(6)内に形成されている、請求項1に記載のセンサユニット(1)。
【請求項3】
前記閉鎖キャップ(3)の前記基体(5)には、少なくとも1つの第1の固定構造体(4)が形成されており、前記第1の固定構造体(4)は、前記センサハウジング(20)に配置された少なくとも1つの第2の固定構造体(29)と協働する、請求項1に記載のセンサユニット(1)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第1の固定構造体(4)は、ねじ山付きブッシュ(4B)を有しており、前記第2の固定構造体(29)は、貫通開口を備えた固定舌片(29A)を有しており、これにより、前記センサハウジング(20)を前記閉鎖キャップ(3)にねじ締結し得る、請求項3に記載のセンサユニット(1)。
【請求項5】
前記内部インタフェース(24)及び前記外部インタフェース(18)は、実現しようとする通信プロトコルに応じて構成されており、前記コネクタアセンブリ(10)の前記少なくとも2つのコネクタピン(18)の数及び配置は、前記実現しようとする通信プロトコルに適合可能である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のセンサユニット(1)。
【請求項6】
前記コネクタハウジング(12)は、前記センサハウジング(20)と一体に射出成形されている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のセンサユニット(1)。
【請求項7】
前記コネクタハウジング(12)は、溶接結合若しくは接着結合により又はねじ締結により又は圧入結合により又は熱間かしめ結合により、又は、前述した結合技術の組合せにより、前記センサハウジング(20)に流体密に結合されている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のセンサユニット(1)。
【請求項8】
前記蓋(22)は、溶接結合若しくは接着結合により又はねじ締結により又は圧入結合により又は熱間かしめ結合により、又は、前述した結合技術の組合せにより、前記センサハウジング(20)に流体密に結合されている、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のセンサユニット(1)。
【請求項9】
前記コネクタアセンブリ(10)の前記少なくとも2つのコネクタピン(16)は、前記コネクタハウジング(12)内に圧入され、前記回路担体(26)の少なくとも1つの導体路構造に導電接続されている、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のセンサユニット(1)。
【請求項10】
前記回路担体(26)は、前記内部インタフェース(24)の領域において前記少なくとも2つのコネクタピン(16)に圧着されかつ電気的に接触接続されている、請求項9に記載のセンサユニット(1)。
【請求項11】
前記コネクタハウジング(12)は、底部領域に少なくとも1つの支持部材(25)を有しており、前記支持部材(25)には前記回路担体(14)が当接する、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のセンサユニット(1)。
【請求項12】
前記電子回路(28)の少なくとも1つのセンサ素子は、少なくとも1つのASICセンサモジュール(28A)内に組み込まれている、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のセンサユニット(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用のセンサユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用センサシステムから周知のホイール回転数センサ又はABSセンサは、静的にステアリングナックルに取り付けられており又は直接ホイールベアリングに取り付けられており、インクリメンタルエンコーダからの信号を非接触式に検出する。インクリメンタルエンコーダは、例えば鋼ホイール又は磁化されたエンコーダとして構成されていて、車軸又は軸受の回転部分に取り付けられている。ホイール回転数センサの他に、別のセンサ、例えば、ブレーキパッド摩耗表示用のセンサ、タイヤ空気圧センサ、ノイズ抑制用のセンサ、アダプティブダンパ制御装置、照明距離制御装置等が周知であり、これらのセンサは、ホイールハウスの領域に取り付けられている。
【0003】
従来技術から、センサハウジングと、コネクタハウジングを有するコネクタアセンブリとを備えているセンサユニットが周知である。この場合、差込みコネクタが組み込まれたコネクタハウジングは、電気コンタクト用の挿入部材を備えた射出成形ハウジングとして、又は、圧入された圧入コンタクトピンを備えた射出成形ハウジングとして形成されるものとしてよい。挿入部材を備えたコネクタハウジングは、射出成形プロセスにおいて一般に、圧入されたコンタクトを備えるコネクタハウジングよりも高いコストを生じさせる。それというのも、射出成形機における挿入プロセスは、より短いサイクル時間につながり、挿入部材を取り扱うための追加的な手間(ロボット等)を必要とするからである。コネクタ接続部を備えたそれぞれ異なるセンサハウジングの変化形(幅、高さ、異なるねじ締結点等)を製造するためには、外部のコネクタインタフェースが同様であるにもかかわらず、大抵の場合、ハウジング用にそれぞれ異なる射出成形金型が必要とされている。いわゆるA2Bインタフェースを備えたセンサには、差込みコネクタの電気的な特性に対する特別な設定が適用される。(100Mbitのネットワークインタフェースに類似する)外部インタフェースの高い伝送周波数に基づき、コネクタピン間の間隔が最小限に保持されなければならない。これによって、差込みコネクタの品数が、自由市場により制限されることとなる。顧客は、大抵、所望のセンサ構想を実現するために、センサアセンブリに対してそれぞれ全く異なる要求を有している。さらに、様々なデータバス接続構成用に、及び、様々な通信プロトコルを実行するために、様々な外部インタフェースが必要とされることがある。これによって、センサアセンブリの多数の異なる実施形態が生ぜしめられる。
【0004】
独国特許発明第3809886号明細書から、ホイール速度及びホイール又はホイールサスペンションの鉛直方向加速度及び/又は車体加速度に応じて、車両挙動、特に走行・制動挙動及び/又は振動減衰を電子制御し又はこれらに干渉する自動車用のセンサが公知である。この場合、このセンサは、2つ以上の変換システムと、ホイールと共に回転する歯付ディスクの外周部付近の車体に配置されてホイールの回転運動に比例した電気信号を送信する誘導式又は磁気抵抗式の測定値検出器と、鉛直方向加速度センサとが組み合わせられて構造的に一体化されることにより、二重又は多重機能センサを成すように構成されている。
【0005】
国際公開第03/031990号からは、車軸加速度とホイール回転数とを組み合わせて検出する装置及び圧力決定方法が公知である。この装置は、その都度自動車ホイールと共に振動する自動車シャーシの部材に機械的に結合可能である。この場合、センサ信号前処理用の電子構成素子を備えた信号前処理構成素子が設けられており、信号前処理構成素子は、磁気センサ素子及び加速度センサ素子又は組み合わせられた磁気/加速度センサ素子に、導電性素子接続手段により接続されている。磁気センサ素子又は磁気/加速度センサ素子は、ホイール側の磁気エンコーダと作用接続している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国特許発明第3809886号明細書
【特許文献2】国際公開第03/031990号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の開示
独立特許請求項1に記載の特徴を備えた、車両用のセンサユニットは、様々なセンサ用途又はセンサ構想に対して、特に閉鎖キャップの基体に組み込むことができる又は閉鎖キャップに着脱可能に配置することができる多重センサの用途に対して、フレキシブルなハウジング構想が提供されるという利点を有している。閉鎖キャップは、好適にはホイールベアリングの閉鎖キャップである。少なくとも1つのセンサ素子、好適には複数のセンサ素子を有する複雑な電子回路を備えた回路担体を1つの共通のセンサハウジング内に組み込むには、多くのスペースが必要とされる。閉鎖キャップ、特にホイールベアリング用の閉鎖キャップは、必要とされるスペースを提供すると共に、さらに、例えばブレーキディスク等の高温の車両コンポーネントに対する比較的大きい間隔に基づき比較的低い動作温度を保証する。この場合、ハウジング全体のごく一部のみが、それぞれ変化形に応じて交換される。異なる部品を組み合わせることにより、センサユニットの多数の様々な変化形を作ることができる。この場合、製造ラインは、全ての変化形を1つのライン上で製造することができるように設計され得る。本発明に係るセンサキットの提案により、異なるハウジング部品を組み合わせることによって広い帯域幅のセンサユニット又はセンサアセンブリを製造することができる。この場合、機能原理は、構造上、常に類似しており、同様の製造装置が用いられるものとしてよい。コネクタアセンブリにより、センサユニットの外部インタフェースを予め、顧客により所望されたバス型接続構成に適合させることができる一方で、センサハウジングとコネクタハウジングとの間の機械的なインタフェースは、同様に構成される。すなわち、信号伝送及び通信プロトコルに対する相応の要求を満たし得る、例えば2極又は4極又は8極の差込みコネクタを提供することができる。もちろん、雄型コネクタ又は類似のコンタクトアセンブリをセンサアセンブリの外部インタフェースとして使用することもできる。
【0008】
本発明の実施形態は、センサハウジングと、センサハウジングに配置されてコネクタハウジング及び少なくとも2つのコネクタピンを含みかつセンサユニットの外部インタフェースを構成するコネクタアセンブリと、実現しようとするセンサ構想に対応する、少なくとも1つのセンサ要素を備えた電子回路が配置された回路担体と、を備えた、車両用のセンサユニットを提供する。回路担体は、センサハウジングの開口内に挿入されており、内部インタフェースにおいて少なくとも2つのコネクタピンに接続されている。センサハウジングの開口は、蓋により流体密に閉鎖されている。この場合、センサハウジングは、閉鎖キャップの基体内に組み込まれており、又は、閉鎖キャップに着脱可能に配置されている。
【0009】
センサアセンブリの実施形態により、例えば、所要のコネクタピンが最小限に保持された間隔でコネクタハウジング内に配置されることにより、外部インタフェースとしてのA2Bインタフェースも簡単に実現することができ、これにより、ネットワークインタフェース(100Mbit)に類似した外部インタフェースの高い伝送周波数を実現することができる。さらにセンサアセンブリの外部インタフェースは、MOSTバスインタフェース、100BASE-T1インタフェース、PSI5インタフェース、CANインタフェース、CAN-FDインタフェース、VIASインタフェース等として構成されるものとしてよい。
【0010】
挿入される回路担体により、センサユニットに対する様々な顧客要求を簡単に実現することができる。すなわち、実現しようとするセンサ構想に応じて、様々なセンサ素子を電子回路の一部として回路担体上に配置することができる。したがって、例えば回転数検出器を、1つのASIC(ASIC:特定用途向け集積回路)又は冗長的に2つのASIC又は2つのセンサ素子、温度センサ、マイクロフォン等を有する1つのASICと共に回路担体上に配置することができる。この場合、回転数検出器は、ホール、AMR、GMR、TMR又は比較可能な測定技術を備えるものとしてよい。さらに、加速度測定及び/又は騒音測定用のセンサシステム(ロードノイズセンサシステム)も回路担体上に配置され得る。
【0011】
コネクタハウジング及びセンサハウジング並びに閉鎖キャップの基体は、好適にはそれぞれプラスチック射出成形構成部材として形成され得る。これにより、大量の個数での簡単かつ廉価な製造が可能になる。
【0012】
電子回路は、例えば、検出されたセンサ信号を処理又は評価する評価・制御回路を意味するものとし得る。電子回路は、ハードウェア的及び/又はソフトウェア的に構成され得る少なくとも1つのインタフェースを有するものとしてよい。ハードウェア的に構成する場合、インタフェースは、例えば電子回路の様々な機能を有する、いわゆるシステムASICの一部であるものとしてよい。しかし、インタフェースはまた、固有の集積回路であるものとしてもよく、又は、少なくとも部分的に複数の非連続的な構成素子から成るものとしてもよい。ソフトウェア的に構成する場合、インタフェースは、例えば、別のソフトウェアモジュールに隣接するマイクロコントローラに設けられたソフトウェアモジュールであるものとしてよい。機械可読担体、例えば、半導体メモリ、ハードディスクメモリ又は光学メモリに記憶されていて、評価を実施するために用いられるプログラムコードを有するコンピュータプログラム製品も、プログラムが電子回路により実行される場合は有利である。
【0013】
各従属請求項に記載された手段及び改良により、独立特許請求項1に記載の、車両用のセンサユニットの有利な改良が可能になる。
【0014】
特に有利には、センサハウジングは、閉鎖キャップの基体の凹部内に形成されるものとしてよい。この場合、凹部の壁がセンサハウジングを形成するものとしてよい。選択的に、閉鎖キャップの基体に少なくとも1つの第1の固定構造体が形成されるものとしてもよく、第1の固定構造体は、センサハウジングに配置された少なくとも1つの第2の固定構造体と協働することができる。センサハウジングを閉鎖キャップに固定するために、好適にはねじ締結手段が考慮され得る。このために少なくとも1つの第1の固定構造体は、ねじ山付きブッシュを有するものとしてよく、第2の固定構造体は、貫通開口を備えた固定舌片を有するものとしてよく、これにより、センサハウジングを閉鎖キャップにねじ締結し得る。ねじ山付きブッシュは、例えば、閉鎖キャップの基体のプラスチック内に挿入されるものとしてよく、又は、金属キャップから成る基体に溶接されるものとしてよい。他の着脱可能な固定手段、例えば係止手段、クリップ手段、バヨネットクロージャ等も考えられる。閉鎖キャップの基体は、センサハウジングの装着を改良するために、特にねじ締結手段の場合には、さらに追加的な凹部、例えば止まり穴を有するものとしてよく、止まり穴内に、センサハウジングに一体成形された位置決めピンが係合するものとしてよい。実地において、例えば、凍結破裂に抗して作用するために、この止まり穴内に流入した水の流出を容易に可能にするこのような凹部は有利である、ということが判明している。閉鎖キャップにおけるセンサハウジング又は蓋の支持領域も同様に、適当な構造により隆起させられて又は凹設されて形成されるものとしてよく、これにより、ここでも水の流出/乾燥を可能にすると共に、回動防止手段を実現することができる。選択的に、このような構造はもちろん、センサハウジング又は蓋に結合される、閉鎖キャップの基体の支持領域にも、同様の目的で設けられるものとしてよい。
【0015】
センサユニットの有利な構成においては、内部インタフェース及び外部インタフェースは、実現しようとする通信プロトコルに応じて構成されるものとしてよい。この場合、コネクタアセンブリの少なくとも2つのコネクタピンの数及び配置を、実現しようとする通信プロトコルに適合させることができる。
【0016】
センサユニットの他の有利な構成においては、コネクタハウジングは、センサハウジングと一体に射出成形されるものとしてよい。この場合、コネクタアセンブリを、金型内に供給されたコネクタピンと共に1回の射出成形過程において直ちに、センサハウジングと共に成形することができる。選択的に、コネクタハウジングは、溶接結合若しくは接着結合により又はねじ締結により又は圧入結合により又は熱間かしめ結合により、又は、前述した結合技術の組合せにより、センサハウジングに流体密に結合されるものとしてよい。この場合、コネクタアセンブリは、別個の部品として後から追加的なシールと共にセンサハウジングにフランジ締結されるものとしてよい。
【0017】
センサユニットの他の有利な構成においては、蓋は、溶接結合若しくは接着結合により又はねじ締結により又は圧入結合により又は熱間かしめ結合により、又は、前述した結合技術の組合せにより、センサハウジングに流体密に結合されるものとしてよい。
【0018】
センサユニットの他の有利な構成においては、コネクタアセンブリの少なくとも2つのコネクタピンは、コネクタハウジング内に圧入され、回路担体の少なくとも1つの導体路構造に導電接続されるものとしてよい。
【0019】
センサユニットの他の有利な構成においては、コネクタハウジングは、底部領域に少なくとも1つの支持部材を有するものとしてよく、支持部材には回路担体が当接する。さらに回路担体は、内部インタフェースの領域において少なくとも2つのコネクタピンに圧着されかつ電気的に接触接続されるものとしてよい。この、少なくとも2つのコネクタピンの接触接続は、追加的に、コネクタ側での回路担体の機械的な固定を担う。コンタクト箇所に対する負荷を最小限に抑制するために、回路担体は、第1のインタフェースの領域で少なくとも1つの支持部材に当接する。少なくとも1つの支持部材は、例えば、追加的な支持突起として、コネクタハウジングに取り付けられるものとしてよく又はコネクタハウジングと一体成形されるものとしてよい。
【0020】
センサユニットの他の有利な構成においては、電子回路の少なくとも1つのセンサ素子は、少なくとも1つのASICセンサモジュール(ASIC:特定用途向け集積回路)内に組み込まれていてよい。
【0021】
本発明の実施例を図示すると共に、以下の説明においてより詳細に説明する。図面に付された同一の符号は、同一の又は類似の機能を果たすコンポーネント又は部材である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明に係る、車両用のセンサユニットの第1の実施例を示す概略的な斜視側面図である。
【
図2】
図1に示した本発明に係る、車両用のセンサユニットを後ろから見たところを示す概略的な斜視図である。
【
図3】
図1及び
図2に示した本発明に係る、車両用のセンサユニットのためのコネクタアセンブリを示す詳細図である。
【
図4】回路担体挿入時の、
図1乃至
図3に示した本発明に係る、車両用のセンサユニットを示す概略的な斜視図である。
【
図5】蓋を被せ嵌める際の、
図1乃至
図3に示した本発明に係る、車両用のセンサユニットを示す概略的な斜視図である。
【
図6】本発明に係る、車両用のセンサユニットの第2の実施例を示す概略的な斜視側面図である。
【
図7】
図6に示した本発明に係る、車両用のセンサユニットの、センサハウジングに結合されたコネクタアセンブリを示す概略的な斜視平面図である。
【
図8】
図6に示した本発明に係る、車両用のセンサユニットの閉鎖キャップを示す概略的な斜視平面図である。
【
図9】回路担体挿入時の、
図7に示したセンサハウジングを示す概略的な斜視図である。
【
図10】蓋を被せ嵌める際の、
図7に示したセンサハウジングを示す概略的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
発明の実施形態
図1乃至
図10から明らかなように、本発明に係る、車両用のセンサユニットの図示の実施例1,1A,1Bはそれぞれ、センサハウジング20,20A,20Bと、センサハウジング20,20A,20Bに配置されてコネクタハウジング12及び少なくとも2つのコネクタピン16を含みかつセンサユニット1,1A,1Bの外部インタフェース18を構成するコネクタアセンブリ10と、実現しようとするセンサ構想に対応する、少なくとも1つのセンサ要素を備えた電子回路28が配置された回路担体26と、を含む。回路担体26は、センサハウジング20,20A,20Bの開口23内に挿入されており、内部インタフェース24において少なくとも2つのコネクタピン16に接続されている。センサハウジング20,20A,20Bの開口23は、蓋22,22A,22Bにより流体密に閉鎖されている。この場合、センサハウジング20,20A,20Bは、閉鎖キャップ3,3A,3Bの基体5内に組み込まれており、又は、閉鎖キャップ3,3A,3Bに着脱可能に配置されている。
【0024】
特に
図3及び
図7からさらに明らかなように、コネクタハウジング12は、コネクタアセンブリ10の図示の実施例においては、コネクタ(詳細には図示せず)を差し込むための各1つのコネクタ開口14を有している。さらに、コネクタアセンブリ10の少なくとも2つのコネクタピン16の数及び配置は、実現しようとする通信プロトコルに適合可能である。コネクタアセンブリ10の図示の実施例においては、圧入コンタクトピン16Aとして形成された8つのコネクタピン16が、対応する、コネクタハウジング12のコンタクト開口(詳細には図示せず)内に圧入される。特に
図4、
図5、
図9及び
図10からさらに明らかなように、回路担体14は、8つのコネクタピン16を圧入することができる8つのビア(詳細には図示せず)を備えた内部インタフェース24を有している。選択的に、コネクタピン16は、ビア内にろう接されるものとしてもよい。ビアを介してコネクタピン16は、回路担体26の少なくとも1つの導体路構造(詳細には図示せず)に電気的に接続されている。図示の実施例においては、ASICモジュール28Aが電子回路28の一部として、少なくとも1つのセンサ素子が組み込まれた回路担体26上に配置されている。もちろん、電子回路は、他の能動的又は受動的な電子構成素子(ここで詳細には図示せず)を含むものとしてもよい。ASICモジュール28Aは、直接又はスペーサを介して回路担体26に取り付けることができる。さらに、センサ構想の実現のためには、複数のセンサ素子が1つのASICモジュール28A内又は複数のASICモジュール28A内に組み込まれていてよい。
【0025】
センサハウジング20,20A,20Bは、底部領域においてコネクタピン16の接触接続の負荷を軽減するために、少なくとも内部インタフェース24の領域に少なくとも1つの支持部材25を有しており、支持部材25には回路担体26が当接する。特に
図4及び
図9からさらに明らかなように、支持突起25Aとして形成された複数の支持部材25が、分散されてセンサハウジング20,20A,20Bに一体成形されており、支持部材25には回路担体26が当接する。さらに、回路担体26は、別の支持ドーム、スナップフック等を介してセンサハウジング20,20A,20Bに支持されて固定され得る。
【0026】
図1乃至
図10からさらに明らかなように、コネクタハウジング12は、図示の実施例においては、接続領域13を形成しつつ、センサハウジング20,20A,20Bと一体に射出成形されている。このことは、好適にはセンサハウジング20,20A,20Bの製造と共に1回の射出成形過程において行われる。これにより、センサハウジング20,20A,20Bとコネクタアセンブリ10のコネクタハウジング12とは、互いに取外し不能に結合されている。
【0027】
センサユニット1の選択的な実施例(図示せず)においては、コネクタアセンブリ10のコネクタハウジング12は、別個に製造され、溶接結合若しくは接着結合により又はねじ締結により又は圧入結合により又は熱間かしめ結合により、又は、前述した結合技術の組合せにより、センサハウジング20に流体密に結合される。好適には、コネクタハウジング12は、レーザ照射溶接又は摩擦溶接により、センサハウジング20,20A,20Bに結合される。
【0028】
図1乃至
図5からさらに明らかなように、センサハウジング20Aは、センサユニット1Aの図示の第1の実施例においては、閉鎖キャップ3Aの基体5の凹部6内に形成されている。すなわち、基体5に設けられた凹部6の壁が、センサハウジング20Aを形成している。既に上述したように、コネクタハウジング12は、接続領域13を形成しつつ、センサハウジング20A又は閉鎖キャップ3Aの基体5と一体に射出成形されている。このことは、好適には閉鎖キャップ3Aの基体5の製造と共に1回の射出成形過程において行われる。これにより、閉鎖キャップ3Aの基体5とコネクタアセンブリ10のコネクタハウジング12とは、互いに取外し不能に結合されている。図示の実施例においては、ホイールベアリング用の閉鎖キャップ3Aであるため、射出成形技術により基体5をプラスチックから製造する際に、鋼又は特殊鋼から成る圧入リング7が金型内に共に挿入される。
図4からさらに明らかなように、閉鎖キャップ3Aの基体5の製造後に、回路担体26がセンサハウジング20Aの開口23内に挿入され、内部インタフェース24においてコネクタピン16と機械的かつ電気的に接続される。センサハウジング20A又は閉鎖キャップ3Aの基体5の開口23は、好適にはプラスチックから製造された蓋22Aにより閉鎖され、蓋22Aは、接着技術により又はレーザ照射溶接若しくは摩擦溶接により、又は、他の適当な方法により、センサハウジング20A又は閉鎖キャップ3Aの基体5の内側の凹部6の縁部に流体密に取り付けられる。
図2、
図4及び
図5からさらに明らかなように、閉鎖キャップ3Aは、縁部にシール9のためのシール溝8を有しており、シール9は、ここではOリングシール9Aとして形成されている。
【0029】
図6乃至
図10からさらに明らかなように、センサハウジング20Bは、センサユニットの図示の第2の実施例1Bにおいては、閉鎖キャップ3Bの基体5とは別個に形成されている。すなわち、センサハウジング20Bは、閉鎖キャップ3Bの基体5に取り付けられている。既に上述したように、コネクタハウジング12はセンサユニットの第2の実施例1Bでも接続領域13を形成しつつ、センサハウジング20Bと一体に射出成形されている。このことは、好適にはセンサハウジング20Bの製造と共に1回の射出成形過程において行われる。これにより、センサハウジング20Bとコネクタアセンブリ10のコネクタハウジング12とは、互いに取外し不能に結合されている。図示の実施例においては、ホイールベアリング用の閉鎖キャップ3Bであるため、射出成形技術により基体5をプラスチックから製造する際には、センサユニットの第1の実施例1Aと同様に、鋼又は特殊鋼から成る圧入リング7が金型内に共に挿入される。
図9からさらに明らかなように、センサハウジング20Bがコネクタハウジング12と共に製造された後に、回路担体26がセンサハウジング20Bの開口23内に挿入され、内部インタフェース24においてコネクタピン16と機械的かつ電気的に接続される。センサハウジング20Bの開口23は、好適にはプラスチックから製造された蓋22Bにより閉鎖され、蓋22Bは、接着技術により又はレーザ照射溶接若しくは摩擦溶接により、又は、他の適当な方法により、センサハウジング20Bに流体密に取り付けられる。
【0030】
図6乃至
図10からさらに明らかなように、閉鎖キャップ3Bの基体5には、少なくとも1つの第1の固定構造体4が形成されており、第1の固定構造体4は、センサハウジング20Bに配置された少なくとも1つの第2の固定構造体29と協働する。特に
図6乃至
図8からさらに明らかなように、少なくとも1つの第1の固定構造体4は、ねじ山付ブッシュ4Bを有しており、ねじ山付ブッシュ4Bを包囲するように、ブッシュ収容部4Aが射出成形されている。第2の固定構造体29は、センサハウジング20Bに一体成形された、貫通開口を備えた固定舌片29Aを有しており、これにより、センサハウジング20Bを閉鎖キャップ3にねじ締結することができる。固定ねじのガイドを改良するために、固定舌片29Aの貫通開口内にはガイドブッシュが挿入され得る。このガイドブッシュは、例えば貫通開口内に圧入されるものとしてよい。選択的に、ガイドブッシュを包囲するように固定舌片29Aが射出成形され、貫通開口を形成するものとしてもよい。
【0031】
図8からさらに明らかなように、閉鎖キャップ3Bの基体5は、センサハウジング20B又は蓋22Bの装着を改良するために、複数の追加的な凹部(詳細には図示せず)を有している。閉鎖キャップ3Bにおける蓋22Bの支持領域には、対応する隆起構造(詳細には図示せず)が形成されており、隆起構造は、基体5に設けられた凹部のうちの1つと協働し、これにより、蓋22Bにより閉鎖されたセンサハウジング20Bを閉鎖キャップ3Bの基体5の上に正しい位置において配置することを支援する。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用のセンサユニット(1)であって、センサハウジング(20)と、前記センサハウジング(20)に配置されてコネクタハウジング(12)及び少なくとも2つのコネクタピン(16)を含みかつ当該センサユニット(1)の外部インタフェース(18)を構成するコネクタアセンブリ(10)と、実現しようとするセンサ用途に対応する、少なくとも1つのセンサ要素を有する電子回路(28)が配置された回路担体(26)と、を備えているセンサユニット(1)において、前記回路担体(26)は、前記センサハウジング(20)の開口(23)内に挿入されており、内部インタフェース(24)において前記少なくとも2つのコネクタピン(16)に接続されており、前記センサハウジング(20)の前記開口(23)は、蓋(22)により流体密に閉鎖されており、前記センサハウジング(20)は、閉鎖キャップ(3)の基体(5)内に組み込まれており、又は、前記閉鎖キャップ(3)に着脱可能に配置されている、センサユニット(1)。
【請求項2】
前記センサハウジング(20)は、前記閉鎖キャップ(3)の前記基体(5)の凹部(6)内に形成されている、請求項1に記載のセンサユニット(1)。
【請求項3】
前記閉鎖キャップ(3)の前記基体(5)には、少なくとも1つの第1の固定構造体(4)が形成されており、前記第1の固定構造体(4)は、前記センサハウジング(20)に配置された少なくとも1つの第2の固定構造体(29)と協働する、請求項1に記載のセンサユニット(1)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第1の固定構造体(4)は、ねじ山付きブッシュ(4B)を有しており、前記第2の固定構造体(29)は、貫通開口を備えた固定舌片(29A)を有しており、これにより、前記センサハウジング(20)を前記閉鎖キャップ(3)にねじ締結し得る、請求項3に記載のセンサユニット(1)。
【請求項5】
前記内部インタフェース(24)及び前記外部インタフェース(18)は、実現しようとする通信プロトコルに応じて構成されており、前記コネクタアセンブリ(10)の前記少なくとも2つのコネクタピン(16)の数及び配置は、前記実現しようとする通信プロトコルに適合可能である、請求項1に記載のセンサユニット(1)。
【請求項6】
前記コネクタハウジング(12)は、前記センサハウジング(20)と一体に成形されている、請求項1に記載のセンサユニット(1)。
【請求項7】
前記コネクタハウジング(12)は、前記センサハウジング(20)に流体密に結合されている、請求項1に記載のセンサユニット(1)。
【請求項8】
前記蓋(22)は、前記センサハウジング(20)に流体密に結合されている、請求項1に記載のセンサユニット(1)。
【請求項9】
前記コネクタアセンブリ(10)の前記少なくとも2つのコネクタピン(16)は、前記コネクタハウジング(12)内に配置され、前記回路担体(26)の少なくとも1つの導体路構造に導電接続されている、請求項1に記載のセンサユニット(1)。
【請求項10】
前記回路担体(26)は、前記内部インタフェース(24)の領域において前記少なくとも2つのコネクタピン(16)に電気的に接触接続されている、請求項9に記載のセンサユニット(1)。
【請求項11】
前記コネクタハウジング(12)は、底部領域に少なくとも1つの支持部材(25)を有しており、前記支持部材(25)には前記回路担体(26)が当接する、請求項1に記載のセンサユニット(1)。
【請求項12】
前記電子回路(28)の少なくとも1つのセンサ素子は、少なくとも1つのASICセンサモジュール(28A)内に組み込まれている、請求項1に記載のセンサユニット(1)。
【外国語明細書】