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特開2024-83328トークン管理プログラム、トークン管理システム、およびトークン管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083328
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】トークン管理プログラム、トークン管理システム、およびトークン管理方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20240613BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240613BHJP
   A63F 13/70 20140101ALI20240613BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20240613BHJP
【FI】
A63F13/69 520
G06Q50/10
A63F13/70
A63F13/79
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024029241
(22)【出願日】2024-02-29
(62)【分割の表示】P 2022196191の分割
【原出願日】2022-12-08
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年10月20日、第0回資産性ミリオンアーサー生放送(https://twitter.com/i/spaces/1jMKgLzVWwMGL)にて公開 令和4年12月4日、第1.5回OZKゲームリリース情報大公開スペシャル(https://twitter.com/i/spaces/1YpJkgDOaDZJj)にて公開
(71)【出願人】
【識別番号】308033283
【氏名又は名称】株式会社スクウェア・エニックス
(71)【出願人】
【識別番号】518180571
【氏名又は名称】double jump.tokyo株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155402
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 真
(72)【発明者】
【氏名】畑 圭輔
(72)【発明者】
【氏名】吉目木 淳司
(72)【発明者】
【氏名】野島 貴英
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 優
(72)【発明者】
【氏名】坂本 康朗
(72)【発明者】
【氏名】加藤 将彰
(57)【要約】
【課題】ユーザの興味を増大させる。
【解決手段】トークン管理プログラムが、コンピュータに、第1のトークンに対応する第1のオブジェクトと、第2のトークンに対応する第2のオブジェクトとを重ね合わせることにより組み合わせる、組み合わせ機能と、組み合わせに応じて第3のトークンを生成するトークン生成機能とを実現させる。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
第1のトークンに対応する第1のオブジェクトと、第2のトークンに対応する第2のオブジェクトとを重ね合わせることにより組み合わせる、組み合わせ機能と、
前記組み合わせに応じて第3のトークンを生成するトークン生成機能とを
実現させる、トークン管理プログラム。
【請求項2】
前記組み合わせに用いられたオブジェクトに対応するトークンを無効化する、無効化機能をさらに実現させる、
請求項1に記載のトークン管理プログラム。
【請求項3】
前記無効化機能では、前記組み合わせに用いられたオブジェクトをさらに無効化する機能を実現させる、
請求項2に記載のトークン管理プログラム。
【請求項4】
前記第3のトークンに対応する第3のオブジェクトが、前記第1のオブジェクトと前記第2のオブジェクトとが重ね合わされたオブジェクトに基づいたものであり、
前記コンピュータに、前記第3のオブジェクトを出力装置にAR出力させる出力機能をさらに実現させる、
請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載のトークン管理プログラム。
【請求項5】
通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備えたトークン管理システムであって、
第1のトークンに対応する第1のオブジェクトと、第2のトークンに対応する第2のオブジェクトとを重ね合わせることにより組み合わせる、組み合わせ手段と、
前記組み合わせに応じて第3のトークンを生成するトークン生成手段と、を含む、
トークン管理システム。
【請求項6】
コンピュータによるトークン管理方法であって、
第1のトークンに対応する第1のオブジェクトと、第2のトークンに対応する第2のオブジェクトとを重ね合わせることにより組み合わせる、組み合わせ処理と、
前記組み合わせに応じて第3のトークンを生成するトークン生成処理と、を含む、
トークン管理方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態の少なくとも一つは、トークン管理プログラム、トークン管理システム、およびトークン管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ブロックチェーン(Block chain)を用いた、非代替性トークン(Non-Fungible Token:NFT)等の各種のトークンを用いた技術が登場している。
【0003】
特許文献1には、ユーザがプレイするゲームにおけるゲーム内非代替資産をNFTとしてゲーム内とゲーム外との間で送受信することが可能なゲームシステムが記載されている。前記ゲームシステムは、ゲームを管理するゲーム管理部と、ゲーム内非代替資産を管理する資産管理部と、ユーザのユーザ用ウォレット部との間で互いのアドレスを指定することでNFTの送受信をネットワーク経由でブロックチェーン上に記憶させることにより行う運営側ウォレット部とを備える。ゲーム外にゲーム内非代替資産を送信する場合、資産管理部はゲーム内非代替資産の所有者情報を削除し、運営側ウォレット部は、ゲーム内非代替資産をNFTとして発行して、ユーザにより指定されたウォレットアドレスにNFTを送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-152815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
トークンは、オブジェクトと対応付けられることがある。オブジェクトの例として、例えば画像データ、動画データ、または音声データなどのコンテンツがある。
【0006】
ここで、トークンと対応するオブジェクトを複数組み合わせる際に、オブジェクト同士を重ね合わせることができれば、例えばシールを上から重ね貼りするといった遊び心を表現することができ、ユーザの興味を増大させることができる。
【0007】
本発明の少なくとも一つの実施形態の目的は、上記課題を解決し、ユーザの興味を増大させることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係るトークン管理プログラムは、コンピュータに、第1のトークンに対応する第1のオブジェクトと、第2のトークンに対応する第2のオブジェクトとを重ね合わせることにより組み合わせる、組み合わせ機能と、前記組み合わせに応じて第3のトークンを生成するトークン生成機能とを実現させるものである。
【0009】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係るトークン管理システムは、通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備えたトークン管理システムであって、第1のトークンに対応する第1のオブジェクトと、第2のトークンに対応する第2のオブジェクトとを重ね合わせることにより組み合わせる、組み合わせ手段と、前記組み合わせに応じて第3のトークンを生成するトークン生成手段と、を含むものである。
【0010】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係るトークン管理方法は、コンピュータによるトークン管理方法であって、第1のトークンに対応する第1のオブジェクトと、第2のトークンに対応する第2のオブジェクトとを重ね合わせることにより組み合わせる、組み合わせ処理と、前記組み合わせに応じて第3のトークンを生成するトークン生成処理と、を含むものである。
【発明の効果】
【0011】
本願の各実施形態により1または2以上の不足が解決される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するトークン管理システムの構成の例を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するトークン管理プログラムの処理例を示すフローチャートである。
図4】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、2つのオブジェクトの重ね合わせを例示する概念図である。
図5】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、3つ以上のオブジェクトの重ね合わせを例示する概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態の例について図面を参照して説明する。なお、以下で説明する各実施形態の例における各種構成要素は、矛盾等が生じない範囲で適宜組み合わせ可能である。また、ある実施形態の例として説明した内容については、他の実施形態においてその説明を省略している場合がある。また、各実施形態の特徴部分に関係しない動作や処理については、その内容を省略している場合がある。さらに、以下で説明する各種フローやシーケンスを構成する各種処理の順序は、処理内容に矛盾等が生じない範囲で順不同である。
【0014】
以下では、コンピュータの一例であるサーバにおいて実行されるトークン管理プログラムを例示して説明する。ただし、コンピュータはユーザ端末など、他の装置であってもよい。
【0015】
図1は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するトークン管理システム100の構成の例を示すブロック図である。トークン管理システム100は、サーバ10と、トークン管理システム100のユーザが使用するユーザ端末20とを備える。ユーザ端末20A、20B、および20Cはそれぞれ、ユーザ端末20の一例である。トークン管理システム100の構成はこれに限定されない。例えば、トークン管理システム100は、単一のユーザ端末を複数のユーザが使用する構成であってよい。トークン管理システム100が複数のサーバを備えてもよい。
【0016】
サーバ10とユーザ端末20は、コンピュータの一例である。サーバ10とユーザ端末20は、それぞれインターネットなどの通信ネットワーク30に通信可能に接続されている。通信ネットワーク30とサーバ10との間の接続、および通信ネットワーク30とユーザ端末20との間の接続は有線接続であっても無線接続であってもよい。例えば、ユーザ端末20は、通信事業者が管理する基地局と無線通信回線によるデータ通信を行うことにより、通信ネットワーク30と接続してよい。
【0017】
トークン管理システム100は、サーバ10とユーザ端末20とを備えることにより、ユーザの操作に応じて各種処理を実行するための各種機能を実現する。
【0018】
サーバ10はゲームの進行を制御するゲーム処理サーバであってもよい。この場合、サーバ10はプレイヤの操作に応じてゲームの進行を制御する。サーバ10はゲームに限られない各種の電子サービスをユーザに対して提供してもよい。
【0019】
サーバ10は、プロセッサ11と、メモリ12と、記憶装置13とを備える。プロセッサ11は、例えば、各種の演算および制御を行うCPU(Central Processing Unit)等の中央処理装置である。また、サーバ10がGPU(Graphics Processing Unit)を備える場合には、各種の演算および制御の一部をGPUによって行うようにしてもよい。サーバ10は、メモリ12に読み出したデータを用いて各種の情報処理をプロセッサ11にて実行し、得られた処理結果を必要に応じて記憶装置13に記憶させる。
【0020】
記憶装置13は、各種情報を格納する記憶媒体としての機能を有する。記憶装置13の構成は特に限定されないが、ユーザ端末20にかかる処理負荷を軽減させるといった観点から、トークン管理システム100にて行われる制御に必要な各種情報を全て記憶可能な構成であってよい。このような例には、HDDやSSDがある。ただし、各種情報を記憶する記憶装置は、サーバ10がアクセス可能な状態で記憶領域を備えていればよく、例えば専用の記憶領域をサーバ10の外部に有する構成とされていてもよい。
【0021】
サーバ10は、ゲーム画像をレンダリング可能なゲーム処理サーバなどの情報処理装置によって構成されてもよい。
【0022】
ユーザ端末20はユーザによって管理される。ユーザ端末20の例としては、例えば携帯電話端末、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ、タブレット、据置型ゲーム装置、携帯型ゲーム装置などがある。ユーザ端末20は、ユーザが操作可能なVRゴーグル、ARグラス、スマートグラス、ARコンタクト、その他のウェアラブルデバイスであってもよい。
【0023】
ユーザ端末は、ネットワーク配信型のゲームを行うことが可能な通信端末であってもよい。
【0024】
ユーザ端末20は、通信ネットワーク30に接続し、サーバ10との通信を行うことにより各種処理を実行するためのハードウェアおよびソフトウェアを備える。複数のユーザ端末20のそれぞれは、サーバ10を介さずに互いに直接通信を行うこともできる構成とされていてもよい。
【0025】
ユーザ端末20には表示装置が内蔵されていてよい。また、ユーザ端末20に対して、表示装置が無線接続あるいは有線接続されていてもよい。なお、表示装置は極めて一般的な構成であるため、ここでは図示を省略している。表示装置は出力装置の一例である。ユーザがユーザ端末20を用いてゲームを行う場合、ゲーム画面は合成画像として表示装置によって表示され、ユーザがこの合成画像を認識する。ユーザがユーザ端末20を用いて各種の情報処理を行う場合も、情報処理に必要な画面(情報処理画面)が画像として表示装置によって表示され、ユーザがこの画像を認識する。ゲーム画面や情報処理画面は例えば、ユーザ端末が備える表示装置の一例であるディスプレイや、ユーザ端末と接続された表示装置の一例であるディスプレイに表示される。表示装置には、例えば、ホログラム表示が可能なホログラムディスプレイ装置や、画像(ゲーム画面や情報処理画面を含む)をスクリーン等に映写する映写装置、XR表示を行う装置なども含まれる。XRには、VR(Virtual Reality)、AR(Augmented Reality)、MR(Mixed Reality)、およびSR(Substitutional Reality)などが含まれる。
【0026】
ユーザ端末20は、プロセッサ21と、メモリ22と、記憶装置23とを備える。プロセッサ21は、例えば、各種の演算および制御を行うCPU(Central Processing Unit)等の中央処理装置である。また、ユーザ端末20がGPU(Graphics Processing Unit)を備える場合には、各種の演算および制御の一部をGPUによって行うようにしてもよい。ユーザ端末20は、メモリ22に読み出したデータを用いて各種の情報処理をプロセッサ21にて実行し、得られた処理結果を必要に応じて記憶装置23に記憶させる。記憶装置23は、各種情報を格納する記憶媒体としての機能を有する。
【0027】
ユーザ端末20には入力装置が内蔵されていてよい。また、ユーザ端末20に対して入力装置が無線接続あるいは有線接続されていてもよい。入力装置はユーザによる操作入力を受け付ける。ユーザによる操作入力に応じて、サーバ10が備えるプロセッサまたはユーザ端末20が備えるプロセッサが、各種の制御処理を実行する。入力装置の例として、スマートフォンやタブレット等が備えるタッチパネル画面、キーボード、マウス、ゲームパッド、ジョイスティック、その他のコントローラなどがある。また、ユーザ端末20に内蔵またはこれと接続されたカメラも入力装置に相当し得る。ユーザはカメラの前で手を動かす等のジェスチャーにより、操作入力を行う(ジェスチャー入力)。
【0028】
その他、ユーザ端末20はスピーカ等の他の出力装置を備えていてよい。他の出力装置は、ユーザに対して音声、振動、その他の各種の情報を出力する。
【0029】
通信ネットワーク30にはブロックチェーンネットワーク60が含まれている。ブロックチェーンネットワーク60は、コンピュータ等の複数のノードによって構築されている。複数のノードの例として、図1にはそれぞれがコンピュータであるノード6a、6b、6c、および6dが記載されている。これらはあくまで一例であり、ノードの数は4つでなくともよい。なお、ブロックチェーンネットワーク60は、図示した通信ネットワーク30とは別のネットワークとして構築されていてもよい。
【0030】
複数のノード6a~6dは、典型的にはピアツーピア型に相互接続され、ブロックチェーンネットワーク60を構築している。各ノードが備える記憶装置には分散型台帳が記憶されている。サーバ10またはユーザ端末20は、ブロックチェーンネットワーク60と通信可能に接続されていてよい。サーバ10またはユーザ端末20は、ブロックチェーンネットワーク60に含まれるノードとして機能してもよい。
【0031】
図2は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。サーバ10は、組み合わせ部101、トークン生成部102、無効化部103、および出力部104を備える。サーバ10が備えるプロセッサは、記憶装置に保持されたトークン管理プログラムを参照し、そのプログラムを実行することにより、組み合わせ部101、トークン生成部102、無効化部103、および出力部104を機能的に実現する。
【0032】
組み合わせ部101は、第1のトークンに対応する第1のオブジェクトと、第2のトークンに対応する第2のオブジェクトとを重ね合わせることにより組み合わせる機能を有する。
【0033】
トークン生成部102は、組み合わせに応じて第3のトークンを生成する機能を有する。
【0034】
無効化部103は、組み合わせに用いられたオブジェクトに対応するトークンを無効化する機能を有する。
【0035】
出力部104は、第3のオブジェクトを出力装置にAR出力させる機能を有する。ここで、第3のオブジェクトは、第3のトークンに対応するオブジェクトである。第3のオブジェクトは、第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとが重ね合わされたオブジェクトに基づいたものである。AR出力とは、AR空間において出力することを意味する。例えば、現実世界を背景画像として取得し、背景画像と併せてオブジェクトを表示することなどが、AR出力に該当する。また、車のフロントウィンドウなどの透明または半透明なウィンドウにオブジェクトを表示することなども、AR出力に該当する。この場合、ウィンドウ越しに現実世界が映り込むので、現実世界を背景としてオブジェクトが表示されることになる。なお、出力は表示を含む。
【0036】
次に、本発明の実施形態におけるプログラム実行処理について説明する。図3は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するトークン管理プログラムの処理例を示すフローチャートである。
【0037】
組み合わせ部101が、第1のトークンに対応する第1のオブジェクトと、第2のトークンに対応する第2のオブジェクトとを組み合わせる(St11)。この組み合わせは、第1のオブジェクトと第2のオブジェクトを重ね合わせることにより行われる。
【0038】
トークン生成部102が、組み合わせに応じて第3のトークンを生成する(St12)。
【0039】
無効化部103が、組み合わせに用いられたオブジェクトに対応するトークンを無効化する(St13)。
【0040】
出力部104が、第3のトークンに対応する第3のオブジェクトを出力装置にAR出力させる(St14)。なお、第3のオブジェクトは、第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとが重ね合わされたオブジェクトに基づいたものである。
【0041】
トークンとは、典型的には非代替性トークン(Non-Fungible Token:NFT)を意味する。トークンは、矛盾等が生じない限り、代替性のあるトークン(Fungible Token:FT)や、リファンジブルなトークン(Re-Fungible Token:RFT)等の、他の種類のトークンであってもよい。
【0042】
トークンに対応するオブジェクトとは、トークンと紐づけられたオブジェクトを意味する。トークンと紐づけ可能なオブジェクトであれば特に種類は問わない。オブジェクトの例として、例えば画像データ、動画データ、音声データなどのコンテンツがある。トークンの種類がNFTである場合、オブジェクトはサーバの記憶領域やIPFSなどに記憶される。ブロックチェーン上のNFTには、当該オブジェクトへのリンク情報などが含まれ得る。
【0043】
第1のオブジェクトと第2のオブジェクトを重ね合わせるとは、例えば、第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとが複数の層すなわちレイヤーを形成するように重ね合わせることを意味する。
【0044】
図4は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、2つのオブジェクトの重ね合わせを例示する概念図である。
【0045】
第1のトークンに対応する第1のオブジェクトOBJ1が第1の層を形成する。第2のトークンに対応する第2のオブジェクトOBJ2が第2の層を形成する。第1の層と第2の層とを重ね合わせることにより、2層構造で構成された第3のオブジェクトOBJ3が生成される。
【0046】
図4における第1のオブジェクトOBJ1は、例えば静止画または動画であってよい。第2のオブジェクトOBJ2は、静止画または動画であってよい。2つのコンテンツを層状に重ね合わせることにより、組み合わせ部101が、第1のオブジェクトOBJ1と第2のオブジェクトOBJ2とを組み合わせる。この組み合わせにより、第3のオブジェクトOBJ3が形成される。
【0047】
なお、オブジェクトが静止画や動画である場合、組み合わせ部101は複数のオブジェクトを所定の方向に重ね合わせてよい。重ね合わせについての所定の方向とは、図4の例では上下方向である。所定の方向とは、仮想空間上の任意の方向(例えば垂直方向や水平方向)であってよく、拡張現実を用いたサービスを行う場合は現実空間上の任意の方向であってもよい。一方、音声データ等を組合わせる場合、所定の方向は観念できなくともよい。この場合、組み合わせ部101の処理により、静止画や動画などに対して音声が組み込まれればよい。
【0048】
図4における第3のオブジェクトOBJ3は、第1のオブジェクトOBJ1と第2のオブジェクトOBJ2とが重ね合わされたオブジェクトである。なお、サーバ10は、単に重ね合わせを行うだけでなく、重ね合わせにより形成された新たなオブジェクトに対して種々の画像処理等をさらに行うこともできる。そのため、第3のオブジェクトOBJ3は、第1のオブジェクトOBJ1と第2のオブジェクトOBJ2とが重ね合わされたオブジェクトに基づくオブジェクトであってもよい。
【0049】
ステップSt12においてトークン生成部102は、組み合わせに応じて第3のトークンを生成する。ここでいう第3のトークンの生成とは、例えばNFTをmintし、NFTと第3のオブジェクトとを紐づける処理等を意味していてよい。
【0050】
[3つ以上のオブジェクトの重ね合わせ]
図5は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、3つ以上のオブジェクトの重ね合わせを例示する概念図である。
【0051】
組み合わせ部101は、第1のトークンに対応する第1のオブジェクトOBJ1と、第2のトークンに対応する第2のオブジェクトOBJ2と、第4のトークンに対応する第4のオブジェクトOBJ4と、第5のトークンに対応する第5のオブジェクトOBJ5とを重ね合わせることにより組合わせる。例えば、第1のオブジェクトOBJ1はキャラクタが描かれた、シール状の静止画または動画である。第2のオブジェクトOBJ2、第4のオブジェクトOBJ4および第5のオブジェクトOBJ5はそれぞれ、動画やpng形式の静止画などである。この組み合わせにより、4つのオブジェクトOBJ1、OBJ2、OBJ4、およびOBJ5が重ね合わされた第3のオブジェクトOBJ3が生成される。この場合、第3のオブジェクトOBJ3は、動くキャラクタシールとなる。
【0052】
以上のように、組み合わせ部101は、複数のトークンに対応するそれぞれのオブジェクトを重ね合わせることにより組み合わせてよい。
【0053】
[組み合わせに用いられたオブジェクトに対応するトークンの扱い]
組み合わせに用いられたオブジェクトに対応するトークンは、そのまま特に処理を行わずに存続させてもよい。この場合、トークン管理プログラムを実行するサーバ10は、複数のオブジェクトに基づいて別の新しいオブジェクトを生むといった行為を表現することができる。
【0054】
一方、組み合わせに用いられたオブジェクトに対応するトークンは、無効化されてもよい。この場合、トークン管理プログラムを実行するサーバ10は、複数のオブジェクトを合成して合成済みオブジェクトを生成するといった行為を表現することができる。図3に示したフローチャートにおいては、ステップSt13にて無効化部103が、組み合わせに用いられたオブジェクトに対応するトークンを無効化している。ここで図4を参照して例示すると、無効化部103は第1のオブジェクトOBJ1に対応する第1のトークンと、第2のオブジェクトOBJ2に対応する第2のトークンとを無効化する。図5を参照して例示すると、無効化部103は第1のオブジェクトOBJ1に対応する第1のトークンと、第2のオブジェクトOBJ2に対応する第2のトークンと、第4のオブジェクトOBJ4に対応する第4のトークンと、第5のオブジェクトOBJ5に対応する第5のトークンと、を無効化する。
【0055】
トークンを無効化するとは、例えばトークンをバーン(Burn)することや、トークンをユーザからアクセス不能にすることなどを意味する。
【0056】
なお、無効化部103は、組み合わせに用いられたオブジェクトをさらに無効化してもよい。オブジェクトの無効化とは、オブジェクトのデータを削除すること、オブジェクトに紐づけて管理されている無効化フラグをオンにすること、または、オブジェクトをユーザからアクセス不能にすることなどを意味する。
【0057】
[オブジェクトのAR出力]
ステップSt14において出力部104は、第3のトークンに対応する第3のオブジェクトを出力装置にAR出力させる。図4および図5に例示したように、第3のオブジェクトOBJ3は、複数のオブジェクトが複数のレイヤーを形成するように重ね合わせられている。すなわち第3のオブジェクトOBJ3は、複数のレイヤーを有する。
【0058】
ここで例えば、Spineなどの2次元アニメーション作成プログラムを用いれば、複数のレイヤーを有するオブジェクトをAR空間内で出力(表示)することができる。また、複数のレイヤーを有するオブジェクトに基づいて、複数の層の表現を合成した動画データを生成すれば、複数のレイヤーを有するオブジェクトをAR空間内で出力(表示)することができる。
【0059】
[変形例]
コンピュータに、トークンに対応するオブジェクトの重ね合わせの順番に応じて異なる効果を、組み合わせ後のオブジェクトに対して付与する、効果付与部をさらに実現させてもよい。
【0060】
異なる効果の例としては、組み合わせ後のオブジェクトの属性値を異ならせることなどがある。例えばオブジェクトをA、B、Cの順番に重ね合わせた場合、効果付与部は組み合わせ後のオブジェクトの属性値である攻撃力を100に設定する。オブジェクトをB、A、Cの順番に重ね合わせた場合、効果付与部は組み合わせ後のオブジェクトの属性値である攻撃力を120に設定する。なお、攻撃力は属性値の一例である。効果付与部は、他の属性値を重ね合わせの順番に応じて異なるように設定してもよい。
【0061】
効果付与部は、重ね合わせ対象となるオブジェクトの組み合わせに応じて異なる効果をオブジェクトに対して付与してもよい。例えば、オブジェクトA、B、Cを重ね合わせた場合、効果付与部は組み合わせ後のオブジェクトの属性値である防御力を80に設定する。オブジェクトA、B、Dを重ね合わせた場合、効果付与部は組み合わせ後のオブジェクトの属性値である防御力を160に設定する。なお、防御力は属性値の一例である。効果付与部は他の属性値を、重ね合わせ対象となるオブジェクトの組み合わせに応じて、異なるように設定してもよい。
【0062】
以上に説明したように、本願の各実施形態により1または2以上の不足が解決される。なお、夫々の実施形態による効果は、非限定的な効果または効果の一例である。
【0063】
上述した各実施形態では、ユーザ端末20およびサーバ10は、自己が備える記憶装置に記憶されている各種制御プログラム(例えば、トークン管理プログラム)に従って、上述した各種の処理を実行する。また、ユーザ端末20やサーバ10に限られない他のコンピュータが、自己が備える記憶装置に記憶されている各種制御プログラム(例えば、トークン管理プログラム)に従って、上述した各種の処理を実行してもよい。
【0064】
また、トークン管理システム100の構成は、上述した実施形態の例として説明した構成に限定されない。例えばユーザ端末が実行する処理として説明した処理の一部または全部をサーバが実行する構成としてもよいし、サーバが実行する処理として説明した処理の一部または全部をユーザ端末が実行する構成としてもよい。また、サーバが備える記憶部(記憶装置)の一部または全部をユーザ端末が備える構成としてもよい。すなわち、トークン管理システム100における、ユーザ端末とサーバのどちらか一方が備える機能の一部または全部を、他の一方が備える構成とされていてもよい。
【0065】
また、プログラムが、上述した各実施形態の例として説明した機能の一部または全部を、通信ネットワークを含まない装置単体に実現させる構成としてもよい。
【0066】
[付記]
上述した実施形態の説明は、少なくとも下記発明を、当該発明の属する分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができるように記載した。
【0067】
[1]
コンピュータに、
第1のトークンに対応する第1のオブジェクトと、第2のトークンに対応する第2のオブジェクトとを重ね合わせることにより組み合わせる、組み合わせ機能と、
前記組み合わせに応じて第3のトークンを生成するトークン生成機能とを
実現させる、トークン管理プログラム。
【0068】
上記のトークン管理プログラムによれば、ユーザの興味を増大させることができる。
【0069】
[2]
前記組み合わせに用いられたオブジェクトに対応するトークンを無効化する、無効化機能をさらに実現させる、[1]に記載のトークン管理プログラム。
【0070】
上記のトークン管理プログラムによれば、トークンの数の無秩序な増大を防止することができる。
【0071】
[3]
前記無効化機能では、前記組み合わせに用いられたオブジェクトをさらに無効化する機能を実現させる、[2]に記載のトークン管理プログラム。
【0072】
上記のトークン管理プログラムによれば、トークンに対応するオブジェクト数の無秩序な増大を防止することができる。また、トークンに対応するオブジェクト同士の合成を表現することができる。
【0073】
[4]
前記第3のトークンに対応する第3のオブジェクトが、前記第1のオブジェクトと前記第2のオブジェクトとが重ね合わされたオブジェクトに基づいたものであり、
前記コンピュータに、前記第3のオブジェクトを出力装置にAR出力させる出力機能をさらに実現させる、[1]から[3]のうちいずれか一項に記載のトークン管理プログラム。
【0074】
上記のトークン管理プログラムによれば、組み合わせ後に得られた、複数のレイヤーを有する第3のオブジェクトをAR空間内で出力することができる。
【0075】
[5]
通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備えたトークン管理システムであって、
第1のトークンに対応する第1のオブジェクトと、第2のトークンに対応する第2のオブジェクトとを重ね合わせることにより組み合わせる、組み合わせ手段と、
前記組み合わせに応じて第3のトークンを生成するトークン生成手段と、を含む、
トークン管理システム。
【0076】
上記のトークン管理システムによれば、ユーザの興味を増大させることができる。
【0077】
[6]
コンピュータによるトークン管理方法であって、
第1のトークンに対応する第1のオブジェクトと、第2のトークンに対応する第2のオブジェクトとを重ね合わせることにより組み合わせる、組み合わせ処理と、
前記組み合わせに応じて第3のトークンを生成するトークン生成処理と、を含む、
トークン管理方法。
【0078】
上記のトークン管理方法によれば、ユーザの興味を増大させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明の実施形態の一つによれば、ユーザの興味を増大させるようなトークン管理プログラム、トークン管理システム、およびトークン管理方法として有用である。
【符号の説明】
【0080】
6a~6d ノード
10 サーバ
11 プロセッサ
12 メモリ
13 記憶装置
20、20A、20B、20C ユーザ端末
21 プロセッサ
22 メモリ
23 記憶装置
30 通信ネットワーク
60 ブロックチェーンネットワーク
100 トークン管理システム
101 組み合わせ部
102 トークン生成部
103 無効化部
104 出力部

図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-03-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
第1のトークンに対応する静止画または動画である第1のオブジェクトと、第2のトークンに対応する静止画または動画である第2のオブジェクトとを重ね合わせることにより組み合わせ2次元の第3のオブジェクトを生成する組み合わせ機能と、
前記組み合わせに応じて第3のトークンを生成するトークン生成機能とを
実現させる、トークン管理プログラム。
【請求項2】
前記組み合わせに用いられたオブジェクトに対応するトークンを無効化する、無効化機能をさらに実現させる、
請求項1に記載のトークン管理プログラム。
【請求項3】
前記無効化機能では、前記組み合わせに用いられたオブジェクトをさらに無効化する機能を実現させる、
請求項2に記載のトークン管理プログラム。
【請求項4】
記コンピュータに、前記第3のオブジェクトを出力装置にAR出力させる出力機能をさらに実現させる、
請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載のトークン管理プログラム。
【請求項5】
通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備えたトークン管理システムであって、
第1のトークンに対応する静止画または動画である第1のオブジェクトと、第2のトークンに対応する静止画または動画である第2のオブジェクトとを重ね合わせることにより組み合わせ2次元の第3のオブジェクトを生成する組み合わせ手段と、
前記組み合わせに応じて第3のトークンを生成するトークン生成手段と、を含む、
トークン管理システム。
【請求項6】
コンピュータによるトークン管理方法であって、
第1のトークンに対応する静止画または動画である第1のオブジェクトと、第2のトークンに対応する静止画または動画である第2のオブジェクトとを重ね合わせることにより組み合わせ2次元の第3のオブジェクトを生成する組み合わせ処理と、
前記組み合わせに応じて第3のトークンを生成するトークン生成処理と、を含む、
トークン管理方法。