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特開2024-83373情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083373
(43)【公開日】2024-06-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0645 20230101AFI20240614BHJP
   G06Q 30/0601 20230101ALI20240614BHJP
【FI】
G06Q30/0645
G06Q30/0601
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024049176
(22)【出願日】2024-03-26
(62)【分割の表示】P 2023557150の分割
【原出願日】2023-03-29
(31)【優先権主張番号】P 2022059485
(32)【優先日】2022-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】516066109
【氏名又は名称】株式会社リアライズコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】今福 洋介
(57)【要約】
【課題】実空間と仮想空間とが介在した取引において、取引者の間で信用を確保した上で価値を安全に取引できるようにすることを課題とする。
【解決手段】取引情報管理部58は、実空間又は仮想空間における第1価値を有する実空間又は仮想空間に存在する第1ユーザと、実空間又は仮想空間における第2価値を有する実空間又は仮想空間に存在する第2ユーザとの間の当該第1価値及び当該第2価値の交換をするための第1取引をした際に、第1価値に関する情報、第1ユーザに関する情報、第2価値に関する情報、及び第2ユーザに関する情報を、取引情報として、ブロックチェーンBに記録して管理する。取引制御部57は、第1価値、第1ユーザ、第2価値、及び第2ユーザのうち少なくとも一部に関連する第2取引がなされる際に、ブロックチェーンBに記録して管理されている取引情報を用いて、第2取引を制御する。これにより上記課題を解決する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実空間又は仮想空間における第1価値を有する実空間又は仮想空間に存在する第1ユーザと、実空間又は仮想空間における第2価値を有する実空間又は仮想空間に存在する第2ユーザとの間の当該第1価値及び当該第2価値の交換をするための第1取引をした際に、前記第1価値に関する情報、前記第1ユーザに関する情報、前記第2価値に関する情報、及び前記第2ユーザに関する情報を、取引情報として、ブロックチェーン又は分散型台帳に記録して管理する管理手段と、
前記第1価値、前記第1ユーザ、前記第2価値、及び前記第2ユーザのうち少なくとも一部に関連する第2取引がなされる際に、前記管理手段により前記ブロックチェーン又は前記分散型台帳に記録して管理されている前記取引情報を用いて、当該第2取引を制御する取引制御手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記第1取引は、前記第1価値、前記第1ユーザ、前記第2価値、及び前記第2ユーザのうち少なくとも一部が仮想空間のものである場合における取引である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記管理手段は、さらに、前記第1価値と前記第2価値のうち少なくとも一方の流通の履歴を前記取引情報に含めて、前記ブロックチェーン又は前記分散型台帳に記録して管理する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記管理手段は、さらに、前記第1価値と前記第2価値のうち少なくとも一方の所有者の履歴を前記取引情報に含めて、前記ブロックチェーン又は前記分散型台帳に記録して管理する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
情報処理装置が実行する情報処理方法において、
実空間又は仮想空間における第1価値を有する実空間又は仮想空間に存在する第1ユーザと、実空間又は仮想空間における第2価値を有する実空間又は仮想空間に存在する第2ユーザとの間の当該第1価値及び当該第2価値の交換をするための第1取引をした際に、前記第1価値に関する情報、前記第1ユーザに関する情報、前記第2価値に関する情報、及び前記第2ユーザに関する情報を、取引情報として、ブロックチェーン又は分散型台帳に記録して管理する管理ステップと、
前記第1価値、前記第1ユーザ、前記第2価値、及び前記第2ユーザのうち少なくとも一部に関連する第2取引がなされる際に、前記管理ステップの処理により前記ブロックチェーン又は前記分散型台帳に記録して管理されている前記取引情報を用いて、当該第2取引を制御する取引制御ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータに、
実空間又は仮想空間における第1価値を有する実空間又は仮想空間に存在する第1ユーザと、実空間又は仮想空間における第2価値を有する実空間又は仮想空間に存在する第2ユーザとの間の当該第1価値及び当該第2価値の交換をするための第1取引をした際に、前記第1価値に関する情報、前記第1ユーザに関する情報、前記第2価値に関する情報、及び前記第2ユーザに関する情報を、取引情報として、ブロックチェーン又は分散型台帳に記録して管理する管理ステップと、
前記第1価値、前記第1ユーザ、前記第2価値、及び前記第2ユーザのうち少なくとも一部に関連する第2取引がなされる際に、前記管理ステップの処理により前記ブロックチェーン又は前記分散型台帳に記録して管理されている前記取引情報を用いて、当該第2取引を制御する取引制御ステップと、
を含む制御処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、物を購入する時代から借りる時代に代わりつつある。
物を貸し借りするサービスとしては、BtoC(Business to Consumer)、即ち企業が一般消費者を対象に物品をレンタルするサービスはあるが、個人対個人間のレンタルサービスは、実現されていない。
また、従来から、二者間をマッチングさせるシステム(特許文献1参照)や、CtoC(Consumer to Consumer)の電子商取引を行うための各種サービス(メルカリやヤフオク等)は既に提供されているが、物の売り買いをすることに限られている。メルカリ、ヤフオクは登録商標である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-129983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、CtoCの電子商取引の対象に、物のレンタルは含まれていないばかりか、仮想空間を含んだ取引は含まれていない。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、実空間と仮想空間とが介在した取引において、取引者の間で信用を確保した上で価値を安全に取引できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理装置は、
実空間又は仮想空間における第1価値を有する実空間又は仮想空間に存在する第1ユーザと、実空間又は仮想空間における第2価値を有する実空間又は仮想空間に存在する第2ユーザとの間の当該第1価値及び当該第2価値の交換をするための第1取引をした際に、前記第1価値に関する情報、前記第1ユーザに関する情報、前記第2価値に関する情報、及び前記第2ユーザに関する情報を、取引情報として、ブロックチェーン又は分散型台帳に記録して管理する管理手段と、
前記第1価値、前記第1ユーザ、前記第2価値、及び前記第2ユーザのうち少なくとも一部に関連する第2取引がなされる際に、前記管理手段により前記ブロックチェーン又は前記分散型台帳に記録して管理されている前記取引情報を用いて、当該第2取引を制御する取引制御手段と、
を備える。
【0007】
本発明の一態様の情報処理方法及びプログラムの夫々は、上述の本発明の一態様の情報処理装置に対応する情報処理方法及びプログラムの夫々である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、実空間と仮想空間とが介在した取引において、取引者の間で信用を確保した上で価値を安全に取引できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の情報処理装置の一実施形態に係る管理サーバを含む情報処理システムの構成の概要を示す図である。
図2図1の本サービスが適用される情報処理システム、即ち、本発明の情報処理装置の一実施形態に係る管理サーバが適用される情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図3図1の管理サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図4図3の管理サーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図5図4の機能的構成を有する管理サーバにより提供される図1の本サービスにおいて、実現可能となる取引の具体例を示す図である。
図6図4の機能的構成を有する管理サーバにより提供される図1の本サービスにおいて、実現可能となる取引の具体例であって図5とは異なる例を示す図である。
図7図4の機能的構成を有する管理サーバにより提供される図1の本サービスにおいて、実現可能となる取引の具体例であって図5及び図6とは異なる例を示す図である。
図8】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの適用により実現可能となるファンドの概要を説明する図である。
図9図8のトラックファンドに適用される情報処理システム、即ち、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成の概要を示す図である。
図10】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの適用により実現可能となるレンタルサービスの基本的な流れを示すイメージ図である。
図11】レンタルサービスにおいて借手ユーザから支払われた料金の流れを示すイメージ図である。
図12】貸手端末2及び借手端末2に表示されたGUI(グラフィカルユーザインタフェース)を介して借入申請を行う場合の例を示す図である。
図13図4の機能的構成を有する管理サーバにより提供される図1の本サービスにおいて、実現可能となる投資に関する第1取引の1段階目の具体例を示す図である。
図14図4の機能的構成を有する管理サーバにより提供される図1の本サービスにおいて、実現可能となる投資に関する第1取引の2段階目の具体例を示す図である。
図15図4の機能的構成を有する管理サーバにより提供される図1の本サービスにおいて、実現可能となる投資に関する第1取引の3段階目の具体例を示す図である。
図16図4の機能的構成を有する管理サーバにより提供される図1の本サービスにおいて、実現可能となる投資に関する第1取引の4段階目の具体例を示す図である。
図17A】仮想空間内の仮想投資対象における資産の取り扱いの具体例を示す図である。
図17B】仮想空間内の仮想投資対象における資産の取り扱いの具体例を示す図である。
図17C】仮想空間内の仮想投資対象における資産の取り扱いの具体例を示す図である。
図17D】仮想空間内の仮想投資対象における資産の取り扱いの具体例を示す図である。
図18図4の機能的構成を有する管理サーバにより提供される図1の本サービスにおいて、実現可能となる投資に関する第2取引の1段階目の具体例を示す図である。
図19図4の機能的構成を有する管理サーバにより提供される図1の本サービスにおいて、実現可能となる投資に関する第2取引の2段階目の具体例を示す図である。
図20図4の機能的構成を有する管理サーバにより提供される図1の本サービスにおいて、実現可能となる投資に関する第2取引の3段階目の具体例を示す図である。
図21図4の機能的構成を有する管理サーバにより提供される図1の本サービスにおいて、実現可能となる投資に関する第2取引の4段階目の具体例を示す図である。
図22図4の機能的構成を有する管理サーバにより提供される図1の本サービスにおいて、実現可能となる投資のケースを示す図である。
図23図4の機能的構成を有する管理サーバにより提供される図1の本サービスにおいて、実現可能となるファンドの投資に関する第1パターンの具体例を示す図である。
図24図4の機能的構成を有する管理サーバにより提供される図1の本サービスにおいて、実現可能となるファンドの投資に関する第2パターンの具体例を示す図である。
図25図4の機能的構成を有する管理サーバにより提供される図1の本サービスにおいて、実現可能となるファンドの投資に関する第3パターンの具体例を示す図である。
図26図4の機能的構成を有する管理サーバにより提供される図1の本サービスにおいて、実現可能となるファンドの投資に関する第1パターンの具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0011】
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る管理サーバが適用される情報処理システムにより実現可能となるサービス(以下、「本サービス」と呼ぶ)の概要について説明する。
図1は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係る管理サーバが適用される情報処理システムにより実現可能となる本サービスの概要を示す図である。
【0012】
図1に示すように、原点を中心に、図1中上方は実空間(現実世界)を示しており、図1中下方は仮想空間を示している。原点に近い程、実空間(現実世界)と仮想空間との関連性が高いことを意味し、原点から離れる程、実空間(現実世界)又は仮想空間特有の深い世界を意味している。
また、原点を中心に、図1中左方は取引のうち売買を示しており、右方はレンタル(賃貸)を示している。
【0013】
第1象限の領域GLは、現実世界でレンタルの行為をする領域であって、現実世界で流通する貨幣が用いられる領域である。以下、このような第1象限の領域GLを、「現実世界・レンタル領域GL」と呼ぶ。
第2象限の領域GBは、現実世界で販売の行為をする領域であって、現実世界で流通する貨幣が用いられる領域である。以下、このような第1象限の領域GBを、「現実世界・売買領域GB」と呼ぶ。
第3象限の領域VBは、仮想空間で販売の行為をする領域であって、仮想空間で流通する仮想通貨(暗号資産)が用いられる領域である。以下、このような第1象限の領域VBを、「仮想空間・売買領域VB」と呼ぶ。
ここで、仮想空間・売買領域VBのうち浅い(原点に近い)方の領域VBSは、売買の対象が仮想通貨である領域である。
これに対して、仮想空間・売買領域VBのうち深い(原点から離れた)方の領域VBDは、売買の対象がメタバース(仮想空間)に配置されるオブジェクト(アイテムや仮想空間上の土地等)である領域である。
第4象限の領域VLは、仮想空間でレンタルの行為をする領域であって、仮想空間で流通する仮想通貨が用いられる領域である。以下、このような第4象限の領域VLを、「仮想空間・レンタル領域VL」と呼ぶ。
ここで、仮想空間・レンタル領域VLのうち浅い(原点に近い)方の領域VLSは、レンタル対象が仮想通貨(暗号通貨)である領域である。
これに対して、仮想空間・レンタル領域VLのうち深い(原点から離れた)方の領域VLDは、レンタルの対象がメタバース(仮想空間)に配置されるオブジェクト(アイテムや仮想空間上の土地等)である領域である。
【0014】
従来から、現実世界・売買領域GBにおけるサービスOS1として、例えばメルカリ(登録商標)やヤフオク(登録商標)のような、CtoCの電子商取引を用いた物の売買サービスが存在している。
このような従来のサービスOS1に対して、現実世界・レンタル領域GLへ向けた点線矢印で示すように、CtoCの電子商取引を用いた物のレンタルサービスについては本出願人により既に提案されている(特願2021-063369号明細書、特許7092949号明細書等参照)。
【0015】
また、従来から、仮想空間・売買領域VBのうち領域VBSにおけるサービスOS2として、例えばビットコイン(登録商標)のような仮想通貨の売買サービスが存在した。
【0016】
本サービスの一例として、例えば従来のサービスOS2から仮想空間・レンタル領域VLの浅い領域VLSへ向けた矢印で示すように、例えばビットコイン(登録商標)のような仮想通貨のいわゆる貸金のサービスNS1を提供することができる。
なお、仮想通貨の貸金のサービスNS1の具体例については、図5を参照して後述する。
【0017】
また、本サービスの一例として、例えば仮想空間・売買領域VBの深い領域VBDから仮想空間・レンタル領域VLの深い領域VLDへ向けた矢印で示すように、例えばメタバース(仮想空間)内において、オブジェクト(アイテムや仮想空間上の土地等)を売買したりレンタルしたりするサービスNS2を提供することもできる。
【0018】
さらに、現実世界の物品、現実世界の貨幣や金、仮想空間のオブジェクト、仮想空間の仮想通貨などを「価値」と把握すれば、本サービスの一例として、例えば仮想空間・レンタル領域VLから現実世界・レンタル領域GLへ向けた矢印で示すように、次のようなサービスNS3を提供することができる。
即ち、実空間又は仮想空間における第1価値を有する実空間又は仮想空間に存在する第1ユーザと、実空間又は仮想空間における第2価値を有する実空間又は仮想空間に存在する第2ユーザとの間の当該第1価値及び当該第2価値の交換をするための取引であって、第1価値、第1ユーザ、第2価値、及び第2ユーザのうち少なくとも一部が仮想空間のものである場合における取引を支援するサービスが、サービスNS3として提供可能とされている。
なお、図1におけるサービスNS3を示す矢印は、上述のサービスNS3の説明から容易にわかるように例示にしか過ぎない。即ち、サービスNS3は、図1に図示する矢印のみならず、図1には図示せぬ各種各様な方向の矢印として表すことが可能になる。
【0019】
サービスNS1乃至NS3を代表とする本サービスは、取引の安全性も担保している。
具体的には、本サービスは、第1ユーザと第2ユーザとの間で第1価値と第2価値とを交換する取引をした際に、第1価値に関する情報、第1ユーザに関する情報、第2価値に関する情報、及び第2ユーザに関する情報を、取引情報として、ブロックチェーン又は分散型台帳に記録して管理している。なお、以下の例では、ブロックチェーンが用いられるものとする。
【0020】
ブロックチェーンは、分散型ネットワークを構成する複数のコンピュータに、暗号技術を組み合わせ、取引情報等のデータを同期して記録するよう構成されている。
ブロックチェーンの場合、一定期間の取引情報をブロック単位にまとめ、コンピュータ同士で検証し合いながら正しい記録をチェーン(鎖)のようにつないで蓄積する。
ブロックチェーンの特徴は、一部のコンピュータで取引データが改ざんされたとしても、他のコンピュータとの多数決によって正しい取引データが選ばれるため、記録の改ざんや不正取引を防止できることである。
ブロックチェーンは、ブロックと呼ばれるデータの単位を生成し、時系列に沿ってチェーンのようにつないでいくことでデータベースとなる。
各ブロックは、連結されたブロックの一つ前のハッシュ値(ハッシュ関数により計算された値)を持っており、それをさかのぼることで、つながりを辿ることができる。
ブロックチェーンにおいて管理されている、過去に生成されたブロック内の情報を改ざんしようと試みた場合、変更したブロックから算出されるハッシュ値は以前のものと異なるものとなるため、後続のすべてのブロックのハッシュ値を変更しなければならず、変更は事実上困難であり、改ざん防止対策が施されている。
【0021】
次に、図2を参照して、上述した本サービスの提供を実現化させる情報処理システム、即ち本発明の情報処理装置の一実施形態に係る管理サーバが適用される情報処理システムの構成について説明する。
図2は、図1の本サービスが適用される情報処理システム、即ち、本発明の情報処理装置の一実施形態に係る管理サーバが適用される情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【0022】
図2に示す情報処理システムは、管理サーバ1と、ユーザ端末2-1乃至2-n(nは1以上の任意の整数値)と、仮想空間サーバ3-1乃至3-m(mは1以上の任意の整数値)と、ブロックチェーンBとが、インターネット等の所定のネットワークNを介して相互に通信可能に接続されることで構成される。
【0023】
管理サーバ1は、図1の本サービスを提供する者M(以下、「サービス提供者M」と呼ぶ)が管理する情報処理装置である。管理サーバ1は、ユーザ端末2-1乃至2-n、仮想空間サーバ3-1乃至3-m、及びブロックチェーンBの夫々と各種情報を授受して、本サービスを提供するための各種処理を実行する。
【0024】
ユーザ端末2-1乃至2-nの夫々は、現実世界に存在するユーザUG1乃至UGn(以下、「実ユーザUG1乃至UGn」と呼ぶ)の夫々が操作する情報処理装置であって、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等で構成される。
なお、以下、実ユーザUG1乃至UGnを個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて「実ユーザUG」と呼ぶ。また、リアルユーザUGと呼んでいる場合、ユーザ端末2-1乃至2-nをまとめて「ユーザ端末2」と呼ぶ。
【0025】
仮想空間サーバ3-1乃至3-mの夫々は、仮想空間を構築して所定のサービス等を夫々提供するための情報処理装置である。ここで、仮想空間サーバ3-p(pは1乃至mのうちの何れかの整数値)が管理する仮想空間と、仮想空間サーバ3-q(qはpを除く1乃至mのうちの何れかの整数値)が管理する仮想空間とは、異なる場合もあるし同一の場合もある。
なお、以下、仮想空間サーバ3-1乃至3-mを個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて「仮想空間サーバ3」と呼ぶ。
【0026】
次に、本サービスを提供するために各種処理を実行する管理サーバ1のハードウェア構成について説明する。
図3は、図2の管理サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0027】
管理サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、入力部16と、出力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えている。
【0028】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0029】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、入力部16、出力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0030】
入力部16は、各種ハードウェア等で構成され、各種情報を入力する。
出力部17は、各種ディスプレイや各種スピーカ等で構成され、各種情報を画像や音声として出力する。
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(例えば図1のユーザ端末2-1乃至2-n及び仮想空間サーバ3-1乃至3-m)やブロックチェーンBとの間で行う通信を制御する。
【0031】
ドライブ20は、必要に応じて設けられる。ドライブ20には磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア30が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア30から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。またリムーバブルメディア30は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0032】
次に、図4を参照して管理サーバ1の機能的構成について説明する。
図4は、図3の管理サーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0033】
図4に示すように、管理サーバ1のCPU11において、実空間情報取得部51と、実ユーザ情報取得部52と、実価値情報取得部53と、仮想空間情報取得部54と、アバタ情報取得部55と、仮想価値情報取得部56と、取引制御部57と、取引情報管理部58とが機能する。
【0034】
実空間情報取得部51は、価値交換の取引において、価値交換をする対象と、取引者とのうち少なくとも一部に実空間のものが存在する場合において、当該取引のための操作をする実ユーザUGのユーザ端末2(図4の例ではユーザ端末2A及び2B)から実空間に関する情報(以下「実空間情報」と呼ぶ)を取得する。
ここで、価値交換のために必要な実空間情報としては、実ユーザUGに関する情報(以下、「実ユーザ情報」と呼ぶ)と、実空間における価値(売買やレンタル対象の商品やサービス等、実空間の貨幣等)に関する情報(以下、「実価値情報」と呼ぶ)が存在する。
実ユーザ情報取得部52は、実空間情報のうち実ユーザ情報を取得して、取引制御部57に提供する。
実価値情報取得部53は、実空間情報のうち実価値情報を取得して、取引制御部57に提供する。
【0035】
仮想空間情報取得部54は、価値交換の取引において、価値交換をする対象と、取引者とのうち少なくとも一部に仮想空間のものが存在する場合において、当該仮想空間を管理している仮想空間サーバから当該仮想空間に関する情報(以下「仮想空間情報」と呼ぶ)を取得する。
ここで、価値交換のために必要な仮想空間情報としては、取引者として仮想空間内にアバタとして存在するユーザに関する情報(以下、「アバタ情報」と呼ぶ)と、仮想空間における価値(売買やレンタル対象の仮想空間内に存在するオブジェクト等、仮想通貨等)に関する情報(以下、「仮想価値情報」と呼ぶ)が存在する。
アバタ情報取得部55は、仮想空間情報のうちアバタ情報を取得して、取引制御部57に提供する。
仮想価値情報取得部56は、仮想空間情報のうち仮想価値情報を取得して、取引制御部57に提供する。
【0036】
取引制御部57は、実空間又は仮想空間における第1価値を有する実空間又は仮想空間に存在する第1ユーザと、実空間又は仮想空間における第2価値を有する実空間又は仮想空間に存在する第2ユーザとの間の当該第1価値及び当該第2価値の交換をするための第1取引であって、前記第1価値、前記第1ユーザ、前記第2価値、及び前記第2ユーザのうち少なくとも一部が仮想空間のものである場合における前記第1取引に関する各種制御処理を実行する。
なお、第1価値、第1ユーザ、第2価値、及び第2ユーザの各種具体例については、図5以降の図面を参照して後述する。
【0037】
取引情報管理部58は、取引制御部57の制御の結果として第1取引をした際に、第1価値に関する情報、第1ユーザに関する情報、第2価値に関する情報、及び第2ユーザに関する情報を、取引情報として、ブロックチェーンBに記録して管理する。
【0038】
このようにして第1取引が終了して、当該第1取引の取引情報がブロックチェーンBに記録されている状態で、第1価値、第1ユーザ、第2価値、及び第2ユーザのうち少なくとも一部に関連する第2取引がなされる際に、取引制御部57は、ブロックチェーンBに記録して管理されている第1取引の取引情報を用いて、第2取引に関する各種制御処理を実行する。
【0039】
次に、図5乃至図7を参照して、図4の機能的構成を有する管理サーバ1により提供される図1の本サービスにおいて、実現可能となる取引の具体例について説明する。
【0040】
図5は、図4の機能的構成を有する管理サーバにより提供される図1の本サービスにおいて、実現可能となる取引の具体例を示す図である。
図5の例では、実空間又は仮想空間に存在する第1ユーザRU1が、第1価値として仮想通貨100bot(botは暗号通貨の単位であるものとする)を有しており、実空間又は仮想空間に存在する第2ユーザRU2に、毎月の返済額が10botであって毎月の利息1botであることを条件としてレンタルするものとする。
換言すると、第2ユーザRU2にとっての第2価値とは、仮想通貨での毎月の返済額と毎月の利息になる。
ここで、第1ユーザRU1又は第2ユーザRU2は、実空間に存在する場合には実ユーザUGとなり、仮想空間に存在する場合にはアバタとしての仮想ユーザとなる。
【0041】
この場合、図5に示すような取引情報B1が生成され、ブロックチェーンBに記録されて管理される。
即ち、第1価値に関する情報として「レンタル対象 仮想通貨100bot」が、第1ユーザに関する情報として「貸主 第1ユーザRU1」が、第2価値に関する情報として「返済 10bot/月」及び「利息 1bot/月」、第2ユーザに関する情報として「借主 第2ユーザRU2」が、夫々記載されると共に、第2価値の流通の履歴として「返済履歴」が記載された情報が、取引情報B1として生成されて、ブロックチェーンBに記録されて管理される。
【0042】
図6は、図4の機能的構成を有する管理サーバにより提供される図1の本サービスにおいて、実現可能となる取引の具体例であって、図5とは異なる例を示す図である。
図6の例では、実空間又は仮想空間に存在する第1ユーザRU1が、第1価値として仮想空間又は実空間に存在する「山の絵」を有しており、実空間又は仮想空間に存在する第2ユーザRU2が、レンタル料毎月10botであることを条件としてレンタルするものとする。
換言すると、第2ユーザRU2にとっての第2価値とは、仮想通貨での毎月のレンタル料になる。
ここで、第1ユーザRU1又は第2ユーザRU2は、実空間に存在する場合には実ユーザUGとなり、仮想空間に存在する場合にはアバタとしての仮想ユーザとなる。
【0043】
この場合、図6に示すような取引情報B2が生成され、ブロックチェーンBに記録されて管理される。
即ち、第1価値に関する情報として「レンタル対象 山の絵」が、第1ユーザに関する情報として「貸主 第1ユーザRU1」が、第2価値に関する情報として「レンタル料 10bot/月」、第2ユーザに関する情報として「借主 第2ユーザRU2」が、夫々記載されると共に、第1価値の所有者及び流通の履歴や、第2価値の流通の履歴としての「レンタル履歴」が記載された情報が、取引情報B2として生成されて、ブロックチェーンBに記録されて管理される。
【0044】
図7は、図4の機能的構成を有する管理サーバにより提供される図1の本サービスにおいて、実現可能となる取引の具体例であって、図5及び図6とは異なる例を示す図である。
図7の例では、N人(Nは0以上の整数値)の実ユーザUGと、M人(Mは0以上の整数値)のアバタとしての仮想ユーザUVとが対応付けられている。ここで、実ユーザUGと仮想ユーザUVとが対応付けられているとは、実ユーザUGは、実空間では実ユーザUGとして振舞うが、仮想空間ではユーザ端末2を操作して仮想ユーザUVとして振舞うことを意味している。また、N=0の場合とは、仮想空間内において、AI等が自律的に仮想ユーザUVとして振舞うことを意味している。
具体的には例えば図7の例では、1人の実ユーザUGAと1人の仮想ユーザUVAとが対応付けられている。1人の実ユーザUGBと2人の仮想ユーザUVB1,UVB2とが対応付けられている。1人の実ユーザUGCと2人の仮想ユーザUVC1,UVC2とが対応付けられている。2人の実ユーザUGD,UGEと1人の仮想ユーザUVDEが対応付けられている。仮想ユーザUVFは、実ユーザUGとは対応付けられず、AU等により自律的に行動している。
【0045】
図7の一番左側の例では、仮想空間における第1価値を有する仮想ユーザUVAと、実空間における第2価値を有する仮想ユーザUVB1との間の当該第1価値及び当該第2価値の交換をするための取引が行われる。
この場合、第1価値に関する情報、仮想ユーザUVA及び実ユーザUGAに関する情報、第2価値に関する情報、及び仮想ユーザUVB1及び実ユーザUGBに関する情報を少なくとも含む情報が、取引情報として生成されて、ブロックチェーンBに記録されて管理される。
【0046】
図7の左から2番目の例では、実空間における第1価値を有する仮想ユーザUVB2と、仮想空間における第2価値を有する実ユーザUGCとの間の当該第1価値及び当該第2価値の交換をするための取引が行われる。
この場合、第1価値に関する情報、仮想ユーザUVB2及び実ユーザUGBに関する情報、第2価値に関する情報、及び実ユーザUGC及び仮想ユーザUVC1に関する情報を少なくとも含む情報が、取引情報として生成されて、ブロックチェーンBに記録されて管理される。
【0047】
図7の左から3番目の例では、仮想空間における第1価値を有する仮想ユーザUVC2と、仮想空間における第2価値を有する仮想ユーザUVDEとの間の当該第1価値及び当該第2価値の交換をするための取引が行われる。
この場合、第1価値に関する情報、仮想ユーザUVC2及び実ユーザUGCに関する情報、第2価値に関する情報、及び仮想ユーザUVDE並びに実ユーザUGD,UGEに関する情報を少なくとも含む情報が、取引情報として生成されて、ブロックチェーンBに記録されて管理される。
【0048】
図7の左から4番目の例、即ち図7の一番右側の例では、実空間における第1価値を有する仮想ユーザUVDEと、仮想空間における第2価値を有する仮想ユーザUVFとの間の当該第1価値及び当該第2価値の交換をするための取引が行われる。
この場合、第1価値に関する情報(実ユーザUGD,UGEが第1価値を実空間で所有している旨の情報を含む)、仮想ユーザUVDE及び実ユーザUGD,UGEに関する情報、第2価値に関する情報、及び仮想ユーザUVFに関する情報(AI等であり実ユーザUGに対応付けられていない旨の情報を含む)を少なくとも含む情報が、取引情報として生成されて、ブロックチェーンBに記録されて管理される。
【0049】
ここで、第1価値と第2価値の少なくとも一方を、ファンドを含めた投資に関する価値とすることができる。
以下、このような具体例として、本出願人により既に提案されたトラックファンド(特許7152061号明細書参照)や、上述のレンタルサービス(特願2021-063369号明細書、特許7092949号明細書等参照)を用いて説明する。
【0050】
図8は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの適用により実現可能となるファンドの概要を説明する図である。
本実施形態のファンドTFにおいては、トラックTが投資対象となり、サービス提供者Mがアセットマネジメントを行い、投資家Iへの配当(収益)はトラックTの賃貸費(いわゆるリース料)が原資とされる。
なお、以下、このようなトラックTを対象とする本実施形態のファンドTFを、「トラックファンドF」と呼ぶ。
ここで、トラックファンドFは、実空間(現実世界)と仮想空間の夫々において構成することが可能である。また、トラックファンドFの投資対象は、実空間内の物体としてのトラックTの場合もあるし、メタバース(仮想空間)内にオブジェクトとして存在するトラックTの場合もある。
【0051】
図8に示すように、トラックファンドTFに関わる者として、サービス提供者M、投資家I、売主S,及び借主Rが存在する。
【0052】
ここで、サービス提供者Mは、トラックファンドTFを商品として投資家Iに販売するサービスを行う者であるが、本実施形態では、アセットマネジメントを行うと共に、ファンドマネージャも兼ねている。
ファンドマネージャとは、トラックファンドTFの運営主体として、投資家Iから預かった資産を運用し増やすことを目的とする個人又は団体をいう。なお、ここでいう「個人又は団体」は、実空間(現実世界)の「個人又は団体」の場合もあるし、仮想空間の「個人又は団体」の場合もある。仮想空間の個人としては、アバタの仮想ユーザを想定している。
【0053】
投資家Iは、資産を将来的に増加させることを主目的として、現在の資産をトラックファンドTFに投じる活動を行う個人又は法人であって、例えば、個人投資家、機関投資家等が含まれる。なお、ここでいう「個人又は団体」は、実空間(現実世界)の「個人又は団体」の場合もあるし、仮想空間の「個人又は団体」の場合もある。仮想空間の個人としては、アバタの仮想ユーザを想定している。
【0054】
売主Sは、トラックファンドTF(又はアセットマネジメントを行うサービス提供者M)との売買契約に基づいてトラックTを販売し対価を得る者である。
ここで、トラックTは、必ずしも新しいもの(所有者が過去に存在しないもの)である必要はなく、中古でも構わない。また、上述したように、仮想空間に存在するトラックTは、仮想空間内のオブジェクトとして構成される。
また、トラックファンドTF(又はアセットマネジメントを行うサービス提供者M)がトラックTを売主Sから購入するための原資(購入費)は、投資家Iにより出資された資産(当該資産が主に第1価値になる)である。
【0055】
借主Rは、トラックファンドTF(又はアセットマネジメントを行うサービス提供者M)とのサービス提供者Mとの賃貸借契約に基づいて、トラックファンドTFの対象となるトラックTを1台以上賃借する者である。なお、ここでいう「個人又は団体」は、実空間(現実世界)の「個人又は団体」の場合もあるし、仮想空間の「個人又は団体」の場合もある。仮想空間の個人としては、アバタの仮想ユーザを想定している。
借主Rは、トラックTの賃貸費を、一括で又は所定単位時間毎(例えば毎月)トラックファンドTF(又はアセットマネジメントを行うサービス提供者M)に支払う。上述したように、この賃貸費が、投資家Iへの配当(収益であって、主に第2価値になる)の原資とされる。
【0056】
即ち、本実施形態では、投資対象のt台(tは1以上の整数値)のトラックTを購入するための費用は、投資家Iからの出資により賄われる。ここで、t台のトラックTは、実空間(現実世界)のトラックTと仮想空間のトラックTとが混在していてもよい。
トラックファンドTF(又はアセットマネジメントを行うサービス提供者M)は、売主Sからt台のトラックTを購入し、売買契約を締結する。なお、売買契約の締結内容は、取引情報の一部としてブロックチェーンBに記録されて管理される。
これにより、t台のトラックTの所有者は、トラックファンドTFとなる。そこで、サービス提供者Mは、トラックファンドTFとの間で、賃貸借契約、及びアセットマネジメント契約を締結する。なお、賃貸借契約、及びアセットマネジメント契約の締結内容は、取引情報の一部としてブロックチェーンBに記録されて管理される。ここで、アセットマネジメント契約とは、サービス提供者Mが、トラックTの管理を、トラックTの所有者であるファンドに代行して行うことを定めた契約をいう。
アセットマネジメント契約に基づいて、トラックファンドTFから管理費がサービス提供者Mに支払われる。なお、このような管理費が支払われたという履歴も、取引情報の一部としてブロックチェーンBに記録されて管理される。
本実施形態では、サービス提供者Mは、t台のトラックTをファンドから賃借し、さらに、貸主との間で賃貸借契約を締結することで、当該t台のトラックTを借主Rに賃貸する。なお、貸主との間で賃貸借契約の締結内容は、取引情報の一部としてブロックチェーンBに記録されて管理される。
貸主Rからサービス提供者Mに対する当該t台のトラックTの第1賃貸費(いわゆるリース料)は、貸主Rからサービス提供者Mに支払われる。サービス提供者MからトラックファンドTFに対する当該t台のトラックTの第2賃貸費は、サービス提供者MからトラックファンドTFに支払われる。
ここで、第2賃貸費に対して第1賃貸費が高価であれば、サービス提供者Mは利益を得ることができる。また、トラックファンドTFを商品として成立させるための演算(シミュレーション含む)におけるトラックファンドTFの賃貸費とは、第2賃貸費を意味する。
なお、このような第1賃貸費及び第2賃貸費が支払われたという履歴も、取引情報の一部としてブロックチェーンBに記録されて管理される。
また、トラックファンドTFで予め規定された所定年数が経過すると、トラックTがトラックファンドTFにより売却される場合がある。この売却先は、特に限定されず、サービス提供者Mであってもよいし、図示せぬ他者であってもよい。このようなトラックTの売却費についても、取引情報の一部としてブロックチェーンBに記録されて管理される。
これにより、トラックファンドTFは、t台のトラックTについてのサービス提供者Mとの賃貸借契約に基づく第2賃貸費と、所定年数経過後の当該t台のトラックTの売却に基づく売却費とにより収益を得ることができる。この利益の履歴も、取引情報の一部としてブロックチェーンBに記録されて管理される。
トラックファンドTFは、この収益を源泉として、投資家Iに安定的な配当を行うことができる。なお、配当(主に第2価値となる)が投資家Iに行われたという履歴も、取引情報の一部としてブロックチェーンBに記録されて管理される。
なお、サービス提供者Mは、借主Rとの賃貸契約に基づく第2賃貸費(>第1賃貸費)に基づいて収益を得ることができる。この収益も、取引情報の一部としてブロックチェーンBに記録されて管理される。
【0057】
ここで、トラックファンドTFの対象となるトラックTとして、実空間(現実世界)の新しいもの(所有者が過去に存在しなかったもの)を採用してもよいが、実空間(現実世界)の中古を採用すると好適である。これは、次のような理由による。
先ず、前提として少なくとも日本国では、税務上、新しいものと中古とに関わらず、実空間(現実世界)のトラックTを購入した場合の経理処理において、その取得のために要した金額の全てを直ちに費用化することは認められていない。これは、実空間(現実世界)のトラックTは数年にわたって使用するものであり、トラックTの使用期間に応じて減価償却費として費用化する必要があるからである。なお、当該使用期間を「耐用年数」という。
この場合、投資家Iは、トラックファンドTFの対象となる実空間(現実世界)のトラックTの購入費のうち自身が投資した分については、耐用年数が経過するまでの期間中、その減価償却費を自己の会計に費用計上することができる。即ち。投資家Iは、トラックファンドTFの商品を購入することにより、税制面におけるメリットを享受することができる。なお、減価償却費についても計上される毎に、取引情報の一部としてブロックチェーンBに記録されて管理される。
このような税制面等における減価償却のメリットは、新しいものと比べて中古の方が特に大きい。これは、一般的に中古は、新しいものに比べて長く使用することができないと考えられているため、中古の耐用年数は新しいものよりも短い。即ち、中古は、経理処理上新しいものよりも短い期間で費用化(減価償却)できるというメリットを有する。このため、中古は、投資家Iにとって運用利回りに優れ、かつ需給バランス及び取引相場が安定した投資対象であるといえる。
【0058】
ここで、トラックファンドTFの対象となるトラックTが仮想空間(メタバース)のオブジェクトである場合、その取扱いは、当該メタバースのルールや今後適用されるであろう法令等によって異なるものとなるが、その許容範囲内であれば、実空間(現実世界)に模して耐用年数を設定して減価償却費を設定したり、その他の方式を採用することができる。この点の詳細については、図17A乃至図17Dを参照して後述する。
【0059】
図9は、図8のトラックファンドに適用される情報処理システム、即ち、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成の概要を示す図である。
【0060】
図9に示す情報処理システムは、サービス提供者Mが操作する管理サーバ1と、投資家I-1乃至I-n(nは1以上の任意の整数値)の夫々が操作する投資家端末2-I1乃至2-Inの夫々と、売主S-1乃至S-m(mは1以上の任意の整数値)の夫々が操作する売主端末2-S1乃至2-Smの夫々と、借主R-1乃至R-p(pは1以上の任意の整数値)の夫々が操作する借主端末2-R1乃至2-Rpの夫々とが、インターネット等の所定のネットワークNを介して相互に接続されることで構成される。
【0061】
ここで、投資家I-1乃至I-n、売主S-1乃至S-m、借主R-1乃至R-pの端末の何れにも符号「2」が含まれているのは、投資家I-1乃至I-n、売主S-1乃至S-m、借主R-1乃至R-pは、図1の本サービスのユーザとなるため、夫々の端末は図2のユーザ端末に該当するからである。
【0062】
以上、第1価値と第2価値の少なくとも一方を、ファンド若しくは投資対象、又は、当該ファンド若しくは投資対象のリターンとすることができる具体例として、トラックファンドについて説明した。
次に、別の具体例として、レンタルサービスについて説明する。
【0063】
図10は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの適用により実現可能となるレンタルサービスの基本的な流れを示すイメージ図である。
なお、図10及び後述する図11には、貸手ユーザULと、借手ユーザUBとが夫々1人ずつ記載されているが、これは本サービスの流れをわかり易く説明するために簡略化させたものである。実際には、本サービスにおける貸手ユーザUL、及び借手ユーザUBは、いずれも複数存在し得る。
また、貸手ユーザULと、借手ユーザUBとは、個人又は団体である。ここでいう「個人又は団体」は、実空間(現実世界)の「個人又は団体」の場合もあるし、仮想空間の「個人又は団体」の場合もある。仮想空間の個人としては、アバタの仮想ユーザを想定している。
【0064】
ステップSS1において、貸手ユーザULは、レンタルサービスの提供を受けるために、ユーザ端末2(図10乃至図12の説明内では「貸手端末2」と呼ぶ)を操作することにより、レンタルサービスへのユーザ登録を行う。ユーザ登録の内容は、ブロックチェーンBに記録されて管理される。
【0065】
ステップSS2において、貸手ユーザULは、ユーザ端末2(図10乃至図12の説明内では「貸手端末2」と呼ぶ)を操作することにより、貸し出しを希望する物に関する情報(以下、「出品情報」と呼ぶ)を本サービスに登録する。登録された出品情報は、ブロックチェーンBに記録されて管理される。
出品情報が登録されると、この物は、本サービスに「出品」された「出品物」として取り扱われ、出品物を出品した貸手ユーザULは、「出品者」として取り扱われることとなる。
ここで、「物」とは、実空間(現実世界)の場合には物品等であるが、仮想世界の場合にはオブジェクト等の電子情報材である。
また、レンタルサービスに登録される出品情報の内容は特に限定されず、出品物に関するあらゆる情報を出品情報として登録することができる。具体的には例えば、出品物の名称、種類、性質、大きさ、重さ、購入価格、希望レンタル料、レンタル期間、売却の可否等についてのテキスト情報や、出品物の撮像画像に基づく画像情報を出品情報に含めることができる。ここで、出品物の撮像画像とは、仮想空間内のオブジェクトたる出品物を、当該仮想空間内のカメラ(所定の視点)により撮像された撮像画像も含む。
なお、レンタルサービスにおいて出品物の対象となる物は、レンタルの対象となる物であれば特に限定されない。
具体的には例えば、実空間(現実世界)の「物」であれば、衣服やテントなどキャンプ用品、ゴルフクラブや釣り用品、スーツケース、ゲーム機、タブレットやパソコン、OA機器、腕時計、土地、スペース、家、家具や什器、自動車やバイク、本、CDやレコード、カメラ、靴、アクセサリー、バッグ、特殊工具、ベビーカー等の育児用品はといった物品いずれもレンタルの対象となる物である。
また例えば、仮想空間の「物」であれば、上述の実空間で例示した物品に対応する仮想空間(メタバース)内のオブジェクトの他、NFTもレンタルの対象となる。
【0066】
ステップSS3において、借手ユーザUBは、レンタルサービスの提供を受けるために、借手端末2を操作することにより、レンタルサービスへのユーザ登録を行う。ユーザ登録の内容は、ブロックチェーンBに記録されて管理される。
ここで、ステップSS1でユーザ登録された貸手ユーザULと、ステップSS3でユーザ登録された借手ユーザUBとは、いずれもレンタルサービスの提供を受けるユーザとして、特に差別化されることなく登録されている。このため、貸手ユーザULは、借手ユーザUBとしてのレンタルサービスを受けることもできるし、借手ユーザUBは、貸手ユーザULとしてのレンタルサービスを受けることもできる。即ち、レンタルサービスにユーザ登録すると、実空間(現実世界)と仮想空間の両方の物を貸し出すユーザとして参加することもできるし、実空間(現実世界)と仮想空間の両方の物を借り入れるユーザとして参加することもできる。
【0067】
ステップSS4において、借手ユーザUBは、レンタルサービスに出品された出品物の中に、自身が借り入れを希望するものがあれば、その出品物の借り入れの申請(以下、「借入申請」と呼ぶ)を行う。また、借手ユーザUBは、必要に応じて保険の申請を行う。なお、本サービスでは、出品物に対し借入申請を行った借手ユーザUBを「借入申請者」とも呼ぶ。
借手端末2には、1以上の出品物が、出品情報とともに表示される。借手端末2に表示された1以上の出品物の中に、借手ユーザUBが借り入れを希望するものがあった場合、借手ユーザUBは、借手端末2を操作することにより、その出品物について借入申請を行う。
【0068】
借手ユーザUBが借入申請を行った結果、出品物を借り入れることになると、借入申請を行った借手ユーザUBは、出品情報に含まれる希望レンタル料による決済を行う。この決済の履歴は、取引情報として、ブロックチェーンBに記録されて管理される。また、必要に応じて申請された保険の内容についても、ブロックチェーンBに記録されて管理される。
【0069】
ステップSS5において、貸手ユーザULは、借入申請を行った借手ユーザUBに対し、出品物を送付する。ここでいう送付は、出品物が実空間(現実世界)の物であれば現物の郵送等による送付を意味し、出品物が仮想空間の物であれば当該物(オブジェクト)の電子データの送信(必要に応じて電子データの使用許可)等を意味する。
出品物を受領した借手ユーザUBは、送付されてきた出品物と、出品情報に含まれる出品物の撮像画像とを比較し、問題がなければ出品物の利用を開始する。
具体的には例えば、実空間(現実世界)の出品物が借手ユーザUBに送付されると、出品物を受け取った借手ユーザUBは、目視により、貸手ユーザULにより提供された出品情報に含まれる出品物の撮像画像と、現物との比較を行う。
具体的には例えば、仮想空間の出品物が借手ユーザUBに送付されると、出品物を受け取った借手ユーザUBは、借手ユーザ端末2を用いた比較を行う。ここでいう比較は、借手ユーザ端末2の画面に対する貸手ユーザBの視認(目視)であってもよいし、借手ユーザ端末2による処理であってもよい。
借手ユーザUBの比較の結果、撮像画像と現物との間に差異がない場合、又は差異が看過できる範囲内の物である場合には、借手ユーザUBは、借手端末2を操作することにより、そのままレンタルを開始する旨を示す情報を管理サーバ1に送信する。具体的には例えば、図示はしないが、借手端末2に表示された「承認」ボタンや「レンタル開始」ボタンを押下することで、レンタルを開始する旨を示す情報を管理サーバ1に送信する。すると、管理サーバ1は、この情報を受信し、借手ユーザUBによりレンタル開始の承認がなされた旨を受け付ける。このようなレンタル開始の情報も、取引情報として、ブロックチェーンBに記録されて管理される。
これに対し、送付されてきた出品物と撮像画像との比較の結果、看過できない差異が発見された場合、借手ユーザUB(借入申請者)は、出品物の利用を見送る(即ち開始しない)。この場合、借手ユーザUB(借入申請者)は、例えば借手端末2に表示された「承認」ボタンや「レンタル開始」ボタンを押下せずに、出品物を送付元に返却する。このような返却の情報も、取引情報として、ブロックチェーンBに記録されて管理される。
また例えば、決済処理完了後の返金を認めるシステム環境であれば、借手ユーザUB(借入申請者)は、レンタルサービスを介して出品者と交渉を行い、レンタル料の一部を返金してもらうことでレンタルを開始したり、全額返金とともにレンタルをキャンセルしたりすることができる。このような交渉は、本サービスで提供されるユーザ間のコミュニケーションツールを利用して直接的に行ってもよいし、レンタルサービス提供者Mを介して間接的に行ってもよい。このような交渉の結果についても、取引情報として、ブロックチェーンBに記録されて管理される。
【0070】
ステップSS6において、借手ユーザUBは、出品物の出品者に対し、レンタル期間の満了日までに出品物を返却する。貸手ユーザULは、出品物が返却されると、返却されてきた出品物と、出品情報に含まれる出品物の撮像画像とを比較し、問題がなければレンタルサービスは完了する。この完了の情報も、取引情報として、ブロックチェーンBに記録されて管理される。
ここで、返却されてきた出品物と撮像画像との比較の結果、看過できない差異が発見された場合、出品者たる貸手ユーザULは、レンタルサービスを介して借手ユーザUBと交渉を行い、例えば以下のような措置を講ずることができる。即ち、貸手ユーザULは、決済が完了したレンタル料の追加料金を請求するか、あるいは、出品物を買い上げてもらうことができる。このような交渉は、レンタルサービスで提供されるユーザ間のコミュニケーションツールを利用して直接的に行ってもよいし、レンタルサービス提供者Mを介して間接的に行ってもよい。このような交渉の結果についても、取引情報として、ブロックチェーンBに記録されて管理される。
【0071】
図11は、レンタルサービスにおいて借手ユーザから支払われた料金の流れを示すイメージ図である。
【0072】
ステップSS21において、借手ユーザUBは、レンタル料金の決済を行う。具体的には、借手ユーザUBは、借手端末2を操作することにより、決済サービス提供者Pに対し、レンタル料の決済処理を依頼する。また、借手ユーザUBが保険料や送料を負担している場合には、レンタル料、保険料、及び送料(以下、「レンタル料等」と呼ぶ)の決済処理を決済サービス提供者Pに依頼する。レンタル料等の決済の履歴は、取引情報として、ブロックチェーンBに記録されて管理される。
【0073】
借手ユーザUBからの依頼に基づきレンタル料等の決済処理を行った決済サービス提供者Pは、ステップSS22において、本サービス提供者Mに対し、決済金額から所定の手数料を差し引いた額(以下、「売上額」と呼ぶ)を送金する。送金の履歴は、取引情報として、ブロックチェーンBに記録されて管理される。
ステップSS23において、レンタルサービス提供者Mは、送金されてきた売上額をプールする。売上額のプールの履歴は、取引情報として、ブロックチェーンBに記録されて管理される。
【0074】
ステップSS24において、出品者である貸手ユーザULは、レンタルサービス提供者Mにプールされている売上額のうち、レンタルサービスの利用料金を差し引いた額の範囲内で、現金の引き出しを行う。具体的には、出品者である貸手ユーザULは、貸手端末2を操作することにより、売上額のうち、レンタルサービスの利用料金を差し引いた額の範囲内で、現金を引き出したい旨の申請(以下、「引出申請」と呼ぶ)を行う。
【0075】
ステップSS25において、レンタルサービス提供者Mは、貸手ユーザULからの引出申請の内容に基づいて、現金の入金処理を行う。具体的には、レンタルサービス提供者Mは、貸手ユーザULからの引出申請の内容に基づいて、決済サービスを介した入金処理を行う。なお、決済サービスを介した入金処理を行うことなく、レンタルサービス提供者Mの口座から直接入金されるようにしてもよい。何れにしても、入金の履歴は、取引情報として、ブロックチェーンBに記録されて管理される。
【0076】
図12は、貸手端末及び借手端末に表示されたGUI(グラフィカルユーザインタフェース)を介して借入申請を行う場合の例を示す図である。
【0077】
貸手端末2及び借手端末2に表示される画面のうち、図2に示す画面は、表示領域H1乃至H5を含むように構成されている。
【0078】
表示領域H1には、レンタルサービスのユーザが貸手ユーザULとして出品する場合に押下されるボタンが表示されている。具体的には、図12に示すように、「新規出品」と表示されたボタンB11と、「レンタル中」と表示されたボタンB12とが表示されている。
ここで、「新規出品」と表示されたボタンB11が押下されると、新規出品をするための図示せぬ画面に遷移する。
また、「レンタル中」と表示されたボタンB12が押下されると、レンタルサービスのユーザが貸手ユーザULとして貸出中の出品物の一覧が表示される。具体的には例えば、「レンタル中」と表示されたボタンB12が押下されることでマイページの図示せぬ画面に遷移し、貸出中の出品物の一覧が表示されるようにしてもよい。
【0079】
表示領域H2には、レンタルサービスのユーザが借手ユーザUBとして、出品物を借り入れる場合に押下するボタンが表示されている。具体的には、図12に示すように、「ウォッチリスト」と表示されたボタンと、「カテゴリから探す」と表示されたボタンと、カテゴリを示す各種ボタンとして、「ファッション」と表示されたボタンB21、「季節イベント」と表示されたボタン、「本・漫画・雑誌」と表示されたボタン等が表示されている。
【0080】
表示領域H3には、ユーザへの告知や広告が表示されている。図12に示す例では、「9月1日~ メンズジャケットキャンペーン開催中!!」という告知が表示されている。表示領域H3に表示されている告知や広告は、ボタンとして押下することもできる。この場合、図12に示す告知が押下されると、告知の具体的内容の示す専用の画面(図示せず)が表示されるようにしてもよい。
【0081】
表示領域H4には、貸手ユーザUL1乃至ULnから出品された出品物のうち、「季節イベントおすすめ商品」として、メンズジャケットの撮像画像が、出品情報とともに3件ピックアップ表示されている。なお、ここでいう「商品」とは、貸手ユーザULから出品された出品物を意味する。
【0082】
表示領域H5には、貸手ユーザUL1乃至ULnから出品された出品物のうち、「おすすめ商品」として、ハンドバッグの撮像画像と、腕時計の撮像画像とが、出品情報とともに夫々3件ピックアップ表示されている。借手ユーザUBは、表示領域H2乃至H3に表示された内容を見ることで、所望の出品物を容易に見つけ出すことができる。
【0083】
表示領域H4及びH5に夫々表示されている出品物の中には、「買い切り」マークM41や、「オーナーチェンジ」マークM51が付されているものがある。
【0084】
「買い切り」マークM41が付されている出品物は、出品情報に売却の意思が含まれていることを意味する。即ち、貸手ユーザULが所定のレンタル期間が経過したら「そのまま引き渡してもよい」と考えている出品物であることを意味している。具体的には例えば、10000円の価値がある出品物を、1日あたり100円で貸し出している場合、レンタル期間が100日に達した時点で、売り上げたレンタル料の総額が10000円に達する。この場合、「元は取れた」として、出品物をそのまま引き渡すこととなる。このため、図12の表示領域H4及びH5に夫々表示されている出品物の出品情報には、1日あたりのレンタル料の他に、買い切り金額が表示されている。
【0085】
また、「オーナーチェンジ」マークM51が付されている出品物は、レンタル中であるというステータスを変更することなくレンタル料を受け取る権利を所有権とともに移転させることができる出品物である。即ち、レンタル料を受け取る権利を留保させたまま、レンタルサービス提供者Mや借手ユーザUBに所有権を移転させることができる出品物であることを意味している。
ここで、オーナーチェンジが行われた場合にも、取引情報として、ブロックチェーンBに記録されて管理される。
【0086】
次に、図13乃至図26を参照して、図4の機能的構成を有する管理サーバ1により提供される図1の本サービスにおいて、実現可能となる投資に関する取引の具体例について説明する。
なお、投資対象は、以下の例では主にトラックファンドTF及びレンタルサービスLSとして説明するが、特にこれに限定されず、その他不動産や株(仮想空間内のものも含む)等であっても、以下の説明は同様に当てはまる。
【0087】
図13は、図4の機能的構成を有する管理サーバにより提供される図1の本サービスにおいて、実現可能となる投資に関する第1取引の1段階目の具体例を示す図である。
図13の例では、実空間(現実世界)のユーザとしての投資家IGが、上述のトラックファンドTF及びレンタルサービスLSに投資するものとする。
なお、以下説明の便宜上、トラックファンドTFに対して自己の資金を投資することを単に「第1価値の投資」と呼ぶ。また、トラックファンドTFからの配当を得ることを「第2価値の収益・損失」と呼ぶ。
また、レンタルサービスLSへの投資としては2種類存在する。1種類目は、投資家IGが貸手ユーザULとして出品することでリース料や買い切りで収益を得るという投資である。2種類目は、投資家IGがレンタルサービスLSというプラットフォームに対して投資をして、レンタルサービス提供者Mから何らかのリターンを得る投資である。ただし、以下においては説明の便宜上、これらの種類には特に言及せずに、単に、自己の資金又は出品対象の物をレンタルサービスに提供することを「第1価値の投資」と呼び、その投資に対するレンタルサービス提供者Mからのリターン又は借手ユーザUBからのレンタル料等に基づく売上額を得ることを「第2価値の収益・損失」と呼ぶ。
【0088】
図13のステップSL1において、実空間(現実世界)の投資家IGは、実空間(現実世界)のレンタルサービスLSに対して第1価値の投資をし、それに対するレンタルサービスLSからの第2価値の収益・損失を得る。
この場合の第1価値の投資及び第2価値の収益・損失において授受された情報が、取引情報として生成されて、ブロックチェーンBに記録されて管理される。
【0089】
図13のステップST1において、実空間(現実世界)の投資家IGは、実空間(現実世界)のトラックファンドTFに対して第1価値の投資をし、それに対するトラックファンドTFからの第2価値の収益・損失を得る。
この場合の第1価値の投資及び第2価値の収益・損失において授受された情報が、取引情報として生成されて、ブロックチェーンBに記録されて管理される。
【0090】
図14は、図4の機能的構成を有する管理サーバにより提供される図1の本サービスにおいて、実現可能となる投資に関する第1取引の2段階目の具体例を示す図である。
図15は、図4の機能的構成を有する管理サーバにより提供される図1の本サービスにおいて、実現可能となる投資に関する第1取引の3段階目の具体例を示す図である。
図15の例では、図14の例で実空間(現実世界)のユーザとしての投資家IGが投資した仮想投資対象MTに対して、仮想空間(メタバース)のユーザとしての投資家IMが投資するものとする。
ここで、仮想空間(メタバース)の投資家IMは、図7で上述したように、実空間(現実世界)のユーザと必ずしも1対1で対応せず、集団投資スキーム(ファンド)のような場合もある。
図15のステップSM2において、仮想空間(メタバース)の投資家IMは、仮想空間(メタバース)内の仮想投資対象MTに対して第1価値の投資をし、それに対する仮想投資対象MTからの第2価値の収益・損失を得る。
このステップSM2の取引において、必要に応じて、ブロックチェーンBに記録されて管理されているステップSM1の取引の履歴も用いられる。
ここで、第2価値は、特に限定されず、法定通貨や仮想資産は勿論のこと、仮想空間(メタバース)内で使用可能な任意の価値(例えばメタバースのゲームのアイテム等)を採用することができる。
ステップSM2の第1価値の投資及び第2価値の収益・損失において授受された情報が、取引情報として生成されて、ブロックチェーンBに記録されて管理される。
【0091】
図16は、図4の機能的構成を有する管理サーバにより提供される図1の本サービスにおいて、実現可能となる投資に関する第1取引の4段階目の具体例を示す図である。
図16の例では、図15の例で仮想投資対象MTに対して投資した仮想空間(メタバース)のユーザとしての投資家IMが、実空間(現実世界)の投資対象に投資するものとする。
図16のステップSM3において、仮想空間(メタバース)の投資家IMは、実空間(現実世界)の投資対象(レンタルサービスLS、トラックファンドTF、及びその他投資対象GT)に対して第1価値の投資をし、それに対するからの第2価値の収益・損失を得る。
ステップSM3の第1価値の投資及び第2価値の収益・損失において授受された情報が、取引情報として生成されて、ブロックチェーンBに記録されて管理される。
このステップSM3の取引において、必要に応じて、ブロックチェーンBに記録されて管理されている投資家IMの取引の履歴も用いられる。
【0092】
ここで、図17を参照して、仮想空間(メタバース)内の仮想投資対象MTにおける資産の取り扱いの具体例について説明する。
仮想空間(メタバース)内の仮想投資対象MTにおける資産としては、例えば仮想空間内のトラックファンドTFについてはトラックT(オブジェクト)や、仮想空間内のレンタルサービスLSの出品される物(オブジェクト)が想定される。
【0093】
図17は、仮想空間内の仮想投資対象における資産の取り扱いの具体例を示している。
図17Aは、実空間(現実世界)の土地のように、仮想空間内で劣化しなくて相場のみで価値が変わる資産(そのようにメタバース内で設定された資産)の取り扱いの具体例を示している。
図17Bは、仮想空間内で減価していく資産(例えば陳腐化等する資産)(そのようにメタバース内で設定された資産)の取り扱いの具体例を示している。図17Bの具体例では、減価は、実空間(現実世界)の減価償却の考え方が適用される。
図17Cは、仮想空間内で元々存続期間が設定されていて存続期間経過後技術的に存在しなくなる資産(そのようにメタバース内で設定された資産)の取り扱いの具体例を示している。
図17Dは、仮想空間内で減価もせずリース料も設定されない資産(そのようにメタバース内で設定された資産)の取り扱いの具体例を示している。
【0094】
図18は、図4の機能的構成を有する管理サーバにより提供される図1の本サービスにおいて、実現可能となる投資に関する第2取引の1段階目の具体例を示す図である。
図18の例では、実空間(現実世界)のユーザとしての投資家IG1が、上述のトラックファンドTFやレンタルサービスLS等の実空間(現実世界)の投資対象GTに投資するものとする。
なお、以下、第2取引の説明においては、便宜上、「投資」とは、「第1価値の投資」及び「第2価値の収益・損失」からなる取引を意味するものとする。
【0095】
図18のステップSG1において、実空間(現実世界)の投資家IG1は、実空間(現実世界)の投資対象GTに対して投資をする。
この場合の投資(第1価値の投資及び第2価値の収益・損失)において授受された情報が、取引情報として生成されて、ブロックチェーンBに記録されて管理される。
【0096】
図18のステップSG2において、実空間(現実世界)の投資家IG1は、実空間(現実世界)の投資対象GTについて、実空間(現実世界)の投資家IG2に対してオーナーチェンジをする。
オーナーチェンジは、取引の一種である。よって、オーナーチェンジが行われる際には、ステップSG1における空間(現実世界)の投資対象GTについての投資の履歴がブロックチェーンBから適宜取得されて利用される。
また、オーナーチェンジの履歴は、ブロックチェーンBに記録されて管理される。
【0097】
図19は、図4の機能的構成を有する管理サーバにより提供される図1の本サービスにおいて、実現可能となる投資に関する第2取引の2段階目の具体例を示す図である。
図19の例でも、図18の例と同様に、実空間(現実世界)のユーザとしての投資家IG1が、上述のトラックファンドTFやレンタルサービスLS等の実空間(現実世界)の投資対象GTに投資するものとする。
【0098】
図19のステップSM11において、実空間(現実世界)の投資家IG1は、実空間(現実世界)の投資対象GTについて、仮想空間(メタバース)の投資家IM1に対してオーナーチェンジをする。
オーナーチェンジは、取引の一種である。よって、オーナーチェンジが行われる際には、ステップSG1における空間(現実世界)の投資対象GTについての投資の履歴がブロックチェーンBから適宜取得されて利用される。
また、オーナーチェンジの履歴は、ブロックチェーンBに記録されて管理される。
【0099】
図20は、図4の機能的構成を有する管理サーバにより提供される図1の本サービスにおいて、実現可能となる投資に関する第2取引の3段階目の具体例を示す図である。
図20の例では、仮想空間(メタバース)のユーザとしての投資家IM1が、仮想空間内の仮想投資対象MTに投資するものとする。
【0100】
図20のステップSM12において、仮想空間(メタバース)の投資家IM1は、仮想空間(メタバース)の仮想投資対象MTに対して投資をする。
この場合の投資(第1価値の投資及び第2価値の収益・損失)において授受された情報が、取引情報として生成されて、ブロックチェーンBに記録されて管理される。
【0101】
図20のステップSM13において、仮想空間(メタバース)の投資家IM1は、仮想空間(メタバース)の仮想投資対象MTについて、仮想空間(メタバース)の投資家IM2に対してオーナーチェンジをする。
オーナーチェンジは、取引の一種である。よって、オーナーチェンジが行われる際には、ステップSM13における仮想空間(メタバース)の仮想投資対象MTについての投資の履歴がブロックチェーンBから適宜取得されて利用される。
また、オーナーチェンジの履歴は、ブロックチェーンBに記録されて管理される。
【0102】
図21は、図4の機能的構成を有する管理サーバにより提供される図1の本サービスにおいて、実現可能となる投資に関する第2取引の4段階目の具体例を示す図である。
図21の例では、仮想空間(メタバース)のユーザとしての投資家IM1が、仮想空間内の仮想投資対象MTについて、実空間(現実世界)のユーザとしての投資家IG2にオーナーチェンジするものとする。
【0103】
図21のステップSM14において、仮想空間(メタバース)の投資家IM1は、仮想空間(メタバース)の仮想投資対象MTについて、実空間(現実世界)の投資家IG2に対してオーナーチェンジをする。
オーナーチェンジは、取引の一種である。よって、オーナーチェンジが行われる際には、ステップSM13における仮想空間(メタバース)の仮想投資対象MTについての投資の履歴がブロックチェーンBから適宜取得されて利用される。
また、オーナーチェンジの履歴は、ブロックチェーンBに記録されて管理される。
【0104】
なお、ファンドの投資に関する取引は、以上のものは例示に過ぎず、図22に示すような各種各様なケースが存在する。
図22は、図4の機能的構成を有する管理サーバにより提供される図1の本サービスにおいて、実現可能となる投資のケースを示している。
図22の表及び同図の説明においては、「現実」は「実空間(現実世界)」を身氏、「メタ」は「仮想空間(メタバース)」を意味するものとする。
第1ケースは、(投資対象、投資家、ファンド)=(現実、現実、現実)というものである。
第2ケースは、(投資対象、投資家、ファンド)=(メタ、現実、現実)というものである。
第3ケースは、(投資対象、投資家、ファンド)=(メタ、メタ、メタ)というものである。
第4ケースは、(投資対象、投資家、ファンド)=(現実、メタ、メタ)というものである。
第5ケースは、(投資対象、投資家、ファンド)=(現実、現実、メタ)というものである。
第6ケースは、(投資対象、投資家、ファンド)=(現実、メタ、現実)というものである。
第7ケースは、(投資対象、投資家、ファンド)=(メタ、メタ、現実)というものである。
第8ケースは、(投資対象、投資家、ファンド)=(メタ、現実、メタ)というものである。
【0105】
図23は、実空間(現実世界)のファンドの例を示している。ファンドは、資産と(負債)出資金とから構成される。
図23の例では、実空間(現実世界)のアセットマネージャーAMGがファンドの運営管理を行う。
図23の例では、ファンドの資産から、実空間(現実世界)の投資対象GT1,GT2に投資が行われる。
図23の例では、実空間(現実世界)の投資家IG1,IG2がファンドに対して出資を行い、実空間(現実世界)の銀行や他レンダー等の他ユーザUG1がファンドに対して貸付を行う。
【0106】
図24は、図4の機能的構成を有する管理サーバにより提供される図1の本サービスにおいて、実現可能となるファンドの投資に関する第2パターンの具体例を示す図である。
図24は、実空間(現実世界)のファンドの例を示している。ファンドは、資産と(負債)出資金とから構成される。
図24の例では、実空間(現実世界)のアセットマネージャーAMGがファンドの運営管理を行う。
図24の例では、ファンドの資産から、仮想空間(メタバース)の投資対象GM1,GM2に投資が行われる。
図24の例では、実空間(現実世界)の投資家IG1,IG2がファンドに対して出資を行い、実空間(現実世界)の銀行や他レンダー等の他ユーザUG1がファンドに対して貸付を行う。
【0107】
図25は、図4の機能的構成を有する管理サーバにより提供される図1の本サービスにおいて、実現可能となるファンドの投資に関する第3パターンの具体例を示す図である。
図25は、仮想空間(メタバース)のファンドの例を示している。ファンドは、資産と(負債)出資金とから構成される。
図25の例では、仮想空間(メタバース)のアセットマネージャーAMMがファンドの運営管理を行う。
図25の例では、ファンドの資産から、仮想空間(メタバース)の投資対象GM1,GM2に投資が行われる。
図25の例では、仮想空間(メタバース)の投資家IM1,IM2がファンドに対して出資を行い、仮想空間(メタバース)の銀行や他レンダー等の他ユーザUM1がファンドに対して貸付を行う。
【0108】
図26は、図4の機能的構成を有する管理サーバにより提供される図1の本サービスにおいて、実現可能となるファンドの投資に関する第4パターンの具体例を示す図である。
図26は、仮想空間(メタバース)のファンドの例を示している。ファンドは、資産と(負債)出資金とから構成される。
図26の例では、仮想空間(メタバース)のアセットマネージャーAMMがファンドの運営管理を行う。
図26の例では、ファンドの資産から、実空間(現実世界)の投資対象GM1,GM2に投資が行われる。
図25の例では、仮想空間(メタバース)の投資家IM1,IM2がファンドに対して出資を行い、仮想空間(メタバース)の銀行や他レンダー等の他ユーザUM1がファンドに対して貸付を行う。
【0109】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0110】
例えば、上述の実施形態では、図5乃至図7及び図13乃至図26の例を用いて本サービスで可能となる取引の形態を説明したが、取引の形態は特にこれに限定されない。
例えば、第1の仮想空間に存在する第1価値と、別の第2の仮想空間に存在する第2価値とが交換される取引を採用することができる。
即ち、実空間又は仮想空間における第1価値を有する実空間又は仮想空間に存在する第1ユーザと、実空間又は仮想空間における第2価値を有する実空間又は仮想空間に存在する第2ユーザとの間の当該第1価値及び当該第2価値の交換をするための取引であって、第1価値、第1ユーザ、第2価値、及び第2ユーザのうち少なくとも一部が仮想空間のものである場合における取引であれば足り、各種各様な形態の取引を採用することができる。
【0111】
例えば上述の実施形態では、取引情報の正当性の管理にブロックチェーンBを利用したが、これ以外に分散型台帳を利用してもよい。
【0112】
また、取引の対象となるものは、取引を行う第1ユーザ及び第2ユーザにとって価値があるものであれば足り、その他の者にとって価値が存在するか否かは無関係である。
例えば、実ユーザUG又は仮想ユーザUVのスキルや権利といったようなものであってもよい。
【0113】
また、図3に示すハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。
【0114】
また、図4に示す機能ブロック図は、例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは、特に図4の例に限定されない。
【0115】
また、機能ブロックの存在場所も、図4に限定されず、任意でよい。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0116】
各機能ブロックの処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0117】
このようなプログラムを含む記録媒体は、各ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される、リムーバブルメディアにより構成されるだけではなく、装置本体に予め組み込まれた状態で各ユーザに提供される記録媒体等で構成される。
【0118】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に添って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
【0119】
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものである。
【0120】
以上まとめると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置(例えば管理サーバ1等)は、
実空間又は仮想空間における第1価値(例えば図5の仮想通貨100botや図6の山の絵)を有する実空間又は仮想空間に存在する第1ユーザ(例えば図5図6の第1ユーザRU1)と、実空間又は仮想空間における第2価値(例えば図5の仮想通貨での返済料及び利息や図6のレンタル料)を有する実空間又は仮想空間に存在する第2ユーザ(例えば図5図6の第2ユーザRU2)との間の当該第1価値及び当該第2価値の交換をするための第1取引をした際に、前記第1価値に関する情報、前記第1ユーザに関する情報、前記第2価値に関する情報、及び前記第2ユーザに関する情報を、取引情報(例えば図5の取引情報B1や図6の取引情報B2)として、ブロックチェーン(例えば図4のブロックチェーンB)又は分散型台帳に記録して管理する管理手段(例えば図4の取引情報管理部58)と、
前記第1価値、前記第1ユーザ、前記第2価値、及び前記第2ユーザのうち少なくとも一部に関連する第2取引がなされる際に、前記管理手段により前記ブロックチェーン又は前記分散型台帳に記録して管理されている前記取引情報を用いて、当該第2取引を制御する取引制御手段(例えば図4の取引制御部57)と、
を備える。
【0121】
このように、実空間と仮想空間とを介在する取引において、ブロックチェーンB又は前記分散型台帳に第1取引の取引情報を記録して管理し、ブロックチェーンB又は前記分散型台帳の取引情報を用いて、第2取引の可否を判定することができるので、第2取引における取引者の信用を確保した上で価値を安全に取り引きすることができるようになる。
【0122】
ここで、前記第1取引は、前記第1価値、前記第1ユーザ、前記第2価値、及び前記第2ユーザのうち少なくとも一部が仮想空間のものである場合における取引である、ようにすることができる。
【0123】
前記管理手段は、さらに、前記第1価値と前記第2価値のうち少なくとも一方の流通の履歴を前記取引情報に含めて、前記ブロックチェーン又は前記分散型台帳に記録して管理する、ようにすることができる。
【0124】
前記管理手段は、さらに、前記第1価値と前記第2価値のうち少なくとも一方の所有者の履歴を前記取引情報に含めて、前記ブロックチェーン又は前記分散型台帳に記録して管理する、ようにすることができる。
【符号の説明】
【0125】
1:管理サーバ、2、2-1乃至2-n、2A、2B:ユーザ端末、3、3-1乃至3-m:仮想空間サーバ、11:CPU、12;ROM、13:RAM、14:バス、15:入出力インターフェース、16:入力部、17:出力部、18:記憶部、19:通信部、20:ドライブ、30:リムーバブルメディア、51:実空間情報取得部、52:実ユーザ情報取得部、53:実価値情報取得部、54:仮想空間情報取得部、55:アバタ情報取得部、56:仮想価値情報取得部、57:取引制御部、58:取引情報管理部、B:ブロックチェーン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図17C
図17D
図18
図19
図20
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図22
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