(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083415
(43)【公開日】2024-06-21
(54)【発明の名称】可撓性の挿入管および湾曲部分を含む内視鏡
(51)【国際特許分類】
A61B 1/005 20060101AFI20240614BHJP
【FI】
A61B1/005 524
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024059190
(22)【出願日】2024-04-01
(62)【分割の表示】P 2023507824の分割
【原出願日】2021-08-27
(31)【優先権主張番号】102020126239.6
(32)【優先日】2020-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】000113263
【氏名又は名称】HOYA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】ドゥ,アン ミン
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー,ヴォルフガング
(57)【要約】
【課題】可撓性の挿入管および湾曲部分を含み、湾曲部分および挿入管が内部に十分な空間を提供する内視鏡を提供すること。
【解決手段】本発明は、可撓性挿入管(2)と、近位側から制御可能であり、挿入管(2)に遠位方向に接続された湾曲部分(3)と、を含む内視鏡(1)に関し、湾曲部分(3)では、湾曲部分(3)の枢動運動のためにプルロープ(11)が延在し、プルロープ(11)は湾曲部分(3)の遠位端に固定され、付勢された弾性要素(30)が、プルロープ(11)と平行に湾曲部分(3)の長手方向に配置される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡(1)であって、
可撓性挿入管(2)と、
近位側から制御可能な湾曲部分(3)であって、前記挿入管(2)に遠位に接続された湾曲部分(3)と、を含み、
前記湾曲部分(3)内には、前記湾曲部分(3)の枢動運動のためにプルロープ(11)が延び、前記プルロープ(11)は前記湾曲部分(3)の前記遠位端に固定され、
付勢された弾性要素(30,330;3300)が、前記プルロープ(11)に平行に前記湾曲部分(3)の長手方向に配置される、内視鏡(1)。
【請求項2】
前記付勢された弾性要素(30,330;3300)は、前記湾曲部分(3)の一方の側に向かって所定の湾曲を有する、
請求項1に記載の内視鏡(1)。
【請求項3】
前記付勢された弾性要素(30;330;3300)の前記所定の湾曲が、前記湾曲部分(3)の一方の側への最大枢動を提供する、
請求項1または2に記載の内視鏡(1)。
【請求項4】
前記付勢された弾性要素は、前記湾曲部分(3)の一方の側に向かって所定の湾曲を有する湾曲された棒要素(330)として前記プルロープ(11)と平行に配置され、
前記プルロープ(11)は、プルロープ案内要素(310)によって案内される、
請求項1から3のいずれか一項に記載の内視鏡(1)。
【請求項5】
前記付勢された弾性要素は、渦巻きばね要素(3300)として、または遠位の案内されたプルロープと近位渦巻きばね要素(3300)との組み合わせとして、前記プルロープ(11)に平行に配置され、前記渦巻きばね要素(3300)は所定の付勢を有し、
前記プルロープ(11)はプルロープ案内要素(310)によって案内される、
請求項1から3のいずれか一項に記載の内視鏡(1)。
【請求項6】
前記湾曲部分(3)は、スリーブ(10)を含み、
前記付勢された弾性要素は、前記スリーブ(10)の断面を2つの別個のチャンバ(31,32)に分割する湾曲可能な分離要素(30)であり、
前記分離要素(30)によって分離された前記2つのチャンバ(31,32)のうちの一方のチャンバ(31)内において、前記プルロープ(11)は、前記湾曲部分(3)の枢動運動のために前記スリーブ(10)の前記長手方向に配置される、
請求項1から3のいずれか一項に記載の内視鏡(1)。
【請求項7】
所定の方法で湾曲された前記分離要素(30)の半径の外側に配置された前記分離要素(30)によって分離された前記2つのチャンバ(31,32)のうちの前記チャンバ(31)内において、前記プルロープ(11)は、前記湾曲部分(3)の枢動運動のために前記スリーブ(10)の前記長手方向に配置される、
請求項6に記載の内視鏡(1)。
【請求項8】
前記分離要素(30)は、近位側で前記挿入管(2)の前記遠位端領域に固定される、
請求項6または7に記載の内視鏡(1)。
【請求項9】
前記挿入管(2)は、外側カバー(21)と、前記外側カバー(21)の下に弾性ワイヤメッシュ(22)と、を有し、前記分離要素(30)の前記近位側(36)は、前記ワイヤメッシュ(22)の遠位端領域に固定される、
請求項8に記載の内視鏡(1)。
【請求項10】
前記分離要素(30)の前記近位側(36)は、前記ワイヤメッシュ(22)の前記遠位端領域に挿入されるか、前記遠位端領域に溶接されるか、または前記遠位端領域に接着される、
請求項9に記載の内視鏡(1)。
【請求項11】
前記湾曲部分(3)の前記スリーブ(10)は、3mm以下の外径を有する、
請求項1から10のいずれか一項に記載の内視鏡(1)。
【請求項12】
前記湾曲部分(3)の前記スリーブ(10)は、1mm以下の外径を有する、
請求項1から11のいずれか一項に記載の内視鏡(1)。
【請求項13】
前記分離要素(30)は、ばね鋼、ステンレス鋼、または湾曲可能なプラスチック材料から作製される、
請求項6から10のいずれか一項に記載の内視鏡(1)。
【請求項14】
前記湾曲部分(3)の前記スリーブ(10)は、ばね要素(18)を含む、
請求項1から13のいずれか一項に記載の内視鏡(1)。
【請求項15】
前記ばね要素(18)は、前記湾曲部分(3)の前記スリーブ(10)内に埋め込まれている、
請求項14に記載の内視鏡(1)。
【請求項16】
前記分離要素(30)の断面は、前記分離要素(30)の前記断面が第1の方向においてより広く、前記第1の方向に垂直な第2の方向においてより狭くなるように構成される、
請求項6から10または13のいずれか一項に記載の内視鏡(1)。
【請求項17】
前記湾曲された分離要素(30)の外側に配置された前記チャンバ(31)には、前記湾曲部分(3)の枢動運動のために単一のプルロープ(11)が配置され、前記湾曲された分離要素(30)の内側に配置された前記他方のチャンバ(32)には、プルロープが配置されない、
請求項1から10または13または16のいずれか一項に記載の内視鏡(1)。
【請求項18】
前記湾曲された分離要素(30)の外側に配置された前記チャンバ(31)には、前記湾曲部分(3)の枢動運動のために複数のプルロープ(11)が配置され、前記湾曲された分離要素(30)の内側に配置された前記他方のチャンバ(32)には、プルロープが配置されない、
請求項1から10または13または16のいずれか一項に記載の内視鏡(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓性の挿入管と、近位側から制御可能な湾曲部分と、を含む内視鏡であって、湾曲部分が挿入管に遠位側に接続される、内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
このタイプの内視鏡は、例えば、小さな開口部または小さな空間も検査するために、非常に小さな直径で構築することができる。
【0003】
通常、湾曲部分の直径は、内視鏡の挿入管の直径と等しいか、またはわずかに異なる。細い挿入管を有する内視鏡の場合、湾曲部分はそれに対応して細い。
【0004】
しかしながら、細い湾曲部分は、従来の湾曲部分に必要とされる複雑な構造設計に十分な内部を有さないことが多い。内視鏡の湾曲部分は、ユーザによって制御され得る。この目的のために、湾曲部分は、内視鏡の近位側からユーザによって制御される、すなわち撓められる。
【0005】
したがって、従来技術から、金属から作製された関節部材の湾曲部分または関節プラスチック要素から作製された湾曲部分など、湾曲部分の様々な基本設計が知られている。
【0006】
金属製の関節部材の湾曲部分では、湾曲部分は、環状ジョイントの自由に移動可能な接続によってそれぞれ接続された多数の複雑な形状の金属リングからなる。前記環状ジョイントは、それぞれの隣接する環状ジョイントに対して90度またはそれぞれ180度だけオフセットされたヒンジピンを含む。湾曲部分は、いくつかの枢動点を介して上下に枢動することができる。可撓性部分の内側の環状ジョイントには、アイレットが複数列配置されている。前記アイレットは、可撓性部分の遠位端に固定されたプルロープのガイドウェイとして機能する。可撓性部分の湾曲または撓み動作は、プルロープが近位側から引っ張られることによって行われる。
【0007】
基本的に、一方向(例えば、上向き/下向き)への移動には常に2本のプルロープが必要であるが、これは、1本のプルロープでは引張移動しか達成できず、推力移動は達成できないためである。そのため、従来は、一方向の移動に2本のプルロープが必要であった。これに対応して、2方向への移動には4本のプルロープが必要である。2方向の移動によって、様々な方向設定(水平方向および垂直方向の湾曲の組み合わせ)を達成することができる。
【0008】
前記複雑な構造は、湾曲部分の内側に適切な内部を必要とする。湾曲部分が非常に細い場合、通常、利用可能な十分な内部空間がない。
【0009】
互いに関節接合された、すなわち互いにヒンジ結合されたプラスチック要素で作られた湾曲部分では、射出成形によって製造されたプラスチック要素は、ヒンジを介して相互接続され、互いに対して枢動可能である。関節接合されたプラスチック要素の湾曲部分は非常に単純な構造を示すが、金属から作られた関節接合部材の湾曲部分よりもさらに少ない内部空間を提供する。これは、プラスチック部材の仕切りが十分な安定性および強度を確保するために特定の厚さを必要とするという事実に起因する。さらに、この場合も、アイレットが多くの空間を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の目的は、可撓性の挿入管および湾曲部分を含み、湾曲部分および挿入管が内部に十分な空間を提供する内視鏡を提供することである。さらに、内視鏡の湾曲部分は、満足のいく機能性を提供することが意図されている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、請求項1の特徴を含む内視鏡によって達成される。有利な発展形態は、従属請求項の主題である。
【0012】
本発明は、可撓性の挿入管と、近位側から制御可能な湾曲部分と、を含む内視鏡であって、湾曲部分が挿入管に遠位側に接続される、内視鏡に関する。湾曲部分の枢動運動のためのプルロープが湾曲部分内に延び、プルロープは湾曲部分の遠位端に固定されている。湾曲部分の長手方向において、付勢された弾性要素がプルロープと平行に配置されている。付勢された弾性要素はまた、空間を占有するが、プルロープおよびアイレットを有する従来の設計によって必要とされる空間よりも小さい。
【0013】
この内視鏡では、少なくとも1つのプルロープを付勢された弾性要素に置き換えることができる。湾曲部分の所望の撓みは、少なくとも1つの(残りの)プルロープのみが作動(牽引)されるように制御することができる。少なくとも1つのプルロープが付勢された弾性要素によって交換されているので、交換されたプルロープの空間を他の目的のために使用することができる。交換されたプルロープのための空間がなくなるので、内視鏡はより細い設計を有することができる。
【0014】
付勢された弾性要素は、湾曲部分の一方の側に向かって所定の湾曲部分を含むことができる。付勢された弾性要素の所定の湾曲は、非作動状態で湾曲部分に所定の湾曲を付与する。非作動状態でプルロープが引っ張られると、湾曲部分の湾曲が変化する。非作動状態でプルロープが引っ張られると、湾曲部分を所定の湾曲部分から取り出すことができる。
【0015】
付勢された弾性要素の所定の湾曲は、湾曲部分の片側への最大枢動を提供することができる。(少なくとも1つの)プルロープを引くことによって、湾曲部分を、一方の側に強制された最大枢動運動からより小さい枢動運動に戻すことができる。プルロープを引き続けると、湾曲部分を真っ直ぐな枢動運動にすることができる。プルロープをさらに引き続けると、湾曲部分は、非作動状態で与えられた元の枢動方向とは反対の方向の撓みになる。
【0016】
付勢された弾性要素は、湾曲部分の片側に向かって所定の湾曲部分を有する湾曲された棒要素としてプルロープと平行に配置されてもよく、プルロープはプルロープ案内要素によって案内されてもよい。この内視鏡では、少なくとも1つのプルロープを湾曲された棒要素で置き換えることができる。湾曲された棒要素は湾曲可能であってもよい。
【0017】
付勢された弾性要素は、渦巻きばね要素として、または遠位の案内されたプルロープと近位渦巻きばね要素との組み合わせとしてプルロープと平行に配置することができ、渦巻きばね要素は所定の付勢を有し、プルロープはプルロープ案内要素によって案内することができる。この内視鏡では、少なくとも1つのプルロープを、渦巻きばね要素、または遠位の案内されたプルロープと近位渦巻きばね要素との組み合わせに置き換えることができる。
【0018】
湾曲部分は、スリーブを含んでもよい。付勢された弾性要素は、スリーブの断面を2つの別個のチャンバに分割する湾曲可能な分離要素であってもよく、分離要素によって分離された2つのチャンバのうちの一方のチャンバでは、湾曲部分の枢動運動のためにプルロープをスリーブの長手方向に配置することができる。
【0019】
この内視鏡では、少なくとも1つのプルロープを湾曲可能な分離要素で置き換えることができる。さらに、分離要素を設けることによって、プルロープを案内するのに役立つ2つのチャンバへのスリーブの分離が実現される。分離要素は、アイレットを通る従来の案内に取って代わる。
【0020】
湾曲部分は、分離要素によって、長手方向に延在し、半径方向側に区切られたプルロープダクトに容易に分割することができる。これにより、湾曲部分を有する内視鏡を簡易かつ安価に提供することができる。分離要素によって湾曲部分を別個のチャンバに分割する原理は、任意の構造サイズ、特に非常に小さい内視鏡直径に適用することができるので、単純な設計は、特に小さい構造サイズを可能にする。
【0021】
1つのチャンバには、少なくとも1つのプルロープが配置される。この最小限の構造では、湾曲部分は、1つのプルロープを引っ張ることによって具体的に枢動させることができる。
【0022】
分離要素は、湾曲部分の一方の側に向かって所定の湾曲部分を有することができる。所定の方法で湾曲された分離要素の所定の湾曲は、湾曲部分の片側への最大枢動を提供することができる。
【0023】
所定の方法で湾曲された分離要素の半径の外側に配置された分離要素によって分離された2つのチャンバのうちの一方のチャンバ内において、プルロープは、湾曲部分の枢動運動のためにスリーブの長手方向に配置することができる。
【0024】
このように、プルロープを引くことで、予め定められた態様で湾曲された湾曲部分を、湾曲された湾曲部分が真っ直ぐとなる側に湾曲させることができる。湾曲された湾曲部分が直線状になるように整列するまで、プルロープを引っ張ることができる。また、湾曲された湾曲部分が、当初の湾曲方向とは反対方向に湾曲するように、プルロープをさらに引っ張ることができる。
【0025】
分離要素は、その近位側で、挿入管の遠位端領域に固定することができる。分離要素は、遠位側に向かって突出するその長さが予め規定されるように、その近位側で挿入管の遠位端領域に固定することができる。したがって、固定は、安全かつ確実な方法で実現することができるが、単純かつ低労力の方法でも実現することができる。
【0026】
挿入管は、外側カバーと、外側カバーの下に弾性ワイヤメッシュとを含むことができ、分離要素の近位側はワイヤメッシュの遠位端領域に固定される。挿入管に組み込まれたワイヤメッシュは、分離要素の近位側に強固な支持を与える。
【0027】
分離要素の近位側は、ワイヤメッシュの遠位端領域に挿入されてもよく、あるいはワイヤメッシュの遠位端領域に溶接または接着されてもよい。
【0028】
湾曲部分のスリーブの外径は、3mm以下であってもよい。さらに小さい設計の場合、湾曲部分のスリーブは、1mm以下の外径を有することさえできる。したがって、内視鏡は、湾曲部分を有する可撓性内視鏡ではこれまで検査することができなかった特に小さな空洞に適している。
【0029】
分離要素は、ばね鋼、ステンレス鋼、または可撓性プラスチック材料から製造することができる。分離要素の材料は、湾曲部分に湾曲性を付与する。しかしながら、分離要素は圧縮可能でも膨張可能でもない。このように、分離要素の長さに対応する湾曲部分の長さは、湾曲部分が湾曲されても同じままである。
【0030】
湾曲部分のスリーブは、ばね要素を含むことができる。このようにして、可撓性および必要な剛性の両方をスリーブ、したがって湾曲部分に付与することができる。さらに、湾曲部分は、ねじれ防止(耐ねじり性)であるように構成することができる。
【0031】
ばね要素は、湾曲部分のスリーブに埋め込むことができる。スリーブの材料は、プラスチックまたはゴムであってもよい。したがって、ばね要素を備えたスリーブは、製造が容易である。例えば、スリーブの材料は、射出成形されてもよく、またはばね要素の周りに押出加工されてもよい。
【0032】
分離要素の断面は、分離要素の断面が第1の方向においてより広く、第1の方向に垂直な第2の方向においてより狭くなるように構成されてもよい。分離要素の断面は、長方形、長円形、楕円形、またはレーストラック形状(いわゆるスタジアム形状)を有してもよい。分離要素は、断面の狭い側の方向に湾曲することができる。分離要素は、断面のより広い側の方向には湾曲することができない。
【0033】
湾曲された分離要素の外側に配置されたチャンバには、湾曲部分の枢動運動のために1つの単一のプルロープが配置されてもよく、湾曲された分離要素の内側に配置された他方のチャンバには、プルロープが配置されない。この設計では、1本のプルロープのみに設置スペースが必要なため、直径をさらに小さくすることができる。
【0034】
湾曲された分離要素の外側に配置されたチャンバには、湾曲部分の枢動運動のために複数のプルロープが配置されてもよい。さらに、湾曲された分離要素の内側に配置された他方のチャンバには、配置されたプルロープがなくてもよい。この設計では、湾曲部分の枢動運動を安全に行うことができる。
【0035】
内視鏡は、可撓性内視鏡であってもよい。
【0036】
したがって、本発明によれば、1つのプルロープと1つの追加要素および湾曲ユニットのみによって、一方向(前後または左右)への湾曲が保証される。さらなる発展形態では、本発明は、2つのプルロープおよび2つの追加要素によるすべての方向(前方および後方ならびに右方および左方、ならびにそれに対応して、組み合わされた引張によるすべての中間段)への湾曲を提供する。この場合の追加の要素は、例えば、ばね要素またはばね棒であると理解される。
【0037】
本発明の前述の態様は、適宜組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】本発明による内視鏡の遠位領域の概略側面図である。
【
図2】第1の実施形態における湾曲部分の内部の概略側面図である。
【
図3A】第1の実施形態の湾曲部分の内部の別の概略側面図である。
【
図3B】
図3Aの断面III-IIIにおける第1の実施形態の湾曲部分の断面模式図である。
【
図4A】第1の実施形態の可撓性プレートがどのように挿入管に挿入されるかを示す図である。
【
図4B】第1の実施形態の可撓性プレート上の概略上面図である。
【
図4C】挿入管に挿入された第1の実施形態の可撓性プレートの概略斜視図である。
【
図4D】第1の実施形態の可撓性プレートの概略側面図である。
【
図5】第2の実施形態における湾曲部分のスリーブの概略側面図である。
【
図6】第2の実施形態のばね要素の概略斜視図である。
【
図7】第2の実施形態のスリーブの概略断面図である。
【
図8】第3の実施形態における湾曲部分の内部の概略側面図である。
【
図9】第4の実施形態における湾曲部分の内部の概略側面図である。
【
図10】第5の実施形態における湾曲部分の内部の概略側面図である。
【
図11】第6の実施形態における湾曲部分の内部の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明を実施形態に基づいて図面に基づいて詳細に説明する。図面の表現は、必ずしも縮尺通りではないが、より明確にするために歪んで示されることがある。
【0040】
第1の実施形態
以下、本発明の第1の実施形態を
図1~
図4Dを参照して説明する。
【0041】
本発明による内視鏡1は、図示しない制御部材の遠位側に、挿入管2、湾曲部分3、および遠位端4を含む。
【0042】
図1は、本発明による内視鏡1の遠位領域の概略側面図を示す。挿入管2の遠位側には、湾曲部分3が配置されている。湾曲部分3の遠位側には、遠位端4が配置されている。
【0043】
挿入管2
挿入管2は、弾性であり、検査の目的で最初に遠位端4を患者に挿入するように意図されている。挿入管2は、それが挿入される本体の湾曲された開口部に追従するように湾曲可能である。挿入管2はまた、本体開口部の湾曲部分を越えて押すことができるように、十分に剛性があり、耐ねじり性がある。挿入管2は、外側にカバー21を含み、好ましくはカバー21の内側にワイヤメッシュ22を含む。カバー21は、挿入管2の内部を保護する。ワイヤメッシュ22は、挿入管2に必要な可撓性、剛性および耐ねじれ性を付与する。
【0044】
湾曲部分3
湾曲部分3は、挿入管2の遠位端に位置する。湾曲部分3の長手方向は、内視鏡1の延長方向に対応する。湾曲部分3は、挿入管2に対して枢動可能である。湾曲部分3を枢動させるために、プルロープ11が用いられている。プルロープ11は、近位側から引っ張られることにより作動する。プルロープ11が引っ張られていない初期位置では、湾曲部分3は、
図1~
図3に例示されるように湾曲している。
【0045】
湾曲部分3では、挿入管2の遠位端から遠位端4まで弾性スリーブ10が延在する。弾性スリーブ10は、挿入管2のカバー21の遠位方向に連続しているとみなされるべきである。
【0046】
分離要素30
湾曲部分3には、分離要素30として、湾曲可能なプレートである平板状の可撓性プレート30が配置されている。
図4Bは、可撓性プレート30の一例を示す。上面図において、可撓性プレート30は細長い長方形の形状をとる。また、可撓性プレート30の断面は、矩形状に形成されている。したがって、可撓性プレート30の断面は、短辺および長辺を有する。
図4Bの上面図において、可撓性プレート30は、観察者に向かって、観察者から離れる方向に湾曲可能である。
図4Cから分かるように、無負荷初期段階では、可撓性プレート30は湾曲している。可撓性プレート30は、可撓性プレート30の断面の短辺が半径方向に、すなわち曲率半径の延長に沿って延在するように湾曲している。したがって、無負荷の初期位置では、可撓性プレート30は側方に湾曲される(
図4Dを参照)。なお、ここでいう「無負荷の初期位置」とは、可撓性プレート30に力が加わらず、プルロープが引かれていない状態を意味する。
【0047】
可撓性プレート30は、長手方向に見て、より狭い近位部分36およびより広い遠位部分35を有する。近位部分36は、遠位部分35よりも短い幅を有する。
【0048】
近位部分36は、挿入管2のワイヤメッシュ22に遠位側から挿入される。可撓性プレート30をワイヤメッシュ22に挿入するとき、より広い遠位部分35は、可撓性プレート30がワイヤメッシュ22に挿入されるストッパとして使用することができる。ワイヤメッシュ22から突出する可撓性プレート30の長さは、このようにして予め規定される。
【0049】
近位部分36はまた、ワイヤメッシュ22に溶接されてもよく、ワイヤメッシュに接着されてもよく、または他の方法で固定されてもよい。これにより、可撓性プレート30の遠位部分35は、挿入管2のワイヤメッシュ22から遠位方向に突出する。
【0050】
スリーブ10は、可撓性プレート30の上に引っ張られる。したがって、遠位部分35の外縁がスリーブ10の弾性内周面を押圧し、それにより、スリーブ10の内部は、断面において、第1のチャンバ31と第2のチャンバ32とに分割される。言い換えると、可撓性プレート30は、スリーブ10の内部を分割する。第1のチャンバ31および第2のチャンバ32の各々は、スリーブ10の内周面および可撓性プレート30によって周囲が区切られている。
【0051】
第1のチャンバ31および第2のチャンバ32は、挿入管2の遠位端から遠位端4までスリーブ10の長手方向に延在する。実施形態では、可撓性プレート30の遠位端は、遠位端4の近位面から離間している(
図2を参照)。あるいは、可撓性プレート30の遠位端は、遠位端4の近位面に当接してもよく、または遠位端4に固定されてもよい。
【0052】
これにより、第1のチャンバ31と第2のチャンバ32とが可撓性プレート30によって隔てられる。好ましくは、第1のチャンバ31および第2のチャンバ32は、同じ断面サイズを有する。したがって、可撓性プレート30は、スリーブ10の内部を2つの等しい半分に分割する。代替例として、可撓性プレート30は、スリーブ10の内部を異なるサイズの二等分に分割することができ、その場合、第1のチャンバ31および第2のチャンバ32は異なる断面サイズを有する。
【0053】
図3Bに示すように、第1のチャンバ31内には、プルロープ11、カメラケーブル12および光導体13が、湾曲部分3の湾曲軸と平行に湾曲部分3の長手方向に延在するように配置されている。第2のチャンバ32には、カメラケーブル12および光導体13が、湾曲部分3の湾曲軸と平行に湾曲部分3の長手方向に延在するように配置されている。第2のチャンバ32にはプルロープが配置されていない。
【0054】
可撓性プレート30は、湾曲可能であり、ばね鋼、ステンレス鋼、または湾曲可能なプラスチック材料から製造することができる。可撓性にもかかわらず、可撓性プレート30は、圧縮可能でも膨張可能でもない。したがって、可撓性プレート30は、脊柱と同様の機能を有する。
【0055】
プルロープ11を近位方向に引っ張ることにより、無負荷状態で湾曲された湾曲部分3が真っ直ぐになる方向に湾曲する。すなわち、プルロープ11を近位方向に引っ張ると、湾曲部分3が伸長する。
【0056】
遠位端4
遠位端4は、内視鏡ヘッドとして機能することができる。遠位端4には、プルロープ11が固定されている。遠位端4の遠位側には、光学系(図示せず)およびカメラ(図示せず)が配置されている。光学系は、光導体13に接続され、視認される風景の照明を確保する。カメラは、カメラケーブル12に接続され、照明された風景を撮影する。
【0057】
スリーブ10は、遠位端4に当接してもよいし、あるいは遠位端4の外周側を覆ってもよい。
【0058】
本発明による内視鏡1は、非常に小さくてもよい。挿入管2、湾曲部分3のスリーブ10および遠位端4の外径は、3mm以下であってもよい。さらに小さい設計では、挿入管2、湾曲部分3のスリーブ10、および遠位端4の外径は、2または1mm以下であってもよい。
【0059】
本発明の機能
プルロープ11を近位方向に引っ張ることにより、挿入管2の遠位端と遠位端4との間の距離が縮まる。可撓性プレート30は、第1のチャンバ31に配置された単一のプルロープ11が引っ張られると、第1のチャンバ31が位置する側に撓む。したがって、湾曲部分3は、湾曲部分3が真っ直ぐな、すなわち拡張した形状をとる側に(
図3Aの左へ)枢動する。プルロープ11を引っ張ることにより、湾曲部分3は最終的に完全な直線形状をとることができる。湾曲部分3が完全な直線形状であり、プルロープ11を近位方向に引き続けると、湾曲部分3は当初の湾曲方向とは逆方向に(
図3Aの左へ)湾曲する。
【0060】
発明の効果
湾曲部分3は、非常に単純な設計を示し、少ない部品を使用するため、非常に低コストで製造することができる。
【0061】
湾曲部分3は、ロープガイドとしてアイレットまたは他のプルロープガイド要素を必要としない。これは、アイレットに空洞を利用可能にする必要がないため、細い挿入管に特に有利である。可撓性プレート30は、湾曲部分3の内部を2つのチャンバ31、32に仕切っている。チャンバ31は、プルロープ11のロープガイドとして機能する。これにより、プルロープ11が安全に案内される。
【0062】
湾曲部分3は、一方のプルロープ11を引っ張ることによって任意の所望の湾曲位置を得ることができる。それにもかかわらず、この目的のためには、単一のプルロープ11のみが必要である。したがって、さらなるプルロープに必要な空間が節約される。したがって、湾曲部分3、ひいては内視鏡全体をより小さい直径で構築することができる。
【0063】
したがって、本発明による湾曲部分3は、非常に小さい挿入管を含む内視鏡に使用することができる。
【0064】
第2の実施形態
以下、
図5~
図7を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0065】
第2の実施形態では、第1の実施形態のスリーブ10にねじれ防止保護用のばね要素18が配置されている。
【0066】
そうでなければ、第2の実施形態の構造は、第1の実施形態の構造に似ている。
【0067】
図5は、第2の実施形態の湾曲部分3のスリーブ10の概略側面図を示す。明確にするために、プルロープ11および湾曲可能なプレート30は示されておらず、カメラケーブル12および光導体13も示されていない。
【0068】
スリーブ10に有利な湾曲性を付与するために、
図6に示すばね要素18がスリーブ10の内部に埋め込まれている。
図7において、ばね要素18の位置は、第2の実施形態のスリーブ10の断面で示されている。
【0069】
第2の実施形態のスリーブ10は、ばね要素18がプラスチック材料からなるスリーブ10の内周面と外周面との間に挟持されるように、ばね要素18上にプラスチック材料が鋳造または押出成形されるように製造することができる。
【0070】
したがって、第2の実施形態のスリーブ10は、湾曲可能であるが、剛性および耐ねじり性も有するように構成されてもよい。
【0071】
また、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
【0072】
第3の実施形態
以下、本発明の第3の実施形態について
図8を参照して説明する。
【0073】
図8は、第3の実施形態における湾曲部分の内部の概略側面図である。
【0074】
第3の実施形態の湾曲部分は、第1または第2の実施形態のカバー21を利用することができる。以下の実施形態においても同様である。
【0075】
さらに、第3の実施形態の湾曲部分は、公知の関節構造を利用しており、関節リング301を含んでいる。多関節リング301は、湾曲部分の長手方向に沿って複数配置されている。隣接する関節リング301は、関節304の軸の周りで互いに対して枢動可能であるように、関節304によって互いに結合される。したがって、隣接する関節リング301の各対は、互いに180度離間して、すなわち関節リング301上の対角位置に配置された2つの関節304を有する。湾曲部分の近位端にある第1の関節リング301は、遠位側にのみ2つの関節304を含む。湾曲部分の遠位端にある最後の関節リング301は、近位側にのみ2つの関節304を含む。多関節リング301からなる関節構造の半径方向外側は、カバー(図示せず)によって覆われている。
【0076】
各関節リング301は、その周囲に右アイレット302および左アイレット302を有する。より正確には、それぞれのアイレット302は、それぞれの関節リング301の内周面に形成される。それぞれのアイレット302は、湾曲部分の長手方向に延在する開口部を形成する。前記開口部には、後述するプルロープまたは後述する予め湾曲されたばね棒を受け入れることができる。アイレット302は、
図8に単に概略的に示されている。
【0077】
右アイレット302は、左アイレット302とは反対側に配置されている。言い換えれば、関節リング301上の右アイレット302の位置は、左アイレット302から180度だけ離間されている、すなわち、それらは関節リング301上の対角位置に配置されている。湾曲部分の長手方向で見ると、左アイレット302はすべて一列に並んでいる。同様に、湾曲部分の長手方向で見ると、右アイレット302はすべて一列に並んでいる。
【0078】
図8において、左アイレット302は、多関節リング301の左側に配置され、右アイレット302は、多関節リング301の右側に配置されている。
【0079】
本第3の実施形態では、多関節リング301の左アイレット302にプルロープ11が案内される。本第3の実施形態では、予め湾曲されたばね棒330が、関節リング301の右アイレット302内に案内される。プルロープ11の遠位端は、湾曲部分の遠位端で最後の関節リング301に固定される。予め湾曲されたばね棒330の遠位端は、湾曲部分の遠位端で最後の関節リング301に固定される。ばね棒330は、湾曲部分においてプルロープに加えて使用される追加要素を構成する。
【0080】
予め湾曲されたばね棒330は、ばねワイヤである。
【0081】
予め湾曲されたばね棒330は、湾曲側、すなわち
図8の右に向かって予め湾曲されている。この実施形態では、予め湾曲されたばね棒330は、例えば約90度だけ予め湾曲されている。しかしながら、予め湾曲される角度は、所望に応じて選択することができる。
【0082】
予め湾曲されたばね棒330の事前湾曲は、本第3の実施形態の非作動状態において、側方、すなわち
図8の右側に予め設定された湾曲を付与する。この非作動状態では、多関節リング301の右側は互いに当接してもよいし、最小距離を有してもよく、多関節リング301の左側は互いに最大限離間している。
【0083】
予め湾曲されたばね棒330は、前述の非作動状態では、
図8に示すように、近位方向に湾曲部分の近位端の第1の関節リング301で突出するような長さを有する。非作動状態で第1の関節リング301上の近位側に突出する予め湾曲されたばね棒330の部分は、直線状の延長部を有する(
図8を参照)。予め湾曲されたばね棒330は、予め湾曲されたばね棒330が関節リング301の右アイレット302に対して摺動可能であるように、関節リング301の右アイレット302内に配置される。
【0084】
プルロープ11は、左アイレット302または関節リング301内で案内される。
図8の非作動状態から開始して、プルロープ11が近位方向に引っ張られると、関節リング301の左側が関節304を中心に回転し、互いに向かって引っ張られる。予め湾曲されたばね棒330の遠位端は、湾曲部分の遠位端で最後の関節リング301に固定され、予め湾曲されたばね棒330は、関節リング301の右アイレット302に対して摺動可能であるため、関節リング301は、関節304を中心に枢動することができる。そうすることで、関節リング301の距離は、その右側で増加する。右アイレット302内に案内される予め湾曲されたばね棒330は、それが右アイレット302内に摺動可能に支持されるので、関節リング301の距離がその右側で増大するのを妨げない。
【0085】
したがって、プルロープ11を引っ張ることによって、湾曲部分を、関節リング301が互いに平行に整列する伸長位置にすることができる。
【0086】
伸長位置から開始して、プルロープ11が近位方向に引っ張られ続けると、関節リング301の左側は関節304を中心に回転(枢動)され続け、互いに当接するまで互いに向かって引っ張られる。この状況では、関節リング301は、その右側で互いに最大限に離間している。
【0087】
第1の関節リング301上で近位側に突出する非作動状態の予め湾曲されたばね棒330の直線部分は、
図8を考慮すると、プルロープ11を引くことによって湾曲部分を少なくとも90度左に湾曲させることができるような長さを有する。第1の関節リング301上で近位側に突出する非作動状態の予め湾曲されたばね棒330の直線部分も、より長くなるように設計されてもよい。
図8を考慮すると、その後に、プルロープ11を引くことによって湾曲部分を左に90度以上湾曲させることができる。第1の関節リング301上で近位側に突出する非作動状態の予め湾曲されたばね棒330の直線部分も、より短くなるように設計することができる。
図8を考慮すると、その後に、プルロープ11を引くことによって湾曲部分を左に90度未満湾曲させることができる。予め湾曲されたばね棒330は、予め湾曲されたばね棒330の近位端が第1の関節リング301の右アイレット302を通って滑ることができないように、近位端にストッパを設けることができる。
【0088】
第4の実施形態
以下、本発明の第4の実施形態について
図9を参照して説明する。
【0089】
図9は、第4の実施形態における湾曲部分の内部の概略側面図である。
【0090】
第4の実施形態の湾曲部分は、第3の実施形態で説明した公知の多関節構造を同様に利用し、多関節リング301を含む。多関節リング301は、湾曲部分の長手方向に沿って複数配列されている。隣接する関節リング301は、関節304の軸を中心として互いに向かって枢動可能であるように、関節304によって互いに結合されている。したがって、隣接する関節リング301の各対は、互いに180度離間して、すなわち関節リング301上の対角位置に配置された2つの関節304を有する。湾曲部分の近位端にある第1の関節リング301は、遠位側にのみ2つの関節304を有する。湾曲部分の遠位端にある最後の関節リング301は、近位側にのみ2つの関節304を有する。
【0091】
各関節リング301は、その周囲に右アイレット302および左アイレット302を有する。右アイレット302は、左アイレット302とは反対側に配置されている。言い換えれば、関節リング301上の右アイレット302の位置は、左アイレット302から180度だけ離間されている、すなわち、それらは関節リング301上の対角位置に配置されている。湾曲部分の長手方向で見ると、左アイレット302はすべて一列に並んでいる。同様に、湾曲部分の長手方向で見ると、右アイレット302はすべて一列に並んでいる。
【0092】
図9において、左アイレット302は、多関節リング301の左側に配置され、右アイレット302は、多関節リング301の右側に配置されている。
【0093】
第4の実施形態では、プルロープ11が、関節リング301の左アイレット302内に案内される。第4の実施形態では、遠位の案内されたプルロープ(
図8では隠れているため図示せず)が、関節リング301の右アイレット302内に案内される。プルロープ11の遠位端は、湾曲部分の遠位端で最後の関節リング301に固定される。遠位の案内されたプルロープの遠位端は、湾曲部分の遠位端で最後の関節リング301に固定される。近位側には、近位渦巻きばね要素3300が遠位の案内されたプルロープ上に配置される(接続される)。前記渦巻きばね要素330は、追加の要素を形成する。渦巻きばね要素3300の引張は、湾曲部分の湾曲方向を予め規定する。
【0094】
基本的に、第4の実施形態は、予め湾曲されたばね棒330の代わりに、遠位の案内されたプルロープと近位渦巻きばね要素3300との組み合わせが設けられているという事実によって、第3の実施形態とは異なる。残りの態様は同じである。第3の実施形態に関する説明は、第4の実施形態にも適用可能である。遠位の案内されたプルロープと近位渦巻きばね要素3300との組み合わせは、全体として引っ張られる組み合わされたプルロープ本体を実質的に構成する。近位渦巻きばね要素330は、既に非作動初期状態で張力を受けている。これにより、遠位の案内されたプルロープと近位渦巻きばね要素3300との組み合わせは、既に非作動初期状態にある湾曲部分を半径方向側に湾曲させる付勢状態にあり(
図9を参照)、遠位の案内されたプルロープと近位渦巻きばね要素3300との組み合わせが湾曲部分に配置されている。
【0095】
遠位の案内されたプルロープは、例えば、付勢された湾曲部分を通って延在する長さを有することができ、近位渦巻きばね要素3300への接続点は、湾曲部分の近位端に、湾曲部分の近位端の前または後に設けられてもよい。前述の非作動状態では、近位渦巻きばね要素3300は、
図9に示すように、湾曲部分の近位端で近位方向に第1の関節リング301上に突出するか、または湾曲部分から近位に位置する。
【0096】
遠位の案内されたプルロープと近位渦巻きばね要素3300との組み合わせの長さは、第3の実施形態の予め湾曲されたばね棒330の長さと同様になるように選択することができる。
【0097】
近位渦巻きばね要素3300は拡張可能である。近位渦巻きばね要素3300は、引張ばねとして作用する。
【0098】
近位渦巻きばね要素3300は、湾曲部分が一方の湾曲側、すなわち
図9の右に予め湾曲されるように付勢される。実施形態では、このようにして、湾曲部分は、例えば約90度だけ予め湾曲される。しかしながら、予め湾曲される角度は、所望に応じて選択されてもよい。
【0099】
近位渦巻きばね要素3300の付勢により、このように非作動状態の本第4の実施形態における湾曲部分は、側方、すなわち
図9の右方に予め設定された湾曲を有する。この非作動状態では、多関節リング301の右側は互いに当接し、多関節リング301の左側は互いに最大限離間している。
【0100】
関節リング301の左アイレット302において、プルロープ11が案内される。
図9の非作動状態から開始して、プルロープ11が近位方向に引っ張られると、関節リング301の左側が関節304を中心に回転し、互いに向かって引っ張られる。そのようにする際に、近位渦巻きばね要素3300の付勢によって一緒に保持された関節リング301の右側では、遠位の案内されたプルロープと近位渦巻きばね要素3300との組み合わせは、関節リング301が関節304の周りを回転するにつれて、関節リング301の右側が互いに離れるように伸長される(すなわち、近位渦巻きばね要素3300のみが伸長される)。
【0101】
したがって、プルロープ11を引っ張ることによって、湾曲部分を、関節リング301が互いに平行に整列する伸長位置にすることができる。
【0102】
伸長位置から開始して、プルロープ11が近位方向に引っ張られ続けると、関節リング301の左側は関節304の周りを回転し続け、互いに当接するまで互いに向かって引っ張られる。この状況では、関節リング301の右側は互いに最大限に離間しており、近位渦巻きばね要素3300は最大限に伸長されている。このとき、湾曲部分は、
図9とは異なり、左側を向いている。
【0103】
第5の実施形態
以下、本発明の第5の実施形態について
図10を参照して説明する。
【0104】
図10は、第5の実施形態における湾曲部分の内部の概略側面図である。
【0105】
第5の実施形態は、第4の実施形態のさらなる発展形態を構成する。第4の実施形態では、プルロープ11は、関節リング301の左アイレット302内に案内され、遠位の案内されたプルロープと近位渦巻きばね要素3300との組み合わせは、関節リング301の右アイレット302内に案内される。
【0106】
この第5の実施形態では、第4の実施形態の構造に加えて、各関節リング301上にさらにアイレットが90度オフセットして配置されている。各関節リング301上には、4つのアイレットが周囲に沿って均等に分布し、90度オフセットされて配置されている。湾曲部分の長手方向で見ると、左アイレット302はすべて一列に並んでいる。さらに、湾曲部分の長手方向で見ると、右アイレット302はすべて一列に並んでいる。また、湾曲部分の長手方向に見て、すべての前アイレット302が一列に並んでいる。最後に、湾曲部分の長手方向に見て、すべての後アイレット302が一列に並んでいる。
【0107】
関節リング301の左アイレット302には、第1のプルロープ11が案内される。関節リング301の右アイレット302では、遠位の案内されたプルロープと近位渦巻きばね要素3300との第1のバイアスされた組み合わせが案内される。多関節リング301の前アイレット302には、第2のプルロープ11が案内される。関節リング301の後アイレット302では、遠位の案内されたプルロープと近位渦巻きばね要素3300との第2の付勢された組み合わせが案内される。より正確には、遠位の案内されたプルロープと近位渦巻きばね要素3300とのそれぞれの組み合わせのそれぞれにおいて、遠位の案内されたプルロープはアイレット内で案内され、近位渦巻きばね要素3300は付勢を確実にする。
【0108】
隣接する関節リング301は、関節304の周りで互いに向かって枢動する。本発明では、関節304は、関節リング301が隣接する関節リング301に枢動することを可能にするベアリングであることを意味する。関節304は、関節リング301が隣接する関節リング301に対して枢動する枢動軸を含む。
【0109】
隣接する関節リング301は、関節304の軸を中心として互いに向かって枢動可能であるように、関節304によって互いに結合されている。湾曲部分の近位端にある最初の関節リング301および湾曲部分の遠位端にある最後の関節リング301を除いて、各関節リング301は、近位側に、互いに180度離間した、すなわち関節リング301上の対角位置にある2つの関節304を含む。遠位側では、各関節リング301は、近位側に、互いに180度だけ等間隔に、すなわち関節リング301上の対角位置に配置された2つの関節304を含む。遠位側の関節304は、近位側の関節304に対して関節リング301の周囲で90度オフセットして配置されている。
【0110】
したがって、近位方向および遠位方向に見たときに、2つの関節304の位置は、近位方向および遠位方向に次に関節リング301上で約90度回転するように設けられる。したがって、関節リング301は、左右だけでなく前後にも互いに対して枢動することができる。
【0111】
湾曲部分の近位端にある第1の関節リング301は、遠位側にのみ2つの関節304を含む。遠位端の最後の関節リング301は、近位側にのみ2つの関節304を含む。
【0112】
第4の実施形態では、
図8を考慮すると、湾曲部分は、左右に、したがって2方向に枢動することができる。本第5の実施形態では、
図9を考慮すると、湾曲部分は、左右および前方(観察者側)および後方(観察者から遠ざかる側)の4方向に枢動可能である。
【0113】
後アイレット302および右アイレット302において、遠位の案内されたプルロープと近位渦巻きばね要素3300との第1および第2の組み合わせは、付勢されるように配置される。したがって、
図9の非作動状態では、後アイレット302と右アイレット302との間に位置する隣接する多関節リング301のそれぞれの領域は、当接しているか、または最小距離を有する。
【0114】
図9の非作動状態から開始して、第1および第2のプルロープ11が近位方向に均等に引っ張られると、関節リング301の左側および前側が関節304を中心に回転(枢動)され、互いに向かって引っ張られる。そうすることで、遠位の案内されたプルロープと近位渦巻きばね要素3300との第1および第2の付勢された組み合わせによって一緒に保持された関節リング301の右側および後側で、第1および第2の付勢された近位渦巻きばね要素3300は、関節リング301が関節304の周りで回転(枢動)されるので、関節リング301の右側および後側が互いに離れるように引っ張られる(伸長され、したがって拡張される)。
【0115】
第1のプルロープ11のみが近位方向に引っ張られると、湾曲部分の遠位端が左方に移動する。
【0116】
第2のプルロープ11のみが近位方向に引っ張られると、湾曲部分の遠位端が前方(観察者側)に移動する。
【0117】
第1のプルロープ11および第2のプルロープ11の引張および緩めの動きを組み合わせることにより、湾曲部分の遠位端が3次元空間内で所望の方向に枢動することができる。
【0118】
遠位端4の湾曲部分は、左右および前方(観察者に向かって)および後方(観察者から離れて)に均等に、したがって4方向およびそれらの間のすべての中間方向に湾曲することができる。
【0119】
第6の実施形態
以下、
図11を参照して、本発明の第6の実施形態について説明する。
【0120】
図11は、第6の実施形態における湾曲部分の内部の概略側面図である。
【0121】
第6の実施形態は、第3の実施形態のさらなる発展形態である。第3の実施形態では、プルロープ11が、関節リング301の左アイレット302内に案内され、関節リング301の右アイレット302内に、弾性ワイヤとして構成された予め湾曲されたばね棒330が案内される。
【0122】
本第6の実施形態では、第5の実施形態と同様に、第3の実施形態の構造に加えて、90度オフセットされた各関節リング301にさらなるアイレットが配置される。各関節リング301には、周囲に沿って均等に分布する4つのアイレットが90度ずらして配置されている。湾曲部分の長手方向で見ると、左アイレット302はすべて一列に並んでいる。さらに、湾曲部分の長手方向で見ると、右アイレット302はすべて一列に並んでいる。また、湾曲部分の長手方向に見て、すべての前アイレット302が一列に並んでいる。最後に、湾曲部分の長手方向に見て、すべての後アイレット302が一列に並んでいる。
【0123】
関節リング301の左アイレット302には、第1のプルロープ11が案内される。関節リング301の右アイレット302内には、第1の予め湾曲されたばね棒330が案内される。関節リング301の前アイレット302には、第2のプルロープ11が案内される。関節リング301の後アイレット302には、第2の予め湾曲されたばね棒330が案内される。第1の予め湾曲されたばね棒330および第2の予め湾曲されたばね棒330は、予め湾曲されたばねワイヤとして構成される。
【0124】
隣接する関節リング301は、第5の実施形態と同様に関節304の周りで互いに対して枢動する。
【0125】
予め湾曲されたばね棒330は、第3の実施形態と同様に右に予め湾曲されている。例えば、予め湾曲されたばね棒330は、約90度予め湾曲されている。しかしながら、予め湾曲される角度は、所望に応じて選択されてもよい。
【0126】
予め湾曲されたばね棒330の事前湾曲により、湾曲部分は、非作動状態において、側方に、すなわち
図11の右に予め湾曲されている。前記非作動状態では、第5の実施形態と同様に、プルロープ11に対向する多関節リング301の側面同士が当接する。前記非作動状態では、予め湾曲されたばね棒330がそのアイレット302内で案内されるように配置された多関節リング301の側面は、互いに最大限に離間している。
【0127】
2つの予め湾曲されたばね棒330は、第5の実施形態と同様に、前述の非作動状態において、
図11に示すように、湾曲部分の近位端で第1の関節リング301上を近位方向に突出する長さを有する。非作動状態で第1の関節リング301上の近位側に突出する予め湾曲されたばね棒330の部分は、直線状の延長部を有する(
図11を参照)。予め湾曲されたばね棒330は、関節リング301の右アイレット302および関節リング301の後アイレット302に配置され、その結果、予め湾曲されたばね棒330は、関節リング301の右アイレット302および関節リング301の後アイレット302に対して摺動可能である。
【0128】
したがって、第6の実施形態の構造および機能は、第3および第5の実施形態の組み合わせに対応する。
【0129】
第6の実施形態では、
図11を考慮すると、湾曲部分は、左右および前方(観察者に向かう方向)および後方(観察者から離れる方向)、ひいては、四方向およびその間のすべての中間方向に枢動可能である。
【0130】
さらなる代替例
第1の実施形態では、プレート30の湾曲部分よりも半径方向外側に配置された第1のチャンバ31にプルロープ11が配置されている。プレート30の湾曲部分よりも半径方向内側に配置された第2のチャンバ32にはプルロープがない。本発明の原理は、プレート30の湾曲部分よりも半径方向外側に配置された第1のチャンバ31内に、2つ以上のプルロープ11が配置された構造にも適用できる。この代替例でも、プレート30の湾曲部分に対して半径方向内側に配置された第2のチャンバ32内にプルロープはない。
【0131】
第2の実施形態では、スリーブ10の内周面と外周面との間にばね要素18が介在している。一代替例では、スリーブ10に所望の弾性および湾曲剛性を付与するために、スリーブ10の内周面にばね要素を配置することができる。
【0132】
第1の実施形態では、湾曲部分3の弾性スリーブ10は、挿入管2のカバー21と遠位方向に連続している。一代替例では、弾性スリーブ10およびカバー21は、内視鏡の制御部材から遠位端4まで延在する一体型カバーであってもよい。
【0133】
第1の実施形態では、可撓性プレート30は、細長い矩形状である。可撓性プレート30はまた、他の形状をとってもよい。湾曲可能プレート30の断面は、長方形、楕円形、楕円形、またはレーストラック形状などをとることができる。レーストラック形状(またはスタジアム形状)は、半円形タイプの端部片の間に挿入された直線セグメントを有する。したがって、分離要素の一方の側は、他方の側よりも長い。分離要素は、より細い側の周りで湾曲する。このようにして、プルロープを引っ張るとき、湾曲方向は予め決められている。
【0134】
実施形態では、分離要素は、可撓性または湾曲可能なプレートの形態である。本発明はこれに限定されない。分離要素はまた、例えば、スリーブ10が押出成形によって製造されるときに、既に仕切りとして製造されてもよい。この場合、分離要素は、スリーブ10に一体的に接続される。十分な押し込み安定性を達成するために、ワイヤメッシュを分離要素に一体化することができる。
【0135】
第3~第6の実施形態では、プルロープ案内要素としてアイレットを用いている。本発明はこれに限定されない。プルロープを案内するために、異なる構造のプルロープ案内要素も使用することができる。例えば、開いた、半開いた、または閉じたガイド本体を有するプルロープ案内要素を使用することができる。アイレットは、閉じたガイド本体の例である。プルロープを案内するためのガイド本体は、完全に閉じられている必要はない。開放または半開放設計では、ガイド本体は、ガイドされたプルロープを完全に囲まない不完全なエンクロージャを有する。
【0136】
第4および第6の実施形態の代替例では、遠位の案内されたプルロープと近位渦巻きばね要素3300との組み合わせが、渦巻きばね要素3300に置き換えられる。この代替例では、付勢された渦巻きばね3300が、関節リング301の右アイレット302内に案内される。付勢された渦巻きばね3300の遠位端は、湾曲部分の遠位端で最後の関節リング301に固定される。付勢された渦巻きばね3300は、前述の非作動状態では、
図9に示すように、湾曲部分の近位端で第1の関節リング301上で近位方向に突出し得るような長さを有する。
【0137】
実施形態では、光導体13を含む光学系およびカメラケーブル12を含むカメラの両方は、本発明による内視鏡の使用の一例に過ぎず、変更または省略することもできる。
【0138】
代替例として、本発明がより大きな内視鏡に適用される場合、作業ダクト、すすぎダクトおよび/または超音波センサなどを設置することができる。
【0139】
本発明は、可撓性内視鏡に有利に適用することができる。本発明の原理は、湾曲部分を含む任意のタイプの内視鏡に適用することができる。
【符号の説明】
【0140】
1 内視鏡
2 挿入管
3 湾曲部分
4 遠位端
10 スリーブ
11 プルロープ
12 カメラケーブル
13 光導体
18 ばね要素
21 カバー
22 ワイヤメッシュ
30 分離要素
31 第1のチャンバ
32 第2のチャンバ
35 湾曲可能なプレートの遠位部分
36 湾曲可能なプレートの近位部分
301 関節リング
302 アイレット
304 関節
330 予め湾曲されたばね棒
3300 渦巻きばね
【手続補正書】
【提出日】2024-04-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡(1)であって、
可撓性の挿入管(2)と、
近位側から制御可能な湾曲部分(3)であって、前記挿入管(2)に遠位に接続された湾曲部分(3)と、を含み、
前記湾曲部分(3)は、スリーブ(10)を含み、
前記湾曲部分(3)内には、前記湾曲部分(3)の枢動運動のためにプルロープ(11)が延び、前記プルロープ(11)は前記湾曲部分(3)の遠位端に固定され、
付勢された弾性要素(30)が、前記プルロープ(11)に平行に前記湾曲部分(3)の長手方向に配置され、
前記付勢された弾性要素(30)は、
前記スリーブ(10)の断面を2つの別個のチャンバ(31,32)に分割する湾曲可能な分離要素(30)であり、
前記分離要素(30)によって分離された前記2つのチャンバ(31,32)のうちの一方のみのチャンバ(31)内において、前記プルロープ(11)は、前記湾曲部分(3)の枢動運動のために前記スリーブ(10)の前記長手方向に配置され、
前記分離要素(30)は、ばね鋼、ステンレス鋼、または湾曲可能なプラスチック材料から作製される、
内視鏡(1)。
【請求項2】
所定の方法で湾曲された前記分離要素(30)の半径の外側に配置された前記分離要素(30)によって分離された前記2つのチャンバ(31,32)のうちの一方の前記チャンバ(31)内において、前記プルロープ(11)は、前記湾曲部分(3)の枢動運動のために前記スリーブ(10)の前記長手方向に配置される、
請求項1に記載の内視鏡(1)。
【請求項3】
前記分離要素(30)は、近位側で前記挿入管(2)の遠位端領域に固定される、
請求項1または2に記載の内視鏡(1)。
【請求項4】
前記挿入管(2)は、外側カバー(21)と、前記外側カバー(21)の下に配置された弾性のワイヤメッシュ(22)と、を有し、前記分離要素(30)の前記近位側(36)は、前記ワイヤメッシュ(22)の遠位端領域に固定される、
請求項3に記載の内視鏡(1)。
【請求項5】
前記分離要素(30)の前記近位側(36)は、前記ワイヤメッシュ(22)の前記遠位端領域に挿入されるか、前記遠位端領域に溶接されるか、または前記遠位端領域に接着される、
請求項4に記載の内視鏡(1)。
【請求項6】
前記分離要素(30)の断面は、前記分離要素(30)の前記断面が第1の方向においてより広く、前記第1の方向に垂直な第2の方向においてより狭くなるように構成される、
請求項1から5のいずれか一項に記載の内視鏡(1)。
【請求項7】
前記湾曲された分離要素(30)の外側に配置された前記チャンバ(31)には、前記湾曲部分(3)の枢動運動のために単一のプルロープ(11)が配置され、前記湾曲された分離要素(30)の内側に配置された前記他方のチャンバ(32)には、プルロープが配置されない、
請求項1から6のいずれか一項に記載の内視鏡(1)。
【請求項8】
前記湾曲された分離要素(30)の外側に配置された前記チャンバ(31)には、前記湾曲部分(3)の枢動運動のために複数のプルロープ(11)が配置され、前記湾曲された分離要素(30)の内側に配置された前記他方のチャンバ(32)には、プルロープが配置されない、
請求項1から7のいずれか一項に記載の内視鏡(1)。
【請求項9】
前記スリーブ(10)は、3mm以下の外径を有する、
請求項1から8のいずれか一項に記載の内視鏡(1)。
【請求項10】
前記湾曲部分(3)の前記スリーブ(10)は、1mm以下の外径を有する、
請求項1から9のいずれか一項に記載の内視鏡(1)。
【請求項11】
前記湾曲部分(3)の前記スリーブ(10)は、ばね要素(18)を含む、
請求項1から10のいずれか一項に記載の内視鏡(1)。
【請求項12】
前記ばね要素(18)は、前記湾曲部分(3)の前記スリーブ(10)内に埋め込まれている、
請求項11に記載の内視鏡(1)。
【外国語明細書】