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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083449
(43)【公開日】2024-06-21
(54)【発明の名称】紙葉類処理装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/40 20190101AFI20240614BHJP
   G07D 11/16 20190101ALI20240614BHJP
   B65H 29/62 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
G07D11/40
G07D11/16
B65H29/62 Z
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024060363
(22)【出願日】2024-04-03
(62)【分割の表示】P 2020125288の分割
【原出願日】2020-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】000116079
【氏名又は名称】ローレルバンクマシン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500267170
【氏名又は名称】ローレル機械株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500265501
【氏名又は名称】ローレル精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 博幸
(57)【要約】
【課題】限られた構成を有効活用して多機能化を図ることができる紙葉類処理装置を提供する。
【解決手段】投入部15と識別搬送部21と識別部22とリジェクト搬送部27とリジェクト部16と機外向搬送部28とを有するベース機2と、増設搬送部64,104,144,184と処理搬送部65,105,145,185と処理部81~84,121,122,161~163,189とを有する増設ユニット3~6と、終端ポケット7と、の中から、少なくともベース機2と終端ポケット7とを連結して構成され、識別部22で正常に識別されると共に、機外向搬送部28から終端ポケット7までの範囲で正常搬送されていることが検出された紙葉類Sを終端ポケット7に搬送する制御部56,95,135,175,225を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機外から紙葉類が投入される投入部と、前記投入部に投入された紙葉類を搬送する識別搬送部と、前記識別搬送部で搬送中の紙葉類を識別する識別部と、紙葉類を前記識別搬送部から受け入れて搬送するリジェクト搬送部と、前記リジェクト搬送部で搬送されてきた紙葉類を機外に排除するリジェクト部と、前記識別部で正常に識別できた紙葉類を前記識別搬送部から受け入れて機外に向け搬送する機外向搬送部と、を有するベース機と、
前記ベース機に連結可能であり、前記識別部で正常に識別されて前記機外向搬送部で搬送されてきた紙葉類を受け入れて前記ベース機とは反対側の機外に向けて搬送する増設搬送部と、前記増設搬送部から分岐して紙葉類を搬送する処理搬送部と、前記処理搬送部で搬送されてきた紙葉類を処理する処理部と、を有する増設ユニットであって、前記ベース機とは反対側に他の増設ユニットを連結可能な増設ユニットと、
前記ベース機および前記増設ユニットに連結可能であり、前記機外向搬送部または前記増設搬送部で搬送されてきた紙葉類を搬送終端位置で受け入れる終端ポケットと、
の中から、
少なくとも前記ベース機と前記終端ポケットとを連結して構成される紙葉類処理装置であって、
前記機外向搬送部から前記終端ポケットまでの範囲で紙葉類が正常搬送されていることを検出する検出手段と、
前記識別部で正常に識別されると共に、前記検出手段で正常搬送されていることが検出された紙葉類を前記終端ポケットに搬送する制御部と、
を備えることを特徴とする紙葉類処理装置。
【請求項2】
前記制御部が前記終端ポケットに搬送する紙葉類は、所定の高額紙葉類または偽造紙葉類であることを特徴とする請求項1記載の紙葉類処理装置。
【請求項3】
前記ベース機と、前記ベース機に隣接して連結される前記終端ポケットとにて構成されることを特徴とする請求項1または2記載の紙葉類処理装置。
【請求項4】
前記ベース機および前記増設ユニットには、前記増設ユニットが隣接して連結されているのか、前記終端ポケットが隣接して連結されているか、何も隣接して連結されていないのか、のいずれであるかを検出する連結検出手段を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の紙葉類処理装置。
【請求項5】
機外から紙葉類が投入される投入部と、前記投入部に投入された紙葉類を搬送する識別搬送部と、前記識別搬送部で搬送中の紙葉類を識別する識別部と、紙葉類を前記識別搬送部から受け入れて搬送するリジェクト搬送部と、前記リジェクト搬送部で搬送されてきた紙葉類を機外に排除するリジェクト部と、前記識別部で正常に識別できた紙葉類を前記識別搬送部から受け入れて機外に向け搬送する機外向搬送部と、を有するベース機と、
前記ベース機に連結可能であり、前記識別部で正常に識別されて前記機外向搬送部で搬送されてきた紙葉類を受け入れて前記ベース機とは反対側の機外に向けて搬送する増設搬送部と、前記増設搬送部から分岐して紙葉類を搬送する処理搬送部と、前記処理搬送部で搬送されてきた紙葉類を処理する処理部と、を有する増設ユニットであって、前記ベース機とは反対側に他の増設ユニットを連結可能な増設ユニットと、
前記ベース機および前記増設ユニットに連結可能であり、前記機外向搬送部または前記増設搬送部で搬送されてきた紙葉類を搬送終端位置で受け入れる終端ポケットと、
の中から、
少なくとも前記ベース機と前記終端ポケットとを連結して構成される紙葉類処理装置であって、
前記ベース機および前記増設ユニットは、前記終端ポケットが隣接して連結されているか否かを検出する終端ポケット検出手段を備えることを特徴とする紙葉類処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙葉類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基本モジュールに、一台または二台のアウトプットモジュールを連結し、基本モジュールとは反対側の端部に連結されたアウトプットモジュールのアウトプットに緊急アウトプットポケットを設けたシート状記録媒体の分類装置がある(例えば、特許文献1参照)。この装置は、例えば制御装置の失敗により故障が起きると、紙幣をアウトプットモジュールの正しいアウトプットポケットに入れることが保証できないため、このような場合に紙幣を緊急アウトプットポケットに供給するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2002-507803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、紙葉類処理装置において、限られた構成を有効活用して多機能化を図ることが望まれている。
【0005】
したがって、本発明は、限られた構成を有効活用して多機能化を図ることができる紙葉類処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る第1の態様は、機外から紙葉類が投入される投入部と、前記投入部に投入された紙葉類を搬送する識別搬送部と、前記識別搬送部で搬送中の紙葉類を識別する識別部と、紙葉類を前記識別搬送部から受け入れて搬送するリジェクト搬送部と、前記リジェクト搬送部で搬送されてきた紙葉類を機外に排除するリジェクト部と、前記識別部で正常に識別できた紙葉類を前記識別搬送部から受け入れて機外に向け搬送する機外向搬送部と、を有するベース機と、前記ベース機に連結可能であり、前記識別部で正常に識別されて前記機外向搬送部で搬送されてきた紙葉類を受け入れて前記ベース機とは反対側の機外に向けて搬送する増設搬送部と、前記増設搬送部から分岐して紙葉類を搬送する処理搬送部と、前記処理搬送部で搬送されてきた紙葉類を処理する処理部と、を有する増設ユニットであって、前記ベース機とは反対側に他の増設ユニットを連結可能な増設ユニットと、前記ベース機および前記増設ユニットに連結可能であり、前記機外向搬送部または前記増設搬送部で搬送されてきた紙葉類を搬送終端位置で受け入れる終端ポケットと、の中から、少なくとも前記ベース機と前記終端ポケットとを連結して構成される紙葉類処理装置であって、前記機外向搬送部から前記終端ポケットまでの範囲で紙葉類が正常搬送されていることを検出する検出手段と、前記識別部で正常に識別されると共に、前記検出手段で正常搬送されていることが検出された紙葉類を前記終端ポケットに搬送する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る第2の態様は、上記第1の態様において、前記制御部が前記終端ポケットに搬送する紙葉類は、所定の高額紙葉類または偽造紙葉類であることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る第3の態様は、上記第1または第2の態様において、前記ベース機と、前記ベース機に隣接して連結される前記終端ポケットとにて構成されることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る第4の態様は、上記第1乃至第3のいずれか一態様において、前記ベース機および前記増設ユニットには、前記増設ユニットが隣接して連結されているのか、前記終端ポケットが隣接して連結されているか、何も隣接して連結されていないのか、のいずれであるかを検出する連結検出手段を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る第5の態様は、機外から紙葉類が投入される投入部と、前記投入部に投入された紙葉類を搬送する識別搬送部と、前記識別搬送部で搬送中の紙葉類を識別する識別部と、紙葉類を前記識別搬送部から受け入れて搬送するリジェクト搬送部と、前記リジェクト搬送部で搬送されてきた紙葉類を機外に排除するリジェクト部と、前記識別部で正常に識別できた紙葉類を前記識別搬送部から受け入れて機外に向け搬送する機外向搬送部と、を有するベース機と、前記ベース機に連結可能であり、前記識別部で正常に識別されて前記機外向搬送部で搬送されてきた紙葉類を受け入れて前記ベース機とは反対側の機外に向けて搬送する増設搬送部と、前記増設搬送部から分岐して紙葉類を搬送する処理搬送部と、前記処理搬送部で搬送されてきた紙葉類を処理する処理部と、を有する増設ユニットであって、前記ベース機とは反対側に他の増設ユニットを連結可能な増設ユニットと、前記ベース機および前記増設ユニットに連結可能であり、前記機外向搬送部または前記増設搬送部で搬送されてきた紙葉類を搬送終端位置で受け入れる終端ポケットと、の中から、少なくとも前記ベース機と前記終端ポケットとを連結して構成される紙葉類処理装置であって、前記ベース機および前記増設ユニットは、前記終端ポケットが隣接して連結されているか否かを検出する終端ポケット検出手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、限られた構成を有効活用して多機能化を図ることができる紙葉類処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施形態に係る紙葉類処理装置の一の構成例を概略的に示す正面図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る紙葉類処理装置を構成するベース機を示す斜視図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る紙葉類処理装置を構成するベース機を概略的に示す正面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る紙葉類処理装置を構成可能な第1増設ユニットを示す斜視図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る紙葉類処理装置を構成可能な第1増設ユニットを概略的に示す正面図である。
図6】本発明の第1実施形態に係る紙葉類処理装置を構成可能な第2増設ユニットを概略的に示す正面図である。
図7】本発明の第1実施形態に係る紙葉類処理装置を構成可能な第3増設ユニットを概略的に示す正面図である。
図8】本発明の第1実施形態に係る紙葉類処理装置を構成可能な第4増設ユニットを概略的に示す正面図である。
図9】本発明の第1実施形態に係る紙葉類処理装置を構成する終端ポケットを概略的に示す正面図である。
図10】本発明の第1実施形態に係る紙葉類処理装置の最小構成例を概略的に示す正面図である。
図11】本発明の第2実施形態に係る紙葉類処理装置を構成可能な第1増設ユニットを示す斜視図である。
図12】本発明の第2実施形態に係る紙葉類処理装置の操作表示部の表示例を示す正面図である。
図13】本発明の第2実施形態に係る紙葉類処理装置の操作表示部の表示例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る紙葉類処理装置を図1図10を参照して以下に説明する。
【0014】
第1実施形態に係る紙葉類処理装置1は、図1に示すように、ベース機2と、例えば複数種類の第1~第4増設ユニット3~6と、終端ポケット7と、が組み合わせられて構成されるものである。ここで、第1実施形態に係る紙葉類処理装置1は、複数種類の第1~第4増設ユニット3~6の、数および種類のうちの少なくともいずれか一方を選択設定してベース機2および終端ポケット7に組み合わせて製造される。紙葉類処理装置1は、具体的には、各種紙葉類の中の紙幣Sを処理する紙幣処理装置である。紙葉類処理装置1は、母体となるベース機2に、各種の第1~第4増設ユニット3~6の中からユーザー運用等により適宜選択されたものが連結され、ベース機2から最も離れた位置に終端ポケット7が連結されることによって構成される。
【0015】
<ベース機2>
図2図3に示すように、ベース機2は、紙幣Sを分類する紙幣分類機であり、操作者により機外から投入された紙幣Sに対して所定の分類処理を行う。例えば、操作者により機外から投入された紙幣Sを識別し金種別に計数して金種別に分類する分類処理や、紙幣Sの複数のバッチ処理の纏まりを、それぞれバッチ処理の纏まり毎に識別し計数してバッチ処理の纏まり毎に分けて集積させる分類処理を行う。
【0016】
ベース機2は、図2に示すように、その機体の操作者側から見て右側の右側面11に設けられて右側面11および機体の操作者側の前面12に連続して開口する投入部15と、同じく右側面11の投入部15よりも上方に設けられて機体の右側面11および前面12に連続して開口するリジェクト部16とを有している。
【0017】
投入部15には、操作者によって機外から紙幣Sが投入される。このとき、投入部15には、紙幣Sが長辺を機体前後方向に沿わせ短辺を機体左右方向に沿わせた状態で上下に集積されて底面17上に載置される。投入部15は、このように装填された集積状態の紙幣Sを最下のものから一枚ずつその短辺が搬送方向に沿うように移動させて機体左方に繰り出す。紙幣Sは、図1に示す紙葉類処理装置1内の全体において、長辺を機体前後方向に沿わせた姿勢のまま移動する。
【0018】
図3に示すように、ベース機2は、投入部15に投入され投入部15から繰り出された紙幣Sを受け取って搬送する識別搬送部21と、識別搬送部21で搬送中の紙幣Sを識別する識別部22とを有している。識別搬送部21は、投入部15から機体の右側面11とは反対の左側面24に向けて水平方向に延出した後、上方に延出している。識別部22は、識別搬送部21のこの水平方向に延出する部分に設けられている。
【0019】
ベース機2は、識別搬送部21の上端部から左側面24に向け延出して左側面24に開口部29で開口する機外向搬送部28を有している。また、ベース機2は、識別搬送部21の上端部から右側面11に向け延出してリジェクト部16に接続されるリジェクト搬送部27を有している。識別搬送部21の上端位置には、識別搬送部21で搬送されてきた紙幣Sを機外向搬送部28とリジェクト搬送部27とに振り分ける振分部30が設けられている。言い換えれば、振分部30は、識別搬送部21からの紙幣Sの搬送先を機外向搬送部28とリジェクト搬送部27とに切り換える。機外向搬送部28およびリジェクト搬送部27は、紙幣Sを識別搬送部21から受け取って搬送する。機外向搬送部28は、識別部22で正常に識別できた紙幣Sを識別搬送部21から受け入れてベース機2の機外に向け搬送する。
【0020】
ベース機2は、リジェクト搬送部27の中間部から分岐する複数、具体的には3つの分岐搬送部31~33を有している。ベース機2は、分岐搬送部31の位置に、リジェクト搬送部27の紙幣Sを、分岐搬送部31と、リジェクト搬送部27の分岐搬送部31よりもリジェクト部16側とに振り分ける振分部34を有している。また、ベース機2は、分岐搬送部32の位置に、リジェクト搬送部27の紙幣Sを、分岐搬送部32と、リジェクト搬送部27の分岐搬送部32よりもリジェクト部16側とに振り分ける振分部35を有している。また、ベース機2は、分岐搬送部33の位置に、リジェクト搬送部27の紙幣Sを、分岐搬送部33と、リジェクト搬送部27の分岐搬送部33よりもリジェクト部16側、すなわちリジェクト部16とに振り分ける振分部36を有している。
【0021】
リジェクト部16は、リジェクト搬送部27の末端から紙幣Sが繰り出され、このように繰り出された紙幣Sを外部に取り出し可能に集積させる。言い換えれば、リジェクト部16は、リジェクト搬送部27で搬送されてきた紙幣Sを機外に排除する。リジェクト部16は、具体的に、例えば識別部22で正常に識別できない紙幣Sを集積させる。よって、リジェクト搬送部27は、識別部22で正常に識別できない紙幣Sを識別搬送部21から受け入れて搬送する。リジェクト搬送部27は、識別部22で正常に識別できた紙幣Sについても識別搬送部21から受け入れて搬送する。
【0022】
リジェクト部16は、底面37および壁面38と、リジェクト搬送部27から繰り出された紙幣Sを壁面38に当接させて底面37に向け落下させる羽根車39とを有している。よって、リジェクト部16は、繰り出された紙幣Sを上下に集積させて底面37上に載置させる。
【0023】
分岐搬送部31~33は、いずれもリジェクト搬送部27から下方に向けて分岐しており、これらに合わせて、これらの下側に複数具体的には三つの同形状の集積部41~43が、左右方向に並んで設けられている。図2に示すように、集積部41~43は、機体の前面12に開口している。図3に示すように、分岐搬送部31~33のうちの最も左側の分岐搬送部31に、集積部41~43のうちの最も左側の集積部41が、中間の分岐搬送部32に、中間の集積部42が、最も右側の分岐搬送部33に、最も右側の集積部43が、それぞれ接続されている。集積部41~43は、識別部22の上方に設けられている。
【0024】
集積部41は、分岐搬送部31から繰り出された紙幣Sを図2に示す前面12から外部に取り出し可能となるように集積させる。図3に示すように、集積部41は、水平に対し若干右下がりに傾斜する昇降可能な底板部45と、底板部45の右側で上方に延出する壁面46と、壁面46の上部に配置され分岐搬送部31から繰り出された紙幣Sを壁面46に当接させて底板部45に向け落下させる羽根車47とを有している。よって、集積部41に繰り出された紙幣Sは、底板部45上で上下に集積されることになる。底板部45は、集積部41の紙幣Sの集積量に応じて上下に移動する。
【0025】
集積部42,43も集積部41と同様の構造であり、集積部42は、分岐搬送部32から繰り出された紙幣Sを外部に取り出し可能に集積させ、集積部43は、分岐搬送部33から繰り出された紙幣Sを外部に取り出し可能に集積させる。集積部41~43は、識別部22で正常に識別できた紙幣Sを選別して集積させる。
【0026】
ベース機2は、図2に示すように、その前面12に、操作者により操作入力がなされると共に操作者に向け表示を行うタッチパネル式の操作表示部55を有している。また、ベース機2は、図3に示すように、機外向搬送部28における開口部29の近傍位置に、紙幣Sを検知して計数しつつその機外向搬送部28での搬送状態を検出する紙幣検出センサ51(検出手段)を有している。紙幣検出センサ51は、紙幣Sの搬送状態として、斜行および重送のいずれもない正常搬送であるか、斜行や重送等がある異常搬送であるかを検出する。
【0027】
また、ベース機2は、内部に、識別部22の識別結果に基づいてリジェクト部16および集積部41~43に紙幣Sを振り分ける等、投入部15、リジェクト部16、識別搬送部21、識別部22、リジェクト搬送部27、機外向搬送部28、振分部30、分岐搬送部31~33、振分部34~36、集積部41~43および紙幣検出センサ51等を制御する制御部56が設けられている。制御部56は、ベース機2の全体を制御すると共に、図1に示す第1~第4増設ユニット3~6のうちベース機2に連設されて同じ紙葉類処理装置1を構成するものにもインタフェースを介して通信可能に接続されて制御指令を出力する。図3に示すように、ベース機2には、外部電源に接続されてベース機2の各部に給電する電源部57が設けられている。
【0028】
ベース機2は、その左側面24側に、図1に示す第1~第4増設ユニット3~6および終端ポケット7が択一的に隣接して連結可能である。ベース機2は、その左側面24の上部に、第1~第4増設ユニット3~6および終端ポケット7のいずれか一つが隣接して連結される際に、図5に示す第1増設ユニット3の連結ピン3a、図6に示す第2増設ユニット4の連結ピン4a、図7に示す第3増設ユニット5の連結ピン5a、図8に示す第4増設ユニット6の連結ピン6aおよび図9に示す終端ポケット7の連結ピン7aのうち、隣接されて連結されるものの連結ピンを嵌合させる連結受穴2bが図3に示すように形成されている。
【0029】
ベース機2は、連結ピン3a~7aのうち、連結受穴2bに連結されたものから、その左側面24側に隣接して連結されたものが、第1~第4増設ユニット3~6および終端ポケット7のいずれであるかを検出する連結検出センサ2c(連結検出手段,終端ポケット検出手段)を有している。
【0030】
すなわち、連結検出センサ2cは、図5に示す第1増設ユニット3の連結ピン3aが連結受穴2bに嵌合されていることを検出すると、ベース機2の左側面24側に第1増設ユニット3が隣接して連結されていることを検出し、図6に示す第2増設ユニット4の連結ピン4aが連結受穴2bに嵌合されていることを検出すると、ベース機2の左側面24側に第2増設ユニット4が隣接して連結されていることを検出する。また、この連結検出センサ2cは、図7に示す第3増設ユニット5の連結ピン5aが連結受穴2bに嵌合されていることを検出すると、ベース機2の左側面24側に第3増設ユニット5が隣接して連結されていることを検出し、図8に示す第4増設ユニット6の連結ピン6aが連結受穴2bに嵌合されていることを検出すると、ベース機2の左側面24側に第4増設ユニット6が隣接して連結されていることを検出する。また、この連結検出センサ2cは、図9に示す終端ポケット7の連結ピン7aが連結受穴2bに嵌合されていることを検出すると、ベース機2の左側面24側に終端ポケット7が隣接して連結されていることを検出し、連結受穴2bに連結ピン3a~7aのいずれも検出されないと、ベース機2の左側面24側に、第1~第4増設ユニット3~6および終端ポケット7のいずれも隣接して連結されていないことを検出する。
【0031】
よって、ベース機2が備える連結検出センサ2cは、ベース機2に、第1増設ユニット3が隣接して連結されているのか、第2増設ユニット4が隣接して連結されているのか、第3増設ユニット5が隣接して連結されているのか、第4増設ユニット6が隣接して連結されているのか、終端ポケット7が隣接して連結されているか、何も隣接して連結されていないのか、のいずれであるかを検出する。また、連結検出センサ2cは、ベース機2に終端ポケット7が隣接して連結されているか否かを検出する。図1に示す例では、図3に示す連結検出センサ2cは、図5に示す連結ピン3aを検出することになり、図1に示すように、ベース機2の左側面24側に第1増設ユニット3が隣接して連結されていることを検出する。
【0032】
<第1増設ユニット3>
第1増設ユニット3は、図4図5に示すように、機体の右側面61の上部に開口部60で開口し、図5に示すように、右側面61とは反対の左側面62に向け水平かつ直線状に延出して、左側面62の上部に開口部63において開口する増設搬送部64と、増設搬送部64の左側面62側の中間位置から分岐して下方に延出する処理搬送部65とを有している。増設搬送部64は、その開口部60,63が、図3に示すベース機2の機外向搬送部28の開口部29と高さ位置を合わせている。第1増設ユニット3は、図1に示すように、その右側面61を例えばベース機2の左側面24に重ねるようにしてベース機2に隣接して連結されると、増設搬送部64が、図5に示す開口部60において紙幣Sを第1増設ユニット3の機外である、図3に示すベース機2の機外向搬送部28の開口部29から受け取って搬送する。
【0033】
図5に示すように、第1増設ユニット3は、増設搬送部64で開口部60から開口部63に向け搬送される紙幣Sを、処理搬送部65と、増設搬送部64の処理搬送部65よりも開口部63側とに振り分ける振分部66を有している。第1増設ユニット3は、増設搬送部64における開口部60の近傍位置に、開口部60に受け入れた紙幣Sを検知して計数しつつその増設搬送部64での搬送状態を検出する紙幣検出センサ67(検出手段)を有している。また、第1増設ユニット3は、増設搬送部64の処理搬送部65よりも開口部63側の位置に、開口部63から繰り出す紙幣Sを検知して計数しつつその増設搬送部64での搬送状態を検出する紙幣検出センサ68(検出手段)を有している。紙幣検出センサ67,68は、紙幣Sの搬送状態として、斜行および重送のいずれもない正常搬送であるか、斜行や重送等がある異常搬送であるかを検出する。
【0034】
処理搬送部65は、紙幣Sを増設搬送部64の中間位置から受け取って下方に向け搬送する搬送主部70と、搬送主部70から分岐する3つの分岐部71~73とを有している。分岐部71~73は、機体上下方向に並んで配置されており、搬送主部70から右側面61に向けて分岐している。
【0035】
第1増設ユニット3は、分岐部71の位置に、搬送主部70の紙幣Sを、分岐部71と、搬送主部70の分岐部71よりも分岐部72側とに振り分ける振分部74を有している。また、第1増設ユニット3は、分岐部72の位置に、搬送主部70の紙幣Sを、分岐部72と、搬送主部70の分岐部72よりも分岐部73側とに振り分ける振分部75を有している。また、第1増設ユニット3は、分岐部73の位置に、搬送主部70の紙幣Sを、分岐部73と、搬送主部70の増設搬送部64とは反対側とに振り分ける振分部76を有している。紙幣検出センサ67は、振分部66,74~76を切り換える際のタイミングセンサとしても用いられる。
【0036】
第1増設ユニット3は、これら分岐部71~73および搬送主部70の末端の右側に、複数具体的には四つの同形状の集積部81~84(処理部)を有している。集積部81~84は、上下方向に並んで設けられている。集積部81~84は、それぞれが、処理搬送部65から繰り出される紙幣Sを受け入れて集積させる集積処理を行うもので、第1増設ユニット3の機体の前面に開口している。分岐部71~73のうちの最も上側の分岐部71に、集積部81~84のうちの最も上側の集積部81が、分岐部71の下側の分岐部72に、集積部81の下側の集積部82が、分岐部72の下側の分岐部73に、集積部82の下側の集積部83が、搬送主部70の末端に、最も下側の集積部84が、それぞれ繋がっている。
【0037】
集積部81は、分岐部71から紙幣Sが繰り出され、このように繰り出された紙幣Sを第1増設ユニット3の機体の前面から外部に取り出し可能となるように集積させる。集積部81は、水平に対し若干右下がりに傾斜する底面88と、底面88の上側にこれと垂直に配置された左右に移動可能な壁板部89と、底面88の左部に配置され分岐部71から繰り出された紙幣Sを底面88に当接させて壁板部89に向けて押し出す羽根車90とを有している。よって、集積部81に繰り出された紙幣Sは、左右方向に集積されることになり、第1増設ユニット3の機体の前面の開口から前方に取り出される。壁板部89は、集積部81の紙幣Sの集積量に応じて左右に移動する。
【0038】
集積部82~84も、集積部81と同様の構造であり、集積部82は、分岐部72から繰り出された紙幣Sを外部に取り出し可能に集積させ、集積部83は、分岐部73から繰り出された紙幣Sを外部に取り出し可能に集積させ、集積部84は、搬送主部70の末端から繰り出された紙幣Sを外部に取り出し可能に集積させる。
【0039】
第1増設ユニット3の内部には、図3に示すベース機2に通信可能に接続されてその制御部56から制御指令を受信して、この制御指令に基づいて第1増設ユニット3を制御する制御部95が図5に示すように設けられている。また、第1増設ユニット3には、外部電源に接続されて第1増設ユニット3の各部に給電する電源部96が設けられている。
【0040】
第1増設ユニット3は、その右側面61側に、ベース機2および別の第1増設ユニット3を含む第1~第4増設ユニット3~6が択一的に隣接して連結可能である。第1増設ユニット3は、そのベース機2とは反対側となる左側面62側に、別の第1増設ユニット3を含む他の第1~第4増設ユニット3~6および終端ポケット7が択一的に隣接して連結可能である。
【0041】
第1増設ユニット3は、図5に示すように、その右側面61の上部に、ベース機2および他の第1増設ユニット3を含む第1~第4増設ユニット3~6のいずれか一つに隣接して連結される際に、図3に示すベース機2の連結受穴2b、他の第1増設ユニット3の図5に示す後述する連結受穴3b、図6に示す第2増設ユニット4の後述する連結受穴4b、図7に示す第3増設ユニット5の後述する連結受穴5bおよび図8に示す第4増設ユニット6の後述する連結受穴6bのうち、隣接されて連結されるものの連結受穴に嵌合される連結ピン3aを有している。
【0042】
第1増設ユニット3は、図5に示すように、その左側面62の上部に、他の第1増設ユニット3を含む第1~第4増設ユニット3~6および終端ポケット7のいずれか一つが隣接して連結される際に、他の第1増設ユニット3の連結ピン3a、図6に示す第2増設ユニット4の連結ピン4a、図7に示す第3増設ユニット5の連結ピン5a、図8に示す第4増設ユニット6の連結ピン6aおよび図9に示す終端ポケット7の連結ピン7aのうち、隣接されて連結されるものの連結ピンを嵌合させる連結受穴3bが形成されている。
【0043】
第1増設ユニット3は、連結ピン3a~7aのうち、連結受穴3bに連結されたものから、その左側面62側に隣接して連結されたものが、第1~第4増設ユニット3~6および終端ポケット7のいずれであるかを検出する連結検出センサ3c(連結検出手段,終端ポケット検出手段)を有している。
【0044】
すなわち、図6に示す第2増設ユニット4の連結ピン4aが連結受穴3bに嵌合されていることを検出すると、この第1増設ユニット3の左側面62側に第2増設ユニット4が隣接して連結されていることを検出し、図7に示す第3増設ユニット5の連結ピン5aが連結受穴3bに嵌合されていることを検出すると、この第1増設ユニット3の左側面62側に第3増設ユニット5が隣接して連結されていることを検出する。また、この連結検出センサ3cは、図8に示す第4増設ユニット6の連結ピン6aが連結受穴3bに嵌合されていることを検出すると、この第1増設ユニット3の左側面62側に第4増設ユニット6が隣接して連結されていることを検出し、図9に示す終端ポケット7の連結ピン7aが連結受穴3bに嵌合されていることを検出すると、この第1増設ユニット3の左側面62側に終端ポケット7が隣接して連結されていることを検出する。また、図5に示すこの連結検出センサ3cは、他の第1増設ユニット3の連結ピン3aが連結受穴3bに嵌合されていることを検出すると、この連結検出センサ3cを含む第1増設ユニット3の左側面62側に別の第1増設ユニット3が隣接して連結されていることを検出し、連結受穴3bに連結ピン3a~7aのいずれも検出されないと、この連結検出センサ3cを含む第1増設ユニット3の左側面62側に、第1~第4増設ユニット3~6および終端ポケット7のいずれも隣接して連結されていないことを検出する。
【0045】
よって、第1増設ユニット3が備える連結検出センサ3cは、第1増設ユニット3に、第1増設ユニット3が隣接して連結されているのか、図6に示す第2増設ユニット4が隣接して連結されているのか、図7に示す第3増設ユニット5が隣接して連結されているのか、図8に示す第4増設ユニット6が隣接して連結されているのか、図9に示す終端ポケット7が隣接して連結されているか、何も隣接して連結されていないのか、のいずれであるかを検出する。また、連結検出センサ3cは、第1増設ユニット3に終端ポケット7が隣接して連結されているか否かを検出する。図1に示す例では、図5に示す連結検出センサ3cは、図6に示す連結ピン4aを検出しており、図1に示すように、第1増設ユニット3の左側面62側に第2増設ユニット4が隣接して連結されていることを検出している。
【0046】
<第2増設ユニット4>
第2増設ユニット4は、ベース機2、別の第2増設ユニット4を含む第1~第4増設ユニット3~6および終端ポケット7に連結可能である。図6に示すように、第2増設ユニット4は、機体の右側面101の上部に開口部100で開口し、右側面101とは反対の左側面102に向け水平かつ直線状に延出して、左側面102の上部に開口部103において開口する増設搬送部104と、増設搬送部104の左側面102側の中間位置から分岐して下方に延出する処理搬送部105とを有している。増設搬送部104は、その開口部100,103が、図5に示す第1増設ユニット3の増設搬送部64の開口部60,63と高さ位置を合わせている。図1に示すように、第2増設ユニット4は、その右側面101を例えば第1増設ユニット3の左側面62に重ねるようにして第1増設ユニット3に隣接して連結されると、増設搬送部104が、図6に示す開口部100において、紙幣Sを第2増設ユニット4の機外である、図5に示す第1増設ユニット3の増設搬送部64の開口部63から受け取って搬送する。
【0047】
図6に示すように、第2増設ユニット4は、増設搬送部104で開口部100から開口部103に向け搬送される紙幣Sを、処理搬送部105と、増設搬送部104の処理搬送部105よりも開口部103側とに振り分ける振分部106を有している。第2増設ユニット4は、増設搬送部104における開口部100の近傍位置に、開口部100に受け入れた紙幣Sを検知して計数しつつその増設搬送部104での搬送状態を検出する紙幣検出センサ107(検出手段)を有している。また、第2増設ユニット4は、増設搬送部104の処理搬送部105よりも開口部103側の位置に、開口部103から繰り出す紙幣Sを検知して計数しつつその増設搬送部104での搬送状態を検出する紙幣検出センサ108(検出手段)を有している。紙幣検出センサ107,108は、紙幣Sの搬送状態として、斜行および重送のいずれもない正常搬送であるか、斜行や重送等がある異常搬送であるかを検出する。
【0048】
処理搬送部105は、紙幣Sを増設搬送部104の中間位置から受け取って下方に向け搬送する搬送主部110と、搬送主部110から分岐する分岐部111とを有している。分岐部111は、搬送主部110から右側面101に向けて分岐している。第2増設ユニット4は、分岐部111の位置に、搬送主部110の紙幣Sを、分岐部111と、搬送主部110の分岐部111よりも増設搬送部104とは反対側とに振り分ける振分部114を有している。紙幣検出センサ107は、振分部106,114を切り換える際のタイミングセンサとしても用いられる。
【0049】
第2増設ユニット4は、分岐部111および搬送主部110の末端の右側に、複数具体的には二つの集積部121,122(処理部)を有している。集積部121,122は、上下方向に並んで設けられている。集積部121,122は、それぞれが、処理搬送部105から繰り出される紙幣Sを受け入れて集積させる集積処理を行うもので、第2増設ユニット4の機体の前面に開口している。分岐部111に、集積部121,122のうちの上側の集積部121が、搬送主部110の末端に、下側の集積部122が、それぞれ繋がっている。
【0050】
集積部121は、分岐部111から紙幣Sが繰り出され、このように繰り出された紙幣Sを第2増設ユニット4の機体の前面から外部に取り出し可能となるように集積させる。集積部121は、水平に配置される昇降可能な底板部126と、底板部126の左側にこれと垂直に配置された壁面127と、壁面127の上部に配置され分岐部111から繰り出された紙幣Sを壁面127に当接させて底板部126に落下させる羽根車128とを有している。よって、集積部121に繰り出された紙幣Sは、底板部126上で上下に集積されることになり、第2増設ユニット4の前面の開口から前方に取り出される。底板部126は、集積部121の紙幣Sの集積量に応じて上下に移動する。
【0051】
集積部122も集積部121と同様の構造であり、集積部122は、搬送主部110の末端から繰り出された紙幣Sを外部に取り出し可能に集積させる。
【0052】
第2増設ユニット4の内部には、図3に示すベース機2に通信可能に接続されてその制御部56から制御指令を受信して、この制御指令に基づいて第2増設ユニット4を制御する制御部135が図6に示すように設けられている。また、第2増設ユニット4には、外部電源に接続されて第2増設ユニット4の各部に給電する電源部136が設けられている。集積部121,122は、それぞれの紙幣Sの集積可能量が、第1増設ユニット3の集積部81~84のそれぞれの紙幣Sの集積可能量よりも多くなっている。
【0053】
第2増設ユニット4は、その右側面101側に、ベース機2および別の第2増設ユニット4を含む第1~第4増設ユニット3~6が択一的に隣接して連結可能である。第2増設ユニット4は、そのベース機2とは反対側となる左側面102側に、別の第2増設ユニット4を含む第1~第4増設ユニット3~6および終端ポケット7が択一的に隣接して連結可能である。
【0054】
第2増設ユニット4は、図6に示すように、その右側面101の上部に、ベース機2および他の第2増設ユニット4を含む第1~第4増設ユニット3~6のいずれか一つに隣接して連結される際に、図3に示すベース機2の連結受穴2b、図5に示す第1増設ユニット3の連結受穴3b、他の第2増設ユニット4の図6に示す連結受穴4b、図7に示す第3増設ユニット5の連結受穴5b、図8に示す第4増設ユニット6の連結受穴6bのうち、隣接されて連結されるものの連結受穴に嵌合される連結ピン4aを有している。
【0055】
第2増設ユニット4は、図6に示すように、その左側面102の上部に、他の第2増設ユニット4を含む第1~第4増設ユニット3~6および終端ポケット7のいずれか一つが隣接して連結される際に、図5に示す第1増設ユニット3の連結ピン3a、他の図6に示す第2増設ユニット4の連結ピン4a、図7に示す第3増設ユニット5の連結ピン5a、図8に示す第4増設ユニット6の連結ピン6aおよび図9に示す終端ポケット7の連結ピン7aのうち、隣接されて連結されるものの連結ピンを嵌合させる連結受穴4bが形成されている。
【0056】
第2増設ユニット4は、連結ピン3a~7aのうち、連結受穴4bに連結されたものから、その左側面102側に隣接して連結されたものが、第1~第4増設ユニット3~6および終端ポケット7のいずれであるかを検出する連結検出センサ4c(連結検出手段,終端ポケット検出手段)を有している。
【0057】
すなわち、第2増設ユニット4の連結検出センサ4cは、図5に示す第1増設ユニット3の連結ピン3aが連結受穴4bに嵌合されていることを検出すると、この第2増設ユニット4の左側面102側に第1増設ユニット3が隣接して連結されていることを検出し、図7に示す第3増設ユニット5の連結ピン5aが連結受穴4bに嵌合されていることを検出すると、この第2増設ユニット4の左側面102側に第3増設ユニット5が隣接して連結されていることを検出する。また、この連結検出センサ4cは、図8に示す第4増設ユニット6の連結ピン6aが連結受穴4bに嵌合されていることを検出すると、この第2増設ユニット4の左側面102側に第4増設ユニット6が隣接して連結されていることを検出し、図9に示す終端ポケット7の連結ピン7aが連結受穴4bに嵌合されていることを検出すると、この第2増設ユニット4の左側面102側に終端ポケット7が隣接して連結されていることを検出する。また、この連結検出センサ4cは、他の第2増設ユニット4の連結ピン4aが連結受穴4bに嵌合されていることを検出すると、この連結検出センサ4cを含む第2増設ユニット4の左側面102側に別の第2増設ユニット4が隣接して連結されていることを検出し、連結受穴4bに連結ピン3a~7aのいずれも検出されないと、この連結検出センサ4cを含む第2増設ユニット4の左側面102側に、第1~第4増設ユニット3~6および終端ポケット7のいずれも隣接して連結されていないことを検出する。
【0058】
よって、第2増設ユニット4が備える連結検出センサ4cは、第2増設ユニット4に、図5に示す第1増設ユニット3が隣接して連結されているのか、図6に示す第2増設ユニット4が隣接して連結されているのか、図7に示す第3増設ユニット5が隣接して連結されているのか、図8に示す第4増設ユニット6が隣接して連結されているのか、図9に示す終端ポケット7が隣接して連結されているか、何も隣接して連結されていないのか、のいずれであるかを検出する。また、連結検出センサ4cは、第2増設ユニット4に終端ポケット7が隣接して連結されているか否かを検出する。図1に示す例では、図6に示す連結検出センサ4cは、図7に示す連結ピン5aを検出しており、図1に示すように、第2増設ユニット4の左側面102側に第3増設ユニット5が隣接して連結されていることを検出している。
【0059】
<第3増設ユニット5>
第3増設ユニット5は、ベース機2、別の第3増設ユニット5を含む第1~第4増設ユニット3~6および終端ポケット7に連結可能である。図7に示すように、第3増設ユニット5は、機体の右側面141の上部に開口部140で開口し、右側面141とは反対の左側面142に向け水平かつ直線状に延出して、左側面142の上部に開口部143において開口する増設搬送部144と、増設搬送部144の左側面142側の中間位置から分岐して下方に延出する処理搬送部145とを有している。増設搬送部144は、その開口部140,143が、図6に示す第2増設ユニット4の増設搬送部104の開口部100,103と高さ位置を合わせている。図1に示すように、第3増設ユニット5は、その右側面141を例えば第2増設ユニット4の左側面102に重ねるようにして第2増設ユニット4に隣接して連結されると、増設搬送部144が、図7に示す開口部140において、紙幣Sを第3増設ユニット5の機外である、図6に示す第2増設ユニット4の増設搬送部104の開口部103から受け取って搬送する。
【0060】
図7に示すように、第3増設ユニット5は、増設搬送部144で開口部140から開口部143に向け搬送される紙幣Sを、処理搬送部145と、増設搬送部144の処理搬送部145よりも開口部143側とに振り分ける振分部146を有している。第3増設ユニット5は、増設搬送部144における開口部140の近傍位置に、開口部140に受け入れた紙幣Sを検知して計数しつつその増設搬送部144での搬送状態を検出する紙幣検出センサ147(検出手段)を有している。また、第3増設ユニット5は、増設搬送部144の処理搬送部145よりも開口部143側の位置に、開口部143から繰り出す紙幣Sを検知して計数しつつその増設搬送部144での搬送状態を検出する紙幣検出センサ148(検出手段)を有している。紙幣検出センサ147,148は、紙幣Sの搬送状態として、斜行および重送のいずれもない正常搬送であるか、斜行や重送等がある異常搬送であるかを検出する。
【0061】
処理搬送部145は、紙幣Sを増設搬送部144の中間位置から受け取って下方に向け搬送する搬送主部150と、搬送主部150から分岐する分岐部151,152とを有している。分岐部151,152は、搬送主部150から右側面141に向けて分岐している。第3増設ユニット5は、分岐部151の位置に、搬送主部150の紙幣Sを、分岐部151と、搬送主部150の分岐部151よりも分岐部152側とに振り分ける振分部154を有しており、分岐部152の位置に、搬送主部150の紙幣Sを、分岐部152と、搬送主部150の分岐部152よりも増設搬送部144とは反対側とに振り分ける振分部155を有している。紙幣検出センサ147は、振分部146,154,155を切り換える際のタイミングセンサとしても用いられる。
【0062】
第3増設ユニット5は、分岐部151,152および搬送主部150の末端の右側に、複数具体的には三つの同形状の集積部161~163(処理部)を有している。集積部161~163は、上下方向に並んで設けられている。集積部161~163は、それぞれが、処理搬送部145から繰り出される紙幣Sを受け入れて集積させる集積処理を行うもので、第3増設ユニット5の機体の前面に開口している。分岐部151,152のうちの上側の分岐部151に、集積部161~163のうちの最も上側の集積部161が、下側の分岐部152に中間の集積部162が、搬送主部150の末端に、最も下側の集積部163が、それぞれ繋がっている。
【0063】
集積部161は、分岐部151から紙幣Sが繰り出され、このように繰り出された紙幣Sを第3増設ユニット5の機体の前面から外部に取り出し可能となるように集積させる。集積部161は、水平に対し右下がりに傾斜する底面168と、底面168の上側にこれと垂直に配置された左右に移動可能な壁板部169と、底面168の左部に配置され分岐部151から繰り出された紙幣Sを底面168に当接させて壁板部169に向けて押し出す羽根車170とを有している。よって、集積部161に繰り出された紙幣Sは、左右方向に集積されることになり、第3増設ユニット5の前面の開口から前方に取り出される。壁板部169は、集積部161の紙幣Sの集積量に応じて左右に移動する。
【0064】
集積部162,163も集積部161と同様の構造であり、集積部162は、分岐部152から繰り出された紙幣Sを外部に取り出し可能に集積させ、集積部163は、搬送主部150の末端から繰り出された紙幣Sを外部に取り出し可能に集積させる。
【0065】
第3増設ユニット5の内部には、図3に示すベース機2に通信可能に接続されてその制御部56から制御指令を受信して、この制御指令に基づいて第3増設ユニット5を制御する制御部175が図7に示すように設けられている。また、第3増設ユニット5には、外部電源に接続されて第3増設ユニット5の各部に給電する電源部176が設けられている。集積部161~163は、それぞれの紙幣Sの集積可能量が、第1増設ユニット3の集積部81~84のそれぞれの紙幣Sの集積可能量よりも多く、第2増設ユニット4の集積部121,122のそれぞれの紙幣Sの集積可能量よりも少なくなっている。
【0066】
第3増設ユニット5は、その右側面141側に、ベース機2および別の第3増設ユニット5を含む第1~第4増設ユニット3~6が択一的に隣接して連結可能である。第3増設ユニット5は、そのベース機2とは反対側となる左側面142側に、別の第3増設ユニット5を含む他の第1~第4増設ユニット3~6および終端ポケット7が択一的に隣接して連結可能である。
【0067】
第3増設ユニット5は、図7に示すように、その右側面141の上部に、ベース機2および他の第3増設ユニット5を含む第1~第4増設ユニット3~6のいずれか一つに隣接して連結される際に、図3に示すベース機2の連結受穴2b、図5に示す第1増設ユニット3の連結受穴3b、図6に示す第2増設ユニット4の連結受穴4b、他の図7に示す第3増設ユニット5の連結受穴5b、図8に示す第4増設ユニット6の連結受穴6bのうち、隣接されて連結されるものの連結受穴に嵌合される連結ピン5aを有している。
【0068】
第3増設ユニット5は、図7に示すように、その左側面142の上部に、他の第3増設ユニット5を含む第1~第4増設ユニット3~6および終端ポケット7のいずれか一つが隣接して連結される際に、図5に示す第1増設ユニット3の連結ピン3a、図6に示す第2増設ユニット4の連結ピン4a、他の図7に示す第3増設ユニット5の連結ピン5a、図8に示す第4増設ユニット6の連結ピン6aおよび図9に示す終端ポケット7の連結ピン7aのうち、隣接されて連結されるものの連結ピンを嵌合させる連結受穴5bが形成されている。
【0069】
第3増設ユニット5は、連結ピン3a~7aのうち、連結受穴5bに連結されたものから、その左側面142側に隣接して連結されたものが、第1~第4増設ユニット3~6および終端ポケット7のいずれであるかを検出する連結検出センサ5c(連結検出手段,終端ポケット検出手段)を有している。
【0070】
すなわち、第3増設ユニット5の連結検出センサ5cは、図5に示す第1増設ユニット3の連結ピン3aが連結受穴5bに嵌合されていることを検出すると、この第3増設ユニット5の左側面142側に第1増設ユニット3が隣接して連結されていることを検出し、図6に示す第2増設ユニット4の連結ピン4aが連結受穴5bに嵌合されていることを検出すると、この第3増設ユニット5の左側面142側に第2増設ユニット4が隣接して連結されていることを検出する。また、この連結検出センサ5cは、図8に示す第4増設ユニット6の連結ピン6aが連結受穴5bに嵌合されていることを検出すると、この第3増設ユニット5の左側面142側に第4増設ユニット6が隣接して連結されていることを検出し、図9に示す終端ポケット7の連結ピン7aが連結受穴5bに嵌合されていることを検出すると、この第3増設ユニット5の左側面142側に終端ポケット7が隣接して連結されていることを検出する。また、この連結検出センサ5cは、他の第3増設ユニット5の図7に示す連結ピン5aが連結受穴5bに嵌合されていることを検出すると、この連結検出センサ5cを含む第3増設ユニット5の左側面142側に別の第3増設ユニット5が隣接して連結されていることを検出し、連結受穴5bに連結ピン3a~7aのいずれも検出されないと、この連結検出センサ5cを含む第3増設ユニット5の左側面142側に、第1~第4増設ユニット3~6および終端ポケット7のいずれも隣接して連結されていないことを検出する。
【0071】
よって、第3増設ユニット5が備える連結検出センサ5cは、第3増設ユニット5に、図5に示す第1増設ユニット3が隣接して連結されているのか、図6に示す第2増設ユニット4が隣接して連結されているのか、図7に示す第3増設ユニット5が隣接して連結されているのか、図8に示す第4増設ユニット6が隣接して連結されているのか、図9に示す終端ポケット7が隣接して連結されているか、何も隣接して連結されていないのか、のいずれであるかを検出する。また、連結検出センサ5cは、第3増設ユニット5に終端ポケット7が隣接して連結されているか否かを検出する。図1に示す例では、図7に示す連結検出センサ5cは、図8に示す連結ピン6aを検出しており、図1に示すように、第3増設ユニット5の左側面142側に第4増設ユニット6が隣接して連結されていることを検出している。
【0072】
<第4増設ユニット6>
第4増設ユニット6は、ベース機2、別の第4増設ユニット6を含む第1~第4増設ユニット3~6および終端ポケット7に連結可能である。図8に示すように、第4増設ユニット6は、機体の右側面181の上部に開口部180で開口し、右側面181とは反対の左側面182に向け水平かつ直線状に延出して、この左側面182の上部に開口部183において開口する増設搬送部184と、増設搬送部184の左側面182側の中間位置から下方に延出する処理搬送部185とを有している。増設搬送部184は、その開口部180,183が、図7に示す第3増設ユニット5の増設搬送部144の開口部140,143と高さ位置を合わせている。第4増設ユニット6は、図1に示すように、その右側面181を例えば第3増設ユニット5の左側面142に重ねるようにして第3増設ユニット5に隣接して連結されると、増設搬送部184が、図8に示す開口部180において、紙幣Sを第4増設ユニット6の機外である、図7に示す第3増設ユニット5の増設搬送部144の開口部143から受け取って搬送する。
【0073】
図8に示すように、第4増設ユニット6は、増設搬送部184で開口部180から開口部183に向け搬送される紙幣Sを、処理搬送部185と、増設搬送部184の処理搬送部185よりも開口部183側とに振り分ける振分部186を有している。第4増設ユニット6は、増設搬送部184における開口部180の近傍位置に、開口部180に受け入れた紙幣Sを検知して計数しつつその増設搬送部184での搬送状態を検出する紙幣検出センサ187(検出手段)を有している。また、第4増設ユニット6は、増設搬送部184における処理搬送部185よりも開口部183側の位置に、開口部183から繰り出す紙幣Sを検知して計数しつつその増設搬送部184での搬送状態を検出する紙幣検出センサ188(検出手段)を有している。紙幣検出センサ187,188は、紙幣Sの搬送状態として、斜行および重送のいずれもない正常搬送であるか、斜行や重送等がある異常搬送であるかを検出する。
【0074】
処理搬送部185は、増設搬送部184とは反対側が、紙幣Sを所定枚数(100枚)ずつ集積させて結束する結束部189(処理部)に繋がっている。
【0075】
処理搬送部185は、紙幣Sを増設搬送部184の中間位置から受け取って下方に向け搬送する搬送主部190と、搬送主部190から分岐する分岐部191とを有している。分岐部191は、搬送主部190から右側面181に向けて分岐している。第4増設ユニット6は、分岐部191の位置に、搬送主部190の紙幣Sを、分岐部191と、搬送主部190の分岐部191よりも増設搬送部184とは反対側とに振り分ける振分部194を有している。紙幣検出センサ187は、振分部186,194を切り換える際のタイミングセンサとしても用いられる。
【0076】
結束部189は、分岐部191および搬送主部190の末端の右側に、複数具体的には二つの整列集積部201,202を有している。整列集積部201,202は、上下方向に並んで設けられている。整列集積部201,202は、それぞれが、処理搬送部185から繰り出される紙幣Sを受け入れて水平姿勢で鉛直方向に所定の結束単位枚数(具体的には100枚)整列させて集積させる整列集積処理を行う。分岐部191に、整列集積部201,202のうちの上側の整列集積部201が、搬送主部190の末端に、下側の整列集積部202が、それぞれ繋がっている。
【0077】
結束部189は、整列集積部201,202の右方に、整列集積部201,202から水平状態のまま右方に送り出された集積紙幣Sを載置させて鉛直下方に下降搬送する下降搬送部204を有している。また、結束部189は、整列集積部202の下方に、下降搬送部204で下降搬送され下降搬送部204から水平状態のまま機体左方に送り出された集積紙幣Sを結束テープで結束することにより、バラ紙幣Sを所定の結束単位枚数だけ纏めて結束テープで一体化した小束紙幣Sを作製する結束機構部205を有している。
【0078】
結束機構部205は、一束ずつ小束紙幣Sを作成するもので、下降搬送部204から機体左方に送り出された集積紙幣Sを上下から挟持してV字状に屈曲させる挟持部材207,208を有しており、挟持部材207,208で集積紙幣Sを挟持しつつ、結束テープを周囲に巻き回して接着・切断した後、挟持部材207,208を結束テープから引き抜くことで小束紙幣Sを作成する。
【0079】
さらに、結束部189は、結束機構部205の下方に、結束機構部205で作製された小束紙幣Sを受け入れる引き出し式の機外放出部211を有している。機外放出部211は、第4増設ユニット6の機体の前面から引き出し可能となっている。つまり、機外放出部211は、機体に押し込まれた状態で結束機構部205から小束紙幣Sを受け入れることになり、その後、前面から引き出されることで、小束紙幣が機外へ取り出し可能となる。整列集積部201,202の位置の第4増設ユニット6の機体の前面には、整列集積部201,202の端数紙幣Sを機外に取り出し可能とするための扉216が設けられている。
【0080】
第4増設ユニット6の内部には、図3に示すベース機2に通信可能に接続されてその制御部56から制御指令を受信して、この制御指令に基づいて第4増設ユニット6を制御する制御部225が図8に示すように設けられている。また、第4増設ユニット6には、外部電源に接続されて第4増設ユニット6の各部に給電する電源部226が設けられている。
【0081】
第4増設ユニット6は、その右側面181側に、ベース機2および別の第4増設ユニット6を含む第1~第4増設ユニット3~6が択一的に隣接して連結可能である。第4増設ユニット6は、そのベース機2とは反対側となる左側面182側に、別の第4増設ユニット6を含む他の第1~第4増設ユニット3~6および終端ポケット7が択一的に隣接して連結可能である。
【0082】
第4増設ユニット6は、図8に示すように、その右側面181の上部に、ベース機2および他の第4増設ユニット6を含む第1~第4増設ユニット3~6のいずれか一つに隣接して連結される際に、図3に示すベース機2の連結受穴2b、図5に示す第1増設ユニット3の連結受穴3b、図6に示す第2増設ユニット4の連結受穴4b、図7に示す第3増設ユニット5の連結受穴5b、他の図8に示す第4増設ユニット6の連結受穴6bのうち、隣接されて連結されるものの連結受穴に嵌合される連結ピン6aを有している。
【0083】
第4増設ユニット6は、図8に示すように、その左側面182の上部に、他の第4増設ユニット6を含む第1~第4増設ユニット3~6および終端ポケット7のいずれか一つが隣接して連結される際に、図5に示す第1増設ユニット3の連結ピン3a、図6に示す第2増設ユニット4の連結ピン4a、図7に示す第3増設ユニット5の連結ピン5a、他の図8に示す第4増設ユニット6の連結ピン6aおよび図9に示す終端ポケット7の連結ピン7aのうち、隣接されて連結されるものの連結ピンを嵌合させる連結受穴6bが形成されている。
【0084】
第4増設ユニット6は、連結ピン3a~7aのうち、連結受穴6bに連結されたものから、その左側面182側に隣接して連結されたものが、第1~第4増設ユニット3~6および終端ポケット7のいずれであるかを検出する連結検出センサ6c(連結検出手段,終端ポケット検出手段)を有している。
【0085】
すなわち、第4増設ユニット6の連結検出センサ6cは、図5に示す第1増設ユニット3の連結ピン3aが連結受穴6bに嵌合されていることを検出すると、この第4増設ユニット6の左側面182側に第1増設ユニット3が隣接して連結されていることを検出し、図6に示す第2増設ユニット4の連結ピン4aが連結受穴6bに嵌合されていることを検出すると、この第4増設ユニット6の左側面182側に第2増設ユニット4が隣接して連結されていることを検出する。また、この連結検出センサ6cは、図7に示す第3増設ユニット5の連結ピン5aが連結受穴6bに嵌合されていることを検出すると、この第4増設ユニット6の左側面182側に第3増設ユニット5が隣接して連結されていることを検出し、図9に示す終端ポケット7の連結ピン7aが連結受穴6bに嵌合されていることを検出すると、この第4増設ユニット6の左側面182側に終端ポケット7が隣接して連結されていることを検出する。また、この連結検出センサ6cは、他の図8に示す第4増設ユニット6の連結ピン6aが連結受穴6bに嵌合されていることを検出すると、この連結検出センサ6cを含む第4増設ユニット6の左側面182側に別の第4増設ユニット6が隣接して連結されていることを検出し、連結受穴6bに連結ピン3a~7aのいずれも検出されないと、この連結検出センサ6cを含む第4増設ユニット6の左側面182側に、第1~第4増設ユニット3~6および終端ポケット7のいずれも隣接して連結されていないことを検出する。
【0086】
よって、第4増設ユニット6が備える連結検出センサ6cは、第4増設ユニット6に、図5に示す第1増設ユニット3が隣接して連結されているのか、図6に示す第2増設ユニット4が隣接して連結されているのか、図7に示す第3増設ユニット5が隣接して連結されているのか、図8に示す第4増設ユニット6が隣接して連結されているのか、図9に示す終端ポケット7が隣接して連結されているか、何も隣接して連結されていないのか、のいずれであるかを検出する。また、連結検出センサ6cは、第4増設ユニット6に終端ポケット7が隣接して連結されているか否かを検出する。図1に示す例では、図8に示す連結検出センサ6cは、図9に示す連結ピン7aを検出しており、図1に示すように、第4増設ユニット6の左側面182側に終端ポケット7が隣接して連結されていることを検出している。
【0087】
<終端ポケット7>
終端ポケット7は、ベース機2および第1~第4増設ユニット3~6に択一的に連結可能である。図9に示すように、終端ポケット7は、右側面231の上部に開口部230を有する。終端ポケット7は、開口部230に繰り出された紙幣Sを受け止めて水平姿勢で底面235上に鉛直方向に集積させて収容する収容処理を行う収容ポケットである。終端ポケット7は、前面に、終端ポケット7に収容している紙幣Sを外部に取り出し可能とするための開閉扉232を有している。また、終端ポケット7の内部には残留センサ233が設けられていて、終端ポケット7の内部に紙幣Sが収容されている状態か否かを検出可能となっている。
【0088】
終端ポケット7は、その右側面231側に、ベース機2および第1~第4増設ユニット3~6が択一的に連結可能である。終端ポケット7は、その右側面231側にベース機2が隣接して連結された場合、開口部230が、図3に示すベース機2の機外向搬送部28の開口部29を覆って設けられ、ベース機2の機外向搬送部28で搬送されてきた紙幣Sを紙葉類処理装置1における搬送終端位置で受け入れて収容する。この場合、ベース機2の機外向搬送部28に設けられた紙幣検出センサ51が、終端ポケット7に収容する紙幣Sについて、枚数を計数しつつ、機外向搬送部28での上記と同様の搬送状態を検出する。
【0089】
終端ポケット7は、その右側面231側に、第1~第4増設ユニット3~6のいずれか一台が隣接して連結された場合、開口部230が、図5図8に示す開口部63,103,143,183のうち、この終端ポケット7に隣接する増設ユニットの開口部を覆って設けられ、図5図8に示す増設搬送部64,104,144,184のうち、この終端ポケット7に隣接する増設ユニットの増設搬送部で搬送されてきた紙幣Sを紙葉類処理装置1における搬送終端位置で受け入れて収容する。この場合、図5図8に示す紙幣検出センサ68,108,148,188のうち、この終端ポケット7に隣接する増設ユニットの紙幣検出センサが、終端ポケット7に収容する紙幣Sについて、枚数を計数しつつ、終端ポケット7の直前の増設搬送部での上記と同様の搬送状態を検出する。
【0090】
終端ポケット7は、図9に示すように、その右側面231の上部に、ベース機2および第1~第4増設ユニット3~6のいずれか一つに隣接して連結される際に、図3に示すベース機2の連結受穴2b、図5に示す第1増設ユニット3の連結受穴3b、図6に示す第2増設ユニット4の連結受穴4b、図7に示す第3増設ユニット5の連結受穴5b、図8に示す第4増設ユニット6の連結受穴6bのうち、隣接されて連結されるものの連結受穴に嵌合される連結ピン7aを有している。
【0091】
<紙葉類処理装置1の全体構成>
図1に示すように、ベース機2および第1~第4増設ユニット3~6は、いずれも高さが同等であり、前後方向長さも同等となっている。また、ベース機2の左側面24側の上部と、第1増設ユニット3の左側面62側の上部と、第2増設ユニット4の左側面102側の上部と、第3増設ユニット5の左側面142側の上部と、第4増設ユニット6の左側面182側の上部とには、図示略の連結機構の共通形状の一方構成部が設けられており、第1増設ユニット3の右側面61側の上部と、第2増設ユニット4の右側面101側の上部と、第3増設ユニット5の右側面141側の上部と、第4増設ユニット6の右側面181側の上部と、終端ポケット7の右側面231側とには、図示略の連結機構の共通形状の他方構成部が設けられている。そして、連結機構の一方構成部と他方構成部とが連結されることで、ベース機2および第1~第4増設ユニット3~6は、隣接するもの同士が前後方向の位置および高さを合わせて連結される。
【0092】
そして、紙葉類処理装置1は、上記のように処理部が異なる複数種類の第1~第4増設ユニット3~6の中から必要な種類のものを必要な台数準備し、これらを設定された順番で、ベース機2に順次連設すると共に、ベース機2から最も離れた位置に終端ポケット7を連設することで製造される。
【0093】
つまり、ベース機2に第1~第4増設ユニット3~6のうちの選択設定された一台のみを隣接して連結すると共に終端ポケット7を連結することで紙葉類処理装置1としたり、ベース機2に第1~第4増設ユニット3~6のうちの選択設定された違う種類のものを複数台連結すると共に終端ポケット7を連結することで紙葉類処理装置1としたり、ベース機2に第1~第4増設ユニット3~6のうちの同じ種類のものを複数台連結すると共に終端ポケット7を連結することで紙葉類処理装置1としたり、ベース機2に第1~第4増設ユニット3~6のうちの同じ種類のものを複数台連結し、さらに違う種類のものを一台あるいは複数台連結すると共に終端ポケット7を連結することで紙葉類処理装置1としたり等、種々の組み合わせが可能となっている。つまり、一台のベース機2に、第1~第4増設ユニット3~6のうちの任意のものをそれぞれ任意の数組み合わせると共に終端ポケット7を組み合わせて、一台の紙葉類処理装置1を製造する。勿論、いずれの組み合わせにおいても、ベース機2に第1~第4増設ユニット3~6の中から複数台連結する場合には、増設ユニットの配列の順番も選択設定することができる。
【0094】
紙葉類処理装置1に、第1~第4増設ユニット3~6の少なくとも一台を含む場合は、いずれの組み合わせにおいても、ベース機2の制御部56が、第1~第4増設ユニット3~6の制御部95,135,175,225のうちの連結されたものの制御部に通信可能に接続されることになり、連結されたものの制御部に制御指令信号を出力する。また、紙葉類処理装置1に、第1~第4増設ユニット3~6の少なくとも一台を含む場合は、いずれの組み合わせにおいても、ベース機2の電源部57のオン/オフに連動して第1~第4増設ユニット3~6の電源部96,136,176,226のうちの連結されたものの電源部がオン/オフされる。
【0095】
例えば、図1に示すように、ベース機2に、一台の第1増設ユニット3を、図3に示す開口部29に図5に示す開口部60を対向させて、図1に示すように、左側面24に右側面61を当接させ、機外向搬送部28と増設搬送部64とを紙幣Sの受け渡しが可能に配置して、図示略の連結機構で連結させる。また、この第1増設ユニット3に、一台の第2増設ユニット4を、図5に示す開口部63に図6に示す開口部100を対向させて、図1に示すように、左側面62に右側面101を当接させ、増設搬送部64と増設搬送部104とを紙幣Sの受け渡しが可能に配置して、図示略の連結機構で連結させる。また、この第2増設ユニット4に、一台の第3増設ユニット5を、図6に示す開口部103に図7に示す開口部140を対向させて、図1に示すように、左側面102に右側面141を当接させ、増設搬送部104と増設搬送部144とを紙幣Sの受け渡しが可能に配置して、図示略の連結機構で連結させる。また、この第3増設ユニット5に、一台の第4増設ユニット6を、図7に示す開口部143に図8に示す開口部180を対向させて、図1に示すように、左側面142に右側面181を当接させ、増設搬送部144と増設搬送部184とを紙幣Sの受け渡しが可能に配置して、図示略の連結機構で連結する。また、この第4増設ユニット6に、一つの終端ポケット7を、図8に示す開口部183に図9に示す開口部230を対向させて、図1に示すように、左側面182に右側面231を当接させ、増設搬送部184から終端ポケット7内に紙幣Sの受け渡しが可能に配置して、図示略の連結機構で連結する。このようにして、一体の一台の紙葉類処理装置1を製造する。
【0096】
この場合、紙葉類処理装置1は、そのベース機2の制御部56が、ベース機2を制御するとともに、第1増設ユニット3の制御部95、第2増設ユニット4の制御部135、第3増設ユニット5の制御部175および第4増設ユニット6の制御部225のそれぞれに制御指令信号を出力する。
【0097】
紙葉類処理装置1は、そのベース機2の制御部56が、操作表示部55への設定入力に基づいて、分類した紙幣Sの分類別の搬送先を、ベース機2の集積部41~43、第1増設ユニット3の集積部81~84、第2増設ユニット4の集積部121,122、第3増設ユニット5の集積部161~163、第4増設ユニット6の結束部189および終端ポケット7のいずれにするかを設定する。
【0098】
制御部56は、投入部15によって識別搬送部21に紙幣Sを一枚ずつ繰り出させ、識別部22によって識別させる。識別部22の識別結果から、各紙幣Sの搬送先を決定する。制御部56は、識別部22によって正常に識別できない紙幣Sを、識別搬送部21から、図3に示す振分部30でリジェクト搬送部27に案内し、リジェクト搬送部27の末端からリジェクト部16に繰り出させる。また、制御部56は、識別部22の識別結果から、正常に識別できて集積部41に搬送する種類の紙幣Sを、識別搬送部21から振分部30でリジェクト搬送部27に案内し、リジェクト搬送部27から振分部34で分岐搬送部31に振り分けて集積部41に繰り出させる。また、制御部56は、識別部22の識別結果から、正常に識別できて集積部42に搬送する種類の紙幣Sを、識別搬送部21から振分部30でリジェクト搬送部27に案内し、リジェクト搬送部27から振分部35で分岐搬送部32に振り分けて集積部42に繰り出させる。また、識別部22の識別結果から、正常に識別できて集積部43に搬送する種類の紙幣Sを、識別搬送部21から振分部30でリジェクト搬送部27に案内し、リジェクト搬送部27から振分部36で分岐搬送部33に振り分けて集積部43に繰り出させる。
【0099】
また、制御部56は、識別部22の識別結果から、受け入れ可能と識別され、第1増設ユニット3の集積部81~84、第2増設ユニット4の集積部121,122、第3増設ユニット5の集積部161~163、第4増設ユニット6の結束部189のいずれかに搬送する種類の紙幣Sを、識別搬送部21から、振分部30で機外向搬送部28に案内し、機外向搬送部28で、図1に示す第1増設ユニット3に向け搬送すると共に、第1増設ユニット3の制御部95、第2増設ユニット4の制御部135、第3増設ユニット5の制御部175および第4増設ユニット6の制御部225に、この紙幣Sに対する搬送先の識別情報を含む制御指令信号を出力する。
【0100】
第1増設ユニット3の制御部95は、制御部56から受信した制御指令信号に基づいて第1増設ユニット3を制御する。例えば、紙幣検出センサ67で紙幣Sを検知すると、この紙幣Sに対する制御指令信号に、その搬送先として集積部81~84のいずれかの指定が含まれる場合、図5に示す増設搬送部64、処理搬送部65および振分部66,74~76を制御して、この紙幣Sを集積部81~84の指定されたものに送り込む。他方、紙幣検出センサ67で検知した紙幣Sに対する制御指令信号に、搬送先として集積部81~84のいずれの指定も含まれない場合、増設搬送部64および振分部66を制御して、この紙幣Sを図1に示す第2増設ユニット4に送り込む。
【0101】
よって、第1増設ユニット3は、増設搬送部64が、ベース機2の識別部22で正常に識別されて機外向搬送部28で搬送されてきた紙幣Sを受け入れて、この第1増設ユニット3のベース機2とは反対側の機外に向けて搬送する。また、第1増設ユニット3は、処理搬送部65が、増設搬送部64から分岐して紙幣Sを搬送する。第1増設ユニット3は、集積部81~84が、処理搬送部65で搬送されてきた紙幣Sを処理する。
【0102】
第2増設ユニット4の制御部135は、制御部56から受信した制御指令信号に基づいて第2増設ユニット4を制御する。例えば、紙幣検出センサ107で紙幣Sを検知すると、この紙幣Sに対する制御指令信号に、その搬送先として集積部121,122のいずれかの指定が含まれる場合、図6に示す増設搬送部104、処理搬送部105および振分部106,114を制御して、この紙幣Sを集積部121,122の指定されたものに送り込む。他方、紙幣検出センサ107で検知した紙幣Sに対する制御指令信号に、搬送先として集積部121,122のいずれの指定も含まれない場合、増設搬送部104および振分部106を制御して、この紙幣Sを図1に示す第3増設ユニット5に送り込む。
【0103】
よって、第2増設ユニット4は、増設搬送部104が、ベース機2の識別部22で正常に識別されて機外向搬送部28で搬送されてきた紙幣Sを受け入れて、この第2増設ユニット4のベース機2とは反対側の機外に向けて搬送する。また、第2増設ユニット4は、処理搬送部105が、増設搬送部104から分岐して紙幣Sを搬送する。第2増設ユニット4は、集積部121,122が、処理搬送部105で搬送されてきた紙幣Sを処理する。
【0104】
第3増設ユニット5の制御部175は、制御部56から受信した制御指令信号に基づいて第3増設ユニット5を制御する。例えば、紙幣検出センサ147で紙幣Sを検知すると、この紙幣Sに対する制御指令信号に、その搬送先として集積部161~163のいずれかの指定が含まれる場合、図7に示す増設搬送部144、処理搬送部145および振分部146,154,155を制御して、この紙幣Sを集積部161~163の指定されたものに送り込む。他方、紙幣検出センサ147で検知した紙幣Sに対する制御指令信号に、搬送先として集積部161~163のいずれの指定も含まれない場合、増設搬送部144および振分部146を制御して、この紙幣Sを図1に示す第4増設ユニット6に送り込む。
【0105】
よって、第3増設ユニット5は、増設搬送部144が、ベース機2の識別部22で正常に識別されて機外向搬送部28で搬送されてきた紙幣Sを受け入れて、この第3増設ユニット5のベース機2とは反対側の機外に向けて搬送する。また、第3増設ユニット5は、処理搬送部145が、増設搬送部144から分岐して紙幣Sを搬送する。第3増設ユニット5は、集積部161~163が、処理搬送部145で搬送されてきた紙幣Sを処理する。
【0106】
第4増設ユニット6の制御部225は、制御部56から受信した制御指令信号に基づいて第4増設ユニット6を制御する。例えば、紙幣検出センサ187で紙幣Sを検知すると、この紙幣Sに対する制御指令信号に、その搬送先として結束部189の指定が含まれる場合、図8に示す増設搬送部184、処理搬送部185および振分部186,194を制御して、この紙幣Sを整列集積部201,202のその時点で集積中のものに送り込む。他方、紙幣検出センサ187で検知した紙幣Sに対する制御指令信号に、搬送先として結束部189の指定が含まれない場合、増設搬送部184および振分部186を制御して、この紙幣Sを図1に示す終端ポケット7に送り込む。
【0107】
第4増設ユニット6の制御部225は、図8に示す整列集積部201,202の一方に紙幣Sを送り込み、この一方の集積枚数が結束単位枚数になると、他方に紙幣Sを送り込むと共に、結束単位枚数の集積紙幣Sを下降搬送部204で搬送し結束機構部205で結束させて、機外放出部211に送り込む。
【0108】
よって、第4増設ユニット6は、増設搬送部184が、図1に示すベース機2の識別部22で正常に識別されて機外向搬送部28で搬送されてきた紙幣Sを受け入れて、この第4増設ユニット6のベース機2とは反対側の機外に向けて搬送する。また、第4増設ユニット6は、処理搬送部185が、増設搬送部184から分岐して紙幣Sを搬送する。第4増設ユニット6は、結束部189が、処理搬送部185で搬送されてきた紙幣Sを処理する。
【0109】
制御部56,95,135,175,225は、ベース機2の識別部22で正常に識別されると共に、紙幣検出センサ51,67,68,107,108,147,148,187,188の全てで正常搬送されていることが検出された紙幣Sを終端ポケット7に搬送するようになっている。言い換えれば、紙幣検出センサ51,67,68,107,108,147,148,187,188は、ベース機2の識別部22で正常に識別されると共に、機外向搬送部28から終端ポケット7までの全範囲で紙幣Sが正常搬送されていることを検出する。さらに言い換えれば、制御部56,95,135,175,225は、ベース機2の識別部22で正常に識別されると共に、機外向搬送部28から終端ポケット7までの全範囲で正常搬送されていることが検出された紙幣Sを終端ポケット7に搬送する。
【0110】
ここで、紙葉類処理装置1の最小構成は、図10に示すように、ベース機2に終端ポケット7を隣接して連結したものとなる。つまり、紙葉類処理装置1は、ベース機2と、第1~第4増設ユニット3~6と、終端ポケット7との中から、少なくともベース機2と終端ポケット7とを連結して構成される。
【0111】
「終端ポケット7の活用例1:終端ポケット計数モード1」
ベース機2の操作表示部55では、紙幣Sを計数したり施封するモードが所定のメニュー一覧の中から選択可能となっている。このメニュー一覧の中から「終端ポケット計数モード1」を選択すると、制御部56は、制御部95,135,175,225と連携して、投入部15に投入された紙幣Sを、その金種には特定されず、識別部22で正常に識別された紙幣Sは全て終端ポケット7のみに搬送して収容し、正常に識別されなかった紙幣Sを全てリジェクト部16へ搬送する動作を行う。
【0112】
そして、制御部56は、識別部22の識別結果に基づいて、正常に識別されて終端ポケット7に搬送された紙幣Sの金種と枚数とを操作表示部55に表示させ、正常に識別されなかったリジェクト紙幣Sが存在する場合には、操作表示部55に、その旨と、このリジェクト紙幣Sをリジェクト部16から抜き取って再計数する旨との案内表示を表示させる。制御部56は、このようにして、投入部15に投入された紙幣Sが全て正常に識別されて、終端ポケット7内に搬送されて収容されると、操作表示部55に、計数動作が確定したことと、確定した紙幣Sの金種と枚数との総表示を表示させる。
【0113】
なお、上記した計数動作中に、機外向搬送部28および増設搬送部64,104,144,184上で紙幣Sが搬送途中で詰まるジャムを生じたり、斜行や重送等の搬送異常が発生した場合には、紙幣検出センサ51,67,68,107,108,147,148,187,188のいずれかがそれを検出することになる。すると、制御部56は、紙葉類処理装置1をエラー状態として搬送動作を停止させる。
【0114】
その後、操作員は、紙葉類処理装置1の図示略の上部カバーを開放して、機外向搬送部28および増設搬送部64,104,144,184のうちのエラー発生箇所を露出させ、このエラー発生箇所上に滞留している紙幣Sを抜き取って、操作表示部55のリセット釦を押下する。すると、制御部56は、紙葉類処理装置1のリセット動作を行う。そして、リセット動作が正常終了し再計数動作が可能な状態になると、制御部56は、操作表示部55に、その旨の案内表示を表示させる。そして、操作員は抜き取った紙幣Sを全て投入部15に再投入して再計数動作を開始させる。制御部56は、紙葉類処理装置1に再計数動作を行わせることになり、再計数動作にて紙幣Sが全て正常に識別されて、且つ、機外向搬送部28および増設搬送部64,104,144,184上で搬送異常が発生せず、全ての紙幣Sが終端ポケット7に搬送されて収容されると、操作表示部55に計数動作が確定したことと、確定した紙幣Sの金種と枚数の総表示とを表示させる。
【0115】
なお、上記では、機外向搬送部28および増設搬送部64,104,144,184上で搬送異常が発生した場合には、機外向搬送部28および増設搬送部64,104,144,184上に滞留する紙幣Sを操作員が手作業で抜きとる旨説明したが、これに限らず、制御部56が、制御部95,135,175,225と連携して、機外向搬送部28および増設搬送部64,104,144,184を逆転搬送動作させて、機外向搬送部28および増設搬送部64,104,144,184上に滞留する全ての紙幣Sをベース機2のリジェクト部16へ強制搬送させても良い。この場合、操作員がリジェクト部16に集積された紙幣Sを全て抜き取って、上記と同様に投入部15に投入し、紙葉類処理装置1で再計数させることになる。
【0116】
この終端ポケット計数モード1(以下の終端ポケット計数モード2および終端ポケット計数追加モードも同様)は、ベース機2および第1~第4増設ユニット3~6の連結検出センサ2c~6cのうち、ベース機2から最も遠い終端にある連結検出センサ6cの連結ピン7aの検出の有無を確認することで、終端に終端ポケット有り情報があるときにのみ選択できるモードとなる。
【0117】
この場合、終端ポケット有り情報があることで、この終端ポケット計数モード1(以下の終端ポケット計数モード2および終端ポケット計数追加モードも同様)を選択できるようにしても良いし、あるいは、この終端ポケット計数モード1(以下の終端ポケット計数モード2および終端ポケット計数追加モードも同様)を選択することで、終端ポケット有り情報の有無を確認して、終端ポケット7の取付状況を再確認させ、取付確認後に、この終端ポケット計数モード1(以下の終端ポケット計数モード2および終端ポケット計数追加モードも同様)の動作を可能とさせるようにしても良い。
【0118】
「終端ポケット7の活用例2:終端ポケット計数モード2」
メニュー一覧の中には、「終端ポケット計数モード2」も設けられている。このモードでは、上記した「終端ポケット計数モード1」における終端ポケット7のみに搬送する紙幣Sが、基本、紙葉類処理装置1では取り扱い対象外となっている特殊な紙幣S、例えば市場流通がレアな高額金種の紙幣S(例えば、十万円券が発行された場合の十万円券)や偽造された疑いがある偽造紙幣Sに限定されて動作するモードである。
【0119】
すなわち、「終端ポケット計数モード2」において、制御部56は、制御部95,135,175,225と連携して、投入部15に投入された紙幣Sのうち、これらの特殊な紙幣Sであると正常に識別された紙幣Sは、機外向搬送部28および増設搬送部64,104,144,184で終端ポケット7のみに搬送させる。他方、これらの特殊な紙幣S以外の全ての紙幣S(正常に識別されない紙幣Sも含む)は、全てリジェクト対象としてリジェクト部16に搬送させる。そして、計数動作が終了すると、制御部56は、操作表示部55に、計数動作が確定したことと、確定した紙幣Sの金種と枚数の総表示とを表示させる。ここで、制御部56は、例えば過去に発見された偽造紙幣の特徴点(例えば記番号)と共通する特徴点を有する紙幣Sを偽造紙幣と判定する。
【0120】
この終端ポケット計数モード2においても、上記のように、機外向搬送部28および増設搬送部64,104,144,184上で搬送異常が発生した場合には、機外向搬送部28および増設搬送部64,104,144,184上に滞留する紙幣Sを操作員の手作業により抜き取らせることが可能である。また、制御部56が、制御部95,135,175,225と連携して、機外向搬送部28および増設搬送部64,104,144,184を逆転搬送動作させて、機外向搬送部28および増設搬送部64,104,144,184上に滞留する全ての紙幣Sをベース機2のリジェクト部16へ強制搬送させても良い。この場合、操作員がリジェクト部16に集積された紙幣Sを全て抜き取って、上記と同様に投入部15に投入し、紙葉類処理装置1で再計数させることになる。
【0121】
なお、所定の高額紙幣および偽造紙幣のうち所定の高額紙幣であると正常に識別された紙幣Sのみを終端ポケット7に搬送し、それ以外の紙幣S(正常に識別されない紙幣Sも含む)は、全てリジェクト対象としてリジェクト部16に搬送させるようにしても良い。この場合、集積部41~43,81~84,121,122,161~163のいずれか一つを偽造紙幣専用として、この集積部に偽造紙幣Sを搬送することも可能である。また、所定の高額紙幣および偽造紙幣のうち偽造紙幣であると正常に識別された紙幣Sのみを終端ポケット7に搬送し、それ以外の紙幣S(正常に識別されない紙幣Sも含む)は、全てリジェクト対象としてリジェクト部16に搬送させるようにしても良い。この場合、集積部41~43,81~84,121,122,161~163のいずれか一つを所定の高額紙幣用として、この集積部に所定の高額紙幣Sを搬送することも可能である。
【0122】
「終端ポケット7の活用例3:終端ポケット計数追加モード」
メニュー一覧の中には、「終端ポケット計数追加モード」も設けられている。この終端ポケット計数追加モードでは、メニュー一覧の中から選択した任意の動作モードに対して、上記した「終端ポケット計数モード2」を加えた動作モードである。すなわち、例えば、選択した任意の動作モードが、万円券、五千円券、二千円券、千円券の紙幣Sを例えば第1増設ユニット3の4つの集積部81~84に金種別に振り分けて集積するモードであるとする。すると、制御部56は、制御部95,135,175,225と連携して、投入部15に投入された紙葉類のうち万円券、五千円券、二千円券、千円券の紙幣Sは上記の通り、第1増設ユニット3の4つの集積部81~84に金種別に振り分けて集積すると共に、基本、この紙葉類処理装置1では取り扱い対象外となっている特殊な紙幣S、例えば、高額金種の紙幣S(例えば、十万円券が発行された場合の十万円券)や偽造された疑いがある紙幣Sを機外向搬送部28および増設搬送部64,104,144,184で搬送させて終端ポケット7のみに収容させる。そして、制御部56は、計数動作が終了すると、操作表示部55に、計数動作が確定したことと、確定した紙幣Sの金種と枚数の総表示とを表示させる。
【0123】
この終端ポケット計数追加モードにおいても、機外向搬送部28および増設搬送部64,104,144,184上で搬送異常が発生した場合には、機外向搬送部28および増設搬送部64,104,144,184上に滞留する紙幣Sを操作員の手作業により抜き取らせても良い。また、制御部56が、制御部95,135,175,225と連携して、機外向搬送部28および増設搬送部64,104,144,184を逆転搬送動作させて、機外向搬送部28および増設搬送部64,104,144,184上に滞留する全ての紙幣Sをベース機2のリジェクト部16へ強制搬送させても良い。この場合、操作員がリジェクト部16に集積された紙幣Sを全て抜き取って、上記と同様に投入部15に投入し、紙葉類処理装置1で再計数させることになる。
【0124】
なお、終端ポケット計数追加モードにおいても、所定の高額紙幣および偽造紙幣のうち所定の高額紙幣であると正常に識別された紙幣Sのみを終端ポケット7に搬送し、偽造紙幣であると正常に識別された紙幣Sおよび正常に識別されない紙幣Sを全てリジェクト対象としてリジェクト部16に搬送させるようにしても良い。この場合、集積部41~43,81~84,121,122,161~163のいずれか一つを偽造紙幣専用として、この集積部に偽造紙幣Sを搬送することも可能である。また、終端ポケット計数追加モードにおいても、所定の高額紙幣および偽造紙幣のうち偽造紙幣であると正常に識別された紙幣Sのみを終端ポケット7に搬送し、正常に識別されない紙幣Sは、リジェクト対象としてリジェクト部16に搬送させるようにしても良い。この場合、集積部41~43,81~84,121,122,161~163のいずれか一つを所定の高額紙幣用として、この集積部に所定の高額紙幣Sを搬送することになる。
【0125】
以上に述べた第1実施形態に係る紙葉類処理装置1によれば、制御部56,95,135,175,225のうち紙葉類処理装置1を構成する制御部は、ベース機2の識別部22で正常に識別されると共に、紙幣検出センサ51,67,68,107,108,147,148,187,188のうち、機外向搬送部28と終端ポケット7との間にあるもの全てで正常搬送されていることが検出された紙幣Sを終端ポケット7に搬送する。よって、終端ポケット7に従来搬送していなかった紙幣Sを終端ポケット7に搬送することができるため、終端ポケット7の用途を搬送異常が発生した際の紙幣Sに限定せず、例えば、正常搬送での特定条件(特定金種や偽造紙幣等)の紙幣Sの選別ポケットとして使用する等、様々な用途のポケットとして活用可能となる。したがって、限られた構成を有効活用して多機能化を図ることができる。
【0126】
また、紙葉類処理装置1は、終端ポケット7に搬送する紙幣Sは、所定の高額紙幣または偽造紙幣であるため、通常運用で集積部41~43,82~84,121,122,161~163の対象として考慮されていない紙幣Sを、簡易的な集積部としての終端ポケット7に集積可能となる。
【0127】
また、紙葉類処理装置1を、図10に示すように、ベース機2と、ベース機2に隣接して連結される終端ポケット7とにて構成することにより、第1~第4増設ユニット3~6を一切設けず、ベース機2に終端ポケット7を備えた一番簡易で安価な構成を実現できる。また、この簡易な構成であれば、搬送路が極めて短くなり、それによって搬送路上での紙幣Sの搬送異常の発生は無いに等しくなるので、搬送異常による搬送動作の停止も必要なくなって、終端ポケット7へ搬送する紙幣Sの計数動作がスムーズに行えるようになる。また、価格面でも安価な構成が実現可能となる。
【0128】
また、紙葉類処理装置1は、ベース機2および第1~第4増設ユニット3~6に、第1~第4増設ユニット3~6が隣接して連結されているのか、終端ポケット7が隣接して連結されているか、何も隣接して連結されていないのか、のいずれであるかを検出する連結検出センサ2c~6cを備えているため、全体の連結構成を自動的に検知することができる。したがって、紙葉類処理装置1が間違った連結構成となっていないかを容易に判定可能となる。
【0129】
また、紙葉類処理装置1は、ベース機2および第1~第4増設ユニット3~6に、終端ポケット7が隣接して連結されているか否かを検出する連結検出センサ2c~6cを備えているため、終端ポケット7が配設されているか否かを自動的に検知できる。よって、終端ポケット7が正しく搬送終端に設けられていて、終端ポケット7に所定の紙幣Sが搬送できる状態になっているか否かを判定することができる。したがって、ベース機2、第1~第4増設ユニット3~6および終端ポケット7のうち、少なくともベース機2および終端ポケット7を有する紙葉類処理装置1が、間違った連結構成となっていないかを容易に判定可能となる。
【0130】
{第1実施形態の変形例}
ベース機2の構成は、図3に示すように、3つの集積部41~43がある場合を例にとり説明したが、図示は略すが、集積部41~43に替えて、結束部189を設けるようにしても良い。このような構成の場合、ベース機2に終端ポケット7を隣接して連結して紙葉類処理装置1を構成すれば、施封する対象の紙幣Sをベース機2の結束部189で施封することになり、施封する対象以外の紙幣Sを終端ポケット7へ搬送させて簡易的に集積させることができる。また、集積部41~43のないベース機2とすることも可能である。
【0131】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る紙葉類処理装置を、第1実施形態に係る紙葉類処理装置との相違部分を中心に以下に説明する。
【0132】
第2実施形態では、ベース機2および第1~第4増設ユニット3~6の構造が上記とは一部相違している。ベース機2および第1~第4増設ユニット3~6は、共通の図11に示す連結種別検知機構251を有している。ここでは、ベース機2および第1~第4増設ユニット3~6の連結種別検知機構251のうち、第1増設ユニット3の連結種別検知機構251を例にとり説明する。
【0133】
図11に示すように、第1増設ユニット3の連結種別検知機構251は、左側面62の上部近傍に、第1~第4増設ユニット3~6および終端ポケット7のいずれか一つを連結対象として隣接して連結する際に、この連結対象に係合される連結固定部材252と、この連結固定部材252が第1~第4増設ユニット3~6および終端ポケット7のいずれを連結したか検知する図示略の連結検出センサ(連結検出手段,終端ポケット検出手段)とを有している。
【0134】
連結固定部材252は、第1増設ユニット3の左側面62側の所定の位置に設けられており、その一方の第1端部255が第1増設ユニット3の筐体256の上下方向の中間部に連結されている。連結固定部材252は、この第1端部255側の支点257を中心として筐体256に対して回動可能であり、他方の第2端部258がこの第1端部255よりも上方で左右に回動するようになっている。
【0135】
連結固定部材252は、左側面62側に第1~第4増設ユニット3~6および終端ポケット7のいずれも連結しない待機状態では、図11に実線で示すように、筐体256から左方に突出することない待機位置にて筐体256にビス259で固定されている。連結固定部材252は、左側面62側に第1~第4増設ユニット3~6および終端ポケット7のいずれかを連結する場合には、上記ビス259が外されて第2端部258側を回動させて、第1~第4増設ユニット3~6および終端ポケット7のうちの連結対象のものの所定の固定位置にて、上記ビス259で固定される。
【0136】
そして、連結固定部材252に第1~第4増設ユニット3~6および終端ポケット7のいずれも連結しない待機位置、第1増設ユニット3を連結する図11に二点鎖線で示す第1位置、第2増設ユニット4を連結する第2位置、第3増設ユニット5を連結する第3位置、第4増設ユニット6を連結する第4位置、および終端ポケット7を連結する図11に破線で示す第5位置では、連結固定部材252の待機位置からの角度が異なるようになっている。
【0137】
図示略の連結検出センサは、連結固定部材252の傾きの角度を検出する角度センサである。第1増設ユニット3は、この連結検出センサによる角度検出によって、第1~第4増設ユニット3~6および終端ポケット7のいずれが、左側面62側に隣接して連結されているのか、いずれも左側面62側に連結されていないのか、を自動検知するようになっている。
【0138】
そして、各種の第1~第4増設ユニット3~6の選択されたものがベース機2に連結される際は、図示略の通信ラインも併せて連結されるので、この自動検知した増設ユニットに係る「連結情報」に加えて、増設ユニット各々の「種別情報」もベース機2に通信で伝達されて、「連結・種別情報」としてベース機2の制御部56で一元管理されるようになっている。増設ユニット各々の「種別情報」は、一例として、第1増設ユニット3であれば4つの集積部を有するユニットであることを含んでおり、第2増設ユニット4であれば2つの集積部を有するユニットであることを含んでおり、第3増設ユニット5であれば3つの集積部を有するユニットであることを含んでおり、第4増設ユニット6であれば2つの整列集積部と1つの結束機構部を有するユニットであることを含んでいる。すなわち、「種別情報」は、増設ユニットの内部構成に係る種別情報である。
【0139】
また、操作表示部55には、この「連結・種別情報」をイメージ化して表示可能になっている。その一例として、紙葉類処理装置1のセットアップ時について、図12を参照して説明する。紙葉類処理装置1を設置の際に各ユニットを連結して電源オン処理を行うと、制御部56は、まず操作表示部55に、セットアップ画面として図12に示すような表示を表示させて案内を行う。すなわち、「連結・種別情報」に基づいて、制御部56は、この場合、ベース機2に、4つの集積部を有するユニット種別である第1増設ユニット3が6台連結されており、さらに終端の第1増設ユニット3に終端ポケット7が連結されていることを認識するので、これをイメージ化し、図12に示すような紙葉類処理装置イメージ表示301を表示させて案内することができる。
【0140】
紙葉類処理装置イメージ表示301は、ベース機2をイメージ化したベース機イメージ表示302に、4つの集積部を有する第1増設ユニット3をイメージ化した第1増設ユニットイメージ表示303が6箇所並べて表示され、さらに終端ポケット7をイメージ化した終端ポケットイメージ表示307が表示されて構成されている。
【0141】
そして、設置担当者は、操作表示部55に表示されたこの案内画面を確認して、実際の紙葉類処理装置と見比べて、正しくセットアップされていることが確認できれば、操作表示部55の「完了釦」310を押下する。すると、制御部56は、セットアップが完了する。
【0142】
逆に、正しくセットアップされていることが確認できない場合、例えば、ベース機2に、4つの集積部を有する第1増設ユニット3が6台連結されると共に終端ポケット7が連結されるべきところ、操作表示部55に表示された案内画面ではベース機2に、4つの集積部を有する第1増設ユニット3が5台連結されて間違って表示されていたり、また例えば、4つの集積部を有する第1増設ユニット3が6台連結されているものの、終端ポケット7が連結されないで間違って表示されたりすると、設置担当者は、この間違った表示を確認することで、セットアップを間違えてしまったことを認識し、再度、設置の際に行った各ユニットの連結状況や通信ラインの連結状況を確認して、誤って連結作業した箇所を発見し、その箇所を正しく連結作業することができるようになる。
【0143】
なお、セットアップ画面は図12のように、操作表示部55に表示された画面の左側と下側を占めるL字型表示領域311とそれ以外の表示領域312との2つの領域に区分けされて、紙葉類処理装置イメージ表示301は、L字型表示領域311以外の表示領域312に配置されて表示されるものとして説明したが、この表示態様に限るものではない。
【0144】
また、別の一例として、紙葉類処理装置1の運用時について、図13を参照して説明する。図13は、紙葉類処理装置1の運用時における入金計数動作時の操作表示部55に表示される運用画面を示す。すなわち、100ユーロ紙幣が1000枚入金計数された入金明細が操作表示部55の表示領域321に表示されている。また、操作表示部55に表示させる画面のL字型表示領域322には、セットアップ完了時に確定済みの紙葉類処理装置1の「連結・種別情報」に基づいて、制御部56が、ベース機2に、4つの集積部を有する第1増設ユニット3が6台連結されており、さらに終端の第1増設ユニット3には終端ポケット7が連結されていることを認識して、これをイメージ化した紙葉類処理装置イメージ表示331を表示している。この紙葉類処理装置イメージ表示331は、ベース機2をイメージ化したベース機イメージ表示332に、4つの集積部を有するユニット種別である第1増設ユニット3をイメージ化した第1増設ユニットイメージ表示333が6箇所並べて表示され、さらに終端ポケット7をイメージ化した終端ポケットイメージ表示337が表示されて構成されている。
【0145】
さらに、この紙葉類処理装置イメージ表示331においては、各部の紙幣Sの残留の有無および残留ありの場合の枚数をイメージした残留状態イメージ表示341を表示させている。図13に示す例では、第1増設ユニットイメージ表示333のうち最も右側の第1増設ユニットイメージ表示333および最も左側の第1増設ユニットイメージ表示333とに、全ての集積部81~84に紙幣Sの残留があることを示す残留状態イメージ表示341を表示させている。加えて、ベース機イメージ表示332にもリジェクト部16の位置に紙幣Sの残留があることを示す残留状態イメージ表示341を表示させている。残留状態イメージ表示341は、他の表示部分と色を変えることで目立たせるようになっている。また、残留状態イメージ表示341は、紙幣Sの残留枚数が多くなるほど層が増えるように層状に表示される。これによって、運用担当者は、この紙葉類処理装置イメージ表示331を確認して、どの箇所の増設ユニットのどの部位に、どの程度の残留紙幣があるかを確認しながら、運用操作を行うことができるようになる。
【0146】
なお、操作表示部55に表示させる運用画面は、図13のように、画面の左側と下側とを占めるL字型表示領域と322と、それ以外の表示領域321との2つの領域に区分けされて、紙葉類処理装置イメージ表示331は、L字型表示領域322に配置されて表示されるものとして説明したが、この表示態様に限るものではない。
【0147】
{第2実施形態の変形例}
第2実施形態を簡略化して、図示は略すが、ベース機2および各種増設ユニット3~6各々の左側面24,62,102,142,182の近傍に、終端ポケット7を連結した際には光軸を遮るように、位置を考慮して光学センサを配置するようにしても良い。これによって、終端ポケット7が正しく配設されているか否かを自動検知できるようにする。つまり、終端ポケット7を使用して計数する動作モードを行う場合には、ベース機2および各種増設ユニット3~6の構成がどのような形態であったとしても(換言すると、例えば、ベース機2のみで増設ユニット3~6は一切連結されていない構成であったり、ベース機2に増設ユニット3~6のいずれか3個連結されている構成であったりしても)、上述したように、終端ポケット7が配設されていなければ動作モードが実施できないため、終端ポケット7のみに着目して、終端ポケット7が紙葉類処理装置1の終端に配設されているか否かを自動検知する。
【0148】
以上、第1,第2実施形態の紙葉類処理装置1について、処理対象の媒体として紙幣Sを例にとり説明したが、これに限らず商品券や小切手、手形等の金券類や有価証券等、紙葉類全般を処理する装置にも適用できる。すなわち、紙幣Sを含む各種紙葉類を処理する紙葉類処理装置に適用できる。
【符号の説明】
【0149】
1 紙葉類処理装置
2 ベース機
2c~6c 連結検出センサ(連結検出手段,終端ポケット検出手段)
3 第1増設ユニット
4 第2増設ユニット
5 第3増設ユニット
6 第4増設ユニット
7 終端ポケット
15 投入部
16 リジェクト部
21 識別搬送部
22 識別部
28 機外向搬送部
27 リジェクト搬送部
51,67,68,107,108,147,148,187,188 紙幣検出センサ(検出手段)
56,95,135,175,225 制御部
64,104,144,184 増設搬送部
65,105,145,185 処理搬送部
81~84,121,122,161~163 集積部(処理部)
189 結束部(処理部)
S 紙幣(紙葉類)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2024-04-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機外から紙葉類が投入される投入部と、前記投入部に投入された紙葉類識別する識別部とを有するベース機と、
前記ベース機に連結可能であり、前記識別部により識別され紙葉類を処理する処理部有する増設ユニットであって、前記ベース機とは反対側に他の増設ユニットを連結可能な増設ユニットと、
前記ベース機および前記増設ユニットに連結可能であり、前記ベース機および前記増設ユニットから搬送されてきた紙葉類を搬送終端位置で受け入れる終端ポケットと、
の中から、前記ベース機に、前記増設ユニット及び前記終端ポケットの少なくとも何れかを連結して構成される紙葉類処理装置であって、
表示部と、
前記ベース機及び前記増設ユニットに設けられ、前記増設ユニットが隣接して連結されているのか、前記終端ポケットが隣接して連結されているか、何も隣接して連結されていないのか、のいずれであるかを検出する連結検出手段と、
前記表示部に、前記連結検出手段によって検出された連結情報に基づいてイメージ化した紙葉類処理装置イメージ表示を表示させると共に、前記紙葉類処理装置イメージ表示に前記増設ユニット及び前記終端ポケットの紙葉類の残留の有無をイメージ化した残留状態イメージ表示を表示させる制御部と、を備えることを特徴とする紙葉類処理装置。
【請求項2】
前記残留状態イメージ表示は、前記増設ユニット及び前記終端ポケットの紙葉類の残留の有無及び残留ありの場合の枚数をイメージ化したものであって、紙葉類の残留枚数が多くなるほど層が増えるように層状に表示されることを特徴とする請求項1記載の紙葉類処理装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
発明に係る第1の態様は、機外から紙葉類が投入される投入部と、前記投入部に投入された紙葉類識別する識別部とを有するベース機と、前記ベース機に連結可能であり、前記識別部により識別され紙葉類を処理する処理部有する増設ユニットであって、前記ベース機とは反対側に他の増設ユニットを連結可能な増設ユニットと、前記ベース機および前記増設ユニットに連結可能であり、前記ベース機および前記増設ユニットから搬送されてきた紙葉類を搬送終端位置で受け入れる終端ポケットと、の中から、前記ベース機に、前記増設ユニット及び前記終端ポケットの少なくとも何れかを連結して構成される紙葉類処理装置であって、表示部と、前記ベース機及び前記増設ユニットに設けられ、前記増設ユニットが隣接して連結されているのか、前記終端ポケットが隣接して連結されているか、何も隣接して連結されていないのか、のいずれであるかを検出する連結検出手段と、前記表示部に、前記連結検出手段によって検出された連結情報に基づいてイメージ化した紙葉類処理装置イメージ表示を表示させると共に、前記紙葉類処理装置イメージ表示に前記増設ユニット及び前記終端ポケットの紙葉類の残留の有無をイメージ化した残留状態イメージ表示を表示させる制御部と、を備えることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】削除
【補正の内容】