(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083452
(43)【公開日】2024-06-21
(54)【発明の名称】電動作業機
(51)【国際特許分類】
H02K 3/52 20060101AFI20240614BHJP
B25F 5/00 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
H02K3/52 E
B25F5/00 G
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024060478
(22)【出願日】2024-04-03
(62)【分割の表示】P 2019165542の分割
【原出願日】2019-09-11
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 晃
(57)【要約】
【課題】電動作業機の小型化を目的とする。
【解決手段】電動作業機は、ステータとロータとを有するモータと、出力軸と、を備え、ステータは、円環状コアと、円環状コアと内径側で係合可能な少なくとも3つのティース部と、を有するステータコアと、記ステータコアの表面の少なくとも一部を覆うように配置される絶縁性のインシュレータと、記インシュレータを介して3つのティース部の少なくとも一部に巻かれる3つのコイルと、3つのコイルよりも径方向内側に配置され3つのコイルに接続される3つの端子と、3つの端子のそれぞれと一体的に形成される、U層外部端子、V層外部端子およびW層外部端子と、3つの端子、U層外部端子、V層外部端子およびW層外部端子を支持する支持部材と、有し、コイルと3つの端子との接続箇所は、ティース部の内面よりも径方向内側に配置される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータと、前記ステータの内側に配置され回転軸を中心に回転可能なロータと、を有するモータと、
先端工具が装着され前記モータから伝達された動力に基づいて駆動する出力軸と、を備え、
前記ステータは、
円環状コアと、前記円環状コアと内径側で係合可能な少なくとも3つのティース部と、を有するステータコアと、
前記ステータコアの表面の少なくとも一部を覆うように配置される絶縁性のインシュレータと、
前記インシュレータを介して前記3つのティース部の少なくとも一部に巻かれる3つのコイルと、
前記3つのコイルよりも径方向内側に配置され前記3つのコイルに接続される3つの端子と、
前記3つの端子のそれぞれと一体的に形成される、U層外部端子、V層外部端子およびW層外部端子と、
前記3つの端子、前記U層外部端子、前記V層外部端子および前記W層外部端子を支持する支持部材と、
を有し、
前記コイルと前記3つの端子との接続箇所は、前記ティース部の内面よりも径方向内側に配置される、
電動作業機。
【請求項2】
前記支持部材は、環状部と、前記環状部から径方向外側に突出する突出部と、を有し、
前記コイルは、前記突出部に巻かれる請求項1記載の電動作業機。
【請求項3】
前記ロータの回転を検出する複数の回転検出素子を有し、
前記複数の回転検出素子は、前記ティース部の内面よりも径方向内側に配置される請求項1記載の電動作業機。
【請求項4】
前記支持部材は、内面から径方向外側に凹む凹部を有し、
前記3つの端子は、それぞれ前記支持部材の凹部の内側に配置される請求項1に記載の電動作業機。
【請求項5】
前記端子は、接続しているコイルの軸方向の一方に配置された部材と、接続しているコイルの軸方向の他方に配置された部材とを有する請求項1に記載の電動作業機。
【請求項6】
前記U層外部端子、前記V層外部端子および前記W層外部端子は、それぞれ電源と接続する請求項1に記載の電動作業機。
【請求項7】
前記支持部材は、一体的に形成される前記端子と、U層外部端子、V層外部端子およびW層外部端子のいずれかとの、少なくとも一部が内部に配置されて、前記端子と、U層外部端子、V層外部端子およびW層外部端子のいずれかを支持する請求項1に記載の電動作業機。
【請求項8】
前記3つの端子と、U層外部端子、V層外部端子およびW層外部端子とのいずれとを連結する短絡部材を有し、
前記短絡部材が、前記支持部材の内部に配置される請求項1に記載の電動作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電動作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
電動作業機に係る技術分野において、特許文献1に開示されているような、ブラシレスモータを有する電動工具が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電動作業機の小型化が要望される。電動作業機を小型化するためには、モータを小型化する必要がある。
【0005】
本開示は、電動作業機の小型化を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従えば、ステータと、前記ステータの内側に配置され回転軸を中心に回転可能なロータと、を有するモータと、先端工具が装着され前記モータから伝達された動力に基づいて駆動する出力軸と、を備え、前記ステータは、ステータコアと、前記ステータコアの少なくとも一部に巻かれるコイルと、前記コイルよりも径方向内側に配置され前記コイルに接続されるヒュージング端子と、を有する、電動作業機が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、電動作業機の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る電動工具を示す側面図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るステータを示す軸方向一方側からの斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るステータを示す軸方向他方側からの斜視図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るステータを示す側面図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係るステータを示す分解斜視図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る内側部材を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る内側部材を示す分解斜視図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係るコアセグメントを示す斜視図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る内側インシュレータの一部を示す斜視図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る外側部材を示す斜視図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る外側部材を示す分解斜視図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係るコイルユニットを示す上方からの斜視図である。
【
図13】
図13は、実施形態に係るコイルユニットを示す下方からの斜視図である。
【
図14】
図14は、実施形態に係る端子ユニットを示す斜視図である。
【
図15】
図15は、実施形態に係る端子ユニットを示す側面図である。
【
図16】
図16は、実施形態に係る端子ユニットの内部構造を示す斜視図である。
【
図17】
図17は、実施形態に係る端子ユニットを示す分解斜視図である。
【
図18】
図18は、実施形態に係るヒュージング端子を示す斜視図である。
【
図19】
図19は、実施形態に係るコイルとヒュージング端子との関係を示す斜視図である。
【
図20】
図20は、実施形態に係る駆動電流の流通状態の一例を模式的に示す図である。
【
図21】
図21は、実施形態に係る駆動電流の流通状態の一例を模式的に示す図である。
【
図22】
図22は、実施形態に係る駆動電流の流通状態の一例を模式的に示す図である。
【
図23】
図23は、実施形態に係るステータの組立方法を説明するための図である。
【
図24】
図24は、実施形態に係るステータの組立方法を説明するための図である。
【
図25】
図25は、実施形態に係るステータの組立方法を説明するための図である。
【
図26】
図26は、実施形態に係るステータの組立方法を説明するための図である。
【
図27】
図27は、実施形態に係るステータの組立方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
実施形態においては、左、右、前、後、上、及び下の用語を用いて各部の位置関係について説明する。これらの用語は、電動作業機の中心を基準とした相対位置又は方向を示す。電動作業機は、モータを有する電動工具を含む。
【0011】
実施形態においては、モータの回転軸AXと平行な方向を適宜、軸方向、と称し、モータの回転軸AXの放射方向を適宜、径方向、と称し、モータの回転軸AXを周回する方向を適宜、周方向又は回転方向、と称する。また、径方向において、モータの回転軸AXに近い位置又は接近する方向を適宜、径方向内側、と称し、モータの回転軸AXから遠い位置又は離隔する方向を適宜、径方向外側、と称する。
【0012】
[電動工具]
図1は、実施形態に係る電動工具1を示す側面図である。実施形態において、電動工具1は、震動ドライバドリルである。
図1に示すように、電動工具1は、グリップハウジング2と、グリップハウジング2の上方に配置され、モータ8及び動力伝達機構10を収容する本体ハウジング3と、本体ハウジング3から前方に突出する出力軸6と、グリップハウジング2の下部に配置されるバッテリ装着部7とを備える。
【0013】
グリップハウジング2は、作業者に握られる。グリップハウジング2は、本体ハウジング3の下部から下方に突出する。グリップハウジング2は、合成樹脂製である。
【0014】
本体ハウジング3は、モータハウジング4と、モータハウジング4の前方に配置されるギヤハウジング5とを含む。出力軸6は、ギヤハウジング5から前方に突出する。
【0015】
モータハウジング4は、モータ8を収容する。モータハウジング4は、筒状である。モータ8は、モータハウジング4の内部空間に配置される。モータハウジング4は、グリップハウジング2と一体である。モータハウジング4は、合成樹脂製である。モータハウジング4の後部にリヤカバー9が配置される。リヤカバー9は、モータハウジング4の後部の開口を覆う。リヤカバー9は、合成樹脂製である。
【0016】
モータハウジング4は、吸気口3Aを有する。リヤカバー9は、排気口3Bを有する。排気口3Bは、吸気口3Aの後方に設けられる。吸気口3Aは、本体ハウジング3の内部空間と外部空間とを接続する。排気口3Bは、本体ハウジング3の内部空間と外部空間とを接続する。吸気口3Aは、モータハウジング4の左部及び右部のそれぞれに設けられる。排気口3Bは、リヤカバー9の左部及び右部のそれぞれに設けられる。本体ハウジング3の外部空間の空気は、吸気口3Aを介して本体ハウジング3の内部空間に流入する。本体ハウジング3の内部空間の空気は、排気口3Bを介して本体ハウジング3の外部空間に流出する。
【0017】
ギヤハウジング5は、複数のギヤを含む動力伝達機構10を収容する。ギヤハウジング5は、筒状である。動力伝達機構10は、ギヤハウジング5の内部空間に配置される。ギヤハウジング5は、アルミニウム製である。
【0018】
出力軸6は、先端工具を取り付け可能である。ドリルのような先端工具が出力軸6に装着される。出力軸6は、モータ8が発生する動力により回転するスピンドルと、先端工具を把持可能なチャックとを含む。
【0019】
バッテリ装着部7は、バッテリパック11に接続される。バッテリ装着部7は、グリップハウジング2の下部に設けられる。バッテリパック11は、バッテリ装着部7に着脱可能である。バッテリパック11は、二次電池を含む。実施形態において、バッテリパック11は、充電式のリチウムイオン電池を含む。バッテリ装着部7に装着されることにより、バッテリパック11は、電動工具1に電力を供給することができる。
【0020】
モータ8は、出力軸6を駆動させるための動力を発生する。モータ8は、バッテリパック11から供給される電力に基づいて駆動する。動力伝達機構10は、モータ8で発生した動力を出力軸6に伝達する。出力軸6は、動力伝達機構10を介してモータ8から伝達された動力に基づいて駆動する。
【0021】
電動工具1は、トリガスイッチ12と、正逆切換レバー13と、速度切換レバー14と、モードチェンジリング15と、チェンジリング16と、ライト17と、コントローラ18とを備える。
【0022】
トリガスイッチ12は、グリップハウジング2に配置される。トリガスイッチ12は、グリップハウジング2の前部の上部から前方に突出する。トリガスイッチ12は、作業者に操作される。作業者は、グリップハウジング2を左右の一方の手で握った状態で、指でトリガスイッチ12を操作することができる。トリガスイッチ12が操作されることにより、バッテリパック11からモータ8に電力が供給され、モータ8が駆動する。トリガスイッチ12が操作されることにより、モータ8の駆動と停止とが切り換えられる。
【0023】
正逆切換レバー13は、グリップハウジング2の上部に設けられる。正逆切換レバー13は、作業者に操作される。正逆切換レバー13が操作されることにより、モータ8の回転方向が切り換えられる。作業者は、正逆切換レバー13を操作して、モータ8の回転方向を、正転方向及び逆転方向の一方から他方に切り換えることができる。モータ8の回転方向が切り換えられることにより、出力軸6の回転方向が切り換えられる。
【0024】
速度切換レバー14は、本体ハウジング3の上部に設けられる。速度切換レバー14は、作業者に操作される。速度切換レバー14が操作されることにより、出力軸6の回転速度が切り換えられる。作業者は、速度切換レバー14を操作して、出力軸6の回転速度を、第1速度及び第1速度よりも高い第2速度の一方から他方に切り換えることができる。
【0025】
モードチェンジリング15は、ギヤハウジング5の前方に配置される。モードチェンジリング15は、作業者に操作される。モードチェンジリング15が操作されることにより、電動工具1の作業モードが切り換えられる。
【0026】
電動工具1の作業モードは、出力軸6が前後方向に振動する震動モードと、出力軸6が前後方向に振動しない非震動モードとを含む。非震動モードは、出力軸6に作用する回転負荷に関わらず出力軸6に動力が伝達されるドリルモードと、出力軸6に作用する回転負荷に基づいて出力軸6に伝達される動力が遮断されるクラッチモードとを含む。
【0027】
チェンジリング16は、モードチェンジリング15の前方に配置される。チェンジリング16は、作業者に操作される。クラッチモードにおいて、チェンジリング16が操作されることにより、出力軸6に伝達される動力を遮断する解放値が設定される。解放値は、出力軸6に作用する回転負荷に係る値である。出力軸6に作用する回転負荷が解放値に到達したときに、出力軸6に伝達される動力が遮断される。
【0028】
ライト17は、グリップハウジング2の前部の上部に設けられる。ライト17は、電動工具1の前方を照明する照明光を射出する。ライト17は、例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を含む。
【0029】
コントローラ18は、電動工具1を制御する制御信号を出力する。コントローラ18は、モータ8に供給される駆動電流を制御する。コントローラ18は、グリップハウジング2に収容される。コントローラ18は、グリップハウジング2の内部空間の下部に配置される。
【0030】
[モータ]
モータ8は、ブラシレスモータである。モータ8は、筒状のステータ20と、ステータ20の内側に配置されるロータ19とを有するインナロータ型モータである。ロータ19は、軸方向に延伸するロータシャフト19Sを有する。ロータ19は、回転軸AXを中心に回転可能である。
【0031】
[ステータの全体構造]
図2は、実施形態に係るステータ20を示す軸方向一方側からの斜視図である。
図3は、実施形態に係るステータ20を示す軸方向他方側からの斜視図である。
図4は、実施形態に係るステータ20を示す側面図である。
図5は、実施形態に係るステータ20を示す分解斜視図である。
【0032】
図2、
図3、
図4、及び
図5に示すように、ステータ20は、ステータコア30と、インシュレータ40と、コイルユニット50と、端子ユニット60とを備える。
【0033】
ステータコア30は、鉄を主成分とする金属製である。ステータコア30は、内側コア31と、内側コア31の周囲に配置される外側コア32とを有する。
【0034】
インシュレータ40は、ステータコア30の表面の少なくとも一部を覆うように配置される。インシュレータ40は、絶縁材料製である。インシュレータ40は、合成樹脂製である。インシュレータ40は、内側コア31の表面の少なくとも一部を覆う内側インシュレータ41と、外側コア32の表面の少なくとも一部を覆う外側インシュレータ42とを有する。
【0035】
実施形態においては、内側コア31及び内側インシュレータ41を適宜、内側部材21、と総称する。また、外側コア32及び外側インシュレータ42を適宜、外側部材22、と総称する。
【0036】
コイルユニット50は、複数のコイル51と、1つのコイル51と他の1つのコイル51とを繋ぐ渡り線52とを有する。コイルユニット50は、金属製のワイヤ53により形成される。
【0037】
コイル51は、インシュレータ40を介して、ステータコア30の少なくとも一部に巻かれる。実施形態において、コイル51は、内側部材21の少なくとも一部に巻かれる。
【0038】
コイル51は、6つ設けられる。コイル51は、ワイヤ53を巻くことにより形成される。渡り線52は、1つのコイル51と他の1つのコイル51との間のワイヤ53をいう。軸方向において、渡り線52は、コイル51の中心とコイル51の他方側の端部との間に配置される。すなわち、渡り線52は、コイル51の軸方向他方側の端部に近い位置に配置される。渡り線52は、コイル51から軸方向他方側に突出しない。
【0039】
端子ユニット60は、コイル51と電源部とを接続する。電源部は、モータ8の外部に配置される。電源部は、モータ8に駆動電流を供給する。電源部は、バッテリパック11を含む。コントローラ18は、電源部からモータ8に供給される駆動電流を制御する。駆動電流は、U相駆動電流、V相駆動電流、及びW相駆動電流を含む。電源部からの駆動電流は、端子ユニット60に供給される。
【0040】
軸方向において、端子ユニット60は、コイル51の中心とコイル51の一方側の端部との間に配置される。すなわち、端子ユニット60は、コイル51の軸方向一方側の端部に近い位置に配置される。端子ユニット60は、コイル51から軸方向一方側に突出しない。
【0041】
端子ユニット60は、絶縁材料製の支持部材61と、ケーブル(不図示)を介して電源部に接続される外部端子62と、コイル51に接続されるヒュージング端子63と、外部端子62とヒュージング端子63とを接続する短絡部材64と、ロータ19の回転を検出する複数の回転検出素子65と、回転検出素子65の検出信号が出力される信号端子66と、回転検出素子65と信号端子66とを接続する信号線67とを有する。
【0042】
支持部材61は、合成樹脂製である。支持部材61は、外部端子62、ヒュージング端子63、短絡部材64、回転検出素子65、信号端子66、及び信号線67のそれぞれを支持する。
【0043】
軸方向において、支持部材61は、コイル51の中心とコイル51の一方側の端部との間に配置される。支持部材61は、コイル51から軸方向一方側に突出しない。
【0044】
支持部材61の少なくとも一部は、コイル51よりも径方向内側に配置される。支持部材61の少なくとも一部は、ステータコア30の内面39よりも径方向内側に配置される。ステータコア30の内面39は、ロータ19に対向する。
【0045】
支持部材61の少なくとも一部は、コイル51よりも径方向外側に配置される。
【0046】
支持部材61の少なくとも一部は、コイル51の内側に配置される。コイル51は、支持部材61の少なくとも一部を巻くように配置される。支持部材61は、ステータコア30の軸方向一方側に配置される。支持部材61は、インシュレータ40を介して、ステータコア30に支持される。コイル51は、ステータコア30及び支持部材61を巻くように配置される。
【0047】
外部端子62は、コイル51よりも径方向外側に配置される。外部端子62は、U相駆動電流が供給されるU相外部端子62Uと、V相駆動電流が供給されるV相外部端子62Vと、W相駆動電流が供給されるW相外部端子62Wとを含む。
【0048】
ヒュージング端子63は、回転軸AXの周囲に複数配置される。ヒュージング端子63は、コイル51の数と同じ数だけ設けられる。実施形態において、ヒュージング端子63は、6つ設けられる。軸方向において、複数のヒュージング端子63の位置は等しい。
【0049】
ヒュージング端子63は、コイル51よりも径方向内側に配置される。ヒュージング端子63は、コイル51から径方向内側に突出するワイヤ53を介してコイル51に接続される。
【0050】
ヒュージング端子63の少なくとも一部は、ステータコア30の内面39よりも径方向内側に配置される。
【0051】
短絡部材64は、外部端子62とヒュージング端子63とを接続する。短絡部材64の少なくとも一部は、コイル51よりも径方向内側に配置される。短絡部材64の少なくとも一部は、コイル51よりも径方向外側に配置される。短絡部材64は、一対のヒュージング端子63を接続する。
【0052】
短絡部材64の少なくとも一部は、支持部材61の内部に配置される。信号線67の少なくとも一部は、支持部材61の内部に配置される。短絡部材64及び信号線67のそれぞれは、合成樹脂でモールドされる。実施形態において、端子ユニット60は、成型回路部品(MID:Molded Interconnect Device)を含む。
【0053】
<内側部材>
図6は、実施形態に係る内側部材21を示す斜視図である。
図7は、実施形態に係る内側部材21を示す分解斜視図である。
図6及び
図7に示すように、内側部材21は、内側コア31と、内側コア31の表面の少なくとも一部を覆う内側インシュレータ41とを有する。
【0054】
内側コア31は、複数のコアセグメント33を含む。複数のコアセグメント33の形状及び寸法は、同一である。コアセグメント33は、周方向に等間隔に配置される。実施形態において、内側コア31は、6つのコアセグメント33により構成される。コアセグメント33は、周方向に60[°]の間隔で配置される。
【0055】
図8は、実施形態に係るコアセグメント33を示す斜視図である。
図6、
図7、及び
図8に示すように、コアセグメント33は、内壁部34と、内壁部34よりも径方向外側に配置される外壁部35と、内壁部34と外壁部35とを結ぶティース部36とを有する。内壁部34と外壁部35とティース部36とは、一体である。すなわち、内壁部34と外壁部35とティース部36とは、単一部材である。
【0056】
コアセグメント33は、軸方向に積層された複数の鋼板を含む。鋼板は、鉄を主成分とする金属製の板である。複数の鋼板が積層されることにより、コアセグメント33が形成される。軸方向において、コアセグメント33の寸法は、一定である。
【0057】
内壁部34は、回転軸AXの周囲の一部に配置される。内壁部34は、プレート状である。内壁部34は、ティース部36の径方向内側の内端部に結ばれる。回転軸AXと直交する面内において、内壁部34は、円弧状である。
【0058】
ティース部36は、内壁部34から径方向外側に突出する。ティース部36は、ブロック状である。ティース部36にコイル51が巻かれる。
【0059】
外壁部35は、回転軸AXの周囲の一部に配置される。外壁部35は、プレート状である。外壁部35は、ティース部36の径方向外側の外端部に結ばれる。回転軸AXと直交する面内において、外壁部35は、円弧状である。
【0060】
周方向において、内壁部34の寸法は、ティース部36の寸法よりも大きい。周方向において、外壁部35の寸法は、内壁部34の寸法及びティース部36の寸法よりも大きい。周方向において、内壁部34の中心の位置と、ティース部36の中心の位置と、外壁部35の中心の位置とは、一致する。内壁部34は、ティース部36の内端部から周方向一方側及び周方向他方側のそれぞれに突出する突出部34Tを含む。外壁部35は、ティース部36の外端部から周方向一方側及び周方向他方側のそれぞれに突出する突出部35Tを含む。
【0061】
コアセグメント33の表面は、径方向内側を向く内面33Aと、径方向外側を向く外面33Bと、軸方向一方側を向く端面33Cと、軸方向他方側を向く端面33Dとを含む。
【0062】
内面33Aは、内壁部34に配置される。内面33Aは、ロータ19に対向する。回転軸AXと直交する面内において、内面33Aは、円弧状である。ステータコア30の内面39は、コアセグメント33の内面33Aを含む。
【0063】
外面33Bは、外壁部35に配置される。外面33Bは、外側部材22に対向する。回転軸AXと直交する面内において、外面33Bは、円弧状である。
【0064】
端面33Cは、内壁部34の軸方向一方側の端面と、外壁部35の軸方向一方側の端面と、ティース部36の軸方向一方側の端面とを含む。内壁部34の軸方向一方側の端面と、外壁部35の軸方向一方側の端面と、ティース部36の軸方向一方側の端面とは、同一面内に配置される。端面33Cは、回転軸AXに直交する。
【0065】
端面33Dは、内壁部34の軸方向他方側の端面と、外壁部35の軸方向他方側の端面と、ティース部36の軸方向他方側の端面とを含む。内壁部34の軸方向他方側の端面と、外壁部35の軸方向他方側の端面と、ティース部36の軸方向他方側の端面とは、同一面内に配置される。端面33Dは、回転軸AXに直交する。
【0066】
また、コアセグメント33の表面は、内壁部34に配置され径方向外側を向く対向面33Eと、外壁部35に配置され径方向内側を向く対向面33Fと、ティース部36に配置され周方向一方側を向く側面33Gと、ティース部36に配置され周方向他方側を向く側面33Hと、外壁部35に配置され周方向一方側を向く側面33Iと、外壁部35に配置され周方向他方側を向く側面33Jとを含む。
【0067】
図9は、実施形態に係る内側インシュレータ41の一部を示す斜視図である。内側インシュレータ41は、絶縁材料製である。内側インシュレータ41は、合成樹脂製である。内側インシュレータ41は、コアセグメント33の表面の少なくとも一部を覆うように配置される。内側インシュレータ41は、一体成形される。複数のコアセグメント33は、内側インシュレータ41により連結される。
【0068】
図6、
図7、及び
図9に示すように、内側インシュレータ41は、端面33Cを覆う被覆部41Cと、端面33Dを覆う被覆部41Dと、対向面33Eを覆う被覆部41Eと、対向面33Fを覆う被覆部41Fと、側面33Gを覆う被覆部41Gと、側面33Hを覆う被覆部41Hとを含む。被覆部41Cと被覆部41Dと被覆部41Eと被覆部41Fと被覆部41Gと被覆部41Hとは、一体である。
【0069】
被覆部41Cは、被覆部41Dよりも軸方向一方側に配置される。被覆部41Cと被覆部41Dとは、間隙を介して対向する。被覆部41Gは、被覆部41Hよりも周方向一方側に配置される。被覆部41Gと被覆部41Hとは、間隙を介して対向する。ティース部36は、被覆部41Cと被覆部41Dと被覆部41Gと被覆部41Hとにより規定される空間41Sの内側に配置される。
【0070】
被覆部41Eは、ティース部36の内端部から周方向一方側に突出する突出部34Tの対向面33E、及びティース部36の内端部から周方向他方側に突出する突出部34Tの対向面33Eのそれぞれを覆うように配置される。
【0071】
被覆部41Fは、ティース部36の外端部から周方向一方側に突出する突出部35Tの対向面33F、及びティース部36の外端部から周方向他方側に突出する突出部35Tの対向面33Fのそれぞれを覆うように配置される。
【0072】
また、内側インシュレータ41は、連結部41Jを有する。連結部41Jは、軸方向に延伸する。連結部41Jは、被覆部41Cの径方向内側の端部と被覆部41Dの径方向内側の端部とを連結するように配置される。連結部41Jは、周方向に間隔をあけて6つ配置される。連結部41Jは、周方向に隣り合うコアセグメント33の間に配置される。連結部41Jの内面は、ロータ19に対向する。連結部41Jの内面は、周方向に隣り合う内面33Aの間に配置される。ステータコア30の内面39は、コアセグメント33の内面及び連結部41Jの内面を含む。
【0073】
図6に示すように、第1のコアセグメント33の側面33Iと、第1のコアセグメント33の隣の第2のコアセグメント33の側面33Jとの間に間隙43が設けられる。間隙43は、第1のコアセグメント33の対向面33Fを覆う被覆部41Fと、第2のコアセグメント33の対向面33Fを覆う被覆部41Fとの間に設けられる。間隙43は、第1のコアセグメント33の端面33Cを覆う被覆部41Cの径方向外側の端部と、第2のコアセグメント33の端面33Cを覆う被覆部41Cの径方向外側の端部との間に設けられる。間隙43は、第1のコアセグメント33の端面33Dを覆う被覆部41Dの径方向外側の端部と、第2のコアセグメント33の端面33Dを覆う被覆部41Dの径方向外側の端部との間に設けられる。
【0074】
コアセグメント33の内面33A、外面33B、側面33I、及び側面33Jのそれぞれには、内側インシュレータ41が配置されない。内面33A、外面33B、側面33I、及び側面33Jのそれぞれは、鋼板(鉄を主成分とする金属)の表面を含む。
【0075】
内側インシュレータ41は、被覆部41Dから径方向他方側に突出する突出部41Tを有する。周方向において、連結部41Jの中心の位置と、突出部41Tの中心の位置とは、一致する。突出部41Tは、周方向において間隔をあけて6つ設けられる。突出部41Tは、渡り線52を支持する。
【0076】
<外側部材>
図10は、実施形態に係る外側部材22を示す斜視図である。
図11は、実施形態に係る外側部材22を示す分解斜視図である。
図10及び
図11に示すように、外側部材22は、外側コア32と、外側コア32の表面の少なくとも一部を覆う外側インシュレータ42とを有する。
【0077】
外側コア32は、軸方向に積層された複数の鋼板を含む。鋼板は、鉄を主成分とする金属製の板である。複数の鋼板が積層されることにより、外側コア32が形成される。外側コア32は、回転軸AXの周囲に配置される。外側コア32は、筒状である。
【0078】
外側コア32は、円筒部37と、複数の突出部38とを有する。円筒部37は、円筒状である。円筒部37は、回転軸AXの周囲に配置される。複数の突出部38のそれぞれは、円筒部37の内面から径方向内側に突出する。複数の突出部38は、周方向に間隔をあけて配置される。実施形態において、突出部38は、周方向に等間隔に配置される。突出部38は、6つ設けられる。突出部38は、周方向に60[°]の間隔で配置される。円筒部37と突出部38とは、一体である。すなわち、円筒部37と突出部38とは、単一部材である。軸方向において、外側コア32の寸法は、一定である。
【0079】
外側コア32の表面は、径方向内側を向く内面32Aと、径方向外側を向く外面32Bと、軸方向一方側を向く端面32Cと、軸方向他方側を向く端面32Dとを含む。
【0080】
内面32Aは、円筒部37に配置される。内面32Aは、円筒部37の内面を含む。内面32Aは、内側部材21に対向する。回転軸AXと直交する面内において、内面32Aは、円弧状である。
【0081】
外面32Bは、円筒部37に配置される。外面32Bは、円筒部37の外面を含む。回転軸AXと直交する面内において、外面32Bは、円弧状である。
【0082】
端面32Cは、円筒部37の軸方向一方側の端面と、突出部38の軸方向一方側の端面とを含む。円筒部37の軸方向一方側の端面と、突出部38の軸方向一方側の端面とは、同一面内に配置される。端面32Cは、回転軸AXに直交する。
【0083】
端面32Dは、円筒部37の軸方向他方側の端面と、突出部38の軸方向他方側の端面とを含む。円筒部37の軸方向他方側の端面と、突出部38の軸方向他方側の端面とは、同一面内に配置される。端面32Dは、回転軸AXに直交する。
【0084】
また、外側コア32の表面は、突出部38に配置され径方向内側を向く内面32Eと、突出部38に配され周方向一方側を向く側面32Fと、突出部38に配置され周方向他方側を向く側面32Gとを含む。
【0085】
外側インシュレータ42は、絶縁材料製である。外側インシュレータ42は、合成樹脂製である。外側インシュレータ42は、外側コア32の表面の少なくとも一部を覆うように配置される。
【0086】
図10及び
図11に示すように、外側インシュレータ42は、端面32Cを覆う被覆部42Cと、端面32Dを覆う被覆部42Dと、対向面33Eを覆う被覆部42Eとを含む。
【0087】
被覆部42Cは、被覆部42Dよりも軸方向一方側に配置される。被覆部42Cと被覆部42Dとは、間隙を介して対向する。被覆部42Cと被覆部42Dとは、被覆部42Eを介して接続される。被覆部42Cと被覆部42Dと被覆部42Eとは、一体である。
【0088】
外側コア32の内面32A、外面32B、側面32F、及び側面32Gのそれぞれには、外側インシュレータ42が配置されない。内面32A、外面32B、側面32F、及び側面32Gは、鋼板(鉄を主成分とする金属)の表面を含む。
【0089】
内側部材21は、外側部材22の内側に配置される。外側部材22は、内側部材21の周囲に配置される。外側部材22の突出部38が内側部材21の間隙43に挿入されることにより、内側部材21と外側部材22とが連結される。内側部材21の側面33Iと外側部材22の側面32Gとが接触する。内側部材21の側面33Jと外側部材22の側面32Fとが接触する。
【0090】
[コイルユニット]
図12は、実施形態に係るコイルユニット50を示す上方からの斜視図である。
図13は、実施形態に係るコイルユニット50を示す下方からの斜視図である。
【0091】
コイルユニット50は、6つのコイル51と、1つのコイル51と他の1つのコイル51とを繋ぐ渡り線52とを有する。
【0092】
6つのコイル51は、U(W-U)相、V(U-V)相、W(V-W)相として接続される。U相、V相、W相のそれぞれに一対のコイル51が割り当てられる。
【0093】
6つのコイル51は、U相に割り当てられた一対のU相コイル51Uと、V相に割り当てられた一対のV相コイル51Vと、W相に割り当てられた一対のW相コイル51Wとを含む。
【0094】
一対のU相コイル51Uは、径方向に対向して配置される。一対のV相コイル51Vは、径方向に対向して配置される。一対のW相コイル51Wは、径方向に対向して配置される。
【0095】
渡り線52は、一対のU相コイル51Uを繋ぐ渡り線52Uと、一対のV相コイル51Vを繋ぐ渡り線52Vと、一対のW相コイル51Wを繋ぐ渡り線52Wとを含む。
【0096】
コイル51は、巻線機により形成される。巻線機は、ワイヤ53を巻くことにより、コイル51を形成する。ワイヤ53は、U相コイル51U及び渡り線52Uを形成するワイヤ53Uと、V相コイル51V及び渡り線52Vを形成するワイヤ53Vと、W相コイル51W及び渡り線52Wを形成するワイヤ53Wとを含む。
【0097】
U相コイル51U及び渡り線52Uは、単一のワイヤ53Uにより形成される。
図12に示すように、巻線機は、一方のU相コイル51Uを形成するために、巻き始め部分53USからワイヤ53Uを巻き始める。ワイヤ53Uが巻かれることにより、一方のU相コイル51Uが形成される。巻線機は、一方のU相コイル51Uを形成した後、他方のU相コイル51Uを形成するために、一方のU相コイル51Uに対向する位置において、ワイヤ53Uを巻き始める。ワイヤ53Uが巻かれることにより、他方のU相コイル51Uが形成される。
図12に示すように、巻線機は、巻き終り部分53UEにおいてワイヤ53Uを巻き終わる。渡り線52Uは、一方のU相コイル51Uと他方のU相コイル51Uとを繋ぐワイヤ53Uによって構成される。
【0098】
V相コイル51V及び渡り線52Vは、単一のワイヤ53Vにより形成される。
図12に示すように、巻線機は、巻き始め部分53VSからワイヤ53Vを巻き始めて、一方のV相コイル51Vを形成した後、一方のV相コイル51Vに対向する位置において、ワイヤ53Vを巻いて、他方のV相コイル51Vを形成する。巻線機は、巻き終り部分53VEにおいてワイヤ53Vを巻き終わる。渡り線52Vは、一方のV相コイル51Vと他方のV相コイル51Vとを繋ぐワイヤ53Vによって構成される。
【0099】
W相コイル51W及び渡り線52Wは、単一のワイヤ53Wにより形成される。
図12に示すように、巻線機は、巻き始め部分53WSからワイヤ53Wを巻き始めて、一方のW相コイル51Wを形成した後、一方のW相コイル51Wに対向する位置において、ワイヤ53Wを巻いて、他方のW相コイル51Wを形成する。巻線機は、巻き終り部分53WEにおいてワイヤ53Wを巻き終わる。渡り線52Wは、一方のW相コイル51Wと他方のW相コイル51Wとを繋ぐワイヤ53Wによって構成される。
【0100】
なお、実施形態において、巻線機は、2本のワイヤ53を同時に繰り出しながら、コイル51及び渡り線52を形成する。巻線機は、1本のワイヤ53を繰り出しながらコイル51及び渡り線52を形成してもよい。
【0101】
[端子ユニット]
図14は、実施形態に係る端子ユニット60を示す斜視図である。
図15は、実施形態に係る端子ユニット60を示す側面図である。
図16は、実施形態に係る端子ユニット60の内部構造を示す斜視図である。
図17は、実施形態に係る端子ユニット60を示す分解斜視図である。
【0102】
端子ユニット60は、支持部材61と、駆動電流が入力される外部端子62と、コイル51に接続されるヒュージング端子63と、外部端子62とヒュージング端子63とを接続する短絡部材64と、ロータ19の回転を検出する複数の回転検出素子65と、回転検出素子65の検出信号が出力される信号端子66と、回転検出素子65と信号端子66とを接続する信号線67とを有する。
【0103】
支持部材61は、絶縁材料製である。支持部材61は、合成樹脂製である。支持部材61は、ヒュージング端子63、短絡部材64、回転検出素子65、信号端子66、及び信号線77のそれぞれを支持する。支持部材61の少なくとも一部は、コイル51よりも径方向内側に配置される。支持部材61の少なくとも一部は、コイル51よりも径方向外側に配置される。
【0104】
支持部材61は、環状部611と、環状部611から径方向外側に突出する突出部612とを有する。環状部611は、開口613を有する。回転軸AXと直交する面内において、開口613は、実質的に円形である。
【0105】
環状部611は、プレート状である。環状部611は、軸方向一方側を向く端面611Aと、軸方向他方側を向く端面611Bと、径方向内側を向く内面611Cと、径方向外側を向く外面611Dとを有する。内面611Cは、開口613を規定する。内面611Cは、ロータ19に対向する。
【0106】
図15及び
図17に示すように、環状部611の厚さHaは、開口613の直径Dよりも小さい。厚さHaとは、軸方向における端面611Aと端面611Bとの距離をいう。
【0107】
環状部611は、内面611Cから径方向外側に凹む凹部68を有する。凹部68は、周方向に間隔をあけて6つ設けられる。複数の凹部68の内側のそれぞれに、ヒュージング端子63が配置される。
【0108】
環状部611は、端面611Aに設けられた凹部69を有する。凹部69は、周方向に間隔をあけて3つ設けられる。複数の凹部69のそれぞれに、回転検出素子65が配置される。
【0109】
突出部612は、環状部611の外面611Dから径方向外側に突出する。突出部612は、周方向に間隔をあけて6つ設けられる。突出部612は、第1突出部6121と、第2突出部6122と、第3突出部6123と、第4突出部6124と、第5突出部6125と、第6突出部6126とを含む。
【0110】
突出部612は、板状である。突出部612は、軸方向一方側を向く端面612Aと、軸方向他方側を向く端面612Bとを有する。
【0111】
図15及び
図17に示すように、突出部612の厚さHbは、環状部611の厚さHaよりも小さい。厚さHbとは、軸方向における端面612Aと端面612Bとの距離をいう。
【0112】
第1突出部6121、第2突出部6122、第3突出部6123のそれぞれは、外部端子62を支持する支持部70を有する。周方向において、第1突出部6121の隣に第2突出部6122が配置され、第2突出部6122の隣に第3突出部6123が配置される。支持部70は、ブロック状である。
図17に示すように、支持部70は、外部端子62の少なくとも一部が配置される孔71を有する。信号端子66は、第6突出部6126に配置される。
【0113】
外部端子62は、電源部に接続される。外部端子62は、コイル51よりも径方向外側に配置される。外部端子62は、短絡部材64に接続される。
【0114】
電源部からの駆動電流は、外部端子62に入力される。外部端子62は、U相駆動電流が入力されるU相外部端子62Uと、V相駆動電流が入力されるV相外部端子62Vと、W相駆動電流が入力されるW相外部端子62Wとを含む。
【0115】
外部端子62は、支持部材61に支持される。外部端子62は、突出部612に配置される。U相外部端子62Uは、第1突出部6121に配置される。V相外部端子62Vは、第2突出部6122に配置される。W相外部端子62Wは、第3突出部6123に配置される。
【0116】
ヒュージング端子63は、コイル51に接続される。ヒュージング端子63は、コイル51よりも径方向内側に配置される。実施形態において、ヒュージング端子63は、コイル51から径方向内側に突出するワイヤ53に接続される。ヒュージング端子63は、コイル51から径方向内側に突出するワイヤ53を介してコイル51に接続される。
【0117】
ヒュージング端子63は、支持部材61に支持される。ヒュージング端子63は、環状部611に配置される。ヒュージング端子63は、回転軸AXの周囲に複数配置される。軸方向において、複数のヒュージング端子63の位置は、実質的に等しい。
【0118】
ヒュージング端子63は、コイル51の数と同じ数だけ設けられる。実施形態において、ヒュージング端子63は、6つ設けられる。ヒュージング端子63は、一対のヒュージング端子63Uと、一対のヒュージング端子63Vと、一対のヒュージング端子63Wとを含む。
【0119】
短絡部材64は、支持部材61に支持される。短絡部材64は、外部端子62とヒュージング端子63とを接続する。短絡部材64の少なくとも一部は、コイル51よりも径方向内側に配置される。短絡部材64の少なくとも一部は、コイル51よりも径方向外側に配置される。ヒュージング端子63と短絡部材64とは、一体である。すなわち、ヒュージング端子63と短絡部材64とは、単一部材である。
【0120】
回転軸AXに直交する面内において、短絡部材64は、湾曲する。外部端子62に入力された駆動電流は、短絡部材64及びヒュージング端子63を介してコイル51に供給される。
【0121】
短絡部材64は、U相外部端子62Uと一対のヒュージング端子63Uのそれぞれとを接続する短絡部材64Uと、V相外部端子62Vと一対のヒュージング端子63Vのそれぞれとを接続する短絡部材64Vと、W相外部端子62Wと一対のヒュージング端子63Wのそれぞれとを接続する短絡部材64Wとを含む。ヒュージング端子63Uと短絡部材64Uとは、単一部材である。ヒュージング端子63Vと短絡部材64Vとは、単一部材である。ヒュージング端子63Wと短絡部材64Wとは、単一部材である。
【0122】
U相外部端子62Uは、短絡部材64Uの一端部に配置される。一方のヒュージング端子63Uは、短絡部材64Uの他端部に配置される。他方のヒュージング端子63Uは、短絡部材64Uの中間部に配置される。短絡部材64Uの中間部とは、短絡部材64Uの一端部と他端部との間の部位をいう。
【0123】
V相外部端子62Vは、短絡部材64Vの一端部に配置される。一方のヒュージング端子63Vは、短絡部材64Vの他端部に配置される。他方のヒュージング端子63Vは、短絡部材64Vの中間部に配置される。短絡部材64Vの中間部とは、短絡部材64Vの一端部と他端部との間の部位をいう。
【0124】
W相外部端子62Wは、短絡部材64Wの一端部に配置される。一方のヒュージング端子63Wは、短絡部材64Wの他端部に配置される。他方のヒュージング端子63Wは、短絡部材64Wの中間部に配置される。短絡部材64Wの中間部とは、短絡部材64Wの一端部と他端部との間の部位をいう。
【0125】
回転検出素子65は、支持部材61に支持される。回転検出素子65は、環状部611に配置される。回転検出素子65は、ロータ19に設けられている永久磁石の位置を検出することによって、回転方向におけるロータ19の位置を検出する。回転検出素子65は、ホール素子を含む。回転検出素子65は、3つ設けられる。回転検出素子65は、コイル51よりも径方向内側に配置される。回転検出素子65の検出信号は、信号線67及び信号端子66を介して、コントローラ18に出力される。コントローラ18は、回転検出素子65の検出信号に基づいて、コイル51に駆動電流を供給する。
【0126】
信号端子66は、支持部材61に支持される。信号端子66は、コイル51よりも径方向外側に配置される。信号端子66は、信号線67を介して回転検出素子65に接続される。信号線67の少なくとも一部は、コイル51よりも径方向内側に配置される。信号線67の少なくとも一部は、コイル51よりも径方向外側に配置される。
【0127】
短絡部材64の少なくとも一部は、支持部材61の内部に配置される。信号線67の少なくとも一部は、支持部材61の内部に配置される。短絡部材64及び信号線67のそれぞれは、合成樹脂でモールドされる。端子ユニット60は、成型回路部品(MID:Molded Interconnect Device)を含む。短絡部材64及び信号線67のそれぞれが合成樹脂でモールドされることにより、短絡部材64の少なくとも一部及び信号線67の少なくとも一部が支持部材61の内部に配置される。
【0128】
図18は、実施形態に係るヒュージング端子63を示す斜視図である。
図18に示すように、ヒュージング端子63は、ベース部631と、接続部632と、第1プレート部
633と、湾曲部634と、第2プレート部635とを有する。
【0129】
ベース部631は、短絡部材64に接続される。なお、ベース部631は、短絡部材64の少なくとも一部とみなされてもよい。
【0130】
第1プレート部633は、ベース部631よりも軸方向一方側に配置される。第2プレート部635は、第1プレート部633よりも軸方向一方側に配置される。
【0131】
接続部632は、ベース部631の径方向内側の端部と第1プレート部633の径方向内側の端部とを結ぶ。
【0132】
湾曲部634は、第1プレート部633の径方向外側の端部と第2プレート部635の径方向外側の端部とを結ぶ。
【0133】
ヒュージング端子63において、第1プレート部633の径方向内側の端部と第2プレート部635の径方向内側の端部との間に開口636が規定される。ワイヤ53は、開口636を通過可能である。ワイヤ53は、第1プレート部633と第2プレート部635との間に配置された状態で、ヒュージング端子63に接続される。
【0134】
[コイルとヒュージング端子との関係]
図19は、実施形態に係るコイル51とヒュージング端子63との関係を示す斜視図である。ヒュージング端子63は、ヒュージング端子63Uと、ヒュージング端子63Vと、ヒュージング端子63Wとを含む。ヒュージング端子63Uは、2つ設けられる。ヒュージング端子63Vは、2つ設けられる。ヒュージング端子63Wは、2つ設けられる。
【0135】
ヒュージング端子63Uは、周方向において隣り合うW相コイル51W及びU相コイル51Uのそれぞれに接続される。ヒュージング端子63Vは、周方向において隣り合うU相コイル51U及びV相コイル51Vのそれぞれに接続される。ヒュージング端子63Wは、周方向において隣り合うV相コイル51V及びW相コイル51Wのそれぞれに接続される。
【0136】
短絡部材64Uは、2つのヒュージング端子63Uを接続する。短絡部材64Vは、2つのヒュージング端子63Vを接続する。短絡部材64Wは、2つのヒュージング端子63Wを接続する。
【0137】
U相コイル51Uは、2つ設けられる。一方のU相コイル51Uにヒュージング端子63Uが接続される。他方のU相コイル51Uにヒュージング端子63Vが接続される。
【0138】
V相コイル51Vは、2つ設けられる。一方のV相コイル51Vにヒュージング端子63Vが接続される。他方のV相コイル51Vにヒュージング端子63Wが接続される。
【0139】
W相コイル51Wは、2つ設けられる。一方のW相コイル51Wにヒュージング端子63Wが接続される。他方のW相コイル51Wにヒュージング端子63Uが接続される。
【0140】
一方のヒュージング端子63Uは、W相コイル51Wから径方向内側に突出するワイヤ53Wに接続される。他方のヒュージング端子63Uは、U相コイル51Uから径方向内側に突出するワイヤ53Uに接続される。
【0141】
一方のヒュージング端子63Vは、U相コイル51Uから径方向内側に突出するワイヤ53Uに接続される。他方のヒュージング端子63Vは、V相コイル51Vから径方向内側に突出するワイヤ53Vに接続される。
【0142】
一方のヒュージング端子63Wは、V相コイル51Vから径方向内側に突出するワイヤ53Vに接続される。他方のヒュージング端子63Wは、W相コイル51Wから径方向内側に突出するワイヤ53Wに接続される。
【0143】
2つのU相コイル51Uは、渡り線52Uを介して接続される。
【0144】
2つのV相コイル51Vは、渡り線52Vを介して接続される。
【0145】
2つのW相コイル51Wは、渡り線52Wを介して接続される。
【0146】
図20、
図21、及び
図22のそれぞれは、実施形態に係る駆動電流の流通状態の一例を模式的に示す図である。
【0147】
図20に示すように、U相外部端子62UにU相駆動電流が入力されると、U相駆動電流は、短絡部材64U及びヒュージング端子63Uを介して、一方のW相コイル51W及び一方のU相コイル51Uのそれぞれに供給される。一方のW相コイル51W及び一方のU相コイル51Uのそれぞれは、例えばN極に励磁される。一方のW相コイル51Wを流通したU相駆動電流は、渡り線52Wを介して、他方のW相コイル51Wに供給される。一方のU相コイル51Uを流通したU相駆動電流は、渡り線52Uを介して、他方のU相コイル51Uに供給される。他方のW相コイル51W及び他方のU相コイル51Uのそれぞれは、例えばS極に励磁される。他方のW相コイル51Wを流通したW相駆動電流は、W相外部端子62Wから出力される。他方のU相コイル51Uを流通したU相駆動電流は、V相外部端子62Vから出力される。
【0148】
図21に示すように、V相外部端子62VにV相駆動電流が入力されると、V相駆動電流は、短絡部材64V及びヒュージング端子63Vを介して、一方のU相コイル51U及び一方のV相コイル51Vのそれぞれに供給される。一方のU相コイル51U及び一方のV相コイル51Vのそれぞれは、例えばN極に励磁される。一方のU相コイル51Uを流通したV相駆動電流は、渡り線52Uを介して、他方のU相コイル51Uに供給される。一方のV相コイル51Vを流通したV相駆動電流は、渡り線52Vを介して、他方のV相コイル51Vに供給される。他方のU相コイル51U及び他方のV相コイル51Vのそれぞれは、例えばS極に励磁される。他方のU相コイル51Uを流通したV相駆動電流は、U相外部端子62Uから出力される。他方のV相コイル51Vを流通したV相駆動電流は、W相外部端子62Wから出力される。
【0149】
図22に示すように、W相外部端子62WにW相駆動電流が入力されると、W相駆動電流は、短絡部材64W及びヒュージング端子63Wを介して、一方のV相コイル51V及び一方のW相コイル51Wのそれぞれに供給される。一方のV相コイル51V及び一方のW相コイル51Wのそれぞれは、例えばN極に励磁される。一方のV相コイル51Vを流通したW相駆動電流は、渡り線52Vを介して、他方のV相コイル51Vに供給される。一方のW相コイル51Wを流通したW相駆動電流は、渡り線52Wを介して、他方のW相コイル51Wに供給される。他方のV相コイル51V及び他方のW相コイル51Wのそれぞれは、例えばS極に励磁される。他方のV相コイル51Vを流通したW相駆動電流は、V相外部端子62Vから出力される。他方のW相コイル51Wを流通したW相駆動電流は、U相外部端子62Uから出力される。
【0150】
[ステータの組立方法]
次に、実施形態に係るステータ20の組立方法について説明する。
図23から
図27のそれぞれは、実施形態に係るステータ20の組立方法を説明するための図である。
【0151】
図23に示すように、内側コア31及び内側インシュレータ41を含む内側部材21の軸方向一方側に端子ユニット60が配置される。支持部材61は、内側コア31の軸方向一方側に配置される。支持部材61は、内側インシュレータ41を介して、内側コア31に支持される。
【0152】
軸方向において、支持部材61の突出部612がティース部36に隣り合うように配置される。すなわち、周方向において、突出部612の位置とティース部36の位置とが一致するように、内側部材21の軸方向一方側に端子ユニット60が配置される。
【0153】
図23に示すように、支持部材61の少なくとも一部は、ステータコア30の内面39よりも径方向内側に配置される。ステータコア30の内面39は、内側コア31の内面を含む。内側コア31の内面は、コアセグメント33の内面33A及び連結部41Jの内面を含む。
【0154】
実施形態において、支持部材61の環状部611の少なくとも一部が、ステータコア30の内面39よりも径方向内側に配置される。すなわち、径方向において、環状部611の内面611Cと回転軸AXとの距離は、ステータコア30の内面39と回転軸AXとの距離よりも短い。
【0155】
また、ヒュージング端子63の少なくとも一部は、ステータコア30の内面39よりも径方向内側に配置される。
【0156】
図24に示すように、内側部材21の軸方向一方側に端子ユニット60が配置された後、コイル51が巻かれる。コイル51は、支持部材61の少なくとも一部を巻くように配置される。コイル51は、ティース部36及び突出部612を巻くように配置される。
【0157】
コイル51は、環状部611よりも径方向外側において、ティース部36及び突出部612を巻くように配置される。環状部611は、コイル51よりも径方向内側に配置される。
【0158】
コイル51は、巻線機により巻かれる。コイル51は、規定の巻き付け方式でティース部36及び突出部612の周囲に巻かれる。コイル51の巻き付け方式として、ノズル方式又はフライヤー方式が例示される。巻線機は、ワイヤ53を送出可能なノズルを有する。ノズル方式でコイル51をティース部36及び突出部612に巻き付ける場合、ノズルが、間隙43を介して隣り合うティース部36及び突出部612の間に入り込み、ワイヤ53を送出しながらティース部36及び突出部612の周囲を周回する。ノズルからワイヤ53が送出された状態で、ノズルがティース部36及び突出部612の周囲を周回することにより、コイル51がティース部36及び突出部612の周囲に設けられる。コイル51とティース部36を含む内側コア31とは、内側インシュレータ41により電気的に絶縁される。
【0159】
なお、巻き付け方式は、ノズル方式及びフライヤー方式に限定されない。
【0160】
図25に示すように、複数のコイル51を接続する渡り線52が、内側インシュレータ41の突出部41Tの周囲に配置される。突出部41Tは、被覆部41Dから軸方向他方側に突出する。渡り線52は、突出部41Tを巻くように配置される。複数の渡り線52は、例えば軸方向に積層される。
【0161】
図26に示すように、コイル51が巻かれた後、ヒュージング装置100により、ワイヤ53とヒュージング端子63とが接続される。ヒュージング端子63の第1プレート部633と第2プレート部635との間にワイヤ53が配置される。ワイヤ53は、開口636を介して、第1プレート部633と第2プレート部635との間に挿入される。
【0162】
ヒュージング装置100は、第1電極101と第2電極102とを有する。第1電極101は、ヒュージング端子63の上方に配置される。第2電極102は、ヒュージング端子63の下方に配置される。ヒュージング端子63は、ステータコア30の内面39よりも径方向内側に配置される。そのため、ヒュージング装置100は、ステータコア30の内側に配置された第2電極102を、ヒュージング端子63の下方に配置することができる。
【0163】
ヒュージング装置100は、ワイヤ53が第1プレート部633と第2プレート部635との間に配置された状態で、第1プレート部633と第2プレート部635とが接近するように、第1電極101及び第2電極102でヒュージング端子63を押圧する。また、ヒュージング装置100は、第1電極101及び第2電極102でヒュージング端子63を押圧しながら、ヒュージング端子63を加熱する。これにより、ワイヤ53とヒュージング端子63とは、ヒュージングにより接続される。
【0164】
ヒュージング装置100は、ヒュージング端子63の数と同じ数の第1電極101を有する。ヒュージング装置100は、ヒュージング端子63の数と同じ数の第2電極102を有する。複数のヒュージング端子63のそれぞれの上方に、第1電極101が配置される。複数のヒュージング端子63のそれぞれの下方に、第2電極102が配置される。軸方向において、複数のヒュージング端子63の位置は等しい。ヒュージング装置100は、複数のヒュージング端子63とワイヤ53との接続を同時に実施することができる。
【0165】
図27に示すように、コイル51及び端子ユニット60が装着された内側部材21が、外側部材22に軸方向に圧入されることにより、内側部材21と外側部材22とが連結される。外側部材22の突出部38が内側部材21の間隙43に嵌るように、内側部材21が外側部材22に圧入される。これにより、ステータ20が形成される。
【0166】
なお、内側部材21と外側部材22とは、圧入により固定されてもよいし、溶接により固定されてもよいし、ボルトにより固定されてもよい。
【0167】
[効果]
以上説明したように、実施形態によれば、コイル51に接続されるヒュージング端子63が、コイル51よりも径方向内側に配置される。そのため、ステータ20の径方向の寸法は小さくなる。これにより、モータ8の小型化を図ることができる。したがって、電動工具1の小型化が図れる。
【0168】
ヒュージング端子63の少なくとも一部は、ステータコア30の内面39よりも径方向内側に配置される。従来において、ステータコアの内側の空間はデッドスペースである場合が多い。実施形態によれば、ヒュージング端子63の少なくとも一部がステータコア30の内面39よりも径方向内側に配置される。実施形態によれば、デッドスペースが有効に活用され、モータ8の小型化が図れる。
【0169】
ヒュージング端子63は、コイル51から径方向内側に突出するワイヤ53を介してコイル51に接続される。これにより、コイル51よりも径方向内側に配置されたヒュージング端子63とコイル51とは円滑に接続される。
【0170】
ヒュージング端子63は、第1プレート部633と、第1プレート部633よりも軸方向一方側に配置される第2プレート部635と、第1プレート部633の径方向外側の端部と第2プレート部635の径方向外側の端部とを結ぶ湾曲部634と、第1プレート部633の径方向内側の端部と第2プレート部635の径方向内側の端部との間に規定される開口636とを含む。ワイヤ53は、開口636を介して、第1プレート部633と第2プレート部635との間に挿入される。これにより、ヒュージング装置100は、ワイヤ53が第1プレート部633と第2プレート部635との間に配置された状態で、軸方向に配置された第1電極101及び第2電極102を用いて、ヒュージング端子63を押圧しながら加熱することができる。
【0171】
ヒュージング端子63は、回転軸AXの周囲に複数配置される。軸方向において、複数のヒュージング端子63の位置は等しい。これにより、ヒュージング装置100は、複数のヒュージング端子63とワイヤ53との接続を同時に実施することができる。
【0172】
支持部材61の少なくとも一部は、コイル51よりも径方向内側に配置される。そのため、支持部材61は、ヒュージング端子63を適正に支持することができる。また、支持部材61の少なくとも一部がコイル51よりも径方向内側に配置されるため、ステータ20の径方向の寸法は小さくなる。これにより、モータ8の小型化を図ることができる。
【0173】
支持部材61の少なくとも一部は、ステータコア30の内面39よりも径方向内側に配置される。これにより、デッドスペースが有効に活用され、モータ8の小型化が図れる。
【0174】
支持部材61は、ステータコア30の軸方向一方側に配置され、ステータコア30に支持される。これにより、ステータ20の軸方向の寸法は小さくなる。そのため、モータ8の小型化を図ることができる。
【0175】
コイル51は、支持部材61の少なくとも一部を巻くように配置される。実施形態において、コイル51は、ティース部36及び突出部612を巻くように配置される。端子ユニット60とステータコア30とは、コイル51により固定される。また、ステータ20の軸方向の寸法は小さくなる。
【0176】
支持部材61は、ヒュージング端子63のみならず、短絡部材64も支持する。そのため、ステータ20の小型化を図ることができる。
【0177】
ヒュージング端子63と短絡部材64とは、一体である。そのため、端子ユニット60の製造工程は簡略化される。また、短絡部材64の少なくとも一部及び信号線67の少なくとも一部は、支持部材61の内部に配置される。端子ユニット60は、成型回路部品(MID:Molded Interconnect Device)を含む。そのため、端子ユニット60の小型化を図ることができる。
【0178】
短絡部材64の少なくとも一部は、コイル51よりも径方向内側に配置され、ヒュージング端子63に結ばれる。短絡部材64の少なくとも一部は、コイル51よりも径方向外側に配置され、外部端子62に結ばれる。ヒュージング端子63と外部端子62と短絡部材64の少なくとも一部とは、回転軸AXと直交する面内に配置される。そのため、端子ユニット60の軸方向の寸法は小さくなる。
【0179】
支持部材61は、ヒュージング端子63及び短絡部材64のみならず、回転検出素子65も支持する。そのため、ステータ20の小型化を図ることができる。
【0180】
軸方向において、支持部材61を含む端子ユニット60は、コイル51の中心とコイル51の一方側の端部との間に配置される。すなわち、端子ユニット60は、コイル51の軸方向一方側の端部に近い位置において、コイル51から軸方向にはみ出さないように配置される。そのため、ステータ20の軸方向の寸法は小さくなる。
【0181】
軸方向において、渡り線52は、コイル51の中心とコイル51の他方側の端部との間に配置される。すなわち、渡り線52は、コイル51の軸方向他方側の端部に近い位置において、コイル51から軸方向にはみ出さないように配置される。そのため、ステータ20の軸方向の寸法は小さくなる。
【0182】
ステータ20は、コイル51が巻かれる内側部材21と、内側部材21の周囲に配置される外側部材22とを有する。内側部材21は、コイル51が巻かれるティース部36をそれぞれ有する複数のコアセグメント33と、複数のコアセグメント33を連結する内側インシュレータ41と、を含む。複数のコアセグメント33が内側インシュレータ41により連結されるので、複数のティース部36の相対位置のずれが抑制される。
【0183】
ティース部36及び突出部612にコイル51を巻くとき、間隙43を介して隣り合うティース部36及び突出部612の間にノズルが入り込み、ティース部36及び突出部612の周囲を周回する。隣り合うティース部36及び突出部612の間隔が大きいので、ノズルが移動する空間が十分に確保される。そのため、コイル51をティース部36及び突出部612に巻く作業が効率良く実施される。また、コイル51は、整列した状態でティース部36及び突出部612に適正に巻かれる。そのため、コイル51の占積率は向上する。
【0184】
内側部材21は、外側部材22の突出部38が嵌る間隙43を有する。これにより、内側部材21と外側部材22とは高精度に位置決めされ、適正に連結される。
【0185】
渡り線52は、内側インシュレータ41の突出部41Tの周囲に配置される。これにより、渡り線52は、効率良く配置される。
【0186】
[その他の実施形態]
なお、上述の実施形態においては、電動工具1が震動ドライバドリルであることとした。電動工具1は、震動ドライバドリルに限定されない。電動工具1として、ドライバドリル、アングルドリル、インパクトドライバ、グラインダ、ハンマ、ハンマドリル、マルノコ、及びレシプロソーが例示される。
【0187】
上述の実施形態においては、電動作業機が電動工具であることとした。電動作業機は、電動工具に限定されない。電動作業機として、園芸工具が例示される。園芸工具として、チェーンソー、ヘッジトリマ、芝刈り機、草刈機、及びブロワが例示される。
【0188】
上述の実施形態においては、電動作業機の電源としてバッテリ装着部7に装着されるバッテリパック11が使用されることとした。電動作業機の電源として、商用電源(交流電源)が使用されてもよい。
【符号の説明】
【0189】
1…電動工具(電動作業機)、2…グリップハウジング、3…本体ハウジング、3A…吸気口、3B…排気口、4…モータハウジング、5…ギヤハウジング、6…出力軸、7…バッテリ装着部、8…モータ、9…リヤカバー、10…動力伝達機構、11…バッテリパック、12…トリガスイッチ、13…正逆切換レバー、14…速度切換レバー、15…モードチェンジリング、16…チェンジリング、17…ライト、18…コントローラ、19…ロータ、19S…ロータシャフト、20…ステータ、21…内側部材、22…外側部材、30…ステータコア、31…内側コア、32…外側コア、32A…内面、32B…外面、32C…端面、32D…端面、32E…内面、32F…側面、32G…側面、33…コアセグメント、33A…内面、33B…外面、33C…端面、33D…端面、33E…対向面、33F…対向面、33G…側面、33H…側面、33I…側面、33J…側面、34…内壁部、34T…突出部、35…外壁部、35T…突出部、36…ティース部、37…円筒部、38…突出部、39…内面、40…インシュレータ、41…内側インシュレータ、41C…被覆部、41D…被覆部、41E…被覆部、41F…被覆部、41G…被覆部、41H…被覆部、41J…連結部、41S…空間、41T…突出部、42…外側インシュレータ、42C…被覆部、42D…被覆部、42E…被覆部、43…間隙、50…コイルユニット、51…コイル、51U…U相コイル、51V…V相コイル、51W…W相コイル、52…渡り線、52U…渡り線、52V…渡り線、52W…渡り線、53…ワイヤ、53U…ワイヤ、53UE…巻き終り部分、53US…巻き始め部分、53V…ワイヤ、53VE…巻き終り部分、53VS…巻き始め部分、53W…ワイヤ、53WE…巻き終り部分、53WS…巻き始め部分、60…端子ユニット、61…支持部材、62…外部端子、62U…U相外部端子、62V…V相外部端子、62W…W相外部端子、63…ヒュージング端子、63U…ヒュージング端子、63V…ヒュージング端子、63W…ヒュージング端子、64…短絡部材、64U…短絡部材、64V…短絡部材、64W…短絡部材、65…回転検出素子、66…信号端子、67…信号線、68…凹部、69…凹部、70…支持部、71…孔、100…ヒュージング装置、101…第1電極、102…第2電極、611…環状部、611A…端面、611B…端面、611C…内面、611D…外面、612…突出部、612A…端面、612B…端面、613…開口、631…ベース部、632…接続部、633…第1プレート部、634…湾曲部、635…第2プレート部、636…開口、6121…第1突出部、6122…第2突出部、6123…第3突出部、6124…第4突出部、6125…第5突出部、6126…第6突出部。