(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083476
(43)【公開日】2024-06-21
(54)【発明の名称】糖尿病性末梢神経障害のための医薬
(51)【国際特許分類】
A61K 31/551 20060101AFI20240614BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20240614BHJP
A61P 25/02 20060101ALI20240614BHJP
A61P 3/10 20060101ALN20240614BHJP
【FI】
A61K31/551
A61P29/00
A61P25/02
A61P3/10
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024061416
(22)【出願日】2024-04-05
(62)【分割の表示】P 2020541228の分割
【原出願日】2019-09-03
(31)【優先権主張番号】P 2018164392
(32)【優先日】2018-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000228590
【氏名又は名称】日本ケミファ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100153763
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 広之
(74)【代理人】
【識別番号】100189337
【弁理士】
【氏名又は名称】宮本 龍
(72)【発明者】
【氏名】今井 利安
(57)【要約】
【課題】糖尿病性末梢神経障害の予防及び/又は治療のための医薬を提供する。
【解決手段】5-[4-(2-ヨードベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、糖尿病性末梢神経障害に起因した痛みの予防又は治療のための医薬に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
5-[4-(2-ヨードベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、糖尿病性末梢神経障害に起因した痛みの予防又は治療のための医薬。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糖尿病性末梢神経障害に対する予防又は治療剤に関する。
本願は、2018年9月3日に、日本に出願された特願2018-164392号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病神経障害は、「糖尿病網膜症」「糖尿病腎症」と並ぶ糖尿病の3大合併症といわれているものであり、この内、末梢神経が何らかの損傷等を受けている糖尿病神経障害のことを糖尿病性末梢神経障害という。
糖尿病性末梢神経障害は四肢のしびれ、痛み、温感異常、感覚鈍麻などを症状とする多発性神経障害と、発汗異常、便通異常などを呈する自律神経障害、及び顔面神経麻痺や外眼筋麻痺など脳神経に異常が現れる単一性神経障害等に分類される。この内、多発性神経障害と自律神経障害はポリオール代謝異常によって起こり、両者を総称して広範性対称性神経障害とも呼ばれる。また、単一性神経障害は血管閉塞によって起こるとされている。
【0003】
この中でも最も初期に発症するとされる多発性神経障害における四肢の痛みは、末梢神経系あるいは中枢神経系そのものの機能異常や障害により生じるとされる神経障害性疼痛に分類され、触刺激を痛みとして誤認してしまうアロディニアや痛覚過敏などを主症状としている。
また、多発性神経障害は糖尿病性神経障害の中で最も多いものであり、身体の複数の領域に症状が現れる。感覚神経や運動神経の障害によって起こるもので、感覚神経障害の場合には、異常感覚(痛覚過敏、感覚鈍麻、しびれ(じんじんする感じを含む)、冷感、灼熱感、蟻走感(虫が這っている感覚)等)や、痛み(坐骨神経痛、三叉神経痛、肋間神経痛又は四肢の痛みに係る神経痛等)が生じる。痛みはしびれを伴い「じんじんとした痛み」と表現され、夜間に増強することが多い。手足の末端、ちょうど靴下や手袋で覆われる部分の痛みやしびれ、足の裏に薄紙が張り付いたように感じる感覚の鈍麻から症状が始まる(手袋・靴下型)。その後足先から膝へ、手先から肘へと、身体の中心に向かって、症状が広がっていく。また前記痛みは、神経障害性疼痛による痛みでもある。運動神経の障害は感覚障害よりも遅れて出現し、筋力が低下し、筋肉が萎縮する。具体的には、臀部、大腿部の筋肉の萎縮や筋力が低下を呈し、疼痛を伴うことなどが挙げられる。
【0004】
痛み刺激は、皮膚知覚神経の自由終末に存在する侵害受容器によって受容され、末梢の一次求心性C線維又はAδ線維を介して脊髄後角へ伝達される。そして痛覚情報はさらに二次ニューロンを介して上位中枢へと伝達され、最終的に大脳辺縁系や大脳皮質に到達し、痛みとして認識される。近年、脊髄後角に存在するグリア細胞の一つであるミクログリアが痛覚伝達に重要な役割を果たしているという知見が注目をあつめ、脊髄神経損傷による神経障害性疼痛モデルにおいて、脊髄後角においてミクログリアが活性化を示し、その活性化したミクログリア特異的にATP受容体の一つであるP2X4受容体が著しい発現上昇を示すことが明らかとなり、神経障害性疼痛の発症に極めて重要な役割を果たしていることが明らかとなっている。ATP受容体はイオンチャネル型ATP受容体(P2X)とGタンパク質共役型ATP受容体(P2Y)とに大別され、それぞれの7種類(P2X1-7)、8種類(P2Y1,2,4,6,11-14)のサブタイプの存在が明らかになっている。
これまで、糖尿病性末梢神経障害にP2X4受容体が関与するという知見は得られていない。
【0005】
(P2X4受容体の関与以外の神経障害性疼痛の治療薬)
非特許文献1によれば、現在、神経障害性疼痛の第一選択薬として、カルシウムチャネルのα2δリガンドであるプレガバリン、ガバペンチン、三環系抗うつ薬であるアミトリプチリン、ノルトリプチリン及びイミプラミン及びセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬であるデュロキセチンが存在することが示されている。
【0006】
しかしながら上記既存薬は、P2X4受容体アンタゴニスト作用とは作用機序が異なるものである。また、上記既存薬には、眠気やふらつきなどの副作用が知られ、慎重な投与が必要な点で課題がある。
【0007】
プレガバリンは、中枢神経系において、電位依存性カルシウムチャネルのα2δサブユニットと結合することにより興奮性神経伝達物質の遊離を抑制する。帯状疱疹後神経痛、糖尿病性神経障害に伴う痛みやしびれ、脊髄損傷後疼痛に対して、プラセボに比べ有意な鎮痛効果があり、睡眠の質や痛みに伴う抑うつ、不安も改善することが示されている。
しかし一方で、プレガバリンは、眠気やふらつき、浮動性めまいなどの副作用があり、慎重な漸増が必要である。また、腎機能低下患者には投与量を減量する必要がある。プレガバリンの初期用量は、添付文書上は150mg/日を朝・夕食後2回投与から開始することにはなっているが、高齢者や副作用軽減を考慮して25~75mg/日就寝前1回投与から開始することもある。
【0008】
またカルシウムチャネルのα2δリガンドであるガバペンチンにおいても、プレガバリンと同様に、眠気やふらつきなどの副作用があり、慎重な斬増が必要である。
【0009】
また非特許文献1には、三環系抗うつ薬は、非常に多岐にわたる末梢性や中枢神経障害性疼痛に対し、プラセボに比して有意な鎮痛効果があることが記載されている。
例えば、アミトリプチリンの神経障害性疼痛に対する鎮痛効果は、帯状疱疹後神経痛、糖尿病性神経障害による痛みやしびれ、外傷性神経損傷、脳卒中のような様々な疾患・病態に使われ、前記痛みやしびれに対する鎮痛効果はほぼ同程度である。
しかしながら三環系抗うつ薬は、高齢患者の場合には転倒や心突然死の発症が増加することが報告されており、低用量から開始し、慎重に使用するべきである。
【0010】
また、デュロキセチンはセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)の一つで、三環系抗うつ薬に比して安全に使用しやすく、心疾患のある患者ではより良い選択肢とされる。また糖尿病性神経障害による痛みやしびれを対象とする臨床試験で、プラセボに比して鎮痛効果が確認されている。
しかし非特許文献2においては、デュロキセチンは、自殺念慮、自殺企図があらわれることや、投与中止(特に突然の中止)により浮動性めまい、頭痛、悪心といった副作用が報告されており、慎重な投与が必要である。
【0011】
以上のとおり、非特許文献1又は2から既知のP2X4受容体の関与以外の神経障害性疼痛の治療薬は、糖尿病性神経障害の治療薬としても使用され得るものであるが、なんらかの副作用を起こし得ることが知られ、慎重な投与を要する点で課題がある。
【0012】
特許文献1においては、P2X4受容体アンタゴニストが糖尿病性神経痛に使用可能である旨の記載がある。
しかしながら、特許文献1において実施例に記載のある化合物は、例えば、ParoxetineやFloxetine等の選択的セロトニン再取り込み阻害剤であり、ベンゾジアゼピン誘導体化合物である本願化合物とは全く異なる構造である。また、糖尿病性神経障害性疼痛のモデル動物等による実施はなされておらず、神経損傷(L5脊髄神経損傷モデル)を施した神経因性疼痛病態モデルを用いた実験結果のみが示され、P2X4受容体アンタゴニストに糖尿病性神経障害の治療効果があることは判っていなかった。
【0013】
また特許文献2においても、P2X4受容体拮抗作用を示す化合物が、糖尿病の神経障害に伴う痛みの予防又は治療剤として有用であるとの記載があるが、特許文献1と同様に、神経因性疼痛モデルによる効果が示されているだけであり、糖尿病性神経障害の治療効果があることは不明であった。
【0014】
本願出願人は、その他にP2X4受容体拮抗剤に関する特許出願を特許文献3乃至9のとおり行っているが、いずれの出願も、糖尿病性神経障害の治療効果があることは不明である。一方、特許文献7には、P2X4受容体の働きを阻害する物質が、侵害受容性疼痛、炎症性疼痛及び神経因性疼痛における痛みの予防又は治療剤として有用であることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】国際公開2008/020651
【特許文献2】国際公開2010/093061
【特許文献3】国際公開2008/023847
【特許文献4】国際公開2012/008478
【特許文献5】国際公開2012/014910
【特許文献6】国際公開2012/017876
【特許文献7】国際公開2013/105608
【特許文献8】国際公開2015/005468
【特許文献9】国際公開2015/005467
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン 改訂第2版(2016年6月30日 第2版第1刷発行)
【非特許文献2】デュロキセチン塩酸塩カプセル サインバルタ医薬品インタビューフォーム2017年1月改定(改定第11版)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の課題は、侵害受容性疼痛、炎症性疼痛又は神経因性疼痛における痛みの予防又は治療のための医薬であって、中枢神経系に起因する副作用の少ない、慎重投与に依らずに予防又は治療することが可能な医薬を提供することにある。より具体的には、侵害受容性疼痛、炎症性疼痛又は神経因性疼痛における痛みの予防又は治療のための医薬であって、運転若しくは機械操作能力に対する影響が認められないか、自動車運転能力に対する影響が認められないか、自動車運転を含む危険を伴う機械の操作に従事する患者にも投与の制限が不要であるか、又は自動車運転を含む危険を伴う機械の操作に従事する患者にも投与できる、前記医薬を提供することにある。
本発明の別の課題は、糖尿病性末梢神経障害に起因する痛み、特に四肢の痛みに対する予防又は治療のための医薬を提供することにある。
また、糖尿病性末梢神経障害に起因する痛み、特に四肢の痛みに対する予防又は治療において、P2X4受容体拮抗剤を用いることにより、中枢神経系に起因する副作用の少ない、慎重投与に依らずに予防又は治療することが可能な医薬を提供することにある。すなわち、本発明の更に別の課題は、糖尿病性末梢神経障害に起因する痛み、特に四肢の痛みに対する予防又は治療のための医薬であって、運転若しくは機械操作能力に対する影響が認められないか、自動車運転能力に対する影響が認められないか、自動車運転を含む危険を伴う機械の操作に従事する患者にも投与の制限が不要であるか、又は自動車運転を含む危険を伴う機械の操作に従事する患者にも投与できる、前記医薬を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
そこで本発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、P2X4受容体アンタゴニスト作用を有する一般式(I)及び/又は(II)で表される化合物が、協調運動能への影響が少ないことを見出した。そして、前記化合物が、運転若しくは機械操作能力に対する影響が認められないか、自動車運転能力に対する影響が認められないか、自動車運転を含む危険を伴う機械の操作に従事する患者にも投与の制限が不要であるか、又は自動車運転を含む危険を伴う機械の操作に従事する患者にも投与できる、侵害受容性疼痛、炎症性疼痛又は神経因性疼痛における痛みの予防又は治療のために有用であること、また、糖尿病性末梢神経障害に起因する痛み、特に四肢の痛みに対する予防又は治療に有用であることを見出し、本発明を完成させた。
【0019】
すなわち、本発明により、侵害受容性疼痛、炎症性疼痛若しくは神経因性疼痛における痛みの予防若しくは治療のための医薬であって、運転若しくは機械操作能力に対する影響が認められないか、自動車運転能力に対する影響が認められないか、自動車運転を含む危険を伴う機械の操作に従事する患者にも投与の制限が不要であるか、若しくは自動車運転を含む危険を伴う機械の操作に従事する患者にも投与できる、前記医薬、又は糖尿病性末梢神経障害に起因する痛み、特に四肢の痛みに対する予防若しくは治療のための医薬であって、P2X4受容体拮抗作用を有する化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物を有効成分として含む医薬が提供される。
【0020】
P2X4受容体拮抗作用を有する化合物としては、例えば、下記の一般式(I)及び/又は(II)で表される化合物を用いることができる。
【0021】
本発明の医薬は、協調運動能への影響が少ないので、侵害受容性疼痛、炎症性疼痛又は神経因性疼痛における痛みの予防又は治療のために用いることができ、運転若しくは機械操作能力に対する影響が認められないか、自動車運転能力に対する影響が認められないか、自動車運転を含む危険を伴う機械の操作に従事する患者にも投与の制限をすることなく用いることができるか、又は自動車運転を含む危険を伴う機械の操作に従事する患者にも投与することができる。
また、本発明の医薬は、例えば糖尿病性末梢神経障害に起因する痛みの予防及び/又は治療、特には前記糖尿病性末梢神経障害における多発性神経障害に起因する痛みの予防及び/又は治療、又は前記糖尿病性末梢神経障害における単一性神経障害に起因する痛みの予防及び/又は治療、さらに特には前記痛みが神経障害性疼痛に伴う痛み及び/若しくは前記痛みが坐骨神経痛、三叉神経痛、肋間神経痛若しくは四肢の痛み、特に四肢の痛みの予防及び/又は治療のために用いることができる。
【0022】
別の観点からは、本発明により、上記の医薬の製造のための、P2X4受容体拮抗作用を有する化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物の使用;並びに侵害受容性疼痛、炎症性疼痛又は神経因性疼痛における痛みの予防又は治療方法であって、これらを必要とする患者、特に自動車運転を含む危険を伴う機械の操作に従事する患者に、P2X4受容体拮抗作用を有する化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物の予防又は治療有効量を投与する方法、及び糖尿病性末梢神経障害に起因する痛みに対する予防及び/又は治療方法、特には前記糖尿病性末梢神経障害における多発性神経障害に起因する痛みに対する予防及び/又は治療方法、又は前記糖尿病性末梢神経障害における単一性神経障害に起因する痛みに対する予防及び/又は治療方法、さらに特には前記痛みが神経障害性疼痛に伴う痛み及び/若しくは前記痛みが坐骨神経痛、三叉神経痛、肋間神経痛若しくは四肢の痛み、特に四肢の痛みに対する予防及び/又は治療方法であって、P2X4受容体拮抗作用を有する化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物の治療有効量をヒトを含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法が提供される。
【発明の効果】
【0023】
本発明の医薬は、協調運動能への影響が少ないので、侵害受容性疼痛、炎症性疼痛又は神経因性疼痛における痛みの予防又は治療のために用いることができ、運転若しくは機械操作能力に対する影響が認められないか、自動車運転能力に対する影響が認められないか、自動車運転を含む危険を伴う機械の操作に従事する患者にも投与の制限をすることなく用いることができるか、又は自動車運転を含む危険を伴う機械の操作に従事する患者にも投与することができる医薬として有用である。
また、本発明の医薬は、糖尿病性末梢神経障害に起因する痛みの予防及び/又は治療のための医薬として有用であり、特には前記糖尿病性末梢神経障害における多発性神経障害に起因する痛みの予防及び/又は治療のための医薬、又は前記糖尿病性末梢神経障害における単一性神経障害に起因する痛みの予防及び/又は治療のための医薬として有用であり、さらに特には前記痛みが神経障害性疼痛に伴う痛み及び/若しくは前記痛みが坐骨神経痛、三叉神経痛、肋間神経痛若しくは四肢の痛み、特に四肢の痛みの予防及び/又は治療のための医薬において、高い有効性を発揮できる。
さらには、前記医薬の使用において中枢神経系に起因する副作用が少なく、慎重投与に依らずに予防又は治療することが可能な医薬を提供することができる。すなわち、糖尿病性末梢神経障害に起因する痛み、特に四肢の痛みに対する予防又は治療のための医薬であって、運転若しくは機械操作能力に対する影響が認められないか、自動車運転能力に対する影響が認められないか、自動車運転を含む危険を伴う機械の操作に従事する患者にも投与の制限が不要であるか、又は自動車運転を含む危険を伴う機械の操作に従事する患者にも投与できる、前記医薬を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】STZ誘発糖尿病性ニューロパチーモデルラットに化合物Aを経口投与した後、up-down刺激法による刺激を与え、50%逃避反応閾値を算出した図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の医薬の有効成分としては、下記に示す一般式(I)及び/又は(II)で表される化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物を用いることができる。
【0026】
本明細書において、「機械操作」又は「危険を伴う機械の操作」等の「機械」とは、その操作において協調運動能の低下の影響を受け得る機械であれば特に制限されないが、例えば、自動車、自転車、自動二輪車、又は各種工作機械等が挙げられる。
【0027】
本明細書において、「投与の制限」とは、本発明の医薬の主たる作用である鎮痛作用以外の副作用を考慮して、患者への投与を制限することを意味し、例えば、投与時間の制限が挙げられる。より具体的には、自動車運転を含む危険を伴う機械の操作に従事する前の投与の禁止又は投与量の低減(例えば、従事する前の12時間以内、従事する前の6時間以内、従事する前の3時間以内、又は従事する前の1時間以内の投与の禁止又は投与量の低減)、又は自動車運転を含む危険を伴う機械の操作に従事する間の投与の禁止又は投与量の低減が挙げられる。本明細書において、前記「投与」の用語は、「服用」と読み替えることができる。
【0028】
本明細書における、「運転若しくは機械操作能力に対する影響が認められない」又は「自動車運転能力に対する影響が認められない」と表現する場合の、「影響が認められない」とは、プラセボ又はコントロールを投与した対象と、本発明の医薬を投与した対象を比較したとき、有意差が認められないことを表す。別の側面として、「運転若しくは機械操作能力に対する影響が認められない」又は「自動車運転能力に対する影響が認められない」と表現する場合の、「影響が認められない」とは、プラセボ又はコントロールとして、前記影響が認められる、疑似薬又は対照薬を投与した対象と、本発明の医薬を投与した対象を比較したとき、本発明の医薬を投与した対象の、運転若しくは機械操作能力に対する影響が有意に小さいか、又は自動車運転能力に対する影響が有意に小さいことを表す。
【0029】
本明細書において、痛みの「予防」とは、痛みの発症を未然に防止すること、及びそのためのことを含む概念である。
本明細書において、痛みの「治療」とは、痛みを、軽減、消失、完治、治癒又は寛解させること、及びそのためのことを表す。別の実施態様において、前記「治療」とは、痛みを、軽減、消失、完治、治癒又は寛解させることである。前記軽減、消失、完治、治癒又は寛解は、投与前の状態か、又はプラセボ若しくはコントロールを投与したときと比較して評価することができ、また、投与前の状態と比較して、患者の主観によって評価することもできる。
【0030】
下記に示す表中などに用いられる略号は以下のとおりである。Me:メチル基、Et:エチル基、Pr:n-プロピル基、iPr:イソプロピル基、tBu:tert-ブチル基、Ac:アセチル基、Ph:フェニル基。
【0031】
(A-1)次の一般式(I):
【化1】
(式中、R
1及びR
2は同一又は異なっていてもよく水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数3~8のシクロアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数2~8のアシルアミノ基、カルボキシル基、炭素数2~8のアシル基、アルコキシカルボニル基(アルコキシ部分の炭素数は1~8。)、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいピリジル基、若しくはアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)を表すか、
又は
R
1とR
2が一緒になって、それらが結合しているベンゼン環と一緒になってナフタレン環、キノリン環、イソキノリン環、テトラヒドロナフタレン環、インダン環、テトラヒドロキノリン環又はテトラヒドロイソキノリン環から選択される縮合環を形成してもよく、そしてR
1とR
2が一緒になって、R
1とR
2がそれぞれ結合している炭素原子からなる環には、1~4個の同一又は異なってもよい炭素数1~8のアルキル基、炭素数3~8のシクロアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数2~8のアシルアミノ基、カルボキシル基、炭素数2~8のアシル基、アルコキシカルボニル基(アルコキシ部分の炭素数は1~8。)、又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)から選択される置換基で置換されていてもよく、
R
3及びR
4は同一又は異なっていてもよく水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数2~8のアシルアミノ基、カルボキシル基、炭素数2~8のアシル基、アルコキシカルボニル基(アルコキシ部分の炭素数は1~8。)、又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)を表し、
R
5は水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、水酸基で置換された炭素数1~8のアルキル基又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)を表し、
R
6及びR
7は同一又は異なっていてもよく水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基又はアミノ基を表し、
XはC、CH又はNを表し、
YはN、NH又はC(=O)を表し、
但し、XがNのとき、YはN,NHでなく、
また、XがC,CHのとき、YはC(=O)でなく、
実線と破線からなる二重線は、単結合又は二重結合を表し、
Zは酸素原子又は硫黄原子を表し、
Aは、置換基として、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、アラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)、フェニル基又はピリジル基から選択される同一又は異なっていてもよい置換基を1~4個有していてもよいベンゼン環、ピリジン環、チオフェン環、ピリミジン環、ナフタレン環、キノリン環、若しくはインドール環を表すか、又は結合手を表し、
BはN(R
8)C(=O)、NHCONH、CON(R
9)、NHC(=S)NH、N(R
10)SO
2、SO
2N(R
11)又はOSO
2を表し、
ここで、R
8、R
9、R
10及びR
11は、水素原子、炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、水酸基で置換された炭素数1~8のアルキル基又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)を表し、
Dは、置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、水酸基で置換された炭素数1~8のアルキル基又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)から選択される同一又は異なっていてもよい置換基を1~4個有していてもよく、更に二重結合を有していてもよい炭素数1~6のアルキレン鎖、又は結合手を表し、
Eは、O、S、NR
12、又は結合手を表し、
ここで、R
12は水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、水酸基で置換された炭素数1~8のアルキル基、又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)を表し、
Gは、置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数2~8のアシル基、メチレンジオキシ基、カルボキシル基、炭素数1~6のアルキルスルフィニル基、炭素数1~6のアルキルチオ基、炭素数1~6のアルキルスルホニル基、アラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいイミダゾリル基、置換基を有していてもよいオキサゾリル基、又は置換基を有していてもよいチアゾリル基から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいピペラジン、ピペリジン、モルホリン、シクロヘキサン、ベンゼン、ナフタレン、キノリン、キノキサリン、ベンズイミダゾール、チオフェン、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、インドール、ベンゾフラン、ピロール、ピリジン又はピリミジンを表し、
そして、mは0~5の整数を表す。
但し、R
1とR
2が一緒になって環を形成しない場合で、XがC、YがNで、実線と破線からなる二重線が二重結合で、Zが酸素原子で、Aがベンゼン環で、mが0で、BがC(=O)NHで、Eが結合手でGがフェニル基の場合を除く。)で表される化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
【0032】
(B-1)下記の一般式(II):
【化2】
(式中、
【化3】
は、ナフタレン環、キノリン環、イソキノリン環、テトラヒドロナフタレン環、インダン環、テトラヒドロキノリン環又はテトラヒドロイソキノリン環を表し、
そしてこれらの環は1~4個の同一又は異なってもよい炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数2~8のアシルアミノ基、カルボキシル基、炭素数2~8のアシル基、アルコキシカルボニル基(アルコキシ部分の炭素数は1~8。)、又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)から選択される置換基で置換されていてもよく、
R
3a及びR
4bは同一又は異なっていてもよく水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数2~8のアシルアミノ基、カルボキシル基、炭素数2~8のアシル基、アルコキシカルボニル基(アルコキシ部分の炭素数は1~8。)、又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)を表し、
R
5aは水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、水酸基で置換された炭素数1~8のアルキル基又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)を表し、
R
6a及びR
7aは同一又は異なっていてもよく水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、又はアミノ基を表し、
【化4】
は、置換基として、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、アラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)、フェニル基、又はピリジル基から選択される同一又は異なっていてもよい置換基を1~4個有していてもよいベンゼン環、ピリジン環、チオフェン環、ピリミジン環、ナフタレン環、キノリン環、又はインドール環を表し、
B
aはN(R
8a)C(=O)、NHCONH,CON(R
9a)、NHC(=S)NH、N(R
10a)SO
2、SO
2N(R
11a)、又はOSO
2を表し、
ここで、R
8a、R
9a、R
10a及びR
11aは、水素原子、炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、水酸基で置換された炭素数1~8のアルキル基又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)を表し、
E
aは、O、S、NR
12a又は結合手を表し、
ここで、R
12aは水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、水酸基で置換された炭素数1~8のアルキル基又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)を表し、
G
aは、置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数2~8のアシル基、メチレンジオキシ基、カルボキシル基、炭素数1~6のアルキルスルフィニル基、炭素数1~6のアルキルチオ基、炭素数1~6のアルキルスルホニル基、アラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいイミダゾリル基、置換基を有していてもよいオキサゾリル基、又は置換基を有していてもよいチアゾリル基から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいピペラジン、ピペリジン、モルホリン、シクロヘキサン、ベンゼン、ナフタレン、キノリン、キノキサリン、ベンズイミダゾール、チオフェン、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、インドール、ベンゾフラン、ピロール、ピリジン又はピリミジンを表し、
そして、nは0~5の整数を表す。)で表される化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
【0033】
次に本発明を詳細に説明する。
本明細書において、
炭素数1~8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基又はヘキシル基等が挙げられる。
炭素数3~8のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
炭素数2~8のアルケニル基としては、アリル基等が挙げられる。
炭素数1~8のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、i-ブトキシ基、t-ブトキシ基、ペンチルオキシ基又はヘキシルオキシ基等が挙げられる。
【0034】
1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基としては、1~3個のフッ素原子、塩素原子若しくは臭素原子等のハロゲン原子により置換されたメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基又はt-ブチル基等が挙げられ、好ましくはトリフルオロメチル基、クロロメチル基、2-クロロエチル基、2-ブロモエチル基又は2-フルオロエチル基等が挙げられる。
1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基としては、1~3個のフッ素原子、塩素原子若しくは臭素原子等のハロゲン原子により置換されたメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基又はt-ブトキシ基等が挙げられ、好ましくはトリフルオロメトキシ基、クロロメトキシ基、2-クロロエトキシ基、2-ブロモエトキシ基又は2-フルオロエトキシ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、又は臭素原子等が挙げられる。
【0035】
炭素数1~8のアルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基等が挙げられる。
炭素数2~8のジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等が挙げられる。
炭素数2~8のアシルアミノ基としては、アセチルアミノ基が挙げられる。
炭素数2~8のアシル基としては、アセチル基等が挙げられる。
【0036】
アルコキシカルボニル基(アルコキシ部分の炭素数は1~8。)としては、メトキシカルボニル基等が挙げられる。
アラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)としては、ベンジル基等が挙げられる。
水酸基で置換された炭素数1~8のアルキル基としては、2-ヒドロキシエチル基等が挙げられる。
【0037】
炭素数1~6のアルキルスルフィニル基としては、メタンスルフィニル基等が挙げられる。
炭素数1~6のアルキルチオ基としては、メチルチオ基等が挙げられる。
炭素数1~6のアルキルスルホニル基としては、メタンスルホニル基等が挙げられる。
【0038】
置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいイミダゾリル基、置換基を有していてもよいオキサゾリル基及び置換基を有していてもよいチアゾリル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基等が挙げられる。
【0039】
上記一般式(I)の本発明化合物としては、次に示す化合物が好ましい。
(A-2)
R1及びR2が同一又は異なっていてもよく水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいピリジル基又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)である上記(A-1)で表される化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
【0040】
(A-3)
R1とR2が一緒になって、それらが結合しているベンゼン環と一緒になってナフタレン環、又はテトラヒドロナフタレン環を形成し、そしてR1とR2が一緒になって、R1とR2がそれぞれ結合している炭素原子から形成されるベンゼン環又はシクロヘキセン環は、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数2~8のアシルアミノ基、カルボキシル基、炭素数2~8のアシル基、アルコキシカルボニル基(アルコキシ部分の炭素数は1~8。)、又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)から選択される1~4個の同一又は異なってもよい置換基で置換されていてもよい上記(A-1)で表される化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
(A-4)
R1とR2が一緒になって、それらが結合しているベンゼン環と一緒になってナフタレン環を形成し、そしてR1とR2が一緒になって、R1とR2がそれぞれ結合している炭素原子から形成されるベンゼン環は、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基から選択される1~4個の同一又は異なってもよい置換基で置換されていてもよい上記(A-1)で表される化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
(A-5)
R1とR2が一緒になって、それらが結合しているベンゼン環と一緒になってナフタレン環、又はテトラヒドロナフタレン環を形成する上記(A-1)で表される化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
【0041】
(A-6)
R3及びR4が同一又は異なっていてもよく水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)である、上記(A-1)~(A-5)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
(A-7)
R5が水素原子、炭素数1~8のアルキル基又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)である、(A-1)~(A-6)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
(A-8)
R5が水素原子である上記(A-1)~(A-7)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
【0042】
(A-9)
R6及びR7が同一又は異なっていてもよく水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、又は1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基である上記(A-1)~(A-8)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
(A-10)
R6及びR7が共に水素原子である上記(A-1)~(A-9)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
【0043】
(A-11)
R3、R4、R5、R6及びR7が水素原子である上記(A-1)~(A-10)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
【0044】
(A-12)
XがNで、YがC(=O)で、実線と破線からなる二重線が、単結合である上記(A-1)~(A-11)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
(A-13)
XがCで、YがNで、実線と破線からなる二重線が、二重結合である上記(A-1)~(A-12)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
(A-14)
Zが酸素原子である上記(A-1)~(A-13)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
【0045】
(A-15)
Aが置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、アラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)、フェニル基又はピリジル基から選択される同一又は異なっていてもよい置換基を1~4個有していてもフェニル基、又はピリジル基である上記(A-1)~(A-14)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
(A-16)
Aが置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、又はアミノ基から選択される同一又は異なっていてもよい置換基を1~4個有していてもフェニル基である上記(A-1)~(A-15)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
【0046】
(A-17)
Aがフェニル基、又はピリジル基である上記(A-1)~(A-16)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
(A-18)
Aが結合手である上記(A-1)~(A-17)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
【0047】
(A-19)
BがNHC(=O)、NHCONH,CONH,NHC(=S)NH,NHSO2,SO2NH又はOSO2である上記(A-1)~(A-18)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
(A-20)
BがNHC(=O)、NHCONH又はNHSO2である上記(A-1)~(A-19)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
【0048】
(A-21)
BがNHC(=O)又はNHSO2である上記(A-1)~(A-20)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
(A-22)
BがNHC(=O)である上記(A-1)~(A-21)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
【0049】
(A-23)
Dが、置換基として炭素数1~8のアルキル基、又は1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基から選択される同一又は異なっていてもよい置換基を1~4個有していてもよく、更に二重結合を有していてもよい炭素数1~6のアルキレン鎖である上記(A-1)~(A-22)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
(A-24)
Dが結合手である上記(A-1)~(A-23)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
【0050】
(A-25)
Dが置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基から選択される同一又は異なっていてもよい置換基を1~4個有している上記(A-1)~(A-24)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
(A-26)
Dが置換基として炭素数1~3のアルキル基、炭素数2~3のアルケニル基から選択される同一又は異なっていてもよい置換基を1~4個有している上記(A-1)~(A-25)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
(A-27)
Eが結合手である上記(A-1)~(A-26)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
【0051】
(A-28)
Gが置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数2~8のアシル基、メチレンジオキシ基、カルボキシル基、炭素数1~6のアルキルスルフィニル基、炭素数1~6のアルキルチオ基、又は炭素数1~6のアルキルスルホニル基から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいピペラジン、ピペリジン、モルホリン、シクロヘキサン、ベンゼン、ナフタレン、キノリン、キノキサリン、ベンズイミダゾール、チオフェン、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、インドール、ベンゾフラン、ピロール、ピリジン又はピリミジンである上記(A-1)~(A-27)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
(A-29)
Gが置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数2~8のアシル基、メチレンジオキシ基、カルボキシル基、炭素数1~6のアルキルスルフィニル基、炭素数1~6のアルキルチオ基、又は炭素数1~6のアルキルスルホニル基から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいベンゼンである上記(A-1)~(A-28)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
【0052】
(A-30)
Gが置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、カルボキシル基、炭素数1~6のアルキルスルフィニル基、炭素数1~6のアルキルチオ基、炭素数1~6のアルキルスルホニル基から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいベンゼン又はピリジンである上記(A-1)~(A-29)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
【0053】
(A-31)
Gが置換基として1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいベンゼンである上記(A-1)~(A-30)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
【0054】
(A-32)
mが0である上記(A-1)~(A-31)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
【0055】
(A-33)
Aがベンゼン環であり、mが0であり、BがNHC(=O)又はNHSO2であり、Dが炭素数1~3のアルキル基又は結合手であり、Eが結合手であり、Gが置換基として炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいベンゼンである上記(A-1)~(A-32)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
(A-34)
Aがベンゼン環であり、mが0であり、BがNHC(=O)であり、Dが結合手であり、Eが結合手であり、Gが置換基として1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいベンゼンである上記(A-1)~(A-33)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
【0056】
(A-35)
R1とR2が一緒になって、それらが結合しているベンゼン環と一緒になってナフタレン環を形成し、R3、R4、R5、R6及びR7は水素原子を表し、XがNで、YがC(=O)で、実線と破線からなる二重線が単結合を表し、Zが酸素原子を表し、Aはベンゼン環を表し、mは0を表し、BはNHC(=O)又はNHSO2を表し、Dは炭素数1~3のアルキル基又は結合手を表し、Eは結合手を表し、Gは置換基として炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいベンゼンである上記(A-1)~(A-34)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
(A-36)
上記の一般式(I)において、R1とR2が一緒になって、それらが結合しているベンゼン環と一緒になってナフタレン環を形成し、R3、R4、R5、R6及びR7は水素原子を表し、XがNで、YがC(=O)で、実線と破線からなる二重線が単結合を表し、Zが酸素原子を表し、Aはベンゼン環を表し、mは0を表し、BはNHC(=O)を表し、Dは結合手を表し、Eは結合手を表し、Gは置換基として1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいベンゼンである上記(A-1)~(A-35)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
【0057】
上記一般式(II)の本発明化合物としては、次に示す化合物が好ましい。
(B-2)
【化5】
が、置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数2~8のアシルアミノ基、カルボキシル基、炭素数2~8のアシル基、アルコキシカルボニル基(アルコキシ部分の炭素数は1~8。)、又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)から選択される1~4個の同一又は異なってもよい置換基で置換されていてもよいナフタレン環又はテトラヒドロナフタレン環である上記(B-1)で表される化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
(B-3)
【化6】
が、置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基から選択される1~4個の同一又は異なってもよい置換基で置換されていてもよいナフタレン環である上記(B-1)若しくは(B-2)に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
【0058】
(B-4)
R3a及びR4aが同一又は異なっていてもよく水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)である上記(B-1)~(B-3)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
(B-5)
R5aが水素原子、炭素数1~8のアルキル基又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)である上記(B-1)~(B-4)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
(B-6)
R5aが水素原子である上記(B-1)~(B-5)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
【0059】
(B-7)
R6a及びR7aが同一又は異なっていてもよく水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、又は1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基である上記(B-1)~(B-6)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
(B-8)
R6a及びR7aが共に水素原子である上記(B-1)~(B-7)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
【0060】
(B-9)
【化7】
が置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、アラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)、フェニル基又はピリジル基から選択される同一又は異なっていてもよい置換基を1~4個有していてもフェニル基、又はピリジル基である上記(B-1)~(B-8)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
(B-10)
【化8】
が置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、又はアミノ基から選択される同一又は異なっていてもよい置換基を1~4個有していてもフェニル基である上記(B-1)~(B-9)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
(B-11)
【化9】
が結合手である上記(B-1)~(B-10)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
【0061】
(B-12)
BaがNHC(=O)、NHCONH,CONH,NHC(=S)NH,NHSO2,SO2NH又はOSO2である上記(B-1)~(B-11)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
(B-13)
BaがNHC(=O)、NHCONH又はNHSO2である上記(B-1)~(B-12)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
(B-14)
Eaが結合手である上記(B-1)~(B-13)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
【0062】
(B-15)
Gaが置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数2~8のアシル基、メチレンジオキシ基、カルボキシル基、炭素数1~6のアルキルスルフィニル基、炭素数1~6のアルキルチオ基、又は炭素数1~6のアルキルスルホニル基から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいピペラジン、ピペリジン、モルホリン、シクロヘキサン、ベンゼン、ナフタレン、キノリン、キノキサリン、ベンズイミダゾール、チオフェン、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、インドール、ベンゾフラン、ピロール、ピリジン又はピリミジンである上記(B-1)~(B-14)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
(B-16)
Gaが置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数2~8のアシル基、メチレンジオキシ基、カルボキシル基、炭素数1~6のアルキルスルフィニル基、炭素数1~6のアルキルチオ基、又は炭素数1~6のアルキルスルホニル基から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいベンゼンである上記(B-1)~(B-15)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
【0063】
(B-17)
nが0である上記(B-1)~(B-16)の何れか1に記載の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物。
【0064】
一般式(I)及び/又は(II)で表される化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物を用いることができる本発明の医薬は、糖尿病性末梢神経障害に起因する痛みに対する予防及び/又は治療のための医薬の有効成分として使用することができるが、下記の用途のための医薬としても使用することができる。
【0065】
(C-1)
前記神経因性疼痛における痛みが、糖尿病性末梢神経障害に起因したものである(A-1)~(A-36)及び(B-1)~(B-17)の何れか1に記載の医薬。
【0066】
(C-2)
前記糖尿病性末梢神経障害が、多発性神経障害である(A-1)~(A-36)、(B-1)~(B-17)及び(C-1)の何れか1に記載の医薬。
(C-3)
前記糖尿病性末梢神経障害が、単一性神経障害である(A-1)~(A-36)、(B-1)~(B-17)及び(C-1)の何れか1に記載の医薬。
【0067】
(C-4)
前記痛みが、坐骨神経痛、三叉神経痛、肋間神経痛又は四肢の痛みである(A-1)~(A-36)、(B-1)~(B-17)及び(C-1)~(C-3)の何れか1に記載の医薬。
(C-5)
前記痛みが、四肢の痛みである(A-1)~(A-36)、(B-1)~(B-17)及び(C-1)~(C-3)の何れか1に記載の医薬。
【0068】
一般式(I)及び/又は(II)に包含される代表的化合物を以下に示す。
【0069】
(代表化合物例1)
【0070】
【0071】
(式中、Ba(置換位置)、n、Ea及びGaは表1~10記載のとおり)
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
(代表化合物例2)
【0083】
【0084】
(式中、Ba(置換位置)、n、Ea及びGaは表11、12記載のとおり)
【0085】
【0086】
【0087】
(代表化合物例3)
【0088】
【0089】
(式中、R1、Ba(置換位置)、n、Ea及びGaは表13記載のとおり)
【0090】
【0091】
(代表化合物例4)
【0092】
【0093】
(式中、Ba(置換位置)、n、Ea及びGaは表14記載のとおり)
【0094】
【0095】
(代表化合物例5)
【0096】
【0097】
(式中、Ba(置換位置)、n、Ea及びGaは表15記載のとおり)
【0098】
【0099】
(代表化合物例6)
【0100】
【0101】
(式中、B(置換位置)、D、E及びGは表16記載のとおり)
【0102】
【0103】
(代表化合物例7)
【0104】
【0105】
(式中、m(置換位置)、B、D、E及びGは表17記載のとおり)
【0106】
【0107】
(代表化合物例8)
【0108】
【0109】
(式中、Xa、Ya、Ba(置換位置)、n、Ea及びGaは表18記載のとおり)
【0110】
【0111】
(代表化合物例9)
【0112】
【0113】
(式中、I=II-III=IV、Ba(置換位置)、n、Ea及びGaは表19記載のとおり)
【0114】
【0115】
(代表化合物例10)
【0116】
【0117】
(式中、I-II-III-IV、Ba(置換位置)、n、Ea及びGaはは表20記載のとおり)
【0118】
【0119】
(代表化合物例11)
【0120】
【0121】
(式中、R5a、Ba(置換位置)、n、Ea及びGaは表21記載のとおり)
【0122】
【0123】
上記の一般式(I)及び/又は(II)で表される化合物は国際公開WO2013/105608に開示されているので、これらの国際公開を参照することにより、これらの化合物をいずれも容易に入手することができる。これらの国際公開の開示の全てを参照により本明細書の開示として含める。
【0124】
また、上記国際公開WO2013/105608には、上記一般式(I)及び/又は(II)で表される化合物が、P2X4受容体拮抗作用を有する旨の記載がある。
【0125】
なお、上記一般式(I)及び/又は(II)に包含される好適な化合物又はその薬学的に許容される塩の具体例を以下に示すが、本発明の医薬の有効成分に利用可能な化合物又はその薬学的に許容される塩はこれらに限定されることはない。
(1) 5-(4-ベンゾイルアミノフェニル)-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(2) 5-[4-[(2-トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(3) 5-[4-(3-ブロモベンゾイル)アミノフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(4) 5-[4-[4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(5) 5-[4-(2-メチルベンゾイル)アミノフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(6) 5-[4-(2,6-ジメチルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(7) 5-[4-(2,6-ジクロロベンゾイル)アミノフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(8) 5-[4-(3-クロロベンゾイル)アミノフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(9) 5[4-(2-フェニルアセチルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(10) 1-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-3-フェニルチオ尿素;
【0126】
(11) 5-[4-(2,3-ジメトキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(12) 5-[4-(2-メトキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(13) 5-[4-[(2-クロロフェニルアセチル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(14) 5-[4-(2,3-ジメチルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(15) 5-[4-(2,5-ジメチルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(16) 5-[4-(5-ブロモ-2-クロロベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(17) 5-[4-(2,4-ジクロロベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(18) 5-[4-(2-ヒドロキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(19) 5-[4-(2,3-ジヒドロキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(20) 1-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-3-フェニル尿素;
【0127】
(21) 5-[4-[(2,6-ジクロロフェニルアセチル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(22) 5-[4-[(2-メトキシフェニルアセチル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(23) 5-[4-[(2-ヒドロキシフェニルアセチル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(24) 1-(2-クロロフェニル)-3-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]チオ尿素;
(25) 5-[4-[3-(トリフルオロメチル)ベンゾイルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(26) 5-[4-[2-[(2-トリフルオロメチル)フェニル]アセチルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(27) 1-(2-クロロフェニル)-3-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]尿素;
(28) 5-[4-[(2-フェニルプロピオニル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(29) 5-[4-(2-クロロ-3-メトキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(30) 5-[4-(3-フェニルプロピオニルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
【0128】
(31) 5-[4-[(1H-インドール-3-カルボニル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(32) 5-[4-(2-クロロ-3-ヒドロキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(33) 5-[4-[(2-メチル-2-フェニルプロピオニル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(34) 5-[4-(2-フェノキシアセチルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(35) 5-[4-[2-(2-クロロ-4-メトキシフェニル)アセチルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(36) 5-[4-[(1-メチル-1H-イミダゾール-2-カルボニル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(37) 5-[4-[2-(2,4-ジクロロフェニル)アセチルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(38) 5-[4-[2-(2-クロロ-4-ヒドロキシフェニル)アセチルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(39) 5-[4-(3-フェニルプロペニルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(40) 5-[4-[(3-ピリジルアセチル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン 塩酸塩;
【0129】
(41) 5-[4-(1H-ベンズイミダゾール-2-カルボニルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(42) 1-[4-(2,3-ジメチルベンゾイルアミノ)フェニル]-7-メトキシ-1H-1,5-ベンゾジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(43) 5-[4-[(ベンゾイルアミノ)メチル]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(44) 5-[4-[(2-クロロベンゾイルアミノ)メチル]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(45) 1-[4-(2,3-ジメチルベンゾイルアミノ)フェニル]-7-ヒドロキシ-1H-1,5-ベンゾジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(46) 5-[4-(2-クロロベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(47) 5-[4-(2-ブロモベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(48) 5-[4-(2-ヨードベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(49) 5-[4-(2,3-ジメチルベンゾイルアミノ)-3-フルオロフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(50) 5-[4-[2-(2-メチルフェニル)アセチルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
【0130】
(51) 5-[4-[(キノキサリン-2イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(52) 5-[4-[(5-メチルチオフェン-2イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(53) 5-[3-[(2-クロロフェニルアセチル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(54) 5-[4-[(2,4,6-トリメチルベンゾイル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(55) 5-[4-(シクロヘキシルカルボニルアミノ)フェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(56) 1-[4-(2,3-ジメチルベンゾイル)アミノフェニル]-6-メチル-1H-1,5-ベンゾジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(57) 5-[4-[(2-エチルベンゾイル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(58) 5-[4-[(6-メチルピリジン-2-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(59) 5-[4-[(2-メチルピリジン-3-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(60) 1-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-3-(2-メチルフェニル)チオ尿素;
【0131】
(61) 5-[4-(2-メトキシ-3-メチルベンゾイル)アミノフェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(62) 5-[4-(2,3-ジクロロベンゾイル)アミノフェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(63) 5-[4-(2,3-ジメチルベンゾイルアミノ)-3-ヒドロキシフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(64) 5-[4-(2-クロロ-3-メトキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1,3-ジヒドロナフト[1,2-e]-1,4-ジアゼピン-2-オン;
(65) 5-[4-[(4-ジメチルアミノベンゾイル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(66) 5-[4-[2-(2,4-ジクロロフェノキシ)アセチルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(67) 5-[4-[2-(2-メチルフェノキシ)アセチルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(68) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラハイドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)ブチル]-2-クロロ-3-メトキシベンズアミド;
(69) 5-[4-(2-クロロ-3-ヒドロキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1,3-ジヒドロナフト[1,2-e]-1,4-ジアゼピン-2-オン;
(70) 5-[4-(2-アセチルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
【0132】
(71) 5-[4-(2-tert-ブチルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(72) 5-[2-(2-ヨードベンゾイル)アミノエチル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(73) 5-[3-[(2-ヨードベンゾイル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(74) 6,7-ジメチル-1-[4-(2-ヨードベンゾイル)アミノフェニル]-1H-1,5-ベンゾジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(75) 5-[4-[(1-メチルピペリジン-4-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン 塩酸塩;
(76) 5[4-[(ベンゾフラン-2-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(77) 5-[4-[(1-メチル-1H-インドール-3-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(78) 5-[4-(2-プロペニルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(79) 5-[4-(2-プロピルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(80) 5-[3-フルオロ-4-(2-ヨードベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
【0133】
(81) 5-[4-(2-ヒドロキシ-3-メチルベンゾイル)アミノフェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(82) 5-[4-[(2-イソプロポキシベンゾイル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(83) 5-[4-[(3-メチルチオフェン-2-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(84) 5-[4-(2-フェノキシプロピオニルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(85) 5-[4-[2-(4-クロロ-2-メチルフェノキシ)アセチルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(86) 5-[4-[(4-フルオロ-2-トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(87) 5-[4-(4-フルオロ-2-メトキシベンゾイル)アミノフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(88) 5-[4-(4-フルオロ-2-ヒドロオキシベンゾイル)アミノフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(89) 5-[3-[(2-ヨードフェニルアセチル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(90) 5-[4-(2-メチル-2-フェノキシプロピオニルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
【0134】
(91) 5-[4-(2-tert-ブチルベンゾイルアミノ)フェニル]-1,3-ジヒドロナフト[1,2-e]-1,4-ジアゼピン-2-オン;
(92) 5-[4-[(3-ジメチルアミノベンゾイル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(93) 5-[4-(4-ヨード-2-メトキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(94) 5-[4-(6-フルオロ-2-メトキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(95) 5-[4-(2-ヒドロキシ-4-ヨードベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(96) 5-[4-(6-フルオロ-2-ヒドロキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(97) 5-[4-(2-フルオロベンゾイル)アミノフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(98) 5-[4-[(2-ジメチルアミノベンゾイル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(99) 5-[4-(2-メトキシ-6-メチルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(100) 5-[4-(2-ヒドロキシ-6-メチルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
【0135】
(101) 5-[4-[3-(2-メチルフェニル)プロピオニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(102) 5-(4-フェニルカルバモイルフェニル)-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(103) 5-(4-ベンジルカルバモイルフェニル)-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(104) 5-[4-[3-(2-メチルフェニル)プロぺノイルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(105) 5-[4-[3-(2-クロロフェニル)プロピオニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(106) 5-[4-(2-ヨードベンゾイル)アミノフェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(107) 5-[4-[(1-メチル-1H-ピロール-2-イルアセチル)アミノ]フェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(108) 5-[4-(2-クロロベンジル)カルバモイルフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(109) 5-[4-[3-(2-クロロフェニル)プロぺノイルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(110) 5-[4-(2-クロロフェニル)カルバモイルフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
【0136】
(111) 5-[4-(6-ブロモ-2,3-メチレンジオキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(112) 5-[4-(6-ブロモ-2-メトキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(113) 5-[4-[(2-tert-ブチルベンゾイル)アミノ]フェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(114) 5-[2-(2-ヨードベンゾイル)アミノピリジン-5-イル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(115) 5-[4-(6-ブロモ-2-ヒドロキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(116) 5-[4-(6-クロロ-2-メトキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(117) 5-[4-(2-ヨードベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-[1,4]ジアゼピノ[2,3-h]キノリン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(118) 5-[4-(6-クロロ-2-ヒドロキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(119) 5-[4-(2-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(120) 5-[4-[2-メトキシ-6-(トリフルオロメチル)ベンゾイルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
【0137】
(121) 5-[4-[2-ヒドロキシ-6-(トリフルオロメチル)ベンゾイルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(122) 5-[4-[(2-イソプロペニルベンゾイル)アミノ]フェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(123) 5-[4-[(2-イソプロピルベンゾイル)アミノ]フェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(124) 5-[4-[2-クロロ-5-(メチルチオ)ベンゾイルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(125) 5-[4-[2-(メチルチオ)ベンゾイルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(126) 5-[4-[3-(メチルチオ)ベンゾイルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(127) 5-[4-[2-エチル-6-メトキシベンゾイルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(128) 5-[4-(3-メタンスルホニルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(129) 6-エチル-1-[4-(2-ヨードベンゾイル)アミノフェニル]-1H-1,5-ベンゾジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(130) 5-[4-[2-エチル-6-ヒドロキシベンゾイルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
【0138】
(131) 5-[4-(3-メタンスルフィニルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(132) 5-[4-(2-クロロ-5-メタンスルフィニルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(133) 5-[4-(2-メタンスルフィニルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(134) 5-[4-[[2-(4-モルホリニル)アセチル]アミノ]フェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン 塩酸塩;
(135) 5-[4-(2-クロロ-6-メトキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1,3-ジヒドロナフト[1,2-e]-1,4-ジアゼピン-2-オン;
(136) 5-[4-[[(3-クロロピリジン-2-イル)カルボニル]アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(137) 5-[4-(2-クロロ-6-ヒドロキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1,3-ジヒドロナフト[1,2-e]-1,4-ジアゼピン-2-オン;
(138) 5-[4-(3-クロロ-2-メトキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(139) 5-[4-[(3-メチルピリジン-2-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(140) 5-[4-[[(3-クロロピリジン-2-イル)カルボニル]アミノ]フェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
【0139】
(141) 5-[4-(3-クロロ-2-ヒドロキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(142) 5-[4-[[(3-ヒドロキシピリジン-2-イル)カルボニル]アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(143) 5-[4-[(3-ビニルピリジン-2-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(144) 5-[4-[(3-エチルピリジン-2-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(145) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト-[1,2-b][1,4]-ジアゼピン-5-イル)フェニル]-2-ニトロベンゼンスルホンアミド;
(146) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド;
(147) 3-ブロモ-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド;
(148) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-3-メトキシベンゼンスルホンアミド;
(149) N-[3-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ナフト[1,2-e][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド;
(150) N-[3-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト-[1,2-b][1,4]-ジアゼピン-5-イル)フェニル]-2-ニトロベンゼンスルホンアミド;
【0140】
(151) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロ-ナフト[1,2-b][1,4]-ジアゼピン-5-イル)フェニル]-2-ニトロ-ベンゼンスルホンアミド;
(152) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロ-ナフト[1,2-b][1,4]-ジアゼピン-5-イル)フェニル]-N-メチル-2-ニトロベンゼンスルホンアミド;
(153) N-[3-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト-[1,2-b][1,4]-ジアゼピン-5-イル)フェニル]-N-メチル-2-ニトロベンゼンスルホンアミド;
(154) 4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)-N-フェニルベンゼンスルホンアミド;
(155) N-[3-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b]-[1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-2-ナフタレンスルホンアミド;
(156) N-[3-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b]-[1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-1-ナフタレンスルホンアミド;
(157) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5イル)フェニル]シクロヘキサンスルホンアミド;
(158) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5イル)フェニル]-3-ピリジンスルホンアミド 塩酸塩;
(159) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-4-イソプロピルベンゼンスルホンアミド;
(160) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]フェニルメタンスルホンアミド;
【0141】
(161) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5イル)フェニル]-3-ピリジンスルホンアミド;
(162) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5イル)フェニル]-2-ナフタレンスルホンアミド;
(163) 4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト-[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル 3-ブロモベンゼン-スルホネート;
(164) N-ベンジル-N-[4-(1-ベンジル-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5イル)フェニル]-2-ニトロベンゼンスルホンアミド;
(165) N-ベンジル-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5イル)フェニル]-2-ニトロベンゼンスルホンアミド;
(166) 3-ブロモ-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-N-メチルベンゼンスルホンアミド;
(167) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト-[1,2-b][1,4]-ジアゼピン-5-イル)フェニル]-N-メチル-2-ニトロベンゼンスルホンアミド;
(168) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト-[1,2-b][1,4]-ジアゼピン-5-イル)フェニル]-N-(2-ヒドロキシエチル)-2-ニトロベンゼンスルホンアミド;
(169) N-[4-(7-クロロ-2,4-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン-1-イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド;
(170) N-[4-(7-ブロモ-2,4-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン-1-イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド;
【0142】
(171) N-[4-[(2,4-ジオキソ-7-(トリフルオロメチル)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン-1-イル)]フェニル]ベンゼンスルホンアミド;
(172) N-[4-(2,4-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン-1-イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド;
(173) 1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;
(174) 1-(3-ブロモフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;
(175) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト-[1,2-b][1,4]-ジアゼピン-5-イル)フェニル]-2-トリフルオロメチルベンゼンスルホンアミド;
(176) N-[4-(7-ブロモ-6-メチル-2,4-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン-1-イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド;
(177) 1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;
(178) 3-ブロモ-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド;
(179) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-3-メトキシベンゼンスルホンアミド;
(180) 1-(2-ブロモフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;
【0143】
(181) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-1-(2-メチルフェニル)メタンスルホンアミド;
(182) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-1-(2-ニトロフェニル)メタンスルホンアミド;
(183) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-2-フェニルエタンスルホンアミド;
(184) 1-(2,3-ジクロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;
(185) 1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-7-メトキシ-1H-ベンゾ[1,2-b][1,4]ジアゼピン-1-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;
(186) 1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-7-ヒドロキシ-1H-ベンゾ[1,2-b][1,4]ジアゼピン-1-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;
(187) 1-(4-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;
(188) 1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)ベンジル]メタンスルホンアミド;
(189) 1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)-2-メトキシフェニル]メタンスルホンアミド;
(190) 1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)-2-ヒドロキシフェニル]メタンスルホンアミド;
【0144】
(191) 1-(2,6-ジクロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;
(192) 1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-6-メチル-1H-ベンゾ[1,2-b][1,4]ジアゼピン-1-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;
(193) 1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)プロピル]メタンスルホンアミド;
(194) 1-(2-クロロフェニル)-N-[2-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)エチル]メタンスルホンアミド;
(195) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-1-(2-ヨードフェニル)メタンスルホンアミド;
(196) 1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-N-メチルメタンスルホンアミド;
(197) 1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2-オキソ-2,3-ジハイドロ-1H-ナフト[1,2-e][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;
(198) 1-[(2-トリフルオロメチル)フェニル]-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]フェニル-N-メチルメタンスルホンアミド;
(199) 1-(2-エチルフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]フェニル-N-メチルメタンスルホンアミド;
(200) 1-(2,3-ジメチルフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]フェニル-N-メチルメタンスルホンアミド;
【0145】
(201) 2-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]フェニル-N-メチルエタンスルホンアミド;
(202) 1-(2-ニトロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]フェニル-N-メチルメタンスルホンアミド;
(203) 1-(2-アミノフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]フェニル-N-メチルメタンスルホンアミド;
(204) 1-(2-ジメチルアミノフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]フェニル-N-メチルメタンスルホンアミド;
(205) 5-[4-[(ピリジン-4-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン 塩酸塩;
(206) 5-[4-[2-[(ピリジン-3-イル)オキシ]アセチルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン 塩酸塩;
(207) 5-[4-[(ピリジン-3-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン 塩酸塩;
(208) 5-[4-[(2-メチルピリジン-3-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン 塩酸塩;
(209) 5-[4-[(2-クロロピリジン-3-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(210) 5-[4-[2-[(ピリジン-2-イル)オキシ]アセチルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
【0146】
(211) 5-[4-[[4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(212) 5-[4-[(2-クロロピリジン-3-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-[1,4]ジアゼピノ[2,3-f]イソキノリン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(213) 5-[4-[(2-クロロピリジン-3-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-8,9,10,11-テトラヒドロ-1H-[1,4]ジアゼピノ[2,3-f]イソキノリン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(214) 5-[4-[(2-イソプロピルベンゾイル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン。
【0147】
上記の一般式(I)において、R1とR2が一緒になって、それらが結合しているベンゼン環と一緒になってナフタレン環又はテトラヒドロナフタレン環から選択される縮合環を形成していることが好ましく、ナフタレン環を形成していることが好ましい。
【0148】
上記の一般式(I)において、R3、R4、R5、R6及びR7は水素原子を表していることが好ましい。
【0149】
上記の一般式(I)において、XがNで、YがC(=O)で、実線と破線からなる二重線が単結合であることが好ましい。
【0150】
上記の一般式(I)において、Zが酸素原子であることが好ましい。
【0151】
上記の一般式(I)において、Aはベンゼン環又はピリジン環を表していることが好ましく、ベンゼン環を表していることが好ましい。
【0152】
上記の一般式(I)において、mは0乃至4を表していることが好ましく、0を表していることが好ましい。
【0153】
上記の一般式(I)において、BはN(R8)C(=O)又はN(R10)SO2を表していることが好ましく、このとき、R8とR10は水素原子を表していることがより好ましい。また、上記の一般式(I)において、BはNHC(=O)を表していることが好ましい。
【0154】
上記の一般式(I)において、Dは置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基から選択される同一又は異なっていてもよい置換基を1~4個有している又は又は結合手であることを表していることが好ましく、炭素数1~3のアルキル基、炭素数2~3のアルケニル基から選択される同一又は異なっていてもよい置換基を1~4個有している又は又は結合手であることを表していることがより好ましく、結合手を表していることが好ましい。
【0155】
上記の一般式(I)において、Eは、O、又は結合手を表していることが好ましく、結合手を表していることが好ましい。
【0156】
上記の一般式(I)において、Gは、置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、カルボキシル基、炭素数1~6のアルキルスルフィニル基、炭素数1~6のアルキルチオ基、炭素数1~6のアルキルスルホニル基から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよい、ベンゼン又はピリジンを表していることが好ましく、Gは、置換基として1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよい、ベンゼンを表していることが好ましい。
【0157】
上記の一般式(I)において、Aはベンゼン環を表し、mは0を表し、BはNHC(=O)又はNHSO2を表し、Dは炭素数1~3のアルキル基又は結合手を表し、Eは結合手を表し、Gは置換基として炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいベンゼンを表していることがより好ましい。
【0158】
上記の一般式(I)において、Aはベンゼン環を表し、mは0を表し、BはNHC(=O)を表し、Dは結合手を表し、Eは結合手を表し、Gは置換基として1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいベンゼンを表していることがより好ましい。
【0159】
上記の一般式(I)において、R1とR2が一緒になって、それらが結合しているベンゼン環と一緒になってナフタレン環を形成し、R3、R4、R5、R6及びR7は水素原子を表し、XがNで、YがC(=O)で、実線と破線からなる二重線が単結合を表し、Zが酸素原子を表し、Aはベンゼン環を表し、mは0を表し、BはNHC(=O)又はNHSO2を表し、Dは炭素数1~3のアルキル基又は結合手を表し、Eは結合手を表し、Gは置換基として炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいベンゼンを表していることがさらに好ましい。
【0160】
上記の一般式(I)において、R1とR2が一緒になって、それらが結合しているベンゼン環と一緒になってナフタレン環を形成し、R3、R4、R5、R6及びR7は水素原子を表し、XがNで、YがC(=O)で、実線と破線からなる二重線が単結合を表し、Zが酸素原子を表し、Aはベンゼン環を表し、mは0を表し、BはNHC(=O)を表し、Dは結合手を表し、Eは結合手を表し、Gは置換基として1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいベンゼンを表していることが特に好ましい。
【0161】
本発明の医薬の有効成分としてより好適な化合物は、一般式(I)及び/又は(II)に包含される5-[4-[(2-トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;5-[4-(2-ヨードベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;5-[4-[(2-エチルベンゾイル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;5-[4-(2-tert-ブチルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;5-[4-(6-クロロ-2-ヒドロキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;及び5-[4-[(2-イソプロピルベンゾイル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオンである。もっとも、本発明の医薬の有効成分は上記の特定の化合物に限定されることはない。
【0162】
上記の一般式(AI)ないし(HI)で表される化合物は、シス・トランス異性体や光学活性体、ラセミ体等の立体異性体が存在する場合もあるが、何れも本発明に含まれる。
【0163】
また、上記の一般式(I)及び/又は(II)で表される化合物は、置換基の種類に応じて1個又は2個以上の不斉炭素を有する場合があるが、これらの不斉炭素に基づく任意の光学異性体、光学異性体の任意の混合物、ラセミ体、2個以上の不斉炭素に基づくジアステレオ異性体、ジアステレオ異性体の任意の混合物などを本発明の医薬の有効成分として用いてもよい。上記の一般式(I)及び/又は(II)で表される化合物が二重結合や環状構造を含む場合には幾何異性体が存在する場合があるが、純粋な形態の幾何異性体のほか、それらの任意の割合の混合物を本発明の医薬の有効成分として用いてもよい。
【0164】
本発明の医薬の有効成分としては、上記の一般式(I)及び/又は(II)で表される化合物のほか、これらの化合物の酸付加塩又は塩基付加塩を用いてもよい。酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩などの鉱酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、シュウ酸塩、リンゴ酸塩などの有機酸塩などを用いることができるが、これらに限定されることはない。塩基付加塩としては、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、若しくはカルシウム塩などの金属塩、アンモニウム塩、又はトリエチルアミン塩若しくはエタノールアミン塩などの有機アミン塩などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。これらの塩のうち、薬学的に許容される塩を本発明の医薬の有効成分として用いることが好ましい。また、遊離形態の化合物又は塩の形態の化合物の任意の水和物又は溶媒和物を本発明の医薬の有効成分として用いてもよい。
【0165】
次に本発明の薬理効果について述べる。
【0166】
本発明化合物にP2X4受容体拮抗作用があることを検討した。検討は、以下の方法により行った。
【0167】
検討は、一実施態様として、ATP受容体(ヒトP2X4)を1321N1細胞に導入し、P2X4受容体安定発現系を使用することにより行った。P2X4受容体発現細胞を96ウェルプレートに播種し、37℃、5%CO2条件下で24時間培養してカルシウム測定に使用した。カルシウム蛍光指示薬であるFura-2AMをカルシウムイメージング用細胞外液に溶解させ、播種した細胞に処置し、室温で45分間静置することで細胞内にFura-2AMを取り込ませた。測定にはマイクロプレートリーダーであるEnVision(PerkinElmer)を使用した。キセノンランプから照射される光を340nm及び380nmのフィルターにそれぞれ透過させ、細胞に照射した際に発する510nmの蛍光F340及びF380を観測し、レシオ値F340/F380の変化を細胞内カルシウム変化の指標とした。測定は、ATP最終濃度1μMになるように各ウェルに添加し、ATP誘発細胞内カルシウム応答を経時的に観察することで行った。被験物質の阻害活性は被験物質をATP添加15分間前処置することにより測定し、被験物質非存在下の場合との比較により算出した。
【0168】
実施例1から明らかなように本発明化合物は優れたP2X4受容体拮抗作用を示した。(表22)
【0169】
次に、糖尿病性末梢神経障害(糖尿病性ニューロパチー)抑制作用があることを検討した。
検討は、一実施態様として、STZ誘発糖尿病性ニューロパチーモデルラットに本発明化合物を投与した後、up-down刺激法による刺激を与え、50%逃避反応閾値を算出することにより行った。
【0170】
実施例2から明らかなように本発明化合物は優れた糖尿病性末梢神経障害における鎮痛作用を示した。
【0171】
したがって、上記一般式(I)及び/又は(II)で表されるジアゼピン誘導体の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物は、P2X4受容体拮抗作用を有し、且つ、糖尿病性末梢神経障害に起因する痛みの予防又は治療剤の有効成分として有用であると考えられる。
【0172】
さらに、本発明化合物は、中枢神経系に起因する副作用、例えば、協調運動能への影響が少ない。
実施例3から明らかなように本発明化合物は協調運動能に全く影響を示さなかった。
【0173】
したがって、一つの実施態様として、上記一般式(I)及び/又は(II)で表されるジアゼピン誘導体の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物は、P2X4受容体拮抗作用を有し、運転若しくは機械操作能力に対する影響が認められないか、自動車運転能力に対する影響が認められないか、自動車運転を含む危険を伴う機械の操作に従事する患者にも投与の制限が不要であるか、又は自動車運転を含む危険を伴う機械の操作に従事する患者にも投与できる、侵害受容性疼痛、炎症性疼痛又は神経因性疼痛における痛みの予防又は治療剤の有効成分として有用であると考えられる。また、別の実施態様として、上記一般式(I)及び/又は(II)で表されるジアゼピン誘導体の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物は、P2X4受容体拮抗作用を有し、糖尿病性末梢神経障害に起因する痛み、特に四肢の痛みの予防又は治療剤の有効成分として有用であると考えられる。
また、中枢神経系に起因する副作用、例えば一つの実施態様として協調運動能への影響が少なく、慎重投与に依らずに予防又は治療することができる。すなわち、一つの実施態様として、上記一般式(I)及び/又は(II)で表されるジアゼピン誘導体の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物を有効成分として用いることにより、糖尿病性末梢神経障害に起因する痛み、特に四肢の痛みに対する予防又は治療のための医薬であって、運転若しくは機械操作能力に対する影響が認められないか、自動車運転能力に対する影響が認められないか、自動車運転を含む危険を伴う機械の操作に従事する患者にも投与の制限が不要であるか、又は自動車運転を含む危険を伴う機械の操作に従事する患者にも投与できる、前記医薬を提供できると考えられる。
【0174】
一つの実施態様として、上記一般式(I)及び/又は(II)で表されるジアゼピン誘導体の化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物は、P2X4受容体拮抗作用を有し、糖尿病性末梢神経障害に起因する痛みの予防又は治療剤、特には前記糖尿病性末梢神経障害における多発性神経障害に起因する痛みの予防又は治療剤、又は前記糖尿病性末梢神経障害における単一性神経障害に起因する痛みの予防又は治療剤、さらに特には前記痛みが神経障害性疼痛に伴う痛み及び/若しくは前記痛みが坐骨神経痛、三叉神経痛、肋間神経痛若しくは四肢の痛み、特に四肢の痛みの予防又は治療剤の有効成分として有用である。
【0175】
また、本発明の予防又は治療剤(医薬という場合もある)は必要に応じて他の薬剤と併用されてもよく、例えばオピオイド鎮痛薬(モルヒネ、フェンタニル)、ナトリウムチャネル遮断剤(ノボカイン、リドカイン)、NSAIDs (アスピリン、イブプロフェン)等との併用が挙げられる。
【0176】
一つの実施態様として、本発明の医薬は、糖尿病性末梢神経障害に起因する痛みの予防及び/又は治療に用いることができる。好ましくは前記糖尿病性末梢神経障害における多発性神経障害に起因する痛みの予防及び/又は治療に用いることができる。又は、前記糖尿病性末梢神経障害における単一性神経障害に起因する痛みの予防及び/又は治療に用いることができる。より好ましくは、前記痛みが神経障害性疼痛に伴う痛み及び/若しくは前記痛みが坐骨神経痛、三叉神経痛、肋間神経痛若しくは四肢の痛み、特に四肢の痛みの予防及び/又は治療に用いることができる。いずれの場合も高い有効性を発揮することができる。これらの糖尿病性末梢神経障害はいずれも本発明の医薬の適用対象となる。もっとも、本発明の医薬の適用対象はこれらに限定されることはない。
【0177】
一つの実施態様として、本発明の医薬の有効成分として好適な化合物は、用量依存的かつ強力な糖尿病性末梢神経障害に起因する痛みに対する鎮痛作用を示す。
前記化合物は、一実施態様として、STZ誘発糖尿病性ニューロパチーモデルラットに3mg/mLを経口投与した場合、STZ対照群に比べて投与後2時間及び投与後4時間に50%逃避反応閾値が有意に上昇した。
また前記化合物を10mg/mL及び30mg/mLを投与した場合は、STZ対照群に比べて投与後1時間ないし投与後4時間の50%逃避反応閾値が、いずれの場合も有意に上昇した。
また、前記化合物は、静脈内投与においても経口投与においても薬効を示す。
【0178】
本発明の医薬は経口投与又は非経口投与に投与することができる。本発明の医薬は、製剤の技術分野における通常の方法に従って、錠剤、丸剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、懸濁剤及び液剤等による経口投与、若しくは脊髄腔内、関節内、静脈内、筋肉内等の注射剤、若しくは坐剤、点眼剤、眼軟膏、経皮用液剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、湿布剤、貼付剤、リニメント剤、テープ剤、パップ剤、経皮用貼付剤、経粘膜液剤、経粘膜貼付剤、吸入剤、吸入粉末剤、吸入液剤、吸入エアゾール剤等による非経口投与のいずれの形態であってもよく、適宜の剤型の医薬として製造することができる。
【0179】
これら製剤は、一般的な技術を用いて製造することができるが、例えば、錠剤の場合には、通常の賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、色素などが用いて、医薬組成物として供することができる。賦形剤としては、乳糖、D-マンニトール、結晶セルロース、ブドウ糖などが、崩壊剤としては、デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム(CMC-Ca)などが、滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、タルクなどが、結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ゼラチン、ポリビニルピロリドン(PVP)などが挙げられる。
【0180】
注射剤の調製には、溶剤、安定化剤、溶解補助剤、懸濁剤、乳化剤、無痛化剤、緩衝剤、保存剤などが用いられる。これらの製剤用添加物や製剤の調製方法は当業者が適宜選択できる。
【0181】
非経口投与のための吸入剤としては、エアゾール剤、吸入用粉末剤、吸入用液剤(例えば、吸入用溶液、吸入用懸濁剤等)、又はカプセル状吸入剤が含まれ、前記吸入用液剤は用時に水又は他の適当な媒体に溶解又は懸濁させて使用する形態であってもよい。これらの吸入剤は適当な吸入容器を用いて適用することができ、例えば、吸入用液剤を投与する際には、噴霧器(アトマイザー、ネブライザー)等を、吸入用粉末剤を投与する際には粉末薬剤用吸入投与器等を使用することができる。
【0182】
これらの吸入剤は公知の方法に準じて製造される。例えば、一般式(I)及び/又は(II)で示される化合物を粉末又は液状にして、吸入噴射剤及び/又は担体中に配合し、適当な吸入容器に充填することにより製造される。一般式(I)及び/又は(II)で示される化合物を粉末化する場合、常法に従って粉末化される。例えば、乳糖、デンプン、ステアリン酸マグネシウム等とともに微粉末にし、均一な混合物にするか、造粒して粉末剤を調製する。また、一般式(I)及び/又は(II)で示される化合物を液状化する場合、例えば前記化合物を水、生理食塩液又は有機溶剤等の液状担体に溶解すればよい。噴射剤としては、公知の噴射剤、例えば、代替フロン、液化ガス噴射剤(例えば、フッ化炭化水素、液化石油、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル等)、圧縮ガス(例えば、可溶性ガス(例えば、炭酸ガス、亜酸化窒素ガス等)、不溶性ガス(例えば、窒素ガス等)等が用いられる。
【0183】
吸入剤には、さらに、必要に応じて添加剤を適宜配合してもよい。添加剤としては、一般に使用されている添加剤であれば何でもよく、例えば、固形賦形剤(例えば、白糖、乳糖、ブドウ糖、マンニット、ソルビット、マルトース、セルロース等)、液状賦形剤(例えば、プロピレングリコール等)、結合剤(デンプン、デキストリン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、白糖等)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、タルク、ラウリル硫酸ナトリウム等)、矯味剤(例えば、クエン酸、メントール、グリチルリチンアンモニウム塩、グリシン、オレンジ粉末等)、保存剤(例えば、安息香酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン等)、安定化剤(例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム等)、懸濁化剤又は乳化剤(例えば、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、レシチン、トリオレイン酸ソルビタン等)、分散剤(例えば、界面活性剤等)、溶剤(例えば、水等)、等張化剤(例えば、塩化ナトリウム、濃グリセリン等)、pH調節剤(例えば、塩酸、硫酸等)可溶化剤(例えば、エタノール等)、防腐剤(塩化ベンザルコニウム、パラベン等)、着色剤、緩衝化剤(リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等)、増粘剤(カリボキシビニルポリマー等)、吸収促進剤等が用いられる。例えば、吸入用液剤の場合には、防腐剤、着色剤、緩衝化剤、等張化剤、増粘剤、吸収促進剤などを必要に応じて適宜選択して調製される。また、例えば吸入用粉末剤の場合には、滑沢剤、結合剤、賦形剤、着色剤、防腐剤、吸収促進剤(胆汁酸塩、キトサン等)などを必要に応じて適宜選択して調製される。
【0184】
さらに、一般式(I)及び/又は(II)で示される化合物を徐放性とするため、吸入剤においては生体内分解性重合物を含有していてもよい。生体内分解性重合物とは、脂肪酸エステル重合体又はその共重合体、ポリアクリル酸エステル類、ポリヒドロキシ酪酸類、ポリアルキレンオキサレート類、ポリオルソエステル、ポリカーボネート及びポリアミノ酸類が挙げられ、これらは1種類又はそれ以上混合して使用することができる。また、卵黄レシチン等のリン脂質、キトサン等を用いてもよい。脂肪酸エステル重合体又はその共重合体とは、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリクエン酸、ポリリンゴ酸及び乳酸-グリコール酸共重合体が挙げられ、これらは1種類又はそれ以上混合して使用することができる。その他に、ポリα-シアノアクリル酸エステル、ポリβ-ヒドロキシ酪酸、ポリトリメチレンオキサート、ポリオルソエステル、ポリオルソカーボネート、ポリエチレンカーボネート、ポリγ-ベンジル-L-グルタミン酸及びポリL-アラニンの1種類又はそれ以上混合も使用することができる。好ましくは、ポリ乳酸、ポリグルコール酸又は乳酸-グリコール酸共重合体であり、より好ましくは、乳酸-グリコール酸共重合体である。また、乳酸-グリコール酸共重合体等の生体内分解性重合物を用いて薬物を封入したマイクロスフェアやナノスフェアを調製してもよい。
【0185】
軟膏剤は公知又は通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつ又はそれ以上の活性物質を基剤に研和、又は溶融させて製造、調製される。軟膏基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、高級脂肪酸又は高級脂肪酸エステル(アジピン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アジピン酸エステル、ミリスチン酸エステル、パルミチン酸エステル、ステアリン酸エステル、オレイン酸エステル等)、ロウ類(ミツロウ、鯨ロウ、セレシン等)、界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等)、高級アルコール(セタノール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール等)、シリコン油(ジメチルポリシロキサン等)、炭化水素類(親水ワセリン、白色ワセリン、精製ラノリン、流動パラフィン等)、グリコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、マクロゴール等)、植物油(ヒマシ油、オリーブ油、ごま油、テレピン油等)、動物油(ミンク油、卵黄油、スクワラン、スクワレン等)、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの単独又は2種以上を混合して用いられる。さらに、保湿剤、保存剤、安定化剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
【0186】
ゲル剤は公知又は通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつ又はそれ以上の活性物質を基剤に溶融させて製造、調製される。ゲル基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、低級アルコール(エタノール、イソプロピルアルコール等)、ゲル化剤(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース等)、中和剤(トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等)、界面活性剤(モノステアリン酸ポリエチレングリコール等)、ガム類、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの単独又は2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
【0187】
クリーム剤は公知又は通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつ又はそれ以上の活性物質を基剤に溶融又は乳化させて製造、調製される。クリーム基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、高級脂肪酸エステル、低級アルコール、炭化水素類、多価アルコール(プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール等)、高級アルコール(2-ヘキシルデカノール、セタノール等)、乳化剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、脂肪酸エステル類等)、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの単独又は2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
【0188】
湿布剤は公知又は通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつ又はそれ以上の活性物質を基剤に溶融させ、練合物とし支持体上に展延塗布して製造される。湿布基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、増粘剤(ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム、デンプン、ゼラチン、メチルセルロース等)、湿潤剤(尿素、グリセリン、プロピレングリコール等)、充填剤(カオリン、酸化亜鉛、タルク、カルシウム、マグネシウム等)、水、溶解補助剤、粘着付与剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの単独又は2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
【0189】
貼付剤は公知又は通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつ又はそれ以上の活性物質を基剤に溶融させ、支持体上に展延塗布して製造される。貼付剤用基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、高分子基剤、油脂、高級脂肪酸、粘着付与剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの単独又は2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
【0190】
リニメント剤は公知又は通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつ又はそれ以上の活性物を水、アルコール(エタノール、ポリエチレングリコール等)、高級脂肪酸、グリセリン、セッケン、乳化剤、懸濁化剤等から選ばれるもの単独又は2種以上に溶解、懸濁又は乳化させて製造、調製される。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
【0191】
本発明の医薬の投与量は特に限定されないが、一般的には、成人に対して、経口投与により1日あたり0.01mg~2000mg、注射剤により有効成分量として1日あたり約0.01mg~100mg、吸入剤、吸入粉末剤、吸入液剤、吸入エアゾール剤により有効成分量として1日あたり約0.01μg~100mg、好ましくは0.3μg~10mg、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、湿布剤、貼付剤、リニメント剤、テープ剤、パップ剤により有効成分量として1日あたり約0.01mg~1000mgを投与することができる。もっとも、上記の投与量に限定されることはなく、年齢や症状等により増減することができる。
【0192】
本発明の実施の他の形態の例としては以下が挙げられる。
a)侵害受容性疼痛、炎症性疼痛又は神経因性疼痛における痛みの予防又は治療方法であって、これらを必要とする患者に、前記一般式(I)及び/又は(II)で表される化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物の予防又は治療有効量を投与する方法;
b)前記患者が自動車運転を含む危険を伴う機械の操作に従事する患者である、前記a)の予防又は治療方法;
c)前記投与が、前記患者が自動車運転を含む危険を伴う機械の操作に従事する前(例えば、従事する前の12時間以内、従事する前の6時間以内、従事する前の3時間以内、又は従事する前の1時間以内)、又は前記患者が自動車運転を含む危険を伴う機械の操作に従事する間に行われる、前記b)の予防又は治療方法;
d)前記痛みが、糖尿病性末梢神経障害に起因する四肢の痛みである、前記a)~c)のいずれか1つの予防又は治療方法;
【0193】
aa)侵害受容性疼痛、炎症性疼痛又は神経因性疼痛における痛みの予防又は治療における使用のための、前記一般式(I)及び/又は(II)で表される化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物;
bb)前記痛みが、糖尿病性末梢神経障害に起因する四肢の痛みである、前記aa)の使用のための、前記一般式(I)及び/又は(II)で表される化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物;
cc)侵害受容性疼痛、炎症性疼痛又は神経因性疼痛における痛みの予防又は治療における使用のための、前記一般式(I)及び/又は(II)で表される化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物であって、前記使用が、自動車運転を含む危険を伴う機械の操作に従事する患者にも投与の制限のない使用か、又は自動車運転を含む危険を伴う機械の操作に従事する患者に対する使用である;
dd)前記使用が、自動車運転を含む危険を伴う機械の操作に従事する前(例えば、従事する前の12時間以内、従事する前の6時間以内、従事する前の3時間以内、又は従事する前の1時間以内)、又は自動車運転を含む危険を伴う機械の操作に従事する間の使用である、前記cc)の使用のための、前記一般式(I)及び/又は(II)で表される化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物;
ee)前記痛みが、糖尿病性末梢神経障害に起因する四肢の痛みである、前記cc)又はdd)の使用のための、前記一般式(I)及び/又は(II)で表される化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物;
【0194】
aaa)侵害受容性疼痛、炎症性疼痛又は神経因性疼痛における痛みの予防又は治療のための医薬の製造のための、前記一般式(I)及び/又は(II)で表される化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物の使用;
bbb)前記痛みが、糖尿病性末梢神経障害に起因する四肢の痛みである、前記aaa)の使用;
ccc)侵害受容性疼痛、炎症性疼痛又は神経因性疼痛における痛みの予防又は治療のための医薬の製造のための、前記一般式(I)及び/又は(II)で表される化合物、前記化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、又はその水和物若しくは溶媒和物の使用であって、前記医薬は、運転若しくは機械操作能力に対する影響が認められないか、自動車運転能力に対する影響が認められないか、自動車運転を含む危険を伴う機械の操作に従事する患者にも投与の制限が不要であるか、又は自動車運転を含む危険を伴う機械の操作に従事する患者にも投与できる、前記使用;
ddd)前記医薬が、自動車運転を含む危険を伴う機械の操作に従事する前(例えば、従事する前の12時間以内、従事する前の6時間以内、従事する前の3時間以内、又は従事する前の1時間以内)、又は自動車運転を含む危険を伴う機械の操作に従事する間に患者に投与される、前記ccc)の使用;又は
eee)前記痛みが、糖尿病性末梢神経障害に起因する四肢の痛みである、前記ccc)又はddd)の使用。
【実施例0195】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。
以下の実施例では、P2X4アンタゴニストとして、5-[4-(2-ヨードベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン(WO2013/105608、実施例48の化合物:以下「化合物A」と呼ぶ)を用いた。
【0196】
実施例1
(P2X4受容体拮抗作用)
【0197】
本発明化合物のP2X4受容体拮抗作用を測定した。
(試験方法)
ATP受容体(ヒトP2X4)を1321N1細胞に導入し、P2X4受容体安定発現系として使用した。P2X4受容体発現細胞を96ウェルプレートに播種し、37℃、5%CO2条件下で24時間培養してカルシウム測定に使用した。カルシウム蛍光指示薬であるFura-2AMをカルシウムイメージング用細胞外液に溶解させ、播種した細胞に処置し、室温で45分間静置することで細胞内にFura-2AMを取り込ませた。測定にはマイクロプレートリーダーであるEnVision(PerkinElmer)を使用した。キセノンランプから照射される光を340nm及び380nmのフィルターにそれぞれ透過させ、細胞に照射した際に発する510nmの蛍光F340及びF380を観測し、レシオ値F340/F380の変化を細胞内カルシウム変化の指標とした。測定は、ATP最終濃度1μMになるように各ウェルに添加し、ATP誘発細胞内カルシウム応答を経時的に観察することで行った。被験物質の阻害活性は被験物質をATP添加15分間前処置することにより測定し、被験物質非存在下の場合との比較により算出した。結果を以下の表22に示す。
【0198】
【0199】
実施例2
(化合物Aの糖尿病性ニューロパチー抑制作用)
【0200】
(ストレプトゾトシン(STZ)誘発糖尿病性ニューロパチーモデルの作製)
糖尿病惹起物質としてSTZをラットに静脈内投与することにより、モデルを作製した。試験には、STZ投与後35日経過後に糖尿病ニューロパチーを発症していた動物を用いた。
【0201】
(血糖値の測定)
STZ投与前日及び被験物質投与前日に、尾静脈からヘパリン処理したキャピラリーを取り付けた翼付注射針を用いて、約100μL血液を採取した。
得られた血液を遠心機で遠心分離 [遠心条件:4°C、3,000 rpm(×2,150g)、15min]後、血漿を得た。得られた血漿について、ヘキソキナーゼ・G-6-PDH法にて生化学自動分析装置を用いて血糖値を測定した。なお、得られる血漿量が微量であったため、測定は血漿を生理食塩液で5倍希釈して行った。STZ誘発糖尿病モデル動物は、被験物質投与前日の血糖値が300mg/dL以下の動物は糖尿病を発症していないと判断し試験に用いなかった。
【0202】
(群分け)
STZ投与後35日の投与前に50%逃避反応閾値を測定し、逃避反応閾値及び体重の平均が各群で等しくなるよう、2匹ずつに群分けした(50%逃避反応閾値の重度 8:体重の重度 2)。前記群分けは、コンピュータプログラム(EXSUS version 8.0(CACエクシケア製))を用いて行った。なお、STZ誘発糖尿病モデル動物は、被験物質投与前日の血糖値が300mg/dL以下の動物は糖尿病を発症していないと判断し試験に用いなかった。
【0203】
(疼痛評価)
疼痛評価は、予備飼育期間中及びSTZ投与後35日の、被験物質投与前、投与後1、2、4及び6時間に行った。
左後肢の足蹠中央部をvon Frey filament(使用圧;1、2、4、6、8、15g、North Coast Medical Inc.)を使用し、filamentが曲がるまで垂直に6秒間あて逃避反応を観察した。すなわち、up-down刺激法(2gのfilamentから刺激を開始し、刺激に対する逃避反応陰性時は次に強いfilamentでの刺激を行い、逃避反応陽性時は次に弱いfilamentで刺激を行う方法)による刺激を与え、その結果から以下の50%逃避反応閾値の算出方法から50%逃避反応閾値を算出した(50%逃避反応閾値は四捨五入して小数点以下2桁)。
【0204】
(50%逃避反応閾値の算出方法)
反応の有無が初めて変わった時点(逃避反応陽性から陰性、若しくは逃避反応陰性から陽性へと変化した時)からさらに4回、up-down刺激法による刺激した。
なお、15gのfilamentまで無反応、4回刺激途中で15gに達した動物、あるいは計算値が15g以上の動物は50%逃避反応閾値を15.00gとした。
50%逃避反応閾値=(10(Xf+k×δ))/10,000
Xf:最後に用いたvon Frey Filamentのエバリュエイトサイズ
K:逃避反応パターン
δ:用いたfilament間の差の平均(当試験では、0.224とした)
【0205】
(投与方法)
STZ誘発糖尿病モデルラットへの化合物A及び注射用水(日本薬局方注射用水、販売名:大塚蒸留水、大塚製薬株式会社製)の投与は、経口投与により行った。
【0206】
(試験結果)
得られた結果を
図1に示す。
注射用水を投与したSTZ対照群では、投与前~投与後6時間まで50%逃避反応閾値に変化はなかった。
化合物Aの3mg/mL群では、STZ対照群に比べて投与後2時間及び投与後4時間に50%逃避反応閾値が有意に上昇した。10mg/mL群及び30mg/mL群では、STZ対照群に比べて投与後1時間ないし投与後4時間に50%逃避反応閾値が有意に上昇した。
【0207】
実施例3
(化合物Aの協調運動能への影響の評価)
(目的)
中枢抑制作用及び筋弛緩作用を検討するための指標として、Rota-rod testを用いて協調運動能への影響を検討した。
【0208】
(方法)
ラット(SD、雄)に注射用水、化合物A(60mg/kg)及びプレガバリン(60mg/kg)を単回経口投与した。何れも検体数は8とした。
試験前にRota-rod(47700, UGO BASILE S.R.L.)の回転盤の目印を用いて10rpmとなるよう回転数を設定し、回転しているrod上にラットを静かに載せ、ラットがrod上に安定に乗ることを確認した後、ラットがrodから落下するまでの時間(秒)を記録した。Cut-off値は120秒とした。
試行は被験物質投与前、投与後3時間に行い、各測定時点につき3回までとし、cut-off値に到達した場合は120秒、3回の試行全てにおいてcut-off値に到達しなかった場合は3回の値の平均値をその時点での歩行継続時間とした。
【0209】
(結果)
化合物Aは、cut-off値の120秒に達し、協調運動能に全く影響を示さなかった。
一方、プレガバリンは、歩行継続時間が22±5秒となり、溶媒投与群に対して有意に低値を示した。
本発明の医薬は、例えば、協調運動能への影響が少ないので、侵害受容性疼痛、炎症性疼痛又は神経因性疼痛における痛みの予防又は治療のために用いることができ、運転若しくは機械操作能力に対する影響が認められないか、自動車運転能力に対する影響が認められないか、自動車運転を含む危険を伴う機械の操作に従事する患者にも投与の制限をすることなく用いることができるか、又は自動車運転を含む危険を伴う機械の操作に従事する患者にも投与することができる医薬として有用である。