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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083506
(43)【公開日】2024-06-21
(54)【発明の名称】固形農薬組成物
(51)【国際特許分類】
   A01N 43/56 20060101AFI20240614BHJP
   A01P 13/00 20060101ALI20240614BHJP
   A01N 47/16 20060101ALI20240614BHJP
   A01N 47/38 20060101ALI20240614BHJP
   A01N 25/30 20060101ALI20240614BHJP
   A01N 43/66 20060101ALI20240614BHJP
   A01N 47/36 20060101ALI20240614BHJP
   A01N 25/12 20060101ALI20240614BHJP
   A01M 21/04 20060101ALI20240614BHJP
   A01M 1/20 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
A01N43/56 C
A01P13/00
A01N47/16 Z
A01N47/38 A
A01N25/30
A01N43/66
A01N47/36 101A
A01N25/12
A01M21/04 C
A01M1/20 A
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024062209
(22)【出願日】2024-04-08
(62)【分割の表示】P 2019171999の分割
【原出願日】2019-09-20
(31)【優先権主張番号】P 2019036504
(32)【優先日】2019-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】303020956
【氏名又は名称】三井化学クロップ&ライフソリューション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】佐飛 寛
(72)【発明者】
【氏名】津留崎 一真
(72)【発明者】
【氏名】二宮 千恵
(72)【発明者】
【氏名】田中 清子
(57)【要約】
【課題】
加水分解性が高い農薬有効成分の加水分解が抑制され、当該農薬有効成分の保存安定性が向上した固形農薬組成物を提供すること。
【解決手段】
本発明は、(1)加水分解性が高い農薬有効成分又はその塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩又はその縮合物、及びポリオキシエチレン モノ、ジ又はトリスチリルフェニルエーテル モノ又はジ燐酸エステルを含有する、比表面積が少なくとも60,000cm/cm以上のスラリー、ならびに(2)硫酸アンモニウムを含有する固形農薬組成物、当該組成物が水溶性フィルムに封入された農薬製剤、当該組成物及び当該農薬製剤の製造法、当該組成物及び当該農薬製剤の施用方法、ならびに当該組成物の製造のためのスラリーに関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)加水分解性が高い農薬有効成分又はその塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩又はその縮合物及びポリオキシエチレン モノ、ジ又はトリスチリルフェニルエーテル モノ又はジ燐酸エステルを含有する、比表面積が少なくとも60,000cm/cm以上のスラリーならびに(2)硫酸アンモニウムを含有する固形農薬組成物。
【請求項2】
加水分解性が高い農薬有効成分が、除草性化合物若しくはその塩、殺菌性化合物若しくはその塩又は殺虫性化合物若しくはその塩である請求項1に記載の固形農薬組成物。
【請求項3】
加水分解性が高い農薬有効成分が、除草性化合物又はその塩である、請求項1又は2に記載の固形農薬組成物。
【請求項4】
加水分解性が高い農薬有効成分が、ピラゾレート、アジムスルフロン及びベンスルフロンメチルからなる群より選択される、1又は2以上の化合物である、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の固形農薬組成物。
【請求項5】
加水分解性が高い農薬有効成分が、ピラゾレートである、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の固形農薬組成物。
【請求項6】
さらに、追加の農薬有効成分として、シクロピリモレート又はその塩を含有する、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の固形農薬組成物。
【請求項7】
さらに、追加の農薬有効成分として、VLCFAの阻害(細胞分裂阻害)系除草性化合物又はその塩、スルホニルウレア系除草性化合物又はその塩、ピリミジニル安息香酸系除草性化合物又はその塩及びプロトポルフィリノーゲン酸化酵素(PPO)阻害系除草性化合物又はその塩からなる群より選択される、1若しくは2以上の除草性化合物又はその塩(但し、前記加水分解性が高い除草性化合物と同一であるスルホニルウレア系除草性化合物は除く。)を含有する、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の固形農薬組成物。
【請求項8】
VLCFAの阻害(細胞分裂阻害)系除草性化合物が、アセトクロール、アラクロール、ブタクロール、ジメタクロール、ジメテナミド、メタザクロール、メトラクロール、ペトキサミド、プレチラクロール、プロパクロール、プロピソクロール、テニルクロール、ジフェナミド、ナプロパミド、フェントラザミド、イプフェンカルバゾンフルフェナセット、メフェナセット、アニロホス、カフェンストロール及びピペロホスからなる群より選択される化合物である請求項7に記載の固形農薬組成物。
【請求項9】
加水分解性が高い農薬有効成分がピラゾレートであり、追加の農薬有効成分がシクロピリモレート及びフェントラザミドである、請求項6ないし8のいずれか1つに記載の固形農薬組成物。
【請求項10】
スルホニルウレア系除草性化合物が、アミドスルフロン、アジムスルフロン、トリフロキシスルフロン、ベンスルフロンメチル、シクロスルファムロン、フルピルスルフロンメチル、フォーラムスルフロン、クロリムロンエチル、エタメトスルフロンメチル、ハロスルフロンメチル、ニコスルフロン、クロルスルフロン、エトキシスルフロン、イマゾスルフロン、オキサスルフロン、ピラゾスルフロンエチル、トリトスルフロン、シノスルフロン、フラザスルフロン、ヨードスルフロンメチル、プリミスルフロンメチル、リムスルフロン、チフェンスルフロンメチル、メソスルフロンメチル、メトスルフロンメチル、プロスルフロン、トリアスルフロン、トリフルスルフロンメチル、スルホスルフロン、トリベヌロンメチル、フルセトスルフロン、プロピリスルフロン及びメタゾスルフロンからなる群より選択される化合物(但し、前記加水分解性が高い農薬有効成分が、アジムスルフロン又はベンスルフロンメチルであるとき、当該スルホニルウレア系除草性化合物は除く。)である請求項7に記載の固形農薬組成物。
【請求項11】
スルホニルウレア系除草性化合物が、プロピリスルフロン、アジムスルフロン、ベンスルフロンメチル及びメタゾスルフロンからなる群より選択される化合物(但し、前記加水分解性が高い除草性化合物が、アジムスルフロン又はベンスルフロンメチルであるとき、当該スルホニルウレア系除草性化合物は除く。)である、請求項7又は10に記載の固形農薬組成物。
【請求項12】
加水分解性が高い農薬有効成分がピラゾレートであり、追加の農薬有効成分がシクロピリモレート及びプロピリスルフロンである、請求項6、7、10及び11のいずれか1つに記載の固形農薬組成物。
【請求項13】
ピリミジニル安息香酸系除草性化合物が、ビスピリバック、ピリベンゾキシム、ピリフタリド、ピリミスルファン、卜リアファモン及びピリミノバックメチルからなる群より選択される化合物である請求項7に記載の固形農薬組成物。
【請求項14】
加水分解性が高い農薬有効成分がピラゾレートであり、追加の農薬有効成分がシクロピリモレート及びトリアファモンである、請求項6、7及び13のいずれか1つに記載の固形農薬組成物。
【請求項15】
プロトポルフィリノーゲン酸化酵素(PPO)阻害系除草性化合物が、アシフルオルフェン、ビフェノックス、クロメトキシニル、フルオログリコフェンエチル、ホメサフェン、ハロサフェン、ラクトフェン、オキシフローフェン、フルアゾレート、ピラフルフェンエチル、シニドンエチル、フルミオキサジン、フルミクロラックペンチル、フルチアセットメチル、チジアジミン、オキサジアゾン、オキサジアルギル、アザフェニジン、カルフェントラゾンエチル、スルフェントラゾン、ペントキサゾン、ベンズフェンジゾン、ブタフェナシル、ピラクロニル、プロフルアゾール及びフルフェンピルエチルからなる群より選択される化合物である請求項7に記載の固形農薬組成物。
【請求項16】
加水分解性が高い農薬有効成分がピラゾレートであり、追加の農薬有効成分がシクロピリモレート及びピラクロニルである、請求項6、請求項7及び請求項15のいずれか1つに記載の固形農薬組成物。
【請求項17】
アルキルナフタレンスルホン酸塩又はその縮合物が、メチルナフタレンスルホン酸塩、エチルナフタレンスルホン酸塩、プロピルナフタレンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、ブチルナフタレンスルホン酸塩、イソブチルナフタレンスルホン酸塩、ジメチルナフタレンスルホン酸塩、ジエチルナフタレンスルホン酸塩、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸塩、ジブチルナフタレンスルホン酸塩、ジイソブチルナフタレンスルホン酸塩若しくはメチルノニルナフタレンスルホン酸塩又はそれらの縮合物である、請求項1ないし16のいずれか1つに記載の固形農薬組成物。
【請求項18】
ポリオキシエチレン モノ、ジ又はトリスチリルフェニルエーテル モノ又はジ燐酸エステルが、ポリオキシエチレンモノスチリルフェニルエーテル モノ燐酸エステル、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル モノ燐酸エステル、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル モノ燐酸エステル、ポリオキシエチレンモノスチリルフェニルエーテル ジ燐酸エステル、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル ジ燐酸エステル及びポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル ジ燐酸エステルからなる群より選択される界面活性剤である、請求項1ないし17のいずれか1つに記載の固形農薬組成物。
【請求項19】
(a)加水分解性が高い農薬有効成分又はその塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩又はその縮合物、ポリオキシエチレン モノ、ジ又はトリスチリルフェニルエーテル モノ又はジ燐酸エステル、及び必要に応じてその他補助剤成分を混合し湿式粉砕して、農薬有効成分を含む比表面積が少なくとも60,000cm/cm以上であるスラリーを得る工程、
(b)前記工程(a)で得られたスラリー、硫酸アンモニウム及び必要に応じてその他補助剤成分を混合し、湿式造粒して粒剤を得る工程ならびに
(c)前記工程(b)で得られた粒剤を乾燥、解砕及び簡分する工程
を含む、請求項1ないし18のいずれか1つに記載の固形農薬組成物の製造方法。
【請求項20】
比表面積が少なくとも60,000cm/cm以上である、加水分解性が高い農薬有効成分又はその塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩又はその縮合物及びポリオキシエチレン モノ、ジ又はトリスチリルフェニルエーテル モノ又はジ燐酸エステルを含有するスラリー。
【請求項21】
請求項1ないし18のいずれか1つに記載の固形農薬組成物を、水溶性フィルムに封入することを特徴とする農薬製剤の製造方法。
【請求項22】
請求項1ないし18のいずれか1つに記載の固形農薬組成物を、水田に、手で直接散布すること又は農薬散布機を用いて散布することを特徴とする固形農薬組成物の施用方法。
【請求項23】
請求項1ないし18のいずれか1つに記載の固形農薬組成物を、水溶性フィルムに封入し、農薬製剤とし、当該農薬製剤を水田に直接散布することを特徴とする当該農薬製剤の施用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形農薬組成物、より好ましくは、当該組成物が水溶性フィルムに封入された農薬製剤、当該組成物及び当該農薬製剤の製造法、当該組成物及び当該農薬製剤の施用方法、ならびに当該組成物の製造のためのスラリーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、加水分解性が高い農薬有効成分は、液体製剤のみならず固体製剤であっても、その加水分解性の高さから、当該製剤を長期貯蔵する際には、当該製剤中で当該農薬有効成分が大幅に分解してしまう課題があった。そのため、例えば、分解防止剤などを当該製剤に配合して当該農薬有効成分の分解を抑制することにより、当該農薬有効成分を含む製品の有効期限は、当該製品の流通を考慮した最低限の3年しか確保できなかった。しかしながら、需要者は、使用勝手のよい有効期限がより長期の製品を希望し、供給者は、有効期限切れによる製品ロスの削減や有効期限延長による製品コストの合理化などのために当該有効期限がより長期の製品を希望している。特に、需給者において、有効期限を3年以上に延長することが強く望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5810009号
【特許文献2】WO2017/146147
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
固形農薬組成物は、高温条件下で保存された場合、製剤中の農薬有効成分の分解が促進される場合がある。これまでに農薬有効成分の分解を抑制する対策としては、分解防止剤などを添加する方法(例えば特許文献1及び特許文献2)が提案されている。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、例えば、マレイン酸/アクリル酸共重合物又はその塩を、農薬有効成分の分解防止剤として、製剤中に配合することにより、農薬有効成分の分解を抑制する方法であり、特許文献2に記載の発明は、例えば、コーンスターチなどの澱粉を農薬有効成分の分解防止剤として、製剤中に配合することにより、農薬有効成分の分解を抑制する方法であるが、特許文献1及び特許文献2に記載の発明は、ともに農薬有効成分に対する安定化効果は必ずしも十分ではなく、実用上利用可能な保存安定性を確保することは困難であった。
【0006】
本発明は、加水分解性が高い農薬有効成分の加水分解が抑制され、当該農薬有効成分の保存安定性が向上した固形農薬組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するべく、鋭意研究を行った結果、加水分解性が高い農薬有効成分又はその塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩又はその縮合物、及びポリオキシエチレン モノ、ジ又はトリスチリルフェニルエーテル モノ又はジ燐酸エステルを含有する、比表面積が少なくとも60,000cm/cm以上であるスラリー、ならびに
硫酸アンモニウムを配合することにより、当該農薬有効成分の加水分解が抑制され、当該農薬有効成分の保存安定性が向上することを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、以下[1]-[23]の通りである。
[1](1)加水分解性が高い農薬有効成分又はその塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩又はその縮合物及びポリオキシエチレン モノ、ジ又はトリスチリルフェニルエーテル モノ又はジ燐酸エステルを含有する、比表面積が少なくとも60,000cm/cm以上のスラリーならびに(2)硫酸アンモニウムを含有する固形農薬組成物。
[2]加水分解性が高い農薬有効成分が、除草性化合物若しくはその塩、殺菌性化合物若しくはその塩又は殺虫性化合物若しくはその塩である[1]に記載の固形農薬組成物。
[3]加水分解性が高い農薬有効成分が、除草性化合物又はその塩である、[1]又は[2]に記載の固形農薬組成物。
[4]加水分解性が高い農薬有効成分が、ピラゾレート、アジムスルフロン及びベンスルフロンメチルからなる群より選択される、1又は2以上の化合物である、[1]ないし[3]のいずれか1つに記載の固形農薬組成物。
[5]加水分解性が高い農薬有効成分が、ピラゾレートである、[1]ないし[4]のいずれか1つに記載の固形農薬組成物。
[6]さらに、追加の農薬有効成分として、シクロピリモレート又はその塩を含有する、[1]ないし[5]のいずれか1つに記載の固形農薬組成物。
[7]さらに、追加の農薬有効成分として、VLCFAの阻害(細胞分裂阻害)系除草性化合物又はその塩、スルホニルウレア系除草性化合物又はその塩、ピリミジニル安息香酸系除草性化合物又はその塩及びプロトポルフィリノーゲン酸化酵素(PPO)阻害系除草性化合物又はその塩からなる群より選択される、1若しくは2以上の除草性化合物又はその塩(但し、前記加水分解性が高い除草性化合物と同一であるスルホニルウレア系除草性化合物は除く。)を含有する、[1]ないし[6]のいずれか1つに記載の固形農薬組成物。
[8]VLCFAの阻害(細胞分裂阻害)系除草性化合物が、アセトクロール、アラクロール、ブタクロール、ジメタクロール、ジメテナミド、メタザクロール、メトラクロール、ペトキサミド、プレチラクロール、プロパクロール、プロピソクロール、テニルクロール、ジフェナミド、ナプロパミド、フェントラザミド、イプフェンカルバゾンフルフェナセット、メフェナセット、アニロホス、カフェンストロール及びピペロホスからなる群より選択される化合物である[7]に記載の固形農薬組成物。
[9]加水分解性が高い農薬有効成分がピラゾレートであり、追加の農薬有効成分がシクロピリモレート及びフェントラザミドである、[6]ないし[8]のいずれか1つに記載の固形農薬組成物。
[10]スルホニルウレア系除草性化合物が、アミドスルフロン、アジムスルフロン、トリフロキシスルフロン、ベンスルフロンメチル、シクロスルファムロン、フルピルスルフロンメチル、フォーラムスルフロン、クロリムロンエチル、エタメトスルフロンメチル、ハロスルフロンメチル、ニコスルフロン、クロルスルフロン、エトキシスルフロン、イマゾスルフロン、オキサスルフロン、ピラゾスルフロンエチル、トリトスルフロン、シノスルフロン、フラザスルフロン、ヨードスルフロンメチル、プリミスルフロンメチル、リムスルフロン、チフェンスルフロンメチル、メソスルフロンメチル、メトスルフロンメチル、プロスルフロン、トリアスルフロン、トリフルスルフロンメチル、スルホスルフロン、トリベヌロンメチル、フルセトスルフロン、プロピリスルフロン及びメタゾスルフロンからなる群より選択される化合物(但し、前記加水分解性が高い農薬有効成分が、アジムスルフロン又はベンスルフロンメチルであるとき、当該スルホニルウレア系除草性化合物は除く。)である[7]に記載の固形農薬組成物。
[11]スルホニルウレア系除草性化合物が、プロピリスルフロン、アジムスルフロン、ベンスルフロンメチル及びメタゾスルフロンからなる群より選択される化合物(但し、前記加水分解性が高い除草性化合物が、アジムスルフロン又はベンスルフロンメチルであるとき、当該スルホニルウレア系除草性化合物は除く。)である、[7]又は[10]に記載の固形農薬組成物。
[12]加水分解性が高い農薬有効成分がピラゾレートであり、追加の農薬有効成分がシクロピリモレート及びプロピリスルフロンである、[6]、[7]、[10]及び[11]のいずれか1つに記載の固形農薬組成物。
[13]ピリミジニル安息香酸系除草性化合物が、ビスピリバック、ピリベンゾキシム、ピリフタリド、ピリミスルファン、卜リアファモン及びピリミノバックメチルからなる群より選択される化合物である、[7]に記載の固形農薬組成物。
[14]加水分解性が高い農薬有効成分がピラゾレートであり、追加の農薬有効成分がシクロピリモレート及びトリアファモンである、[6]、[7]及び[13]のいずれか1つに記載の固形農薬組成物。
[15]プロトポルフィリノーゲン酸化酵素(PPO)阻害系除草性化合物が、アシフルオルフェン、ビフェノックス、クロメトキシニル、フルオログリコフェンエチル、ホメサフェン、ハロサフェン、ラクトフェン、オキシフローフェン、フルアゾレート、ピラフルフェンエチル、シニドンエチル、フルミオキサジン、フルミクロラックペンチル、フルチアセットメチル、チジアジミン、オキサジアゾン、オキサジアルギル、アザフェニジン、カルフェントラゾンエチル、スルフェントラゾン、ペントキサゾン、ベンズフェンジゾン、ブタフェナシル、ピラクロニル、プロフルアゾール及びフルフェンピルエチルからなる群より選択される化合物である、[7]に記載の固形農薬組成物。
[16]加水分解性が高い農薬有効成分がピラゾレートであり、追加の農薬有効成分がシクロピリモレート及びピラクロニルである、[6]、[7]及び[15]のいずれか1つに記載の固形農薬組成物。
[17]アルキルナフタレンスルホン酸塩又はその縮合物が、メチルナフタレンスルホン酸塩、エチルナフタレンスルホン酸塩、プロピルナフタレンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、ブチルナフタレンスルホン酸塩、イソブチルナフタレンスルホン酸塩、ジメチルナフタレンスルホン酸塩、ジエチルナフタレンスルホン酸塩、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸塩、ジブチルナフタレンスルホン酸塩、ジイソブチルナフタレンスルホン酸塩若しくはメチルノニルナフタレンスルホン酸塩又はそれらの縮合物である、[1]ないし[16]のいずれか1つに記載の固形農薬組成物。
[18]ポリオキシエチレン モノ、ジ又はトリスチリルフェニルエーテル モノ又はジ燐酸エステルが、ポリオキシエチレンモノスチリルフェニルエーテル モノ燐酸エステル、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル モノ燐酸エステル、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル モノ燐酸エステル、ポリオキシエチレンモノスチリルフェニルエーテル ジ燐酸エステル、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル ジ燐酸エステル及びポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル ジ燐酸エステル、からなる群より選択される界面活性剤である、[1]ないし[17]のいずれか1つに記載の固形農薬組成物。
[19](a)加水分解性が高い農薬有効成分又はその塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩又はその縮合物、ポリオキシエチレン モノ、ジ又はトリスチリルフェニルエーテル モノ又はジ燐酸エステル、及び必要に応じてその他補助剤成分を混合し湿式粉砕して、農薬有効成分を含む比表面積が少なくとも60,000cm/cm以上であるスラリーを得る工程、
(b)前記工程(a)で得られたスラリー、硫酸アンモニウム及び必要に応じてその他補助剤成分を混合し、湿式造粒して粒剤を得る工程ならびに
(c)前記工程(b)で得られた粒剤を乾燥、解砕及び簡分する工程
を含む、[1]ないし[18]のいずれか1つに記載の固形農薬組成物の製造方法。
[20]比表面積が少なくとも60,000cm/cm以上である、加水分解性が高い農薬有効成分又はその塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩又はその縮合物及びポリオキシエチレン モノ、ジ又はトリスチリルフェニルエーテル モノ又はジ燐酸エステルを含有するスラリー。
[21][1]ないし[18]のいずれか1つに記載の固形農薬組成物を、水溶性フィルムに封入することを特徴とする農薬製剤の製造方法。
[22][1]ないし[18]のいずれか1つに記載の固形農薬組成物を、水田に、手で直接散布すること又は農薬散布機を用いて散布することを特徴とする固形農薬組成物の施用方法。
[23][1]ないし[18]のいずれか1つに記載の固形農薬組成物を、水溶性フィルムに封入し、農薬製剤とし、当該農薬製剤を水田に直接散布することを特徴とする当該農薬製剤の施用方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明組成物は、加水分解性が高い農薬有効成分の固形農薬組成物中での保存安定性に優れるものである。本発明によれば、加水分解性が高い農薬有効成分を含む固形農薬組成物の有効期限を延長できるほどに保存安定性を向上することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本明細書で使用する各種の用語について説明する。
【0011】
本発明において「加水分解性が高い農薬有効成分」とは、農園芸分野で通常使用されている農薬有効成分、例えば、除草性化合物及びその塩、殺菌性化合物及びその塩、ならびに殺虫性化合物及びその塩であって、加水分解性が高いものであれば、特に制限されない。
【0012】
本発明において「加水分解性」とは、OECDテストガイドライン111(2004年4月13日採択)「pHの関数としての加水分解」(OPPTS 835.2110に該当する)及び「pH及び温度の関数としても加水分解」(OPPTS 835.2130に該当する)、又はこれらに準ずる評価試験(以下「本発明評価試験」ともいう)によって得られる加水分解の度合いを意味する。具体的には、例えば、pH1~6までの水溶液中に農薬有効成分を存在させたとき、当該農薬有効成分又はその塩の半減期が650日以内であること又はpH7~14までの水溶液中に農薬有効成分を存在させたとき、当該農薬有効成分又はその塩の半減期が450日以内であることが好ましい加水分解性を意味する。なお、OECDテストガイドライン111での評価試験は、pH4、pH7、pH9の水溶液中で行っている。
【0013】
農薬有効成分又はその塩において、「加水分解性が高い」とは、本発明評価試験によって評価された結果、
(1)当該農薬有効成分又はその塩をpH4の水溶液中に存在させるとき、当該農薬有効成分又はその塩の半減期t1/2が350日以内であること;
(2)当該農薬有効成分又はその塩をpH5の水溶液中に存在させるとき、当該農薬有効成分又はその塩の半減期t1/2が650日以内であること;
(3)当該農薬有効成分又はその塩をpH7の水溶液中に存在させるとき、当該農薬有効成分又はその塩の半減期t1/2が450日以内であること;ならびに
(4)当該農薬有効成分又はその塩をpH9の水溶液中に存在させるとき、当該農薬有効成分又はその塩の半減期t1/2が450日以内であること
のいずれか一つの定義を意味する。
【0014】
本発明評価試験は、好ましくは前掲のOECDテストガイドライン111「pHの関数としての加水分解」(OPPTS 835.2110に該当する)及び「pH及び温度の関数としても加水分解」(OPPTS 835.2130に該当する)であり、より好ましくはOECDテストガイドライン111「pHの関数としての加水分解」(OPPTS 835.2110に該当する)である。
【0015】
本発明の「加水分解性が高い農薬有効成分」は、好ましくは除草性化合物及びその塩であり、より好ましくはピラゾレート、アジムスルフロン、及びベンスルフロンメチル、ならびにそれらの塩であり、より好ましくはピラゾレート及びその塩である。
【0016】
本発明では、1種又は2種以上の「加水分解性が高い農薬有効成分」を使用してもよい。
【0017】
本発明において「アルキルナフタレンスルホン酸塩又はその縮合物」とは、例えば、モノアルキルナフタレンスルホン酸塩若しくはジアルキルナフタレンスルホン酸塩又はそれらの縮合物などを意味し、具体的には、例えば、メチルナフタレンスルホン酸塩、エチルナフタレンスルホン酸塩、プロピルナフタレンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、ブチルナフタレンスルホン酸塩若しくはイソブチルナフタレンスルホン酸塩などのモノアルキルナフタレンスルホン酸塩又はその縮合物;例えば、ジメチルナフタレンスルホン酸塩、ジエチルナフタレンスルホン酸塩、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸塩、ジブチルナフタレンスルホン酸塩若しくはジイソブチルナフタレンスルホン酸塩などのジアルキルナフタレンスルホン酸塩又はその縮合物;あるいは例えばメチルノニルナフタレンスルホン酸塩又はその縮合物を挙げることができ、特にアルキルナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物が好ましい。また、アルキルナフタレンスルホン酸塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩が好ましく、特にナトリウム塩が好ましい。特に、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム塩のホルマリン縮合物が好ましい。
【0018】
具体例としては、例えば、(モノ又はジ)アルキル(例えばC1~6)ナフタレンスルホン酸ナトリウム塩のホルマリン縮合物などを挙げることができる。汎用されているアルキルナフタレンスルホン酸塩又はその縮合物の代表例としては、例えば、Supragil(登録商標)MNS90、Supragil(登録商標)RM/210EI(ローディア日華製)、デモール(登録商標)RN、デモール(登録商標)SNB(花王製)など、好ましくは、ラベリン(登録商標)FA-N(第一工業製薬製)など、特に好ましくは、Morwet(登録商標)D-425 Powder(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ製)などが挙げられる。
【0019】
「ポリオキシエチレン モノ、ジ又はトリスチリルフェニルエーテル モノ又はジ燐酸エステル」とは、アリール基が1~3であるポリオキシエチレンアリールスチリルフェニルエーテル、及び有機基を1又は2有する燐酸エステルを意味する。具体的には、例えば、ポリオキシエチレンモノスチリルフェニルエーテル モノ燐酸エステル、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル モノ燐酸エステル、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル モノ燐酸エステル、ポリオキシエチレンモノスチリルフェニルエーテル ジ燐酸エステル、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル ジ燐酸エステル、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル ジ燐酸エステルなど、特に好ましくはポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル モノ燐酸エステル、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル ジ燐酸エステルなどが挙げられる。
【0020】
本発明において「固形農薬組成物」とは、特に制限はないが、前記加水分解性が高い農薬有効成分又はその塩、前記アルキルナフタレンスルホン酸塩又のその縮合物、ポリオキシエチレン モノ、ジ又はトリスチリルフェニルエーテル モノ又はジ燐酸エステルを含有する、比表面積が60,000cm/cm以上のスラリー、ならびに硫酸アンモニウムを含有する組成物を意味する。
本発明の固形農薬組成物における農薬有効成分の含有量は、当該組成物100重量部に対して、通常0.1~50重量部、より好適には1~40重量部である。
【0021】
本発明の「追加の農薬有効成分」とは、前記「加水分解性が高い農薬有効成分」以外の農薬有効成分で、農園芸分野で通常使用されている農薬有効成分、例えば、除草性化合物又はその塩、殺菌性化合物又はその塩、あるいは殺虫性化合物又はその塩であって、加水分解性が高いものでなければ、特に制限されない。このような農薬有効成分として、好ましくは、シクロピリモレート及びその塩、ならびに除草性化合物及びその塩、例えば、VLCFAの阻害(細胞分裂阻害)系除草性化合物及びその塩、スルホニルウレア系除草性化合物及びその塩、ピリミジニル安息香酸系除草性化合物及びその塩ならびにプロトポルフィリノーゲン酸化酵素(PPO)阻害系除草性化合物及びその塩が挙げられる(但し、前記加水分解性が高い除草性化合物と同一であるものは除く)。なお、本発明では、1種又は2種以上の「追加の農薬有効成分」を使用してもよい。
【0022】
本発明では、「農薬有効成分」と記載された場合は、特に断りのない限り、「加水分解性が高い農薬有効成分」と「追加の農薬有効成分」の両方を含む。
【0023】
本発明で使用される「除草性化合物」は、特に制限はないが、例えば、アセトクロール、アラクロール、ブタクロール、ジメタクロール、ジメテナミド、メタザクロール、メトラクロール、ペトキサミド、プレチラクロール、プロパクロール、プロピソクロール、テニルクロール、ジフェナミド、ナプロパミド、フェントラザミド、イプフェンカルバゾンフルフェナセット、メフェナセット、アニロホス、カフェンストロール、ピペロホス、アミドスルフロン、アジムスルフロン、トリフロキシスルフロン、ベンスルフロンメチル、シクロスルファムロン、フルピルスルフロンメチル、フォーラムスルフロン、クロリムロンエチル、エタメトスルフロンメチル、ハロスルフロンメチル、ニコスルフロン、クロルスルフロン、エトキシスルフロン、イマゾスルフロン、オキサスルフロン、ピラゾスルフロンエチル、トリトスルフロン、シノスルフロン、フラザスルフロン、ヨードスルフロンメチル、プリミスルフロンメチル、リムスルフロン、チフェンスルフロンメチル、メソスルフロンメチル、メトスルフロンメチル、プロスルフロン、トリアスルフロン、トリフルスルフロンメチル、スルホスルフロン、トリベヌロンメチル、フルセトスルフロン、プロピリスルフロン、メタゾスルフロン、ビスピリバック、ピリベンゾキシム、ピリフタリド、ピリミスルファン、卜リアファモン、ピリミノバックメチル、アシフルオルフェン、ビフェノックス、クロメトキシニル、フルオログリコフェンエチル、ホメサフェン、ハロサフェン、ラクトフェン、オキシフローフェン、フルアゾレート、ピラフルフェンエチル、シニドンエチル、フルミオキサジン、フルミクロラックペンチル、フルチアセットメチル、チジアジミン、オキサジアゾン、オキサジアルギル、アザフェニジン、カルフェントラゾンエチル、スルフェントラゾン、ペントキサゾン、ベンズフェンジゾン、ブタフェナシル、ピラクロニル、プロフルアゾール又は、フルフェンピルエチルなどが挙げられる。
【0024】
本発明で使用される「殺菌性化合物」は、特に制限はないが、例えば、シメコナゾール、ヒドロキシイソキサゾール、テクロフタラム、ジクロメジン、ペンチオピラド、ピロキロン、ジラム、チウラム、キャプタン、TPN、フサライド、トリクロホスメチル、ホセチル、チオファネートメチル、ベノミル、カルベンタゾール、チアベンタゾール、ジエトフェンカルブ、イプロジオン、ビンクロゾリン、プロシミドン、フルオルイミド、オキシカルボキシン、メプロニル、フルトラニル、ペンシクロン、メタラキシル、オキサジキシル、トリアジメホン、ヘキサコナゾール、トリホリン、ブラストサイジンS、カスガマイシン、ポリオキシン、バリダマイシンA、PCNB、ダゾメット、トリアジン、プロベナゾール、イソプロチオラン、トリシクラゾール、テトラコナゾール、トリクラミド、オキソリニック酸、ジメトモルフ、シモキサニル、トルプロカルブ又はMON-240などが挙げられる。
【0025】
本発明で使用される「殺虫性化合物」は、特に制限はないが、例えば、インドキサカルブ、クロマフェノジド、ピリミジフェン、ミルベメクチン、メソミル、アセフェート、ジノテフラン、チオシクラム、イミダクロプリド、ニテンピラム、アセタミプリド、クロチアニジン、チアメトキサム、チアクロプリド、ピリダフェンチオン、ジメトエート、PMP、CVMP、ジメチルビンホス、DEP、NAC、MTMC、MIPC、PHC、MPMC、XMC、ベンフラカルブ、ピリミカルブ、オキサミル、チオジカルブ、シペルメトリン、カルタップ、ベンスルタップ、ジフルベンズロン、テフルベンズロン、クロルフルアズロン、ブプロフェジン、ヘキシチアゾクス、酸化フェンブタスズ、ピリダベン、クロフェンテジン、バチラス・チューリンゲンシス及びそれらが生産する毒素、MPP、MEP、ダイアジノン、イソキサチオン、エチルチオメトン、エトフェンプロックス、トラロメトリン、シラフルオフェン、シクロプロトリン、ベンフラカルブ又はブロフラニリドなどが挙げられる。
【0026】
本発明において使用される「VLCFAの阻害(細胞分裂阻害)系除草性化合物」とは、雑草の細胞分裂を阻害する作用を有する除草性化合物の総称を意味する。具体的には、例えば、アセトクロール、アラクロール、ジメタクロール、ジメテナミド、メタザクロール、メトラクロール、ペトキサミド、プロパクロール、プロピソクロール、テニルクロール、ジフェナミド、ナプロパミド、イプフェンカルバゾンフルフェナセット、アニロホス、ピペロホス、ブタクロール、プレチラクロール、メフェナセット、カフェンストロール及びフェントラザミドからなる群より選択される化合物など、好ましくは、ブタクロール、プレチラクロール、メフェナセット、カフェンストロール、フェントラザミドなど、特に好ましくはフェントラザミドなどが挙げられる。
【0027】
本発明において使用される「スルホニルウレア系除草性化合物」とは、パラフェニル基、スルホニル基、ウレア結合からなるスルホニルウレア構造を持つ除草性化合物の総称を意味する。具体的には、例えば、アミドスルフロン、トリフロキシスルフロン、シクロスルファムロン、フルピルスルフロンメチル、フォーラムスルフロン、クロリムロンエチル、エタメトスルフロンメチル、ハロスルフロンメチル、ニコスルフロン、クロルスルフロン、エトキシスルフロン、イマゾスルフロン、オキサスルフロン、ピラゾスルフロンエチル、トリトスルフロン、シノスルフロン、フラザスルフロン、ヨードスルフロンメチル、プリミスルフロンメチル、リムスルフロン、チフェンスルフロンメチル、メソスルフロンメチル、メトスルフロンメチル、プロスルフロン、トリアスルフロン、トリフルスルフロンメチル、スルホスルフロン、トリベヌロンメチル、フルセトスルフロン、アジムスルフロン、ベンスルフロンメチル、プロピリスルフロン及びメタゾスルフロンからなる群より選択される化合物であるなど、好ましくは、アジムスルフロン、ベンスルフロンメチル、プロピリスルフロン又はメタゾスルフロンなど、特に好ましくはプロピリスルフロン又はメタゾスルフロンなど、とりわけ好ましくはプロピリスルフロンなどが挙げられる。
【0028】
本発明において使用される「ピリミジニル安息香酸系除草性化合物」とは、ピリミジニル安息香酸構造を持つ除草性化合物の総称を意味する。具体的には、例えば、ビスピリバック、ピリベンゾキシム、ピリミノバックメチル、ピリフタリド、ピリミスルファン及び卜リアファモンからなる群より選択される化合物など、好ましくはピリフタリド、ピリミスルファン又は卜リアファモンなど、特に好ましくは卜リアファモンなどが挙げられる。
【0029】
本発明において使用される「プロトポルフィリノーゲン酸化酵素(PPO)阻害系除草性化合物」とは、クロロフィルの生合成に関与するプロトポルフィリノーゲン酸化酵素(PPO)を阻害する作用を有する除草性化合物の総称を意味する。具体的には、例えば、アシフルオルフェン、ビフェノックス、クロメトキシニル、フルオログリコフェンエチル、ホメサフェン、ハロサフェン、ラクトフェン、オキシフローフェン、フルアゾレート、ピラフルフェンエチル、シニドンエチル、フルミオキサジン、フルミクロラックペンチル、フルチアセットメチル、チジアジミン、オキサジアゾン、オキサジアルギル、アザフェニジン、カルフェントラゾンエチル、スルフェントラゾン、ペントキサゾン、ベンズフェンジゾン、ブタフェナシル、ピラクロニル、プロフルアゾール及びフルフェンピルエチルからなる群より選択される化合物など、特に好ましくは、ピラクロニルなどが挙げられる。
【0030】
次に、本発明の固形農薬組成物及びその製造方法について説明する。なお、以下の説明は例示であって、本発明をこれに限定するものではない。
【0031】
本発明の固形農薬組成物の製造方法は、
(a)加水分解性が高い農薬有効成分又はその塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩又はその縮合物、ポリオキシエチレン モノ、ジ又はトリスチリルフェニルエーテル モノ又はジ燐酸エステル及び必要に応じてその他補助剤成分を混合し湿式粉砕して、農薬有効成分を含む比表面積が少なくとも60,000cm/cm以上であるスラリーを得る工程、
(b)前記工程(a)で得られたスラリー、硫酸アンモニウム及び必要に応じてその他補助剤成分を混合し、湿式造粒して粒剤を得る工程ならびに
(c)前記工程(b)で得られた粒剤を乾燥、解砕及び簡分する工程
を含むことが特徴である。
【0032】
本発明の固形農薬組成物を製造するために、農薬有効成分が固体の場合には、通常、乾式又は湿式により農薬有効成分を微粉砕して用いる。
【0033】
「その他補助成分」とは、例えば、消泡剤、結合剤、分散剤、界面活性剤、増量剤又は鉱物質などが挙げられる。
【0034】
「湿式粉砕」は、公知の手法で行えばよく、例えば、粉砕媒体として3/16インチ スチールボールを使用し、アトライター(登録商標)1S型(日本コークス工業製)の回転数が200rpmで行うことができる。
【0035】
「湿式造粒」は、公知の手法で行えばよく、例えば、農薬有効成分を含む混合物を造粒する際に、水を添加して押出造粒機、流動層造粒機、撹拌式造粒機又は転動造粒機などの造粒機を用いて行うことができる。
【0036】
本発明において「スラリー」は、前記[19]の工程(a)で得られる液体組成物、例えば、加水分解性が高い農薬有効成分又はその塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩又はその縮合物、ポリオキシエチレン モノ、ジ又はトリスチリルフェニルエーテル モノ又はジ燐酸エステル、及び必要に応じてその他補助剤成分を水などに懸濁させて混合し、湿式粉砕することにより得られる液体組成物を意味してもよい。あるいは、当該液体組成物は、工程(b)及び(c)を経て乾燥されるので、本発明の固形農薬組成物中では、「スラリー」は、加水分解性が高い農薬有効成分又はその塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩又はその縮合物、ポリオキシエチレン モノ、ジ又はトリスチリルフェニルエーテル モノ又はジ燐酸エステル、及び必要に応じてその他補助剤成分を含む固体組成物を意味してもよい。
【0037】
本発明の「スラリー」は、比表面積が少なくとも60,000cm/cm以上である。
「比表面積」とは、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製 LA-960)を用いて得られる体積分布積算での比表面積を意味する。
【0038】
本発明の固形農薬組成物は農薬製剤として使用することができ、例えば、当該組成物を水溶性フィルムに封入して農薬製剤を製造することができる。
【0039】
上記「水溶性フィルム」とは、水の中で溶解又は分散するような性質を有するフィルム又はシートであり、その構成材料としては、例えば、ポリビニルアルコール又はその誘導体よりなるもの、ポリビニルアルコール系繊維よりなるもの(例えば不織布)、プルランフィルムよりなるもの、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩とセルロースよりなるもの、ポリエチレンオキサイド又はその誘導体よりなるものなどを挙げることができ、特に、ポリビニルアルコール又はその誘導体よりなるフィルムはそれ自体水中で容易に分散又は溶解し、本発明の固形農薬組成物を水面に拡展させる性質を有する。
【0040】
本発明の固形農薬組成物は、水田に、手で直接散布して施用されてもよい。また、農薬散布機を用いて散布して施用されてもよい。あるいは、本発明の固形農薬組成物を、水溶性フィルムに封入し、農薬製剤とし、当該農薬製剤を水田に直接散布して、当該農薬製剤を施用してもよい。
【0041】
本発明の固形農薬組成物の使用方法は、適当な振込み口をつけた、例えば、箱、瓶、袋などから手で直接水田中に振込み処理をするか、農薬散布機を用いて処理するか、水溶性フィルム又はシートに分包して畦畔などから投げ込み処理することができる。
【0042】
上記の「農薬散布機」とは、エンジンやモーターを動力とする、例えば、無人ヘリコプター、ドローン、動力散布機などを示す。
【0043】
本発明の固形農薬組成物の施用量は、対象とする病害虫及び雑草により、適宜選択して施用量を増減することができるが、固形農薬組成物をそのまま、あるいは固形農薬組成物を常法により、水溶性フィルムに封入することにより、農薬製剤として使用することができる。水溶性フィルムとして、例えば、PVAフィルムに分包する場合、1包みの重量は、投げ込み易さを考慮した結果、通常、5~200gであり、好ましくは、10~60gであり、分包の個数は、通常、10アール当たり2~40個を投下することにより十分な生物効果を発揮させることができ、好ましくは、4~20個である。
【0044】
本発明の固形農薬組成物又は当該組成物を使用する防除方法は、例えば、下記の種類の植物病害虫及び雑草に対して有効である。以下に、本発明が防除対象とする具体的病害虫を例示する。
【0045】
植物病害としては、例えば、イネいもち病(Pyricularia oryzae)、紋枯病(Thanatephorus cucumeris)、ごま葉枯病(Cochliobolus miyabeanus)、馬鹿苗病(Gibberella fujikuroi)、苗立枯病(Pythium spp.、Fusarium spp.、Trichoderma spp.、Rhizopus spp.、Rhizoctonia solaniなど)、稲こうじ病(Claviceps virens)、黒穂病(Tilletia barelayana);
ムギ類のうどんこ病(Erysiphe graminis f.sp.hordei; f.sp.tritici)、さび病(Puccinia striiformis; Puccinia graminis、Puccinia recondita、Puccinia hordei)、斑葉病(Pyrenophora graminea)、網斑病(Pyrenophora teres)、赤かび病(Fusarium graminearum、Fusarium culmorum、Fusarium avenaceum、Microdochium nivale)、雪腐病(Typhula incarnata、Typhula ishikariensis、Micronectriella nivalis)、裸黒穂病(Ustilago nuda、Ustilago tritici、Ustilago nigra、Ustilago avenae)、なまぐさ黒穂病(Tilletia caries、Tilletia pancicii)、眼紋病(Pseudocercosporella herpotrichoides)、株腐病(Rhizoctonia cerealis)、雲形病(Rhynchosporium secalis)、葉枯病(Septoria tritici)、ふ枯病(Leptosphaeria nodorum)、苗立枯病(Fusarium spp.、Pythium spp.、Rhizoctonia spp.、Septoria nodorum、Pyrenophora spp.)、立枯病(Gaeumannomyces graminis)、炭疽病(Colletotrichum gramaminicola)、麦角病(Claviceps purpurea)、斑点病(Cochliobolus sativus);
トウモロコシの赤かび病(Fusarium graminearumなど)、苗立枯病(Fusarium avenaceum、 Penicillium spp、 Pythium spp.、Rhizoctonia spp)、さび病(Puccinia sorghi)、ごま葉枯病(Cochliobolus heterostrophus)、黒穂病(Ustilago maydis)、炭疽病(Colletotrichum gramaminicola)、北方斑点病(Cochliobolus carbonum);
ブドウのべと病(Plasmopora viticola)、さび病(Phakopsora ampelopsidis)、うどんこ病(Uncinula necator)、黒とう病(Elsinoe ampelina)、晩腐病(Glomerella cingulata)、黒腐病(Guignardia bidwellii)、つる割病(Phomopsis viticola)、すす点病(Zygophiala jamaicensis)、灰色かび病(Botrytis cinerea)、芽枯病(Diaporthe medusaea)、紫紋羽病(Helicobasidium mompa)、白紋羽病(Rosellinia necatrix);
リンゴのうどんこ病(Podosphaera leucotricha)、黒星病(Venturia inaequalis)、斑点落葉病(Alternaria alternata(Apple pathotype))、赤星病(Gymnosporangium yamadae)、モニリア病(Monillia mali)、腐らん病(Valsa ceratosperma)、輪紋病(Botryosphaeria berengeriana)、炭疽病(Colletotrichum acutatum)、すす点病(Zygophiala jamaicensis)、すす斑病(Gloeodes pomigena)、黒点病(Mycosphaerella pomi)、紫紋羽病(Helicobasidium mompa)、白紋羽病(Rosellinia necatrix)、胴枯病(Phomopsis mali、Diaporthe tanakae)、褐斑病(Diplocarpon mali);
ナシの黒斑病(Alternaria alternata(Japanese pear pathotype))、黒星病(Venturia nashicola)、赤星病(Gymnosporangium haraeanum)、輪紋病(Physalospora piricola)、胴枯病(Diaporthe medusaea、Diaporthe eres)、セイヨウナシの疫病(Phytophthora cactorum);
モモの黒星病(Cladosporium carpophilum)、フォモプシス腐敗病(Phomopsis sp.)、疫病(Phytophthora sp.)、炭疽病(Gloeosporium laeticolor);
オウトウの炭疽病(Glomerella cingulata)、幼果菌核病(Monilinia kusanoi)、灰星病(Monilinia fructicola);
カキの炭疽病(Gloeosporium kaki)、落葉病(Cercospora
kaki; Mycosphaerella nawae)、うどんこ病(Phyllactinia kakikora);
カンキツの黒点病(Diaporthe citri)、緑かび病(Penicillium digitatum)、青かび病(Penicillium italicum)、そうか病(Elsinoe fawcettii);
トマト、キュウリ、豆類、イチゴ、ジャガイモ、キャベツ、ナス、レタスなどの灰色かび病(Botrytis cinerea);
トマト、キュウリ、豆類、イチゴ、ジャガイモ、ナタネ、キャベツ、ナス、レタスなどの菌核病(Sclerotinia sclerotiorum);
トマト、キュウリ、豆類、ダイコン、スイカ、ナス、ナタネ、ピーマン、ホウレンソウ、テンサイなど各種野菜の苗立枯病(Rhizoctonia spp.、Pythium spp.、Fusarium spp.、Phythophthora spp.、Sclerotinia sclerotiorumなど);
ウリ類のべと病(Pseudoperonospora cubensis)、うどんこ病(Sphaerotheca fuliginea)、炭疽病(Colletotrichum lagenarium)、つる枯病(Mycosphaerella melonis)、つる割病(Fusarium oxysporum)、疫病(Phytophthora parasitica、Phytophthora melonis、Phytophthora nicotianae、Phytophthora drechsleri、Phytophthora capsiciなど);
トマトの輪紋病(Alternaria solani)、葉かび病(Cladosporium fulvam)、疫病(Phytophthora infestans)、萎凋病(Fusarium oxysporum)、根腐病(Pythium myriotylum、Pythium dissotocum)、炭疽病(Colletotrichum phomoides);
ナスのうどんこ病(Sphaerotheca fuligineaなど)、すすかび病(Mycovellosiella nattrassii)、疫病(Phytophthora infestans)、褐色腐敗病(Phytophthora capsici);
ナタネの黒斑病(Alternaria brassicae)、アブラナ科野菜の黒斑病(Alternaria brassicaeなど)、白斑病(Cercosporella brassicae)、根朽病(Leptospheria maculans)、根こぶ病(Plasmodiophora brassicae)、べと病(Peronospora brassicae);
キャベツの株腐病(Rhizoctonia solani)、萎黄病(Fusarium oxysporum);
ハクサイの尻腐病(Rhizoctonia solani)、黄化病(Verticillium dahlie);
ネギのさび病(Puccinia allii)、黒斑病(Alternaria porri)、白絹病(Sclerotium rolfsii. Sclerotium rolfsii)、白色疫病(Phytophthora porri);
ダイズの紫斑病(Cercospora kikuchii)、黒とう病(Elsinoe glycinnes)、黒点病(Diaporthe phaseololum)、リゾクトニア根腐病(Rhizoctonia solani)、茎疫病(Phytophthora megasperma)、べと病(Peronospora manshurica)、さび病(Phakopsora pachyrhizi)、炭疽病(Colletotrichum truncatum);
インゲンの炭疽病(Colletotrichum lindemuthianum);ラッカセイの黒渋病(Mycosphaerella personatum)、褐斑病(Cercospora arachidicola);
エンドウのうどんこ病(Erysiphe pisi)、べと病(Peronospora pisi);
ソラマメのべと病(Peronospora viciae)、疫病(Phytophthora nicotianae);
ジャガイモの夏疫病(Alternaria solani)、黒あざ病(Rhizoctonia solani)、疫病(Phytophthora infestans)、銀か病(Spondylocladium atrovirens)、乾腐病(Fusarium oxysporum、Fusarium solani)、粉状そうか病(Spongospora subterranea);
テンサイの褐斑病(Cercospora beticola)、べと病(Peronospora schachtii)、黒根病(Aphanomyces cochioides)、じゃのめ病(Phoma batae);
ニンジンの黒葉枯病(Alternaria dauci);
イチゴのうどんこ病(Sphaerotheca humuli)、疫病(Phytophthora nicotianae)、炭疽病(Gromerella cingulata)、果実腐敗病(Pythium ultimum Trow var.ultimum);
チャの網もち病(Exobasidium reticulatum)、白星病(Elsinoe leucospila)、炭疽病(Colletotrichum theaesinensis)、輪紋病(Pestalotiopsis longiseta);
タバコの赤星病(Alternaria alternata(Tobacco pathotype))、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum)、炭疽病(Colletotrichum tabacum)、疫病(Phytophthora parasitica);
ワタの立枯病(Fusarium oxysporum);
ヒマワリの菌核病(Sclerotinia sclerotiorum);
バラの黒星病(Diplocarpon rosae)、うどんこ病(Sphaerotheca pannosa)、疫病(Phytophthora megasperma)、べと病(Peronospora sparsa);
キクの褐斑病(Septoria chrysanthemi-indici)、白さび病(Puccinia horiana)、疫病(Phytophthora cactorum);又は
シバのブラウンパッチ病(Rhizoctonia solani)、ダラースポット病(Sclerotinia homoeocarpa)、カーブラリア葉枯病(Curvularia geniculata)、さび病 (Puccinia zoysiae)、ヘルミントスポリウム葉枯病(Cochliobolus sp.)、雲形病(Rhynchosporium secalis)、立枯病(Gaeumannomyces
graminis)、炭疽病(Colletotrichum graminicola)、雪腐褐色小粒菌核病(Typhula incarnata)、雪腐黒色小粒菌核病(Typhula ishikariensis)、雪腐大粒菌核病(Sclerotinia borealis)、フェアリーリング(Marasmius oreadesなど)、ピシウム病(Pythium aphanidermatumなど)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0046】
また、害虫としては、例えば、ハリセンチュウ目:ANGUINIDAEとして、ベントグラスセンチュウ(Anguina agristis)、コムギツブセンチュウ(Anguina tritici)、イモグサレセンチュウ(Ditylenchus destructor)など、TYLENCHORYNCHIDAEとして、ナミイシュクセンチュウ(Tylenchorhynchus claytoni)、マーチンイシュクセンチュウ(Tylenchorhynchus martini)、イシュクセンチュウ(Tylenchorhynchus sp.)など、PRATYLENCHIDAEとして、イマムラネモグリセンチュウ(Hirschmanniella imamuri)、イネネモグリセンチュウ(Hirschmanniella oryzae)、ミナミネグサレセンチュウ(Pratylenchus coffeae)、スズランネグサレセンチュウ(Pratylenchus convallariae)、キクネグサレセンチュウ(Pratylenchus fallax)、チャネグサレセンチュウ(Pratylenchus loosi)、ムギネグサレセンチュウ(Pratylenchus neglectus)、キタネグサレセンチュウ(Pratylenchus penntrans)、ネグサレセンチュウ(Pratylenchus sp.)など、HOPLOLAMIDAEとして、ナミラセンセンチュウ(Helicotylenchus dihystera)、チャラセンセンチュウ(Helicotylenchus erythrinae)、ラセンセンチュウ(Helicotylenchus sp.)、ヤリセンチュウ(Hopolaimus sp.)、ニセフクロセンチュウ(Rotylenchulus reniformis)、ブラキュルムラセンセンチュウ(Ssutellonema brachyurum)など、HETERODERIDAEとして、ムギシストセンチュウ(Bidera avenae)、サボテンシストセンチュウ(Cactodera cacti)、ニセシストセンチュウ(Cryphodera sp.)、ジャガイモシストセンチュウ(Globodera rostochiensis)、イネシストセンチュウ(heterodera elachista)、ダイズシストセンチュウ(heterodera glycines)、クローバーシストセンチュウ(heterodera trifolii)など、MELOIDOGYNIDAEとして、アレナリアネコブセンチュウ(Meloidogyne arenaria)、ツバキネコブセンチュウ(Meloidogyne camelliae)、シバネコブセンチュウ(Meloidogyne graminis)、キタネコブセンチュウ(Meloidogyne hapla)、サツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita)、ネコブセンチュウ(Meloidogyne sp.)など、
ニセハリセンチュウ目(DORYLAIMIDA):LONGIDORIDAEとして、クワナガハリセンチュウ(Longidorus martini)、ナガハリセンチュウ(Longidorus sp.)、アメリカオオハリセンチュウ(Xiphinema americanum)、オオハリセンチュウ(Xiphinema sp.)など、TRICHODORIDAEとして、ユミハリセンチュウ(Trichodorus sp.)など、
ダニ目(ACARINA):TARSONEMIDAEとして、チャノホコリダニ(Polyphagotarsonemus latus)、シクラメンホコリダニ(Steneotarsonemau pallidus)、アシボソホコリダニ(Tarsonemus waitei)など、PYEMOTIDAEとして、シラミダニ(Pyemotes ventricosus)など、EUPODIDAEとして、ムギダニ(Penthaleus major)など、TENUIPALPIDAEとして、ブドウヒメハダニ(Brevipalpus lewisi)、チャノヒメハダニ(Brevipalpus obovatus)、パイナップルヒメハダニ(Dolichotetranychus florodanus)、カキヒメハダニ(Tenuipalpus zhizhilashviliae)など、TUCKERELLIDAEとして、ナミケナガハダニ(Tuckerella pavoniformis)など、TETRANYCHIDAEとして、クローバーハダニ(Bryobia praetiosa)、ニセクローバーハダニ(Bryobia rubrioculus)、アンズハダニ(Eotetranychus boreus)、ミチノクハダニ(Eotetranychus geniculatus)、クリハダニ(Eotetranychus pruni)、コウノシロハダニ(Eotetranychus sexmanaculatus)、スミスハダニ(Eotetranychus smithi)、クルミハダニ(Eotetranychus uncatus)、スギノハダニ(Oligonychus hondoensis)、チビコブハダニ(Oligonychus ilicis)、カラマツハダニ(Oligonychus karamatus)、ミカンハダニ(Panonychus citri)、リンゴハダニ(Panonychus ulmi)、ニセナミハダニ(Tetranychus cinnabarinus)、カンザワハダニ(Tetranychus kanzawai)、ナミハダニ(Tetranychus urticae)、オウトウハダニ(Tetranychus viennensis)など、ERIOPHIDAEとして、チャノナガサビダニ(Acaphylla theae)、チューリップサビダニ(Aceria tulipae)、ミカンサビダニ(aculops pelekassi)、モモサビダニ(Aculus fockeui)、リンゴサビダニ(Aculus schlechtendali)、チャノサビダニ(Calacarus carinatus)、ブドウサビダニ(Calepitrimerus vitis)、ナシサビダニ(Epitrimerus pyri)、ニセナシサビダニ(Eriophyes chibaensis)など、ACARIDAEとして、アシブトコナダニ(Acarus siro)、ムギコナダニ(Aleuroglyphus ovatus)、ロビンネダニ(Rhizoglyphus robini)、ケナガコナダニ(Tyrophagus putrescentiae)など、
シミ目(THYSANURA):LEPISMATIDAEとして、ヤマトシミ(Ctenolepisma villosa)、セイヨウシミ(Lepisma saccharina)、マダラシミ(Thermobia domestica)など、
直翅目(orthoptera):BLATTIDAEとして、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)、クロゴキブリ(Periplaneta fuliginosa)、ヤマトゴキブリ(Periplaneta japonica)など、BLATTELLIDAEとして、チャバネゴキブリ(Blattella germanica)、ヒメチャバネゴキブリ(Blattella lituricollis)など、TETTIGONIIDAEとして、ヒメクサキリ(Homorocoryphus jezoensis)、クサキリ(Homorocoryphus lineosus)など、GRYLLOTALPIDAEとして、ケラ(Gryllotalpa sp.)など、ACRIDIDAEとして、コイナゴ(Oxya hyla intricata)、コバネイナゴ(Oxya yezoensis)など、
シロアリ目(ISOPTERA):ダイコクシロアリ(Cryptotermes domesticus)、イエシロアリ(Coptotermes formosanus)、ヤマトシロアリ(Reticulitermes formosanus)、タイワンシロアリ(Odontotermes formosanus)など、
アザミウマ目(THYSANOPTERA):THRIPIDAEとして、クサキイロアザミウマ(Anaphothrips obscurus)、トゲブトアザミウマ(Chirothrips manicatus)、チャノクロアザミウマ(Dendrothrips minowai)、ヒラズハナアザミウマ(Frankliniella intonsa)、ユリキイロアザミウマ(Frankliniella lilivora)、クロトンアザミウマ(Heliothrips haemorrhoidalis)、コスモスアザミウマ(Microcephalothrips abdominalis)、ダイズアザミウマ(Mycterothrips glycines)、クワアザミウマ(Pseudodendrothrips mori)、チャノキイロアザミウマ(Scirtothrips dorsalis)、アカオビアザミウマ(Selenothrips rubrocinctus)、イネアザミウマ(Stenchaetothrips biformis)、ネギクロアザミウマ(Thrips alliorum)、ビワハナアザミウマ(Thrips coloratus)、キイロハナアザミウマ(Thrips flavas)、ハナアザミウマ(Thrips hawaiiensis)、クロゲハナアザミウマ(Thrips nigropilosus)、ミナミキイロアザミウマ(Thrips palmi)、ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)、ダイズウスイロアザミウマ(Thrips setosus)、グラジオラスアザミウマ(Thrips simplex)、ネギアザミウマ(Thrips tabaci)など、PHLAEOTHRIPIDAEとして、イネクダアザミウマ(Haplothrips aculeatus)、シナクダアザミウマ(Haplothrips chinensis)、ハナクダアザミウマ(Haplothrips kurdjumovi)、ツメクサクダアザミウマ(Haplothrips nigar)、シイオナガクダアザミウマ((Leeuwania pasanii)、クスクダアザミウマ(Liothrips flordensis)、ユリノクダアザミウマ(Liothrips vaneeckei)、シイマルクダアザミウマ(Litotetothrips pasaniae)、カキクダアザミウマ(Ponticulothrips diospyrosi)など、
半翅目(HEMIPTERA):PENTATOMIDAEとして、ムラサキカメムシ(Carpocoris purpureipennis)、ブチヒゲカメムシ(Dolycoris baccarum)、ヒメナガメ(Eurydema pulchrum)、ナガメ(Eurydema rugosum)、マルシラホシカメムシ(Eysarcoris guttiger)、オオトゲシラホシカメムシ(Eysarcoris lewisi)、トゲシラホシカメムシ(Eysarcoris parvus)、シラホシカメムシ(Eysarcoris ventralis)、ツヤアオカメムシ(Glaucias subpunctatus)、アカスジカメムシ(Graphosoma rubrolineatum)、クサギカメムシ(Halyomorpha mista)、イネカメムシ(Lagynotomus elongatus)、アオクサカメムシ(Nezara antennata)、ミナミアオカメムシ(Nezara viridula)、イチモンジカメムシ(Piezodorus hybneri)、チャバネアオカメムシ(Plautia stali)、イネクロカメムシ(Scotinophara lurida)、イワサキカメムシ(Stariodes iwasakii)など、COREIDAEとして、ホオズキカメムシ(Acanthocoris sordidus)、オオクモヘリカメムシ(Anacanthocoris striicornis)、ホソハリカメムシ(Cletus punctiger)、ヒメハリカメムシ(Cletus trigonus)、オオヘリカメムシ(Molipteryx fulginosa)など、ALYDIDAEとして、ホソクモヘリカメムシ(Leptocorisa acuta)、クモヘリカメムシ(Leptocorisa chinensis)、タイワンクモヘリカメムシ(Leptocorisa oratorius)、ホソヘリカメムシ(Riptortus clavatus)など、RHOPALIDAEとして、アカヒメヘリカメムシ(Aeschynteles maculatus)、スカシヒメヘリカメムシ(Liorhyssus hyalinus)など、LYGAEIDAEとして、カンシャコバネナガカメムシ(Cavelerius saccharivorus)、ホソコバネナガカメムシ(Macropes obnubilus)、ヒラタヒョウタンナガカメムシ(Pachybrachius luridus)、クロアシホソナガカメムシ(Paromius exguus)、コバネヒョウタンナガカメムシ(Togo hemipterus)など、PYRRHOCORIDAEとして、アカホシカメムシ(Dysdercus cingulatus)、ヒメアカホシカメムシ(Dysdercus poecilus)など、TINGIDAEとして、キクグンバイ(Galeatus spinifrons)、ヤナギグンバイ(Metasalis populi)、クスグンバイ(Stephanitis fasciicarina)、ナシグンバイ(Stephanitis sashi)、ツツジグンバイ(Stephanitis pyrioides)、ヒメグンバイ(Uhlerites debile)、クルミグンバイ(Uhlerites latius)など、MIRIDAEとして、ヒゲナガカスミカメ(Adelphocoris lineolatus)、ブチヒゲクロカスミカメ(Adelphocoris triannulatus)、コアオカスミカメ(Apolygus lucorum)、ツマグロアオカスミカメ(Apolygus spinolai)、アカホシカスミカメ(Creontiades pallidifer)、タバコカスミカメ(Cyrtopeltis tennuis)、オオクロトビカスミカメ(Ectometopterus micantulus)、クロトビカスミカメ(Halticiellus insularis)、リンゴクロカスミカメ(Heterocordylus flavipes)、マキバカスミカメ(Lygus disponsi)、マダラカスミカメ(Lygus saundersi)、テンサイカスミカメ(orthotylus flavosparsus)、ムギカスミカメ(Stenodema calcaratum)、フタスジカスミカメ(Stenotus binotatus)、アカスジカスミカメ(Stenotus rubrovittatus)、ウスモンミドリカスミカメ(Taylorilygus pallidulus)、アカヒゲホソミドリカスミカメ(Trigonotylus coelestialium)など、CICADIDAEとして、アブラゼミ(Graptopsaltria nigrofuscata)など、APHROPHORIDAEとして、マエキアワフキ(Aphrophora costalis)、マツアワフキ(Aphrophora flavipes)、ブドウアワフキ(Aphrophora intermedia)、ヒメフタテンナガアワフキ(Clovia punctata)、ホソアワフキ(Philaenus spumarius)など、TETTIGELLIDAEとして、ツマグロオオヨコバイ(Bothrogonia japonica)、オオヨコバイ(Cicadella viridis)など、CICADELLIDAEとして、カシヒメヨコバイ(Aguriahana quercus)、ハンノヒメヨコバイ(Alnetoidia alneti)、カンキツヒメヨコバイ(Apheliona ferruginea)、フタテンヒメヨコバイ(Arboridia apicaris)、ミドリヒメヨコバイ(Edwardsiana flavescens)、バラヒメヨコバイ(Edwardsiana rosae)、マツヒメヨコバイ(Empoasca abietis)、チャノミドリヒメヨコバイ(Empoasca onukii)、イネキイロヒメヨコバイ(Thaia subrufa)、ミカンヒメヨコバイ(Zyginella citri)など、DELTOCEPHALIDAEとして、フタテンヨコバイ(Macrosteles fascifrons)、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、クロスジツマグロヨコバイ(Nephotettix nigropictus)、タイワンツマグロヨコバイ(Nephotettix virescens)、リンゴマダラヨコバイ(Orientus ishidai)、イナズマヨコバイ(Recilia dorsalis)、ムギヨコバイ(Sorhoanus tritici)、ハンノナガヨコバイ(Speusotettix subfusculus)など、DELPHACIDAEとして、ヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、サトウノウスイロウンカ(Numata muiri)、トウモロコシウンカ(Peregrinus maidis)、クロフツノウンカ(Perkinsiella saccharicida)、セジロウンカ(Sogatella furcifera)、ヒエウンカ(Sogatella panicicola)など、PSYLLIDAEとして、クワキジラミ(Anomomeura mori)、セグロヒメキジラミ(Calophya nigridorsalis)、ミカンキジラミ(Diaphorina citri)、ヤマアサキジラミ(Mesohomotoma camphorae)、トドキジラミ(Psylla abieti)、ハンノキジラミ(Psylla alni)、ヤマトキジラミ(Psylla jamatonica)、リンゴキジラミ(Psylla mali)、クロリンゴキジラミ(Psylla malivorella)、ナシジキラミ(Psylla pyrisuga)、トベラキジラミ(Psylla tobirae)、クストガリキジラミ(Trioza camphorae)、クリトガリキジラミ(Trioza quercicola)など、ALEYRODIDAEとして、ミカントゲコナジラミ(Aleurocanthus spiniferus)、ブドウコナジラミ(Aleurolobus taonabae)、タバココナジラミ(Bemisia tabaci)、ミカンコナジラミ(Dialeurodes citri)、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)、シルバーリーフコナジラミなど、PHYLLOXERIDAEとして、ブドウネアブラムシ(Viteus vitifolii)など、PEMPHIGIDAEとして、リンゴネアブラムシ(Aphidonuguis mali)、リンゴワタムシ(Eriosoma lanigerum)、サトウキビネワタムシ(Geoica lucifuga)など、
APHIDIDAEとして、エンドウヒゲナガアブラムシ(Acyrthosiphon pisum)、ユキヤナギアブラムシ(Aphis citricola)、マメアブラムシ(Aphis craccivora)、ヤナギアブラムシ(Aphis farinose yanagicola)、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、ジャガイモヒゲナガアブラムシ(Aulacorthum solani)、ムギワラギクオマルアブラムシ(Brachycaudus helichrysi)、ダイコンアブラムシ(Brevicoryne brassicae)、チューリップネアブラムシ(Dysaphis tulipae)、カバワタフキマダラアブラムシ(Euceraphis punctipennis)、モモコフキアブラムシ(Hyalopterus pruni)、ニセダイコンアブラムシ(Lipaphis erysimi)、キクヒメヒゲナガアブラムシ(Macrosiphoniella sanborni)、チューリップヒゲナガアブラムシ(Macrosiphum euphorbiae)、ソラマメヒゲナガアブラムシ(Megoura crassicauda)、ナシコフキアブラムシ(Melanaphis siphonella)、リンゴコブアブラムシ(Myzus malisuctus)、ウメコブアブラムシ(Myzus mumecola)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)、ネギアブラムシ(Neotoxoptera formosana)、リンゴミドリアブラムシ(Ovatus malicolens)、ハスクビレアブラムシ(Rhopalosophum nymphaeae)、ムギクビレアブラムシ(Rhopalosophum padi)、オカボノアカアブラムシ(Rhopalosophum rufiabdominalis)、ナシマルアブラムシ(Sappaphis piri)、ナシアブラムシ(Schizaphis piricola)、ムギヒゲナガアブラムシ(Sitobion akebiae)、イバラヒゲナガアブラムシ(Sitobion ibarae)、コミカンアブラムシ(Toxoptera aurantii)、ミカンクロアブラムシ(Toxoptera citricidus)、モモコブアブラムシ(Tuberocephalus momonis)、タイワンヒゲナガアブラムシ(Uroeucon formosanum)など、MARGARODIDAEとして、オオワラジカイガラムシ(Drosicha corpulenta)、イセリアカイガラムシ(Icerya purchasi)など、PSEUDOCOCCIDAEとして、マツモトコナカイガラムシ(Crisicoccus matsumotoi)、マツコナカイガラムシ(Crisicoccus pini)、ナシコナカイガラムシ(Dysmicoccus wistariae)、ミカンコナカイガラムシ(Planococcus citri)、フジコナカイガラムシ(Planococcus kranuhiae)、ミカンヒメコナカイガラムシ(Pseudococcus citriculus)、クワコナカイガラムシ(Pseudococcus comstocki)など、COCCIDAEとして、ツノロウムシ(Ceroplastes ceriferus)、ルビーロウムシ(Ceroplastes rubens)、ミカンヒラタカイガラムシ(Coccus discrepans)、ヒラタカタカイガラムシ(Coccus hesperidum)、カンキツカタカイガラムシ(Coccus pseudomagnoliarum)、イボタロウムシ(Ericerus pela)、ミズキカタカイガラムシ(Lecanium corni)、チャノカタカイガラムシ(Lecanium persicae)、ミカンワタカイガラムシ(Pulvinaria aurantii)、ミカンヒメワタカイガラムシ(Pulvinaria citricola)、クワワタカイガラムシ(Pulvinaria kuwacola)など、DIASPIDIDAEとして、カンキツカイガラムシ(Andaspis kashicola)、アカマルカイガラムシ(Aonidiella aurantii)、キマルカイガラムシ(Aonidiella citrina)、ウスイロマルカイガラムシ(Aspidiotus destructor)、シロマルカイガラムシ(Aspidiotus hederae)、アカホシマルカイアガラムシ(Chrysomphalus ficus)、ナシマルカイガラムシ(サンホーゼカイガラムシ:Comstockaspis perniciosa)、クロカタマルカイガラムシ(Duplaspidiotus claviger)、ミカンカキカイガラムシ(Lepidosaphes beckii)、リンゴカキカイガラムシ(Lepidosaphes ulmi)、ナシシロナガカイガラムシ(Lepholeucaspis japonica)、ナシクロホシカイガラムシ(Parlatoreopsis pyri)、ツバキクロホシカイガラムシ(Parlatoria camelliae)、チャノクロホシカイガラムシ(Parlatoria theae)、ヒメクロカイガラムシ(Parlatoria ziziphi)、ハランナガカイガラムシ(Pinnaspis aspidistrae)、ミカンマルカイガラムシ(Pseudaonidia duplex)、チャノマルカイガラムシ(Pseudaonidia paeoniae)、クワシロカイガラムシ(Pseudaulacaspis pentagona)、ウメシロカイガラムシ(Pseudaulacaspis prunicola)、ヤノネカイガラムシ(Unaspis yanonensis)など、
鱗翅目(LEPIDOPTERA):コウモリガ(Endoclyta excrecens)、キマダラコウモリ(Endoclyta sinensis)、シロテンコウモリ(Palpifer sexnotata)、バラハマキ(Acleris comariana)、リンゴコカクモンハマキ(Adoxophyes orana fasciata)、チャノコカクモンハマキ(Adoxophyes sp.)、リンゴモンハマキ(Archips breviplicanus)、ミダレカクモンハマキ(Archips fuscocupreanus)、カクモンハマキ(Archips xylosteanus)、イグサシンムシガ(Bactra furfurana)、ホソバハイイロハマキ(Cnephasia cinereipalpana)、クリミガ(Cydia kurokoi)、クリミドリシンクイガ(Eucoenogenes aestuosa)、ナシヒメシンクイ(Grapholita molesta)、チャハマキ(Homona magnanima)、リンゴオオハマキ(Hoshimoa adumbratana)、マメシンクイガ(Leguminivora glycinivorella)、アズキサヤムシガ(Matsumuraeses azukivora)、ダイズサヤムシガ(Matsumuraeses falcana)、マメヒメサヤムシガ(Matsumuraeses phaseoli)、リンゴハイイロハマキ(Spilonota lechriaspis)、リンゴシロヒメハマキ(Spilonota ocellana)、ブドウホソハマキ(Eupoecillia ambiguella)、クワイホソハマキ(Phalonidia mesotypa)、ヨモギオオホソハマキ(Phtheochroides clandestina)、ミノガ(Bambalina sp.)、オオミノガ(Eumeta japonica)、チャミノガ(Eumeta minuscule)、コクガ(Nemapogon granellus)、イガ(Tinea translucens)、ナシチビガ(Bucculatrix pyricorella)、モモハモグリガ(Lyonetia clerkella)、ギンモンハモグリガ(Lyonetia prunifoliella)、マメホソガ(Caloptilia soyella)、チャノホソガ(Caloptilia theivora)、リンゴホソガ(Caloptilia zachrysa)、カキホソガ(Cuphodes diospyrosella)、キンモンホソガ(Phyllonorycter ringoniella)、ナシホソガ(Spulerina astaurota)、ミカンハモグリガ(Phyllocnistis citrella)、ブドウハモグリガ(Phyllocnistis toparcha)、ネギコガ(Acrolepiopsis sapporensis)、ヤマノイモコガ(Acrolepiopsis suzukiella)、コナガ(Plutella xylostella)、リンゴヒメシンクイ(Argyresthia conjugella)、ブドウスカシバ(Paranthrene regalis)、コスカシバ(Synanthedon hector)、カキノヘタムシガ(Stathmopoda masinissa)、イモキバガ(Brachmia triannulella)、モモシンクイガ(Carposina niponensis)、リンゴハマキクロバ(Illiberis pruni)、クロシタアオイラガ(Lotoia sinica)、イラガ(Monema flavescens)、ナシイラガ(Narosoideus flavidorsalis)、アオイラガ(Parasa consocia)、ヒメクロイラガ(Scopelodes contracus)、ニカメイガ(Chilo suppressalis)、コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis)、モモノゴマダラノメイガ(Conogethes punctiferalis)、ワタヘリクロノメイガ(Diaphania indica)、ナシマダラメイガ(Ectomyelois pyrivorella)、スジコナマダラメイガ(Ephestia kuehniella)、シロイチモジマダラメイガ(Etiella zinckenella)、クロフタモンマダラメイガ(Euzophera batangensis)、クワノメイガ(Glyphodes pyloalis)、ハイマダラノメイガ(Hellulla undalis)、イネタテハマキ(Marasmia exigua)、マメノメイガ(Maruca testulalis)、ワタノメイガ(Notarcha derogate)、アワノメイガ(Ostrinia furnacalis)、アズキノメイガ(Ostrinia scapulalis)、フキノメイガ(Ostrinia zaguliaevi)、シバツトガ(Parapediasia teterrella)、ウコンノメイガ(Pleuroptya ruralis)、サンカメイガ(Scirpophaga incertulas)、イチモンジセセリ(Parnara guttata)、モンキアゲハ(Papilio helenus)、キアゲハ(Papilio machaon hippocrates)、アゲハ(Papilio xuthus)、モンキチョウ(Colias erate poliographus)、モンシロチョウ(Pieris rapae crucivora)、ウラナミシジミ(Lampides boeticus)、スモモエダシャク(Angerona prunaria)、ヨモギエダシャク(Ascotis selenaria)、トビモンオオエダシャク(Biston robustum)、ウメエダシャク(Cystidia couaggaria)、マツカレハ(Dendrolimus spectabilis)、オビカレハ(Malacosoma neustria testacea)、リンゴカレハ(Odonestis pruni japonensis)、オオスカシバ(Cephonodes hylas)、ブドウスズメ(Acosmeryx castanea)、ツヤマアカシャチホコ(Clostera anachoreta)、セグロシャチホコ(Clostera anastomosis)、モンクロシャチホコ(Phalera flavescens)、オオトビモンシャチホコ(Phalerodonta manleyi)、シャチホコガ(Stauropus fagi persimilis)、チャドクガ(Euproctis pseudoconspersa)、モンシロドクガ(Euproctis similes)、ドクガ(Euproctis subflava)、マイマイガ(Lymantria dispar)、ヒメシロモンドクガ(Orgyia thyellina)、アメリカシロヒトリ(Hyphantria cunea)、クワゴマダラヒトリ(Spilosoma imparilis)、ミツモンキンウワバ(Acanthoplusia agnata)、ナカジロシタバ(Aedia leucomelas)、タマナヤガ(Agrotis ipsilon)、カブラヤガ(Agrotis segetum)、アカキリバ(Anomis mesogona)、タマナギンウワバ(Autographa nigrisigna)、イラクサギンウワバ(Trichoplusia ni)、オオタバコガ(Helicoverpa armigera)、タバコガ(Helicoverpa assulta)、ツメクサガ(Heliothis maritime)、ヨトウガ(Mamestra brassicae)、フタオビコヤガ(Naranga aenescens)、アワヨトウ(Pseudaletia separata)、イネヨトウ(Sesamia inferens)、スジキリヨトウ(Spodoptera depravata)、シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua)、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、リンゴケンモン(Trianea intermedia)、ナシケンモン(Viminia rumicis)、シロモンヤガ(Xestia c-nigrum)など、
甲虫目(COLEOPTERA):チャイロコガネ(Adoretus tenuimaculatus)、ドウガネブイブイ(Anomala cuprea)、ヒメコガネ(Anomala rufocuprea)、ハナムグリ(Eucetonia pilifera)、アオハナムグリ(Eucetonia roelofsi)、ナガチャコガネ(Heptophylla picea)、コフキコガネ(Melolontha japonica)、コガネムシ(Mimela splendens)、コアオハナムグリ(Oxycetonia jucunda)、マメコガネ(Popillia japonica)、ヒメマルカツオブシムシ(Anthrenus verbasci)、ヒメカツオブシムシ(Attagenus unicolor japonicus)、タバコシバンムシ(Lasioderma serricorne)、ヒラタキクイムシ(Lyctus brunneus)、ガイマイデオキスイ(Carpophilus dimidiatus)、クリヤケシキスイ(Carpophilus hemipterus)、オオニジュウヤホシテントウ(Epilachna vigintioctomaculata)、ニジュウヤホシテントウ(Epilachna vigintioctopunctata)、ヒメゴミムシダマシ(Alphitobius laevigatus)、ゴミムシダマシ(Neatus picipes)、ヒメコクヌストモドキ(Palorus ratzeburgii)、コヒメコクヌストモドキ(Palorus subdepressus)、チャイロコメノゴミムシダマシ(Tenebrio molitor)、コクヌストモドキ(Tribolium castaneum)、ヒラタコクヌストモドキ(Tribolium confusum)、マメハンミョウ(Epicauta gorhami)、キマダラカミキリ(Aeolesthes chrysothrix)、ゴマダラカミキリ(Anoplophora malasiaca)、マツノマダラカミキリ(Monochamus alternatus)、キボシカミキリ(Psacothea hilaris)、ブドウトラカミキリ(Xylotrechus pyrrhoderus)、アオスジカミキリ(Xystrocena globosa)、アズキゾウムシ(Callosobruchus chinensis)、ウリハムシ(Aulacophara femoralis)、チャイロサルハムシ(Basilepta balyi)、カメノコハムシ(Cassida nebulosa)、テンサイトビハムシ(Chaetocnema concinna)、イモサルハムシColasposoma dauricum)、ジュウシホシクビナガハムシ(Crioceris quatuordecimpunctata)、イネネクイハムシ(Donacia provosti)、ルリハムシ(Linaeidea aenea)、キアシノミハムシ(Luperomorpha tunebrosa)、フタスジヒメハムシ(Medythia nigrobilineata)、イネドロオイムシ(Oulema oryzae)、ヒメキバネサルハムシ(Pagria signata)、ダイコンハムシ(Phaedon brassicae)、キスジノミハムシ(Phyllotreta striolata)、ウメチョッキリゾウムシ(Involvulus cupreus)、モモチョッキリゾウムシ(Rhynchites heros)、アリモドキゾウムシ(Cylas formicarius)、リンゴハナゾウムシ(Anthonomus pomorum)、ダイコンサルゾウムシ(Ceuthorhynchidius albosuturalis)、クリシギゾウムシ(Curculio sikkimenesis)、イネゾウムシ(Echinocnemus squameus)、イモゾウムシ(Euscepes postfasciatus)、ツメクサタコゾウムシ(Hypera nigrirostris)、アルファルファタコゾウムシ(Hypera postica)、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus)、ヤサイゾウムシ(Listroderes costirostris)、リンゴコフキゾウムシ(Phyllobius armatus)、チビコフキゾウムシ(Sitona japonicus)、ココクゾウムシ(Sitophilus oryzae)、コクゾウムシ(Sitophilus zeamais)、シバオサゾウムシ(Sphenophrus venatus vestitus)など、
膜翅目(HYMENOPTERA):ニホンカブラハバチ(Athalia japonica)、カブラハバチ(Athalia rosae tuficornis)、リンゴハバチ(Arge mali)、チュウレンジハバチ(Arge pagana)、クリタマバチ(Dryocosmus kuriphilus)など、
双翅目(DIPTERA):キリウジガガンボ(Tipula aino)、チビクロバネキノコバエ(Bradysia agrestis)、ダイズサヤタマバエ(Asphondylia sp.)、ウリミバエ(Dacus cucurbitae)、ミカンコミバエ(Dacus dorsalis)、ミカンバエ(Dacus tsuneonis)、オウトウハマダラミバエ(Rhacochlaena japonica)、イネミギワバエ(Hydrellia griseola)、イネクキミギワバエ(Hydrellia sasakii)、オウトウショウジョウバエ(Drosophila suzukii)、イネキモグリバエChlorops oryzae)、ムギキモグリバエ(Meromuza nigriventris)、イネハモグリバエ(Agromyza oryzae)、ナモグリバエ(Chromatomyia horticola)、ナスハモグリバエ(Liriomyza bryoniae)、ネギハモグリバエ(Liriomyza chinensis)、マメハモグリバエ(Liriomyza trifolii)、トマトハモグリバエ(Liriomyza sativae)、アシグロハモグリバエ(Liriomyza huidobrensis)、タマネギバエ(Delia antiqua)、タネバエ(Delia platura)、テンサイモグリハナバエ(Pegomya cunicularia)、イエバエ(Musca domestica)、クロキンバエ(Phormia regina)、アカイエカ(Culex pipiens pallens Coquillett)、チカイエカ(Culex pipiens molestus Forskal)、シナハマダラカ(Anopheles(Anopheles)sinensis Wiedemann)、ヒトスジシマカ(Aedes albopictus (Skuse))などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0047】
また、雑草としては、水田において問題となる種々の雑草、例えば、タイヌビエのようなイネ科雑草;アゼナ、アゼトウガラシ、キカシグサ、ミゾハコベ、アブノメ、ヒメミソハギ、コナギのような広葉雑草;タマガヤツリ、ホタルイ、マツバイ、ミズガヤツリ、シズイ、クログワイのようなカヤツリグサ科雑草;及び、ウリカワ、オモダカ、ヘラオモダカのようなオモダカ科雑草、非農耕地、畑地及び果樹園で問題となる種々の雑草、例えば、イヌホウズキ及びチョウセンアサガオのようなナス科雑草、イチビ及びアメリカキンゴジカのようなアオイ科雑草、マルバアサガオ及びセイヨウヒルガオのようなヒルガオ科雑草、イヌビユ及びアオゲイトウのようなヒユ科雑草、オナモミ、ブタクサ、ノボロギク及びヒメジョオンのようなキク科雑草、カラシナ及びナズナのようなアブラナ科雑草、シロザ及びアカザのようなアカザ科雑草、フィールドパンジーのようなスミレ科雑草、ハコベのようなナデシコ科雑草、シロツメクサ、クサネム及びエビスグサのようなマメ科雑草、スベリヒユのようなスベリヒユ科雑草、オオイヌノフグリのようなゴマノハグサ科雑草、ホトケノザのようなシソ科雑草、コニシキソウのようなトウダイグサ科雑草、イヌビエ、セイバンモロコシ、メヒシバ、オヒシバ、スズメノカタビラ、スズメノテッポウ、カラスムギ、ボウムギ、ライグラス、エノコログサ及びギョウギシバのようなイネ科雑草、コゴメガヤツリ及びキハマスゲのようなカヤツリグサ科雑草、ツユクサ及びマルバツユクサのようなツユクサ科雑草、スギナのようなトクサ科雑草などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【実施例0048】
以下に、本発明に使用する固形農薬組成物の製剤例を示し具体的に説明するが、本発明はこれらに限られるものではない。なお、下記製剤例において、「%」とあるのは、質量%を示す。
【0049】
(実施例1)
ピラゾレート原体(純度94.5%)603.97部、シクロピリモレート原体(純度98.4%)284.55部、フェントラザミド原体(純度99.2%)281.75部、Morwet(登録商標)D-425 Powder(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ製、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物)25.00部、VEEGUM R(登録商標)(Vanderbilt Minerals製、ケイ酸アルミニウムマグネシウム)2.50部、ニューコール(登録商標)607-PDE(日本乳化剤製、ポリオキシエチレン モノ、ジ若しくはトリスチリルフェニルエーテル モノ又はジ燐酸エステル)50.00部、ニューコール(登録商標) 291-PG (日本乳化剤製、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム塩)25.00部及び水道水 1227.22部を混合したのち約90分間湿式粉砕し、比表面積が60,000cm/cm以上のピラゾレートプレミックススラリーA(含有農薬有効成分22.83%)を得た。
【0050】
(実施例2)
ピラゾレート原体(純度94.5%)950.79部、シクロピリモレート原体(純度98.4%)447.92部、プロピリスフロン原体(純度98.3%)134.79部、Morwet(登録商標)D-425 Powder(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ製、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物)25.00部、VEEGUM(登録商標)R(Vanderbilt Minerals製、ケイ酸アルミニウムマグネシウム)2.50部、ニューコール(登録商標)607-PDE(日本乳化剤製、ポリオキシエチレン モノ、ジ若しくはトリスチリルフェニルエーテル モノ又はジ燐酸エステル)50.00部、ニューコール(登録商標) 291-PG (日本乳化剤製、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム塩)25.00部及び水道水 864.00部を混合したのち約90分間湿式粉砕し、比表面積が60,000cm/cm以上のピラゾレートプレミックススラリーB(含有農薬有効成分35.94%)を得た。
【0051】
(実施例3)
ピラゾレート原体(純度94.5%)926.72部、シクロピリモレート原体(純度98.4%)436.48部、トリアファモン原体(純度92.7%)75.25部、Morwet(登録商標)D-425 Powder(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ製、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物)25.00部、VEEGUM(登録商標)R(Vanderbilt Minerals製、ケイ酸アルミニウムマグネシウム)2.50部、ニューコール(登録商標)607-PDE(日本乳化剤製、ポリオキシエチレン モノ、ジ若しくはトリスチリルフェニルエーテル モノ又はジ燐酸エステル)50.00部、ニューコール(登録商標) 291-PG(日本乳化剤製、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム塩)50.00部及び水道水 934.05部を混合したのち約90分間湿式粉砕し、比表面積が60,000cm/cm以上のピラゾレートプレミックススラリーC(含有農薬有効成分35.03%)を得た。
【0052】
(実施例4)
ピラゾレート原体(純度94.5%)1656.08部、Morwet(登録商標)D-425 Powder(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ製、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物)25.00部、ニューコール(登録商標)607-PDE(日本乳化剤製、ポリオキシエチレン モノ、ジ若しくはトリスチリルフェニルエーテル モノ又はジ燐酸エステル)50.00部、ニューコール(登録商標)291-PG(日本乳化剤製、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム塩)21.25部及び水道水 747.67部を混合したのち約90分間湿式粉砕し、比表面積が60,000cm/cm以上のピラゾレートプレミックススラリーD(含有農薬有効成分62.60%)を得た。
【0053】
(実施例5)
ピラゾレート原体(純度94.5%)1159.26部、シクロピリモレート原体(純度98.4%)406.50部、Morwet(登録商標)D-425 Powder(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ製、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物)25.00部、ニューコール(登録商標)607-PDE(日本乳化剤製、ポリオキシエチレン モノ、ジ若しくはトリスチリルフェニルエーテル モノ又はジ燐酸エステル)50.00部、ニューコール(登録商標)291PG(日本乳化剤製、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム塩)21.25部及び水道水 839.99部を混合したのち約90分間湿式粉砕し、比表面積が60,000cm/cm以上のピラゾレートプレミックススラリーE(含有農薬有効成分43.8%)を得た。
【0054】
(実施例6)
実施例1のピラゾレートプレミックススラリーA60部、硫酸アンモニウム1部、コルク(粒径0.5mm以下のもの)20部、ベントナイト12部、コーンスターチ5部、セロゲン(登録商標)5A(第一工業製薬製、カルボキシメチルセルロースナトリウム)8部、TK-16(松谷化学工業製、マルトデキストリン)8部、タモール(登録商標)DN(フェノールスルホン酸・ホルムアルデヒド重縮合物のナトリウム塩)5部、M-3801G(第一工業製薬製、アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム)2部及び木粉10.33部をニーダー FM-NW-5型(富士産業製)に仕込み混合後、適量の水を加えて練合した。得られた練合物を押し出し造粒機ドームグラン(ダルトン製)により1.5mmのスクリーンにより押し出し造粒した。この造粒物を流動層乾燥機(熱風温度60℃)で約15分間乾燥し、1.5~5mm区分を篩分けて、固形農薬組成物を得た。
【0055】
(実施例7)
実施例6と同様にして下記の処方にて目的の固形農薬組成物を得た。
【0056】
【表1】
【0057】
(実施例8)
実施例6と同様にして下記の処方にて目的の固形農薬組成物を得た。
【0058】
【表2】
【0059】
(実施例9)
実施例6と同様にして下記の処方にて目的の固形農薬組成物を得た。
【0060】
【表3】
【0061】
(実施例10)
実施例6と同様にして下記の処方にて目的の固形農薬組成物を得た。
【0062】
【表4】
【0063】
(実施例11)
ピラゾレート原体(純度94.5%)896.83部、シクロピリモレート原体(純度98.4%)281.50部、ピラクロニル原体(純度 96.6%)211.30部、Morwet(登録商標)D-425 Powder(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ製、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物)25.00部、ニューコール(登録商標)607-PDE(日本乳化剤製、ポリオキシエチレン モノ、ジ若しくはトリスチリルフェニルエーテル モノ又はジ燐酸エステル)50.00部、ニューコール(登録商標)291PG(日本乳化剤製、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム塩)50.00部及び水道水 980.37部を混合したのち約90分間湿式粉砕し、比表面積が60,000cm/cm以上のピラゾレートプレミックススラリーM(含有農薬有効成分53.17%)を得た。
【0064】
(実施例12)
実施例6と同様にして下記の処方にて、ニーダー FM-NW-5型(富士産業製)に仕込み混合後、適量の水を加えて練合した。得られた練合物を押し出し造粒機ドームグラン(ダルトン製)により1.2mmのスクリーンにより押し出し造粒した。この造粒物を流動層乾燥機(熱風温度60℃)で約15分間乾燥し、1.2~5mm区分を篩分けて、固形農薬組成物を得た。
【表5】
【0065】
(比較例1)
ピラゾレート原体(純度94.5%)603.97部、シクロピリモレート原体(純度98.4%)284.55部、フェントラザミド原体(純度99.2%)281.75部、VEEGUM(登録商標)R(Vanderbilt Minerals製、ケイ酸アルミニウムマグネシウム)2.50部、ニューコール(登録商標)607-PDE(日本乳化剤製、ポリオキシエチレン モノ、ジ若しくはトリスチリルフェニルエーテル モノ又はジ燐酸エステル)50.00部、ニューコール(登録商標)291-PG(日本乳化剤製、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム塩)25.00部及び水道水 1252.22部を混合し、約90分間アトライター1S型(日本コークス工業製)にて湿式粉砕し、比表面積が60,000cm/cm以上のピラゾレートプレミックススラリーF(含有農薬有効成分22.83%)を得た。
【0066】
(比較例2)
ピラゾレート原体(純度94.5%)926.72部、シクロピリモレート原体(純度98.4%)436.48部、トリアファモン原体(純度92.7%)75.24部、Morwet(登録商標)D-425 Powder(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ製、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物)25.00部、VEEGUM(登録商標)R(Vanderbilt Minerals製、ケイ酸アルミニウムマグネシウム)2.50部、ニューコール(登録商標)291-PG(日本乳化剤製、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム塩)50.00部及び水道水 984.05部を混合し、約90分間アトライター1S型(日本コークス工業製)にて湿式粉砕し、比表面積が60,000cm/cm以上のピラゾレートプレミックススラリーG(含有農薬有効成分35.03%)を得た。
【0067】
(比較例3)
ピラゾレート原体(純度94.5%)1656.08部、ニューコール(登録商標)291-PG(日本乳化剤製、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム塩)21.25部及び水道水 822.67部を混合したのち約90分間湿式粉砕し、比表面積が60,000cm/cm以上のピラゾレートプレミックススラリーH(含有農薬有効成分35.03%)を得た。
【0068】
(比較例4)
ピラゾレート原体(純度94.5%)603.97部、シクロピリモレート原体(純度98.4%)284.55部、フェントラザミド原体(純度99.2%)281.75部、Morwet(登録商標)D-425 Powder(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ製、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物)25.00部、VEEGUM(登録商標)R(Vanderbilt Minerals製、ケイ酸アルミニウムマグネシウム)2.50部、ニューコール(登録商標)607-PDE(日本乳化剤製、ポリオキシエチレン モノ、ジ若しくはトリスチリルフェニルエーテル モノ又はジ燐酸エステル)50.00部、ニューコール(登録商標)291-PG(日本乳化剤製、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム塩)25.00部及び水道水 1227.22部を混合したのち約30分間湿式粉砕し、比表面積が30,000cm/cm以上のピラゾレートプレミックススラリーI(含有農薬有効成分22.83%)を得た。
【0069】
(比較例5)
ピラゾレート原体(純度94.5%)950.79部、シクロピリモレート原体(純度98.4%)447.92部、プロピリスフロン原体(純度98.3%)134.79部、Morwet(登録商標)D-425 Powder(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ製、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物)25.00部、VEEGUM(登録商標)R(Vanderbilt Minerals製、ケイ酸アルミニウムマグネシウム)2.50部、ニューコール(登録商標)607-PDE(日本乳化剤製、ポリオキシエチレン モノ、ジ若しくはトリスチリルフェニルエーテル モノ又はジ燐酸エステル)50.00部、ニューコール(登録商標)291-PG(日本乳化剤製、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム塩)25.00部及び水道水 864.00部を混合したのち約30分間湿式粉砕し、比表面積が30,000cm/cm以上のピラゾレートプレミックススラリーJ(含有農薬有効成分35.94%)を得た。
【0070】
(比較例6)
ピラゾレート原体(純度94.5%)926.72部、シクロピリモレート原体(純度98.4%)436.48部、トリアファモン原体(純度92.7%)75.25部、Morwet(登録商標)D-425 Powder(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ製、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物)25.00部、VEEGUM(登録商標)R(Vanderbilt Minerals製、ケイ酸アルミニウムマグネシウム)2.50部、ニューコール(登録商標)607-PDE(日本乳化剤製、ポリオキシエチレン モノ、ジ若しくはトリスチリルフェニルエーテル モノ又はジ燐酸エステル)50.00部、ニューコール(登録商標)291-PG(日本乳化剤製、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム塩)50.00部及び水道水 934.05部を混合したのち約30分間湿式粉砕し、比表面積が30,000cm/cm以上のピラゾレートプレミックススラリーK(含有農薬有効成分35.03%)を得た。
【0071】
(比較例7)
ピラゾレート原体(純度94.5%)1656.08部、Morwet(登録商標)D-425 Powder(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ製、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物)25.00部、ニューコール(登録商標)607-PDE(日本乳化剤製、ポリオキシエチレン モノ、ジ若しくはトリスチリルフェニルエーテル モノ又はジ燐酸エステル)50.00部、ニューコール(登録商標)291-PG(日本乳化剤製、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム塩)21.25部及び水道水 747.67部を混合したのち約30分間湿式粉砕し、比表面積が30,000cm/cm以上のピラゾレートプレミックススラリーL(含有農薬有効成分62.60%)を得た。
【0072】
(比較例8)
以下、実施例6と同様にして下記の処方にて目的の固形農薬組成物を得た。
【0073】
【表6】
【0074】
(比較例9)
以下、実施例6と同様にして下記の処方にて目的の固形農薬組成物を得た。
【0075】
【表7】
【0076】
(比較例10)
以下、実施例6と同様にして下記の処方にて目的の固形農薬組成物を得た。
【0077】
【表8】
【0078】
(比較例11)
以下、実施例6と同様にして下記の処方にて目的の固形農薬組成物を得た。
【0079】
【表9】
【0080】
(比較例12)
以下、実施例6と同様にして下記の処方にて目的の固形農薬組成物を得た。
【0081】
【表10】
【0082】
(比較例13)
以下、実施例6と同様にして下記の処方にて目的の固形農薬組成物を得た。
【0083】
【表11】
【0084】
(比較例14)
以下、実施例6と同様にして下記の処方にて目的の固形農薬組成物を得た。
【0085】
【表12】
【0086】
(比較例15)
以下、実施例6と同様にして下記の処方にて目的の固形農薬組成物を得た。
【0087】
【表13】
【0088】
(比較例16)
以下、実施例6と同様にして下記の処方にて目的の固形農薬組成物を得た。
【0089】
【表14】
【0090】
試験例1
実施例6~10及び12ならびに比較例8~16で製造した固形農薬組成物をポリエスニウム包装に封入し、54℃の恒温機中に14日間(有効期限3年に相当)及び28日間(有効期限5年に相当)保存した。保存前後における固形農薬組成物中のピラゾレートの含有量を高速液体クロマトグラフィーで定量し、ピラゾレートの保存安定性を評価した。その結果を残存率として、保存前後のピラゾレートの含有量(下式)より算出した。各保存期間(54℃×14日間及び54℃×28日間)において、残存率が94.0%以上であれば有効期限3年もしくは5年担保可能であるという基準のもと以下のように判定した。
〇:有効期限を5年に延長可能
△:有効期限3年担保可能だが、5年への延長は不可
×:有効期限3年担保不可
残存率(%)=[(保存後のピラゾレート含有量)/(保存前のピラゾレート含有量)]×100試験例の結果を以下の表に示す。
【0091】
【表15】
【0092】
試験例から明らかなように、本発明による固形農薬組成物は比較例としてあげた公知技術などによる製剤では達成が困難であったピラゾレートの保存安定性の向上を達成でき、有効期限を延長可能な固形農薬組成物が得られた。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明の固形農薬組成物は、非常に保存安定性に優れ、農業資材として、有用な製剤である。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)加水分解性が高い農薬有効成分又はその塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩又はその縮合物及びポリオキシエチレン モノ、ジ又はトリスチリルフェニルエーテル モノ又はジ燐酸エステルを含有する、比表面積が少なくとも60,000cm/cm以上のスラリーならびに(2)硫酸アンモニウムを含有する固形農薬組成物。