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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083532
(43)【公開日】2024-06-21
(54)【発明の名称】非対称シャフトシール
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/34 20060101AFI20240614BHJP
【FI】
A61B17/34
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024063244
(22)【出願日】2024-04-10
(62)【分割の表示】P 2020569743の分割
【原出願日】2019-05-23
(31)【優先権主張番号】16/009,591
(32)【優先日】2018-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
【住所又は居所原語表記】#475 Street C, Suite 401, Los Frailes Industrial Park, Guaynabo, Puerto Rico 00969, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ホール・スティーブン・ジー
(72)【発明者】
【氏名】モズルーム・ジュニア・ジョセフ・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ビリ・クリストファー・ダブリュ
(72)【発明者】
【氏名】プレンジャー・ダニエル・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】クレンク・ライアン・アラン
(57)【要約】
【課題】一体型シールシステムを提供すること。
【解決手段】一体型シールシステムは、中央開口部を画定する本体と、前記本体の底部から遠位に延在し、かつ対向するシールフラップを分離する1つ又は2つ以上の分割線を画定するダックビルシールと、前記本体から前記中央開口部内に径方向に延在する非対称シールであって、ダイヤフラムと、前記本体と前記ダイヤフラムとの間に延在する環状フランジとを含む、非対称シールと、を含み、前記一体型シールシステムが発生させる総挿入抵抗力及び総抜去抵抗力が均等化されるように、前記ダイヤフラムが、前記ダックビルシールが前記ダックビルシールを通って延在する外科用ツールのシャフトに対して発生させる挿入抵抗力及び抜去抵抗力を補完する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一体型シールシステムであって、
中央開口部を画定する本体と、
前記本体の底部から遠位に延在し、かつ対向するシールフラップを分離する1つ又は2つ以上の分割線を画定するダックビルシールと、
前記本体から前記中央開口部内に径方向に延在する非対称シールであって、ダイヤフラムと、前記本体と前記ダイヤフラムとの間に延在する環状フランジとを含む、非対称シールと、を含み、
前記一体型シールシステムが発生させる総挿入抵抗力及び総抜去抵抗力が均等化されるように、前記ダイヤフラムが、前記ダックビルシールが前記ダックビルシールを通って延在する外科用ツールのシャフトに対して発生させる挿入抵抗力及び抜去抵抗力を補完する、一体型シールシステム。
【請求項2】
前記非対称シールが、前記外科用ツールのシャフトと係合可能であり、かつ、ツール挿入中により大きな抵抗力を発生させ、ツール抜去中により小さい抵抗力を発生させ、前記ダックビルシールが、ツール挿入中により小さい抵抗力を発生させ、ツール抜去中により大きな抵抗力を発生させる、請求項1に記載の一体型シールシステム。
【請求項3】
前記ダイヤフラムが、球根状、球状、多角形、角錐形、円錐形、円錐台形、卵形、及びこれらの任意の組み合わせ又は複数からなる群から選択される断面形状を呈する、請求項1に記載の一体型シールシステム。
【請求項4】
前記本体が、ゴム、シリコーン、エチレンビニルアセテート、ナイロン、ビニル、スパンデックス、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される弾性材料又は柔軟な材料から作製されている、請求項1に記載の一体型シールシステム。
【請求項5】
前記ダイヤフラムが、前記環状フランジの断面厚さよりも大きい断面厚さを有する、請求項1に記載の一体型シールシステム。
【請求項6】
前記本体は、外側端部と内側端部とを有し、前記ダックビルシールは、前記内側端部の前記本体の底部から遠位に延在しており、
前記本体は、
前記外側端部の前記本体の底部から遠位に延在する第1の環状部分と、
前記内側端部の前記本体の頂部から近位に延在する第2の環状部分と、を含む、請求項5に記載の一体型シールシステム。
【請求項7】
前記ダックビルシールは、近位方向を向く第1の表面と遠位方向を向く第2の表面とを有し、前記第1の表面は、前記第2の表面に並行して延在する平坦部と、前記平坦部と前記分割線との間に延在する凸部とを含む、請求項5に記載の一体型シールシステム。
【請求項8】
トロカールアセンブリであって、
トロカールハウジングと、前記トロカールハウジングから遠位に延在するカニューレと、を含むトロカールと、
請求項1に記載の一体型シールシステムであって、前記トロカールを通って軸方向に延在する中央通路内に位置付けられる、一体型シールシステムと、を含む、トロカールアセンブリ。
【請求項9】
前記トロカールに解放可能に連結されたシールカートリッジを更に含み、前記中央通路が、前記シールカートリッジ及び前記トロカールによって連続的に画定される、請求項8に記載のトロカールアセンブリ。
【請求項10】
前記トロカールに解放可能に連結されたシールカートリッジと、
前記シールカートリッジに解放可能に連結され、かつ前記シールカートリッジを通って前記カニューレ内に延在可能なレデューサシャフトを備えるトロカールブッシングと、を更に含み、前記中央通路が、前記トロカールブッシングによって画定されている、請求項8に記載のトロカールアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
腹腔鏡手術中、1つ又は2つ以上の小さな切開が患者の皮膚に形成され、トロカールアセンブリが切開を通して挿入されて、患者の腹部などの内部体腔へのアクセスを提供する。トロカールアセンブリは、様々な外科用器具及びツールを腹部内に導入するために使用することができる経路として動作する。
【0002】
トロカールアセンブリは、一般に、トロカールと、トロカールの一部に動作可能に連結されるか又はトロカールの一部を形成するシールアセンブリと、を含む。トロカールは、トロカールハウジングと、トロカールハウジングから遠位に延在し、患者の腹部内に経路を提供するカニューレと、を含む。シールアセンブリは、貫入した体腔内への送気を維持するのに役立ち、また、トロカールを通って患者の腹部内に延びる外科用ツールの周りを封止するのにも役立つ、1つ又は2つ以上のシールを含む。いくつかの用途では、シールアセンブリは、トロカールハウジング内に少なくとも部分的に受容されるシールカートリッジを含んでもよい。
【0003】
トロカールシールアセンブリは、一般的に、外科用ツールのシャフトによって貫通されるまで通常閉鎖されている「ダックビル」シールを含む。外科用ツールが患者の腹部内に導入されるとき、ダックビルシールは、シャフトによって貫通された時点で、ツールシャフトの外周を受容し、これに係合する。ダックビルシールは、その遠位に突出する設計により、典型的には、外科用ツールを抜去している間に発生する抵抗力と比較して、外科用ツールを挿入している間にツールシャフトに対してより小さな抵抗力を発生させる。
【0004】
ユーザー(例えば、外科医)は、外科用ツールを抜去するためには、外科用ツールを挿入するために必要な力と比較して追加の力の量が必要であるということを、典型的に又は意識的に予想しないため、挿入抵抗力と抜去抵抗力との間の差異によってヒステリシスが生じる。極端な場合には、これは、患者の組織に不注意による損傷又は負傷を引き起こす可能性がある。ロボット手術用途の場合、挿入抵抗力と抜去抵抗力とが異なることで、ロボットを、挿入動作及び抜去動作に関して別々にプログラム及び較正して、それぞれの方向において異なる抵抗力を補償することが必要となり、結果としてシステムが更に複雑化する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
以下の図は、本開示の特定の態様を例示するために含まれるが、排他的な実施形態として見られるべきではない。開示される主題は、本開示の範囲から逸脱することなく、形態及び機能においてかなりの修正、変更、組み合わせ、及び等価物が可能である。
図1】本開示の原理を組み込むことができる例示的なトロカールアセンブリの等角図である。
図2図1のトロカールアセンブリの部分分解図である。
図3図1及び図2のトロカールアセンブリの一部分の拡大断面側面図である。
図4A】それぞれ、図3の一体型シールシステムの等角上面図及び底面図である。
図4B】それぞれ、図3の一体型シールシステムの等角上面図及び底面図である。
図5】一体型シールシステムの分割線に垂直な、一体型シールシステムの断面図である。
図6A】例示的な動作中の一体型シールシステムの漸進的断面側面図である。
図6B】例示的な動作中の一体型シールシステムの漸進的断面側面図である。
図6C】例示的な動作中の一体型シールシステムの漸進的断面側面図である。
図6D】例示的な動作中の一体型シールシステムの漸進的断面側面図である。
図6E】例示的な動作中の一体型シールシステムの漸進的断面側面図である。
図7】本開示の原理を組み込むことができる別の例示的なトロカールアセンブリの拡大断面側面図である。
図8】本開示の原理を組み込むことができる別の例示的なトロカールアセンブリの拡大断面側面図である。
図9】本開示の原理を組み込むことができる別の例示的なトロカールアセンブリの拡大断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示は、トロカールアセンブリに関し、より具体的には、外科用ツールのシャフトに対して発生する挿入抵抗力及び抜去抵抗力を均等化するように設計された一体型シールシステムに関する。
【0007】
本明細書に提示される実施形態は、外科用ツールの挿入力及び抜去力を均等化するように設計された一体型シールシステムを記述した。より具体的には、一体型シールシステムは、トロカールハウジングを有するトロカールと、トロカールハウジングから遠位に延在するカニューレと、を含む、トロカールアセンブリに含まれてもよい。一体型シールシステムは、トロカールを通って軸方向に延在する中央通路内に位置付けられてもよく、中央通路を通って延在する外科用ツールのシャフトに対して係合可能であってもよい。一体型シールシステムは、非対称シールと、非対称シールの遠位に配置されたダックビルシールと、を含み得る。非対称シールは、近位に突出するダイヤフラムを画定する。ダイヤフラムは、一体型シールシステムが発生させる総挿入抵抗力及び抜去抵抗力が均等化されるように、ダックビルシールが外科用ツールのシャフトに対して発生させる挿入抵抗力及び抜去抵抗力を補完するように動作する。
【0008】
図1は、本開示の原理を組み込むことができる例示的なトロカールアセンブリ100の等角図である。図示されたトロカールアセンブリ100は、本開示の原理を好適に組み込むことができるトロカールアセンブリの一実施例にすぎない。当業者であれば、本開示の範囲から逸脱することなく、トロカールアセンブリ100の多くの代替的な設計及び構成が採用されてもよい又は組み込まれてもよいことを容易に理解するであろう。
【0009】
図示されるように、トロカールアセンブリ100は、トロカール102と、トロカール102に解放可能に連結されたシールカートリッジ104と、シールカートリッジ104の近位端に解放可能に連結され得るトロカールブッシング106と、を含んでもよい。トロカール102は、トロカールハウジング108と、トロカールハウジング108から遠位に延在するカニューレ110と、を含む。いくつかの実施形態では、カニューレ110は、トロカールハウジング108の一体延長部を含んでもよい。他の実施形態では、トロカールハウジング108及びカニューレ110は、互いに嵌合される2つの別個の構成要素を含んでいてもよい。トロカール102は、金属又はプラスチックなどの任意の剛性又は半剛性材料で作製されてもよい。
【0010】
シールカートリッジ104は、トロカールハウジング108内に少なくとも部分的に受容されてもよく、シールカートリッジ104をトロカールハウジング108に解放可能に連結する1つ又は2つ以上の作動可能なラッチ112(1つは示され、1つは隠れている)を含む。トロカールブッシング106は、トロカールブッシング106をシールカートリッジ104に解放可能に連結する1つ又は2つ以上の作動可能なラッチ116(1つは示され、1つは隠れている)を提供するブッシングハウジング114を含んでもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、本開示の範囲から逸脱することなく、トロカールブッシング106はトロカールアセンブリ100から省略されてもよい。
【0011】
トロカールアセンブリ100はまた、患者の内部体腔(例えば、腹部)の内壁を上昇させるために使用される送気流体(例えば、二酸化炭素)の流入を調節するように動作可能な送気弁118(例えば、ストップコック弁)を含んでもよい。図示の実施形態では、送気弁118は、シールカートリッジ104に連結される、ないしは別の方法でその一体部分を形成する。しかしながら、他の実施形態では、送気弁118は、代替的に、トロカールハウジング108に連結されてもよく、又はその一体部分を形成してもよい。
【0012】
図2は、図1のトロカールアセンブリ100の部分分解図である。より具体的には、トロカールブッシング106は、シールカートリッジ104から分離されて示されている。図示されるように、トロカールブッシング106は、ブッシングハウジング114から遠位に延在するレデューサシャフト202を含む。トロカールブッシング106をシールカートリッジ104に連結するために、シールカートリッジ104の近位端に画定された中央オリフィス204の中にレデューサシャフト202を延在させることができる。次いで、トロカールブッシング106を遠位に前進させて、レデューサシャフト202をシールカートリッジ104及びトロカールハウジング108を通し、最終的にトロカールカニューレ110の内部に延在させてもよい。トロカールブッシング106は、ブッシングハウジング114の作動可能なラッチ116を、シールカートリッジ104の近位端上に画定された対応するラッチ開口部206内に受容することによって、シールカートリッジ104に解放可能に連結されてもよい。
【0013】
トロカールブッシング106及び対応するレデューサシャフト202は、トロカールアセンブリ100の有効内径を低減するように動作してもよく、これにより、トロカールアセンブリ100が縮径外科用ツールを収容して中心に置くことを可能にする。例えば、トロカールブッシング106は、外径が5mmの外科用ツールを収容するようにサイズ決めされてもよい。8mm又は12mmの外径を有する外科用ツールなどの、より大径の外科用ツールが使用される場合、トロカールブッシング106は省略されてもよく、そのような大径の外科ツールは、中央オリフィス204を介してトロカールアセンブリ100内に導入されてもよい。
【0014】
図3は、組み立てられたトロカールアセンブリ100の一部分の拡大断面側面図である。図示されるように、シールカートリッジ104は、1つ又は2つ以上のシール、すなわち、第1又は「近位」シール302、及び第2又は「遠位」シール304を含んでもよい。第1のシール302及び第2のシール304は、動作中のトロカールアセンブリ100の選択的封止を容易にする。図示の実施形態では、第1のシール302及び第2のシール304は、シールカートリッジ104を通って延在するレデューサシャフト202の外側表面を受容して係合する。動作中、第1のシール302は、レデューサシャフト202の外側表面に封止係合するように構成されてもよい。2つのシール302、304が図3に示されているが、シールカートリッジ104は、代替的に、本開示の範囲から逸脱することなく、2つ超又は2つ未満のシールを含んでもよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、第1のシール302は、シールカートリッジ104を通って延在するレデューサシャフト202を受容し、レデューサシャフト202に対して封止するように径方向に拡張するように構成された、拡張可能な開閉式シールを含んでもよい。あるいは、トロカールブッシング106を省略する実施形態では、第1のシール302は、外科用ツールのシャフト(図示せず)の外側表面の周りを封止してもよい。第2のシール304は、貫通されていないときに送気を維持するのを助けるように構成されてもよいが、トロカールブッシング106が使用される場合には、レデューサシャフト202の外周に対して封止することもできる。いくつかの実施形態では、図示されるように、第2のシール304は、当業者に一般的に知られているダックビルシールを含んでもよい。
【0016】
シール302、シール304は、弾性材料又は柔軟な材料で作製されてもよい。好適な弾性材料又は柔軟な材料としては、限定するものではないが、ゴム(例えば、天然ゴム、合成ゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ポリエーテルゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンジエンモノマー、スチレンブタジエンゴムなど)、シリコーン、エチレンビニルアセテート、ナイロン、ビニル、スパンデックス、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0017】
本開示の実施形態によれば、トロカールアセンブリ100は、トロカールアセンブリ100を通って軸方向に延在する中央通路308内に位置付けられた、本明細書では一体型シールシステム306と称されるシャフトシールを更に含んでもよい。中央通路308は、トロカールアセンブリ100を通って軸方向に延在して、外科用ツールのシャフトが挿入及び抜去される際に外科用ツールのシャフトを受容し案内する任意の細長い経路を含んでもよい。図示の実施形態では、例えば、中央通路308は、シールカートリッジ104及びトロカール102を通って延在するトロカールブッシング106によって画定される。より具体的には、中央通路308は、ブッシングハウジング114とレデューサシャフト202の内部とによって少なくとも部分的に画定される。
【0018】
一体型シールシステム306は、中央通路308内に位置付けられてもよく、ないしは別の方法で中央通路308を通って延在する外科用ツールのシャフトの外側表面と封止係合するように配置されてもよい。より具体的には、外科用ツールのシャフト(図示せず)が中央通路308に導入されると、一体型シールシステム306は、外科用ツールのシャフトの外周面の周りを封止するように動作する。一体型シールシステム306は、シール302、シール304に関して本明細書で言及される弾性材料又は柔軟な材料のいずれかで作製されてもよい。図示の実施形態では、一体型シールシステム306は、レデューサシャフト202の近位端310に配置され、いくつかの実施形態では、レデューサシャフト202の近位端310と、ブッシングハウジング114の一部分との間に保持されてもよく、ないしは別の方法でそれらに挟入されてもよい。しかしながら、他の実施形態では、一体型シールシステム306は、本開示の範囲から逸脱することなく、中央通路308に沿った任意の位置に配置されてもよい。
【0019】
当業者であれば、中央通路308は、本開示の範囲から逸脱することなく、トロカールアセンブリ100の他の構成部品によって画定され得ることを容易に理解するであろう。後述するように、例えば、トロカールブッシング106が省略され、中央通路308が、代替的に、シールカートリッジ104及びトロカール102を通って連続的に画定される実施形態が、本明細書において想到される。このような実施形態では、一体型シールシステム306は、例えば、シールカートリッジ104内に、又は中央通路308内の別の位置に配置されてもよい。本明細書に記載される更に他の実施形態では、シールカートリッジ104及びトロカールブッシング106は両方ともトロカールアセンブリ100から省略されてもよく、中央通路308は、代替的に、トロカールハウジング108及びカニューレ110を通って画定されてもよいことが想到される。このような実施形態では、一体型シールシステム306は、トロカールハウジング108又は中央通路308に沿った別の位置に連結されて配置されてもよい。
【0020】
図4A及び図4Bは、それぞれ、1つ以上の実施形態による、一体型シールシステム306の一実施例の等角上面図及び底面図である。まず図4Aを参照すると、一体型シールシステム306は、中央開口部404を画定する概ね円形の本体402を提供してもよい。他の実施形態では、本体402は、本開示の範囲から逸脱することなく、多角形又は楕円形などの他の断面形状を呈してもよい。非対称シール406は、本体402によって画定され、中央開口部404内に径方向に延在してもよい。図示されるように、非対称シール406は、ダイヤフラム408と、本体402とダイヤフラム408との間に延在する環状フランジ410と、を含んでもよい。後述するように、ダイヤフラム408は、中央開口部404を通って延在する、ないしは別の方法で一体型封止システム306を他の方法で貫通する物体(例えば、外科用ツールのシャフト)の外周に係合し、外周に対して封止するように構成されてもよい。
【0021】
図4Bでは、ダックビルシール412(交互に(alternately)「逆止弁」と呼ばれる)は、本体402の底部414上に設けられてもよく、ないしは別の方法で底部414から遠位に延びていてもよい。ダックビルシール412は、対向するシールフラップ418を分離する1つ又は2つ以上の分割線416(1つが図示されている)を画定し得る。その弛緩した非貫通状態では、封止フラップ418は、分割線(複数可)416及びダックビルシール412に沿って閉じたままである(封止された状態)ことにより、送気を維持するのに役立つ。物体(例えば、外科用ツールのシャフト)が中央開口部404を通って延在すると、ダックビルシール412は、シールフラップ418が分離するにつれて分割線(複数可)416に沿って開き、物体の外周に係合して物体の外周に対して封止する。
【0022】
ダックビルシール412は特定の構成及び設計で示されているが、当業者であれば、本開示の範囲から逸脱することなく、他の構成及び設計が代替的に採用され得ることを容易に認識するであろう。例えば、いくつかの実施形態では、ダックビルシール412は、4つ以上のシールフラップを画定する2つの二等分する分割線(例えば、「ダブルスリット」)を含み得る。
【0023】
図5は、1つ以上の実施形態による、図4Bの分割線416に垂直な、一体型シールシステム306の断面図である。図示されるように、非対称シール406は、中央開口部404内に径方向に延在し、ダイヤフラム408で終端し、ダックビルシール412は本体402の底部414から遠位に延在する。いくつかの実施形態では、一体型シールシステム306は、非対称シール406及びダックビルシール412の両方を含む単一構造体として成形されてもよい。しかしながら、他の実施形態では、一体型シールシステム306は、多部品構造体を含んでもよい。かかる実施形態では、ダックビルシール306は、例えば、本体402上にオーバーモールドされてもよい。あるいは、ダックビルシール306は、例えば、接着剤、超音波溶接、1つ又は2つ以上の機械的締結具、締まり嵌め、スナップ嵌め、又はこれらの任意の組み合わせを使用して本体402に取り付けられてもよい。
【0024】
外科用ツールのシャフトなどの物体が中央開口部404を通って延在すると、非対称シール406及びダックビルシール412がツールシャフトの外周と独立して係合するときに抵抗力が発生する。ダックビルシール412の遠位に延在する構造及び設計により、ダックビルシール412がツールシャフトに対して発生させる挿入抵抗力及び抜去抵抗力は異なることになる。より具体的には、ツールシャフトが挿入される(すなわち、遠位に前進する)ときにツールシャフトの外周に係合する封止フラップ418が発生させる抵抗力は、ツールシャフトが抜去される(すなわち、近位に後退する)ときに発生する抵抗力と比べて小さい(低い)場合がある。
【0025】
ユーザー(例えば、外科医)は、使用中に外科用ツールに加えられる挿入力及び抜去力を能動的に調節しなければならないので、異なる挿入抵抗力及び抜去抵抗力はヒステリシスをもたらす可能性がある。したがって、ユーザーは、外科用ツールを挿入又は抜去するのに必要な力の量を頭の中で判断しなければならず、これは制御性に悪影響を及ぼす可能性があり、患者に損傷又は負傷を引き起こす可能性があり得る。ロボット手術用途では、ロボットは、外科用ツールを押したり引いたりするように動作可能な1つ又は2つ以上のモータによって給電される。挿入抵抗力と抜去抵抗力とが異なることで、ロボットを、反対向きの動作に関して別々にプログラム及び較正して、ツール挿入及び抜去のための同じであるが反対のコマンド入力速度がツールの等しくかつ反対の物理的動作をもたらすようにすることが必要となる。
【0026】
非対称シール406は、ダックビルシール412が発生させる異なる挿入抵抗力及び抜去抵抗力を補償し、それによって、ツール挿入及び抜去中の「総」抵抗力が一貫している(均一である)一体型シールシステム306を提供するように構成され得る。これを達成するために、非対称シール406は、ツール挿入中により大きな抵抗力を発生させ、ツール抜去中により小さい抵抗力を発生させるように調整されてもよく、ないしは別の方法で最適化されてもよい。非対称シール406が発生させる抵抗力が、ダックビルシール412が発生させる抵抗力と組み合わされると、一体型シールシステム306が全体として発生させる正味の抵抗力は、ツール挿入方向及びツール抜去方向の両方において等しく(又は等しいに近く)なり得る。結果として、ユーザー(例えば、外科医)による外科用ツールの操作は、より一貫して信頼性が高くなり得、ロボット手術用途では、ツール挿入動作及びツール抜去動作に関して異なる速度を較正又はプログラムする必要がなくなり得る。
【0027】
非対称シール406がより大きなツール挿入抵抗力及びより小さいツール抜去抵抗力を発生させることを可能にするために、ダイヤフラム408は、ダックビルシール412から近位に、ないしは別の方法でダックビルシール412から離れる方向に延在する(突き出る又は突出する)ことができる。言い換えれば、ダイヤフラム408は、その弛緩状態において、フランジ410から近位に又は近位方向に突出するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、図示されるように、ダイヤフラム408は球根状又は球状の断面を呈してもよい。しかしながら、他の実施形態では、ダイヤフラム408は、多角形、角錐形、円錐形、円錐台形、卵形、又はこれらの任意の組み合わせなどであるが、これらに限定されない、他の断面形状を呈してもよい。
【0028】
図示の実施形態では、ダイヤフラム408は、球形又は円形の断面を有し、直径Dを呈す。直径Dの大きさ、環状フランジ310に対する断面周方向接続位置、並びに環状フランジ310のサイズ及び範囲(例えば、厚さT)は、ダックビルシール412の対応する挿入抵抗力及び抜去抵抗力と重畳されたときに、一体型シールシステム306の正味の総挿入抵抗力と総抜去抵抗力とが等しくなり得る挿入抵抗力及び抜去抵抗力を発生させるように非対称シール406を調整するために、変化させることができる。
【0029】
本明細書で使用する「等しい」又は「均等化する」という用語は、必ずしも正確に等しいか又は正確に均等化されることを意味しない。本明細書に記載されるように、例えば、非対称シール406は、ダックビルシール412が発生させる抵抗力を相殺又は補完するように動作してもよく、それにより、一体型シールシステム306が発生させる全体としての正味の抵抗力は、「等しくなる」又は「均等化される」ことが可能である。これは、正味の挿入抵抗力及び抜去抵抗力が正確に等しい又は正確に均等化されることを意味しないが、そういう場合も確かにあり得る。むしろ、正味の挿入抵抗力及び抜去抵抗力を均等化するとは、非対称シール406の動作を通じて、総挿入抵抗力の大きさを総抜去抵抗力に近づけること、又はその逆にすることを指す。
【0030】
図6A図6Eは、1つ以上の実施形態による、例示的な動作中の一体型シールシステム306の漸進的断面側面図である。より具体的には、図6A図6Dは、一体型シールシステム306に挿入される(すなわち、遠位に前進させられる)プロセスにおける例示的な外科用ツールのシャフト602を示し、図6Eは、一体型シールシステム306から抜去されている(すなわち、近位に後退させられる)シャフト602を示す。図6Aにおいて、シャフト602は、矢印Aによって示されるように、一体型シールシステム306に向かって遠位に前進する。シャフト602が一体型シールシステム306を貫通する前、ダイヤフラム408はその弛緩状態で近位に突出している。上述したように、これにより、非対称シール406は、ツール抜去中に発生する抵抗力と比較して、より大きなツール挿入抵抗力を有することが可能になる。更に、シャフト602が一体型シールシステム306を貫通する前、ダックビルシール412は、分割線(複数可)416で閉鎖されたままであり、送気を維持するのに役立つ。
【0031】
図6Bにおいて、シャフト602は、一体型シールシステム306内へと遠位Aに短い距離だけ前進し、ダイヤフラム408はシャフト602の外側表面604に係合している。ダイヤフラム408と外面604との間の係合により、流体(すなわち、気体及び液体)がその位置を越えていずれかの方向に移動するのを防止する流体シールが提供される。更に、ダイヤフラム408がシャフト602に対して発生させる摩擦は、ダイヤフラム408を遠位に屈曲させ、外側表面604に対して挿入抵抗力を発生させる。この時点で、ダックビルシール412に部分的に伝達されるダイヤフラム408が受ける径方向の負荷の結果として、ダックビルシール412もまた、分割線416で開き始めることができる。
【0032】
図6Cにおいて、シャフト602は、一体型シールシステム306内へと更に遠位Aに前進しており、ここでダックビルシール412の内壁、より具体的には、シールフラップ418の内壁に係合する。ダイヤフラム408がシャフト602の外側表面604に対して発生させる挿入抵抗力は、シャフト602がその遠位移動を継続するときに一定であってもよい。シャフト602がダックビルシール412を通って前進し、シールフラップ418がシャフト602の外側表面604と係合する際に、追加の挿入抵抗力が発生する。しかしながら、シールフラップ418は、遠位に突出(延在)するように設計されているため、ダックビルシール412が発生させる挿入抵抗力は、シャフト602を近位に抜去するときの抜去抵抗力と比較して小さくなる。
【0033】
図6Dにおいて、シャフト602は遠位Aに前進して一体型シールシステム306を完全に貫通し、シールフラップ418の内壁に完全に係合する。ダイヤフラム408及びシールフラップ418が発生させる挿入抵抗力は、ここで組み合わされて、一体型シールシステム306がシャフト602に対して発生させる総挿入抵抗力を提供する。ダイヤフラム408及びシールフラップ418がシャフト602の外側表面604に対して発生させる挿入抵抗力は、シャフト602が遠位移動を継続するときに一定であってもよい。
【0034】
図6Eには、一体型シールシステム306から矢印Bによって示されるように近位方向に抜去される過程にあるシャフト602が示されている。シャフト602が方向を逆転させると、ダイヤフラム408がシャフト602に対して発生させる摩擦は、ダイヤフラム408を近位に屈曲させ、外側表面604に対する抜去抵抗力が発生する。ダイヤフラム408は、近位方向Bに自然に突出するため、非対称シール406が発生させる抜去抵抗力は、その挿入抵抗力よりも小さくなり得る。シールフラップ418がシャフト602の外側表面604に係合し続けると、ダックビルシール412が追加の抜去抵抗力を発生させる。シールフラップ418は、自然に遠位に延在するため、ダックビルシール412が発生させる抜去抵抗力は、その挿入抵抗力よりも大きくなり得る。
【0035】
ダイヤフラム408及びシールフラップ418が発生させる抜去抵抗力は、組み合わされて、一体型シールシステム306がシャフト602に対して発生させる総抜去抵抗力を提供する。非対称シール406は、ダックビルシール412の挿入及び抵抗力を補完(相殺)するように設計されているため、一体型シールシステム306の総挿入抵抗力及び総抜去抵抗力は、均等化され得る、ないしは別の方法で両方向において等しくなり得る。したがって、ユーザー(例えば、外科医)又はロボットは、シャフト602に同じ又は等しい量の力を加えて、一体型シールシステム306を通して外科用ツールを挿入又は抜去することができる。
【0036】
図7は、1つ以上の実施形態による、本開示の原理を組み込むことができる別のトロカールアセンブリ700の拡大断面側面図である。トロカールアセンブリ700は、いくつかの点で図1図3のトロカールアセンブリ100と類似していてもよく、したがってトロカールアセンブリ100を参照して最良に理解され得る。図中、同様の番号は、再び詳細に説明されない同様の構成要素を表す。図1図3のトロカールアセンブリ100と同様に、トロカールアセンブリ700は、トロカール102と、トロカールハウジング108内に少なくとも部分的に受容されたシールカートリッジ104と、を含んでもよい。しかしながら、図1図3のトロカールアセンブリ100とは異なり、概ね上述したように、トロカールブッシング106(図1図3)はトロカールアセンブリ700から省略されており、図3のシールカートリッジ104の第1のシール302(図3)は、一体型シールシステム306と置き換えられている。
【0037】
一体型シールシステム306は、トロカールアセンブリ700を通って軸方向に延在する中央通路704内に位置付けられる。図3の中央通路308と同様に、中央通路704は、トロカールアセンブリ700を通って軸方向に延在する細長い経路を含み、患者の内部体腔内に外科用ツールを案内して導入するための導管を提供する。図示の実施形態では、中央通路704は、シールカートリッジ104及びトロカール102によって連続的に画定される。外科用ツールは、中央オリフィス204を通って延在し、一体型シールシステム306及び第2のシール304を連続して貫通することによって、トロカール102内に導入され、カニューレ110内に延在することができる。かかる実施形態では、非対称シール406は、ダックビルシール412及び第2のシール304の両方が発生させる挿入抵抗力及び抜去抵抗力を補完(相殺)するように設計され、最適化されてもよい。したがって、非対称シール406は、挿入及び抜去中の外科用ツールのシャフトに対する正味の抵抗力を均等化するように構成され得る。
【0038】
図8は、1つ以上の実施形態による、本開示の原理を組み込むことができる別のトロカールアセンブリ800の拡大断面側面図である。トロカールアセンブリ800は、いくつかの点で図7のトロカールアセンブリ700と類似していてもよく、したがってトロカールアセンブリ700を参照して最良に理解され得る。図中、同様の番号は、再び詳細に説明されない同様の構成要素を表す。図7のトロカールアセンブリ700と同様に、トロカールアセンブリ800は、トロカール102と、トロカールハウジング108内に少なくとも部分的に受容されたシールカートリッジ104と、を含んでもよい。
【0039】
しかしながら、図7のトロカールアセンブリ700とは異なり、シールカートリッジ104は、本明細書ではダックビルシール806から軸方向に分離された非対称シール804を含む一体型シールシステム802と称されるシャフトシールを含んでもよい。非対称シール804及びダックビルシール806は、図3図4A図4B、及び図5の一体型シールシステム306の非対称シール406及びダックビルシール412と構造及び機能が類似していてもよい。しかしながら、図8の非対称シール804及びダックビルシール806は、互いから軸方向にオフセットされた、ないしは別の方法でシールカートリッジ104内の分離した位置に配置された、独立した構造体を含んでもよい。
【0040】
一体型シールシステム802は、トロカールアセンブリ800を通って軸方向に延在する中央通路808内に位置付けられる。図3の中央通路308と同様に、中央通路808は、トロカールアセンブリ800を通って軸方向に延在する細長い経路を含み、患者の内部体腔内に外科用ツールを案内して導入するための導管を提供する。図示の実施形態では、中央通路808は、シールカートリッジ104及びトロカール102によって連続的に画定される。外科用ツールは、中央オリフィス204を通って延在し、一体型シールシステム802を貫通し、より具体的には、非対称シール804及びダックビルシール806を連続して貫通することによって、トロカール102内に導入され、カニューレ110内に延在することができる。一体型シールシステム802は、非対称シール804が、ダックビルシール80が発生させる挿入抵抗力及び抜去抵抗力を補完(相殺)するように設計され、最適化され得るという点で、図3図4A図4B、及び図5の一体型シールシステム306と同様に動作する。したがって、非対称シール804は、挿入及び抜去中の外科用ツールのシャフトに対する正味の抵抗力を均等化するように構成され得る。
【0041】
図9は、1つ以上の実施形態による、本開示の原理を組み込むことができる別のトロカールアセンブリ900の拡大断面側面図である。トロカールアセンブリ900は、いくつかの点で図1図3のトロカールアセンブリ100と類似していてもよく、したがってトロカールアセンブリ100を参照して最良に理解され得る。図中、同様の番号は、再び詳細に説明されない同様の構成要素を表す。図1図3のトロカールアセンブリ100と同様に、トロカールアセンブリ900はトロカール102を含んでもよい。しかしながら、図1図3のトロカールアセンブリ100とは異なり、トロカールブッシング(busing)106及びシールカートリッジ104はトロカールアセンブリ900から省略されており、本明細書に一般に記載される一体型シールシステム306は、トロカールハウジング108に動作可能に連結されてもよい。図示の実施形態では、一体型シールシステム306は、少なくとも部分的にトロカールハウジング108の外部に装着される。しかしながら、他の実施形態では、本明細書では、一体型シールシステム306が、トロカールハウジング108の内壁とのスナップ嵌め係合を介してなど、完全にトロカールハウジング108内に位置付けられてもよいことが企図される。
【0042】
一体型シールシステム306は、トロカールアセンブリ900を通って軸方向に延在する中央通路902内に位置付けられる。図3の中央通路308と同様に、中央通路902は、トロカールアセンブリ900を通って軸方向に延在する細長い経路を含み、患者の内部体腔内に外科用ツールを案内して導入するための導管を提供する。図示の実施形態では、中央通路902は、トロカールハウジング108及びカニューレ110によって連続的に画定される。外科用ツールは、一体型シールシステム306を貫通することによって、トロカール102内に導入され、カニューレ110内に延在することができる。概ね上述したように、非対称シール406は、ダックビルシール412が発生させる挿入抵抗力及び抜去抵抗力を補完(相殺)することができ、これにより、挿入及び抜去中の外科用ツールのシャフトに対する正味の抵抗力を均等化する。
【0043】
本明細書に開示される実施形態は、以下を包含する。
A.トロカールハウジングと、トロカールハウジングから遠位に延在するカニューレと、を含むトロカールと、トロカールを通って軸方向に延在する中央通路内に位置付けられ、かつ、中央通路を通って延在する外科用ツールのシャフトに対して係合可能な一体型シールシステムと、を含む、トロカールアセンブリであって、一体型シールシステムが、非対称シールと、非対称シールの遠位に配置されたダックビルシールと、を含み、非対称シールが、一体型シールシステムが発生させる総挿入抵抗力及び抜去抵抗力が均等化されるように、ダックビルシールが外科用ツールのシャフトに対して発生させる挿入抵抗力及び抜去抵抗力を補完するダイヤフラムを画定する、トロカールアセンブリ。
B.トロカールアセンブリを患者に隣接して位置決めすることを含む方法であって、トロカールアセンブリは、トロカールハウジングと、トロカールハウジングから遠位に延在するカニューレと、を有するトロカールと、トロカールを通って軸方向に延在する中央通路内に位置付けられた一体型シールシステムであって、一体型シールシステムは、ダイヤフラムを有する非対称シールと、非対称シールの遠位に配置されたダックビルシールと、を含む、一体型シールシステムと、を含む、方法。方法は、外科用ツールのシャフトを中央通路に挿入し、それによって、一体型シールシステムを貫通することと、ダイヤフラムが外科用ツールのシャフトと係合するときに、第1の挿入抵抗力を発生させることと、ダックビルシールが前記外科用ツールのシャフトと係合するときに、第2の挿入抵抗力を発生させることと、中央通路から外科用ツールのシャフトを抜去し、それによって、ダイヤフラムによって第1の抜去抵抗力を発生させ、ダックビルシールによってセクション抜去抵抗力を発生させることと、を更に含み、一体型シールシステムが発生させる総挿入抵抗力及び総抜去抵抗力が均等化されるように、第1の挿入抵抗力が第2の挿入抵抗力を補完し、第1の抜去抵抗力が第2の抜去抵抗力を補完する。
C.一体型シールシステムであって、中央開口部を画定する本体と、本体の底部から遠位に延在し、かつ対向するシールフラップを分離する1つ又は2つ以上の分割線を画定するダックビルシールと、本体によって画定され、中央開口部内に径方向に延在する非対称シールであって、ダイヤフラムと、本体とダイヤフラムとの間に延在する環状フランジと、を含む、非対称シールと、を含み、一体型シールシステムが発生させる総挿入抵抗力及び総抜去抵抗力が均等化されるように、ダイヤフラムが、ダックビルシールがダックビルシールを通って延在する外科用ツールのシャフトに対して発生させる挿入抵抗力及び抜去抵抗力を補完する、一体型シールシステム。
【0044】
実施形態A、B、及びCのそれぞれは、以下の追加要素のうちの1つ又は2つ以上を任意の組み合わせで有してもよい:要素1:トロカールに解放可能に連結されたシールカートリッジと、シールカートリッジに解放可能に連結され、かつシールカートリッジを通ってカニューレ内に延在可能なレデューサシャフトを備えるトロカールブッシングと、を更に含み、中央通路が、トロカールブッシングによって画定されている。要素2:一体型シールシステムが、レデューサシャフトの近位端に配置されている。要素3:トロカールに解放可能に連結されたシールカートリッジを更に含み、中央通路が、シールカートリッジ及びトロカールによって連続的に画定され、ダイヤフラムが、ダックビルシールとシールカートリッジ内に配置された追加のシールとが発生させる挿入抵抗力及び抜去抵抗力を補完し、それにより、一体型シールシステム及び追加のシールが発生させる総挿入抵抗力及び総抜去抵抗力が均等化される。要素4:トロカールに解放可能に連結されたシールカートリッジを更に含み、中央通路が、シールカートリッジ及びトロカールによって連続的に画定され、非対称シール及びダックビルシールが、中央通路内で互いから軸方向にオフセットされた独立した構造体を含む。要素5:一体型シールシステムがトロカールハウジングに装着されている。要素6:一体型シールシステムが、中央開口部を画定する本体を含み、非対称シールが、本体によって画定され、かつ中央開口部内に径方向に延在し、ダックビルシールが、本体の底部から遠位に延在している。要素7:環状フランジが、本体とダイヤフラムとの間に延在している。要素8:非対称シールが、ツール挿入中により大きな抵抗力を発生させ、ツール抜去中により小さい抵抗力を発生させ、ダックビルシールが、ツール挿入中により小さい抵抗力を発生させ、ツール抜去中により大きな抵抗力を発生させる。要素9:ダイヤフラムが、球根状、球状、多角形、角錐形、円錐形、円錐台形、卵形、及びこれらの任意の組み合わせ又は複数からなる群から選択される断面形状を呈する。要素10:ダイヤフラムが、ダックビルシールに対して近位に突出している。
【0045】
要素11:トロカールアセンブリが、トロカールに解放可能に連結されたシールカートリッジと、シールカートリッジに解放可能に連結され、かつシールカートリッジを通ってカニューレ内に延在可能なレデューサシャフトを備えるトロカールブッシングと、を更に含み、中央通路が、トロカールブッシングによって画定されている。要素12:トロカールアセンブリが、トロカールに解放可能に連結されたシールカートリッジを更に含み、中央通路が、シールカートリッジ及びトロカールによって連続的に画定され、方法は、シールカートリッジ内に配置された追加のシールが外科用ツールのシャフトに係合したときに、第3の挿入抵抗力を発生させることと、外科用ツールが抜去されるときに、追加のシールによって第3の抜去抵抗力を発生させることと、一体型シールシステム及び追加のシールが発生させる総挿入抵抗力及び総抜去抵抗力が均等化されるように、第2の挿入抵抗力及び第3の挿入抵抗力を第1の挿入抵抗力で補完し、第2の抜去抵抗力及び第3の抜去抵抗力を第1の抜去抵抗力で補完することと、を更に含む。要素13:トロカールアセンブリが、トロカールに解放可能に連結されたシールカートリッジを更に含み、中央通路が、シールカートリッジ及びトロカールによって連続的に画定され、非対称シール及びダックビルシールが、中央通路内で互いから軸方向にオフセットされた独立した構造体を含む。要素14:一体型シールシステムがトロカールハウジングに装着されている。
【0046】
要素15:非対称シールが、外科用ツールのシャフトと係合可能であり、かつ、ツール挿入中により大きな抵抗力を発生させ、ツール抜去中により小さい抵抗力を発生させ、ダックビルシールが、ツール挿入中により小さい抵抗力を発生させ、ツール抜去中により大きな抗力を発生させる。要素16:ダイヤフラムが、球根状、球状、多角形、角錐形、円錐形、円錐台形、卵形、及びこれらの任意の組み合わせ又は複数からなる群から選択される断面形状を呈する。要素17:本体が、ゴム、シリコーン、エチレンビニルアセテート、ナイロン、ビニル、スパンデックス、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される弾性材料又は柔軟な材料から作製されている。
【0047】
非限定的な例として、A、B、及びCに適用可能な例示的な組み合わせとしては、要素2を伴う要素1、及び要素7を伴う要素6が挙げられる。
【0048】
したがって、開示されるシステム及び方法は、言及された結果及び利点、並びにその中で固有の結果及び利点を達成するように、十分に適合されている。本開示の教示は、異なってはいるが本明細書の教示の利益を有する当業者には明らかな同等の方法で修正及び実施され得るため、上記に開示された特定の実施形態は単なる例示である。更に、以下の特許請求の範囲に記載されるもの以外の、本明細書に示される構造又は設計の詳細を、限定することを意図するものではない。したがって、上で開示された特定の例示的実施形態は、変更、組み合わせ、又は修正されてもよく、またそのような全ての変形形態は、本開示の範囲内であると考えられる。本明細書に例示的に開示されたシステム及び方法は、本明細書に具体的に開示されていない任意の要素、及び/又は本明細書に開示されたいずれかの任意選択の要素の不在下で適切に実施され得る。組成物及び方法は、種々の構成要素及び工程を「含む(comprising)」、「含有する(containing)」、又は「含む(including)」という用語で記載されているが、組成物及び方法はまた、種々の構成要素及び工程「から本質的になる(consist essentially of)」又は「からなる(consist of)」こともできる。上で開示された全ての数及び範囲は、ある程度異なり得る。下限及び上限を伴う数値範囲が開示される場合はいつでも、その範囲内に収まる任意の数及び任意の含まれる範囲が具体的に開示される。特に、本明細書に開示される(形態の)値の全ての範囲(「約a~約b」、又は同等に「およそa~b(from approximately a to b)」、又は同等に「およそa~b(from approximately a-b)」)は、広範な値の範囲内に包含される全ての数及び範囲を述べる、と理解されるべきである。また、特許請求の範囲における用語は、特許権者によりそれでないことが明示的かつ明確に定義されない限り、平易かつ通常の意味を有する。更に、請求項で使用する際に、不定冠詞「a」又は「an」は、本明細書では、それが導入する要素のうちの1つ以上を意味するように定義される。本明細書及び参照により本明細書に組み込まれ得る1つ以上の特許又はその他の文書において単語又は用語の使用に矛盾がある場合、本明細書と一致する定義を採用すべきである。
【0049】
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、外科医、又は外科用ツールをロボットマニピュレータに機械的及び電気的に連結するように構成されたインターフェースを有するロボット外科用システムに対して定義される。「近位」という用語は、外科医又はロボットマニピュレータにより近い要素の位置を指し、「遠位」という用語は、外科医又はロボットマニピュレータからより離れた要素の位置を指す。更に、上、下、上方、下方、上向き、下向き、左、右等などの方向用語の使用は、それらが図に示されるように代表的な実施形態に関連して使用され、上向き又は上方方向は、対応する図の頂部に向かっており、下向き又は下方方向は、対応する図の底部に向かっている。
【0050】
本明細書で使用する場合、一連の項目に先行する語句「のうちの少なくとも1つ」は、項目のうちのいずれかを分離するための用語「及び(and)」又は「又は(or)」を伴うものであるが、一覧の各構成要素(即ち、各項目)ではなく、一覧を全体として修飾する。語句「のうちの少なくとも1つ」は、項目のうちのいずれかのうちの少なくとも1つ、及び/又は項目のいずれかの組み合わせのうちの少なくとも1つ、及び/又は項目のそれぞれのうちの少なくとも1つを含む意味を可能にする。例として、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」又は「A、B、又はCのうちの少なくとも1つ」という語句はそれぞれ、Aのみ、Bのみ、若しくはCのみ、A、B、及びCの任意の組み合わせ、並びに/又はA、B、及びCのそれぞれのうちの少なくとも1つを意味する。
【0051】
〔実施の態様〕
(1) トロカールアセンブリであって、
トロカールハウジングと、前記トロカールハウジングから遠位に延在するカニューレと、を含むトロカールと、
一体型シールシステムであって、前記トロカールを通って軸方向に延在する中央通路内に位置付けられ、かつ、前記中央通路を通って延在する外科用ツールのシャフトに対して係合可能である、一体型シールシステムと、を含み、前記一体型シールシステムが、非対称シールと、前記非対称シールの遠位に配置されたダックビルシールと、を含み、
前記非対称シールが、前記一体型シールシステムが発生させる総挿入抵抗力及び総抜去抵抗力が均等化されるように、前記ダックビルシールが前記外科用ツールのシャフトに対して発生させる挿入抵抗力及び抜去抵抗力を補完するダイヤフラムを画定する、トロカールアセンブリ。
(2) 前記トロカールに解放可能に連結されたシールカートリッジと、
前記シールカートリッジに解放可能に連結され、かつ前記シールカートリッジを通って前記カニューレ内に延在可能なレデューサシャフトを備えるトロカールブッシングと、を更に含み、前記中央通路が、前記トロカールブッシングによって画定されている、実施態様1に記載のトロカールアセンブリ。
(3) 前記一体型シールシステムが、前記レデューサシャフトの近位端に配置されている、実施態様2に記載のトロカールアセンブリ。
(4) 前記トロカールに解放可能に連結されたシールカートリッジを更に含み、前記中央通路が、前記シールカートリッジ及び前記トロカールによって連続的に画定され、前記ダイヤフラムが、前記ダックビルシールと前記シールカートリッジ内に配置された追加のシールとが発生させる挿入抵抗力及び抜去抵抗力を補完し、それにより、前記一体型シールシステム及び前記追加のシールが発生させる前記総挿入抵抗力及び前記総抜去抵抗力が均等化される、実施態様1に記載のトロカールアセンブリ。
(5) 前記トロカールに解放可能に連結されたシールカートリッジを更に含み、前記中央通路が、前記シールカートリッジ及び前記トロカールによって連続的に画定され、前記非対称シール及び前記ダックビルシールが、前記中央通路内で互いから軸方向にオフセットされた独立した構造体を含む、実施態様1に記載のトロカールアセンブリ。
【0052】
(6) 前記一体型シールシステムが前記トロカールハウジングに装着されている、実施態様1に記載のトロカールアセンブリ。
(7) 前記一体型シールシステムが、中央開口部を画定する本体を含み、前記非対称シールが、前記本体によって画定され、かつ前記中央開口部内に径方向に延在し、前記ダックビルシールが、前記本体の底部から遠位に延在している、実施態様1に記載のトロカールアセンブリ。
(8) 環状フランジが、前記本体と前記ダイヤフラムとの間に延在している、実施態様7に記載のトロカールアセンブリ。
(9) 前記非対称シールが、ツール挿入中により大きな抵抗力を発生させ、ツール抜去中により小さい抵抗力を発生させ、前記ダックビルシールが、ツール挿入中により小さい抵抗力を発生させ、ツール抜去中により大きな抵抗力を発生させる、実施態様1に記載のトロカールアセンブリ。
(10) 前記ダイヤフラムが、球根状、球状、多角形、角錐形、円錐形、円錐台形、卵形、及びこれらの任意の組み合わせ又は複数からなる群から選択される断面形状を呈する、実施態様1に記載のトロカールアセンブリ。
【0053】
(11) 前記ダイヤフラムが、前記ダックビルシールに対して近位に突出している、実施態様1に記載のトロカールアセンブリ。
(12) 方法であって、
トロカールアセンブリを患者に隣接して位置決めすることであって、前記トロカールアセンブリは、
トロカールハウジングと、前記トロカールハウジングから遠位に延在するカニューレと、を有するトロカールと、
前記トロカールを通って軸方向に延在する中央通路内に位置付けられた一体型シールシステムであって、前記一体型シールシステムは、ダイヤフラムを有する非対称シールと、前記非対称シールの遠位に配置されたダックビルシールと、を含む、一体型シールシステムと、を含む、ことと、
外科用ツールのシャフトを前記中央通路に挿入し、それによって、前記一体型シールシステムを貫通することと、
前記ダイヤフラムが前記外科用ツールのシャフトと係合するときに、第1の挿入抵抗力を発生させることと、
前記ダックビルシールが前記外科用ツールのシャフトと係合するときに、第2の挿入抵抗力を発生させることと、
前記中央通路から前記外科用ツールのシャフトを抜去し、それによって、前記ダイヤフラムによって第1の抜去抵抗力を発生させ、前記ダックビルシールによってセクション抜去抵抗力を発生させることと、を含み、
前記一体型シールシステムが発生させる総挿入抵抗力及び総抜去抵抗力が均等化されるように、前記第1の挿入抵抗力が前記第2の挿入抵抗力を補完し、前記第1の抜去抵抗力が前記第2の抜去抵抗力を補完する、方法。
(13) 前記トロカールアセンブリが、前記トロカールに解放可能に連結されたシールカートリッジと、前記シールカートリッジに解放可能に連結され、かつ前記シールカートリッジを通って前記カニューレ内に延在可能なレデューサシャフトを備えるトロカールブッシングと、を更に含み、前記中央通路が、前記トロカールブッシングによって画定されている、実施態様12に記載の方法。
(14) 前記トロカールアセンブリが、前記トロカールに解放可能に連結されたシールカートリッジを更に含み、前記中央通路が、前記シールカートリッジ及び前記トロカールによって連続的に画定され、前記方法は、
前記シールカートリッジ内に配置された追加のシールが前記外科用ツールのシャフトに係合したときに、第3の挿入抵抗力を発生させることと、
前記外科用ツールが抜去されるときに、前記追加のシールによって第3の抜去抵抗力を発生させることと、
前記一体型シールシステム及び前記追加のシールが発生させる前記総挿入抵抗力及び前記総抜去抵抗力が均等化されるように、前記第2の挿入抵抗力及び前記第3の挿入抵抗力を前記第1の挿入抵抗力で補完し、前記第2の抜去抵抗力及び前記第3の抜去抵抗力を前記第1の抜去抵抗力で補完することと、を更に含む、実施態様12に記載の方法。
(15) 前記トロカールアセンブリが、前記トロカールに解放可能に連結されたシールカートリッジを更に含み、前記中央通路が、前記シールカートリッジ及び前記トロカールによって連続的に画定され、前記非対称シール及び前記ダックビルシールが、前記中央通路内で互いから軸方向にオフセットされた独立した構造体を含む、実施態様12に記載の方法。
【0054】
(16) 前記一体型シールシステムが前記トロカールハウジングに装着されている、実施態様12に記載の方法。
(17) 一体型シールシステムであって、
中央開口部を画定する本体と、
前記本体の底部から遠位に延在し、かつ対向するシールフラップを分離する1つ又は2つ以上の分割線を画定するダックビルシールと、
前記本体によって画定され、前記中央開口部内に径方向に延在する非対称シールであって、ダイヤフラムと、前記本体と前記ダイヤフラムとの間に延在する環状フランジとを含む、非対称シールと、を含み、
前記一体型シールシステムが発生させる総挿入抵抗力及び総抜去抵抗力が均等化されるように、前記ダイヤフラムが、前記ダックビルシールが前記ダックビルシールを通って延在する外科用ツールのシャフトに対して発生させる挿入抵抗力及び抜去抵抗力を補完する、一体型シールシステム。
(18) 前記非対称シールが、前記外科用ツールのシャフトと係合可能であり、かつ、ツール挿入中により大きな抵抗力を発生させ、ツール抜去中により小さい抵抗力を発生させ、前記ダックビルシールが、ツール挿入中により小さい抵抗力を発生させ、ツール抜去中により大きな抵抗力を発生させる、実施態様17に記載の一体型シールシステム。
(19) 前記ダイヤフラムが、球根状、球状、多角形、角錐形、円錐形、円錐台形、卵形、及びこれらの任意の組み合わせ又は複数からなる群から選択される断面形状を呈する、実施態様17に記載の一体型シールシステム。
(20) 前記本体が、ゴム、シリコーン、エチレンビニルアセテート、ナイロン、ビニル、スパンデックス、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される弾性材料又は柔軟な材料から作製されている、実施態様17に記載の一体型シールシステム。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7
図8
図9
【外国語明細書】