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特開2024-83537センサを伴い、腹膜炎を診断するように構成された腹膜透析システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083537
(43)【公開日】2024-06-21
(54)【発明の名称】センサを伴い、腹膜炎を診断するように構成された腹膜透析システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/16 20060101AFI20240614BHJP
   A61M 1/28 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
A61M1/16 113
A61M1/28 100
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024063391
(22)【出願日】2024-04-10
(62)【分割の表示】P 2021504282の分割
【原出願日】2019-07-25
(31)【優先権主張番号】62/703,749
(32)【優先日】2018-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】591013229
【氏名又は名称】バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
(71)【出願人】
【識別番号】501453189
【氏名又は名称】バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】Baxter Healthcare S.A.
【住所又は居所原語表記】Thurgauerstr.130 CH-8152 Glattpark (Opfikon) Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】スクラージ バサティ
(72)【発明者】
【氏名】シャンタヌ アビナッシュ ガドレ
(72)【発明者】
【氏名】モハメッド アリ ジャムニア
(72)【発明者】
【氏名】ラクシュミー エム. ナイア
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム ジェイ. オライリー
(72)【発明者】
【氏名】マルタ ヴォダルチク
(57)【要約】
【課題】好適なセンサを伴い腹膜炎を診断するように構成された腹膜透析システムを提供すること。
【解決手段】自動腹膜透析(「APD」)等の腹膜透析は、以下の感知またはフィードバック特徴、すなわち、腹膜炎を検出するためのインピーダンス感知、腹膜炎を検出するための温度感知、腹膜炎を検出するためのバイオMEMS感知、および、糖尿病患者のためのグルコース制御のうちのいずれか1つ以上のものまたは全てを具備し、各感知またはフィードバック特徴は、患者流出流体、または患者の腹腔内に滞留する流体を分析する。一実施形態において、感知されたインピーダンスは、制御ユニットに送信され、制御ユニットは、感知されたインピーダンスを分析するように構成されている。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インピーダンス測定システムであって、
流体ライン内に存在する腹膜透析(「PD」)液のインピーダンスを感知するように構成されたインピーダンスモニタであって、前記インピーダンスモニタは、
前記流体ラインに沿って第1のポート内に配置された第1の伝導性導線と、
前記流体ラインに沿って第2のポート内に配置された第2の伝導性導線と
を含む、インピーダンスモニタと、
前記インピーダンスモニタに電気的に結合された制御ユニットであって、前記制御ユニットは、
前記インピーダンスモニタからの前記感知されたインピーダンスを使用して、白血球を検出し、患者腹膜炎決定を形成することと、
前記腹膜炎決定を通信することと
を実行するように構成されている、制御ユニットと
を備えている、インピーダンス測定システム。
【請求項2】
前記第1の伝導性導線および前記第2の伝導性導線は、前記流体ラインに結合するように構成された流体コネクタ内に位置している、請求項1に記載のインピーダンス測定システム。
【請求項3】
前記流体コネクタは、前記流体ラインの2つの区分の間に接合されるように構成されている、請求項2に記載のインピーダンス測定システム。
【請求項4】
前記第1の伝導性導線は、前記流体ライン内に配置された第1の円筒形電極に結合されており、前記第2の伝導性導線は、前記流体ライン内に配置された第2の円筒形電極に結合されている、請求項1に記載のインピーダンス測定システム。
【請求項5】
前記第1の伝導性導線および前記第2の伝導性導線は、前記流体ラインから、(i)前記制御ユニット、(ii)精製水を前記使い捨てセットに供給するように構成された浄水器の制御ユニット、または、(iii)無線モジュールまで延びている、請求項1に記載のインピーダンス測定システム。
【請求項6】
前記感知されたインピーダンスは、有線または無線で前記制御ユニットに送信される、請求項1に記載のインピーダンス測定システム。
【請求項7】
ネットワークを介して前記制御ユニットと通信する少なくとも1つの医師または臨床医コンピュータをさらに備えており、
前記制御ユニットは、前記ネットワークを介して、前記腹膜炎決定を前記少なくとも1つの医師または臨床医コンピュータに通信するように構成されている、請求項1に記載のインピーダンス測定システム。
【請求項8】
ユーザインターフェースをさらに備えており、前記ユーザインターフェースは、
前記制御ユニットから前記腹膜炎決定を受信することと、
前記腹膜炎決定を示す情報を表示することと
を実行するように構成されている、請求項1に記載のインピーダンス測定システム。
【請求項9】
前記制御ユニットおよび前記ユーザインターフェースは、PD循環装置内に含まれている、請求項8に記載のインピーダンス測定システム。
【請求項10】
前記制御ユニットは、前記第1および第2の伝導性導線を使用して、開始周波数から停止周波数まで移動する周波数掃引を介して、前記流体ライン内に存在する前記PD液の前記感知されたインピーダンスを分析するように構成されている、請求項1に記載のインピーダンス測定システム。
【請求項11】
前記周波数掃引は、前記制御ユニットによって提供される周波数発生器、または前記制御ユニットとともに動作可能な周波数発生器によって発生させられる、請求項10に記載のインピーダンス測定システム。
【請求項12】
前記制御ユニットは、前記周波数掃引の2つ以上の周波数でインピーダンス測定を行うように構成されている、請求項10に記載のインピーダンス測定システム。
【請求項13】
前記周波数掃引は、白血球を有するPD液が、前記周波数掃引の少なくとも一部にわたって、白血球を有していないPD液に関するインピーダンスより白血球を有するPD液に関して高いインピーダンスを測定することによって、決定されることを可能にする、請求項10に記載のインピーダンス測定システム。
【請求項14】
白血球を有していないPD液に関する前記インピーダンスは、(i)設定された標準インピーダンスに基づいて決定されるか、または、(ii)前記患者に関して確立されたインピーダンスに基づいて決定される、請求項13に記載のインピーダンス測定システム。
【請求項15】
前記周波数掃引は、白血球を有するPD液が、フィブリンを有するPD液と区別されることを可能にし、フィブリンを有する前記PD液は、前記周波数掃引の少なくとも一部にわたって白血球を有する前記PD液より高いインピーダンスをもたらす、請求項10に記載のインピーダンス測定システム。
【請求項16】
前記腹膜炎決定は、第1の腹膜炎インジケータであり、前記制御ユニットは、全体的な腹膜炎決定を形成するために前記第1の腹膜炎インジケータと組み合わせて使用可能である少なくとも1つの異なる腹膜炎インジケータを取得するように構成されている、請求項1に記載のインピーダンス測定システム。
【請求項17】
前記第1の腹膜炎インジケータと組み合わせて使用可能である前記少なくとも1つの異なる腹膜炎インジケータは、患者流出PD液温度センサまたは白血球バイオセンサのうちの少なくとも1つから取得される、請求項16に記載のインピーダンス測定システム。
【請求項18】
前記腹膜炎決定は、患者流出物グルコースバイオセンサからのフィードバックを使用して行われるインスリン注射と組み合わせて提供される、請求項1に記載のインピーダンス測定システム。
【請求項19】
インピーダンス測定システムであって、
流体ライン内に存在する腹膜透析(「PD」)液のインピーダンスを感知するように構成されたインピーダンスモニタであって、前記インピーダンスモニタは、
前記流体ラインに沿って第1のポート内に配置された第1の伝導性導線と、
前記流体ラインに沿って第2のポート内に配置された第2の伝導性導線と
を含む、インピーダンスモニタと、
精製水を使い捨てセットに供給するように構成された浄水器であって、前記浄水器は、浄水器制御ユニットを含み、前記浄水器制御ユニットは、
前記インピーダンスモニタからの前記感知されたインピーダンスを使用して、白血球を検出し、患者腹膜炎決定を形成することと、
前記腹膜炎決定を通信することと
を実行するように構成されている、浄水器と
を備えている、インピーダンス測定システム。
【請求項20】
PD循環装置をさらに備えており、前記PD循環装置は、
前記浄水器制御ユニットから前記腹膜炎決定を受信することと、
ネットワークを介して前記腹膜炎決定を臨床医コンピュータに伝送することと
を実行するように構成されている、請求項19に記載のインピーダンス測定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本願は、その内容全体が参照することによって本明細書に組み込まれ、依拠される2018年7月26日に出願され、「Dialysis Systems and Methods Including Sensor Feedback to Improve Patient Experience」と題された米国仮特許出願第62/703,749号の優先権および利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
本開示は、概して、末期の腎疾患の治療に関する。より具体的に、本開示は、腹膜透析の性能を監視および/または制御する方法および装置に関する。
【0003】
腎臓がもはや十分に機能しなくなる点までその腎機能が減少した患者を支援するために、透析を使用することが、公知である。2つの主要な透析方法、すなわち、血液透析および腹膜透析が、提供される。
【0004】
血液透析において、患者の血液が、人工腎臓透析機械に通される。機械内の膜が、血液を浄化するための人工腎臓としての機能を果たす。それが特殊な機械を要求する体外治療であるので、ある本質的な不利点が、血液透析に存在する。血液透析に関連付けられる不利点を克服するために、腹膜透析が、開発された。腹膜透析は、半透過性膜として患者自身の腹膜を使用する。腹膜は、患者の腹部体腔の膜状内層である。良好な灌流に起因して、腹膜は、天然の半透過性膜としての機能を果たす。
【0005】
腹膜透析は、滅菌水溶液または透析液を腹腔の中に周期的に注入する。拡散および浸透圧交換が、天然の身体膜を横断して腹膜透析液と血液との間に生じる。交換は、腎臓が通常排泄する老廃物を除去する。老廃物は、尿素およびクレアチニンのような溶質から成る。さらに、腎臓は、ナトリウムおよび水分等の他の物質のレベルを維持する。透析は、限外濾過と呼ばれる透析中の腹膜を横断した水分および溶質の拡散を調整する。
【0006】
持続的携帯型腹膜透析(「CAPD」)において、透析溶液が、カテーテルを介して腹腔の中に導入される。透析液と血液との間の溶質の交換が、拡散によって達成される。さらなる溶質除去が、血液から透析液への好適な浸透圧勾配を提供する透析液を介して達成される。浸透圧勾配は、適切な酸塩基電解質および流体平衡が患者の身体内で達成されることを可能にする。使用済み透析液または流出流体が、カテーテルを通した体腔から重力を介して、手動で排出される。
【0007】
CAPDの変形例は、自動腹膜透析(「APD」)である。APDは、循環装置と呼ばれる機械を使用し、患者の腹腔へおよびそれから、腹膜透析液を自動的に注入し、滞留させ、排出する。APDは、それが患者が眠っている間の夜間に実施され得、その覚醒および勤務時間中にCAPDの日々の要求から患者を解放するので、腹膜透析患者に魅力的である。
【0008】
APDシーケンスは、典型的に、数時間にわたって持続する。それは、多くの場合、初期排出段階から開始し、前の治療からの使用済み透析液を取り除いて腹腔を空にする。APDシーケンスは、次いで、次々に続く一連の充填、滞留、および排出段階を通して進む。各充填/滞留/排出シーケンスは、サイクルと呼ばれる。
【0009】
自動腹膜透析(「APD」)を実施する患者の割合は、世界中で増加しており、それは、患者の私生活に関する患者の特定の必要性および患者の療法必要性に適合されるAPDの能力に部分的に起因する。透析の2つの主要な目標、すなわち、溶質クリアランスおよび限外濾過(「UF」)は、実施されるAPDのモダリティまたはタイプ(例えば、夜間間欠的腹膜透析(「NIPD」)、持続的循環腹膜透析(「CCPD」)、および高用量CCPD)、溶液タイプ、療法時間、および充填体積に依存する。APD療法を処方することは、これらの各々の1つを選択することを構成する。したがって、選定すべき多くの組み合わせおよび可能性が存在する。
【0010】
APDデバイスは、典型的に、その最近の療法の有効性に関してフィードバックを患者に提供する能力を有していない。さらに、APDデバイスは、典型的に、開ループを起動し、それによって、APDデバイスは、療法パラメータ(例えば、モダリティ、溶液タイプ、療法時間、および充填体積)を実際の測定された毎日のクリアランスおよびUFに基づいて調節しない。故に、一部の患者は、その標的の予想以下の達成を遂げ、流体過負荷、ある場合、高血圧症等の有害症状を発症する。治療を調節するための現在の方法は、典型的に、患者がセンターに時折報告し評価されることを伴う。これらの方法は、医師または臨床医のみに療法調節の負担をかけ、患者の毎週、毎月、季節、または他の生活様式の変化に適切に適応するために十分頻繁に起こらない。
【0011】
CAPDのようなAPDは、患者の腹膜に埋め込まれたカテーテルを使用して、新鮮透析液を送達し、患者の腹腔から使用済み透析液を除去する。腹膜カテーテルの設置は、患者内で所望のパラメータを感知する機会を提供する。加えて、APDおよびCAPDの両方は、患者から使用済み流出PD液を除去し、それは、流出流体内に存在する患者パラメータまたは特性を感知する機会を提供する。故に、患者カテーテルの設置および/または患者から除去された流出PD液を利用し、CAPDおよびAPD等の腹膜透析治療を監視および/または制御することに役立つシステムおよび方法を提供する必要性が、存在する。そして、より一般的に、腹膜透析に関連付けられる種々の問題に役立つための即時または治療中フィードバックの必要性が、存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本明細書に説明される実施例は、改良された腹膜透析(「PD」)治療のためのシステムおよび方法を開示する。本明細書に説明されるシステムおよび方法のうちの3つは、腹膜炎の検出、最適に、早期検出を伴う。腹膜炎は、腹部の内壁を裏打ちし、腹部器官の大部分を被覆および支持する組織である腹膜の炎症である。腹膜壁も、上で説明されるような腹膜透析のために使用される膜である。腹膜炎は、通常、患者の膜カテーテルを通して進入し得る細菌または真菌からの感染によって引き起こされる。
【0013】
未治療で放置すると、腹膜炎は、血液(敗血症)および他の器官の中に急速に広がり、多臓器不全および死亡をもたらし得る。腹膜炎の最初の症状は、典型的に、食欲不振および吐き気、および持続的な激しい腹痛に迅速に変わる腹部鈍痛である。腹膜炎に関連する他の兆候および症状は、腹部圧痛または膨満、悪寒、発熱、腹水、および嘔吐を含み得る。
【0014】
腹膜炎からの死亡率は、多くの因子に依存するが、肝硬変もある患者では40%もの高さであり得る。10%もの患者が、二次性腹膜炎で死亡し得る。一次突発性腹膜炎は、腹膜内で発症し、腹膜透析治療に関連付けられるタイプである感染症である。二次性腹膜炎は、通常、腹腔内の負傷または感染症が感染性微生物を腹膜の中に入れるときに発症する。両方のタイプの腹膜炎は、生命を脅かす。
【0015】
腹膜炎を決定するための現在の方法は、主観的であり、患者に負担をかける。例えば、患者は、その流出流体の色および/または質感を観察し、腹膜炎を探すように求められ得る。または、患者は、胃の膨満感および/または発熱を意識するように求められ得る。患者が、腹膜炎が起こりつつある、または存在すると考えるとき、患者は、検査のために流出サンプルを診療所に持って行く必要がある。上記の方法は、主観的であり、患者に負担をかける。下記のシステムおよび方法は、自動的かつ客観的である。
(腹膜炎に関する温度感知)
【0016】
1つの主要な実施形態において、患者から退出する使用済み透析液の温度が、腹膜炎を検出するように測定される。健康な患者において、使用済み透析液の温度は、正常な体温または約37℃である。腹膜炎の発症を被っている患者において、患者から退出する使用済み透析液は、高温で存在し得る。第1の主要な実施形態のシステムおよび方法は、流出透析液を測定し、測定を使用して、患者が腹膜炎の発症を被っている可能性があるかどうかに関して決定を行う。
【0017】
温度測定は、いくつかの異なる方法で行われ得る。ある方法において、熱電対またはサーミスタ等の温度センサが、患者ラインの上に除去可能かつ選択的にクリップ留めするクラムシェルタイプコネクタ等のコネクタ内に設置される。クラムシェルコネクタは、患者の流出透析液の温度が、患者から出て行くと、即時に計測され得るように、例えば、患者の近傍で、患者ラインの周囲の任意の所望の場所に設置され得る。一実施形態において、流出流体の温度は、体温または37℃まで加熱され得る新鮮透析液の温度と比較される。このように、概して非熱伝導性の管類によって引き起こされるいずれの温度オフセットも、無効にされる。例えば、37℃の新鮮透析液の温度が、32℃のオフセット温度において管類から読み取られる場合、同一のオフセットが、患者から出て行く流出流体に関して仮定されるであろう。温度信号を読み取る制御ユニットは、したがって、32℃の患者健康信号を探し、制御ユニットが32℃を上回る温度を示す信号を感じるとき、潜在的腹膜炎アラートをトリガするであろう。
【0018】
代替実施形態において、ステンレス鋼等のより熱伝導性で医学的に安全な材料が、患者ラインの中に接合され、または嵌入される。1つ以上の熱伝導性電極が、温度センサに取り付けられ、より正確な温度読み取り値を可能にする。ここで、温度信号を読み取る制御ユニットは、一実施形態において、37℃の患者健康信号を探し、制御ユニットが37℃を上回る温度を示す信号を感じるとき、潜在的腹膜炎アラートをトリガする。この例において、制御ユニットは、新鮮透析液の流入温度を考慮することも、そうでないこともある。
【0019】
温度センサが循環装置から遠隔に位置する任意の実施形態において、温度センサは、調査のために有線または無線様式で測定された信号を循環装置に送信し得る。温度センサは、一実施形態において、受動デバイス(例えば、流体温度に基づいて電圧を生成する2本のワイヤ)である。温度センサが、電力を要求しない場合、電力は、バッテリを介して、または電力ワイヤを介して循環装置または循環装置とともに動作する浄水器から、提供され得る。
【0020】
さらなる代替実施形態において、温度センサ、例えば、熱電対またはサーミスタは、透析機械または循環装置内に位置し、使い捨てカセットまたは使い捨てカセットから延びている患者ラインとともに動作する。温度センサは、一実施形態において、1つ以上の場所で使い捨てカセットの可撓性シートに接触する。1つ以上の熱伝導性接点が、温度感知正確度に役立つように、使い捨てカセットに形成または追加され得る。上記のように、カセットまたはその近傍で感知するとき、制御ユニットは、新鮮透析液の流入温度を考慮することも、そうではないこともある。
【0021】
温度感知は、代替として、使い捨てカセットから延びている排出ライン内で実施される。排出ラインは、排出ラインが、一実施形態において、循環装置または循環装置とともに動作する浄水デバイスとともに提供される再利用可能な熱伝導性接点に差し込まれるように、無菌状態があまり問題ではないので、有利である。
【0022】
制御ユニットは、一実施形態において、腹膜炎を示す高温が検出される場合、循環装置のユーザインターフェースにおいて患者に警告するようにプログラムされる。代替として、または加えて、制御ユニットは、ネットワークおよび1つ以上のサーバコンピュータを介して動作し、臨床医が、患者に腹膜炎の危険性があるかどうかを決定し得るように、例えば、継続的に、医師または臨床医が流出物温度データを閲覧することを可能にする。データは、一実施形態において、患者のためのウェブサイトのダッシュボード上に表示され、温度データは、上昇し、腹膜炎を示すとき、臨床医のためのフラグを伴って提示され得る。
(腹膜炎に関するバイオMEMS感知)
【0023】
代替として、または第1の実施形態に加えて使用され得る第2の主要な実施形態において、バイオ微小電気機械システム(「バイオMEMS」)センサが、腹膜炎を検出するために使用される。バイオMEMSセンサは、腹膜炎のインジケータである、流出物内の患者からの白血球の存在を探すために使用される。一実装において、循環装置からの流出流体が、排出するように圧送される。排出ラインは、ラボオンチップ診断検出デバイスに接続される。ラボオンチップまたはバイオMEMSデバイスは、その中にサンプリングラインが延びているコンテナを含み、サンプリングラインは、排出ラインから延びているか、または分岐し得る。バイオMEMSデバイスのコンテナに進入する流出サンプルは、最初に、流出流体から患者の白血球を分割するマイクロ流体経路に遭遇する。白血球は、次いで、一実施形態において、圧電バイオセンサを使用して重量を計量される。圧電バイオセンサは、白血球の堆積率の変化に比例する周波数で共振する。
【0024】
バイオMEMSデバイスは、代替として、サンプルラインを介して患者ライン内に設置され、患者から戻る流出物を分析するために使用される。このように、バイオMEMSデバイスは、加えて、所望される場合、患者に送達される新鮮透析液を感知するために使用され得る。
【0025】
一実施形態において、バイオMEMSデバイスは、圧電バイオセンサからの未加工信号を処理し、白血球の存在または非存在に関して決定を行うための電子機器および処理を含む。バイオMEMSデバイスは、腹膜炎の指示が存在するかどうかにかかわらず、治療中に存在する患者または介護者に示すためのユーザインターフェースも含み得る。代替実施形態において、(i)圧電バイオセンサからの未加工信号を処理するための電子機器および処理、または、(ii)患者または介護者通信のためのユーザインターフェースのいずれか一方または両方が、循環装置、または、おそらく、循環装置とともに動作可能な浄水デバイスによって、代わりに提供され得る。
【0026】
第1の主要な実施形態と同様、第2の主要な実施形態のための制御ユニットおよび処理は、代替として、または加えて、ネットワークおよび1つ以上のサーバコンピュータを介して動作し、臨床医が、患者に腹膜炎の危険性があるかどうかを決定し得るように、例えば、継続的に、医師または臨床医がバイオMEMSデータを閲覧することを可能し得る。第2の主要な実施形態のデータは、腹膜炎インジケータの組み合わせを提供するように、第1の主要な実施形態のデータと組み合わせて表示され得る。
(腹膜炎に関するインピーダンス監視)
【0027】
代替として、または第1の実施形態および/または第2の実施形態に加えて使用され得る第3の主要な実施形態において、インピーダンスモニタが、腹膜炎を検出するために使用される。インピーダンスモニタは、再度、腹膜炎のインジケータである、流出流体内の患者からの白血球の存在を探すために使用される。種々の実装において、インピーダンスモニタは、患者の流出流体が感知され得るいずれかの場所に、例えば、患者の留置カテーテル内に、患者ラインに沿って、または排出ラインに沿ったいずれかの場所に設置され得る。これらの場所のうちのいずれかにおいて、カテーテルまたはラインは、例えば、温度感知のための上で議論される方法のうちのいずれかで電極を装着されるが、ここにおいて、流出透析液と連通して導電性接点を設置するという目標を伴う。
【0028】
ステンレス鋼等の導電性で医学的に安全な材料が、例えば、クラムシェルコネクタまたは排出ラインの中に接合されるコネクタを介して、一実施形態において、カテーテル、患者ライン、または排出ラインの中に接合または嵌入される。インピーダンスモニタを制御する制御ユニットは、一実施形態において、電気周波数掃引を流出流体内で発生させる。そのようなインピーダンス分光法(または複雑なインピーダンスを取得すること)は、流出流体の内容物についての追加の詳細を提供し得る。例えば、フィブリンの電気的特性(正常、腹膜炎を示さない)は、白血球の電気的特性(腹膜炎を示す)から変動し得る。流出流体内の異なる物質の電気的特性が学習されると、性質は、制御ユニットの中にプログラムされ、その後、何かが流出透析液流に混入した場合にどうなるかを決定するために使用され得る。
【0029】
インピーダンスモニタが循環装置から遠隔に位置する任意の実施形態において、インピーダンスモニタは、調査のために有線または無線様式で測定された信号を循環装置に送信し得る。上で述べられるようなインピーダンスモニタは、周波数掃引を流出流体の中に放射する能力を有し、したがって、バッテリを介して、または電力ワイヤを介して循環装置または循環装置とともに動作する浄水器からのいずれかで、電力を受け取り得る。
【0030】
代替実施形態において、インピーダンスモニタは、透析機械または循環装置内に位置し、使い捨てカセットまたは使い捨てカセットから延びている患者または排出ラインとともに動作する。インピーダンスモニタは、一実施形態において、1つ以上の場所で使い捨てカセットの可撓性シートを保持する剛体壁を通して延びている。さらなる代替実施形態において、インピーダンスモニタは、精製水を透析機械または循環装置に供給する浄水器内に位置する排出ラインとともに動作可能である。
【0031】
制御ユニットは、一実施形態において、腹膜炎を示す白血球が検出される場合、循環装置のユーザインターフェースにおいて患者または介護者に警告するようにプログラムされる。代替として、または加えて、制御ユニットは、ネットワークおよび1つ以上のサーバコンピュータを介して動作し、臨床医が、患者に腹膜炎の危険性があるかどうかを決定し得るように、例えば、継続的に、医師または臨床医が流出物インピーダンスデータを閲覧することを可能にする。データは、一実施形態において、患者のためのウェブサイトのダッシュボード上に表示され、流出物インピーダンスデータは、白血球が存在し、腹膜炎を示すとき、臨床医のためのフラグを伴って提示され得る。第3の主要な実施形態のデータは、腹膜炎インジケータの組み合わせを提供するように、第1および/または第2の主要な実施形態のデータと組み合わせて表示され得る。
【0032】
インピーダンスモニタが、留置カテーテル内に、またはサンプルラインを介して患者ライン内に設置され、患者内の、または患者から戻る流出物を分析するために使用されるとき、インピーダンスモニタは、加えて、所望される場合、患者に送達される新鮮透析液を感知するために使用され得る。インピーダンスモニタが、排出ライン内に設置されるとき、加えて、使用地点において作製された透析液が適切に混合されたかどうかを検出するために使用され得る。
(糖尿病患者のためのグルコース制御)
【0033】
グルコース(またはデキストロース)は、殆どのPD溶液とともに使用される主要な浸透作用物質である。滞留期間にわたる腹膜グルコース負荷の大部分の吸収は、糖尿病に罹患している患者に悪影響を及ぼし得る。糖尿病は、透析治療の必要性につながる腎不全の一般的原因である。加えて、グルコースへの毎日の暴露は、重篤な結果を有し得る高血糖症をPD患者において誘発し得る。ある糖尿病PD患者は、故に、グルコース平衡を維持することに役立つように、そのPD治療とともにインスリンを受け取る。しかしながら、PD治療とともにインスリンを受け取る患者は、インスリンの量を受け取られるPD治療の量に合致させようとする危険を冒す。
【0034】
代替として、または第1、第2、および/または第3の主要な実施形態に加えて使用され得る第4の主要な実施形態において、バイオMEMSインスリンシステムおよび方法が、インスリンの量を使用されるPD液の量に合致させるように提供される。バイオMEMSインスリンシステムおよび方法は、患者から出て行く流出透析液のグルコースレベルを測定する。その測定は、次いで、次の患者PD充填のためのインスリンを患者に適切に投与するために使用される。一実施形態において、患者は、現在の治療を開始するとき、前の治療からの流体で満たされている。その流出流体は、除去され、その少なくとも一部は、初期充填のための所望の濃度のインスリンを形成するようにPD供給容積に送達するインスリンの量を決定する制御ユニットに信号を送信するMEMS親和性グルコースセンサに送達される。対応する量のインスリンが、次いで、所望の濃度を生じさせるように、PD液供給バッグに送達される。
【0035】
MEMS親和性グルコースセンサは、一実施形態において、排出された流出物内のグルコースを測定するために使用される。一実装において、循環装置からの流出流体が、排出するように圧送される。排出ラインは、MEMS親和性グルコースセンサに流体的に接続される。MEMS親和性グルコースセンサは、サンプリングラインが延びているコンテナを含み、サンプリングラインは、排出ラインから延びているか、または分岐し得る。MEMS親和性グルコースセンサのコンテナに進入する流出サンプルは、最初に、流出流体からグルコース分子を分割するマイクロ流体経路に遭遇する。グルコース分子は、次いで、一実施形態において、圧電バイオセンサを使用して重量を計量される。圧電バイオセンサは、グルコース分子の堆積率の変化に比例する周波数で共振する。第nサイクルの終わりに吸収されるグルコースが、下で議論されるAに関する方程式を使用して、計算される。第nサイクルにおいて吸収されたグルコースを補償するために、後続のサイクル中のインスリン投与量の投与が、下で議論される方程式In+1を使用して、計算されるであろう。
【0036】
MEMS親和性グルコースセンサは、一実施形態において、圧電バイオセンサからの未加工信号を処理し、PD溶液とともに調製するインスリンの適切な濃度に関して決定を行うための電子機器および処理を含む。MEMS親和性グルコースセンサは、適切なインスリンレベルが決定されていることを治療中に存在する患者または介護者に示すためのユーザインターフェースも含み得る。代替実施形態において、(i)圧電バイオセンサからの未加工信号を処理するための電子機器および処理、または、(ii)患者または介護者通信のためのユーザインターフェースのいずれか一方または両方が、循環装置、またはおそらく、循環装置とともに動作可能な浄水デバイスによって、代わりに提供される。PD循環装置は、事前調製されたPD透析液とともに、または使用地点において調製されるPD透析液とともに動作し得る。事前調製されたPD透析液の場合、インスリンが、加熱器バッグに、または溶液のバッグの上のインスリンポートに添加される。使用地点において調製されるPD透析液の場合、インスリンが、混合透析液に、またはその任意の成分(精製水、浸透作用物質、または電解質)に添加され得る。
【0037】
循環装置の制御ユニットは、一実施形態において、ネットワークおよび1つ以上のサーバコンピュータを介して動作し、臨床医が、インスリンが適切に送達されていることを確認し得るように、例えば、治療毎に、医師または臨床医がインスリン使用データを閲覧することを可能にする。データは、一実施形態において、患者のためのウェブサイトのダッシュボード上に表示され、PD液を伴うインスリン体積および濃度が、閲覧され得る。第4の主要な実施形態のデータは、データの所望の組み合わせを提供するように、第1、第2、および/または第3の主要な実施形態のデータと組み合わせて表示され得る。
【0038】
本明細書の開示を踏まえて、本開示をいかようにも限定することなく、別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る本開示の第1の側面において、腹膜透析(「PD」)システムは、ポンプアクチュエータと、ポンプアクチュエータと動作可能に通信する制御ユニットとを含む循環装置と、ポンプチャンバを有する使い捨てカセットを含む使い捨てセットであって、使い捨てカセットは、ポンプチャンバがポンプアクチュエータと動作可能に通信するように、循環装置によって保持されるようにサイズを決定され、配置され、使い捨てセットは、患者ラインと、使い捨てカセットから延びている排出ラインとを含む、使い捨てセットと、患者から除去された流出PD液の温度を感知するために、患者ライン、排出ライン、または使い捨てカセットのうちの1つに動作可能に結合された温度センサであって、感知された温度は、患者腹膜炎決定を形成するために使用され、制御ユニットは、腹膜炎決定を通信するように構成されている、温度センサとを含む。
【0039】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る本開示の第2の側面において、感知された温度は、制御ユニットに送信され、制御ユニットは、感知された温度を分析するように構成される。
【0040】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第2の側面と組み合わせられ得る本開示の第3の側面において、感知された温度は、有線または無線で制御ユニットに送信される。
【0041】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る本開示の第4の側面において、PDシステムは、ネットワークと、ネットワークを介して制御ユニットと通信する少なくとも1つの医師または臨床医コンピュータとを含み、制御ユニットは、ネットワークを介し、循環装置または少なくとも1つの医師または臨床医コンピュータのユーザインターフェースを介して、腹膜炎決定を患者または介護者のうちの少なくとも1人に通信するように構成される。
【0042】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る本開示の第5の側面において、PDシステムは、精製水を使い捨てセットに供給するように構成された浄水器を含み、浄水器は、浄水器制御ユニットを含み、感知された温度は、浄水器制御ユニットに送信され、浄水器制御ユニットは、感知された温度を分析するように構成され、循環装置制御ユニットと浄水器制御ユニットとは、通信し、循環装置制御ユニットが腹膜炎決定を通信することを可能にする。
【0043】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第5の側面と組み合わせられ得る本開示の第6の側面において、循環装置制御ユニットまたは浄水器制御ユニットのいずれかは、感知された温度を分析するように構成される。
【0044】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る本開示の第7の側面において、温度センサは、患者ラインまたは排出ラインに結合するように構成されたコネクタ内に設置される。
【0045】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第7の側面と組み合わせられ得る本開示の第8の側面において、コネクタは、(i)患者ラインまたは排出ラインの周囲に取り付くクラムシェルコネクタであるか、または、(ii)患者ラインまたは排出ラインの2つの区分の間に接合されるように構成される。
【0046】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第7の側面と組み合わせられ得る本開示の第9の側面において、コネクタは、(a)患者ラインまたは排出ラインを通して流動する流出流体、または、(b)直接、患者ラインまたは排出ラインに接触するように位置付けられ、配置された電極を含む。
【0047】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第9の側面と組み合わせられ得る本開示の第10の側面において、(b)において、熱伝導性セグメントが、患者ラインまたは排出ラインの区分の間に接合され、コネクタは、熱伝導性セグメントに直接接続される。
【0048】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第9の側面と組み合わせられ得る本開示の第11の側面において、コネクタは、電極から、(i)制御ユニット、(ii)精製水を使い捨てセットに供給するように構成された浄水器の制御ユニット、または、(iii)コネクタを具備する無線モジュールまで延びている導線を含む。
【0049】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る本開示の第12の側面において、PDシステムは、感知された温度を患者に送達され、温度センサによって感知される新鮮PD液の温度と比較することによって、患者から除去された流出PD液の感知された温度を分析するように構成される。
【0050】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る本開示の第13の側面において、PDシステムは、腹膜炎またはその発症に起因する温度の上昇を探すことによって、患者から除去された流出PD液の感知された温度を分析するように構成される。
【0051】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第13の側面と組み合わせられ得る本開示の第14の側面において、腹膜炎またはその発症に起因する温度の上昇は、感知された温度が、患者ライン、排出ライン、または使い捨てカセットを通した感知に起因してオフセットされているどうかにかかわらず、検出可能である。
【0052】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る本開示の第15の側面において、腹膜炎決定は、第1の腹膜炎インジケータであり、全体的な腹膜炎決定を形成するために第1の腹膜炎インジケータと組み合わせて使用可能である少なくとも1つの異なる腹膜炎インジケータを含む。
【0053】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第15の側面と組み合わせられ得る本開示の第16の側面において、第1の腹膜炎インジケータと組み合わせて使用可能である少なくとも1つの異なる腹膜炎インジケータは、白血球バイオセンサまたは白血球インピーダンスセンサのうちの少なくとも1つから取得される。
【0054】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る本開示の第17の側面において、腹膜炎決定は、患者流出物グルコースバイオセンサからのフィードバックを使用して行われるインスリン注射と組み合わせて提供される。
【0055】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る本開示の第18の側面において、腹膜透析(「PD」)システムは、ポンプアクチュエータと、ポンプアクチュエータと動作可能に通信する制御ユニットとを含む循環装置と、ポンプチャンバを有する使い捨てカセットを含む使い捨てセットであって、使い捨てカセットは、ポンプチャンバがポンプアクチュエータと動作可能に通信するように、循環装置によって保持されるようにサイズを決定され、配置されている、使い捨てセットと、使い捨てカセットと流体連通するバイオMEMSデバイスであって、バイオMEMSデバイスは、患者から除去された流出PD液から白血球を収集するように構成され、収集された白血球は、患者腹膜炎決定を形成するために使用され、制御ユニットは、腹膜炎決定を通信するように構成されている、バイオMEMSデバイスとを含む。
【0056】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第18の側面と組み合わせられ得る本開示の第19の側面において、収集された白血球の指示は、制御ユニットに送信され、制御ユニットは、収集された白血球の指示を分析するように構成される。
【0057】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第19の側面と組み合わせられ得る本開示の第20の側面において、収集された白血球の指示は、有線または無線で制御ユニットに送信される。
【0058】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第18の側面と組み合わせられ得る本開示の第21の側面において、PDシステムは、ネットワークと、ネットワークを介して制御ユニットと通信する少なくとも1つの医師または臨床医コンピュータとを含み、制御ユニットは、ネットワークを介し、循環装置または少なくとも1つの医師または臨床医コンピュータのユーザインターフェースを介して、腹膜炎決定を患者または介護者のうちの少なくとも1人に通信するように構成される。
【0059】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第18の側面と組み合わせられ得る本開示の第22の側面において、バイオMEMSデバイスは、使い捨てカセットのサンプルポートと流体連通して設置される。
【0060】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第18の側面と組み合わせられ得る本開示の第23の側面において、バイオMEMSデバイスは、電子機器、処理、およびメモリのうちの少なくとも1つを有する制御ユニットを含み、循環装置制御ユニットまたはバイオMEMSデバイス制御ユニットのいずれかは、感知された温度を分析するように構成される。
【0061】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第18の側面と組み合わせられ得る本開示の第24の側面において、バイオMEMSデバイスは、(i)残りの流出流体から白血球を分割するようにサイズを決定され、構成されたマイクロ流体経路を形成しているマイクロ流体チップと、(ii)収集された白血球の特性に比例した周波数で共振する圧電バイオセンサとを含む。
【0062】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第24の側面と組み合わせられ得る本開示の第25の側面において、収集された白血球の特性は、白血球の堆積率の変化を含む。
【0063】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第24の側面と組み合わせられ得る本開示の第26の側面において、収集された白血球の特性に比例した周波数は、腹膜炎決定を形成するために使用される。
【0064】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第24の側面と組み合わせられ得る本開示の第27の側面において、圧電バイオセンサは、白血球を収集するための収集エリアとともに動作する。
【0065】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第18の側面と組み合わせられ得る本開示の第28の側面において、バイオMEMSデバイスは、制御ユニットと有線通信するか、または、制御ユニットとの無線通信のための無線モジュールを含む。
【0066】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第18の側面と組み合わせられ得る本開示の第29の側面において、PDシステムは、流出PD液から除去された白血球の量を分析し、腹膜炎決定を行うように構成される。
【0067】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第18の側面と組み合わせられ得る本開示の第30の側面において、腹膜炎決定は、第1の腹膜炎インジケータであり、全体的な腹膜炎決定を形成するために第1の腹膜炎インジケータと組み合わせて使用可能である少なくとも1つの異なる腹膜炎インジケータを含む。
【0068】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第30の側面と組み合わせられ得る本開示の第31の側面において、第1の腹膜炎インジケータと組み合わせて使用可能である少なくとも1つの異なる腹膜炎インジケータは、患者流出PD液温度センサまたは白血球インピーダンスセンサのうちの少なくとも1つから取得される。
【0069】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第18の側面と組み合わせられ得る本開示の第32の側面において、腹膜炎決定は、患者流出物グルコースバイオセンサからのフィードバックを使用して行われるインスリン注射と組み合わせて提供される。
【0070】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る本開示の第33の側面において、腹膜透析(「PD」)システムは、ポンプアクチュエータと、ポンプアクチュエータと動作可能に通信する制御ユニットとを有する循環装置と、ポンプチャンバを有する使い捨てカセットを含む使い捨てセットであって、使い捨てカセットは、ポンプチャンバがポンプアクチュエータと動作可能に通信するように、循環装置によって保持されるようにサイズを決定され、配置され、使い捨てセットは、使い捨てカセットから延びている患者ラインおよび排出ラインを含む、使い捨てセットと、患者の腹腔内での設置および患者ラインとの流体連通のためのカテーテルと、患者内に存在する、または患者から除去されたPD液のインピーダンスを感知するように、カテーテル、患者ライン、または排出ラインのうちの1つに動作可能に結合されたインピーダンスセンサであって、感知されたインピーダンスは、白血球を検出し、患者腹膜炎決定を形成するために使用され、制御ユニットは、腹膜炎決定を通信するように構成されている、インピーダンスセンサとを含む。
【0071】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第33の側面と組み合わせられ得る本開示の第34の側面において、感知されたインピーダンスは、制御ユニットに送信され、制御ユニットは、感知されたインピーダンスを分析するように構成される。
【0072】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第34の側面と組み合わせられ得る本開示の第35の側面において、感知されたインピーダンスは、有線または無線で制御ユニットに送信される。
【0073】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第33の側面と組み合わせられ得る本開示の第36の側面において、PDシステムは、ネットワークと、ネットワークを介して制御ユニットと通信する少なくとも1つの医師または臨床医コンピュータとを含み、制御ユニットは、ネットワークを介し、循環装置または少なくとも1つの医師または臨床医コンピュータのユーザインターフェースを介して、腹膜炎決定を患者または介護者のうちの少なくとも1人に通信するように構成される。
【0074】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第33の側面と組み合わせられ得る本開示の第37の側面において、PDシステムは、精製水を使い捨てセットに供給するように構成された浄水器を含み、浄水器は、浄水器制御ユニットを含み、感知されたインピーダンスは、浄水器制御ユニットに送信され、浄水器制御ユニットは、感知されたインピーダンスを分析するように構成され、循環装置制御ユニットと浄水器制御ユニットとは、通信し、循環装置制御ユニットが腹膜炎決定を通信することを可能にする。
【0075】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第33の側面と組み合わせられ得る本開示の第38の側面において、インピーダンスセンサは、カテーテル、患者ライン、または排出ラインに結合するように構成されたコネクタ内に位置する。
【0076】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第38の側面と組み合わせられ得る本開示の第39の側面において、コネクタは、(i)カテーテル、患者ライン、または排出ラインの周囲に取り付くクラムシェルコネクタであるか、または、(ii)カテーテル、患者ライン、または排出ラインの2つの区分の間に接合されるように構成される。
【0077】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第33の側面と組み合わせられ得る本開示の第40の側面において、インピーダンスセンサは、カテーテル、患者ライン、または排出ライン内に位置付けられ、配置された電極を含み、コネクタは、電極を覆って位置付けられる。
【0078】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第40の側面と組み合わせられ得る本開示の第41の側面において、コネクタは、電極から、(i)制御ユニット、(ii)精製水を使い捨てセットに供給するように構成された浄水器の制御ユニット、または、(iii)コネクタを具備する無線モジュールまで延びている導線を含む。
【0079】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第33の側面と組み合わせられ得る本開示の第42の側面において、PDシステムは、開始周波数から停止周波数まで移動する周波数掃引を介して、患者内に存在する、または患者から除去されたPD液の感知されたインピーダンスを分析するように構成される。
【0080】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第42の側面と組み合わせられ得る本開示の第43の側面において、周波数掃引は、制御ユニットによって提供される、またはそれとともに動作可能な周波数発生器によって発生させられる。
【0081】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第42の側面と組み合わせられ得る本開示の第44の側面において、PDシステムは、周波数掃引の2つ以上の周波数でインピーダンス測定を行うように構成される。
【0082】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第42の側面と組み合わせられ得る本開示の第45の側面において、周波数掃引は、白血球を有し、患者内に存在する、または患者から除去された流体が、周波数掃引の少なくとも一部にわたって、白血球を有していない流体に関するインピーダンスより白血球を有する流体に関して高いインピーダンスを測定することによって、決定されることを可能にする。そして、血球を有していない流体に関する測定されたインピーダンスは、(i)標準インピーダンスに基づいて決定されるか、または、(ii)患者に関して確立されるインピーダンスに基づいて決定される。
【0083】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第42の側面と組み合わせられ得る本開示の第46の側面において、周波数掃引は、白血球を有し、患者内に存在する、または患者から除去された流体が、フィブリンを有する流体と区別されることを可能にし、フィブリンを有する流体は、掃引の少なくとも一部にわたって白血球を有する流体より高いインピーダンスをもたらす。
【0084】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第33の側面と組み合わせられ得る本開示の第47の側面において、腹膜炎決定は、第1の腹膜炎インジケータであり、全体的な腹膜炎決定を形成するために第1の腹膜炎インジケータと組み合わせて使用可能である少なくとも1つの異なる腹膜炎インジケータを含む。
【0085】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第47の側面と組み合わせられ得る本開示の第48の側面において、第1の腹膜炎インジケータと組み合わせて使用可能である少なくとも1つの異なる腹膜炎インジケータは、患者流出PD液温度センサまたは白血球バイオセンサのうちの少なくとも1つから取得される。
【0086】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第33の側面と組み合わせられ得る本開示の第49の側面において、腹膜炎決定は、患者流出物グルコースバイオセンサからのフィードバックを使用して行われるインスリン注射と組み合わせて提供される。
【0087】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第33の側面と組み合わせられ得る本開示の第50の側面において、腹膜透析(「PD」)システムは、ポンプアクチュエータと、ポンプアクチュエータと動作可能に通信する制御ユニットとを含む循環装置と、ポンプチャンバを有する使い捨てカセットを含む使い捨てセットであって、使い捨てカセットは、ポンプチャンバがポンプアクチュエータと動作可能に通信するように、循環装置によって保持されるようにサイズを決定され、配置されている、使い捨てセットと、使い捨てセットと流体連通するインスリン源と、患者から除去された流出PD液を受け取るように位置付けられ、配置された微小電気機械システム(「MEMS」)親和性グルコースセンサであって、MEMS親和性グルコースセンサは、患者によって吸収されたグルコースに関するグルコース査定を提供するように構成され、グルコース査定は、インスリン用量を決定するために使用され、制御ユニットは、使い捨てカセットのポンプチャンバとともに動作するポンプアクチュエータによって、インスリン源から患者にインスリン用量を送達するように構成されている、MEMS親和性グルコースセンサとを含む。
【0088】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第50の側面と組み合わせられ得る本開示の第51の側面において、PDシステムは、使い捨てセットと流体連通する透析液源を含み、制御ユニットは、透析液源からの新鮮透析液と混合されたインスリン源からのインスリン用量を患者に送達するように構成される。
【0089】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第51の側面と組み合わせられ得る本開示の第52の側面において、透析液源は、使用地点透析液源であり、新鮮透析液は、インスリンバッグからのインスリンとともに混合バッグ内で混合される。
【0090】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第50の側面と組み合わせられ得る本開示の第53の側面において、使い捨てセットは、使い捨てカセットと流体連通する患者ラインおよび排出ラインを含み、MEMS親和性グルコースセンサは、排出ラインと流体連通する。
【0091】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第53の側面と組み合わせられ得る本開示の第54の側面において、MEMS親和性グルコースセンサは、排出コンテナの上流で排出ラインに沿って位置する。
【0092】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第50の側面と組み合わせられ得る本開示の第55の側面において、PDシステムは、浄水器を含み、透析液源は、浄水器からの精製水を使用する使用地点透析液源であり、MEMS親和性グルコースセンサは、浄水器とともに提供されている。
【0093】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第55の側面と組み合わせられ得る本開示の第56の側面において、浄水器は、循環装置と有線または無線通信し、浄水器は、グルコース査定からインスリン用量を決定し、送達のためにインスリン用量を循環装置に送達するように構成される。
【0094】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第50の側面と組み合わせられ得る本開示の第57の側面において、MEMS親和性グルコースセンサは、循環装置と有線または無線通信し、循環装置の制御ユニットは、MEMS親和性グルコースセンサから制御ユニットに送信されるグルコース査定からインスリン用量を決定するように構成される。
【0095】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第50の側面と組み合わせられ得る本開示の第58の側面において、MEMS親和性グルコースセンサは、グルコース査定からインスリン用量を決定するように構成される。
【0096】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第50の側面と組み合わせられ得る本開示の第59の側面において、グルコース査定は、患者によって吸収されたグルコースの量または濃度を示す。
【0097】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第50の側面と組み合わせられ得る本開示の第60の側面において、MEMS親和性グルコースセンサは、(i)残りの流出流体からグルコース分子を分割するようにサイズを決定され、構成されたマイクロ流体経路を形成しているマイクロ流体チップと、(ii)収集されたグルコース分子の特性に比例した周波数で共振する圧電バイオセンサとを含む。
【0098】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第60の側面と組み合わせられ得る本開示の第61の側面において、収集されたグルコース分子の特性は、グルコース分子の堆積率の変化を含む。
【0099】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第60の側面と組み合わせられ得る本開示の第62の側面において、収集されたグルコース分子の特性に比例した周波数は、インスリン決定を形成するために使用される。
【0100】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第60の側面と組み合わせられ得る本開示の第63の側面において、圧電バイオセンサは、グルコース分子を収集するための収集エリアとともに動作する。
【0101】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第50の側面と組み合わせられ得る本開示の第64の側面において、制御ユニットは、流出物内のグルコースの濃度が低いほど、患者によって吸収されたグルコースの量が多いと仮定して、プログラムされる。
【0102】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第50の側面と組み合わせられ得る本開示の第65の側面において、PDシステムは、ネットワークと、ネットワークを介して制御ユニットと通信する少なくとも1つの医師または臨床医コンピュータとを含み、制御ユニットは、ネットワークを介し、循環装置または少なくとも1つの医師または臨床医コンピュータのユーザインターフェースを介して、インスリン用量を患者または介護者のうちの少なくとも1人に通信するように構成される。
【0103】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第50の側面と組み合わせられ得る本開示の第66の側面において、PDシステムは、患者流出PD液温度センサ、白血球バイオセンサ、または白血球インピーダンスモニタから選択される少なくとも1つの腹膜炎指示デバイスを含む。
【0104】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る本開示の第67の側面において、腹膜透析(「PD」)システムは、ポンプアクチュエータと、ポンプアクチュエータと動作可能に通信する制御ユニットとを含む循環装置と、ポンプ部分がポンプアクチュエータと動作可能に通信するように、循環装置によって保持されるようにサイズを決定され、配置されたポンプ部分を含む使い捨てセットであって、使い捨てカセットから延びている患者ラインおよび排出ラインを含む、使い捨てセットと、患者の腹腔内での設置および患者ラインとの流体連通のためのカテーテルと、患者内に存在する、または患者から除去されたPD液のインピーダンスを感知するように、カテーテル、患者ライン、または排出ラインのうちの1つに動作可能に結合されたインピーダンスセンサであって、感知されたインピーダンスは、白血球を検出し、患者腹膜炎決定を形成するために使用される、インピーダンスセンサとを含む。
【0105】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る本開示の第68の側面において、腹膜透析(「PD」)システムは、ポンプアクチュエータおよびポンプアクチュエータと動作可能に通信する制御ユニットと、ポンプアクチュエータと動作可能に通信して設置されるようにサイズを決定され、配置されたポンプ部分を含む使い捨てセットであって、使い捨てカセットから延びている患者ラインおよび排出ラインを含む、使い捨てセットと、患者の腹腔内での設置および患者ラインとの流体連通のためのカテーテルと、開始周波数から停止周波数まで移動する周波数掃引にわたって、患者内に存在する、または患者から除去されたPD液を感知するように、カテーテル、患者ライン、または排出ラインのうちの1つに動作可能に結合されたインピーダンスセンサであって、感知されたインピーダンス周波数掃引は、白血球を検出し、患者腹膜炎決定を形成するために使用される、インピーダンスセンサとを含む。
【0106】
本開示の第69の側面において、図1-20Bに関連して開示される構造および機能性のうちのいずれかが、含まれるか、または図1-20Bに関連して開示される他の構造および機能性のうちのいずれかと組み合わせられ得る。
【0107】
本開示および上記の側面を踏まえて、したがって、改良された腹膜透析(「PD」)システムおよび方法を提供することが、本開示の利点である。
【0108】
腹膜炎が客観的な根拠に基づいて決定されることを可能にするPDシステムおよび方法を提供することが、本開示の別の利点である。
【0109】
患者に過度の負担をかけることなく、腹膜炎が自動的に決定されることを可能にするPDシステムおよび方法を提供することが、本開示のさらなる利点である。
【0110】
照合検査を提供する複数の異なる手技を使用して、腹膜炎が決定されることを可能にするPDシステムおよび方法を提供することが、本開示のさらに別の利点である。
【0111】
依然として、所望の濃度においてインスリン注入を透析液注入と比例させるPDシステムおよび方法を提供することが、本開示のさらなる利点である。
【0112】
関連性がある腹膜炎およびインスリン注入データを遠隔で臨床医に通信するPDシステムおよび方法を提供することが、本開示のさらに別の利点である。
【0113】
本明細書に議論される利点は、本明細書に開示される実施形態のおそらく全てではなく、1つまたはいくつかで見出され得る。追加の特徴および利点が、本明細書に説明され、以下の発明を実施するための形態および図面から明白であろう。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
腹膜透析(「PD」)システムであって、前記PDシステムは、
ポンプアクチュエータと、前記ポンプアクチュエータと動作可能に通信する制御ユニットとを含む循環装置と、
ポンプチャンバを有する使い捨てカセットを含む使い捨てセットであって、前記使い捨てカセットは、前記ポンプチャンバが前記ポンプアクチュエータと動作可能に通信するように、前記循環装置によって保持されるようにサイズを決定され、配置され、前記使い捨てセットは、前記使い捨てカセットから延びている患者ラインおよび排出ラインを含む、使い捨てセットと、
患者の腹腔内での設置および前記患者ラインとの流体連通のためのカテーテルと、
前記カテーテル、患者ライン、または排出ラインのうちの1つに動作可能に結合されたインピーダンスセンサと
を備え、
前記インピーダンスセンサは、前記患者内に存在するPD液、または前記患者から除去されたPD液のインピーダンスを感知し、前記感知されたインピーダンスは、白血球を検出し、患者腹膜炎決定を形成するために使用され、前記制御ユニットは、前記腹膜炎決定を通信するように構成されている、PDシステム。
(項目2)
前記感知されたインピーダンスは、前記制御ユニットに送信され、前記制御ユニットは、前記感知されたインピーダンスを分析するように構成されている、項目1に記載のPDシステム。
(項目3)
前記感知されたインピーダンスは、有線または無線で前記制御ユニットに送信される、項目2に記載のPDシステム。
(項目4)
ネットワークと、前記ネットワークを介して前記制御ユニットと通信する少なくとも1つの医師または臨床医コンピュータとを含み、前記制御ユニットは、前記ネットワークを介し、前記循環装置または前記少なくとも1つの医師または臨床医コンピュータのユーザインターフェースを介して、前記腹膜炎決定を患者または介護者のうちの少なくとも1人に通信するように構成されている、項目1に記載のPDシステム。
(項目5)
精製水を前記使い捨てセットに供給するように構成された浄水器を含み、前記浄水器は、浄水器制御ユニットを含み、前記感知されたインピーダンスは、前記浄水器制御ユニットに送信され、前記浄水器制御ユニットは、前記感知されたインピーダンスを分析するように構成され、前記循環装置制御ユニットと前記浄水器制御ユニットとは、通信し、前記循環装置制御ユニットが前記腹膜炎決定を通信することを可能にする、項目1に記載のPDシステム。
(項目6)
前記インピーダンスセンサは、前記カテーテル、前記患者ライン、または前記排出ラインに結合するように構成されたコネクタ内に位置している、項目1に記載のPDシステム。
(項目7)
前記コネクタは、(i)前記カテーテル、前記患者ライン、または前記排出ラインの周囲に取り付くクラムシェルコネクタであるか、または、(ii)前記カテーテル、前記患者ライン、または前記排出ラインの2つの区分の間に接合されるように構成されている、項目6に記載のPDシステム。
(項目8)
前記インピーダンスセンサは、前記カテーテル、前記患者ライン、または前記排出ライン内に位置付けられ、配置された電極を含み、前記コネクタは、前記電極を覆って位置付けられている、項目6に記載のPDシステム。
(項目9)
前記コネクタは、前記電極から、(i)前記制御ユニット、(ii)精製水を前記使い捨てセットに供給するように構成された浄水器の制御ユニット、または、(iii)前記コネクタを具備する無線モジュールまで延びている導線を含む、項目8に記載のPDシステム。
(項目10)
開始周波数から停止周波数まで移動する周波数掃引を介して、前記患者内に存在する前記PD液、または前記患者から除去された前記PD液の感知されたインピーダンスを分析するように構成されている、項目1に記載のPDシステム。
(項目11)
前記周波数掃引は、前記制御ユニットによって提供される周波数発生器、またはそれとともに動作可能な周波数発生器によって発生させられる、項目10に記載のPDシステム。
(項目12)
前記周波数掃引の2つ以上の周波数でインピーダンス測定を行うように構成されている、項目10に記載のPDシステム。
(項目13)
前記周波数掃引は、白血球を有し前記患者内に存在する流体、または白血球を有し前記患者から除去された流体が、前記周波数掃引の少なくとも一部にわたって、白血球を有していない流体に関するインピーダンスより白血球を有する流体に関して高いインピーダンスを測定することによって、決定されることを可能にする、項目10に記載のPDシステム。
(項目14)
前記周波数掃引は、白血球を有し前記患者内に存在する流体、または白血球を有し前記患者から除去された流体が、フィブリンを有する流体と区別されることを可能にし、フィブリンを有する前記流体は、前記掃引の少なくとも一部にわたって白血球を有する流体より高いインピーダンスをもたらす、項目10に記載のPDシステム。
(項目15)
前記腹膜炎決定は、第1の腹膜炎インジケータであり、前記腹膜炎決定は、全体的な腹膜炎決定を形成するために前記第1の腹膜炎インジケータと組み合わせて使用可能である少なくとも1つの異なる腹膜炎インジケータを含む、項目1に記載のPDシステム。
(項目16)
前記第1の腹膜炎インジケータと組み合わせて使用可能である前記少なくとも1つの異なる腹膜炎インジケータは、患者流出PD液温度センサまたは白血球バイオセンサのうちの少なくとも1つから取得される、項目15に記載のPDシステム。
(項目17)
前記腹膜炎決定は、患者流出物グルコースバイオセンサからのフィードバックを使用して行われるインスリン注射と組み合わせて提供される、項目1に記載のPDシステム。
(項目18)
腹膜透析(「PD」)システムであって、前記PDシステムは、
ポンプアクチュエータと、前記ポンプアクチュエータと動作可能に通信する制御ユニットとを含む循環装置と、
ポンプチャンバを有する使い捨てカセットを含む使い捨てセットであって、前記使い捨てカセットは、前記ポンプチャンバが前記ポンプアクチュエータと動作可能に通信するように、前記循環装置によって保持されるようにサイズを決定され、配置され、前記使い捨てセットは、前記使い捨てカセットから延びている患者ラインおよび排出ラインを含む、使い捨てセットと、
患者から除去された流出PD液の温度を感知するために、前記患者ライン、排出ライン、または使い捨てカセットのうちの1つに動作可能に結合された温度センサと
を備え、
前記感知された温度は、患者腹膜炎決定を形成するために使用され、前記制御ユニットは、前記腹膜炎決定を通信するように構成されている、PDシステム。
(項目19)
前記感知された温度は、前記制御ユニットに送信され、前記制御ユニットは、前記感知された温度を分析するように構成されている、項目18に記載のPDシステム。
(項目20)
前記感知された温度は、有線または無線で前記制御ユニットに送信される、項目19に記載のPDシステム。
(項目21)
ネットワークと、前記ネットワークを介して前記制御ユニットと通信する少なくとも1つの医師または臨床医コンピュータとを含み、前記制御ユニットは、前記ネットワークを介し、前記循環装置または前記少なくとも1つの医師または臨床医コンピュータのユーザインターフェースを介して、前記腹膜炎決定を患者または介護者のうちの少なくとも1人に通信するように構成されている、項目18に記載のPDシステム。
(項目22)
精製水を前記使い捨てセットに供給するように構成された浄水器を含み、前記浄水器は、浄水器制御ユニットを含み、前記感知された温度は、前記浄水器制御ユニットに送信され、前記浄水器制御ユニットは、前記感知された温度を分析するように構成され、前記循環装置制御ユニットと前記浄水器制御ユニットとは、通信し、前記循環装置制御ユニットが前記腹膜炎決定を通信することを可能にする、項目18に記載のPDシステム。
(項目23)
前記循環装置制御ユニットまたは前記浄水器制御ユニットのいずれかは、前記感知された温度を分析するように構成されている、項目22に記載のPDシステム。
(項目24)
前記温度センサは、前記患者ラインまたは前記排出ラインに結合するように構成されたコネクタ内に設置されている、項目18に記載のPDシステム。
(項目25)
前記コネクタは、(i)前記患者ラインまたは前記排出ラインの周囲に取り付くクラムシェルコネクタであるか、または、(ii)前記患者ラインまたは前記排出ラインの2つの区分の間に接合されるように構成されている、項目24に記載のPDシステム。
(項目26)
前記コネクタは、(a)前記患者ラインまたは前記排出ラインを通して流動する流出流体、または、(b)前記患者ラインまたは前記排出ラインに直接接触するように位置付けられ、配置された電極を含む、項目24に記載のPDシステム。
(項目27)
(b)において、熱伝導性セグメントが、前記患者ラインまたは前記排出ラインの区分の間に接合され、前記コネクタは、前記熱伝導性セグメントに直接接続されている、項目26に記載のPDシステム。
(項目28)
前記コネクタは、前記電極から、(i)前記制御ユニット、(ii)精製水を前記使い捨てセットに供給するように構成された浄水器の制御ユニット、または、(iii)前記コネクタを具備する無線モジュールまで延びている導線を含む、項目26に記載のPDシステム。
(項目29)
前記感知された温度を前記患者に送達され、前記温度センサによって感知された新鮮PD液の温度と比較することによって、前記患者から除去された前記流出PD液の感知された温度を分析するように構成されている、項目18に記載のPDシステム。
(項目30)
腹膜炎またはその発症に起因する温度の上昇を探すことによって、前記患者から除去された前記流出PD液の感知された温度を分析するように構成されている、項目18に記載のPDシステム。
(項目31)
腹膜炎またはその発症に起因する前記温度の上昇は、前記感知された温度が、前記患者ライン、前記排出ライン、または前記使い捨てカセットを通した感知に起因してオフセットされているどうかにかかわらず、検出可能である、項目30に記載のPDシステム。
(項目32)
前記腹膜炎決定は、第1の腹膜炎インジケータであり、前記腹膜炎決定は、全体的な腹膜炎決定を形成するために前記第1の腹膜炎インジケータと組み合わせて使用可能である少なくとも1つの異なる腹膜炎インジケータを含む、項目18に記載のPDシステム。
(項目33)
前記第1の腹膜炎インジケータと組み合わせて使用可能である前記少なくとも1つの異なる腹膜炎インジケータは、白血球バイオセンサまたは白血球インピーダンスセンサのうちの少なくとも1つから取得される、項目32に記載のPDシステム。
(項目34)
前記腹膜炎決定は、患者流出物グルコースバイオセンサからのフィードバックを使用して行われるインスリン注射と組み合わせて提供される、項目18に記載のPDシステム。(項目35)
腹膜透析(「PD」)システムであって、前記PDシステムは、
ポンプアクチュエータと、前記ポンプアクチュエータと動作可能に通信する制御ユニットとを含む循環装置と、
ポンプチャンバを有する使い捨てカセットを含む使い捨てセットであって、前記使い捨てカセットは、前記ポンプチャンバが前記ポンプアクチュエータと動作可能に通信するように、前記循環装置によって保持されるようにサイズを決定され、配置された使い捨てセットと、
前記使い捨てカセットと流体連通するバイオMEMSデバイスと
を備え、
前記バイオMEMSデバイスは、患者から除去された流出PD液から白血球を収集するように構成され、前記収集された白血球は、患者腹膜炎決定を形成するために使用され、前記制御ユニットは、前記腹膜炎決定を通信するように構成されている、PDシステム。(項目36)
前記収集された白血球の指示は、前記制御ユニットに送信され、前記制御ユニットは、前記収集された白血球の前記指示を分析するように構成されている、項目35に記載のPDシステム。
(項目37)
前記収集された白血球の前記指示は、有線または無線で前記制御ユニットに送信される、項目36に記載のPDシステム。
(項目38)
ネットワークと、前記ネットワークを介して前記制御ユニットと通信する少なくとも1つの医師または臨床医コンピュータとを含み、前記制御ユニットは、前記ネットワークを介し、前記循環装置または前記少なくとも1つの医師または臨床医コンピュータのユーザインターフェースを介して、前記腹膜炎決定を患者または介護者のうちの少なくとも1人に通信するように構成されている、項目35に記載のPDシステム。
(項目39)
前記バイオMEMSデバイスは、前記使い捨てカセットのサンプルポートと流体連通して設置されている、項目35に記載のPDシステム。
(項目40)
前記バイオMEMSデバイスは、電子機器、処理、およびメモリのうちの少なくとも1つを有する制御ユニットを含み、前記循環装置制御ユニットまたは前記バイオMEMSデバイス制御ユニットのいずれかは、前記感知された温度を分析するように構成されている、項目35に記載のPDシステム。
(項目41)
前記バイオMEMSデバイスは、(i)残りの流出流体から前記白血球を分割するようにサイズを決定され、構成されたマイクロ流体経路を形成しているマイクロ流体チップと、(ii)前記収集された白血球の特性に比例した周波数で共振する圧電バイオセンサとを含む、項目35に記載のPDシステム。
(項目42)
前記収集された白血球の前記特性は、前記白血球の堆積率の変化を含む、項目41に記載のPDシステム。
(項目43)
前記収集された白血球の前記特性に比例した前記周波数は、前記腹膜炎決定を形成するために使用される、項目41に記載のPDシステム。
(項目44)
前記圧電バイオセンサは、前記白血球を収集するための収集エリアとともに動作する、項目41に記載のPDシステム。
(項目45)
前記バイオMEMSデバイスは、前記制御ユニットと有線通信するか、または、前記制御ユニットとの無線通信のための無線モジュールを含む、項目35に記載のPDシステム。
(項目46)
前記流出PD液から除去された白血球の量を分析し、前記腹膜炎決定を行うように構成されている、項目35に記載のPDシステム。
(項目47)
前記腹膜炎決定は、第1の腹膜炎インジケータであり、前記腹膜炎決定は、全体的な腹膜炎決定を形成するために前記第1の腹膜炎インジケータと組み合わせて使用可能である少なくとも1つの異なる腹膜炎インジケータを含む、項目35に記載のPDシステム。
(項目48)
前記第1の腹膜炎インジケータと組み合わせて使用可能である前記少なくとも1つの異なる腹膜炎インジケータは、患者流出PD液温度センサまたは白血球インピーダンスセンサのうちの少なくとも1つから取得される、項目47に記載のPDシステム。
(項目49)
前記腹膜炎決定は、患者流出物グルコースバイオセンサからのフィードバックを使用して行われるインスリン注射と組み合わせて提供される、項目35に記載のPDシステム。(項目50)
腹膜透析(「PD」)システムであって、前記PDシステムは、
ポンプアクチュエータと、前記ポンプアクチュエータと動作可能に通信する制御ユニットとを含む循環装置と、
ポンプチャンバを有する使い捨てカセットを含む使い捨てセットであって、前記使い捨てカセットは、前記ポンプチャンバが前記ポンプアクチュエータと動作可能に通信するように、前記循環装置によって保持されるようにサイズを決定され、配置された使い捨てセットと、
前記使い捨てセットと流体連通するインスリン源と、
患者から除去された流出PD液を受け取るように位置付けられ、配置された微小電気機械システム(「MEMS」)親和性グルコースセンサと
を備え、
前記MEMS親和性グルコースセンサは、患者によって吸収されたグルコースに関するグルコース査定を提供するように構成され、前記グルコース査定は、インスリン用量を決定するために使用され、前記制御ユニットは、前記使い捨てカセットの前記ポンプチャンバとともに動作する前記ポンプアクチュエータによって、前記インスリン源から前記患者に前記インスリン用量を送達するように構成されている、PDシステム。
(項目51)
前記使い捨てセットと流体連通する透析液源を含み、前記制御ユニットは、前記透析液源からの新鮮透析液と混合された前記インスリン源からの前記インスリン用量を前記患者に送達するように構成されている、項目50に記載のPDシステム。
(項目52)
前記透析液源は、使用地点透析液源であり、前記新鮮透析液は、インスリンバッグからのインスリンとともに混合バッグ内で混合される、項目51に記載のPDシステム。
(項目53)
前記使い捨てセットは、前記使い捨てカセットと流体連通する患者ラインおよび排出ラインを含み、前記MEMS親和性グルコースセンサは、前記排出ラインと流体連通している、項目50に記載のPDシステム。
(項目54)
前記MEMS親和性グルコースセンサは、排出コンテナの上流で前記排出ラインに沿って位置している、項目53に記載のPDシステム。
(項目55)
浄水器を含み、前記透析液源は、前記浄水器からの精製水を使用する使用地点透析液源であり、前記MEMS親和性グルコースセンサは、前記浄水器を具備する、項目50に記載のPDシステム。
(項目56)
前記浄水器は、前記循環装置と有線または無線通信し、前記浄水器は、前記グルコース査定から前記インスリン用量を決定し、送達のために前記インスリン用量を前記循環装置に送達するように構成されている、項目55に記載のPDシステム。
(項目57)
前記MEMS親和性グルコースセンサは、前記循環装置と有線または無線通信し、前記循環装置の前記制御ユニットは、前記MEMS親和性グルコースセンサから前記制御ユニットに送信される前記グルコース査定から前記インスリン用量を決定するように構成されている、項目50に記載のPDシステム。
(項目58)
前記MEMS親和性グルコースセンサは、前記グルコース査定から前記インスリン用量を決定するように構成されている、項目50に記載のPDシステム。
(項目59)
前記グルコース査定は、前記患者によって吸収されたグルコースの量または濃度を示す、項目50に記載のPDシステム。
(項目60)
前記MEMS親和性グルコースセンサは、(i)残りの流出流体からグルコース分子を分割するようにサイズを決定され、構成されたマイクロ流体経路を形成しているマイクロ流体チップと、(ii)前記収集されたグルコース分子の特性に比例した周波数で共振する圧電バイオセンサとを含む、項目50に記載のPDシステム。
(項目61)
前記収集されたグルコース分子の前記特性は、前記グルコース分子の堆積率の変化を含む、項目60に記載のPDシステム。
(項目62)
前記収集されたグルコース分子の前記特性に比例した前記周波数は、インスリン決定を形成するために使用される、項目60に記載のPDシステム。
(項目63)
前記圧電バイオセンサは、前記グルコース分子を収集するための収集エリアとともに動作する、項目60に記載のPDシステム。
(項目64)
前記制御ユニットは、前記流出物内のグルコースの濃度が低いほど、前記患者によって吸収されたグルコースの量が多くなると仮定して、プログラムされている、項目50に記載のPDシステム。
(項目65)
ネットワークと、前記ネットワークを介して前記制御ユニットと通信する少なくとも1つの医師または臨床医コンピュータとを含み、前記制御ユニットは、前記ネットワークを介し、前記循環装置または前記少なくとも1つの医師または臨床医コンピュータのユーザインターフェースを介して、前記インスリン用量を患者または介護者のうちの少なくとも1人に通信するように構成されている、項目50に記載のPDシステム。
(項目66)
患者流出PD液温度センサ、白血球バイオセンサ、または白血球インピーダンスモニタから選択される少なくとも1つの腹膜炎指示デバイスを含む、項目50に記載のPDシステム。
【図面の簡単な説明】
【0114】
図1図1は、遠隔医師または臨床医データ収集体制と通信する、使用地点透析液生成を有する腹膜透析送達システムの一実施形態の正面立面図である。
【0115】
図2図2は、図1に図示されるシステムとともに使用される使い捨てセットの一実施形態の上平面図である。
【0116】
図3図3は、本開示の温度感知コネクタの一実施形態の正面立面図である。
【0117】
図4図4Aおよび4Bは、それぞれ、本開示の温度感知コネクタの別の実施形態の正面立面および斜視図である。
【0118】
図5図5は、本開示の温度感知コネクタのさらなる実施形態の側面立面図である。
【0119】
図6図6は、本開示の無線動作型温度感知コネクタの一実施形態の概略図である。
【0120】
図7図7Aおよび7Bは、本開示の種々の温度感知コネクタの出力を示す概略プロットである。
【0121】
図8図8Aおよび8Bは、本開示の他の温度感知コネクタの出力を示す概略プロットである。
【0122】
図9図9は、本開示の白血球感知デバイスの一実施形態とともに動作する使用地点透析液生成を有する医療流体送達システムの正面立面図である。
【0123】
図10図10は、図9のシステムとともに使用可能な白血球感知方法の一実施形態の概略フロー図である。
【0124】
図11図11は、本開示の流出流体インピーダンス評価デバイスの一実施形態とともに動作する使用地点透析液生成を有する医療流体送達システムの正面立面図である。
【0125】
図12図12は、本開示の流出流体インピーダンス評価デバイスとともに動作する、カテーテルまたは管内の電極設置のための一実施形態の正面等角図である。
【0126】
図13図13は、本開示のカテーテルインピーダンス流出物評価デバイスに関する一実施形態の正面立面図である。
【0127】
図14図14Aおよび14Bは、それぞれ、正常な患者流出物、白血球を有する(腹膜炎を示す)患者流出物、およびフィブリンを有する患者流出物に関して、経時的に周波数掃引にわたってインピーダンス出力を示す概略プロットである。
【0128】
図15図15は、本開示の流出物グルコース感知およびインスリン制御デバイスの一実施形態とともにさらに動作する腹膜透析液の事前滅菌されたコンテナとともに動作する医療流体送達システムの正面立面図である。
【0129】
図16図16は、図15および17のシステムとともに使用可能なMEMS親和性グルコースセンサの一実施形態の正面立面図である。
【0130】
図17図17は、本開示の流出物グルコース感知およびインスリン制御デバイスに関する一実施形態とともに動作する使用地点透析液生成を有する医療流体送達システムの正面立面図である。
【0131】
図18図18は、図15および16のシステムとともに使用可能な流出物グルコース感知およびインスリン制御方法の一実施形態の概略フロー図である。
【0132】
図19図19は、MEMS親和性グルコースセンサの周波数出力と流出物グルコースレベルとの間の関係を示す概略プロットである。
【0133】
図20図20Aおよび20Bは、腹膜透析治療中に制御されないとき、および図15-18のグルコースフィードバックおよびインスリン注射を介して制御されるときの患者グルコースレベルを示す概略プロットである。
【発明を実施するための形態】
【0134】
(システム概観)
本明細書に説明されるフィードバックシステムおよび方法は、腹膜透析(「PD」)に適用可能である。フィードバックシステムおよび方法は、主に、PD機械または循環装置の使用を伴う自動腹膜透析(「APD」)に適用可能である。しかしながら、フィードバックシステムおよび方法は、持続的携帯型腹膜透析(「CAPD」)にも適用可能であることを理解されたい。CAPDの場合、フィードバックシステムおよび方法は、独立型デバイスに実装され、独立型デバイスは、データを患者に読み出し、および/または、データを医師または臨床医による精査のために介護者データベースに遠隔に通信する。APD機械に関して、好適な循環装置は、例えば、Baxter International
Inc.によって市販されているAmia(登録商標)またはHomeChoice(登録商標)循環装置を含む。例えば、Amia(登録商標)循環装置が、米国特許第9,981,079号に開示される一方で、HomeChoice(登録商標)循環装置は、米国特許第5,350,357号に開示され、それらの各々の内容は、参照することによって組み込まれ、依拠される。上で組み込まれる特許の各々は、PD透析液の事前包装され、事前滅菌されたコンテナまたはバッグの使用を開示する。フィードバックシステムおよび方法は、事前包装され、事前滅菌されたPD液を使用する循環装置に適用可能かつ実装可能である。下で議論されるように、フィードバックシステムおよび方法は、オンラインで、または使用地点において作製されるPD液を使用する循環装置に適用可能かつ実装可能でもある。
【0135】
ここで図1を参照すると、使用地点透析液生成を有する腹膜透析システムの一実施形態が、システム10によって図示される。システム10は、循環装置20と、浄水器210とを含む。循環装置20のための好適な循環装置は、それらの循環装置が、システム10に従って生成される使用地点透析液を実施および使用するための更新されたプログラミングを具備するという理解の下で、例えば、上で述べられるようなAmia(登録商標)またはHomeChoise(登録商標)循環装置を含む。この目的で、循環装置20は、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのメモリとを有する制御ユニット22を含む。制御ユニット22は、浄水器210および本明細書に議論される他の無線デバイスに情報を送信し、それらから情報を受信するための有線または無線送受信機をさらに含む。浄水器210は、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのメモリとを有する制御ユニット212も含む。制御ユニット212は、循環装置20の制御ユニット22および本明細書に議論される他の無線デバイスに情報を送信し、それらから情報を受信するための有線または無線送受信機をさらに含む。有線通信は、例えば、イーサネット(登録商標)接続を介し得る。無線通信は、Bluetooth(登録商標)、WiFi(登録商標)、Zigbee(登録商標)、Z-Wave(登録商標)、無線ユニバーサルシリアルバス(「USB」)、または赤外線プロトコルのうちのいずれかを介して、または任意の他の好適な無線通信技術を介して実施され得る。
【0136】
循環装置20は、筐体24を含み、筐体24は、使用地点において新鮮透析溶液を調製し、新たに調製された透析液を患者Pに圧送し、透析液が患者P内に滞留することを可能にし、次いで、使用済み透析液を排出管に圧送するように制御ユニット22を介してプログラムされた機器を保持する。図示される実施形態において、浄水器210は、排出管216につながる排出ライン214を含み、排出管216は、屋内排出管または排出コンテナであり得る。ある実施形態における使用地点において新鮮透析溶液を調製するように制御ユニット22を介してプログラムされた機器は、空気圧ポンプシステムのための機器を含み、空気圧ポンプシステムのための機器は、限定ではないが、(i)1つ以上の陽圧リザーバ、(ii)1つ以上の陰圧リザーバ、(iii)1つ以上の陽および陰圧リザーバにおいて貯蔵されるべき陽および陰圧を提供するための各々が制御ユニット22の制御下にある圧縮機および真空ポンプ、または制御ユニット22の制御下で陽および陰圧の両方を生成する単一のポンプ、(iv)陽および陰圧を複数の流体弁チャンバに送達するための複数の空気圧弁チャンバ、(v)陽性および陰圧を複数の流体ポンプチャンバに送達するための複数の空気圧ポンプチャンバ、(vi)複数の空気圧弁チャンバと複数の流体弁チャンバとの間に位置する制御ユニット22の制御下にある複数の電気作動型オン/オフ空気圧ソレノイド弁、(vii)複数の空気圧ポンプチャンバと複数の流体ポンプチャンバとの間に位置する制御ユニット22の制御下にある複数の電気作動型可変オリフィス空気圧弁、(viii)一実施形態において、混合されるにつれて透析液を加熱するための制御ユニット22の制御下にある加熱器、および、(ix)アラームおよび他の状況で患者および排出ラインを閉鎖するための制御ユニット22の制御下にある遮閉具26を含む。
【0137】
一実施形態において、複数の空気圧弁チャンバおよび複数の空気圧ポンプチャンバは、循環装置20の筐体24の前面または表面上に位置する。加熱器は、筐体24の内側に位置し、ある実施形態において、加熱コイルを含み、加熱コイルは、加熱パンまたはトレイに接触し、加熱パンまたはトレイは、加熱蓋の下で筐体24の上部に位置する(図1では見られない)。
【0138】
図示される実施形態における循環装置20は、ユーザインターフェース30を含む。ある実施形態における制御ユニット22は、ビデオコントローラを含み、ビデオコントローラは、制御ユニット22の主要な制御処理およびメモリと相互作用するためのそれ自身の処理およびメモリを有し得る。ユーザインターフェース30は、ビデオモニタ32を含み、ビデオモニタ32は、ユーザインターフェース30を介してコマンドを制御ユニット22に入力するためのビデオモニタ32上に設置されたタッチスクリーンオーバーレイとともに動作し得る。ユーザインターフェース30は、膜スイッチまたは他のボタン等の1つ以上の電気機械入力デバイスも含み得る。制御ユニット22は、1つ以上のスピーカ34において音声アクティブ化コマンド等の音声ファイルを再生するためのオーディオコントローラをさらに含み得る。
【0139】
図示される実施形態における浄水器210は、ユーザインターフェース220も含む。ある実施形態における浄水器210の制御ユニット212は、制御ユニット212の主要な制御処理およびメモリと相互作用するためのそれ自身の処理およびメモリを有し得るビデオコントローラを含む。ユーザインターフェース220は、ビデオモニタ222を含み、ビデオモニタ222は、コマンドを制御ユニット212に入力するためのビデオモニタ222上に設置されたタッチスクリーンオーバーレイとともに同様に動作し得る。ユーザインターフェース220は、膜スイッチまたは他のボタン等の1つ以上の電気機械入力デバイスも含み得る。制御ユニット212は、浄水器210の1つ以上のスピーカ224においてアラームまたはアラート音等の音声ファイルを再生するためのオーディオコントローラをさらに含み得る。
【0140】
加えて、図2を参照すると、使い捨てセット40の一実施形態が、図示される。使い捨てセット40は、図1においても図示され、使い捨てセット40内の流体を移動させ、例えば、本明細書に議論されるような透析液を混合するために循環装置20に嵌め合わせられる。図示される実施形態における使い捨てセット40は、使い捨てカセット42を含み、使い捨てカセット42は、可撓性膜によって片側または両側で被覆された平面硬質プラスチック部品を含み得る。循環装置20の筐体24に対して押し付けられた膜は、ポンプおよび弁膜を形成する。図2は、使い捨てカセット42が、循環装置20の筐体24に位置する空気圧ポンプチャンバとともに動作する流体ポンプチャンバ44と、循環装置20の筐体24に位置する空気圧弁チャンバとともに動作する流体弁チャンバ46とを含むことを図示する。
【0141】
図1および2は、使い捨てセット40が、患者ライン50を含むことを図示し、患者ライン50は、カセット42の患者ラインポートから延び、患者ラインコネクタ52において終端する。図1は、患者ラインコネクタ52が、次に、患者移送セット54に接続することを図示し、患者移送セット54は、患者Pの腹腔内に位置する留置カテーテルに接続する(図11参照)。使い捨てセット40は、カセット42の排出ラインポートから延び、排出ラインコネクタ58において終端する排出ライン56を含む。図1は、排出ラインコネクタ58が浄水器210の排出コネクタ218に除去可能に接続することを図示する。
【0142】
図1および2はさらに、使い捨てセット40が、カセット42の加熱器/混合ラインポートから延び、下でより詳細に議論される加熱器/混合バッグ62において終端する加熱器/混合ライン60を含むことを図示する。使い捨てセット40は、水アキュムレータ66の水入口66aまで延びている上流水ラインセグメント64aを含む。下流水ラインセグメント64bは、水アキュムレータ66の水出口66bからカセット42まで延びている。図示される実施形態において、上流水ラインセグメント64aは、水ラインコネクタ68から開始し、水アキュムレータ66から上流に位置する。図1は、水ラインコネクタ68が浄水器210の水出口コネクタ228に除去可能に接続されることを図示する。
【0143】
浄水器210は、水、可能性として、腹膜透析のために好適な水(「WFPD」)を出力する。しかしながら、WFPDを確実にするために、滅菌グレードフィルタ70aが、下流滅菌グレードフィルタ70bから上流に設置される。フィルタ70aおよび70bが、水アキュムレータ66の上流の水ラインセグメント64a内に設置され得る。滅菌グレードフィルタ70aおよび70bは、除外ラインを有してない通過フィルタであり得る。好適な滅菌グレードフィルタ70aおよび70bは、本開示の出願人によって提供され得る。ある実施形態において、上流または下流滅菌グレードフィルタ70aおよび70bのうちの1つのみが、WFPDを生成するために必要とされ、それにもかかわらず、2つの滅菌グレードフィルタ70aおよび70bが、一方が故障した場合、冗長性のために図示される実施形態において提供される。
【0144】
図2は、カセット42の最後のバッグまたはサンプルポートから延びている最後のバッグまたはサンプルライン72が提供され得ることをさらに図示する。最後のバッグまたはサンプルライン72は、透析液の事前混合された最後の充填バッグのコネクタに、またはサンプルバッグまたは他のサンプル収集コンテナに接続され得るコネクタ74において終端する。最後のバッグまたはサンプルライン72、およびコネクタ74は、代替として、所望される場合、第3のタイプの濃縮物のために使用され得る。
【0145】
図1および2は、使い捨てセット40が、カセット42の第1の濃縮物ポートから延び、第1の(例えば、グルコースの)カセット濃縮物コネクタ80aにおいて終端する第1の(例えば、グルコースの)濃縮物ライン76を含むことを図示する。第2の(例えば、緩衝剤の)濃縮物ライン78が、カセット42の第2の濃縮物ポートから延び、第2の(例えば、緩衝剤の)カセット濃縮物コネクタ82aにおいて終端する。
【0146】
図1は、第1の濃縮物コンテナ84aが、第1の(例えば、グルコースの)濃縮物を保持することを図示し、第1の濃は、縮物コンテナ84aからコンテナライン86を通して、第1のカセット濃縮物コネクタ80aと篏合する第1のコンテナ濃縮物コネクタ80bに圧送される。第2の濃縮物コンテナ84bが、コンテナ84bからコンテナライン88を通して、第2のカセット濃縮物コネクタ82aと篏合する第2のコンテナ濃縮物コネクタ82bに圧送される第2の(例えば、緩衝剤の)濃縮物を保持する。
【0147】
ある実施形態において、治療を開始するために、患者Pが、カセット42を循環装置の中に装填し、無作為または指定順序で、(i)循環装置20上に加熱器/混合バッグ62を設置し、(ii)上流水ラインセグメント64aを浄水器210の水出口コネクタ228に接続し、(iii)排出ライン56を浄水器210の排出コネクタ218に接続し、(iv)第1のカセット濃縮物コネクタ80aを第1のコンテナ濃縮物コネクタ80bに接続し、(v)第2のカセット濃縮物コネクタ82aを第2のコンテナ濃縮物コネクタ82bに接続する。この時点で、患者コネクタ52は、依然として、キャップされている。新鮮透析液が調製および検証されると、患者ライン50が、新鮮透析液でプライミングされ、その後、患者Pが、治療のために患者ラインコネクタ52を移送セット54に接続し得る。上記のステップの各々は、ビデオモニタ32においてグラフィックで図示され、および/または、スピーカ34からの音声ガイダンスを介して提供され得る。
【0148】
使い捨てセット40に関して、カセット42の剛体部分は、例えば、医学的に容認可能な硬質プラスチックから作製され得る。カセット42の可撓性膜は、例えば、医学的に容認可能な硬質プラスチックシートから作製され得る。下で議論される加熱器/混合バッグまたはコンテナ62等のバッグまたはコンテナのうちのいずれかは、医学的に容認可能なプラスチックシートから作製され得る。
【0149】
制御ユニット22は、循環装置20に1つ以上の混合動作を実施させ、治療のために適切かつ均質に透析液を混合することに役立つようにプログラムされ得る。例えば、流体ポンプチャンバ44のうちのいずれかが、加熱器/混合バッグ62からのある量の混合流体(例えば、第1および第2の濃縮物84a、84bおよびWFPDの一方または両方から作製される)をポンプチャンバの中に引き込み、そのような混合物を加熱器/混合バッグ62に送り返し、この手順を複数回繰り返すようにさせられ得る(混合シーケンスまたは「ワッフリング」として本明細書に説明される)。特に、混合シーケンスを実施するために、ある実施形態における制御ユニット22は、加熱器/混合ライン60および加熱器/混合バッグ62への流体弁チャンバ46を除く、カセット42における全ての流体弁チャンバ46を循環装置20に閉鎖させる。流体ポンプチャンバ44は、連続的に繰り返しストロークさせられ、(i)加熱器/混合バッグ62からWFPDおよび濃縮物の可能性として混合されていない流体の組み合わせをポンプチャンバの中に引き込み、それに続いて、(ii)ポンプチャンバから加熱器/混合バッグ62に戻るように、混合されたWFPDおよび濃縮物を押し、(iii)(i)および(ii)を少なくとも1回繰り返す。
制御ユニット22は、流体ポンプチャンバ44の両方が同時に押し引きするようにそれらを一緒にストロークするようにプログラムされ得るか、または、一方のポンプチャンバ44が加熱器/混合バッグ62から引き込み、他方のポンプチャンバ44が加熱器/混合バッグ62まで押すことによって加熱器/混合ライン60内で乱流を生成するように、流体ポンプチャンバ44を交互にストロークするようにプログラムされ得る。
【0150】
図1および2に図示されるようなカセット42および加熱器/混合ライン60とともに動作可能なコンテナまたはバッグ62の構成は、アキュムレータ66からのWFPD、および第1および第2の濃縮物コンテナ84aおよび84bからの濃縮物が、コンテナまたはバッグに進入する前に少なくとも部分的に混合することを可能にする。さらに、カセット42が提供されない場合でさえ、WFPDおよび少なくとも1つの濃縮物は、コンテナまたはバッグに到達することに先立って、加熱器/混合ライン60内で部分的に混合するであろう。
【0151】
図1は、一実施形態におけるシステム10が、ネットワーク100を介して、次に、1つ以上の医師または臨床医コンピュータ110-110cと動作可能に通信して設置される1つ以上の介護者サーバ102と通信することも図示する。図示される実施形態において、ネットワーク100は、例えば、インターネット等の1つ以上の広域ネットワーク(「WAN」)を使用するクラウドネットワークである。ネットワーク100は、代替として、よりローカルなエリアネットワーク(「LAN」)であり得る。図示される実施形態において、システム10の循環装置20は、本明細書に列挙されるプロトコルのうちのいずれかを介して、無線でネットワーク100と通信する。代替実施形態において、システム10の循環装置20は、例えば、イーサネット(登録商標)接続を使用して、有線様式でネットワーク100と通信する。図示される実施形態において、システム10の循環装置20は、ネットワーク100と通信する。代替実施形態において、浄水器210は、代替として、または加えて、無線または有線様式でネットワーク100と通信する。図示される実施形態において、1つ以上の介護者サーバ102は、本明細書に列挙されるプロトコルのうちのいずれかを介して、無線でネットワーク100と通信する。代替実施形態において、1つ以上の介護者サーバ102は、例えば、イーサネット(登録商標)接続を使用して、有線様式でネットワーク100と通信する。図示される実施形態において、医師または臨床医コンピュータ110-110cは、例えば、イーサネット(登録商標)接続を使用して、有線様式で1つ以上の介護者サーバ102と通信する。代替実施形態において、医師または臨床医コンピュータ110-110cは、本明細書に列挙されるプロトコルのうちのいずれかを介して、無線で1つ以上の介護者サーバ102と通信する。
(腹膜炎に関する温度感知)
【0152】
ここで図3-8Bを参照すると、1つの主要な実施形態において、患者から退出する使用済み透析液の温度が、腹膜炎を検出するために測定される。健康な患者において、使用済み透析液の温度は、正常な体温または約37℃である。腹膜炎の発症を被っている患者において、患者から退出する使用済み透析液は、高温で存在し得る。第1の実施形態のシステムおよび方法は、流出透析液を測定し、測定を使用して、患者が腹膜炎の発症を被っているかどうかに関して決定を行う。
【0153】
温度測定は、いくつかの異なる方法で行われ得る。図3の温度感知コネクタ120は、患者P(図1)から除去される流出流体の温度を読み取るための1つの機構を図示する。コネクタ120は、医療グレードプラスチック等の任意の好適な医療グレード材料から作製され得る主要筐体122を含む。図示される実施形態において、筐体122は、患者ライン50(図1)の中に接合される。筐体122は、患者ライン50の第1の接合端50aを密閉状態で受け入れる第1のポート124を含む。第1のポート124は、例えば、ホース返しポートを含むか、またはそれであり得、または図示されるように第1の接合端50aを広げるようにサイズを決定され得る。第1のポート124は、代替として、患者ライン50の篏合ルアーコネクタ端50aに接続するルアーコネクタであり得る。筐体122は、患者ライン50の第2の接合端50bを密閉状態で受け入れる第2のポート126を含む。第2のポート126は、ちょうどポート124のようなオス型ポートであるか、または、圧縮継手を介して第2の接合端50bを密閉状態で受け入れる図示されるようなメス型ポートであり得る(そうするために、第2の接合端50bは、圧縮下に置かれたとき、接合端50bのその形状を維持するように、内部剛体ホース返しを取り付けられ得る)。メス型ポート126は、電気信号がワイヤを介して循環装置10の制御ユニット22(または浄水器210の制御ユニット212)に配信される場合、電気導線128aおよび128bが筐体122から外に延びることを可能にする。
【0154】
電気導線128aおよび128bは、それぞれ、プローブまたは電極130aおよび130bまで延び、プローブまたは電極130aおよび130bは、筐体122を通して進行する流出流体に接触し、流体に関する温度読み取り値を提供する。導線128aおよび128b、および電極130aおよび130bは、筐体122の内側円筒表面の中にオーバーモールドされるか、または、それに接着させられ得る。コネクタ120の温度センサは、例えば、熱電対またはサーミスタであり得る。図示される実施形態において、電極130aおよび130bは、K型(クロメル・アルメル)熱電対の感知部分であり、感知され得る電圧を発生させ、電圧は、流出流体の温度と比例する。
【0155】
コネクタ120は、発生させられた電圧が分析され得る複数の方法を例証する(代替物として、したがって、図3に図示される構造の全てが、コネクタ120を具備する必要があるわけではなく、構造のみが使用される)。一実施形態において、導線128aおよび128bは、発生させられた電圧を循環装置20の制御ユニット22(または浄水器210の制御ユニット212)に戻るように搬送し、制御ユニットの電子機器および処理は、温度比例電圧信号を処理し、結果として生じる温度が腹膜炎またはその発症を示すかどうかを決定する。
【0156】
(鎖線によって示される)別の実施形態において、導線128aおよび128bは、発生させられた電圧を筐体122の外側に沿って位置する無線モジュール132に搬送する。無線モジュール132は、一実施形態において、長持ちするリチウムバッテリ等のバッテリ134によって給電され、電子機器を含み、電子機器は、温度比例電圧を無線信号に変換ように構成され、無線信号は、循環装置20の制御ユニット22に無線で送信される。循環装置20の制御ユニット22は、温度比例電圧信号の無線バージョンを処理し、結果として生じる温度が腹膜炎またはその発症を示すかどうかを決定する。
【0157】
図3は、コネクタが2つの管類セグメントの間に接合される実施形態を図示する。図4Aおよび4Bは、クラムシェル温度コネクタ140が、代わりに、患者ライン50の一部等の管類セグメントの上に適合する代替実施形態を図示する。図示される実施形態において、クラムシェル温度コネクタ140は、最初に、患者ライン50の医療グレードポリマーまたはプラスチックに直接上で、それに接触する。代替実施形態において、ステンレス鋼セグメント等のより熱伝導性の医療グレードセグメント150が、患者ライン50の2つのポリマーまたはプラスチックセグメントの間に接合される。より熱伝導性の医療グレードセグメント150は、より正確な温度測定を達成することに役立ち得る。
【0158】
図4Aおよび4Bは、クラムシェル温度コネクタ140が、図示される実施形態において、一体型ヒンジ148に沿って一緒にヒンジで取り付けられるクラムシェル半体144および146を有する筐体142を含むことを図示する。筐体142は、医療グレードプラスチック等の任意の好適な材料から作製される。筐体142は、図示される実施形態において、患者ライン50/150の上での適合を形成するようにサイズを決定される。
【0159】
コネクタ140は、プローブまたは電極154aおよび154bまで延びているそれぞれの電気導線152aおよび152bを含み、プローブまたは電極154aおよび154bは、患者ライン50/150に接触し、ラインを通して流動する流出流体の温度を提供する。導線152aおよび152b、および電極154aおよび154bは、それぞれのクラムシェル半体144および146の内側円筒表面の中にオーバーモールドされるか、または、それに接着させられ得る。コネクタ140の温度センサは、再度、熱電対またはサーミスタであり得る。図示される実施形態において、電極154aおよび154bは、K型(クロメル・アルメル)熱電対の感知部分であり、それは、感知され得る電圧を発生させ、電圧は、流出流体の温度を示す。
【0160】
コネクタ140は、発生させられた電圧が分析され得る複数の方法を例証する(代替物として、したがって、図4Aおよび4Bに図示される構造の全てが、コネクタ140を具備する必要があるわけではなく、構造のみが使用される)。一実施形態において、導線152aおよび152bは、発生させられた電圧を循環装置20の制御ユニット22(または浄水器210の制御ユニット212)に戻るように搬送し、制御ユニットの電子機器および処理は、温度比例電圧信号を処理し、結果として生じる温度が腹膜炎またはその発症を示すかどうかを決定する。
【0161】
(鎖線によって示される)別の実施形態において、導線152aおよび152bは、発生させられた電圧を筐体142の外側に沿って位置する無線モジュール132に搬送する。無線モジュール132は、一実施形態では、長持ちするリチウムバッテリ等のバッテリ134によって給電され、温度比例電圧を無線信号に変換するように構成される電子機器を含み、無線信号は、循環装置20の制御ユニット22に無線で送信される。循環装置20の制御ユニット22は、温度比例電圧信号の無線バージョンを処理し、結果として生じる温度が腹膜炎またはその発症を示すかどうかを決定する。
【0162】
図5は、スナップ嵌め温度コネクタ160が、機械の内側または外側のいずれかで、循環装置20の筐体24の壁(または浄水器210の筐体の壁)に取り付けられるさらなる代替実施形態を図示する。スナップ嵌め温度コネクタ160は、筐体162を含み、コネクタ160は、筐体24にボルト留めされ、接着させられ、またはそれによって形成される。筐体162は、医療グレードプラスチック等の任意の好適な材料から作製される。筐体162は、プローブまたは電極166aおよび166bと組み合わせて、図示される実施形態において、患者ライン50/150の上にスナップ嵌めするようにサイズを決定されるスナップ嵌めカラー164を含む。C字形カラー164は、わずかに離れて広がり、患者ライン50/150を受け入れ、次いで、治療が完了すると、再度わずかに離れて広がり、患者ライン50/150を解放する。
【0163】
電極166aおよび166bは、C字形カラー164の内側円筒表面の中にオーバーモールドされるか、またはそれに接着させられ得る。コネクタ160の温度センサは、再度、熱電対またはサーミスタであり得る。図示される実施形態において、電極166aおよび166bは、K型(クロメル・アルメル)熱電対の感知部分であり、それは、感知され得る電圧を発生させ、電圧は、流出流体の温度を示す。図示される実施形態において、
電極166aおよび166bは、それぞれ、導線168aおよび168bまで延び、導線168aおよび168bは、発生させられた電圧を筐体24の壁を通して循環装置20の制御ユニット22(または浄水器210の制御ユニット212)まで搬送し、制御ユニットの電子機器および処理は、温度比例電圧信号を処理し、結果として生じる温度が腹膜炎またはその発症を示すかどうかを決定する。
【0164】
図6は、第1の主要な実施形態の温度感知の無線バージョンを図式的に図示する。患者ライン50または熱伝導性患者ラインセグメント150は、流出流体を搬送する。電極E(上で議論される全ての電極を表す)は、図示されるように患者ライン50または熱伝導性患者ラインセグメント150の外壁に接触するか、または流出流体に直接接触する(図3)。電圧を示す温度が、導線L(上で議論される全ての導線を表す)を介して無線モジュール132に搬送される。無線モジュール132は、長持ちするリチウムバッテリ等のバッテリ134によって給電され、温度比例電圧を所望の制御ユニットに無線で送信される無線信号に変換するように構成される電子機器を含む。
【0165】
図6は、電極Eが代わりに使い捨てカセット42のシートに沿って位置する別の代替実施形態も図示する。ここで、電極Eは、循環装置20の内側に位置し、カセットが据え付けられると、カセット42と自動的に整列させられる。患者または介護者は、どんな追加の措置も講じるように要求されない。このシナリオにおいて、無線モジュール132は、必要とされず、導線Lが、代わりに制御ユニット22まで直接伸びる。
【0166】
上で議論されるように、患者Pの流出流体の温度を検査することが、患者が腹膜炎を有するかどうかを決定するために使用される。流出流体は、患者Pから、患者移送セット54、患者ラインコネクタ52、患者ライン50、使い捨てセット40、排出ライン56、排出ラインコネクタ58、および浄水器210の排出コネクタ218を通して流動する。患者移送セット54、患者ラインコネクタ52、または排出ラインコネクタ58の一部としてを含むそれらの場所のうちのいずれかにおいて、温度感知コネクタ120、140、または160を設置することが想定される。一側面において、可能な限り正確な患者流出物温度を感知するように、可能な限り患者Pの近く(例えば、患者移送セット54または患者ラインコネクタ52)において、温度感知コネクタ120、140、または160を設置することが有利である。しかしながら、下で示されるように、温度感知は、真の患者温度が感知されない場合でさえ、この目的のために有用であり得る。浄水器210内の排出ラインに沿って腹膜炎に関する温度感知を位置付けることは、例えば、温度センサが、伝導度センサと組み合わせて稼働し、透析液の伝導度を検査し、混合正確度を決定すること等の別の目的のために存在する場合、有利である。
【0167】
図7Aおよび7Bは、直接流体感知実施形態(例えば、図3のコネクタ120)または熱伝導性患者管セグメント150を通した感知の実施形態のいずれかからの例示的データを図示し、それらの各々は、真の流体温度を読み取るはずである。図7Aおよび7Bの各々は、2つの充填段階(Fi1およびFi2)および2つの排出段階(Dr1およびDr2)に関する温度読み取り値を示す。各充填段階の後、平行線によって示される滞留期間が続く。各排出段階の後、単一の垂直線によって示されるような次の充填段階が続く。
【0168】
循環装置20は、カセット42および患者ライン50を介した患者Pへの送達に先立って、加熱器/混合バッグ62内の新鮮透析液を体温または37℃まで加熱する。図7Aおよび7Bの各充填段階事例において、温度読み取り値は、加熱された新鮮流体が温度センサを過ぎるとき、37℃または約37℃である。排出段階読み取り値(Dr1およびDr2)は、患者Pからの流出透析液の読み取り値であり、流出流体は、長期の期間、例えば、少なくとも1時間にわたって患者内に存在しており、それによって、流出流体温度は、患者の体内温度の真の指示を提供する。図7Aは、読み取り値が体温または37℃であるか、またはそれをわずかに上回り得る健康なPD患者からの流出物温度読み取り値を示す。図7Bは、読み取り値が、図示される例において、体温を著しく上回り、約38℃である腹膜炎またはその発症を被り得るPD患者からの流出物温度読み取り値を示す。
【0169】
温度読み取り値を評価することにおいて、温度信号操作をプログラムすることが想定される。例えば、腹膜炎アラートを発生させるための設定点が38℃であると仮定されたい。温度読み取り値を評価する関連性がある処理およびメモリは、温度センサを過ぎる流出流体の排出流の過程にわたって温度読み取り値を平均するようにプログラムされ得る。この方法で、38℃までの短い温度急上昇は、アラートまたはフラグをトリガしない。複数の流出排出(例えば、Dr1およびDr2)にわたって温度読み取り値に注目し、腹膜炎アラートを発生させるかどうかの決定を行うことに先立って、温度読み取り値を平均することも想定される。例えば、一実施形態において、アラートが、流出物温度読み取り値の合計が腹膜炎またはその発症を示す(例えば、38℃またはそれより高い)とき、複数の流出排出を含む治療の終わりに発生させられる。
【0170】
図8Aおよび8Bは、概して、非熱伝導性の患者管セグメント50を通した感知の実施形態からの例示的データを図示し、温度読み取り値は、真の流体温度を下回り得る。図8Aおよび8Bの各々は、2つの充填段階(Fi1およびFi2)および2つの排出段階(Dr1およびDr2)に関する温度読み取り値を示す。各充填段階の後、平行線によって示される滞留期間が続く。各排出段階の後、単一の垂直線によって示されるような次の充填段階が続く。
【0171】
循環装置20が、カセット42および患者ライン50を介した患者Pへの送達に先立って、加熱器/混合バッグ62内の新鮮透析液を体温または37℃まで加熱することが、既知であるので、図8Aおよび8Bの充填段階の温度は、患者ライン50の管類(例えば、ポリ塩化ビニル(「PVC」))の概して非熱伝導性の性質に起因して、温度読み取り値オフセットの正確な指示を提供する。図8Aおよび8Bの図示される例において、加熱された新鮮PD液の温度は、37℃であることが既知であるものの代わりに32℃と読み取られる。関連性がある制御ユニット22または212は、それによって、現在の環境条件下の現在の管類に関する現在のオフセットが5℃であることを決定する。関連性がある制御ユニットは、次いで、健康な患者Pから除去される流出流体がほぼ同一の温度オフセットを有する(すなわち、約32℃である)ことを予期するようにプログラムされる。関連性がある制御ユニットは、患者から除去された流出流体の温度が約32℃のオフセット温度を上回る所定の量である場合、患者Pが腹膜炎を有し得ることを決定するようにもプログラムされる。
【0172】
図8Aおよび8Bの各充填段階事例において、概して非熱伝導性の患者ライン管類50を通したオフセット温度読み取り値は、加熱された新鮮流体が温度センサを過ぎるとき、32℃または約32℃である。排出段階読み取り値(Dr1およびDr2)は、再度、患者Pからの流出透析液の読み取り値であり、流出流体は、長期の期間、例えば、少なくとも1時間にわたって、患者内に存在しており、それによって、流出流体温度は、患者の体内温度の真の指示を提供する。図8Aは、読み取り値が32℃の期待オフセット温度であるか、またはそれをわずかに上回り得る健康なPD患者からの流出物温度読み取り値を示す。しかしながら、図8Bは、読み取り値が、図示される例において、期待オフセット温度を著しく上回り、約34℃である、腹膜炎またはその発症を被り得るPD患者からの流出物温度読み取り値を示す。図8Aおよび8Bの期待オフセット例に関して、再度、温度読み取り値を評価することにおいて、上で説明される温度信号操作、例えば、複数の充填および排出にわたって平均および累積することをプログラムすることが想定される。
【0173】
図7A-8Bの例において、関連性がある制御ユニット22または212が、患者Pが腹膜炎またはその発症を被り得ることを決定する場合、一実施形態における制御ユニットは、ユーザインターフェース30および/または220がオーディオ、視覚、または視聴覚アラートをシステム10の循環装置20および/または浄水器210における患者および/または介護者に提供することを行わせる。一実施形態において、腹膜炎決定のための温度読み取り値を評価する制御ユニットが浄水器210の制御ユニット212である場合でさえ、それにもかかわらず、オーディオ、視覚、または視聴覚アラートが、浄水器210の制御ユニット212から循環装置20の制御ユニット22への有線または無線通信によって、循環装置20のユーザインターフェース30において提供され、アラート条件を通知する。このように、ユーザインターフェース30は、所与の治療および患者Pのための主要通信手段であり、ユーザインターフェース220は、浄水器関連情報を表示することを委託される。
【0174】
循環装置20のユーザインターフェース30において患者Pまたは介護者に提供されるアラートに加えて、またはおそらく代替として、制御ユニット22(またはおそらく制御ユニット212)は、ネットワーク100および1つ以上の介護者サーバコンピュータ102を介して動作し、医師または臨床医が、患者が腹膜炎を有する危険性、またはそれを発症する危険性があるかどうかを決定し得るように、例えば、継続的に、1つ以上の臨床医コンピュータ110a-110cにおける医師または臨床医が流出物温度データを受信および閲覧することを可能にする。データは、一実施形態において、患者のためのウェブサイトのダッシュボードを介して、臨床医コンピュータ110a-110c上に表示され、温度データは、上昇し、腹膜炎を示すとき、臨床医のためのフラグを伴って提示され得る。
【0175】
データが腹膜炎を示すかどうかにかかわらず、全治療後に患者Pに関する流出物温度データを送信することが想定される。この方法で、医師または臨床医は、患者に関する流出物温度のパターンまたはプロファイルを作成することができる。ウェブサイトが、例えば、ダッシュボードに加えて、要求に応じて表示される治療日に対してプロットされる流出物温度のグラフまたは傾向を作成することが想定される。一実施形態における傾向およびダッシュボードは、腹膜炎またはその発症を示し得る温度入力を指摘するか、またはそれにフラグを付ける。複数のフラグを付けられた腹膜炎日を閲覧する医師または臨床医は、したがって、妥当な確実性で患者が治療を必要とすることを決定することができる。
(腹膜炎に関するバイオMEMS感知)
【0176】
ここで図9および10を参照すると、第2の主要な実施形態において、バイオ微小電気機械システム(「バイオMEMS」)センサが、腹膜炎を検出するために使用される。バイオMEMSセンサは、腹膜炎のインジケータである流出流体内の患者からの白血球の存在を探すために使用される。図9は、一実装において、患者Pからの流出流体が、患者ライン50を介して、循環装置20の中に装填されるカセット42に圧送され、その後、カセット42から排出ライン56を介して浄水器210における排出管に圧送されることを図示する。排出ライン56は、一実施形態において、ラボオンチップ診断検出またはバイオMEMSデバイス170に接続される。しかしながら、図9の図示される実施形態において、流出流体が、特別なサンプルポート48およびサンプルライン158を介してラボオンチップ診断検出デバイス170に選択的に圧送される代替物が示される。サンプルポート48を使用することは、循環装置20の制御ユニット22が、所望の時間および/または周波数において患者Pからラボオンチップ診断検出デバイス170に所望の量の流出流体を選択的に送達することを可能にする。
【0177】
図9に図示されるように、ラボオンチップまたはバイオMEMSデバイス170は、コンテナ172を含み、サンプリングライン158は、コンテナ172まで延び、(例えば、圧縮継手、ねじ山付き継手、ルアー接続、ホース返し接続、およびそれらの組み合わせを介して)コンテナ172内に位置する入口ライン174に接続する。コンテナ172は、ステンレス鋼またはPVC等のプラスチック等の医学的に容認可能な金属またはポリマーから作製され得る。
【0178】
流出サンプルは、バイオMEMSデバイス170の入口ライン174に沿って、マイクロ流体チップ176上または内に形成されるマイクロ流体経路178まで進行する。種々の実施形態におけるマイクロ流体チップ176は、無機材料、ポリマー材料、または紙から作製される。種々の実施形態において、マイクロ流体チップ176は、シリコン、ガラス、ポリマー基板、複合材料、または紙から作製される。マイクロ流体経路178は、残りの流出流体から患者の白血球を分割するようにサイズを決定され、構成される。
【0179】
分割された白血球は、次いで、収集エリア180(種々の実施形態において、コンテナ172またはマイクロ流体チップ176と同一の材料から作製される)に送達され、それらは、圧電バイオセンサ182によって重量を計量され、または別様に定量化される。種々の実施形態における圧電センサ182は、圧電効果を使用し、変化を電荷に変換することによって、収集された白血球に起因する圧力、ひずみ、または力の変化を測定する。ある実施形態において、圧電バイオセンサ182は、白血球の堆積率の変化に比例する周波数で共振する。
【0180】
図示される実施形態において、バイオMEMSデバイス170は、バイオセンサ182からの共振の周波数を患者の流出サンプルから除去される白血球の量を表す定量化された量に変換するための電子機器、処理、およびメモリを有する制御ユニット184を含む。制御ユニット184は、ユーザインターフェース186も含み得、ユーザインターフェース186は、白血球の存在または非存在、したがって、腹膜炎またはその発症の存在または非存在を示すオーディオ、視覚、または視聴覚メッセージを患者または介護者に表示する。
【0181】
代替として、バイオMEMSデバイス170は、一実施形態において、白血球数量比例電圧を循環装置20の制御ユニット22に無線で送信される図9に図示されるような無線信号に変換するように構成される電子機器を含む。ここにおいて、ユーザインターフェース186は、必要とされず、循環装置20のユーザインターフェース30が、代わりに使用される。デバイス170のための処理およびメモリも、必要とされないこともある。
【0182】
図10の方法190は、上で説明される方法論を要約する。卵形192において、方法190が、開始する。ブロック194において、患者Pの流出排出物が、例えば、上で議論されるカセット42の別個のサンプルポート48およびサンプルライン158を介して、収集される。ブロック196において、白血球が、存在する場合、例えば、マイクロ流体チップ176を介して、患者の流出流体から分離される。ブロック198において、分離された白血球が、例えば、圧電バイオセンサ182を介して、重量を計量され、または別様に定量化される。ブロック200において、白血球重量が、例えば、圧電バイオセンサ182を介して、電気信号に変換される。ブロック202において、電気信号が、収集された白血球の量が腹膜炎またはその発症を示すかどうかを決定するために、(循環装置20の)制御ユニット22または、(バイオMEMSデバイス170の)制御ユニット184によって使用され得る形態に変換される。それを下回ると腹膜炎が存在すると推定されない白血球の量が、存在し得る。ブロック204において、白血球分析の結果が、(循環装置20の)ユーザインターフェース30または、(バイオMEMSデバイス170の)ユーザインターフェース186において表示され、患者または介護者は、必要な場合、警告される。卵形206において、方法206が、終了する。
【0183】
ネットワーク100、1つ以上の介護者サーバコンピュータ102、および1つ以上の臨床医コンピュータ110a-110cは、図9に図示されないが、それらは、依然として、存在し得る。そして、ユーザインターフェース30またはユーザインターフェース186において患者Pまたは介護者に提供されるアラートに加えて、またはおそらく代替として、制御ユニット22は、ネットワーク100および1つ以上の介護者サーバコンピュータ102を介して動作し、医師または臨床医が、患者が腹膜炎を有する、またはそれを発症する危険性があるかどうかを決定し得るように、例えば、継続的に、1つ以上の臨床医コンピュータ110a-110cにおける医師または臨床医が流出白血球収集データを受信および閲覧することを可能にする。データは、一実施形態において、患者のためのウェブサイトのダッシュボードを介して、臨床医コンピュータ110a-110c上に表示され、流出白血球収集データは、上昇し、腹膜炎を示すとき、臨床医のためのフラグを伴って提示され得る。
【0184】
データが腹膜炎を示すかどうかにかかわらず、全治療後に患者Pに関する流出白血球収集データを送信することが想定される。このように、医師または臨床医は、患者に関する流出白血球収集データのパターンまたはプロファイルを作成することができる。また、ウェブサイトが、例えば、ダッシュボードに加えて、要求に応じて表示される、治療日に対してプロットされる流出白血球収集量のグラフまたは傾向を作成することも想定される。一実施形態における傾向およびダッシュボードは、腹膜炎またはその発症を示し得る白血球入力を指摘する、またはそれにフラグを付ける。複数のフラグを付けられた腹膜炎日を閲覧する医師または臨床医は、したがって、妥当な確実性で患者が治療を必要とすることを決定することができる。第2の主要な実施形態の白血球収集データは、第1の主要な実施形態の流出物温度データの代替として、またはそれに加えて、表示され得る。白血球収集データおよび流出物温度データの両方を提供することは、医師または臨床医が、患者のための医学的決定を行うために、複数の腹膜炎インジケータを閲覧および分析することを可能にする。
【0185】
代替実施形態において、バイオMEMSデバイス170が、代わりに、サンプルラインを介して患者ライン50内に位置し、患者Pから戻る流出物を分析するために使用される。このように、バイオMEMSデバイスは、加えて、所望される場合、患者に送達される新鮮透析液を感知するために使用され得る。または、制御ユニット20は、カセット42のサンプルポート48およびサンプルライン158を介して、新鮮透析液をバイオMEMSデバイス170の中に周期的に送り、新鮮透析液の所望の性質をサンプリングするようにプログラムされ得る。
(腹膜炎に関するインピーダンス監視)
【0186】
ここで図11-13を参照すると、第3の主要な実施形態において、インピーダンスモニタが、腹膜炎を検出するために使用される。インピーダンスモニタは、再度、腹膜炎のインジケータである流出流体内の患者からの白血球の存在を探すために使用される。種々の実装において、インピーダンスモニタは、患者の流出流体が感知され得るいずれかの場所に、例えば、患者の留置カテーテル内に、患者ライン内に、または排出ライン内のいずれかの場所に設置され得る。これらの場所のうちのいずれかにおいて、カテーテルまたはラインは、例えば、温度感知のための上で議論される方法のうちの任意のもので電極を装備するが、ここにおいて、インピーダンス検出のために流出透析液と連通して導電性接点を設置するという目標を伴う。
【0187】
図11は、複数の場所に設置されたインピーダンスモニタ230を図示する。第1の場所において、インピーダンスモニタ230は、患者Pの留置カテーテル55に沿って設置され、留置カテーテル55は、患者移送セット54に接続され、患者ライン50と流体連通する。第2の場所(図示せず)において、インピーダンスモニタ230は、患者ライン50に沿って設置される。第3の場所(図示せず)において、インピーダンスモニタ230は、循環装置20内に固定され、使い捨てカセット42または使い捨てカセット42から延びているライン(患者ラインまたは排出ライン)とともに動作するように位置する。第5の場所において、インピーダンスモニタ230は、循環装置20と浄水器210との間の排出ライン56に沿って位置する。第6の場所において、インピーダンスモニタ230は、浄水器内に固定され、浄水器内に延びている排出ラインに沿って位置する。上記の場所のうちのいずれかにおいて、インピーダンスモニタ230は、流出流体を感知し、腹膜炎を検出することができる。
【0188】
図12および13は、インピーダンスモニタ230に関する一実施形態を図示する。図12は、一実施形態において、円筒電極240および244が、患者ライン50、患者の留置カテーテル55、または排出ライン56内に取り付けられることを図示する。図示される実施形態における円筒電極240および244は、ライン50、56またはカテーテル55の内径よりわずかに大きい外径を有する管状セグメントまたは区分であり、それによって、電極240および244は、ライン50、56またはカテーテル55内の所望の場所において圧入される。電極240および244は、ステンレス鋼、チタン、およびそれらの組み合わせおよび合金等の導電性かつ医学的に安全な材料から作製される。図示される実施形態における電極240および244の各々は、それぞれ、メス型ポートまたはソケット242および246を含み、それは、ポートから延びている導線を受け取り、保持するように構成される。
【0189】
図13は、一実施形態におけるメス型ポートまたはソケット242および246が、ラインまたはカテーテル壁がメス型ポートまたはソケット242および246の周囲でシールするような方法で、ライン50、56またはカテーテル55を通して延びていることを図示する。図12は、代替として、ライン50、56またはカテーテル55の外側と少なくとも実質的に同一平面であるように延びているポートまたはソケットを図示する。いずれの実施形態においても、ポートまたはソケット242および246の外径は、ライン50、56またはカテーテル55内に生成される穴より大きく、それによって、管またはカテーテル材料が、ポートの周囲で引き伸ばされ、それにシールさせられる。さらなる代替実施形態(図示せず)において、ポートまたはソケット242および246は、円筒電極240および244から外向きに延びず、導線が、代わりに、ライン50、56またはカテーテル55を貫通させられる。ここにおいて、ライン50、56またはカテーテル55は、定位置に導線を保持することに役立つ。
【0190】
図13は、導電性導線248aおよび248bが、それぞれ、ポートまたはソケット242および246から延びていることを図示する。図3-4Bの温度感知コネクタと同様、一実施形態におけるインピーダンスモニタ230の伝導性導線248aおよび248bは、循環装置20の制御ユニット22(または浄水器210の制御ユニット212)まで延び、制御ユニットの電子機器および処理は、下で議論される信号発生および処理が実施されるようにする。代替実施形態(鎖線によって示される)において、導線248aおよび248bは、インピーダンスモニタ230の筐体232の外側に沿って位置する無線モジュール132から電力を受け取り、および/または、発生させられた電圧をそれに搬送する。無線モジュール132は、再度、長持ちするリチウムバッテリ等のバッテリ134によって給電され、電圧を無線信号に変換するように、および、逆も同様であるように構成される電子機器を含み、無線信号は、一実施形態における循環装置20の制御ユニット22に無線で通信される。
【0191】
筐体232は、クラムシェル半体234および236を有し得、それらは、図4Aおよび4Bに関して議論される一体型ヒンジに沿って一緒にヒンジで取り付けられている。筐体232は、図示される実施形態において、患者ライン50、カテーテル55、または排出ライン56の上に嵌りを形成するようにサイズを決定される。筐体232は、代替として、図3の温度感知コネクタ120と同一である様式で、または類似する様式で、患者ライン50、カテーテル55、または排出ライン56の2つのセグメントの間に接合される。上記の実施形態のうちのいずれかにおける筐体232は、医療グレードプラスチック等の任意の好適な材料から作製される。
【0192】
インピーダンスモニタを制御する(循環装置20の)制御ユニット22または、(浄水器210の)制御ユニット212は、一実施形態において、電気周波数掃引が流出流体内で発生させられるようにする。制御ユニットは、規定掃引率において開始周波数から停止周波数まで移動する周波数掃引発生器を含むか、またはそれとともに動作し得る。線形または対数間隔で、周波数を上または下に掃引することが想定される。正弦、方形、パルス、傾斜、三角形、または恣意的波形を掃引するように制御ユニットをプログラムすることも想定される。保持時間(その時間中、掃引は、停止周波数に留まる)、および、帰還時間(その時間中、周波数は、停止周波数から開始周波数に直線的に変化する)を規定することがさらに想定される。
【0193】
インピーダンスモニタ230が、掃引の周波数を通して進むにつれて、留置カテーテル内の流出流体の結果として生じるインピーダンスが、各異なる周波数において測定される。流出流体のインピーダンスは、差異が生じるかどうかを決定するために、新鮮透析液のそれらと比較され得る。一実施形態におけるインピーダンス分光法(または複雑なインピーダンスを取得すること)は、流出流体の内容物についての追加の詳細を提供する。例えば、フィブリンの電気的特性(正常、腹膜炎を示さない)は、白血球の電気的特性(腹膜炎を示す)から変動し得る。(循環装置20の)制御ユニット22または、(浄水器210の)制御ユニット212が、流出流体内に存在し得る異なる物質の電気的特性を学習すると、その特性は、制御ユニットの中にプログラムされ、その後、何かが流出透析液流に混入した場合にどうなるかを決定するために使用され得る。
【0194】
図14Aおよび14Bは、正常な患者流出物、白血球を有する(腹膜炎を示す)患者流出物、およびフィブリン等の他の粒子状物質を有する患者流出物に関して、オーム(Ω)で測定されるインピーダンス(Z)の例示的プロットを図示する。図14Aは、(コマンド上で)連続的または離散的であり得る経時的なインピーダンス測定を示す。例示的な時間ベースの出力は、例えば、患者の腹膜透析治療の滞留段階の経過にわたって、(A)正常な流出物インピーダンス(連続線のみ)、および、(C)増加したフィブリン含有量を伴う流出物(鎖線)の連続データを示す。図示される例において、正常なフィブリンを伴う流出物(A)、および、増加したフィブリンを伴う流出物(C)に関する経時的なインピーダンスに関するプロットは、一緒に開始するが、次いで、増加したフィブリンを伴う流出物に関するインピーダンスは、正常なフィブリンを伴う流出物のそれをかなり上回って上昇する。腹膜炎の発現に関する曲線は、図14Bで確認される正常なフィブリンを伴う流出物の線(A)と、増加したフィブリンを伴う流出物の線(C)との間で、(B)とマークされたエリア内に延びている線によって表されるであろうことが予期される。図14Bは、患者の滞留段階が進むにつれて、正常なフィブリンを伴う流出物と増加したフィブリンを伴う流出物との間の明確な差異が現れることを示す。
【0195】
図14Bは、図14Aの時間ベースのプロットに図示される曲線に対応するインピーダンススペクトログラムを図示する。例示的な周波数ベースの出力は、(a)正常な流出物インピーダンス(連続線のみ)、(b)抗生物質によって消散される腹膜炎の発現(ボックスを伴う連続線)、および(c)増加したフィブリン含有量を伴う流出物(鎖線)のデータの連続データを示し、左フレーム内で強調表示される点におけるデータ。スペクトログラム(a)-(c)は、一例において、10Hz~10Hzの周波数範囲をカバーする。
【0196】
図14Bの例示的な周波数ベースの出力は、白血球を伴う流出物(b)と正常な流出物(a)との間のインピーダンス差が他の周波数より際立って異なる1つ以上の周波数範囲がある可能性が高いことを図示する。図14Bにおいて、2つのそのような周波数範囲が、fとfとの間、およびfとfとの間に存在する。複数の際立って異なる周波数範囲を有することは、制御ユニット22または212が、範囲のうちの一方の結果を他方のそれに対してクロスチェックすることを可能にする。両方または全ての周波数範囲が、腹膜炎を示す場合、制御ユニット22または212(または臨床医コンピュータ110a-110c)は、患者が腹膜炎を有すること、または被り始めていることの決定をユーザインターフェース30、ユーザインターフェース220に、および/またはネットワーク100および介護者サーバコンピュータ102を介して臨床医コンピュータ110a-110cに出力する。別の実施形態において、制御ユニット22または212は、インピーダンス曲線(b)の下の面積を積分し、それをインピーダンス曲線(a)の下の面積の積分と比較し、腹膜炎またはその発症を決定する。
【0197】
一実施形態において、正常な流出物に関する曲線(a)が、複数の患者への検査を介して経験的に決定され、次いで、周波数掃引範囲にわたる標準化されたインピーダンス値を開発するために平均される。ある実施形態における標準化された値は、インピーダンスが開始グルコースレベルに基づいて変動し得るので、評判がよく最も頻繁に使用されているグルコースレベル腹膜透析液の各々に関して決定される。標準化されたインピーダンス値は、異なる滞留時間、異なる流出物温度、および他の因子を考慮する範囲として提供され得る。
【0198】
別の実施形態において、正常な流出物に関する曲線(a)が、システム10および循環装置20を使用して、ここでは特定の患者に関して、再度、経験的に決定される。インピーダンスデータが、複数の治療にわたって、または全ての治療に関して得られる。正常な流出物インピーダンス平均が、形成され、それは、経時的に移動またはシフトし得るローリング平均であり得る。腹膜炎流出物に関する曲線(b)は、一実施形態において、関連性がある周波数範囲内であるまたは積分を介して平均されたインピーダンスが患者特有の曲線(a)よりある事前決定された割合高いとき、存在することが決定される。
【0199】
増加したフィブリン含有量曲線(c)に関して、図14Bは、腹膜炎を示す白血球を有する流出物のインピーダンス(b)が、増加したフィブリンを有する流出物のインピーダンス(c)よりかなり高い1つ以上の特定の周波数範囲が、ここにおいて、fとfとの間に存在することを図示する。したがって、図14Bにおいて、周波数範囲fとfとの間の増加したインピーダンスが、腹膜炎を示す白血球を有する流出物(b)または増加したフィブリンを有する流出物(c)のいずれかに起因し得るので、最も重要な範囲は、周波数範囲fとfとの間にあると言え得る。
【0200】
代替として、または加えて、制御ユニット22または212(または臨床医コンピュータ110a-110c)が周波数範囲にわたってインピーダンス曲線の形状に注目することが想定される。形状が曲線(a)に最も近い場合、制御ユニット22または212(または臨床医コンピュータ110a-110c)は、患者流出物が正常であることを決定する。形状が曲線(b)に最も近い場合、制御ユニット22または212(または臨床医コンピュータ110a-110c)は、患者流出物が腹膜炎またはその発症の兆候を示すことを決定する。形状が曲線(c)に最も近い場合、制御ユニット22または212(または臨床医コンピュータ110a-110c)は、患者流出物が増加したフィブリンレベルを有することを決定する。
【0201】
インピーダンスモニタ230が循環装置20または浄水器210から遠隔に位置する任意の実施形態において、インピーダンスモニタは、調査のために有線または無線様式で測定された信号を循環装置に送信し得る。上で述べられるようなインピーダンスモニタ230は、周波数掃引を流出流体の中に放射する能力を有し、したがって、(無線実施形態では)バッテリ134を介して、または電力ワイヤを介して循環装置もしく浄水器からのいずれかで、電力を受け取り得る。
【0202】
上で議論されるように、代替実施形態において、インピーダンスモニタ230は、循環装置20または浄水器210内に位置する。そのような場合、インピーダンスモニタ230は、電力ワイヤを介して循環装置または浄水器から電力を受け取ることによって、周波数掃引を流出流体の中に放射する。上で述べられるように、インピーダンスモニタ230は、循環装置20の中に装填される使い捨てカセット42とともに動作し得る。ここにおいて、インピーダンスモニタ230は、1つ以上の場所で使い捨てカセットシートを保持する剛体壁を通して延び得る。
【0203】
制御ユニット22または212は、一実施形態において、腹膜炎を示す白血球が検出される場合、循環装置20のユーザインターフェース30において患者または介護者に警告するようにプログラムされる。一実施形態において、白血球に関するインピーダンス掃引読み取り値を評価する制御ユニットが、浄水器210の制御ユニット212である場合でさえも、それにもかかわらず、オーディオ、視覚、または視聴覚アラートが、浄水器210の制御ユニット212から循環装置20の制御ユニット22への有線または無線通信によって、循環装置20のユーザインターフェース30において提供され、アラート条件を通知する。このように、ユーザインターフェース30は、所与の治療および患者Pのための主要通信手段であり、ユーザインターフェース220は、浄水器関連情報を表示することを委託される。
【0204】
ユーザインターフェース30において患者Pまたは介護者に提供されるアラートに加えて、またはおそらく代替として、制御ユニット22は、ネットワーク100および1つ以上の介護者サーバコンピュータ102を介して動作し、医師または臨床医が、患者が腹膜炎を有するか、またはそれを発症する危険性があるかどうかを決定し得るように、例えば、継続的に、1つ以上の臨床医コンピュータ110a-110cにおける医師または臨床医がインピーダンス取得流出白血球データを受信および閲覧することを可能にする。データは、一実施形態において、患者のためのウェブサイトのダッシュボードを介して、臨床医コンピュータ110a-110c上に表示され、流出白血球収集データは、上昇し、腹膜炎を示すとき、臨床医のためのフラグを伴って提示され得る。
【0205】
データが腹膜炎を示すかどうかにかかわらず、全治療後に患者Pに関するインピーダンス取得流出白血球データを送信することが想定される。この方法で、医師または臨床医は、患者に関する流出白血球データのパターンまたはプロファイルを作成することができる。ウェブサイトが、例えば、ダッシュボードに加えて、要求に応じて表示される治療日に対してプロットされる流出白血球量のグラフまたは傾向を作成することも想定される。一実施形態における傾向およびダッシュボードは、腹膜炎またはその発症を示し得る白血球入力を指摘し、またはそれにフラグを付ける。複数のフラグを付けられた腹膜炎日を閲覧する医師または臨床医は、したがって、妥当な確実性で患者が治療を必要とすることを決定することができる。第3の主要な実施形態の白血球データは、第2の主要な実施形態の白血球収集データおよび/または第1の主要な実施形態の流出物温度データの代替として、またはそれに加えて、表示され得る。白血球データ実施形態および流出物温度データの両方を提供することは、医師または臨床医が、患者のための医学的決定を行うために、複数の腹膜炎インジケータを閲覧および分析することを可能にする。
(糖尿病患者のためのグルコース制御)
【0206】
ここで図15-20Bを参照すると、第4の主要な実施形態において、システム10は、患者Pに提供されるインスリンの量を治療中に患者に送達されるグルコースの量と合致させること、または合致させることに役立つMEMS親和性グルコースセンサ250を提供する。図14は、グルコース濃縮物84a、緩衝剤濃縮物84b、または浄水器210からの精製水を使用し、アキュムレータ66内に貯蔵されるPD液をオンラインで、または使用地点において作製する(図1、9、11、および15に示される)代わりに、コンテナまたはバッグ94aおよび94b内の、事前調製されたPD液を使用するシステム10のバージョンを図示する。しかしながら、いずれのバージョンにおいても、患者Pは、PD液からグルコースを受け取る。すなわち、コンテナまたはバッグ94aおよび94b内の事前調製されたPD液は、医師または臨床医によって処方されるレベルにあるグルコースを含む。本明細書に議論される主要な実施形態のうちのいずれかが、図14に図示されるシステム10の事前調製されたPD液バージョンを使用して、代わりに提供され得ることを理解されたい。
【0207】
図15は、1つの事前調製されたPD液の実施形態において、インスリンコンテナまたはバッグ90が、使用地点例ではアキュムレータ66に接続されるカセット42のポートに接続されることを図示する。MEMS親和性グルコースセンサ250が、排出バッグ96の上流で排出ライン56内に提供される。MEMS親和性グルコースセンサ250は、排出ライン56を介して患者Pから退出する流出透析液のグルコースレベルを測定する。
【0208】
図16は、一実施形態において、MEMS親和性グルコースセンサ250が、コンテナ252を含むことを図示し、コンテナ252の中にサンプリングライン254が延びており、サンプリングライン254は、排出ライン56から延びているか、または分岐し得る。MEMS親和性グルコースセンサ250のコンテナ252に進入する流出サンプルは、最初に、流出流体からグルコース分子を分割するマイクロ流体経路256に遭遇する。グルコース分子は、次いで、図示される実施形態において、圧電バイオセンサ258を使用して重量を計量される。圧電バイオセンサ258は、グルコース分子の堆積率の変化に比例する周波数で共振するカンチレバー260を含む。共振周波数と流出流体内で見出されるグルコースとの間の関係が、図18に関連して下で図示される。第nのPDサイクルの終わりに吸収されるグルコースが、下で議論されるAに関する式を使用して、計算される。第nのPDサイクルにおいて吸収されたグルコースを補償するために、後続のn+1 PDサイクル中のインスリン投与量の投与が、下で議論されるIn+1に関する式を使用して、計算される。
【0209】
MEMS親和性グルコースセンサ250は、一実施形態において、圧電バイオセンサ258からの未加工信号を処理し、PD溶液とともに調製すべきインスリンの適切な濃度に関して決定を行うための電子機器および処理を含む。MEMS親和性グルコースセンサ250は、適切なインスリンレベルが決定されていることを治療中に存在する患者または介護者に示すためのユーザインターフェースも含み得る。代替実施形態において、(i)圧電バイオセンサ258からの未加工信号を処理するための電子機器および処理、または、(ii)患者または介護者通信のためのユーザインターフェースのいずれか一方または両方が、循環装置20の制御ユニットまたは循環装置とともに動作可能な浄水器210によって、代わりに提供される。
【0210】
図15のMEMS親和性グルコースセンサ250は、デバイス250の筐体の外側に沿って位置する無線モジュール132を含む。本明細書に議論されるような無線モジュール132は、長持ちするリチウムバッテリ等のバッテリ134によって給電され、一実施形態において、測定された患者流出グルコースレベルを循環装置20の制御ユニット22に無線で送信される無線信号に変換するように構成される電子機器を含む。循環装置20の制御ユニット22は、グルコースレベル無線信号を処理し、次の患者PD充填のために加熱器バッグ62に送達すべきインスリンコンテナまたはバッグ90からのインスリンの量を決定する。患者Pは、時として、現在の治療を開始するときに前の治療からの流体で満たされていることに留意されたい。
【0211】
送達すべきインスリンの量は、所望のインスリン濃度に基づき、所望のインスリン濃度は、センサ250を介して感知されるグルコースの量と互いに関係があり、制御ユニット22に送信される。所望のインスリン濃度、および加熱器バッグ62に送達されるべきコンテナまたはバッグ92aまたは92bのうちの1つからの新鮮な事前調製されたPD液の量を把握して、コンテナまたはバッグ90から加熱器バッグ62に送達すべきインスリンの量が、決定され、次いで、使い捨てカセット42の流体ポンプチャンバ44を介して加熱器バッグ62に圧送される。代替実施形態において、インスリンの量は、代わりに、インスリンコンテナまたはバッグ90から、使い捨てカセット42の流体ポンプチャンバ44を介して、または別個のポンプ(図示せず)を介して、事前調製されたPD液コンテナまたはバッグ92aまたは92bに圧送される。インスリンポートが、インスリンを受け取るために、事前調製されたPD液コンテナまたはバッグ92aおよび92b上に提供され得る。
【0212】
図15は、一実施形態において、MEMS親和性グルコースセンサ250を使用するシステム10が、例えば、患者Pの指に適用されるグルコースセンサ262も含むことも図示する。そのようなグルコースセンサは、皮刺または非皮刺形態のいずれかで、当技術分野で公知である。図示される実施形態において、グルコースセンサ262は、グルコース読み取り値を制御ユニット22、制御ユニット212、またはMEMS親和性グルコースセンサ250に無線で出力する。グルコースセンサ262と、制御ユニット22、制御ユニット212、またはMEMS親和性グルコースセンサ250との間の有線通信も、可能である。治療の開始時のグルコースセンサ262からの読み取り値が、下で議論される一実施形態において、次のPD充填サイクルで注射すべきインスリンの量を決定するために使用される。グルコースセンサ262からの読み取り値は、本開示のグルコースフィードバックおよびインスリン注射を使用して、患者Pの血糖レベルが安全帯内に留まっていることを確認するために、治療の終わりに使用され得る。全てのそのような情報も、ネットワーク100および1つ以上の介護者サーバコンピュータ102を介して、臨床医コンピュータ110a-110cに送信され得る。
【0213】
図17の使用地点調製バージョンにおけるMEMS親和性グルコースセンサ250は、図示される実施形態において、浄水器210内に位置し、浄水器の制御ユニット212に電気的に出力し、したがって、センサ250の筐体の外側に沿って位置する無線モジュール132を必要としない。浄水器210の制御ユニット212は、MEMS親和性グルコースセンサ250からのグルコースレベル信号を処理し、循環装置20が次の患者PD充填のために加熱器/混合バッグ62に送達すべきインスリンコンテナまたはバッグ90からのインスリンの量を決定する。患者Pは、典型的に、現在の治療を開始するとき、前の治療からの流体で満たされていることに留意されたい。送達すべきインスリンの量は、所望のインスリン濃度に基づき、所望のインスリン濃度は、再度、デバイスを介して感知されるグルコースの量に互いに関係し、制御ユニット22に送信される。所望のインスリン濃度、およびオンラインで混合され、加熱器/混合バッグ62に送達されるべき新鮮な事前調製されたPD液の量を把握して、コンテナまたはバッグ90から加熱器/混合バッグ62に送達すべきインスリンの量が、決定され、次いで、使い捨てカセット42の流体ポンプチャンバ44を介して加熱器/混合バッグ62に圧送される。一実施形態において、浄水器の制御ユニット212が、圧送すべきインスリンの量を決定し、その量を循環装置20の制御ユニット22に有線または無線で送信し、制御ユニット22は、その量を使用し、所望の量のインスリンを圧送するように使い捨てカセット42のポンプチャンバ44にコマンドする。別の実施形態において、制御ユニット212は、グルコース信号をバイオMEMSグルコース測定デバイス250から制御ユニット22に有線または無線で中継し、制御ユニット22は、圧送すべきインスリンの量を決定し、その量を使用し、所望の量のインスリンを圧送するように使い捨てカセット42のポンプチャンバ44にコマンドする。
【0214】
制御ユニット22は、ネットワーク100および1つ以上の介護者サーバコンピュータ102を介して動作し、臨床医が、インスリンが適切に送達されていることを確認し得るように、例えば、治療毎に、1つ以上の臨床医コンピュータ110a-110cにおける医師または臨床医が、インスリン使用データを閲覧することを可能にする。データは、一実施形態において、患者のためのウェブサイトのダッシュボード上に表示され、インスリン体積および濃度が、閲覧され得る。第4の主要な実施形態のデータは、データの所望の組み合わせを提供するように、第1、第2、および/または第3の主要な実施形態のデータと組み合わせて、患者Pのための医師または臨床医ウェブサイト上に表示され得る。図17は、一実施形態において、MEMS親和性グルコースセンサ250を使用するシステム10が、上で説明されるように提供および使用されるグルコースセンサ262も含むことも図示する。
【0215】
ここで図18を参照すると、方法290は、上で説明される閉ループインスリン送達に関する一実施形態を要約する。卵形292において、方法290が、開始する。ブロック294において、循環装置20が、使い捨てカセット42を作動させ、(i)インスリンバッグまたはコンテナ90からのインスリンの計算された用量とともに、加熱器バッグ62(事前調製された)または加熱器/混合バッグ62(使用地点)から新鮮透析液(事前調製された、または使用地点において作製された)を引き込み、(ii)加熱された新鮮透析およびインスリン用量流体を患者Pに押し込む。ブロック296において、透析液が、医師/臨床医が処方した時間量にわたって患者Pの腹膜内に滞留することを可能にされる。ブロック298において、循環装置20が、使い捨てカセット42を作動させ、患者Pの腹膜から、患者ライン50を通して、使い捨てカセット42の中へ、かつ使い捨てカセット42から、排出ライン56の中へ、排出バッグ96(図14)または浄水器210における排出管216(図15)まで、使用済み透析液または流出物を引き込む。MEMS親和性グルコースセンサ250は、図14および15に図示されるように、排出ラインに沿ったある場所に位置する。ブロック300において、MEMS親和性グルコースセンサ250が、患者の吸収されたグルコース量またはグルコース濃度に関して流出PD液を監視する。ブロック302において、MEMS親和性グルコースセンサ250、または循環装置20の制御ユニット22、または浄水器210の制御ユニット212が、患者Pによって吸収されたグルコース量または濃度に基づいて、インスリン投与量を計算する。ある実施形態において、循環装置20の制御ユニット22が、インスリン投与量を計算しない場合、計算された投与量が、循環装置20の制御ユニット22に送信される。
【0216】
菱形304において、現在の治療における別のサイクルが存在する場合、方法290は、ブロック294に戻り、循環装置20の制御ユニット22は、吸収されたグルコースの新たに監視された量または濃度に基づくインスリンの新たに計算された用量を使用して、次の患者充填を提供する。菱形304において、現在の治療における別のサイクルが存在しない場合、方法290は、ブロック306に移動し、次の治療の第1の充填のために、吸収されたグルコースの新たに監視された量または濃度に基づくインスリンの新たに計算された用量を保存する。卵形308において、方法290が、終了する。
【0217】
方法290は、患者が1日を通して次の治療まで(おそらく日中の交換を伴って)保持する新鮮PD液の「最後の充填」を提供しないPD治療に適用されることを理解されたい。すなわち、患者Pは、治療を空にして残す。「最後の充填」が提供されるとき、開始の卵形292の後の方法290は、代わりに、患者から「最後の充填」流出流体を排出するための排出ブロック298に、次いで、監視ブロック300に、次いで、計算ブロック302に、次いで、インスリン用量ブロック294を用いた新鮮流体の充填に進む。決定菱形が、代わりに、インスリン用量ブロック294を用いた新鮮流体の充填後に提供され、決定は、別の患者排出が存在するかどうかである。該当する場合、修正された方法は、滞留ブロック296に進み、ブロック298、300、302、および294を通して戻る。追加の患者排出が存在しないとき、修正された方法は、卵形308において終了する。次の治療の第1のステップが、患者Pから排出することであるので、「最後の充填」方法において、インスリン投与量保存ブロック306の必要性がない。
【0218】
図19は、流出流体における吸収されたグルコースとバイオセンサ258のカンチレバー260から共振する周波数との間の1つの例示的関係を図示する。例示的プロットにおいて、吸収されたグルコースを有していない流出流体(連続線)が、約0.66の周波数比において共振し、およそ、(i)約0.8の周波数比において共振するグルコース濃度X1mg/dLで吸収された流出流体(ボックスを伴う連続線)の2倍大きく、(ii)約1.0の周波数比において共振するグルコース濃度X2mg/dL(鎖線)で吸収された流出流体より3分の2大きい、出力振幅をもたらす。図18は、MEMS親和性グルコースセンサ250のバイオセンサ258が、流出流体に存在する異なるグルコース濃度を区別することに効果的であることを図示する。
【0219】
一実施形態において、MEMS親和性グルコースセンサ250、制御ユニット22、または制御ユニット212は、患者Pに送達される新鮮透析液の最初のグルコース濃度から、流出流体に存在するグルコース濃度を減算する。制御ユニットは、以下のような関数において、第nのPDサイクル(P)の終わりに患者によって吸収されたグルコースの量を決定するようにプログラムされる。
=f(V,μ,(Don-Din))
式中、
n=サイクル番号、
=第nサイクルに関して送達されるPD液の体積、
μ=グルコース吸収係数(経験的に決定される定数)、
on=MEMS親和性グルコースセンサ250によって測定されるような第nサイクルに関する流出物のグルコース濃度
in=第nサイクルに関するPD液の最初のグルコース濃度(PD液は、0.55%、1.5%、2.5%、および4.25%等の標準濃度で提供される)
である。
【0220】
第nサイクル(P)の終わりに患者によって吸収されたグルコースの量に基づいて、以降のサイクルにおいて患者に提供すべきインスリンの量は、一実施形態において、以下のような関数において決定される。
n+1=f(G,P,α,β,t)
式中、
=一実施形態ではグルコースセンサ262から取得される療法の開始前の初期血液グルコースレベルであり、
は、上で議論されるように計算され、
αおよびβは、インスリン吸収係数(経験的に決定される定数)であり、
t=時間である。
【0221】
図20Aおよび20Bは、MEMS親和性グルコースセンサ250を有する図15-18のシステム10のグルコースフィードバックおよびインスリン注射を使用して、グルコースレベル(mg/dL)が、制御されていないとき、上限閾値を超えるが、制御されたとき、医師または臨床医が処方した限界内に存在し得る様子をグラフで図示する。図20Aに図示されるように、患者P内のグルコースレベル(mg/dL)は、各滞留期間を経て着実に上昇し、第2の滞留において上限閾値を超える。しかしながら、図20Bにおいて、患者P内のグルコースレベル(mg/dL)は、MEMS親和性グルコースセンサ250、制御ユニット22、または制御ユニット212の中にプログラムされた上で議論される関数に従って、滞留期間中に上昇するが、次いで、インスリンが注射されている間に後続の充填段階中に降下する。
【0222】
本明細書に説明される本願の好ましい実施形態に対する種々の変更および修正が、当業者に明白であろうことを理解されたい。そのような変更および修正は、本願の主題の精神および範囲から逸脱することなく、かつその意図された利点を軽減することなく、行われることができる。したがって、そのような変更および修正は、添付される請求項によって対象とされることが意図される。例えば、4つの主要な実施形態が、循環装置20を使用する自動腹膜透析システムに関連して説明されたが、実施形態は、手動PDまたは持続的携帯型腹膜透析(「CAPD」)とともに使用され得ることも想定される。白血球およびグルコース分子に関するMEMSバイオセンシングが、種々の振動周波数に関連して議論されたが、限定ではないが、マイクロ流体チャネル内の静電容量の変化を含む電圧、または光およびその周波数の変化等の感知された出力性質を提供するために、トランスデューサで使用され得る他の性質を検出することも想定される。さらに、インピーダンスモニタ230が、患者Pの留置カテーテル55を具備するとして図示および説明されるが、4つの主要な実施形態のうちのいずれかが留置カテーテルを伴って実装されることが想定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図14
図15
図16
図17
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図19
図20