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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008360
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】照明装置及び器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/02 20060101AFI20240112BHJP
   F21V 17/00 20060101ALI20240112BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240112BHJP
【FI】
F21S8/02 400
F21V17/00 154
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022110169
(22)【出願日】2022-07-08
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】大屋 智嗣
【テーマコード(参考)】
3K011
【Fターム(参考)】
3K011AA03
3K011BA02
3K011BA09
3K011GA02
(57)【要約】
【課題】灯具のカバーと器具とが接触することによって生じる異音の発生を抑制することができる、照明装置及び器具を提供する。
【解決手段】照明装置は、照射対象領域に光を照射する灯具と、造営部に取り付けられ、灯具が装着される収容部を有する器具と、を備えている。灯具は、台座と、台座に設置され、光を発光する光源部と、光源部を覆うように台座に取り付けられるカバーと、を有し、照射対象領域側に向かってカバーの一部が収容部から露出した状態で器具に取り付けられている。そして、灯具が器具に装着された状態において、収容部に配置され、収容部から露出した部分のカバーと器具とが接触しないように、収容部に装着された灯具の位置を決める位置決め機構を有している。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照射対象領域に光を照射する灯具と、
造営部に取り付けられ、前記灯具が装着される収容部を有する器具と、を備え、
前記灯具は、台座と、前記台座に設置され、光を発光する光源部と、前記光源部を覆うように前記台座に取り付けられるカバーと、を有し、照射対象領域側に向かって前記カバーの一部が前記収容部から露出した状態で前記器具に取り付けられており、
前記灯具が前記器具に装着された状態において、前記収容部に配置され、前記収容部から露出した部分の前記カバーと前記器具とが接触しないように、前記収容部に装着された前記灯具の位置を決める位置決め機構を有している、照明装置。
【請求項2】
前記カバーは、長尺で凹状のカバー本体部と、前記カバー本体部の長手方向の両端面に配置されたカバー端部と、を有しており、
前記器具は、前記収容部を有する長尺の器具本体部と、前記器具本体部の長手方向の両端面に配置された器具端部と、を有しており、
前記位置決め機構は、前記カバー端部と前記器具端部とが接触しないように、前記収容部に装着された前記灯具の位置を決める構成である、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記器具は、前記収容部に配置される灯具規制具を有し、
前記位置決め機構は、前記灯具規制具の一部に形成された凸状部であり、前記灯具の構成部材の一部に当接することにより、前記収容部に装着された前記灯具の位置を決める構成である、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記灯具規制具は、板状の規制具基部と、前記規制具基部から前記灯具に向かって延びる一対の板状の規制具側部と、で凹状に形成された構成とされ、
前記位置決め機構は、一対の前記規制具側部に形成されている、請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記器具は、前記収容部の外面に固定されて前記造営部に取り付けられる設置具と、前記収容部の内部に移動自在に取り付けられた閉塞具と、を有し、
前記収容部には、前記設置具を取り付けるための固定具を通す設置具用取付孔が、前記設置具を取り付ける複数の領域ごとに形成されており、
前記設置具は、前記設置具用取付孔が形成された複数の前記領域のうち少なくとも1か所において固定されており、
前記閉塞具は、前記設置具が取り付けられていない未使用の前記設置具用取付孔を塞ぐ構成とされており、
前記位置決め機構は、前記閉塞具に形成された凸状部であり、前記灯具の構成部材の一部に当接することにより、前記収容部に装着された前記灯具の位置を決める構成である、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項6】
前記収容部は、前記灯具に対向する板状の天壁部と、前記天壁部の対向する両端縁から前記灯具に向かって突き出す一対の板状の側壁部とで、凹状に形成されており、
前記位置決め機構は、一対の対向する前記側壁部の内面に設けられ、該対向する内面に向かって突き出す凸状とされており、前記灯具の構成部材の一部に当接することにより、前記収容部に装着された前記灯具の位置を決める構成である、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項7】
前記位置決め機構は、前記側壁部の内面に、前記側壁部とは別体の部材を取り付けて凸状とした構成である、請求項6に記載の照明装置。
【請求項8】
前記位置決め機構は、前記側壁部の一部が突き出すように形成して凸状とした構成である、請求項6に記載の照明装置。
【請求項9】
前記灯具は、前記器具に取り付けるための連結具を有しており、
前記位置決め機構は、前記連結具に当接することにより、前記収容部に装着された前記灯具の位置を決める構成である、請求項3に記載の照明装置。
【請求項10】
前記収容部は、前記灯具に対向する板状の天壁部と、前記天壁部の対向する両端縁から前記灯具に向かって突き出す一対の板状の側壁部とで、凹状に形成されており、
前記位置決め機構は、前記天壁部に設けられ、前記灯具に向かって突き出す凸状とされており、前記灯具の構成部材の一部に当接することにより、前記収容部に装着された前記灯具の位置を決める構成である、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項11】
前記器具は、前記収容部を有する長尺の器具本体部と、前記器具本体部の長手方向の両端面に配置された器具端部と、を有しており、
前記位置決め機構は、前記器具端部に形成され、前記灯具に向かって突き出す凸状とされており、前記灯具の構成部材の一部に当接することにより、前記収容部に装着された前記灯具の位置を決める構成である、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項12】
前記位置決め機構は、前記灯具の構成部材の一部に設けられ、前記器具の前記収容部に向かって突き出す凸状とされており、前記器具の構成部材の一部に当接することにより、前記収容部に装着された前記灯具の位置を決める構成である、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項13】
台座と、前記台座に設置され、光を発光する光源部と、前記光源部を覆うように前記台座に取り付けられるカバーと、を有する灯具が装着される器具であって、
照射対象領域側に向かって前記カバーの一部が露出した状態で前記灯具が取り付けられる収容部と、
前記収容部に配置され、前記収容部から露出した部分の前記カバーと接触しないように、前記収容部に装着された前記灯具の位置を決める位置決め機構と、を有している、器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、灯具と灯具が装着される器具とを備えた照明装置及び器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照射対象領域に光を照射する灯具と、造営部に取り付けられ、灯具が装着される器具と、を備えた照明器具が知られている。例えば特許文献1には、灯具である光源モジュールと、光源モジュールの光源に電力を供給する電源装置と、光源モジュールが装着される器具本体と、を有する照明器具が開示されている。光源モジュールは、光源が設けられた基板を支持する支持体と、支持体に取り付けられて、該支持体に支持された光源を覆うカバーと、支持体及びカバーの長手方向の両端に取り付けられた一対の側板と、を有している。器具本体は、電源装置の少なくとも一部を収納する収納部と、収納部の長手方向の端部を閉塞する端板と、を有している。収納部は、光源モジュールの支持体と対向する底板部と、該底板部の両側辺から光源モジュール側に延びる一対の側板部と、で形成されている。一対の端板は、器具本体の高さ方向において、光源モジュールの側板と重なる端面を有している。この照明器具では、光源モジュールを器具本体に取り付ける際に、光源モジュールの長手方向の端部を支持するために、器具本体の端板の一部と、収納部から露出させた光源モジュールの側板とが当接する構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6948599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された照明器具は、長手方向の端部において、膨張係数が異なる金属製の端板と樹脂製の側板とを接触させた構成なので、スティックスリップ現象によって端板と側板との接触部分から異音が発生するおそれがある。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、灯具のカバーと器具とが接触することによって生じる異音の発生を抑制することができる、照明装置及び器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る照明装置は、照射対象領域に光を照射する灯具と、造営部に取り付けられ、前記灯具が装着される収容部を有する器具と、を備え、前記灯具は、台座と、前記台座に設置され、光を発光する光源部と、前記光源部を覆うように前記台座に取り付けられるカバーと、を有し、照射対象領域側に向かって前記カバーの一部が前記収容部から露出した状態で前記器具に取り付けられており、前記灯具が前記器具に装着された状態において、前記収容部に配置され、前記収容部から露出した部分の前記カバーと前記器具とが接触しないように、前記収容部に装着された前記灯具の位置を決める位置決め機構を有しているものである。
【0007】
本開示に係る器具は、台座と、前記台座に設置され、光を発光する光源部と、前記光源部を覆うように前記台座に取り付けられるカバーと、を有する灯具が装着される器具であって、照射対象領域側に向かって前記カバーの一部が露出した状態で前記灯具が取り付けられる収容部と、前記収容部に配置され、前記収容部から露出した部分の前記カバーと接触しないように、前記収容部に装着された前記灯具の位置を決める位置決め機構と、を有しているものである。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、収容部に配置され、収容部から露出した部分のカバーと器具とが接触しないように、収容部に装着された灯具の位置を決める位置決め機構を有しているので、灯具のカバーと器具とが接触することによって生じる異音の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係る照明装置を上面側から示した斜視図である。
図2】実施の形態1に係る照明装置を下面側から示した斜視図である。
図3】実施の形態1に係る照明装置を分解して示した斜視図である。
図4】実施の形態1に係る照明装置の短手方向における縦断面図である。
図5】実施の形態1に係る照明装置であって、台座に取り付けた連結具を拡大して示した説明図である。
図6】実施の形態1に係る照明装置の器具を分解して示した斜視図である。
図7】実施の形態1に係る照明装置の灯具規制具を示した斜視図である。
図8】実施の形態1に係る照明装置であって、器具本体に灯具規制具を取り付ける前と取り付けた後を示した説明図である。
図9】実施の形態1に係る照明装置の長手方向における一端部を示した縦断面図である。
図10】実施の形態2に係る照明装置を分解して示した斜視図である。
図11】実施の形態2に係る照明装置であって、灯具の長手方向の一端部を拡大して示した部分斜視図である。
図12】実施の形態2に係る照明装置の器具を分解して示した斜視図である。
図13】実施の形態2に係る照明装置の閉塞具を示した斜視図である。
図14】実施の形態2に係る照明装置の閉塞具を器具本体の長手方向の一端側に取り付ける手順を示した説明図である。
図15】実施の形態2に係る照明装置の閉塞具を器具本体の長手方向の他端側に取り付ける手順を示した説明図である。
図16】実施の形態2に係る照明装置の長手方向における一端部を示した縦断面図である。
図17】実施の形態3に係る照明装置の要部を拡大して示した縦断面図である。
図18】実施の形態3に係る照明装置の変形例の要部を拡大して示した縦断面図である。
図19】実施の形態4に係る照明装置の要部を拡大して示した縦断面図である。
図20】実施の形態4に係る照明装置の変形例の要部を拡大して示した縦断面図である。
図21】実施の形態5に係る照明装置であって、灯具の長手方向の一端部を拡大して示した部分斜視図である。
図22】実施の形態5に係る照明装置の要部を拡大して示した縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本開示の実施の形態について説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付して、その説明を適宜省略又は簡略化する。また、各図に記載の構成について、その形状、大きさ、及び配置等は、適宜変更することができる。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明装置100を上面側から示した斜視図である。図2は、実施の形態1に係る照明装置100を下面側から示した斜視図である。図3は、実施の形態1に係る照明装置100を分解して示した斜視図である。図4は、実施の形態1に係る照明装置100の短手方向における縦断面図である。図5は、実施の形態1に係る照明装置100であって、台座1に取り付けた連結具14を拡大して示した説明図である。図6は、実施の形態1に係る照明装置100の器具102を分解して示した斜視図である。図7は、実施の形態1に係る照明装置100の灯具規制具5を示した斜視図である。図8は、実施の形態1に係る照明装置100であって、器具本体3に灯具規制具5を取り付ける前と取り付けた後を示した説明図である。図9は、実施の形態1に係る照明装置100の長手方向における一端部を示した縦断面図である。各図において、説明の便宜上、照明装置100の長手方向をX軸方向とし、照明装置100の短手方向をY軸方向とし、X軸方向及びY軸方向に垂直な方向をZ軸方向とする。Z軸方向では、Z2の矢印方向が重力方向である。
【0012】
(照明装置100)
本実施の形態1に係る照明装置100は、図1図3に示すように、長手方向(X方向)に延びる長尺状であり、造営部103に取り付けられて、照射対象領域に光を照射するものである。照明装置100は、照射対象領域に光を照射する長尺の灯具101と、システム天井等の造営部103に取り付けられ、灯具101が着脱自在に装着される収容部305を有する長尺の器具102と、を備えている。造営部103は、一例としてTバーと呼ばれるものであり、断面T字状で照明装置100の長手方向(X方向)に沿って延びる部材である。造営部103は、照明装置100の短手方向(Y方向)の両側に配置されている。
【0013】
灯具101は、図2図5に示すように、台座1、光源部12と、電源部13と、カバー2と、連結具14と、を有している。一方、器具102は、図1図9に示すように、器具本体3と、連結バネ32、端子台33と、設置具4と、灯具規制具5と、を有している。
【0014】
(灯具101)
先ず、灯具101の各構成要素を図2図5に基づいて説明する。台座1は、板金で形成されている。台座1は、図3及び図4に示すように、灯具101の長手方向(X方向)に沿って延びる長尺で平板状の基部10と、基部10の短手方向(Y方向)における両端縁から上方(Z1方向)に向かって屈曲させて形成された一対の側壁部11と、を有している。台座1は、図4に示すように、基部10と側壁部11とで、断面形状が凹状とされている。
【0015】
図4に示すように、基部10には、照射側となる下面に、光を発光する光源部12が設けられている。また、図3に示すように、基部10の上面には、電源部13と、器具102の連結バネ32に係合する連結具14と、電線保護具15と、が設けられている。図4に示すように、側壁部11は、光源部12を設けた側とは反対側に略90度の角度で屈曲させて形成されている。側壁部11の先端部は、台座1の内側に向かって折り返して形成された略C字状のカール部11aとされている。
【0016】
光源部12は、図2及び図4に示すように、灯具101の長手方向(X方向)に沿って延びる長尺の基板12aと、基板12aの表面に実装された複数の発光素子12bと、を有している。発光素子12bは、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode)素子である。光源部12は、電源部13から電力が供給されて発光素子12bを発光させる。なお、発光素子12bは、例えば半導体レーザー、有機EL又無機EL等でもよい。
【0017】
電源部13は、器具102に設けられた端子台33から供給された電力を発光素子12bに供給する電源である。電源部13は、端子台33と灯具側電線13aを介して接続される。電源部13は、長尺状の電源ケースの内部に、発光素子12bに供給するための電力を生成する電源回路を有する電源基板が収容された構成である。電源回路は、電源基板に実装された電子部品等で構成される。
【0018】
カバー2は、透光性を有する材料を用いて形成され、光源部12の発光素子12bの周囲を覆うように台座1に取り付けられる部材である。発光素子12bから発光された光は、カバー2を介して照射対象領域に照射される。透光性の材料とは、例えば、ポリカーボネイト、アクリル若しくはポリプロピレン等の合成樹脂等である。カバー2は、使用される材料に応じて、射出成形、押出し成形、三次元積層造形等により形成される。
【0019】
カバー2は、図1図4に示すように、透光性の出射面及び出射面と対向する開口面を有する長尺の箱形に形成されている。具体的には、カバー2は、出射面となる湾曲面を有する長尺で凹状のカバー本体部20と、カバー本体部20の長手方向(X方向)の両端面を塞ぐカバー端部21と、を有している。カバー端部21は、例えば接着等によってカバー本体部20に取り付けられている。
【0020】
カバー本体部20は、発光素子12bから発光された光を透過させる凹状の透光部200と、透光部200の開口端縁に沿って設けられた一対の取付部201と、を有している。
【0021】
透光部200は、図4に示すように、光源部12と対向し、光源部12から発光された光を下方(Z2方向)へ向かって照射する湾曲面状の透光主部200aと、透光主部200aの短手方向(Y方向)の両端縁から造営部103に向かって立ち上がり、光源部12から発光された光を側方(Y方向)へ向かって照射する透光側部200bと、を有している。図示した例の場合、透光部200は、縦断面形状が略U字状とされているが、例えばV字状、W字状、矩形状等でもよく、その他の形状でもよい。
【0022】
透光側部200bの上端は、カバー本体部20の開口の内方側へ向かって屈曲して形成されている。透光側部200bの先端部には、それぞれ取付部201が設けられている。
【0023】
取付部201は、カバー2の長手方向(X方向)に沿って形成されており、台座1にカバー2を取り付けるために設けられている。取付部201は、図4に示すように、台座1を支持する支持部201aと、台座1に保持させる保持部201bと、で略L字状に形成されている。
【0024】
支持部201aは、カバー本体部20の開口の一部を塞ぐようにカバー本体部20の短手方向(Y方向)に延伸させて形成されている。支持部201aの上面には、台座1の基部10が載置される。支持部201aは、カバー2の長手方向(X方向)に沿って並行して形成されている。並行する2つの支持部201a及び201aの間には、光源部12の発光素子12bが透光主部200aに対向させて配置されている。発光素子12bから発光された光は、透光部200を介して照射対象領域に照射される。
【0025】
保持部201bは、台座1の側壁部11に沿って形成されており、高さ方向(Z方向)の中間部分において透光側部200bの端縁が接続されている。保持部201bの上端には、該上端を台座1の内側に向かって湾曲させて形成したフック部201cが形成されている。フック部201cは、台座1のカール部11aに掛け止めるために設けられている。
【0026】
カバー2は、一対の取付部201の間に台座1を配置し、支持部201aの上面に台座1の基部10を載置させ、各フック部201cをカール部11aに掛け止めることによって、台座1に取り付けることができる。なお、カバー2を台座1に取り付けるには、取付部201を弾性変形させながら台座1に取り付けてもよいし、カバー2を長手方向(X方向)に沿ってスライドさせながら、台座1に取り付けてもよい。
【0027】
カバー2は、フック部201cがカール部11aに掛け止められることによって、重力方向Z2の移動が規制される。また、カバー2は、保持部201bが台座1の側壁部11に突き当たることによって、短手方向(Y方向)の移動が規制される。また、灯具101は、カバー2を台座1に取り付けられることによって剛性を高めることができる。
【0028】
連結具14は、器具102に設けられた連結バネ32と係合し、灯具101を器具102に取り付けるために設けられている。連結具14は、図3に示すように、連結バネ32に対応する位置であって、基部10の長手方向(X方向)における両端にそれぞれ設けられている。連結具14は、図4及び図5に示すように、連結バネ32と係合する連結部14aと、カバー2のフック部201cに掛け止められる一対の保持部14bと、を有している。連結部14aは、一例として凹状であり、中間部に連結バネ32が挿通される開口14cが形成されている。保持部14bは、一例としてフック状であり、連結部14aの側面からカバー2の取付部201に向かって突き出して、該カバー2のフック部201cに掛け止められる。なお、連結具14は、照明装置100の形状及び大きさに応じて、位置及び個数を適宜変更して設けるものとする。また、連結具14は、図示した構成に限定されず、連結バネ32を保持することができれば、他の形態でもよい。
【0029】
(器具102)
次に、器具102の各構成要素を図1図9に基づいて説明する。器具102は、上記したように、器具本体3と、連結バネ32、端子台33と、設置具4と、灯具規制具5と、を有している。
【0030】
器具本体3は、図1図3に示すように、器具102の長手方向(X方向)に沿って延びる長尺の器具本体部30と、器具本体部30の長手方向(X方向)の両端面を塞ぐ器具端部31と、を有している。器具本体部30は、天壁部301と、側壁部302と、接続部303と、傾斜部304と、を有している。器具本体部30の短手方向(Y方向)の長さは、照明装置100の両側に配置された造営部103の間隔とほぼ同じである。なお、器具本体3の全体形状は、図示した形状に限定されず、他の形状でもよい。
【0031】
天壁部301は、器具102の長手方向(X方向)に沿って延びる板状の部分である。天壁部301には、図1及び図8(a)に示すように、設置具4が取り付けられる複数の領域に、例えばネジ等から成る設置具用固定具43が挿入される設置具用取付孔35が形成されている。設置具4が取り付けられる領域は、図示例の場合、天壁部301の長手方向(X方向)の両端に設けられているが、これに限定されず、天壁部301の長手方向(X方向)に沿って複数箇所に設けてもよい。器具本体3には、設置具用取付孔35が形成された領域のうち少なくとも1か所において、設置具用固定具43を用いて設置具4が取り付けられる。
【0032】
天壁部301には、連結バネ32が取り付けられる領域に、連結バネ32を取付固定するための取付孔が形成されている。また、天壁部301には、図6に示すように、灯具規制具5が取り付けられる領域に、灯具規制具5を固定するための規制具用取付孔36が形成されている。また、天壁部301には、図3に示すように、電線が挿入される電線挿通孔13bが形成されている。電線挿通孔13bには、外部電源と電源部13とを接続する電線(図示せず)が引き込まれる。
【0033】
側壁部302は、天壁部301の幅方向(Y方向)の両端縁から照射対象領域側に垂直に延びる一対の板状の部分である。天壁部301と側壁部302と器具端部31とで囲まれた空間は、灯具101が収容される直方体状の収容部305となっている。灯具101は、照射対象領域側に向かってカバー2の一部が収容部305から露出した状態で器具102に取り付けられる。
【0034】
接続部303は、側壁部302の先端から器具本体部30の短手方向(Y方向)の外側に向かって延びる部分である。接続部303は、側壁部302と傾斜部304とを接続する。接続部303は、傾斜部304とは異なる傾斜角度で傾斜してもよいし、天壁部301と平行な平面でもよいし、局面でもよい。
【0035】
傾斜部304は、接続部303の先端から照射対象領域側で、且つ器具本体部30の短手方向(Y方向)の外側に向かって傾斜して延びる部分である。傾斜部304には、光を反射させる反射膜等が形成されている。これにより、収容部305に収容された灯具101から照射された光の一部が、傾斜部304に当たって照射対象領域側に反射する。傾斜部304は、装着された灯具101の全体を収容する形状をなしている。灯具101は、器具本体3に装着された状態で全体が器具本体3に収容されている。なお、器具本体3は、装着された灯具101の一部を収容する形状でもよい。
【0036】
器具端部31は、図1図3に示すように、器具本体部30の短手方向(Y方向)に沿って延びる部材であり、器具本体部30の長手方向(X方向)の両端面に設けられた一対で構成されている。一対の器具端部31は、天壁部301、側壁部302、接続部303及び傾斜部304に接続され、それぞれを両側から支持している。また、器具端部31には、収容部305に向かって突き出す板状の張出部31aが形成されている。張出部31aは、図9に示すように、器具端部31とカバー端部21との間に生じる隙間Sを可能な限り塞ぎ、該隙間Sから収容部305の内部に虫又は埃等の異物が侵入する事態を抑制するために設けられている。
【0037】
連結バネ32は、天壁部301の内面に取り付けられて収容部305に収容されており、連結具14に引っ掛かって、器具102に灯具101を固定する部材である。連結バネ32は、図3及び図6に示すように、連結具14に対応する位置であって、天壁部301の長手方向(X方向)における両端にそれぞれ設けられている。連結バネ32は、図8(a)に示すように、連結部32aと、固定部32bと、を有している。連結部32aは、金属製の板状の部材を湾曲させた板バネである。連結部32aが撓むことを利用して、灯具101が器具本体3に取り付けられる。固定部32bは、連結部32aの一端に設けられており、天壁部301にネジ等から成る連結バネ用固定具32cによって取り付けられる部分である。連結バネ用固定具32cは、固定部32b及び天壁部301に形成された取付孔にねじ込まれる。これにより、連結バネ32が天壁部301に固定される。
【0038】
端子台33は、図3に示すように、天壁部301の内面に取り付けられて収容部305に収容されている。端子台33には、各電線が接続される。例えば、端子台33には、外部電源から延びる電線が接続される。また、端子台33には、器具側電線34が接続される。器具側電線34は、電源部13と繋がる灯具側電線13aと接続される。これにより、灯具101の光源部12に、外部電源から端子台33を介して電力が供給される。
【0039】
設置具4は、図1図3に示すように、天壁部301の上面に固定され、造営部103に取り付けて設置される部材である。設置具4は、器具本体3の長手方向(X方向)における両端に1つずつ取り付けられている。設置具4は、金属製の板材である板金を凹状に形成した構成である。設置具4は、取付具40と、載置具41と、規制具42と、を有している。取付具40は、器具本体3の短手方向(Y方向)に沿って延びる板状の部分である。取付具40の中央部分には、例えばネジ等の設置具用固定具43を通すための取付孔が形成されている。取付具40は、設置具用固定具43によって天壁部301の上面に固定される。
【0040】
載置具41は、取付具40の長手方向(Y方向)の両端縁に設けられた板状の部材である。載置具41は、取付具40の両端縁から照射対象領域側に向かって突き出し、造営部103の上面に載置される。規制具42は、載置具41の先端から突き出すように設けられた爪状の部材であり、造営部103に引っ掛けられる。設置具4は、載置具41が造営部103の上面に載置され、規制具42が造営部103に引っ掛けられることで、該造営部103に取り付けられる。
【0041】
なお、設置具4は、図示した2つに限定されず、3つ以上設けてもよい。また、設置具4は、照明装置100の施工現場におけるCTクリップ、Tハンガー(Tバー吊具)又はTバー受けチャンネルといった設備構成材の配置によって、移動による位置の調整が必要となる。
【0042】
(灯具規制具5)
灯具規制具5は、図3図4及び図6に示すように、灯具101が器具102に装着された状態において、収容部305に配置されており、収容部305から露出した部分のカバー2と器具102とが接触しないように、収容部305に収容された灯具101の位置を決めるための位置決め機構53を有する部材である。灯具規制具5は、器具本体3の長手方向(X方向)における両端側に1つずつ取り付けられている。
【0043】
灯具規制具5は、図7に示すように、金属製の板材である板金を用いて形成される。灯具規制具5は、平板状の規制具基部50と、規制具基部50の幅方向(Y方向)の両端縁から照射対象領域側に垂直に延びる一対の板状の規制具側部51と、を有している。
【0044】
規制具基部50は、器具本体3の天壁部301の内面に当接して固定される部分である。規制具基部50は、図7及び図8(b)に示すように、天壁部301の内面に固定される際に連結バネ32と干渉しないように切り欠かれた切り欠き部50aが形成されている。切り欠き部50aは、一例として矩形状であるが、その他の形状でもよい。また、切り欠き部50aに代えて、規制具基部50に貫通孔を設けてもよい。また、規制具基部50には、図6及び図7に示すように、規制具用固定具52が挿通される基部挿通孔50bが形成されている。灯具規制具5は、基部挿通孔50bに挿通される規制具用固定具52が天壁部301に形成された規制具用取付孔36にねじ込まれることによって、天壁部301に固定される。灯具規制具5は、切り欠き部50aを有することで、連結バネ32の可動域(変形域)と干渉しない。つまり、灯具規制具5の天壁部301に固定しても、連結バネ32と連結具14との連結に支障はない。
【0045】
一対の規制具側部51は、図8(b)に示すように、灯具規制具5を天壁部301に固定させた際に、連結バネ32の両側に沿って配置される。一対の規制具側部51の対向する内面には、連結バネ32に向かって突き出す位置決め機構53が形成されている。位置決め機構53は、規制具側部51に形成された凸状部である。位置決め機構53は、一対の規制具側部51の一部に絞り加工等のプレス加工を施すことによって、互いに近づく向きに突出するように形成されている。なお、位置決め機構53は、一対の規制具側部51の対向する内面に別体の部材を取り付けることによって形成してもよい。一対の位置決め機構53は、図4及び図9に示すように、灯具101が器具102に取り付けられた状態で、台座1の基部10に取り付けられている連結具14の保持部14bの上面に当接する。これにより、灯具101は、器具本体3の収容部305側(Z1方向)へ引き込まれても、位置決め機構53に保持部14bが突き当たることで移動が規制される。図9に示すように、この状態において、器具端部31の張出部31aと、灯具101のカバー端部21の上面との間に隙間Cが設けられており、器具端部31とカバー端部21とが接触しないようになっている。このため、照明装置100は、器具端部31と、器具端部31とは膨張係数が異なるカバー端部21とが接触することによって発生するスティックスリップ現象による異音を抑制することができる。
【0046】
なお、連結具14は、灯具101の金属製の台座1に固定されている。また、金属製である器具本体部30と台座1とは、膨張係数の差が小さく、長手方向(X方向)に沿った伸縮量の差が小さい。そのため、位置決め機構53と、台座1に追従する連結具14の保持部14bとが接触する場合の異音は、器具端部31の張出部31aと樹脂製のカバー端部21とが接触する場合と比べて、異音の発生リスクは極めて小さい。
【0047】
位置決め機構53は、張出部31aとカバー端部21の上面とが接触しないように、隙間Cを設けるための構成である。位置決め機構53の寸法と形状、及び器具端部31の張出部31aとカバー端部21の上面との隙間Cの寸法は、部品の製造バラツキ、組み立てのバラツキ、及び施工時の灯具101の取り付けのバラツキ等を勘案して決定される。位置決め機構53は、器具端部31の張出部31aとカバー端部21の上面との隙間Cの寸法が概ね0.3mm以上となるように形成することが好ましい。
【0048】
なお、照明装置100は、位置決め機構53によって灯具101の移動が規制された状態で、器具端部31とカバー端部21とが互いに押圧しない状態であれば、器具端部31とカバー端部21とが若干接していてもよく、これにより異物の侵入リスクを抑制することができる。
【0049】
以上のように、本実施の形態1に係る照明装置100は、照射対象領域に光を照射する灯具101と、造営部103に取り付けられ、灯具101が装着される収容部305を有する器具102と、を備えている。灯具101は、台座1と、台座1に設置され、光を発光する光源部12と、光源部12を覆うように台座1に取り付けられるカバー2と、を有し、照射対象領域側に向かってカバー2の一部が収容部305から露出した状態で器具102に取り付けられている。そして、照明装置100は、灯具101が器具102に装着された状態において、収容部305に配置され、収容部305から露出した部分のカバー2と器具102とが接触しないように、収容部305に装着された灯具101の位置を決めるための位置決め機構53を有している。よって、照明装置100は、灯具101のカバー2と器具102とが接触することによって生じる異音の発生を抑制することができる。
【0050】
実施の形態2.
次に、本実施の形態2に係る照明装置100Aを図10図16に基づいて説明する。図10は、実施の形態2に係る照明装置100Aを分解して示した斜視図である。図11は、実施の形態2に係る照明装置100Aであって、灯具101の長手方向(X方向)の一端部を拡大して示した部分斜視図である。図12は、実施の形態2に係る照明装置100Aの器具102を分解して示した斜視図である。図13は、実施の形態2に係る照明装置100Aの閉塞具6を示した斜視図である。図14は、実施の形態2に係る照明装置100Aの閉塞具6を器具本体3の長手方向(X方向)の一端側に取り付ける手順を示した説明図である。図15は、実施の形態2に係る照明装置100Aの閉塞具6を器具本体3の長手方向(X方向)の他端側に取り付ける手順を示した説明図である。図16は、実施の形態2に係る照明装置100Aの長手方向(X方向)における一端部を示した縦断面図である。なお、実施の形態1で説明した照明装置100と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0051】
(照明装置100A)
本実施の形態2に係る照明装置100Aでは、上記実施の形態1で説明した灯具規制具5に代えて、器具102が閉塞具6を有しており、該閉塞具6に位置決め機構63を設けた構成を特徴としている。
【0052】
灯具101は、図10及び図11に示すように、台座1と、光源部12と、電源部13と、連結具14と、電線保護具15と、係止バネ16と、を有している。一方、器具102は、図10図12図15に示すように、器具本体3と、連結バネ32、端子台33と、引掛具37と、設置具4と、閉塞具6と、を有している。
【0053】
(灯具101)
台座1、光源部12及び電源部13は、上記実施の形態1の構成と同じである。連結具14は、基本的には上記実施の形態1と同じ構成であるが、基部10の長手方向(X方向)における一端側にのみ設けられている。電線保護具15は、基部10の長手方向(X方向)の両端に設けられている。係止バネ16は、基部10の長手方向(X方向)における他端側に設けられている。係止バネ16は、器具102に設けられた引掛具37に引っ掛けられて、灯具101を器具102に取り付けるために設けられている。灯具101は、連結具14に連結バネ32が引っ掛けられ、引掛具37に係止バネ16が引っ掛けられることによって、器具102に取り付けられる。
【0054】
(器具102)
器具本体3は、図14及び図15に示すように、器具本体部30に器具突出部38と閉塞具挿通孔39とが形成されている点を除き、上記実施の形態1と同じ構成である。器具突出部38は、天壁部301に形成され、閉塞具6の移動を規制するために設けられている。器具突出部38は、天壁部301の長手方向(X方向)の両端にそれぞれ設けられている。器具突出部38は、天壁部301から照射対象領域側に向かって突き出すように、切起こし加工によって爪状に形成されている。なお、器具突出部38は、切起こし加工の他に、その他の加工方法によって形成されてもよいし、器具本体部30とは別体の部材を天壁部301に取り付けて設けてもよい。また、器具突出部38を設ける位置は、図示した位置に限定されず、他の部材の配置関係において適宜変更して設けてもよい。
【0055】
閉塞具挿通孔39は、スリット状の貫通孔であり、閉塞具6を器具本体部30に取り付けるために形成されている。閉塞具挿通孔39は、天壁部301の長手方向(X方向)の両端であって、一対の側壁部302うち、一方の側壁部302における天壁部301との境界部分に形成されている。
【0056】
連結バネ32は、上記実施の形態1と同じ構成である。連結バネ32は、図10及び図12に示すように、連結具14に対応する位置であって、天壁部301の長手方向(X方向)における一端側にのみ設けられている。連結バネ32は、ネジ等から成る連結バネ用固定具32cによって天壁部301に固定される。引掛具37は、天壁部301の長手方向(X方向)における他端側に設けられており、係止バネ16に引っ掛かって、器具102に灯具101を固定するものである。引掛具37には、係止バネ16に引っ掛かる引掛孔37aが形成されている。引掛具37は、天壁部301にネジ等の引掛具用固定具37bによって固定される。
【0057】
端子台33及び設置具4は、上記実施の形態1の構成と同じである。
【0058】
(閉塞具6)
閉塞具6は、図10及び図12に示すように、器具本体3の収容部305に移動自在に取り付けられて未使用の設置具用取付孔35を塞ぎ、該設置具用取付孔35を通じて収容部305に虫又は埃等の異物が侵入する事態を抑制するために設けられている。閉塞具6は、設置具4と共に設置具用固定具43を用いて天壁部301に固定され、器具本体3及び設置具4と一体化される。閉塞具6は、金属製の板材である板金である。閉塞具6は、図13に示すように、基部60と、立設部61と、突出部62と、位置決め機構63と、を有している。
【0059】
基部60は、図13に示すように、長方形状の板状の部分であり、器具本体3の天壁部301に取り付けられ、未使用の設置具用取付孔35を塞ぐ部分である。基部60の中央部分には、連結バネ32と干渉しないように、基部貫通孔64が形成されている。基部貫通孔64の大きさは、連結バネ32を取り付ける領域の大きさよりも大きい。連結バネ32は、基部貫通孔64を介して天壁部301に固定される。
【0060】
基部60の四隅には、設置具用固定具43が挿入される基部挿通孔65及び66が形成されている。基部挿通孔65及び66は、天壁部301における複数の設置具4の取付領域に対応させて形成されている。基部挿通孔65と基部挿通孔66とは、それぞれ天壁部301における異なる設置具4の取付領域に対応させて形成されている。そのため、基部挿通孔66は、基部挿通孔65に対して、器具本体部30の短手方向(Y方向)に沿って寸法差L1だけ離れた位置に形成されている。即ち、異なる設置具4の取付領域に対応して形成されている基部挿通孔65と基部挿通孔66は、それぞれ器具本体部30の長手方向(X方向)に沿っておらず、ずれている。寸法差L1は、閉塞具6の幅方向(Y方向)に沿う可動寸法M以下である。基部60の厚さ寸法Dは、閉塞具挿通孔39を通過することができる厚さである。
【0061】
立設部61は、図13に示すように、基部60の長手方向(X方向)の沿った一端縁から立設する板状の部分である。立設部61は、閉塞具挿通孔39に挿入されて、閉塞具6が器具本体3の収容部305に取り付けられている状態で、閉塞具挿通孔39が形成された側壁部302の外側に当接する。このとき、基部60は、器具本体3の天壁部301に当接する。器具本体3の長手方向(X方向)に沿う立設部61の長さ寸法L2は、側壁部302に形成された閉塞具挿通孔39を通過することができる長さである。
【0062】
器具本体3の上下方向(Z方向)に沿う立設部61の長さ寸法L3は、閉塞具挿通孔39の上下方向(Z方向)に沿う長さ寸法よりも大きい。即ち、立設部61の長さ寸法L3は、閉塞具6が器具本体3の収容部305に取り付けられた状態で、閉塞具挿通孔39を通過することができない長さである。
【0063】
突出部62は、図13に示すように、基部60から突出し、閉塞具挿通孔39の外縁部に当接することによって、基部60の移動を規制する部分である。突出部62は、立設部61と同じ向きに突出している。突出部62は、切絞り加工によって形成されているが、切起こし加工によって形成されてもよい。また、突出部62は、基部60とは別体の部材が基部60に取り付けられることによって基部60から突出する構成でもよい。突出部62の突出寸法L4は、閉塞具挿通孔39を通過することができない長さである。これにより、閉塞具6は、閉塞具6の幅方向(Y方向)に沿う可動寸法Mが規定されている。
【0064】
(位置決め機構63)
位置決め機構63は、図13に示すように、基部60の短手方向(Y方向)の沿った一端部から立設する板状の凸状部である。位置決め機構63は、灯具101に向かって突き出すように、基部60の一端縁をプレス加工によって折り曲げて形成されている。位置決め機構63には、器具突出部38を通すための貫通孔63aが形成されている。閉塞具6は、貫通孔63aを介して爪状の器具突出部38に基部60の端縁が嵌め込まれる。なお、位置決め機構63は、基部60とは別体の部材が基部60に取り付けられることによって基部60から突出する構成でもよい。また、位置決め機構63を設けていない基部60の端縁が器具突出部38に嵌め込まれる場合には、貫通孔63aを必ずしも形成する必要はない。
【0065】
位置決め機構63は、図16に示すように、灯具101が器具102に取り付けられた状態で、台座1の基部10に取り付けられている電線保護具15の上面に先端部が当接する。これにより、灯具101は、器具本体3の収容部305側(Z1方向)へ引き込まれても、位置決め機構63に電線保護具15が突き当たることで移動が規制される。この状態において、例えば器具端部31の張出部31aと、灯具101のカバー端部21との間に隙間Cが設けられており、器具端部31とカバー端部21とが接触しないようになっている。このため、照明装置100Aは、器具端部31と、器具端部31とは膨張係数が異なるカバー端部21とが接触することによって発生するスティックスリップ現象による異音を抑制することができる。
【0066】
なお、電線保護具15は、灯具101の金属製の台座1に固定されている。また、金属製である器具本体部30と台座1とは、膨張係数の差が小さく、長手方向(X方向)に沿った伸縮量の差が小さい。そのため、位置決め機構63と、台座1に追従する電線保護具15とが接触する場合の異音は、器具端部31の張出部31aと樹脂製のカバー端部21とが接触する場合と比べて、異音の発生リスクは極めて小さい。
【0067】
また、位置決め機構63は、電線保護具15に突き当たる構成に限定されない。位置決め機構63は、例えば台座1の基部10に先端部が突き当たる構成でもよいし、灯具101のその他の構成部材に先端部が突き当たる構成でもよい。
【0068】
位置決め機構63は、張出部31aとカバー端部21の上面とが接触しないように、隙間Cを設けるための構成である。位置決め機構63の寸法と形状、及び器具端部31の張出部31aとカバー端部21の上面との隙間Cの寸法は、部品の製造バラツキ、組み立てのバラツキ、及び施工時の灯具101の取り付けのバラツキ等を勘案して決定される。位置決め機構63は、器具端部31の張出部31aとカバー端部21の上面との隙間Cの寸法が概ね0.3mm以上となるように形成することが好ましい。
【0069】
なお、照明装置100Aは、位置決め機構63によって灯具101の移動が規制された状態で、器具端部31とカバー端部21とが互いに押圧しない状態であれば、器具端部31とカバー端部21とが若干接していてもよく、これにより異物の侵入リスクを抑制することができる。
【0070】
(閉塞具6の組立)
次に、図14及び図15に基づいて、収容部305に閉塞具6を取り付ける手順について説明する。図14では、器具102の長手方向(X方向)であって連結バネ32が設けられた一端側の収容部305に閉塞具6を取り付ける手順を示している。図14(a)は、閉塞具6の立設部61が器具本体3の閉塞具挿通孔39に挿入される様子を示している。図14(a)に示すように、先ず、収容部305の内側から閉塞具6の立設部61が閉塞具挿通孔39に挿入される。
【0071】
図14(b)は、閉塞具6の基部60が天壁部301に当接する様子を示している。図14(b)に示すように、立設部61が閉塞具挿通孔39に完全に挿入されて、該立設部61が収容部305の外側に配置されると、基部60が天壁部301に当接する。その際、閉塞具6は、天壁部301から突出する器具突出部38に重ならないように配置される。
【0072】
図14(c)は、閉塞具6が器具突出部38に嵌め込まれた状態を示している。図14(c)に示すように、閉塞具6は、基部60の一端部が器具突出部38に嵌め込まれるまで移動され、基部60の一部が器具突出部38に支持される。また、天壁部301の連結バネ用取付孔32dは、基部貫通孔64の内側に配置される。
【0073】
その後、連結バネ用固定具32cを用いて、連結バネ32が天壁部301に固定される。この状態で、閉塞具6は、器具本体部30の長手方向(X方向)に沿った移動と、天壁部301と交差する方向(Z方向)に沿った移動とが規制される。また、この状態で、閉塞具6は、閉塞具挿通孔39を通過することができない立設部61と基部60の突出部62とに許容される範囲で、器具本体部30の短手方向(Y方向)に沿った移動が可能である。
【0074】
閉塞具6が器具本体部30の短手方向(Y方向)に沿って移動されながら、設置具4が取り付けられる設置具用取付孔35と、基部60の基部挿通孔65又は66とが重なるように、閉塞具6の位置が決められる。そして、設置具用固定具43を用いて、設置具4と閉塞具6とが天壁部301に取り付けられる。
【0075】
図15では、器具102の長手方向(X方向)であって引掛具37が設けられた他端側の収容部305に閉塞具6を取り付ける手順を示している。図15(a)は、閉塞具6の立設部61が器具本体3の閉塞具挿通孔39に挿入される様子を示している。図15(a)に示すように、先ず、収容部305の内側から閉塞具6の立設部61が閉塞具挿通孔39に挿入される。
【0076】
図15(b)は、閉塞具6の基部60が天壁部301に当接する様子を示している。図15(b)に示すように、立設部61が閉塞具挿通孔39に完全に挿入されて、該立設部61が収容部305の外側に配置されると、基部60が天壁部301に当接する。その際、閉塞具6は、天壁部301から突出する器具突出部38に重ならないように配置される。
【0077】
図15(c)は、閉塞具6が器具突出部38に嵌め込まれた状態を示している。図15(c)に示すように、閉塞具6は、基部60の一端部が器具突出部38に嵌め込まれるまで移動され、基部60の一部が器具突出部38に支持される。
【0078】
その後、引掛具37が閉塞具6と器具端部31との間に配置される。そして、引掛具37が、引掛具用固定具37bを用いて天壁部301に固定される。この状態で、閉塞具6は、器具本体部30の長手方向(X方向)に沿った移動と、天壁部301と交差する方向(Z方向)に沿った移動とが規制される。また、この状態で、閉塞具6は、閉塞具挿通孔39を通過することができない立設部61と基部60の突出部62とに許容される範囲で、幅方向(Y方向)に沿った移動が可能である。
【0079】
閉塞具6が器具本体部30の短手方向(Y方向)に沿って移動されながら、設置具4が取り付けられる設置具用取付孔35と、基部60の基部挿通孔65又は66とが重なるように、閉塞具6の位置が決められる。そして、設置具用固定具43を用いて、設置具4と閉塞具6とが天壁部301に取り付けられる。
【0080】
なお、引掛具37が向けられた側の端部に配置される閉塞具6は、例えば基部貫通孔64が形成されていないものでもよいし、係止バネ16と係合する構成を有するものでもよい。
【0081】
以上のように、本実施の形態2に係る照明装置100Aでは、器具102が、収容部305の内部に移動自在に取り付けられた閉塞具6を有している。収容部305には、設置具4を取り付けるための設置具用固定具43を通す設置具用取付孔35が、設置具4を取り付ける複数の領域ごとに形成されている。設置具4は、設置具用取付孔35が形成された複数の領域のうち少なくとも1か所において固定されている。閉塞具6は、設置具4が取り付けられていない未使用の設置具用取付孔35を塞ぐ構成とされている。位置決め機構63は、閉塞具6に形成された凸状部であり、灯具101の構成部材の一部に当接することにより、収容部305に装着された灯具101の位置を決めるための構成である。
【0082】
よって、本実施の形態2に係る照明装置100Aは、未使用の設置具用取付孔35を閉塞具6で塞ぐことにより、収容部305に虫又は埃等の異物が侵入する事態を抑制することができる。また、照明装置100Aは、収容部305から露出した部分のカバー2と器具102とが接触しないように、収容部305に装着された灯具101の位置を決めるための位置決め機構63を有しているので、灯具101のカバー2と器具102とが接触することによって生じる異音の発生を抑制することができる。
【0083】
実施の形態3.
次に、本実施の形態3に係る照明装置100Bを図17及び図18に基づいて説明する。図17は、実施の形態3に係る照明装置100Bの要部を拡大して示した縦断面図である。なお、実施の形態1で説明した照明装置100と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0084】
本実施の形態3に係る照明装置100Bは、実施の形態1で説明した照明装置100の構成において、灯具規制具5を省略し、図17に示すように、位置決め機構54を器具本体部30の側壁部302に形成した構成を特徴としている。位置決め機構54は、側壁部302の一部が連結バネ32に向かって突き出すように形成して凸状とした構成である。位置決め機構54は、一対の側壁部302の一部に絞り加工等のプレス加工を施すことによって、互いに近づく向きに突出するように形成されている。なお、位置決め機構54は、一対の側壁部302の対向する内面に側壁部302とは別体の部材を取り付けて凸状とした構成であってもよい。一対の位置決め機構54は、灯具101が器具102に取り付けられた状態で、台座1の基部10に取り付けられている連結具14の保持部14bの上面に当接する。これにより、灯具101は、器具本体3の収容部305側(Z1方向)へ引き込まれても、保持部14bが位置決め機構54に突き当たることで移動が規制される。例えば図9に示すように、この状態において、器具端部31の張出部31aと、灯具101のカバー端部21の上面との間に隙間Cが設けられており、器具端部31とカバー端部21とが接触しないようになっている。このため、照明装置100Bは、器具端部31と、器具端部31とは膨張係数が異なるカバー端部21とが接触することによって発生するスティックスリップ現象による異音を抑制することができる。また、本実施の形態3に係る照明装置100Bは、上記実施の形態1の照明装置100と比べて、灯具規制具5を製造したり、灯具規制具5を器具本体3に取り付けたりする必要がなくなるので、器具102の組立性が向上するとともに軽量化を図ることができる。
【0085】
なお、連結具14は、灯具101の金属製の台座1に固定されている。また、金属製である器具本体部30と台座1とは、膨張係数の差が小さく、長手方向(X方向)に沿った伸縮量の差が小さい。そのため、位置決め機構54と、台座1に追従する連結具14の保持部14bとが接触する場合の異音は、器具端部31の張出部31aと樹脂製のカバー端部21とが接触する場合と比べて、異音の発生リスクは極めて小さい。
【0086】
位置決め機構54は、張出部31aとカバー端部21の上面とが接触しないように、隙間Cを設けるための構成である。位置決め機構54の寸法と形状、及び器具端部31の張出部31aとカバー端部21の上面との隙間Cの寸法は、部品の製造バラツキ、組み立てのバラツキ、及び施工時の灯具101の取り付けのバラツキ等を勘案して決定される。位置決め機構54は、器具端部31の張出部31aとカバー端部21の上面との隙間Cの寸法が概ね0.3mm以上となるように形成することが好ましい。
【0087】
なお、照明装置100Bは、位置決め機構54によって灯具101の移動が規制された状態で、器具端部31とカバー端部21とが互いに押圧しない状態であれば、器具端部31とカバー端部21とが若干接していてもよく、これにより異物の侵入リスクを抑制することができる。
【0088】
図18は、実施の形態3に係る照明装置100Bの変形例の要部を拡大して示した断面図である。図18に示した位置決め機構55は、側壁部302の一部が連結バネ32に向かって突き出すように形成して凸状とした構成である。位置決め機構55は、一対の側壁部302の一部に絞り加工、ロール加工等のプレス加工を施すことによって、互いに近づく向きに突出するように形成されている。位置決め機構55は、器具本体3の長手方向(X方向)に沿って一端から他端まで形成してもよいし、任意の範囲に形成してもよい。この位置決め機構55も、灯具101が器具102に取り付けられた状態で、灯具101に取り付けられている連結具14の保持部14bの上面に当接する。これにより、灯具101は、器具本体3の収容部305側(Z1方向)へ引き込まれても、保持部14bが位置決め機構55に突き当たることで移動が規制される。また、図18に示した照明装置100Bでは、位置決め機構55によって器具本体3の剛性を向上させることができるので、器具本体3の変形防止に寄与することができる。
【0089】
実施の形態4.
次に、本実施の形態4に係る照明装置100Cを図19及び図20に基づいて説明する。図19は、実施の形態4に係る照明装置100Cの要部を拡大して示した縦断面図である。なお、実施の形態1で説明した照明装置100及び実施の形態2で説明した照明装置100Aと同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0090】
本実施の形態4に係る照明装置100Cは、実施の形態2で説明した照明装置100Aの構成において、閉塞具6に位置決め機構63を設けず、天壁部301に位置決め機構56を形成した構成を特徴としている。位置決め機構56は、図19に示すように、天壁部301から電線保護具15に向かって突き出すように、天壁部301の一部に切り起こし加工等のプレス加工を施すことによって凸状に形成した構成である。なお、位置決め機構56は、天壁部301とは別体の部材を天壁部301に取り付けることによって、電線保護具15に向かって突き出す凸状とした構成でもよい。位置決め機構56は、灯具101が器具102に取り付けられた状態で、灯具101に取り付けられている電線保護具15の上面に先端部が当接する。これにより、灯具101は、器具本体3の収容部305側(Z1方向)へ引き込まれても、電線保護具15が位置決め機構56に突き当たることで移動が規制される。この状態において、器具端部31の張出部31aと、灯具101のカバー端部21の上面との間に隙間Cが設けられており、器具端部31とカバー端部21とが接触しないようになっている。このため、照明装置100Cは、器具端部31と、器具端部31とは膨張係数が異なるカバー端部21とが接触することによって発生するスティックスリップ現象による異音を抑制することができる。
【0091】
なお、電線保護具15は、灯具101の金属製の台座1に固定されている。また、金属製である器具本体部30と台座1とは、膨張係数の差が小さく、長手方向(X方向)に沿った伸縮量の差が小さい。そのため、位置決め機構56と、台座1に追従する電線保護具15とが接触する場合の異音は、器具端部31の張出部31aと樹脂製のカバー端部21とが接触する場合と比べて、異音の発生リスクは極めて小さい。
【0092】
また、位置決め機構56は、電線保護具15に突き当たる構成に限定されない。位置決め機構56は、例えば台座1の基部10に先端部が突き当たる構成でもよいし、灯具101のその他の構成部材に先端部が突き当たる構成でもよい。
【0093】
位置決め機構56は、張出部31aとカバー端部21の上面とが接触しないように、隙間Cを設けるための構成である。位置決め機構56の寸法と形状、及び器具端部31の張出部31aとカバー端部21の上面との隙間Cの寸法は、部品の製造バラツキ、組み立てのバラツキ、及び施工時の灯具101の取り付けのバラツキ等を勘案して決定される。位置決め機構56は、器具端部31の張出部31aとカバー端部21の上面との隙間Cの寸法が概ね0.3mm以上となるように形成することが好ましい。
【0094】
なお、照明装置100Cは、位置決め機構56によって灯具101の移動が規制された状態で、器具端部31とカバー端部21とが互いに押圧しない状態であれば、器具端部31とカバー端部21とが若干接していてもよく、これにより異物の侵入リスクを抑制することができる。
【0095】
図20は、実施の形態4に係る照明装置100Cの変形例の要部を拡大して示した縦断面図である。図20に示した位置決め機構57は、器具端部31の張出部31aが収容部305の内部に向かって延伸され、該延伸させた張出部31aの一部に形成された構成である。位置決め機構57は、延伸させた張出部31aの一部から台座1の基部10の上面に向かって突き出す凸状として形成されている。なお、位置決め機構57は、張出部31aとは別体の部材を延伸させた張出部31aの下面に取り付けて凸状としてもよい。位置決め機構57は、灯具101が器具102に取り付けられた状態で、台座1の基部10の上面に先端部が当接する。これにより、灯具101は、器具本体3の収容部305側(Z1方向)へ引き込まれても、基部10が位置決め機構56に突き当たることで移動が規制される。なお、位置決め機構57は、基部10に突き当たる構成に限定されない。位置決め機構57は、灯具101のその他の構成部材に先端部が突き当たる構成でもよい。
【0096】
実施の形態5.
次に、本実施の形態5に係る照明装置100Dを図21及び図22に基づいて説明する。図21は、実施の形態5に係る照明装置100Dであって、灯具101Dの長手方向の一端部を拡大して示した部分斜視図である。図21(a)は、灯具101Dのカバー2Dが台座1Dから取り外された状態を示している。図21(b)は、灯具101Dのカバー2Dが台座1Dに取り付けられた状態を示している。図22は、実施の形態5に係る照明装置100Dの要部を拡大して示した縦断面図である。なお、実施の形態1~4で説明した照明装置100~100Cと同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0097】
本実施の形態5に係る照明装置100Dでは、器具102に位置決め機構を設けた上記実施の形態1~4とは異なり、灯具101Dに位置決め機構11dを設けた構成を特徴としている。本実施の形態5に係る照明装置100Dの位置決め機構11dも、灯具101Dが器具102に装着された状態において、収容部305に配置され、収容部305から露出した部分のカバー2Dと器具102とが接触しないように、収容部305に装着された灯具101Dの位置を決めるものである。
【0098】
位置決め機構11dは、図21(a)に示すように、台座1Dの長手方向(X方向)の両端部において、基部10の一部及び側壁部11の一部を、該長手方向(X方向)に沿って延伸させて凸状に形成した構成である。位置決め機構11dは、台座1Dの短手方向(Y方向)における基部10の端部と、側壁部11の下部とで形成された屈曲部分を含むように形成されており、概略L字状の断面形状をなしている。位置決め機構11dは、台座1Dの長手方向(X方向)における両端部にそれぞれ2つずつ設けられている。
【0099】
また、カバー端部21Dの上面には、位置決め機構11dが配置される溝部21dが設けられている。図21(b)に示すように、灯具101Dが組み立てられた状態で、位置決め機構11dの少なくとも一部が溝部21dに収容される。位置決め機構11dが設けられた台座1Dと溝部21dが設けられたカバー端部21Dとは膨張係数が異なる。このため、スティックスリップ現象による異音を抑制するため、位置決め機構11dが溝部21dと接触しないように、位置決め機構11dを溝部21dに収容することが好ましい。また、溝部21dと位置決め機構11dとが接触する場合には、線接触又は点接触等の接触構造を採用することによって接触面積を極力小さくすることが好ましい。
【0100】
なお、位置決め機構11dは、基部10と側壁部11とにそれぞれ別々に形成された構成でもよい。また、位置決め機構11dは、基部10と側壁部11とのいずれかに形成された構成でもよい。
【0101】
図22に示すように、位置決め機構11dは、灯具101Dが器具102Dに取り付けられた状態で、器具端部31に設けられた張出部31aの下面に上端縁が当接する。これにより、灯具101Dは、器具本体3の収容部305側(Z1方向)へ引き込まれても、張出部31aが位置決め機構11dに突き当たることで移動が規制される。この状態において、器具端部31の張出部31aと、灯具101Dのカバー端部21の上面との間に隙間Cが設けられており、器具端部31とカバー端部21Dとが接触しないようになっている。このため、照明装置100Dは、器具端部31と、器具端部31とは膨張係数が異なるカバー端部21Dとが接触することによって発生するスティックスリップ現象による異音を抑制することができる。
【0102】
位置決め機構11dは、張出部31aとカバー端部21Dの上面とが接触しないように、隙間Cを設けるための構成である。位置決め機構11dの寸法と形状、及び器具端部31の張出部31aとカバー端部21Dの上面との隙間Cの寸法は、部品の製造バラツキ、組み立てのバラツキ、及び施工時の灯具101Dの取り付けのバラツキ等を勘案して決定される。位置決め機構11dは、器具端部31の張出部31aとカバー端部21Dの上面との隙間Cの寸法が概ね0.3mm以上となるように形成することが好ましい。
【0103】
なお、照明装置100Dは、位置決め機構11dによって灯具101Dの移動が規制された状態で、器具端部31とカバー端部21Dとが互いに押圧しない状態であれば、器具端部31とカバー端部21Dとが若干接していてもよく、これにより異物の侵入リスクを抑制することができる。
【0104】
本実施の形態5に係る照明装置100Dでは、灯具101Dの構成部材である台座1Dに、器具102Dの構成部材である器具端部31の張出部31aに当接する位置決め機構11dが設けられる構成を説明したが、これに限定されない。例えば、灯具101Dの構成部材である連結具14、電線保護具15又は電源部13に、器具102Dの構成部材の一部に当接する位置決め機構が設けられる構成であってもよい。器具102Dの構成部材の一部とは、例えば、器具本体部30又は器具端部31である。位置決め機構は、灯具101Dの各構成部材とは別体の部材を、台座1、連結具14、電線保護具15又は電源部13に取り付けて、収容部305に向かって突き出す凸状とされる。位置決め機構は、灯具101Dが器具102に取り付けられた状態で、器具102の構成部材の一部に当接する。これにより、灯具101Dは、器具本体3の収容部305側(Z1方向)へ引き込まれても、位置決め機構が器具102の構成部材の一部に突き当たることで移動が規制される。
【0105】
また、照明装置100Dにおける位置決め機構は、例えば、台座1の基部10から収容部305に向かって突き出すように、基部10の一部を切り欠いて形成してもよい。
【0106】
以上、実施の形態に基づいて照明装置(100~100D)を説明したが、照明装置(100~100D)は上述した実施の形態の構成に限定されるものではない。上記した照明装置(100~100D)の構成は、一例であって、構成要素の一部を省略してもよいし、他の構成要素を含んでもよい。また、照明装置(100~100D)は、システム天井等の造営部103に設置した構成について説明したが、これに限定されない。照明装置(100~100D)は、例えば、吊ボルト等に固定されて天井に直付け設置される直付型の照明装置、吊ボルト等に固定されて天井に埋め込み設置される埋込型の照明装置等でもよい。要するに、照明装置(100~100D)は、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更及び応用のバリエーションの範囲を含むものである。
【0107】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0108】
(付記1)
照射対象領域に光を照射する灯具と、
造営部に取り付けられ、前記灯具が装着される収容部を有する器具と、を備え、
前記灯具は、台座と、前記台座に設置され、光を発光する光源部と、前記光源部を覆うように前記台座に取り付けられるカバーと、を有し、照射対象領域側に向かって前記カバーの一部が前記収容部から露出した状態で前記器具に取り付けられており、
前記灯具が前記器具に装着された状態において、前記収容部に配置され、前記収容部から露出した部分の前記カバーと前記器具とが接触しないように、前記収容部に装着された前記灯具の位置を決める位置決め機構を有している、照明装置。
【0109】
(付記2)
前記カバーは、長尺で凹状のカバー本体部と、前記カバー本体部の長手方向の両端面に配置されたカバー端部と、を有しており、
前記器具は、前記収容部を有する長尺の器具本体部と、前記器具本体部の長手方向の両端面に配置された器具端部と、を有しており、
前記位置決め機構は、前記カバー端部と前記器具端部とが接触しないように、前記収容部に装着された前記灯具の位置を決める構成である、付記1に記載の照明装置。
【0110】
(付記3)
前記器具は、前記収容部に配置される灯具規制具を有し、
前記位置決め機構は、前記灯具規制具の一部に形成された凸状部であり、前記灯具の構成部材の一部に当接することにより、前記収容部に装着された前記灯具の位置を決める構成である、付記1又は2に記載の照明装置。
【0111】
(付記4)
前記灯具規制具は、板状の規制具基部と、前記規制具基部から前記灯具に向かって延びる一対の板状の規制具側部と、で凹状に形成された構成とされ、
前記位置決め機構は、一対の前記規制具側部に形成されている、付記3に記載の照明装置。
【0112】
(付記5)
前記器具は、前記収容部の外面に固定されて前記造営部に取り付けられる設置具と、前記収容部の内部に移動自在に取り付けられた閉塞具と、を有し、
前記収容部には、前記設置具を取り付けるための固定具を通す設置具用取付孔が、前記設置具を取り付ける複数の領域ごとに形成されており、
前記設置具は、前記設置具用取付孔が形成された複数の前記領域のうち少なくとも1か所において固定されており、
前記閉塞具は、前記設置具が取り付けられていない未使用の前記設置具用取付孔を塞ぐ構成とされており、
前記位置決め機構は、前記閉塞具に形成された凸状部であり、前記灯具の構成部材の一部に当接することにより、前記収容部に装着された前記灯具の位置を決める構成である、付記1又は2に記載の照明装置。
【0113】
(付記6)
前記収容部は、前記灯具に対向する板状の天壁部と、前記天壁部の対向する両端縁から前記灯具に向かって突き出す一対の板状の側壁部とで、凹状に形成されており、
前記位置決め機構は、一対の対向する前記側壁部の内面に設けられ、該対向する内面に向かって突き出す凸状とされており、前記灯具の構成部材の一部に当接することにより、前記収容部に装着された前記灯具の位置を決める構成である、付記1又は2に記載の照明装置。
【0114】
(付記7)
前記位置決め機構は、前記側壁部の内面に、前記側壁部とは別体の部材を取り付けて凸状とした構成である、付記6に記載の照明装置。
【0115】
(付記8)
前記位置決め機構は、前記側壁部の一部が突き出すように形成して凸状とした構成である、付記6に記載の照明装置。
【0116】
(付記9)
前記灯具は、前記器具に取り付けるための連結具を有しており、
前記位置決め機構は、前記連結具に当接することにより、前記収容部に装着された前記灯具の位置を決める構成である、付記3、4、6、7又は8に記載の照明装置。
【0117】
(付記10)
前記収容部は、前記灯具に対向する板状の天壁部と、前記天壁部の対向する両端縁から前記灯具に向かって突き出す一対の板状の側壁部とで、凹状に形成されており、
前記位置決め機構は、前記天壁部に設けられ、前記灯具に向かって突き出す凸状とされており、前記灯具の構成部材の一部に当接することにより、前記収容部に装着された前記灯具の位置を決める構成である、付記1又は2に記載の照明装置。
【0118】
(付記11)
前記器具は、前記収容部を有する長尺の器具本体部と、前記器具本体部の長手方向の両端面に配置された器具端部と、を有しており、
前記位置決め機構は、前記器具端部に形成され、前記灯具に向かって突き出す凸状とされており、前記灯具の構成部材の一部に当接することにより、前記収容部に装着された前記灯具の位置を決める構成である、付記1又は2に記載の照明装置。
【0119】
(付記12)
前記位置決め機構は、前記灯具の構成部材の一部に設けられ、前記器具の前記収容部に向かって突き出す凸状とされており、前記器具の構成部材の一部に当接することにより、前記収容部に装着された前記灯具の位置を決める構成である、付記1又は2に記載の照明装置。
【0120】
(付記13)
台座と、前記台座に設置され、光を発光する光源部と、前記光源部を覆うように前記台座に取り付けられるカバーと、を有する灯具が装着される器具であって、
照射対象領域側に向かって前記カバーの一部が露出した状態で前記灯具が取り付けられる収容部と、
前記収容部に配置され、前記収容部から露出した部分の前記カバーと接触しないように、前記収容部に装着された前記灯具の位置を決める位置決め機構と、を有している、器具。
【符号の説明】
【0121】
1、1D 台座、2、2D カバー、3 器具本体、4 設置具、5 灯具規制具、6 閉塞具、10 基部、11 側壁部、11a カール部、11d 位置決め機構、12 光源部、12a 基板、12b 発光素子、13 電源部、13a 灯具側電線、13b 電線挿通孔、14 連結具、14a 連結部、14b 保持部、14c 開口、15 電線保護具、16 係止バネ、20 カバー本体部、21、21D カバー端部、21d 溝部、30 器具本体部、31 器具端部、31a 張出部、32 連結バネ、32a 連結部、32b 固定部、32c 連結バネ用固定具、32d 連結バネ用取付孔、33 端子台、34 器具側電線、35 設置具用取付孔、36 規制具用取付孔、37 引掛具、37a 引掛孔、37b 引掛具用固定具、38 器具突出部、39 閉塞具挿通孔、40 取付具、41 載置具、42 規制具、43 設置具用固定具、50 規制具基部、50a 切り欠き部、50b 基部挿通孔、51 規制具側部、52 規制具用固定具、53、54、55、56、57 位置決め機構、60 基部、61 立設部、62 突出部、63 位置決め機構、63a 貫通孔、64 基部貫通孔、65、66 基部挿通孔、100、100A、100B、100C、100D 照明装置、101、101D 灯具、102、102D 器具、103 造営部、200 透光部、200a 透光主部、200b 透光側部、201 取付部、201a 支持部、201b 保持部、201c フック部、301 天壁部、302 側壁部、303 接続部、304 傾斜部、305 収容部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22