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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083600
(43)【公開日】2024-06-21
(54)【発明の名称】ピッキング台車
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20240614BHJP
【FI】
B65G1/137 G
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024066579
(22)【出願日】2024-04-17
(62)【分割の表示】P 2023568678の分割
【原出願日】2023-05-02
(31)【優先権主張番号】P 2022119542
(32)【優先日】2022-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】516359757
【氏名又は名称】株式会社GO-ONE
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】國井 剛
(57)【要約】
【課題】作業者の誤認等の影響を受けることなく、ピッキング対象の物品を作業者に適切にピッキングさせる。
【解決手段】ピッキング台車5が、複数の物品がそれぞれ入れられる複数のボックス17をそれぞれ収容する複数の収容部15が設けられた台車本体11と、台車本体11を支持する車輪13と、を備え、台車本体11には、各収容部15に各ボックス17をそれぞれ挿入するための複数の開口19と、各収容部15に収容された各ボックス17の各開口19からの取り出しをそれぞれ制限する複数のロック装置25と、ロック装置25の動作を制御する制御装置31と、が設けられ、ロック装置25は、制御装置31の制御によって、対応する収容部15に収容されたボックス17の反挿入方向への移動を阻止するロック状態と、対応する収容部15に収容されたボックス17の反挿入方向への移動を許容するアンロック状態との間で切り替えられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピッキング台車であって、
複数の物品がそれぞれ入れられる複数のボックスをそれぞれ収容する複数の収容部が設けられた台車本体と、
前記台車本体を移動可能に支持する車輪と、を備え、
前記台車本体には、
前記各収容部に前記各ボックスを所定の挿入方向にそれぞれ挿入するための複数の開口と、
前記各収容部に収容された前記各ボックスの前記各開口からの取り出しをそれぞれ制限する複数のロック装置と、
前記各ロック装置の動作を制御する制御装置と、が設けられ、
前記各ロック装置は、前記各収容部の下面を画成する底壁に設けられた開口から突出して、前記ボックスが対応する前記収容部から取り出されるのを阻止するべきロック状態と、前記開口に没入して、前記ボックスが対応する前記収容部から取り出されるのを許容するべきアンロック状態との間を移動可能であるように、横方向に延在する軸線周りに前記台車本体に対して回動可能に設けられたロック部材と、前記ロック部材を前記ロック状態に向けて付勢するためのばねと、前記制御装置の制御によって、前記ばねのばね力に抗して前記ロック部材を前記アンロック状態に駆動するためのアクチュエータとを有し、
前記アクチュエータが、前記底壁の下側に於いて、前記挿入方向に延在するアクチュエータ本体と、前記アクチュエータ本体に前記挿入方向に進退可能に設けられ、その進出位置において、前記ロック部材を前記開口に没入させるように前記ロック部材に作用するロッドとを有するピッキング台車。
【請求項2】
前記ロック部材は、前記アンロック状態において、前記軸線側から前記挿入方向に延出する第1プレートと、
前記第1プレートの前記軸線側に対して相反する側の端縁から前記開口内に向けて下方向に延出する第2プレートと、
前記第1プレートの前記軸線側の端縁から下方向に延出する第3プレートとを有する請求項1に記載のピッキング台車。
【請求項3】
前記第2プレートの下端に、前記底壁の前記開口の縁部に係止されることにより前記ロック部材の過度の回動を規制する係止片が設けられている請求項2に記載のピッキング台車。
【請求項4】
前記各ロック装置が、前記アクチュエータ本体の上面と略平行に延在し、前記アクチュエータ本体に対して前記挿入方向に相対移動可能に設けられた水平片と、この水平片の前記挿入方向に相反する側の端部に接続され、前記ロッドにより押圧可能な内面を有する縦片とを有する押圧部材と、を更に有し、
前記ロッドが前記縦片の前記内面を押圧したときに、前記縦片が前記第3プレートを押圧し、その結果前記ロック部材が前記開口に没入するようにした請求項3に記載のピッキング台車。
【請求項5】
前記水平片が、前記挿入方向に伸びる複数の長孔を有し、
前記アクチュエータ本体の上部から突設されたピンが、前記長孔に挿入されている請求項4に記載のピッキング台車。
【請求項6】
前記ばねは、前記ロック部材を回動可能に支持する枢軸周りに巻回されたねじりコイルばねを含む請求項1に記載のピッキング台車。
【請求項7】
前記台車本体には、前記複数の開口とは異なる方向に開口し、前記各収容部にそれぞれ連通する他の開口が設けられる請求項1に記載のピッキング台車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピッキング台車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、倉庫より荷をピッキングするためのピッキング台車として、仕切板を抜き差しして荷の載置区画を変更できるようにした荷載置部と、ピッキングに必要なデータ、ピッキング最短ルート及び適切な荷の載置区画等を入力したICカードと、該ICカードの差し込みにより、必要なデータ、ピッキング最短ルート、及び適切な荷の載置区画等を表示する表示部を有するハンディターミナルと、そのハンディターミナルを昇降、傾動自在に支持する可動支持部とを備えたものが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実願平1-91215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載された従来技術によれば、ピッキング台車を使用する作業者は、ハンディターミナルの表示に従って対象の物品をピッキングする(すなわち、棚等の保管場所から物品を取り出してピッキング台車に載せる)ことが可能である。
【0005】
一方、上記従来技術では、作業者が誤ったピッキングを行った場合(例えば、ハンディターミナルの表示を見誤った場合)、ピッキング対象ではない誤った物品が荷載置部に載置されることになる。したがって、ピッキング台車では、作業者の誤認等の影響を受けることなく、ピッキング対象の物品を適切にピッキング可能とすることが望ましい。
【0006】
本発明は、以上の背景に鑑み、ピッキング台車において、作業者の誤認等の影響を受けることなく、ピッキング対象の物品を作業者に適切にピッキングさせることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明のある態様は、ピッキング台車であって、複数の物品がそれぞれ入れられる複数のボックスをそれぞれ収容する複数の収容部が設けられた台車本体と、前記台車本体を移動可能に支持する車輪と、を備え、前記台車本体には、前記各収容部に前記各ボックスを所定の挿入方向にそれぞれ挿入するための複数の開口と、前記各収容部に収容された前記各ボックスの前記各開口からの取り出しをそれぞれ制限する複数のロック装置と、前記各ロック装置の動作を制御する制御装置と、が設けられ、前記各ロック装置は、前記制御装置の制御によって、対応する前記収容部に収容された前記ボックスの反挿入方向への移動を阻止するロック状態と、対応する前記収容部に収容された前記ボックスの前記反挿入方向への移動を許容するアンロック状態との間で切り替えられる構成とする。
【0008】
この態様によれば、ピッキング台車において、収容部の開口からのボックスの取り出しを制限するロック装置の動作を適切に制御する(すなわち、適切なピッキングが行われ得る場合にのみアンロック状態とする)ことにより、作業者の誤認等の影響を受けることなく、ピッキング対象の物品を作業者に適切にピッキングさせることが可能となる。
【0009】
上記の態様において、前記各ロック装置は、前記各収容部の1つの面を画成する壁から出没自在に設けられたロック部材を有し、前記ロック部材は、前記ロック状態において、前記壁から突出することにより、対応する前記ボックスを前記反挿入方向の側において係止するとよい。
【0010】
この態様によれば、簡易な構成のロック装置によって、収容部に収容されたボックスの反挿入方向への移動を阻止することができる。
【0011】
上記の態様において、前記各ロック装置は、前記ロック部材を前記壁からの突出方向に常時付勢するばねと、前記制御装置の制御によって、前記ばねの付勢力に抗して前記ロック部材を前記壁に没入させる方向に変位させるためのアクチュエータと、を有するとよい。
【0012】
この態様によれば、ロック部材がばねによって突出方向(すなわち、ロック装置をロック状態とする方向)に常時付勢されるため、アクチュエータの作動に拘わらず、収容部へのボックスの挿入作業が阻害されることがない(すなわち、作業者は、ばねの付勢力に抗してボックスを収容部に挿入することができる)。
【0013】
上記の態様において、前記壁は、前記各収容部の底面の少なくとも一部を画成するとよい。
【0014】
この態様によれば、収容部に挿入されるボックスがロック部材の上に載る状態となるため、ボックスの荷重によってロック部材をばねの付勢力に抗して没入方向に変位させることができ、アクチュエータの作動に拘わらず、収容部へのボックスの挿入作業がより容易となる。
【0015】
上記の態様において、前記各ロック部材は、前記壁と共に前記各収容部の前記1つの面を画成する第1プレートと、前記挿入方向の奥側に位置する前記第1プレートの第1の側縁から前記各収容部の外側に向けて延出する第2プレート、前記ロック状態において、前記挿入方向の手前に位置する回動軸を中心として、前記第1プレートの前記第1の側縁側が前記壁から突出するように回動するとよい。
【0016】
この態様によれば、ボックスを係止するための構造(ロック部材)を簡易に実現することができる。
【0017】
上記の態様において、前記各ロック装置は、前記アクチュエータによって駆動され、前記アクチュエータに対して前記挿入方向の前記手前側および前記奥側に相対移動可能に設けられた押圧部材と、前記挿入方向の手前側に位置する前記第1プレートの第2の側縁から前記各収容部の外側に向けて延出する第3プレートと、を更に有し、前記押圧部材は、前記第1プレートの前記第1の側縁側を前記壁に没入させるように、前記第3プレートを押圧する押圧プレートを有するとよい。
【0018】
この態様によれば、ロック部材の第3プレートを押圧プレートによって押圧するため、ロック部材の没入動作を安定的に行うことが可能となる。
【0019】
上記の態様において、前記台車本体には、前記複数の開口とは異なる方向に開口し、前記各収容部にそれぞれ連通する他の開口が設けられるとよい。
【0020】
この態様によれば、作業者が収容部へのボックスの収用状態を容易に確認することが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
以上の態様によれば、ピッキング台車において、作業者の誤認等の影響を受けることなく、ピッキング対象の物品を作業者に適切にピッキングさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態に係るピッキングシステムの全体構成図
図2】ピッキング台車の側面図
図3】ピッキング台車の前面図
図4】ピッキング台車の上面図
図5】ロック状態のロック装置を示す断面図
図6】アンロック状態のロック装置を示す断面図
図7】ピッキング台車におけるボックスの挿入動作を示す説明図
図8】端末装置の機能ブロック図
図9】ピッキング台車によるピッキング処理の流れを示すフロー図
図10】ピッキング用画面の一例を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。説明の便宜上、方向(上下、前後、左右)については、図面に矢印で適宜示された方向に従う。
【0024】
図1に示すように、ピッキングシステム1は、倉庫管理装置3(以下、管理装置3という。)と、複数のピッキング台車5とを含む。ピッキングシステム1は、例えば、図示しない物流倉庫に保管された商品の出荷時に行われる商品のピッキングに用いられる。管理装置3および各ピッキング台車5は、インターネットやLAN(Local Area Network)等の通信ネットワーク7を介して互いに通信可能である。なお、管理装置3および各ピッキング台車5は、Bluetooth(登録商標)やWi-Fiなどに基づく近距離無線通信によって直接通信してもよい。
【0025】
管理装置3は、CPU、MPU、GPU、及びDSP等を含む1以上のプロセッサ、ROM及びRAM等を含むメモリ、HDD及びSSD等を含むストレージ、及びネットワークカード等を含む通信装置などの公知のハードウェアを含み得るコンピュータである。本実施形態では、管理装置3は、ピッキング台車5を用いたピッキング作業に必要な各種情報やプログラムを提供するサーバによって構成される。なお、管理装置3は、後述するピッキング作業用の端末装置31(例えば、図2図8を参照)と協働する。管理装置3および端末装置31は、それらの一方の機能の一部を他方が代替して実行してもよい。
【0026】
複数のピッキング台車5は、それぞれ物流倉庫等に設定された保管場所(例えば、複数の物品がそれぞれ決められた位置に載置された棚)から取り出された物品を運搬するための台車である。複数のピッキング台車5は、略同様の構成を有する。本実施形態では、各ピッキング台車5によって運搬される物品(ピッキング対象の物品の一例)は、1または複数の店舗にそれぞれ運送される販売用の商品である。ただし、各ピッキング台車5によって運搬される物品は、販売用の商品には限定されず、例えば、工場で組み立てられる装置用の部品であってもよい。
【0027】
次に、図2図3、及び図4を参照して、ピッキング台車5の詳細について説明する。
【0028】
図2図4に示すように、ピッキング台車5は、台車本体11と、台車本体11を移動可能に支持する複数(ここでは、前後、左右の4つ)の車輪13と、を備える。なお、車輪13には、軸のまわりを回転する円形の部材に限らず、台車本体11を移動可能に支持する任意の装置が含まれ得る。
【0029】
台車本体11は、略直方体状の外形を有する金属製の外殻を有している。台車本体11の内部には、略直方体状の収容スペースを画定する複数(ここでは、4つ)の収容部15が設けられている。
【0030】
各収容部15は、保管場所から取り出される複数の商品(すなわち、ピッキング対象)がそれぞれ入れられる複数のボックス17を収容可能である。各ボックス17は、それに収められるピッキング対象の1以上の商品(または商品群)と予め対応付けられている。各収容部15が画定する収容スペース(ここでは、略直方体形状をなす)のサイズは、各ボックス17のサイズに対応するように設定されている。より詳細には、それら収容スペースのサイズは、各ボックス17の外面と、収容スペースを画定する壁面との間に過度の隙間が生じないように、延いては、後述するロック装置25のロック機能を阻害しないように設定されている。
【0031】
本実施形態では、図2に示すように、台車本体11には、前後方向に並ぶ2つの収容部15が、上下2段に設けられている。ただし、これに限らず、収容部15の数や配置は適宜変更することができる。なお、台車本体11には、互いに異なるサイズの収容スペースを有する複数の収容部15が設けられてもよい。
【0032】
各収容部15には、各ボックス17を所定の挿入方向(ここでは、図3に示す左方向を参照)に挿入するための開口19が形成されている。各収容部15の開口19は、図2に示すように、台車本体11の外殻を構成する右壁11Dに開口する。
【0033】
なお、作業者Wは、各収容部15の収容スペースに対するボックス17の挿入を、開口19のみから行うことが可能である。また、作業者Wは、収容部15の収容スペースに収容されたボックス17の取り出しを、開口19のみから行うことが可能である。ただし、図3に示すように、台車本体11の外殻を構成する前壁11Aには、それぞれ隣接する収容部15の収容スペースに連通する他の開口21(図3参照)が形成されてもよい。図示は省略するが、同様に、台車本体11の外殻を構成する後壁11Bおよび左壁11Cにも他の開口が形成され得る。
【0034】
このように、各収容部15に連通する他の開口21(すなわち、作業者Wが各ボックス17を収容スペースに挿入するための開口19以外の孔等)が台車本体11に設けられることにより、作業者Wは、各収容部15内におけるボックス17の状態(姿勢や位置等)を容易に確認することが可能となる。
【0035】
台車本体11の後壁11Bの上部には、図2及び図4に示すように、作業者Wがピッキング台車5を移動(走行)させる際に把持可能な左右一対のハンドル22が設けられている。
【0036】
各収容部15の底部には、図2に示すように、前後一対のガイドレール24が設けられる。対をなすガイドレール24は、収容部15に挿入されるボックス17の挿入方向(図3に示す左右方向を参照)に延在する。収容部15へのボックス17の挿入時には、ボックス17の前後の底部(角部)が対をなすガイドレール24によってそれぞれ支持され、ボックス17の挿入方向への移動がガイドされる。各ガイドレール24は、例えば、L字アングルによって構成される。
【0037】
また、各収容部15の底部(収容スペースの下方)には、各収容部15に収容された各ボックス17の各開口19からの取り出しをそれぞれ制限するロック装置25が設けられている。各ロック装置25には、その動作状態を示すランプ26が付設されている。各ランプ26は、作業完了ボタンとしても機能する。例えば、作業完了ボタンは、それに対応する収容部15に収容されたボックス17への商品の投入がした際に作業者Wによって押下される。
【0038】
なお、各収容部15には、対応するボックス17がセットされたことを検知するための物体検知センサ(図示せず)が設けられている。物体検知センサとしては、例えば、公知の近接センサを用いることができる。
【0039】
各ボックス17は、例えば、略直方体状の外形を有するダンボールから構成される。各ボックス17の上部は、開放されていてもよい。その場合、各ボックス17の上部は、少なくともピッキング作業が完了した後に閉止される。また、各ボックス17は、ダンボールに限らず、例えば、樹脂製のケースであってもよい。各ボックス17は、ピッキング作業後には、商品を輸送(出荷)するための包装容器(輸送用の容器)として用いられる。
【0040】
また、台車本体11の外殻を構成する上壁11Eには、端末装置31(制御装置および表示装置の一例)、読み取り装置33、測定装置35、及び印刷装置37が設置されている。ただし、それらの装置は、台車本体11の上壁11E以外の適所に設置されてもよい。
【0041】
端末装置31は、CPU、MPU、GPU、及びDSP等を含む1以上のプロセッサ、ROM及びRAM等を含むメモリ、HDD及びSSD等を含むストレージ、及びネットワークカード等を含む通信装置などの公知のハードウェアを含み得るコンピュータである。本実施形態では、端末装置31は、表示画面を備えたタッチパネルを含むタブレット端末によって構成される。ただし、端末装置31は、タブレットに限定されず、作業者Wによって携帯されるスマートフォンなどの情報処理端末であってもよい。また、端末装置31は、ピッキング台車5に搭載された各装置を制御する制御装置として機能する。ただし、端末装置31が表示装置としてのみ機能し、各装置を制御する制御装置(他のコンピュータ)が台車本体11に別途設置されてもよい。
【0042】
読み取り装置33は、商品に付された識別情報を読み取るための装置である。本実施形態では、各商品には、その識別情報を含む2次元コードが付される。また、読み取り装置33は、2次元コードから識別情報を読み取る2次元コードリーダである。ただし、商品の識別情報は、2次元コード以外に保持されてもよい。例えば、各商品には、2次元コードの代わりに、その識別情報を含むRFIDタグが付されてもよい。その場合、読み取り装置33としてRFIDリーダが用いられる。
【0043】
商品の識別情報には、例えば、商品名、商品種別、商品番号、流通コード(JANコード)、保管場所の情報(例えば、商品が収容される棚の番号)、及び商品重量の情報のうちの少なくとも1つが含まれる。ただし、商品の識別情報は、少なくとも対応する商品を特定(他の商品と区別)可能な情報であればよく、それらの情報には限定されない。読み取り装置33は、読み取った識別情報を端末装置31に送信する。
【0044】
測定装置35は、商品の重量を測定する重量計である。測定装置35は、測定した商品の重量に関する情報を端末装置31に送信する。或いは、作業者Wが、測定結果(測定した商品の重量に関する情報)を、端末装置31に対して入力してもよい。
【0045】
印刷装置37は、各ボックス17用の出荷ラベル41(図2参照)を印刷するプリンタである。印刷装置37は、端末装置31から受信する各ボックス17の出荷情報に基づき、出荷ラベル41を印刷することができる。出荷ラベル41は、ピッキング作業の終了後に対応するボックス17の外面に貼付される。出荷情報には、輸送先(例えば、商品を販売する店舗)を示す情報(例えば、住所や電話番号)の情報が含まれる。
【0046】
また、台車本体11の下壁11Fに取り付けられた筐体43内には、ピッキング台車5で使用される電力を供給するバッテリ45が設置される。バッテリ45は、ピッキング台車5に搭載された各装置(ここでは、ロック装置25、端末装置31、読み取り装置33、測定装置35、及び印刷装置37等)に対して必要な電力を供給することができる。
【0047】
なお、図2図4では、ピッキング台車5における各装置が相互に通信するための通信ケーブルや、バッテリ45から電力供給を受けるための電力ケーブル等については省略されている。ただし、ピッキング台車5における各装置は、通信ケーブルを介することなく相互に無線通信を行ってもよい。
【0048】
次に、図5図6、及び図7を参照して、ロック装置25の構造およびその動作の詳細について説明する。
【0049】
ロック装置25は、対応する収容部15の底面少なくとも一部を画定する底壁15Aの外側(ここでは、底壁15Aの下面)に取り付けられる筐体46を有する。筐体46は、上方が開放された略凹状(すなわち、略六面体の一面が開放された形状)をなす。筐体46の上部開口の縁は、底壁15Aの下面に当接した状態にある。
【0050】
ロック装置25は、底壁15Aに設けられた略矩形の開口47から出没自在に変位可能に設けられたロック部材49を有する。ロック部材49は、図5に示すように、上方に変位(ここでは、回動)することにより、対応する収容部15に収容されたボックス17の反挿入方向(図3における右方向)への移動を阻止する状態(以下、「ロック状態」という。)となる。一方、ロック部材49は、図6に示すように、下方に変位することにより、対応する収容部15に収容されたボックス17の反挿入方向への移動を許容する状態(以下、「アンロック状態」という。)となる。
【0051】
ロック部材49は、アンロック状態において、底壁15Aと共に収容部15の底面(1つの面の一例)を画成する略矩形状をなす上プレート51(第1プレートの一例)を有する。換言すれば、上プレート51は、図6に示すように、アンロック状態のロック装置25において、底壁15Aの開口47を概ね閉止した状態となる。
【0052】
また、ロック部材49は、上プレート51の右側(挿入方向の手前側)の側縁51A(第2の側縁の一例)から収容部15の外側に向けて(概ね直交する方向に)延出する右プレート53(第3プレートの一例)を有する。また、ロック部材49は、収容されたボックス17が位置する側(ここでは、左側)における上プレート51の左側(すなわち、挿入方向の奥側)の側縁51B(第1の側縁の一例)から収容部15の外側に向けて延出する左プレート54(第2プレートの一例)を有する。さらに、ロック部材49は、上プレート51の前側の側縁から収容部15の外側に向けて(概ね直交する方向に)延出する前プレート55と、上プレート51の後側の側縁から収容部15の外側に向けて(概ね直交する方向に)延出する後プレート(図示せず)を有する。
【0053】
ロック装置25は、ロック部材49を回動可能に支持する回動支持部材57(ここでは、蝶番)を含む。回動支持部材57は、前後方向に延在する回動軸61を有する。また、回動支持部材57は、中間に配置された回動軸61にそれぞれ共に支持されることにより、相対回転可能に設けられた回動片62、63を有する。また、回動支持部材57は、回動軸61に取り付けられ、回動片62、63を互いに離間させる方向に付勢するばね65(ここでは、ねじりコイルばね)を有する。なお、回動支持部材57は、右プレート53の一部が切り欠かれた部位(ここでは、前後方向における中央部)に配置される。
【0054】
一方の回動片62は、上プレート51の下面に取り付けられる。また、他方の回動片63は、筐体46の右壁46Aの左面に取り付けられる。これにより、ロック部材49は、回動軸61を中心として変位することにより、ロック状態(図5参照)とアンロック状態(図6参照)との間で切り替わる。
【0055】
ロック装置25は、ばね65の付勢力に抗してロック部材49を底壁15Aに没入させる方向に押圧する(すなわち、変位させる)アクチュエータ67を有する。アクチュエータ67は、アクチュエータ本体69と、アクチュエータ本体69から左右方向に伸縮自在に設けられたロッド70とを有する。アクチュエータ本体69は、その下部から突設された複数の固定部69Aによって、筐体46の下壁46Bに固定されている。
【0056】
アクチュエータ67の上部には、アクチュエータ67に対して相対移動可能に押圧部材73が取り付けられている。押圧部材73は、アクチュエータ67のロッド70によって駆動される。押圧部材73は、アクチュエータ67の上面と略平行に延在する水平片75と、この水平片75の右縁に接続され、ロック部材49の右プレート53及び筐体46の右壁46Aと略平行に延在する縦片76と、を有する。水平片75には、左右方向に伸びる複数の長孔79が形成されている。各長孔79には、アクチュエータ本体69の上部から突設されたピン81が挿入されている。アクチュエータ本体69に対する押圧部材73の左右方向の相対移動は、長孔79とピン81との係合によって規制される。
【0057】
アクチュエータ67は、端末装置31の制御に基づいて電気的に作動する。端末装置31は、アクチュエータ67の電源(アクチュエータ67への電力供給)のON/OFFを制御することができる。
【0058】
アクチュエータ67の電源がOFFになると、図5に示すように、ロッド70は後退状態となる。このとき、ばね65の付勢力によって、回動片62、63が互いに離間させる方向に付勢される。これにより、ロック部材49は、回動軸61を中心に図5における時計回りに回動し、上プレート51の左側が上方に変位する。その結果、ロック部材49の左側(より詳細には、上プレート51と左プレート54との連結部である角部)は、収容部15の底壁15Aの上方に突出した状態となる。
【0059】
なお、左プレート54の先端(ここでは、下端)には、左方に突出する係止片54Aが設けられている。係止片54Aは、ロック部材49の回動時に、底壁15Aの開口47の左縁部に係止されることにより、ロック部材49の過度の回動を規制する。
【0060】
アクチュエータ67の電源がONになる(すなわち、アクチュエータ67が作動する)と、図6に示すように、ロッド70は進出状態となる。このとき、ロッド70は、押圧部材73の縦片76の内面(左面)を押圧する。これにより、押圧部材73は、ばね65の付勢力に抗して、ロック部材49の右プレート53を右方向(筐体46の右壁46Aの方向)に押圧する。さらに、ロック部材49は、回動軸61を中心に図6における反時計回りに回動し、上プレート51の左側が下方に変位する。その結果、ロック部材49は、収容部15の底壁15Aに没入した状態となる。このとき、上プレート51は、収容部15の底壁15Aと略平行となる。
【0061】
ピッキング台車5では、ロック装置25のアクチュエータ67の電源がOFFの状態(すなわち、ロック部材49が上方に突出した状態)であっても、図7(A)-(C)に示すように、作業者Wは、ボックス17(例えば、ピッキング作業前のボックス17や、商品投入後のボックス17)を収容部15にセット(挿入)することが可能である。
【0062】
より詳細には、図7(A)に示すように、作業者Wが収容部15の底壁15A上でボックス17を摺動させながら、当該ボックス17を挿入方向(左方向)に押し込むと、図7(B)に示すように、ボックス17がロック部材49の上に載る状態となる。これにより、ボックス17の荷重によってロック部材49をばね65の付勢力に抗して下方(没入方向)に変位させることができる。その後、作業者Wが、ボックス17を挿入完了位置まで更に押し込むと、図7(C)に示すように、ロック部材49がばね65の付勢力によって再び上方に変位する。このとき、ロック装置25のロック部材49が、ボックス17の右側の底部(反挿入方向における下側の角部)を係止した状態となる。これにより、作業者Wは、アクチュエータ67の電源がONにならない限り、収容部15からボックス17を取り出せなくなる。
【0063】
次に、図8を参照して、端末装置31の機能の詳細について説明する。
【0064】
端末装置31は、制御部91(制御装置の一例)と、表示部92(表示装置の一例)と、記憶部93と、通信部94と、を有する。
【0065】
制御部91は、1以上のプロセッサおよびメモリを含み、ピッキング台車5の各部を統括的に制御する。ただし、制御部91の機能の一部を管理装置3が実行してもよい。表示部92は、タッチパネルを含み、作業者Wに対して必要な情報を表示する。記憶部93は、ストレージを含み、制御部91の処理に必要なデータやプログラムを記憶する。ただし、それらの必要なデータやプログラムの一部は管理装置3のストレージに記憶されてもよい。通信部94は、無線モジュールを含み、他の装置(例えば、管理装置3)との通信を行う。
【0066】
制御部91は、ロック制御部95と、表示制御部96と、通信制御部97とを有する。ロック制御部95は、各ロック装置25の動作を制御する。より詳細には、制御部91は、ロック装置25におけるアクチュエータ67の電源のON/OFFを制御することにより、ロック装置25のロック状態と、アンロック状態とを切り替えることができる。また、ロック制御部95は、ロック装置25のランプ26の動作を制御する。より詳細には、制御部91は、ロック装置25がアンロック状態にある場合、対応するランプ26を点灯、消灯、又は点滅させることができる。
【0067】
表示制御部96は、表示部92の動作を制御する。表示制御部96は、表示部92の表示画面に、作業者Wがピッキング作業を行うために必要な情報を含む画面(以下、「案内画面」という。)を表示させることができる。
【0068】
通信制御部97は、通信部94の動作を制御する。通信制御部97は、作業者Wに向けた案内画面に表示すべき情報(例えば、図10のピッキング用画面Pに表示される情報を含む)を管理装置3から受信することができる。また、通信制御部97は、作業者Wが行ったピッキング作業に関する情報(作業者Wが端末装置31に入力した情報を含む)を管理装置3に送信することができる。
【0069】
制御部91における各部の機能は、所定の制御プログラムに基づく1以上のプロセッサの処理によって実現され得る。また、制御部91の各部の機能の少なくとも一部は、LSI、ASIC、FPGA等のハードウェアによって実現されてもよく、ソフトウェア及びハードウェアの組み合わせによって実現されてもよい。
【0070】
次に、図9を参照して、ピッキング台車5によるピッキング処理の詳細について説明する。
【0071】
図9に示すように、ピッキング台車5の電源がON(すなわち、バッテリ45からの各装置に対する電力供給が開始)されると(ST101)、起動した端末装置31において、作業者Wによってピッキング作業に必要な情報(以下、「作業情報」という。)が入力される(ST102)。この作業情報には、例えば、作業者WのID(識別番号)や、作業者Wが実行予定のピッキング作業に関する番号などが含まれる。
【0072】
そこで、作業者Wによる作業情報の入力を完了すると、続いて、ピッキング台車5では、作業者Wによって各収容部15にボックス17がセットされる(ST103)。
【0073】
そこで、作業者Wが各収容部15へのボックス17のセットを完了すると、端末装置31は、作業者Wに向けたピッキング作業に関する案内画面として、ピッキング作業の対象となる商品の位置情報(例えば、流通倉庫内における地図の情報)を表示する(ST104)。このとき、端末装置31は、案内画面に表示すべき情報と共に、ピッキング作業が適正に行われたか否かを判定するために、ピッキング対象の商品に関する照合用情報を管理装置3から受信する。照合用情報には、例えば、ピッキング対象の各商品の識別情報、重量、及び数量(総数)などの情報が含まれる。案内画面には、照合用情報の少なくとも一部が表示されるとよい。
【0074】
作業者Wは、端末装置31に表示された商品の位置情報(すなわち、作業場所の情報)にしたがって、ピッキング作業を行う場所までピッキング台車5を移動させることができる。その後、作業者Wがピッキング作業を開始する際には、端末装置31は、案内画面として、例えば図10に示すピッキング用画面Pを表示することができる。なお、ステップST104の表示は、他の処理の実行に拘わらず、必要なタイミングで繰り返し実行され得る。
【0075】
次に、読み取り装置33は、作業者Wによって保管場所(例えば、棚の所定位置)から取り出された商品の識別情報を読み取る(ST105)。このとき、作業者Wは、取り出した商品において識別情報が保持された部位(例えば、2次元コード)を、読み取り装置33の読み取り部に近接させる。
【0076】
続いて、測定装置35は、作業者Wによって取り出された商品の重量を測定する(ST106)。このとき、作業者Wは、取り出した商品を測定装置35の計量皿に載置する。
【0077】
その後、端末装置31は、ステップST105で読み取られた識別情報と、ステップST106で測定された商品の重量に関する情報とに基づいて、作業者Wによって保管場所から取り出された商品(ピッキング候補の一例)が、ピッキング対象の商品であるか否か(すなわち、ピッキング作業が適正に行われたか否か)を判定する(ST107)。
【0078】
ステップST107における識別情報に関し、端末装置31は、読み取り装置33によって読み取られた商品に付された識別情報と、ピッキング対象の商品に関する照合用情報(識別情報)とを照合することにより、その照合が正常に完了した場合に、取り出された商品がピッキング対象の商品であると判定(仮決定)することができる。
【0079】
また、ステップST107における商品の重量に関し、端末装置31は、測定装置35によって測定された商品の重量と、ピッキング対象の商品に関する照合用情報(重量)とを比較することにより、その比較が正常に完了した場合(例えば、それらの重量の差が所定の範囲内にある場合)に、取り出された商品がピッキング対象の商品であると判定(仮決定)することができる。
【0080】
端末装置31は、照合用情報の照合が正常に完了し、かつ重量の比較が正常に完了した場合に、ピッキング対象の商品であると判定(確定)することができる。ただし、端末装置31は、ステップST105で読み取られた識別情報のみに基づき、ステップST107の判定を実行してもよい。
【0081】
さらに、ステップST107では、端末装置31は、ステップST105での読み取り結果から取り出された同種の商品の数(総数)を認識し、その商品の総数に基づき、ピッキング対象の商品であるか否かを判定することもできる。より詳細には、端末装置31は、読み取り装置33によって読み取られた同種の物品の総数と、照合用情報(ピッキング対象の同種の商品に関する数量)とを比較し、その比較が正常に完了した場合(例えば、それらの数が一致した場合)に、ピッキング対象の商品であると判定(仮判定)することができる。
【0082】
端末装置31は、作業者Wによって取り出された商品が、ピッキング対象の商品であると判定すると(ST107でYes)、当該商品を入れるべきボックス17が収容された収容部15におけるロック装置25のみをアンロック状態とする(ST108)。これ同時に、端末装置31は、そのロック装置25のランプ26を点灯させる(ST109)。このとき、他の収容部15におけるロック状態のロック装置25のランプ26については消灯状態にある。
【0083】
その後、端末装置31は、少なくとも1つの作業場所において、1つのボックス17に投入すべき全ての商品の識別情報が読み取られると、当該ボックス17に対するピッキング作業が完了したと判定する(ST110でYes)。例えば、1つの作業場所(通常は、ピッキング台車5の停車位置に相当)においてピッキングされるべき商品は、その保管位置が当該作業場所の位置から予め設定された所定の領域内(または距離範囲内)にある商品である。このとき、端末装置31は、該当するボックス17に対応する収容部15のロック装置25をロック状態に戻す(ST111)。ただし、ステップST110では、作業者Wが、端末装置31においてピッキング作業の完了を入力(例えば、案内画面に表示される完了ボタンを押下)した場合に、端末装置31が、ピッキング作業が完了したと判定してもよい。
【0084】
他の形態として、ステップST110では、端末装置31は、複数のボックス17に対して投入されるべき同種の商品の全てに対する識別情報が読み取られると、当該同種の商品に対するピッキング作業が完了したと判定してもよい。
【0085】
ピッキング台車5では、上述のステップST105-ST112が繰り返し実行される。最終的に端末装置31が、ピッキング台車5にセットされた各ボックス17に投入すべき全てのピッキング対象の商品のピッキング作業が完了したと判定すると(ST112でYes)、案内画面にその旨を表示し、作業者Wに次工程への移動を促す。
【0086】
端末装置31は、作業者W(ピッキング台車5)が次工程(例えば、各ボックス17のコンベアによる運搬)が実施される場所まで移動すると(ST113でYes)、端末装置31は、全ての収容部15のロック装置25をアンロック状態とする。例えば、次工程が実施される場所には、所定の無線信号を発する装置が配置されており、端末装置31は、その信号を受信することにより、全ての収容部15のロック装置25をアンロック状態とすることができる。これにより、作業者Wは、次工程を実施するためにピッキング台車5から各ボックス17を取り出すことが可能となる。
【0087】
次に、図10を参照して、ピッキング用画面Pの詳細について説明する。
【0088】
ピッキング用画面Pには、店舗コード201(商品の出荷先となる店舗の番号)、出荷店舗名202、エリア番号203(ピッキング対象の商品の保管場所に対応するエリアの番号)、ステージング番号204(ピッキングした商品をピッキング台車5で運搬する場所)、及びピッキング対象となる商品の一覧205等の情報が含まれる。
【0089】
商品の一覧205には、商品名(例えば、クッションカバー)、JAN番号、商品の種類(種別)、入数(同種の商品がまとめて箱や袋等の包装容器に保管されている場合の商品の数(すなわち、商品群に含まれる商品の数))、及びピック数(ピッキング作業の対象となる数)等の情報が含まれる。ピック数は、商品が個別に保管されている場合には商品の数に相当し、一方、複数の商品がまとめて包装容器に保管されている場合(商品群の場合)には、その商品群の数に相当する。
【0090】
また、ピッキング用画面Pでは、現在ピッキング作業の対象となっている商品に関する情報205Aが強調表示される。端末装置31では、そのような強調表示として、例えば、現在ピッキング作業の対象となっている商品の情報が表示される領域の枠線を太く表示したり、他の領域とは異なる色を付したりすることができる。また、ピッキング用画面Pでは、既にピッキング作業を完了した商品に関する情報205Bについては、目立たない表示(例えば、グレーアウト表示)がなされる。
【0091】
作業者Wは、ピッキング用画面Pにおいて、1つのボックス17に入れるべき全ての商品に対するピッキング作業が完了した後に、ラベル出力ボタン209を押下することにより、印刷装置37によって当該ボックス17に対する出荷ラベル41(図2参照)を印刷することができる。ピッキング用画面Pは、1つのボックス17に対するピッキング作業が終了すると更新され、商品の一覧205は、次のボックス17に入れるべき商品に対する情報が表示される。
【0092】
以上、本発明を、その好適な実施形態について説明したが、当業者であれば容易に理解できるように、本発明はこのような実施形態により限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0093】
1 :ピッキングシステム
3 :管理装置
5 :ピッキング台車
7 :通信ネットワーク
11 :台車本体
11A:前壁
11B:後壁
11C:左壁
11D:右壁
11E:上壁
11F:下壁
13 :車輪
15 :収容部
15A:底壁
17 :ボックス
19 :開口
21 :開口
22 :ハンドル
24 :ガイドレール
25 :ロック装置
26 :ランプ
31 :端末装置
33 :読み取り装置
35 :測定装置
37 :印刷装置
41 :出荷ラベル
43 :筐体
45 :バッテリ
46 :筐体
46A:右壁
46B:下壁
47 :開口
49 :ロック部材
51 :上プレート
51A:側縁
51B:側縁
53 :右プレート
54 :左プレート
54A:係止片
55 :前プレート
57 :回動支持部材
61 :回動軸
62 :回動片
63 :回動片
65 :ばね
67 :アクチュエータ
69 :アクチュエータ本体
69A:固定部
70 :ロッド
73 :押圧部材
75 :水平片
76 :縦片
79 :長孔
81 :ピン
91 :制御部
92 :表示部
93 :記憶部
94 :通信部
95 :ロック制御部
96 :表示制御部
97 :通信制御部
201:店舗コード
202:出荷店舗名
203:エリア番号
204:ステージング番号
205:商品一覧
209:ラベル出力ボタン
P :ピッキング用画面
W :作業者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-04-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピッキング台車であって、
少なくとも1つの物品が入れられる複数の直方体状のボックスをそれぞれ収容する複数が設けられた台車本体と、
前記台車本体を移動可能に支持する車輪と、を備え、
前記台車本体には、
前記各収容部の前記各収容部に前記各ボックスを所定の挿入方向にそれぞれ挿入するための複数のボックス挿入用開口と、
前記各収容部に収容された前記各ボックスの前記各ボックス挿入用開口からの取り出しをそれぞれ制限する複数のロック装置と、
前記各ロック装置の動作を制御する制御装置と、が設けられ、
前記各ロック装置は、前記制御装置の制御によって、前記各収容部の1つの面を画成する底壁に設けられたロック用開口から前記底壁の上方に突出して前記ボックスが対応する前記収容部から取り出されることを阻止するべくロック状態と、前記ロック用開口に没入して、前記ボックスが対応する前記収容部から取り出されることを許容するべきアンロック状態との間で切り替えられるロック部材を含み、
前記各ボックス挿入用開口は、前記収容部ごとに個別に矩形状に形成され、前記ボックスの前記挿入方向に直交する横断面形状よりも所定量大きい形状を有するピッキング台車。
【請求項2】
前記各ボックス挿入用開口の上縁と対応する前記収容部に収容された前記ボックスの上縁との間に生じる間隙の上下方向の寸法が前記ロック部材の前記底壁より上方への突出量よりも小さい請求項1に記載のピッキング台車。
【請求項3】
前記底壁に、前記収容部への前記ボックスの挿入時の移動を案内するべく前記挿入方向に延在する一対のガイドレールが設けられている請求項1に記載のピッキング台車。
【請求項4】
前記一対のガイドレールは各々L型断面を有する請求項3に記載のピッキング台車。
【請求項5】
前記台車本体には、前記ボックス挿入用開口とは異なる方向に開口し、前記各収容部にそれぞれ連通するボックス状態確認用開口が設けられる請求項1に記載のピッキング台車。