(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083631
(43)【公開日】2024-06-21
(54)【発明の名称】アミノ酸含有タンパク質糖化抑制剤
(51)【国際特許分類】
A61K 31/401 20060101AFI20240614BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240614BHJP
A61K 31/198 20060101ALI20240614BHJP
A61K 31/185 20060101ALI20240614BHJP
A61K 31/4172 20060101ALI20240614BHJP
A61K 31/405 20060101ALI20240614BHJP
A61K 31/4015 20060101ALI20240614BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20240614BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20240614BHJP
A61K 8/49 20060101ALI20240614BHJP
A61K 8/44 20060101ALI20240614BHJP
A61K 8/46 20060101ALI20240614BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20240614BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20240614BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20240614BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20240614BHJP
A61P 9/12 20060101ALI20240614BHJP
A61P 9/04 20060101ALI20240614BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20240614BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20240614BHJP
A23L 33/175 20160101ALI20240614BHJP
【FI】
A61K31/401
A61P43/00 121
A61P43/00
A61K31/198
A61K31/185
A61K31/4172
A61K31/405
A61K31/4015
A61P17/00
A61Q19/00
A61K8/49
A61K8/44
A61K8/46
A61P25/00
A61P27/02
A61P13/12
A61P9/00
A61P9/12
A61P9/04
A61P9/10 101
A61P25/28
A23L33/175
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024069274
(22)【出願日】2024-04-22
(62)【分割の表示】P 2019072496の分割
【原出願日】2019-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】000000066
【氏名又は名称】味の素株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】桐生 翔一朗
(72)【発明者】
【氏名】ビスワス シュヴェンドゥ
(57)【要約】
【課題】優れた抗糖化機能を示す組成物等を提供する。
【解決手段】(A)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、(B)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、(C)酸性アミノ酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、(D)酸性アミノ酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、(E)ラクタムカルボン酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、(F)ラクタムカルボン酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、及び(G)ラクタムカルボン酸又はその塩と酸性アミノ酸又はその塩の組み合わせからなる群から選ばれる組み合わせを有効成分として含有することを特徴とするタンパク質糖化抑制剤。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(B)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(C)酸性アミノ酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(D)酸性アミノ酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(E)ラクタムカルボン酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(F)ラクタムカルボン酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、及び
(G)ラクタムカルボン酸又はその塩と酸性アミノ酸又はその塩の組み合わせ
からなる群から選ばれる組み合わせを有効成分として含有することを特徴とするタンパク質糖化抑制剤。
【請求項2】
(A-a)2種のイミノ酸系アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(A-b)イミノ酸系アミノ酸又はその塩とヒドロキシアミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(A-c)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と脂肪族アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(A-d)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と芳香族アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(A-e)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と含硫アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(B)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(C-a)酸性アミノ酸又はその塩とイミノ酸系アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(C-b)酸性アミノ酸又はその塩とヒドロキシアミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(C-c)酸性アミノ酸又はその塩と芳香族アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(C-d)酸性アミノ酸又はその塩と含硫アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(D)酸性アミノ酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(E-a)ラクタムカルボン酸又はその塩とイミノ酸系アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(E-b)ラクタムカルボン酸又はその塩とヒドロキシアミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(F)ラクタムカルボン酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、及び
(G)ラクタムカルボン酸又はその塩と酸性アミノ酸又はその塩の組み合わせ
からなる群から選ばれる組み合わせを有効成分として含有することを特徴とする請求項1に記載のタンパク質糖化抑制剤。
【請求項3】
(A-1)プロリン又はその塩とアラニン又はその塩の組み合わせ、
(A-2)プロリン又はその塩とバリン又はその塩の組み合わせ、
(A-3)プロリン又はその塩とメチオニン又はその塩の組み合わせ、
(A-4)プロリン又はその塩とフェニルアラニン又はその塩の組み合わせ、
(A-5)プロリン又はその塩とセリン又はその塩の組み合わせ、
(A-6)プロリン又はその塩とヒドロキシプロリン又はその塩の組み合わせ、
(A-7)ヒドロキシプロリン又はその塩とアラニン又はその塩の組み合わせ、
(A-8)ヒドロキシプロリン又はその塩とメチオニン又はその塩の組み合わせ、
(A-9)ヒドロキシプロリン又はその塩とタウリン又はその塩の組み合わせ、
(A-10)ヒドロキシプロリン又はその塩とフェニルアラニン又はその塩の組み合わせ、
(A-11)ヒドロキシプロリン又はその塩とセリン又はその塩の組み合わせ、
(B-1)プロリン又はその塩とリジン又はその塩の組み合わせ、
(B-2)プロリン又はその塩とヒスチジン又はその塩の組み合わせ、
(B-3)ヒドロキシプロリン又はその塩とリジン又はその塩の組み合わせ、
(B-4)ヒドロキシプロリン又はその塩とヒスチジン又はその塩の組み合わせ、
(C-1)アスパラギン酸又はその塩とタウリン又はその塩の組み合わせ、
(C-2)アスパラギン酸又はその塩とトリプトファン又はその塩の組み合わせ、
(C-3)アスパラギン酸又はその塩とトレオニン又はその塩の組み合わせ、
(C-4)アスパラギン酸又はその塩とセリン又はその塩の組み合わせ、
(C-5)アスパラギン酸又はその塩とプロリン又はその塩の組み合わせ、
(C-6)アスパラギン酸又はその塩とヒドロキシプロリン又はその塩の組み合わせ、
(C-7)グルタミン酸又はその塩とトレオニン又はその塩の組み合わせ、
(C-8)グルタミン酸又はその塩とプロリン又はその塩の組み合わせ、
(C-9)グルタミン酸又はその塩とヒドロキシプロリン又はその塩の組み合わせ、
(D-1)アスパラギン酸又はその塩とアルギニン又はその塩の組み合わせ、
(D-2)アスパラギン酸又はその塩とリジン又はその塩の組み合わせ、
(D-3)アスパラギン酸又はその塩とヒスチジン又はその塩の組み合わせ、
(E-1)ピロリドンカルボン酸又はその塩とヒドロキシプロリン又はその塩の組み合わせ、
(E-2)ピロリドンカルボン酸又はその塩とセリン又はその塩の組み合わせ、
(F-1)ピロリドンカルボン酸又はその塩とリジン又はその塩の組み合わせ、
(F-2)ピロリドンカルボン酸又はその塩とヒスチジン又はその塩の組み合わせ、及び
(G-1)ピロリドンカルボン酸又はその塩とアスパラギン酸又はその塩の組み合わせ
からなる群から選ばれる組み合わせを有効成分として含有することを特徴とする請求項2に記載のタンパク質糖化抑制剤。
【請求項4】
蛍光性終末糖化産物の生成を抑制することを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のタンパク質糖化抑制剤。
【請求項5】
タンパク質が、皮膚中のタンパク質であることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載のタンパク質糖化抑制剤。
【請求項6】
タンパク質が、コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン及びケラチンからなる群から選ばれることを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載のタンパク質糖化抑制剤。
【請求項7】
請求項1~6の何れか1項に記載のタンパク質糖化抑制剤を含むことを特徴とする化粧料。
【請求項8】
(A)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(B)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(C)酸性アミノ酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(D)酸性アミノ酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(E)ラクタムカルボン酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(F)ラクタムカルボン酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、及び
(G)ラクタムカルボン酸又はその塩と酸性アミノ酸又はその塩の組み合わせ
からなる群から選ばれる組み合わせを有効成分として含有することを特徴とする皮膚老化の予防及び/又は改善のための組成物。
【請求項9】
皮膚老化が、シワの形成、シミの発生、たるみの発生、及びくすみの発生からなる群から選ばれることを特徴とする請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
(A)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(B)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(C)酸性アミノ酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(D)酸性アミノ酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(E)ラクタムカルボン酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(F)ラクタムカルボン酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、及び
(G)ラクタムカルボン酸又はその塩と酸性アミノ酸又はその塩の組み合わせ
からなる群から選ばれる組み合わせを有効成分として含有することを特徴とする終末糖化産物の生成及び/又は蓄積に起因する疾患の治療及び/又は予防のための組成物。
【請求項11】
疾患が、神経障害、網膜症、腎障害、微小血管障害、高血圧、心不全、アテローム動脈硬化症、アルツハイマー病、及び皮膚科障害からなる群から選ばれることを特徴とする請求項10に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アミノ酸を含有するタンパク質糖化抑制剤等に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚は、老化に伴い、シワやシミ、たるみ、くすみが増加し、はりやつやが減少する。したがって、若々しく、美しい肌の維持には皮膚老化の抑制が非常に重要である。皮膚老化には主に糖化反応と酸化反応の2つの化学的な反応が関わっていることが知られている。
【0003】
アミノ酸やタンパク質のアミノ基と糖のカルボニル基の非酵素的な反応をメイラード反応と呼ばれている(非特許文献1)。メイラード反応は糖化反応と呼ばれることもあるが、広義の糖化反応は糖又は糖化反応中間体の間で起きる非酵素反応、酵素反応、酸化、分解、転移等の複雑な反応を指し、正確なメカニズムはわかっていない。皮膚老化に寄与する糖化反応としては、様々なものが知られている。皮膚中では、例えば、角層のケラチン、真皮層のコラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン等の様々なタンパク質が、糖や反応性の高い糖化反応中間体と糖化反応を引き起こす。糖化反応により最終的に生成する物質は、一般的に終末糖化産物(advanced glycation end products:以下「AGEs」ともいう)と呼ばれる(非特許文献2)。
【0004】
糖化反応は、生体に様々な悪影響を及ぼすため、糖化反応を阻害する研究はアンチエイジングの分野において非常に重要な役割を担っている。特に近年、皮膚における糖化反応に関する研究が盛んに行われており、糖化反応による皮膚への影響が明らかになってきた。
【0005】
例えば、生成した終末糖化産物は、通常の生物的な過程において代謝されず、皮膚中に蓄積し、線維芽細胞のアポトーシス、正常コラーゲンの早期分解誘導、毒性発現などを介して健全な皮膚組織を破壊することでシワを引き起こす。また、糖化反応によるタンパク質の褐変化や長期に渡る終末糖化産物の蓄積は、シミやくすみを引き起こすことがある(特許文献1)。また、糖化反応により生じた架橋性のある最終糖化産物は、コラーゲン同士を架橋し、硬化させることにより、肌のしなやかさや皮膚の弾力が低下する。
【0006】
このようなことから、皮膚老化を予防改善するためには、終末糖化産物の生成抑制が重要である。
【0007】
これまでに、抗糖化機能を示す成分として植物エキスが知られている(特許文献2及び3)。しかし、エキス抽出の際に必ず不純物が混入されるため、不純物による着色、匂いの問題が生じる。また、皮膚に適用するとアレルギーを誘発する可能性もあり、問題点が多い。
【0008】
その他の抗糖化機能を示す成分として植物エキスのように不純物を伴わないアミノグアニジンがよく知られているが、貧血、肝障害、ビタミンB6欠乏症などの副作用が報告されており、安全性の面で問題がある。
【0009】
安全性の高い抗糖化機能を示す成分として、これまでに、リジン、アルギニンなど塩基性アミノ酸にコラーゲンの架橋抑制機能が見出されているが(特許文献4)、効果が十分とは言えない。さらに、塩基性アミノ酸は化粧料等に一般的に含まれる多価アルコールと共存すると着色しやすく、化粧料等に配合することが難しいという問題が知られている。
【0010】
一方、終末糖化産物の生成及び蓄積は、神経障害、網膜症、腎障害、微小血管障害、高血圧、心不全、アテローム動脈硬化症、アルツハイマー病、皮膚科障害等の原因になると考えられている(特許文献5)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】WO2012/014901
【特許文献2】WO2011/112799
【特許文献3】特開2013-253072号公報
【特許文献4】特開2001-39816号公報
【特許文献5】WO2010/128528
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Mauron Prog.Fd.Nutur.Sci.,5:5-35,1981
【非特許文献2】M.Ichihashi,Anti-Aging Medicine,8,23-29,2011
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の課題は、優れた抗糖化機能を示す組成物等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意研究した結果、特定のアミノ酸の組み合わせを用いることにより、アミノ酸同士の高い相乗効果が得られ、優れた抗糖化機能を示す組成物を得ることができることを見出し、本発明を完成させた。
【0015】
[1] (A)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(B)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(C)酸性アミノ酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(D)酸性アミノ酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(E)ラクタムカルボン酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(F)ラクタムカルボン酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、及び
(G)ラクタムカルボン酸又はその塩と酸性アミノ酸又はその塩の組み合わせ
からなる群から選ばれる組み合わせを有効成分として含有することを特徴とするタンパク質糖化抑制剤。
[2] (A-a)2種のイミノ酸系アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(A-b)イミノ酸系アミノ酸又はその塩とヒドロキシアミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(A-c)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と脂肪族アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(A-d)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と芳香族アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(A-e)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と含硫アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(B)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(C-a)酸性アミノ酸又はその塩とイミノ酸系アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(C-b)酸性アミノ酸又はその塩とヒドロキシアミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(C-c)酸性アミノ酸又はその塩と芳香族アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(C-d)酸性アミノ酸又はその塩と含硫アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(D)酸性アミノ酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(E-a)ラクタムカルボン酸又はその塩とイミノ酸系アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(E-b)ラクタムカルボン酸又はその塩とヒドロキシアミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(F)ラクタムカルボン酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、及び
(G)ラクタムカルボン酸又はその塩と酸性アミノ酸又はその塩の組み合わせ
からなる群から選ばれる組み合わせを有効成分として含有することを特徴とする上記[1]に記載のタンパク質糖化抑制剤。
[3] (A-1)プロリン又はその塩とアラニン又はその塩の組み合わせ、
(A-2)プロリン又はその塩とバリン又はその塩の組み合わせ、
(A-3)プロリン又はその塩とメチオニン又はその塩の組み合わせ、
(A-4)プロリン又はその塩とフェニルアラニン又はその塩の組み合わせ、
(A-5)プロリン又はその塩とセリン又はその塩の組み合わせ、
(A-6)プロリン又はその塩とヒドロキシプロリン又はその塩の組み合わせ、
(A-7)ヒドロキシプロリン又はその塩とアラニン又はその塩の組み合わせ、
(A-8)ヒドロキシプロリン又はその塩とメチオニン又はその塩の組み合わせ、
(A-9)ヒドロキシプロリン又はその塩とタウリン又はその塩の組み合わせ、
(A-10)ヒドロキシプロリン又はその塩とフェニルアラニン又はその塩の組み合わせ、
(A-11)ヒドロキシプロリン又はその塩とセリン又はその塩の組み合わせ、
(B-1)プロリン又はその塩とリジン又はその塩の組み合わせ、
(B-2)プロリン又はその塩とヒスチジン又はその塩の組み合わせ、
(B-3)ヒドロキシプロリン又はその塩とリジン又はその塩の組み合わせ、
(B-4)ヒドロキシプロリン又はその塩とヒスチジン又はその塩の組み合わせ、
(C-1)アスパラギン酸又はその塩とタウリン又はその塩の組み合わせ、
(C-2)アスパラギン酸又はその塩とトリプトファン又はその塩の組み合わせ、
(C-3)アスパラギン酸又はその塩とトレオニン又はその塩の組み合わせ、
(C-4)アスパラギン酸又はその塩とセリン又はその塩の組み合わせ、
(C-5)アスパラギン酸又はその塩とプロリン又はその塩の組み合わせ、
(C-6)アスパラギン酸又はその塩とヒドロキシプロリン又はその塩の組み合わせ、
(C-7)グルタミン酸又はその塩とトレオニン又はその塩の組み合わせ、
(C-8)グルタミン酸又はその塩とプロリン又はその塩の組み合わせ、
(C-9)グルタミン酸又はその塩とヒドロキシプロリン又はその塩の組み合わせ、
(D-1)アスパラギン酸又はその塩とアルギニン又はその塩の組み合わせ、
(D-2)アスパラギン酸又はその塩とリジン又はその塩の組み合わせ、
(D-3)アスパラギン酸又はその塩とヒスチジン又はその塩の組み合わせ、
(E-1)ピロリドンカルボン酸又はその塩とヒドロキシプロリン又はその塩の組み合わせ、
(E-2)ピロリドンカルボン酸又はその塩とセリン又はその塩の組み合わせ、
(F-1)ピロリドンカルボン酸又はその塩とリジン又はその塩の組み合わせ、
(F-2)ピロリドンカルボン酸又はその塩とヒスチジン又はその塩の組み合わせ、及び
(G-1)ピロリドンカルボン酸又はその塩とアスパラギン酸又はその塩の組み合わせ
からなる群から選ばれる組み合わせを有効成分として含有することを特徴とする上記[2]に記載のタンパク質糖化抑制剤。
[4] 蛍光性終末糖化産物の生成を抑制することを特徴とする上記[1]~[3]の何れかに記載のタンパク質糖化抑制剤。
[5] タンパク質が、皮膚中のタンパク質であることを特徴とする上記[1]~[4]の何れかに記載のタンパク質糖化抑制剤。
[6] タンパク質が、コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン及びケラチンからなる群から選ばれることを特徴とする上記[1]~[5]の何れかに記載のタンパク質糖化抑制剤。
[7] 上記[1]~[6]の何れかに記載のタンパク質糖化抑制剤を含むことを特徴とする化粧料。
[8] (A)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(B)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(C)酸性アミノ酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(D)酸性アミノ酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(E)ラクタムカルボン酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(F)ラクタムカルボン酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、及び
(G)ラクタムカルボン酸又はその塩と酸性アミノ酸又はその塩の組み合わせ
からなる群から選ばれる組み合わせを有効成分として含有することを特徴とする皮膚老化の予防及び/又は改善のための組成物。
[9] 皮膚老化が、シワの形成、シミの発生、たるみの発生、及びくすみの発生からなる群から選ばれることを特徴とする上記[8]に記載の組成物。
[10] (A)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(B)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(C)酸性アミノ酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(D)酸性アミノ酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(E)ラクタムカルボン酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(F)ラクタムカルボン酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、及び
(G)ラクタムカルボン酸又はその塩と酸性アミノ酸又はその塩の組み合わせ
からなる群から選ばれる組み合わせを有効成分として含有することを特徴とする終末糖化産物の生成及び/又は蓄積に起因する疾患の治療及び/又は予防のための組成物。
[11] 疾患が、神経障害、網膜症、腎障害、微小血管障害、高血圧、心不全、アテローム動脈硬化症、アルツハイマー病、及び皮膚科障害からなる群から選ばれることを特徴とする上記[10]に記載の組成物。
[12] (A)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(B)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(C)酸性アミノ酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(D)酸性アミノ酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(E)ラクタムカルボン酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(F)ラクタムカルボン酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、及び
(G)ラクタムカルボン酸又はその塩と酸性アミノ酸又はその塩の組み合わせ
からなる群から選ばれる組み合わせを有効成分として含有することを特徴とする組成物を、それを必要とするヒトに有効量投与することを含むタンパク質糖化抑制方法。
[13] (A)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(B)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(C)酸性アミノ酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(D)酸性アミノ酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(E)ラクタムカルボン酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(F)ラクタムカルボン酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、及び
(G)ラクタムカルボン酸又はその塩と酸性アミノ酸又はその塩の組み合わせ
からなる群から選ばれる組み合わせを有効成分として含有することを特徴とする組成物を、それを必要とするヒトに有効量投与することを含む皮膚老化の予防及び/又は改善方法。
[14] (A)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(B)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(C)酸性アミノ酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(D)酸性アミノ酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(E)ラクタムカルボン酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(F)ラクタムカルボン酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、及び
(G)ラクタムカルボン酸又はその塩と酸性アミノ酸又はその塩の組み合わせ
からなる群から選ばれる組み合わせを有効成分として含有することを特徴とする組成物を、それを必要とするヒトに有効量投与することを含む終末糖化産物の生成及び/又は蓄積に起因する疾患の治療及び/又は予防方法。
[15] タンパク質糖化抑制剤を製造するための
(A)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(B)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(C)酸性アミノ酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(D)酸性アミノ酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(E)ラクタムカルボン酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(F)ラクタムカルボン酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、及び
(G)ラクタムカルボン酸又はその塩と酸性アミノ酸又はその塩の組み合わせ
からなる群から選ばれる組み合わせの使用。
[16] 皮膚老化の予防及び/又は改善剤を製造するための
(A)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(B)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(C)酸性アミノ酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(D)酸性アミノ酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(E)ラクタムカルボン酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(F)ラクタムカルボン酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、及び
(G)ラクタムカルボン酸又はその塩と酸性アミノ酸又はその塩の組み合わせ
からなる群から選ばれる組み合わせの使用。
[17] 終末糖化産物の生成及び/又は蓄積に起因する疾患の治療及び/又は予防剤を製造するための
(A)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(B)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(C)酸性アミノ酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(D)酸性アミノ酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(E)ラクタムカルボン酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(F)ラクタムカルボン酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、及び
(G)ラクタムカルボン酸又はその塩と酸性アミノ酸又はその塩の組み合わせ
からなる群から選ばれる組み合わせの使用。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、特定のアミノ酸の組み合わせによる相乗効果により優れた抗糖化機能を示す組成物等を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。ただし、本発明は、下記実施形態及び例示物に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施され得る。
【0018】
一実施形態において、本発明は、(A)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、(B)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、(C)酸性アミノ酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、(D)酸性アミノ酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、(E)ラクタムカルボン酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、(F)ラクタムカルボン酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、及び(G)ラクタムカルボン酸又はその塩と酸性アミノ酸又はその塩の組み合わせからなる群から選ばれる組み合わせ(本明細書において「特定のアミノ酸の組み合わせ」という場合がある)を有効成分として含有することを特徴とするタンパク質糖化抑制剤を提供する。
【0019】
本発明のタンパク質糖化抑制剤は、有効成分として特定のアミノ酸の組み合わせを含有するため、高い相乗効果が得られることから、1種のアミノ酸単独の場合よりも終末糖化産物の生成を抑制できる。
【0020】
したがって、一実施形態において、本発明は、特定のアミノ酸の組み合わせを有効成分として含有することを特徴とする組成物を、それを必要とするヒトに有効量投与することを含むタンパク質糖化抑制方法を提供する。
【0021】
また、本発明のタンパク質糖化抑制剤は、終末糖化産物の生成抑制機能を有することから、終末糖化産物の生成及び/又は蓄積に起因する皮膚老化、例えば、シワの形成、シミの発生、たるみの発生、くすみの発生等の予防及び/又は改善に有用である。
【0022】
したがって、一実施形態において、本発明は、特定のアミノ酸の組み合わせを有効成分として含有することを特徴とする終末糖化産物の生成及び/又は蓄積に起因する皮膚老化、例えば、シワの形成、シミの発生、たるみの発生、くすみの発生等の予防及び/又は改善のための組成物を提供する。
【0023】
また、一実施形態において、本発明は、特定のアミノ酸の組み合わせを有効成分として含有することを特徴とする組成物を、それを必要とするヒトに有効量投与することを含む終末糖化産物の生成及び/又は蓄積に起因する皮膚老化、例えば、シワの形成、シミの発生、たるみの発生、くすみの発生等の予防及び/又は改善方法を提供する。
【0024】
また、本発明のタンパク質糖化抑制剤は、終末糖化産物生成抑制機能を有することから、終末糖化産物の生成及び/又は蓄積に起因する疾患、例えば、神経障害、網膜症、腎障害、微小血管障害、高血圧、心不全、アテローム動脈硬化症、アルツハイマー病、皮膚科障害等の治療及び/又は予防に有用である。
【0025】
したがって、一実施形態において、本発明は、特定のアミノ酸の組み合わせを有効成分として含有することを特徴とする終末糖化産物の生成及び/又は蓄積に起因する疾患、例えば、神経障害、網膜症、腎障害、微小血管障害、高血圧、心不全、アテローム動脈硬化症、アルツハイマー病、皮膚科障害等の治療及び/又は予防のための組成物を提供する。
【0026】
また、一実施形態において、本発明は、特定のアミノ酸の組み合わせを有効成分として含有することを特徴とする組成物を、それを必要とするヒトに有効量投与することを含む終末糖化産物の生成及び蓄積に起因する疾患、例えば、神経障害、網膜症、腎障害、微小血管障害、高血圧、心不全、アテローム動脈硬化症、アルツハイマー病、皮膚科障害等の治療及び/又は予防方法を提供する。
【0027】
以下、本発明のタンパク質糖化抑制剤又は組成物に含まれる成分について説明する。
【0028】
(有効成分)
本発明のタンパク質糖化抑制剤又は組成物は、有効成分として(A)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、(B)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、(C)酸性アミノ酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、(D)酸性アミノ酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、(E)ラクタムカルボン酸又はその塩と中性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、(F)ラクタムカルボン酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、及び(G)ラクタムカルボン酸又はその塩と酸性アミノ酸又はその塩の組み合わせからなる群から選ばれる組み合わせを含有する。
【0029】
中性アミノ酸とは、分子内に含まれる酸性カルボキシル基と塩基性アミノ基とが同数であるアミノ酸を意味する。中性アミノ酸は、D体であっても、L体であってもよく、また、それらの混合物であってもよい。また、中性アミノ酸には、タンパク質を構成するアミノ酸のみならず、タンパク質を構成しないアミノ酸も含まれる。また、中性アミノ酸には、α-アミノ酸だけでなく、β-アミノ酸、γ-アミノ酸、δ-アミノ酸等も含まれる。これらは1種単独であってもよく或いは2種以上を組み合わせたものであってもよい。
【0030】
中性アミノ酸としては、例えば、グリシン、脂肪族アミノ酸、芳香族アミノ酸、ヒドロキシアミノ酸、含硫アミノ酸、イミノ酸系アミノ酸、酸アミド系アミノ酸等の中性アミノ酸が挙げられる。
【0031】
脂肪族アミノ酸とは、α炭素原子にアルキル基が結合したアミノ酸を意味し、例えば、アラニン、α-アミノ酪酸、バリン、ノルバリン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、ホモノルロイシン等が挙げられる。
【0032】
芳香族アミノ酸とは、脂肪族アミノ酸に芳香族基が結合したアミノ酸を意味し、例えば、チロシン、トリプトファン、フェニルアラニン、メタチロシン、チロニン、ドーパ、サイロキシン等が挙げられる。
【0033】
ヒドロキシアミノ酸は、脂肪族アミノ酸にヒドロキシ基が結合したアミノ酸を意味し、例えば、セリン、トレオニン、ホモセリン等が挙げられる。
【0034】
含硫アミノ酸は、任意の炭素原子が硫黄原子に置換されたアミノ酸を意味し、カルボキシ基がスルホ基に置換されたアミノ酸を含み、例えば、システイン、メチオニン、ホモシステイン、タウリン等が挙げられる。
【0035】
イミノ酸系アミノ酸とは、脂肪族アミノ酸の側鎖がα-アミノ基と結合して環を形成しているアミノ酸を意味し、例えば、プロリン、ヒドロキシプロリン、ピペコリン酸等が挙げられる。
【0036】
酸アミド系アミノ酸とは、酸性アミノ酸の側鎖のカルボキシ基がアミド化されたアミノ酸を意味し、例えば、アスパラギン、グルタミン、テアニン等が挙げられる。
【0037】
塩基性アミノ酸とは、分子内に含まれる酸性カルボキシル基の数よりも塩基性アミノ基の数が多いアミノ酸を意味する。ここで、塩基性アミノ酸は、D体であっても、L体であってもよく、また、それらの混合物であってもよい。また、塩基性アミノ酸には、タンパク質を構成するアミノ酸のみならず、タンパク質を構成しないアミノ酸も含まれる。また、塩基性アミノ酸には、α-アミノ酸だけでなく、β-アミノ酸、γ-アミノ酸、δ-アミノ酸等も含まれる。これらは1種単独であってもよく或いは2種以上を組み合わせたものであってもよい。
【0038】
塩基性アミノ酸としては、例えば、アルギニン、ヒスチジン、リジン等が挙げられる。
【0039】
酸性アミノ酸は、分子内に含まれる塩基性アミノ基の数よりも酸性カルボキシル基の数が多いアミノ酸を意味する。ここで、酸性アミノ酸は、D体であっても、L体であってもよく、また、それらの混合物であってもよい。また、酸性アミノ酸には、タンパク質を構成するアミノ酸のみならず、タンパク質を構成しないアミノ酸も含まれる。また、酸性アミノ酸には、α-アミノ酸だけでなく、β-アミノ酸、γ-アミノ酸、δ-アミノ酸等も含まれる。これらは1種単独であってもよく或いは2種以上を組み合わせたものであってもよい。
【0040】
酸性アミノ酸としては、例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸等が挙げられる。
【0041】
ラクタムカルボン酸とは、酸性アミノ酸の側鎖のカルボキシル基とα-アミノ基が縮合してラクタム環を形成したカルボキシ基含有ラクタム化合物を意味する。ここで、ラクタムカルボン酸は、D体であっても、L体であってもよく、また、それらの混合物であってもよい。これらは1種単独であってもよく或いは2種以上を組み合わせたものであってもよい。
【0042】
ラクタムカルボン酸としては、例えば、ピログルタミン酸(ピロリドンカルボン酸)、4-ヒドロキシピログルタミン酸、6-オキソピペリジン-2-カルボン酸等が挙げられる。
【0043】
本発明のタンパク質糖化抑制剤又は組成物の有効成分は、好ましくは、
(A-a)2種のイミノ酸系アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(A-b)イミノ酸系アミノ酸又はその塩とヒドロキシアミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(A-c)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と脂肪族アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(A-d)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と芳香族アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(A-e)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と含硫アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(B)イミノ酸系アミノ酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(C-a)酸性アミノ酸又はその塩とイミノ酸系アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(C-b)酸性アミノ酸又はその塩とヒドロキシアミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(C-c)酸性アミノ酸又はその塩と芳香族アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(C-d)酸性アミノ酸又はその塩と含硫アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(D)酸性アミノ酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(E-a)ラクタムカルボン酸又はその塩とイミノ酸系アミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(E-b)ラクタムカルボン酸又はその塩とヒドロキシアミノ酸又はその塩の組み合わせ、
(F)ラクタムカルボン酸又はその塩と塩基性アミノ酸又はその塩の組み合わせ、及び
(G)ラクタムカルボン酸又はその塩と酸性アミノ酸又はその塩の組み合わせからなる群から選ばれる。
【0044】
本発明のタンパク質糖化抑制剤又は組成物の有効成分は、より好ましくは、
(A-1)プロリン又はその塩とアラニン又はその塩の組み合わせ、
(A-2)プロリン又はその塩とバリン又はその塩の組み合わせ、
(A-3)プロリン又はその塩とメチオニン又はその塩の組み合わせ、
(A-4)プロリン又はその塩とフェニルアラニン又はその塩の組み合わせ、
(A-5)プロリン又はその塩とセリン又はその塩の組み合わせ、
(A-6)プロリン又はその塩とヒドロキシプロリン又はその塩の組み合わせ、
(A-7)ヒドロキシプロリン又はその塩とアラニン又はその塩の組み合わせ、
(A-8)ヒドロキシプロリン又はその塩とメチオニン又はその塩の組み合わせ、
(A-9)ヒドロキシプロリン又はその塩とタウリン又はその塩の組み合わせ、
(A-10)ヒドロキシプロリン又はその塩とフェニルアラニン又はその塩の組み合わせ、
(A-11)ヒドロキシプロリン又はその塩とセリン又はその塩の組み合わせ、
(B-1)プロリン又はその塩とリジン又はその塩の組み合わせ、
(B-2)プロリン又はその塩とヒスチジン又はその塩の組み合わせ、
(B-3)ヒドロキシプロリン又はその塩とリジン又はその塩の組み合わせ、
(B-4)ヒドロキシプロリン又はその塩とヒスチジン又はその塩の組み合わせ、
(C-1)アスパラギン酸又はその塩とタウリン又はその塩の組み合わせ、
(C-2)アスパラギン酸又はその塩とトリプトファン又はその塩の組み合わせ、
(C-3)アスパラギン酸又はその塩とトレオニン又はその塩の組み合わせ、
(C-4)アスパラギン酸又はその塩とセリン又はその塩の組み合わせ、
(C-5)アスパラギン酸又はその塩とプロリン又はその塩の組み合わせ、
(C-6)アスパラギン酸又はその塩とヒドロキシプロリン又はその塩の組み合わせ、
(C-7)グルタミン酸又はその塩とトレオニン又はその塩の組み合わせ、
(C-8)グルタミン酸又はその塩とプロリン又はその塩の組み合わせ、
(C-9)グルタミン酸又はその塩とヒドロキシプロリン又はその塩の組み合わせ、
(D-1)アスパラギン酸又はその塩とアルギニン又はその塩の組み合わせ、
(D-2)アスパラギン酸又はその塩とリジン又はその塩の組み合わせ、
(D-3)アスパラギン酸又はその塩とヒスチジン又はその塩の組み合わせ、
(E-1)ピロリドンカルボン酸又はその塩とヒドロキシプロリン又はその塩の組み合わせ、
(E-2)ピロリドンカルボン酸又はその塩とセリン又はその塩の組み合わせ、
(F-1)ピロリドンカルボン酸又はその塩とリジン又はその塩の組み合わせ、
(F-2)ピロリドンカルボン酸又はその塩とヒスチジン又はその塩の組み合わせ、及び
(G-1)ピロリドンカルボン酸又はその塩とアスパラギン酸又はその塩の組み合わせ
からなる群から選ばれる。
【0045】
本発明のタンパク質糖化抑制剤又は組成物の有効成分は、さらに好ましくは、
(A-1)プロリン又はその塩とアラニン又はその塩の組み合わせ、
(A-4)プロリン又はその塩とフェニルアラニン又はその塩の組み合わせ、
(A-6)プロリン又はその塩とヒドロキシプロリン又はその塩の組み合わせ、
(A-9)ヒドロキシプロリン又はその塩とタウリン又はその塩の組み合わせ、
(A-10)ヒドロキシプロリン又はその塩とフェニルアラニン又はその塩の組み合わせ、
(B-2)プロリン又はその塩とヒスチジン又はその塩の組み合わせ、
(B-4)ヒドロキシプロリン又はその塩とヒスチジン又はその塩の組み合わせ、
(C-1)アスパラギン酸又はその塩とタウリン又はその塩の組み合わせ、
(C-2)アスパラギン酸又はその塩とトリプトファン又はその塩の組み合わせ、
(C-5)アスパラギン酸又はその塩とプロリン又はその塩の組み合わせ、
(C-7)グルタミン酸又はその塩とトレオニン又はその塩の組み合わせ、
(C-8)グルタミン酸又はその塩とプロリン又はその塩の組み合わせ、
(C-9)グルタミン酸又はその塩とヒドロキシプロリン又はその塩の組み合わせ、
(D-1)アスパラギン酸又はその塩とアルギニン又はその塩の組み合わせ、
(D-3)アスパラギン酸又はその塩とヒスチジン又はその塩の組み合わせ、及び
(G-1)ピロリドンカルボン酸又はその塩とアスパラギン酸又はその塩の組み合わせ
からなる群から選ばれる。これらのアミノ酸の組み合わせによれば、糖化抑制においてより高い相乗効果を得ることができる。
【0046】
本発明のタンパク質糖化抑制剤又は組成物の有効成分は、特に好ましくは、
(A-1)プロリン又はその塩とアラニン又はその塩の組み合わせ、
(A-4)プロリン又はその塩とフェニルアラニン又はその塩の組み合わせ、
(A-6)プロリン又はその塩とヒドロキシプロリン又はその塩の組み合わせ、
(A-9)ヒドロキシプロリン又はその塩とタウリン又はその塩の組み合わせ、
(C-1)アスパラギン酸又はその塩とタウリン又はその塩の組み合わせ、
(C-2)アスパラギン酸又はその塩とトリプトファン又はその塩の組み合わせ、
(C-5)アスパラギン酸又はその塩とプロリン又はその塩の組み合わせ、
(C-7)グルタミン酸又はその塩とトレオニン又はその塩の組み合わせ、
(C-8)グルタミン酸又はその塩とプロリン又はその塩の組み合わせ、
(C-9)グルタミン酸又はその塩とヒドロキシプロリン又はその塩の組み合わせ、
(D-1)アスパラギン酸又はその塩とアルギニン又はその塩の組み合わせ、及び
(G-1)ピロリドンカルボン酸又はその塩とアスパラギン酸又はその塩の組み合わせ
からなる群から選ばれる。これらのアミノ酸の組み合わせによれば、糖化抑制において非常に高い相乗効果を得ることができる。
【0047】
本発明における有効成分の中性アミノ酸、酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸、又はピロリドンカルボン酸(以下まとめて「有効アミノ酸」という)の塩は、香粧学的及び/又は薬学的に許容される塩であればよく、例えば、カルボキシ基等の酸性基に対しては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属との塩;アンモニウム塩;アルミニウム塩;亜鉛塩;トリエチルアミン、エタノールアミン、モルホリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ジシクロヘキシルアミン等の有機アミンとの塩等が挙げられ、アミノ基等の塩基性基に対しては、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、臭化水素酸等の無機酸との塩;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、コハク酸、酪酸、パモ酸、エナント酸、デカン酸、サリチル酸、乳酸、シュウ酸、マンデル酸、リンゴ酸等の有機カルボン酸との塩;メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸との塩等が挙げられる。
【0048】
タンパク質糖化抑制剤又は組成物中、有効アミノ酸の組み合わせにおける一方の有効アミノ酸又はその塩の含有量は、他方の有効アミノ酸又はその塩に対する重量比として、0.01~100であることが好ましく、0.1~10であることがより好ましく、他方の有効アミノ酸又はその塩に対するモル比として、0.01~100であることが好ましく、0.1~10であることがより好ましい。
【0049】
例えば、タンパク質糖化抑制剤又は組成物を皮膚老化の予防・改善のために化粧料等の外用組成物に使用する場合、外用組成物中の本発明の特定のアミノ酸の組み合わせの有効配合量は、タンパク質の糖化を抑制できる濃度であれば特に限定されないが、外用組成物の総質量に対して、全有効アミノ酸換算で、0.001質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上がさらに好ましい。また、上限は、化粧料等の外用組成物を製造できる限り特に限定されないが、50質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。この場合、外用組成物を1日あたり1回~数回に分けて使用することが好ましい。
【0050】
例えば、タンパク質糖化抑制剤又は組成物を皮膚老化の予防・改善のために加工食品等の経口組成物に使用する場合、本発明の特定のアミノ酸の組み合わせの有効経口摂取量は、対象の年齢、性別、体重、皮膚老化の程度、その他の条件に応じて適宜選択すればよく、通常、全有効アミノ酸換算で、0.01~15mgとなる量を1日あたり体重1kgに対して1回~数回に分けて摂取することが好ましい。
【0051】
(その他の抗糖化成分)
本発明のタンパク質糖化抑制剤又は組成物は、本発明の特定のアミノ酸の組み合わせ以外にさらにその他の抗糖化成分を含有し得る。その他の抗糖化成分を含有させることにより、タンパク質糖化抑制機能をさらに高めることができ、それにより、皮膚老化の予防・改善の有効性をより一層向上させることができ得る。
【0052】
その他の抗糖化成分としては、例えば、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、ベンフォチアミン、ピリドキサミン、α-リポ酸、タウリン、アスピリン、メトホルミン、ピオグリタゾン、ペントキシフィリン、カルノシン、シャクヤクエキス、ヨモギエキス、月見草エキス、アミノグアニジン、アムラー抽出物、加水分解カゼイン、加水分解性タンニン等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく或いは2種以上を組み合わせたて使用してもよい。
【0053】
(化粧料)
一実施形態において、本発明のタンパク質糖化抑制剤又は組成物は、化粧料に加工することができる。
【0054】
本発明の化粧料は、本発明のタンパク質糖化抑制剤又は組成物を含む。したがって、例えばヒトの皮膚に塗布することにより、終末糖化産物の生成及び/又は蓄積に起因する皮膚老化、例えば、シワの形成、シミの発生、たるみの発生、くすみの発生等を予防及び/又は改善することができる。
【0055】
化粧料の形態は、例えば、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、乳液、溶液、懸濁液、油液等の形態であり得る。また、粉末、パック、マスク等の形態であってもよい。
【0056】
化粧料の種類としては、肌に直接接触する外用の化粧料が好ましく、例えば、化粧水(顔用、毛髪用等を含む)、美容液、化粧クリーム、美容ジェル、化粧乳液、洗顔料、化粧化粧石鹸、アイクリーム、アイシャドウ、アイライナー、化粧下地、BBクリーム、CCクリーム、パウダーファンデーション、リキッドファンデーション、クリームファンデーション、ほお紅、マスカラ、眉墨、口紅、リップクリーム、保湿クリーム、おしろい、顔用パック、シャンプー、リンス、液体ボディソープ、固形ボディソープ、液体ハンドソープ、固形ハンドソープ、ハンドクリーム、ボディークリーム、染毛料、ベビーオイル、ひげそり用クリーム、ひげそり用ローション、ひげそり用ジェル、コンシーラー、浴用化粧料、日焼けオイル、日焼け止めオイル、日焼けローション、日焼け止めローション、日焼けクリーム、日焼け止めクリーム、マッサージ用クリーム、マッサージ用ローション、軟膏等を挙げることができる。化粧料の使用方法としては、例えば、手やコットン、パフ等を使用する方法、不織布等に塗布して使用する方法、スプレー容器から噴霧する方法等が挙げられる。
【0057】
化粧料には、香粧学的に許容される任意の成分を必要に応じて含有させてもよい。このような任意の成分としては、例えば、水、低級アルコール、多価アルコール、界面活性剤、香料、色素、防腐剤、酸化防止剤、乳化剤、油性成分、増粘剤、金属封鎖剤、殺菌剤、防臭剤、pH調整剤、細胞賦活剤、保湿剤、血行促進剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、ビタミン類、植物エキス、皮膚収斂剤、抗炎症剤、美白剤、糖類、抗脂漏剤、安定化剤、抗酸化成分、多価アルコール等の公知の各種成分、特に化粧料に用いられる公知の成分が例示される。これらは1種単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて使用してもよい。それぞれの成分の配合量は当業者であれば適宜設定することができる。
【0058】
低級アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等が挙げられる。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2-ブテン-1,4-ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等の2価のアルコール;グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6-ヘキサントリオール等の3価のアルコール;ペンタエリスリトール等の4価アルコール;キシリトール等の5価アルコール;ソルビトール、マンニトール等の6価アルコール;ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等の多価アルコール重合体;マルチトール、マルトトリオース、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等の糖類等が挙げられる。
【0059】
界面活性剤としては、例えば、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート等のソルビタン脂肪酸エステル類;モノステアリン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸類;モノステアリン酸ポリグリセリルポリグリセリン脂肪酸類;モノステアリン酸プロピレングリコールのようなプロピレングリコール脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の硬化ヒマシ油誘導体類;モノラウリル酸ポリオキシエチレンソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノヤシ油脂肪酸グリセリル;グリセリンアルキルエーテル;アルキルグルコシド;ポリオキシエチレンセチルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ステアリルアミン、オレイルアミン等のアミン類;ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体等のシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。
【0060】
香料としては、例えば、リモネン、オレンジフレーバー、ライチフレーバー、レモンフレーバー、ライムフレーバー、ストロベリーフレーバー、パイナップルフレーバー、ミントフレーバー、グレープフルーツフレーバー等が挙げられる。色素としては、例えば、コチニールレッドA、パテントブルー、クロロフィリン等が挙げられる。防腐剤としては、例えば、フェノキシエタノール、パラベン、ソルビン酸、イソプロピルメチルフェノール、塩化ベンザルコニウム、安息香酸、デヒドロ酢酸、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、硫酸クロルヘキシジン、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-アルギニンエチル・DL-ピロリドンカルボン酸塩等が挙げられる。酸化防止剤としては、例えば、α-トコフェロール、亜硫酸ナトリウム等が挙げられる。乳化剤としては、例えば、ステアリン酸ポリオキシル、セスキオレイン酸ソルビタン、ポリソルベート、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロマクロゴール、アラビアゴム、コレステロール、ステアリン酸、モノステアリン酸グリセリン、ポピドン等が挙げられる。
【0061】
油性成分としては、例えば、大豆油、とうもろこし油、綿実油、なたね油、ごま油、シソ油等の動植物油脂類及びそれらの加工油脂類;ミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の脂肪酸類及びそれらのエステル類;軽質流動パラフィン、重質流動パラフィン等のパラフィン類;ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール等の高級アルコール;ホホバ油、ライスワックス、プロポリス等のワックス類等が挙げられる。増粘剤としては、例えば、アラビアゴム、モノステアリン酸アルミニウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルメロース、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、ポピドン、カルボキシビニルポリマー等が挙げられる。金属封鎖剤としては、例えば、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸等が挙げられる。
【0062】
殺菌剤としては、例えば、4-ヒドロキシ安息香酸並びにその塩及びエステル、トリクロサン、クロルヘキシジン、フェノキシエタノール、メントール、ミント油、カプリン酸グリセリル、カプリル酸グリセリル、サリチル酸-N-アルキルアミド、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-アルギニンエチル・DL-ピロリドンカルボン酸塩、塩化ベンザルコニウム、イソプロピルメチルフェノール等が挙げられる。防臭剤としては、例えば、ラウリルメタクリレート、ゲラニルクロトレート、ミリスチン酸アセトフェノン、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、安息香酸メチル、フェニル酢酸メチル等が挙げられる。pH調整剤としては、例えば、クエン酸、アジピン酸、リン酸、グルタミン酸、乳酸、硫酸、塩酸、アンモニウム、クエン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルギニン、γ-オリザノール等が挙げられる。細胞賦活剤としては、パルミチン酸レチノール等のビタミンA類、コラ-ゲン、エラスチン、アラントイン、プラセンタエキス、牛乳タンパク質分解物、牛脾臓抽出物、牛血液分解物、仔牛胸腺抽出物、幼牛血液の透析物、酵母エキス等が挙げられる。
【0063】
保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル-12-ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム等が挙げられる。血行促進剤としては、例えば、ノニル酸ワレリルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β-ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、α-ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ-オリザノール等が挙げられる。紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸、ホモメンチル-N-アセチルアントラニレート、アミルサリシレート、オクチルシンナメート、ビスレゾルシニルトリアジン、3-(4’-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー、3-ベンジリデン-d,l-カンファー、2-フェニル-5-メチルベンゾキサゾール等が挙げられる。紫外線散乱剤としては、例えば、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛等が挙げられる。
【0064】
ビタミン類としては、例えば、レチノール等のビタミンA類、リボフラビン等のビタミンB2類、ピリドキシン塩酸塩等のビタミンB6類、L-アスコルビン酸等のビタミンC類、パントテン酸カルシウム等のパントテン酸類、コレカルシフェロール等のビタミンD類、ニコチン酸等のニコチン酸類、α-トコフェロール等のビタミンE類、ビタミンP、ビオチン等が挙げられる。植物エキスとしては、例えば、ウコン、オウバク、オウレン、カッコン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキョウ、オトギリソウ、ローズマリー、ニンニク、トウガラシ、ワレモコウ、チンピ、トウキ等の抽出物が挙げられる。皮膚収斂剤としては、例えば、タンニン酸等が挙げられる。
【0065】
抗炎症剤としては、例えば、アラントイン、カラミン、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸ナトリウム、グリチルレチン酸ステアリル、18α‐ヒドロキシグリチルレチン酸、グアイアズレン、塩酸ピリドキシン、メントール、カンフル、テレピン油、インドメタシン、サリチル酸等が挙げられる。美白剤としては、例えば、アルブチン、コウジ酸等が挙げられる。糖類としては、例えば、グルコース、フルクトース、マンノース、ショ糖、トレハロース等が挙げられる。抗脂漏剤としては、例えば、硫黄、チアントール等が挙げられる。安定化剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。抗酸化成分としては、例えば、チオタウリン、ヒポタウリン、α-トコフェロール、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、カテキン、アルブミン、フェリチン、ビリルビン、メタロチオネイン、尿酸、紅茶エキス、緑茶抽出物、タイム抽出物、フトモモ抽出物等が挙げられる。
【0066】
化粧料における本発明の特定のアミノ酸の組み合わせの配合量は、上記で説明した有効配合量等に基づき適宜設定すればよい。
【0067】
本発明の化粧料は、常法に従って製造することができる。
【0068】
(加工食品)
一実施形態において、本発明のタンパク質糖化抑制剤又は組成物は、加工食品に加工することができる。
【0069】
本発明の加工食品は、本発明のタンパク質糖化抑制剤又は組成物を含む。したがって、例えば加工食品を摂取することにより、終末糖化産物の生成及び/又は蓄積に起因する皮膚老化、例えば、シワの形成、シミの発生、たるみの発生、くすみの発生等を予防及び/又は改善することができる。
【0070】
加工食品とは、天然の食材に任意の加工を加えた食品をいう。
【0071】
食品には、一般食品、健康食品、機能性食品(特定保健用食品、条件付き特定保健用食品、栄養機能食品が含まれる)、特別用途食品、健康補助食品(サプリメント)、食品添加物等が含まれる。一般食品としては、たとえば、乳製品、小麦粉製品、菓子類、漬物、煮物、乾物、練り製品(魚肉成形品等)、粉類、缶詰、冷凍食品、レトルト食品、インスタント食品(即席麺、ドライ・フーズ、粉末飲料等)等が挙げられる。
【0072】
加工食品における本発明の特定のアミノ酸の組み合わせの配合量は、上記で説明した有効経口摂取量等に基づき適宜設定すればよい。
【0073】
加工食品は、常法に従って製造することができる。
【0074】
(医薬製剤)
一実施形態において、本発明のタンパク質糖化抑制剤又は組成物は、軟膏剤、液剤、懸濁剤、乳剤、ローション剤、ゲル剤、錠剤、丸剤、トローチ剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、坐剤、注射剤(液剤、懸濁剤等)等の医薬製剤に製剤化したものであってもよい。
【0075】
本発明の医薬製剤は、本発明のタンパク質糖化抑制剤又は組成物を含む。したがって、例えばヒトの皮膚へ塗布することにより、終末糖化産物の生成及び/又は蓄積に起因する皮膚老化、例えば、シワの形成、シミの発生、たるみの発生、くすみの発生等を予防及び/又は改善することができる。また、終末糖化産物の生成及び/又は蓄積に起因する疾患、例えば、神経障害、網膜症、腎障害、微小血管障害、高血圧、心不全、アテローム動脈硬化症、アルツハイマー病、皮膚科障害等を治療及び/又は予防することができる。
【0076】
医薬製剤は、本発明の特定のアミノ酸の組み合わせと香粧学的及び/又は薬学的に許容される担体を用いて調製される。
【0077】
軟膏剤、液剤、懸濁剤、乳剤、ローション剤、ゲル剤等の場合の担体としては、上記で説明した化粧料と同様の成分が挙げられる。錠剤、丸剤、トローチ剤、散剤、顆粒剤等の場合の担体としては、例えば、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、硬化植物油、カオリン、結晶セルロース、タルク等の賦形剤;水、エタノール、プロパノール、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム末、トラガント末等の結合剤;乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、寒天、ラミナラン、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、乳糖等の崩壊剤;白糖、ステアリン、カカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤;第4級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤;グリセリン、デンプン等の保湿剤;デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエチレングリコール等の滑沢剤;着色剤;保存剤;香料;風味剤;甘味剤等が挙げられる。
【0078】
医薬製剤は、皮膚上投与、経皮投与、経口投与、経静脈投与、経動脈投与、筋肉内投与、皮下投与、骨内投与、腹腔内投与、皮内投与、吸入投与、注腸投与、点眼投与、点耳用途、経鼻投与等により投与することができる。特に、軟膏剤、液剤、懸濁剤、乳剤、ローション剤、ゲル剤としてヒトの皮膚へ塗布することによって皮膚上投与することが好ましい。
【0079】
医薬製剤の投与量は、配合量、用法、対象の年齢、性別、体重、対象の状態、その他の条件に応じて適宜選択すればよい。
【0080】
医薬製剤における本発明の特定のアミノ酸の組み合わせの配合量は、上記で説明した外用組成物の有効配合量又は経口組成物の有効経口摂取量等に基づき適宜設定すればよい。
【0081】
医薬製剤は、常法に従って製造することができる。
【0082】
(タンパク質及びその終末糖化産物)
以下、本発明における、糖化抑制の対象とし得るタンパク質及びそれが糖化して生成する終末糖化産物(AGEs)について説明する。
【0083】
本発明においてタンパク質の糖化とは、タンパク質のアミノ酸残基が、糖又は糖化反応中間体との反応の結果を意味し、反応様式は特に限定されない。タンパク質の糖化により、終末糖化産物(AGEs)が生成する。本発明において糖化は、酵素的な糖化反応及び非酵素的な糖化反応両方を含み、非酵素的な糖化反応のメイラード反応に限定されないが、好適な一実施形態においては、メイラード反応である。
【0084】
ここで、糖化し得るタンパク質のアミノ酸残基は、例えば、リジン、ヒスチジン等の塩基性アミノ酸残基であり得るが、特にこれに限定されない。タンパク質の糖化において塩基性アミノ酸残基は、例えば、そのアミノ基部分が反応し得るが、特にこれに限定されない。タンパク質の糖化において糖又は糖化反応中間体、例えば、そのカルボニル部分が反応し得るが、特にこれに限定されない。
【0085】
本発明において、糖化抑制の対象であり得るタンパク質は、公知のタンパク質であれば特に限定されないが、例えば、化粧料に使用する場合、皮膚中のタンパク質であり得る。糖化抑制の対象であり得るタンパク質としては、例えば、コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン又はケラチン等が挙げられる。
【0086】
タンパク質の糖化の基質である糖としては、例えば、グルコース、フルクトース、マルトース、アラビノース等の還元性のある糖が挙げられる。糖化反応中間体としては、例えば、グリオキサール、グリコールアルデヒド、メチルグリオキサール、3-デオキシグルコソン、グリセルアルデヒド等が挙げられる。なお、一部の糖化反応中間体は、それと同一の物質が、生体内において、脂質やアミノ酸の代謝経路等からも生成することが知られているが、その場合、糖化反応中間体は、脂質代謝物、アミノ酸代謝物等であってもよく、何に由来するものなのかは限定されない。また、糖化反応中間体は、解糖系やポリオール代謝で生じる糖の分解産物等も含まれる。
【0087】
終末糖化産物は、一般に、非蛍光性終末糖化産物及び蛍光性終末糖化産物に分類される。本発明に係るタンパク質糖化抑制剤は、とりわけ蛍光性終末糖化産物の生成を効果的に抑制することができる。
【0088】
蛍光性終末糖化産物としては、例えば、ペントシジン、クロスリン、ピロピリジン等を含む蛍光性・架橋性終末糖化産物が挙げられる。
【0089】
非蛍光性終末糖化産物としては、例えば、Nε-(カルボキシメチル)リジン(CML)、Nε-(カルボキシエチル)リジン(CEL)、Nε-(カルボキシメチル)アルギニン(CMA)、ピラリン、アルグピリミジン等を含む非蛍光性・非架橋性終末糖化産物;グリオキサール-リジンダイマー(GOLD)、メチルグリオキサール-リジンダイマー(MOLD)等を含む非蛍光性・架橋性終末糖化産物が挙げられる。
【0090】
(皮膚老化)
本発明のタンパク質糖化抑制剤は、終末糖化産物の生成及び/又は蓄積に起因する皮膚老化を予防及び/又は改善することができる。皮膚老化の具体例としては、例えば、シワの形成、シミの発生、たるみの発生、くすみの発生等が挙げられる。シワとは、経年的に肌に形成される細かい又は深い溝をいい、真皮性のもの、表皮性のもの等を含む。シミとは、皮膚中にメラニンが蓄積した部位のことをいい、肝斑、老人性色素斑等を含む。たるみとは、筋力が低下し、又は、肌の弾力が失われることにより、肌が重力の影響でたるんでいる状態をいう。くすみとは、透明感が低下し、明るさ、つやが失われた肌状態をいい、皮膚の真皮又は表皮(特に角質層)のくすみ(いわゆる黄ぐすみ)等を含む。
【実施例0091】
次に実施例、比較例及び試験例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0092】
(実施例及び比較例:サンプル溶液の調製)
下記表1に示すアミノ酸の各成分を下記表1に記載の所定の濃度で1×PBS(リン酸緩衝食塩水)bufferに溶解し、1M NaOH水溶液または1M HClを添加することによりpH7.0に調整してサンプル溶液とした。なお、各アミノ酸及びピロリドンカルボン酸についてはすべてL体のものを使用した。
【0093】
(試験例1:蛍光性AGEs(クロスリン、ピロピリジン等)の測定)
96ウェルプレートに中和コラーゲン溶液を1ウェルあたり50μL添加し、37℃でプレインキュベートした。1ウェルあたり各実施例及び比較例のサンプル溶液10μLと200mMフルクトース溶液50μLを混合した。湿潤条件下にて60℃で6日間インキュベートした。反応直後と6日間、プレートリーダーにて励起波長370nm、蛍光波長440nmの蛍光強度を測定した。サンプルの代わりに1×PBS(リン酸緩衝食塩水)buffer(pH7.0)を用いた場合の蛍光性AGEsの生成率を100%とし、下記の式を用いて各種サンプルの蛍光性AGEs抑制率を算出し、下記の評価基準に従って蛍光性AGEs抑制率を評価した。
【0094】
蛍光性AGEs抑制率(%)=100-100×[{蛍光強度(サンプル溶液、6日後)-蛍光強度(サンプル溶液、0日)}/{蛍光強度(1×PBS buffer(pH7.0)、6日後)-蛍光強度(1×PBS buffer(pH7.0)、0日)}]
【0095】
(評価基準)
AAA:蛍光性AGEs抑制率20%以上
AA:蛍光性AGEs抑制率15%以上20%未満
A:蛍光性AGEs抑制率10%以上15%未満
B:蛍光性AGEs抑制率4%以上10%未満
C:蛍光性AGEs抑制率0%以上4%未満
D:蛍光性AGEs抑制率0%未満
【0096】
また、上記で算出した蛍光性AGEs抑制率(%)を実験値として、下記の式を用いて実験値と計算値の比を算出し、下記の評価基準に従って相乗効果を評価した。
【0097】
実験値と理論値の比=CML抑制率の実験値(%)/{(一方のアミノ酸20mMのCML抑制率(%))×(実験における一方のアミノ酸濃度(mM)/20(mM))+(他方のアミノ酸20mMのCML抑制率(%))×(実験における他方のアミノ酸濃度(mM)/20(mM))}
【0098】
(評価基準)
++:理論値がマイナスで実験値がプラス
+5:実験値と理論値の比が10.00以上
+4:実験値と理論値の比が6.00以上10.00未満
+3:実験値と理論値の比が4.00以上6.00未満
+2:実験値と理論値の比が2.00以上4.00未満
+1:実験値と理論値の比が1.00超2.00未満
【0099】
(試験例2:蛍光性AGEs(ペントシジン等)抑制率の測定)
励起波長335nm、蛍光波長385nmの蛍光強度を測定したこと以外は、試験例1と同様に試験を行い、試験例1の式を用いて各種サンプルの蛍光性AGEs抑制率を算出し、試験例1の評価基準に従って蛍光性AGEs抑制率を評価した。また、算出した蛍光性AGEs抑制率(%)を実験値として、試験例1の式を用いて実験値と計算値の比を算出し、試験例1の評価基準に従って相乗効果を評価した。
【0100】
試験例1と2の蛍光性AGEs抑制率の評価と相乗効果の評価の結果を下記表1にまとめる。
【0101】
【0102】
以上の結果から、組成物が特定のアミノ酸の組み合わせを含有する場合、高い相乗効果が得られ、1種のアミノ酸単独や塩基性アミノ酸同士の組み合わせの場合と比べてより優れた抗糖化機能を示すことがわかった。