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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083637
(43)【公開日】2024-06-21
(54)【発明の名称】箱を開けるためのハサミ
(51)【国際特許分類】
   B26B 27/00 20060101AFI20240614BHJP
   B26B 13/28 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
B26B27/00 E
B26B13/28 Z
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024070052
(22)【出願日】2024-04-23
【基礎とした実用新案登録】
【原出願日】2021-07-16
(31)【優先権主張番号】202121465401.6
(32)【優先日】2021-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521317450
【氏名又は名称】陽江市港富実業有限公司
【氏名又は名称原語表記】Yangjiang Gangfu Industrial Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No. 3 of Yuyuan 6th Road, Jiangcheng District, Yangjiang City, Guangdong Province, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】彭 月桂
(57)【要約】
【課題】本発明に係る、箱を開けるためのハサミは、構成が簡素であり、生産のコストが低くしかも操作が利便であるという利点を有している。
【解決手段】本発明は、互いに切断可能な第一せん断刃及び第二せん断刃を含み、前記第一せん断刃は第一せん断ハンドルが尾端に接続され、前記第二せん断刃は第二せん断ハンドルが尾端に接続されており、接続ネジ及び可動穴をさらに含み、前記接続ネジが動くための前記可動穴を第一せん断刃に有し、前記接続ネジは、前記第一せん断刃が前記接続ネジ周りに前記第二せん断刃に枢動可能であるように、前記可動穴を通り抜けて前記第二せん断刃に接続され、前記可動穴内における前記接続ネジの移動を介して、前記第一せん断刃が前記第二せん断刃に対して前後に移動するように許可する、箱を開けるためのハサミを開示している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに切断可能な第一せん断刃及び第二せん断刃を含み、前記第一せん断刃は第一せん断ハンドルが尾端に接続され、前記第二せん断刃は第二せん断ハンドルが尾端に接続される箱を開けるためのハサミであって、
接続ネジ及び可動穴をさらに含み、前記接続ネジが動くための前記可動穴を第一せん断刃に有し、前記接続ネジは、前記第一せん断刃が前記接続ネジ周りに前記第二せん断刃に枢動可能であるように、前記可動穴を通り抜けて前記第二せん断刃に接続され、前記可動穴内における前記接続ネジの移動を介して、前記第一せん断刃が前記第二せん断刃に対して前後に移動するように許可する、ことを特徴とする箱を開けるためのハサミ。
【請求項2】
前記可動穴は、前記第一せん断刃のせん断刃主体に設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の箱を開けるためのハサミ。
【請求項3】
スペーサをさらに含み、前記スペーサは、前記第一せん断刃に設けられ、前記可動穴は、前記スペーサに形成される、ことを特徴とする請求項1に記載の箱を開けるためのハサミ。
【請求項4】
前記可動穴は、枢動穴及び摺動通路を含み、前記枢動穴は、前記接続ネジが回転するためのものであり、前記摺動通路は、前記接続ネジが摺動するためのものであり、前記枢動穴は、前記摺動通路に連通しており、前記摺動通路は、前記第一せん断刃の摺動方向に沿って配置される、ことを特徴とする請求項1に記載の箱を開けるためのハサミ。
【請求項5】
前記枢動穴は、前記枢動穴と前記摺動通路とを接続する箇所において、外部へ突出する位置制限部を形成するように、円心が前記摺動通路における摺動方向の対称軸の外側に位置している、ことを特徴とする請求項4に記載の箱を開けるためのハサミ。
【請求項6】
前記枢動穴は、その直径が前記摺動通路の幅よりも大きい、ことを特徴とする請求項4に記載の箱を開けるためのハサミ。
【請求項7】
前記スペーサは、向前記接続ネジへ延在して凸条部を形成しており、前記接続ネジは、前記凸条部に滑り可能に設けられる、ことを特徴とする請求項3に記載の箱を開けるためのハサミ。
【請求項8】
前記第一せん断刃は、取り付け穴を設け、前記スペーサは、前記取り付け穴に取り付けられ、
前記スペーサは、接続し合う内筒部及び外側受け部を含み、前記内筒部は、前記取り付け穴に内部に周設されると共に、前記可動穴が設けられ、前記外側受け部は、前記第一せん断刃の外壁に貼り合わせられ、
前記接続ネジは、接続柱及びキャップを含み、下方端が前記第二せん断刃に接続され、上方端が前記キャップに接続され、前記接続柱は、前記内筒部に動き、前記キャップは、その底端面が前記外側受け部に貼り合わせられる、ことを特徴とする請求項3に記載の箱を開けるためのハサミ。
【請求項9】
前記スペーサは、前記外側受け部より外側へ延びる牽引部をさらに含み、前記牽引部を牽引させることにより、前記スペーサを前記第一せん断刃の取り付け穴から取り外す、ことを特徴とする請求項8に記載の箱を開けるためのハサミ。
【請求項10】
前記第二せん断刃は、傾斜する切断面を外側面に有する、ことを特徴とする請求項1に記載の箱を開けるためのハサミ。
【請求項11】
前記第二せん断刃は、刃が内側直刃部及び外側鈍刃部を含み、前記内側直刃部と前記外側鈍刃部とを互いに接続し、前記内側直刃部が前記外側鈍刃部の内側に位置しており、前記第一せん断刃の摺動方向に沿って配置される、ことを特徴とする請求項1に記載の箱を開けるためのハサミ。
【請求項12】
ロック手段をさらに含み、前記第一せん断刃と前記第二せん断刃とが閉じる状態では、前記第一せん断刃が前記第二せん断刃に対して移動することによる復帰位置及び延出位置を有しており、前記第一せん断刃が前記復帰位置に位置する時に前記第二せん断刃の刃が前記第一せん断刃の刃よりも超えており、前記第一せん断刃が前記延出位置に位置する時に前記第二せん断刃の刃が前記第一せん断刃の刃と揃っており、前記第一せん断刃が前記復帰位置に位置する時に前記ロック手段が前記第一せん断刃と第二せん断刃の閉じ状態をロックすることが可能である、ことを特徴とする請求項1に記載の箱を開けるためのハサミ。
【請求項13】
前記ロック手段は、溝及び係合部を含み、前記溝は、前記第一せん断ハンドルに設けられ、前記係合部は、前記第二せん断ハンドルが前記第一せん断ハンドルへ延びてなるものであり、前記溝には、嵌合部が設けられ、前記第一せん断刃が前記復帰位置に位置する時に、前記係合部がロック前記溝まで延在して前記嵌合部とロックするように係合する、ことを特徴とする請求項12に記載の箱を開けるためのハサミ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハサミの技術分野に関し、特に箱を開けるためのハサミに関する。
【背景技術】
【0002】
ハサミは、人々の日常生活でよく使われるものであって、主に、布、紙、鋼板、ロープや丸鋼などの板状や線状のものを切るための道具である。ハサミは、両刃が交差して開閉可能であり二つの刃を有する道具である。
【0003】
人々は、パッケージ箱を用いて物を包装する時に、パッケージ箱の閉じ位置に、透明テープや包装用テープを貼って封じ込みをすることが一般である。そして、箱を開ける時には、ナイフやハサミを用いて、透明テープや包装用テープなどを切ってパッケージ箱を開けることが可能である。また、現在のハサミは、パッケージ箱における閉じ位置にある透明テープや包装用テープを切ることができるが、使用の際に、ハサミの二つの刃を対向して広がらせ、そのうちの片刃により切断をすることが必要となる。ナイフを使って切断をすることに対して、ハサミを使うことがあまり利便でなく、しかも、切断にそのうちの片刃しか使わず、他の片刃が外に露出していることから、操作の際に、安全性にある程度のリスクが存在してしまう。不当に操作すると、手を傷つける恐れがある。現在には、箱を開ける専用のハサミが存在しており、第一刃手段及び第二刃手段を含み、第一刃手段と第二刃手段とが対向して回転するように、第一刃手段と第二刃手段を、ピンを介して、ピン接合しており、第一刃手段と第二刃手段とが対向して摺動可能であり、また、摺動の箇所にトーションバネを設けることにより、トーションバネにより、第一刃手段と第二刃手段とが対向して摺動しないように阻む。しかしながら、トーションバネへの取り付けが不便であるのみならず、ハサミの回転箇所にあるピンが、摺動の際に、比較的大きな摩擦力を受けるということも存在している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の問題を解決すべく、箱を開けるためのハサミを提供することを必要とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、構成が簡素であり、生産のコストが低くしかも操作が利便である、箱を開けるためのハサミを提供することを目的とする。
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明が提供する箱を開けるためのハサミは、互いに切断可能な第一せん断刃及び第二せん断刃を含み、前記第一せん断刃は第一せん断ハンドルが尾端に接続され、前記第二せん断刃は第二せん断ハンドルが尾端に接続されており、接続ネジ及び可動穴をさらに含み、前記接続ネジが動くための前記可動穴を第一せん断刃に有し、前記接続ネジは、前記第一せん断刃が前記接続ネジ周りに前記第二せん断刃に枢動可能であるように、前記可動穴を通り抜けて前記第二せん断刃に接続され、前記可動穴内における前記接続ネジの移動を介して、前記第一せん断刃が前記第二せん断刃に対して前後に移動するように許可する、ことを特徴とする。
【0007】
好ましくは、前記可動穴は、前記第一せん断刃のせん断刃主体に設けられる。
【0008】
好ましくは、スペーサをさらに含み、前記スペーサは、前記第一せん断刃に設けられ、前記可動穴は、前記スペーサに形成される。
【0009】
好ましくは、前記可動穴は、枢動穴及び摺動通路を含み、前記枢動穴は、前記接続ネジが回転するためのものであり、前記摺動通路は、前記接続ネジが摺動するためのものであり、前記枢動穴は、前記摺動通路に連通しており、前記摺動通路は、前記第一せん断刃の摺動方向に沿って配置される。
【0010】
具体的には、前記枢動穴が円弧状の穴とされ、前記枢動穴は、前記枢動穴と前記摺動通路とを接続する箇所において、外部へ突出する位置制限部を形成するように、円心が前記摺動通路における摺動方向の対称軸の外側に位置している。
【0011】
具体的には、前記枢動穴は、その直径が前記摺動通路の幅よりも大きい。
【0012】
好ましくは、前記スペーサは、向前記接続ネジへ延在して凸条部を形成しており、前記接続ネジは、前記凸条部に滑り可能に設けられる。
【0013】
具体的には、前記第一せん断刃は、取り付け穴を設け、前記スペーサは、前記取り付け穴に取り付けられ、前記スペーサは、接続し合う内筒部及び外側受け部を含み、前記内筒部は、前記取り付け穴に内部に周設されると共に、前記可動穴が設けられ、前記外側受け部は、前記第一せん断刃の外壁に貼り合わせられ、前記接続ネジは、接続柱及びキャップを含み、下方端が前記第二せん断刃に接続され、上方端が前記キャップに接続され、前記接続柱は、前記内筒部に動き、前記キャップは、その底端面が前記外側受け部に貼り合わせられる。
【0014】
具体的には、前記スペーサは、前記外側受け部より外側へ延びる牽引部をさらに含み、前記牽引部を牽引させることにより、前記スペーサを前記第一せん断刃の取り付け穴から取り外す。
【0015】
好ましくは、前記第二せん断刃は、傾斜する切断面を外側面に有する。
【0016】
好ましくは、前記第二せん断刃は、刃が内側直刃部及び外側鈍刃部を含み、前記内側直刃部と前記外側鈍刃部とを互いに接続し、前記内側直刃部が前記外側鈍刃部の内側に位置しており、前記第一せん断刃の摺動方向に沿って配置される。
【0017】
好ましくは、前記の箱を開けるためのハサミは、ロック手段をさらに含み、前記第一せん断刃と前記第二せん断刃とが閉じる状態では、前記第一せん断刃が前記第二せん断刃に対して移動することによる復帰位置及び延出位置を有しており、前記第一せん断刃が前記復帰位置に位置する時に前記第二せん断刃の刃が前記第一せん断刃の刃よりも超えており、前記第一せん断刃が前記延出位置に位置する時に前記第二せん断刃の刃が前記第一せん断刃の刃と揃っており、前記第一せん断刃が前記復帰位置に位置する時に前記ロック手段が前記第一せん断刃と第二せん断刃の閉じ状態をロックすることが可能である。
【0018】
具体的には、前記ロック手段は、溝及び係合部を含み、前記溝は、前記第一せん断ハンドルに設けられ、前記係合部は、前記第二せん断ハンドルが前記第一せん断ハンドルへ延びてなるものであり、前記溝には、嵌合部が設けられ、前記第一せん断刃が前記復帰位置に位置する時に、前記係合部がロック前記溝まで延在して前記嵌合部とロックするように係合する。
【発明の効果】
【0019】
従来の技術に比べると、本発明に係る箱を開けるためのハサミは、接続ネジが動くための可動穴を第一せん断刃に設置し、接続ネジが可動穴を通り抜け第二せん断刃に接続されるようにして、第一せん断刃が接続ネジ周りに第二せん断刃に枢動することから、第一せん断刃と第二せん断刃とが対向して閉じ又は開くことを実現して、ハサミによりせん断するという目的を達成する。第一せん断刃と第二せん断刃とが閉じる状態では、可動穴内における接続ネジの移動により、第一せん断刃が第二せん断刃に対して前後に移動するように許可しており、第一せん断刃が第二せん断刃に対して移動することによる復帰位置及び延出位置を有する。第一せん断刃が復帰位置に位置する時には、第二せん断刃の刃が第一せん断刃の刃よりも超えることにより、第一せん断刃と第二せん断刃とが対向に移動してずれることを実現する。第一せん断刃を復帰させる場合には、第二せん断刃の刃が露出になり、第二せん断刃の刃を用いて透明テープや包装用テープを切断することができ、箱を開けるということを実現することができる。当該ハサミは、構成が簡素であり、操作が利便であり、しかも、安全性が高い。第一せん断刃が延出位置に位置する時には、第二せん断刃の刃が第一せん断刃の刃と揃うため、この時、第一せん断刃が復帰位置までリセットされ得る。なお、スペーサは、接続ネジが第一せん断刃に対して移動することにより生じた摩擦を低減して、第一せん断刃を保護するという目的を達成することができる。それだけでなく、接続ネジがスペーサの可動穴に動くようにするために一定の押し込む力が必要となることから、使用の際に、第一せん断刃や第二せん断刃が誤って移動することにより損害が発生してしまうということを避けることができ、安全性が高くなり、構成も簡素である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る箱を開けるためのハサミの三次元構成の模式図である。
図2】本発明に係る箱を開けるためのハサミにおいて第一せん断刃と第二せん断刃とが相対的に閉じると共に、第一せん断刃が第二せん断刃に対して延出位置に位置する時の構成の模式図である。
図3図2におけるA箇所の一部の拡大図である。
図4】本発明に係る箱を開けるためのハサミにおいて第一せん断刃と第二せん断刃とが相対的に閉じると共に、第一せん断刃が第二せん断刃に対して復帰位置に位置する時の構成の模式図である。
図5図4におけるB箇所の一部の拡大図である。
図6】本発明に係る箱を開けるためのハサミを他の角度で見た三次元構成の模式図である。
図7】本発明に係る箱を開けるためのハサミにおける接続ネジ及びスペーサの構成の模式図である。
図8図7におけるC箇所の一部の拡大図である。
図9図7における接続ネジ及びスペーサを縦方向に切断した構成の模式図である。
図10】本発明に係る箱を開けるためのハサミにおける第一せん断刃及びスペーサの構成の模式図である。
図11】本発明に係る箱を開けるためのハサミについて他の実施例の一部の構成の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の技術内容、構造の特徴、達成しようとする効果を詳しく説明するためには、以下に、実施形態に基づいて図面を参照しながら説明する。
【0022】
図1乃至図5を参照すると、本発明が提供する箱を開けるためのハサミ100は、接続ネジ5、スペーサ6、第一せん断刃1及び第二せん断刃2を含む。第一せん断刃1は、尾端に、第一せん断ハンドル3が接続されており、第二せん断刃2は、尾端に、第二せん断ハンドル4が接続されており、第一せん断刃1と第二せん断刃2とは、互いに切断を行うことにより、挟みということを実現する。スペーサ6は、第一せん断刃1に設けられると共に、接続ネジ5が動くための可動穴61を有する。接続ネジ5は、第一せん断刃1が接続ネジ5周りに第二せん断刃2に枢動するように、可動穴61を通り抜けてから第二せん断刃2に固定して接続される。そして、第一せん断刃1と第二せん断刃2とが相対的に閉開することにより、ハサミによる挟みという目的を実現することができる。第一せん断刃1と第二せん断刃2とが閉じる状態では、可動穴61における接続ネジ5の移動により、第一せん断刃1が第二せん断刃2に対して前後に移動するように許可する。第一せん断刃1が第二せん断刃2に対して移動することによる復帰位置及び延出位置を有する。第一せん断刃1が復帰位置に位置する時には、第二せん断刃2の刃が第一せん断刃1の刃(図4に示すように)よりも超えることから、第一せん断刃1と第二せん断刃2とが相対的に移動してずれることが実現可能である。第一せん断刃1と第二せん断刃2とが復帰位置に位置する時は、第二せん断刃2の刃が露出になり、第二せん断刃2の刃を用いて透明テープや包装用テープを切断して箱を開けるという役割を果たす。そして、構成が簡素であり、操作が利便であり、安全性が高い。第一せん断刃1が延出位置に位置する時は、第二せん断刃2の刃が第一せん断刃1の刃(詳しくすると、図1乃至図2に示すように)と揃う。このとき、第一せん断刃1と第二せん断刃2とが相対的に枢動して挟みを実現することが可能である。第一せん断刃1と第二せん断刃2とは、復帰位置までリセットされ得る。なお、スペーサ6は、接続ネジ5が第一せん断刃1に対して移動することにより生じた摩擦を低減して、第一せん断刃1を保護するという目的を達成することができる。それだけでなく、接続ネジ5がスペーサ6の可動穴61に動くようにするために一定の押し込む力が必要となることから、使用の際に、第一せん断刃1や第二せん断刃2が誤って移動することにより損害が発生してしまうということを避けることができ、安全性が高くなり、構成も簡素である。スペーサ6は、その構成が簡素化するため、組み立てが便利であると共に交換や保守も利便であり、しかも、コストが効果的に削減され得る。理解可能なところは、他の実施例に、可動穴61が直接に第一せん断刃1のせん断刃の主体に設置されてもよく、つまり、図面11に示すように、スペーサ6が無くてもよい。
【0023】
さらに具体的には、図1乃至図5及び図7乃至図10を参照すると、可動穴61に、枢動穴611及び摺動通路612が含まれる。枢動穴611は、接続ネジ5が回転するものであることから、第一せん断刃1が第二せん断刃2に対して枢動するように許可して挟みを実現する。摺動通路612は、接続ネジ5が摺動するためのものであることから、第一せん断刃1が第二せん断刃2に対して前後に移動するように許可し、第一せん断刃1が第二せん断刃2に対して復帰位置と延出位置との間で切り替わるようにすることができる。枢動穴611は、摺動通路612と連通しており、摺動通路612は、第一せん断刃1の摺動方向に沿って配置されることから、第一せん断刃1が第二せん断刃2に対して移動することをより円滑にすることが可能である。好ましくは、枢動穴611は、円弧状の穴とされ、円心aが、摺動通路612における摺動方向の対称軸Lの外側に位置する。つまり、円心が、対称軸の一側に位置しており、枢動穴611が第二せん断刃2の一側へずれることから、枢動穴611と摺動通路612とを接続する箇所において、外側へ凸起する位置制限部613を形成する。利用位置制限部613を用いて、接続ネジ5が枢動穴611に係合するようにして、接続ネジ5が枢動穴611と摺動通路612との間で切り替わるための一定の力が必要となるため、第一せん断刃1や第二せん断刃2が誤って摺動してしまうのを一層に避けて、安全性を高めることが可能である。好ましくは、枢動穴611の直径は、摺動通路612の幅よりも大きいことから、ハサミをより円滑に枢動することができ、力を掛けてハサミを押すというだけで摺動が始まるため、より安全となる。スペーサ6は、接続ネジ5へ延びて凸条部6aを形成する。接続ネジ5は、凸条部6aに滑り可能に設けられ、凸条部6aは、第一せん断刃1の摺動方向に沿って配置される。凸条部6aは、可動穴61の両側において、対称に設置される。凸条部6aを設置することにより、接続ネジ5とスペーサ6とが接触する面積を小さくすることができ、摩擦による作用を削減することができる。
【0024】
図1乃至図5を参照すると、第一せん断刃1に取り付け穴(図示せず)を設け、スペーサ6を取り付け穴に取り付ける。スペーサ6は、互いに接続する牽引部(図示せず)、内筒部62及び外側受け部63を含む。内筒部62は、取り付け穴に内部に周設されると共に、可動穴61が設けられる。外側受け部63は、第一せん断刃1の外壁に張り合わせられる。接続ネジ5は、接続柱(図示せず)及びキャップ(図示せず)を含む。接続柱は、下方端が第二せん断刃2に接続され、上方端がキャップに接続され内筒部62に動く。キャップは、その底端面が外側受け部63に張り合わせられることから、接続ネジ5が動く円滑度合いが高まる。牽引部は、外側受け部63が外側へ延びてなるものであり、牽引部を牽引させることによりスペーサ6を第一せん断刃1の取り付け穴から取り外す。そうすると、各部材同士をよりコンパクトにすると共に、使用の際に利便性を高めることができる。好ましくは、第一せん断刃1の刃が「V」字となり、第二せん断刃2の刃が内側直刃部21及び外側鈍刃部22を含む。内側直刃部21は、外側鈍刃部22と互いに接続する。内側直刃部21は、外側鈍刃部22の内側に位置しており、第一せん断刃1に向かって、第一せん断刃1の摺動方向に沿って配置される。第一せん断刃1は、挟みを簡便にするように鋭利な刃として設置されており、第二せん断刃2は、箱を開ける前提において使用者に傷をつけるリスクを削減するように鈍い刃として設置される。
【0025】
図1乃至図6を参照すると、本発明が提供する箱を開けるためのハサミ100は、ロック手段7をさらに含む。第一せん断刃1が復帰位置に位置する時には、ロック手段7が第一せん断刃1と第二せん断刃2とをロックして、ハサミ100が閉じる状態にある。そして、第一せん断刃1と第二せん断刃2とが開くことにより手に傷をつけることを避ける。ロック手段7は、溝71及び係合部73を含む。溝71は、第一せん断ハンドル3に設けられ、係合部73は、第二せん断ハンドル4が第一せん断ハンドル3へ延びてなるものである。溝71には、嵌合部72が設けられる。第一せん断刃1が復帰位置に位置する時には、係合部73が溝71に延在して嵌合部72とロックして係合する。第一せん断刃1が延出位置に位置する時には、第一せん断刃1が第二せん断刃2と揃って、互いに回転して挟む状態に切り替わる。第二せん断刃2は、その外側面が斜め切断面23とされる。当該切断面23を設置することにより、ハサミ100を箱に突き刺して切断をする操作に役立ち、案内の役割を有することになる。
【0026】
故に、図1乃至図5を参照しながら、本発明に係る箱を開けるためのハサミ100が動作する過程を一層に詳しく説明する。
【0027】
第一せん断刃1が第二せん断刃2に対して延出位置に位置する時には、第二せん断刃2の刃が第一せん断刃1の刃と揃って、接続ネジ5が枢動穴611に係合する。この時、第一せん断刃1が第二せん断刃2に対して枢動しており、第一せん断刃1が第二せん断刃2に対して開閉することにより、ハサミによる挟みの目的を達成することができる。第一せん断刃1や第二せん断刃2が閉じる状態では、可動穴61の摺動通路612における接続ネジ5の移動により、第一せん断刃1が第二せん断刃2に対して前後に移動するように許可する。第一せん断刃1が復帰位置に位置する時には、第二せん断刃2の刃が第一せん断刃1の刃よりも超えることから、第一せん断刃1と第二せん断刃2とが相対的に移動してずれるようにすることが可能である。第一せん断刃1と第二せん断刃2とが復帰位置に位置する時には、第二せん断刃2の刃が露出になり、第二せん断刃2の刃を用いて透明テープや包装用テープを切断することができ、箱を開けるということを実現することができる。箱の開きが済むと、第一せん断刃1と第二せん断刃2とが相対的に移動し延出位置までリセットされ得る。
【0028】
第一せん断刃1にスペーサ6を設置することにより、スペーサ6は、第一せん断刃1に設けられると共に、接続ネジ5が動くための可動穴61を有する。接続ネジ5は、可動穴61を通り抜け第二せん断刃2に接続される。そうすると、第一せん断刃1は、接続ネジ5周りに第二せん断刃2に枢動して、第一せん断刃1と第二せん断刃2とが相対的に開閉することにより、ハサミによる挟みという目的を達成することができる。第一せん断刃1と第二せん断刃2とが閉じる状態では、可動穴61内における接続ネジ5の移動により、第一せん断刃1が第二せん断刃2に対して前後に移動するように許可する。第一せん断刃1が第二せん断刃2に対して移動することによる復帰位置及び延出位置を有する。第一せん断刃1が復帰位置に位置する時には、第二せん断刃2の刃が第一せん断刃1の刃よりも超えることから、第一せん断刃1と第二せん断刃2とが相対的に移動してずれるようにすることができる。第一せん断刃1と第二せん断刃2とが完全に閉じる状態では、第二せん断刃2の刃が露出になり、第二せん断刃2の刃を用いて、透明テープや包装用テープを切断することができ、箱を開けるということを実現することができ、その構成が簡素であり、操作が利便であり、しかも、安全性が高い。第一せん断刃1が延出位置に位置する時には、第二せん断刃2の刃が第一せん断刃1の刃と揃うことにより、第一せん断刃1と第二せん断刃2が復帰位置までリセットされ得る。なお、スペーサ6は、接続ネジ5が直接に第一せん断刃1に対して動くことにより生じた摩擦を低減して、第一せん断刃1を保護するという目的を達成することができる。それだけでなく、接続ネジ5がスペーサ6の可動穴61に動くようにするために一定の押し込む力が必要となることから、使用の際に、第一せん断刃1や第二せん断刃2が誤って移動することにより損害が発生してしまうということを避けることができ、安全性が高くなり、構成も簡素である。
【0029】
以上に開示しているのは、本発明の好ましい実施例に過ぎず、それらにより本発明の権利範囲を限定するものではないことは言うまでもない。そして、この実用新案登録請求の範囲に基づいてなされる他の均等変化は、依然として、本発明による範囲に含まれる。
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