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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083652
(43)【公開日】2024-06-24
(54)【発明の名称】フィルター
(51)【国際特許分類】
   B01D 46/42 20060101AFI20240617BHJP
   B01D 39/16 20060101ALI20240617BHJP
【FI】
B01D46/42 A
B01D39/16 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197568
(22)【出願日】2022-12-12
(71)【出願人】
【識別番号】591227675
【氏名又は名称】アルファミック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106091
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直都
(74)【代理人】
【氏名又は名称】渡邉 彰
(74)【代理人】
【識別番号】100199369
【弁理士】
【氏名又は名称】玉井 尚之
(72)【発明者】
【氏名】中本 和孝
【テーマコード(参考)】
4D019
4D058
【Fターム(参考)】
4D019AA01
4D019BA13
4D019BB03
4D019BC20
4D019CB04
4D058JA12
4D058JB25
4D058PA11
(57)【要約】
【課題】殆どコストアップとならない方法で、かつ、グラビア印刷機等の設備を必要とせずに製造できるフィルター交換時期を消費者に知らせることができるフィルターを提供する。
【解決手段】白色又は淡色の不織布層10と離型フィルム11とを備えるフィルターであって、前記離型フィルム11には、切り取り線12が設けられ、当該切り取り線12に沿って切り取ると前記不織布層10の表面に前記離型フィルム11の一部が残存する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
白色又は淡色の不織布層と離型フィルムとを備えるフィルターであって、
前記離型フィルムには、切り取り線が設けられ、当該切り取り線に沿って切り取ると前記不織布層の表面に前記離型フィルムの一部が残存することを特徴とするフィルター。
【請求項2】
前記切り取り線が2本のミシン目であり、前記離型フィルムの残存する前記一部が、一本の帯状となる請求項1に記載のフィルター。
【請求項3】
白色又は淡色の不織布層と、
前記不織布層の空気が流入する流入側面上に添付される、透明、白色又は淡色の空気不透過性のシールと、を有するフィルター。
【請求項4】
白色又は淡色の不織布層と、
前記不織布層の空気が流出する流出側面上に添付される空気不透過性のシールと、を有するフィルター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、フィルター交換時期を知ることのできるフィルターに関する。
【背景技術】
【0002】
業務用、家庭用に使用されるレンジ等に備えられているフィルターは、空気に含まれる塵埃をトラップし、屋内の空気を正常化するとともに、塵埃を含まない清浄化された空気を屋外に排出する。使用時間に伴ってフィルターに蓄積される塵埃の量は増加し、白色または淡色のフィルターの色が、一般に薄茶色、茶色、茶褐色、灰色等に順次変化していく。消費者は、フィルターの色の変化を判断基準にしてフィルター交換時期を決めている。
【0003】
この判断基準が不明確であるという問題を解決するために、フィルター交換時期をより明確化する方法が提案されてきた。
図6に示す特許文献1に記載の発明は、2000年11月7日出願の発明で、発明の名称が「フィルター及びその製造方法」であり、フィルター交換時期を知ることのできるフィルター及びその製造方法に関するものである。その発明の特徴的構成は、無色のインキ又は接着剤によってフィルター交換時期を指示する文字又は図柄が転写印刷されてなることを特徴としている。図6にその製造方法を示す。離型用シート101の表面にグラビアロール102によって、無色文字又は図柄103が印刷され、不織布シート107と合わせられ、ゴムロール105とスチールロール106との間に挟み込まれ、離型用シート101と不織布シート107とは密着させられている。その後、積層シート断裁装置114で裁断され、離型用シート101と不織布シート107とが積層された離型用シート付フィルター115が製作される。
【0004】
消費者が離型用シート付フィルター115を使用するために離型用シート101をはがすと、無色文字又は図柄103は不織布シート107に移り、レンジフード等に張り付けられた不織布シート107の表面に無色文字又は図柄103があり、この無色文字又は図柄103の部分には空気は流れない。無色文字又は図柄103の部分以外の部分には空気が流れるので、空気に含まれる塵埃が蓄積していき、薄茶色、茶色、茶褐色、灰色等に順次変化する。その結果、変色が少ない無色文字又は図柄103が明瞭になって消費者が不織布シート107の交換時期を知ることができる。
【0005】
図7及び図8に示す特許文献2に記載の発明は、2002年2月18日出願の発明で、発明の名称が「交換用フィルタ及びその製造方法」であり、フィルター交換時期を知ることのできるフィルター及びその製造方法に関するものである。その発明の特徴的構成は、通気性を有し、油煙等を吸着することができる材料よりなるフィルタシートと、前記フィルタシートの一方面の一部に膜状に形成され、油煙等の通過を阻止する交換サインとを備えることを特徴としている。図7は交換用フィルタ211を示し、交換用フィルタ211は、フィルタシート212に交換用サイン213が付着している状態を示している。図8にその製造方法を模式的に示している。図8(1)に示すフィルム220は、離型用フィルムである。図8(2)で、フィルム220の下面に合成樹脂221が張り付けられている。この合成樹脂221は、図7の交換サイン213に相当する。図8(3)で、不織布等で作られたフィルタシート212に合成樹脂221が付着したフィルム220が載せられ、平面プレス型223が上方から下方に圧接している。図8(4)で、平面プレス型223を外し、フィルム220を剥がすと合成樹脂221がフィルタシート212の表面上にのせられている。
【0006】
消費者が、合成樹脂221がのせられたフィルタシート212をレンジフード等に取り付けると、合成樹脂221が交換サイン213となっているので、この交換サイン213の部分には空気は流れない。交換サイン213以外の部分には空気が流れるので、空気に含まれる塵埃が蓄積していき、薄茶色、茶色、茶褐色、灰色等に順次変化する。その結果、変色が少ない交換サイン213が明瞭になって消費者がフィルタシート212の交換時期を知ることができる。
【0007】
図9に示す特許文献3に記載の発明は、2004年8月4日出願の発明で、発明の名称が「フィルター取付具及びフィルター」であり、フィルターの適切な交換時期を知ることができるフィルターを提供することを目的としてなされたものである。その発明の特徴的構成は、剥離材層、不織布を接着する感圧接着剤層、プラスチックフィルム、空気吸入口の平滑面に吸着するミクロ吸盤吸着材層及び剥離材層がこの順に積層されてなることを特徴とし、不織布の空気吸入口側となる面に、無色のインキ又は接着剤によってフィルター交換時期を指示する文字又は図柄が転写印刷されてなることを特徴としている。図9にその構造を示す。不織布306の周辺にフィルター取付具307が配置され、不織布306には離型フィルム308が貼られている。不織布の空気吸入口側となる面に、無色のインキ又は接着剤によってフィルター交換時期を指示する文字又は図柄が転写印刷されてる。図9では「とりかえてね」という文字が印刷されている。
【0008】
消費者が、文字又は図柄が転写された不織布306をレンジフード等に取り付けると、文字又は図形の部分には空気は流れない。文字又は図形以外の部分には空気が流れるので、空気に含まれる塵埃が蓄積していき、薄茶色、茶色、茶褐色、灰色等に順次変化する。その結果、変色が少ない文字又は図形が明瞭になって消費者が不織布306の交換時期を知ることができる。
【0009】
図10に示す特許文献4に記載の発明は、2019年1月11日出願の発明で、発明の名称が「機能性フィルター」であり、銀を含む微粒子を付着させて抗微生物性を付与した場合において、粘着剤層により形成した交換時期を示す文字等の意匠が、交換時期が到来したならば明瞭に表示されるように構成した機能性フィルターを提供することを目的している。
その発明の特徴的構成は、銀を含む抗微生物性微粒子が付着された、厚みが1~2mm、目付けが20~50g/mの不織布からなるフィルター層と、前記フィルター層の一方面の一部に粘着剤により形成された、対象物へ貼着するための粘着剤層とを備え、前記抗微生物性微粒子の前記不織布に対する付着量が0.01~5.0g/mの範囲であり、前記粘着剤層は、交換時期を表示する形態に形成された表示粘着剤層を含んでいる。図10では、」「とりかえてネ」という文字が印刷されている。
【0010】
消費者が、表示粘着剤層404が印刷された機能性フィルター401をレンジフード等に取り付けると、表示粘着剤層404の文字LやマークMの部分には空気は流れない。文字LやマークMの部分以外の部分には空気が流れるので、空気に含まれる塵埃が蓄積していき、薄茶色、茶色、茶褐色、灰色等に順次変化する。その結果、変色が少ない文字LやマークMが明瞭になって消費者がフィルター層402を有する機能性フィルター401の交換時期を知ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2003-299923号公報
【特許文献2】特開2003-240297号公報
【特許文献3】実用新案登録第3107028号公報
【特許文献4】特開2020-110762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特許文献1~4に記載の発明では、いずれも、フィルターの交換時期は、不織布層に印刷された文字等の部分に空気が流れず、その部分には空気に含まれる塵埃の蓄積が、その他の部分における塵埃の蓄積に比べて少ないという性質があり、フィルターの交換時期が近づくと、印刷された文字等が次第に消費者に視認されるという作用効果を利用している。レンジ等に用いられるフィルター等は、一般消費財であり低廉な価格が要求されるが、特許文献1~4では、いずれも印刷工程というステップを必要とするため、グラビア印刷機等の設備も必要となり、コストアップの原因の一つとなっている。
【0013】
特許文献1が出願された2000年11月7日から特許文献4が出願された2019年1月11日までの期間、実に20年近く同じ技術的原理に基づいたフィルターの交換時期を示すという方法がとられてきて、レンジ等のフィルターを製造するメーカーにとっては、このスタンダードな技術に挑戦するような技術は現れてこなかった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、殆どコストアップとならない方法で、かつ、グラビア印刷機等の設備を必要とせずに製造できるフィルター交換時期を消費者に知らせることができるフィルターを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明(1)は、白色又は淡色の不織布層と離型フィルムとを備えるフィルターであって、前記離型フィルムには、切り取り線が設けられ、当該切り取り線に沿って切り取ると前記不織布層の表面に前記離型フィルムの一部が残存することを特徴とするフィルターである。
【0015】
本発明(1)は、不織布層の表面に離型フィルムの一部分を残存させ、離型フィルムが残存している場所と、離型フィルムがない場所との経時的な色彩の変化の違いを利用するものである。離型フィルムが残存している場所には空気は流れず、空気に含まれる塵埃の蓄積は非常に少なく、経時的な色彩の変化はあまり起こらない。一方、離型フィルムがない場所では、空気に含まれる塵埃が蓄積していき、薄茶色、茶色、茶褐色、灰色等に順次変化する。その結果、離型フィルムがない場所と離型フィルムがある場所との間の色彩の違いが明瞭になったときに消費者はフィルターの交換時期がきたと認識することができる。
【0016】
本発明(2)は、前記切り取り線が2本のミシン目であり、前記離型フィルムの残存する前記一部が、一本の帯状となる本発明(1)のフィルターである。
【0017】
本発明(2)では、残存する離型フィルムの一部が2本のミシン目によって帯状になるので、離型フィルムを非常に簡単に不織布層に残存させることが出来、さらにフィルター交換時期を低コストで示すことができる。
【0018】
本発明(3)は、白色又は淡色の不織布層と、前記不織布層の空気が流入する流入側面上に添付される、透明、白色又は淡色の空気不透過性のシールと、を有するフィルターである。
【0019】
本発明(3)では、白色又は淡色の不織布層と、前記不織布層の空気が流入する流入側面上に添付される、透明、白色又は淡色の空気不透過性のシールと、を有するので、シールが貼られている場所には空気は流れず、空気に含まれる塵埃の蓄積は非常に少なく、経時的な色彩の変化はあまり起こらない。一方、シールが貼られていない場所では、空気に含まれる塵埃が蓄積していき、薄茶色、茶色、茶褐色、灰色等に順次変化する。その結果、離型フィルムがない場所と離型フィルムがある場所との間の色彩の違いが明瞭になったときに消費者はフィルターの交換時期がきたと認識することができる。
【0020】
本発明(4)は、白色又は淡色の不織布層と、前記不織布層の空気が流出する流出側面上に添付される空気不透過性のシールと、を有するフィルターである。
【0021】
本発明(4)では、白色又は淡色の不織布層と、前記不織布層の空気が流出する流出側面上に添付される空気不透過性のシールと、を有するので、シールが貼られている場所には空気は流れず、空気に含まれる塵埃の蓄積は非常に少なく、経時的な色彩の変化はあまり起こらない。一方、シールが貼られていない場所では、空気に含まれる塵埃が蓄積していき、薄茶色、茶色、茶褐色、灰色等に順次変化する。その結果、離型フィルムがない場所と離型フィルムがある場所との間の色彩の違いが明瞭になったときに消費者はフィルターの交換時期がきたと認識することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、殆どコストアップとならない方法で、かつ、グラビア印刷機等の設備を必要としないフィルター交換時期を消費者に知らせる機能を有するフィルターを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】実施例1にかかるフィルターであって、(1)レンジに装着前、(2)レンジに装着直前、(3)レンジに装着後の時間の経過に伴うフィルターの色彩の変化の状態を示す。
図2】実施例1に係るフィルターを1か月使用した後の状態(A)と従来型のフィルターを1か月使用した後の状態(B)を示す。
図3】実施例2にかかるフィルターであって、(1)レンジに装着前、(2)レンジに装着直前、(3)レンジに装着後の時間の経過に伴うフィルターの色彩の変化の状態を示す。
図4】(1)は、実施例3にかかるフィルターであって、空気不透過性のシールがフィルターの空気の流出側に配設されている状態を模式的に示す。(2)は、実施例4にかかるフィルターであって、空気不透過性のシールがフィルターの空気の流入側に配設されている状態を模式的に示す。(3)は、実施例3及び実施例4の時間の経過に伴うフィルターの色彩の変化の状態を示す。
図5】実施例3のフィルターを1か月使用したの状態を示し、(1)は空気の流出側で(2)は空気の流入側の状態を示している。
図6】特許文献1にかかる従来のフィルターの製造方法と製造されたフィルターを示す。
図7】特許文献2にかかる従来のフィルターを示す。
図8】特許文献2にかかる従来のフィルターの製造ステップを示す。
図9】特許文献3にかかるフィルターを示す。
図10】特許文献4にかかるフィルターを示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0025】
図1(1)は、実施例1にかかるフィルター1である。フィルター1の構造は、不織布層10に離型フィルム11が積層され、離型フィルム11には平行な2本の切り取り線12が設けられている。切り取り線12に沿って左右の離型フィルム11を切り取ると図1(2)の状態になる。図1(2)の状態になったフィルター1をレンジフード等に取り付ける。図1(2)の状態のフィルター1をレンジフード等に取り付ける方法は、磁石や両面テープ等の方法のいずれであってもよい。また、離型フィルム残存部13を表面(空気がフィルター1に入り込む側)に向ける取付け方、離型フィルム残存部13を裏面(空気がフィルター1から出ていく側)に向ける取付け方のいずれであってもよい。
【0026】
フィルター1の色彩の変化を表した図が図1(3)である。フィルター1をレンジフード等に取り付け直後には、白色又は淡色の不織布層10と透明な離型フィルム11の構成であるので離型フィルム残存部13の不織布層10と、離型フィルム残存部13以外の不織布層10との境界には色彩の変化はない。フィルター1の使用を開始すると次第に離型フィルム残存部13以外の不織布層10には空気が通るので、空気に含まれる塵埃が蓄積していき、薄茶色、茶色、茶褐色、灰色等に順次変化する。その結果、離型フィルムがない場所と離型フィルムがある場所との間の色彩の変化が明瞭になっていき(図1(B))、さらに図1(C)のようにくっきりと明瞭になる。そのような状態になれば、使用者はフィルター1の交換時期がきたことを知ることができる。
【0027】
不織布層10の繊維は、アラミド繊維、ガラス繊維、セルロース繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリオレフィン繊維、レーヨンなどの一般に用いられる繊維が使用可能であるが、これらの中でもポリエステル繊維が、風合いが良く耐久性も高いため好ましい。また不織布層の目付は25g/m-150g/mが好ましい。離型フィルム11は、一般的に用いられるもので良く、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)などが好ましい。離型フィルム11の厚みは約10μm程度が好ましい。
【0028】
図2は、実施例1のフィルター1をレンジフードに取り付けて1カ月使用したものの外観(図2(A))を示す。また、上記特許文献1~4のような方法でフィルターの交換時期を示す従来のフィルター6をレンジフードに取り付けて1カ月使用したものの外観(図2(B))を示す。図2(A)では離型フィルム残存部反対側の不織布層14の部分は色彩の変化がなく、離型フィルム残存部14以外の不織布層10の部分は色彩の変化が大きい。これは従来のフィルター6と同等に視認できる。
【0029】
図3(1)は、実施例2にかかるフィルター2である。フィルター2の構造は、不織布層20に離型フィルム21が積層され、離型フィルム21には直線部分に挟まれた星形の切り取り線22が設けられている。切り取り線22に沿って左右の離型フィルム21を切り取ると図3(2)の状態になる。図3(2)の状態になったフィルター2をレンジフード等に取り付ける。図3(2)の状態になったフィルター2をレンジフード等に取り付ける方法は、実施例1と同様なので説明を省略する。実施例2の不織布層や離型フィルムについても実施例1と同様なので説明を省略する。以下の実施例についても説明を省略する。
【0030】
フィルター2の色彩の変化を表した図が図3(3)である。フィルター2をレンジフード等に取り付け直後には、白色又は淡色の不織布層20と透明な離型フィルム21の構成であるので離型フィルム残存部23の不織布層20と、離型フィルム残存部23以外の不織布層20との境界には色彩の変化はない。フィルター2の使用を開始すると次第に離型フィルム残存部23以外の不織布層20には空気が通るので、空気に含まれる塵埃が蓄積していき、薄茶色、茶色、茶褐色、灰色等に順次変化する。その結果、離型フィルムがない場所と離型フィルムがある場所との間の色彩の変化が明瞭になっていき(図3(B))、図3(C)のようにくっきりと明瞭になる。そのような状態になれば、使用者はフィルター1の交換時期がきたことを知ることができる。
【0031】
図4(1)は、実施例3にかかるフィルター3であって、空気不透過性のシール31がフィルターの空気の流出側に配設されている状態を模式的に示している。空気不透過性のシール31は星形である。図4(2)は、実施例4にかかるフィルターであって、空気不透過性のシール41がフィルターの空気の流入側に配設されている状態を模式的に示す。図4(3)は、実施例3及び実施例4の時間の経過に伴うフィルターの色彩の変化の状態を示す。
【0032】
フィルター3またはフィルター4をレンジフード等に取り付けた直後には、白色又は淡色の不織布層30(不織布層40)において、空気不透過性のシール31または空気不透過性のシール41の部分の不織布層30(不織布層40)と、空気不透過性のシール31(空気不透過性のシール41)以外の部分の不織布層30(不織布層40)との境界には色彩の変化はない。
フィルター3(フィルター4)の使用を開始すると次第に空気不透過性のシール31(空気不透過性のシール41)以外の不織布層30(不織布層40)には空気が通るので、空気に含まれる塵埃が蓄積していき、薄茶色、茶色、茶褐色、灰色等に順次変化する。その結果、空気不透過性のシール31(空気不透過性のシール41)がない場所と空気不透過性のシール31(空気不透過性のシール41)がある場所との間の色彩の変化が明瞭になっていき(図4(B))、図4(C)のようにくっきりと明瞭になる。そのような状態になれば、使用者はフィルター3(フィルター4)の交換時期がきたことを知ることができる。
【0033】
図5は、実施例3のフィルター5を1か月使用したの状態を示すものである。実施例3のフィルター5は、空気の流出側(裏側)に空気不透過性のシール51~54を貼付したものである。(2)はフィルター5を1か月使用した後の空気の流入側(表面)の状態を示している。空気不透過性のシール51は円形、空気不透過性のシール52は円形の少し欠けた部分があるもの、空気不透過性のシール53は円形の中に欠けたひし形を有するもの、空気不透過性のシール54はかけたU字形を有するものである。
空気不透過性のシール51~54が貼られている部分の表面の場所をそれぞれ対応して51’、52’、53’、54’としている(図5(2)参照)。表面において空気不透過性のシール51~54が貼られた場所に対応する場所は当初の不織布層の色彩を維持しており、その他の場所は空気に含まれる塵埃が蓄積していき灰色に色彩が変化しているので、境界が明瞭でフィルターの交換時期を使用者は容易に知ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
以上説明したように、本発明のフィルターは、殆どコストアップとならない方法で、かつ、グラビア印刷機等の設備を必要としないフィルター交換時期を消費者に知らせる機能を有するフィルターを提供することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 フィルター
10 不織布層
11 離型フィルム
12 切り取り線
13 離型フィルム残存部
14 離型フィルム残存部反対側の不織布層
2 フィルター
21 離型フィルム
22 切り取り線
23 離型フィルム残存部
3 フィルター
30 不織布層
31 空気不透過性のシール
4 のフィルター
40 不織布層
41 空気不透過性のシール
5 フィルター
51、52、53、54 空気不透過性のシール
51’、52’、53’、54’ 空気不透過性のシール51~54が貼られている部分に対応する反対側の表面の場所
6 従来のフィルター
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10