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  • 特開-小銭入れ構造 図1
  • 特開-小銭入れ構造 図2
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  • 特開-小銭入れ構造 図6
  • 特開-小銭入れ構造 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083655
(43)【公開日】2024-06-24
(54)【発明の名称】小銭入れ構造
(51)【国際特許分類】
   A45C 1/02 20060101AFI20240617BHJP
【FI】
A45C1/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197574
(22)【出願日】2022-12-12
(71)【出願人】
【識別番号】504207868
【氏名又は名称】株式会社二宮五郎商店
(74)【代理人】
【識別番号】100074251
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 寛
(74)【代理人】
【識別番号】100066223
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 政美
(72)【発明者】
【氏名】二宮 眞一
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045BA02
(57)【要約】
【課題】硬貨収納部を閉塞している開閉蓋部を開放して硬貨収納部内の硬貨類を開閉蓋部の内側面上でも一覧的に視認確認でき、また外部に落下させないようにする。
【解決手段】硬貨類Cを収納する袋状の硬貨収納部2と、この硬貨収納部2の開口部に折曲部5によって繋がっていて、硬貨収納部2に重なるように折曲する袋状の開閉蓋部10とを備える。硬貨収納部2の開口部と開閉蓋部10の開口部とを折曲部5を介して向き合わせ、折曲部5の左右には、硬貨収納部2の開口部縁と開閉蓋部10の開口部縁とを連続させる堰片7を設ける。堰片7は、硬貨収納部2の左右に設けた折込自在な側壁3と、開閉蓋部10の左右に配した折返し側片13とのそれぞれに連続していて、開閉蓋部10で硬貨収納部2を閉塞したときには折曲部5内方に折込状となり、開閉蓋部10を開放したときには立ち上がり状となるものとしてある。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬貨類が収納される袋状の硬貨収納部と、この硬貨収納部の開口部に折曲部によって繋がっていて、硬貨収納部に重なるように折曲される袋状の開閉蓋部とを備え、硬貨収納部の開口部と開閉蓋部の開口部とを折曲部を介して向き合わせ、折曲部の左右には、硬貨収納部の開口部縁と開閉蓋部の開口部縁とを連続させる堰片を設けたことを特徴とする小銭入れ構造。
【請求項2】
堰片は、硬貨収納部の左右に設けた折込自在な側壁と、開閉蓋部の左右に配した折返し側片とのそれぞれに連続していて、開閉蓋部で硬貨収納部を閉塞したときには折曲部内方に折込状となり、開閉蓋部を開放したときには立ち上がり状となるものとしてある請求項1に記載の小銭入れ構造。
【請求項3】
開閉蓋部は、折曲部に連続する蓋基片の左右に設けた折返し側片を蓋基片上に折り返して重ね合わせ、蓋基片に連続する覆い片を折返し側片に固着して袋状に形成されている請求項1または2記載の小銭入れ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は硬貨類を財布、小銭入れ等の硬貨収納部に収納保持して携帯するに際し、硬貨収納部を閉塞している開閉蓋部を開放することで硬貨収納部内の硬貨類を開閉蓋部の内側面上でも一覧的に視認確認でき、また外部に落下させることなく容易に取出しできるようにした小銭入れ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、硬貨類を携帯持参するには小銭入れ等に収納しており、その小銭入れとしては、例えば特許文献1あるいは特許文献2に示される小銭入れ等がある。特許文献1に示される小銭入れは、被せ蓋を開閉自在に連設した小銭入れ本体に透明ポケットを設け、被せ蓋と透明ポケットとはそれらの開口部を向かい合わせておき、透明ポケットから脱出した硬貨は被せ蓋に設けた溝部によって受け止め保持するようにして成る。特許文献2に示される小銭入れは、硬貨入れ部、紙幣等入れ部を設けた背部に、折曲自在部を介して蓋部を設け、この蓋部には背部に対して二つ折りしたときの硬貨入れ部、紙幣等入れ部を囲繞する囲繞枠を立設しておき、蓋部を開放したときには硬貨入れ部の硬貨類が蓋部の囲繞枠内に滑落させて取り出せるようにして成る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-159315号公報
【特許文献2】実開昭57-197220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上のような従来の小銭入れによると、小銭を収納する袋状部から、この袋状部を閉塞している開閉蓋部分を開放し、開閉蓋部分の内側面に硬貨類を滑らせてその全体を一覧的に見ることで、必要とする硬貨類を取り出せるとしている。しかしながら、袋状部から硬貨類を滑らせて開閉蓋部分に移動させるとき、小銭入れ自体の姿勢を傾けてしまうと、袋状部から出された硬貨類は開閉蓋部分上に至らずに、側方から滑り落ちるおそれがある。そうすると、硬貨類が周囲に散乱してしまうことにもなり、それらを拾い集める面倒な手間が掛かる。
【0005】
そこで本発明は叙上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、その目的は、硬貨類を収納している袋部から硬貨類を滑り出させても外側方に硬貨類を脱落させることなく、開閉蓋の内側面上で一覧的に広げさせ、視認させることで必要とする硬貨類を簡単に取り出せるようにした小銭入れ構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため、本発明にあっては、硬貨類Cが収納される袋状の硬貨収納部2と、この硬貨収納部2の開口部に折曲部5によって繋がっていて、硬貨収納部2に重なるように折曲される袋状の開閉蓋部10とを備え、硬貨収納部2の開口部と開閉蓋部10の開口部とを折曲部5を介して向き合わせ、折曲部5の左右には、硬貨収納部2の開口部縁と開閉蓋部10の開口部縁とを連続させる堰片7を設けたことを特徴とする。
堰片7は、硬貨収納部2の左右に設けた折込自在な側壁3と、開閉蓋部10の左右に配した折返し側片13とのそれぞれに連続していて、開閉蓋部10で硬貨収納部2を閉塞したときには折曲部5内方に折込状となり、開閉蓋部10を開放したときには立ち上がり状となるものとして構成することができる。
開閉蓋部10は、折曲部5に連続する蓋基片11の左右に設けた折返し側片13を蓋基片11上に折り返して重ね合わせ、蓋基片11に連続する覆い片12を折返し側片13に固着して袋状に形成することで構成することができる。
【0007】
以上のように構成された本発明に係る小銭入れ構造にあって、折曲部5を介して開口部が互いに向き合わせられている袋状の硬貨収納部2、開閉蓋部10相互間では、折曲部5の左右に配した堰片7が硬貨収納部2から外出される硬貨類Cを折曲部5及び硬貨収納部2、開閉蓋部10の開口部上の硬貨類Cを外側方に落下させず、折曲部5上で一覧的に見させ、所定の硬貨類Cを容易に選択し、取り出し可能にさせる。
硬貨収納部2の左右の側壁3、開閉蓋部10の左右の折返し側片13それぞれに連続している堰片7は、袋状の硬貨収納部2、開閉蓋部10それぞれの開口部の外方側縁でこれらと共に折曲部5の上面域を囲繞し、外方域と確実に区画させる。また、開閉蓋部10の開放時では立ち上がり状となることとも相俟ち、折曲部5上に外出された硬貨類Cは、上記の一覧表示域外部には零れ落ちることがない。
開閉蓋部10自体は、蓋基片11上に折返し重ねられる折返し側片13、さらに折返し側片13に固着される覆い片12によって袋状に形成されており、硬貨収納部2から外出されて折曲部5上で移動する硬貨類Cを一時的にでも収納保管させることと相俟ち、堰片7による外方への硬貨類Cの落下を確実に阻止させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明は以上説明したように構成されているため、袋状の硬貨収納部2から硬貨類を滑らせて開閉蓋部10側に移動させるとき、小銭入れ1自体の姿勢を傾けても、折曲部5の左右の堰片7が硬貨類Cの外部への落下を阻止し、折曲部5上で硬貨類Cを一覧させ、その選択、取出しを容易にさせることができる。
【0009】
すなわちこれは本発明において、硬貨収納部2の開口部と開閉蓋部10の開口部とを折曲部5を介して向き合わせ、折曲部5の左右には、硬貨収納部2の開口部縁と開閉蓋部10の開口部縁とを連続させる堰片7を設けたからである。そのため、硬貨収納部2、開閉蓋部10の開口部を含む折曲部5の周囲を堰片7が囲繞し、小銭入れ1を傾けても硬貨収納部2から外出する硬貨類Cを外方に落下させることがない。
【0010】
また、堰片7は、硬貨収納部2の側壁3と、開閉蓋部10の折返し側片13とのそれぞれに連続していて、開閉蓋部10で硬貨収納部2を閉塞したときには折曲部5内方に折込状となり、開閉蓋部10を開放したときには立ち上がり状となるので、開閉蓋部10の開放時には、折曲部5の上面域を囲繞し、折曲部5上の硬貨類Cを零れ落ちさせずに一覧的に広げさせ、必要とする硬貨類Cを容易に選択でき、取り出すことができる。
【0011】
尚、上記の課題を解決するための手段、発明の効果の項それぞれにおいて付記した符号は、図面中に記載した構成各部を示す部分との参照を容易にするために付した。本発明は、これらの記載、図面中の符号等によって示された構造・形状等に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明を実施するための一形態を示す開放時の斜視図である。
図2】同じく開放時の一部切欠き側面図である。
図3】同じく平面図である。
図4】同じく展開図である。
図5】同じく長財布に組み込み設けた場合の一例を示し、開閉蓋の開閉方向が札入れ部の開口部と同方向にして設けた場合の正面図である。
図6】同じく長財布に組み込み設けた場合の他例を示し、開閉蓋の開閉方向が札入れ部の開口部と異なる方向にして設けた場合の正面図である。
図7】同じくワイドタイプとして構成した場合の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明を実施するための一形態を説明すると、図において示される符号1は小銭入れであり、硬貨類Cが収納される袋状の硬貨収納部2と、この硬貨収納部2の開口部に繋がっていて、硬貨収納部2に重なるように折曲される開閉蓋部10とを備える。そして、硬貨収納部2と開閉蓋部10とには、硬貨収納部2に重ね合わせた開閉蓋部10を固着する例えば雌雄ホック構成の止着具4が設けられている。
【0014】
硬貨収納部2は、所定数の硬貨類Cを収納できる容積を有し、その左右の側壁3は例えば内部に折り込み可能にしてあるマチ状に形成されている。
【0015】
開閉蓋部10は、硬貨収納部2の開口縁からの折曲部5を介して連続していて、硬貨収納部2の開口部に対向している開口部を有する袋状に形成されている。開閉蓋部10自体の袋状構成は、これによって、硬貨収納部2から外出される硬貨類Cが折曲部5上で移動して開閉蓋部10にそのまま一時的にでも収納させるようにしている。開閉蓋部10の袋状構成は、例えば折曲部5に連続する蓋基片11に、片縁が連続している覆い片12を重なり状にして配置することで形成される。
【0016】
図示にあっての開閉蓋部10は、折曲部5に連続させた蓋基片11の上縁に、反転状に折曲される覆い片12を接続すると共に、蓋基片11の左右両側縁に折返し側片13を連続しておき、左右の折返し側片13を蓋基片11上に重ね合わせるように折曲し、次いで覆い片12を折返し側片13上に重ね合わせて接合することで、硬貨収納部2の開口部に対向した開口部を有する袋状の開閉蓋部10を形成している。なお、前記止着具4は、覆い片12に配置されている。
【0017】
そして、互いの開口部が対向している硬貨収納部2と開閉蓋部10とには、折曲部5の左右に、硬貨収納部2の側壁3、開閉蓋部10の覆い片12、具体的には折返し側片13それぞれに連続する堰片7を左右に配置形成してある。この堰片7は、硬貨収納部2を開放した開閉蓋部10の袋部分側に折曲部5上で硬貨類Cが移動するとき、折曲部5あるいは袋部分から硬貨類Cが外部に落下するのを防止する。
【0018】
図示にあっての堰片7自体は、硬貨収納部2におけるマチ状の側壁3から連続し、さらに開閉蓋部10における前記折返し側片13に連続していて、向かい合っている硬貨収納部2の開口部の外方、開閉蓋部10の開口部の外方それぞれの境界を区画している。そして、硬貨収納部2あるいは開閉蓋部10から外出された硬貨類Cが、折曲部5上及び硬貨収納部2、開閉蓋部10の開口部外方部位上で一覧できる区域を囲繞しているものとなっている。
【0019】
また、側壁3を含む硬貨収納部2、折曲部5、堰片7、蓋基片11、覆い片12、折返し側片13から成る小銭入れ1を展開した展開図は、図4に示す通りである。すなわち、側壁3を内側に折り込みながら二つ折りして辺縁を縫着その他によって接合することで袋状の硬貨収納部2を形成する。その一方、折曲部5に連続する蓋基片11上に、折曲部5における左右の堰片7に連続している折返し側片13を重ね合わせるように左右から折曲し、覆い片12によって左右の折返し側片13を固着することで袋状の開閉蓋部10を形成する。こうすることで、折曲部5の左右の堰片7は、開閉蓋部10によって硬貨収納部2を閉塞するときには折り込み状となり、開閉蓋部10を開放するときには、折曲部5の左右で立ち上がり状となる堰片7によって、開口部が向かい合っている袋状の硬貨収納部2、開閉蓋部10それぞれの開口部から外出する硬貨類Cを外部に落下させることなく、折曲部5上で保持される。
【0020】
なお、硬貨収納部2は図1乃至図6に示すように、例えばその幅員が60~80mmm程度のスリムタイプとしたり、あるいは図7に示すように、例えば幅員が120~150mm程度のワイドタイプとしたりでき、必要に応じ適宜に選択できる。
【0021】
本発明に係る小銭入れ構造は、硬貨類Cを収納する小銭入れ1とするそれ自体によって単独で構成される場合に限らず、紙幣を収納する、いわゆる長財布、二つ折り財布等に組み込み構成される場合もある。
【0022】
図5においては、例えば二つ折りされる紙幣収納部21における一方の内側に小銭入れ1を配置構成したもので、硬貨収納部2の開口部を紙幣収納部21の開口部と同方向の上方に向けて設けた場合である。
【0023】
図6においては、同じく例えば二つ折りされる紙幣収納部21における一方の内側に小銭入れ1を配置構成したもので、硬貨収納部2の開口部を紙幣収納部21の開口部とは異なる方向、例えば側方に向けて設けた場合である。
【0024】
このように、小銭入れ1として単独で構成する場合に限らず、紙幣収納部21を有する財布、さらには図示を省略したがカード収納部を有するカード入れその他に組み込み設けることができる。
【符号の説明】
【0025】
C…硬貨類
1…小銭入れ
2…硬貨収納部
3…側壁
4…止着具
5…折曲部
7…堰片
10…開閉蓋部
11…蓋基片
12…覆い片
13…折返し側片
21…紙幣収納部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7