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特開2024-83660支援システム、支援方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083660
(43)【公開日】2024-06-24
(54)【発明の名称】支援システム、支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20230101AFI20240617BHJP
【FI】
G06Q10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197579
(22)【出願日】2022-12-12
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】川本 優里
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA02
5L049AA02
(57)【要約】
【課題】顧客が提供する曖昧な情報から、会話の話題となっている店員を特定することを容易とする支援システムを提供すること。
【解決手段】本開示に係る支援システムは、顧客とオペレータとの間の会話の会話データを取得する取得手段と、前記会話の話題となっている店員の特徴を前記会話データから抽出する抽出手段と、店舗で勤務する店員の中から、抽出された前記店員の特徴と対応する特徴を有する店員を検索する検索手段と、検索された前記店員に関する情報を表示装置に表示させる表示制御手段とを備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客とオペレータとの間の会話の会話データを取得する取得手段と、
前記会話の話題となっている店員の特徴を前記会話データから抽出する抽出手段と、
店舗で勤務する店員の中から、抽出された前記店員の特徴と対応する特徴を有する店員を検索する検索手段と、
検索された前記店員に関する情報を表示装置に表示させる表示制御手段と
を備える支援システム。
【請求項2】
前記抽出手段は、前記会話データから、前記顧客が前記店舗に来店した来店日時を抽出し、
前記検索手段は、前記来店日時と店舗の勤務シフトとに基づいて、前記店員を検索する
請求項1に記載の支援システム。
【請求項3】
前記検索手段は、前記店員の特徴を識別可能な店員の画像を用いて、前記店員を検索する
請求項1に記載の支援システム。
【請求項4】
前記検索手段は、抽出された前記店員の特徴と対応する特徴を含む前記画像を検出することにより、前記店員を検索する
請求項3に記載の支援システム。
【請求項5】
前記検索手段は、前記画像の撮影日時と、前記店舗の勤務シフトとに基づいて、前記店員を検索する
請求項3または4に記載の支援システム。
【請求項6】
前記抽出手段は、前記会話データから、前記顧客が前記店舗に来店した来店日時を抽出し、
前記検索手段は、抽出された前記来店日時と、前記画像の撮影日時とに基づいて、前記店員を検索する
請求項3または4に記載の支援システム。
【請求項7】
前記抽出手段は、前記会話データから、前記顧客が来店した店舗の特徴を抽出し、
前記検索手段は、抽出された店舗の特徴と対応する特徴を有する店舗で勤務する店員の中から、前記店員を検索する
請求項1または2に記載の支援システム。
【請求項8】
前記表示制御手段は、店員の特徴に関する追加の発話を促す情報を前記表示装置に表示させる
請求項1または2に記載の支援システム。
【請求項9】
顧客とオペレータとの間の会話の会話データを取得し、
前記会話の話題となっている店員の特徴を前記会話データから抽出し、
店舗で勤務する店員の中から、抽出された前記店員の特徴と対応する特徴を有する店員を検索し、
検索された前記店員に関する情報を表示装置に表示させる
支援方法。
【請求項10】
顧客とオペレータとの間の会話の会話データを取得し、
前記会話の話題となっている店員の特徴を前記会話データから抽出し、
店舗で勤務する店員の中から、抽出された前記店員の特徴と対応する特徴を有する店員を検索し、
検索された前記店員に関する情報を表示装置に表示させる
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、支援システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
カスタマーサポートセンターでは、オペレータが顧客からの様々な問合せを受け付ける。オペレータは、例えば、製品やサービスについての問合せに回答したり、苦情に対応したりする。このようなオペレータの応対業務を補助するシステムが種々検討されている。
【0003】
特許文献1は、顧客の要件に対する回答を自動で表示させる検索結果表示装置を開示している。特許文献1において、顧客の要件発話又は応対担当者の要件確認発話から抽出されたキーワードが、検索クエリとして利用される。そして、検索された文書の検索結果が表示される。
【0004】
特許文献2は、クレームに対応する担当者を明確にするクレーム対応補助装置を開示している。特許文献2において、クレームから、予め規定したキーワードが抽出される。そして、抽出されたキーワードに基づいて、担当者が抽出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-066489号公報
【特許文献2】特開2007-226509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
顧客がオペレータに話す内容は曖昧である場合がある。このような曖昧な内容から、オペレータが会話の話題を特定することは困難となる。
【0007】
本開示は、顧客が提供する曖昧な情報から、会話の話題となっている店員を特定することを容易にする支援システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る支援システムは、顧客とオペレータとの間の会話の会話データを取得する取得手段と、前記会話の話題となっている店員の特徴を前記会話データから抽出する抽出手段と、店舗で勤務する店員の中から、抽出された前記店員の特徴と対応する特徴を有する店員を検索する検索手段と、検索された前記店員に関する情報を表示装置に表示させる表示制御手段とを備える。
【0009】
本開示に係る支援方法は、顧客とオペレータとの間の会話の会話データを取得し、前記会話の話題となっている店員の特徴を前記会話データから抽出し、店舗で勤務する店員の中から、抽出された前記店員の特徴と対応する特徴を有する店員を検索し、検索された前記店員に関する情報を表示装置に表示させる。
【0010】
本開示に係るプログラムは、顧客とオペレータとの間の会話の会話データを取得し、前記会話の話題となっている店員の特徴を前記会話データから抽出し、店舗で勤務する店員の中から、抽出された前記店員の特徴と対応する特徴を有する店員を検索し、検索された前記店員に関する情報を表示装置に表示させる処理をコンピュータに実行させる。プログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体に記憶されていてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、顧客が提供する曖昧な情報から、会話の話題となっている店員を特定することを容易にする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】顧客が問合せを行う場面を説明する図である。
図2】支援システムの構成例を示すブロック図である。
図3】データベースに記憶される店員に関する情報の一例である。
図4】オペレータに表示される画面の一例を示す図である。
図5】支援システムの動作例を示すフローチャートである。
図6】支援システムの他の動作例を示すフローチャートである。
図7】コンピュータのハードウェア構成の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[第1実施形態]
一実施形態において、店舗を利用した顧客が、店舗のサービスや商品についてカスタマーサポートセンターに問合せを行う場合を想定する。以降の説明でカスタマーサポートセンターは、カスタマーセンターと記載する。図1は、顧客が問合せを行う場面を説明する図である。顧客は、図1に示すように、オペレータと会話をする。オペレータは、カスタマーセンターで顧客からの問合せに応対する担当者である。会話は、音声により行われても、テキストにより行われてもよい。オペレータは、たとえばチャットボットのような会話ロボットであってもよい。オペレータとの会話の中で、顧客が店舗で見かけた店員が話題となる場合がある。以下に、会話の話題となっている店員を特定することを支援する支援システム100について説明する。なお、カスタマーセンターが問合せを受け付ける対象となる店舗の数は特に制限されない。以下の説明において、カスタマーセンターが問合せを受け付ける対象となる店舗の数は複数であることを想定する。
【0014】
図2は、第1実施形態に係る支援システム100の構成例を示すブロック図である。第1実施形態に係る支援システム100は、取得部101、抽出部102、検索部103、及び、表示制御部104を備える。さらに、支援システム100は、必要に応じて、受付部105を備えてもよい。
【0015】
一実施形態において、支援システム100は、顧客端末20、オペレータ端末30及びデータベース40と通信可能に接続される。顧客端末20は、顧客がオペレータとの会話に利用する端末である。オペレータ端末30は、オペレータが顧客との会話に利用する端末である。データベース40には、1または複数の店舗で勤務する店員に関する情報が、店員のそれぞれを区別する識別子と関連付けて記憶される。ここで、データベース40は、提供するサービスや販売する商品についての問合せをオペレータが受け付ける範囲の店舗について、情報を記憶する。
【0016】
顧客端末20及びオペレータ端末30は、それぞれ、例えば、電話、スマートフォン、パソコンなどである。顧客端末20及びオペレータ端末30は、マイク、ボタン、キーボードなど少なくともいずれかの入力手段を備える。また、顧客端末20及びオペレータ端末30は、ディスプレイ、スピーカーなどの少なくともいずれかの出力手段を備える。顧客とオペレータは、入力手段と出力手段を用いて会話をする。いずれの入力手段及び出力手段を備えるかは、必要に応じて設計可能である。
【0017】
なお、支援システム100による制御に応じて、顧客端末20またはオペレータ端末30のディスプレイが、店員の特定を支援する情報を出力する場合について、後述する。店員の特定を支援する情報は、検索された店員に関する情報及び店員の特徴に関する追加の発話を促す情報を含む。
【0018】
データベース40が記憶する店員に関する情報について、説明する。店員に関する情報は、例えば、店員の特徴を含む。店員に関する情報には、店員が勤務する店舗の店舗名が含まれてもよい。
【0019】
店員の特徴は、店舗を訪れた顧客が把握可能な特徴を少なくとも含む。店員の特徴は、例えば、店員の見た目、または、店員の名前に関するものである。見た目は、身長、髪型、性別、年代、及び、肌、目、若しくは、髪の色などを含む。店員の名前は、店員の名札などに表示される名前である。また、店員の特徴は、店員の店舗における役割であってもよい。店員の役割は、例えば、店長、社員、アルバイト、接客担当、または、厨房担当などを含む。店員の役割に応じて店員の制服が異なる場合、店舗の特徴は、店員の制服の種類が含まれてもよい。以下の説明において、店員の特徴が、店員を識別する店員識別子や、店員の名前により、店員ごとに管理される。
【0020】
例えば、データベース40は、店員の特徴として、店員の特徴を示すキーワードを記憶する。キーワードは、手作業で登録されてもよい。あるいは登録されるキーワードは、店員を撮像した画像から画像認識技術を用いて認識された店員の特徴を示すものであってもよい。キーワードの登録方法は特に限定されない。
【0021】
店員を撮像した画像は、店員の顔または上半身を正面から撮影した画像であってもよい。このような画像は店舗での毎回の勤務ごとまたは一定期間ごとに、店員によって登録されてもよい。あるいは、店員を撮像した画像は、店舗内の監視カメラで店員を撮影した画像であってもよい。
【0022】
データベース40には、店員の特徴を識別可能な画像を記憶されてもよい。すなわち、データベース40には、店員に関する情報のひとつとして、店員の特徴を識別可能な画像が、店員の識別子に関連付けて記憶されてもよい。データベース40は、予め、店員の顔や上半身を正面から撮影した画像を記憶してもよい。あるいは、データベース40は、店舗内の監視カメラによって勤務中の店員を撮影した画像を記憶してもよい。データベース40には、一定時間ごとに、監視カメラで撮影された勤務中の各店員の画像を記憶される。なお、勤務中の店員は、監視カメラ以外のカメラで撮影されてもよい。店員を撮像した画像には、店員の特徴を示すキーワードが特徴ラベルとして関連付けて記憶されてもよい。なお、例えば監視カメラで撮影された勤務中の各店員の画像などのような、店員の特徴を識別可能な画像は、店員の識別子とは関連付けられない状態で検索に用いられてもよい。
【0023】
監視カメラで撮影された画像が用いられる場合、画像認識技術により、画像から人物が検出される。そして、検出された人物が店員であるか、顧客であるか判別される。例えば、店舗の制服を着ている人物は店員であると判別される。あるいは、レジカウンターの内側など所定の領域にいる人物は店員であると判別される。さらに、店員であると判別された人物について、画像から店員の特徴が抽出される。人物の検出、店員の判定、及び店員の特徴の抽出は、監視カメラに接続された装置において行われてもよい。そして、データベース40は、画像から抽出された特徴を示す特徴ラベルを画像に関連付けて記憶する。なお、店員の顔画像が予め登録されている場合、監視カメラ画像から店員個人を認識できる。したがって、店員の名前を示す特徴ラベルが画像に関連付けられてもよい。同じ店員が何度も検出される場合、店員ごとに代表的な画像が記憶されればよい。
【0024】
図3は、データベース40に記憶される店員に関する情報の一例である。図3に示す例では、データベース40には、店員の識別子である店員ID(Identifier)と関連付けられて、店員の名前、画像、勤務する店舗、性別、その他の店員を特徴が記憶されている。この例では、店員の特徴として、特徴1及び特徴2の2つの特徴が記憶されているが、店員のそれぞれに対して、データベース40に記憶される特徴の数は特に限定されない。
【0025】
支援システム100の取得部101は、顧客とオペレータとの間の会話の会話データを取得する。取得部101は、顧客端末20及びオペレータ端末30から会話データを取得する。会話データは、例えば、通話の音声データを音声認識した結果である。会話データは音声認識した結果のテキストデータであってもよい。あるいは、会話データは、顧客端末20とオペレータ端末30の間で送受信されたテキストのテキストデータであってもよい。
【0026】
支援システム100の抽出部102は、会話の話題となっている店員の特徴を会話データから抽出する。抽出部102は、会話データの文章解析を行い、店員の特徴を示すキーワードまたは店員の特徴を含む文章を抽出する。抽出部102は、人物に関するキーワードであると推定されるキーワードを、店員の特徴として抽出してもよい。例えば、抽出部102は、人物の名前らしい、または、人物の見た目らしいキーワードを抽出する。あるいは、抽出部102は、店員の特徴に関する会話であるかを判定して、人物に関するキーワードを抽出してもよい。
【0027】
検索部103は、店舗で勤務する店員の中から、抽出部102によって抽出された店員の特徴と対応する特徴を有する店員を検索する。抽出された店員の特徴と対応する特徴を有する店員を検索することは、抽出された店員の特徴と合致する特徴を有する店員を検索することを含む。検索部103が検索のために参照する店員の特徴の数は特に限られず、抽出部102によって抽出された特徴を適宜参照すればよい。例えば、検索部103は、店員の検索として、データベース40に記憶されたそれぞれの店員に関する情報を参照し、抽出部102によって抽出された店員の特徴と合致する特徴を有する店員の識別子を特定する。検索される店員の数は特に制限されず、一名の店員が検索されてもよいし、複数の店員が検索されてもよい。
【0028】
例えば検索部103は、抽出されたキーワードをクエリとして、抽出された店員の特徴と合致する特徴を有する店員を検索する。例えば、会話データから「女性」というキーワードが抽出された場合、検索部103は、女性の店員について、店員に関する情報を検索する。検索部103は、予め定められたキーワードの対応関係を参照して、抽出された特徴に対応する特徴を有する店員を検索してもよい。例えば、「背が高い」というキーワードに対して、「身長170センチ以上」などのキーワードが対応することが予め定められる。これに対し、検索部103は、「背が高い」というキーワードが抽出された場合、身長170センチ以上の店員について、店員に関する情報を検索する。
【0029】
検索部103は、データベース40に記憶された、店員の特徴を識別可能な店員の画像を用いて、店員を検索してもよい。一例として、検索部103は、抽出されたキーワードをクエリとして、画像に関連付けられた特徴ラベルがクエリと合致する画像を検出する。そして、検索部103は、画像と関連付けられた店員の識別子を特定することにより、店員を検索する。検索部103が、店員の検索に際して画像を用いる際の具体的な処理は、この例に限られない。
【0030】
表示制御部104は、検索された店員に関する情報を表示装置に表示させる。例えば、表示制御部104は、検索部103が検索した店員について、データベース40に記憶された店員に関する情報を表示させる。表示制御部104は、店員の名前、店員識別子、店員の画像、店員の特徴、または、店員が勤務する店舗の店舗名を、店員に関する情報として表示させてもよい。
【0031】
表示制御部104は、例えば、顧客とオペレータが会話をしている間に、店員に関する情報を表示させる。表示制御部104は、検索された複数の店員のそれぞれの店員に関する情報を表示させてもよい。表示制御部104は、話題となっている店員である可能性がより高い店員の情報を、他の店員の情報と異ならせて表示させてもよい。例えば、抽出された特徴の全ての特徴を有する店員は、抽出された特徴の一部の特徴しか満たさない店員に比べて、話題となっている店員である可能性が高い。
【0032】
表示制御部104は、例えば、オペレータが利用する表示装置に店員に関する情報を表示させる。オペレータ端末30のディスプレイは、オペレータが利用する表示装置の一例である。
【0033】
図4は、オペレータが利用する表示装置に表示制御部104が表示させるオペレータ画面の一例を示す図である。オペレータ画面は検索された店員に関する情報を領域D1に表示させる。領域D1において、会話データから抽出された特徴を有する3人の店員が、話題となっている店員の候補として表示されている。
【0034】
表示制御部104がオペレータに店員に関する情報を表示させることで、オペレータは、いずれの店員が話題となっているかを特定するための質問をしやすい。例えば、オペレータは、表示された店員の特徴を見て、発話された特徴以外の特徴について顧客に質問できる。したがって、顧客が話す店員の特徴が曖昧である場合にも、オペレータが顧客に追加の特徴を求めることができて、オペレータが話題となっている店員を特定することを容易とする。
【0035】
表示制御部104は、オペレータが利用する表示装置の代わりに、顧客が利用する表示装置に店員に関する情報を表示させてもよい。顧客端末20のディスプレイは、顧客が利用する表示装置の一例である。例えば、顧客とオペレータが、チャットなどによりテキストで会話をしている場合、表示制御部104は、店員に関する情報を顧客端末20のチャット画面に表示させてもよい。表示制御部104が、顧客に店員に関する情報を表示させることで、顧客は店員について追加の特徴を説明しやすい。したがって、支援システム100は、オペレータが話題となっている店員を特定することを容易とする。
【0036】
なお、表示制御部104は、顧客端末20と同様に、オペレータ端末30のディスプレイにも店員に関する情報を表示させてもよい。これによりオペレータは、顧客と同じ情報を確認できる。そして、顧客が表示された情報を見て話す内容について、オペレータは適切に応対できる。
【0037】
表示制御部104は、検索された店員に関する情報の他にも、店員の特定を支援する情報を表示させてもよい。図4のオペレータ画面は、会話データを表示する領域D2を含む。領域D2は、会話データとして、通話の音声データを音声認識した結果を表示する。また、図4のオペレータ画面は、会話データから抽出されたキーワードを表示する領域D3を含む。領域D3は、店員の特徴として、会話データから抽出された「男性」というキーワードを表示する。
【0038】
表示制御部104は、店員の特徴に関する追加の発話を促す情報を表示装置に表示させてもよい。追加の発話を促す情報は、例えば、抽出された特徴に対応する特徴を有する店員の検索結果が、所定の数より多いことを示す情報である。表示制御部104は、「店員の候補が多過ぎます」などのメッセージを表示装置に表示させる。このような表示により、オペレータまたは顧客は、店員を特定するための特徴が不足していることを把握できる。
【0039】
また、追加の発話を促す情報として、表示制御部104は、店員の特徴に関する質問を表示させてもよい。図4のオペレータ画面は、店員の特徴に関する質問を表示させる領域D4を含む。オペレータは、表示された質問を読み上げて、通話中の顧客に回答を求めてもよい。あるいは、質問が顧客に表示される場合、顧客は、質問を見て、回答を入力してもよい。例えば、表示制御部104は、まだ会話データから抽出されていない特徴について、発話を促すために、該特徴に関する質問を表示させる。また、表示制御部104は、検索された複数の店員のうち、一部の店員が有する特徴について、発話を促す質問を表示させてもよい。例えば、これまでの会話に基づいて3人の店員が検索された場合に、そのうちの一人が有している特徴を話題となっている店員が有しているかの質問を表示させてもよい。
【0040】
受付部105は、顧客端末20またはオペレータ端末30に設けられたボタンまたはキーボードなどの入力手段を用いて入力された情報を受け付ける。例えば、受付部105は、オペレータまたは顧客から、店員の特徴の入力を受け付けてもよい。そして検索部103は、会話データから抽出された店員の特徴に加えて、受付部105が受け付けた店員の特徴に基づいて店員を検索してもよい。これにより、顧客が発話した曖昧な特徴よりも具体的な特徴での検索や、会話からのシステムによる抽出が失敗した特徴での検索が可能となる。
【0041】
また、受付部105は、店員が特定されたことを示す操作を受け付けてもよい。店員が特定されたことを示す操作は、表示装置に表示された店員を選択する操作や、表示装置に表示された終了ボタンの押下により、店員の検索を終了させる操作などである。
【0042】
図5は、第1実施形態に係る支援システム100の動作例を示すフローチャートである。以下の動作は例示であり、種々変更可能である。支援システム100は、例えば、オペレータが顧客からの電話を受けたことに応じて図5の動作を開始する。また、支援システム100は、顧客とオペレータの間のチャットが開始されたことに応じて図5の動作を開始してもよい。
【0043】
取得部101は、顧客とオペレータとの間の会話の会話データを取得する(ステップS1)。抽出部102は、会話の話題となっている店員について、店員の特徴を会話データから抽出する(ステップS2)。
【0044】
検索部103は、店舗で勤務する店員の中から、抽出された店員の特徴と対応する特徴を有する店員を検索する(ステップS3)。
【0045】
表示制御手段は、検索された店員に関する情報を表示装置に表示させる(ステップS4)。以上により、支援システム100は、図5の動作を終了する。
【0046】
支援システム100は、顧客とオペレータの間の会話が終了するまで、ステップS1からステップS4までのステップの処理を繰り返してもよい。例えば、支援システム100は、顧客とオペレータの間の会話が続いている間、ステップS1における会話データの取得とステップS2による店員の特徴の抽出を行う。そして、ステップS2において、新たな店員の特徴が抽出された場合、検索部103は、ステップS3において、追加の店員の特徴を含む複数の特徴に基づいて、店員を検索する。表示制御部104は、ステップS4において、複数の特徴に基づいて検索された店員について、店員に関する情報を表示させる。
【0047】
なお、顧客とオペレータの間の会話が続く場合であっても、会話の話題となっている店員が特定されたときには、支援システム100による処理は停止しても構わないことが想定される。そのため、受付部105が、店員が特定されたことを示す操作を受け付けた場合に、支援システム100は、動作を終了してもよい。また、支援システム100の図示しない判定部は、店員が特定されたことを判定して、動作を終了させてもよい。例えば、抽出部102が、オペレータによる発話内容から店員の名前を抽出する。その後、抽出部102が、顧客による発話内容から同意する発話を抽出した場合に、判定部は、店員が特定されたと判定する。あるいは、支援システム100の判定部は、店員の特徴について追加の発話が抽出されない場合に、店員が特定されたと判定してもよい。
【0048】
なお、会話データから抽出された特徴に対応する特徴を有する店員がデータベースに記憶されていない場合、支援システム100は、ステップS3の後、動作を終了してもよい。支援システム100は、ステップS1からステップS4を任意の回数繰り返した後、動作を終了してもよい。
【0049】
第1実施形態によれば、取得部101が、顧客とオペレータとの間の会話の会話データを取得する。抽出部102は、会話の話題となっている店員の特徴を会話データから抽出する。そして、検索部103は、店舗で勤務する店員の中から、抽出された店員の特徴と対応する特徴を有する店員を検索し、表示制御部104は、検索された店員に関する情報を表示装置に表示させる。
【0050】
したがって、店員に関する情報がオペレータに表示される場合には、オペレータが表示された情報を見て、話題となっている店員について顧客に確認できる。顧客との会話中に話題となっている店員を顧客に確認できれば、顧客との応対後に、オペレータや店舗の管理者が店員を特定する労力を削減できる。例えば、オペレータが顧客から得られた情報に基づいて、店舗の管理者が店舗の店員への聞き取り調査を行う場合に、調査を簡略化することを可能とする。よって、顧客が提供する曖昧な情報から、会話の話題となっている店員を特定することを容易とする。
【0051】
また、店員に関する情報が顧客に表示される場合には、顧客は、表示された情報を見て、店舗で見かけた店員について思い出す。そして顧客は追加の特徴をオペレータに提供できる。よって、顧客が提供する曖昧な情報から、会話の話題となっている店員をオペレータや顧客が特定することを容易とする。
【0052】
[第2実施形態]
第2実施形態において、会話の中で提供された店員の特徴に加えて、他の情報に基づいて、店員を特定することを支援する支援システム100について説明する。第2実施形態の構成について、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0053】
上述のように、支援システム100において、検索部103は、複数の店員を検索する場合がある。会話の話題となっている店員をより迅速に検索するためには、検索部103によって検索される店員は、絞り込まれていることが好ましい場合が多いと想定される。そのため、本実施形態では、一例として、検索部103によって検索される店員を絞り込むための処理が行われる。
【0054】
例えば、顧客が店舗に来店した来店日時が分かれば、検索部103により検索対象となる店員は、その来店日時に勤務している店員に絞り込むことができると考えられる。そこで、抽出部102は、取得部101が取得した会話データから、顧客が店舗に来店した来店日時を抽出してもよい。例えば、抽出部102は、日時に関係しうるキーワードを抽出する。抽出部102は、顧客の来店日時に関する会話であるかを判定して、日時に関するキーワードを抽出してもよい。
【0055】
そして、検索部103は、来店日時と店舗の勤務シフトとに基づいて、店員を検索してもよい。例えば、検索部103は、勤務シフトを参照し、来店日時と対応する日時に店舗で勤務していた店員の中から、抽出された特徴と対応する特徴を有する店員を検索する。これにより、検索される店員を、顧客と実際に接した可能性の高い店員に絞り込むことが可能となる。
【0056】
なお、勤務シフトは、例えばデータベース40に記憶される。ただし、勤務シフトは、店員に関する情報を記憶するデータベースとは別のデータベースに記憶されていてもよく、特に限定されない。
【0057】
また、顧客の記憶は曖昧であり、抽出部102によって抽出された来店日時は、顧客の現実の来店日時と異なる可能性もある。そのため、検索部103は、抽出された来店日時の前後の来店日時と店舗の勤務シフトとに基づいて、店員を検索してもよい。抽出された来店日時の前後の来店日時は、抽出された来店日時と同じ日の前後の時間帯、抽出された来店日時と異なる日の同じ時間など、適宜定められればよい。また、顧客が複数の来店日時の候補を発話したり、来店日時の時間帯などを発話するなど、抽出された来店日時が一意に定まらない場合には、検索部103は、それぞれの来店日時の候補や時間帯と店舗の勤務シフトとに基づいて、店員を検索してもよい。
【0058】
また、第1実施形態で説明したように、データベース40には、勤務中の店員を撮影した画像が記憶される場合がある。そして、検索部103は、当該画像を用いて店員を検索する場合がある。この場合にも、顧客が店舗に来店した来店日時によって検索対象となる店員を絞り込んでもよい。つまり、検索部103は、抽出された来店日時と、店員の画像の撮影日時とに基づいて、店員を検索してもよい。すなわち、検索部103は、会話データから抽出された来店日時から所定時間以内に撮影された画像を用いて、店員を検索する。このようにすることでも、検索される店員を、顧客と実際に接した可能性の高い店員に絞り込むことが可能になる。
【0059】
検索部103は、店員の画像を撮影した撮影日時と、店舗の勤務シフトとに基づいて、店員を検索してもよい。例えば、検索部103は、店員の画像の中から、抽出部102により抽出された店員の特徴と対応する特徴を有する店員を撮影した画像を検出する。このとき、検索部103は、検出した画像の撮影日時を取得する。そして、検索部103は、勤務シフトを参照し、取得した当該撮影日時またはその前後で勤務していた店員を検索する。店員の特徴を識別可能な画像が店員の識別子とは関連付けられない状態である場合に、このように店員の検索を行うことで、店員の検索を迅速に行うことが可能となる。
【0060】
また、顧客が来店した店舗の特徴によっても、検索対象となる店員を絞り込むことが考えられる。抽出部102は、会話データから、店舗の特徴を抽出する。店舗の特徴は、顧客が把握可能な特徴を少なくとも含む。店舗の特徴は、例えば、店舗名、店舗住所、近くの施設の名前、店舗が面している通り若しくは交差点の名前、店舗が入っている建物の名前などを含む。例えば、抽出部102は、場所の名前に関係しうるキーワードや、店舗名に関係しうるキーワードを店舗の特徴として抽出する。抽出部102は、顧客が来店した店舗に関する話題であるかを判定して、店舗の特徴に関するキーワードを抽出してもいい。このとき、データベース40には、店舗ごとに、店舗の特徴が記憶される。
【0061】
そして、この場合に、検索部103は、抽出された店員の特徴と対応する特徴を有する店員を検索する場合に、抽出された店舗の特徴と対応する特徴を有する店舗で勤務する店員を検索する。例えば、検索部103は、抽出された特徴と対応する店舗を検索する。そして、検索部103は、抽出された特徴と対応する特徴を有する店員を、検索された店舗で勤務する店員の中から検索する。
【0062】
なお、顧客が提供する店舗の特徴は曖昧で不確かな場合がある。したがって、検索部103は、発音が似ている特徴や間違えやすい特徴も検索対象としてもよい。また、近くに複数の店舗がある場合に、顧客は誤って実際に利用した店舗の近隣の店舗の特徴を発話する場合がある。したがって、検索部103は、抽出された店舗の特徴と対応する特徴を有する店舗の近隣の店舗まで、店員の検索対象を拡大させてもよい。検索部103は、抽出された店舗の特徴と対応する特徴を有する店舗を検索し、該店舗の近隣の店舗を検索する。そして、検索部103は、抽出された店員の特徴と対応する特徴を有する店員を検索する場合に、該近隣の店舗で勤務する店員を検索する。
【0063】
さらに、抽出部102は、会話データから、顧客が購入した商品の特徴を抽出してもよい。商品の特徴は、例えば、商品名、商品コード、商品の種類などを含む。
【0064】
会話データから商品の特徴が抽出された場合、検索部103は、商品の販売記録を参照して、話題となっている店員を検索してもよい。例えば、検索部103は、商品の販売記録と、勤務シフトとに基づいて、話題となっている商品が販売された日時に勤務していた店員を検索してもよい。あるいは、検索部103は、商品の販売記録と、店員を撮影した画像の撮影日時とに基づいて、商品が販売された日時またはその前後で撮影された店員を検索してもよい。
【0065】
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、顧客が話す曖昧な内容から、会話の話題となっている店員をオペレータが特定することを容易とする。また、第2実施形態によれば、会話データから抽出された店員の特徴に加えて、他の情報に基づいて、検索部103が店員を検索する。例えば、検索部103は、顧客の来店日時、店舗の勤務シフト、または、店員の画像の撮影日時に基づいて、店員を検索する。したがって、店員の特徴のみで店員を検索する場合に比べて、支援システム100は、話題となっている店員の候補をより絞り込むことができる。
【0066】
[第3実施形態]
顧客とオペレータの会話の中で、顧客が利用した店舗が話題となる場合がある。第3実施形態として、会話の話題となっている店舗を特定することを支援する支援システム100について説明する。第3実施形態に係る支援システム100は、店員の特定を支援する代わりに、店舗の特定を支援する点で第1実施形態に係る支援システム100と相違する。第1実施形態と同様の構成については、その説明を一部省略する。
【0067】
第3実施形態に係る支援システム100の構成のブロック図は、第1実施形態において、図2に示したものと同様である。第3実施形態に係る支援システム100は、第1実施形態と同様に、取得部101、抽出部102、検索部103及び表示制御部104を備え、受付部105を必要に応じて備える。
【0068】
第3実施形態において、支援システム100は、顧客端末20、オペレータ端末30及びデータベース40と通信可能に接続される。顧客端末20及びオペレータ端末30の構成は、第1実施形態の構成と同様である。第3実施形態において、データベース40は、複数の店舗に関する情報を記憶するデータベースである。
【0069】
データベース40が記憶する店舗に関する情報は、店舗の特徴を含む。店舗の特徴は、例えば、店舗名、店舗住所、近くの施設の名前、面している通り若しくは交差点の名前、店舗が入っている建物の名前などを含む。
【0070】
データベース40は、店舗に関する情報として、店舗の営業時間、店舗の連絡先、及び店舗の地図上の位置を記憶してもよい。
【0071】
第3実施形態に係る取得部101は、第1実施形態と同様に、顧客とオペレータとの間の会話の会話データを取得する。
【0072】
第3実施形態に係る抽出部102は、会話データから店舗の特徴を抽出する。店舗の特徴を抽出する方法は、第2実施形態に係る抽出部102について説明した方法と同様である。
【0073】
検索部103は、抽出部102によって抽出された店舗の特徴と対応する特徴を有する店舗を検索する。例えば、検索部103は、データベース40に記憶された、店舗の名前、店舗識別子、及び、店舗の位置の少なくともいずれかを含む店舗に関する情報を検索する。
【0074】
表示制御部104は、検索された店舗に関する情報を表示装置に表示させる。例えば、表示制御部104は、検索部103が検索した店舗について、データベース40に記憶された店舗に関する情報を表示させる。
【0075】
第1実施形態と同様に、表示制御部104は、顧客とオペレータが会話している間に、店舗に関する情報を表示させてもよい。また、表示制御部104は、顧客端末20及びオペレータ端末30のディスプレイのいずれかまたは両方に、店舗に関する情報を表示させてもよい。
【0076】
抽出部102は、第2実施形態と同様に、顧客の来店日時を抽出してもよい。そして、検索部103は、抽出された来店日時から、その時間に営業している店舗を絞り込んでもいい。検索部103は、データベース40を参照し、営業している店舗のうち、会話データから抽出された特徴と対応する特徴を有する店舗を検索する。
【0077】
受付部105は、オペレータまたは顧客から、店舗の特徴の入力を受け付けてもよい。また、受付部105は、店舗が特定されたことを示す操作を受け付けてもよい。店舗が特定されたことを示す操作は、表示装置に表示された店舗を選択する操作や、表示装置に表示された終了ボタンの押下により、店舗の検索を終了させる操作などである。
【0078】
図6は、第3実施形態に係る支援システム100の動作例を示すフローチャートである。支援システム100は、例えば、オペレータが顧客からの電話を受けたことに応じて図6の動作を開始する。また、支援システム100は、顧客とオペレータの間のチャットが開始されたことに応じて図6の動作を開始してもよい。
【0079】
取得部101は、顧客とオペレータとの間の会話の会話データを取得する(ステップS11)。抽出部102は、会話の話題となっている店舗について、店舗の特徴を会話データから抽出する(ステップS12)。
【0080】
検索部103は、データベース40を参照し、抽出された店舗の特徴と対応する特徴を有する店舗を検索する(ステップS13)。
【0081】
表示制御手段は、検索された店舗に関する情報を表示装置に表示させる(ステップS14)。以上により、支援システム100は、図6の動作を終了する。
【0082】
第3実施形態によれば、取得部101が、顧客とオペレータとの間の会話の会話データを取得する。抽出部102は、会話の話題となっている店舗の特徴を会話データから抽出する。そして、検索部103は、抽出された店舗の特徴と対応する特徴を有する店舗を検索し、表示制御部104は、検索された店舗に関する情報を表示装置に表示させる。
【0083】
したがって、店舗に関する情報を見て、顧客やオペレータは、店舗を特定するために追加の対応を取ることが容易となる。よって、顧客が提供する曖昧な情報から、会話の話題となっている店舗を特定することを容易とする。
【0084】
[変形例]
上記実施形態は、変形して用いられてもよい。以下に変形例を説明する。
【0085】
以上の各実施形態において、カスタマーセンターのオペレータが顧客からの問合せに対応する場合について説明した。ただし、本開示は、オペレータの代わりに、各店舗の店員が顧客からの問合せに対応する場合にも適用可能である。本変形例においてオペレータ端末30は、店舗の店員が使用する端末である。このとき、支援システム100は、カスタマーセンターの代わりに、各店舗に配置されてもよい。支援システム100は、各店舗で勤務する店員の中から話題となっている店員を特定することを支援する。
【0086】
あるいは、支援システム100は、話題となっている店舗を特定することを支援してもよい。例えば、顧客が他の店舗に関する問合せの電話を誤って店舗にかける場合が想定される。このとき、店舗の店員は、表示制御部104によって表示された店舗に関する情報に基づいて、話題となっている他の店舗を特定する。そして、店員は、他の店舗の情報を顧客に案内することができる。
【0087】
以上の実施形態において、取得部101が、顧客端末20及びオペレータ端末30から会話データを取得する場合について説明した。ただし、取得部101は、顧客端末20及びオペレータ端末30の間の会話データを取得する他の装置から、会話データを取得してもよい。この場合、支援システム100は、当該他の装置と通信可能に接続される。そして、支援システム100は、顧客端末20及びオペレータ端末30と必要に応じて通信可能に接続されればよい。
【0088】
また、以上の実施形態において、オペレータと顧客が会話している間に、表示制御部104が店員に関する情報を表示させる場合について説明した。ただし、表示制御部104は、顧客とオペレータの間の会話が終わってから、検索部103が検索した店員や店舗に関する情報を表示させてもよい。表示制御部104が会話の終了後にオペレータに店員や店舗に関する情報を表示させることで、会話の内容を報告するレポートに、話題となっていた店員や店舗についてオペレータが記録することを容易とする。
【0089】
また、以上の実施形態において、表示制御部104が、オペレータや顧客が利用する表示装置に、店員に関する情報を表示させる場合について説明した。ただし、表示制御部104は、店舗の管理者やカスタマーセンターの管理者が利用する端末に、検索部103が検索した店員または店舗に関する情報を表示させてもよい。店舗やカスタマーセンターの管理者は、店員に関する情報を参照して、店員を特定し、店舗の改善のための策を提案することができる。
【0090】
[ハードウェア構成]
上述した各実施形態において、支援システム100の各構成要素は、機能単位のブロックを示している。支援システム100の各構成要素の一部又は全部は、コンピュータ500とプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。
【0091】
図7は、コンピュータ500のハードウェア構成の例を示すブロック図である。図7を参照すると、コンピュータ500は、例えば、プロセッサ501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503、プログラム504、記憶装置505、ドライブ装置507、通信インタフェース508、入力装置509、入出力インタフェース511、及び、バス512を含む。
【0092】
プロセッサ501は、コンピュータ500の全体を制御する。プロセッサ501は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などが挙げられる。プロセッサ501の数は特に限定されず、プロセッサ501は、1または複数である。
【0093】
プログラム504は、支援システム100の各機能を実現するための命令(instruction)を含む。プログラム504は、予め、ROM502やRAM503、記憶装置505に格納される。プロセッサ501は、プログラム504に含まれる命令を実行することにより、支援システム100の各機能を実現する。例えば、支援システム100のプロセッサ501がプログラム504に含まれる命令を実行することにより、支援システム100の機能を実現する。また、RAM503は、支援システム100の各機能において処理されるデータを記憶してもよい。
【0094】
ドライブ装置507は、記録媒体506の読み書きを行う。通信インタフェース508は、通信ネットワークとのインタフェースを提供する。入力装置509は、例えば、マウス、キーボード、マイク等であり、利用者等からの情報の入力を受け付ける。出力装置510は、例えば、ディスプレイであり、利用者等へ情報を出力(表示)する。入出力インタフェース511は、周辺機器とのインタフェースを提供する。バス512は、これらハードウェアの各構成要素を接続する。なお、プログラム504は、通信ネットワークを介してプロセッサ501に供給されてもよいし、予め、記録媒体506に格納され、ドライブ装置507により読み出され、プロセッサ501に供給されてもよい。
【0095】
なお、図7に示されているハードウェア構成は例示であり、これら以外の構成要素が追加されていてもよく、一部の構成要素を含まなくてもよい。
【0096】
支援システム100の実現方法には、様々な変形例がある。例えば、支援システム100は、構成要素毎にそれぞれ異なるコンピュータとプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。また、支援システム100が備える複数の構成要素が、一つのコンピュータとプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。
【0097】
また、支援システム100の少なくとも一部がSaaS(Software as a Service)形式で提供されてよい。すなわち、支援システム100を実現するための機能の少なくとも一部が、ネットワーク経由で実行されるソフトウェアによって実行されてよい。
【0098】
以上、実施形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、各実施形態における構成は、本開示のスコープを逸脱しない限りにおいて、互いに組み合わせることが可能である。
【0099】
上記実施形態の一部または全部は、以下の付記のように記載され得るが、以下には限られない。
【0100】
[付記1]
顧客とオペレータとの間の会話の会話データを取得する取得手段と、
前記会話の話題となっている店員の特徴を前記会話データから抽出する抽出手段と、
店舗で勤務する店員の中から、抽出された前記店員の特徴と対応する特徴を有する店員を検索する検索手段と、
検索された前記店員に関する情報を表示装置に表示させる表示制御手段と
を備える支援システム。
【0101】
[付記2]
前記抽出手段は、前記会話データから、前記顧客が前記店舗に来店した来店日時を抽出し、
前記検索手段は、前記来店日時と店舗の勤務シフトとに基づいて、前記店員を検索する
付記1に記載の支援システム。
【0102】
[付記3]
前記検索手段は、前記店員の特徴を識別可能な店員の画像を用いて、前記店員を検索する
付記1または2に記載の支援システム。
【0103】
[付記4]
前記検索手段は、抽出された前記店員の特徴と対応する特徴を含む前記画像を検出することにより、前記店員を検索する
付記3に記載の支援システム。
【0104】
[付記5]
前記検索手段は、前記画像の撮影日時と、前記店舗の勤務シフトとに基づいて、前記店員を検索する
付記3または4に記載の支援システム。
【0105】
[付記6]
前記抽出手段は、前記会話データから、前記顧客が前記店舗に来店した来店日時を抽出し、
前記検索手段は、抽出された前記来店日時と、前記画像の撮影日時とに基づいて、前記店員を検索する
付記3乃至5のいずれか1つに記載の支援システム。
【0106】
[付記7]
前記抽出手段は、前記会話データから、前記顧客が来店した店舗の特徴を抽出し、
前記検索手段は、抽出された店舗の特徴と対応する特徴を有する店舗で勤務する店員の中から、前記店員を検索する
付記1乃至6のいずれか1つに記載の支援システム。
【0107】
[付記8]
前記検索手段は、抽出された店舗の特徴と対応する特徴を有する店舗の近隣の店舗で勤務する店員の中から、前記店員を検索する
付記1乃至7のいずれか1つに記載の支援システム。
【0108】
[付記9]
前記表示制御手段は、店員の特徴に関する追加の発話を促す情報を前記表示装置に表示させる
付記1乃至8のいずれか1つに記載の支援システム。
【0109】
[付記10]
顧客とオペレータとの間の会話の会話データを取得し、
前記会話の話題となっている店員の特徴を前記会話データから抽出し、
店舗で勤務する店員の中から、抽出された前記店員の特徴と対応する特徴を有する店員を検索し、
検索された前記店員に関する情報を表示装置に表示させる
支援方法。
【0110】
[付記11]
顧客とオペレータとの間の会話の会話データを取得し、
前記会話の話題となっている店員の特徴を前記会話データから抽出し、
店舗で勤務する店員の中から、抽出された前記店員の特徴と対応する特徴を有する店員を検索し、
検索された前記店員に関する情報を表示装置に表示させる
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【0111】
[付記12]
顧客とオペレータとの間の会話の会話データを取得する取得手段と、
前記会話の話題となっている店舗の特徴を前記会話データから抽出する抽出手段と、
抽出された前記店舗の特徴と対応する特徴を有する店舗を検索する検索手段と、
検索された前記店舗に関する情報を表示装置に表示させる表示制御手段と
を備える支援システム。
【符号の説明】
【0112】
100 支援システム
101 取得部
102 抽出部
103 検索部
104 表示制御部
105 受付部
20 顧客端末
30 オペレータ端末
40 データベース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7