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特開2024-83661光電気モジュールおよび光電気モジュールの組み立て方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083661
(43)【公開日】2024-06-24
(54)【発明の名称】光電気モジュールおよび光電気モジュールの組み立て方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/42 20060101AFI20240617BHJP
   H01L 33/64 20100101ALI20240617BHJP
【FI】
G02B6/42
H01L33/64
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197580
(22)【出願日】2022-12-12
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 健史
【テーマコード(参考)】
2H137
5F142
【Fターム(参考)】
2H137AB11
2H137AC05
2H137BA56
2H137BB33
2H137BC51
2H137DB11
2H137HA05
5F142AA42
5F142BA32
5F142CD02
5F142CD32
5F142CF03
5F142CF27
5F142CF33
5F142CF42
5F142EA20
(57)【要約】
【課題】取り付けと取り外しが繰り返された際にも、デバイスで生じた熱の放熱効率が低下しにくい光電気モジュール等を提供する。
【解決手段】光電気モジュールは、第1の基板と、第1の基板の主面上に設けられた枠状の第1のコネクタと、第1のコネクタの内側に取り付けられた光電素子と、を備えた第1のユニットと、第2の基板と、第1のコネクタに嵌合する第2のコネクタと、を備えた第2のユニットと、光電素子に取り付けられ、第1の基板の主面に対し第1の角度だけ傾いた第1の斜面を備えた第1の伝熱体と、第2のコネクタの内側に取り付けられ、第1の基板の法線に対し第1の角度だけ傾いた第2の斜面を備えた第2の伝熱体とを有し、第1の基板の主面と第2の基板の主面とが平行になるように、第1のコネクタと第2のコネクタとが嵌合された際に、第1の斜面と第2の斜面とが互いに押し合うように接触する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板と、前記第1の基板の主面上に設けられた枠状の第1のコネクタと、前記第1のコネクタの内側の前記第1の基板の主面上に取り付けられた光電素子と、を備えた第1のユニットと、
第2の基板と、前記第2の基板の主面上に設けられ、前記第1のコネクタに嵌合する枠状の第2のコネクタと、を備えた第2のユニットと、
弾性部材で構成され、前記光電素子を構成する面のうちで前記第1の基板の主面と向かい合う面と反対側の面に取り付けられ、前記第1の基板の主面に対し第1の角度だけ傾いた第1の斜面を備えた第1の伝熱体と、
弾性部材で構成され、前記第2のコネクタの内側であって前記第2の基板に取り付けられ、前記第1の基板の主面に対し前記第1の角度だけ傾いた第2の斜面を備えた第2の伝熱体と、
を有し、
前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとが前記第1の基板の主面と前記第2の基板の主面とが平行になるように嵌合された際に、前記第1の斜面と前記第2の斜面とが互いに押し合うように接触される、
ことを特徴とする光電気モジュール。
【請求項2】
前記第1の伝熱体が、一側面が前記第1の基板の主面と向き合い、別の一側面が前記第1の斜面である三角柱状の第1の突出部を含み、
前記第2の伝熱体が、一側面が前記第2の基板の主面と向き合い、別の一側面が前記第2の斜面である三角柱状の第2の突出部を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の光電気モジュール。
【請求項3】
前記第1の突出部と前記第2の突出部とが同じ形状である、
ことを特徴とする請求項2に記載の光電気モジュール。
【請求項4】
前記第1の斜面に対し前記第1の基板の主面と平行な方向に位置する、前記第1の突出部の第1の側面と、前記第1の基板の主面の法線とのなす角度が30度以下であり、
前記第2の斜面に対し前記第2の基板の主面と平行な方向に位置する、前記第2の突出部の第2の側面と、前記第2の基板の主面の法線とのなす角度が30度以下である、
ことを特徴とする請求項2または3に記載の光電気モジュール。
【請求項5】
前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとが離間した状態で、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとを前記第1の基板の主面に平行な方向で位置合わせした際に、
前記第1の突出部のうちで前記第1の基板の主面と向き合う面に対向する第1の稜線と、前記第2の突出部の、前記第2の基板の主面と向き合う面に対向する第2の稜線とが、前記第1の基板の主面に平行な方向において離間し、かつ、互いに平行である、
ことを特徴とする請求項2または3に記載の光電気モジュール。
【請求項6】
前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとが離間した状態で、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとを前記第1の基板の主面に平行な方向で位置合わせした際に、
前記第1の基板の主面に平行な方向における前記第1の稜線と前記第2の稜線との距離が、前記第1の突出部の底面の辺の長さの10%~40%である、
ことを特徴とする請求項5に記載の光電気モジュール。
【請求項7】
前記第1の伝熱体および前記第2の伝熱体が、デュロメータタイプAで測定したゴム硬度が10~60度のゴム弾性体によって形成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光電気モジュール。
【請求項8】
前記第1の基板が光信号を伝送する光導波路を備え、前記光導波路と前記光電素子とが、光学的に接続されている、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光電気モジュール。
【請求項9】
前記第1の伝熱体および前記第2の伝熱体の熱伝導率が、
1W/(m・K)以上である
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光電気モジュール。
【請求項10】
光電気モジュールの組み立て方法であって、
前記光電気モジュールは、
第1の基板と、前記第1の基板の主面上に設けられた枠状の第1のコネクタと、前記第1のコネクタの内側の前記第1の基板の主面上に取り付けられた光電素子と、を備えた第1のユニットと、
第2の基板と、前記第2の基板の主面上に設けられ、前記第1のコネクタに嵌合する枠状の第2のコネクタと、を備えた第2のユニットと、
弾性部材で構成され、前記光電素子を構成する面のうちで前記第1の基板の主面と向かい合う面と反対側の面に取り付けられ、前記第1の基板の主面に対し第1の角度だけ傾いた第1の斜面を備えた第1の伝熱体と、
弾性部材で構成され、前記第2のコネクタの内側であって前記第2の基板に取り付けられ、前記第1の基板の主面に対し前記第1の角度だけ傾いた第2の斜面を備えた第2の伝熱体と、
を有し、
前記第1の伝熱体は、前記第1の斜面の前記第1の基板の主面と反対側の端部に第1の稜線を有し、
前記第2の伝熱体は、前記第2の斜面の前記第2の基板の主面と反対側の端部に第2の稜線を有し、
前記第1の稜線と、前記第2の稜線とが、前記第1の基板の主面に平行な方向において第1の距離だけ離間し、かつ互いに平行となるように位置合わせし、
前記第1の基板の主面と前記第2の基板の主面とが平行になるように、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとを嵌合させ、
前記嵌合によって前記第1の斜面と前記第2の斜面とを互いに押し合うように接触させる、
ことを特徴とする光電気モジュールの組み立て方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電気モジュール等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報処理装置において、大容量化および高速化が進んでいる。このような背景から、信号を処理するデバイスにおいては、デバイスの小型化、高集積化が進められている。また、通信に光信号を用いる光通信の利用が拡大されてきている。
【0003】
光通信では、一般的に、光と電気を複合して利用する光電気モジュールが用いられる。光電気モジュールでは、光ケーブルや光導波路が取り付けられた第1のユニットと、電子機器に接続するための第2のユニットが組み合わされる。そして、第1のユニットと第2のユニットの少なくとも一方には、光電変換素子や信号処理回路などのデバイスが組み込まれる。
【0004】
近年、上述の通信の大容量化および高速化に伴い、光電気複合型コネクタに組み込まれた光電素子の発熱量が増大している。このため、光電素子で発生した熱を効率よく放熱することが課題となっている。
【0005】
この課題を解決するための技術が、例えば、特許文献1に開示されている。特許文献1は、光モジュールに関する発明である。この光モジュールは、本発明の光電気モジュールに対応する。この光モジュールは、光導波路と、プリント基板と、上カバーと、下カバーとを備える。光導波路は、光ケーブルと光学的に結合される。上カバーは本発明の第1のユニットに相当する。下カバーは本発明の第2のユニットに相当する。プリント基板は、外部の電子機器に接続するための端子(カードエッジコネクタ)を備える。上カバーと下カバーは、プリント基板と、光導波路とを上下からカバーする。プリント基板上には光電変換器が配置され、電気コネクタによって、光電変換器とプリント基板上の配線とが電気的に接続されている。光電変換器においては、FPC(Flexible printed circuits)上に、駆動IC(Integrated Circuit)や発光素子や受光素子などの光電素子が実装されている。光電変換器は、光導波路から受光した光信号を電気信号に変換し、プリント基板から受信した電気信号を光信号に変換する。また上カバーには、光電変換器に対向する突起が設けられている。上カバーが下カバーに取り付けられると、光電変換器の光電素子と突起の間が、放熱シートによって熱的に接続される。放熱シートは、可塑性を有する熱伝導部材である。各素子で発生した熱は、放熱シートを介して上カバーに放熱される。さらに、その熱が、上カバーの外面から空気中に放出される。このようにして、光電変換器内の各素子で生じた熱が、効率よく外部に放出される。
【0006】
なお、引用文献2、3にも関連する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2015-022129号公報
【特許文献2】特開2011-064813号公報
【特許文献3】特開2009-053278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1では、放熱シートが可塑性である。このため、第1のユニット(上カバー)を第2のユニット(下カバー)に取り付けた際に、放熱シートが変形する。このため、一度取り付けた後に、第1のユニットを第2のユニットから外し、再度、第1のユニットを第2のユニットに取り付けると、放熱シートと第1のユニットとの間に隙間ができてしまう。その結果、光電素子と第1のユニットとの間で放熱シートを介して行われる熱接続が不十分となり光電素子と第1のユニットとの間の熱伝導が不十分になる恐れがあった。
【0009】
このように、特許文献1の技術では、第1のユニットおよび第2のユニット間の取り付けと取り外しが繰り返された際に、光電素子で生じた熱の放熱効率が低下するという問題があった。
【0010】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、第1のユニットおよび第2のユニット間の取り付けと取り外しが繰り返された際にも、光電素子で生じた熱の放熱効率が低下しにくい光電気モジュール等を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、本発明の光電気モジュールは、第1の基板と、前記第1の基板の主面上に設けられた枠状の第1のコネクタと、前記第1のコネクタの内側の前記第1の基板の主面上に取り付けられた光電素子と、を備えた第1のユニットと、第2の基板と、前記第2の基板の主面上に設けられ、前記第1のコネクタに嵌合する枠状の第2のコネクタと、を備えた第2のユニットと、弾性部材で構成され、前記光電素子を構成する面のうちで前記第1の基板の主面と向かい合う面と反対側の面に取り付けられ、前記第1の基板の主面に対し第1の角度だけ傾いた第1の斜面を備えた第1の伝熱体と、弾性部材で構成され、前記第2のコネクタの内側であって前記第2の基板に取り付けられ、前記第1の基板の主面に対し前記第1の角度だけ傾いた第2の斜面を備えた第2の伝熱体と、を有し、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとが前記第1の基板の主面と前記第2の基板の主面とが平行になるように嵌合された際に、前記第1の斜面と前記第2の斜面とが互いに押し合うように接触される。
【0012】
また、本発明の光電気モジュールの組み立て方法は、光電気モジュールの組み立て方法であって、前記光電気モジュールは、第1の基板と、前記第1の基板の主面上に設けられた枠状の第1のコネクタと、前記第1のコネクタの内側の前記第1の基板の主面上に取り付けられた光電素子と、を備えた第1のユニットと、第2の基板と、前記第2の基板の主面上に設けられ、前記第1のコネクタに嵌合する枠状の第2のコネクタと、を備えた第2のユニットと、弾性部材で構成され、前記光電素子を構成する面のうちで前記第1の基板の主面と向かい合う面と反対側の面に取り付けられ、前記第1の基板の主面に対し第1の角度だけ傾いた第1の斜面を備えた第1の伝熱体と、弾性部材で構成され、前記第2のコネクタの内側であって前記第2の基板に取り付けられ、前記第1の基板の主面に対し前記第1の角度だけ傾いた第2の斜面を備えた第2の伝熱体と、を有し、前記第1の伝熱体の頂部の第1の稜線と、前記第2の伝熱体の頂部の第2の稜線とが、前記第1の基板の主面に平行な方向において第1の距離だけ離間し、かつ互いに平行となるように位置合わせし、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとを嵌合させ、前記嵌合によって前記第1の斜面と前記第2の斜面とを互いに押し合うように接触させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の効果は、第1のユニットおよび第2のユニット間の取り付けと取り外しが繰り返された際にも、光電素子で生じた熱の放熱効率が低下しにくい光電気モジュール等を提供できることである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1の実施形態の光電気モジュールを示す断面図である。
図2】第1の実施形態の第1の伝熱体と第2の伝熱体の一例を示す断面図である。
図3】第1の実施形態の第1の伝熱体と第2の伝熱体の第1の接触状態を示す断面図である。
図4】第1の実施形態の第1の伝熱体と第2の伝熱体の第2の接触状態を示す断面図である。
図5】第1の実施形態の第1の伝熱体と第2の伝熱体の第3の接触状態を示す断面図である。
図6】第1の実施形態の第2の伝熱体の嵌合時の状態の一例を示す断面図である。
図7】第1の実施形態の第2の伝熱体が発生する力の近似計算を説明するための断面図である。
図8】第1の実施形態の光電気モジュールの比較例を示す断面図である。
図9】第1の実施形態の光電気モジュールで発生する力を説明するための断面図である。
図10】第1の実施形態の第1の伝熱体と第2の伝熱体の形状の一例を示す断面図である。
図11】第1の実施形態の第1の伝熱体と第2の伝熱体の形状の別の一例を示す断面図である。
図12】第1の実施形態の第1のユニットの具体例を示す斜視図である。
図13】第1の実施形態の第2のユニットの具体例を示す斜視図である。
図14】第1の実施形態の光電気モジュールの組み立ての一例を示す斜視分解図である。
図15】第1の実施形態の光電気モジュールの組み立ての一例を示す斜視図である。
図16】第1の実施形態の第1のユニットの一例を示す斜視分解図である。
図17】第1の実施形態の第2のユニットの一例を示す斜視分解図である。
図18】第1の実施形態の光電気モジュールの一例を示す部分断面図である。
図19図18のA部を拡大した部分断面図である。
図20】第1の実施形態の光電気モジュールの一例の嵌合前の状態を示す断面図である。
図21】第1の実施形態の光電気モジュールの一例の嵌合後の状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がされているが、発明の範囲を以下に限定するものではない。なお各図面の同様の構成要素には同じ番号を付し、説明を省略する場合がある。
【0016】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の光電気モジュール100を示す断面図である。光電気モジュール100は、第1のユニット10と、第2のユニット20と、を有する。
【0017】
第1のユニット10は、第1の基板11と、第1のコネクタ12と、光電素子30と、を備える。第1の基板11には、例えば、光電素子30と光学的に接続される光導波路(図1にて不図示)が取り付けられる。第1の基板11上には、枠状の第1のコネクタ12が設けられる。第1の基板11上には、第1のコネクタ12の内側に、光電素子30が取り付けられる。
【0018】
第2のユニット20は、第2の基板21と、第2のコネクタ22と、を備える。第2の基板21上に、第2のコネクタ22が設けられる。第2のコネクタ22は、枠状である。そして、第2のコネクタ22が、第1のコネクタ12に嵌合される。
【0019】
光電素子30の実装側と反対の面には、第1の伝熱体13が取り付けられる。ここで、実装側の面とは、光電素子30を構成する面のうちで、第1の基板11の主面と向かい合う面である。そして、その反対の面に第1の伝熱体13が取り付けられる、図1では、下側の面が、この反対側の面に相当する。この反対側の面には、後述するように、第1の伝熱体13が取り付けられる。このため、以下の説明では、この反対側の面を、光電素子30の放熱面と呼ぶことがある。第1の伝熱体13は、第1の基板11の主面に対し第1の角度φだけ傾いた第1の斜面131を備える。第1の伝熱体13は弾性を備える。すなわち、第1の伝熱体13は弾性部材により構成されている。
【0020】
第2の基板21上には、第2のコネクタ22の内側に、第2の伝熱体23が取り付けられる。第2の伝熱体23は、第1の基板の主面に対し第1の角度φだけ傾いた第2の斜面231を備える。第1の伝熱体13は弾性を備える。すなわち、第2の伝熱体23は弾性部材により構成されている。
【0021】
第1の基板11の主面と第2の基板21の主面とが平行になるように、第1のコネクタ12と第2のコネクタ22とが嵌合される。この嵌合によって、第1の斜面131と第2の斜面231とが、互いに押し合うように接触される。このため、第1の斜面131が第1の基板11の主面となす角と、第2の斜面231が第1の基板11の主面となす角とは、同じ第1の角度φになる。
【0022】
以上の構成では、光電素子30で発生した熱が、第1の伝熱体13に伝達される。また、第1の伝熱体13から第2の伝熱体23に熱が伝達される。さらに、第2の伝熱体23から第2の基板21に、熱が伝達される。これにより光電素子30で発生した熱が効率よく放熱される。
【0023】
また、上記の構成では、第1の伝熱体13と、第2の伝熱体23が弾性部材により構成されている。そして、第1の斜面131が第2の斜面231に密着する。また両者が押し合う。これにより、両者が熱的に接続される。これによって、第1の斜面131と第2の斜面231との間に隙間が生じることを抑制することができる。この結果、第1の伝熱体13と第2の伝熱体23とが、より安定的に熱接続される。ゆえに、第1の伝熱体13と第2の伝熱体23との熱伝導が安定的に行われる。また、両者が第1の基板11に平行な接触面を持つ伝熱体を用いる構成よりも、第1のコネクタ12と第2のコネクタの嵌合を外す方向の力が弱くなる。第1の基板11に平行な接触面を持ち、弾性を備えた伝熱体で熱的な接続を行うと、第1の基板の法線方向に、この伝熱体の反発力が加わる。一方、上記の第1の斜面131と第2の斜面231とが接触する構成では、反発力が両者を遠ざける方向にも作用する。このため、反発力の法線方向の成分が弱まる。その結果、第1のコネクタ12と第2のコネクタ22の嵌合を外す方向の力が弱まる。これにより、嵌合の信頼性が高くなる。また、第1の伝熱体13および第2の伝熱体23が弾性材料によって形成されている。このため、第1のユニットおよび第2のユニット間の取り付けと取り外しが繰り返された際にも、第1の伝熱体13と第2の伝熱体23との密着性が低下しない。つまり、第1のユニットおよび第2のユニット間の取り付けと取り外しが繰り返された際にも、光電素子で生じた熱の放熱効率が低下しにくい光電気モジュール等が提供される。
【0024】
次に、第1の伝熱体13と第2の伝熱体23の具体例について説明する。
【0025】
図2は、第1の実施形態の第1の伝熱体13と第2の伝熱体23の一例を模式的に示す断面図である。図2は、嵌合前の第1の伝熱体13および第2の伝熱体23の位置関係を表している。第1の伝熱体13および第2の伝熱体23は、熱伝導率が高い弾性体によって形成される。弾性体の物性は、以下であることが好ましい。熱伝導率は、例えば、1W/(m・K)以上ある。デュロメータタイプAで測定したゴム硬度が、例えば、10度~60度程度である。具体的な材料としては、例えば、シリコーンゴムに炭素繊維を練り込んだものなどが使用される。デュロメータタイプAは、タイプAデュロメータとも呼ばれる。デュロメータタイプAは、JIS_K_6253-3に準拠する。
【0026】
第1の伝熱体13は、第1の基部132と第1の突出部133を備える。第1の突出部133は、三角柱状である。この三角柱の一側面が第1の基板11の主面と向き合う。また、この面と別の一側面が第1の斜面131である。第1の突出部133の、三角柱の高さ方向に垂直な断面は、例えば、直角三角形である。ただし、厳密に直角三角形である必要はなく、直角三角形に近い形であれば良い。なお、以降の説明では、この直角三角形の直角の対辺、または、最も長い辺を「斜辺」と称する。また、残りの短い方の辺を「短辺」と称する。また、残りの長い方の辺を「長辺」と称する。そして、斜辺と長辺によって形成される頂点が、第1の頂部134と称される。つまり、第1の頂部134の角度は鋭角である。嵌合前の、第1の突出部133の斜辺が第1の基板主面となす角は、第1の角度φより大きなφである。第1の突出部133と同様に、第2の突出部233は、三角柱状である。この三角柱の一側面が第2の基板21の主面と向き合う。また、この面と別の一側面が第2の斜面231である。第2の突出部233の、三角柱の高さ方向に垂直な断面は、例えば、直角三角形である。嵌合前の、第2の突出部233の斜辺が第2の基板21の主面となす角は、第1の角度φより大きなφである。
【0027】
図2の断面図において、第1の突出部133と第2の突出部233は、同じ形状である。そして、第1の突出部133と第2の突出部233は、点対称の位置に配置される。点対称の対称中心は、第1の頂部134と第2の頂部234を結んだ線分の中点である。また、嵌合方向と垂直になるように、短辺が配置される。つまり、短辺が第1の基板11の主面と平行である。また、第1の突出部133と第2の突出部233が嵌合方向に近づいた際に、第1の斜面131と第2の斜面231とが接触するように、嵌合が行われる。そのために、第1の基板11の主面の方向において、第1の頂部134と第2の頂部234とは、所定距離だけ、ずれている。
【0028】
具体的な数値を挙げると、例えば、長辺の長さをh、短辺の長さをw、頂点のずれ量をxとして、h=0.85mm、w=0.5mmとして、x=0.19mmである。第1の斜面131と第2の斜面231が確実に統制するためには、頂点のずれ量xは短辺の長さwの10~40%程度が好ましい。
【0029】
図3は、第1の実施形態の第1の伝熱体13と第2の伝熱体23の第1の接触状態を示す断面図である。また、図4は、第1の実施形態の第1の伝熱体13と第2の伝熱体23の第2の接触状態を示す断面図である。また、図5は、第1の実施形態の第1の伝熱体13と第2の伝熱体23の第3の接触状態を示す断面図である。第1のコネクタ12と第2のコネクタ22とが離れた状態から、嵌合が進行する順番に、第1の接触状態、第2の接触状態、第3の接触状態、の順になっている。なお、図3図5では、第1のコネクタ12と第2のコネクタ22の図示が省略されている。
【0030】
図3の第1の状態は、第1の突出部133と第2の突出部233との接触が開始された直後の状態を表している。このとき、両者の断面形状は、直角三角形の状態のままである。これ以降、第1のコネクタ12と第2のコネクタ22の嵌合が進むと、第1の斜面131と第2の斜面231が、互いに滑って、両者が押し合う。そして、第1の斜面131と第2の斜面231が互いに押し合うことによって、それぞれの変形が始まる。
【0031】
図4は、第1の実施形態の第1の伝熱体13と第2の伝熱体23の第2の接触状態を示す断面図である。第2の接触状態は、第1の状態よりも、第1のコネクタ12と第2のコネクタ22の嵌合が進んだ状態である。第1の突出部133が図4のB方向に倒れるように変形している。また、第2の突出部233が、図4の-B方向に倒れるように変形している。この時、第1の斜面131が、第2の斜面231に、さらに密着する。第1の突出部133の断面形状は、上記の変形により、断面形状が直角三角形から鈍角三角形に変化する。同様に、第2の突出部233の断面形状も直角三角形から鈍角三角形に変化する。なお、上記の鈍角三角形は、厳密に鈍角三角形である必要はなく、鈍角三角形に近い形状であれば良い。また、第1の斜面131と第2の斜面231の滑りを良くするために、両者の間に熱伝導性グリスが介在されても良い。
【0032】
図5は、第1の実施形態の第1の伝熱体13と第2の伝熱体23の第3の接触状態を示す断面図である。第3の接触状態は、第1のコネクタ12と第2のコネクタ22の嵌合が完了した状態である。第1の突出部133と第2の突出部233とが点対称となるように向き合う。このとき、第1の斜面131の中央部および第2の斜面231の中央部が点対称の中心である。
【0033】
この際、第1の突出部133と第2の突出部233は第2の接触状態よりも、さらに変形する。この変形によって、長辺と短辺のなす角が鈍角の鈍角三角形になっている。以下に、具体的な数値を例示する。図5の例で、嵌合方向投影の斜辺の重なり量が、h’=0.75mmである。第1のコネクタ12と第2のコネクタ22の嵌合が完了しているので、第1の頂部134は、第2の基部232に突き当たらない。同様に、第2の頂部234は、第1の基部132に突き当たらない。上記の重なり量h’は長辺の長さ(または、頂点からの短辺へ垂らした垂線長)hの90%以下が望ましい。これは、外力等による、第1のコネクタ12と第2のコネクタ22とが過剰な接近に対する対策である。上記の構成では、過剰な接近があった際に、第1の突出部133と第2の突出部233が対向面に突き当たることが防止される。
【0034】
上記したように、第1のコネクタ12と第2のコネクタ22の嵌合によって、第1の伝熱体13と第2の伝熱体23が変形する。図6は、第1の実施形態の第2の伝熱体の嵌合時の状態の一例を模式的に示す断面図である。図6には、変形前の第2の伝熱体23(点線)、および、変形後の第2の伝熱体23(実線)が示されている。
【0035】
ここで、具体的な数値を例示する。第2の伝熱体23の長辺は、第1の基板11の主面の法線に平行である。これに対し、変形後の長辺は、法線に対し倒れ角θだけ倒れている。この倒れ角θは、約14.7度である。このとき、頂点の移動量sは約0.22mmである。また、w=0.5mm、h=0.85mmである。ここでは、第2の突出部233の高さhが嵌合の前後で変わらないと仮定されている。また、第2の伝熱体23の第2の突出部233の断面積(w×h×0.5)が、不変であると仮定されている。つまり、斜辺と長辺が伸びながら、頂点が第1の基板11の主面と平行に移動する。厳密には斜辺や長辺が撓むことで、長辺の根元(長辺と短辺を結ぶ点)を中心とした円弧上を移動するような動きもある。しかしながら、倒れ角θが小さいものとして、この動きが無視されている。
【0036】
上記の変形において、第2の伝熱体23が元の形状に戻ろうとする反力Fが働く。ここでは、変形後の長辺の法線方向に、反力Fが働く。この反力Fの第1の基板11の主面に垂直な成分が、第1のコネクタ12と第2のコネクタ22の嵌合を外す方向に作用する。この成分は、反力Fのsinθ倍になる。図6の例では、この成分が、反力Fのsin(14.7度)≒0.25倍となる。上記のように、この成分が、コネクタの嵌合を外す方向の力となる。このため、この成分は、小さい方が好ましい。そこで、第1の伝熱体13と第2の伝熱体23の形状の設計においては、例えば、倒れ角θが30度以下に設定される。これにより、嵌合を外す方向の力が、反力Fの力の1/2以下になる。なお、ここでは、倒れ角が、第1の側面で測られている。第1の側面は、第1の基板の主面と平行な方向において、第1の斜面131に対して対向する辺である。同様に、第2の突出部233の倒れ角が、第2の側面で測られている。第2の側面は、第2の基板の主面と平行な方向において、第2の斜面231に対して対向する辺である。
【0037】
一方、第1の基板11の主面に垂直な成分は、cos(14.7度)≒0.97倍である。したがって、第2の伝熱体23の変形によって発生する反力Fのほとんどが、第2の斜面231を第1の斜面131に密着させる力として働く。以上のような仕組みにより、第1の斜面131と第2の斜面231とが密着される。
【0038】
次に、反力Fの概算について説明する。図7は、第1の実施形態の第2の伝熱体23が発生する力の近似計算を説明するための断面図である。図7においては、計算を簡便にするため、第2の突出部233が四角柱233´に置き換えられている。ここで、反力Fが四角柱233´の断面積に依存する。このため、四角柱233´の断面積が元の第2の突出部233と同じになるように、寸法が設定される。つまり、h=0.85mm、w’=0.25mmである。ここで、四角柱の高さがh、底辺の長さがw´である。
【0039】
この近似計算では、四角柱233´が、梁の撓み式に当て嵌めてられる。そして、等分布荷重の片持ち梁が計算のモデルになる。これによって、反力Fが計算される。ここでは、四角柱233´の図7の紙面の奥行方向の奥行の長さLが、L=10mmに設定される。また、四角柱233´のヤング率Eが1MPa(一般的なゴム材のヤング率、デュロメータタイプAで測定したゴム硬度30度程度)に設定される。また、変形による頂点の移動量sが0.22mm設定される。これらの数値を用いた計算では、反力Fが0.037N(≒3.8g)になる。
【0040】
以下が計算式である。ここでは、等分布荷重の片持ち梁がモデルとして用いられ、分布荷重の合力が反力Fとして計算される。つまり、力が、四角柱233´の頂部に働く反力Fで代表されている。Eはヤング率である。
F=s×8E×L×w´/12/h×10-6 (式1)
数値を代入して計算を行った結果、反力Fは0.037Nであった。厳密には、第1の基板11の主面と平行な方向に、計算された反力が働く。しかし、本近似計算においては、この力が、反力Fで代替されている。そして、反力Fが、四角柱233´の傾いた側面の法線方向に働く。そして、第1のコネクタ12と第2のコネクタ22の嵌合を外す方向の成分が、0.037×sin(14.7度)≒0.009N(≒0.95g)となった。例えば、第1のコネクタ12と第2のコネクタ22の嵌合を外す力(抜去力)が1N前後であれば、計算結果の0.009Nは、抜去力に対して、十分に小さい値である。
【0041】
次に、比較例について説明する。図8は、第1の実施形態の光電気モジュールの比較例を示す断面図である。比較例では、四角柱状の伝熱体93(単体)が用いられる。伝熱体93は、基部932と突出部933とを備える。そして、第1のコネクタ12と第2のコネクタ22の嵌合によって、伝熱体93が紙面の上下方向に縮められる。図8の左側に嵌合前の状態が示されている。また、図8の右側に嵌合後の状態が示されている。
【0042】
次に、図8の例における、図7の説明と同様な反力の見積もりについて説明する。ここで、嵌合前の、伝熱体93が、奥行の長さL、底辺の長さw´、高さh´の四角柱である。そして、L=10mm、w´=0.5mm、h´=0.95mmである。また、ヤング率Eは1MPaである。そして、第1のコネクタ12と第2のコネクタ22の嵌合によって、Δy=0.1mmだけ、突出部933が嵌合方向に縮まる。計算によると、この時、発生する嵌合を外す方向の反力Gは、0.53Nであった。なお、反力Gは次式によって計算される。
G=y/h´×E×L×w´ (式2)
次に本具体例における、反力の嵌合を外す方向の成分の計算について説明する。
【0043】
図9は、第1の実施形態の光電気モジュール100で発生する力を説明するための断面図である。図9には、第1のコネクタ12と第2のコネクタ22の嵌合によって、第1の伝熱体13と第2の伝熱体23とが、互いに押し合って、変形している例が示されている。図9の左側に嵌合途中の状態が示され、右側に嵌合後の状態が示されている。
【0044】
この状態では、第1の伝熱体13が、Δyだけ、第2の伝熱体23の方向に近づけられている。つまり嵌合方向に押し付けられている。長辺の倒れ角の変化量はΔθ、第2の頂部234の移動量はΔsである。Δy=0.1mmとして、嵌合を外す方向の力の見積もりを行った。
【0045】
右側の嵌合後の状態において、反力Kは、図7で説明された反力Fの2倍である。同様に、嵌合を外す方向の成分Kzも2倍である。つまり、図9において、嵌合を外す方向の成分は、図7の例の2倍の0.018Nである。これは、比較例の力の成分と比較して十分に小さい。つまり、本実施形態の構成では、比較例に比べて、嵌合を外す方向の力が低減される。こうして、本実施形態によれば、嵌合の安定性が向上される。そして、光電素子30の熱が、第1の伝熱体13から第2の伝熱体23へと効率よく放熱される。以上説明したように、本実施形態によれば、コネクタの接続信頼性が担保される。また、第1の伝熱体13および第2の伝熱体23が弾性材料によって形成されている。このため、第1のユニットおよび第2のユニット間の取り付けと取り外しが繰り返された際にも、第1の伝熱体13と第2の伝熱体23との密着性が低下しない。つまり、第1のユニットおよび第2のユニット間の取り付けと取り外しが繰り返された際にも、光電素子で生じた熱の放熱効率が低下しにくい光電気モジュール等が提供される。
【0046】
次に第1の伝熱体13と第2の伝熱体23の変形例について説明する。図10は、第1の実施形態の第1の伝熱体と第2の伝熱体の形状の一例を示す断面図である。第1の伝熱体13と第2の伝熱体23は、様々な形状を取り得る。この形状は、例えば、コネクタのサイズ、嵌合力(挿抜力)、光電素子30の発熱量、第1の斜面131および第2の斜面231の密着面積、密着力、断面積などに基づいて定められる。
【0047】
図10の第1の伝熱体13と第2の伝熱体23には、3種類の第1の突出部133と第2の突出部233の組み合わせが設けられている。第1の突出部133aと第2の突出部233aでは、断面形状が直角三角形の組み合わせである。第1の突出部133bと第2の突出部233bでは、断面形状が、長辺と底辺のなす角が鈍角の三角形の組み合わせである。第1の突出部133cと第2の突出部233cは、長辺と底面のなす角が鋭角の三角形の組み合わせである。
【0048】
図11は、第1の実施形態の第1の伝熱体13と第2の伝熱体23の形状の別の一例を示す断面図である。図11の左の組み合わせでは、第1の突出部133dの断面が二等辺三角形であり、第2の突出部233dが第1の突出部133dの2つの斜面に接触する斜面を備えている。この接触により、両者が熱的に接続される。図11の中央の組み合わせでは、第1の突出部133eの断面が台形である。そして、第2の突出部233eが、第1の突出部133eの2つの斜面に接触する斜面を備えている。図11の右の組み合わせでは、第1の突出部133fの断面が長方形であり、第2の突出部233fが直角三角形である。第1のコネクタ12と第2のコネクタ22の嵌合によって、第1の突出部133fが倒れるように変形し、第1の斜面131fが形成され、第1の斜面131fが第2の突出部233fの第2の斜面231fに接触する。この接触により、両者が熱的に接続される。なお、第1の突出部133と第2の突出部233の関係は、上記の例の逆であっても良い。
【0049】
以上、第1の伝熱体13と第2の伝熱体23の詳細について説明した。次に、光電気モジュール100の全体構成について説明する。
【0050】
図12は、第1の実施形態の第1のユニット10の具体例を示す斜視図である。第1のユニット10は、第1の基板11と、第1のコネクタ12と、第1の伝熱体13と、を備えている。また、第1の伝熱体13の下部には図示しない光電素子30が設けられている。第1の伝熱体13の下面が、光電素子30の放熱面に取り付けられる。これにより、両者が熱的に結合されている。
【0051】
第1の基板11は、例えば、フレキシブルプリント基板である。第1の基板11の内部には光導波路14が形成されている。第1のコネクタ12は、枠状の第1のハウジング121を備えている。光電素子30は、第1のハウジング121の内側に取り付けられている。光電素子30の他に集積回路等の電子部品が設けられていても良い。第1のハウジング121には、第1のハウジング121の内側と外側とを接続するための第1の端子122が設けられている。第1の端子122を利用して、第1のハウジング121内部の光電素子30や他の部品と、第1の基板上に設けられた回路(図示なし)とが電気的に接続される。
【0052】
図13は、第1の実施形態の第2のユニット20の具体例を示す斜視図である。第2のユニット20は、第2の基板21と、第2のコネクタ22と、第2の伝熱体23と、を備えている。
【0053】
第2の基板21は、例えば、プリント配線基板(PWB、Printed Wiring Board)である。第2のコネクタ22は、枠状の第2のハウジング221を備えている。第2のコネクタ22は、第1のコネクタ12と嵌合される。第2のハウジング221の内側には、第2の伝熱体23が取り付けられている。後述するが、第2の伝熱体23は、第2の基板21の熱接続部と熱的に接続されている。第2のハウジング221には、第2の端子222が設けられている。第1のコネクタ12と第2のコネクタ22が嵌合された際に、例えば、第2の端子222が第1の端子122と電気的に接続される。第2の端子222は、例えば、第2の基板21上に設けられた回路(図示なし)と電気的に接続される。
【0054】
次に、第1のユニット10と第2のユニット20との組み合わせについて説明する図14は、第1の実施形態の光電気モジュール100の組み立ての一例を示す斜視分解図である。第1の基板11の主面と第2の基板21の主面は平行である。
【0055】
図15は、第1の実施形態の光電気モジュール100の組み立ての一例を示す斜視図である。図15には、第1のユニット10と第2のユニット20が、第1のコネクタ12と第2のコネクタ22の嵌合によって接続された状態が示されている。なお、以降の説明では、第1のコネクタ12と第2のコネクタ22とを嵌合させる方向を「嵌合方向」と呼ぶことがある。また、嵌合方向と直交する方向を「平面方向」と呼ぶことがある。
【0056】
図16は、第1の実施形態の第1のユニット10の一例を示す斜視分解図である。第1のユニット10は、第1の基板11と、第1の基板11の一方の主面に第1のコネクタ12と光素子31と光電気変換素子32とが取り付けられている。ここで、光素子31と光電気変換素子32とは、光電素子30の要素である。
【0057】
第1のコネクタ12の第1のハウジング121は、四方が壁で囲まれた枠状である。第1のハウジング121は、例えば、第1の基板11の主面の上方から見て「ロ」の字の断面を有する。第1のハウジング121は、例えば、底を持たない樹脂製の枠である
第1のコネクタ12の第1のハウジング121には、複数の第1の端子122が設けられている、また第1のハウジング121の内側には、光素子31と光電気変換素子32と、保護部材15と、第1の伝熱体13と、が設けられる。
【0058】
第1の端子122は、例えば、薄肉板金をプレス加工したものである。また、例えば、第1の端子122が、第1のハウジング121の壁を跨いで設けられる。そして、壁に引っ掛かるように、複数の第1の端子122が、定められた間隔で並んでいる。また、第1の端子122の一端は第1のハウジング121の壁に沿って垂れ下がる。半田付けなどによって、第1の端子122が、第1の基板11上の回路と電気的に接続される。
【0059】
保護部材15は、例えば、加熱や光や湿気などにより硬化する液状樹脂によって形成される。保護部材15は、第1のハウジング121の内側に設けられる。そして、光素子31と光電気変換素子32を包み込むように、保護部材15が形成される。光電素子30で発生した熱を第1の伝熱体13に伝達するために、保護部材15は高い熱伝導率を有する。その熱伝導率は、例えば、1W/(m・K)以上である。
【0060】
既述の通り、第1の伝熱体13は、第1の基板11の主面と所定の角度をなす第1の斜面131を有する。また、第1の伝熱体13は、第1の基板11の主面と平行な底面行を有する。また、第1の伝熱体13は、保護部材15を介して、光素子31および光電気変換素子32と熱的に接続される。
【0061】
図17は、第1の実施形態の第2のユニット20の一例を示す斜視分解図である。第2のユニット20は、第2の基板21と、第2のコネクタ22と、を備える。
【0062】
第2のコネクタ22は、第2のハウジング221と、複数の第2の端子222と、を備える。第2のコネクタ22の内側には、中継端子24と、第2の伝熱体23とが取り付けられる。
【0063】
第2のハウジング221は、例えば、四方を囲む壁と、底を有する略箱形状の立体である。第2のハウジング221は、例えば、樹脂製である。第1のハウジング121の底には貫通穴223が一カ所以上設けられている。
【0064】
第2の端子222は薄肉板金をプレス加工したものである。第2の端子222は、第2のハウジング221の壁を跨ぐようなに形成されている。第2の端子222は、壁を跨いで設けられる。そして、第2の端子222が、予め定められた間隔で並んでいる。また、第2の端子222の一端は、第2のハウジング221の壁に沿って垂れ下がる。半田付けなどによって、第2の端子222が、第2の基板21上の回路(図示なし)と電気的に接続される。
【0065】
中継端子24は、貫通穴223に挿通され、第2の基板21上の熱接続部25と熱的に接続される。中継端子24と熱接続部25とは、熱伝導性の高い接着剤や半田によって接続される。なお、熱接続部25が、別に設けられた放熱部に熱的に接続されても良い。
【0066】
第2の伝熱体23は、第2の突出部233を備え、その断面は、例えば、略三角形である。第2の突出部233は、第2の基板21の主面と所定の角度をなす第2の斜面231を備える。また、第2の伝熱体23は、第2の基板21の主面と平行な底面を有する。第2の伝熱体23の底面は、中継端子24と熱的に接続される。そして、中継端子24が、第2の基板21上の熱接続部25と熱的に接続される。
【0067】
図18は、第1の実施形態の光電気モジュール100の一例を示す部分断面図である。また、図19は、図18のA部を拡大した部分断面図である。図18および図19には、第1のユニット10と第2のユニット20が接続された状態が示されている。第1のユニット10と第2のユニット20とは、第1のコネクタ12と第2のコネクタ22の嵌合によって接続される。本例では、第2のコネクタ22の内側に第1のコネクタ12が嵌合している。
【0068】
上記の嵌合によって、第1の伝熱体13の第1の斜面131と、第2の伝熱体23の第2の斜面231とが接触している。この接触により、両者が熱的に接続される。そして、第1のコネクタ12の中央から外側に向かう方向に、第1の伝熱体13の先端が押し広げられている。また、第1のコネクタ12の外側から中央に向かう方向に、第2の伝熱体23の先端が押し縮められている。
【0069】
図20は、第1の実施形態の光電気モジュール100の一例の嵌合前の状態を示す断面図である。第1の基板11は、第2の基板21側から順に、FPC111と光導波路14と補強板112を層状に貼り合わせた構成から成る。ここでFPCは、Flexible Printed Circuitsの略である。
【0070】
FPC111は電気配線回路を有し、一方の主面には、第1のコネクタ12と光素子31と光電気変換素子32などの部品が取り付けられている。半田や導電接着剤等の接続部材16によって、これらの部品がFPC111上に設けられたパッド(図示なし)と電気的に接続されている。
【0071】
光導波路14は、屈折率の大きいコア層141が、屈折率の小さいクラッド層142に囲まれた構成を有している。また、FPC111の短手方向に、複数のコア層141が並べられている。それぞれのコア層141の間は、クラッド層142で埋められている(図示なし)。屈折率の大きいコア層141を、屈折率の小さいクラッド層142で囲み込むことで、コア層141に入った光の全反射の効率が上がる。これにより、効率的に光信号が送受信される。
【0072】
また、コア層141の一部には、コア層141の長手方向に対して角度が45度傾いた反射部143が設けられている。反射部143によって、光の進行方向が90度変更される。この反射によって、コア層141を伝搬してきた光が、光素子31に導かれる。また、この反射によって、光素子31から送信された光が、コア層141に導かれる。
【0073】
補強板112は、第1のコネクタ12が設けられた領域のFPC111を補強する。具体的には、例えば、補強板112は、厚さ0.1mm程度の薄肉板金である。補強板112を設けることによって、FPC111に部品等を接続する際の接続面が安定する。FPC111に接続される部品は、第1のコネクタ12や、光素子31や、光電気変換素子32などである。これらの部品は、接続部材16によって、FPC111取り付けられる。また、第1のコネクタ12と第2のコネクタ22の着脱の際に、部品や接続部材16へ応力集中が防止される。
【0074】
第1のコネクタ12の内側のFPC1110上には、第1のコネクタ12や、光素子31や、光電気変換素子32が取り付けられている。光素子31は、反射部143の直上に実装されている。そして、光導波路14を伝搬した光信号を受信する。あるいは、光素子31から送信された光信号が、光導波路14に送信される。光素子31と光電気変換素子32は第1のハウジング121の内側に設けられる。
【0075】
光素子31と光電気変換素子32とは、保護部材15によって、保護される。保護部材15には、光信号の透過性に優れた材料が選ばれる。保護部材15は、例えば、液体の状態で塗布される。そして、塗布の後に、液状の保護部材15が硬化される。液状の保護部材15は、例えば、熱や光(紫外線)、湿気などによって硬化される。なお、光素子31以外の部品を実装する前に、液状の保護部材15を、光素子31の周囲に形成しておけば、光信号の経路の汚染が防止される。
【0076】
保護部材15の上には、第1の伝熱体13が取り付けられている。光素子31や光電気変換素子32で発生した熱は、保護部材15を介して、第1の伝熱体13に伝達される。図20の例では、第1の伝熱体13が、内向きに対向する2つの第1の斜面131を備えている。
【0077】
第2のユニット20は、第2の基板21と、第2のコネクタ22と、第2の伝熱体23と、中継端子24とを備えている。第2のコネクタ22は、第2のハウジング221と、第2の端子222とを備えている。接続部材26によって、第2の端子222が第2の基板21上の回路(図示なし)と接続されている。
【0078】
中継端子24は、貫通穴223に挿通される。そして中継端子24は、第2の基板21上に設けられた熱接続部25に、熱的に接続される。熱接続部25に伝達された熱は、図示しない放熱部に伝達される。そして伝達された熱が外部に放出される。中継端子24は、例えば、熱伝導性の高い接着剤や半田によって、熱接続部25に接続される。
【0079】
なお、第2のコネクタ22を第2の基板21に固定する際には、中継端子24は、完全に固定されない方が良い。これは、中継端子24が、第2のコネクタ22の取り付け高さの調整の妨げとなることを防ぐためである。
【0080】
第2の伝熱体23は、中継端子24の上方に取り付けられる。図20の例では、第2の伝熱体23が、2つの第1の斜面131に対応する2つの第2の斜面231が設けられている。
【0081】
図21は、第1の実施形態の光電気モジュール100の一例の嵌合後の状態を示す断面図である。第1のハウジング121の外壁が、第2のハウジング221の内壁に収まるように、第1のコネクタ12と第2のコネクタ22とが嵌合されている。第1のハウジング121と第2のハウジング221の間には、第1の端子122と第2の端子222とが介在している。第1の端子122と第2の端子222とは、少なくとも一部が接触している。これにより、第1のユニット10と第2のユニット20とが電気的に接続される。また、第1の端子122と第2の端子222との接触摩擦力によって嵌合状態が保持される。
【0082】
第1のコネクタ12と第2のコネクタ22とを嵌合する際に、第1の伝熱体13の第1の斜面131と、第2の伝熱体23の第2の斜面231とが接触する。そして、嵌合後には、第1の斜面131と第2の斜面231とが密着する。これにより、第1の伝熱体13と第2の伝熱体23とが熱的に接続される。また、嵌合の過程で、2つの第1の伝熱体13の先端の間隔が広がる。また、第2の伝熱体23の2つの先端の間隔が縮まる。
【0083】
以上説明したように、本実施形態の光電気モジュール100では、第1のユニット10と第2のユニット20とが、第1のコネクタ12と第2のコネクタ22との嵌合によって接続される。この際、光電素子30で発生した熱が、第1の伝熱体13、第2の伝熱体23、第2の基板21に順次伝達される。その後、熱が外部に放出される。この際、第1の伝熱体13の第1の斜面131と、第2の伝熱体23の第2の斜面とが押し合いながら接触する。この接触により、両者が熱的に接続される。そして、第1の伝熱体13と第2の伝熱体23とが、熱伝導率が高い弾性体で形成されている。このような構成とすることによって、第1のコネクタ12と第2のコネクタ22の着脱を繰り返しても、光電素子30で発生した熱の、第2の基板21への伝達効率が低下しない。
【0084】
以上、本実施形態の光電気モジュール100等について説明した。
【0085】
本実施形態の光電気モジュール100は、第1のユニット10と、第2のユニット20と、第1の伝熱体13と、第2の伝熱体23と、を有する。第1のユニット10は、第1の基板11と、第1のコネクタ12と、を備える。第1の基板11の主面上に、枠状の第1のコネクタが設けられる。第1のコネクタ12の内側の第1の基板11の主面上には、光電素子30が取り付けられる。第2のユニット20は、第2の基板21と、第2のコネクタ22と、を備える。第2のコネクタ22の内側の第2の基板21の主面上に、枠状の第2のコネクタ22が設けられる。第2のコネクタ22が、第1のコネクタ12に嵌合される。第1の伝熱体13が、光電素子30の放熱面に取り付けられる。ここで放熱面とは、光電素子30を構成する面のうちで、第1の基板11の主面と向かい合う面と反対側の面である。そして、第1の伝熱体13が、第1の基板の主面に対し第1の角度だけ傾いた第1の斜面を備える。第1の伝熱体13は、弾性部材により構成される。第2の伝熱体23が、第2の基板21に取り付けられる。第2の伝熱体23が取り付けられるのは、第2のコネクタ22の内側である。また、取り付けられる面は、第1の基板11と対向する第2の基板21の主面である。そして、第2の伝熱体23が、第1の基板11の主面に対し、第1の角度だけ傾いた第2の斜面231を備える。また、第2の伝熱体23は、弾性部材により構成される。そして第1の基板11の主面と第2の基板21の主面とが平行になるように、第1のコネクタ12と第2のコネクタ22とが嵌合される。この嵌合の際に、第1の伝熱体13の第1の斜面131と、第2の伝熱体23の第2の斜面231とが、互いに押し合うように接触される。
【0086】
上記の構成では、第1のユニット10と第2のユニット20とが、第1のコネクタ12と第2のコネクタ22との嵌合によって接続される。この際、光電素子30で発生した熱が、第1の伝熱体13、第2の伝熱体23、第2の基板21に順次伝達される。そして、熱が外部に放出される。この際、第1の伝熱体13の第1の斜面131と、第2の伝熱体23の第2の斜面とが押し合いながら、第1の伝熱体13と第2の伝熱体23が密着される。この密着により、両者が熱的に接続される。そして、第1の伝熱体13と第2の伝熱体23とが、熱伝導率が高い弾性体で形成されている。このような構成とすることによって、光電素子30で発生した熱が、効率よく外部に放出される。さらに、第1のコネクタ12と第2のコネクタ22の着脱を繰り返しても、光電素子30で発生した熱の、第2の基板21への伝達効率が低下しない。すなわち、第1のユニット10および第2のユニット20間の取り付けと取り外しが繰り返された際にも、光電素子30で生じた熱の放熱効率を低下しにくくすることができる。
【0087】
また、一態様によれば、光電気モジュール100において、第1の伝熱体13が、第1の突出部133を含む。第1の突出部133は、三角柱状である。そして、三角柱の一側面が第1の基板11の主面と向き合う。また、別の一側面が第1の斜面131になる。また、第2の伝熱体23が、第2の突出部233を含む。第2の突出部233は、三角柱状である。そして、三角柱の一側面が第2の基板21の主面と向き合う。また、別の一側面が第2の斜面231になる。
【0088】
このような構成とすることにより、第1のコネクタ12と第2のコネクタ22の嵌合の際に、第1の伝熱体13と第2の伝熱体23が滑らかに接触される。そして、互いに押し合うように、第1の伝熱体13と第2の伝熱体23とが密着される。この密着により、両者が熱的に接続される。
【0089】
また、一態様によれば、光電気モジュール100の、第1の突出部と前記第2の突出部とが同じ形状である。
【0090】
このような構成とすることにより、第1のコネクタ12と第2のコネクタ22の嵌合の際に、第1の伝熱体13と第2の伝熱体23が滑らかに接触される。そして、互いに押し合うように、第1の伝熱体13と第2の伝熱体23とが密着される。この接触により、両者が熱的に接続される。
【0091】
また、一態様によれば、光電気モジュール100の、第1の突出部133において、第1の斜面131に対し第1の基板11の主面と平行な方向に、第1の側面が位置する。そして、第1の側面と、第1の基板11の主面の法線とのなす角度が30度以下である。同様に、第2の突出部233において、第2の斜面231に対し第2の基板21の主面と平行な方向に、第2の側面が位置する。そして、第2の側面と、第2の基板21の主面の法線とのなす角度が30度以下である。
【0092】
このような構成とすることにより、光電素子30で発生した熱が、効率よく第1の伝熱体13に伝達される。さらに、第1のコネクタ12と第2のコネクタ22の嵌合の際に、第1の伝熱体13と第2の伝熱体23が滑らかに接触される。この接触により、両者が熱的に接続される。また、第1のコネクタ12と第2のコネクタ22との嵌合を外す方向の力が、第1の突出部133と第2の突出部233が発生する反力の1/2以下になる。
【0093】
また、一態様によれば、光電気モジュール100において、第1のコネクタ12と第2のコネクタ22とが、離間した状態で、位置合わせされる。この位置合わせは、第1の基板11の主面に平行な方向に対して行われる。そして、位置合わせの際に、第1の稜線と第2の稜線とが、第1の基板の主面に平行な方向において離間し、かつ、互いに平行である。ここで、第1の稜線とは、三角柱状の第1の突出部133のうちで、第1の基板11の主面と向き合う面に対向する稜線である。また、第2の稜線とは、三角柱状の第2の突出部233のうちで、第2の基板21の主面と向き合う面に対向する稜線である。
【0094】
このような構成とすることにより、第1のコネクタ12と第2のコネクタ22の嵌合の際に、第1の伝熱体13と第2の伝熱体23が滑らかに接触される。この接触により、両者が熱的に接続される。
【0095】
また、一態様によれば、光電気モジュール100において、第1のコネクタ12と第2のコネクタ22とが、離間した状態で、位置合わせされる。この位置合わせは、第1の基板11の主面に平行な方向に対して行われる。そして、位置合わせの際に、第1の稜線と第2の稜線との距離が、第1の突出部の底面の辺の長さの10%~40%である。この距離は、第1の基板11の主面に平行な方向における距離である。ここで、底面とは、三角柱状の第1の突出部133の、第1の基板11の主面と向き合う面である。第1の稜線と第2の稜線との距離は、第1の基板11の主面に平行な方向における距離である。
【0096】
このような構成とすることにより、第1のコネクタ12と第2のコネクタ22の嵌合の際に、第1の伝熱体13と第2の伝熱体23が確実に接触される。この接触により、両者が熱的に接続される。
【0097】
また、一態様によれば、光電気モジュール100において、第1の伝熱体13および第2の伝熱体23が、デュロメータタイプAで測定したゴム硬度が10~60度のゴム弾性体によって形成されている。
【0098】
このような構成とすることにより、第1のコネクタ12と第2のコネクタ22の嵌合によって、第1の伝熱体13と第2の伝熱体23とが確実に接触される。この接触により、両者が熱的に接続される。そして、第1のコネクタ12と第2のコネクタ22の着脱を繰り返し行っても、第1の伝熱体13から第2の伝熱体23への熱伝達効率が低下しない。
【0099】
また、一態様によれば、光電気モジュール100において、第1の基板11が光信号を伝送する光導波路14を備える。そして、光導波路14と光電素子30とが、光学的に接続されている。
【0100】
このような構成とすることにより、光導波路14と光電素子30との間の、光信号の送受信が可能になる。
【0101】
また、一態様によれば、光電気モジュール100において、第1の伝熱体13および第2の伝熱体23の熱伝導率が、1W/(m・K)以上である。
【0102】
このような構成とすることにより、光電素子30で発生した熱が、効率よく第2のユニット20に伝達され、外部に放出される。
【0103】
また、本実施形態の光電気モジュールの組み立て方法は、光電気モジュール100の組み立て方法である。光電気モジュール100は、第1のユニット10と、第2のユニット20と、第1の伝熱体13と、第2の伝熱体23と、を有する。第1のユニット10は、第1の基板11と、第1のコネクタ12と、を備える。第1の基板11の主面上に、枠状の第1のコネクタが設けられる。第1のコネクタ12の内側の第1の基板11の主面上には、光電素子30が取り付けられる。第2のユニット20は、第2の基板21と、第2のコネクタ22と、を備える。第2のコネクタ22の内側の第2の基板21の主面上に、枠状の第2のコネクタ22が設けられる。第2のコネクタ22が、第1のコネクタ12に嵌合される。第1の伝熱体13が、光電素子30の放熱面に取り付けられる。ここで放熱面とは、光電素子30を構成する面のうちで、第1の基板11の主面と向かい合う面と反対側の面である。そして、第1の伝熱体13が、第1の基板の主面に対し第1の角度だけ傾いた第1の斜面を備える。第1の伝熱体13は、弾性部材により構成される。第2の伝熱体23が、第2の基板21に取り付けられる。第2の伝熱体23が取り付けられるのは、第2のコネクタ22の内側である。また、取り付けられる面は、第1の基板11と対向する第2の基板21の主面である。そして、第2の伝熱体23が、第1の基板11の主面に対し、第1の角度だけ傾いた第2の斜面231を備える。また、第2の伝熱体23は、弾性部材により構成される。また、第1の斜面131の、第1の基板11の主面と反対側の端部に、第1の突出部133が第1の稜線を有する。同様に、第2の斜面231の、第2の基板21の主面と反対側の端部に、第2の突出部233が第2の稜線を有する。そして、第1のコネクタ12と第2のコネクタ22とが離間した状態で、第1のコネクタ12と第2のコネクタ22が位置合わせされる。位置合わせは、第1の基板11の主面に平行な方向で行われる。この際に、第1の伝熱体13の頂部の第1の稜線と、第2の伝熱体23の頂部の第2の稜線とが、第1の基板11の主面に平行な方向において第1の距離だけ離間し、かつ互いに平行である。そして、第1のコネクタ12と第2のコネクタ22とが嵌合される。第1の基板11の主面と第2の基板21の主面とが、互いに平行になるように、この嵌合が、行われる。これにより、第1の伝熱体13の第1の斜面131が、第2の伝熱体23の第2の斜面231に接触し、密着する。また、第1の斜面131と、第2の斜面231とが互いに押し合う。この接触と密着により、両者が熱的に接続される。
【0104】
上記の構成では、第1のユニット10と第2のユニット20とが、第1のコネクタ12と第2のコネクタ22との嵌合によって接続される。この際、光電素子30で発生した熱が、第1の伝熱体13、第2の伝熱体23、第2の基板21に順次伝達される。そして、熱が外部に放出される。この際、第1の伝熱体13の第1の斜面131と、第2の伝熱体23の第2の斜面とが押し合いながら接触する。この接触により、両者が熱的に接続される。そして、第1の伝熱体13と第2の伝熱体23とが、熱伝導率が高い弾性体で形成されている。このような構成とすることによって、光電素子30で発生した熱が、効率よく外部に放出される。さらに、第1のユニット10と第2のユニット20との着脱を繰り返しても、光電素子30で発生した熱の、第2の基板21への伝達効率が低下しない。
【0105】
以上、上述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上記実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
【符号の説明】
【0106】
10 第1のユニット
11 第1の基板
12 第1のコネクタ
13 第1の伝熱体
14 光導波路
15 保護部材
16、26 接続部材
20 第2のユニット
21 第2の基板
22 第2のコネクタ
23 第2の伝熱体
30 光電素子
31 光素子
32 光電気変換素子
100 光電気モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21