(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083699
(43)【公開日】2024-06-24
(54)【発明の名称】リング状部材、リング状部材の製造方法及び組電池
(51)【国際特許分類】
H01M 50/591 20210101AFI20240617BHJP
H01M 50/213 20210101ALI20240617BHJP
H01M 50/588 20210101ALI20240617BHJP
【FI】
H01M50/591
H01M50/213
H01M50/588
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197652
(22)【出願日】2022-12-12
(71)【出願人】
【識別番号】000237721
【氏名又は名称】FDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】弁理士法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】砂田 賢
(72)【発明者】
【氏名】飯田 裕也
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AA03
5H040AA18
5H040AT01
5H040AY10
5H040NN03
5H043AA19
5H043CA03
5H043CA22
5H043FA26
5H043GA24
5H043GA30
5H043JA01
5H043JA04
5H043LA21
(57)【要約】
【課題】複数の円筒形電池を含む各種組電池用のリング状部材を低コストで実現する。
【解決手段】例えば、リング状部材1A及び1Aa-1Aeは、円筒形電池の端面に設けられる電極面に対応するリング部2Aが、1列で第1方向D1に平面状に複数連続して整列配置される。リング状部材1A及び1Aa-1Aeは、第1方向D1と直交する第2方向D2の一端側及び他端側にそれぞれ、第1方向D1と平行に延びる第1外縁3A及び第2外縁4Aを有する。リング状部材1A及び1Aa-1Aeは、第1方向D1に隣接するリング部2A間に、第1外縁3Aから内側に窪んだ第1凹部5Aと、第1凹部5Aと対向し第2外縁4Aから内側に窪んだ第2凹部6Aとによって挟まれた括れ部7Aを有する。リング状部材1Aが所定の括れ部7Aの位置で切断され、個片のリング状部材1Aa-1Aeが得られる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒形電池の端面に設けられる電極面に対応するリング部が、少なくとも1列で第1方向に平面状に複数連続して整列配置され、
前記第1方向と直交する第2方向の一端側及び他端側にそれぞれ、前記第1方向と平行に延びる第1外縁及び第2外縁を有し、
前記第1方向に隣接する前記リング部間に、前記第1外縁から内側に窪んだ第1凹部と、前記第1凹部と対向し前記第2外縁から内側に窪んだ第2凹部とによって挟まれた括れ部を有する、リング状部材。
【請求項2】
前記第1凹部は、前記第1方向の幅が前記第1外縁から内側に向かってテーパー状に狭くなる形状を有し、
前記第2凹部は、前記第1方向の幅が前記第2外縁から内側に向かってテーパー状に狭くなる形状を有する、請求項1に記載のリング状部材。
【請求項3】
前記括れ部の前記第2方向の幅は、前記リング部に設けられる開口部の、前記第1外縁に最も近い端と前記第2外縁に最も近い端との間の距離よりも大きい、請求項1に記載のリング状部材。
【請求項4】
対向する前記第1凹部及び前記第2凹部は、当該対向する前記第1凹部及び前記第2凹部を挟んで前記第1方向に隣接する前記リング部が、各々に対応して隣接する前記円筒形電池の前記電極面に設けられた時に、平面視で当該対向する前記第1凹部内及び前記第2凹部内に当該隣接する前記円筒形電池の外周がはみ出ない形状を有する、請求項1に記載のリング状部材。
【請求項5】
前記第1外縁と前記第2外縁との間の前記第2方向の幅は、複数の前記リング部が各々に対応する複数の前記円筒形電池の前記電極面に設けられた時に、平面視で前記第1外縁及び前記第2外縁の前記第2方向外側に当該複数の前記円筒形電池の外周の一部がはみ出る幅である、請求項1に記載のリング状部材。
【請求項6】
請求項1に記載のリング状部材の前記括れ部を前記第2方向に直線状に切断する工程を含む、リング状部材の製造方法。
【請求項7】
請求項1に記載のリング状部材を用いた、複数の前記円筒形電池を含む組電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リング状部材、リング状部材の製造方法及び組電池に関する。
【背景技術】
【0002】
円筒形電池の端部に絶縁ワッシャーのようなリング状部材を設ける技術、そのようなリング状部材をフープ材と称される帯状の原反から金型装置を用いて打ち抜き加工することで製造する技術が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
円筒形電池の端面に設けられる電極面に対応するリング部を平面状に複数連続して整列配置させた連続型の絶縁性のリング状部材を用い、組電池に含まれる複数の円筒形電池の短絡を回避すると共に、当該円筒形電池群を結束して固定することが行われる場合がある。このような場合、従来は、組電池の種類、例えば、組電池に含まれる円筒形電池群の本数及び並び方によって、それぞれ専用の金型が準備され、その専用の金型を用いて、円筒形電池群に合わせてリング部群を整列配置させたリング状部材が製造されていた。そのため、組電池の種類毎に金型を作製することを要し、金型の作製に要するコストが増大することがあった。その結果、金型を用いて製造されるリング状部材及びそれを用いて製造される組電池のコストが増大してしまうことがあった。
【0005】
1つの側面では、本発明は、複数の円筒形電池を含む各種組電池用のリング状部材を低コストで実現することを目的とする。
また、1つの側面では、本発明は、リング状部材を用いる各種組電池を低コストで実現することが可能になる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの態様では、円筒形電池の端面に設けられる電極面に対応するリング部が、少なくとも1列で第1方向に平面状に複数連続して整列配置され、前記第1方向と直交する第2方向の一端側及び他端側にそれぞれ、前記第1方向と平行に延びる第1外縁及び第2外縁を有し、前記第1方向に隣接する前記リング部間に、前記第1外縁から内側に窪んだ第1凹部と、前記第1凹部と対向し前記第2外縁から内側に窪んだ第2凹部とによって挟まれた括れ部を有する、リング状部材が提供される。
【0007】
また、別の態様では、リング状部材の製造方法、及び、リング状部材を用いた組電池が提供される。
【発明の効果】
【0008】
1つの側面では、複数の円筒形電池を含む各種組電池用のリング状部材を低コストで実現することが可能になる。
また、1つの側面では、リング状部材を用いる各種組電池を低コストで実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態に係るリング状部材の一例について説明する図である。
【
図2】第1実施形態に係るリング状部材及びそれを用いた組電池の一例について説明する図である。
【
図3】第2実施形態に係るリング状部材の一例について説明する図である。
【
図4】第3実施形態に係るリング状部材及びそれを用いた組電池の一例について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1実施形態]
図1は第1実施形態に係るリング状部材の一例について説明する図である。
図1(A)には、リング状部材の一例の要部平面図を示している。
図1(B)、
図1(C)、
図1(D)、
図1(E)及び
図1(F)にはそれぞれ、
図1(A)のリング状部材から個片化されたリング状部材の一例の平面図を示している。
【0011】
図1(A)に示すリング状部材1Aは、円筒形電池の端面に設けられる電極面に対応するリング部2Aが、1列で第1方向D1に平面状に複数連続して整列配置された構成を有する。
図1(A)に示すリング状部材1Aは、後述のように切断される前のリング状部材の一例であって、第1方向D1に比較的長尺である平板状の形態を有する。リング状部材1Aは、平板状のものが巻き取られたフープ状の形態を有していてもよい。尚、
図1(A)に示すリング部2Aの数は一例であって、切断される前のリング状部材1Aが備えるリング部2Aの数は限定されない。また、
図1(A)に示すような切断される前のリング状部材1Aを「中間品」とも言う。
【0012】
リング状部材1Aは、リング部2A群が連続して整列配置される第1方向D1と直交する第2方向D2の一端側及び他端側にそれぞれ、第1方向D1と平行に延びる第1外縁3A及び第2外縁4Aを有する。リング状部材1Aは、第1方向D1に隣接するリング部2A間に、第1外縁3Aから内側に窪んだ第1凹部5Aと、その第1凹部5Aと対向し第2外縁4Aから内側に窪んだ第2凹部6Aとによって挟まれた括れ部7Aを有する。
【0013】
第1凹部5Aは、例えば、第1方向D1の幅が第1外縁3Aから内側に向かってテーパー状に狭くなる形状を有する。第1凹部5Aは、例えば、第1外縁3Aと連続する部分及び第1外縁3Aから深く窪んだ部分が湾曲した形状とされる。第2凹部6Aは、例えば、第1方向D1の幅が第2外縁4Aから内側に向かってテーパー状に狭くなる形状を有する。第2凹部6Aは、例えば、第2外縁4Aと連続する部分及び第2外縁4Aから深く窪んだ部分が湾曲した形状とされる。このような形状を有する第1凹部5Aと第2凹部6Aとの間に挟まれるように、括れ部7Aが設けられる。
【0014】
第1凹部5Aと第2凹部6Aとの間に設けられる括れ部7Aは、その第2方向D2の幅W1が、リング部2Aの中央に設けられる開口部8Aの第1外縁3Aに最も近い端と第2外縁4Aに最も近い端との間の距離L1よりも大きくなるように、即ち、この例では開口部8Aの直径d1よりも大きくなるように、設けられる。括れ部7Aの第2方向D2の幅W1が、このようなサイズとなるように、第1凹部5Aの第1外縁3Aからの深さT1、及び、第2凹部6Aの第2外縁4Aからの深さT2が設定される。例えば、第1凹部5Aの深さT1及び第2凹部6Aの深さT2は、互いに同じ深さに設定される。
【0015】
リング状部材1Aは、絶縁性を有する。リング状部材1Aには、各種絶縁材料が用いられる。例えば、リング状部材1Aには、絶縁性の各種樹脂を用いることができる。一例として、リング状部材1Aには、ポリカーボネートが用いられる。このほか、リング状部材1Aには、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン等が用いられてもよい。リング状部材1Aの厚さは、0.1mmから1mm程度の範囲、例えば、0.2mmとされる。
【0016】
リング状部材1Aは、帯状の原反からの、金型を用いた打ち抜き加工、例えば、連続打ち抜き加工によって製造される。例えば、帯状の原反がロール状に巻き取られたフープ材(「フープ状の原反」とも言う)が用いられ、そのようなフープ状の原反に対する金型を用いた打ち抜き加工によって、リング状部材1Aが製造される。リング状部材1Aは、1種類の金型を用いて製造することができる。
【0017】
中間品であるリング状部材1Aは、所定の括れ部7Aの位置で切断されて個片化され、1列で並設される複数の円筒形電池を含む組電池に取り付けられる。組電池に含まれる各円筒形電池は、両端面のうちの一端面側に正極端子が設けられ、他端面側に負極端子が設けられる電池である。尚、円筒形電池の、正極端子が設けられる端面を「電極面」又は「正極面」とも言い、負極端子が設けられる端面を「電極面」又は「負極面」とも言う。
【0018】
リング状部材1Aの各リング部2Aのサイズ、第1凹部5A及び第2凹部6Aのサイズ、並びに、括れ部7Aのサイズは、組電池に含まれる各円筒形電池の電極面のサイズを基に設定される。リング状部材1Aは、組電池の、1列で並設される円筒形電池群の本数に合わせた括れ部7Aの位置で切断され、切断により得られる個片のリング状部材(後述のリング状部材1Aa-1Ae等)が、当該組電池に取り付けられる。リング状部材1Aを切断して得られる個片のリング状部材は、組電池の、1列で並設される円筒形電池群の一端面側若しくは他端面側に、又は、両端面側にそれぞれ、取り付けられる。
【0019】
リング状部材1Aを切断して得られる個片のリング状部材について、
図1(B)から
図1(F)を参照して更に説明する。
例えば、2本の円筒形電池群が並設される組電池に取り付けられる個片のリング状部材を得る場合には、
図1(A)に示すようなリング状部材1Aが、切断線Maの括れ部7Aの位置で切断される。リング状部材1Aの切断には、第2方向D2に直線状に切断可能な直線刃が用いられる。リング状部材1Aが、直線刃を用いて、切断線Maの括れ部7Aの位置で第2方向D2に直線状に切断されることで、
図1(B)に示すような、2つのリング部2A群を含む個片のリング状部材1Aaが得られる。
【0020】
例えば、3本の円筒形電池群が1列で並設される組電池に取り付けられる個片のリング状部材を得る場合には、
図1(A)に示すようなリング状部材1Aが、切断線Mbの括れ部7Aの位置で切断される。リング状部材1Aが、直線刃を用いて、切断線Mbの括れ部7Aの位置で第2方向D2に直線状に切断されることで、
図1(C)に示すような、3つのリング部2A群を含む個片のリング状部材1Abが得られる。
【0021】
例えば、4本の円筒形電池群が1列で並設される組電池に取り付けられる個片のリング状部材を得る場合には、
図1(A)に示すようなリング状部材1Aが、切断線Mcの括れ部7Aの位置で切断される。リング状部材1Aが、直線刃を用いて、切断線Mcの括れ部7Aの位置で第2方向D2に直線状に切断されることで、
図1(D)に示すような、4つのリング部2A群を含む個片のリング状部材1Acが得られる。
【0022】
例えば、5本の円筒形電池群が1列で並設される組電池に取り付けられる個片のリング状部材を得る場合には、
図1(A)に示すようなリング状部材1Aが、切断線Mdの括れ部7Aの位置で切断される。リング状部材1Aが、直線刃を用いて、切断線Mdの括れ部7Aの位置で第2方向D2に直線状に切断されることで、
図1(E)に示すような、5つのリング部2A群を含む個片のリング状部材1Adが得られる。
【0023】
例えば、6本の円筒形電池群が1列で並設される組電池に取り付けられる個片のリング状部材を得る場合には、
図1(A)に示すようなリング状部材1Aが、切断線Meの括れ部7Aの位置で切断される。リング状部材1Aが、直線刃を用いて、切断線Meの括れ部7Aの位置で第2方向D2に直線状に切断されることで、
図1(F)に示すような、6つのリング部2A群を含む個片のリング状部材1Aeが得られる。
【0024】
ここでは図示を省略するが、7本以上の円筒形電池群が1列で並設される組電池に取り付けられる個片のリング状部材についても、上記リング状部材1Aa-1Aeと同様に、得ることができる。即ち、
図1(A)の例に従い7つ以上のリング部2A群が括れ部7Aを介して第1方向D1に1列で整列配置されたリング状部材1Aにおける、その所定の括れ部7Aの位置での切断によって、得ることができる。
【0025】
このように、リング状部材1Aを、組電池に含まれる円筒形電池群の本数に合わせた括れ部7Aの位置で切断し、当該組電池に取り付けられる個片のリング状部材1Aa-1Ae等を得ることができる。原反からの打ち抜き加工で製造される帯状の1つのリング状部材1Aから、含まれる円筒形電池群の本数が異なる各種組電池用の個片のリング状部材1Aa-1Ae等を得ることができる。
【0026】
リング状部材1Aは、同じ形状のリング部2A群が1列で整列配置された構成を有し、フープ状の原反に対する1種類の金型を用いた打ち抜き加工、例えば、連続打ち抜き加工により製造することができる。このようにして製造されるリング状部材1Aから、含まれる円筒形電池群の本数が異なる各種組電池用の個片のリング状部材1Aa-1Ae等が切り出される。従って、含まれる円筒形電池群の本数が異なる組電池毎に専用の金型を準備することを要しない。そのため、金型の作製コストの増大が抑えられる。その結果、各種組電池用のリング状部材1Aa-1Ae等のコストの増大、それらリング状部材1Aa-1Ae等を用いて製造される各種組電池のコストの増大が抑えられる。
【0027】
また、リング状部材1Aの切断には、円筒形電池の湾曲形状に合わせた湾曲刃ではなく、直線刃を用いることができる。湾曲刃を用いる場合、円筒形電池の湾曲形状に合わせた湾曲刃を準備することを要し、また、切断境界の一方側の部位は抉れた形状となるため当該部位はリング状部材として使用できず1つのリング状部材から切り出せる個片の取り数が減少したり、湾曲刃の丸みの管理が難しかったりする等の問題が生じる場合がある。リング状部材1Aを、直線刃を用いて切断可能な構成とすることで、1つのリング状部材1Aから、取り数の減少を抑えて、複数個又は複数種の個片のリング状部材1Aa-1Ae等を得ることができる。
【0028】
続いて、リング状部材1Aを切断して得られる個片のリング状部材を用いた組電池について説明する。
図2は第1実施形態に係るリング状部材及びそれを用いた組電池の一例について説明する図である。
図2(A)には、リング状部材の一例の平面図を示している。
図2(B)には、リング状部材を用いた組電池の一例の要部斜視図を示している。
図2(C)には、リング状部材を用いた組電池の一例の要部平面図を示している。
【0029】
ここでは、
図2(A)に示すような、3つのリング部2A群が1列で整列配置されたリング状部材1Ab(
図1(C))が用いられる場合を例にする。
図2(A)に示すようなリング状部材1Abは、上記のように、中間品であるリング状部材1A(
図1(A))を所定の括れ部7Aの位置(
図1(A)の切断線Mbの位置)で切断して個片化することによって、得られる。このようにして得られる個片のリング状部材1Abが、
図2(B)に示すように、1列で並設される3本の円筒形電池11群を含む組電池10Aに取り付けられる。
【0030】
例えば、
図2(B)に示すように、円筒形電池11群の一端面側に、1枚のリング状部材1Abが取り付けられる。リング状部材1Abは、各リング部2Aが、円筒形電池11群の一端面側の各電極面11aに対向し、各リング部2Aの開口部8Aから、対応する電極面11aの一部が露出するように、円筒形電池11群の一端面側に取り付けられる。リング状部材1Abは、そのリング部2A群が、両面テープや接着剤等(図示せず)を用いて、円筒形電池11群の一端面側に貼り付けられる。
【0031】
例えば、リング状部材1Abの片面に両面テープを貼り付け、その両面テープを用いて、リング状部材1Abを円筒形電池11群の一端面側に貼り付ける。或いは、リング状部材1Abに個片化する前の中間品のリング状部材1A(
図1(A))を製造するための原反の片面に予め両面テープを貼り付けておき、その原反からの打ち抜き加工によって両面テープ付きのリング状部材1Aを得る。そして、そのリング状部材1Aを切断して両面テープ付きの個片のリング状部材1Abを得て、その両面テープを用いて、リング状部材1Abを円筒形電池11群の一端面側に貼り付けるようにしてもよい。
【0032】
尚、
図2(B)では図示を省略するが、円筒形電池11群の他端面側にも同様に、もう1枚のリング状部材1Abが取り付けられてもよい。リング状部材1Abは、各リング部2Aが、円筒形電池11群の他端面側の各電極面11bに対向し、各リング部2Aの開口部8Aから、対応する電極面11bの一部が露出するように、円筒形電池11群の他端面側に取り付けられる。リング状部材1Abは、そのリング部2A群が、両面テープや接着剤等を用いて、円筒形電池11群の他端面側に貼り付けられる。
【0033】
リング状部材1Abが、円筒形電池11群に取り付けられることで、円筒形電池11群が、1列で並設された状態で、リング状部材1Abによって結束され固定される。後述のように、組電池10Aは、最終的に、全体が絶縁性の熱収縮チューブ(図示せず)で覆われることで完成品とされる。リング状部材1Abによって円筒形電池11群が固定されることで、このように全体を熱収縮チューブで覆う際にも、円筒形電池11群の並びが崩れてしまうこと、組電池10Aの形状が崩れてしまうことが抑えられる。
【0034】
尚、ここでは図示を省略するが、組電池10Aには、例えば、ダイオード等の保護素子を含むアキシャル型の電子部品(「安全部品」とも言う)及びそれを接続するための接続端子(「タブ」とも言う)が設けられる。この場合、タブの一端部は、所定の円筒形電池11の、リング状部材1Abの開口部8Aから露出する電極面11aに接続され、当該タブの他端部に、安全部品の一方のアキシャルリードが接続される。組電池10Aの電極面11b側についても同様に、タブの一端部が所定の円筒形電池11の電極面11bに接続され、当該タブの他端部に安全部品の他方のアキシャルリードが接続される。また、組電池10Aには、例えば、異なる円筒形電池11間を接続するためのタブ、リード等、組電池10Aを外部と接続するためのタブ、リード、コネクタ等が設けられる。
【0035】
組電池10Aは、最終的に、全体が絶縁性の熱収縮チューブ(図示せず)で覆われることで完成品とされる。組電池10Aに熱収縮チューブが被せられ、それが熱風により収縮されることで、組電池10Aが熱収縮チューブで覆われる。
【0036】
組電池10Aにおいて、リング状部材1Abは、円筒形電池11群に取り付けられた時に、例えば、
図2(C)に示すように配置される。
円筒形電池11群の、隣接する円筒形電池11間の谷間12は、
図2(C)に示すように、平面視で、リング状部材1Abのリング部2A及び括れ部7Aによって覆われる。即ち、平面視で、リング状部材1Abの第1凹部5A内及び第2凹部6A内には、隣接する円筒形電池11の外周13がはみ出ない。換言すれば、リング状部材1Abにおいて、対向する第1凹部5A及び第2凹部6Aは、それらを挟んで第1方向D1に隣接するリング部2Aが、各々に対応して隣接する円筒形電池11の電極面11aに設けられた時に、平面視で、当該対向する第1凹部5A内及び第2凹部6A内に当該隣接する円筒形電池11の外周13がはみ出ない形状を有する、とも言える。このような形状となるように、リング状部材1Ab(それを得るためのリング状部材1A)では、第1凹部5Aについて、その第1外縁3Aからの深さT1及び第1外縁3Aから内側に向かうテーパー形状が設定され、第2凹部6Aについて、その第2外縁4Aからの深さT2及び第2外縁4Aから内側に向かうテーパー形状が設定される。
【0037】
組電池10Aでは、リング状部材1Abの開口部8Aから露出する、隣接する円筒形電池11の電極面11a間を接続するように、タブが設けられ得る。このタブの第2方向D2の幅は、リング状部材1Abの開口部8Aの直径d1以下に設定される。リング状部材1Abでは、開口部8Aの直径d1に相当する幅(最大幅)のタブが設けられる場合にも、そのタブが括れ部7A上に位置するように、即ち、第1凹部5A及び第2凹部6Aにはみ出ないように、括れ部7Aの幅W1を直径d1(距離L1)よりも大きくしている。上記のように、第1凹部5A内及び第2凹部6A内に隣接する円筒形電池11の外周13がはみ出ないようにすると共に、タブが括れ部7A上に位置し括れ部7Aからはみ出ないようにすることで、当該タブが円筒形電池11の外周13(タブと反対極性)と接触し、短絡を引き起こすことが回避される。
【0038】
また、円筒形電池11群の各々の外周13の一部は、例えば、
図2(C)に示すように、平面視で、リング状部材1Abの第1外縁3A及び第2外縁4Aの外側にはみ出てもよい。換言すれば、リング状部材1Abにおいて、第1外縁3Aと第2外縁4Aとの間の第2方向D2の幅W2は、リング部2A群が各々に対応する円筒形電池11群の電極面11aに設けられた時に、平面視で、第1外縁3A及び第2外縁4Aの第2方向D2外側に当該円筒形電池11群の外周13の一部がはみ出る幅となってもよい、とも言える。そのような幅となってもよいように、リング状部材1Ab(それを得るためのリング状部材1A)では、第1外縁3Aと第2外縁4Aとの間の幅W2が設定され、或いは、用いられるフープ状の原反の幅が設定される。
【0039】
組電池10Aでは、リング状部材1Abの第1外縁3A及び第2外縁4Aの第2方向D2外側には、安全部品、タブ、リード、コネクタ等(図示せず)を配置しない構成とすることができる。このような構成とする場合には、リング状部材1Abの第1外縁3A及び第2外縁4Aの第2方向D2外側に円筒形電池11群の外周13の一部がはみ出ていても、そのはみ出た外周13に安全部品、タブ、リード、コネクタ等が接触し、短絡を引き起こすことが回避される。
【0040】
例えば、安全部品は、隣接する円筒形電池11間の谷間12に配置され、その安全部品と接続されるタブは、開口部8Aの電極面11aから安全部品が配置される谷間12に引き出される。リング状部材1Abでは、隣接する円筒形電池11に対応するリング部2A間、即ち、谷間12に対応する部位に、対向する第1凹部5Aと第2凹部6Aとで挟まれる括れ部7Aが設けられる。そのため、括れ部7Aを利用して、隣接する円筒形電池11間の谷間12に、安全部品及びそれと接続されるタブ(その引き出し部)を配置することができるようになっている。上記のように、谷間12における円筒形電池11の外周13は、平面視で、リング状部材1Ab(そのリング部2A及び括れ部7A)によって覆われる。そのため、谷間12に配置される安全部品及びそれと接続されるタブが外周13と接触し、短絡を引き起こすことが回避される。
【0041】
また、リードやコネクタは、例えば、リング状部材1Ab上から第1方向D1外側に引き出される。リング状部材1Abは、各リング部2Aの第1方向D1の長さを円筒形電池11の直径に設定することで、第1方向D1外側には円筒形電池11の外周13が露出しない構成とすることができる。従って、第1方向D1外側に引き出されるリードやコネクタが外周13と接触し、短絡を引き起こすことが回避される。
【0042】
但し、円筒形電池11の外周13は、必ずしもリング状部材1Abの第1外縁3A及び第2外縁4Aの第2方向D2外側にはみ出ていることを要しない。例えば、リング状部材1Abは、各リング部2Aの第2方向D2の幅を円筒形電池11の直径又はそれ以上に設定し、平面視で、リング状部材1Abから円筒形電池11の外周13がはみ出ないような構成とすることもできる。このように、リング状部材1Abの第1外縁3A及び第2外縁4Aの第2方向D2外側には、円筒形電池11の外周13が、はみ出てもよいし、はみ出なくてもよい。換言すれば、1種類のリング状部材1Abを、第1直径(例えばリング部2Aからはみ出るような直径)の円筒形電池11群を1列で並設させた組電池にも、当該第1直径とは異なる第2直径(例えばリング部2Aからはみ出ないような直径)の円筒形電池11群を1列で並設させた組電池にも、採用することができる。このような採用を可能にすることで、リング状部材1Abの汎用性が高められる。
【0043】
尚、平面視で、円筒形電池11群よりも外側にリング状部材1Abの第1外縁3A及び第2外縁4Aが大きく張り出した形態とする場合には、全体を熱収縮チューブで覆った際に、その大きく張り出した第1外縁3A及び第2外縁4Aが起点となって熱収縮チューブが破れ易くなる可能性がある点に留意する。また、平面視で、円筒形電池11群よりも外側にリング状部材1Abの第1外縁3A及び第2外縁4Aが大きく張り出した形態とする場合には、リング状部材1Abを含めた組電池10Aのサイズが円筒形電池11群の外形以上に大型化する点に留意する。
【0044】
図2(C)では、組電池10Aの電極面11a側を例にしたが、電極面11b側についても、リング状部材1Abを設ける場合、同様のことが言える。
ここでは、1列で並設される3本の円筒形電池11群を含む組電池10Aを例にした。このほか、1列で並設される2本又は4本以上の円筒形電池11群を含む組電池についても、当該組電池に含まれる円筒形電池11群の本数に応じた数のリング部2Aを含むようにリング状部材1A(中間品)から個片化されるリング状部材1Aa、1Ac-1Ae等を用いて、同様に実現することができる。
【0045】
[第2実施形態]
図3は第2実施形態に係るリング状部材の一例について説明する図である。
図3(A)には、リング状部材の一例の要部平面図を示している。
図3(B)、
図3(C)及び
図3(D)にはそれぞれ、
図3(A)のリング状部材から個片化されたリング状部材の一例の平面図を示している。
【0046】
図3(A)に示すリング状部材1Bは、円筒形電池の端面に設けられる電極面に対応するリング部2Bが、2列で第1方向D1に平面状に複数連続して整列配置された構成を有する。即ち、リング状部材1Bにおいて、リング部2B群は、第1方向D1に連続して整列配置されると共に、第1方向D1と直交する第2方向D2に連続して整列配置される。
図3(A)に示すリング状部材1Bは、切断される前のリング状部材(中間品)の一例であって、第1方向D1に比較的長尺である平板状の形態を有する。リング状部材1Bは、平板状のものが巻き取られたフープ状の形態を有していてもよい。尚、切断される前のリング状部材1Bが備えるリング部2Bの数は限定されない。
【0047】
リング状部材1Bは、2列でリング部2B群が連続して整列配置される第1方向D1と直交する第2方向D2の一端側及び他端側にそれぞれ、第1方向D1と平行に延びる第1外縁3B及び第2外縁4Bを有する。リング状部材1Bは、第1方向D1に隣接するリング部2B間に、第1外縁3Bから内側に窪んだ第1凹部5Bと、その第1凹部5Bと対向し第2外縁4Bから内側に窪んだ第2凹部6Bとによって挟まれた括れ部7Bを有する。例えば、第1凹部5Bは、第1方向D1の幅が第1外縁3Bから内側に向かってテーパー状に狭くなる形状を有し、第2凹部6Bは、第1方向D1の幅が第2外縁4Bから内側に向かってテーパー状に狭くなる形状を有する。
【0048】
第1凹部5Bと第2凹部6Bとの間に設けられる括れ部7Bは、その第2方向D2の幅W3が、リング部2Bの中央に設けられる開口部8Bの第1外縁3Bに最も近い端と第2外縁4Bに最も近い端との間の距離L2よりも大きくなるように、設けられる。括れ部7Bの第2方向D2の幅W3が、このようなサイズとなるように、第1凹部5Bの第1外縁3Bからの深さT3、及び、第2凹部6Bの第2外縁4Bからの深さT4が設定される。例えば、第1凹部5Bの深さT3及び第2凹部6Bの深さT4は、互いに同じ深さに設定される。
【0049】
リング状部材1Bは、絶縁性を有する。リング状部材1Bには、各種絶縁材料、例えば、上記リング状部材1Aと同様に、ポリカーボネート等の樹脂が用いられる。リング状部材1Bの厚さは、上記リング状部材1Aと同様に、0.1mmから1mm程度の範囲、例えば、0.2mmとされる。リング状部材1Bは、例えば、フープ状の原反からの、金型を用いた打ち抜き加工、例えば、連続打ち抜き加工によって製造される。リング状部材1Bは、1種類の金型を用いて製造することができる。
【0050】
中間品であるリング状部材1Bは、所定の括れ部7Bの位置で切断されて個片化され、2列で並設される複数の円筒形電池を含む組電池に取り付けられる。リング状部材1Bの各リング部2Bのサイズ、第1凹部5B及び第2凹部6Bのサイズ、並びに、括れ部7Bのサイズは、組電池に含まれる各円筒形電池の電極面のサイズを基に設定される。リング状部材1Bは、組電池の、2列で並設される円筒形電池群の本数に合わせた括れ部7Bの位置で切断され、切断により得られる個片のリング状部材(後述のリング状部材1Ba-1Bc等)が、当該組電池に取り付けられる。個片のリング状部材は、組電池の、2列で並設される円筒形電池群の一端面側若しくは他端面側に、又は、両端面側にそれぞれ、取り付けられる。
【0051】
リング状部材1Bを切断して得られる個片のリング状部材について、
図3(B)から
図3(D)を参照して更に説明する。
例えば、2列で並設される円筒形電池群を含む組電池であって1列につき2本ずつの合計4本の円筒形電池群を含む組電池に取り付けられる個片のリング状部材を得る場合には、
図3(A)に示すようなリング状部材1Bが、切断線Mfの括れ部7Bの位置で切断される。リング状部材1Bの切断には、第2方向D2に直線状に切断可能な直線刃が用いられる。リング状部材1Bが、直線刃を用いて、切断線Mfの括れ部7Bの位置で第2方向D2に直線状に切断されることで、
図3(B)に示すような個片のリング状部材1Baが得られる。
【0052】
例えば、2列で並設される円筒形電池群を含む組電池であって1列につき3本ずつの合計6本の円筒形電池群を含む組電池に取り付けられる個片のリング状部材を得る場合には、
図3(A)に示すようなリング状部材1Bが、切断線Mgの括れ部7Bの位置で切断される。リング状部材1Bが、直線刃を用いて、切断線Mgの括れ部7Bの位置で第2方向D2に直線状に切断されることで、
図3(C)に示すような個片のリング状部材1Bbが得られる。
【0053】
例えば、2列で並設される円筒形電池群を含む組電池であって1列につき4本ずつの合計8本の円筒形電池群を含む組電池に取り付けられる個片のリング状部材を得る場合には、
図3(A)に示すようなリング状部材1Bが、切断線Mhの括れ部7Bの位置で切断される。リング状部材1Bが、直線刃を用いて、切断線Mhの括れ部7Bの位置で第2方向D2に直線状に切断されることで、
図3(D)に示すような個片のリング状部材1Bcが得られる。
【0054】
ここでは図示を省略するが、合計本数が10本以上(偶数本)の円筒形電池群が2列で並設される組電池に取り付けられる個片のリング状部材についても、上記リング状部材1Ba-1Bcと同様に、得ることができる。即ち、
図3(A)の例に従い所定数のリング部2B群が括れ部7Bを介して第1方向D1に2列で整列配置されたリング状部材1Bにおける、その所定の括れ部7Bの位置での切断によって、得ることができる。
【0055】
このように、リング状部材1Bを、組電池に含まれる円筒形電池群の本数に合わせた括れ部7Bの位置で切断し、当該組電池に取り付ける個片のリング状部材1Ba-1Bc等を得ることができる。原反からの打ち抜き加工で製造される帯状の1つのリング状部材1Bから、含まれる円筒形電池群の本数が異なる各種組電池用の個片のリング状部材1Ba-1Bc等を得ることができる。従って、含まれる円筒形電池群の本数が異なる組電池毎に専用の金型を準備することを要しない。そのため、金型の作製コストの増大が抑えられる。その結果、各種組電池用のリング状部材1Ba-1Bc等のコストの増大、それらリング状部材1Ba-1Bc等を用いて製造される各種組電池のコストの増大が抑えられる。また、リング状部材1Bを、直線刃を用いて切断可能な構成とすることで、1つのリング状部材1Bから、取り数の減少を抑えて、複数個又は複数種の個片のリング状部材1Ba-1Bc等を得ることができる。
【0056】
ここでは、2列で第1方向D1に並設される円筒形電池群を含む組電池用の中間品のリング状部材1B及びそこから切り出される個片のリング状部材1Ba-1Bc等について説明した。このほか、3列以上で第1方向D1に並設される円筒形電池群を含む組電池用の中間品のリング状部材を実現することもでき、そこから切り出される個片のリング状部材を実現することもできる。
【0057】
[第3実施形態]
図4は第3実施形態に係るリング状部材及びそれを用いた組電池の一例について説明する図である。
図4(A)には、リング状部材の一例の平面図を示している。
図4(B)には、リング状部材を用いた組電池の一例の要部斜視図を示している。
【0058】
ここでは、
図4(A)に示すような、3つのリング部2C群が1列で整列配置されたリング状部材1Cbが用いられる場合を例にする。リング状部材1Cbが、
図4(B)に示すように、1列で並設される3本の円筒形電池11群を含む組電池10Cに取り付けられる。リング状部材1Cbは、各リング部2Cが円筒形電池11群の一端面側の各電極面11aに対向し、各リング部2Cの開口部8Cから、対応する電極面11aの一部が露出するように取り付けられる。
【0059】
第3実施形態のリング状部材1Cbは、第1外縁3C及び第2外縁4Cからそれぞれ内側に窪んで括れ部7Cを形成する第1凹部5C及び第2凹部6Cの形状を、V字状としている。第1凹部5C及び第2凹部6Cの形状をV字状とすることで、リング状部材1Cbの外形から複雑な曲線(湾曲形状の組み合わせ)がなくなるため、金型形状を簡素化することができる。これにより、金型の作製コストやメンテンナンスコストを抑えることができる。
【符号の説明】
【0060】
1A、1Aa、1Ab、1Ac、1Ad、1Ae、1B、1Ba、1Bb、1Bc、1Cb リング状部材
2A、2B、2C リング部
3A、3B、3C 第1外縁
4A、4B、4C 第2外縁
5A、5B、5C 第1凹部
6A、6B、6C 第2凹部
7A、7B、7C 括れ部
8A、8B、8C 開口部
10A、10C 組電池
11 円筒形電池
11a、11b 電極面
12 谷間
13 外周
d1 直径
D1 第1方向
D2 第2方向
L1、L2 距離
T1、T2、T3、T4 深さ
W1、W2、W3 幅