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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083702
(43)【公開日】2024-06-24
(54)【発明の名称】水晶発振器
(51)【国際特許分類】
   H03B 5/32 20060101AFI20240617BHJP
【FI】
H03B5/32 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197655
(22)【出願日】2022-12-12
(71)【出願人】
【識別番号】000232483
【氏名又は名称】日本電波工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】見留 博之
【テーマコード(参考)】
5J079
【Fターム(参考)】
5J079AA04
5J079BA02
5J079CA01
5J079CA11
5J079CB02
5J079DA13
5J079FA15
5J079FA17
5J079FA24
5J079FB11
5J079JA03
(57)【要約】
【課題】電圧可変型の容量素子を用いた恒温槽付き水晶発振器であって、右肩下がりの周波数温度特性を簡易な手段によってフラットに補正できる水晶発振器とその製造方法を提供する。
【解決手段】定電圧回路と、定電圧回路に接続されたオーブン回路及び電圧可変型の容量素子を有する発振回路と、少なくとも前記オーブン回路及び発振回路を内包している槽と、オーブン回路及び発振回路に接続されたグランドラインと、を備える水晶発振器において、オーブン回路及び発振回路のグランドライン側の端子である二次側の端子とグランドラインとの間に補正抵抗を備え、補正抵抗は、オーブン回路に流れる電流値に応じて当該補正抵抗の二次側の端子の電位が変動することによって、電圧可変型の容量素子の二次側の端子の電位を、電圧可変型の容量素子の端子間電圧を所定電圧に補正できる電位に補正する抵抗であることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
定電圧回路と、前記定電圧回路に接続されたオーブン回路と、前記定電圧回路に接続され電圧可変型の容量素子を有する発振回路と、少なくとも前記オーブン回路及び発振回路を内包している槽と、前記オーブン回路及び前記発振回路に接続されたグランドラインと、を備える水晶発振器において、
前記オーブン回路及び前記発振回路の前記グランドライン側の端子である二次側の端子と、前記グランドラインとの間に補正抵抗を備え、
前記補正抵抗は、
前記オーブン回路に流れる電流値に応じて当該補正抵抗の前記二次側の端子の電位が変動することによって、前記電圧可変型の容量素子の前記二次側の端子の電位を、前記電圧可変型の容量素子の端子間電圧を所定電圧に補正できる電位に補正する抵抗であること
を特徴とする水晶発振器。
【請求項2】
前記補正抵抗は、可変抵抗であることを特徴とする請求項1に記載の水晶発振器。
【請求項3】
定電圧回路と、前記定電圧回路に接続されたオーブン回路と、前記定電圧回路に接続され電圧可変型の容量素子を有する発振回路と、少なくとも前記オーブン回路及び発振回路を内包している槽と、前記オーブン回路及び前記発振回路に接続されたグランドラインと、を備える水晶発振器を製造するに当たり、
当該水晶発振器の周波数温度特性を測定する工程と、
前記測定において周波数温度特性が、温度上昇に対し右肩下がりになる水晶発振器を選択する工程と、
前記選択した水晶発振器の前記オーブン回路、前記電圧可変型の容量素子及び前記発振回路の前記グランドライン側の端子である二次側の端子と前記グランドラインとの間に、補正抵抗であって、前記オーブン回路に流れる電流値に応じて当該補正抵抗の前記二次側の端子の電位が変動することによって、前記電圧可変型の容量素子の前記二次側の端子の電位を、前記電圧可変型の容量素子の端子間電圧を所定電圧に補正できる電位に補正する抵抗を挿入する工程と、
を含むことを特徴とする水晶発振器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周波数温度特性の補正が可能な恒温槽付き水晶発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、5Gの普及が進んでいる。その中で、5Gの弱点である電波の到達距離が短いことをカバーする点で、小型基地局が注目されている。小型基地局には、内部温度の上昇や厳しい環境変化にも耐え得るよう、恒温槽付き水晶発振器(以下、OCXO;Oven Controlled Crystal Oscillatorと言う。)が使用されている。
特許文献1には、周波数を調整するためにバリキャップダイオードを使用したOCXOが記載されている(特許文献1の段落0011)。図8は、このOCXOの構成を簡単に示したブロック図である。このOCXO20は、定電圧回路と、前記定電圧回路に接続されたオーブン回路と、前記定電圧回路に接続され電圧可変型の容量素子を有する発振回路と、少なくとも前記オーブン回路及び発振回路を内包している槽と、前記オーブン回路及び前記発振回路に接続されたグランドラインと、を備える。このOCXOでは、制御電圧により、バリキャップダイオード14aの容量値を変化、即ち水晶振動子の負荷容量を可変させることにより、発振周波数を調整している(特許文献1の段落0023)。
また、水晶振動子を含む発振回路、恒温槽内の水晶振動子を一定温度に保つためのオーブン回路及びバリキャップダイオード各々のグランドラインを共通にすることで、熱結合を密にし、周波数温度特性を向上させている(特許文献1の段落0021)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6208472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
OCXOは周波数安定度が高く、ppb(1×10-9)オーダーの周波数温度特性を有している。OCXOにおいて、周波数温度特性は0ppbに近いものほど、すなわち温度によって変化しないフラットなものほど、良いとされている。OCXOの周波数温度特性は、水晶振動子の周波数温度特性と、発振回路の周波数温度特性と、その他、経年劣化や再現性等の各因子が複雑に影響し合うことで生じる。そのため、製造後のOCXOは、図9(A)~(C)に示す、温度に対しほぼフラットな温度特性を示すもの、発生率は少ないが温度上昇に対しやや右肩下がりの温度特性を示すもの、やや右肩上りの温度特性を示すものが生じる。温度に対し右肩上がりや右肩下がりの温度特性を示すOCXOのいずれか一方の温度特性を、何らかの手段によってフラットなものに補正することができれば、好ましい。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、従ってこの出願の目的は、電圧可変型の容量素子を用いた恒温槽付き水晶発振器であって、右肩下がりの周波数温度特性を簡易な手段によってフラットに補正できる水晶発振器とその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的の達成を図るため、この出願に係る発明者は鋭意検討を進めた結果、電圧可変型の容量素子を有した恒温槽付きの水晶発振器において、電圧可変型の容量素子を積極的に利用することによって、上記目的を達成できるのではないかと考えた。
従って、この発明の水晶発振器によれば、定電圧回路と、前記定電圧回路に接続されたオーブン回路と、前記定電圧回路に接続され電圧可変型の容量素子を有する発振回路と、少なくとも前記オーブン回路及び発振回路を内包している槽と、前記オーブン回路及び前記発振回路に接続されたグランドラインと、を備える水晶発振器において、
前記オーブン回路及び前記発振回路の前記グランドライン側の端子である二次側の端子と、前記グランドラインとの間に補正抵抗を備え、
前記補正抵抗は、前記オーブン回路に流れる電流値に応じて当該補正抵抗の前記二次側の端子の電位が変動することによって、前記電圧可変型の容量素子の前記二次側の端子の電位を、前記電圧可変型の容量素子の端子間電圧を所定電圧に補正できる電位に補正する抵抗であることを特徴とする。
この発明を実施するに当たり、前記補正抵抗は、固定抵抗又は可変抵抗いずれでも良い。ただし、前記補正抵抗を可変抵抗とする方が、前記電圧可変型の容量素子の前記二次側端子の電位を、水晶発振器毎に調製できるので、好ましい。
【0007】
また、この出願の水晶発振器の製造方法の発明によれば、定電圧回路と、前記定電圧回路に接続されたオーブン回路と、前記定電圧回路に接続され電圧可変型の容量素子を有する発振回路と、少なくとも前記オーブン回路及び発振回路を内包している槽と、前記オーブン回路及び前記発振回路に接続されたグランドラインと、を備える水晶発振器を製造するに当たり、
当該水晶発振器の周波数温度特性を測定する工程と、
前記測定において周波数温度特性が、温度上昇に対し右肩下がりになる水晶発振器を選択する工程と
前記選択した水晶発振器の前記オーブン回路、前記電圧可変型の容量素子及び前記発振回路の前記グランドライン側の端子である二次側の端子と前記グランドラインとの間に、補正抵抗であって、前記オーブン回路に流れる電流値に応じて当該補正抵抗の前記二次側の端子の電位が変動することによって、前記電圧可変型の容量素子の前記二次側の端子の電位を、前記電圧可変型の容量素子の端子間電圧を所定電圧に補正できる電位に補正する抵抗を挿入する工程と、
を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明の水晶発振器によれば、オーブン回路に流れる電流に応じて、補正抵抗の前記二次側の端子の電位が変動する。ここで、オーブン回路の電流は、その目的上、水晶発振器がおかれる環境が低温ほど大きくなり、高温に向かうに従い小さくなる。従って、補正抵抗に流れる電流も、水晶発振器がおかれる環境が低温ほど大きく、高温に向かうに従い小さくなるので、補正抵抗の前記二次側の端子の電位、すなわち電圧可変型の容量素子の前記二次側の端子の電位は、水晶発振器がおかれる環境が低温ほど高く、高温に向かうに従い低くなる。そのため、電圧可変型の容量素子の容量が変化するので、水晶発振器の発振周波数は、上記の右肩下がりの温度特性を補正する方向に変化する。よって、右肩下がりの周波数温度特性を示していた水晶発振器を、補正抵抗を設けるという簡易な手段によって、温度に対しフラットな周波数温度特性を示す水晶発振器を実現できる。
また、この出願の水晶発振器の製造方法によれば所定の工程を実施し、かつ、その中で適正な補正抵抗を追加するので、右肩下がりの周波数温度特性を示していた水晶発振器を、温度に対しフラットな周波数温度特性を示す水晶発振器に修正できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態のOCXO10のブロック図。
図2】バリキャップダイオードの容量値のグラフ。
図3】本発明のOCXOの温度におけるオーブン回路電流のグラフ。
図4】本発明のOCXOの二次側の端子の電位変化のグラフ。
図5】本発明のOCXOのバリキャップダイオードの端子間電圧のグラフ。
図6】本発明のOCXOのバリキャップダイオードの端子間容量のグラフ。
図7】補正抵抗を設ける前後のOCXOの周波数温度特性のグラフ。
図8】従来技術のOCXO20のブロック図。
図9】OCXOの周波数温度特性例。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照してこの発明の水晶発振器及びその製造方法の実施形態についてそれぞれ説明する。
なお、説明に用いる各図はこれらの発明を理解できる程度に概略的に示してあるにすぎない。また、説明に用いる各図において、同様な構成成分については同一の番号を付して示し、その説明を省略する場合もある。また、以下の説明で述べる形状、材質等はこの発明の範囲内の好適例に過ぎない。従って、本発明は以下の実施形態のみに限定されるものではない。
【0011】
1.水晶発振器の実施形態
図1は、本発明の実施形態であるOCXO10のブロック図である。OCXO10は、定電圧回路11と、オーブン回路12と、発振回路14と、恒温槽13と、補正抵抗16と、グランドライン17と、を備えている。オーブン回路12と発振回路14は、恒温槽13内に含まれている。
【0012】
定電圧回路11は、外部から供給される電源電圧Vccを定電圧化し、オーブン回路12及び発振回路14へ一定電圧を供給する。
【0013】
オーブン回路12は、感温素子と、発熱素子と、温度制御回路等のその他部品と、により構成されている。感温素子で恒温槽13内の温度を計測し、発熱素子により恒温槽13内の発振素子(後述する)が所定の温度で保たれるように制御している。感温素子は、例えばサーミスタや白金抵抗を用いることができる。発熱素子は、例えばパワートランジスタや抵抗を用いることができる。温度制御回路は、例えばオペアンプを用いて構成できる。
【0014】
発振回路14は、電圧可変型の容量素子14aと発振素子14b、その他部品により構成されている。本発明において電圧可変型の容量素子14aは、バリキャップダイオードを用いる。発振素子14bは、例えば、水晶振動子を用いることができる。
【0015】
また、本発明の特徴として、オーブン回路12及び発振回路14の少なくとも電圧可変型の容量素子14aのグランドライン17側の端子である二次側の端子15とグランドライン17との間に、補正抵抗16を設けてある。
補正抵抗16は、設計内容により予め検討しておいた定数のものを用いる(詳細は後述する)。補正抵抗16の二次側の端子15側の端子の電位は、オーブン回路12に流れる電流の大小に応じて変化する。これを利用して電圧可変型の容量素子14aの二次側の端子15側の電位を変動させて、電圧可変型の容量素子14aに加わる逆方向電圧を変動させることができる。右肩下がりの周波数温度特性を、補正抵抗16の電位変動を利用してフラットになるように補正する。以下、この点について具体例によって説明する。
【0016】
実施形態のOCXO10において、電源電圧Vccを2.8V、電圧可変型の容量素子14aとしてバリキャップダイオード、補正抵抗0.1Ωを使用した場合の、本発明の作用・効果を、以下説明する。
今回使用するバリキャップダイオードの端子間電圧に対する容量変化のグラフを図2に示す。端子間電圧が大きくなると容量値が減っていくという、反比例のグラフになっている。また、この曲線の3次近似式もグラフ上に記載してある。
【0017】
OCXOの中には、周波数温度特性が温度上昇に対し右肩下がりの特性を持ったものが確認されることがある。例えば、この出願に係る発明者の測定したOCXOの中には図7(A)に示す周波数温度特性を持つものがある。具体的には、横軸に温度、縦軸に周波数変動率(ppb)をとって示した図のように低温側で約16ppb程度、高温側で約-15ppb程度というように、温度上昇に対して、右肩下がりの特性を持つものがある。
一方、実施形態で示したOCXO10の場合、環境温度の変化があっても恒温槽13の内部温度(水晶振動子14bの温度)を所定温度、例えば85℃に制御する必要がある。そのため、実施形態のOCXO10の場合、恒温槽13の内部温度を一定に制御するため、環境温度の変化に対しオーブン回路12に流れる電流は、図3に示すように、低温側で600mA程度まで大きくなり、高温側で50mA程度まで小さくなるというような電流挙動を示す。なお、図3では、横軸に温度をとり、縦軸にオーブン回路に流れる電流をとって示してある。従って、本発明の特徴である補正抵抗16にも、上記したオーブン回路の電流挙動に応じた電流が流れるため、補正抵抗16の二次側の端子15側の電位は、図4に示したように、補正抵抗16の抵抗値0.1Ωと補正抵抗16に流れる電流とで決まる電位になる。すなわち、図4に示したように、低温側で0.06V程度、高温側で5mV程度まで小さくなるという電位変動を示す。なお、図4では、横軸に温度をとり、縦軸に補正抵抗16の二次側の端子15側の電位をとって示してある。
補正抵抗16で生じる上記した電位変動は、上記した右肩下がりの周波数温度特性の補正に使用できる。すなわち、補正抵抗16で生じる上記した電位変動は、バリキャップダイオード14aの二次側の端子15の電位変動となるから、この実施形態では、バリキャップダイオード14aの容量素子間に印加している2.8Vという端子間電圧の変動を生じさせる。この様子を、図5に横軸に温度を取り、縦軸にバリキャップダイオード14aの端子間電圧をとって示す。図5から、補正抵抗16を設けると、補正抵抗16での図4に示した電位変動の影響でバリキャップダイオード14aの端子間電圧は、低温側で2.74V程度、高温側で2.795V程度になり、温度に対し線形に変化することが分かる。
この図5に示したバリキャップダイオード14aの端子間電圧の変動は、そのままバリキャップダイオード14aの端子間容量を変動させる。この容量変動を、図6に、横軸に温度をとり、縦軸にバリキャップダイオード14aの端子間容量をとって示す。図6から、補正抵抗16を設けると、補正抵抗16での図5に示した電位変動の影響でバリキャップダイオード14aの端子間容量は、低温側で7.6pF程度、高温側で7.45pF程度になり、温度に対し線形に変化することが分かる。
バリキャップダイオード14aの端子間容量の、図6のような変動は、発振回路14の負荷容量変動に相当するので、発振回路14から出力される周波数は、変動する。
【0018】
補正抵抗16を設けたことで生じた、図4図6で示した二次側の端子15の電位、バリキャップダイオード14aの端子間電圧及びバリキャップダイオード14aの端子間容量の変化により、図7(A)に示す温度上昇に対し右肩下がりの周波数温度特性を、図7(B)に示すような、温度に対しほぼフラットな周波数温度特性へ補正することができる。
これに対し、補正抵抗16を設けていない図8に示した従来のOCXO20の場合は、そもそも補正抵抗16起因の電位変動は生じないので、バリキャップダイオード14aの端子間電圧を変動させることができないから、周波数温度特性を補正できない。
【0019】
2.水晶発振器の製造方法
封止前の状態の水晶発振器を複数準備し、水晶発振器の周波数温度特性、必要に応じて位相雑音特性や短期周波数安定度等の、特性を検査する。特性の検査後、水晶発振器の仕様を各特性が満たしているか確認をする。その中で、周波数温度特性において、高温側で右肩下がりになり、仕様を満たしていない水晶発振器を選択する。選択した水晶発振器の周波数温度特性と仕様とのズレから、そのズレを補正するための補正抵抗16(図1参照)の定数を検討する。検討した抵抗の定数の補正抵抗16を、二次側の端子15とグランドライン17の間に挿入する。補正抵抗16を挿入後、再度、周波数温度特性を測定し、発振器の仕様の温度内において、周波数温度特性がほぼフラットな状態に補正されているのを確認する。次に、抵抗溶接をして封止をする。
【0020】
補正抵抗16は、可変抵抗としてもよい。可変抵抗の場合、補正抵抗16を挿入後、周波数温度特性を測定した時に、予想通りの補正がなされていなければ、再度抵抗値を調整し、補正を実施し、温度に対しフラットな周波数温度特性を得ることができる。
【0021】
ppbオーダーの周波数温度特性が要求されるOCXOにおいて、補正抵抗を設けるという簡易な手段により、温度に対しフラットな周波数温度特性を持つ水晶発振器を製造することができる。また、仕様とのズレは水晶発振器個々で異なるため、1つ1つの水晶発振器に合わせた補正が可能な水晶発振器を製造することができる。
【符号の説明】
【0022】
10:本発明のOCXO 20:従来技術のOCXO
11:定電圧回路 12:オーブン回路
13:恒温槽 14:発振回路
14a:電圧可変型の容量素子 14b:発振素子
15:二次側の端子 16:補正抵抗
17:グランドライン





図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9