(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083735
(43)【公開日】2024-06-24
(54)【発明の名称】金属製ボトル、非飲用液体組成物入り金属製ボトル、およびパウチ付き金属製ボトル
(51)【国際特許分類】
B65D 25/20 20060101AFI20240617BHJP
B65D 1/02 20060101ALI20240617BHJP
B65D 41/26 20060101ALI20240617BHJP
【FI】
B65D25/20 Z
B65D1/02 210
B65D41/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197719
(22)【出願日】2022-12-12
(71)【出願人】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】花田 真一
(72)【発明者】
【氏名】荻島 敦子
(72)【発明者】
【氏名】坂本 敬之
【テーマコード(参考)】
3E033
3E062
3E084
【Fターム(参考)】
3E033AA06
3E033BA07
3E033DA03
3E033DA08
3E033DB03
3E033GA02
3E062AA04
3E062AB01
3E062AC03
3E062BB01
3E062BB10
3E062DA05
3E084AA02
3E084AA12
3E084AA22
3E084AB01
3E084BA01
3E084CA01
3E084CC05
3E084DA01
3E084DB12
3E084DB18
3E084DC05
3E084FB01
3E084GA01
3E084GB01
3E084JA07
3E084KB01
3E084LD01
3E084LE06
(57)【要約】
【課題】非飲用液体組成物を誤飲することを防止できる金属製ボトルを提供する。
【解決手段】
金属製ボトル1は、非飲用液体組成物が収納され、パッキン付きキャップが取り付けられる金属製ボトルであって、正面断面視で、口元先端部13は少なくとも一部に、径方向の外方に延在する第1延在部14を有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非飲用液体組成物が収納され、パッキン付きキャップが取り付けられる金属製ボトルであって、
正面断面視で、
口元先端部は少なくとも一部に、径方向の外方に延在する第1延在部を有する、金属製ボトル。
【請求項2】
前記正面断面視で、
前記口元先端部は、前記第1延在部と連続して、下向き鉛直方向に延在する第2延在部を有する、請求項1に記載の金属製ボトル。
【請求項3】
前記第1延在部が現れる正面断面視とは異なる正面断面視で、
前記口元先端部は、径方向の外方よりも鉛直方向の下方に折り曲げられた折り曲げ部をさらに有する、請求項1に記載の金属製ボトル。
【請求項4】
非飲用液体組成物が収納され、パッキン付きキャップが取り付けられる金属製ボトルであって、
上面断面視で、
口元先端部は少なくとも一部に、連続的に形成された凹凸部を有する、金属製ボトル。
【請求項5】
前記キャップは、計量機構付きである、請求項1または4に記載の金属製ボトル。
【請求項6】
請求項1または4に記載の金属製ボトルに、非飲用液体組成物が収容された非飲用液体組成物入り金属製ボトル。
【請求項7】
請求項6に記載の非飲用液体組成物入り金属製ボトルと、
非飲用液体組成物が充填された詰め替え用パウチと、を有する、パウチ付き金属製ボトル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属製ボトル、非飲用液体組成物入り金属製ボトル、およびパウチ付き金属製ボトルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、飲料用のステンレスボトルとして様々なものが開発されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
一方、液体口腔用組成物のような非飲用液体組成物は従来、樹脂ボトルに充填されていることが一般的であるが、耐久性の向上や、デザイン性・外観性の向上を目的に、非飲用液体組成物も樹脂ボトルから金属製ボトルへの切り替えが進みつつある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、非飲用液体組成物が収納された金属製ボトルでは、使用者が、収納されている内容液を飲料用だと勘違いして誤飲してしまう可能性がある。
【0006】
本発明の発明者等は、上記課題の解決を図るにあたり、鋭意努力を重ねた結果、本発明の金属製ボトルを案出するに至った。
【0007】
本発明は、非飲用液体組成物が収納された金属製ボトルにおいて、非飲用液体組成物を誤飲することを防止できる金属製ボトルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0009】
(1)
非飲用液体組成物が収納され、パッキン付きキャップが取り付けられる金属製ボトルであって、
正面断面視で、
口元先端部は少なくとも一部に、径方向の外方に延在する第1延在部を有する、金属製ボトル。
【0010】
(2)
前記正面断面視で、
前記口元先端部は、前記第1延在部と連続して、下向き鉛直方向に延在する第2延在部を有する、(1)に記載の金属製ボトル。
【0011】
(3)
前記第1延在部が現れる正面断面視とは異なる正面断面視で、
前記口元先端部は、径方向の外方よりも鉛直方向の下方に折り曲げられた折り曲げ部をさらに有する、(1)に記載の金属製ボトル。
【0012】
(4)
非飲用液体組成物が収納され、パッキン付きキャップが取り付けられる金属製ボトルであって、
上面視で、
口元先端部は少なくとも一部に、連続的に形成された凹凸部を有する、金属製ボトル。
【0013】
(5)
前記キャップは、計量機構付きである、(1)~(4)のいずれか1つに記載の金属製ボトル。
【0014】
(6)
(1)~(5)のいずれか1つに記載の金属製ボトルに、非飲用液体組成物が収容された非飲用液体組成物入り金属製ボトル。
【0015】
(6)に記載の非飲用液体組成物入り金属製ボトルと、
非飲用液体組成物が充填された詰め替え用パウチと、を有する、パウチ付き金属製ボトル。
【発明の効果】
【0016】
(1)に記載の金属製ボトルによれば、口元先端部は径方向の外方に延在する第1延在部を有するため、使用者が誤って飲もうとして、口を口元先端部に接触させた際に、不快感や違和感が生じて、誤飲を防止することができる。
【0017】
(4)に記載の金属製ボトルによれば、口元先端部は連続的に形成された凹凸部を有するため、使用者が誤って飲もうとして、口を口元先端部に接触させた際に、口元先端部の凹凸部の段差部に口が接触することで、不快感や違和感が生じて、誤飲を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】第1実施形態に係る金属製ボトルを示す正面図である。
【
図2A】第1実施形態に係る金属製ボトルの口元先端部近傍を示す斜視図である。
【
図2B】パッキン付きキャップを示す正面断面図である。
【
図3】第1実施形態に係る金属製ボトルを示す平面図である。
【
図5】第2実施形態に係る金属製ボトルを示す正面図である。
【
図6】第2実施形態に係る金属製ボトルの口元先端部近傍を示す斜視図である。
【
図7】第2実施形態に係る金属製ボトルを示す平面図である。
【
図9】第3実施形態に係る金属製ボトルを示す正面図である。
【
図10】第3実施形態に係る金属製ボトルの口元先端部近傍を示す斜視図である。
【
図11】第3実施形態に係る金属製ボトルを示す平面図である。
【
図14】第4実施形態に係る金属製ボトルを示す正面図である。
【
図15】第4実施形態に係る金属製ボトルの口元先端部近傍を示す斜視図である。
【
図16】第4実施形態に係る金属製ボトルを示す平面図である。
【
図20】比較例に係る樹脂製ボトルを示す正面図である。
【
図21】比較例に係る樹脂製ボトルを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態を、
図1~
図4を参照しつつ説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0020】
図1は、第1実施形態に係る金属製ボトル1を示す正面図である。
図2Aは、第1実施形態に係る金属製ボトル1の口元先端部13近傍を示す斜視図である。
図2Bは、パッキン付きキャップ90を示す正面断面図である。
図3は、第1実施形態に係る金属製ボトル1を示す平面図である。
図4は、
図3の4-4線に沿う断面図である。
【0021】
金属製ボトル1には、非飲用液体組成物が収納される。非飲用液体組成物としては、特に限定されないが、例えば液体口腔用組成物、洗剤等を挙げることができる。
【0022】
図1、
図2A等に示す金属製ボトル1は、
図2Bに示されるパッキン付きキャップ90が取り付けられる。パッキン付きキャップ90としては、液漏れを防止できるものであれば公知のものを用いることができる。パッキン付きキャップ90には、パッキン91が取り付けられる。
【0023】
キャップを構成する材料は、特に限定されないが、例えば、ポリプロピレンを用いることができる。ここで例えばキャップを構成する材料として金属を用いた場合、金属製ボトル1およびキャップを固定する際に、金属同士の擦れによる傷が生じる可能性がある。しかしながら、キャップがポリプロピレンから構成される場合、金属同士の擦れによる傷の発生を防止することができる。なお、キャップが金属から構成される場合も、本発明に含まれるものとする。
【0024】
また、キャップは計量機構付きであることが好ましい。計量機構としては、
図2Bにおいて計量ライン92で示す段差形状、凸形状、凹形状などの形状や数字や記号の印字を採用することができる。このように計量機構付きとすることで、キャップに移し替えられた内容液を適宜用いることによって、所望の量の内容液を使用することができる。
【0025】
パッキンを構成する材料としては、樹脂製であることが好ましく、例えば、シリコーンを用いることができる。この構成によれば、パッキンの耐久性を向上させることができる。
【0026】
金属製ボトル1は、
図1に示すように、非飲用液体組成物が収容される本体部11と、本体部11の上方に設けられるねじ部12と、ねじ部12の上方に設けられる口元先端部13と、を有する。
【0027】
本体部11は、中空状で肉厚が略一定となるように構成されている。本体部11は、非飲用液体組成物が収容される限りにおいて、構成は限定されない。
【0028】
ねじ部12は、キャップのねじ部(不図示)に螺合される。このように金属製ボトル1のねじ部12およびキャップのねじ部が螺合されることによって、パッキン付きキャップが金属製ボトル1に固定される。
【0029】
口元先端部13は、金属製ボトル1の最上部に設けられる。口元先端部13は、
図4に示すように、正面断面視で、径方向の外方に延在する第1延在部14と、第1延在部14の左端部と連続して上下方向に延在する上下延在部15と、を有する。本実施形態において、第1延在部14は、
図3に示すように、口元先端部13の周方向全周に亘って形成されている。
【0030】
第1延在部14の右側先端部14Aは、
図4に示すように、丸みを有さない角張った形状を備える。この構成によれば、使用者が誤って飲もうとして口を口元先端部13に接触させた際に、角張った形状を備えるため、不快感や違和感がより強く生じて、誤飲をより好適に防止することができる。
【0031】
第1延在部14の径方向の外方に延在する長さL1(
図4参照)は特に限定されないが、1.0~5.0mmであることが好ましく、例えば1.8mmである。ここで、例えば1.0mmよりも小さい場合は、不快感や違和感が小さくなる可能性がある。また5.0mmよりも大きい場合は、成形が困難であって、かつ破損の可能性がある。なお、1.0mmよりも小さい構成および5.0mmよりも大きい構成も本発明に含まれるものとする。
【0032】
上下延在部15は、第1延在部14と連続しており、上下延在部15および第1延在部14の接続箇所は、R形状となるように構成されている。
【0033】
金属製ボトル1は、
図4に示すように略一定の肉厚を有する。金属製ボトル1の肉厚D1(
図4参照)は特に限定されないが、好ましくは0.3~0.8mmであり、より好ましくは0.4~0.7mmであり、例えば0.5mmである。
【0034】
金属製ボトル1を構成する材料は、特に限定されないが、ステンレスを用いることができる。このように金属製とすることによって、樹脂製ボトルに比べて、耐久性が向上し、非飲用液体組成物である内容液を入れ替えて長時間使用可能となり、環境負荷を低減できる。さらに金属製とすることによって、樹脂製ボトルに比べて、デザイン性を向上させることができ、外観性を向上できる。
【0035】
以上説明したように、第1実施形態に係る金属製ボトル1は、非飲用液体組成物が収納され、パッキン付きキャップが取り付けられる金属製ボトル1であって、正面断面視で、口元先端部13は全周に、径方向の外方に延在する第1延在部14を有する。このように構成された金属製ボトル1によれば、口元先端部13は、径方向の外方に延在する第1延在部14を有するため、使用者が誤って飲もうとして、口を口元先端部13に接触させた際に、不快感や違和感が生じて、誤飲を防止することができる。
【0036】
また、キャップは、計量機構付きである。このように構成された金属製ボトル1によれば、所望の量の内容液を使用することができる。
【0037】
<第2実施形態>
次に、
図5~
図8を参照して、第2実施形態に係る金属製ボトル2の構成について説明する。
【0038】
図5は、第2実施形態に係る金属製ボトル2を示す正面図である。
図6は、第2実施形態に係る金属製ボトル2の口元先端部23近傍を示す斜視図である。
図7は、第2実施形態に係る金属製ボトル2を示す平面図である。
図8は、
図7の8-8線に沿う断面図である。
【0039】
第1実施形態と共通する部分は説明を省略し、第2実施形態のみに特徴のある個所について説明する。なお、上述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付して説明し、重複した説明は省略する。第2実施形態は、第1実施形態と比較して、口元先端部23の構成が異なる。
【0040】
第2実施形態に係る金属製ボトル2は、
図5~
図8に示すように、非飲用液体組成物が収容される本体部11と、本体部11の上方に設けられるねじ部12と、ねじ部12の上方に設けられる口元先端部23と、を有する。本体部11およびねじ部12の構成は、第1実施形態に係る金属製ボトル1と同様であるため、説明は省略する。
【0041】
口元先端部23は、
図5~
図8に示すように、正面断面視で、径方向の外方に延在する第1延在部24と、第1延在部24の左端部と連続して上下方向に延在する上下延在部25と、第1延在部24の右端部と連続して鉛直方向の下向きに延在する第2延在部26と、を有する。本実施形態において、第1延在部24および第2延在部26は、口元先端部23の周方向全周に亘って形成されている。
【0042】
第1延在部24の径方向の外方に延在する長さL2(
図8参照)は、特に限定されないが、1.0~5.0mmであることが好ましく、例えば3.0mmである。ここで、例えば1.0mmよりも小さい場合は、不快感や違和感が小さくなる可能性がある。また5.0mmよりも大きい場合は、成形が困難であって、かつ破損の可能性がある。なお、1.0mmよりも小さい構成および5.0mmよりも大きい構成も本発明に含まれるものとする。
【0043】
上下延在部25は、第1延在部24と連続しており、上下延在部25および第1延在部24の接続箇所は、R形状となるように構成されている。
【0044】
第2延在部26は、第1延在部24と連続しており、第2延在部26および第1延在部24の接続箇所は、R形状となるように構成されている。
【0045】
第2延在部26は、鉛直方向の下向きに延在する。第2延在部26の鉛直方向の下向きに延在する長さL3は特に限定されないが、0.5~1.5mmであることが好ましく、例えば1.0mmである。
【0046】
第2延在部26の下側先端部26Aは、
図8に示すように、丸みを有さない角張った形状を備える。この構成によれば、使用者が誤って飲もうとして口を口元先端部23に接触させた際に、角張った形状を備えるため、不快感や違和感がより強く生じて、誤飲をより好適に防止することができる。
【0047】
以上説明したように、第2実施形態に係る金属製ボトル2では、正面断面視で、口元先端部23は、第1延在部24と連続して、下向き鉛直方向に延在する第2延在部26を有する。このように構成された金属製ボトル1によれば、使用者が誤って飲もうとして、口を口元先端部23に接触させた際に、不快感や違和感が生じて、誤飲を防止することができる。
【0048】
<第3実施形態>
次に、
図9~
図13を参照して、第3実施形態に係る金属製ボトル3の構成について説明する。
図9は、第3実施形態に係る金属製ボトル3を示す正面図である。
図10は、第3実施形態に係る金属製ボトル3の口元先端部33近傍を示す斜視図である。
図11は、第3実施形態に係る金属製ボトル3を示す平面図である。
図12は、
図11の12-12線に沿う断面図である。
図13は、
図11の13-13線に沿う断面図である。
【0049】
第1実施形態と共通する部分は説明を省略し、第3実施形態のみに特徴のある個所について説明する。なお、上述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付して説明し、重複した説明は省略する。第3実施形態は、第1実施形態と比較して、口元先端部33の構成が異なる。
【0050】
第3実施形態に係る金属製ボトル3は、
図9~
図13に示すように、非飲用液体組成物が収容される本体部11と、本体部11の上方に設けられるねじ部12と、ねじ部12の上方に設けられる口元先端部33と、を有する。本体部11およびねじ部12の構成は、第1実施形態に係る金属製ボトル1と同様であるため、説明は省略する。
【0051】
口元先端部33は、
図11、
図12に示すように、
図11の12-12線に沿う正面断面視で、径方向の外方よりも鉛直方向の下方に折り曲げられた折り曲げ部34と、折り曲げ部34の左端部と連続して上下方向に延在する上下延在部35と、を有する。
【0052】
折り曲げ部34は、
図11に示すように、上面から視たときに周方向に亘って角度θ1だけ、4か所に形成されている。角度θ1は、特に限定されないが、30~60°であって、例えば52°である。
【0053】
折り曲げ部34の上下延在部35に対して傾斜する角度θ2(
図12参照)は、特に限定されないが、20~45°であって、例えば30°である。
【0054】
また、折り曲げ部34の長さL4(
図12参照)は、特に限定されないが、0.5~3.0mmであることが好ましく、例えば1.1mmである。ここで、例えば0.5mmよりも小さい場合は、不快感や違和感が小さくなる可能性がある。また3.0mmよりも大きい場合は、成形が困難であって、かつ破損の可能性がある。なお、0.5mmよりも小さい構成および3.0mmよりも大きい構成も本発明に含まれるものとする。
【0055】
上下延在部35は、折り曲げ部34と連続しており、上下延在部35および折り曲げ部34の接続箇所は、R形状となるように構成されている。
【0056】
また、口元先端部33は、
図11、
図13に示すように、
図11の13-13線に沿う正面断面図で、径方向の外方に延在する第1延在部36と、第1延在部36の左端部と連続して上下方向に延在する上下延在部37と、を有する。
【0057】
第1延在部36は、
図11に示すように、上面から視たときに周方向に亘って角度θ3だけ、4か所に形成されている。角度θ3は、特に限定されないが、30~60°であって、例えば38°である。折り曲げ部34および第1延在部36がそれぞれ上面から視たときに4か所形成される場合、角度θ1および角度θ3の和は90°になる。また、この第1延在部36は、4か所に限定されず、2~8カ所の範囲から選ぶことも可能である。
【0058】
第1延在部36の径方向の外方に延在する長さL5(
図13参照)は、特に限定されないが、0.5~4.0mmであることが好ましく、例えば1.8mmである。ここで、例えば0.5mmよりも小さい場合は、不快感や違和感が小さくなる可能性がある。また4.0mmよりも大きい場合は、成形が困難であって、かつ破損の可能性がある。なお、0.5mmよりも小さい構成および4.0mmよりも大きい構成も本発明に含まれるものとする。
【0059】
上下延在部37は、第1延在部36と連続しており、上下延在部37および第1延在部36の接続箇所は、R形状となるように構成されている。
【0060】
このように第3実施形態に係る金属製ボトル3において、上面から視たときに、口元先端部33は、第1延在部36が全周に亘って形成されず、折り曲げ部34が部分的に形成されている。
【0061】
以上説明したように、第3実施形態に係る金属製ボトル3では、第1延在部36が現れる正面断面視とは異なる正面断面視で、口元先端部33は、径方向の外方よりも鉛直方向の下方に折り曲げられた折り曲げ部34を有する。このように構成された金属製ボトル3によれば、使用者が誤って飲もうとして、口を口元先端部33に接触させた際に、不快感や違和感が生じて、誤飲を防止することができる。特に使用者が、口を口元先端部33のうち、折り曲げ部34および第1延在部36の境界に接触させた際に、不快感や違和感がより強く生じて、誤飲をより好適に防止することができる。さらに、第3実施形態に係る金属製ボトル3では、上面から視たときに、口元先端部33は、第1延在部36が全周に亘って形成されず、折り曲げ部34が部分的に形成されているため、円形状を備えない。このため、使用者が誤って飲むことを視覚的な面からも防止することができる。
【0062】
<第4実施形態>
次に、
図14~
図19を参照して、第4実施形態に係る金属製ボトル4の構成について説明する。
図14は、第4実施形態に係る金属製ボトル4を示す正面図である。
図15は、第4実施形態に係る金属製ボトル4の口元先端部43近傍を示す斜視図である。
図16は、第4実施形態に係る金属製ボトル4を示す平面図である。
図17は、
図14の17-17線に沿う断面図である。
図18は、
図16の18-18線に沿う断面図である。
図19は、
図16の19-19線に沿う断面図である。
【0063】
第1実施形態と共通する部分は説明を省略し、第4実施形態のみに特徴のある個所について説明する。なお、上述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付して説明し、重複した説明は省略する。第4実施形態は、第1実施形態と比較して、口元先端部43の構成が異なる。
【0064】
第4実施形態に係る金属製ボトル4は、
図14~
図19に示すように、非飲用液体組成物が収容される本体部11と、本体部11の上方に設けられるねじ部12と、ねじ部12の上方に設けられる口元先端部43と、を有する。本体部11およびねじ部12の構成は、第1実施形態に係る金属製ボトル1と同様であるため、説明は省略する。
【0065】
口元先端部43は、
図16、
図18に示すように、
図16の18-18線に沿う正面断面視で、鉛直方向の下向きに延在する第3延在部44と、第3延在部44の上端部と連続して上下方向に延在する上下延在部45と、を有する。
【0066】
第3延在部44の鉛直方向の長さL6(
図18参照)は、特に限定されないが、1.0~5.0mmであることが好ましく、より好ましくは、2.0~4.0mmであり、例えば3.0mmである。
【0067】
上下延在部45は、第3延在部44と連続しており、上下延在部45および第3延在部44の接続箇所は、R形状となるように構成されている。
【0068】
また、口元先端部43は、
図16、
図19に示すように、
図16の19-19線に沿う正面断面図で、鉛直方向の下向きに延在する第3延在部46と、第3延在部46の上端部と連続して上下方向に延在する上下延在部47と、を有する。
【0069】
第3延在部46の鉛直方向の長さL7(
図18参照)は、特に限定されないが、0.1~3.0mmであることが好ましく、より好ましくは、0.1~2.0mmであり、例えば1.0mmである。
【0070】
第3延在部44の鉛直方向の長さL6と第3延在部46の鉛直方向の長さL7の差は、特に限定されないが、1.0mm以上であることが好ましく、1.5mm以上がより好ましい。ただし、上限値としては、4.9mmである。L6とL7の差が大きいほど、不快感や違和感が大きくなり、誤飲防止に優れる。
【0071】
上下延在部47は、第3延在部46と連続しており、上下延在部47および第3延在部46の接続箇所は、R形状となるように構成されている。
【0072】
このように第4実施形態に係る金属製ボトル4において、
図14の17-17線に沿う上面断面視で、口元先端部43は全周に亘って連続的に形成された凹凸部49を備える。
【0073】
以上説明したように、第4実施形態に係る金属製ボトル4は、非飲用液体組成物が収納され、パッキン付きキャップが取り付けられる金属製ボトル4であって、上面断面視で、口元先端部43は全周に連続的に形成された凹凸部49を有する。このように構成された金属製ボトル4によれば、口元先端部43は連続的に形成された凹凸部49を有するため、使用者が誤って飲もうとして、口を口元先端部43に接触させた際に、口元先端部43の凹凸部49の段差部48に口が接触することで、不快感や違和感が生じて、誤飲を防止することができる。
【0074】
<実施例>
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限られるものではない。
【0075】
<誤飲防止>
実施例1として、第1実施形態に係る金属製ボトル1を準備し、実施例2として、第2実施形態に係る金属製ボトル2を準備し、実施例3として、第3実施形態に係る金属製ボトル3を準備し、実施例4として、第4実施形態に係る金属製ボトル4を準備した。比較例として、
図20~
図22に示す樹脂製ボトル900を準備した。比較例に係る樹脂製ボトル900は、第4実施形態に係る金属製ボトル4の
図18に示す第3延在部44が周方向の全周に設けられる構成となっている。
【0076】
評価方法としては、被験者9名が、NONIOマウスウォッシュ(クリアハーブミント、ライオン(株)製)を充填したボトル(実施例および比較例)に対して、直接口を付けた際に、唇に感じる違和感を7段階評価にて評価し、平均点を算出した。
【0077】
評価基準としては、5点:非常に感じる、4点:かなり感じる、3点:感じる、2点:やや感じる、1点:感じないとした。
【0078】
評価結果としては、実施例1に係る金属製ボトルでは、平均点が3.7点で、実施例2に係る金属製ボトルでは、平均点が4.3点で、実施例3に係る金属製ボトルでは、平均点が4.2点で、実施例4に係る金属製ボトルでは、平均点が4.2点で、比較例に係る樹脂製ボトルでは、平均点が2.2点であった。この結果から、実施形態1~4に係る金属製ボトルでは、違和感を生じることが分かった。
【0079】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で種々改変することができる。
【0080】
例えば、上述した第1実施形態では、第1延在部14は口元先端部13の周方向全周に亘って形成されたが、第1延在部は、全周のうち一部に設けられていてもよい。
【0081】
また、上述した第4実施形態では、口元先端部43は全周に亘って凹凸部49が形成されたが、全周の一部に凹凸部が形成されてもよい。
【符号の説明】
【0082】
1、2、3、4 金属製ボトル、
10 金属製ボトル、
13、23、33、43 口元先端部、
14、24、36 第1延在部、
26 第2延在部、
34 折り曲げ部、
49 凹凸部、
90 パッキン付きキャップ、
91 パッキン、
92 計量ライン。