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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083736
(43)【公開日】2024-06-24
(54)【発明の名称】空調装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/20 20060101AFI20240617BHJP
   F24F 11/79 20180101ALI20240617BHJP
   F24F 11/30 20180101ALI20240617BHJP
   F24F 1/0018 20190101ALI20240617BHJP
【FI】
F24F1/0007 401D
F24F11/79
F24F11/30
F24F1/0018
F24F1/0007 401Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197723
(22)【出願日】2022-12-12
(71)【出願人】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】莅戸 智史
(72)【発明者】
【氏名】山崎 真吾
(72)【発明者】
【氏名】藤田 秀穂
(72)【発明者】
【氏名】森田 誠
【テーマコード(参考)】
3L049
3L051
3L260
【Fターム(参考)】
3L049BB07
3L051BC10
3L260BA61
3L260FC15
3L260FC16
3L260FC40
3L260HA02
(57)【要約】
【課題】ファンを清掃することのできる空調装置を提供する。
【解決手段】
空気取入口41及び空気吹出口42を設けたケース40と、ファン33と、ファン33の送風を空気吹出口42に案内するガイド面部45と、空気吹出口42から吹き出す送風の左右方向を決定する左右ルーバー37と、ファン清掃機構と、ガイド面部清掃機構とを有する空調装置において、左右ルーバー37を左右どちらかに動作させたままの状態でファン清掃機構によるファン33の清掃運転を行うと共に、ガイド面部清掃機構によるガイド面部の清掃運転を行うので、左右ルーバー37のルーバー間を送風が通りにくくなって、ファン33から落下した埃が左右ルーバー37の下方のガイド面部付近に落下し、その埃をガイド面部清掃機構で清掃することで、ファン33から落下した埃を除去することができる。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部からの空気を取り入れ可能な空気取入口及び取り入れられた空気を外部へ吹出し可能な空気吹出口が開けられているケースと、このケースに回転可能に支持され回転することにより送風を行なうファンと、前記ケースに形成され前記ファンの送風する空気を前記空気吹出口に向かってガイドするガイド面部と、前記ファンの送風する空気を前記ケースから吹き出させる時、吹き出す左右方向を決定する左右ルーバーと、前記ファンを清掃するファン清掃機構と、前記ガイド面部を清掃するガイド面部清掃機構を有する空調装置において、前記左右ルーバーを左右どちらかに動作させたままの状態で前記ファン清掃機構による前記ファンの清掃運転と、前記ガイド面部清掃機構による前記ガイド面部の清掃運転を行うことを特徴とする空調装置。
【請求項2】
前記ファンの清掃運転を行うとき、前記左右ルーバーを通常の可動範囲を超えて左右どちらかに動作させたままの状態で前記ファン清掃機構による前記ファンの清掃運転を行うことを特徴とする請求項1記載の空調装置。
【請求項3】
前記左右ルーバーの下流側に位置し、前記空気吹出口を開閉すると共に吹き出す上下方向を決定する上下ルーバーを有し、前記ファン清掃機構による前記ファンの清掃運転の時、前記上下ルーバーで前記空気吹出口を閉鎖することを特徴とする請求項2記載の空調装置。
【請求項4】
前記ファン清掃機構に前記ファンと接触して前記ファンの埃を除去するブラシ部を設け、前記ブラシ部は前記ファンの背面で前記空気吹出口よりも上の位置に設けたことを特徴とする請求項1~3記載の空調装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は室内の温度を調節するための空調装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものでは、リモコン操作によりユーザから貫流ファンから塵埃を除去する清掃運転開始の指示が与えられた場合、清掃運転を開始する前に横ルーバフィルタは閉じ、室内機の主吹出し口を遮蔽した後、清掃運転を行なうものがあった。(例えば、特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-267249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この従来のものでは、清掃運転を開始する前に横ルーバフィルタは閉じ、室内機の主吹出し口を遮蔽した後に清掃運転を行なうので、横ルーバフィルタに除去した貫流ファンの塵埃が付着し、清掃運転の後に横ルーバフィルタを清掃しなくてはならなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1では、外部からの空気を取り入れ可能な空気取入口及び取り入れられた空気を外部へ吹出し可能な空気吹出口が開けられているケースと、このケースに回転可能に支持され回転することにより送風を行なうファンと、前記ケースに形成され前記ファンの送風する空気を前記空気吹出口に向かってガイドするガイド面部と、前記ファンの送風する空気を前記ケースから吹き出させる時、吹き出す左右方向を決定する左右ルーバーと、前記ファンを清掃するファン清掃機構と、前記ガイド面部を清掃するガイド面部清掃機構を有する空調装置において、前記左右ルーバーを左右どちらかに動作させたままの状態で前記ファン清掃機構による前記ファンの清掃運転と、前記ガイド面部清掃機構による前記ガイド面部の清掃運転を行うものである。
【0006】
又、請求項2では、前記ファンの清掃運転を行うとき、前記左右ルーバーを通常の可動範囲を超えて左右どちらかに動作させたままの状態で前記ファン清掃機構による前記ファンの清掃運転を行うものである。
【0007】
又、請求項3では、前記左右ルーバーの下流側に位置し、前記空気吹出口を開閉すると共に吹き出す上下方向を決定する上下ルーバーを有し、前記ファン清掃機構による前記ファンの清掃運転の時、前記上下ルーバーで前記空気吹出口を閉鎖するものである。
【0008】
又、請求項4では、前記ファン清掃機構に前記ファンと接触して前記ファンの埃を除去するブラシ部を設け、前記ブラシ部は前記ファンの背面で前記空気吹出口よりも上の位置に設けたものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明の請求項1によれば、左右ルーバーを左右どちらかに動作させたままの状態でファン清掃機構によるファンの清掃運転と、前記ファンの清掃運転終了後、前記ガイド面部清掃機構による前記ガイド面部の清掃運転を行うので、左右ルーバーのルーバー間を送風が通りにくくなって、ファンから除去された埃が左右ルーバーの手前付近に落下し、左右ルーバーの下流側の上下ルーバーまで到達せず、ファン清掃機構によるファンの清掃運転と共に、左右ルーバー付近のガイド面部をガイド面部清掃機構で清掃することで、ファンから除去された埃を清掃することができる。
【0010】
又、請求項2によれば、ファンの清掃運転を行うとき、左右ルーバーを通常の可動範囲を超えて左右どちらかに動作させたままの状態でファン清掃機構によるファンの清掃運転を行うので、左右ルーバーのルーバー間を極力狭くして送風が非常に通りにくい状態とし、ファンから除去された埃が左右ルーバーの手前付近に落下した後、左右ルーバーの先の上下ルーバーまでより到達しないようにして、ファン清掃機構によるファンの清掃運転と共に、左右ルーバー付近のガイド面部をガイド面部清掃機構で清掃することで、ファンから除去された埃を清掃することができる。
【0011】
又、請求項3によれば、左右ルーバーの下流側に位置し、空気吹出口を開閉すると共に吹き出す上下方向を決定する上下ルーバーと、ガイド面部を清掃するガイド面部清掃機構を有し、ファン清掃機構によるファンの清掃運転の時、上下ルーバーで空気吹出口を閉鎖し、ファンの清掃運転が終了した後、ガイド面部清掃機構によるガイド面部の清掃運転を行うので、左右どちらかに動作させたままの状態の左右ルーバーを通過した埃があっても、上下ルーバーが空気吹出口を閉鎖しており、ファンから除去された埃が室内に吹き出すのを防止できる。
【0012】
又、請求項4によれば、ファン清掃機構にファンと接触してファンの埃を除去するブラシ部を設け、ブラシ部はファンの背面で空気吹出口よりも上の位置に設けたので、ファンの風の発生が一番弱い位置でファンの埃を除去し、ファンの発生する風で除去した埃が飛んでいくのを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】この発明の一実施形態の空調装置の模式図。
図2】同室内機の斜視図。
図3】同室内機に用いられているケースからファンが外された状態の斜視図。
図4】同室内機を右側面側から見た状態の断面図。
図5】同清掃機構の拡大図。
図6】同清掃機構の断面図。
図7】同制御ブロック図。
図8】同フローチャート図。
【0014】
図1を参照する。図1には、本発明による空調装置10が示されている。空調装置10は、屋内Inを冷却する冷房機能と、屋内Inを暖房する暖房機能と、を備えている。
【0015】
空調装置10は、屋外Ouに設けられた室外機20及び屋内Inに設けられた室内機30を備えてなる。室外機20と、室内機30とは、冷媒を循環させることができるよう互いに接続されている。以下、特に説明のない限り、冷媒の循環する方向は、冷房運転時を基準とする。
【0016】
室外機20は、冷房運転時及び暖房運転時における冷媒の循環する方向を切り替える四路切替弁21と、この四路切替弁21を通過した冷媒が流され冷媒を圧縮する圧縮機22と、この圧縮機22において圧縮され高温高圧となった冷媒が流れる室外熱交換器23と、この室外熱交換器23に向かって送風を行う室外ファン24と、室外熱交換器23を通過した冷媒を減圧する膨張弁25と、を有する。
【0017】
室内機30は、屋内Inにおいて壁Waに掛けて用いられる。室内機30のケース40は、支持板を介して壁Waに固定されている。左右方向に延びるケース40には、屋内Inの空気をケース40内に取り込み屋内Inへ送風を行うファン33と、このファン33が取り込んだ空気と熱交換を行う熱交換器34と、ケース40の内部に付着した塵埃を払拭可能な払拭機構50と、が収納されている。
【0018】
冷房運転時において、圧縮機22で高温高圧とされた冷媒は、室外熱交換器23において外気と熱交換を行い、熱を放出する。このとき、室外ファン24が作動することによって、外気を強制的に室外熱交換器23の外周に流し、熱交換を促す。室外熱交換器23を通過し熱を放出した冷媒は、膨張弁25において減圧され、温度が低下する。温度が低下した冷媒は、室内機30に送られる。
【0019】
室内機30のケース40には、ファン33が作動することにより空気が導入される。導入された空気は、熱交換器34の外周を通過し、屋内Inに送風される。熱交換器34には、室外機20において冷却された冷媒が供給されている。熱交換器34の外周を通過する空気は、冷媒と熱交換を行い、冷却される。屋内Inには、冷却された空気が送風される。
又、暖房運転時には、四路切替弁21が冷媒の流路を切り替え、冷房運転時とは逆方向に冷媒を循環させる。
【0020】
図2を参照する。ケース40の上面には、外部(屋内In)からの空気を取り入れ可能な空気取入口41が開けられている。ケース40の前下部には、外部(屋内In)へ空気を吹出し可能な空気吹出口42が開けられている。空気吹出口42には、空気吹出口42を開閉可能であると共に、空気の吹き出す方向を上下方向に調整可能な上下ルーバー36が設けられている。
【0021】
図3及び図4を参照する。又、上下ルーバー36(図2参照)の後方には、空気の吹き出す方向を左右方向に調整可能な左右ルーバー37が設けられている。ケース40は、ファン33を回転可能に支持しているケース本体部43と、このケース本体部43に固定されケース本体部43の一部を覆っているカバー部44と、を有する。
【0022】
ケース40には、ファン33の送風する空気を空気吹出口42(図2参照)に向かってガイドするガイド面部45が形成されている。ガイド面部45は、ファン33の軸線Cが延びる方向に沿ってケース40の長手方向に亘って形成されている。以下、ファン33とガイド面部45との間の空間を、送風された空気が流れる送風路APという。
【0023】
ガイド面部45は、ケース本体部43の前面とカバー部44の前面とによって形成されている。以下、ガイド面部45のうち、ケース本体部43によって構成されている部位を本体側ガイド面部43aといい、カバー部44によって構成されている部位をカバー側ガイド面部44aということがある。ガイド面部45という場合には、本体側ガイド面部43aとカバー側ガイド面部44aとの両方を含む。
又、ケース本体部43には、払拭機構50の一部が収納されている伝達部収納部43bが形成されている。
【0024】
図4及び図5を参照する。伝達部収納部43bは、ケース本体部43の下部において後方に略U字状に突出している部位であり、ケース本体部43の長手方向に亘って形成されている。伝達部収納部43bの前方はカバー部44によって覆われている。
【0025】
カバー部44は、カバー側ガイド面部44aの裏面から伝達部収納部43bに向かって突出しカバー部44を補強するリブ44bが形成されている。
【0026】
ケース本体部43とカバー部44との間には、所定の間隔の間隙である間隙部Spが形成されている。間隙部Spは、略同一の幅でケースの長手方向に亘って形成されている。
【0027】
払拭機構50は、駆動部60と、この駆動部60によって駆動されガイド面部45に沿って移動可能であると共にガイド面部45に付着した塵埃を払拭可能な払拭部70と、を有する。
【0028】
図6を参照する。駆動部60は、ケース40の右端部に設けられ通電することにより作動するモータ61と、このモータ61に接続され払拭部70にモータ61の駆動力を伝達する駆動力伝達部62と、を有する。なお、モータ61は左端部に設けられていても良い。
【0029】
駆動力伝達部62は、伝達部収納部43bに収納されている。駆動力伝達部62は、モータ61の駆動力を伝達可能であり複数のギヤによって構成されるギヤ部62aと、このギヤ部62aに一体的に設けられギヤ部62aが回転することにより共に回転する駆動プーリ62bと、この駆動プーリ62bが回転することにより変位し払拭部70を支持している支持伝達部62cと、有する。
【0030】
又、駆動力伝達部62は、ケース本体部43の駆動プーリ62bが設けられるのとは逆側の端部に設けられている従動プーリを有する。
【0031】
支持伝達部62cには、歯付きロープ(シンクロメッシュロープ)を用いることができる。支持伝達部62cは、ケース本体部43の左右両端にそれぞれ設けられた駆動プーリ62bと従動プーリとに、環状に掛け渡されている。ロープ状の支持伝達部62cの両端は、それぞれ払拭部70に接続されて環状とされている、ということもできる。
【0032】
図4を参照する。払拭部70は、支持伝達部62cに接続され駆動部60が作動することにより左右方向に従動する従動部71と、この従動部71に回転可能に支持され上面が伝達部収納部43bに当接可能な第1ガイドローラ72と、従動部71に回転可能に支持され側面がリブ44bに当接している第2ガイドローラ73と、従動部71の先端に一体的に形成されガイド面部45に沿った形状を呈する払拭本体部74と、この払拭本体部74に設けられガイド面部45に当接しているシート75と、払拭本体部74からファン33に向かって延び先端がファン33に接触可能なブラシ部76と、を有し、ファン清掃機構とガイド面部清掃機構とを構成する。
【0033】
従動部71には、ワイヤ状の支持伝達部62cの両端が接続されている。これにより、払拭部70と駆動部60とが連結されている。従動部71の先端は、間隙部Spを貫通して送風路APに臨んでいる。
なお、払拭部70と駆動部60とは、ガイド面部45を挟んで磁石によって連結されていても良い。
【0034】
第1ガイドローラ72は、下面が伝達部収納部43bに当接していても良い。又、第2ガイドローラ73は、右側の側面が伝達部収納部43bに当接していても良い。なお、リブ44bが第2ガイドローラ73に当接可能な位置に形成されている場合には、カバー部44を補強するためのリブ44bによって、第2ガイドローラ73をガイドすることが可能となる。
【0035】
シート75は、不織布やスポンジ等によって構成することができる。シート75は、払拭本体部74に対して着脱可能に設けられている。
又、ブラシ部76は、払拭本体部74に対して前後方向にスイング可能に設けられている。
【0036】
次に払拭機構50によるガイド面部45及びファン33の清掃について説明する。
図6を参照する。例えば、空調装置10は、運転停止信号を受けた後や操作者の操作による清掃指示信号を受けた際に清掃を開始する。まず、上下ルーバー36を動作して、空気吹出口42を閉鎖する。そして、次に左右ルーバー37を右向き若しくは左向きに動作する。この時、左右ルーバー37は通常の可動範囲を超えて、限界可動範囲まで右向き若しくは左向きに動作して停止する。
【0037】
そして次にモータ61が作動すると、ギヤ部62a及び駆動プーリ62bが回転する。駆動プーリ62bが回転すると、支持伝達部62c上に設けられている払拭部70が左右方向に移動する。
【0038】
図4及び図5を参照する。ガイド面部45にはシート75が当接し、ファン33にはブラシ部76が当接している。この状態で払拭部70が間隙部Spに沿って移動することにより、ガイド面部45に付着した塵埃はシート75により払拭される。
又、ファン33に付着した塵埃もブラシ部76によって払拭される。
このとき、ファン33をごく低速に回転させておくことにより全ての羽根を清掃することができる。
【0039】
このブラシ部76は、ファン33の背面で空気吹出口42の上部よりも上の位置に設けたので、最も発生する風が弱い領域でファン33にブラシ部76が当接する。それにより、ブラシ部76によって払拭された塵埃は、ファン33から落下してもファン33が発生する風が弱いため吹き飛んで行くことなく、ファン33の下に位置するカバー部44に落下する。
【0040】
又、この時、左右ルーバー37は通常の可動範囲を超えて、限界可動範囲まで右向き若しくは左向きに動作して停止しているので、左右ルーバー37のルーバー間が非常に狭くなって送風が通りにくくなっている。そのため、ファン33をごく低速に回転させることで発生する微風は左右ルーバー37のルーバー間が抵抗となって更に低速で通過する。それにより、ブラシ部76によって払拭された塵埃は、ファン33から落下してもファン33が発生する風が非常に低速となり、ファン33の下に位置するカバー部44に落下するものである。
【0041】
そして、払拭本体部74にシート75とブラシ部76の両方が設けられることにより、シート75とブラシ部76とは近接して配置されている。このため、ブラシ部76によってファン33からガイド面部45に塵埃を落とし、シート75によって払拭することができる。
【0042】
払拭機構50の空気流れ下流側に左右ルーバー37(図3参照)が配置されているので、ファン33とガイド面部45との間の送風路APに手を入れて清掃することが困難であることから、ガイド面部45に沿って移動可能な払拭機構50を設けることで、簡易にガイド面部45に付着した塵埃を除去できる。
【0043】
次に、空調装置10の効果を説明する。
図2を参照する。空調装置10は、外部からの空気を取り入れ可能な空気取入口41及び取り入れられた空気を外部へ吹出し可能な空気吹出口42が開けられているケース40と、このケース40に回転可能に支持され回転することにより送風を行なうファン33と、を有する。
【0044】
図5を参照する。又、ケース40には、ファン33の送風する空気を空気吹出口42(図2参照)に向かってガイドするガイド面部45がファン33の軸線Cが延びる方向に沿って形成されている。又、ガイド面部45に付着した塵埃を払拭可能な払拭機構50を有する。
【0045】
ファン33とガイド面部45との間の送風路APには、手を入れることが難しく、清掃を行うことが困難であり、塵埃が溜まりやすい。ガイド面部45に沿って移動可能な払拭機構50を設けることにより、ガイド面部45に付着した塵埃を払拭することができ、ガイド面部45を清掃することのできる空調装置の提供することができる。
【0046】
特に、ルーバー36、37(図2参照)を有する空調装置10は、送風路APの前下部にルーバー36、37があるため手を入れることが難しい。払拭機構50は、ルーバー36、37を有する空調装置10に特に好ましい。
【0047】
図4を参照する。払拭機構50は、駆動部60と、この駆動部60によって駆動されガイド面部45に沿って移動可能であると共にガイド面部45に付着した塵埃を払拭可能な払拭部70と、を有する。
【0048】
図5及び図6を参照する。駆動部60は、通電することにより作動するモータ61と、このモータ61に接続され払拭部70にモータ61の駆動力を伝達する駆動力伝達部62と、を含む。又、駆動力伝達部62(支持伝達部62c)は、ファン33の軸線Cに略平行に延びている。通常、空調装置10は、ファン33の軸線Cに沿う方向(左右方向)に長い。駆動力伝達部62を軸線Cに略平行に伸ばすことにより、払拭部70を長手方向に移動させながら清掃を行うことができる。幅方向(上下方向)に払拭部70を移動させる場合には、長手方向に亘って払拭部70を設ける必要がある。このため、払拭部70を幅方向に移動させる場合に比べて払拭部70の小型化を図ることができる。
【0049】
ケース40には、駆動力伝達部62が収納されている伝達部収納部43bが形成され、駆動力伝達部62とファン33との間には、伝達部収納部43bを覆っていると共にガイド面部45の一部を構成しているカバー部44が設けられている。駆動力伝達部62をカバー部材によって覆うことにより、送風路APに払拭部70のみを臨ませることができる。駆動力伝達部62(支持伝達部62c)が送風の妨げになることを抑制し、室内に円滑に送風を行うことができる。
【0050】
カバー部44の端部に沿って、伝達部収納部43bに臨む所定の間隔の間隙部Spが形成され、払拭機構50の一部は間隙部Spを貫通している。カバー部44の端部に必然的に形成される継ぎ目となる部位を利用して払拭機構50の一部を伝達部収納部43bに収納し、残部を送風路APに臨ませることができる。
【0051】
図7を参照する。
以下に、空調装置10の制御部300(107,207)の1構成例について、説明する。
制御部300は、例えば2つの制御部(第1制御部及び第2制御部)で構成され、図7において、制御部107(室内制御部)及び室外制御部207である。
【0052】
図7(又は図1)の室内機30は、入力部301を備えることができ、入力部301は、例えば赤外線受信モジュールであるリモコン入力部(リモートコントローラ入力部)であるが、これに限定されるものではない。
入力部301がリモコン入力部である場合に、操作者は、図示されないリモコン(リモートコントローラ)を介して、1例として、冷房運転又は暖房運転(運転モード)を選択可能である。
【0053】
これに応じて、制御部107は、入力部301又はリモコン入力部を介して、運転モードとして、冷房運転又は暖房運転を設定可能である。
具体的には、操作者がリモコンの例えば冷房ボタン(図示せず)を押す場合に、冷房運転の選択を表す信号がリモコンから送信され、リモコン入力部がその信号を受信し、制御部107は、冷房運転の選択を認識又は判定し、制御部107に冷房運転が設定される。
【0054】
制御部107は、例えばCPU、ROM、RAM等で構成されるマイコン(マイクロコンピュータ)であるが、これに限定されるものではない。
制御部107がマイコンである場合に、ROMは、CPUに所定の動作を実行させるプログラムを記憶し、RAMは、CPUのワーク領域を形成することができる。
又、ROMは、制御部107に設定された運転及びその運転を実行するために必要なデータを記憶することができる。
【0055】
制御部107がマイコンである場合に、制御部107は、その内部に記憶部(図示せず)を備えているが、空調装置10(室内機30、室外機20)は、制御部107、室外制御部207等の制御部300の外部に記憶部(室内記憶部、室外記憶部)を有しても良い。
言い換えれば、制御部300(制御部107,室外制御部207)は、様々なデータ(設定データを含む)を制御部300(制御部107,室外制御部207)の内部ないし外部に記憶することができる。
【0056】
制御部107に冷房運転が設定されるとき、制御部107は、冷房運転の開始を室外機20(配線109又は信号線を介して室外制御部207)に指示することができる。
次に、操作者がリモコンの例えば暖房ボタン(図示せず)を押す場合に、制御部107に暖房運転が設定されて、制御部107は、暖房運転の開始を室外機20(室外制御部207)に指示することができる。
【0057】
代替的に、操作者がリモコンの例えば停止ボタン(図示せず)を押す場合に、制御部107に、現在実施されている運転モード(例えば、冷房運転又は暖房運転)の停止が設定されて、制御部107は、冷房運転又は暖房運転の停止を室外機20(室外制御部207)に指示することができる。
【0058】
なお、リモコンは、例えば温度設定ボタン(図示せず)を有してもよく、室内機30は、例えば室温を検出する検出部(温度センサ)を有してもよく、操作者からの設定温度が制御部107に設定されても良い。
この場合、制御部107は、例えば室温に応じて、ファン33の回転数(冷房回転数、暖房回転数等)を調整しても良い。
好ましくは、制御部107に設定温度が設定されて、制御部107は、例えば室温と設定温度との差に応じて、ファン33の回転数(冷房回転数、暖房回転数等)を調整することができる。
【0059】
好ましくは、リモコンは、例えば自動清掃設定ボタン(図示せず)を有し、操作者からの操作(自動清掃のON(入)又はOFF(切))が制御部107に設定される。
自動清掃がONである場合、例えば冷房運転又は暖房運転が停止されるとき、室内機30は、少なくともガイド面部45に付着した塵埃の除去を準備又は開始することができる。
【0060】
好ましくは、ファン清掃機構は、払拭機構50であり、自動清掃(払拭機構50の起動モード)がON(自動)である場合、例えば冷房運転又は暖房運転が停止されるとき、室内機30は、ファン33に付着した塵埃の除去だけでなく、ガイド面部45(ファン33とガイド面部45との間の送風路AP)に付着した塵埃の除去も準備又は開始する。
【0061】
好ましくは、空調装置10は、室内機30の内部を乾燥させる内部乾燥運転を実施することができる。
制御部107に内部乾燥運転が設定されるとき、制御部107は、内部乾燥運転を室外機20に指示することができる。
内部乾燥運転は、好ましくは、微弱な暖房運転(内部乾燥運転用の暖房運転)と送風運転(内部乾燥運転用の送風運転)とを交互に実施し、例えば、送風運転が3分間実施され、その後に、微弱な暖房運転が3分間実施される。
送風運転及び微弱な暖房運転がそれぞれ合計10回実施され、内部乾燥運転が合計60分間実施される。
【0062】
図8を参照する。
室内機30が、清掃機構として、シート75及びブラシ部76を備え、且つ、制御部107に、操作者からの操作として、自動清掃のON(入)が設定される場合において、言い換えれば、冷房運転若しくは除湿運転又は暖房運転の停止後にファン33及び送風路APのガイド面部45の清掃が自動で実施されるように設定される場合において、空調装置10の制御部300(107,207)の制御について、説明する。
【0063】
ファン33及び送風路APのガイド面部45の清掃が自動に設定される場合において、例えば、操作者がリモコンの例えば停止ボタンを押すことによってリモコンで生成された運転停止信号は、入力部301に入力又は受信される。
【0064】
そして、制御部107は、上下ルーバー36を動作して、空気吹出口42を閉鎖する。そして、次に左右ルーバー37を右向き若しくは左向きに動作する。この時、左右ルーバー37は通常の可動範囲を超えて、限界可動範囲まで右向き若しくは左向きに動作して停止する。
【0065】
そして、ファン33及び送風路APに付着した塵埃を除去するために、自動清掃運転が制御部107に設定され、制御部107は、払拭部70を駆動部60(モータ61)で左方向に移動を開始させると共に、ファン33を超低回転数(例えば、50rpm)で駆動する(送風路クリーニングを開始する)。
【0066】
送風路クリーニングの開始によって、払拭部70は、ファン33の右端から左端側に向い、その後にブラシ部76がファン33の左端に到達する場合、より具体的には、例えばステッピングモータで構成させるモータ61を例えば5000パルスだけ例えば反時計回りに回転させる場合、制御部107は、モータ61を例えば5000パルスだけ例えば時計回りに逆回転させて、払拭部70を駆動部60(モータ61)で右方向に移動させる。
払拭部70が元の位置に戻るとき、制御部107は、払拭部70の駆動を終了(OFF)させると共に、ファン33の駆動も終了(OFF)させる(送風路クリーニングを終了する)。
【0067】
この自動清掃運転によって、ファン33に付いたゴミや塵は、ブラシ部76によって除去され、又ガイド面部45等の送風路は、ガイド面部45等の送風路に付着していたゴミや塵がシート75により拭き取られた状態となって除去される。又、ブラシ部76によって除去されるときにガイド面部45等に落下したファン33に付いていたゴミや塵も、シート75により拭き取られた状態となって除去される。
【0068】
そして、ファン33及び送風路APのガイド面部45の自動清掃が終了すると、右向き若しくは左向きの状態にある左右ルーバー37を通常の向きに戻して自動清掃運転を終了する。
【0069】
なお、清掃機構として、ガイド面部清掃機構とファン清掃機構とが一体に駆動される形態で説明したが、別個に設けてそれぞれ独立して駆動されるようにしてもよい。
この場合、ファン清掃機構によるファン33の清掃運転終了後に、ガイド面部清掃機構によるガイド面部45の清掃運転を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0070】
10 空調装置
33 ファン(室内ファン)
37 左右ルーバー
40 ケース
41 空気取入口
42 空気吹出口
45 ガイド面部
50 清掃機構
60 駆動部
61 モータ
62 駆動力伝達部
74 払拭本体部
75 シート
76 ブラシ部
107、207、300 制御部
AP 送風路
C 軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8