(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083755
(43)【公開日】2024-06-24
(54)【発明の名称】ルアー
(51)【国際特許分類】
A01K 85/00 20060101AFI20240617BHJP
A01K 85/16 20060101ALI20240617BHJP
【FI】
A01K85/00 301Z
A01K85/00 G
A01K85/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197751
(22)【出願日】2022-12-12
(71)【出願人】
【識別番号】515031791
【氏名又は名称】株式会社 ジークラック
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】青木 邦充
【テーマコード(参考)】
2B307
【Fターム(参考)】
2B307BA22
2B307BA30
2B307BA41
2B307BA46
2B307BA70
(57)【要約】
【課題】揺動部材が本体から脱落することを抑制できるルアーを提供する。
【解決手段】ルアー10は、本体20と、可撓性を有する揺動部材40とを備える。本体20の外面には、凹部21が設けられている。揺動部材40は、凹部21に収容されるベース部41と、ベース部41から本体20の外側に突出するとともに水の抵抗を受けることによって揺動する複数の突出部42とを有している。本体20には、ベース部41が収容された凹部21を覆うカバー50が取り付けられている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、可撓性を有する揺動部材とを備えるルアーであって、
前記本体の外面には、凹部が設けられており、
前記揺動部材は、前記凹部に収容されるベース部と、前記ベース部から前記本体の外側に突出するとともに水の抵抗を受けることによって揺動する複数の突出部とを有しており、
前記本体には、前記ベース部が収容された前記凹部を覆うカバーが取り付けられている、
ルアー。
【請求項2】
前記カバーは、前記凹部の内面に対して凹凸の関係により係合している、
請求項1に記載のルアー。
【請求項3】
前記本体と前記カバーとの境界部には、前記複数の突出部が個別に挿入される複数の挿入孔が設けられている、
請求項1に記載のルアー。
【請求項4】
前記本体は、蛍光体からなる複数のラトルが移動可能に収容された収容部を有しており、
前記凹部は、前記収容部の外面に設けられており、
前記揺動部材は、蛍光体からなり、
前記収容部のうち前記凹部の周囲には、前記複数のラトル及び前記揺動部材が発する光を透過させる透過部が設けられている、
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載のルアー。
【請求項5】
前記収容部は、前記複数のラトルの各々が配置可能な大きさを有する内部空間を有しており、
前記本体は、前記複数のラトルの各々の前記内部空間への移動を規制する規制部を有している、
請求項4に記載のルアー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ルアーに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、疑似餌本体と、複数の揺動体を有する集合部材とを備えるルアーが開示されている。疑似餌本体の胴部には、疑似餌本体の長さ方向に延びる凹状の取付部が設けられている。集合部材は、疑似餌本体の長さ方向に並ぶ複数の揺動体と、複数の揺動体同士を連結する棒状の支持部とを有している。支持部が取付部に嵌め入れられることにより、集合部材が疑似餌本体に取り付けられている。これにより、複数の揺動体が疑似餌本体の胴部から突出したルアーが構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載のルアーでは、支持部材を取付部に嵌め入れることにより集合部材が疑似餌本体に取り付けられる。こうしたルアーでは、ルアーの度重なる使用によって集合部材が疑似餌本体から脱落するおそれがあるため、改善の余地を残すものとなっている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためのルアーの各態様を記載する。
[態様1]本体と、可撓性を有する揺動部材とを備えるルアーであって、前記本体の外面には、凹部が設けられており、前記揺動部材は、前記凹部に収容されるベース部と、前記ベース部から前記本体の外側に突出するとともに水の抵抗を受けることによって揺動する複数の突出部とを有しており、前記本体には、前記ベース部が収容された前記凹部を覆うカバーが取り付けられている、ルアー。
【0006】
同構成によれば、揺動部材のベース部が収容された凹部がカバーによって覆われている。このため、凹部から離れる方向へのベース部の移動がカバーによって規制される。したがって、揺動部材が本体から脱落することを抑制できる。
【0007】
[態様2]前記カバーは、前記凹部の内面に対して凹凸の関係により係合している、[態様1]に記載のルアー。
同構成によれば、カバーが凹部の内面に係合するため、カバーが本体から脱落することを抑制できる。したがって、揺動部材が本体から脱落することを一層抑制できる。
【0008】
[態様3]前記本体と前記カバーとの境界部には、前記複数の突出部が個別に挿入される複数の挿入孔が設けられている、[態様1]または[態様2]に記載のルアー。
同構成によれば、突出部は、挿入孔に挿入された状態で本体の外部に突出する。これにより、突出部が挿入孔の内部において揺動しやすくなるため、カバーが突出部の揺動を阻害することを抑制できる。したがって、ルアーの集魚性を高めることができる。
【0009】
[態様4]前記本体は、蛍光体からなる複数のラトルが移動可能に収容された収容部を有しており、前記凹部は、前記収容部の外面に設けられており、前記揺動部材は、蛍光体からなり、前記収容部のうち前記凹部の周囲には、前記複数のラトル及び前記揺動部材が発する光を透過させる透過部が設けられている、[態様1]~[態様3]のいずれか1つに記載のルアー。
【0010】
同構成によれば、複数のラトル及び揺動部材の双方が透過部を通じて本体の外部に光を発する。これにより、複数のラトル及び揺動部材の視認性、ひいては、ルアーの視認性を高めることができる。したがって、ルアーの集魚性を一層高めることができる。
【0011】
[態様5]前記収容部は、前記複数のラトルの各々が配置可能な大きさを有する内部空間を有しており、前記本体は、前記複数のラトルの各々の前記内部空間への移動を規制する規制部を有している、[態様4]に記載のルアー。
【0012】
例えば、複数のラトルの一部が内部空間に移動することにより、透過部を通じて本体の外部に発せられるラトルの光が弱められるおそれがある。
この点、上記構成によれば、規制部によって、ラトルが内部空間に移動することが規制される。これにより、上述した不都合を抑制できる。したがって、ルアーの集魚性の低下を抑制できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、揺動部材が本体から脱落することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、一実施形態のルアーを示す側面図である。
【
図5】
図5は、
図1のルアーにおいて一方の分割体が分離された状態を示す側面図である。
【
図6】
図6は、
図5の6-6線に沿った位置におけるルアーの断面図である。
【
図7】
図7は、
図5の7-7線に沿った位置におけるルアーの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、
図1~
図7を参照して、ルアーの一実施形態について説明する。
(ルアー10)
図1及び
図2に示すように、ルアー10は、本体20と、揺動部材40と、カバー50とを備えている。ルアー10は、例えば、イカ釣り用に用いられる所謂エギである。
【0016】
(本体20)
本体20は、例えば、海老の外形を模した長尺状をなしている。
以降において、本体20の頭部側を前側とし、頭部とは反対側の尾部側を後側として説明する。また、本体20の頭部と尾部とを結ぶ方向を前後方向として説明する。また、本体20の背部と腹部とを結ぶ方向を上下方向とし、前後方向と上下方向との双方に直交する方向を左右方向として説明する。
【0017】
図2に示すように、本体20は、左右に分割された一対の分割体20A,20Bにより構成された中空状をなしている。一対の分割体20A,20Bは、分割面を除く部分において基本的に左右対称な形状をなしている。以降では、分割体20Aの構成について説明することで、分割体20Bの構成についての説明を省略することがある。
【0018】
本体20の前端部には、釣り糸が結ばれるアイ60が設けられている。本体20の前部における下部には、第1錘61が設けられている。
本体20の後端部には、複数の針が折り返されることによって傘状に形成されたカンナと呼ばれる釣り針62が設けられている。
【0019】
図2及び
図3に示すように、本体20の下部の外面には、前後方向に延びる溝状をなす凹部21が設けられている。凹部21は、分割体20A,20Bの境界部に跨がって設けられている。凹部21の幅は、前後方向において後方に向かうほど徐々に狭くなっている。
【0020】
図3に示すように、凹部21は、底壁22と、一対の側壁23と、前壁24と、後壁25とを有している。底壁22は、前後方向に延びている。一対の側壁23は、底壁22の左右方向における両縁から起立して下方に向かって延びている。前壁24及び後壁25は、底壁22の前縁及び後縁からそれぞれ起立して下方に向かって延びている。
【0021】
前壁24には、前方に窪む第1係合凹部24aが設けられている。第1係合凹部24aの開口は、左右方向に長い長方形状をなしている。
各側壁23は、前後方向に互いに間隔をおいて形成された複数の切り欠き23aを有している。切り欠き23aは、側壁23に開口するとともに、本体20の下部の外面に開口している。切り欠き23aと底壁22との間には、段差が設けられている。
【0022】
凹部21の後端には、左右方向に延びる第2係合凹部25aが設けられている。第2係合凹部25aの開口は、左右方向に長い長方形状をなしている。第2係合凹部25aは、底壁22の後端と、一対の側壁23の後端と、後壁25とにより形成されている。
【0023】
図5に示すように、本体20は、それぞれ中空状をなす第1収容部30と第2収容部31とを有している。第1収容部30は、本体20の前部に設けられている。第2収容部31は、第1収容部30の後方に隣り合って設けられている。第2収容部31は、「収容部」の一例である。
【0024】
上述した凹部21は、第2収容部31の外面に設けられている。第1錘61は、本体20のうち第1収容部30を構成する部分の下面から突出している。
図5及び
図6に示すように、第1収容部30と第2収容部31との間には、各分割体20A,20Bから突出するとともに左右方向において対向する一対のリブ32が設けられている。リブ32は、上下方向において凹部21の前端部と並ぶ位置に設けられている。リブ32は、第2収容部31の下端から上端にわたって延びる板状をなしている。リブ32の板厚方向は、前後方向と一致している。
【0025】
図6に示すように、一対のリブ32の突端面同士は、左右方向において第1隙間G1を有した状態で対向している。第1隙間G1は、上下方向に延びている。第1隙間G1は、第1収容部30と第2収容部31とを連通している。
【0026】
図5に示すように、第2収容部31には、球状をなす複数の第2錘63をそれぞれ保持する複数の保持部33が設けられている。複数の保持部33は、前後方向において隣接した状態で並んでいる。複数の保持部33は、第1保持部35、第2保持部36、及び第3保持部37を含んでいる。第1保持部35、第2保持部36、及び第3保持部37は、前方から後方に向かってこの順に並んでいる。
【0027】
図5及び
図7に示すように、各保持部33は、分割体20A,20Bのそれぞれから突出する一対の分割保持部33A,33Bにより構成されている。分割保持部33A,33Bは、第2錘63の直径よりも小さい直径を有する断面円形状の保持凹部34を有している。第2錘63の左右方向における両端は、一対の分割保持部33A,33Bの保持凹部34に収容されている。第2錘63は、一対の分割保持部33A,33Bにより左右方向から挟持されることにより本体20に対して固定されている。
【0028】
図5に示すように、第1保持部35は、第2収容部31の前後方向における中央部よりも後方の部分に位置している。第1保持部35の下部は、第2収容部31の内壁に連なっている。
【0029】
本体20は、第1保持部35の上部と、第2収容部31の内壁との間に設けられた内部空間Sを有している。各分割体20A,20Bにおける内部空間Sは、前方に開口している。内部空間Sは、第2収容部31におけるその他の部分よりも小さい空間である。内部空間Sは、後述するラトル64が少なくとも1つ配置可能な大きさを有している。
【0030】
第2保持部36の上部及び下部は、第2収容部31の内壁にそれぞれ連なっている。第2保持部36は、各分割体20A,20Bにおける内部空間Sの後部を閉塞している。
第3保持部37の上部及び下部は、第2収容部31の内壁にそれぞれ連なっている。
【0031】
内部空間Sの前方には、各分割体20A,20Bから突出するとともに左右方向に対向する一対の規制部38が設けられている。規制部38は、第1保持部35の斜め前上方に位置している。
【0032】
規制部38は、例えば、円柱状をなしている。規制部38の突端面と各分割保持部33Aの突端面とは面一である。
規制部38の上部と、第2収容部31の内壁との間には、第2隙間G2が設けられている。規制部38の下部と、第1保持部35との間には、第3隙間G3が設けられている。したがって、規制部38は、全周にわたって第2収容部31の内壁及び保持部33から離間している。
【0033】
図7に示すように、一対の規制部38の突端面同士は、左右方向において第4隙間G4を有した状態で対向している。
図5に示すように、第2収容部31には、複数のラトル64が移動可能に収容されている。ラトル64は、例えば、蛍光体からなる。ラトル64は、例えば、球状をなしている。第2収容部31の内部では、ラトル64が第2収容部31の内壁に衝突することにより、またはラトル64同士が互いに衝突することにより衝突音が発生する。この衝突音によって、ルアー10の集魚性が高められている。
【0034】
図6に二点鎖線にて示すように、ラトル64の直径は、第1隙間G1よりも大きい。換言すると、一対のリブ32の突出量は、第1隙間G1がラトル64の直径よりも小さくなるように設定されている。したがって、リブ32は、ラトル64の第1収容部30への移動を規制している。
【0035】
図5に示すように、ラトル64の直径は、内部空間Sの前方における開口よりも小さい。また、ラトル64の直径は、第2隙間G2及び第3隙間G3の双方よりも大きい。換言すると、規制部38の大きさ及び位置は、第2隙間G2及び第3隙間G3の双方がラトル64の直径よりも小さくなるように設定されている。
【0036】
図7に示すように、ラトル64の直径は、第4隙間G4よりも大きい。換言すると、規制部38の突出量は、第4隙間G4がラトル64の直径よりも小さくなるように設定されている。
【0037】
以上のことから、規制部38は、ラトル64の内部空間Sへの移動を規制している。これにより、第2収容部31の後方へのラトル64の移動が規制されている。
図3に示すように、第2収容部31のうち凹部21の周囲には、透明な透過部Tが設けられている。透過部Tは、複数のラトル64及び揺動部材40のベース部41が発する光を透過させる。
【0038】
透過部Tは、例えば、凹部21の周囲を含む部分であって、本体20の上下方向における中央部よりも下方の部分の全体に設けられている。なお、
図3では、本体20の上下方向における中央部が便宜的に二点鎖線にて示されている。本実施形態では、透明な本体20の上下方向における中央部よりも上方の部分が塗装されることにより、透過部Tが構成されている。
【0039】
本体20の材料としては、例えば、ABS樹脂などの透明な樹脂材料が挙げられる。
なお、本明細書における「透明」とは、物体を透過して物体の向こう側が見える状態を指す。また、「透明」は、無色透明だけなく有色透明や半透明を含む。
【0040】
図6及び
図7に示すように、分割体20Aにおける分割面には、溝26aが設けられている。溝26aは、分割体20Aの外周に沿って延びている。分割体20Bにおける分割面には、溝26aに係合する突条26bが設けられている。突条26bは、分割体20Bの外周に沿って延びている。
【0041】
一対の分割体20A,20Bは、突条26bと溝26aとが互いに係合した状態で、例えば、超音波溶着によって互いに接合されている。
(揺動部材40)
図4に示すように、揺動部材40は、前後方向に延びるベース部41と、ベース部41から突出した複数の突出部42とを有している。揺動部材40は、ベース部41の左右方向における両側から突出するとともに前後方向に互いに間隔をおいて設けられた複数対の突出部42を有している。揺動部材40は、例えば、10本の突出部42を有している。
【0042】
揺動部材40は、可撓性を有する蛍光体からなる。揺動部材40は、例えば、エラストマなどの軟質の弾性材料により形成されている。
ベース部41の前後方向における長さは、凹部21の前後方向における長さよりも短い。ベース部41の左右方向における幅は、前後方向において後方に向かうほど徐々に狭くなっている。
【0043】
突出部42は、例えば、海老の脚を模した形状をなしている。突出部42は、水中でのルアー10の進行に伴う水の抵抗を受けることによって揺動する。
突出部42は、ベース部41から左右方向に突出する第1部分43と、第1部分43から屈曲して斜め前方に延びる第2部分44とを有している。第2部分44は、ベース部41の長さ方向に対して傾斜して延びている。すなわち、突出部42は、複数回にわたって屈曲して前方に向かって延びている。第2部分44の先端部は、先細状をなしている。
【0044】
揺動部材40が本体20から取り外された状態において、ベース部41は平板状をなしている。このとき、突出部42は、ベース部41の上面及び下面に沿ってそれぞれ延びる一対の仮想平面の間の領域に位置している。すなわち、突出部42の厚さは、ベース部41の厚さ以下である。
【0045】
図5に示すように、ベース部41は、底壁22に沿って弾性変形した状態で凹部21の内部に収容されている。ベース部41が凹部21に収容されることによって、第1部分43が切り欠き23aの内部に収容されるとともに、第2部分44が本体20の外部に突出する。このとき、第1部分43が切り欠き23aの内面に倣うように変形することで、第2部分44がベース部41よりも下方に位置するようになる。
【0046】
(カバー50)
カバー50は、ベース部41が収容された凹部21の全体を本体20の下方から覆っている。カバー50は、例えば、本体20の外面に沿って湾曲している。カバー50の外面と、本体20の外面とは面一である。
【0047】
カバー50は、例えば、本体20と同一の樹脂材料により形成されている。カバー50は、透明であってもよいし、不透明であってもよい。
図2に示すように、カバー50の左右方向における両端は、各切り欠き23aに隣り合っている。本体20とカバー50との境界部には、複数の突出部42が個別に挿入される複数の挿入孔11が設けられている。各挿入孔11は、カバー50の両端と切り欠き23aとによって構成されている。
【0048】
図5に示すように、カバー50の前端面には、前方に向かって突出する第1係合凸部51が設けられている。第1係合凸部51は、第1係合凹部24aに係合している。
カバー50の後端には、左右方向の両側及び上方に突出する第2係合凸部52が設けられている。第2係合凸部52は、第2係合凹部25aに係合している。
【0049】
第1係合凸部51及び第2係合凸部52が、第1係合凹部24a及び第2係合凹部25aに凹凸の関係によりそれぞれ係合することによって、カバー50が本体20に対して取り付けられている。これにより、揺動部材40が本体20に対して固定されている。なお、カバー50と本体20との境界部には、接着剤が塗布されている。
【0050】
本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)ルアー10は、本体20と、可撓性を有する揺動部材40とを備える。本体20の外面には、凹部21が設けられている。揺動部材40は、凹部21に収容されるベース部41と、ベース部41から本体20の外側に突出するとともに水の抵抗を受けることによって揺動する複数の突出部42とを有している。本体20には、ベース部41が収容された凹部21を覆うカバー50が取り付けられている。
【0051】
こうした構成によれば、揺動部材40のベース部41が収容された凹部21がカバー50によって覆われている。このため、凹部21から離れる方向へのベース部41の移動がカバー50によって規制される。したがって、揺動部材40が本体20から脱落することを抑制できる。
【0052】
(2)第1係合凸部51及び第2係合凸部52が、第1係合凹部24a及び第2係合凹部25aに凹凸の関係によりそれぞれ係合している。
こうした構成によれば、カバー50が凹部21の内面に係合するため、カバー50が本体20から脱落することを抑制できる。したがって、揺動部材40が本体20から脱落することを一層抑制できる。
【0053】
(3)本体20とカバー50との境界部には、複数の突出部42が個別に挿入される複数の挿入孔11が設けられている。
こうした構成によれば、突出部42は、挿入孔11に挿入された状態で本体20の外部に突出する。これにより、突出部42が挿入孔11の内部において揺動しやすくなるため、カバー50が突出部42の揺動を阻害することを抑制できる。したがって、ルアー10の集魚性を高めることができる。
【0054】
また、突出部42が挿入孔11に挿入されることによって、ベース部41から左右方向に突出した突出部42が、挿入孔11の形状に倣った状態で本体20の外部に突出する。このため、突出部42の本体20に対する突出角度が自ずと決まる。これにより、挿入孔11の形状を変更することによって、揺動部材40を共通化しつつも、突出部42の本体20に対する突出角度を変更することができる。
【0055】
(4)本体20は、蛍光体からなる複数のラトル64が移動可能に収容された第2収容部31を有している。凹部21は、第2収容部31の外面に設けられている。揺動部材40は、蛍光体からなる。第2収容部31のうち凹部21の周囲には、複数のラトル64及び揺動部材40が発する光を透過させる透過部Tが設けられている。
【0056】
こうした構成によれば、複数のラトル64及び揺動部材40の双方が透過部Tを通じて本体20の外部に光を発する。これにより、複数のラトル64及び揺動部材40の視認性、ひいては、ルアー10の視認性を高めることができる。したがって、ルアー10の集魚性を一層高めることができる。
【0057】
(5)第2収容部31は、複数のラトル64の各々が配置可能な大きさを有する内部空間Sを有している。本体20は、複数のラトル64の各々の内部空間Sへの移動を規制する規制部38を有している。
【0058】
例えば、複数のラトル64の一部が内部空間Sに移動することにより、透過部Tを通じて本体20の外部に発せられるラトル64の光が弱められるおそれがある。
この点、上記構成によれば、規制部38によって、ラトル64が内部空間Sに移動することが規制される。これにより、上述した不都合を抑制できる。したがって、ルアー10の集魚性の低下を抑制できる。
【0059】
<変更例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0060】
・本体20から規制部38が省略されてもよい。この場合、第2収容部31は、内部空間Sを有していないことが好ましい。
・ルアー10から複数のラトル64が省略されてもよい。
【0061】
・揺動部材40は、蛍光体でなくてもよい。
・透過部Tは、本体20の全体に設けられていてもよい。
・本体20には、透過部Tが設けられていなくてもよい。この場合、ラトル64は、蛍光体からなるものでなくてもよい。
【0062】
・挿入孔11は、カバー50の左右方向における両端に設けられた切り欠きと、切り欠き23aを有しない一対の側壁23とにより構成されていてもよい。
・挿入孔11は、カバー50の左右方向における両端に設けられた切り欠きと、一対の側壁23に設けられた切り欠きとの双方により構成されていてもよい。
【0063】
・第1係合凸部51が凹部21の前壁24に設けられるとともに、第1係合凹部24aがカバー50の前端面に設けられていてもよい。また、第2係合凸部52が凹部21の一対の側壁23に設けられるとともに、第2係合凹部25aがカバー50の左右方向における両端に設けられていてもよい。
【0064】
・カバー50から第1係合凸部51及び第2係合凸部52が省略されるとともに、凹部21から第1係合凹部24a及び第2係合凹部25aが省略されてもよい。この場合、カバー50は、凹部21に嵌合されてもよいし、接着剤によって本体20に対して固定されてもよい。
【0065】
・ルアー10は、エギに限定されず、イカ以外を対象魚とした種々のルアーであってもよい。
【符号の説明】
【0066】
S…内部空間
T…透過部
10…ルアー
11…挿入孔
20…本体
21…凹部
24a…第1係合凹部
25a…第2係合凹部
31…第2収容部(収容部)
38…規制部
40…揺動部材
41…ベース部
42…突出部
50…カバー
51…第1係合凸部
52…第2係合凸部
64…ラトル