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特開2024-8376プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008376
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   B60L 55/00 20190101AFI20240112BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20240112BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240112BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
B60L55/00
H01M10/48 P
H02J7/00 P
H02J7/34 B
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022110208
(22)【出願日】2022-07-08
(71)【出願人】
【識別番号】593022629
【氏名又は名称】株式会社ジェーシービー
(71)【出願人】
【識別番号】521467087
【氏名又は名称】トヨタ・コニック・アルファ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100140431
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】間下 公照
(72)【発明者】
【氏名】南井 享
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 毅
【テーマコード(参考)】
5G503
5H030
5H125
【Fターム(参考)】
5G503BA02
5G503BB01
5G503CA08
5G503DA02
5G503FA06
5G503GD02
5G503GD03
5G503GD04
5G503GD06
5H030AS08
5H030BB01
5H030FF41
5H030FF52
5H125AA01
5H125AC13
5H125AC24
5H125BC24
5H125BC28
5H125CC04
5H125CC07
5H125CD10
5H125DD04
5H125EE27
5H125EE41
5H125EE48
5H125EE51
(57)【要約】
【課題】車両のバッテリの能力をより有効に活用することに関する技術を提供する。
【解決手段】プログラムは、車両に搭載可能なバッテリを制御するためのコンピュータを、前記バッテリの充電完了時の放電可能容量のうち、前記車両以外の所定電力需要に対する給電のための容量を示す容量情報を記憶する記憶部と、前記車両の車両システムの停止時に、前記容量情報に基づいて、前記バッテリから前記所定電力需要に対して給電するように制御する制御部と、を備える情報処理装置として機能させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載可能なバッテリを制御するためのコンピュータを、
前記バッテリの充電完了時の放電可能容量のうち、前記車両以外の所定電力需要に対する給電のための容量を示す容量情報を記憶する記憶部と、
前記車両の車両システムの停止時に、前記容量情報に基づいて、前記バッテリから前記所定電力需要に対して給電するように制御する制御部と、
を備える情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記容量情報は、前記放電可能容量のうち、前記所定電力需要に対する給電のための容量の割合を示す、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記容量情報は、ユーザ入力に応じて設定される、請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記容量情報は、前記バッテリの充電完了時の放電可能容量のうち、前記所定電力需要に対する給電のための容量の上限値と、下限値とを含み、
前記制御部は、前記バッテリの充電完了時の放電可能容量のうち、前記上限値まで前記バッテリから前記所定電力需要に対して給電した後、前記下限値まで前記バッテリを充電するように制御する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記記憶部は、前記車両が運転される時間帯に応じた値を示す時間帯情報を記憶し、
前記制御部は、前記時間帯情報に基づいて、前記車両が運転される時間帯の所定時間前に充電が完了するように前記バッテリの充電を制御する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記記憶部は、前記車両が運転される時間帯に応じた値を示す時間帯情報を記憶し、
前記制御部は、前記容量情報と、前記時間帯情報とに基づいて、前記車両が運転されない時間帯に、前記バッテリから前記所定電力需要に対して給電するように制御する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項7】
前記記憶部は、時間帯ごとの電気料金に応じた値を示す料金情報を記憶し、
前記制御部は、前記料金情報に基づいて、前記電気料金の請求額が低減されるように、前記バッテリを充電する時間を制御する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項8】
前記記憶部は、時間帯ごとの前記所定電力需要の高さに応じた値を示す需要情報を記憶し、
前記制御部は、前記需要情報に基づいて、前記所定電力需要がより高い時間帯に、前記所定電力需要に対してより優先的に給電が行われるように前記バッテリを制御する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項9】
前記情報処理装置は、
前記バッテリの利用期間、充電状況、又は給電状況の少なくとも一部を示す利用情報を受信する通信部を備え、
前記制御部は、前記利用情報に基づいて、前記バッテリの交換に関する情報を含む最適化情報を特定し、
前記通信部は、前記最適化情報をユーザの端末装置に送信する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項10】
車両に搭載可能な複数のバッテリを制御するためのコンピュータを、
複数の前記バッテリのそれぞれについて、前記バッテリの充電完了時の放電可能容量のうち、前記車両以外の所定電力需要に対する給電のための容量を示す容量情報を記憶する記憶部と、
前記所定電力需要の容量を示す需要情報を受信する通信部と、
複数の前記バッテリのそれぞれについて、前記容量情報と、前記需要情報とに基づいて、前記バッテリが前記所定電力需要に対して給電するように制御する制御部と、
を備える情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【請求項11】
複数の前記バッテリのうちの少なくとも一部は、前記車両から取り外された中古バッテリである、請求項7に記載のプログラム。
【請求項12】
車両に搭載可能なバッテリを制御するための情報処理装置であって、
前記バッテリの充電完了時の放電可能容量のうち、前記車両以外の所定電力需要に対する給電のための容量を示す容量情報を記憶する記憶部と、
前記車両の車両システムの停止時に、前記容量情報に基づいて、前記バッテリから前記所定電力需要に対して給電するように制御する制御部と、
を備える情報処理装置。
【請求項13】
車両に搭載可能なバッテリを制御するための情報処理方法であって、
記憶部が、前記バッテリの充電完了時の放電可能容量のうち、前記車両以外の所定電力需要に対する給電のための容量を示す容量情報を記憶することと、
制御部が、前記車両の車両システムの停止時に、前記容量情報に基づいて、前記バッテリから前記所定電力需要に対して給電するように制御することと、
を含む情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車の普及に伴い、電気自動車に関する様々な技術が開発されている。特許文献1には、電気自動車のバッテリの充電状態を検知する技術について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-348707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電気自動車などの車両のバッテリに蓄電された電力は、主に、車両の駆動等のための車両システムの駆動中などの限られた時間に利用されるため、車両のバッテリを他の用途にも活用する余地がある。
【0005】
本発明は、車両のバッテリの能力をより有効に活用することに関する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係るプログラムは、車両に搭載可能なバッテリを制御するためのコンピュータを、前記バッテリの充電完了時の放電可能容量のうち、前記車両以外の所定電力需要に対する給電のための容量を示す容量情報を記憶する記憶部と、前記車両の車両システムの停止時に、前記容量情報に基づいて、前記バッテリから前記所定電力需要に対して給電するように制御する制御部と、を備える情報処理装置として機能させる。
【0007】
一実施形態に係る情報処理装置は、車両に搭載可能なバッテリを制御するための情報処理装置であって、前記バッテリの充電完了時の放電可能容量のうち、前記車両以外の所定電力需要に対する給電のための容量を示す容量情報を記憶する記憶部と、前記車両の車両システムの停止時に、前記容量情報に基づいて、前記バッテリから前記所定電力需要に対して給電するように制御する制御部と、を備える。
【0008】
一実施形態に係る情報処理方法は、車両に搭載可能なバッテリを制御するための情報処理方法であって、記憶部が、前記バッテリの充電完了時の放電可能容量のうち、前記車両以外の所定電力需要に対する給電のための容量を示す容量情報を記憶することと、制御部が、前記車両の車両システムの停止時に、前記容量情報に基づいて、前記バッテリから前記所定電力需要に対して給電するように制御することと、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、車両のバッテリの能力をより有効に活用することに関する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態におけるシステムの概要を説明するための概念図である。
図2】一実施形態におけるシステム構成の一例を示す概念図である。
図3】一実施形態におけるサーバ装置の機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。
図4】一実施形態における制御部の機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。
図5】一実施形態におけるシステムによる例示的な処理の概要を説明するためのシーケンス図である。
図6】一実施形態におけるコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図であるシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施形態におけるシステムについて、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形し、又は各実施例を組み合わせる等して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付して表している。
【0012】
[システムの概要]
図1を参照して、本実施形態に係るシステムの概要を説明する。システム1は、電気自動車などの車両のバッテリの能力をより有効活用するために、当該バッテリの充電及び給電(放電)などを制御するためのシステムである。ここで、「車両のバッテリ」とは、車両に搭載されたバッテリでもよいし、車両から取り外された(中古の)バッテリでもよい。本実施形態において、「車両のバッテリ」を「車両に搭載可能なバッテリ」とも称する。また、本実施形態において、バッテリとは、充電及び放電が可能な蓄電池(二次電池)である。また、当該バッテリは、充電機器を用いて、例えば、ユーザの自宅又は充電ステーションなどで充電可能である。
【0013】
システム1により、複数の電気自動車のバッテリの充電及び給電等が制御される。また、当該複数のバッテリ(バッテリ群)により、仮想的な電力プラント(バーチャルプラント2)が形成される。バーチャルプラント2は、例えば、バーチャルプラント2を形成するバッテリ群のうち、車両により電力が利用されていないバッテリに蓄電された電力を集約し、電力需要者に対して送電線を介して給電する。電力需要者は、例えば、送配電事業者であってもよいし、電力供給を必要とするその他の事業者であってもよい。このようにシステム1は、車両により電力が利用されていないバッテリに蓄電された電力を集約し、電力需要者に対して給電するため、車両のバッテリの能力をより有効に活用することが可能である。
【0014】
システム1は、電力需要者の電力需要情報を取得し、当該電力需要情報に基づいて、バーチャルプラント2による電力需要者への給電を制御してもよい。電力需要情報は、電力需要者が供給を要求する電力の容量を示す容量である。電力需要情報は、例えば、電力供給を必要とするタイミングに関する情報、又は供給を必要とする電力の容量を示す情報を含んでもよい。このようにシステム1は、電力需要情報に基づいて、車両のバッテリを活用して電力需要者への給電を制御するため、電力需給バランスを図ることが可能である。
【0015】
バーチャルプラント2を形成するバッテリ群の少なくとも一部は、車両から取り外された中古のバッテリであってもよい。このようにバーチャルプラント2の形成のために中古のバッテリを利用することにより、車両への電力供給には利用されなくなったが、まだ充電及び給電が可能なバッテリを有効活用することが可能である。
【0016】
[システムの構成]
図2を参照して、本実施形態におけるシステム1の構成の一例を説明する。システム1は、サーバ装置10、端末装置20(20aから20c)、及びサーバ装置30を備える。各装置は、ネットワークNを介して相互に通信可能に構成されている。システム1は、バーチャルプラント2による電力需要者に対する給電を制御する。
【0017】
バーチャルプラント2は、複数のバッテリB(B1からB6)により形成される。上記のとおり、バーチャルプラント2は、例えば、バーチャルプラント2を形成する複数のバッテリBのうち、車両により電力が利用されていないバッテリに蓄電された電力を集約し、電力需要者に対して送電線を介して給電する。
【0018】
本実施形態において、端末装置20及びバッテリB(B1からB3)は、電気自動車などの車両EV(EV1からEV3)に搭載されてもよいが、端末装置20及びバッテリBは、車両EVに搭載されなくてもよい。バーチャルプラント2を形成する一部のバッテリB(B4からB6)は、車両から取り外された中古バッテリであってもよく、当該バッテリB(B4からB6)は、バーチャルプラント2の一部として、中古バッテリプラント3を形成してもよい。
【0019】
車両EVに搭載されたバッテリB(B1からB3)の充電及び給電などの制御は、サーバ装置10により、端末装置20(20aから20c)を介して行われる。バーチャルプラント2を形成するバッテリB(B4からB6)の充電及び給電などの制御は、サーバ装置10により、サーバ装置30を介して行われる。
【0020】
サーバ装置10及び30は、サーバコンピュータなどの情報処理装置である。サーバ装置10及び30はそれぞれ、1つの情報処理装置(又はコンピュータ。以下同様。)によって構成されてもよいし、クラウドコンピューティング技術又は分散コンピューティング技術等を使用して複数の情報処理装置によって構成されてもよい。サーバ装置10及び30は、互いに異なる構成で実装されてもよい。
【0021】
端末装置20は、車載装置、車載コンピュータ、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、モバイルデバイス、又は専用端末などの情報処理装置により構成される。端末装置20は、クラウドコンピューティング技術を使用して構成されたサーバ装置10又は30と通信可能に構成されてもよい。
【0022】
ネットワークNは、無線ネットワークや有線ネットワークにより構成される。ネットワークNには、例えば、インターネット、移動体通信網、LAN(Local Area Network)など、任意のネットワークが含まれる。
【0023】
図2に示す例において、システム1は、2つのサーバ装置、及び3つの端末装置20を含んで構成されているが、システム1に含まれる装置の数はこれに限定されず、システム1は、任意の数の装置を含んでもよい。例えば、システム1は、3つを超えて端末装置20を含んでもよい。なお、以降の説明において、サーバ装置、又は端末装置のいずれかの処理として記載されている処理の少なくとも一部が他の装置により実行されてもよい。例えば、サーバ装置による処理として記載されている処理の一部が、端末装置で実行されてもよいし、端末装置による処理として記載されている処理の一部が、サーバ装置で実行されてもよい。また、サーバ装置30による処理の少なくとも一部がサーバ装置10で実行されてもよいし、サーバ装置10による処理の少なくとも一部がサーバ装置30で実行されてもよい。
【0024】
[機能構成]
図3を参照して、サーバ装置10が有する機能を説明する。サーバ装置10は、主な機能構成として、通信部11、データベース12、及び制御部13を有する。
【0025】
サーバ装置10は、一般的な情報処理装置又は専用装置などの情報処理装置が有する他の機能構成を有してもよい。サーバ装置10が有する機能構成は、例えば、サーバ装置10が有するCPU(Central Processing Unit)などの制御装置が、記憶装置に記憶されたコンピュータプログラムを読み込み実行することによって、コンピュータプログラム(ソフトウェア)とハードウェアの協働により実現される。
【0026】
通信部11は、外部装置との通信により各種情報を受信及び送信する。例えば、通信部11は、バッテリBの充電及び給電を制御するための制御信号を端末装置20又はサーバ装置30に送信してもよい。通信部11は、端末装置20又はバッテリBに対するユーザ入力に応じた情報を端末装置20又はサーバ装置30から受信してもよい。通信部11は、バッテリBの状態に応じた情報を端末装置20又はサーバ装置30から受信してもよい。また、通信部11は、バッテリBの利用期間、充電状況、又は給電状況の少なくとも一部を示す利用情報を端末装置20又はサーバ装置30から受信してもよい。
【0027】
データベース12は、通信部11が受信した情報、サーバ装置10による処理に必要な情報、又はサーバ装置10により生成された情報を含む、各種の情報を記憶する。データベース12は、例えば、最適なバッテリBの充電又はバッテリBによる給電に関する情報を示す最適化プラン情報を記憶してもよい。最適化プラン情報は、例えば、ユーザ入力に応じて、端末装置20から通信部11を介して受信した情報に基づいて、データベース12に記憶されてもよい。
【0028】
最適化プラン情報は、例えば、バッテリBの充電完了時の放電可能容量のうち、車両EV以外の所定電力需要に対する給電のための容量を示す容量情報を含んでもよい。ここで、車両EV以外の所定電力需要とは、例えば、車両EVの車両システム及び車両EVのその他の車載機器の運転又は駆動のための電力など、車両EVの電力需要以外の電力需要であり、上述の電力需要者の電力需要を含んでもよい。本実施形態において、車両システムは、車両を駆動させ、又は補器を動作させるシステムであり、例えば、モーター又はエンジンを含んでもよい。本実施形態において、車両EV以外の所定電力需要は、例えば、サーバ装置10が情報を受信することなどにより特定している電力需要であってもよい。容量情報は、バッテリBの充電完了時の放電可能容量のうち、電力需要者の電力需要に対する給電のための容量を示してもよい。
【0029】
容量情報は、バッテリBの充電完了時の放電可能容量のうち、電力需要者の電力需要に対する給電のための容量の絶対値(例えば、Wh)で示されてもよいし、上記放電可能容量のうち、上記給電のための容量の割合(例えば、%)で示されてもよい。容量情報は、2種類の容量情報(例えば、所定電力需要に対する給電のための容量(の割合)の上限値と、下限値)を含んでもよく、また、3種類以上の容量情報を含んでもよい。
【0030】
最適化プラン情報は、バッテリBの充電に関して、車両EVが運転される時間帯に応じた充電完了時間を設定するか否かの設定情報を含んでもよい。また、最適化プラン情報は、時間帯ごとの電気料金に応じた値を示す料金情報に基づいて、バッテリBの充電に対する電気料金の請求額が低減されるように、バッテリBを充電する時間を制御するか否かの設定情報を含んでもよい。さらに、最適化プラン情報は、時間帯ごとの所定電力需要の高さに応じて設定される需要情報に基づいて、電力需要がより高い時間帯に、所定電力需要に対してより優先的に給電を行うか否かの設定情報を含んでもよい。
【0031】
データベース12は、上記の車両EVが運転される時間帯に応じた値を示す時間帯情報、時間帯ごとの電気料金に応じた値を示す料金情報、又は時間帯ごとの所定電力需要の高さに応じて設定される需要情報のうち、少なくとも一部を記憶してもよい。
【0032】
制御部13は、サーバ装置10により実行される各種機能の処理を制御する。例えば、制御部13は、バッテリBの充電及び給電(すなわち、バッテリBの充電又はバッテリBによる給電)を制御するための制御信号を生成してもよい。生成された制御信号は、通信部11を介して端末装置20又はサーバ装置30に送信され、バッテリBの充電及び給電が制御されてもよい。すなわち、制御部13は、バッテリBの充電及び給電を制御してもよい。また、制御部13は、車両EVの車両システムの停止時に、上記容量情報に基づいて、バッテリBから所定電力需要(例えば、上記電力需要者)に対して給電するように制御してもよい。
【0033】
すなわち、本実施形態によれば、サーバ装置10は、車両EVに搭載可能なバッテリBを制御する。具体的には、例えば、サーバ装置10は、データベース12、及び制御部13を有する。データベース12は、バッテリBの充電完了時の放電可能容量のうち、車両EV以外の所定電力需要(例えば、上記電力需要者)に対する給電のための容量を示す容量情報を記憶してもよい。制御部13は、車両EVの車両システムの停止時に、上記容量情報に基づいて、バッテリBから上記所定電力需要に対して給電するように制御してもよい。このように、制御部13が、車両EVの車両システムの停止時に、容量情報に基づいて、バッテリBから上記所定電力需要に対して給電するように制御することにより、車両EVのバッテリの能力をより有効に活用することが可能である。
【0034】
また、サーバ装置10は、複数のバッテリBを制御してもよい。具体的には、例えば、データベース12は、複数のバッテリBのそれぞれについて、バッテリBの充電完了時の放電可能容量のうち、車両EV以外の所定電力需要(例えば、上記電力需要者)に対する給電のための容量を示す容量情報を記憶してもよい。通信部11は、上記所定電力需要の容量を示す需要情報を受信してもよい。制御部13は、複数のバッテリBのそれぞれについて、上記容量情報と、上記需要情報とに基づいて、バッテリBが所定電力需要に対して給電するように制御してもよい。例えば、制御部13は、上記需要情報が高い電力需要の容量を示すときに、より多くのバッテリBからより高い電力が供給されるように、複数のバッテリBを制御してもよい。
【0035】
サーバ装置10により制御される複数のバッテリBのうちの少なくとも一部は、車両EVから取り外された中古バッテリであってもよい。このとき、上記のとおり、バーチャルプラント2の一部として、中古バッテリプラント3が形成されてもよい。
【0036】
上記容量情報は、任意の方法で設定される。例えば、上記容量情報は、端末装置20のユーザ入力に応じて設定されてもよいし、バッテリBの寿命の最適化などの観点で設定されてもよい。
【0037】
上記容量情報は、バッテリBの充電完了時の放電可能容量のうち、所定電力需要に対する給電のための容量の上限値(例えば、80Wh)と、下限値(例えば、20Wh)とを含んでもよい。この場合において、制御部13は、バッテリBの充電完了時の放電可能容量のうち、上記上限値に対応する容量までバッテリBから所定電力需要に対して給電した後、上記下限値に対応する容量までバッテリBを充電するようにバッテリBを制御してもよい。
【0038】
一般に、バッテリは、充電率を所定範囲(例えば、50%から80%程度)に保つと、劣化を抑止できる場合がある。また、バッテリは、蓄電された電力を放電させリフレッシュさせると、劣化を抑止できる場合がある。そのため、制御部13は、リフレッシュのために、バッテリBの充電完了時の放電可能容量のうち、上記上限値(例えば、80%)に対応する容量までバッテリBから所定電力需要に対して給電した後、上記下限値(例えば、20%)に対応する容量までバッテリBを充電して充電率を所定範囲にするように制御することにより、バッテリBの劣化を抑止可能である。
【0039】
制御部13は、車両EVが運転される時間帯に応じた値を示す時間帯情報に基づいて、車両EVが運転される時間帯の所定時間前に充電が完了するようにバッテリBの充電を制御してもよい。「運転される時間帯の所定時間前」は、任意に設定され、例えば、運転開始の10分前、又は30分前であってもよい。上記時間帯情報は、例えば、通信部11を介して受信した情報に基づいてデータベース12などの記憶部に記憶された情報であってもよい。上記時間帯情報は、例えば、通信部11を介して受信した車両EVの運転履歴に基づいて予測された情報であってよいし、通信部11を介して受信したユーザによる設定値であってもよいし、車両EVの運転の実際の開始時間及び終了時間に基づいてもよい。時間帯情報は、例えば、午前7時から午前8時、又は午後6時から午後7時という情報を含んでもよい。
【0040】
このように制御部13の制御により、車両EVが運転される時間帯の直前に充電を完了させ、その前の時間帯における充電率を所定範囲(例えば、50%から80%程度)に保つことにより、バッテリBの劣化を抑止しうる。
【0041】
制御部13は、上記容量情報と、上記時間帯情報とに基づいて、車両EVが運転されない時間帯に、バッテリBから上記電力需要者などの所定電力需要に対して給電するように制御してもよい。これにより、車両EVが運転されない時間帯に、バッテリBの充電率が所定範囲(例えば、50%から80%程度)に保たれるようにしてもよい。
【0042】
制御部13は、時間帯ごとの電気料金に応じた値を示す料金情報に基づいて、電気料金の請求額が低減されるように、バッテリBを充電する時間を制御してもよい。上記料金情報は、例えば、通信部11を介して受信した情報に基づいてデータベース12などの記憶部に記憶された情報であってもよい。電気料金は、日中に比べて夜間の方が安いなど、時間帯ごとに異なる場合がある。このような場合に電気料金が比較的安い時間帯にバッテリBを充電するように制御することにより、バッテリBの充電による電気料金の請求額が低減される。
【0043】
制御部13は、時間帯ごとの所定電力需要(例えば、上記電力需要者による電力需要)の高さに応じた値を示す需要情報に基づいて、上記所定電力需要がより高い時間帯に、所定電力需要に対してより優先的に給電が行われるようにバッテリBを制御してもよい。上記需要情報は、例えば、通信部11を介して受信した情報に基づいてデータベース12などの記憶部に記憶された情報であってもよい。上記需要情報は、例えば、時間帯ごとの実際の電力需要に基づく情報であってもよいし、時間帯ごとの電力需要の予測値であってもよい。
【0044】
制御部13は、このように、需要情報に基づいて、車両EVのバッテリに蓄電され、使用されていない電力を電力需要者へ給電するように制御するため、電力需給バランスを図ることが可能である。
【0045】
制御部13は、バッテリBの利用期間、充電状況、又は給電状況の少なくとも一部を示す利用情報に基づいて、バッテリBの交換に関する情報を含む最適化情報を特定してもよい。上記利用情報は、例えば、通信部11を介して受信した情報に基づいてデータベース12などの記憶部に記憶された情報であってもよい。上記最適化情報は、バッテリBの利用期間、充電状況、又は給電状況の少なくとも一部に基づいて特定されたバッテリBの新しいものへの交換の推奨時期に関する情報を含んでもよい。上記最適化情報は、バッテリBの利用期間、充電状況、又は給電状況の少なくとも一部に基づいて特定された推奨される交換後のバッテリの最適なスペック(例えば、バッテリの容量を含む。)に関する情報を含んでもよい。通信部11は、上記最適化情報をバッテリBのユーザの端末装置20に送信してもよい。バッテリBのユーザは、端末装置20の表示部を介して当該最適化情報を確認できるようにしてもよい。
【0046】
上記において、サーバ装置10が有する機能により、バッテリBの充電及び給電を制御する方法を説明したが、これに限定されず、端末装置20又はサーバ装置30が、上記と同様の処理により、バッテリBの充電及び給電が制御されてもよい。例えば、端末装置20又はサーバ装置30はそれぞれ、記憶部、及び制御部を有する。当該記憶部は、バッテリBの充電完了時の放電可能容量のうち、車両EV以外の所定電力需要(例えば、上記電力需要者)に対する給電のための容量を示す容量情報を記憶し、当該制御部は、車両EVの車両システムの停止時に、上記容量情報に基づいて、バッテリBから上記所定電力需要に対して給電するように制御してもよい。以降に説明するサーバ装置10による処理の少なくとも一部も同様に、端末装置20又はサーバ装置30により実行されてもよい。
【0047】
図4を参照して、制御部13により実行される各種機能の例をより詳細に説明する。図4に示すように、制御部13により実行される機能は、例えば、バッテリ最適化機能131、プラント制御機能132、バッテリライフサイクル機能133、UI管理機能134、及び電力料金精算機能135を含む。制御部13は、上記以外の機能をさらに実行してもよいし、上記の機能の一部を実行しなくてもよい。
【0048】
(1)バッテリ最適化機能131
バッテリ最適化機能131は、例えば、次のサブ機能を有する。
【0049】
(1-1)バッテリ登録
制御部13は、システム1により充電及び給電などの制御の対象として、バッテリBを登録する。システム1は、バッテリBを登録するためのAPI(Application programming interface)を提供してもよい。制御部13は、例えば、通信部11を介して端末装置20から受信した要求に応じて、制御対象としてバッテリBを登録し、また、当該バッテリBと、当該バッテリBのユーザの端末装置20(又はユーザID)とを関連付ける情報を登録してもよい。また、バッテリBが中古バッテリの場合、制御部13は、バッテリBの設置場所、及び整理番号などを登録してもよい。登録された情報は、データベース12に記憶されてもよい。
【0050】
(1-2)利用モデル設定
制御部13は、通信部11から受信したバッテリBの利用状況に基づいて、バッテリBの利用に関する最適化プランを特定し、通信部11を介して、当該最適化プランの情報を当該バッテリBのユーザの端末装置20に送信してもよい。例えば、制御部13は、通信部11から受信したバッテリBの利用状況に基づいて、最適な上記容量情報(バッテリBの充電完了時の放電可能容量のうち、電力需要者の電力需要に対する給電のための容量の割合)を特定してもよい。
【0051】
制御部13は、通信部11から受信したバッテリBの利用状況に基づいて、バッテリBの利用時間の予測値を特定してもよい。制御部13は、当該予測値に基づいて、(例えば、曜日ごとの)バッテリBの最適な充電時間及び給電時間を特定してもよい。制御部13は、制御部13が充電及び給電の制御を行うか否かを示す設定情報を通信部11を介して受信し、当該設定情報に基づいて、バッテリBの充電及び給電の制御を実施してもよい。当該設定情報は、当該曜日ごとの設定を示してもよい。
【0052】
制御部13は、時間帯ごとの電気料金情報、電力買取価格情報、又は電力需要情報に基づいて、バッテリBの充電及び給電の制御を行うか否かを示す情報を、利用モデルの設定情報として通信部11を介して受信し、当該設定情報に基づいて、バッテリBの充電及び給電の制御を実施してもよい。例えば、制御部13は、時間帯ごとの電気料金情報に基づいて、電気料金請求額が安い時間帯(例えば、深夜)に充電を行うようにバッテリBを制御してもよい。制御部13は、電力買取価格情報に基づいて、電力買取価格が高い時間帯に給電を行うようにバッテリBを制御してもよい。制御部13は、電力需要情報に基づいて、電力需要が高い時間帯に給電を行うようにバッテリBを制御してもよい。
【0053】
(1-3)バッテリ状態検知
制御部13は、通信部11を介してバッテリBの状態情報を受信し、当該状態情報に基づく通知をバッテリBのユーザの端末装置20に送信してもよい。当該状態情報又は通知は、例えば、バッテリBの最大充電容量、劣化状況、バッテリ残量、又は充放推移の情報を含んでもよい。
【0054】
(1-4)最適化判定
制御部13は、上記の(1-3)バッテリ状態検知又は(1-2)利用モデル設定の機能の少なくとも一部に基づいて、バッテリBの充電又は給電の最適なタイミングを特定し、当該最適なタイミングの情報を通信部11を介してバッテリBのユーザの端末装置20に送信してもよい。
【0055】
(1-5)バッテリ能力判定
制御部13は、(1-3)バッテリ状態検知の機能に基づいて、バッテリBの劣化状況を特定し、バッテリBの買い替え、下取り(売却)、廃棄、又は中古バッテリプラント3での利用などの提案を示す提案情報を通信部11を介してバッテリBのユーザの端末装置20に送信してもよい。例えば、制御部13は、バッテリBの定量化された劣化状況が所定閾値よりも劣化していることを示す場合、バッテリBの買い替えを提案する提案情報を端末装置20に送信してもよい。
【0056】
(2)プラント制御機能132
プラント制御機能132は、例えば、次のサブ機能を有する。
【0057】
(2-1)電力需要予測
制御部13は、通信部11を介して、上記電力需要者による電力要求情報、天候情報、又はその他の情報を受信し、当該情報に基づいて、電力需要の予測値(電力需要情報)を特定してもよい。特定される電力需要情報は、時間帯別、日別、期間別であってもよい。
【0058】
(2-2)充電及び給電指示
制御部13は、上記の(1-3)バッテリ状態検知、(1-4)最適化判定、(1-5)バッテリ能力判定、及び(2-1)電力需要予測の機能の少なくとも一部に基づいて、バッテリBの充電及び給電の最適な制御方法を特定し、当該特定結果に基づいて、バッテリBを制御してもよい。
【0059】
(3)バッテリライフサイクル機能133
バッテリライフサイクル機能133は、例えば、次のサブ機能を有する。
【0060】
(3-1)ライフサイクル管理
制御部13は、バッテリBのライフサイクルにおける状態を特定し、当該状態をデータベース12に記憶して管理してもよい。当該状態は、例えば、バッテリBのシステム1への新規登録、車両EVでバッテリBの利用中、劣化の発生、車両EV用での利用期限への到達、下取り、中古バッテリプラント3での利用、又は廃棄などを含んでもよい。
【0061】
(3-2)バッテリ下取り
制御部13は、(1-5)バッテリ能力判定の機能などにより、ユーザによるバッテリBの車両EVにおける利用状況、充電状況、給電状況、電力料金、又は電力需要の推移の少なくとも一部に基づいて、当該ユーザによる利用のために最適な性能(例えば、急速充電機能又は充電能力を含む。)を有するバッテリBを特定し、当該バッテリBの情報を通信部11を介して、ユーザの端末装置20に送信してもよい。
【0062】
制御部13は、ユーザによるバッテリBの車両EVにおける利用状況等に基づいて、当該バッテリBの充電設備の最適な性能(例えば、急速充電機能又は充電能力を含む。)を有する充電設備を特定し、当該バッテリBの情報を通信部11を介して、ユーザの端末装置20に送信してもよい。
【0063】
(4)UI管理機能134
UI管理機能134は、ユーザ、電力需要者、又はその他事業者がシステム1を端末装置20を介して利用するためのユーザインタフェースを提供するための機能である。詳細には、UI管理機能134は、ユーザ、電力需要者、又はその他事業者が端末装置20を介して、システム1が提供するサービスの利用のためのユーザインタフェースを提供する。当該サービスは、例えば、バッテリBの充放電に関する設定、バッテリBの状態の参照、又はサービス利用に関する精算機能(ワレット機能)を含んでもよい。UI管理機能134は、当該インタフェースを提供するために、通信部11を介して各種情報及び制御信号を端末装置20に送信する。UI管理機能134は、SDK(Software Development Kit)又はAPI(Application Programming Interface)により提供されてもよい。
【0064】
(5)電力料金精算機能135
電力料金精算機能135は、バーチャルプラント2から電力需要者に供給される電力の料金精算、又はバーチャルプラント2を構成するバッテリBのユーザへの対価(報酬)を算出するための機能である。
【0065】
[処理フロー]
図5を参照して、システム1における処理フローを説明する。以下に説明する各処理ステップは、例えば、サーバ装置10、端末装置20、及びサーバ装置30が有する制御部が、記憶部に記憶されたコンピュータプログラムを読み込み実行することによって、コンピュータプログラム(ソフトウェア)とハードウェアの協働により実現される。
【0066】
システム1において実行される処理の詳細は既に説明しているため、以下の処理フローの説明において、既に説明した内容については簡略化又は省略する。
【0067】
ステップS51において、端末装置20は、ユーザによる操作に応じて、バッテリBの充電完了時の放電可能容量のうち、車両EV以外の所定電力需要に対する給電のための容量を示す容量情報をサーバ装置10に送信する。車両EV以外の所定電力需要とは、例えば、車両EVの車両システム及び車両EVのその他の車載機器の運転又は駆動のための電力など、車両EVの電力需要以外の電力需要であり、上述の電力需要者の電力需要を含んでもよい。
【0068】
ステップS52において、サーバ装置10は、ステップS51で受信した容量情報を記憶部に記憶する。サーバ装置10は、ステップS51で複数の端末装置20から複数のバッテリBについての容量情報を受信し、記憶部に記憶してもよい。
【0069】
ステップS53において、サーバ装置10は、サーバ装置30から電力需要者の電力需要情報を受信する。電力需要情報は、例えば、電力供給を必要とするタイミングに関する情報、又は供給を必要とする電力の容量を示す情報を含んでもよい。
【0070】
ステップS54において、サーバ装置10は、バッテリB(又は、複数のバッテリBのそれぞれ)について、上記容量情報と、上記需要情報とに基づいて、(例えば、車両EVの車両システムの停止時に、)バッテリBが所定電力需要に対して給電するように制御する制御信号をバッテリBに送信する。例えば、サーバ装置10は、上記需要情報が高い電力需要の容量を示すときに、より多くのバッテリBからより高い電力が供給されるように、複数のバッテリBを制御してもよい。
【0071】
なお、ステップS54において、サーバ装置10は、バッテリBによる給電のための制御信号をバッテリBに送信しているがこれに限定されない。サーバ装置10は、当該制御信号を端末装置20に送信し、端末装置20がバッテリBによる給電を制御してもよい。
【0072】
以上のように本実施形態によれば、システム1は、車両EVの車両システムの停止時などに、容量情報に基づいて、バッテリBから上記所定電力需要に対して給電するように制御することにより、車両EVのバッテリの能力をより有効に活用することが可能である。
【0073】
[ハードウェア構成]
図6を参照して、サーバ装置10、端末装置20、及びサーバ装置30をコンピュータ800により実現する場合における、コンピュータ800のハードウェア構成の一例を説明する。なお、それぞれの装置の機能は、複数台の装置に分けて実現することもできる。
【0074】
図6に示すように、コンピュータ800は、プロセッサ801と、メモリ803と、記憶装置805と、入力I/F部807と、データI/F部809と、通信I/F部811、及び表示装置813を含む。コンピュータ800は、図示しないが、各種アクチュエータ(例えば、モータ)、測位モジュール(例えば、GPSモジュール)、又は各種センサを含んでもよい。
【0075】
プロセッサ801は、メモリ803に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ800における各種の処理を制御する制御部である。
【0076】
メモリ803は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。メモリ803は、プロセッサ801によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0077】
記憶装置805は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置805は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。なお、記憶装置805は、メモリ803と同じデバイスであってよい。
【0078】
入力I/F部807は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部807の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイス等が挙げられる。入力I/F部807は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインタフェースを介してコンピュータ800に接続されても良い。
【0079】
データI/F部809は、コンピュータ800の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部809の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等がある。データI/F部809は、コンピュータ800の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F部809は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ800へと接続される。
【0080】
通信I/F部811は、コンピュータ800の外部の装置と有線又は無線により、インターネットNを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F部811は、コンピュータ800の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F部811は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ800に接続される。
【0081】
表示装置813は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示装置813の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイ等が挙げられる。表示装置813は、コンピュータ800の外部に設けられても良い。その場合、表示装置813は、例えばディスプレイケーブル等を介してコンピュータ800に接続される。また、入力I/F部807としてタッチパネルが採用される場合には、表示装置813は、入力I/F部807と一体化して構成することが可能である。
【0082】
[変形例]
上記実施形態におけるシステム1(又は、サーバ装置10、若しくは端末装置20)を実装するためのプログラムは、CD-ROM等の光学ディスク、磁気ディスク、半導体メモリなどの各種の記録媒体を通じて、又は通信ネットワークなどを介してダウンロードすることにより、コンピュータにインストール又はロードすることができる。
【0083】
本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。
【符号の説明】
【0084】
1 システム
10 サーバ装置
11 通信部
12 データベース
13 制御部
20 端末装置
20a 端末装置
20b 端末装置
20c 端末装置
30 サーバ装置
800 コンピュータ
801 プロセッサ
803 メモリ
805 記憶装置
807 入力I/F部
809 データI/F部
811 通信I/F部
813 表示装置
N ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6