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特開2024-83760消費財管理装置、消費財管理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083760
(43)【公開日】2024-06-24
(54)【発明の名称】消費財管理装置、消費財管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0202 20230101AFI20240617BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20240617BHJP
【FI】
G06Q30/0202
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197757
(22)【出願日】2022-12-12
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】若尾 あすか
(72)【発明者】
【氏名】宮路 大勇
(72)【発明者】
【氏名】上田 芳弘
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB04
5L030BB58
5L030BB63
5L049BB04
5L049BB58
5L049BB63
(57)【要約】
【課題】消費財の管理における利便性を向上することが可能な消費財管理装置、消費財管理方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】ユーザが有する消費財の現在の残量を示す残量情報と、前記消費財の追加に関する履歴を示す履歴情報とを少なくとも含む予測情報を取得する予測情報取得部と、取得された前記予測情報に基づき、前記現在から所定の期間における前記消費財に関する消費量を予測する消費量予測部と、予測された前記消費量に基づき、前記現在以降で前記消費財の追加に好ましい時期を検出する時期検出部と、を備える消費財管理装置。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが有する消費財の現在の残量を示す残量情報と、前記消費財の追加に関する履歴を示す履歴情報とを少なくとも含む予測情報を取得する予測情報取得部と、
取得された前記予測情報に基づき、前記現在から所定の期間における前記消費財に関する消費量を予測する消費量予測部と、
予測された前記消費量に基づき、前記現在以降で前記消費財の追加に好ましい時期を検出する時期検出部と、
を備える消費財管理装置。
【請求項2】
前記消費財の追加に好ましい時期は、前記消費財の残量が無くなる前に前記消費財を追加可能な時期であり、
前記時期検出部は、予測された前記消費財に関する消費量に基づき前記所定の期間における前記消費財の残量の推移を予測し、前記消費財の残量の推移に基づき、前記消費財の追加に好ましい時期を検出する、
請求項1に記載の消費財管理装置。
【請求項3】
前記時期検出部は、予測された前記消費財に関する消費量に加え、前記消費財の追加にかかるリードタイムにも基づき、前記消費財の追加に好ましい時期を検出する、
請求項1又は請求項2に記載の消費財管理装置。
【請求項4】
前記時期検出部は、予測された前記消費財に関する消費量に加え、前記現在から前記所定の期間における前記ユーザのスケジュールにも基づき、前記消費財の追加に好ましい時期を検出する、
請求項1又は請求項2に記載の消費財管理装置。
【請求項5】
前記予測情報は、前記現在から前記所定の期間における天候に関する情報を示す天候情報をさらに含む、
請求項1に記載の消費財管理装置。
【請求項6】
前記消費量予測部は、前記予測情報と、前記所定の期間における前記消費財に関する消費量との関係を学習した消費量予測モデルに対して前記予測情報取得部によって取得された前記予測情報を入力し、前記消費量予測モデルから出力される前記所定の期間における前記消費財に関する消費量を予測結果として取得する、
請求項1又は請求項5に記載の消費財管理装置。
【請求項7】
前記ユーザは、消費者であり、
前記消費財は、前記消費者が使用することで内容物の量が減少する非耐久消費財であり、
前記消費財の残量は、前記消費者が使用中の前記消費財の前記内容物の量であり、
前記消費財に関する消費量は、前記消費者による前記消費財の使用量である、
請求項1に記載の消費財管理装置。
【請求項8】
予測された前記使用量に基づき、前記現在から前記所定の期間において前記内容物の残量の追加にかかる費用を算出する費用算出部と、
をさらに備える請求項7に記載の消費財管理装置。
【請求項9】
前記ユーザは、前記消費財の販売者であり、
前記消費財は、消費者に対して販売される耐久消費財又は非耐久消費財であり、
前記消費財の残量は、前記販売者が有する前記消費財の在庫数であり、
前記消費財に関する消費量は、前記消費財の売り上げ数である、
請求項1に記載の消費財管理装置。
【請求項10】
予測された前記売り上げ数に基づき、前記消費財の在庫数の追加に好ましい時期における前記消費財の発注量を算出する発注量算出部と、
をさらに備える請求項9に記載の消費財管理装置。
【請求項11】
予測情報取得部が、ユーザが有する消費財の現在の残量を示す残量情報と、前記消費財の追加に関する履歴を示す履歴情報とを少なくとも含む予測情報を取得する予測情報取得過程と、
消費量予測部が、取得された前記予測情報に基づき、前記現在から所定の期間における前記消費財に関する消費量を予測する消費量予測過程と、
時期検出部が、予測された前記消費量に基づき、前記現在以降で前記消費財の追加に好ましい時期を検出する時期検出過程と、
を含む消費財管理方法。
【請求項12】
コンピュータを、
ユーザが有する消費財の現在の残量を示す残量情報と、前記消費財の追加に関する履歴を示す履歴情報とを少なくとも含む予測情報を取得する予測情報取得手段と、
取得された前記予測情報に基づき、前記現在から所定の期間における前記消費財に関する消費量を予測する消費量予測手段と、
予測された前記消費量に基づき、前記現在以降で前記消費財の追加に好ましい時期を検出する時期検出手段と、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消費財管理装置、消費財管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、消費者が使用している消費財の使用状況から、当該消費財がなくなる時期を予測し、予測した時期に合わせて消費財を自動で発注する技術が各種提案されている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、プリンタについて、ユーザの利用状況に応じてインクやトナー、用紙等の消耗品がなくなる時期を予測し、適切なタイミングで消耗品を自動で発注してユーザへ配送するための技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-96589号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術のように、消耗品の利用状況から自動で消耗品を発注されると、予測結果と実績にずれが生じた場合に消耗品のストックが溜まってしまうなどユーザにとって都合が悪いこともあり、利便性がよくない場合があった。
【0006】
上述の課題を鑑み、本発明の目的は、消費財の管理における利便性を向上することが可能な消費財管理装置、消費財管理方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係る消費財管理装置は、ユーザが有する消費財の現在の残量を示す残量情報と、前記消費財の追加に関する履歴を示す履歴情報とを少なくとも含む予測情報を取得する予測情報取得部と、取得された前記予測情報に基づき、前記現在から所定の期間における前記消費財に関する消費量を予測する消費量予測部と、予測された前記消費量に基づき、前記現在以降で前記消費財の追加に好ましい時期を検出する時期検出部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係る消費財管理方法は、予測情報取得部が、ユーザが有する消費財の現在の残量を示す残量情報と、前記消費財の追加に関する履歴を示す履歴情報とを少なくとも含む予測情報を取得する予測情報取得過程と、消費量予測部が、取得された前記予測情報に基づき、前記現在から所定の期間における前記消費財に関する消費量を予測する消費量予測過程と、時期検出部が、予測された前記消費量に基づき、前記現在以降で前記消費財の追加に好ましい時期を検出する時期検出過程と、を含む。
【0009】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、ユーザが有する消費財の現在の残量を示す残量情報と、前記消費財の追加に関する履歴を示す履歴情報とを少なくとも含む予測情報を取得する予測情報取得手段と、取得された前記予測情報に基づき、前記現在から所定の期間における前記消費財に関する消費量を予測する消費量予測手段と、予測された前記消費量に基づき、前記現在以降で前記消費財の追加に好ましい時期を検出する時期検出手段と、として機能させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、消費財の管理における利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施形態に係る消費財管理システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
図2】第1の実施形態に係る消費財管理サーバの機能構成の一例を示すブロック図である。
図3】第1の実施形態に係る処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図4】第2の実施形態に係る消費財管理システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
図5】第2の実施形態に係る消費財管理サーバの機能構成の一例を示すブロック図である。
図6】第2の実施形態に係る処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、消費財の残量を管理するための消費財管理システムについて、複数の実施形態を説明する。消費財管理システムは、ユーザが有する消費財の現在の残量を示す残量情報と、消費財の追加に関する履歴を示す履歴情報とを少なくとも含む予測情報に基づき、現在から所定の期間における消費財に関する消費量を予測し、予測した消費量に基づき、消費財の残量を管理するための各種情報をユーザに提示するシステムである。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
【0013】
<<1.第1の実施形態>>
まず、図1から図3を参照して、第1の実施形態について説明する。第1の実施形態では、ユーザがEC(Electronic Commerce:電子商取引)サイトで購入して使用している消費財の残量を管理するシステムとして消費財管理システムが適用される例について説明する。
以下では、ユーザは消費者であり、消費財は消費者が使用することで内容物の量が減少する非耐久消費財であり、消費財の残量は消費者が使用中の消費財の内容物の量であり、消費財に関する消費量は消費者による消費財の使用量であり、履歴情報はECサイトにおける消費財の購入に関する情報であるものとする。履歴情報には、例えば、ユーザが消費財を購入した日時、商品名、数量などの情報が含まれる。
【0014】
非耐久消費財は、例えば、食料品、飲料、日用品などである。日用品は、生活用品や文化用品にさらに分類される。生活用品には、例えば、洗剤(食器洗剤、洗濯洗剤など)、石鹸、歯磨き粉、シャンプー、リンス、ボディーソープ、化粧品、ティッシュペーパー、トイレットペーパーなどである。文化用品は、文具、コピー用紙、インク類、トナーなどである。
【0015】
なお、消費財の追加には、ECサイトにおける消費財の新規購入による追加と、ECサイトにおける消費財の追加購入による追加のいずれも含まれる。即ち、履歴情報が示す消費財の残量を追加した履歴は、ECサイトにおける消費財の新規購入に関する履歴、又はECサイトにおける消費財の追加購入に関する履歴である。
【0016】
<1-1.消費財管理システムの概略構成>
図1を参照して、第1の実施形態に係る消費財管理システムの概略構成について説明する。図1は、第1の実施形態に係る消費財管理システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
図1に示す消費財管理システム1は、ユーザ(消費者)がECサイトで購入した消費財の残量情報と、当該消費財の履歴情報とを少なくとも含む予測情報に基づき、現在から所定の期間における消費財の消費量を予測し、予測した消費量に基づき、消費財の残量を管理するための各種情報をユーザに提示するシステムである。
なお、所定の期間には、ユーザが任意の期間を設定可能である。以下では、一例として、所定の期間が3か月である例について説明する。
また、一例として、消費財管理システム1がユーザに提示する各種情報(以下、「出力情報」とも称される)は、所定の期間における消費財の消費量、所定の期間における消費財の残量の推移、消費財の追加に好ましい時期(以下、「追加時期」とも称される)、所定の期間における消費財の残量の追加にかかる費用などである。
【0017】
図1に示すように、消費財管理システム1は、ユーザ端末10と、センサ装置20と、消費財管理サーバ30と、ECサイトシステム40とを備える。
【0018】
ユーザ端末10は、ネットワークNWを介して、消費財管理サーバ30と、ECサイトシステム40と通信可能に接続されている。センサ装置20は、ネットワークNWを介して、消費財管理サーバ30と通信可能に接続されている。消費財管理サーバ30は、ネットワークNWを介して、ユーザ端末10と、センサ装置20と、ECサイトシステム40と通信可能に接続されている。ECサイトシステム40は、ネットワークNWを介して、ユーザ端末10と、消費財管理サーバ30と通信可能に接続されている。
ネットワークNWには、情報の授受を行うための構成として、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、電話網(携帯電話網、固定電話網等)、地域IP(Internet Protocol)網、インターネット等が適用される。
【0019】
(1)ユーザ端末10
ユーザ端末10は、ユーザ(消費者)が有する端末である。ユーザ端末10は、例えば、スマートフォンやタブレット端末などの携帯端末、又はPC(Personal Computer)などである。
【0020】
ユーザ端末10には、ユーザがECサイトにて消費財を購入するためのアプリケーション(以下、「ECサイトアプリ」とも称される)によって、消費財購入のための画面が表示される。ユーザは、ECサイトアプリによってユーザ端末10に表示される画面を操作することで、消費財を購入することができる。
【0021】
また、ユーザ端末10には、ユーザが消費財を管理するためのアプリケーション(以下、「消費財管理アプリ」とも称される)によって、消費財管理のための画面が表示される。ユーザは、消費財管理アプリによってユーザ端末10に表示される画面を操作することで、管理設定の実行や出力情報の確認を行うことができる。ユーザは、管理設定により、ユーザと、ユーザが残量を管理したい消費財と、当該消費財の残量情報を取得する装置(以下、「残量情報取得装置」とも称される)とを対応付けることができる。即ち、管理設定では、ユーザに関する情報を示すユーザ情報と、残量が管理される消費財に関する情報を示す消費財情報と、残量情報取得装置に関する情報を示す残量情報取得装置情報とが対応付けられる。
さらに、ユーザは、管理設定により、消費財管理アプリのユーザ情報とECサイトアプリのユーザ情報とを対応付けることができる。これにより、消費財管理サーバ30とECサイトシステム40との間での情報連携が可能となり、ユーザはECサイトシステム40で管理されている自身の履歴情報を消費財管理サーバ30へ連携することが可能となる。
以下では、管理設定による各種情報の対応関係を示す情報は、「管理設定情報」とも称される。
【0022】
なお、ECサイトアプリ及び消費財管理アプリの機能は、ユーザ端末10に各アプリをインストールすること(即ちネイティブアプリ)で提供されてもよいし、Webシステム(即ちWebアプリ)によって提供されてもよい。Webアプリの場合、各アプリはサーバで管理されており、その機能はWebブラウザを介して提供される。
【0023】
(2)センサ装置20
センサ装置20は、消費財21の残量情報を取得するセンサであり、残量情報取得装置の一例である。センサ装置20は、例えば重量センサであり、重量センサは消費財21の重量を測定して残量情報として取得する。センサ装置20は、残量情報を取得可能に消費財21のパッケージ自体に設けられる。例えば、重量センサは、消費財21のパッケージ内の内容物の重量のみを測定可能に設けられてもよいし、消費財21全体の重量を測定可能に設けられてもよい。重量センサは、内容物の重量のみを測定する場合には測定した重量を残量情報として取得し、消費財21全体の重量を測定する場合には測定した重量からパッケージの重量を引いた重量を残量情報として取得する。
【0024】
センサ装置20が残量情報を取得するタイミングは特に限定されず、任意に設定された所定のタイミングであってよい。所定のタイミングは、例えば、ユーザによって予め設定されて時間が経過したタイミング、消費財管理アプリが起動されたタイミング、消費財管理サーバ30から要求されたタイミングなどである。
【0025】
なお、ユーザは、消費財21の内容物を購入時のパッケージに入れたまま使用してもよいし、購入後に消費財21の内容物を購入時のパッケージから別のパッケージに詰め替えて使用してもよい。
また、センサ装置20は、消費財21のパッケージに予め設けられていてもよいし、ユーザによって消費財21のパッケージに取り付け可能であってもよい。センサ装置20が設けられた消費財21のパッケージは、消費財21の内容物が充填された状態で(即ちセンサ装置20付の消費財として)販売されていてもよいし、内容物が充填されていないパッケージのみの状態で(即ちセンサ装置20付の詰め替え用容器として)販売されていてもよい。
また、ユーザは、消費財21に専用のパッケージを使用してもよいし、消費財21に専用ではないパッケージを使用してもよい。即ち、パッケージは、センサ装置20による残量情報の取得が可能であれば任意のパッケージであってよい。
例えば、消費財が量り売りで販売される場合、ユーザは、売場で提供されるパッケージを用いてもよいし、自ら持ち込んだ繰り返し使えるパッケージを用いてもよい。これにより、ユーザは、サステナブルな活動に貢献できる。
【0026】
(3)消費財管理サーバ30
消費財管理サーバ30は、消費財の残量を管理するための処理を行うサーバであり、消費財管理装置の一例である。消費財管理サーバ30は、1つ又は複数のサーバ(例えば、クラウドサーバ)で構成される。
【0027】
(4)ECサイトシステム40
ECサイトシステム40は、ECサイトに関するシステムである。ECサイトシステム40は、1つ又は複数のサーバ(例えば、クラウドサーバ)で構成される。
ECサイトシステム40は、ユーザがECサイトアプリを介して消費財の新規購入又は消費財の追加購入をした際に、履歴情報を生成して管理する。ECサイトシステム40は、ユーザが消費財管理アプリにて行う管理設定により、消費財管理サーバ30に対して履歴情報を連携可能となる。
【0028】
<1-2.消費財管理サーバの機能構成>
以上、第1の実施形態に係る消費財管理システム1の概略構成について説明した。続いて、図2を参照して、第1の実施形態に係る消費財管理サーバ30の機能構成について説明する。図2は、第1の実施形態に係る消費財管理サーバ30の機能構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、消費財管理サーバ30は、通信部310と、記憶部320と、制御部330とを備える。
【0029】
(1)通信部310
通信部310は、各種情報を送受信する機能を有する。通信部310は、ネットワークNWを介して、ユーザ端末10と、センサ装置20と、ECサイトシステム40と通信を行い、各種情報を送受信する。ユーザ端末10との通信において、通信部310は、例えば、管理設定情報を受信し、出力情報を送信する。センサ装置20との通信において、通信部310は、例えば、残量情報を受信する。ECサイトシステム40との通信において、通信部310は、例えば、消費財管理アプリのユーザ情報とECサイトアプリのユーザ情報とを対応付けるための情報を送信し、対応付けられたユーザ情報に対応する履歴情報を受信する。
【0030】
(2)記憶部320
記憶部320は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部320は、消費財管理サーバ30がハードウェアとして備える記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、又はこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
【0031】
図2に示すように、記憶部320は、消費量予測モデル321を記憶している。消費量予測モデル321は、消費量を予測するモデルである。例えば、消費量予測モデル321は、予測情報と、所定の期間における消費財の消費量との関係を学習(機械学習)したモデル(学習済みモデル)である。このため、消費量予測モデル321は、予測情報を入力として、所定の期間における消費財の消費量を出力する。
【0032】
例えば、学習を行うモデルは、ある時点(予測時の現在に相当)での消費財の残量(残量情報)と、当該消費財をユーザが購入した日時(履歴情報)と、当該ユーザがある時点から所定の期間で当該消費財を消費した量(消費量)とが対応付けられた教師データを用いて学習を行う。学習を行うモデルは、教師データの履歴情報が示す消費財の購入日時と残量情報が示す消費財の残量とから、消費財の消費ペースを算出することができる。また、学習を行うモデルは、推定した消費ペース(例えば1日あたりの平均消費量)と所定の期間(例えば日数)とから、所定の期間における総消費量を算出できる。そして、学習を行うモデルは、算出した所定の期間における総消費量と教師データが示す所定の期間における消費量との差分を確認する。これにより、学習を行うモデルは、当該教師データを用いて、残量情報と履歴情報が入力された際に所定の期間における消費量を予測するように学習することができる。
【0033】
なお、消費量予測モデル321は、ユーザごとに、かつ消費財ごとに用意される。即ち、各ユーザが有する各消費財に専用の消費量予測モデル321が用意される。具体的には、ユーザが残量を管理したい消費財として管理設定にて登録した消費財ごとに、消費量予測モデル321が用意される。なお、残量管理の開始時には、全ての消費財に対して共通で利用可能である汎用的な消費量予測モデル321が提供される。汎用的な消費量予測モデル321は、ユーザが残量管理を開始してから取得される残量情報や履歴情報を用いて学習を行う。これにより、最初は汎用的なモデルとして提供された消費量予測モデル321は、各ユーザの各消費財に合わせた消費量予測モデル321として最適化される。即ち、ユーザは、残量管理を長く続ける程、より精度の高い消費量の予測結果を得ることができるようになる。
【0034】
なお、消費量予測モデル321における学習済みモデルは、深層学習モデルを用いて学習されたモデルであっても良い。また、各モデルにおける学習済みモデルは、非深層学習型で非線形の時系列データに対して予測可能なアルゴリズムを使用して学習することで得られるモデルであってもよい。この場合、学習時間を短縮させ、システムの応答のたびに、その時点での最新の情報を使い、AI(Artificial Intelligence)モデルを作成できる。これにより、リアルタイムで精度の高い予測が可能となる。
【0035】
(3)制御部330
制御部330は、消費財管理サーバ30の動作全般を制御する機能を有する。制御部330は、例えば、消費財管理サーバ30がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることによって実現される。
図2に示すように、制御部330は、管理設定部331と、連携部332と、予測情報取得部333と、消費量予測部334と、時期検出部335と、費用算出部336と、情報出力部337とを備える。
【0036】
(3-1)管理設定部331
管理設定部331は、管理設定を行う機能を有する。例えば、管理設定部331は、通信部310がユーザ端末10から受信した管理設定情報に基づき、各種情報の対応付けを行う。具体的に、管理設定部331は、管理設定情報が示す消費財管理アプリのユーザ情報と、消費財情報と、残量情報取得装置情報とを対応付け、記憶部320に登録する。また、管理設定部331は、管理設定情報が示す消費財管理アプリのユーザ情報とECサイトアプリのユーザ情報とを対応付け、記憶部320に記憶する。
【0037】
(3-2)連携部332
連携部332は、複数のアプリを連携可能にする機能を有する。例えば、連携部332は、管理設定部331によって消費財管理アプリのユーザ情報とECサイトアプリのユーザ情報とが対応付けられると、ECサイトシステム40に対して消費財管理サーバ30との連携要求を通信部310から送信する。これにより、消費財管理サーバ30(消費財管理アプリ)とECサイトシステム40(ECサイトアプリ)との間で各種情報の連携が可能となる。
【0038】
(3-3)予測情報取得部333
予測情報取得部333は、予測情報を取得する機能を有する。例えば、予測情報取得部333は、少なくとも残量情報と履歴情報を予測情報として取得する。予測情報取得部333は、通信部310がセンサ装置20から受信する残量情報を予測情報として取得する。また、予測情報取得部333は、通信部310がECサイトシステム40から受信する履歴情報を予測情報として取得する。
【0039】
(3-4)消費量予測部334
消費量予測部334は、消費量を予測する機能を有する。例えば、消費量予測部334は、予測情報取得部333によって取得された予測情報に基づき、現在から所定の期間における消費財の消費量を予測する。具体的に、消費量予測部334は、記憶部320に記憶されている消費量予測モデル321に対して予測情報取得部333によって取得された予測情報を入力し、消費量予測モデル321から出力される消費量を予測結果として取得する。
【0040】
(3-5)時期検出部335
時期検出部335は、消費財の追加に好ましい時期(追加時期)を検出する機能を有する。例えば、時期検出部335は、消費量予測部334によって予測された消費量に基づき、現在以降での追加時期を検出する。追加時期は、例えば消費財の残量が無くなる前に消費財を追加可能な時期である。
具体的に、時期検出部335は、まず、消費量予測部334によって予測された消費量に基づき、所定の期間における消費財の残量の推移を予測する。時期検出部335は、例えば、履歴情報が示す消費財を最後に追加した日と追加量と、残量情報が示す現在の残量とに基づき、消費材を最後に追加した日の追加量が現在の残量になるまでの消費ペース(例えば1日あたりの平均消費量)を算出する。
時期検出部335は、残量情報が示す現在の残量から消費ペースが示す消費量を引いていくことで残量の推移を予測することができる。例えば、消費ペースが1日あたりの平均消費量である場合、時期検出部335は、消費財の残量から平均消費量を引くことを繰り返し行う。例えば、時期検出部335は、現在の残量から平均消費量を引いた第1の残量を取得し、第1の残量から平均消費量を引いた第2の残量を取得するようにして、残量がゼロになるまで繰り返す。残量がゼロになった場合、時期検出部335は、消費財の残量を追加したと仮定して、残量から平均消費量を引くことを繰り返す。
時期検出部335は、消費量予測部334によって予測された消費量(所定の期間における総消費量)がゼロになるまで残量から平均消費量を引くことを繰り返すことで、所定の期間における残量の推移を予測することができる。
【0041】
次いで、時期検出部335は、予測した消費財の残量の推移に基づき、消費財の追加時期を検出する。例えば、時期検出部335は、予測した消費財の残量の推移から残量がゼロになる手前の数日間を追加時期として検出する。
【0042】
なお、時期検出部335は、消費量予測部334によって予測された消費量に加え、消費財の追加にかかるリードタイムにも基づき、消費財の追加時期を検出してもよい。リードタイムは、ユーザがECサイトにて消費財を購入してから、消費財が手元に届くまでにかかる時間である。当該リードタイムは、例えば、ECサイトにおける消費財の在庫の有無、消費財の配送にかかる時間などによって変動し得る。このため、時期検出部335は、ECサイトシステム40から必要な情報を連携してもらうことで、リードタイムを算出することができ、より精度高く追加時期を検出することができる。
【0043】
さらに、時期検出部335は、現在から所定の期間におけるユーザのスケジュールにも基づき、消費財の追加時期を検出してもよい。例えば、ユーザは、時期検出部335によって消費量のみに基づき検出された追加時期に、スケジュールによっては消費財を購入できない場合や、消費財を購入できても受け取ることができない場合がある。このため、時期検出部335は、ユーザ端末10からユーザのスケジュールを連携してもらうことで、スケジュールを考慮することができ、より精度高く追加時期を検出することができる。
【0044】
(3-6)費用算出部336
費用算出部336は、消費財の追加にかかる費用を算出する機能を有する。例えば、費用算出部336は、消費量予測部334によって予測された消費量(使用量)に基づき、現在から所定の期間において内容物の残量の追加にかかる費用を算出する。費用の算出にあたり、費用算出部336は、ECサイトシステム40から消費財の購入価格を取得する。さらに、費用算出部336は、消費量予測部334によって取得された消費量から購入が必要な消費財の個数を算出する。そして、費用算出部336は、取得した購入価格と算出した個数とを掛けることで、費用を算出することができる。
【0045】
(3-7)情報出力部337
情報出力部337は、各種情報を出力する機能を有する。例えば、情報出力部337は、ユーザ端末10に表示する出力情報を取得して、通信部310からユーザ端末10へ送信(出力)する。出力情報は、消費量予測部334によって予測された消費量、時期検出部335によって予測された残量の推移、時期検出部335によって検出された追加時期、費用算出部336によって算出された費用などである。
【0046】
<1-3.処理の流れ>
以上、第1の実施形態に係る消費財管理サーバ30の機能構成について説明した。続いて、図3を参照して、第1の実施形態に係る処理の流れについて説明する。図3は、第1の実施形態に係る処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0047】
図3に示すように、まず、ユーザは、ユーザ端末10に対して、消費財購入操作を行う(ステップS101)。当該消費財購入操作では、ECサイトアプリの起動、消費財の購入が行われる。ユーザ端末10は、ユーザからの消費財購入操作を受け付け、ECサイトアプリを起動し、消費財の購入に必要な情報をECサイトシステム40へ送信する。
ECサイトシステム40は、ユーザ端末10から受信した情報に基づき消費財の購入処理を実行し、ユーザの履歴情報を更新する(ステップS102)。
【0048】
次に、ユーザは、ユーザ端末10に対して、管理設定操作を行う(ステップS103)。当該管理設定操作では、消費財管理アプリの起動、ユーザが残量を管理したい消費材の選択が行われる。ユーザ端末10は、ユーザからの管理設定操作を受け付け、消費財管理アプリを起動し、管理設定に必要な情報(管理設定情報)を消費財管理サーバ30へ送信する。
消費財管理サーバ30の管理設定部331は、通信部310がユーザ端末10から受信した管理設定情報に基づき、管理設定を行う(ステップS104)。
次いで、消費財管理サーバ30の連携部332は、ECサイトシステム40に対して、消費財管理サーバ30との連携要求を通信部310から送信する(ステップS105)。
消費財管理サーバ30からの連携要求を受信したECサイトシステム40は、連携するユーザの履歴情報を消費財管理サーバ30へ送信する(ステップS106)。
【0049】
次に、ユーザは、管理設定した消費財の使用を開始する(ステップS107)。ユーザによる使用開始後、センサ装置20は、所定のタイミングで消費財の残量情報を取得し、消費財管理サーバ30へ送信する(ステップS108)。
【0050】
消費財管理サーバ30の予測情報取得部333は、通信部310がセンサ装置20から受信した残量情報とECサイトシステム40から受信した履歴情報を予測情報として取得する(ステップS109)。
次いで、消費財管理サーバ30の消費量予測部334は、記憶部320に記憶されている消費量予測モデル321に対して、予測情報取得部333によって取得された予測情報を入力し、消費量予測モデル321から出力される消費量を予測結果として取得することで、所定の期間における消費財の消費量(使用量)を予測する(ステップS110)。
次いで、消費財管理サーバ30の時期検出部335は、消費量予測部334によって予測された消費量に基づき、所定の期間における消費財の残量の推移を予測する(ステップS111)。
次いで、時期検出部335は、予測した消費財の残量の推移に基づき、消費財の追加時期を検出する(ステップS112)。
次いで、消費財管理サーバ30の費用算出部336は、消費量予測部334によって予測された消費量(使用量)に基づき、現在から所定の期間において内容物の残量の追加にかかる費用を算出する(ステップS113)。
次いで、消費財管理サーバ30の情報出力部337は、ユーザ端末10に表示する出力情報(例えば、消費量、残量の推移、追加時期、費用など)を取得して、通信部310からユーザ端末10へ送信する(ステップS114)。
【0051】
ユーザ端末10は、消費財管理サーバ30から受信した出力情報を表示する(ステップS115)。そして、ユーザは、ユーザ端末10に表示された出力情報を確認する(ステップS116)。これにより、ユーザは、出力情報に基づき、消費財を購入するか否かを決定することができる。購入場合、ユーザは、ステップS101の消費財購入操作によって手動で購入処理を行う。
【0052】
以上説明したように、第1の実施形態に係る消費財管理サーバ30(消費財管理装置)は、ユーザが有する消費財の現在の残量を示す残量情報と、消費財の追加に関する履歴を示す履歴情報とを少なくとも含む予測情報を取得する予測情報取得部333と、取得された予測情報に基づき、現在から所定の期間における消費財に関する消費量を予測する消費量予測部334と、予測された消費量に基づき、現在以降で消費財の追加に好ましい時期を検出する時期検出部335と、を備える。
【0053】
かかる構成により、ユーザは、消費財の現在の利用状況に基づき検出された追加時期を確認し、自身の消費財のストック状況なども考慮して消費財の追加が必要か否かを判断した上で、消費財を追加購入するか否かを決定することができる。
よって、第1の実施形態に係る消費財管理サーバ30は、消費財の管理における利便性を向上することを可能とする。
【0054】
<<2.第2の実施形態>>
以上、第1の実施形態について説明した。続いて、図4から図6を参照して、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、店舗で販売されている消費財の残量をPOS(Point of sale system:販売時点情報管理)システムと連携して管理するシステムとして消費財管理システムが適用される例について説明する。
以下では、ユーザは消費財の販売者であり、消費財は消費者に対して販売される商品(耐久消費財又は非耐久消費財)であり、消費財の残量は販売者が有する消費財の在庫数であり、消費財に関する消費量は消費財の売り上げ数であり、履歴情報は、POSシステムにおける消費財の発注に関する情報であるものとする。履歴情報には、例えば、ユーザが消費財を発注した日時、消費財名、数量などの情報が含まれる。
耐久消費財は、例えば、家電製品、自動車、家具などである。また、第2の実施形態に係る非耐久消費財には、衣服など、使用によって内容物の量が減少しない物が含まれてもよい。
【0055】
なお、商品の追加には、POSシステムにおける商品の新規発注による追加と、POSシステムにおける商品の追加発注による追加のいずれも含まれる。即ち、履歴情報が示す商品の在庫を追加した履歴は、POSシステムにおける商品の新規発注に関する履歴、又はPOSシステムにおける商品の追加発注に関する履歴である。
なお、以下では、第1の実施形態と重複する説明については適宜省略する。
【0056】
<2-1.消費財管理システムの概略構成>
図4を参照して、第2の実施形態に係る消費財管理システムの概略構成について説明する。図4は、第2の実施形態に係る消費財管理システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
図4に示す消費財管理システム1aは、ユーザが店舗で販売している商品の残量情報と、当該商品の履歴情報とを少なくとも含む予測情報に基づき、現在から所定の期間における商品の売り上げ数を予測し、予測した売り上げ数に基づき、商品の在庫数を管理するための各種情報をユーザに提示するシステムである。店舗は、例えば、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、百貨店、家電量販店などである。
【0057】
図4に示すように、消費財管理システム1aは、ユーザ端末10aと、消費財管理サーバ30aと、POSシステム50とを備える。
【0058】
ユーザ端末10aは、ネットワークNWを介して、消費財管理サーバ30aと、POSシステム50と通信可能に接続されている。消費財管理サーバ30aは、ネットワークNWを介して、ユーザ端末10aと、POSシステム50と通信可能に接続されている。POSシステム50は、ネットワークNWを介して、ユーザ端末10aと、消費財管理サーバ30aと通信可能に接続されている。
【0059】
(1)ユーザ端末10a
ユーザ端末10aは、ユーザ(販売者)が有する端末である。
ユーザ端末10aには、ユーザがPOSシステム50にて商品を発注するためのアプリケーション(以下、「POSアプリ」とも称される)によって、商品発注のための画面が表示される。ユーザは、POSアプリによってユーザ端末10aに表示される画面を操作することで、商品を発注することができる。
【0060】
また、ユーザ端末10aには、消費財管理アプリによって、商品管理のための画面が表示される。ユーザは、消費財管理アプリによってユーザ端末10aに表示される画面を操作することで、管理設定の実行や出力情報の確認を行うことができる。ユーザは、管理設定により、ユーザと、ユーザが在庫数を管理したい商品とを対応付けることができる。即ち、管理設定では、ユーザに関する情報を示すユーザ情報と、在庫数が管理される商品に関する情報を示す消費財情報とが対応付けられる。
さらに、ユーザは、管理設定により、消費財管理アプリのユーザ情報とPOSアプリのユーザ情報とを対応付けることができる。これにより、消費財管理サーバ30aとPOSシステム50との間での情報連携が可能となり、ユーザはPOSシステム50で管理されている自身の履歴情報を消費財管理サーバ30aへ連携することが可能となる。
【0061】
なお、POSアプリの機能は、ユーザ端末10aに各アプリをインストールすること(即ちネイティブアプリ)で提供されてもよいし、Webシステム(即ちWebアプリ)によって提供されてもよい。Webアプリの場合、各アプリはサーバで管理されており、その機能はWebブラウザを介して提供される。
【0062】
(2)消費財管理サーバ30a
消費財管理サーバ30aは、商品の在庫数を管理するための処理を行うサーバであり、消費財管理装置の一例である。消費財管理サーバ30aは、1つ又は複数のサーバ(例えば、クラウドサーバ)で構成される。
【0063】
(3)POSシステム50
POSシステム50は、商品に関する情報を管理するシステムである。POSシステム50は、1つ又は複数のサーバ(例えば、クラウドサーバ)で構成される。POSシステム50で管理されている商品に関する情報には、商品自体の情報と、当該商品を購入した消費者の情報などが含まれる。商品自体の情報は、例えば、商品名、商品カテゴリ、価格、数量(発注量、納入量、売り上げ数、在庫数など)、JAN(Japanese Article Numbe)コードなどの情報である。商品を購入した消費者の情報は、例えば、消費者属性(性別、年齢層など)、購入店舗などである。
【0064】
POSシステム50は、ユーザがPOSアプリを介して商品の新規発注又は商品の追加発注をした際に、履歴情報を生成して管理する。
また、POSシステム50は、履歴情報とは別に、ユーザが有する商品の在庫数を示す残量情報も生成して管理する。POSシステム50は、ユーザが商品を発注したタイミングや商品が売れたタイミングで在庫数を更新し、残量情報を更新する。
POSシステム50は、ユーザが消費財管理アプリにて行う管理設定により、消費財管理サーバ30aに対して残量情報及び履歴情報を含む予測情報を連携可能となる。
【0065】
<2-2.消費財管理サーバの機能構成>
以上、第2の実施形態に係る消費財管理システム1aの概略構成について説明した。続いて、図5を参照して、第2の実施形態に係る消費財管理サーバ30aの機能構成について説明する。図5は、第2の実施形態に係る消費財管理サーバ30aの機能構成の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、消費財管理サーバ30aは、通信部310aと、記憶部320aと、制御部330aとを備える。
【0066】
(1)通信部310a
通信部310aは、各種情報を送受信する機能を有する。通信部310aは、ネットワークNWを介して、ユーザ端末10aと、POSシステム50と通信を行い、各種情報を送受信する。ユーザ端末10aとの通信において、通信部310aは、例えば、管理設定情報を受信し、出力情報を送信する。POSシステム50との通信において、通信部310aは、例えば、消費財管理アプリのユーザ情報とPOSアプリのユーザ情報とを対応付けるための情報を送信し、対応付けられたユーザ情報に対応する履歴情報を受信する。
【0067】
(2)記憶部320a
記憶部320aは、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部320aは、消費財管理サーバ30aがハードウェアとして備える記憶媒体、例えば、HDD、SSD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROM、又はこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
【0068】
図5に示すように、記憶部320aは、消費量予測モデル321aを記憶している。消費量予測モデル321aは、売り上げ数(消費量)を予測するモデルである。例えば、消費量予測モデル321aは、予測情報と、所定の期間における商品の売り上げ数との関係を学習(機械学習)したモデル(学習済みモデル)である。このため、消費量予測モデル321aは、予測情報を入力として、所定の期間における商品の売り上げ数を出力する。
なお、消費量予測モデル321aは、店舗単位、地域単位、あるいは企業単位で用意され、各単位の中でさらに商品ごとに用意される。
【0069】
(3)制御部330a
制御部330aは、消費財管理サーバ30aの動作全般を制御する機能を有する。制御部330aは、例えば、消費財管理サーバ30aがハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。
図5に示すように、制御部330aは、管理設定部331aと、連携部332aと、予測情報取得部333aと、消費量予測部334aと、時期検出部335aと、発注量算出部338と、情報出力部337aとを備える。
【0070】
(3-1)管理設定部331a
管理設定部331aは、第1の実施形態に係る管理設定部331aと同様に管理設定を行う機能を有する。しかしながら、管理設定部331aは、管理設定情報が示す消費財管理アプリのユーザ情報と、消費財情報とを対応付けて記憶部320に記憶するが、残量情報取得装置情報は対応付けない点が異なる。また、管理設定部331aは、管理設定情報が示す消費財管理アプリのユーザ情報とPOSアプリのユーザ情報とを対応付け、記憶部320に記憶する点も異なる。
【0071】
(3-2)連携部332a
連携部332aは、第1の実施形態に係る連携部332と同様にして、管理設定部331aによって消費財管理アプリのユーザ情報とPOSアプリのユーザ情報とが対応付けられると、POSシステム50に対して消費財管理サーバ30aとの連携要求を通信部310aから送信する。これにより、消費財管理サーバ30a(消費財管理アプリ)とPOSシステム50(POSアプリ)との間で各種情報の連携が可能となる。
【0072】
(3-3)予測情報取得部333a
予測情報取得部333aは、第1の実施形態に係る予測情報取得部333と同様に予測情報を取得する機能を有する。しかしながら、予測情報取得部333aは、通信部310aがPOSシステム50から受信する残量情報及び履歴情報を予測情報として取得する点が異なる。
【0073】
(3-4)消費量予測部334a
消費量予測部334aの機能は、第1の実施形態に係る消費量予測部334の機能と比較して、予測する情報が消費財の使用量ではなく商品の売り上げ数である点が異なるが、予測のロジックは同様であるため、その説明を省略する。
【0074】
(3-5)時期検出部335a
時期検出部335aの機能は、第1の実施形態に係る時期検出部335の機能と比較して、検出する情報が消費財を購入する時期ではなく商品を発注する時期ある点が異なるが、検出のロジックは同様であるため、その説明を省略する。
また、時期検出部335aがリードタイムを算出するために必要な情報を取得する先は、記憶部320aあるいはPOSシステム50である。
【0075】
(3-6)発注量算出部338
発注量算出部338は、商品の発注量を算出する機能を有する。例えば、発注量算出部338は、消費量予測部334aによって予測された売り上げ数に基づき、商品の在庫数の追加時期における商品の発注量を算出する。一例として、発注量算出部338は、予測された売上数に基づき、今回の発注から次回の発注までの間に在庫数がゼロにならない発注量を算出する。
【0076】
(3-7)情報出力部337a
情報出力部337aは、第1の実施形態に係る情報出力部337と同様に、ユーザ端末10aに出力情報を出力する機能を有する。しかしながら、情報出力部337aは、消費量予測部334aによって予測された売り上げ数、時期検出部335aによって予測された在庫数の推移、時期検出部335aによって検出された追加時期、発注量算出部338によって算出された発注量などを出力情報として取得する点が異なる。
【0077】
<2-3.処理の流れ>
以上、第2の実施形態に係る消費財管理サーバ30aの機能構成について説明した。続いて、図6を参照して、第2の実施形態に係る処理の流れについて説明する。図6は、第2の実施形態に係る処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0078】
図6に示すように、まず、ユーザは、ユーザ端末10aに対して、商品発注操作を行う(ステップS201)。当該商品発注操作では、POSアプリの起動、商品の発注が行われる。ユーザ端末10aは、ユーザからの商品発注操作を受け付け、POSアプリを起動し、商品の発注に必要な情報をPOSシステム50へ送信する。
POSシステム50は、ユーザ端末10aから受信した情報に基づき商品の発注処理を実行し、ユーザの履歴情報を更新する(ステップS202)。
【0079】
次に、ユーザは、ユーザ端末10aに対して、管理設定操作を行う(ステップS203)。当該管理設定操作では、消費財管理アプリの起動、ユーザが在庫数を管理したい消費材の選択が行われる。ユーザ端末10aは、ユーザからの管理設定操作を受け付け、消費財管理アプリを起動し、管理設定に必要な情報(管理設定情報)を消費財管理サーバ30aへ送信する。
消費財管理サーバ30aの管理設定部331aは、通信部310aがユーザ端末10aから受信した管理設定情報に基づき、管理設定を行う(ステップS204)。
次いで、消費財管理サーバ30aの連携部332aは、POSシステム50に対して、消費財管理サーバ30aとの連携要求を通信部310aから送信する(ステップS205)。
消費財管理サーバ30aからの連携要求を受信したPOSシステム50は、連携するユーザの履歴情報を消費財管理サーバ30aへ送信する(ステップS206)。
【0080】
次に、ユーザは、管理設定した商品の販売を開始する(ステップS207)。ユーザによる商品の販売開始後、POSシステム50は、商品が売れる度に残量情報を更新する(ステップS208)。また、POSシステム50は、所定のタイミングで商品の残量情報と履歴情報を含む予測情報を取得し、消費財管理サーバ30aへ送信する(ステップS209)。なお、所定のタイミングには、POSシステム50によって残量情報が更新されたタイミングが含まれてもよい。
【0081】
消費財管理サーバ30aの予測情報取得部333aは、通信部310aがPOSシステム50から受信した予測情報を取得する(ステップS210)。
次いで、消費財管理サーバ30aの消費量予測部334aは、記憶部320aに記憶されている消費量予測モデル321aに対して、予測情報取得部333aによって取得された予測情報を入力し、消費量予測モデル321aから出力される売り上げ数を予測結果として取得することで、所定の期間における商品の売り上げ数を予測する(ステップS211)。
次いで、消費財管理サーバ30aの時期検出部335aは、消費量予測部334aによって予測された売り上げ数に基づき、所定の期間における商品の在庫数の推移を予測する(ステップS212)。
次いで、時期検出部335aは、予測した商品の在庫数の推移に基づき、商品の追加時期を検出する(ステップS213)。
次いで、消費財管理サーバ30aの発注量算出部338は、消費量予測部334aによって予測された売り上げ数に基づき、商品の在庫数の追加時期における商品の発注量を算出する(ステップS214)。
次いで、消費財管理サーバ30aの情報出力部337aは、ユーザ端末10aに表示する出力情報(例えば、売り上げ数、在庫数の推移、追加時期、発注量など)を取得して、通信部310aからユーザ端末10aへ送信する(ステップS215)。
【0082】
ユーザ端末10aは、消費財管理サーバ30aから受信した出力情報を表示する(ステップS216)。そして、ユーザは、ユーザ端末10aに表示された出力情報を確認する(ステップS217)。これにより、ユーザは、出力情報に基づき、商品を発注するか否かを決定することができる。発注する場合、ユーザは、ステップS201の商品発注操作によって手動で発注処理を行う。
【0083】
以上説明したように、第2の実施形態に係る消費財管理サーバ30a(消費財管理装置)は、ユーザが有する商品の現在の在庫数を示す残量情報と、商品の発注に関する履歴を示す履歴情報とを少なくとも含む予測情報を取得する予測情報取得部333aと、取得された予測情報に基づき、現在から所定の期間における商品の売り上げ数を予測する消費量予測部334aと、予測された売り上げ数に基づき、現在以降で商品の発注に好ましい時期を検出する時期検出部335aと、を備える。
【0084】
かかる構成により、ユーザは、商品の現在の売り上げ状況に基づき検出された追加時期を確認し、店舗での販売状況なども考慮して商品の追加が必要か否かを判断した上で、商品を追加発注するか否かを決定することができる。
よって、第2の実施形態に係る消費財管理サーバ30aは、消費財の管理における利便性を向上することを可能とする。
【0085】
<<3.変形例>>
以上、各実施形態について説明した。続いて、上述した各実施形態の変形例について説明する。なお、以下に説明する各変形例は、単独で各実施形態に適用されてもよいし、組み合わせで各実施形態に適用されてもよい。また、各変形例は、各実施形態で説明した構成に代えて適用されてもよいし、各実施形態で説明した構成に対して追加的に適用されてもよい。
【0086】
上述した各実施形態では、残量情報取得装置が消費財21のパッケージ自体に設けられるセンサ装置20である例について説明したが、かかる例に限定されない。残量情報取得装置は、消費財21のパッケージとは独立して設けられる装置であってもよい。例えば、残量情報取得装置は、撮像装置であってもよい。撮像装置は、消費財21のパッケージ内の内容物を撮像可能に設けられ、撮像した撮像画像を残量情報として取得する。この場合、消費財管理サーバ30は、当該撮像画像に対する画像認識処理に基づきパッケージ内の内容物の量を算出し、残量情報として取得する。
パッケージから取り出して使用する消費財やセンサ装置20をパッケージに設けることができない消費財の場合には、撮像装置を用いることで容易に残量情報を取得することができる。
【0087】
また、上述した各実施形態では、出力情報を確認したユーザが手動で購入処理又は発注処理を行う例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、第1の実施形態では、消費財管理サーバ30によって自動で購入処理が行われてもよい。また、第2の実施形態では、消費財管理サーバ30aによって自動で発注処理が行われてもよい。
【0088】
また、上述した各実施形態では、予測情報に残量情報と履歴情報が含まれ、当該予測情報を用いて消費量の予測が行われる例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、予測情報には、天候情報が含まれてもよい。天候情報は、現在から所定の期間における天候に関する情報であり、例えば、所定の期間における天気予報、気温や湿度などの推移、季節に応じた天候の特徴などを示す情報である。各実施形態では、消費量の予測に天候情報も用いることで天候も考慮した消費量の予測を行うことができる。例えば、第1の実施形態では、天気が良い、気温が高い、又は季節が夏などの場合には、飲料の消費量を多めに予測する。また、例えば、第2の実施形態では、天気が良い、気温が高い、又は季節が夏などの場合には、飲料の売り上げ数を多めに予測する。これにより、上述した各実施形態において残量情報と履歴情報のみを用いて消費量を予測する場合と比較し、予測精度を向上することができる。
なお、予測情報として天候情報も用いる場合、消費量予測モデル321,321aは、残量情報と履歴情報に加え、天候情報も用いた学習を行う。また、予測情報取得部333,333aは、残量情報と履歴情報に加えて、天候情報も予測情報として取得する。予測情報取得部333,333aは、例えば、通信部310,310aからネットワークNW(例えばインターネット)を介して参照可能な情報(例えばWebサイト)を検索することで、天候情報を取得する。
【0089】
また、上述した各実施形態において、各種の判断理由となる情報をExplainable AI(説明可能なAI)に分類される技術や手法を用いて算出し、ユーザ端末10に表示させるようにしてもよい。第1の実施形態における各種の判断理由となる情報は、例えば、消費量予測の判断理由、残量推移予測の判断理由、消費財追加時期検出の判断理由などである。第2の実施形態における各種の判断理由となる情報は、例えば、売り上げ数予測の判断理由、在庫数推移予測の判断理由、在庫数追加時期検出の判断理由などである。
【0090】
また、上述した各実施形態において、消費財管理システム1,1a、及び消費財管理サーバ30,30aの機能の一部又は全部を量子コンピュータによって実現するようにしてもよい。
【0091】
また、上述した第1の実施形態では、履歴情報にはユーザが消費財を購入した日時、商品名、数量などが含まれ、当該履歴情報を用いた消費量の予測が行われる例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、履歴情報には、センサ装置20が取得する残量情報の履歴が含まれてもよい。なお、履歴情報には、センサ装置20が取得する全ての残量情報が含まれてもよいし、部分的な残量情報のみが含まれてもよい。
残量情報の履歴は、少なくとも、ユーザがECサイトにて購入した消費財によって内容物が補充されてから、最初に取得される消費財の残量とその日時が含まれるように取得される。例えば、消費財管理サーバ30の予測情報取得部333があるタイミングで取得した残量情報が示す残量が前回取得された残量情報が示す残量よりも多かったとする。この場合、予測情報取得部333は、あるタイミングを消費財の内容物を補充した日時、あるタイミングで取得された残量情報が示す残量を補充後の残量として取得する。取得した残量情報は、消費財管理サーバ30の記憶部320に履歴情報として登録されてもよいし、ECサイトシステム40へ連携してECサイトシステム40で管理されている履歴情報とまとめて管理されてもよい。
消費財管理サーバ30の消費量予測部334は、消費量の予測において消費財の内容物を補充した日時と補充後の残量とを用いることで、履歴情報が示す購入日時を用いる場合と比較して残量の追加日がより正確に分かるため、より精度高く消費量を予測することができる。
【0092】
また、上述した第2の実施形態では、履歴情報にはユーザが商品を発注した日時、商品名、数量などが含まれ、当該履歴情報を用いた売り上げ数の予測が行われる例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、履歴情報には、発注予定日時や発注頻度(例えば曜日や時間帯ごと)が含まれてもよい。発注予定日時を用いる場合、消費財管理サーバ30aは、例えば発注予定日時よりも前に予測を開始し、発注予定日時よりも前に予測を完了しておくことで、ユーザが発注を開始する際にすぐに発注量を提示できるようにしておく。これにより、ユーザは、発注予定日時になったら予測処理が完了するのを待つことなく、効率的に発注を行うことができる。発注頻度を用いる場合、消費財管理サーバ30aは、例えば、発注頻度から検出される発注タイミングよりも前に予測を完了しておくことで、ユーザが発注を開始する際にすぐに発注量を提示できるようにしておく。発注頻度の時系列データには、ある期間(例えば1週間の間)に特徴的な時系列パターンが出現する場合がある。特徴的な時系列パターンは、例えばある期間において発注頻度が多い曜日や時間帯などである。よって、消費財管理サーバ30aは、当該特長的な時系列パターンが示すタイミングを発注タイミングとすることができる。これにより、ユーザは、発注予定日時が特に決まっていない場合であっても、定期的な頻度で発注を行っている場合には、発注を行うタイミングで予測処理が完了するのを待つことなく、効率的に発注を行うことができる。
また、消費財管理サーバ30aは、発注頻度に基づく売り上げ数の予測や追加時期の検出を行ってもよい。例えば、発注頻度が多い商品の場合は売り上げ数も多いと予測することができる。また、発注頻度が集中しているタイミングがある場合には、そのタイミングが追加時期として検出することができる。これにより、消費財管理サーバ30aは、売り上げ数の予測精度や追加時期の検出精度を向上することができる。
また、消費財管理サーバ30aは、イベント予定に基づく売り上げ数の予測を行ってもよい。例えば、イベントがある日には、イベントがない日と比べて異常な数の商品が売れる場合がある。このため、消費量予測モデル321aは、学習データのうちイベントがある日のデータについては外れ値として学習しないようにする。これにより、消費財管理サーバ30aは、イベントがない日において、イベントがある日のデータに引っ張られることなく、精度高く売り上げ数の予測を行うことができる。
【0093】
また、上述した第2の実施形態では、消費財管理アプリで管理している情報を他のアプリ(例えばチラシアプリなど)と連携可能にしてもよい。例えば、消費財管理アプリは、チラシアプリからセールなどの施策に関する情報を取得する。これにより、消費財管理サーバ30aは、セールなどのタイミングも考慮した売り上げ数の予測、在庫数の推移の予測、追加時期の検出、発注量の算出などを行うことができる。また、ユーザは、出力情報に基づき、セールなどの施策を行った場合の効果測定を行うことができる。また、チラシアプリ側では、消費財管理サーバ30aからの出力情報に基づく情報をチラシに反映してもよい。
【0094】
以上、各実施形態の変形例について説明した。なお、上述した各実施形態における消費財管理システム1,1a、及び消費財管理サーバ30,30aの一部又は全部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0095】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0096】
1,1a…消費財管理システム、10,10a…ユーザ端末、20…センサ装置、21…消費財、30,30a…消費財管理サーバ、40…ECサイトシステム、50…POSシステム、310,310a…通信部、320,320a…記憶部、321,321a…消費量予測モデル、330,330a…制御部、331,331a…管理設定部、332,332a…連携部、333,333a…予測情報取得部、334,334a…消費量予測部、335,335a…時期検出部、336…費用算出部、337,337a…情報出力部、338…発注量算出部、NW…ネットワーク
図1
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図6