IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シャープディスプレイテクノロジー株式会社の特許一覧

特開2024-83770走査信号線駆動回路およびそれを備えた表示装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024083770
(43)【公開日】2024-06-24
(54)【発明の名称】走査信号線駆動回路およびそれを備えた表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20240617BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20240617BHJP
   G11C 19/28 20060101ALI20240617BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/20 622E
G09G3/20 621M
G11C19/28 230
G09G3/20 611A
G09G3/20 670E
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197773
(22)【出願日】2022-12-12
(71)【出願人】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104695
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 明宏
(74)【代理人】
【識別番号】100148459
【弁理士】
【氏名又は名称】河本 悟
(72)【発明者】
【氏名】川守田 聖矢
(72)【発明者】
【氏名】堀内 智
(72)【発明者】
【氏名】岩瀬 泰章
【テーマコード(参考)】
5B074
5C006
5C080
【Fターム(参考)】
5B074AA03
5B074CA01
5B074DB02
5B074EA02
5B074EA04
5C006AC22
5C006BB16
5C006BC03
5C006BC20
5C006BF03
5C006FA47
5C080AA10
5C080BB05
5C080DD09
5C080DD22
5C080DD26
5C080FF11
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ04
(57)【要約】
【課題】ゲートドライバの消費電力の低減および動作の安定化を実現する。
【解決手段】シフトレジスタの各段を構成する単位回路に、複数のゲートクロック信号の1つが与えられる制御端子と第3ノードN3に接続された第1導通端子とローレベルの直流電源電圧が与えられる第2導通端子とを有する薄膜トランジスタT5が設けられる。第3ノードN3は、第2ノードN2(出力端子の電位をローレベルに向けて変化させるための薄膜トランジスタT10の制御端子に接続されたノード)の電位をハイレベルに向けて変化させるための薄膜トランジスタT4の制御端子に接続されている。第3ノードN3の電位をハイレベルに向けて変化させるための薄膜トランジスタT3の制御端子に与えられるゲートクロック信号がハイレベルからローレベルに変化する時に、薄膜トランジスタT5の制御端子に与えられるゲートクロック信号がローレベルからハイレベルに変化する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の走査信号線を駆動する走査信号線駆動回路であって、
複数のクロック信号に基づいて動作する、前記複数の走査信号線と1対1で対応する複数の段からなるシフトレジスタを備え、
前記シフトレジスタに含まれる各段を構成する単位回路は、
第1ノードと、
第2ノードと、
第3ノードと、
対応する走査信号線に出力信号を出力する第1出力ノードと、
前記第1ノードに接続された制御端子と、前記複数のクロック信号の1つが与えられる第1導通端子と、前記第1出力ノードに接続された第2導通端子とを有する第1出力制御トランジスタと、
セット信号に基づいて前記第1ノードの電位をオンレベルに向けて変化させるための第1ノードプルアップ部と、
リセット信号に基づいて前記第1ノードの電位をオフレベルに向けて変化させるための第1ノードプルダウン部と、
前記第2ノードに接続された制御端子と、前記第1ノードまたは前記第1出力ノードに接続された第1導通端子と、オフレベルの電位が与えられる第2導通端子とを有する安定化トランジスタと、
前記第2ノードに接続された安定化回路と
を含み、
前記安定化回路は、
前記第3ノードに接続された制御端子と、前記複数のクロック信号の1つが与えられる第1導通端子と、前記第2ノードに接続された第2導通端子とを有する第2ノードプルアップトランジスタと、
前記第1ノードに接続された制御端子と、前記第2ノードに接続された第1導通端子と、オフレベルの電位が与えられる第2導通端子とを有する第1の第2ノードプルダウントランジスタと、
前記第1ノードに接続された制御端子と、前記第3ノードに接続された第1導通端子と、オフレベルの電位が与えられる第2導通端子とを有する第1の第3ノードプルダウントランジスタと、
前記複数のクロック信号の1つが与えられる制御端子および第1導通端子と、前記第3ノードに接続された第2導通端子とを有する第3ノードプルアップトランジスタと、
前記複数のクロック信号の1つが与えられる制御端子と、前記第3ノードに接続された第1導通端子と、オフレベルの電位が与えられる第2導通端子とを有する第2の第3ノードプルダウントランジスタと
を含み、
前記第3ノードプルアップトランジスタの制御端子に与えられるクロック信号がオンレベルからオフレベルに変化するタイミングで、前記第2の第3ノードプルダウントランジスタの制御端子に与えられるクロック信号がオフレベルからオンレベルに変化する、走査信号線駆動回路。
【請求項2】
前記セット信号は、自段よりも前の段を構成する単位回路の第1出力ノードから出力された出力信号であり、
前記リセット信号は、自段よりも後の段を構成する単位回路の第1出力ノードから出力された出力信号である、請求項1に記載の走査信号線駆動回路。
【請求項3】
前記単位回路は、
自段よりも前の段を構成する単位回路および自段よりも後の段を構成する単位回路の動作を制御する他段制御信号を出力する第2出力ノードと、
前記第1ノードに接続された制御端子と、前記複数のクロック信号の1つが与えられる第1導通端子と、前記第2出力ノードに接続された第2導通端子とを有する第2出力制御トランジスタと
を含み、
前記第1出力制御トランジスタの第1導通端子に与えられるクロック信号と前記第2出力制御トランジスタの第1導通端子に与えられるクロック信号とは同一のクロック信号であり、
前記セット信号は、自段よりも前の段を構成する単位回路の第2出力ノードから出力された他段制御信号であり、
前記リセット信号は、自段よりも後の段を構成する単位回路の第2出力ノードから出力された他段制御信号である、請求項1に記載の走査信号線駆動回路。
【請求項4】
前記第1ノードプルアップ部は、前記セット信号が与えられる制御端子および第1導通端子と、前記第1ノードに接続された第2導通端子とを有する第1ノードプルアップトランジスタを含む、請求項1に記載の走査信号線駆動回路。
【請求項5】
前記第1ノードプルダウン部は、前記リセット信号が与えられる制御端子と、前記第1ノードに接続された第1導通端子と、オフレベルの電位が与えられる第2導通端子とを有する第1の第1ノードプルダウントランジスタを含む、請求項1に記載の走査信号線駆動回路。
【請求項6】
前記単位回路は、前記安定化トランジスタとして、前記第1ノードに接続された第1導通端子を有する第2の第1ノードプルダウントランジスタを含む、請求項1に記載の走査信号線駆動回路。
【請求項7】
前記単位回路は、前記安定化トランジスタとして、前記第1出力ノードに接続された第1導通端子を有する第1出力ノードプルダウントランジスタを含む、請求項1に記載の走査信号線駆動回路。
【請求項8】
前記単位回路は、前記安定化トランジスタとして、前記第1ノードに接続された第1導通端子を有する第2の第1ノードプルダウントランジスタと、前記第1出力ノードに接続された第1導通端子を有する第1出力ノードプルダウントランジスタとを含む、請求項1に記載の走査信号線駆動回路。
【請求項9】
前記単位回路は、前記セット信号が与えられる制御端子と、前記第2ノードに接続された第1導通端子と、オフレベルの電位が与えられる第2導通端子とを有する第2の第2ノードプルダウントランジスタを含む、請求項1に記載の走査信号線駆動回路。
【請求項10】
Pを自然数として、前記複数のクロック信号は、P相のクロック信号であって、
前記第3ノードプルアップトランジスタの制御端子に与えられるクロック信号の位相は前記第1出力制御トランジスタの第1導通端子に与えられるクロック信号の位相よりも(360/P)度進んでいる、請求項1に記載の走査信号線駆動回路。
【請求項11】
前記第3ノードプルアップトランジスタの制御端子に与えられるクロック信号と前記第1出力制御トランジスタの第1導通端子に与えられるクロック信号とは同一のクロック信号である、請求項1に記載の走査信号線駆動回路。
【請求項12】
前記第3ノードプルアップトランジスタのチャネル長は、前記第1出力制御トランジスタ、前記安定化トランジスタ、前記第2ノードプルアップトランジスタ、前記第1の第2ノードプルダウントランジスタ、前記第1の第3ノードプルダウントランジスタ、および前記第2の第3ノードプルダウントランジスタのいずれのチャネル長よりも長い、請求項1に記載の走査信号線駆動回路。
【請求項13】
複数の走査信号線を駆動する走査信号線駆動回路であって、
複数のクロック信号に基づいて動作する、前記複数の走査信号線と1対1で対応する複数の段からなるシフトレジスタを備え、
前記シフトレジスタに含まれる各段を構成する単位回路は、
第1ノードと、
第2ノードと、
第3ノードと、
対応する走査信号線に出力信号を出力する第1出力ノードと、
前記第1ノードに接続された制御端子と、前記複数のクロック信号の1つが与えられる第1導通端子と、前記第1出力ノードに接続された第2導通端子とを有する第1出力制御トランジスタと、
セット信号に基づいて前記第1ノードの電位をオンレベルに向けて変化させるための第1ノードプルアップ部と、
リセット信号に基づいて前記第1ノードの電位をオフレベルに向けて変化させるための第1ノードプルダウン部と、
前記第2ノードに接続された制御端子と、前記第1ノードまたは前記第1出力ノードに接続された第1導通端子と、オフレベルの電位が与えられる第2導通端子とを有する安定化トランジスタと、
前記第2ノードに接続された安定化回路と
を含み、
前記安定化回路は、
前記第3ノードに接続された制御端子と、前記複数のクロック信号の1つが与えられる第1導通端子と、前記第2ノードに接続された第2導通端子とを有する第2ノードプルアップトランジスタと、
前記第1ノードに接続された制御端子と、前記第2ノードに接続された第1導通端子と、オフレベルの電位が与えられる第2導通端子とを有する第2ノードプルダウントランジスタと、
前記第1ノードに接続された制御端子と、前記第3ノードに接続された第1導通端子と、オフレベルの電位が与えられる第2導通端子とを有する第1の第3ノードプルダウントランジスタと、
前記複数のクロック信号の1つが与えられる制御端子および第1導通端子と、前記第3ノードに接続された第2導通端子とを有する第3ノードプルアップトランジスタと、
前記第3ノードに接続された制御端子および第1導通端子と、前記複数のクロック信号の1つが与えられる第2導通端子とを有する第2の第3ノードプルダウントランジスタと
を含み、
前記第3ノードプルアップトランジスタの制御端子に与えられるクロック信号と前記第2の第3ノードプルダウントランジスタの第2導通端子に与えられるクロック信号とは同一のクロック信号である、走査信号線駆動回路。
【請求項14】
前記セット信号は、自段よりも前の段を構成する単位回路の第1出力ノードから出力された出力信号であり、
前記リセット信号は、自段よりも後の段を構成する単位回路の第1出力ノードから出力された出力信号である、請求項13に記載の走査信号線駆動回路。
【請求項15】
前記単位回路は、
自段よりも前の段を構成する単位回路および自段よりも後の段を構成する単位回路の動作を制御する他段制御信号を出力する第2出力ノードと、
前記第1ノードに接続された制御端子と、前記複数のクロック信号の1つが与えられる第1導通端子と、前記第2出力ノードに接続された第2導通端子とを有する第2出力制御トランジスタと
を含み、
前記第1出力制御トランジスタの第1導通端子に与えられるクロック信号と前記第2出力制御トランジスタの第1導通端子に与えられるクロック信号とは同一のクロック信号であり、
前記セット信号は、自段よりも前の段を構成する単位回路の第2出力ノードから出力された他段制御信号であり、
前記リセット信号は、自段よりも後の段を構成する単位回路の第2出力ノードから出力された他段制御信号である、請求項13に記載の走査信号線駆動回路。
【請求項16】
基板と、
前記基板上に形成された複数の映像信号線と、
前記複数の映像信号線に交差するように前記基板上に形成された複数の走査信号線と、 前記複数の映像信号線と前記複数の走査信号線との交差点にそれぞれ対応するように前記基板上に形成された複数の画素形成部と、
前記複数の映像信号線を駆動する映像信号線駆動回路と、
前記複数の走査信号線を駆動する、前記基板上に形成された請求項1から15までのいずれか1項に記載の走査信号線駆動回路と
を備える、表示装置。
【請求項17】
前記基板上の領域は、
前記複数の画素形成部が形成されている表示領域と、
前記シフトレジスタが形成されているシフトレジスタ領域と、
前記複数のクロック信号を伝達する複数のクロック信号用幹配線が形成されている幹配線領域と
を含み、
前記シフトレジスタ領域は、前記表示領域と前記幹配線領域との間に設けられ、
各単位回路につき、一端が前記複数のクロック信号用幹配線の1つに接続され他端が前記第2の第3ノードプルダウントランジスタの制御端子に接続されたクロック信号用枝配線が設けられている、請求項16に記載の表示装置。
【請求項18】
前記複数の映像信号線は、第1の金属膜によって形成され、
前記複数の走査信号線は、第2の金属膜によって形成され、
前記複数のクロック信号用幹配線は、前記第1の金属膜によって形成され、
前記クロック信号用枝配線は、前記第2の金属膜によって形成され、
前記クロック信号用枝配線は、前記複数のクロック信号用幹配線の1つと、前記幹配線領域においてコンタクトホールを介して接続されている、請求項17に記載の表示装置。
【請求項19】
前記基板上の領域は、
前記複数の画素形成部が形成されている表示領域と、
前記シフトレジスタが形成されているシフトレジスタ領域と、
前記複数のクロック信号を伝達する複数のクロック信号用幹配線が形成されている幹配線領域と
を含み、
前記シフトレジスタ領域は、前記表示領域と前記幹配線領域との間に設けられ、
nを自然数として、(n-1)段目の単位回路に含まれている前記第1出力制御トランジスタの第1導通端子と、n段目の単位回路に含まれている前記第3ノードプルアップトランジスタの制御端子および第1導通端子とは、一端が前記複数のクロック信号用幹配線の1つに接続された同一のクロック信号用枝配線に接続されている、請求項16に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の開示は、表示装置に関し、詳しくは、表示装置の表示部に配設された走査信号線を駆動するシフトレジスタを備えた走査信号線駆動回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数本のソースバスライン(映像信号線)および複数本のゲートバスライン(走査信号線)を含む表示部を備えた液晶表示装置が知られている。そのような液晶表示装置において、ソースバスラインとゲートバスラインとの交差点には、画素を形成する画素形成部が設けられている。各画素形成部は、対応する交差点を通過するゲートバスラインにゲート端子が接続されるとともに当該交差点を通過するソースバスラインにソース端子が接続されたスイッチング素子である薄膜トランジスタ(TFT)や、画素電圧値を保持するための画素容量などを含んでいる。液晶表示装置には、また、ゲートバスラインを駆動するためのゲートドライバ(走査信号線駆動回路)とソースバスラインを駆動するためのソースドライバ(映像信号線駆動回路)とが設けられている。
【0003】
画素電圧値を示す映像信号はソースバスラインによって伝達される。しかしながら、各ソースバスラインは複数行分の画素電圧値を示す映像信号を一時(同時)に伝達することができない。このため、表示部に設けられた複数個の画素形成部内の画素容量への映像信号の書き込み(充電)は1行ずつ順次に行われる。これを実現するために、複数本のゲートバスラインが所定期間ずつ順次に選択されるように、ゲートドライバは複数の段からなるシフトレジスタによって構成されている。そして、それら複数の段から順次にアクティブな走査信号が出力されることによって、上述のように、画素容量への映像信号の書き込みが1行ずつ順次に行われる。
【0004】
ところで、ゲートドライバに関しては、以前は、液晶パネルを構成する基板の周辺部に集積回路(IC)チップとして搭載されることが多かった。しかしながら、近年、基板上に直接的にゲートドライバを形成することが多くなされている。このようなゲートドライバは「モノリシックゲートドライバ」と呼ばれている。
【0005】
なお、以下においては、ゲートドライバ内のシフトレジスタの各段を構成する回路のことを「単位回路」という。また、nチャネル型の薄膜トランジスタに関してはドレインとソースのうち電位の高い方がドレインと呼ばれているが、以下で説明する単位回路内の薄膜トランジスタの中には、動作中にドレインとソースとが入れ替わるものもある。そこで、以下、ドレインまたはソースとして機能する2つの端子のうちの一方を「第1導通端子」、他方を「第2導通端子」という。また、薄膜トランジスタのゲートとして機能する端子を「制御端子」という。
【0006】
図22は、従来の単位回路9の一構成例を示す回路図である。なお、図22に示す単位回路9はn段目の単位回路9(n)であると仮定する。この単位回路9は、9個の薄膜トランジスタT1~T4,T6~T10と、1個のキャパシタ(容量素子)Cとを備えている。また、この単位回路9は、5個の入力端子21~24,26と、1個の出力端子29とを有している。入力端子21には、4段前の単位回路からの出力信号Q(n-4)であるセット信号Sが与えられる。入力端子22には、6段後の単位回路からの出力信号Q(n+6)であるリセット信号Rが与えられる。入力端子23には、ゲートドライバに与えられる複数のゲートクロック信号の1つである第1クロック信号CK1が与えられる。ここでは、複数のゲートクロック信号は8相のクロック信号であると仮定する。入力端子24には、複数のゲートクロック信号の1つである第2クロック信号CK2が与えられる。第2クロック信号CK2の位相は、第1クロック信号CK1の位相よりも45度進んでいる。入力端子26には、ローレベルの直流電源電圧VSSが与えられる。出力端子29からは出力信号Q(n)が出力される。この出力信号Q(n)は、対応するゲートバスラインに走査信号として与えられる。
【0007】
薄膜トランジスタT1の第2導通端子、薄膜トランジスタT2の第1導通端子、薄膜トランジスタT6の制御端子、薄膜トランジスタT7の制御端子、薄膜トランジスタT8の制御端子、薄膜トランジスタT9の第1導通端子、およびキャパシタCの一端は、第1ノードN1を介して互いに接続されている。薄膜トランジスタT4の第2導通端子、薄膜トランジスタT7の第1導通端子、薄膜トランジスタT9の制御端子、および薄膜トランジスタT10の制御端子は、第2ノードN2を介して互いに接続されている。薄膜トランジスタT3の第2導通端子、薄膜トランジスタT4の制御端子、および薄膜トランジスタT6の第1導通端子は、第3ノードN3を介して互いに接続されている。
【0008】
次に、図23に示す信号波形図を参照しつつ、単位回路9の動作について説明する。この単位回路9を有する液晶表示装置が動作している期間中、デューティ比がほぼ50%である第1クロック信号CK1および第2クロック信号CK2が当該単位回路9に与えられる。
【0009】
時刻t91以前の期間には、セット信号S、出力信号Q(n)、およびリセット信号Rはローレベルで維持されている。また、第1ノードN1の電位についてはローレベルで維持され、第2ノードN2の電位についてはハイレベルとローレベルとが所定期間毎に交互に現れ、第3ノードN3の電位についてはハイレベルで維持されている。但し、第3ノードN3の電位については、比較的高いハイレベルと比較的低いローレベルとが所定期間毎に交互に現れている。
【0010】
時刻t91になると、セット信号Sがローレベルからハイレベルに変化する。薄膜トランジスタT1は図22に示すようにダイオード接続となっているので、このセット信号Sのパルスによって薄膜トランジスタT1がオン状態となり、第1ノードN1の電位が上昇する。これにより、薄膜トランジスタT6,T7,およびT8がオン状態となる。薄膜トランジスタT6がオン状態となることによって、第3ノードN3の電位がローレベルとなる。なお、時刻t91から時刻t92までの期間には、第1クロック信号CK1はローレベルであるので、薄膜トランジスタT8がオン状態となっていても出力信号Q(n)はローレベルで維持される。
【0011】
時刻t92になると、第1クロック信号CK1がローレベルからハイレベルに変化する。このとき、薄膜トランジスタT8はオン状態であるので、入力端子23の電位の上昇とともに出力端子29の電位が上昇する。ここで、図22に示すように第1ノードN1-出力端子29間にはキャパシタCが設けられているので、出力端子29の電位の上昇とともに第1ノードN1の電位も上昇する(第1ノードN1がブースト状態となる)。その結果、薄膜トランジスタT8の制御端子には大きな電圧が印加され、この出力端子29に接続されているゲートバスラインが選択状態となるのに充分なレベルにまで出力信号Q(n)の電位が上昇する。なお、時刻t92から時刻t93までの期間には、リセット信号Rはローレベルで維持され、第2ノードN2の電位もローレベルで維持される。従って、この期間中、薄膜トランジスタT2および薄膜トランジスタT10はオフ状態で維持され、第1ノードN1の電位および出力信号Q(n)の電位(出力端子29の電位)が低下することはない。
【0012】
時刻t93になると、第1クロック信号CK1がハイレベルからローレベルに変化する。これにより、入力端子23の電位の低下とともに出力端子29の電位が低下する。すなわち、出力信号Q(n)の電位がローレベルとなる。また、キャパシタCを介して第1ノードN1の電位が低下する。
【0013】
時刻t94になると、リセット信号Rがローレベルからハイレベルに変化する。これにより、薄膜トランジスタT2がオン状態となり、第1ノードN1の電位がローレベルとなる。時刻t94以降の期間には、時刻t91以前の期間と同様の動作が行われる。
【0014】
以上のような動作が各単位回路9で行われることによって、液晶表示装置に設けられている複数本のゲートバスラインが順次に選択状態となり、画素容量への映像信号の書き込みが1行ずつ順次に行われる。なお、以下においては、各単位回路に関して第1ノードN1の電位がハイレベルで維持されるべき期間(図23に示した例では、時刻t91から時刻t94までの期間)を「選択期間」といい、選択期間以外の期間を「非選択期間」という。
【0015】
ところで、図22に示した構成の単位回路9には、非選択期間中に出力端子29の電位を確実にローレベルで維持するための安定化回路91が設けられている。安定化回路91には、第2ノード(出力端子29の電位を制御するための薄膜トランジスタT10の制御端子に接続されたノード)N2の電位を制御するための薄膜トランジスタT4の制御端子に接続された第3ノードN3が含まれている。第2ノードN2の電位および第3ノードN3が適宜に制御されることによって薄膜トランジスタT10および薄膜トランジスタT4の状態が適宜に制御され、単位回路9の動作が安定化する。図23に示した例では、非選択期間を通じて第2ノードN2の電位がローレベルからハイレベルへの変化とハイレベルからローレベルへの変化とを繰り返すことによって薄膜トランジスタT10が所定期間毎にオン状態となる。これにより、非選択期間には、例えばノイズによって出力端子29の電位に変動が生じても、所定期間毎に出力端子29の電位はローレベルへと引き込まれる。
【0016】
表示装置に設けられているシフトレジスタ内の単位回路の構成については、例えば、特開2019-045673号公報、特開2014-063164号公報、特開2010-262296号公報、特開2013-142899号公報、および特開2010-218673号公報に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2019-045673号公報
【特許文献2】特開2014-063164号公報
【特許文献3】特開2010-262296号公報
【特許文献4】特開2013-142899号公報
【特許文献5】特開2010-218673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
単位回路9の動作に関し、図23に示した例では、非選択期間において、第2クロック信号CK2がハイレベルである期間には、薄膜トランジスタT3がオン状態となって第3ノードN3がハイレベルで維持されることによって薄膜トランジスタT4がオン状態で維持されるので、第2ノードN2の電位はハイレベルとなる。非選択期間において、第2クロック信号CK2がハイレベルからローレベルに変化すると、薄膜トランジスタT3がオフ状態となって第3ノードN3はフローティング状態となるが、入力端子24の電位の低下に伴って第2ノードN2の電位はローレベルとなる。
【0019】
以上のように、従来の単位回路9の構成によれば、非選択期間を通じて第2ノードN2の充放電が繰り返される。これは、ゲートドライバの消費電力の増大の要因となっている。また、出力端子29の電位を制御するための薄膜トランジスタT10に関して、オン状態からオフ状態への変化およびオフ状態からオン状態への変化が頻繁に繰り返されるので、出力端子29の電位をローレベルへと引き込むプルダウン機能が正常に働かなくなるケースが生じている。同様に、第1ノードN1の電位を制御するための薄膜トランジスタT9に関して、オン状態からオフ状態への変化およびオフ状態からオン状態への変化が頻繁に繰り返されるので、第1ノードN1の電位をローレベルへと引き込むプルダウン機能が正常に働かなくなるケースも生じている。
【0020】
そこで、以下の開示は、ゲートドライバ(特にモノリシックゲートドライバ)の消費電力の低減および動作の安定化を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
(1)本発明のいくつかの実施形態による走査信号線駆動回路は、複数の走査信号線を駆動する走査信号線駆動回路であって、
複数のクロック信号に基づいて動作する、前記複数の走査信号線と1対1で対応する複数の段からなるシフトレジスタを備え、
前記シフトレジスタに含まれる各段を構成する単位回路は、
第1ノードと、
第2ノードと、
第3ノードと、
対応する走査信号線に出力信号を出力する第1出力ノードと、
前記第1ノードに接続された制御端子と、前記複数のクロック信号の1つが与えられる第1導通端子と、前記第1出力ノードに接続された第2導通端子とを有する第1出力制御トランジスタと、
セット信号に基づいて前記第1ノードの電位をオンレベルに向けて変化させるための第1ノードプルアップ部と、
リセット信号に基づいて前記第1ノードの電位をオフレベルに向けて変化させるための第1ノードプルダウン部と、
前記第2ノードに接続された制御端子と、前記第1ノードまたは前記第1出力ノードに接続された第1導通端子と、オフレベルの電位が与えられる第2導通端子とを有する安定化トランジスタと、
前記第2ノードに接続された安定化回路と
を含み、
前記安定化回路は、
前記第3ノードに接続された制御端子と、前記複数のクロック信号の1つが与えられる第1導通端子と、前記第2ノードに接続された第2導通端子とを有する第2ノードプルアップトランジスタと、
前記第1ノードに接続された制御端子と、前記第2ノードに接続された第1導通端子と、オフレベルの電位が与えられる第2導通端子とを有する第1の第2ノードプルダウントランジスタと、
前記第1ノードに接続された制御端子と、前記第3ノードに接続された第1導通端子と、オフレベルの電位が与えられる第2導通端子とを有する第1の第3ノードプルダウントランジスタと、
前記複数のクロック信号の1つが与えられる制御端子および第1導通端子と、前記第3ノードに接続された第2導通端子とを有する第3ノードプルアップトランジスタと、
前記複数のクロック信号の1つが与えられる制御端子と、前記第3ノードに接続された第1導通端子と、オフレベルの電位が与えられる第2導通端子とを有する第2の第3ノードプルダウントランジスタと
を含み、
前記第3ノードプルアップトランジスタの制御端子に与えられるクロック信号がオンレベルからオフレベルに変化するタイミングで、前記第2の第3ノードプルダウントランジスタの制御端子に与えられるクロック信号がオフレベルからオンレベルに変化する。
【0022】
(2)また、本発明のいくつかの実施形態による走査信号線駆動回路は、上記(1)の構成を含み、
前記セット信号は、自段よりも前の段を構成する単位回路の第1出力ノードから出力された出力信号であり、
前記リセット信号は、自段よりも後の段を構成する単位回路の第1出力ノードから出力された出力信号である。
【0023】
(3)また、本発明のいくつかの実施形態による走査信号線駆動回路は、上記(1)の構成を含み、
前記単位回路は、
自段よりも前の段を構成する単位回路および自段よりも後の段を構成する単位回路の動作を制御する他段制御信号を出力する第2出力ノードと、
前記第1ノードに接続された制御端子と、前記複数のクロック信号の1つが与えられる第1導通端子と、前記第2出力ノードに接続された第2導通端子とを有する第2出力制御トランジスタと
を含み、
前記第1出力制御トランジスタの第1導通端子に与えられるクロック信号と前記第2出力制御トランジスタの第1導通端子に与えられるクロック信号とは同一のクロック信号であり、
前記セット信号は、自段よりも前の段を構成する単位回路の第2出力ノードから出力された他段制御信号であり、
前記リセット信号は、自段よりも後の段を構成する単位回路の第2出力ノードから出力された他段制御信号である。
【0024】
(4)また、本発明のいくつかの実施形態による走査信号線駆動回路は、上記(1)の構成を含み、
前記第1ノードプルアップ部は、前記セット信号が与えられる制御端子および第1導通端子と、前記第1ノードに接続された第2導通端子とを有する第1ノードプルアップトランジスタを含む。
【0025】
(5)また、本発明のいくつかの実施形態による走査信号線駆動回路は、上記(1)の構成を含み、
前記第1ノードプルダウン部は、前記リセット信号が与えられる制御端子と、前記第1ノードに接続された第1導通端子と、オフレベルの電位が与えられる第2導通端子とを有する第1の第1ノードプルダウントランジスタを含む。
【0026】
(6)また、本発明のいくつかの実施形態による走査信号線駆動回路は、上記(1)の構成を含み、
前記単位回路は、前記安定化トランジスタとして、前記第1ノードに接続された第1導通端子を有する第2の第1ノードプルダウントランジスタを含む。
【0027】
(7)また、本発明のいくつかの実施形態による走査信号線駆動回路は、上記(1)の構成を含み、
前記単位回路は、前記安定化トランジスタとして、前記第1出力ノードに接続された第1導通端子を有する第1出力ノードプルダウントランジスタを含む。
【0028】
(8)また、本発明のいくつかの実施形態による走査信号線駆動回路は、上記(1)の構成を含み、
前記単位回路は、前記安定化トランジスタとして、前記第1ノードに接続された第1導通端子を有する第2の第1ノードプルダウントランジスタと、前記第1出力ノードに接続された第1導通端子を有する第1出力ノードプルダウントランジスタとを含む。
【0029】
(9)また、本発明のいくつかの実施形態による走査信号線駆動回路は、上記(1)の構成を含み、
前記単位回路は、前記セット信号が与えられる制御端子と、前記第2ノードに接続された第1導通端子と、オフレベルの電位が与えられる第2導通端子とを有する第2の第2ノードプルダウントランジスタを含む。
【0030】
(10)また、本発明のいくつかの実施形態による走査信号線駆動回路は、上記(1)の構成を含み、
Pを自然数として、前記複数のクロック信号は、P相のクロック信号であって、
前記第3ノードプルアップトランジスタの制御端子に与えられるクロック信号の位相は前記第1出力制御トランジスタの第1導通端子に与えられるクロック信号の位相よりも(360/P)度進んでいる。
【0031】
(11)また、本発明のいくつかの実施形態による走査信号線駆動回路は、上記(1)の構成を含み、
前記第3ノードプルアップトランジスタの制御端子に与えられるクロック信号と前記第1出力制御トランジスタの第1導通端子に与えられるクロック信号とは同一のクロック信号である。
【0032】
(12)また、本発明のいくつかの実施形態による走査信号線駆動回路は、上記(1)の構成を含み、
前記第3ノードプルアップトランジスタのチャネル長は、前記第1出力制御トランジスタ、前記安定化トランジスタ、前記第2ノードプルアップトランジスタ、前記第1の第2ノードプルダウントランジスタ、前記第1の第3ノードプルダウントランジスタ、および前記第2の第3ノードプルダウントランジスタのいずれのチャネル長よりも長い。
【0033】
(13)また、本発明のいくつかの実施形態による走査信号線駆動回路は、複数の走査信号線を駆動する走査信号線駆動回路であって、
複数のクロック信号に基づいて動作する、前記複数の走査信号線と1対1で対応する複数の段からなるシフトレジスタを備え、
前記シフトレジスタに含まれる各段を構成する単位回路は、
第1ノードと、
第2ノードと、
第3ノードと、
対応する走査信号線に出力信号を出力する第1出力ノードと、
前記第1ノードに接続された制御端子と、前記複数のクロック信号の1つが与えられる第1導通端子と、前記第1出力ノードに接続された第2導通端子とを有する第1出力制御トランジスタと、
セット信号に基づいて前記第1ノードの電位をオンレベルに向けて変化させるための第1ノードプルアップ部と、
リセット信号に基づいて前記第1ノードの電位をオフレベルに向けて変化させるための第1ノードプルダウン部と、
前記第2ノードに接続された制御端子と、前記第1ノードまたは前記第1出力ノードに接続された第1導通端子と、オフレベルの電位が与えられる第2導通端子とを有する安定化トランジスタと、
前記第2ノードに接続された安定化回路と
を含み、
前記安定化回路は、
前記第3ノードに接続された制御端子と、前記複数のクロック信号の1つが与えられる第1導通端子と、前記第2ノードに接続された第2導通端子とを有する第2ノードプルアップトランジスタと、
前記第1ノードに接続された制御端子と、前記第2ノードに接続された第1導通端子と、オフレベルの電位が与えられる第2導通端子とを有する第2ノードプルダウントランジスタと、
前記第1ノードに接続された制御端子と、前記第3ノードに接続された第1導通端子と、オフレベルの電位が与えられる第2導通端子とを有する第1の第3ノードプルダウントランジスタと、
前記複数のクロック信号の1つが与えられる制御端子および第1導通端子と、前記第3ノードに接続された第2導通端子とを有する第3ノードプルアップトランジスタと、
前記第3ノードに接続された制御端子および第1導通端子と、前記複数のクロック信号の1つが与えられる第2導通端子とを有する第2の第3ノードプルダウントランジスタと
を含み、
前記第3ノードプルアップトランジスタの制御端子に与えられるクロック信号と前記第2の第3ノードプルダウントランジスタの第2導通端子に与えられるクロック信号とは同一のクロック信号である。
【0034】
(14)また、本発明のいくつかの実施形態による走査信号線駆動回路は、上記(13)の構成を含み、
前記セット信号は、自段よりも前の段を構成する単位回路の第1出力ノードから出力された出力信号であり、
前記リセット信号は、自段よりも後の段を構成する単位回路の第1出力ノードから出力された出力信号である。
【0035】
(15)また、本発明のいくつかの実施形態による走査信号線駆動回路は、上記(13)の構成を含み、
前記単位回路は、
自段よりも前の段を構成する単位回路および自段よりも後の段を構成する単位回路の動作を制御する他段制御信号を出力する第2出力ノードと、
前記第1ノードに接続された制御端子と、前記複数のクロック信号の1つが与えられる第1導通端子と、前記第2出力ノードに接続された第2導通端子とを有する第2出力制御トランジスタと
を含み、
前記第1出力制御トランジスタの第1導通端子に与えられるクロック信号と前記第2出力制御トランジスタの第1導通端子に与えられるクロック信号とは同一のクロック信号であり、
前記セット信号は、自段よりも前の段を構成する単位回路の第2出力ノードから出力された他段制御信号であり、
前記リセット信号は、自段よりも後の段を構成する単位回路の第2出力ノードから出力された他段制御信号である。
【0036】
(16)また、本発明のいくつかの実施形態による表示装置は、
基板と、
前記基板上に形成された複数の映像信号線と、
前記複数の映像信号線に交差するように前記基板上に形成された複数の走査信号線と、 前記複数の映像信号線と前記複数の走査信号線との交差点にそれぞれ対応するように前記基板上に形成された複数の画素形成部と、
前記複数の映像信号線を駆動する映像信号線駆動回路と、
前記複数の走査信号線を駆動する、前記基板上に形成された上記(1)から(15)までのいずれかの構成の走査信号線駆動回路と
を備える。
【0037】
(17)また、本発明のいくつかの実施形態による表示装置は、上記(16)の構成を含み、
前記基板上の領域は、
前記複数の画素形成部が形成されている表示領域と、
前記シフトレジスタが形成されているシフトレジスタ領域と、
前記複数のクロック信号を伝達する複数のクロック信号用幹配線が形成されている幹配線領域と
を含み、
前記シフトレジスタ領域は、前記表示領域と前記幹配線領域との間に設けられ、
各単位回路につき、一端が前記複数のクロック信号用幹配線の1つに接続され他端が前記第2の第3ノードプルダウントランジスタの制御端子に接続されたクロック信号用枝配線が設けられている。
【0038】
(18)また、本発明のいくつかの実施形態による表示装置は、上記(17)の構成を含み、
前記複数の映像信号線は、第1の金属膜によって形成され、
前記複数の走査信号線は、第2の金属膜によって形成され、
前記複数のクロック信号用幹配線は、前記第1の金属膜によって形成され、
前記クロック信号用枝配線は、前記第2の金属膜によって形成され、
前記クロック信号用枝配線は、前記複数のクロック信号用幹配線の1つと、前記幹配線領域においてコンタクトホールを介して接続されている。
【0039】
(19)また、本発明のいくつかの実施形態による表示装置は、上記(16)の構成を含み、
前記基板上の領域は、
前記複数の画素形成部が形成されている表示領域と、
前記シフトレジスタが形成されているシフトレジスタ領域と、
前記複数のクロック信号を伝達する複数のクロック信号用幹配線が形成されている幹配線領域と
を含み、
前記シフトレジスタ領域は、前記表示領域と前記幹配線領域との間に設けられ、
nを自然数として、(n-1)段目の単位回路に含まれている前記第1出力制御トランジスタの第1導通端子と、n段目の単位回路に含まれている前記第3ノードプルアップトランジスタの制御端子および第1導通端子とは、一端が前記複数のクロック信号用幹配線の1つに接続された同一のクロック信号用枝配線に接続されている。
【発明の効果】
【0040】
本発明のいくつかの実施形態による走査信号線駆動回路によれば、シフトレジスタの各段を構成する単位回路に、複数のクロック信号の1つが与えられる制御端子と第3ノードに接続された第1導通端子とオフレベルの電位が与えられる第2導通端子とを有する第2の第3ノードプルダウントランジスタが設けられる。第3ノードの電位をオンレベルに向けて変化させるための第3ノードプルアップトランジスタの制御端子と第2の第3ノードプルダウントランジスタの制御端子とには、異なるクロック信号(例えば、位相が180度ずれたクロック信号)が与えられる。従って、各単位回路において、非選択期間中、第3ノードの電位はオフレベルからオンレベルへの変化とオンレベルからオフレベルへの変化とを繰り返す。また、第3ノードプルアップトランジスタの制御端子に与えられるクロック信号がオンレベルからオフレベルに変化するタイミングで、第2の第3ノードプルダウントランジスタの制御端子に与えられるクロック信号がオフレベルからオンレベルに変化する。それ故、第3ノードプルアップトランジスタの制御端子に与えられるクロック信号がオフレベルとなっている期間には、第3ノードの電位はオフレベルであり、第2ノードプルアップトランジスタはオフ状態で維持される。以上より、非選択期間を通じて第2ノードの電位はオンレベルで維持される。すなわち、第2ノードの充放電が過剰に行われることが抑止される。その結果、消費電力が低減される。また、第2ノードに接続された制御端子を有する安定化トランジスタが非選択期間中にオン状態からオフ状態への変化とオフ状態からオン状態への変化とを繰り返すことが抑止されるので、安定化トランジスタの劣化が抑制される。これにより、第1ノードあるいは第1出力ノードの電位をオフレベルへと引き込む動作が安定して行われる。以上のように、走査信号線駆動回路の消費電力の低減および動作の安定化が実現される。
【0041】
本発明の他のいくつかの実施形態による走査信号線駆動回路によれば、シフトレジスタの各段を構成する単位回路に、第3ノードに接続された制御端子と第3ノードに接続された第1導通端子と複数のクロック信号の1つが与えられる第2導通端子とを有する第2の第3ノードプルダウントランジスタが設けられる。第3ノードの電位をオンレベルに向けて変化させるための第3ノードプルアップトランジスタの制御端子と第2の第3ノードプルダウントランジスタの第2導通端子とには、同じクロック信号が与えられる。以上のような構成により、各単位回路において、非選択期間中、第3ノードの電位はオフレベルからオンレベルへの変化とオンレベルからオフレベルへの変化とを繰り返す。これに関し、第3ノードプルアップトランジスタの制御端子に与えられるクロック信号がオンレベルからオフレベルに変化した時、第2の第3ノードプルダウントランジスタを介して第3ノードの電位はオンレベルからオフレベルへと変化する。それ故、第3ノードプルアップトランジスタの制御端子に与えられるクロック信号がオフレベルとなっている期間には、第3ノードの電位はオフレベルであり、第2ノードプルアップトランジスタはオフ状態で維持される。以上より、非選択期間を通じて第2ノードの電位はオンレベルで維持される。すなわち、第2ノードの充放電が過剰に行われることが抑止される。その結果、消費電力が低減される。また、第2ノードに接続された制御端子を有する安定化トランジスタが非選択期間中にオン状態からオフ状態への変化とオフ状態からオン状態への変化とを繰り返すことが抑止されるので、安定化トランジスタの劣化が抑制される。これにより、第1ノードあるいは第1出力ノードの電位をオフレベルへと引き込む動作が安定して行われる。以上のように、走査信号線駆動回路の消費電力の低減および動作の安定化が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】一実施形態における単位回路の構成(シフトレジスタの一段分の構成)を示す回路図である。
図2】上記実施形態に係るアクティブマトリクス型の液晶表示装置の全体構成を示すブロック図である。
図3】上記実施形態において、ゲートドライバの概略構成について説明するためのブロック図である。
図4】上記実施形態において、ゲートドライバ内のシフトレジスタの構成を示すブロック図である。
図5】上記実施形態におけるゲートクロック信号の波形図である。
図6】上記実施形態において、複数のゲートクロック信号間の位相の関係について説明するための信号波形図である。
図7】上記実施形態において、単位回路の入出力信号について説明するための図である。
図8】上記実施形態において、ゲートドライバの動作について説明するための信号波形図である。
図9】上記実施形態における単位回路の動作について説明するための波形図である。
図10】上記実施形態において、レイアウトについて説明するための図である。
図11】上記実施形態において、レイアウトについて説明するための図である。
図12】上記実施形態の第1の変形例における単位回路の構成(シフトレジスタの一段分の構成)を示す回路図である。
図13】上記実施形態の第2の変形例における単位回路の構成(シフトレジスタの一段分の構成)を示す回路図である。
図14】上記実施形態の第3の変形例における単位回路の構成(シフトレジスタの一段分の構成)を示す回路図である。
図15】上記実施形態の第4の変形例における単位回路の構成(シフトレジスタの一段分の構成)を示す回路図である。
図16】上記実施形態の第4の変形例における単位回路の動作について説明するための波形図である。
図17】上記実施形態の第5の変形例における単位回路の構成(シフトレジスタの一段分の構成)を示す回路図である。
図18】上記実施形態の第5の変形例における単位回路の動作について説明するための波形図である。
図19】上記実施形態の第6の変形例における単位回路の構成(シフトレジスタの一段分の構成)を示す回路図である。
図20】上記実施形態の第6の変形例において、単位回路の入出力信号について説明するための図である。
図21】上記実施形態の第6の変形例における単位回路の動作について説明するための波形図である。
図22】従来例における単位回路の構成(シフトレジスタの一段分の構成)を示す回路図である。
図23】従来例における単位回路の動作について説明するための波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、添付図面を参照しつつ、一実施形態について説明する。なお、本実施形態におけるトランジスタはすべてnチャネル型の薄膜トランジスタであると仮定するが、これには限定されない。
【0044】
<1.全体構成および動作概要>
図2は、一実施形態に係るアクティブマトリクス型の液晶表示装置の全体構成を示すブロック図である。この液晶表示装置は、表示制御回路100とゲートドライバ(走査信号線駆動回路)200とソースドライバ(映像信号線駆動回路)300と表示部(表示領域)400とを備えている。本実施形態においては、液晶パネル5を構成する2枚の基板のうちの一方の基板(アクティブマトリクス基板)に、表示部400を構成する画素回路とゲートドライバ200とが一体的に形成されている。すなわち、本実施形態におけるゲートドライバ200は、モノリシックゲートドライバである。
【0045】
表示部400には、複数本(j本)のソースバスライン(映像信号線)SL(1)~SL(j)と複数本(i本)のゲートバスライン(走査信号線)GL(1)~GL(i)とが配設されている。それら複数本(j本)のソースバスラインSL(1)~SL(j)と複数本(i本)のゲートバスラインGL(1)~GL(i)との各交差点に対応して、画素を形成する画素形成部4が設けられている。すなわち、表示部400には、複数個(i×j個)の画素形成部4が含まれている。各画素形成部4には、対応する交差点を通過するゲートバスラインGLに制御端子が接続されると共に当該交差点を通過するソースバスラインSLに第1導通端子が接続されたスイッチング素子である薄膜トランジスタ(画素TFT)40と、その薄膜トランジスタ40の第2導通端子に接続された画素電極41と、上記複数個の画素形成部4に共通的に設けられた共通電極44および補助容量電極45と、画素電極41と共通電極44とによって形成される液晶容量42と、画素電極41と補助容量電極45とによって形成される補助容量43とが含まれている。液晶容量42と補助容量43とによって画素容量46が構成されている。なお、図2には、1つの画素形成部4のみを示している。
【0046】
表示制御回路100は、外部から送られる画像信号DATおよび水平同期信号や垂直同期信号などのタイミング信号群TGを受け取り、デジタル映像信号DVと、ゲートドライバ200の動作を制御するためのゲート制御信号GCTLと、ソースドライバ300の動作を制御するためのソース制御信号SCTLとを出力する。すなわち、表示制御回路100は、ゲートドライバ200およびソースドライバ300の動作を制御する。なお、ゲート制御信号GCTLには、ゲートスタートパルス信号、クリア信号、およびゲートクロック信号が含まれており、ソース制御信号SCTLには、ソーススタートパルス信号、ソースクロック信号、およびラッチストローブ信号が含まれている。
【0047】
ゲートドライバ200は、表示制御回路100から送られるゲート制御信号GCTLに基づいて、アクティブな走査信号の各ゲートバスラインGLへの印加を1垂直走査期間を周期として繰り返す。なお、ゲートバスラインGLの一端側および他端側の双方にゲートドライバ200を備える構成(すなわち、図2における表示部400の左側および右側の双方にゲートドライバ200を備える構成)を採用することもできる。ゲートドライバ200についての詳しい説明は後述する。
【0048】
ソースドライバ300は、表示制御回路100から送られるデジタル映像信号DVとソース制御信号SCTLとに基づいて、ソースバスラインSL(1)~SL(j)に駆動用映像信号を印加する。このとき、ソースドライバ300では、ソースクロック信号のパルスが発生するタイミングで、各ソースバスラインSLに印加すべき電圧を示すデジタル映像信号DVが順次に保持される。そして、ラッチストローブ信号のパルスが発生するタイミングで、上記保持されたデジタル映像信号DVがアナログ電圧に変換される。その変換されたアナログ電圧は、駆動用映像信号として全てのソースバスラインSL(1)~SL(j)に一斉に印加される。
【0049】
以上のようにして、ソースバスラインSL(1)~SL(j)に駆動用映像信号が印加され、ゲートバスラインGL(1)~GL(i)に走査信号が印加されることにより、外部から送られた画像信号DATに基づく画像が表示部400に表示される。
【0050】
<2.ゲートドライバ>
図3は、本実施形態におけるゲートドライバ200の概略構成について説明するためのブロック図である。図3に示すように、ゲートドライバ200は複数段からなるシフトレジスタ210によって構成されている。表示部400にはi行×j列の画素マトリクスが形成されているところ、それら画素マトリクスの各行と1対1で対応するようにシフトレジスタ210の各段が設けられている。すなわち、シフトレジスタ210にはi個の単位回路2(1)~2(i)が含まれている。なお、より詳しくは、1段目よりも前およびi段目よりも後に、例えば4段ずつ、ダミー段としての単位回路が設けられている(図3では不図示)。但し、ダミー段については、本発明に直接には関係しないので、その説明を省略する。以下、ゲートドライバ200の構成および動作について詳しく説明する。
【0051】
<2.1 シフトレジスタ全体の構成および動作>
図4は、ゲートドライバ200内のシフトレジスタ210の構成を示すブロック図である。上述したように、このシフトレジスタ210にはi個の単位回路2(1)~2(i)が含まれている。なお、図4には、(n-3)段目から(n+4)段目までの単位回路2(n-3)~2(n+4)を示している。以下においては、i個の単位回路2(1)~2(i)を互いに区別する必要がない場合には単位回路に符号2を付す。
【0052】
シフトレジスタ210には、ゲート制御信号GCTLとして、ゲートスタートパルス信号(図4では不図示)とクリア信号(図4では不図示)とゲートクロック信号GCK(GCK1~GCK8)とが与えられる。また、シフトレジスタ210には、ローレベルの直流電源電圧VSSも与えられる。図5は、ゲートクロック信号GCK1~GCK8の波形図である。図5から把握されるように、ゲートクロック信号GCK1~GCK8は8相のクロック信号であって、全てのゲートクロック信号GCK1~GCK8のデューティ比はほぼ50パーセントである。なお、ゲートクロック信号GCK1を基準にすると、図5に示すように、ゲートクロック信号GCKz(zは2~8)の位相はゲートクロック信号GCK1の位相よりも(45×(z-1))度遅れている。
【0053】
各単位回路2は、ゲートクロック信号GCK1~GCK8のいずれかを第1クロック信号CK1として受け取る入力端子と、ゲートクロック信号GCK1~GCK8のいずれかを第2クロック信号CK2として受け取る入力端子と、ゲートクロック信号GCK1~GCK8のいずれかを第3クロック信号CK3として受け取る入力端子と、セット信号Sを受け取る入力端子と、リセット信号Rを受け取る入力端子と、ローレベルの直流電源電圧VSSを受け取る入力端子と、出力信号Qを出力するための出力端子とを含んでいる。
【0054】
ところで、n段目の単位回路2(n)に第1クロック信号CK1として入力されるゲートクロック信号をGCK(n)と表し、ゲートクロック信号GCK(n)よりも位相がK度進んでいるゲートクロック信号をGCK(n-K/45)と表し、ゲートクロック信号GCK(n)よりも位相がK度遅れているゲートクロック信号をGCK(n+K/45)と表すと、8相のゲートクロック信号の波形は図6のように表される。本実施形態においては、n段目の単位回路2(n)には、ゲートクロック信号GCK(n-1)が第2クロック信号CK2として入力され、ゲートクロック信号GCK(n+3)が第3クロック信号CK3として入力される。このように、各単位回路2において、第2クロック信号CK2の位相は第1クロック信号CK1の位相よりも45度進んでおり、第3クロック信号CK3の位相は第1クロック信号CK1の位相よりも135度遅れている。
【0055】
シフトレジスタ210の各段(各単位回路2)の入力端子に与えられる信号は次のようになっている。(n-3)段目の単位回路2(n-3)には、ゲートクロック信号GCK1が第1クロック信号CK1として与えられ、ゲートクロック信号GCK8が第2クロック信号CK2として与えられ、ゲートクロック信号GCK4が第3クロック信号CK3として与えられる。(n-2)段目の単位回路2(n-2)には、ゲートクロック信号GCK2が第1クロック信号CK1として与えられ、ゲートクロック信号GCK1が第2クロック信号CK2として与えられ、ゲートクロック信号GCK5が第3クロック信号CK3として与えられる。(n-1)段目の単位回路2(n-1)には、ゲートクロック信号GCK3が第1クロック信号CK1として与えられ、ゲートクロック信号GCK2が第2クロック信号CK2として与えられ、ゲートクロック信号GCK6が第3クロック信号CK3として与えられる。n段目の単位回路2(n)には、ゲートクロック信号GCK4が第1クロック信号CK1として与えられ、ゲートクロック信号GCK3が第2クロック信号CK2として与えられ、ゲートクロック信号GCK7が第3クロック信号CK3として与えられる。(n+1)段目の単位回路2(n+1)には、ゲートクロック信号GCK5が第1クロック信号CK1として与えられ、ゲートクロック信号GCK4が第2クロック信号CK2として与えられ、ゲートクロック信号GCK8が第3クロック信号CK3として与えられる。(n+2)段目の単位回路2(n+2)には、ゲートクロック信号GCK6が第1クロック信号CK1として与えられ、ゲートクロック信号GCK5が第2クロック信号CK2として与えられ、ゲートクロック信号GCK1が第3クロック信号CK3として与えられる。(n+3)段目の単位回路2(n+3)には、ゲートクロック信号GCK7が第1クロック信号CK1として与えられ、ゲートクロック信号GCK6が第2クロック信号CK2として与えられ、ゲートクロック信号GCK2が第3クロック信号CK3として与えられる。(n+4)段目の単位回路2(n+4)には、ゲートクロック信号GCK8が第1クロック信号CK1として与えられ、ゲートクロック信号GCK7が第2クロック信号CK2として与えられ、ゲートクロック信号GCK3が第3クロック信号CK3として与えられる。このような構成が、シフトレジスタ210の全ての段を通して8段ずつ繰り返される。また、図7に示すように、任意の段(ここではk段目とする:kは1以上i以下の整数である)の単位回路2(k)について、4段前の単位回路2(k-4)から出力される出力信号Q(k-4)がセット信号Sとして与えられ、6段後の単位回路2(k+6)から出力される出力信号Q(k+6)がリセット信号Rとして与えられる。但し、初段側の所定数の単位回路2にはゲートスタートパルス信号がセット信号Sとして与えられ、最終段側の所定数の単位回路2にはクリア信号がリセット信号Rとして与えられる。ゲートスタートパルス信号については、1つだけ用いるようにしても良いし、複数用いるようにしても良い。クリア信号についても同様である。ローレベルの直流電源電圧VSSについては、全ての単位回路2(1)~2(i)に共通的に与えられる。
【0056】
シフトレジスタ210の各段(各単位回路2)の出力端子からは出力信号Qが出力される(図7参照)。任意の段(ここではk段目とする:kは1以上i以下の整数である)から出力される出力信号Qは、走査信号GOUT(k)としてk行目のゲートバスラインGL(k)に与えられるほか、リセット信号Rとして6段前の単位回路2(k-6)に与えられるとともに、セット信号Sとして4段後の単位回路2(k+4)に与えられる。
【0057】
以上のような構成において、シフトレジスタ210の1段目よりも前に設けられたダミー段としての単位回路2にセット信号Sとしてのゲートスタートパルス信号のパルスが与えられると、ゲートクロック信号GCK1~GCK8のクロック動作に基づいて、各単位回路2から出力される出力信号Qに含まれるシフトパルスが1段目の単位回路2(1)からi段目の単位回路2(i)へと順次に転送される。そして、このシフトパルスの転送に応じて、各単位回路2から出力される出力信号Q(走査信号GOUT)が順次にハイレベルとなる。これにより、図8に示すように、所定期間ずつ順次にハイレベル(アクティブ)となる走査信号GOUT(1)~GOUT(i)が表示部400内のゲートバスラインGL(1)~GL(i)に与えられる。すなわち、i本のゲートバスラインGL(1)~GL(i)が順次に選択状態となる。
【0058】
なお、本実施形態においてはゲートクロック信号GCKとしてデューティ比がほぼ50%である8相のクロック信号が用いられているが、ゲートクロック信号GCKのデューティ比および相数については特に限定されない。
【0059】
<2.2 単位回路の構成>
図1は、本実施形態における単位回路2の構成を示す回路図である。なお、図1に示す単位回路2はn段目の単位回路2(n)であると仮定する。図1に示すように、この単位回路2は、10個の薄膜トランジスタT1~T10と、1個のキャパシタ(容量素子)Cとを備えている。また、この単位回路2は、6個の入力端子21~26と1個の出力端子29とを有している。入力端子21には、4段前の単位回路からの出力信号Q(n-4)であるセット信号Sが与えられる。入力端子22には、6段後の単位回路からの出力信号Q(n+6)であるリセット信号Rが与えられる。入力端子23には、ゲートクロック信号GCK1~GCK8の1つが第1クロック信号CK1として与えられる。本実施形態においては、図4に示すように、n段目の単位回路2(n)にはゲートクロック信号GCK4が第1クロック信号CK1として与えられる。入力端子24には、ゲートクロック信号GCK1~GCK8の1つが第2クロック信号CK2として与えられる。本実施形態においては、図4に示すように、n段目の単位回路2(n)にはゲートクロック信号GCK3が第2クロック信号CK2として与えられる。入力端子25には、ゲートクロック信号GCK1~GCK8の1つが第3クロック信号CK3として与えられる。本実施形態においては、図4に示すように、n段目の単位回路2(n)にはゲートクロック信号GCK7が第3クロック信号CK3として与えられる。入力端子26には、ローレベルの直流電源電圧VSSが与えられる。出力端子29からは出力信号Q(n)が出力される。この出力信号Q(n)は、対応するゲートバスラインGL(n)に走査信号GOUT(n)として与えられる。
【0060】
次に、単位回路2内における構成要素間の接続関係について説明する。薄膜トランジスタT1の第2導通端子、薄膜トランジスタT2の第1導通端子、薄膜トランジスタT6の制御端子、薄膜トランジスタT7の制御端子、薄膜トランジスタT8の制御端子、薄膜トランジスタT9の第1導通端子、およびキャパシタCの一端は、第1ノードN1を介して互いに接続されている。薄膜トランジスタT4の第2導通端子、薄膜トランジスタT7の第1導通端子、薄膜トランジスタT9の制御端子、および薄膜トランジスタT10の制御端子は、第2ノードN2を介して互いに接続されている。薄膜トランジスタT3の第2導通端子、薄膜トランジスタT4の制御端子、薄膜トランジスタT5の第1導通端子、および薄膜トランジスタT6の第1導通端子は、第3ノードN3を介して互いに接続されている。
【0061】
薄膜トランジスタT1については、制御端子および第1導通端子は入力端子21に接続され、第2導通端子は第1ノードN1に接続されている。薄膜トランジスタT2については、制御端子は入力端子22に接続され、第1導通端子は第1ノードN1に接続され、第2導通端子は入力端子26に接続されている。薄膜トランジスタT3については、制御端子および第1導通端子は入力端子24に接続され、第2導通端子は第3ノードN3に接続されている。薄膜トランジスタT4については、制御端子は第3ノードN3に接続され、第1導通端子は入力端子24に接続され、第2導通端子は第2ノードN2に接続されている。薄膜トランジスタT5については、制御端子は入力端子25に接続され、第1導通端子は第3ノードN3に接続され、第2導通端子は入力端子26に接続されている。薄膜トランジスタT6については、制御端子は第1ノードN1に接続され、第1導通端子は第3ノードN3に接続され、第2導通端子は入力端子26に接続されている。薄膜トランジスタT7については、制御端子は第1ノードN1に接続され、第1導通端子は第2ノードN2に接続され、第2導通端子は入力端子26に接続されている。薄膜トランジスタT8については、制御端子は第1ノードN1に接続され、第1導通端子は入力端子23に接続され、第2導通端子は出力端子29に接続されている。なお、薄膜トランジスタT8は「バッファトランジスタ」と呼ばれている。薄膜トランジスタT9については、制御端子は第2ノードN2に接続され、第1導通端子は第1ノードN1に接続され、第2導通端子は入力端子26に接続されている。薄膜トランジスタT10については、制御端子は第2ノードN2に接続され、第1導通端子は出力端子29に接続され、第2導通端子は入力端子26に接続されている。キャパシタCについては、一端は第1ノードN1に接続され、他端は出力端子29に接続されている。
【0062】
単位回路2は、機能的には、自段よりも前の段を構成する単位回路2の出力端子29から出力された出力信号Qに基づいて第1ノードN1の電位をハイレベル(オンレベル)に向けて変化させるための第1ノードプルアップ部201と、自段よりも後の段を構成する単位回路2の出力端子29から出力された出力信号Qに基づいて第1ノードN1の電位をローレベル(オフレベル)に向けて変化させるための第1の第1ノードプルダウン部202と、非選択期間中に出力端子29の電位を確実にローレベルで維持するための安定化回路203と、第1ノードN1の電位に基づいて第1クロック信号CK1の電位を出力端子29に与える出力制御部204と、第2ノードN2の電位に基づいて第1ノードN1の電位をローレベルに向けて変化させるための第2の第1ノードプルダウン部205と、第2ノードN2の電位に基づいて出力端子29の電位をローレベルに向けて変化させるための出力プルダウン部206とを含んでいる。第1ノードプルアップ部201は、薄膜トランジスタT1を含んでいる。第1の第1ノードプルダウン部202は、薄膜トランジスタT2を含んでいる。安定化回路203は、薄膜トランジスタT3~T7を含んでいる。出力制御部204は、薄膜トランジスタT8を含んでいる。第2の第1ノードプルダウン部205は、薄膜トランジスタT9を含んでいる。出力プルダウン部206は、薄膜トランジスタT10を含んでいる。
【0063】
次に、各構成要素(薄膜トランジスタT1~T10およびキャパシタC)の機能について説明する。薄膜トランジスタT1は、セット信号Sがハイレベルになっているときに、第1ノードN1の電位をハイレベルに向けて変化させる。薄膜トランジスタT2は、リセット信号Rがハイレベルになっているときに、第1ノードN1の電位をローレベルに向けて変化させる。薄膜トランジスタT3は、第2クロック信号CK2がハイレベルになっているときに、第3ノードN3の電位をハイレベルに向けて変化させる。薄膜トランジスタT4は、第3ノードN3の電位がハイレベルになっているときに、第2クロック信号CK2のレベルに応じて第2ノードN2の電位を制御する。薄膜トランジスタT5は、第3クロック信号CK3がハイレベルになっているときに、第3ノードN3の電位をローレベルに向けて変化させる。薄膜トランジスタT6は、第1ノードN1の電位がハイレベルになっているときに、第3ノードN3の電位をローレベルに向けて変化させる。薄膜トランジスタT7は、第1ノードN1の電位がハイレベルになっているときに、第2ノードN2の電位をローレベルに向けて変化させる。薄膜トランジスタT8は、第1ノードN1の電位がハイレベルになっているときに、第1クロック信号CK1の電位を出力端子29に与える。薄膜トランジスタT9は、第2ノードN2の電位がハイレベルになっているときに、第1ノードN1の電位をローレベルに向けて変化させる。薄膜トランジスタT10は、第2ノードN2の電位がハイレベルになっているときに、出力端子29の電位をローレベルに向けて変化させる。キャパシタCは、第1ノードN1の電位を上昇させるためのブースト容量として機能する。
【0064】
なお、本実施形態においては、薄膜トランジスタT1によって第1ノードプルアップトランジスタが実現され、薄膜トランジスタT2によって第1の第1ノードプルダウントランジスタが実現され、薄膜トランジスタT3によって第3ノードプルアップトランジスタが実現され、薄膜トランジスタT4によって第2ノードプルアップトランジスタが実現され、薄膜トランジスタT5によって第2の第3ノードプルダウントランジスタが実現され、薄膜トランジスタT6によって第1の第3ノードプルダウントランジスタが実現され、薄膜トランジスタT7によって第1の第2ノードプルダウントランジスタが実現され、薄膜トランジスタT8によって第1出力制御トランジスタが実現され、薄膜トランジスタT9によって安定化トランジスタである第2の第1ノードプルダウントランジスタが実現され、薄膜トランジスタT10によって安定化トランジスタである第1出力ノードプルダウントランジスタが実現され、出力端子29によって第1出力ノードが実現されている。
【0065】
<2.3 単位回路の動作>
次に、図9に示す信号波形図を参照しつつ、単位回路2の動作について説明する。液晶表示装置が動作している期間中、デューティ比がほぼ50%である第1~第3クロック信号CK1~CK3が単位回路2に与えられる。上述したように、第2クロック信号CK2の位相は第1クロック信号CK1の位相よりも45度進んでおり、第3クロック信号CK3の位相は第1クロック信号CK1の位相よりも135度遅れている。なお、ここでは、n段目の単位回路2(n)に着目している。
【0066】
時刻t11の直前の時点には、セット信号Sはローレベル、出力信号Q(n)はローレベル、リセット信号Rはローレベル、第1ノードN1の電位はローレベル、第2ノードN2の電位はハイレベル、第3ノードN3の電位はローレベルである。
【0067】
時刻t11になると、セット信号Sがローレベルからハイレベルに変化する。薄膜トランジスタT1は図1に示すようにダイオード接続となっているので、このセット信号Sのパルスによって薄膜トランジスタT1がオン状態となり、第1ノードN1の電位が上昇する。これにより、薄膜トランジスタT6,T7,およびT8がオン状態となる。薄膜トランジスタT7がオン状態となることによって、第2ノードN2の電位がローレベルとなる。なお、時刻t11から時刻t12までの期間には、第1クロック信号CK1はローレベルであるので、薄膜トランジスタT8がオン状態となっていても出力信号Q(n)はローレベルで維持される。また、後述するように、第1ノードN1の電位は時刻t14までハイレベルで維持される。すなわち、時刻t11から時刻t14までの期間には、第1ノードN1の電位はハイレベルで維持される。従って、この期間中、薄膜トランジスタT7および薄膜トランジスタT6はオン状態で維持され、第3ノードN3の電位および第2ノードN2の電位はローレベルで維持される。
【0068】
時刻t12になると、第1クロック信号CK1がローレベルからハイレベルに変化する。このとき、薄膜トランジスタT8はオン状態であるので、入力端子23の電位の上昇とともに出力端子29の電位が上昇する。ここで、図1に示すように第1ノードN1-出力端子29間にはキャパシタCが設けられているので、出力端子29の電位の上昇とともに第1ノードN1の電位も上昇する(第1ノードN1がブースト状態となる)。その結果、薄膜トランジスタT8の制御端子には大きな電圧が印加され、この出力端子29に接続されているゲートバスラインGL(n)が選択状態となるのに充分なレベルにまで出力信号Q(n)の電位が上昇する。なお、時刻t12から時刻t13までの期間には、リセット信号Rはローレベルで維持され、第2ノードN2の電位もローレベルで維持される。従って、この期間中、薄膜トランジスタT2および薄膜トランジスタT10はオフ状態で維持され、第1ノードN1の電位および出力信号Q(n)の電位(出力端子29の電位)が低下することはない。
【0069】
時刻t13になると、第1クロック信号CK1がハイレベルからローレベルに変化する。これにより、入力端子23の電位の低下とともに出力端子29の電位が低下する。すなわち、出力信号Q(n)の電位がローレベルとなる。また、キャパシタCを介して第1ノードN1の電位が低下する。
【0070】
時刻t14になると、リセット信号Rがローレベルからハイレベルに変化する。これにより、薄膜トランジスタT2がオン状態となり、第1ノードN1の電位がローレベルとなる。第1ノードN1の電位がローレベルとなることによって、薄膜トランジスタT6,T7,およびT8はオフ状態となる。
【0071】
時刻t15になると、第2クロック信号CK2がローレベルからハイレベルに変化する。これにより、薄膜トランジスタT3がオン状態となる。また、時刻t15には、第3クロック信号CK3がハイレベルからローレベルに変化する。これにより、薄膜トランジスタT5がオフ状態となる。このとき、薄膜トランジスタT6はオフ状態である。以上より、時刻t15には、第3ノードN3の電位がローレベルからハイレベルに変化する。これにより、薄膜トランジスタT4がオン状態となる。このとき、薄膜トランジスタT7はオフ状態である。従って、時刻t15には、第2ノードN2の電位がローレベルからハイレベルに変化する。
【0072】
時刻t16になると、第2クロック信号CK2がハイレベルからローレベルに変化するとともに第3クロック信号CK3がローレベルからハイレベルに変化する。このように、薄膜トランジスタT3の制御端子に与えられる第2クロック信号CK2がハイレベル(オンレベル)からローレベル(オフレベル)に変化するタイミングで、薄膜トランジスタT5の制御端子に与えられる第3クロック信号CK3がローレベル(オフレベル)からハイレベル(オンレベル)に変化する。これにより、薄膜トランジスタT3がオフ状態となり、薄膜トランジスタT5がオン状態となる。以上より、時刻t16には、第3ノードN3の電位がハイレベルからローレベルに変化する。このとき、薄膜トランジスタT4がオフ状態となるので、第2ノードN2の電位はハイレベルで維持される。
【0073】
時刻t17になると、第2クロック信号CK2がローレベルからハイレベルに変化する。これにより、薄膜トランジスタT3がオン状態となる。また、時刻t17には、第3クロック信号CK3がハイレベルからローレベルに変化する。これにより、薄膜トランジスタT5がオフ状態となる。このとき、薄膜トランジスタT6はオフ状態である。以上より、時刻t17には、第3ノードN3の電位がローレベルからハイレベルに変化する。これにより、薄膜トランジスタT4がオン状態となり、入力端子24から第2ノードN2に電荷が供給される。このため、仮に薄膜トランジスタT7や薄膜トランジスタT9で電荷のリークが生じていても、第2ノードN2の電位はハイレベルで維持される。
【0074】
非選択期間には、上記のように、第3ノードN3の電位についてはローレベルからハイレベルへの変化とハイレベルからローレベルへの変化とが繰り返され、第2ノードN2の電位についてはハイレベルで維持される。これにより、非選択期間を通じて、第1ノードN1の電位および出力信号Q(n)の電位(出力端子29の電位)はローレベルで維持される。
【0075】
以上のような動作が各単位回路2で行われることによって、この液晶表示装置に設けられている複数本(i本)のゲートバスラインGL(1)~GL(i)が順次に選択状態となり、画素容量46への映像信号の書き込みが順次に行われる。これにより、外部から送られた画像信号DATに基づく画像が表示部400に表示される(図2参照)。
【0076】
なお、本実施形態においてはゲートクロック信号GCKとして8相のクロック信号が用いられているが、上述したようにゲートクロック信号GCKの相数については特に限定されない。これに関し、例えば、Pを自然数としてP相のクロック信号が用いられている場合には、薄膜トランジスタT3の制御端子には、薄膜トランジスタT8の第1導通端子に与えられるクロック信号よりも位相が(360/P)度進んでいるクロック信号が与えられる。
【0077】
<2.4 トランジスタサイズおよび配線>
ここで、図1に示す単位回路2内の薄膜トランジスタのサイズおよびゲートドライバ200への配線について説明する。
【0078】
薄膜トランジスタT3については、第3ノードN3を充電するための素子である。選択期間において第1ノードN1の電位がハイレベルで維持される際、第3ノードN3の電位はローレベルであることが望まれる。第3ノードN3のプルアップトランジスタである薄膜トランジスタT3と第3ノードN3のプルダウントランジスタである薄膜トランジスタT6が同時にオン状態となっているときに薄膜トランジスタT3によるプルアップ効果よりも薄膜トランジスタT6によるプルダウン効果が大きく得られるよう、薄膜トランジスタT3のチャネル長は他の薄膜トランジスタのチャネル長よりも長くされている。薄膜トランジスタT3のチャネル幅は、薄膜トランジスタT4,T5のチャネル幅と同じにされている。
【0079】
上述したように非選択期間を通じて第2ノードN2の電位はハイレベルで維持されるので(図9参照)、薄膜トランジスタT4の充電能力の高低は特に問われない。また、薄膜トランジスタT5については、第3ノードN3を放電するための素子であるが、高い放電能力は必要とされない。以上より、回路面積が小さくなるよう、薄膜トランジスタT4および薄膜トランジスタT5については、この単位回路2に設けられている薄膜トランジスタT1~T10の中で最小のサイズとされている。
【0080】
液晶パネル5を構成するアクティブマトリクス基板上の領域は、模式的には図10に示すように、複数個(i×j個)の画素形成部4が形成されている表示領域と、シフトレジスタ210が形成されているシフトレジスタ領域と、ゲートクロック信号GCK1~GCK8を伝達するクロック信号用幹配線51およびローレベルの直流電源電圧VSSを伝達する電源電圧用幹配線52が形成されている幹配線領域とを含んでいる。クロック信号用幹配線51および電源電圧用幹配線52は、ソースメタル(ソースバスラインSLを形成している金属膜)によって形成されている。ここで、薄膜トランジスタT5の制御端子にゲートクロック信号GCKを与えるための配線として、一端が複数のクロック信号用幹配線51の1つに接続され他端が薄膜トランジスタT5の制御端子に接続されたクロック信号用枝配線53が図10に示すように設けられている。クロック信号用枝配線53は、ゲートメタル(ゲートバスラインGLを形成している金属膜)によって形成されている。なお、クロック信号用枝配線53は、複数のクロック信号用幹配線51の1つと、幹配線領域においてコンタクトホール55を介して接続されている。また、単位回路2の入力端子26にローレベルの直流電源電圧VSSを与えるための配線として、一端が電源電圧用幹配線52に接続され他端が入力端子26に接続された電源電圧用枝配線54が図10に示すように設けられている。電源電圧用枝配線54は、ソースメタルによって形成されている。
【0081】
上述したように、第2クロック信号CK2の位相は第1クロック信号CK1の位相よりも45度進んでいる。従って、例えばn段目の単位回路2(n)に含まれている薄膜トランジスタT3の制御端子および第1導通端子に第2クロック信号CK2として与えられるゲートクロック信号GCKと(n-1)段目の単位回路2(n-1)に含まれている薄膜トランジスタT8の第1導通端子に第1クロック信号CK1として与えられるゲートクロック信号GCKとは同一の信号である。このことを考慮して、本実施形態においては、n段目の単位回路2(n)に含まれている薄膜トランジスタT3の制御端子および第1導通端子にゲートクロック信号GCKを与えるための配線(枝配線)と(n-1)段目の単位回路2(n-1)に含まれている薄膜トランジスタT8の第1導通端子にゲートクロック信号GCKを与えるための配線(枝配線)とが1本の配線(枝配線)によって実現されている。具体的には、模式的には図11に示すように、(n-1)段目の単位回路2(n-1)に含まれている薄膜トランジスタT8の第1導通端子と、n段目の単位回路2(n)に含まれている薄膜トランジスタT3の制御端子および第1導通端子とは、一端が複数のクロック信号用幹配線51の1つに接続された同一のクロック信号用枝配線56に接続されている。なお、クロック信号用枝配線56は、ゲートメタルによって形成され、複数のクロック信号用幹配線51の1つと幹配線領域においてコンタクトホール57を介して接続されている。
【0082】
本実施形態においては、図10および図11に示すようなレイアウトを採用することによって、回路面積の増大が抑制されている。なお、ソースメタルによって第1の金属膜が実現され、ゲートメタルによって第2の金属膜が実現されている。
【0083】
<3.効果>
本実施形態によれば、ゲートドライバ200内のシフトレジスタ210の各段を構成する単位回路2に、複数のゲートクロック信号GCKの1つが与えられる制御端子と第3ノードN3に接続された第1導通端子とローレベルの直流電源電圧VSSが与えられる第2導通端子とを有する薄膜トランジスタT5が設けられる。薄膜トランジスタT3の制御端子および第1導通端子に与えられるゲートクロック信号GCK(第2クロック信号CK2)と薄膜トランジスタT5の制御端子に与えられるゲートクロック信号GCK(第3クロック信号CK3)とは位相が180度ずれている。従って、非選択期間中、第3ノードN3の電位は、ローレベルからハイレベルへの変化とハイレベルからローレベルへの変化とを繰り返す。また、第2クロック信号CK2がハイレベルからローレベルに変化するタイミングで第3クロック信号CK3がローレベルからハイレベルに変化するので、第2クロック信号CK2がローレベルとなっている期間には、第3ノードN3の電位はローレベルであり、薄膜トランジスタT4はオフ状態で維持される。以上より、非選択期間を通じて第2ノードN2の電位はハイレベルで維持される。すなわち、第2ノードN2の充放電が過剰に行われることが抑止される。その結果、消費電力が低減される。また、薄膜トランジスタT9,T10が非選択期間中にオン状態からオフ状態への変化とオフ状態からオン状態への変化とを繰り返すことが抑止されるので、薄膜トランジスタT9,T10の劣化が抑制される。これにより、第1ノードN1の電位をローレベルへと引き込むプルダウン機能の働きおよび出力端子29の電位をローレベルへと引き込むプルダウン機能の働きが安定化する。以上のように、本実施形態によれば、ゲートドライバ200(モノリシックゲートドライバ)の消費電力の低減および動作の安定化が実現される。
【0084】
<4.変形例>
以下、単位回路2の構成の変形例について説明する。
【0085】
<4.1 第1の変形例>
図12は、上記実施形態の第1の変形例における単位回路2の構成を示す回路図である。本変形例における単位回路2には、上記実施形態における単位回路2(図1参照)とは異なり、薄膜トランジスタT9が設けられていない。このように薄膜トランジスタT9が設けられていないので、非選択期間中に第1クロック信号CK1のクロック動作等に起因して第1ノードN1にノイズが生じても、当該第1ノードN1の電位はローレベルへと引き込まれない。それ故、非選択期間中における第1ノードN1の電位が不安定になる可能性はある。しかしながら、薄膜トランジスタT9が設けられていないことから、上記実施形態に比べて回路面積を小さくすることができるという効果が得られる。
【0086】
<4.2 第2の変形例>
図13は、上記実施形態の第2の変形例における単位回路2の構成を示す回路図である。本変形例における単位回路2には、上記実施形態における単位回路2(図1参照)とは異なり、薄膜トランジスタT10が設けられていない。このように薄膜トランジスタT10が設けられていないので、非選択期間中に例えばノイズによって出力端子29の電位に変動が生じても、出力端子29の電位はローレベルへと引き込まれない。それ故、非選択期間中における出力端子29の電位(出力信号Qの電位)が不安定になる可能性はある。しかしながら、薄膜トランジスタT10が設けられていないことから、上記実施形態に比べて回路面積を小さくすることができるという効果が得られる。
【0087】
<4.3 第3の変形例>
図14は、上記実施形態の第3の変形例における単位回路2の構成を示す回路図である。本変形例における単位回路2には、上記実施形態における単位回路2(図1参照)の構成要素に加えて、薄膜トランジスタT11が設けられている。その薄膜トランジスタT11については、制御端子は入力端子21に接続され、第1導通端子は第2ノードN2に接続され、第2導通端子は入力端子26に接続されている。薄膜トランジスタT11は、セット信号Sがハイレベルになっているときに、第2ノードN2の電位をローレベルに向けて変化させる。なお、薄膜トランジスタT11によって第2の第2ノードプルダウントランジスタが実現される。
【0088】
本変形例によれば、薄膜トランジスタT7および薄膜トランジスタT11を介して第2ノードN2の電荷が放電される。従って、図9の時刻t11において第2ノードN2の電位がハイレベルからローレベルへと確実に引き込まれる。これにより、ゲートドライバ200の動作が、より安定化する。
【0089】
<4.4 第4の変形例>
図15は、上記実施形態の第4の変形例における単位回路2の構成を示す回路図である。本変形例においては、薄膜トランジスタT3の制御端子および第1導通端子が入力端子23に接続されている。それ故、この単位回路2には、入力端子24が設けられていない。薄膜トランジスタT3の制御端子および第1導通端子と薄膜トランジスタT8の第1導通端子とには、同じゲートクロック信号が第1クロック信号CK1として与えられる。また、後述するように、薄膜トランジスタT3の制御端子に与えられる第1クロック信号CK1がハイレベルからローレベルに変化するタイミングで、薄膜トランジスタT5の制御端子に与えられる第3クロック信号CK3がローレベルからハイレベルに変化する。これに関し、例えば、各クロック信号のデューティ比が50%であって、第3クロック信号CK3の位相が第1クロック信号CK1の位相よりも180度遅れている(図16参照)。
【0090】
図16を参照しつつ、本変形例における単位回路2の動作について説明する。なお、ここでも、n段目の単位回路2(n)に着目する。時刻t21の直前の時点には、セット信号Sはローレベル、出力信号Q(n)はローレベル、リセット信号Rはローレベル、第1ノードN1の電位はローレベル、第2ノードN2の電位はハイレベル、第3ノードN3の電位はハイレベルである。
【0091】
時刻t21になると、セット信号Sがローレベルからハイレベルに変化する。これにより、上記実施形態(図9参照)における時刻t11と同様に、第1ノードN1の電位は上昇し、第2ノードN2の電位がローレベルとなる。また、時刻t21には、第1クロック信号CK1がハイレベルからローレベルに変化し、第3クロック信号CK3がローレベルからハイレベルに変化する。これにより、薄膜トランジスタT3はオフ状態となり、薄膜トランジスタT5はオン状態となる。その結果、第3ノードN3の電位がローレベルとなる。時刻t22、時刻t23、および時刻t24については、上記実施形態における時刻t12、時刻t13、および時刻t14と同様に動作する。
【0092】
時刻t25になると、第1クロック信号CK1がローレベルからハイレベルに変化する。これにより、薄膜トランジスタT3がオン状態となる。また、時刻t25には、第3クロック信号CK3がハイレベルからローレベルに変化する。これにより、薄膜トランジスタT5がオフ状態となる。以上より、上記実施形態における時刻t15と同様に、第3ノードN3の電位および第2ノードN2の電位がローレベルからハイレベルに変化する。
【0093】
時刻t26になると、第1クロック信号CK1がハイレベルからローレベルに変化するとともに第3クロック信号CK3がローレベルからハイレベルに変化する。このように、薄膜トランジスタT3の制御端子に与えられる第1クロック信号CK1がハイレベル(オンレベル)からローレベル(オフレベル)に変化するタイミングで、薄膜トランジスタT5の制御端子に与えられる第3クロック信号CK3がローレベル(オフレベル)からハイレベル(オンレベル)に変化する。これにより、薄膜トランジスタT3がオフ状態となり、薄膜トランジスタT5がオン状態となる。以上より、時刻t26には、第3ノードN3の電位がハイレベルからローレベルに変化する。このとき、薄膜トランジスタT4がオフ状態となるので、第2ノードN2の電位はハイレベルで維持される。
【0094】
時刻t27になると、第1クロック信号CK1がローレベルからハイレベルに変化する。これにより、薄膜トランジスタT3がオン状態となる。また、時刻t27には、第3クロック信号CK3がハイレベルからローレベルに変化する。これにより、薄膜トランジスタT5がオフ状態となる。以上より、上記実施形態における時刻t17と同様に、第3ノードN3の電位がローレベルからハイレベルに変化し、薄膜トランジスタT4を介して入力端子24から第2ノードN2に電荷が供給される。
【0095】
以上のように、本変形例においても、非選択期間には第2ノードN2の電位はハイレベルで維持される。従って、非選択期間を通じて、第1ノードN1の電位および出力信号Q(n)の電位(出力端子29の電位)はローレベルで維持される。
【0096】
以上のような本変形例によれば、薄膜トランジスタT3の制御端子および第1導通端子にゲートクロック信号GCKを与えるための配線(枝配線)と薄膜トランジスタT8の第1導通端子にゲートクロック信号GCKを与えるための配線(枝配線)とを1本の配線(枝配線)によって実現することが可能となる。これにより、回路面積を低減する効果や配線の交差部を少なくする効果が得られる。なお、上記実施形態と同様の効果も得られる。
【0097】
<4.5 第5の変形例>
図17は、上記実施形態の第5の変形例における単位回路2の構成を示す回路図である。本変形例においては、薄膜トランジスタT5の構成が上記実施形態とは異なっている。本変形例における薄膜トランジスタT5については、制御端子および第1導通端子は第3ノードN3に接続され、第2導通端子は入力端子24に接続されている。それ故、この単位回路2には、入力端子25が設けられていない。薄膜トランジスタT3の制御端子および第1導通端子と薄膜トランジスタT5の第2導通端子とには、同じゲートクロック信号GCKが第2クロック信号CK2として与えられる。
【0098】
図18を参照しつつ、本変形例における単位回路2の動作について説明する。なお、ここでも、n段目の単位回路2(n)に着目する。時刻t34以前の期間には、上記実施形態(図9参照)における時刻t14以前の期間と同様に動作する。
【0099】
時刻t35になると、第2クロック信号CK2がローレベルからハイレベルに変化する。これにより、薄膜トランジスタT3がオン状態となる。また、薄膜トランジスタT5の第2導通端子の電位が上昇するので、薄膜トランジスタT5はオフ状態で維持される。このとき、第1ノードN1の電位はローレベルであるので、薄膜トランジスタT6はオフ状態である。以上より、時刻t35には、第3ノードN3の電位がローレベルからハイレベルに変化する。これにより、薄膜トランジスタT4がオン状態となる。このとき、薄膜トランジスタT7はオフ状態である。従って、時刻t35には、第2ノードN2の電位がローレベルからハイレベルに変化する。
【0100】
時刻t36になると、第2クロック信号CK2がハイレベルからローレベルに変化する。これにより、薄膜トランジスタT3がオフ状態となる。また、薄膜トランジスタT5の第2導通端子の電位が低下することによって、薄膜トランジスタT5がオン状態となって第3ノードN3の電位が低下する。これにより、薄膜トランジスタT4がオフ状態となる。従って、第2ノードN2の電位はハイレベルで維持される。
【0101】
時刻t37になると、第2クロック信号CK2がローレベルからハイレベルに変化する。これにより、時刻t35と同様、第3ノードN3の電位がローレベルからハイレベルに変化する。これにより、薄膜トランジスタT4がオン状態となる。このとき、薄膜トランジスタT7はオフ状態である。以上より、薄膜トランジスタT4を介して入力端子24から第2ノードN2に電荷が供給される。
【0102】
以上のように、本変形例においても、非選択期間には第2ノードN2の電位はハイレベルで維持される。従って、非選択期間を通じて、第1ノードN1の電位および出力信号Q(n)の電位(出力端子29の電位)はローレベルで維持される。
【0103】
以上のような本変形例によれば、薄膜トランジスタT3の制御端子および第1導通端子にゲートクロック信号GCKを与えるための配線(枝配線)と薄膜トランジスタT5の第2導通端子にゲートクロック信号GCKを与えるための配線(枝配線)とを1本の配線(枝配線)によって実現することが可能となる。これにより、回路面積を低減する効果や配線の交差部を少なくする効果が得られる。なお、上記実施形態と同様の効果も得られる。
【0104】
<4.6 第6の変形例>
上記実施形態および上記第1~第5の変形例においては、1つの出力端子29からの出力信号が、対応するゲートバスラインGLに走査信号GOUTとして与えられ、自段よりも6段前の単位回路2にリセット信号Rとして与えられ、自段よりも4段後の単位回路2にセット信号Sとして与えられていた。すなわち、走査信号GOUTと他の段の動作を制御するための信号(以下、便宜上「他段制御信号」という。)とが同じ出力端子29から出力されていた。しかしながら、これには限定されず、単位回路2に関し、走査信号GOUTと他段制御信号とが異なる出力端子から出力される構成(本変形例の構成)を採用することもできる。
【0105】
図19は、本変形例における単位回路2の構成を示す回路図である。なお、ここでは上記第3の変形例の構成(図14参照)における出力端子29を2つの出力端子29a,29bに分離させた構成を例示しているが、これには限定されない。
【0106】
図19に示すように、本変形例における単位回路2には、2個の出力端子29a,29bが含まれている。それに対応して、出力制御部204は2個の薄膜トランジスタT8a,T8bを含んでおり、出力プルダウン部206は2個の薄膜トランジスタT10a,T10bを含んでいる。それら以外の点については、上記第3の変形例と同様である。
【0107】
出力端子29aからは出力信号Q(n)が出力され、出力端子29bからは出力信号G(n)が出力される。出力信号Q(n)は、他段制御信号として他の段を構成する単位回路2に与えられる。詳しくは、n段目の単位回路2(n)の出力端子29aから出力された出力信号Q(n)は、(n-6)段目の単位回路2(n-6)にリセット信号Rとして与えられるとともに、(n+4)段目の単位回路2(n+4)にセット信号Sとして与えられる。出力信号G(n)は、対応するゲートバスラインGL(n)に走査信号GOUT(n)として与えられる。以上より、本変形例においては、各単位回路2の入出力信号は図20に示すようなものとなる。但し、図20では、図7と同様、kを1以上i以下の整数としてk段目の単位回路2(k)に着目している。
【0108】
薄膜トランジスタT8aについては、制御端子は第1ノードN1に接続され、第1導通端子は入力端子23に接続され、第2導通端子は出力端子29aに接続されている。薄膜トランジスタT8bについては、制御端子は第1ノードN1に接続され、第1導通端子は入力端子23に接続され、第2導通端子は出力端子29bに接続されている。以上より、薄膜トランジスタT8aの第1導通端子と薄膜トランジスタT8bの第1導通端子とには、同一のクロック信号である第1クロック信号CK1が与えられる。薄膜トランジスタT10aについては、制御端子は第2ノードN2に接続され、第1導通端子は出力端子29aに接続され、第2導通端子は入力端子26に接続されている。薄膜トランジスタT10bについては、制御端子は第2ノードN2に接続され、第1導通端子は出力端子29bに接続され、第2導通端子は入力端子26に接続されている。
【0109】
なお、本変形例においては、出力端子29bによって第1出力ノードが実現され、出力端子29aによって第2出力ノードが実現され、薄膜トランジスタT8bによって第1出力制御トランジスタが実現され、薄膜トランジスタT8aによって第2出力制御トランジスタが実現されている。
【0110】
図21を参照しつつ、本変形例における単位回路2の動作について説明する。なお、ここでも、n段目の単位回路2(n)に着目する。
【0111】
時刻t41の直前の時点には、セット信号Sはローレベル、出力信号Q(n),G(n)はローレベル、リセット信号Rはローレベル、第1ノードN1の電位はローレベル、第2ノードN2の電位はハイレベル、第3ノードN3の電位はローレベルである。
【0112】
時刻t41になると、セット信号Sがローレベルからハイレベルに変化する。これにより、上記実施形態における時刻t11と同様、第1ノードN1の電位が上昇する。その結果、薄膜トランジスタT6,T7,T8a,T8b,およびT11がオン状態となる。薄膜トランジスタT7,T11がオン状態となることによって、第2ノードN2の電位がローレベルとなる。なお、時刻t41から時刻t42までの期間には、第1クロック信号CK1はローレベルであるので、薄膜トランジスタT8a,T8bがオン状態となっていても出力信号Q(n),G(n)はローレベルで維持される。また、上記実施形態における時刻t11から時刻t14までの期間と同様、時刻t41から時刻t44までの期間には第3ノードN3の電位および第2ノードN2の電位はローレベルで維持される。
【0113】
時刻t42になると、第1クロック信号CK1がローレベルからハイレベルに変化する。このとき、薄膜トランジスタT8a,T8bはオン状態であるので、入力端子23の電位の上昇とともに出力端子29a,29bの電位が上昇する。ここで、図1に示すように第1ノードN1-出力端子29b間にはキャパシタCが設けられているので、出力端子29bの電位の上昇とともに第1ノードN1の電位も上昇する(第1ノードN1がブースト状態となる)。その結果、薄膜トランジスタT8bの制御端子には大きな電圧が印加され、この出力端子29bに接続されているゲートバスラインGL(n)が選択状態となるのに充分なレベルにまで出力信号G(n)の電位が上昇する。同様に、出力信号Q(n)の電位も上昇する。なお、時刻t42から時刻t43までの期間には、リセット信号Rはローレベルで維持され、第2ノードN2の電位もローレベルで維持される。従って、この期間中、薄膜トランジスタT2および薄膜トランジスタT10a,T10bはオフ状態で維持され、第1ノードN1の電位および出力信号Q(n),G(n)の電位(出力端子29a,29bの電位)が低下することはない。
【0114】
時刻t43になると、第1クロック信号CK1がハイレベルからローレベルに変化する。これにより、入力端子23の電位の低下とともに出力端子29a,29bの電位が低下する。すなわち、出力信号Q(n),G(n)の電位がローレベルとなる。また、キャパシタCを介して第1ノードN1の電位が低下する。
【0115】
時刻t44になると、リセット信号Rがローレベルからハイレベルに変化する。これにより、薄膜トランジスタT2がオン状態となり、第1ノードN1の電位がローレベルとなる。第1ノードN1の電位がローレベルとなることによって、薄膜トランジスタT6,T7,T8a,T8b,およびT11はオフ状態となる。
【0116】
時刻t45になると、上記実施形態における時刻t15と同様、第3ノードN3の電位および第2ノードN2の電位がローレベルからハイレベルに変化する。時刻t46以降の期間には、上記実施形態における時刻t16以降の期間と同様に動作する
【0117】
本変形例においても、非選択期間には、第3ノードN3の電位についてはローレベルからハイレベルへの変化とハイレベルからローレベルへの変化とが繰り返され、第2ノードN2の電位についてはハイレベルで維持される。これにより、非選択期間を通じて、第1ノードN1の電位および出力信号Q(n),G(n)の電位(出力端子29a,29bの電位)はローレベルで維持される。
【0118】
本変形例によれば、単位回路2内の出力制御部204には2個の薄膜トランジスタT8a,T8bが含まれており(図19参照)、薄膜トランジスタT8aの第2導通端子に接続された出力端子29aからは他段制御信号が出力され、薄膜トランジスタT8bの第2導通端子に接続された出力端子29bからは走査信号GOUTが出力される。このような構成が採用されているので、ゲートバスラインGLの負荷容量が大きい場合であっても、他段制御信号(セット信号S、リセット信号R)の波形なまりを小さくすることができる。このように、シフトレジスタ210に関して、回路動作の高速化が可能となり、回路動作の信頼性が向上する。
【0119】
<5.その他>
以上において本発明を詳細に説明したが、以上の説明は全ての面で例示的なものであって制限的なものではない。多数の他の変更や変形が本発明の範囲を逸脱することなく案出可能であると了解される。
【符号の説明】
【0120】
2,2(1)~2(i)…単位回路
4…画素形成部
5…液晶パネル
40…薄膜トランジスタ(画素TFT)
200…ゲートドライバ
203…安定化回路
210…シフトレジスタ
400…表示部
T1~T11,T8a,T8b,T10a,T10b…単位回路内の薄膜トランジスタ
CK1~CK3…第1~第3クロック信号
GCK1~GCK8…ゲートクロック信号
GL,GL(1)~GL(i)…ゲートバスライン
GOUT,GOUT(1)~GOUT(i)…走査信号
N1~N3…第1~第3ノード
R…リセット信号
S…セット信号
VSS…ローレベルの直流電源電圧
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23